スリーブおよびガスケットを備えたパイプクランプ
バンドと、バンドのための締結機構と、バンドの内側にあるスプリットスリーブと、スプリットスリーブの周方向の溝の内部に位置するガスケットとを備えたパイプクランプ。スプリットスリーブは、さねはぎ継手を含み、このさねはぎ継手の凸部が有する少なくとも1つの側端部は、外側のバンドを締結機構を用いて締付けたことに応じてさねはぎ継手の凸部がさねはぎ継手の凹部に挿入される間、凹部の側端部と対向し係合する。これにより金属間シールがさねはぎ継手に与えられる。上記凸部と凹部の相対的構造により、凸部が凹部に挿入される間、対向する凸部の側端部と凹部の側端部との間に空間分離領域が存在する。また、締付けている間、ガスケットが強制的にこの空間分離領域に押込まれることにより、第2の、ガスケット付きシールがさねはぎ継手に与えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、概してパイプクランプに関し、より特定的にはパイプ間の気密接続を与えるためのスリーブとガスケットとを含むパイプクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
パイプクランプは一般的に、排気系におけるさまざまな構造のパイプおよびその他の筒状体を接合するために使用される。パイプ間の接合部が有効であるためには、この接合部が、液密シールを与える必要があり、許容できる漏れ率を保つ必要があり、かつ、軸方向の分離に対して十分な抵抗力を有している必要がある。パイプクランプの一種として、入れ子式に重なり合うパイプに使用されるバンドクランプがあり、別の種類として、端部と端部とを突き合わせるまたは密着させるパイプに使用されるパイプ連結器がある。どちらの種類のパイプクランプも、典型的にはこれらパイプの上に配置して締めるバンドを含み、どちらの種類のパイプクランプも、このバンドの下においてパイプの上に配置して締めるスリーブ、ガスケット、またはスリーブとガスケットとを含むことができる。このスリーブは、周方向の端部同士が向い合う、開ループ構造のスプリットスリーブでもよい。この向い合う端部は、さねはぎ構造を有することがある。さねはぎ構造を有するスプリットスリーブおよびさねはぎ構造を有さないスプリットスリーブの例が、米国特許第7,520,539号、第7,410,192号、第7,252,310号、第7,025,393号、および第6,758,501号において教示されており、これらはすべて本特許出願の譲受人が所有している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明のある実施の形態に従い、バンドと、バンドのための締付機構と、バンドの内側にあるスプリットスリーブと、スプリットスリーブの周方向の溝の内部に位置するガスケットとを備える、パイプクランプが提供される。スプリットスリーブは、さねはぎ継手を含み、このさねはぎ継手の凸部が有する少なくとも1つの側端部は、外側のバンドを締付機構を用いて締付けたことに応じてさねはぎ継手の凸部がさねはぎ継手の凹部に挿入される間、凹部の側端部と対向し係合する。これにより、金属間シールがさねはぎ継手に与えられて、流体の流れがこの継手を通過することを防止するのに役立つ。上記凸部と凹部の相対的構造により、凸部が凹部に挿入される間、対向する凸部の側端部と凹部の側端部との間に空間分離領域が存在する。また、締付けている間、ガスケットが強制的にこの空間分離領域に押込まれることにより、第2の、ガスケット付きシールがさねはぎ継手に与えられる。
【0004】
以下、本発明の例示としての1つ以上の好ましい実施の形態について添付の図面と関連付けて説明する。図面において同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】パイプクランプの例示としての実施の形態の部分分解図である。
【図2】図1のパイプクランプの分解図である。
【図3】図1の3−3に沿う拡大断面図である。
【図4】一対のパイプの上で締付けられた図1のパイプクランプの拡大断面図である。
【図5】複数のさねはぎ継手とガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図6】図5のさねはぎ継手をクローズアップして示す図であり、凸部が凹部に挿入された状態を示す。
【図7】図6の7−7に沿う拡大部分断面図である。
【図8】図6の8−8に沿う拡大部分断面図である。
【図9】さねはぎ継手とガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図10】複数のさねはぎ継手と一対のガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図11】図10の11−11に沿う拡大断面図である。
【図12】図10の12−12に沿う拡大断面図であり、さねはぎ継手とガスケットを一対のパイプの上で締付けた状態を示す。
【図13】図10の13−13に沿う拡大断面図であり、さねはぎ継手とガスケットを一対のパイプの上で締付けた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施の形態の詳細な説明
図面を参照して、図1〜図13は、パイプクランプ10の例示としての2つの実施の形態を示しており、このパイプクランプは、自動車の排気系におけるパイプの端部同士を接合して、軸方向の分離に対して十分な抵抗力を有する液密シールを与えるために使用される。本明細書で使用されるパイプという用語は、例を挙げると、大型トラックおよび乗用車といった自動車用途において使用することができる、または、発電機、機関車、および農機具といった非自動車用途において使用することができる、排気管、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子除去装置、および排気系のその他の部品といった筒状構造体を指す。パイプという用語はまた、クランプすることができる、自動車の他の筒状部品および自動車のものでない筒状体を含む。パイプクランプ10は、最初にガスケット12を介して漏れの少ないシールを与え、次に、さねはぎ継手において形成されたおよび/またはスプリットスリーブ14とその下にあるパイプの表面との間に形成された金属と金属との接触を介して漏れの少ないシールを与える。一般的に、パイプクランプ10は環状円筒形状を有し、この形状は、この形状の中心軸に沿ってまたは中心軸に対してほぼ平行に延びる軸方向と、この形状の半径に沿って延びる径方向と、この形状の円周に沿って延びる周方向とを定める。
【0007】
図1を参照して、示されている実施の形態において、パイプクランプ10は、端部同士を突き合わせるまたは密着させる接合部に使用されるが、入れ子式に重なり合う接合部に適合させることができる。用途に応じて、第1のパイプ16および第2のパイプ18は、触媒コンバータおよび/またはディーゼル微粒子除去装置の筒状体でもよく、排気管でもよく、または、自動車のものではない筒状体でもよい。自動車の筒状体の場合、排気ガスなどの流体が第1および第2のパイプの中を流れる。第1および第2のパイプ16、18は、400シリーズステンレス鋼といった金属からなる。第1のパイプ16は第1の端部20および第1の外面22を有し、第2のパイプ18は第2の端部24および第2の外面26を有する。組立てるときに、第1および第2の端部20、24は向い合っており、これら端部を突き合わせるかまたはわずかに離してたとえば最大約10mmの隙間を形成することができる。当然ながらこの隙間の寸法は他の寸法にすることが可能である。
【0008】
示されている図1〜図8の実施の形態において、パイプクランプ10は、バンド28と、締付機構30と、スプリットスリーブ14と、ガスケット12とを含む。
【0009】
バンド28は、金属加工により開ループにされた、409グレードステンレス鋼または別の適切な材料の鋼板から作ることができる。他の例では、バンド28の軸方向の幅が約55〜68mmの範囲であってもよい。当然これ以外の寸法が、可能であり、用途次第であろう。図1および図2を参照して、バンド28は、周方向において第1の周方向端部36から第2の周方向端部38まで延び、軸方向において第1の側部40から第2の側部42まで延びる。バンド28は、径方向内側において内面44を有し径方向外側において外面46を有する。
【0010】
図1〜図4を参照して、バンド28は、第1および第2のフランジ48、50と、溝52と、第1および第2の側壁54、56を含む溝なし部分とを有する。第1および第2のフランジ48、50は、それぞれ第1および第2の端部36、38から延び、互いに離れる方向に曲げられ折り返されて、径方向に突出する一対のループを作る、バンド28の部分によって形成される。各ループは内側の脚部と外側の脚部とを有する。この内側および外側の脚部は、スポット溶接してもよく、または別のやり方で機械的に接着することができるが、そうする必要がある訳ではない。溝52は、以下で述べるようにスプリットスリーブ14の対応する溝の形状を補完する。溝52は、第1および第2の側部40、42の内側においてバンド28の軸方向ほぼ中間に位置し、周方向においては第1の端部36と第2の端部38との間に延びる。溝52は、図示のように径方向に突出するループの折り返された材料の中まで延在してもよく、この場合、折り返された材料の外側の脚部は、上記延在部分を収容する切欠きまたは浮き上がらせた部分を有する。溝52が周方向において第1および第2のフランジ48、50の中まで延び、各フランジがその下部において径方向にわずかに突出するリブを有していてもよい。溝52は、内面44にあり、外面46において径方向にわずかに突出するリブを形成する。第1および第2の側壁54、56は溝52から互いに逆の軸方向に延びる。
【0011】
締付機構30はバンド28に接続され、この締付機構を締めることによって第1の端部36と第2の端部38を近付けることができ、緩めることによって第1の端部36と第2の端部38を離すことができる。図1および図2を参照して、示されている実施の形態では、締付機構30は、ボルトナット締結具を2つ組合せたものと、反作用ブロック58と、裏板60とを含む。この締結具の組合せは、第1および第2のTボルト62、64と、第1および第2のナット66、68とを含む。各Tボルトは、締付力を均等に分散させるための半円筒形のヘッドを有するとともに、部分的にねじ切りされた軸を有する。反作用ブロック58は、二重凸形状をを有するとともに、第1および第2のTボルト62、64を挿入するための一対の通路を有する。反作用ブロック58はまた、径方向内側の面(図示せず)を有する。裏板60は、半円筒形状を有するとともに、第1および第2のTボルト62、64を挿入するための一対の通路を有する。組立てるときに、第1および第2のTボルト62、64は第1および第2のフランジ48、50の通路にも挿入される。締付けると、第1および第2のナット66、68は第1および第2のTボルト62、64の上にねじ込まれ、半円筒形のヘッド、反作用ブロック58、および裏板60が協働して、第1および第2の端部36、38を近付けるように引張り、バンド28の周囲に沿って分散する、径方向内向きの力を生じさせる。他の実施の形態では締付機構30がこれとは異なる構造および構成を有していてもよい。たとえば、締付機構30がボルトナット締結具の組合せを1つ有していてもよく、反作用ブロック58および裏板60が、その径方向内側の面に、バンド28の径方向にわずかに突出するリブを受ける切欠きを有していてもよく、反作用ブロックおよび/または裏板は設けなくてもよい。
【0012】
組立てるときに、スプリットスリーブ14は、バンド28の径方向内側にあり、周方向の異なる場所における1つ以上のスポット溶接を介してバンドに接続され、および/または別のやり方でバンドに接続することができる。この別のやり方の例として、スプリットスリーブから延びる構造的突出部と、相補的な、この突出部を受けるバンドの切欠きとによる機械的接続が挙げられる。スプリットスリーブ14は、金属加工によって開ループにされた409グレードステンレス鋼または別の適切な材料の鋼板から作ることができる。一般的に、スプリットスリーブ14はバンド28の形状を補完する形状を有する。他の例では、スプリットスリーブ14の軸方向の幅が約55〜68mmの範囲であってもよい。当然これ以外の寸法が、可能であり、用途次第であろう。図1〜図4を参照して、スプリットスリーブ14は、周方向においては、第1の周方向端部70から、この第1の周方向端部に対向する第2の周方向端部72まで延びる。スプリットスリーブ14は、軸方向においては、第1の側部74から第2の側部76まで延びる。径方向内側において、スプリットスリーブ14は内面78を有し、径方向外側において、スプリットスリーブは外面80を有する。
【0013】
示されている実施の形態において、スプリットスリーブ14は、溝82と、第1および第2の側壁84、86を含む溝なし部分と、第1、第2、および第3のさねはぎ継手88、90、92とを有する。溝82は、使用前にスプリットスリーブの中に予め組込むことができるガスケット12を受ける。溝82は、第1および第2の側部74、76の内側においてスプリットスリーブ14の軸方向ほぼ中間に位置し、周方向においては第1の端部70と第2の端部72との間に延びる。溝82は、内面78にあり、外面80において径方向にわずかに突出するリブを形成する。第1および第2の側壁84、86は溝82から互いに逆の軸方向に延びる。図2を参照して、第1および第2の側壁84、86には第1および第2の浮出部94、96がある。各浮出部94、96は、外面80において径方向にわずかに突出する矩形構造を形成し、この突出部の高さは、溝82によって形成される径方向に突出するリブの高さと同様である。軸方向において、各浮出部94、96はそれぞれ側壁84、86の軸方向の長さの大部分を占め、周方向において、各浮出部は反作用ブロック58の周方向の長さを占める。組立てて締付けるときに、反作用ブロック58の径方向内側の面が、第1および第2の浮出部94、96と接触し、バンド28の第1および第2のフランジ48、50の間に形成された隙間におけるスプリットスリーブ14の軸方向の幅の実質的に全体にわたって、径方向内向きの力を加える。
【0014】
第1、第2、および第3のさねはぎ継手88、90、92は、バンド28を締めると一体となり、第1および第2のパイプ16、18から流体が漏れないようにシールを形成することができる。図2、図5、および図6を参照して、第1および第2の継手88、90はそれぞれ第1および第2の側壁84、86に位置し、第3の継手92は溝82に位置する。第1および第2の継手88、90は同様の構造を有しているので第1の継手を参照しながら説明する。示されている実施の形態では、第1の継手88は凸部98と凹部100とを有する。凸部98は、第1の端部70から延び、第2の端部72に形成された凹部100に対向する。凸部98は、逃げスロット105によって隔てられた第1および第2のばね部材102、104を有する。凸部98は、各々が丸みのある角部110を有する、第1および第2の側端部106、108を有する。凹部100の境界は、深さが増すに従って互いに向かって収束する第1および第2の側端部112、114によって定められる。第1の継手88を継ぎ合わせるときは、凸部98が凹部100に挿入される際にばね部材102、104が互いに向かって偏向する。側端部106、108は、挿入の初めにそれぞれ側端部112、114と直に接触し(金属と金属)、挿入される間ずっとこの直接的な接触を保つ。これは図6に示されるように完全な挿入でなくてもよい。側端部106、108、112、および114の間に流体の漏れを防止する金属間シールが形成される。
【0015】
引続き図2、図5、および図6を参照して、示されている実施の形態では、第3の継手92は凸部116と対向する凹部118とを有する。凸部116は、逃げスロット124によって隔てられた第1および第2のばね部材120、122を有する。凸部116はまた、第1および第2の側端部126、128と自由端129とを有する。凹部118の境界は、第1および第2の側端部130、132ならびに底端部134によって定められる。第3の継手92を継ぎ合わせるときは、凸部116が凹部118に挿入される際にばね部材120、122が互いに向かって偏向することがある。しかしながらこれらばね部材が偏向しないこともある。その理由は、凸部の側端部126、128が凹部の側端部130、132に接触しているとは限らないからである。それよりも、凸部116をガスケット12を支えるためだけに使用してもよい。
【0016】
他の実施の形態では、スプリットスリーブ14が他の構造および構成を有していてもよい。たとえば、第1および第2の側部74、76にフランジを設けてもよく、さねはぎ継手の数が異なっていてもよくたとえば第3の継手92のみが設けられてもよく、および/またはさねはぎ継手そのものが、米国特許第6,758,501号において教示されているような他の構造および構成を有していてもよい。
【0017】
ガスケット12は、溝82に配置され、第1および第2のパイプ端20、24にシールを形成する。ガスケット12は、バンド28を締めると圧縮される比較的軟らかい材料で作られていてもよく、この材料として適切なものは、例を挙げると、グラファイト系材料、マイカ系材料、セラミック繊維、またはガラス繊維を含む。図1〜図4を参照して、ガスケット12は、開ループ構造を有するスプリットガスケットである。このガスケット12は、周方向では第1の周方向端部136から第2の周方向端部138まで延び、軸方向では第1の側部140から第2の側部142まで延びる。径方向内側においてガスケット12は内面144を有し、径方向外側においてガスケットは外面146を有する。外面146の上に感圧接着剤を設けることにより、ガスケット12を予め溝82および凸部116に組込むことができる。他の実施の形態においてガスケット12は他の構造を有していてもよい。たとえば、ガスケット12は、スプリットガスケットである必要はなく、スプリットガスケットである代わりに周方向に連続したものでもよい。
【0018】
図5および図6を参照して、ガスケット12の第1の側部140と第2の側部142との間で測定した軸方向の幅Aは、溝82の軸方向の幅にほぼ等しい。当然ながら、軸方向の幅Aは上記溝の軸方向の幅より大きくすることも小さくすることもできる。軸方向の幅Aは凸部116の軸方向の幅Bよりも大きい。第1および第2の横方向張出部148、150は第1および第2の側端部126、128を越えた場所に設けられる。ガスケット12の第1の端部136は周方向において凸部116の自由端129を越えて延びて周方向の張出部152を与える。さらに、軸方向の幅Aは凹部118の軸方向の幅Cよりも大きい。第1および第2の横方向張出部154、156は第1および第2の側端部130、132を越えた場所に設けられる。ガスケット12の第2の端部138は周方向において凹部118の底端部134を越えて延びて周方向の張出部158を与える。他の実施の形態では、これら寸法関係および関連する部分すべてが必要である訳ではない。たとえば、張出部152を設けずに、第1の端部136の先端が、自由端129と一致していてもよく、またはこの自由端から後退していてもよい。
【0019】
図6〜図8を参照して、凸部116を凹部118に挿入すると、ガスケット12の張出部152と158が互いに接触し周方向において互いに圧縮する。挿入したとき、ガスケット12の第1の端部136と第2の端部138との間で測定した周方向の長さが、溝82の周方向の長さよりも大きくなるようにすることにより、張出部152と158の間で圧縮による干渉が生じるようにしてもよい。また、第1および第2の端部136、138は、径方向において、第1および第2のパイプ16、18の第1および第2の外面22、26に対して圧縮する。場合によっては張出部152と158が重なり合っていてもよい。必ずしも必要ではないが、側端部126、128、130、132がそれぞれ、その長さに沿って1つ以上のポイントで互いに係合することにより金属と金属との界面で封止された金属接触領域を形成してもよい。側端部126、128、130、132の間の、他の領域またはすべての領域が、1つ以上の空間によって隔てられたままであってもよい。横方向張出部148、150、154、156および/またはガスケット12のその他の部分を、それぞれ側端部126、128、130、132の間の分離空間に押込むことにより、この分離空間が、側端部の間に(ガスケットと金属との)ガスケット付きシールを形成するようにしてもよい。これは図7に最もよく示されている。また、張出部152、158および/またはガスケット12のその他の部分が、凸部116の自由端129と凹部118の底端部134との間に一部が形成されたポケット160(自由端と底端部との間の、凸部が凹部に挿入されていない部分)を埋めることにより、そこにガスケット付きシールを形成してもよい。これは図8に最もよく示されている。ガスケット12はまた、逃げスロット124のような他の領域を埋めてもよい。このように、挿入すると、ガスケット付きシールのみ、金属間のシールのみ、または金属間シールとガスケット付きシールいずれもが、さねはぎ継手92におよび対向する凸部116と凹部118との間に形成されてもよい。
【0020】
実験を通して、特許権者は、ガスケット付きシールと金属間シールが、時間の経過に伴い使用時に異なる性能を示すことを発見した。ガスケット付きシールの漏れ率は、使用開始時は低いものの、時間の経過に伴い概ね上昇する傾向がある(すなわち悪化する)。漏れ率の上昇の原因は、排気ガスといった流体に晒されることによるガスケットの酸化および/または劣化であると考えられる。一方、金属間シールの漏れ率は、使用開始時はガスケットシールよりも高いが、時間の経過に伴い概ね低下する傾向がある(すなわち向上する)。漏れ率の低下の原因は、金属間シールの金属と金属の界面におけるすす、その他の物質の蓄積および/または酸化であると考えられる。
【0021】
表1は、金属間シールに対するある実験の結果を示す。この実験で使用したパイプクランプは、図1の構造と同様の構造を有しているが、溝52、82およびガスケット12がなく、その代りに溝のない部分がバンド28およびスプリットスリーブ14の軸方向および周方向の長さ全体に広がっている。パイプおよびパイプクランプに、合計13.3時間、熱(たとえば550〜600℃)および振動を加えた(いわゆる熱振動試験)。ゼロ時間の時点で、圧力4.5psi(31kPa)をパイプの内側に加え、その結果生じた漏れ率をパイプクランプにおいて測定した。再び、13.3時間の時点で、4.5psiの圧力を加え、結果として生じた漏れ率を測定した。すべてのケースにおいて実証されているように、金属間シールは時間の経過に伴い漏れ率が低下し改善された。13.3時間後の漏れ率は、4.0標準リットル/分(sLpm)未満であり、最初の漏れ率(ゼロ時間)の2分の1以下であった。当然ながら、すべての実験およびケースがこの通りのデータをもたらす訳ではない。
【0022】
【表1】
【0023】
図4を参照して、ガスケット12は、パイプ16、18の外面22、26に対して圧縮し、端部20と端部24が突き合わされた部分に跨ることにより、そこに第1または最初のシールS1を形成する。また、スプリットスリーブ14の側壁84、86は、それぞれ外面22、26と金属間接触することにより、そこに第2および第3または後続のシールS2、S3を形成する。パイプクランプ10は、ガスケット付きシール(たとえばS1およびさねはぎ継手92のシール)の性能の特徴および金属間シール(たとえばS2、S3およびさねはぎ継手88、90のシール)の性能の特徴を利用することにより、時間に伴う漏れ率の変化を最小にし、望ましくは時間が経過しても一定して低い漏れ率を提供する。ガスケット付きシールの漏れ率が上昇し始めると、金属間シールの漏れ率は低下し始める。
【0024】
表2は、第1、第2、第3のシールS1、S2、S3およびさねはぎ継手のシールに対するある実験の結果を示す。この実験は、図1〜図8のパイプクランプ10を使用し、表1について先に説明したのと同様のパラメータを用いて行なわれた。すなわち、パイプおよびパイプクランプに、決められた総時間の間、熱(たとえば550〜600℃)および振動を加え(いわゆる熱振動試験)、圧力4.5psi(31kPa)をパイプの内側に加え、その結果生じた漏れ率を、パイプクランプにおいて、各ケースについて特定時間に測定した。ここでは、この特定時間について振動サイクルの総数を示している。すべてのケースにおいて実証されているように、この金属間シールとガスケット付きシールを組合わせたものは、5.0sLpm未満の漏れ率を維持した。ケース3を例外として、シールは2.0sLpm未満の漏れ率を維持した。当然ながら、すべての実験およびケースがこの通りのデータをもたらす訳ではない。
【0025】
【表2】
【0026】
図9〜図13に示されるパイプクランプ210の実施の形態は、図1〜図8の実施の形態といくつかの点で同様である。締付機構など、こうした同様の点は繰返さない。
【0027】
図10を参照して、スプリットスリーブ214は、第1の溝281および第2の溝283と、中央壁285、第1の側壁287、および第2の側壁289を含む溝なし部分と、第1、第2、第3、および第4のさねはぎ継手291、293、295、297とを含む。第1および第2の溝281、283はそれぞれ第1のガスケット211および第2のガスケット213を収容する。溝281、283は、周方向ではスプリットスリーブ214の第1および第2の周方向端部270、272の間に延びる。溝281、283は、内面278に位置し、スプリットスリーブ214の外面において径方向にわずかに突出するリブを形成する。図11に示されるように、バンド228も第1および第2の溝251、253を有する。
【0028】
図10および図11を参照して、中央壁285は軸方向において溝281、283の間に延び、第1および第2の側壁287、289は、軸方向において、対応する溝から互いに逆の方向に延びている。図示されていないが、壁285、287、289各々に浮出部があってもよい。
【0029】
図9および図10を参照して、第1および第2の継手291、293はそれぞれ溝281、283に位置し、第3および第4の継手295、297は中央壁285に位置する。継手291、293は同様の構造を有しているので継手291を参照しながら説明する。示されている実施の形態では、第1の継手291は凸部316と凹部318とを有する。凸部316は第1および第2の側端部326、328と自由端329とを有する。凹部318の境界は、第1および第2の側端部330、332ならびに底端部334によって定められる。第1および第2の切欠き331、333がそれぞれ側端部330、332にある。
【0030】
第3および第4の継手295、297は、逃げスロット323によって隔てられた凸部を有し、それ自体、別々のばね部材として機能する(すなわち、ある意味では第3および第4の継手が合わさって単一のさねはぎ継手として機能し、凹部には凸状突起299がある)。継手295、297は同様の構造を有しているので継手295を参照しながら説明する。継手295は凸部298と凹部300とを有する。凸部298は、逃げスロット305によって隔てられた第1および第2のばね部材302、304を有する。第1のばね部材302は、スプリットスリーブ214の周囲に対してある角度を有する側端部307を有し、第2のばね部材304は直線状の側端部309を有する。第3および第4の継手295、297が継ぎ合わされるとき、各々のばね部材302、304のうち一方または双方が、凸部が凹部に挿入される際に互いに向かって偏向する。側端部307、309は、挿入の初めに、対向する、凹部の側端部に、直接接触し(金属と金属)、挿入の間ずっと、直接的な接触を維持する。この挿入は図10に示されるように完全な挿入である必要はない。流体の漏れを防止する金属間シールが、第3および第4の継手295、297各々の凸部および凹部のそれぞれの側端部の間に形成される。
【0031】
ガスケット211、213は、開ループ構造および円形の断面輪郭形状を有するスプリットガスケットであり、当然ながら他の構造および断面輪郭形状が可能である。ガスケット211、213は各々、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延びる。ガスケット211、213の軸方向の幅は、溝281、283の軸方向の幅に等しくてもそれよりも大きくてもよい、または、切欠き331、333の軸方向の幅に等しくてもそれよりも大きくてもよい。ガスケット211、213の軸方向の幅は、凸部316の軸方向の幅および凹部318の軸方向の幅よりも大きくてもよい。また、圧縮前において、ガスケット211、213の軸方向の幅は、溝281、283、切欠き331、333、凸部316、および/または凹部318の軸方向の幅より小さくてもよく、圧縮されると、ガスケット211、213の軸方向の幅は上記他の軸方向の幅のうちいずれかまたはすべてよりも大きくなることができる。第1の周方向端部は周方向において凸部316の自由端329を越えて延びて周方向の張出部352を与え、第2の周方向端部は周方向において凹部318の底端部334を越えて延びて周方向の張出部358を与える。他の実施の形態では、張出部352を設けなくてもよく、この場合は、第1の周方向端部の先端が、自由端329と一致していてもよく、またはこの自由端から後退していてもよい。
【0032】
図10、図12、および図13を参照して、凸部316を凹部318に挿入すると、ガスケット211、213の一部が、各々側端部326、328、330、332の間に押込まれることにより、その間にガスケット付きシールを形成してもよい(図12に最もよく示されている)。また、ガスケット211、213の一部が切欠き331、333に押込まれることにより、そこにガスケット付きシールを形成してもよい。図1〜図8の実施の形態と同様、必ずしも必要ではないが、側端部326、328、330、332がそれぞれ、その長さに沿って1つ以上のポイントで互いに係合することにより金属間シールおよびガスケット付きシールを形成してもよい。または、側端部326、328、330、332の間の、いくつかの領域またはすべての領域が、1つ以上の空間によって隔てられたままであってもよい。張出部352、358および/またはガスケット211、213の他の部分が、凸部316の自由端329と凹部318の底端部334との間に一部が形成されたポケット360を埋めることにより、そこにシールを形成してもよい。これは図13に最もよく示されている。ガスケット211、213は他の領域も埋めてもよい。
【0033】
使用時には、第1のガスケット211が第1のパイプ216の第1の外面222に対して圧縮することにより、そこに第1のまたは最初のシールS1を形成する。第2のガスケット213が第2のパイプ218の第2の外面226に対して圧縮することにより、そこに第2のまたは最初のシールS2を形成する。中央壁285は、外面222、226と金属間接触しパイプ216と218が突き合わされた部分に跨ることにより、そこに第3のまたは後続のシールS3を形成する。側壁287、289はそれぞれ外面222、226と金属間接触することにより、そこに第4および第5のまたは後続のシールS4、S5を形成する。パイプクランプ210は、ガスケット付きシール(S1、S2およびさねはぎ継手のシール)の性能の特徴および金属間シール(S3、S4、S5およびさねはぎ継手のシール)の性能の特徴を利用することにより、時間に伴う漏れ率の変化を最小にし、望ましくは時間が経過しても一定して低い漏れ率を提供する。ガスケット付きシールの漏れ率が上昇し始めると、金属間シールの漏れ率は低下し始める。加えて、図9〜図13に示されている実施の形態のシールS1、S2の有効寿命を、図1〜図8に示されている実施の形態のシールS1よりも長くすることができる。なぜなら、ガスケット211、213はガスケット12と異なり流体に直接晒されないからである。
【0034】
上記は本発明の好ましい例示としての1つ以上の実施の形態の説明であることが理解されるはずである。本発明はここに開示されている特定の実施の形態に限定されるのではなく以下の請求項のみによって定められる。さらに、上記説明に含まれる記載は、特定の実施の形態に関連しており、本発明の範囲または請求項で使用される用語の定義を、用語または表現が明確に定義されている場合を除いて、限定すると解釈されてはならない。開示されている実施の形態のさまざまな他の実施の形態ならびにさまざまな他の変更および変形が、当業者には明らかになるであろう。このような他の実施の形態、変更、および変形は、以下の請求項の範囲に含まれることが意図されている。
【0035】
本明細書および請求項で使用される、「たとえば」、「例として」、「などの」、「ような」という用語、「備える」、「有する」、「含む」、およびこれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素またはその他の項目を列挙する際に使用されている場合、オープンエンドである、すなわちこの列挙が他の追加の構成要素または項目を除外するとみなされてはならないものであると解釈されねばならない。その他の用語は、他の解釈を要求する文脈で使用されていない限り、その最も広い妥当な意味を用いて解釈されねばならない。
【技術分野】
【0001】
この発明は、概してパイプクランプに関し、より特定的にはパイプ間の気密接続を与えるためのスリーブとガスケットとを含むパイプクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
パイプクランプは一般的に、排気系におけるさまざまな構造のパイプおよびその他の筒状体を接合するために使用される。パイプ間の接合部が有効であるためには、この接合部が、液密シールを与える必要があり、許容できる漏れ率を保つ必要があり、かつ、軸方向の分離に対して十分な抵抗力を有している必要がある。パイプクランプの一種として、入れ子式に重なり合うパイプに使用されるバンドクランプがあり、別の種類として、端部と端部とを突き合わせるまたは密着させるパイプに使用されるパイプ連結器がある。どちらの種類のパイプクランプも、典型的にはこれらパイプの上に配置して締めるバンドを含み、どちらの種類のパイプクランプも、このバンドの下においてパイプの上に配置して締めるスリーブ、ガスケット、またはスリーブとガスケットとを含むことができる。このスリーブは、周方向の端部同士が向い合う、開ループ構造のスプリットスリーブでもよい。この向い合う端部は、さねはぎ構造を有することがある。さねはぎ構造を有するスプリットスリーブおよびさねはぎ構造を有さないスプリットスリーブの例が、米国特許第7,520,539号、第7,410,192号、第7,252,310号、第7,025,393号、および第6,758,501号において教示されており、これらはすべて本特許出願の譲受人が所有している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明のある実施の形態に従い、バンドと、バンドのための締付機構と、バンドの内側にあるスプリットスリーブと、スプリットスリーブの周方向の溝の内部に位置するガスケットとを備える、パイプクランプが提供される。スプリットスリーブは、さねはぎ継手を含み、このさねはぎ継手の凸部が有する少なくとも1つの側端部は、外側のバンドを締付機構を用いて締付けたことに応じてさねはぎ継手の凸部がさねはぎ継手の凹部に挿入される間、凹部の側端部と対向し係合する。これにより、金属間シールがさねはぎ継手に与えられて、流体の流れがこの継手を通過することを防止するのに役立つ。上記凸部と凹部の相対的構造により、凸部が凹部に挿入される間、対向する凸部の側端部と凹部の側端部との間に空間分離領域が存在する。また、締付けている間、ガスケットが強制的にこの空間分離領域に押込まれることにより、第2の、ガスケット付きシールがさねはぎ継手に与えられる。
【0004】
以下、本発明の例示としての1つ以上の好ましい実施の形態について添付の図面と関連付けて説明する。図面において同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】パイプクランプの例示としての実施の形態の部分分解図である。
【図2】図1のパイプクランプの分解図である。
【図3】図1の3−3に沿う拡大断面図である。
【図4】一対のパイプの上で締付けられた図1のパイプクランプの拡大断面図である。
【図5】複数のさねはぎ継手とガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図6】図5のさねはぎ継手をクローズアップして示す図であり、凸部が凹部に挿入された状態を示す。
【図7】図6の7−7に沿う拡大部分断面図である。
【図8】図6の8−8に沿う拡大部分断面図である。
【図9】さねはぎ継手とガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図10】複数のさねはぎ継手と一対のガスケットの例示としての実施の形態をクローズアップして示す図である。
【図11】図10の11−11に沿う拡大断面図である。
【図12】図10の12−12に沿う拡大断面図であり、さねはぎ継手とガスケットを一対のパイプの上で締付けた状態を示す。
【図13】図10の13−13に沿う拡大断面図であり、さねはぎ継手とガスケットを一対のパイプの上で締付けた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施の形態の詳細な説明
図面を参照して、図1〜図13は、パイプクランプ10の例示としての2つの実施の形態を示しており、このパイプクランプは、自動車の排気系におけるパイプの端部同士を接合して、軸方向の分離に対して十分な抵抗力を有する液密シールを与えるために使用される。本明細書で使用されるパイプという用語は、例を挙げると、大型トラックおよび乗用車といった自動車用途において使用することができる、または、発電機、機関車、および農機具といった非自動車用途において使用することができる、排気管、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子除去装置、および排気系のその他の部品といった筒状構造体を指す。パイプという用語はまた、クランプすることができる、自動車の他の筒状部品および自動車のものでない筒状体を含む。パイプクランプ10は、最初にガスケット12を介して漏れの少ないシールを与え、次に、さねはぎ継手において形成されたおよび/またはスプリットスリーブ14とその下にあるパイプの表面との間に形成された金属と金属との接触を介して漏れの少ないシールを与える。一般的に、パイプクランプ10は環状円筒形状を有し、この形状は、この形状の中心軸に沿ってまたは中心軸に対してほぼ平行に延びる軸方向と、この形状の半径に沿って延びる径方向と、この形状の円周に沿って延びる周方向とを定める。
【0007】
図1を参照して、示されている実施の形態において、パイプクランプ10は、端部同士を突き合わせるまたは密着させる接合部に使用されるが、入れ子式に重なり合う接合部に適合させることができる。用途に応じて、第1のパイプ16および第2のパイプ18は、触媒コンバータおよび/またはディーゼル微粒子除去装置の筒状体でもよく、排気管でもよく、または、自動車のものではない筒状体でもよい。自動車の筒状体の場合、排気ガスなどの流体が第1および第2のパイプの中を流れる。第1および第2のパイプ16、18は、400シリーズステンレス鋼といった金属からなる。第1のパイプ16は第1の端部20および第1の外面22を有し、第2のパイプ18は第2の端部24および第2の外面26を有する。組立てるときに、第1および第2の端部20、24は向い合っており、これら端部を突き合わせるかまたはわずかに離してたとえば最大約10mmの隙間を形成することができる。当然ながらこの隙間の寸法は他の寸法にすることが可能である。
【0008】
示されている図1〜図8の実施の形態において、パイプクランプ10は、バンド28と、締付機構30と、スプリットスリーブ14と、ガスケット12とを含む。
【0009】
バンド28は、金属加工により開ループにされた、409グレードステンレス鋼または別の適切な材料の鋼板から作ることができる。他の例では、バンド28の軸方向の幅が約55〜68mmの範囲であってもよい。当然これ以外の寸法が、可能であり、用途次第であろう。図1および図2を参照して、バンド28は、周方向において第1の周方向端部36から第2の周方向端部38まで延び、軸方向において第1の側部40から第2の側部42まで延びる。バンド28は、径方向内側において内面44を有し径方向外側において外面46を有する。
【0010】
図1〜図4を参照して、バンド28は、第1および第2のフランジ48、50と、溝52と、第1および第2の側壁54、56を含む溝なし部分とを有する。第1および第2のフランジ48、50は、それぞれ第1および第2の端部36、38から延び、互いに離れる方向に曲げられ折り返されて、径方向に突出する一対のループを作る、バンド28の部分によって形成される。各ループは内側の脚部と外側の脚部とを有する。この内側および外側の脚部は、スポット溶接してもよく、または別のやり方で機械的に接着することができるが、そうする必要がある訳ではない。溝52は、以下で述べるようにスプリットスリーブ14の対応する溝の形状を補完する。溝52は、第1および第2の側部40、42の内側においてバンド28の軸方向ほぼ中間に位置し、周方向においては第1の端部36と第2の端部38との間に延びる。溝52は、図示のように径方向に突出するループの折り返された材料の中まで延在してもよく、この場合、折り返された材料の外側の脚部は、上記延在部分を収容する切欠きまたは浮き上がらせた部分を有する。溝52が周方向において第1および第2のフランジ48、50の中まで延び、各フランジがその下部において径方向にわずかに突出するリブを有していてもよい。溝52は、内面44にあり、外面46において径方向にわずかに突出するリブを形成する。第1および第2の側壁54、56は溝52から互いに逆の軸方向に延びる。
【0011】
締付機構30はバンド28に接続され、この締付機構を締めることによって第1の端部36と第2の端部38を近付けることができ、緩めることによって第1の端部36と第2の端部38を離すことができる。図1および図2を参照して、示されている実施の形態では、締付機構30は、ボルトナット締結具を2つ組合せたものと、反作用ブロック58と、裏板60とを含む。この締結具の組合せは、第1および第2のTボルト62、64と、第1および第2のナット66、68とを含む。各Tボルトは、締付力を均等に分散させるための半円筒形のヘッドを有するとともに、部分的にねじ切りされた軸を有する。反作用ブロック58は、二重凸形状をを有するとともに、第1および第2のTボルト62、64を挿入するための一対の通路を有する。反作用ブロック58はまた、径方向内側の面(図示せず)を有する。裏板60は、半円筒形状を有するとともに、第1および第2のTボルト62、64を挿入するための一対の通路を有する。組立てるときに、第1および第2のTボルト62、64は第1および第2のフランジ48、50の通路にも挿入される。締付けると、第1および第2のナット66、68は第1および第2のTボルト62、64の上にねじ込まれ、半円筒形のヘッド、反作用ブロック58、および裏板60が協働して、第1および第2の端部36、38を近付けるように引張り、バンド28の周囲に沿って分散する、径方向内向きの力を生じさせる。他の実施の形態では締付機構30がこれとは異なる構造および構成を有していてもよい。たとえば、締付機構30がボルトナット締結具の組合せを1つ有していてもよく、反作用ブロック58および裏板60が、その径方向内側の面に、バンド28の径方向にわずかに突出するリブを受ける切欠きを有していてもよく、反作用ブロックおよび/または裏板は設けなくてもよい。
【0012】
組立てるときに、スプリットスリーブ14は、バンド28の径方向内側にあり、周方向の異なる場所における1つ以上のスポット溶接を介してバンドに接続され、および/または別のやり方でバンドに接続することができる。この別のやり方の例として、スプリットスリーブから延びる構造的突出部と、相補的な、この突出部を受けるバンドの切欠きとによる機械的接続が挙げられる。スプリットスリーブ14は、金属加工によって開ループにされた409グレードステンレス鋼または別の適切な材料の鋼板から作ることができる。一般的に、スプリットスリーブ14はバンド28の形状を補完する形状を有する。他の例では、スプリットスリーブ14の軸方向の幅が約55〜68mmの範囲であってもよい。当然これ以外の寸法が、可能であり、用途次第であろう。図1〜図4を参照して、スプリットスリーブ14は、周方向においては、第1の周方向端部70から、この第1の周方向端部に対向する第2の周方向端部72まで延びる。スプリットスリーブ14は、軸方向においては、第1の側部74から第2の側部76まで延びる。径方向内側において、スプリットスリーブ14は内面78を有し、径方向外側において、スプリットスリーブは外面80を有する。
【0013】
示されている実施の形態において、スプリットスリーブ14は、溝82と、第1および第2の側壁84、86を含む溝なし部分と、第1、第2、および第3のさねはぎ継手88、90、92とを有する。溝82は、使用前にスプリットスリーブの中に予め組込むことができるガスケット12を受ける。溝82は、第1および第2の側部74、76の内側においてスプリットスリーブ14の軸方向ほぼ中間に位置し、周方向においては第1の端部70と第2の端部72との間に延びる。溝82は、内面78にあり、外面80において径方向にわずかに突出するリブを形成する。第1および第2の側壁84、86は溝82から互いに逆の軸方向に延びる。図2を参照して、第1および第2の側壁84、86には第1および第2の浮出部94、96がある。各浮出部94、96は、外面80において径方向にわずかに突出する矩形構造を形成し、この突出部の高さは、溝82によって形成される径方向に突出するリブの高さと同様である。軸方向において、各浮出部94、96はそれぞれ側壁84、86の軸方向の長さの大部分を占め、周方向において、各浮出部は反作用ブロック58の周方向の長さを占める。組立てて締付けるときに、反作用ブロック58の径方向内側の面が、第1および第2の浮出部94、96と接触し、バンド28の第1および第2のフランジ48、50の間に形成された隙間におけるスプリットスリーブ14の軸方向の幅の実質的に全体にわたって、径方向内向きの力を加える。
【0014】
第1、第2、および第3のさねはぎ継手88、90、92は、バンド28を締めると一体となり、第1および第2のパイプ16、18から流体が漏れないようにシールを形成することができる。図2、図5、および図6を参照して、第1および第2の継手88、90はそれぞれ第1および第2の側壁84、86に位置し、第3の継手92は溝82に位置する。第1および第2の継手88、90は同様の構造を有しているので第1の継手を参照しながら説明する。示されている実施の形態では、第1の継手88は凸部98と凹部100とを有する。凸部98は、第1の端部70から延び、第2の端部72に形成された凹部100に対向する。凸部98は、逃げスロット105によって隔てられた第1および第2のばね部材102、104を有する。凸部98は、各々が丸みのある角部110を有する、第1および第2の側端部106、108を有する。凹部100の境界は、深さが増すに従って互いに向かって収束する第1および第2の側端部112、114によって定められる。第1の継手88を継ぎ合わせるときは、凸部98が凹部100に挿入される際にばね部材102、104が互いに向かって偏向する。側端部106、108は、挿入の初めにそれぞれ側端部112、114と直に接触し(金属と金属)、挿入される間ずっとこの直接的な接触を保つ。これは図6に示されるように完全な挿入でなくてもよい。側端部106、108、112、および114の間に流体の漏れを防止する金属間シールが形成される。
【0015】
引続き図2、図5、および図6を参照して、示されている実施の形態では、第3の継手92は凸部116と対向する凹部118とを有する。凸部116は、逃げスロット124によって隔てられた第1および第2のばね部材120、122を有する。凸部116はまた、第1および第2の側端部126、128と自由端129とを有する。凹部118の境界は、第1および第2の側端部130、132ならびに底端部134によって定められる。第3の継手92を継ぎ合わせるときは、凸部116が凹部118に挿入される際にばね部材120、122が互いに向かって偏向することがある。しかしながらこれらばね部材が偏向しないこともある。その理由は、凸部の側端部126、128が凹部の側端部130、132に接触しているとは限らないからである。それよりも、凸部116をガスケット12を支えるためだけに使用してもよい。
【0016】
他の実施の形態では、スプリットスリーブ14が他の構造および構成を有していてもよい。たとえば、第1および第2の側部74、76にフランジを設けてもよく、さねはぎ継手の数が異なっていてもよくたとえば第3の継手92のみが設けられてもよく、および/またはさねはぎ継手そのものが、米国特許第6,758,501号において教示されているような他の構造および構成を有していてもよい。
【0017】
ガスケット12は、溝82に配置され、第1および第2のパイプ端20、24にシールを形成する。ガスケット12は、バンド28を締めると圧縮される比較的軟らかい材料で作られていてもよく、この材料として適切なものは、例を挙げると、グラファイト系材料、マイカ系材料、セラミック繊維、またはガラス繊維を含む。図1〜図4を参照して、ガスケット12は、開ループ構造を有するスプリットガスケットである。このガスケット12は、周方向では第1の周方向端部136から第2の周方向端部138まで延び、軸方向では第1の側部140から第2の側部142まで延びる。径方向内側においてガスケット12は内面144を有し、径方向外側においてガスケットは外面146を有する。外面146の上に感圧接着剤を設けることにより、ガスケット12を予め溝82および凸部116に組込むことができる。他の実施の形態においてガスケット12は他の構造を有していてもよい。たとえば、ガスケット12は、スプリットガスケットである必要はなく、スプリットガスケットである代わりに周方向に連続したものでもよい。
【0018】
図5および図6を参照して、ガスケット12の第1の側部140と第2の側部142との間で測定した軸方向の幅Aは、溝82の軸方向の幅にほぼ等しい。当然ながら、軸方向の幅Aは上記溝の軸方向の幅より大きくすることも小さくすることもできる。軸方向の幅Aは凸部116の軸方向の幅Bよりも大きい。第1および第2の横方向張出部148、150は第1および第2の側端部126、128を越えた場所に設けられる。ガスケット12の第1の端部136は周方向において凸部116の自由端129を越えて延びて周方向の張出部152を与える。さらに、軸方向の幅Aは凹部118の軸方向の幅Cよりも大きい。第1および第2の横方向張出部154、156は第1および第2の側端部130、132を越えた場所に設けられる。ガスケット12の第2の端部138は周方向において凹部118の底端部134を越えて延びて周方向の張出部158を与える。他の実施の形態では、これら寸法関係および関連する部分すべてが必要である訳ではない。たとえば、張出部152を設けずに、第1の端部136の先端が、自由端129と一致していてもよく、またはこの自由端から後退していてもよい。
【0019】
図6〜図8を参照して、凸部116を凹部118に挿入すると、ガスケット12の張出部152と158が互いに接触し周方向において互いに圧縮する。挿入したとき、ガスケット12の第1の端部136と第2の端部138との間で測定した周方向の長さが、溝82の周方向の長さよりも大きくなるようにすることにより、張出部152と158の間で圧縮による干渉が生じるようにしてもよい。また、第1および第2の端部136、138は、径方向において、第1および第2のパイプ16、18の第1および第2の外面22、26に対して圧縮する。場合によっては張出部152と158が重なり合っていてもよい。必ずしも必要ではないが、側端部126、128、130、132がそれぞれ、その長さに沿って1つ以上のポイントで互いに係合することにより金属と金属との界面で封止された金属接触領域を形成してもよい。側端部126、128、130、132の間の、他の領域またはすべての領域が、1つ以上の空間によって隔てられたままであってもよい。横方向張出部148、150、154、156および/またはガスケット12のその他の部分を、それぞれ側端部126、128、130、132の間の分離空間に押込むことにより、この分離空間が、側端部の間に(ガスケットと金属との)ガスケット付きシールを形成するようにしてもよい。これは図7に最もよく示されている。また、張出部152、158および/またはガスケット12のその他の部分が、凸部116の自由端129と凹部118の底端部134との間に一部が形成されたポケット160(自由端と底端部との間の、凸部が凹部に挿入されていない部分)を埋めることにより、そこにガスケット付きシールを形成してもよい。これは図8に最もよく示されている。ガスケット12はまた、逃げスロット124のような他の領域を埋めてもよい。このように、挿入すると、ガスケット付きシールのみ、金属間のシールのみ、または金属間シールとガスケット付きシールいずれもが、さねはぎ継手92におよび対向する凸部116と凹部118との間に形成されてもよい。
【0020】
実験を通して、特許権者は、ガスケット付きシールと金属間シールが、時間の経過に伴い使用時に異なる性能を示すことを発見した。ガスケット付きシールの漏れ率は、使用開始時は低いものの、時間の経過に伴い概ね上昇する傾向がある(すなわち悪化する)。漏れ率の上昇の原因は、排気ガスといった流体に晒されることによるガスケットの酸化および/または劣化であると考えられる。一方、金属間シールの漏れ率は、使用開始時はガスケットシールよりも高いが、時間の経過に伴い概ね低下する傾向がある(すなわち向上する)。漏れ率の低下の原因は、金属間シールの金属と金属の界面におけるすす、その他の物質の蓄積および/または酸化であると考えられる。
【0021】
表1は、金属間シールに対するある実験の結果を示す。この実験で使用したパイプクランプは、図1の構造と同様の構造を有しているが、溝52、82およびガスケット12がなく、その代りに溝のない部分がバンド28およびスプリットスリーブ14の軸方向および周方向の長さ全体に広がっている。パイプおよびパイプクランプに、合計13.3時間、熱(たとえば550〜600℃)および振動を加えた(いわゆる熱振動試験)。ゼロ時間の時点で、圧力4.5psi(31kPa)をパイプの内側に加え、その結果生じた漏れ率をパイプクランプにおいて測定した。再び、13.3時間の時点で、4.5psiの圧力を加え、結果として生じた漏れ率を測定した。すべてのケースにおいて実証されているように、金属間シールは時間の経過に伴い漏れ率が低下し改善された。13.3時間後の漏れ率は、4.0標準リットル/分(sLpm)未満であり、最初の漏れ率(ゼロ時間)の2分の1以下であった。当然ながら、すべての実験およびケースがこの通りのデータをもたらす訳ではない。
【0022】
【表1】
【0023】
図4を参照して、ガスケット12は、パイプ16、18の外面22、26に対して圧縮し、端部20と端部24が突き合わされた部分に跨ることにより、そこに第1または最初のシールS1を形成する。また、スプリットスリーブ14の側壁84、86は、それぞれ外面22、26と金属間接触することにより、そこに第2および第3または後続のシールS2、S3を形成する。パイプクランプ10は、ガスケット付きシール(たとえばS1およびさねはぎ継手92のシール)の性能の特徴および金属間シール(たとえばS2、S3およびさねはぎ継手88、90のシール)の性能の特徴を利用することにより、時間に伴う漏れ率の変化を最小にし、望ましくは時間が経過しても一定して低い漏れ率を提供する。ガスケット付きシールの漏れ率が上昇し始めると、金属間シールの漏れ率は低下し始める。
【0024】
表2は、第1、第2、第3のシールS1、S2、S3およびさねはぎ継手のシールに対するある実験の結果を示す。この実験は、図1〜図8のパイプクランプ10を使用し、表1について先に説明したのと同様のパラメータを用いて行なわれた。すなわち、パイプおよびパイプクランプに、決められた総時間の間、熱(たとえば550〜600℃)および振動を加え(いわゆる熱振動試験)、圧力4.5psi(31kPa)をパイプの内側に加え、その結果生じた漏れ率を、パイプクランプにおいて、各ケースについて特定時間に測定した。ここでは、この特定時間について振動サイクルの総数を示している。すべてのケースにおいて実証されているように、この金属間シールとガスケット付きシールを組合わせたものは、5.0sLpm未満の漏れ率を維持した。ケース3を例外として、シールは2.0sLpm未満の漏れ率を維持した。当然ながら、すべての実験およびケースがこの通りのデータをもたらす訳ではない。
【0025】
【表2】
【0026】
図9〜図13に示されるパイプクランプ210の実施の形態は、図1〜図8の実施の形態といくつかの点で同様である。締付機構など、こうした同様の点は繰返さない。
【0027】
図10を参照して、スプリットスリーブ214は、第1の溝281および第2の溝283と、中央壁285、第1の側壁287、および第2の側壁289を含む溝なし部分と、第1、第2、第3、および第4のさねはぎ継手291、293、295、297とを含む。第1および第2の溝281、283はそれぞれ第1のガスケット211および第2のガスケット213を収容する。溝281、283は、周方向ではスプリットスリーブ214の第1および第2の周方向端部270、272の間に延びる。溝281、283は、内面278に位置し、スプリットスリーブ214の外面において径方向にわずかに突出するリブを形成する。図11に示されるように、バンド228も第1および第2の溝251、253を有する。
【0028】
図10および図11を参照して、中央壁285は軸方向において溝281、283の間に延び、第1および第2の側壁287、289は、軸方向において、対応する溝から互いに逆の方向に延びている。図示されていないが、壁285、287、289各々に浮出部があってもよい。
【0029】
図9および図10を参照して、第1および第2の継手291、293はそれぞれ溝281、283に位置し、第3および第4の継手295、297は中央壁285に位置する。継手291、293は同様の構造を有しているので継手291を参照しながら説明する。示されている実施の形態では、第1の継手291は凸部316と凹部318とを有する。凸部316は第1および第2の側端部326、328と自由端329とを有する。凹部318の境界は、第1および第2の側端部330、332ならびに底端部334によって定められる。第1および第2の切欠き331、333がそれぞれ側端部330、332にある。
【0030】
第3および第4の継手295、297は、逃げスロット323によって隔てられた凸部を有し、それ自体、別々のばね部材として機能する(すなわち、ある意味では第3および第4の継手が合わさって単一のさねはぎ継手として機能し、凹部には凸状突起299がある)。継手295、297は同様の構造を有しているので継手295を参照しながら説明する。継手295は凸部298と凹部300とを有する。凸部298は、逃げスロット305によって隔てられた第1および第2のばね部材302、304を有する。第1のばね部材302は、スプリットスリーブ214の周囲に対してある角度を有する側端部307を有し、第2のばね部材304は直線状の側端部309を有する。第3および第4の継手295、297が継ぎ合わされるとき、各々のばね部材302、304のうち一方または双方が、凸部が凹部に挿入される際に互いに向かって偏向する。側端部307、309は、挿入の初めに、対向する、凹部の側端部に、直接接触し(金属と金属)、挿入の間ずっと、直接的な接触を維持する。この挿入は図10に示されるように完全な挿入である必要はない。流体の漏れを防止する金属間シールが、第3および第4の継手295、297各々の凸部および凹部のそれぞれの側端部の間に形成される。
【0031】
ガスケット211、213は、開ループ構造および円形の断面輪郭形状を有するスプリットガスケットであり、当然ながら他の構造および断面輪郭形状が可能である。ガスケット211、213は各々、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延びる。ガスケット211、213の軸方向の幅は、溝281、283の軸方向の幅に等しくてもそれよりも大きくてもよい、または、切欠き331、333の軸方向の幅に等しくてもそれよりも大きくてもよい。ガスケット211、213の軸方向の幅は、凸部316の軸方向の幅および凹部318の軸方向の幅よりも大きくてもよい。また、圧縮前において、ガスケット211、213の軸方向の幅は、溝281、283、切欠き331、333、凸部316、および/または凹部318の軸方向の幅より小さくてもよく、圧縮されると、ガスケット211、213の軸方向の幅は上記他の軸方向の幅のうちいずれかまたはすべてよりも大きくなることができる。第1の周方向端部は周方向において凸部316の自由端329を越えて延びて周方向の張出部352を与え、第2の周方向端部は周方向において凹部318の底端部334を越えて延びて周方向の張出部358を与える。他の実施の形態では、張出部352を設けなくてもよく、この場合は、第1の周方向端部の先端が、自由端329と一致していてもよく、またはこの自由端から後退していてもよい。
【0032】
図10、図12、および図13を参照して、凸部316を凹部318に挿入すると、ガスケット211、213の一部が、各々側端部326、328、330、332の間に押込まれることにより、その間にガスケット付きシールを形成してもよい(図12に最もよく示されている)。また、ガスケット211、213の一部が切欠き331、333に押込まれることにより、そこにガスケット付きシールを形成してもよい。図1〜図8の実施の形態と同様、必ずしも必要ではないが、側端部326、328、330、332がそれぞれ、その長さに沿って1つ以上のポイントで互いに係合することにより金属間シールおよびガスケット付きシールを形成してもよい。または、側端部326、328、330、332の間の、いくつかの領域またはすべての領域が、1つ以上の空間によって隔てられたままであってもよい。張出部352、358および/またはガスケット211、213の他の部分が、凸部316の自由端329と凹部318の底端部334との間に一部が形成されたポケット360を埋めることにより、そこにシールを形成してもよい。これは図13に最もよく示されている。ガスケット211、213は他の領域も埋めてもよい。
【0033】
使用時には、第1のガスケット211が第1のパイプ216の第1の外面222に対して圧縮することにより、そこに第1のまたは最初のシールS1を形成する。第2のガスケット213が第2のパイプ218の第2の外面226に対して圧縮することにより、そこに第2のまたは最初のシールS2を形成する。中央壁285は、外面222、226と金属間接触しパイプ216と218が突き合わされた部分に跨ることにより、そこに第3のまたは後続のシールS3を形成する。側壁287、289はそれぞれ外面222、226と金属間接触することにより、そこに第4および第5のまたは後続のシールS4、S5を形成する。パイプクランプ210は、ガスケット付きシール(S1、S2およびさねはぎ継手のシール)の性能の特徴および金属間シール(S3、S4、S5およびさねはぎ継手のシール)の性能の特徴を利用することにより、時間に伴う漏れ率の変化を最小にし、望ましくは時間が経過しても一定して低い漏れ率を提供する。ガスケット付きシールの漏れ率が上昇し始めると、金属間シールの漏れ率は低下し始める。加えて、図9〜図13に示されている実施の形態のシールS1、S2の有効寿命を、図1〜図8に示されている実施の形態のシールS1よりも長くすることができる。なぜなら、ガスケット211、213はガスケット12と異なり流体に直接晒されないからである。
【0034】
上記は本発明の好ましい例示としての1つ以上の実施の形態の説明であることが理解されるはずである。本発明はここに開示されている特定の実施の形態に限定されるのではなく以下の請求項のみによって定められる。さらに、上記説明に含まれる記載は、特定の実施の形態に関連しており、本発明の範囲または請求項で使用される用語の定義を、用語または表現が明確に定義されている場合を除いて、限定すると解釈されてはならない。開示されている実施の形態のさまざまな他の実施の形態ならびにさまざまな他の変更および変形が、当業者には明らかになるであろう。このような他の実施の形態、変更、および変形は、以下の請求項の範囲に含まれることが意図されている。
【0035】
本明細書および請求項で使用される、「たとえば」、「例として」、「などの」、「ような」という用語、「備える」、「有する」、「含む」、およびこれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素またはその他の項目を列挙する際に使用されている場合、オープンエンドである、すなわちこの列挙が他の追加の構成要素または項目を除外するとみなされてはならないものであると解釈されねばならない。その他の用語は、他の解釈を要求する文脈で使用されていない限り、その最も広い妥当な意味を用いて解釈されねばならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプクランプであって、
周方向において第1の端部から第2の端部まで延びるバンドと、
前記第1および第2の端部の近傍において前記バンドに接続された締付機構とを備え、前記締付機構は、前記第1および第2の端部を互いに近付けて前記バンドを締める少なくとも1つの締結具を含み、前記パイプクランプはさらに、
前記バンドの径方向内側に位置するスプリットスリーブを備え、前記スプリットスリーブは、軸方向において第1の側部から第2の側部まで延び、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延び、前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる少なくとも1つの溝を有し、前記スプリットスリーブは少なくとも1つのさねはぎ継手を含み、前記さねはぎ継手の凸部は前記第1の周方向端部に位置し、前記さねはぎ継手の凹部は前記凸部に対向する前記第2の周方向端部に位置し、前記凸部は側端部を有し、前記凹部は、前記凸部が前記凹部に挿入される間、前記凸部の前記側端部と、その長さに沿う1つ以上のポイントで対向する、側端部を有し、このため、前記凸部および前記凹部は、突き合わされた一対のパイプ端部の周りで前記バンドが完全に締められたときに、それぞれの対向する側端部の間の空間分離領域を有し、前記パイプクランプはさらに、
前記スプリットスリーブの径方向内側に位置し前記溝に収容される少なくとも1つのガスケットを備え、前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記ガスケットは前記凸部および前記凹部それぞれの側端部の間の前記空間分離領域のうち少なくとも一部に押込まれ、これら側端部の間にシールを形成する、パイプクランプ。
【請求項2】
前記締付機構は、第1および第2のナットと、反作用ブロックと、裏板とを含み、前記少なくとも1つの締結具は、第1および第2のボルトを含み、組立の際に、前記第1および第2のボルトは、前記バンドの前記第1および第2の端部を通して、前記反作用ブロックを通して、かつ前記裏板を通して挿入される、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項3】
前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる溝なし部分を有し、前記バンドを締めると、前記ガスケットは、第1のパイプの外面、第2のパイプの外面、または双方に対して圧縮して、そこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記溝なし部分は、前記第1のパイプの外面、前記第2のパイプの外面、または双方と金属間接触して、そこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項4】
前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記ガスケットは、第1のパイプの外面、第2のパイプの外面、または双方に対して圧縮し、前記凸部の自由端と前記凹部の挿入されていない部分とによって一部が形成されたポケットを埋め、前記ガスケットはそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項5】
前記ガスケットは、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延びるスプリットガスケットであり、前記第1の周方向端部は前記凸部に位置し、締められておらず挿入されていない状態において、前記第1の周方向端部は前記凸部の自由端から張り出した周方向の張出部を有し、前記第2の周方向端部は前記凹部に位置し、締められておらず挿入されていない状態において、前記第2の周方向端部は前記凹部の底端部から張り出した周方向の張出部を有する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項6】
前記スプリットスリーブは、前記第1の側部と前記溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる第1の溝なし部分を有し、前記スプリットスリーブは、前記第2の側部と前記溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる第2の溝なし部分を有し、前記バンドを締めると、前記ガスケットは、第1のパイプおよび第2のパイプ双方の外面に対して圧縮し、前記第1および第2のパイプが突き合わされた部分に跨りそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第1の溝なし部分は、前記第1のパイプの外面と金属間接触しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第2の溝なし部分は、前記第2のパイプの外面と金属間接触しそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのさねはぎ継手は、前記溝に位置する第1のさねはぎ継手と、前記第1の溝なし部分に位置する第2のさねはぎ継手と、前記第2の溝なし部分に位置する第3のさねはぎ継手とを含む、請求項6に記載のパイプクランプ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝は第1の溝と第2の溝とを含み、前記スプリットスリーブは、前記第1の溝と前記第2の溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる溝なし部分を含み、前記少なくとも1つのガスケットは、前記第1の溝に収容される第1のガスケットを含み、かつ、前記第2の溝に収容される第2のガスケットを含み、前記バンドを締めると、前記第1のガスケットは第1のパイプの外面に対して圧縮しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第2のガスケットは第2のパイプの外面に対して圧縮しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記溝なし部分は、前記第1および第2のパイプそれぞれの外面双方と金属間接触し、前記第1および第2のパイプが突き合わされた部分に跨りそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのさねはぎ継手は、前記第1の溝に位置する第1のさねはぎ継手と、前記第2の溝に位置する第2のさねはぎ継手と、前記溝なし部分に位置する第3のさねはぎ継手と、前記溝なし部分に位置する第4のさねはぎ継手とを含む、請求項8に記載のパイプクランプ。
【請求項10】
パイプクランプであって、
周方向において第1の端部から第2の端部まで延びるバンドと、
前記第1および第2の端部の近傍において前記バンドに接続された締付機構とを備え、前記締付機構は、前記第1および第2の端部を互いに近付けて前記バンドを締める少なくとも1つの締結具を含み、前記パイプクランプはさらに、
前記バンドの径方向内側に位置するスプリットスリーブを備え、前記スプリットスリーブは、軸方向において第1の側部から第2の側部まで延び、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延び、前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる少なくとも1つの溝を有し、前記スプリットスリーブは少なくとも1つのさねはぎ継手を含み、前記さねはぎ継手の凸部は前記第1の周方向端部に位置し、前記さねはぎ継手の凹部は前記第2の周方向端部に位置し、前記凸部および凹部は各々側端部を有し、前記パイプクランプはさらに、
前記スプリットスリーブの径方向内側に位置し前記溝に収容される少なくとも1つのガスケットを備え、前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記凸部の側端部と前記凹部の側端部が1つ以上のポイントで対向して対向した部分において空間分離部分を形成し、前記ガスケットは前記空間分離部分において前記凸部の側端部と前記凹部の側端部との間に押込まれてそこにガスケット付きシールを形成する、パイプクランプ。
【請求項1】
パイプクランプであって、
周方向において第1の端部から第2の端部まで延びるバンドと、
前記第1および第2の端部の近傍において前記バンドに接続された締付機構とを備え、前記締付機構は、前記第1および第2の端部を互いに近付けて前記バンドを締める少なくとも1つの締結具を含み、前記パイプクランプはさらに、
前記バンドの径方向内側に位置するスプリットスリーブを備え、前記スプリットスリーブは、軸方向において第1の側部から第2の側部まで延び、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延び、前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる少なくとも1つの溝を有し、前記スプリットスリーブは少なくとも1つのさねはぎ継手を含み、前記さねはぎ継手の凸部は前記第1の周方向端部に位置し、前記さねはぎ継手の凹部は前記凸部に対向する前記第2の周方向端部に位置し、前記凸部は側端部を有し、前記凹部は、前記凸部が前記凹部に挿入される間、前記凸部の前記側端部と、その長さに沿う1つ以上のポイントで対向する、側端部を有し、このため、前記凸部および前記凹部は、突き合わされた一対のパイプ端部の周りで前記バンドが完全に締められたときに、それぞれの対向する側端部の間の空間分離領域を有し、前記パイプクランプはさらに、
前記スプリットスリーブの径方向内側に位置し前記溝に収容される少なくとも1つのガスケットを備え、前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記ガスケットは前記凸部および前記凹部それぞれの側端部の間の前記空間分離領域のうち少なくとも一部に押込まれ、これら側端部の間にシールを形成する、パイプクランプ。
【請求項2】
前記締付機構は、第1および第2のナットと、反作用ブロックと、裏板とを含み、前記少なくとも1つの締結具は、第1および第2のボルトを含み、組立の際に、前記第1および第2のボルトは、前記バンドの前記第1および第2の端部を通して、前記反作用ブロックを通して、かつ前記裏板を通して挿入される、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項3】
前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる溝なし部分を有し、前記バンドを締めると、前記ガスケットは、第1のパイプの外面、第2のパイプの外面、または双方に対して圧縮して、そこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記溝なし部分は、前記第1のパイプの外面、前記第2のパイプの外面、または双方と金属間接触して、そこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項4】
前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記ガスケットは、第1のパイプの外面、第2のパイプの外面、または双方に対して圧縮し、前記凸部の自由端と前記凹部の挿入されていない部分とによって一部が形成されたポケットを埋め、前記ガスケットはそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項5】
前記ガスケットは、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延びるスプリットガスケットであり、前記第1の周方向端部は前記凸部に位置し、締められておらず挿入されていない状態において、前記第1の周方向端部は前記凸部の自由端から張り出した周方向の張出部を有し、前記第2の周方向端部は前記凹部に位置し、締められておらず挿入されていない状態において、前記第2の周方向端部は前記凹部の底端部から張り出した周方向の張出部を有する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項6】
前記スプリットスリーブは、前記第1の側部と前記溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる第1の溝なし部分を有し、前記スプリットスリーブは、前記第2の側部と前記溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる第2の溝なし部分を有し、前記バンドを締めると、前記ガスケットは、第1のパイプおよび第2のパイプ双方の外面に対して圧縮し、前記第1および第2のパイプが突き合わされた部分に跨りそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第1の溝なし部分は、前記第1のパイプの外面と金属間接触しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第2の溝なし部分は、前記第2のパイプの外面と金属間接触しそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのさねはぎ継手は、前記溝に位置する第1のさねはぎ継手と、前記第1の溝なし部分に位置する第2のさねはぎ継手と、前記第2の溝なし部分に位置する第3のさねはぎ継手とを含む、請求項6に記載のパイプクランプ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝は第1の溝と第2の溝とを含み、前記スプリットスリーブは、前記第1の溝と前記第2の溝との間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる溝なし部分を含み、前記少なくとも1つのガスケットは、前記第1の溝に収容される第1のガスケットを含み、かつ、前記第2の溝に収容される第2のガスケットを含み、前記バンドを締めると、前記第1のガスケットは第1のパイプの外面に対して圧縮しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記第2のガスケットは第2のパイプの外面に対して圧縮しそこにシールを形成し、前記バンドを締めると、前記溝なし部分は、前記第1および第2のパイプそれぞれの外面双方と金属間接触し、前記第1および第2のパイプが突き合わされた部分に跨りそこにシールを形成する、請求項1に記載のパイプクランプ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのさねはぎ継手は、前記第1の溝に位置する第1のさねはぎ継手と、前記第2の溝に位置する第2のさねはぎ継手と、前記溝なし部分に位置する第3のさねはぎ継手と、前記溝なし部分に位置する第4のさねはぎ継手とを含む、請求項8に記載のパイプクランプ。
【請求項10】
パイプクランプであって、
周方向において第1の端部から第2の端部まで延びるバンドと、
前記第1および第2の端部の近傍において前記バンドに接続された締付機構とを備え、前記締付機構は、前記第1および第2の端部を互いに近付けて前記バンドを締める少なくとも1つの締結具を含み、前記パイプクランプはさらに、
前記バンドの径方向内側に位置するスプリットスリーブを備え、前記スプリットスリーブは、軸方向において第1の側部から第2の側部まで延び、周方向において第1の周方向端部から第2の周方向端部まで延び、前記スプリットスリーブは、前記第1および第2の側部の間に位置し前記第1および第2の周方向端部の間に延びる少なくとも1つの溝を有し、前記スプリットスリーブは少なくとも1つのさねはぎ継手を含み、前記さねはぎ継手の凸部は前記第1の周方向端部に位置し、前記さねはぎ継手の凹部は前記第2の周方向端部に位置し、前記凸部および凹部は各々側端部を有し、前記パイプクランプはさらに、
前記スプリットスリーブの径方向内側に位置し前記溝に収容される少なくとも1つのガスケットを備え、前記バンドを締め前記凸部を前記凹部に挿入すると、前記凸部の側端部と前記凹部の側端部が1つ以上のポイントで対向して対向した部分において空間分離部分を形成し、前記ガスケットは前記空間分離部分において前記凸部の側端部と前記凹部の側端部との間に押込まれてそこにガスケット付きシールを形成する、パイプクランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2013−503311(P2013−503311A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527018(P2012−527018)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/046944
【国際公開番号】WO2011/025935
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(503469175)ノーマ・ユー・エス・ホールディング・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (13)
【氏名又は名称原語表記】NORMA U. S. HOLDING LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/046944
【国際公開番号】WO2011/025935
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(503469175)ノーマ・ユー・エス・ホールディング・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (13)
【氏名又は名称原語表記】NORMA U. S. HOLDING LLC
【Fターム(参考)】
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