説明

スルホンアミドおよびそれらの使用

本発明は、成長ホルモン分泌促進物質レセプターを調節するのに有用な化合物および組成物だけでなく、これらの化合物を使用し製造する方法に関する。これらの化合物のいくつかの例には、スルホンアミド化合物(例えば、スピロ環式スルホンアミド化合物、ビアリールおよびトリアリールスルホンアミド化合物)、および多環式部分を有する他の化合物が挙げられる。本明細書中にて、式(I)、(II)、(III)および(IV)、および式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物を投与することにより障害を治療する方法が記述されている。障害の例には、新生物性障害、脂肪細胞関連障害、神経変性障害および代謝障害が挙げられる。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、米国特許法第119条第(e)項に基づいて、米国許出願第60/559,166号(これは、2004年4月2日に出願され、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)から優先権を主張している。
【0002】
(背景)
成長ホルモン分泌促進物質レセプター(GHS−R)は、多数の生理学的プロセス(これには、成長ホルモン(GH)の放出、代謝、および食欲が挙げられる)を制御する。グレリンは、28のアミノ酸ペプチドであり、これは、成長ホルモン分泌促進物質レセプター(GHS−R)(これはまた、グレリンとしても知られている)のための内生配位子である。グレリンは、ヒトにおける摂食を刺激することが明らかとなっている。齧歯類では、グレリンは、体重増加および肥満症を誘発する。例えば、非特許文献1を参照のこと。グレリンは、摂食を制御することに加えて、特に、成長組織において、GHS−Rを活性化することにより、GHの分泌を刺激できる。
【0003】
従って、GHS−R活性を調節する化合物は、少なくとも、GHS−Rの生理機能に関連した障害を制御するのに有用である。
【非特許文献1】Asakawa(2003)Gut 52:947
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明は、とりわけ、GHS−Rを調節するのに有用な化合物および組成物だけでなく、これらの化合物を使用し製造する方法に関する。これらの化合物のいくつかの例には、スルホンアミド化合物(例えば、スピロ環式スルホンアミド化合物、ビアリールおよびトリアリールスルホンアミド化合物)、および多環式部分を有する他の化合物が挙げられる。ポリアリール化合物の例には、インドールアリール化合物(例えば、置換インドールアリール化合物)、1,4−ビフェニル化合物(ここで、このフェニル化合物の1種は、窒素含有複素環部分(例えば、テトラゾール(例えば、オルトテトラゾール))で置換されている)が挙げられる。これらの化合物は、治療用途(被験体(例えば、哺乳動物、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ)における障害、疾患または疾患状態の調節を含めて)で使用できる。これらの化合物には、有用なGHS−Rアンタゴニストが挙げられる。このようなアンタゴニストは、例えば、被験体における摂食を減らすために、使用できる。
【0005】
これらの化合物は、それらの立体異性体を含めて、1つずつ、小クラスターにおいて、または組み合わせ様式で、いずれかで作成でき、化合物の構造的に多様なライブラリが得られる。
【0006】
1局面では、本発明は、式(I)の化合物を特色とする:
【0007】
【化20】

ここで;
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクリル、シクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
k’は、結合、O、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、S、SO、SO、CR=CRまたはC≡Cである;
nは、1〜6、好ましくは、1〜3である;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである;
Aは、
【0008】
【化21】

である;
xおよびyは、それぞれ別個に、0〜6である;
Mは、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクリルまたはヘテロシクリルであるか、またはRおよびRは、一緒になって、複素環を形成できるか、またはRおよびRは、一緒になって、アジド部分を形成できる;ここで、各RおよびRは、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキル、1個〜3個のアルコキシまたは1個〜3個のオキソで置換されている;
は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(例えば、ビアリール種を形成するために)、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)R、SRである;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換できる;R7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、RおよびRが結合する窒素とR7aおよびR7bとの間で、1個またはそれ以上の架橋を形成でき、ここで、各架橋は、1個〜5個の炭素を含有する;またはR7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、1個またはそれ以上の複素環を形成でき、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む;
Xは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;いくつかの場合では、Xは、好ましくは、C(O)、C(O)NRCH(ここで、該CHは、該Y部分に結合される)、またはCHである;
Yは、
【0009】
【化22】

である;
ここで、
Bは、CHC(O)OR、CHC(O)R、CHC(O)N(R、NSO、CHN(R、C(O)、CHN(R)SO、CHCHOR、CHR、NR、NC(O)R、NC(O)OR、NC(O)NRであるか、またはDと一緒になるとき、CR=CRである;
Dは、(CH、CHC〜Cアルキル、O、C(O)、またはBと一緒になるとき、CR=CRである;ここで、pは、1、2または3である;
Eは、別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されている;
mは、0、1または2である;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルである;それらの各々は、別個に、1個またはそれ以上のRで置換できる;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル、ハロ、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFである;
各R10は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、OC(O)N(R、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
各R10’は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
FおよびGは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、FおよびHは、Gの隣接原子上に位置している;
Hは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、N(R、OR、SR、C(O)N(R、NRC(O)R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、OC(O)N(R、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである;それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている;
J、KおよびLは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、XおよびLは、Kの隣接原子上に位置している;
Q、RおよびSは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されており、ここで、XおよびWは、Rの非隣接原子上に位置している;
Wは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;
T、UおよびVは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルである;それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されている;そして
Zは、CH、NR、O、C(O)、S(O)またはS(O)である。
【0010】
いくつかの場合では、Xは、COである;そして
Yは、
【0011】
【化23】

である。
【0012】
いくつかの場合では、Bは、NSOである;
Dは、CHである;
Eは、アリールである;そして
mは、1である。
【0013】
いくつかの場合では、BおよびDは、一緒になって、CR=CRを形成する;
Eは、アリールである;そして
mは、1である。
【0014】
いくつかの場合では、Xは、CHである;そして
Yは、
【0015】
【化24】

である。
【0016】
いくつかの場合では、Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0017】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0018】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0019】
いくつかの場合では、Fは、フェニルである;
Gは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0020】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0021】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0022】
いくつかの場合では、Xは、CHである;そして
Yは、
【0023】
【化25】

である。
【0024】
いくつかの場合では、Xは、C(O)NHCHであり、ここで、CHは、Yに結合されている;そして
Yは、
【0025】
【化26】

である。
【0026】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロシクリルである。
【0027】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0028】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0029】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0030】
いくつかの場合では、Xは、C(O)である;そして
Yは、
【0031】
【化27】

である。
【0032】
いくつかの場合では、Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0033】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0034】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0035】
いくつかの場合では、Fは、フェニルである;
Gは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0036】
いくつかの場合では、Yは、
【0037】
【化28】

である。
【0038】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0039】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0040】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)またはCHである;そして
Yは、
【0041】
【化29】

である。
【0042】
いくつかの場合では;
JおよびKは、一緒になって、インドールである;そして
Lは、アリールである。
【0043】
いくつかの場合では;
Yは、
【0044】
【化30】

である;そして
10は、ハロである。
【0045】
いくつかの場合では;
10は、Brである。
【0046】
いくつかの場合では;
Xは、COである;そして
Yは、
【0047】
【化31】

である。
【0048】
いくつかの場合では;
QおよびRは、それぞれ別個に、ヘテロシクリルである;
Sは、アリールである;そして
Wは、CHである。
【0049】
いくつかの場合では;
Qは、オキソで置換された5員窒素含有ヘテロシクリルである;
Rは、窒素を介してXに連結された6員窒素含有ヘテロシクリルである;
Sは、フェニルである;そして
Wは、CHである。
【0050】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)またはCHである;そして
Yは、
【0051】
【化32】

である。
【0052】
いくつかの場合では;
Wは、NRである;
Xは、COである;そして
Yは、
【0053】
【化33】

である。
【0054】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)NHである;
Tは、ヘテロアリールである;
Uは、アリールである;そして
Vは、ピロールまたはピペリジンである。
【0055】
いくつかの場合では;
Tは、
【0056】
【化34】

からなる群から選択される。
【0057】
いくつかの場合では;
Tは、イミダゾールである;
Uは、フェニルである;
Vは、ピロリジンである;そして
は、メチルである。
【0058】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)NHである;そして
Yは、
【0059】
【化35】

である。
【0060】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合またはOである;そして
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである。
【0061】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、Oである;そして
は、アリールアルキルである。
【0062】
いくつかの場合では、Rは、フェニルメチルである。
【0063】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合である;そして
は、アリールまたはヘテロアリールである。
【0064】
いくつかの場合では、Rは、インドールである。
【0065】
いくつかの場合では;
Aは、
【0066】
【化36】

である。
【0067】
いくつかの場合では;
Aは、CHCHであり、そして
各RおよびRは、別個に、アルキルであるか、またはRおよびRは、一緒になるとき、複素環を形成する。
【0068】
いくつかの場合では、R7aまたはR7bの少なくとも個は、RまたはRの少なくとも1個と一緒になって、複素環を形成し、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む。
【0069】
いくつかの場合では;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、アルキルである;
およびRは、それぞれ別個に、水素またはアルキルである;そして
xおよびyは、それぞれ別個に、0または1である。
【0070】
いくつかの場合では;
【0071】
【化37】

は、一緒になって、
【0072】
【化38】

である。
【0073】
別の局面では、本発明は、式(II)の化合物を特色とする:
【0074】
【化39】

ここで、
は、水素またはC〜Cアルキルである;
Aは、
【0075】
【化40】

である;
xおよびyは、それぞれ別個に、0〜6である;
Mは、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクリルまたはヘテロシクリルであるか、またはRおよびRは、一緒になって、複素環を形成できる;ここで、各RおよびRは、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換されている;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換できる;R7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、RおよびRが結合する窒素とR7aおよびR7bとの間で、1個またはそれ以上の架橋を形成でき、ここで、各架橋は、1個〜5個の炭素を含有する;またはR7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、1個またはそれ以上の複素環を形成でき、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む;
Xは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;いくつかの場合では、Xは、好ましくは、CHである;
mは、0、1または2である;
11は、
【0076】
【化41】

である。
【0077】
FおよびGは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、FおよびHは、Gの隣接原子上に位置している;
Hは、アリール、ヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10;またはOR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている;
J、KおよびLは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールである;それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、XおよびLは、Kの隣接原子上に位置している;そして
各R10は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル;シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)O、OC(O)、N(R、C(O)NR、NRC(O)、SRである。
【0078】
いくつかの場合では、Mは、アリールである
いくつかの場合では;
mは、2である;そして
Mは、アリールである。
【0079】
いくつかの場合では;
Xは、CHである;そして
11は、
【0080】
【化42】

である。
【0081】
いくつかの場合では;
Xは、CHである;
Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0082】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールてある。
【0083】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0084】
いくつかの場合では;
11は、
【0085】
【化43】

である。
【0086】
いくつかの場合では;
Aは、
【0087】
【化44】

である。
【0088】
いくつかの場合では;
Aは、CHCHであり、そして
各RおよびRは、別個に、アルキルであるか、またはRおよびRは、一緒になるとき、複素環を形成する。
【0089】
いくつかの場合では、R7aまたはR7bの少なくとも個は、RまたはRの少なくとも1個と一緒になって、複素環を形成し、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む。
【0090】
いくつかの場合では、R7aおよびR7bは、それぞれ別個に、アルキルである;RおよびRは、それぞれ別個に、水素またはアルキル;そしてxおよびyは、それぞれ別個に、0または1である。
【0091】
いくつかの場合では;
【0092】
【化45】

は、一緒になって、
【0093】
【化46】

である。
【0094】
別の局面では、本発明は、式(III)の化合物を特色とする:
【0095】
【化47】

ここで;
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクリル、シクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
k’は、結合、O、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、S、SO、SO、CR=CRまたはC≡Cである;
nは、1〜6、好ましくは、1〜3である;
は、水素、C〜Cアルキルである;
は、水素、C〜Cアルキル;
Aは、
【0096】
【化48】

である;
xおよびyは、それぞれ別個に、0〜6である;
Mは、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクリルまたはヘテロシクリルであるか、またはRおよびRは、一緒になって、複素環を形成できる;ここで、各RおよびRは、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換されている;
は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(ビアリール種を形成するために)、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)R、SRである;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換できる;R7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、RおよびRが結合する窒素とR7aおよびR7bとの間で、1個またはそれ以上の架橋を形成でき、ここで、各架橋は、1個〜5個の炭素を含有する;またはR7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、1個またはそれ以上の複素環を形成でき、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む;
Xは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;いくつかの場合では、Xは、好ましくは、C(O)またはCHである;
Zは、
【0097】
【化49】

である;
FおよびGは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、FおよびHは、Gの隣接原子上に位置している;
Hは、アリール、ヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10;またはOR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている;
J、KおよびLは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールである;それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、XおよびLは、Kの隣接原子上に位置している;そして
各R10は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル;シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)O、OC(O)、N(R、C(O)NR、NRC(O)、SRである。
【0098】
いくつかの場合では;Xは、CHまたはCOである;そして
Zは、
【0099】
【化50】

である。
【0100】
いくつかの場合では;
Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0101】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0102】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0103】
いくつかの場合では;
Xは、CHまたはC(O)である;そして
Yは、
【0104】
【化51】

である。
【0105】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合またはOである;そして
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである。
【0106】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、Oである;そして
は、アリールアルキルである。
【0107】
いくつかの場合では、Kは、Oであり、そしてRは、フェニルメチルである。
【0108】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合である;そして
は、アリールまたはヘテロアリールである。
【0109】
いくつかの場合では;k’は、結合であり、そしてRは、インドールである。
【0110】
いくつかの場合では;
Aは、
【0111】
【化52】

である。
【0112】
いくつかの場合では;
Aは、CHCHであり、そして
各RおよびRは、別個に、アルキルであるか、またはRおよびRは、一緒になるとき、複素環を形成する。
【0113】
いくつかの場合では、R7aまたはR7bの少なくとも1個は、RまたはRの少なくとも1個と一緒になって、複素環を形成し、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む。
【0114】
いくつかの場合では;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、アルキルである;
およびRは、それぞれ別個に、水素またはアルキルである;そして
xおよびyは、それぞれ別個に、0または1である。
【0115】
いくつかの場合では;
【0116】
【化53】

は、一緒になって、
【0117】
【化54】

である。
【0118】
別の局面では、本発明は、式(IV)の化合物を特色とする:
【0119】
【化55】

ここで;
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクリル、シクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
k’は、結合、O、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、S、SO、SO、CR=CRまたはC≡Cである;
nは、1〜6、好ましくは、1〜3である;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである;
Xは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;いくつかの場合では、Xは、好ましくは、C(O)CHである;
A’は、ヘテロシクリルであり、その各々は、1個〜4個のR10またはR10アルキルで置換されている
Yは、
【0120】
【化56】

である。
ここで、
Bは、CHC(O)OR、CHC(O)R、CHC(O)N(R、NSO、CHN(R、C(O)、CHN(R)SO、CHCHOR、CHR、NR、NC(O)R、NC(O)OR、NC(O)NRであるか、またはDと一緒になるとき、CR=CRである;
Dは、(CH、CHC〜Cアルキル、O、C(O)、またはBと一緒になるとき、CR=CRである;ここで、pは、1、2または3である;
Eは、別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されている;
mは、0、1または2である;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルである;それらの各々は、別個に、1個またはそれ以上のRで置換できる;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル、ハロ、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFである;
各R10は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、OC(O)N(R、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
各R10’は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
FおよびGは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、FおよびHは、Gの隣接原子上に位置している;
Hは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、N(R、OR、SR、C(O)N(R、NRC(O)R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、OC(O)N(R、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである;それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている;
J、KおよびLは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、XおよびLは、Kの隣接原子上に位置している;
Q、RおよびSは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されており、ここで、XおよびWは、Rの非隣接原子上に位置している;
Wは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;
T、UおよびVは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルである;それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されている;そして
Zは、CH、NR、O、C(O)、S(O)またはS(O)である。
【0121】
いくつかの場合では、Xは、COである;そして
Yは、
【0122】
【化57】

である。
【0123】
いくつかの場合では、Bは、NSOである;
Dは、CHである;
Eは、アリールである;そして
mは、1である。
【0124】
いくつかの場合では、BおよびDは、一緒になって、CR=CRを形成する;
Eは、アリールである;そして
mは、1である。
【0125】
いくつかの場合では、Xは、CHである;そして
Yは、
【0126】
【化58】

である。
【0127】
いくつかの場合では、Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0128】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0129】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0130】
いくつかの場合では、Fは、フェニルである;
Gは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0131】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0132】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0133】
いくつかの場合では、Xは、CHである;そして
Yは、
【0134】
【化59】

である。
【0135】
いくつかの場合では、Xは、C(O)NHCHであり、ここで、CHは、Yに結合されている;そして
Yは、
【0136】
【化60】

である。
【0137】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロシクリルである。
【0138】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0139】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0140】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0141】
いくつかの場合では、Xは、C(O)である;そして
Yは、
【0142】
【化61】

である。
【0143】
いくつかの場合では、Fは、アリールである;
Gは、アリールである;そして
Hは、ヘテロアリールである。
【0144】
いくつかの場合では、Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0145】
いくつかの場合では、Hは、テトラゾールまたはオキサジアゾールである。
【0146】
いくつかの場合では、Fは、フェニルである;
Gは、フェニルである;そして
Hは、窒素含有ヘテロアリールである。
【0147】
いくつかの場合では、Yは、
【0148】
【化62】

である。
【0149】
いくつかの場合では、FおよびGは、フェニルである;そして
Hは、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである。
【0150】
いくつかの場合では、Hは、さらに、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている。
【0151】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)またはCHである;そして
Yは、
【0152】
【化63】

である。
【0153】
いくつかの場合では;
JおよびKは、一緒になって、インドールである;そして
Lは、アリールである。
【0154】
いくつかの場合では;
Yは、
【0155】
【化64】

である;そして
10は、ハロである。
【0156】
いくつかの場合では;
10は、Brである。
【0157】
いくつかの場合では;
Xは、COである;そして
Yは、
【0158】
【化65】

である。
【0159】
いくつかの場合では;
QおよびRは、それぞれ別個に、ヘテロシクリルである;
Sは、アリールである;そして
Wは、CHである。
【0160】
いくつかの場合では;
Qは、オキソで置換された5員窒素含有ヘテロシクリルである;
Rは、窒素を介してXに連結された6員窒素含有ヘテロシクリルである;
Sは、フェニルである;そして
Wは、CHである。
【0161】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)またはCHである;そして
Yは、
【0162】
【化66】

である。
【0163】
いくつかの場合では;
Wは、NRである;
Xは、COである;そして
Yは、
【0164】
【化67】

である。
【0165】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)NHである;
Tは、ヘテロアリールである;
Uは、アリールである;そして
Vは、ピロールまたはピペリジンである。
【0166】
いくつかの場合では;
Tは、
【0167】
【化68】

からなる群から選択される。
【0168】
いくつかの場合では;
Tは、イミダゾールである;
Uは、フェニルである;
Vは、ピロリジンである;そして
は、メチルである。
【0169】
いくつかの場合では;
Xは、C(O)NHである;そして
Yは、
【0170】
【化69】

である。
【0171】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合またはOである;そして
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである。
【0172】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、Oである;そして
は、アリールアルキルである。
【0173】
いくつかの場合では、Rは、フェニルメチルである。
【0174】
いくつかの場合では;
nは、1である;
k’は、結合である;そして
は、アリールまたはヘテロアリールである。
【0175】
いくつかの場合では、Rは、インドールである。
【0176】
いくつかの場合では、A’は、5員または6員ヘテロシクリルである。
【0177】
いくつかの場合では、A’は、
【0178】
【化70】

である。
【0179】
1局面では、本発明は、式(I)、(II)、(III)、(IV)の構造または本明細書中で記述した他の構造を有する化合物に特徴があり、この化合物は、GHS−Rに結合するグレリンと競合する。
【0180】
別の局面では、本発明は、式(I)、(II)、(III)、(IV)の構造または本明細書中で記述した他の構造を有する化合物に特徴があり、この化合物は、被験体の食欲を変えるか被験体の摂食挙動を変えるのに有効である。
【0181】
白色脂肪組織(WAT)中のレジスチン、レプチンまたはアジポネチン(adiponetin)mRNAを調節するか、または血液中のインスリン、IGF−1、GH、コルチゾール、トリグリセリド、遊離脂肪酸、コレステロール(例えば、VLDLまたはHLDL粒子)またはグルコースを調節するのに有効である。
【0182】
別の局面では、本発明は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の構造または本明細書中で記述した他の構造を有する化合物に特徴があり、この化合物は、新生物細胞(例えば、グレリン−感受性新生物の細胞)の成長またはGHS−Rアンタゴニスト−感受性の新生物障害を阻止するのに有効である。
【0183】
別の局面では、本発明は、表1で列挙した化合物を特色とする。
【0184】
別の局面では、本発明は、GHS−R活性を調節(例えば、アンタゴナイズ、アゴナイズまたは逆アゴナイズ)する有機化合物に特徴があり、この化合物は、700ダルトン未満の分子量を有し、そして4個より少ないL−またはD−アミノ酸(例えば、それらのいずれかの塩)を有する。例えば、この化合物は、特定の実施形態では、金属カチオンを結合し得るか、そうでなければ、含み得る。
【0185】
1実施形態では、この有機化合物は、スピロ環式スルホンアミド部分を含む。1実施形態では、この化合物は、ポリアリール(例えば、ビアリールまたはトリアリール)スルホンアミド部分を含む。1実施形態では、この化合物は、[D−Lys−3]−GHRP−6またはH(2)N−D−arg−Pro−Lys−Pro−d−Phe−Gln−d−Trp−Phe−d−Trp−Leu−Leu−NH(2)(L−756、867)未満、あるいは[D−Lys−3]−GHRP−6またはL−756、867の2、1.5、1.4、1.2、1.1、0.8、0.6または0.5倍以内の分子量を有する。
【0186】
別の局面では、本発明は、本明細書中で記述した化合物(例えば、表1で列挙した化合物または上記化合物)と薬学的に受容可能なキャリアとを含む組成物を特色とする。
【0187】
別の局面では、本発明は、被験体におけるGHS−R活性を低下させる方法を特色とする。この方法は、この被験体に、該被験体におけるGHS−R活性を低下させるのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。1実施形態では、この被験体は、哺乳動物(例えば、ヒト、霊長類、イヌ、競争哺乳動物、純血哺乳動物または農業用哺乳動物)である。1実施形態では、この被験体は、太り過ぎまたは肥満である。
【0188】
1実施形態では、GHS−R活性は、次の組織の1つまたはそれ以上において、調節される:下垂体、脳、脊髄、子宮、脾臓、膵臓、腎臓、副腎、骨格筋、甲状腺、肝臓、視床下部、心臓、肺、膵臓、腸および脂肪組織。
【0189】
別の局面では、本発明は、以下の工程を包含する方法を特色とする:肥満であるか、確立された臨床規準(例えば、「NIH Clinical Guidelines on the Identification and Evaluation、and Treatment of Overweight and Obesity in Adults」(1998))を使用して肥満のリスクがあるか、インシュリン耐性があるか、または太り過ぎである被験体を識別する工程;および該被験体に、体重増加を阻止するか、脂肪含有量を減らすか、代謝活性を高めるか、血糖濃度を低下させるか、血液インシュリン濃度を低下させるか、またはインシュリン耐性を高めるのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。
【0190】
肥満はまた、被験体の肥満度指数(BMI)により定義でき、これは、体重の状態を表示する手段であり、そして身長に対する体重の尺度である。(Garrow JS and Webster J.Quetelet’s index(W/H)as a measure of fatness.International Journal of Obesity 1985;9:147−153を参照のこと)。18.5以下のBMIは、標準体重以下であると見なされる。18.5と24.9の間のBMIは、標準であり、25.0と29.9のBMIの間のBMIは、太り過ぎと見なされ、そして30.0以上のBMIは、肥満と見なされる。このBMIの範囲は、疾患および死亡に対する体重の影響に基づいている。(World Health Organization.Physical status:The use and interpretation of anthropometry.Geneva,Switzerland:World Health Organization 1995.WHO Technical Report Seriesを参照のこと)。BMIが高くなるにつれて、一部の疾患のリスクが高まる。
【0191】
別の局面では、本発明は、過食症および肥満に関連したプラダーウィリー症候群に罹った被験体を治療する方法を特色とする。プラダーウィリー症候群とは、過食症、肥満、低血圧症および軽度の知恵遅れに特徴がある染色体15に局在性の遺伝病である。(例えば、Growth Hormone & IGF Research 13(2003)322−327;Growth Hormone & IGF Research 14(2004)1−15;The Journal of Clinical Endrocrinology & Metabolism 88(1):174−178;The Journal of Clinical Endrocrinology & Metabolism 88(5):2206−2212;Journal of Clinical Endrocrinology & Metabolism 88(5):3573−3576;Journal of Clinical Endrocrinology & Metabolism 87(12):5461−5464を参照のこと)。この方法は、被験体における体重を維持するか減少させるのに有効な量で、および/または被験体における食欲を低下させ、過食症に付随する行動異常を抑制し、そしてこれらの個体の極端な肥満に関連した罹患および死亡のリスクを低下させるのに有効な量で、該被験体に、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。肥満に関連した死亡には、II型糖尿病、循環器病および卒中が挙げられる。いくつかの場合、肥満を伴うプラダーウィリー症候群に罹った被験体は、例えば、患者のDNAメチル化試験、マイクロサテライト試験および/または臨床表現化(clinical phenotyping)により、識別できる。
【0192】
別の局面では、本発明は、インシュリン関連障害(例えば、糖尿病、網膜症、神経障害、腎症、および末端臓器損傷)を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、被験体に、該被験体のインシュリン耐性を治療または予防するのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。
【0193】
別の局面では、本発明は、以下の工程を包含する方法を特色とする:被験体に、該被験体におけるGHS−R活性を低下させるのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程(例えば、アンタゴニストまたは逆作用アゴニストを投与する工程)。1実施形態では、この被験体は、以下からなる群から選択される障害を有するか障害があると診断されている:癌、糖尿病、神経学的障害、肥満、加齢に伴う障害、新生物障害、非新生物障害、心血管障害、代謝障害または皮膚障害。
【0194】
例えば、この化合物は、経口的または非経口的(例えば、注射により)などで、投与される。1実施形態では、この化合物は、複数の間隔(例えば、規則的な間隔)を置いて、投与される。1実施形態では、この方法は、さらに、GHまたはIGF−1活性について該被験体をモニターする工程;GHS−Rにより調節される遺伝子またはタンパク質(例えば、レジスチン、レプチンまたはアディポネクチン)について該被験体をモニターする工程またはグレリン、インスリン、レプチンおよび/またはIGF−1の血液または血漿レベルについて該被験体をモニターする工程を包含する。
【0195】
別の局面では、本発明は、グレリンレベル(例えば、グレリンレベルの上昇(例えば、プラダーウィリ症候群)あるいは所望レベルまたは正常レベルを超えるGHS−R媒介シグナル伝達レベルに特徴がある障害を治療または予防する方法を特色とするこの方法は、以下の工程を包含する:被験体に、該被験体におけるGHS−R媒介シグナル伝達を減弱、阻止または遮断するのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。
【0196】
別の局面では、本発明は、所望レベルまたは正常レベル未満のグレリンレベルまたはGHS−R媒介シグナル伝達レベルに特徴がある障害を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:例えば、次の組織の1つまたはそれ以上において、被験体に、該被験体におけるGHS−R媒介シグナル伝達を高めるのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程:下垂体、脳、脊髄、子宮、脾臓、膵臓、腎臓、副腎、骨格筋、甲状腺、肝臓、小腸および心臓。
【0197】
別の局面では、本発明は、GHS−R感受性新生物障害を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、被験体に、該被験体における新生物障害を改善する(例えば、増殖を抑制するか、細胞を殺すか、あるいは新生物細胞の成長または活性を低下または阻止する)のに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。
【0198】
別の局面では、本発明は、被験体における摂食行動を調節する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:被験体に、該被験体における摂食行動を調節する(例えば、該被験体の食欲を高める)量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。1実施形態では、この化合物は、食事時間または食物が入手できるようになると予想される時間の前(例えば、少なくとも0.5、1、2または4時間前)に、投与される。関連した局面では、この方法は、被験体に、該被験体における摂食行動を調節する(例えば、該被験体の食欲を低下させる)量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。1実施形態では、この化合物は、食事時間または食物が入手できるようになると予想される時間の前(例えば、少なくとも0.5、1、2または4時間前)に、投与される。
【0199】
別の局面では、本発明は、被験体における新生物障害を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:その新生物障害が、グレリンまたはGHS−RアゴニストあるいはGHS−Rアンタゴニストに対して感受性の細胞により媒介されるかどうかを決定する工程、および本明細書中で記述したGHS−R相互作用化合物を選択する工程;および選択された化合物を該被験体に投与する工程。
【0200】
別の局面では、本発明は、神経変性疾患を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:被験体に、該被験体における神経変性疾患を改善するのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。
【0201】
別の局面では、本発明は、代謝障害を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:被験体に、該被験体における代謝障害を改善するのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。
【0202】
別の局面では、本発明は、心血管障害を治療または予防する方法を特色とする。この方法は、以下の工程を包含する:被験体に、該被験体における心血管障害を改善するのに有効な量で、本明細書中で記述した化合物を投与する工程。
【0203】
別の局面では、本発明は、以下を含むキットを特色とする:本明細書中で記述した化合物;および本明細書中で記述した障害(例えば、摂食障害、過剰または望ましくないGHS−R活性に特徴がある代謝障害、心血管障害、神経変性疾患、およびGH/IGF−1活性の変化に関連した障害)を治療するために該化合物を投与する説明書。
【0204】
別の局面では、本発明は、以下を含むキットを特色とする:(1)本明細書中で記述した化合物;および(2)GHS−Rにより制御される1種またはそれ以上の遺伝子の発現をモニターする1種またはそれ以上の試薬(例えば、レジスチン、レプチンまたはアディポネクチン)、または代謝制御装置の血漿レベルをモニターする1種またはそれ以上の試薬(例えば、グレリン、インスリン、IGF−1またはレプチン)
1局面では、本発明は、被験体におけるIGF−1レベル(例えば、循環しているIGF−1レベル)を調節する方法を特色とする。この方法は、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。1実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、IGF−1レベルを調節する(例えば、IGF−1レベルを増加または減少する)のに有効な量で、該被験体に投与される。特に、アンタゴニストは、IGF−1レベルを減少させるのに有効であると考えられており、そしてアゴニストは、IGF−1レベルを増加させるのに有効であると考えられている。
【0205】
1局面では、本発明は、被験体におけるインシュリンレベル(例えば、循環しているインシュリンレベル)を調節する方法を特色とする。この方法は、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。1実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、インシュリンレベルを調節する(例えば、インシュリンレベルを増加または減少する)のに有効な量で、該被験体に投与される。特に、アンタゴニストは、インシュリンレベルを減少させるのに有効であると考えられており、そしてアゴニストは、インシュリンレベルを増加させるのに有効であると考えられている。
【0206】
1局面では、本発明は、被験体におけるグルコースレベル(例えば、循環しているグルコースレベル)を調節する方法を特色とする。この方法は、本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。1実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、グルコースレベルを調節する(例えば、グルコースレベルを増加または減少する)のに有効な量で、該被験体に投与される。特に、アゴニストは、グルコースレベルを増加させるのに有効であると考えられており、そしてアンタゴニストは、グルコースレベルを減少させるのに有効であると考えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0207】
「ハロ」との用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の任意のラジカルを意味する。「アルキル」との用語は、直鎖または分枝鎖であり得る炭化水素鎖を意味し、これは、指定した数の炭素原子を含む。例えば、C〜C10は、その中に1個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有し得ることを示す。「低級アルキル」との用語は、C〜Cアルキル鎖を意味する。数値の指定がない場合、「アルキル」は、その中に1個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分枝)である。「アルコキシ」との用語は、−O−アルキルラジカルを意味する。「アルキレン」との用語は、二価アルキル(すなわち、−R−)を意味する。「アミノアルキル」との用語は、アミノで置換されたたアルキルを意味する。「メルカプト」との用語は、−SHラジカルを意味する。「チオアルコキシ」との用語は、−S−アルキルラジカルを意味する。
【0208】
「アルケニル」との用語は、1個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖であり得る炭化水素鎖を意味する。そのアルケニル部分は、指定した数の炭素原子を含む。例えば、C〜C10は、その中に2個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有し得ることを示す。「低級アルケニル」との用語は、C〜Cアルキル鎖を意味する。数値の指定がない場合、「アルケニル」は、その中に2個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分枝)である。
【0209】
「アルキニル」との用語は、1個またはそれ以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖であり得る炭化水素鎖を意味する。そのアルキニル部分は、指定した数の炭素原子を含む。例えば、C〜C10は、その中に2個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有し得ることを示す。「低級アルキニル」との用語は、C〜Cアルキル鎖を意味する。数値の指定がない場合、「アルキニル」は、その中に2個〜10個(それらの数を含めて)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分枝)である。
【0210】
「アリール」との用語は、6−炭素単環式、10−炭素二環式または14−炭素三環式の芳香族環系を意味し、ここで、各環の0個、1個、2個、3個または4個の原子は、置換基で置換され得る。アリール基の例には、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。「アリールアルキル」との用語または「アラルキル」との用語は、アリールで置換されてアルキルを意味する。「アリールアルケニル」との用語は、アリールで置換されたアルケニルを意味する。「アリールアルキニル」との用語は、アリールで置換されたアルキニルを意味する。「アリールアルコキシ」との用語は、アリールで置換されたアルコキシを意味する。
【0211】
本明細書中で使用する「シクロアルキル」または「シクリル」との用語は、3個〜12個の炭素、好ましくは、3個〜8個の炭素、さらに好ましくは、3個〜6個の炭素を有する飽和および部分不飽和環状炭化水素を含み、ここで、そのシクロアルキル基は、必要に応じて、置換され得る。好ましいシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0212】
「ヘテロアリール」との用語は、芳香族5員〜8員単環式、8員〜12員二環式または11員〜14員三環式環系であって、これは、もし単環式なら、1個〜3個のヘテロ原子、もし二環式なら、1個〜6個のヘテロ原子、またはもし三環式なら、1個〜9個のヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され(例えば、炭素原子と、もし単環式、二環式または三環式なら、それぞれ、N、OまたはSの1個〜3個、1個〜6個または1個〜9個のヘテロ原子)、ここで、各環の0個、1個、2個、3個または4個の原子は、置換基で置換され得る。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリルなどが挙げられる。「ヘテロアリールアルキル」との用語または「ヘテロアラルキル」との用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを意味する。「ヘテロアリールアルケニル」との用語は、ヘテロアリールで置換されたアルケニルを意味する。「ヘテロアリールアルキニル」との用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキニルを意味する。「ヘテロアリールアルコキシ」との用語は、ヘテロアリールで置換されたアルコキシを意味する。
【0213】
「ヘテロシクリル」との用語は、非芳香族5員〜8員単環式、5員〜12員二環式または11員〜14員三環式環系であって、これは、もし単環式なら、1個〜3個のヘテロ原子、もし二環式なら、1個〜6個のヘテロ原子、またはもし三環式なら、1個〜9個のヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され(例えば、炭素原子と、もし単環式、二環式または三環式なら、それぞれ、N、OまたはSの1個〜3個、1個〜6個または1個〜9個のヘテロ原子)、ここで、各環の0個、1個、2個または3個の原子は、置換基で置換され得る。ヘテロシクリル基の例には、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルが挙げられ、そして架橋環系および縮合環系の両方が挙げられる。「ヘテロシクリルアルキル」との用語は、ヘテロシクリルで置換されたアルキルを意味する。
【0214】
「スルホニル」との用語は、二重結合を介して2個の酸素原子に結合されたイオウを意味する。「アルキルスルホニル」とは、スルホニルで置換されたアルキルを意味する。
【0215】
「アミノ酸」との用語は、アミノ基とカルボキシル基とを含有する分子を意味する。適切なアミノ酸には、ペプチドに存在している20種の天然に生じるアミノ酸(例えば、(1文字の略語で知られているように)、A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、V)のD−およびL−異性体の両方だけでなく、有機合成または他の代謝経路により調製される天然に存在しないアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0216】
「アミノ酸側鎖」との用語は、天然に存在するアミノ酸中のα−炭素に結合された20個の基のいずれか1個を意味する。例えば、アラニンのアミノ酸側鎖は、メチルであり、フェニルアラニンのアミノ酸側鎖は、フェニルメチルであり、システインのアミノ酸側鎖は、チオメチルであり、アスパラギン酸塩のアミノ酸側鎖は、カルボキシメチルであり、チロシンのアミノ酸側鎖は、4−ヒドロキシフェニルメチルであるなど。
【0217】
「置換基」との用語は、その基の任意の原子において、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基上に「置換された」基を意味する。本明細書中で記述された任意の部分は、置換基でさらに置換できる。適切な置換基には、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニルおよびシアノ基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0218】
GHS−Rは、GEの分泌を制御する。GEそれ自体は、IGF−1産生の調節因子である。したがって、GHS−R活性を調節する化合物(例えば、本明細書に記載される化合物)は、GH/IGF−1軸の活性の調節する(例えば、増加または低下させる)ために使用され得る。例えば、GHS−Rのアゴニストは、GE活性および/またはIGF−1活性を増加させるために使用され得る。GHS−Rのアンタゴニストは、GE活性および/またはIGF−1活性を低下させるために使用され得る。この用途はまた、参考文献USSN10/656,530(この内容は、本明細書に記載の化合物が、例えば、GH/IGF−1軸の調節因子として使用され得るための使用を含む)により、援用される。
【0219】
GH/IGF−1軸としては、下流の標的として、転写因子Forkheadを有する、細胞外シグナル伝達構成要素および細胞内シグナル伝達構成要素が挙げられ得る。GH/IGF−1軸の主要構成因子は、以下の3つのカテゴリーに分けられ得る:IGF−1前(pre−IGF−1)構成因子、IGF−1構成因子およびIGF−1後(post−IGF−1)構成因子。「IGF−1前構成因子」としては、GH、GH−R、glirelin、GHS−R、GHRH、GHRH−R、SSTおよびSST−Rが挙げられる。「IGF−1後構成因子」としては、IGF−1−Rならびに細胞内シグナル伝達構成要素(PI(3)キナーゼ、PTEN、ホスファターゼ、PI(3,4)P、14−3−3タンパク質およびPI(3,4,5)Pホスファチジルイノシトールキナーゼ、AKTセリン/トレオニンキナーゼ(例えば、AKT−1、AKT−2またはAKT−3)またはForkhead転写因子(例えば、FOXO−1、FOXO−3またはFOXO−4)を含む)が挙げられる。「成長ホルモン産生細胞軸のシグナル伝達経路の構成要素」は、以下のうちの1つのタンパク質をいう:(i)成長ホルモン産生細胞に局在し、成長ホルモン産生細胞によるGE放出を調節するタンパク質、または(ii)クラス(i)内のタンパク質に直接結合するタンパク質。例示的な、クラス(i)の成長ホルモン産生細胞軸のシグナル伝達経路の構成要素としては、GHS−R、GHRH−RおよびSST−Rのような細胞表面レセプターが挙げられる。例示的な、クラス(ii)の成長ホルモン産生細胞軸のシグナル伝達経路の構成要素としては、GHRH、グレリンおよびSSTが挙げられる。
【0220】
例えば、GHS−R活性を変更することによりGHレベルを調節する化合物は、下流の効果を有し得る。例えば、化合物は、IGF−1レセプターシグナル伝達経路のエフェクターのレベルまたは活性を変更(例えば、増加または低下させる)し得る。「IGF−1レセプターシグナル伝達経路のエフェクター」は、タンパク質または他の生物学的製剤をいい、それらのレベルは、IGF−1に応答してForkhead転写因子により直接的に調節される。例えば、タンパク質をコードする遺伝子の発現は、Forkhead転写因子(例えば、FOXO−1、FOXO−3aまたはFOXO−4)により直接的に調節され得る。例示的なIGF−1レセプターシグナル伝達経路のエフェクターとしては、GADD45、PA26、Selenoprotein P、Whip1、サイクリンG2およびNIP3が挙げられ得る。
【0221】
本明細書で使用される場合、「GH/IGF−1軸の活性」は、GE分泌を刺激する能力、IGF−1レベルを増加させる能力、またはIGF−1レセプターシグナル伝達を増加させる能力に関する、軸の構成要素の正味の効果をいう。したがって、「GH/IGF−1軸をダウンレギュレートすること」は、1つ以上の以下のもの(例えば、GHの低下、IGF−1の低下またはIGF−1レセプターシグナル伝達の低下)がなされるように、1つ以上の構成要素を調節することをいう。例えば、いくつかの場合において、GHレベルは維持されるが、その作用は阻害される:それゆえ、IGF−1レベルは、GHレベルを低下させることなく低下される。いくつかの場合において、GHレベルとIGF−1レベルとの両方が低下される。
【0222】
特定のタンパク質の「アンタゴニスト」としては、例えば、競合阻害もしくは非競合阻害、不安定化、破壊、クリアランスまたは他の方法によって、対象の構成要素の活性が低下されるように、タンパク質レベルにおいて、対象の構成要素に直接結合するか、または対象の構成要素を改変する化合物が挙げられる。例えば、活性の低下は、内因性リガンドへ応答する能力の低減を含み得る。例えば、GHS−Rのアンタゴニストは、グレリンに応答するGHS−Rの能力を低減させ得る。
【0223】
特定のタンパク質の「アゴニスト」としては、例えば、活性化、安定化、分布の変更またはその他の方法によって、対象の構成要素の活性が増加されるように、タンパク質レベルにおいて対象の構成要素に直接結合するか、または対象の構成要素を改変する化合物が挙げられる。
【0224】
特定のタンパク質の「逆作用アゴニスト」としては、タンパク質の不活性形態に結合すること、および/またはそれを安定化することによる負の内因性活性により、タンパク質レベルにおいて、タンパク質(例えば、レセプター)の構成的な活性の阻害を引き起こし、タンパク質の活性コンフォメーションの形成から離れた平衡に押しやる化合物、が挙げられる。
【0225】
一般的に、レセプターは、活性コンフォメーション(Ra)と不活性コンフォメーション(Ri)とで存在する。レセプターに影響する特定の化合物は、Riに対するRaの比(Ra/Ri)を変更し得る。例えば、完全なアゴニストは、Ra/Riの比を増加させ、「最大の」飽和した効果を引き起こし得る。レセプターに結合した場合、部分的アゴニストは、完全なアゴニスト(例えば、内因性アゴニスト)により誘発される応答よりも低い応答を引き起こす。したがって、部分的アゴニストについてのRa/Riは、完全なアゴニストについてのRa/Riよりも小さい。しかしながら、部分的アゴニストの効力は、完全なアゴニストの効力よりも大きくあり得るか、または小さくあり得る。
【0226】
グレリンよりも少ない程度にGHS−Rに作用する(agonize)特定の化合物は、アッセイにおいて、アゴニストとしてだけでなく、アンタゴニストとしても機能し得る。これらの化合物は、グレリンによるGHS−Rの活性化と拮抗する。なぜなら、グレリン−レセプター相互作用の完全な効果を防止するからである。しかしながら、化合物はまた、それら単独で、代表的に、グレリンの対応する量より少なく、いくつかのレセプター活性を活性化する。このような化合物は、「GHS−Rの部分的アゴニスト」として呼ばれ得る。
【0227】
「正常な」GHレベルを有する被験体は、グルコース負荷試験を使用して、正常な結果をもたらし得る被験体である。このグルコース負荷試験において、グルコースが摂取され、そしてGHの血中レベルが、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはポリクローナル性の免疫測定により測定される。この試験についての正常な結果は、経口グルコース負荷から1〜2時間以内の、1ng/mL未満のGHによって特徴付けられる。しかしながら、過剰なGEを有する被験体のGHレベル(先端巨大症を有する被験体における)は、グルコースを摂取した後で、1ng/mL未満に低下され得ない。GHレベルは、20分〜30分毎に振動し、そして日時、ストレスレベル、運動などにしたがって、そのレベルが変動するので、GHレベルが過剰であるかどうかを決定する標準の方法は、グルコースを投与することである。このアプローチは、GHを正規化し、GHの拍動性、年齢、性別または他の因子によってはあまり影響されない。代替的にか、または確認として、IGF−1レベルは、先端巨大症の個体において常に増加されるので、IGF−1レベルが測定され得、年齢および性別の適合する正常なコントロールと比較され得る。
【0228】
用語「GH/IGF−1軸の活性の指標」は、この軸の活性を示す、GH/IGF−1軸の検出可能な特性をいう。例示的な特性としては、循環GH濃度、循環IGF−1濃度、GHパルスの周波数、GHパルスの振幅、グルコースへの応答におけるGH濃度、IGF−1レセプターのリン酸化およびIGF−1レセプターの基質のリン酸化が挙げられる。GHS−Rの活性を調節する化合物は、GH/IGF−1軸の活性の指標のうちの1つ以上を変更し得る。
【0229】
(略語)
GH、成長ホルモン;GH−R、成長ホルモンレセプター;IGF、インシュリン様成長因子;GHRH、GH放出ホルモン;GHRH−R、GH放出ホルモンレセプター;GHS、GH分泌促進物質;GHS−R、GH分泌促進物質レセプター;SST、ソマトスタチン;SST−R、ソマトスタチンレセプター;PI、ホスホイノシトール;AGRP、アグーチ関連タンパク質;ARC、弓状核;ICV、イントラ−サード(intra−third)脳室(ly);神経ペプチドY;WAT、白色脂肪組織;Bn、ベンジル;Boc、t−ブチルオキシカルボニル;Cbz、ベンジルオキシカルボニル;DCM、ジクロロメタン;DIPEA、ジイソプロピルエチルアミン;DMF、ジメチルホルムアミド;EDC、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩;EtOAc、酢酸エチル;h、時間;HOBT、ヒドロキシベンゾトリアゾール;Ms、メタンスルホニル;Prep LC、分取高圧液体クロマトグラフィー;RT、室温;TFA、トリフルオロ酢酸;THF、テトラヒドロフラン。
【0230】
本発明の1つまたはそれ以上の実施形態の詳細は、以下の説明で述べる。本発明の他の特徴および利点は、この説明および請求の範囲から明らかとなる。
【0231】
(詳細な説明)
本明細書中で記述した化合物は、種々の目的(例えば、治療目的)に使用できる。これらの化合物の多くは、GHS−R活性をアンタゴナイズでき、例えば、被験体におけるGHS−R活性を低下させるのに使用できる。さらに他の化合物は、GHS−Rをアゴナイズし、例えば、被験体におけるGHS−R活性を増加させるのに使用できる。開示された化合物のいくつかはまた、GHS−R以外の細胞成分の活性を調節することにより、有用な生物学的効果を提供し得る。
【0232】
本発明の代表的な化合物は、表1において、以下で描写する。他の代表的な化合物は、要約において述べた範囲内であるか、または本明細書中の他の箇所で記述されている。
【0233】
(表1:代表的なGHS−R調節化合物)
【0234】
【表1−1】

【0235】
【表1−2】

【0236】
【表1−3】

【0237】
【表1−4】

【0238】
【表1−5】

【0239】
【表1−6】

【0240】
【表1−7】

【0241】
【表1−8】

(表2:GHS−Rをアンタゴニストする化合物および対応する活性
【0242】
【表2−1】

【0243】
【表2−2】

【0244】
【表2−3】

【0245】
【表2−4】

【0246】
【表2−5】

【0247】
【表2−6】

【0248】
【表2−7】

【0249】
【表2−8】

【0250】
【表2−9】

Aは、0.1μM未満のKを有する化合物を意味する;Bは、0.1μMと1.0μMの間のKを有する化合物を意味する;そしてCは、1.0μMより大きいKを有する化合物を意味する。
【0251】
GHS−Rを調節する代表的な化合物には、以下の式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物が挙げられ、ここで、全ての変数は、本明細書中で記述したとおりである。
【0252】
【化71】

特定の場合では、RおよびMは、アリール部分(例えば、フェニル部分(例えば、非置換または置換アリール部分))である。いくつかの場合では、Rは、ヘテロアリール部分(例えば、インドール部分)である。Rがアリールまたはヘテロアリール(または他の親油性部分(例えば、アルキル))である多くの場合では、Kは、酸素または結合である。
【0253】
Y、ZおよびR11は、一般に、多環式部分(例えば、スピロ環式部分またはポリアリール部分)に特色がある。多くの場合では、Y、ZおよびR11には、それぞれ別個に、少なくとも1個のアリール部分(例えば、少なくとも1個のフェニル部分)が挙げられる。Xは、Y、ZおよびR11(この場合、Xは、CHである)に対して追加の回転度を与えるために、変えることができるか、あるいは、Xは、X、ZおよびR11の立体配座を制限するように選択できる(この場合、Xは、C(O)である)か、いずれかである。さらに、Xの長さは、Y、ZまたはR11をGHS−Rの適切な部分と相互作用させる所望の形状を与えるように、変えることができる。
【0254】
AおよびRおよびRは、化合物がGHS−Rと相互作用する種類を変えるために、選択できる。例えば、RおよびRが、両方共に、水素であるいくつかの場合では、この化合物は、GHS−Rのアゴニストである。RおよびRが、両方共に、別個に、アルキルである他の場合では、この化合物は、GHS−Rのアンタゴニストである。
【0255】
本発明の他の局面は、本明細書中で記述した式のいずれかの化合物と薬学的に受容可能なキャリア;または本明細書中で記述した式のいずれかの化合物と追加治療化合物(例えば、抗高血圧症化合物またはコレステロール低下化合物)と薬学的に受容可能なキャリア;または本明細書中で記述した式のいずれかの化合物と追加治療化合物と薬学的に受容可能なキャリアを含有する組成物に関する。
【0256】
本発明により想定される置換基および変数の組み合わせは、安定な化合物が形成されるものにすぎない。本明細書中で使用する「安定な」との用語は、製造を可能にするのに十分な安定性を持ち、そして本明細書中で詳述した目的(例えば、被験体への治療的または予防的投与)のために有用である十分な時間にわたって、その化合物の完全性を維持する化合物を意味する。
【0257】
(グレリンレセプター調節化合物の合成)
式(I)のサブセットである式(X)の化合物は、式(VI)および(VII)の化合物をトリフルオロ酢酸に続いて水素化ホウ素ナトリウムで処理して式(VIII)の化合物を得ることにより、調製される。(全ての式に対する変数は、式(I)で定義されているように、本明細書中で定義したとおりである)。
【0258】
【化72】

次いで、式(VIII)の化合物は、塩化メシルで処理され、続いて、パラジウムで処理され、そしてBoc保護アミノ酸(Boc−AA−OH)(例えば、Boc−保護セリン)とカップリングされて、式(IX)の化合物が得られた。
【0259】
【化73】

式(IX)の化合物は、引き続いて、酸で脱保護され、そしてカップリング剤(例えば、塩化スルホニル)とカップリングされて、式(X)の化合物が得られた。
【0260】
【化74】

他の場合では、式(VIII)の化合物は、Boc保護アミノ酸とのカップリング前に、水素およびパラジウムとの還元条件下にて処理されて、式(XI)の化合物を得、環窒素において、種々の置換(例えば、アルキルまたはアミド)を可能にする。
【0261】
【化75】

「Boc」との用語は、N−第三級ブトキシカルボニルを意味する。
【0262】
式(I)のサブセットである式(XX)の化合物は、以下で描写するように、式(XXI)の化合物を式(XXII)の化合物とカップリングして式(XXIII)の化合物を得ることにより、調製される。
【0263】
【化76】

式(XXIII)の化合物は、スルホンアミドに変換され、次いで、窒素含有部分と反応されて、式(XX)の化合物を生成する。
【0264】
【化77】

式(I)の他のサブセットである式(XXX)の化合物は、式(XXXI)の化合物を式(XXXII)で示すようなワインレブ(Weinreb)アミドに変換することにより、次いで、得られたワインレブアミドをアリール部分とカップリングして以下の描写するような化合物(XXXIII)を得ることにより、調製される。
【0265】
【化78】

次いで、式(XXIII)の化合物は、式(XXXIV)のスルホンアミド変換され、そして第二アリール部分とカップリングされて、以下で描写するような式(XXX)の化合物が得られる。
【0266】
【化79】

当業者が理解できるように、本明細書中の式の化合物を合成するさらに別の方法は、当業者に明らかとなる。
【0267】
さらに、所望化合物を得るために、交互手順または順序で、種々の合成工程が実行され得る。本明細書中で記述した化合物を合成する際に有用な合成化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)は、当該技術分野で公知であり、これらには、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John Wiley and Sons(1991);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびそれらの続版で記載されたものが挙げられる。
【0268】
さらに、本明細書中で開示した化合物は、固体支持体上でまたは固相ペプチド合成を使用して、調製できる。
【0269】
「固体支持体」との用語は、化合物の同定、単離、精製または化学反応選択性を促進するために化合物が結合された物質を意味する。このような物質は、当該技術分野で公知であり、これらには、例えば、ビーズ、ペレット、ディスク、繊維、ゲルまたは粒子(例えば、セルロースビーズ、ポア−ガラスビーズ、シリカゲル、ポリスチレンビーズ(これは、必要に応じて、ジビニルベンゼンで架橋され、必要に応じて、ポリエチレングリコールでグラフトされている)、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、ジメチルアクリルアミドビーズ(これは、N,N−’ビス−アクリロイルエチレンジアミンで架橋されている)、疎水性重合体で被覆されたガラス粒子、および剛性または半剛性表面を有する物質が挙げられる。これらの固体支持体は、必要に応じて、官能基(例えば、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシまたはハロ基)を有し(Obrecht,D.and Villalgrodo,J.M.,Solid−Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries,Pergamon−Elsevier Science Limited(1998)を参照のこと)、これらには、「スプリットアンドプール(split and pool)」または平行合成技術、固相および溶液相技術およびコード化技術のような技術で有用なものが挙げられる(例えば、Czamik,A.W.,Curr.Opin.Chem.Bio.,(1997)1,60を参照のこと)。
【0270】
「固相ペプチド」との用語は、樹脂(例えば、固体支持体)に化学的に結合されたアミノ酸を意味する。樹脂は、一般に、(例えば、SigmaAldrich)から市販されている。樹脂のいくつかの例には、Rink−樹脂、Tentagel S RAM、MBHAおよびBHA−樹脂が挙げられる。
【0271】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の非対称中心を含み得、それゆえ、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマーの混合物として、生じ得る。これらの化合物の全てのこのような形状は、明らかに、本発明に含まれる。本発明の化合物はまた、多数の互変異性形状で表わされ得、このような場合では、本発明は、明らかに、本明細書中で記述した化合物の全ての互変異性形状を含む(例えば、環系のアルキル化は、複数部位でのアルキル化を生じ得、本発明は、明らかに、全てのこのような反応生成物を含む)。このような化合物の全てのこのような異性体形状は、明らかに、本発明に含まれる。本明細書中で記述した化合物の全ての結晶形状は、明らかに、本明細書に含まれる。
【0272】
本明細書中で使用する本発明の化合物は、本明細書中で記述した式の化合物を含めて、それらの薬学的に受容可能な誘導体またはプロドラッグを含むと定義される。「薬学的に受容可能な誘導体またはプロドラッグ」とは、本発明の化合物のいずれかの薬学的に受容可能な塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体(例えば、アミドのイミデートエステル)を意味し、これらは、レシピエントに投与するとすぐに、(直接的または間接的に)、本発明の化合物を提供できる。特に好ましい誘導体およびプロドラッグには、このような化合物を哺乳動物に投与したとき、(例えば、経口投与した化合物を血液中により容易に吸収させることにより)、本発明の化合物のバイオアベイラビリティーを高めるもの、または親種に対して親化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を向上させるものが挙げられる。好ましいプロドラッグには、水溶性または内臓膜(gut membrane)を通る活性物質の輸送を向上させる基が本明細書中で記述した式の構造に付加される誘導体が挙げられる。
【0273】
本発明の化合物は、選択的な生物学的特性を向上させるために、適切な官能基を付加することにより、変性され得る。このような変性は、当該技術分野で公知であり、これらには、所定の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を高めるもの、経口バイオアベイラビリティーを高めるもの、注射による投与を可能にするために溶解性を高めるもの、代謝を変えるもの、および排泄速度を変えるものが挙げられる。
【0274】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩には、薬学的に受容可能な有機および無機の酸および塩基から誘導されたものが挙げられる。適切な酸塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸酸、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩(palmoate)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレートおよびウンデカン酸塩が挙げられる。適切な塩基から誘導された塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN−(アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書中で開示した化合物の任意の窒素含有基の四級化を想定している。このような四級化により、水溶性または油溶性あるいは水分散性または油分散性生成物が得られる。
【0275】
(化合物の評価)
様々な方法が、GHS−R活性を調節する能力について化合物を評価するために用いられ得る。評価方法は、インビトロの結合アッセイ、インビトロの細胞ベースのシグナル伝達アッセイおよびインビボの方法を含む。評価方法は、GHS−Rの結合活性またはGHS−Rの下流の活性(例えばイノシトールリン酸産生、Ca2+流動または遺伝子転写(例えば、CREB媒介性の遺伝子転写)のようなGHS−Rの下流のシグナル伝達活性)を評価し得る。
【0276】
(結合アッセイ) 一般的に化合物はGHS−Rに結合するかどうか、ならびにGSH−Rと相互作用する1つ以上の公知化合物と競合するかどうか、そしてそのような相互作用の程度を決定するために、評価され得る。例えば、化合物はグレリン、イパモレリン、L−692,400またはL−692,492と競合するかどうかを決定するために評価され得る。
【0277】
1つの例示的な結合アッセイは以下のとおりである:結合は、約5〜8%の範囲の放射性リガンドの結合でアッセイされるためGHS−Rを発現しているCOS−7細胞は、1ウェルあたり1×10の密度で培養された。例えば、細胞はGHS−Rをコードする内因性の核酸またはGHS−Rをコードする外因性の核酸を発現し得る。GHS−Rをコードする外因性の核酸でトランスフェクトされた細胞が、トランスフェクション後、例えば約2日後に用いられ得る。競合結合実験は、1mM CaCl、5mM MgClおよび0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン、40mg/mL バシトラシンを補充した、0.5mLの50mM HEPES緩衝液(pH7.4)中で、25pMの125I−グレリンを用いて、4℃で3時間で行われる。非特異的結合は、1mMの非標識グレリンの存在下での結合として決定され得る。細胞を0.5mLの氷冷緩衝液で2回洗浄し、そしてそれから0.5ml〜1mlの溶解緩衝液(3Mの酢酸中、8M 尿素、2%NP40)で溶解する。洗浄および溶解の後、結合した放射活性を計数する。アッセイは、例えば統計的検出力を提供するために、二連または三連で行われ得る。
【0278】
解離定数および阻害定数(KおよびK)の値は、以下の式を用いて競合結合実験から概算されえる:
=IC50−LおよびK=IC50/(1+L/K)、
ここでLは放射活性リガンドの濃度である。Bmax値は、式Bmax=BIC50/[リガンド]を用いて競合結合実験から概算され得、ここでBは特異的に結合した放射性リガンドである。
【0279】
(細胞ベースの活性アッセイ) 例えば、化合物がGHS−R下流のセカンドメッセンジャーシグナル伝達成分の蓄積を調節する能力が、評価され得る。例えば、哺乳動物(例えば、Cos−7細胞)においてGqシグナル伝達の結果として生じるイノシトールリン酸(IP)。また、他の組織培養細胞、アフリカツメガエルの卵母細胞および初代細胞が用いられ得る。
【0280】
(ホスファチジルイノシトールのターンオーバーアッセイ) トランスフェクション1日後のCOS−7細胞は、1ウェルあたり10%胎仔ウシ血清、2mMグルタミンおよび0.01 mg/ml ゲンタマイシンを補った1mlの培地中で、5μCiの[H]−myo−イノシトールと共にで24時間インキュベートされる。それから細胞は、140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgSO、1mM CaCl、10mM グルコースおよび0.05%(w/v)ウシ血清を補充した20mM HEPES緩衝液中(pH7.4)で2回洗浄され;そして10mM LiClを補充した0.5ml緩衝液中、37℃、30分間インキュベートされる。いくつかのアッセイにとって、細胞をアデノシンデアミナーゼADA(200U/mg、Boehringer Mannheim、Germany)と1U/mlの濃度で30分間インキュベートすることもまた有用である。
【0281】
目的の化合物との37℃で45分間のインキュベーション後、細胞は、氷冷した10%の過塩素酸で抽出され、そして30分間氷上に置かれる。得られた上清は、HEPES緩衝液中でKOHにより中和され、そして[H]−イノシトールリン酸は記載されるようにBio−Rad AG 1−X8陰イオン交換樹脂で精製される。アッセイは、二連、三連などで行われ得る。
【0282】
(他のセカンドメッセンジャーアッセイ) 評価され得る別のセカンドメッセンジャーは、Ca2+である。Ca2+流動は、エクオリンタンパク質または色素(例えばFURA−2)のようなカルシウム感受性検出物質を用いて評価され得る。例示的なアッセイにおいて、カルシウム動員は、GHS−Rおよびエクオリンを発現する組換え細胞で評価される。
【0283】
(遺伝子発現アッセイ) 96ウェルプレートに播種されたHEK293細胞(30000細胞/ウェル)は、pFA2−CREBとpFR−Lucレポータープラスミドとの混合物(PathDetectTM CREB trans−Reporting System,Stratagene)およびGHSをコードする核酸により一過性にトランスフェクトされる。トランスフェクト1日後、細胞は、アッセイ容量100μlの培地中で5時間、目的の化合物と共に処置される。処置後、細胞は低血清(2.5%)中で培養される。インキュベーション期間後、アッセイは、細胞をPBSで2回洗浄し、100μlのルシフェラーゼアッセイ試薬(LucLiteTM,Packard Bioscience)を添加することにより終える。発光はTopCounterTM(Packard Bioscience)のようなルミノメーターを用いて5秒間測定される(例えば比光子単位(relative light units)(RLU))。
【0284】
他の転写ベースのアッセイは、GHS−Rを発現する初代細胞(例えば、下垂体、脳、脊髄、子宮、脾臓、膵臓、腎臓、副腎、骨格筋、甲状腺、肝臓、小腸および心臓からの細胞)またはGHS−Rを発現する組換え細胞においてGHS−R制御遺伝子の転写を評価することを含み得る。mRNAレベルは任意の方法(例えば、マイクロアレイ解析、ノーザンブロティングまたはRT−PCR)により評価される。GHS−R活性により直接的または間接的に制御される例示的遺伝子は、レプチン、レジスチン、アディポネクチンを含む。GHS−R活性はまた、循環におけるインスリンレベル、IGF−1レベルおよびレプチンレベルに影響を与え得る。
【0285】
IC50値およびEC50値は、例えばPrism3.0ソフトウェア(GraphPad Software,San Diego)を用いて非線形回帰により決定され得る。
【0286】
(インビボアッセイ) 例示的なインビボアッセイは、実施例1および以下に記載される絶食−再給餌(fast−refeeding)アッセイを含む。
【0287】
化合物投与の前に、マウスの体重を量り、そしてマウスは同様の体重をもとに群に分類される。一晩(約16時間)絶食するために、午後6時に食餌が除かれる。翌朝の午前10時の開始により、マウスはビヒクル(例えば、生理食塩水+酢酸、pH=5)または目的の化合物のいずれかを投与される。それからマウスはホームケージに戻され、そしてあらかじめ秤量した食餌(おおよそ90グラム)が、各ケージ内のフードホッパー(food hopper)に直ちに戻される。フードホッパー内に残っている食物の量は、化合物/ビヒクル投与後30分、1時間、2時間および4時間で測定される。最終的な体重は、それからマウスについて記録される。
【0288】
目的の化合物はまた、他の実験において評価され得る。例えば、化合物は、痩身(lean)マウスまたは肥満マウス(例えば(ob/ob)C57BL/6Jマウス)、あるいは他の実験動物に投与され得る。化合物は、腹腔内に投与され得るかまたは脳室内に投与され得る。投与後、動物は、例えば摂食行動、不安または1つ以上の生理学的パラメーター(例えば、代謝パラメーター)について評価される。
【0289】
(ICV投与) 第3脳室内(ICV)投与のために、各薬物は注入するために4μlの人工脳脊髄液中に希釈され得る。ICV注入のために、マウスはペントバルビタールナトリウム(80〜85mg/kg腹腔内)麻酔され、そして実験前の7日間、定位固定装置に置かれる。穴は縫合中心(central suture)から外側0.9mmおよびブレグマから0.9mm後方に針を用いて挿入し、各頭蓋に作られる。一端を斜めに切られた24ゲージのカニューレは、ICV注入のために第3脳室に3mmの間隔にわたり埋め込まれる。
【0290】
(胃排出評価) 胃排出評価は、目的の化合物投与後の食物消費のための別の試験である。胃排出評価の前、マウスは水を自由に摂取できる状態で、食餌を16時間取り除かれる。絶食したマウスは、あらかじめ秤量されたペレットを1時間自由に摂食することが許され、それから目的の化合物が投与される。マウスは、化合物投与の1時間後または2時間後、再度食餌を取り除かれる。食餌の摂取は、食べられていないペレットを秤量することにより測定される。化合物投与の2〜3時間後、マウスは頚椎脱臼により屠殺される。開腹により胃が露出された直後、直ちに幽門および噴門の両方を結紮し、取り出し、そして乾燥した内容物が秤量される。胃排出は以下の式に従って算出される:胃排出(%)=(1−(胃から取り出された食物の乾燥重量/食物摂取量))×100。
【0291】
(不安試験) 不安は、地面から50cm上で、標準的な高架式十字迷路法において評価され得る。4つのアームは長さ27cmと幅6cmで作られ得る。2つの向き合ったアームは高さ15cmの壁により囲まれ(閉鎖アーム)、一方、他のアームは壁を欠いている(開放アーム)。各マウスは、化合物の注射10分後に、囲まれたアームの1つに対面する、迷路の中心に置かれる。各アームにおいて費やした累積時間、および5分の試験期間の間に開放アームまたは閉鎖アームに参入する数が、記録される。開放アームにおいて費やした時間は、総参入時間のパーセント(100・開放/開放+閉鎖)として表され、そして開放アームに参入する数は、総参入数のパーセント(100・開放/総参入)として表される。
【0292】
(パラメーターの解析) テスト化合物が与えられたマウスまたは他の動物は、1つ以上の生物学的パラメーター(例えば、代謝パラメーター)について解析され得る。マウスに関して、血清は、処置の最後(例えば、食物除去の8時間後および最終の腹腔内注射の8時間後)に、エーテル麻酔下、眼窩洞から採取した血液から得られる。マウスは頚椎脱臼により屠殺される。その直後、精巣上体の脂肪パッドの質量は、白色脂肪細胞(WAT)および腓腹筋の切除および秤量をもとに算定され得る。血中グルコースは、グルコースオキシダーゼ法により測定され得る。血清インスリンおよび遊離脂肪酸(FFA)は、それぞれ、酵素免疫法および酵素的方法(Eiken Chemical Co.,Ltd,Tokyo,Japan)により測定され得る。血清トリグリセリドおよび総コレステロールは、酵素的方法(Wako Pure Chemical Industries,Ltd,Tokyo,Japan)により測定され得る。
【0293】
(mRNA解析) RNAは、胃、精巣上体脂肪または他の関連組織からRNeasy Mini Kit(Qiagen,Tokyo,Japan)を用いて単離される。総RNAは、ホルムアルデヒドで変性され、1%アガロースゲルで電気泳動にかけられ、そしてHybond N+膜上にブロットされる。この膜は、目的の遺伝子について標識化したcDNAプローブ(例えば、放射標識したcDNAプローブ、化学標識したcDNAプローブまたは蛍光標識したcDNAプローブ)でハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションシグナルの取り込み総密度はデンシトメトリーにより決定され得る。データは、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼmRNA存在量またはアクチンmRNA存在量に対して正規化され、そしてコントロールのパーセンテージとして表される。評価され得る例示的遺伝子は、グレリン、レプチン、レジスチンおよびアジポネクチンが挙げられる。目的の遺伝子由来の制御領域を有するレポーター構築物を含むトランスジェニックマウスを用いるか、またはそのような構築物を有する組換え細胞を用いることもまた、可能である。
【0294】
明細書中に記載される化合物は、記載される1つ以上のアッセイにおいて、200nM、100nM、80nM、70nM、60nMまたは50nMより小さいK(アンタゴニストとして)を有し得る。明細書中に記載される化合物は、記載される1つ以上のアッセイにおいて、20nM、40nM、50nM、100nM、200nM、300nMまたは500nMより大きいK(アゴニストとして)を有し得る。
【0295】
本明細書中に記載される化合物はまた、GHS−Rと(例えば、他の細胞表面レセプターと比較して)特異的に相互作用し得る。例えば、モチリンはGHS−Rの相同体である。開示される化合物は、モチリンレセプターと比較して、優先的にGHS−Rと相互作用し得る(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍の優先度)。
【0296】
別の実施形態において、開示される化合物はまた、モチリンレセプターと相互作用し得、そして例えばモチリンレセプター活性を変化させ得る。
【0297】
1つに実施形態において、化合物はGHS−R下流の細胞内シグナル伝達活性、例えばGqシグナル伝達、ホスホリパーゼCのシグナル伝達およびcAMP応答エレメント(CRE)駆動性転写由来の遺伝子を変化させ得る。
【0298】
化合物はまた任意の障害、例えば明細書に記載される障害に関して治療活性を評価され得る。多くの障害に関する動物モデルが当該分野において周知である。
【0299】
ALS状態における化合物の効果を評価するための細胞および動物は、変化したSDO遺伝子を有するマウス、例えば内因性のプロモーターにより駆動されるヒトG93A SOD突然変異の種々のコピー数を持つSOD1−G93Aトランスジェニックマウス、SOD1−G37Rトランスジェニックマウス(Wongら,Neuron,14(6):1105−16(1995))、SOD1−G85Rトランスジェニックマウス(Bruijnら,Neuron,18(2):327−38(1997));ヒトSOD1突然変異体を発現するC.elegans株(Odeaら,Hum Mol Genet.,10:2013−23(2001));およびCu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の突然変異体を発現するDrosophila(Philipsら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,92:8574−78(1995)およびMcCabe,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,92:8533−34(1995))が挙げられる。
【0300】
アルツハイマー病における化合物の効果を評価するための細胞および動物は、例えば米国特許第6,509,515号ならびに米国特許第5,387,742号;第5,877,399号;第6,358,752号;および第6,187,992号に記載される。米国特許第6,509,515号において、動物は脳組織中であるレベルのアミロイド前駆体タンパク質(APP)配列を発現しているので、動物は進行性の神経障害を発症する。ポリグルタミンベースの凝集を評価するための例示的な細胞および動物は、R6/2系であるトランスジェニックマウス系統である(Mangiariniら,Cell 87:493−506(1996))。
【0301】
筋萎縮における試験化合物の効果を評価するためのモデルは、例えば1)除神経により生じるラットの中央腓腹筋の質量減少(例えば、中央大腿部(mid−thugh)で右の坐骨神経を切断することによる);2)非可動化により生じるラットの中央腓腹筋の質量減少(例えば、90度の屈曲で右肢関節を固定することによる)、3)後肢を懸吊することにより生じるラットの中央腓腹筋の質量減少;(例えば、U.S.2003−0129686を参照せよ);4)悪液質サイトカイン、インターロイキン−1(IL−1)で処置することにより生じる骨格筋の萎縮(R.N.Cooney,S.R.Kimball,T.C.Vary,Shock 7,1−16(1997);および5)グルココルチコイド、デキサメタゾンで処置することにより生じる骨格筋の萎縮(A.L.Goldberg,J Biol Chem 244,3223−9(1969))が挙げられる。モデル1、2および3は、神経活性を変化させることおよび/または種々の程度の外部負荷の筋試験による筋萎縮を含む。モデル4および5は、それらのパラメーターに直接影響を与えない萎縮を誘導する。
【0302】
AMD(加齢関連黄斑変性)のための例示的な動物モデルは、滲出性(湿性)の黄斑変性をシュミレートするレーザー誘導性のマウスモデル(Boraら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,100:2679−84(2003));AMDの「地理的(geographic)萎縮」の形態を関連付けられる性質になるカテプシンDの変異した形態を発現するトランスジェニックマウス(Rakoczyら,Am.J.Pathol.161;1515−24(2002));およびCNVになる網膜色素上皮組織においてVEGFを過剰発現しているトランスジェニックマウス(Schwesingerら,Am.J.Pathol.158;1161−72(2001))が挙げられる。
【0303】
パーキンソン病の例示的な動物モデルは、ドーパミン作用性の神経毒1−メチル−4−フェニル1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)を用いる処置によりパーキンソン症候群にされた霊長類(米国特許出願公開第20030055231号およびWichmannら,Ann.N.Y.Acad.Sci.,991:199−213(2003)を参照せよ);6−ヒドロキシドーパミン障害ラット(例えば、Lab.Anim.Sci.,49:363−71(1999));およびトランスジェニック無脊椎動物モデル(例えば、Laksoら,J.Neurochem.,86:165−72(2003)およびLink,Mech.Ageing Dev.,122:1639−49(2001))が挙げられる。
【0304】
2型糖尿病の例示的な分子モデルは:Nkx−2.2またはNkx−6.1の欠損を有するトランスジェニックマウス;(米国特許第6,127,598号);ツッカー糖尿病性肥満(Zucker Diabetic Fatty)fa/fa(ZDF)ラット(米国特許第6569832号);および自然発症的に肥満を発現し、そして後に顕在性2型糖尿病に進行するアカゲザル(Hottaら,Diabetes,50:1126−33(2001);および2型糖尿病様インスリン抵抗性を有するドミナントネガティブなIGF−Iレセプター(KR−IGF−IR)をもつトランスジェニックマウスが挙げられる。
【0305】
神経障害のための例示的な動物および細胞モデルは:マウス(米国出願第5420112号)またはウサギ(Ogawaら,Neurotoxicology,21:501−11(2001))におけるビンクリスチン誘発性の感覚神経障害−運動神経障害(sensory−motor)の神経障害;自律神経性の神経障害の研究のためのストレプトゾトシン(STZ)糖尿病ラット(Schmidtら,Am.J.Pathol.,163:21−8(2003));および進行性の運動性神経障害(pmn)マウス(Martinら,Genomics,75:9−16(2001))が挙げられる。
【0306】
再度腫瘍性障害に関して、多数の動物モデルおよび細胞モデルが記載されている。化合物の原発性の腫瘍の拡散を制限する能力について、その化合物を評価するための例示的なインビボ系は、Crowleyら,Proc.Natl.Acad.Sci.,90:5021−5025(1993)において記載される。ヌードマウスはCAT(クロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ)を発現するために設計される腫瘍細胞(PC3)を注入される。腫瘍のサイズおよび/または腫瘍の転移を減少させる能力について試験される化合物が、動物に投与され、そしてその後腫瘍のサイズおよび/または腫瘍の転移性の成長の測定を行う。種々の臓器で検出されるCATのレベルは、化合物が転移を阻害する能力の指標を提供し;処置動物対コントロール動物の組織におけるより少ないCATの検出は、組織に移動したかまたは組織内で増殖したより少ないCAT発現細胞を示す。
【0307】
(化合物およびそれらの処方の投与)
本明細書中で記述した式の化合物は、例えば、4〜120時間ごと(例えば、約6、8、12、24、48または72時間ごと)に、または特定の化合物の要件に従って、約0.001〜約100mg/体重1kg(例えば、0.001〜1mg/kg、1〜100mg/kgまたは0.01〜5mg/kgの間)の範囲の投薬量で、注射、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内または皮下投与できるか;または眼科用製剤において、経口、舌下、鼻内、経粘膜、局所投与できるか、または吸入により投与できる。本明細書中の方法は、所望の効果または言及された効果(例えば、被験体における摂食の減少)を達成するのに有効な量の化合物または化合物組成物の投与を考慮している。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日あたり、約1回〜約6回投与され、例えば、これらの化合物は、食事時間の約1〜約4(例えば、1、2、3または4)時間前に、投与できる。単一剤形を製造するために担体物質と配合され得る活性成分の量は、治療するホストおよび特定の投与様式に依存して、変わる。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。あるいは、このような製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
【0308】
上で列挙したものよりも低い用量または高い用量が必要とされる場合がある。任意の特定の患者に対する特定の投薬量および治療レジメンは、種々の要因に依存し、これには、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、常食、投与時間、排出速度、薬剤の組合せ、疾患、病態または症状の重症度および経過、疾患、病態または症状に対する患者の気質、および治療する医師の判断が含まれる。
【0309】
患者の状態が改善すると、必要に応じて、本発明の化合物、組成物または配合の維持用量が投与され得る。引き続いて、症状の関数として、投薬量または投与頻度、あるいはそれらの両方は、改善された状態を維持するレベルまで低下され得る。しかしながら、患者は、病徴のいずれかの再発に対して、長期間のベースで、断続的な治療が必要であり得る。
【0310】
本発明の医薬組成物は、本明細書中の式で記述した化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩;追加化合物(これには、例えば、ステロイドまたは鎮痛剤が挙げられる);および任意の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含有する。本発明の代替組成物は、本明細書中の式で記述した化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩;および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含有する。本明細書中で描写された組成物は、本明細書中で描写した式の化合物だけでなく、もし存在するなら、疾患または病徴(キナーゼ媒介障害またはそれらの症状を含めて)の調節を達成するのに有効な量で、追加治療化合物を含有する。これらの組成物は、本明細書中で描写した1種またはそれ以上の化合物と、1種またはそれ以上のキャリア、および必要に応じて、本明細書中で描写した1種またはそれ以上の治療化合物とを混ぜ合わせる工程を包含する方法により、製造される。
【0311】
「薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバント」との用語は、本発明の化合物と共に患者に投与され得るキャリアまたはアジュバントであって、それらの薬理学的活性を失わせず、また、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与したときに非毒性であるキャリアまたはアジュバントを意味する。
【0312】
本発明の医薬組成物は、任意の経口的に受容可能な剤形(これには、カプセル、錠剤、乳濁液および水性懸濁液、分散液および溶液が挙げられるが、これらに限定されない)で、経口投与され得る。経口用途のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアには、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。典型的には、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた、加えられる。カプセル形状での経口投与に有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液および/または乳濁液を経口投与するとき、その活性成分は、乳化剤および/または懸濁剤と配合できる油相に懸濁または溶解され得る。もし望ましいなら、ある種の甘味料および/または香料および/または着色剤が加えられ得る。
【0313】
これらの医薬組成物は、無菌注射可能製剤(例えば、無菌注射可能水性または油性懸濁液)の形状であり得る。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween 80)および懸濁剤を使用して、当該技術分野で公知の技術に従って、処方され得る。この無菌注射可能製剤はまた、非毒性で非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。それに加えて、溶媒または懸濁媒体として、無菌の不揮発性油が通常使用される。この目的のために、任意のブレンドの不揮発性油が使用され得、これには、合成モノ−またはジグリセリドが挙げられる。脂肪酸(例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体)は、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油、特に、それらのポリオキシエチル化バージョン)と同様に、注射可能物の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または薬学的に受容可能な剤形(例えば、乳濁液および/または懸濁液)で一般的に使用される類似の分散剤を含有し得る。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、TweenまたはSpans)および/または他の類似の乳化剤またはバイオアベイラビリティー向上剤(これらは、薬学的に受容可能な固形物、液状物または他の剤形の製造で一般的に使用される)もまた、処方の目的のために、使用され得る。
【0314】
本発明の医薬組成物はまた、直腸投与のための座剤の形状で投与され得る。これらの組成物は、本発明の化合物と、適切な非刺激性の賦形剤(これは、室温で固体であるが、直腸温では液体であり、従って、直腸で融けて活性成分を放出する)と混合することにより、調製できる。このような物質には、ココアバター、密ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0315】
本発明の医薬組成物で使用され得る薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)(例えば、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、医薬剤形で使用される界面活性剤(例えば、Tweensまたは他の類似の重合体送達マトリックス)、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、トリケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンブロック重合体、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂肪が挙げられるが、これらに限定されない。シクロデキストリン(例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリン)もまた、本明細書中で記述した式の化合物の送達を高めるために、有利に使用され得る。
【0316】
いくつかの場合では、この処方のpHは、処方された化合物またはその送達形状の安定性を高めるために、薬学的に受容可能な酸、塩基または緩衝液で調整され得る。
【0317】
本明細書中で使用する「非経口的」との用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、
関節内、動脈内、滑液内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技術を含む。
【0318】
本発明の医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入により、投与され得る。このような組成物は、医薬処方の技術分野で周知の技術に従って調製され、そしてベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティーを高める吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当該技術分野で公知の他の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として、調製され得る。
【0319】
本発明の組成物が本明細書中で記述した式の化合物と1種またはそれ以上の追加治療薬または予防薬との組み合わせを含有するとき、この化合物と追加化合物との両方は、単独療法レジメンで通常投与される投薬量の約1〜100%の間、さらに好ましくは、約5〜95%の間の投薬レベルで、存在するべきである。さらに、本明細書中で記述した複数の化合物の組み合わせもまた、想定される。これらの追加化合物は、別々に、複数用量レジメンの一部として、本発明の化合物から投与され得る。あるいは、それらの化合物は、単一剤形の一部であり得、単一組成物中の本発明の化合物と共に混合され得る。
【0320】
(治療)
本明細書中で記述した化合物は、下記のものを含めた種々の障害を治療、予防および/または診断するために、例えば、インビトロまたはエキソビボで、培地中の細胞に投与できるか、または、例えば、インビボで、被験体に投与できる。
【0321】
本明細書中で使用する「治療する」または「治療」との用語は、単独で、または第二化合物と組み合わせて、被験体(例えば、患者)への化合物の適用または投与、または障害、障害の1つまたはそれ以上の症状または障害になりやすい傾向を治癒、軽減、解放、変化、救済、改善、向上または影響する(例えば、障害の少なくとも1つの症状を予防するか、または障害の少なくとも1つの症状の発症を遅らせる)目的で、障害(例えば、下記の障害)、障害の症状または障害になりやすい傾向がある被験体(例えば、患者)から単離した組織また細胞(例えば、細胞系)への化合物の適用または投与として、定義される。
【0322】
本明細書中で使用する「障害を治療するのに有効な量の化合物」または「治療有効量」とは、細胞を治療する際に、またはこのような治療がなしで予想されるものを超えた障害のある被験体を治癒、軽減、解放または改善する際に、単一または複数用量を被験体に投与すると有効である化合物の量を意味する。
【0323】
本明細書中で使用する「障害を予防するのに有効な量の化合物」または「予防有効量」の化合物とは、障害または障害の症状の発症または再発が起こるのを予防または遅延する際に、単一または複数用量を被験体に投与すると有効である化合物の量を意味する。
【0324】
本明細書中で使用する「被験体」との用語は、ヒトおよびヒト以外の動物を含むと解釈される。代表的なヒト被験体には、障害(例えば、本明細書中で記述した障害)を有するヒト患者または正常な被験体が挙げられる。本発明の「ヒト以外の動物」との用語は、全ての脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば、ニワトリ、両生類、爬虫類)および哺乳動物(例えば、ヒト以外の霊長類、家畜または農業用動物(例えば、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなど))を含む。
【0325】
本明細書中で記述した多くの化合物は、代謝障害を治療または予防するのに使用できる。「代謝障害」とは、代謝の異常または機能不全に特徴がある疾患または障害である。代謝障害の1つの部類には、グルコースまたはインシュリンの代謝の障害がある。例えば、被験体は、インシュリン耐性であり得、例えば、インシュリン耐性糖尿病に罹っている。1実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、被験体におけるインシュリンまたはグルコースのレベルを低下させるのに使用できる。別の実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、被験体におけるインシュリンまたはグルコースのレベルを変える(例えば、増加させる)のに使用できる。化合物を使う治療は、代謝障害の1つまたはそれ以上の症状を改善するのに有効な量であり得る。
【0326】
いくつかの場合では、本発明は、メタボリックシンドロームを治療する方法を提供し、該方法は、被験体に、有効量の本明細書中で記述した化合物を投与する工程を包含する。
【0327】
メタボリックシンドローム(例えば、シンドロームX)は、ひとりの人において、一群の代謝リスク因子により特徴付けられる。それらには、以下が挙げられる:中心性肥満(腹部およびその周りの過剰な脂肪組織)、アテローム生成的異脂肪血症(血液脂肪障害−主に、高いトリグリセリドおよび低いHDLコレステロール−これは、動脈壁におけるプラーク蓄積を助長する);インシュリン耐性または耐糖能障害(身体は、インシュリンまたは血糖を正しく使用できない);プロトロンビン状態(例えば、血液中の高いフィブリノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化因子インヒビター[−1]);血圧上昇(すなわち、高血圧症)(130/85mmHg以上);および炎症誘発状態(例えば、血液中の高感度C反応性タンパク質の上昇)。
【0328】
この症候群の根底にある原因は、太り過ぎ/肥満、肉体的不活発および遺伝的要因である。メタボリックシンドロームに罹った人々は、冠状動脈性心臓病、動脈壁におけるプラーク蓄積に関連した他の疾患(例えば、卒中および末梢血管病)および2型糖尿病のリスクが高い。メタボリックシンドロームは、インシュリン耐性と呼ばれている一般化された代謝障害に密接に関連しており、ここで、身体は、インシュリンを効率的に使用できない。
【0329】
本明細書中で記述した多くの化合物は、ヒト被験体(例えば、子供または成人の被験体)における肥満を治療または予防するのに使用できる。「肥満」とは、被験体が30以上の肥満度指数を有する状態を意味する。本明細書中で記述した多くの化合物は、太り過ぎの状態を治療または予防するのに使用できる。「太り過ぎ」とは、被験体が25.0以上の肥満度指数を有する状態を意味する。肥満度指数(BMI)および他の定義は、「NIH Clinical Guidelines on the Identification and Evaluation、and Treatment of Overweight and 肥満 in Adults」(1998)に従う。この化合物を使う治療は、例えば、被験体の体重を、少なくとも2、5、7、10、12、15、20、25、30、25、40、45、50または55%変えるのに有効な量であり得る。この化合物を使う治療は、被験体の肥満度指数を、例えば、30、28、27、25、22、20または18未満まで低下させるのに有効な量であり得る。これらの化合物は、異常または不適切な体重増加、代謝速度または脂肪蓄積(例えば、拒食症、摂食障害、過食症、肥満、糖尿病または高脂血症だけでなく、脂肪または脂質の代謝の障害)を治療または予防するのに使用できる。
【0330】
例えば、GHS−Rのアゴニストは、食物摂取を高めるか、または体重減少に関連した障害(例えば、拒食症、過食症など)を治療するのに使用できる。
【0331】
GHS−Rのアンタゴニストまたは逆作用アゴニストは、不適切な体重増加、代謝速度または脂肪蓄積(例えば、肥満、糖尿病または高脂血症)だけでなく、体重増加を引き起こす脂肪または脂質の代謝の障害を治療するのに使用できる。1実施形態では、本明細書中で記述した化合物は、視床下部の肥満を治療するのに使用される。例えば、この化合物は、視床下部の肥満のリスクがあると確認された被験体またはグルコースに対する異常な(極端な)インシュリン応答を有する被験体に投与できる。
【0332】
別の実施形態では、本明細書中で記述した化合物(例えば、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト)は、プラダーウィリ症候群(PWS)に関連した肥満を治療するために、投与できる。PWSは、肥満(例えば、病的肥満)に関連した遺伝的障害である。一般に、PWSに罹った個人はまた、欠乏性GH分泌を有する。一般的な肥満の個体とは対照的に、PWSに関連した肥満の個体は、高い絶食−グレリン濃度を有し、これは、過食症の原因となり得る。従って、いくつかの場合では、PWSに関連した肥満に罹った被験体は、遺伝標識、GHレベルの決定、絶食−グレリン濃度、慎重な表現型、または当該技術分野で公知の方法を使用して、識別できる。GHS−Rアンタゴニスト(例えば、本明細書中で記述した化合物の1つ)の投与は、体脂肪を減少させ、体脂肪の増加を防止し、および/またはPWSに関連した肥満の個体における食欲を減らし、および/または糖尿病、循環器病および卒中のような同時罹患率を低下させるのに使用できる。
【0333】
本明細書中で記述した多くの化合物は、神経障害を治療するのに使用できる。「神経障害」とは、神経細胞または神経支持細胞(例えば、グリアまたは筋肉)の異常または機能不全に特徴がある疾患または障害である。この疾患または障害は、中枢および/または末梢神経系に影響を与え得る。代表的な神経学的障害には、ニューロパシー、骨格筋萎縮症および神経変性疾患(例えば、ポリグルタミンの凝集により少なくとも部分的に引き起こされるもの以外の神経変性疾患)に影響を与え得る。代表的な神経変性疾患には、以下が挙げられる:アルツハイマー型、筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびパーキンソン病。他の種類の神経変性疾患には、ポリグルタミンの凝集により少なくとも部分的に引き起こされる疾患が挙げられる。この種の疾患には、以下が挙げられる:ハンチントン舞踏病、脊髄延髄筋萎縮症(SBMAまたはケネディ病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄小脳運動失調1(SCA1)、脊髄小脳運動失調2(SCA2)、マチャドジョセフ病(MJD;SCA3)、脊髄小脳運動失調6(SCA6)、脊髄小脳運動失調7(SCA7)および脊髄小脳運動失調12(SCA12)。この化合物を使う治療は、この神経障害の少なくとも1つの症状を改善するのに有効な量であり得る。1実施形態では、この神経障害を治療するために、GHS−Rアンタゴニスト活性を有する化合物が使用できる。
【0334】
本明細書中で記述した多くの化合物は、被験体における不安を調節するのに使用できる。1実施形態では、例えば、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、不安を減らすのに使用できる。
【0335】
本明細書中で記述した多くの化合物は、被験体における記憶保持を調節するのに使用できる。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、記憶保持を減らすのに使用できる。例えば、記憶保持を減らすことは、外傷性ストレスからの回復を助け得る。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、記憶保持を高めるのに使用される。
【0336】
本明細書中で記述した多くの化合物は、被験体における睡眠、睡眠サイクル(例えば、レム睡眠)または覚醒を調節するのに使用できる。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、被験体における睡眠を促進するか、または睡眠時無呼吸を治療するのに使用される。
【0337】
1実施形態では、GHS−Rアゴニスト、逆作用アゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、本明細書中で記述した化合物)は、被験体の概日リズムを変えるのに使用される。例えば、この化合物は、例えば、複数の時間帯の間の旅行前、旅行中または旅行後、または概日性障害に罹った被験体に、概日リズムをリセットするために、1日の特定の時点(例えば、規則的(例えば、夕方および/または朝)において、送達できる。これらの化合物は、GHの分泌の拍動性を調節できる。
【0338】
本明細書中で記述した多くの化合物は、心血管障害を治療するのに使用できる。「心血管障害」とは、心血管系(例えば、心臓、肺または血管)の異常または機能不全に特徴がある疾患または障害である。代表的な心血管障害には、以下が挙げられる:心臓のリズム障害、慢性鬱血性心不全、虚血性脳卒中、冠動脈疾患および心筋症。この化合物を使う治療は、心血管障害の少なくとも1つの症状を改善するのに有効な量であり得る。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、心血管障害を治療するのに使用できる。
【0339】
本明細書中で記述した多くの化合物は、皮膚障害または皮膚組織病態を治療するのに使用できる。「皮膚障害」とは、皮膚の異常または機能不全に特徴がある疾患または障害である。「皮膚組織病態」とは、皮膚、および皮膚の機能および/または外観(例えば、美観)に寄与するいずれかのその下の組織(例えば、支持組織)を意味する。この化合物を使う治療は、皮膚障害または皮膚組織病態の少なくとも1つの症状を改善するのに有効な量であり得る。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、皮膚障害または皮膚組織病態を治療するのに使用できる。
【0340】
本明細書中で記述した多くの化合物は、老人性障害を治療するのに使用できる。「老人性障害」とは、本願の出願時点において、100,000人を超える選択集団において、70才より高齢の人のうちの少なくとも70%が発症する疾患または障害である。1実施形態では、この老人性障害は、癌または心肺障害以外の障害である。好ましい集団は、米国の全住民である。集団は、性別および/または民族により制限できる。
【0341】
本明細書中で記述した多くの化合物は、過剰の成長ホルモン活性に特徴がある障害を治療または予防するのに使用できる。例えば、これらの化合物は、被験体におけるGHレベルを低下させるのに使用できる。1実施形態では、この被験体は、ヒト、例えば、子供(例えば、3〜11才の間)、若者(例えば、12才〜19才の間)、青年(例えば、20〜25才の間)または成人である。1実施形態では、GHS−Rアンタゴニストまたは逆作用アゴニスト活性を有する化合物は、過剰の成長ホルモン活性に特徴がある障害を治療するのに使用される。
【0342】
本明細書中で記述した多くの化合物は、迷走神経のトーンを調節するのに使用できる。例えば、本明細書中で記述した化合物またはGHS−Rの他のモジュレーターは、迷走神経切除または他の障害(これは、迷走神経の求心性または遠心性の活性を変える)を有する被験体に投与できる。1実施形態では、被験体は、迷走神経機能の異常についてモニターされ、もし、異常が検出されたなら、この被験体は、本明細書中で記述した化合物またはGHS−Rの他のモジュレーターで治療される。
【0343】
特定の実施に関連した代表的な疾患および障害には、以下が挙げられる:癌(例えば、乳癌、直腸結腸癌、CCL、CML、前立腺癌);骨格筋萎縮症;成人発症型糖尿病;糖尿病性腎症、神経障害(例えば、感覚性神経障害、自律神経性神経障害、運動性神経障害、網膜症);肥満;骨吸収;神経変性疾患(パーキンソン病、ALS、アルツハイマー型短期および長期記憶喪失)およびタンパク質の凝集(例えば、ポリグルタミン凝集以外)またはタンパク質のミスフォールディングに関連した障害;加齢黄斑変性症、顔面麻痺;心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、不整脈、慢性鬱血性心不全、虚血性脳卒中、冠動脈疾患および心筋症)、慢性腎不全、2型糖尿病、潰瘍形成、白内障、老眼、糸球体腎炎、ギランバレー症候群、出血性脳卒中、関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、SLE、クローン病、骨関節炎、肺炎および尿失禁。疾患の症状および診断は、医師に周知である。
【0344】
特定の実施形態では、これらの化合物は、生物の標的組織において、局所的にGHS−Rに向けられる。GHS−Rは、視床下部、心臓、肺、膵臓、腸、脳(特に、弓状核(ARC))および脂肪組織において、発現される。本明細書中で記述した化合物は、上記組織の1つまたはそれ以上を標的にできる。例えば、この化合物は、肺に標的化するために、吸入用に処方できる。この化合物は、腸に標的化するために、摂取および腸への通過用に処方できる。他の実施形態では、治療は、全身に向けられ、この化合物は、標的組織に分配される。
【0345】
その障害および化合物に依存して、治療には、さらに、上で特定した化合物の使用、他の種類の化合物の使用が関与し得る。例えば、内生グレリンレベルが一般的に正常なレベルよりも低いかまたは罹患領域での正常なレベルよりも低い被験体では、治療には、GHS−Rアゴニスト活性を有する化合物が関与し得る。特定の化合物の適合性は、例えば、動物ベースのアッセイにおいて、または被験体をモニターすることにより、評価できる。
【0346】
本明細書中で記述した多くの化合物は、エネルギー収支を制御する生物学的シグナルの活性を調節するのに使用できる。このような信号には、ペプチド信号(例えば、NPY、AGRP、オレキシン、MCH、ビーコン(例えば、Collierら、(2000)Diabetes 49:1766を参照のこと)、メラノサシト(mealoncyte)刺激ホルモン、ニューロメディンU、コルチコトロピン放出因子、およびレプチンが挙げられる。例えば、NPYは、摂食を刺激し代謝速度を低下させる36−アミノ酸ペプチドである。本明細書中で記述した多くの化合物は、NPYの活性を低下させるのに使用できる。本明細書中で記述した多くの化合物は、食欲抑制分子(例えば、ボンベシン、IL−1β、レプチン、およびガストリン放出ペプチド)の活性または利用能を高めるのに使用できる。従って、これらの化合物は、胃の迷走神経求心性の排出速度を高め得る。
【0347】
本発明者はまた、サブスタンスPおよびそれらの誘導体がGHS−R活性を調節することを発見した。特に、本発明者は、サブスタンスPが、絶食再給餌アッセイにおいて、マウスの摂食活動を変えることを発見した。従って、サブスタンスPおよびそれらの誘導体は、摂食または代謝障害だけでなく、本明細書中で記述した他の障害を調節するのに使用できる。
【0348】
ヒト組織におけるGHS−R発現の本発明者の研究により、GHS−Rは、下垂体細胞、脳、脊髄、子宮、脾臓、膵臓、腎臓、副腎、骨格筋、甲状腺、肝臓、小腸および心臓において発現されることが立証された。従って、本明細書中で記述した化合物は、これらの組織における望ましくないレベルのグレリンまたはグレリン媒介シグナル伝達活性に関連した疾患および障害を治療するのに使用できる。例えば、もし、グレリンまたはグレリン媒介シグナル伝達活性のレベルが望ましくないほどに低いなら、GHS−Rアゴニスト活性を有する化合物が治療に使用できる。もし、グレリンまたはグレリン媒介シグナル伝達活性のレベルが望ましくないほどに高いなら、GHS−Rアンタゴニスト活性を有する化合物が治療に使用できる。例えば、所望のグレリン活性のレベルは、組織ごとに変わり得る。グレリンは、胃により分泌され、そして胃またはその近くで高くなり得るが、正常な膵臓組織では、ずっと低い。
【0349】
(新生物性障害)
本明細書に記載される多くの化合物は、新生物障害を処置するために使用され得る。「新生物障害」は、自立性の増殖または複製(例えば、増殖性の細胞増殖により特徴付けられる異常な状態(state)または状態(condition))についての能力を有する細胞により特徴付けられる疾患または障害である。例示的な新生物障害としては、癌腫、肉腫、転移性障害(例えば、前立腺起源、結腸起源、肺起源、乳房起源および肝臓起源から生じる腫瘍)、造血新生物障害(例えば、白血病)、転移性腫瘍が挙げられる。主要な癌としては、乳癌、前立腺癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌および膵臓癌が挙げられる。化合物による処置は、新生物障害の少なくとも1つの症状を改善する(例えば、細胞増殖の低減、腫瘍質量の低減、など)のに有効な量であり得る。
【0350】
新生物障害が、GHS−RアゴニストまたはGHS−Rアンタゴニストのいずれにより処置されるべきかは、新形成の型に依存し得る。例えば、Duxburyら、(2003)Biochem.Biophys.Res.Comm.309:464−468は、特定の新生物障害がGHS−Rアンタゴニストにより阻害されることを報告する。これらの障害としては、例えば、膵臓腺癌、およびGHS−RまたはGHS−R1bが発現される新形成(例えば、前立腺腺癌、膵臓内分泌腫瘍、成長ホルモン産生細胞腫瘍および中枢神経系腫瘍)が挙げられる。 GHS−Rアンタゴニストにより減弱、阻害または死滅される新形成は、本明細書における用語「GHS−Rアンタゴニスト感受性の新生物障害」であり、GHS−Rアンタゴニスト活性を有する化合物により処置され得る。
【0351】
Duxburyらはまた、特定の他の型の新形成(例えば、乳腺癌、肺腺癌および甲状腺の腺癌)が、高いレベルのグレリン(>10nM)により阻害され得、したがってGHS−Rアゴニスト(例えば、本明細書に記載のGHS−Rアゴニストまたは別の公知のGHS−Rアゴニスト)により処置され得ることを報告する。グレリンまたはGHS−Rアゴニストにより減弱、阻害または死滅される新形成は、本明細書における用語「グレリン感受性の新生物障害」であり、GHS−Rアゴニスト活性を有する化合物により処置され得る。
【0352】
新生物性細胞がグレリンアゴニストまたはアンタゴニストのいずれに対し感受性であるか(すなわち、新生物性細胞がグレリン感受性の新生物障害であるか、またはGHS−Rアンタゴニスト感受性の新生物障害であるか)は、GHS−Rアゴニスト(例えば、グレリン)またはGHS−Rアンタゴニスト(例えば、D−Lys−GHRP6)の存在中での増殖アッセイにより決定され得る。Duxburyらは、例示的な増殖アッセイを開示する。このような1つのアッセイにおいて、細胞を、96ウェルプレートに、ウェルあたり約10細胞で播種する。細胞を3日間、培地中で培養し、次にグレリンもしくはD−Lys−GHRP6、またはコントロール培地と接触させる。続いて、生存率について、MTTアッセイ(3−(4,5−ジメチルチアゾイル−2イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)(Trevigen、Gaithersburg、MDから)を使用して、細胞を評価する。実行され得る他のアッセイは、侵襲アッセイおよび遊走アッセイである。特定の化合物の影響はまた、このアッセイにおいて変化され得る濃度に依存し得る。
【0353】
上記の新生物障害に加えて、本明細書に記載の化合物は、他の新形成および過形成(良性、前悪性または悪性であり得る「腫瘍」が挙げられる)を処置するために使用され得る。
【0354】
癌性障害のさらなる例としては、固形腫瘍、軟組織腫瘍および転移性の病変が挙げられるが、これらに限定されない。固形腫瘍の例としては、種々の器官系の悪性疾患(例えば、肉腫、腺癌および癌腫)(例えば、肺、乳房、リンパ球、胃腸管(例えば、結腸)および尿生殖路(例えば、腎細胞、尿路上皮細胞)、咽頭、前立腺、卵巣に罹患したもの、ならびに大半の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺の非小細胞性の癌腫、小腸癌などのような悪性疾患を含む腺癌)が挙げられる。上記の癌の転移性の病変もまた、本発明の方法および組成物を使用して処置または予防され得る。
【0355】
本明細書に記載の化合物は、種々の器官系の悪性疾患(例えば、肺、乳房、リンパ球、胃腸管(例えば、結腸)および尿生殖路、前立腺、卵巣、咽頭に罹患したもの、ならびに、大半の結腸癌、腎細胞癌、前立腺癌および/または精巣の腫瘍、肺の非小細胞性の癌腫、小腸癌および食道癌のような悪性疾患を含む腺癌)を処置するのに有用であり得る。処置され得る、例示的な固形腫瘍としては、以下が挙げられる:線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺の癌腫、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆管の癌腫、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫、子宮頸癌、精巣の腫瘍、肺の癌腫、小細胞性の肺の癌腫、非小細胞性の肺の癌腫、膀胱癌、上皮の癌腫、神経膠腫、神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫。
【0356】
用語「癌腫」は、当業者により認識され、上皮組織または内分泌組織の悪性疾患(呼吸器系の癌腫、胃腸系の癌腫、尿生殖器系の癌腫、精巣の癌腫、乳癌、前立腺の癌腫、内分泌系の癌腫、黒色腫が挙げられる)をいう。例示的な癌腫としては、子宮頸部、肺、前立腺、乳房、頭部および頸部、結腸ならびに卵巣の組織から形成するものが挙げられる。この用語はまた、癌肉腫(例えば、これとしては、癌性の組織および肉腫性の組織からなる悪性腫瘍が挙げられる)を包含する。「腺癌」は、腺組織に由来する癌腫または、腫瘍細胞が認識可能な腺性の構造に由来する癌腫をいう。
【0357】
用語「肉腫」は、当業者により認識され、間葉系由来の悪性腫瘍をいう。
【0358】
本発明の方法はまた、(例えば、骨髄系統、リンパ球系統もしくは赤血球系統、またはそれらの前駆細胞から生じる)造血系起源の過形成/新形成細胞の増殖を阻害するために使用され得る。例えば、本発明は、種々の骨髄障害(急性前骨髄性白血病(promyeloid leukemia)(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)(Vaickus,L.(1991)Crit Rev.in Oncol./Hemotol.11:267−97に概説される)が挙げられるが、これらに限定されない)の処置を意図する。本発明の方法により処置され得るリンパ球の悪性疾患としては、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(B系統ALLおよびT系統ALLを含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性(prolymphocytic)白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の処置方法により意図される悪性リンパ腫のさらなる形態としては、非ホジキンリンパ腫およびその改変、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大型顆粒性(large granular)リンパ球性白血病(LOF)およびホジキン病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0359】
(GHS−Rへの作用)
クラスB(例えば、GHS−Rアゴニスト)またはクラスDの化合物は、例えば、特定の組織において、被験体が所望のレベルより少ないGHS−R活性または正常レベルより少ないGHS−R活性を有する障害を処置するために使用され得る。このような化合物は、以下の障害のうちの1つ以上を処置するために使用され得る:悪液質、るいそう(wasting)、高齢者における成長ホルモンの放出の刺激、癌、心不全またはAIDSを有する患者;成長ホルモン欠損性の成人を処置すること;糖質コルチコイドの異化性の副作用の予防;骨粗しょう症の処置;免疫系の刺激、創傷治癒の促進;骨折の修復を促進すること;成長遅延の処置;急性または慢性の腎不全(renal failure)または腎不全(renal insufficiency)を処置すること;生理学的な低身長(成長ホルモン欠損児が挙げられる)の処置;慢性疾患に関連する低身長を処置すること;肥満および肥満に関連する成長遅延を処置すること;プラダー・ウィリ症候群およびターナー症候群に関連する成長遅延を処置すること;火傷患者または胃腸の手術のような大手術後の回復を促進すること、および、それらの入院を軽減すること;子宮内成長遅延および骨格形成異常の処置;過剰コルチゾン症(hypercortisonism)およびクッシング症候群の処置;末梢神経障害の処置;骨軟骨形成異常、ヌーナン症候群、睡眠障害、総合失調症、うつ病、アルツハイマー病、創傷治癒の遅延および心理社会的な欠乏の処置;肺機能障害および人工呼吸器依存性の処置;うっ血性心不全の予防または処置、肺機能を改善すること、収縮機能および拡張機能を回復させること、心筋の収縮性を増加させること、末梢総血管抵抗を低下させること、体重の減少をなくすことまたは防止すること、そしてうっ血性心不全後の回復を増進すること;食欲を増加させること;大手術後のタンパク質の異化反応の減弱;吸収障害症候群を処置すること;慢性疾患(例えば、癌またはAIDS)により引き起こされるタンパク質の欠乏を低下させること;体重の増加およびTPN(完全非経口栄養法)にある患者におけるタンパク質の付着を促進すること;高インスリン血症の処置;胃潰瘍および十二指腸潰瘍の処置;胸腺発達の刺激;慢性的血液透析の患者に対する補助的治療;免疫抑制された患者の処置;例えば、ワクチン接種後の抗体応答の増進;ヒトのリンパ球の総数を増加させること;非回復性の睡眠および筋骨格の痛みにより明らかとなる症候群(線維筋痛症候群または慢性疲労症候群が挙げられる)の処置;筋力、可動化、皮膚厚の維持、代謝恒常性、脆弱な高齢者における腎臓の恒常性(hemeostasis)における改善;骨芽細胞、骨再構築および軟骨の成長の刺激;うっ血性心不全の予防または処置;心臓の構造および/または心機能の保護;うっ血性心不全後の哺乳動物の回復の増進;睡眠の質ならびに睡眠障害の予防および処置を増進すること、および/または改善すること;睡眠の効率を増進させることにより睡眠の質を増進または改善すること、および睡眠の維持を増強すること;気分障害(特に、うつ病)の予防および処置;うつ病に罹患している被験体における気分および被験体の健康を改善すること;インスリン耐性を軽減すること;免疫系の刺激;手術後の患者、または変性状態(例えば、II型糖尿病)に続く胃不全麻痺において、胃の運動を刺激および促進すること;そして、成長を増加させること。化合物は、ヒトまたは動物(例えば、家畜、ペットなど)を処置するために使用され得る。
【0360】
(キット)
本明細書に開示される化合物は、キットで提供され得る。キットは、(a)本明細書に記載の化合物を含む組成物、および必要に応じて(b)情報資料を含む。情報資料は、本明細書に記載の方法および/または本明細書に記載の方法のための本明細書に記載の化合物の使用に関する、説明資料、指示資料、販売資料または他の資料であり得る。
【0361】
キットの情報資料は、その形態に限定されない。一実施形態において、情報資料は、化合物の生成、化合物の分子量、濃度、有効期限日、バッチまたは製造場所の情報などについての情報を含み得る。一実施形態において、情報資料は、本明細書に記載の障害を処置するための、本明細書に記載の化合物の使用に関する。
【0362】
一実施形態において、情報資料は、本明細書に記載の方法を実行するのに適切な様式(例えば、適切な用量、投薬形態または投与の様式(例えば、本明細書に記載の用量、投薬形態または投与の様式))で、本明細書に記載の化合物を投与するための指示を含み得る。好ましい用量、投薬形態または投与の様式は、非経口(例えば、静脈内、筋内、皮下、非経口内(intraparenteral)、粘膜内(bucosal)、舌下、眼内(intraoccular)および局所的)である。別の実施形態において、情報資料は、適切な被験体(例えば、ヒト、例えば、本明細書に記載の障害を有するか、またはその危険にあるヒト)に、本明細書に記載の化合物を投与するための指示を含み得る。例えば、資料は、このような被験体に、本明細書に記載の化合物を投与するための指示を含み得る。
【0363】
キットの情報資料は、その形態に限定されない。多くの場合において、情報資料(例えば、指示)は、印刷物(例えば、印刷された本文、図面および/または写真、例えば、ラベルまたは印刷された紙)で提供される。しかしながら、情報資料はまた、他の様式(例えば、コンピュータ読み込み可能な資料、ビデオ記録または音声記録)でも提供され得る。別の実施形態において、キットの情報資料は、そのキットの使用者が、本明細書に記載の化合物および/または本明細書に記載の方法によるその使用についての実質的な情報を取得し得る連絡先情報(例えば、物理的な住所、Eメールアドレス、ウェブサイトまたは電話番号)である。無論、情報資料はまた、様式の任意の組み合わせにより提供され得る。
【0364】
本明細書に記載の化合物に加えて、キットの組成物は、他の成分(例えば、溶媒もしくは緩衝剤、安定化剤、保存剤および/または本明細書に記載の状態もしくは障害を処置するための第二の化合物)を含み得る。あるいは、その他の成分がキットに含まれ得るが、本明細書に記載の化合物とは異なる組成物または容器に含まれ得る。このような実施形態において、キットは、本明細書に記載の化合物とその他の成分とを混合するため、またはその他の成分とともに本明細書に記載の化合物を使用するための、指示を含み得る。
【0365】
本明細書に記載の化合物は、あらゆる形態(例えば、液体形態、乾燥形態または凍結乾燥形態)で提供され得る。本明細書に記載の化合物は実質的に純粋および/または無菌であることが好ましい。本明細書に記載の化合物が液体の溶液で提供される場合、この液体溶液は、好ましくは水溶液であり、無菌の水溶液が好ましい。本明細書に記載の化合物が乾燥形態で提供される場合、一般的に、再構成は適切な溶媒の添加による。溶媒(例えば、無菌の水または緩衝剤)は、必要に応じてキット中に提供され得る。
【0366】
キットは、本明細書に記載の化合物を含む組成物のための1つ以上の容器を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、組成物および情報資料のための個別の容器、仕切りまたは区画を含む。例えば、組成物は、ボトル、バイアルまたは注射器に収容され得、情報資料はプラスチック製のスリーブまたは包みに含まれ得る。他の実施形態において、キットの個別の要素は、単一の分割されていない容器に含まれる。例えば、組成物は、ラベルの形態での情報資料が付着された、ボトル、バイアルまたは注射器に収容される。いくつかの実施形態において、キットは、各々、本明細書に記載の化合物の1回以上の単位投薬形態(例えば、本明細書に記載の投薬形態)を収容する個々の容器(例えば、包み)を複数含む。例えば、キットは、各々、単回の単位用量の本明細書に記載の化合物を収容する注射器、アンプル、ホイル包装またはブリスター包装を複数含む。キットの容器は、気密、防水(例えば、湿気または蒸発による変化に対し不透過性である)、および/または遮光性であり得る。
【0367】
キットは、必要に応じて、組成物の投与に適切な装置(例えば、注射器、吸入剤、ピペット、鉗子、計量さじ、点滴注入器(例えば、点眼剤)、スワブ(例えば、綿棒または木製スワブ)または任意のこのような送達装置)を含む。好ましい実施形態において、装置は、移植可能な送達装置である。
【実施例】
【0368】
(最新の中間体Eの合成)
【0369】
【化80】

(Aの合成)
フェニルヒドラジン(2.38g、22mmol)およびトリフルオロ酢酸(5mL)のトルエン/アセトニトリル(49/1)(100mL)溶液を、35℃で、加熱した。N−ベンジルオキシカルボニル4−ホルミルピペリジン(4.94g、20mmol)をトルエン/アセトニトリル(49/1)20mLに溶解し、この混合物に滴下し、これを、35℃で、一晩撹拌した。次いで、得られた溶液を0℃まで冷却し、そしてメタノール(10mL)を加えた。この溶液にNaBH(1.13g、30mmol)を非常にゆっくりと加え、これを、さらに45分間撹拌した。その反応混合物を6%NHOH水溶液(40mL)で洗浄した。メタノール(2mL)を加え、有機層をブライン(40mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥し、そして蒸発させた。その粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル/シクロヘキサン(1/1)で溶出する)で精製して、淡黄色固形物として、4.85g(75%)のAを得た。
【0370】
(Bの合成)
化合物A(3.03g、9.4mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(1.8mL、10.3mmol)および塩化メタンスルホニル(0.8mL、10.3mmol)をゆっくりと加えた。その反応物を、室温で、一晩撹拌した。真空下にて溶媒を除去し、その粗製物質をジクロロメタンに溶解し、HCl水溶液(1N)、NaHCO飽和水溶液およびブラインで連続的に洗浄した。有機層をNaSOで乾燥した。蒸発によりジクロロメタンを除去し、その粗製物質を熱エタノールおよび1滴の酢酸から再結晶して、ベージュ色固形物として、3.06g(81%)のBを得た。
【0371】
(Cの合成)
酢酸(30mL)中のB(3.06g、7.6mmol)、Pd(OH)/C(20%Pd、Degussa型、300mg)、Pd/C(10%Pd、300mg)およびギ酸アンモニウム(7.23g、115mmol)の混合物を脱気し、次いで、50℃で、不活性雰囲気下にて、3時間撹拌した。メタノール(30mL)を加え、その混合物を濾過した。その溶液を真空中で濃縮し、そしてNaOH(5N、10mL)水溶液を加えた。この溶液を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、そして蒸発させて、白色固形物として、1.89g(93%)のCを得た。
【0372】
(Dの合成)
C(0.57g、2.13mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.45g、2.34mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.32g、2.34mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液にN−Boc−OBn−D−セリン(0.69g、2.34mmol)を加え、そして得られた溶液を、室温で、一晩撹拌した。次いで、その反応物をクエン酸(5mL)の飽和溶液で洗浄し、次いで、NaHCO(5mL)の飽和溶液、NaSOで乾燥し、濾過し、そして真空中で蒸発させた。その生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル/シクロヘキサン(1/1)で溶出する)で精製して、白色固形物として、0.77g(67%)のDを得た。
【0373】
(Eの合成)
化合物D(0.70g、1.29mmol)のエタノール(8ml)溶液にメタンスルホン酸(1.25mL、19.31mmol)をゆっくりと加え、これを、次いで、50℃で、1時間撹拌した。そのpHをNaOH(2N)水溶液でpH9に調整し、真空中でエタノールを除去した。この溶液をジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥し、そして真空中で蒸発させて、493mg(86%)のEを得た。
【0374】
(Gの合成)
【0375】
【化81】

(スルホンアミド(F)の形成)
中間体E(0.44g、1mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.5mmol)をジクロロメタンに溶解した。その溶液に塩化2−クロロエタンスルホニル(0.24g、1.5mmol)を加え、これを、室温で、一晩撹拌した。有機層を10%クエン酸溶液に次いでNaHCO飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濾過した。真空中で溶媒を除去し、その粗製物質をカラムクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル/ヘプタン(3/2)で溶出する)で精製して、無色油状物として、0.38g(72%)のFを得た。
【0376】
(Gの形成)
スルホンアミドF(100mg、0.19mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した。その混合物にジエチルアミン(0.19mL、1.8mmol)を加え、これを、60℃で、一晩加熱した。次いで、真空中で溶媒を除去し、その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、酢酸エチルで溶出する)で精製して、36mgの黄色油状物を得た。
【0377】
(塩化1−メチルピペリジン−4−スルホニルの合成)
【0378】
【化82】

ピペリジン−4−スルホン酸(200mg、1.21mmol)の水10ml溶液に、シアノホウ化水素樹脂(1g、2.50mmol)を加え、続いて、ホルムアルデヒド(68μl、0.91mmol、37%水溶液)を加えて、周囲温度で、一晩振盪した。次いで、この溶液を濾過し、そして真空中で蒸発させて、スルホン酸を得、これを、さらに精製することなく、次の工程に運んだ。収量、177mg(82%)。
【0379】
【化83】

粗1−メチルピペリジン−4−スルホン酸の塩化チオニル(10ml)懸濁液にDMF(100μl)をゆっくりと加え、そして16時間にわたって、還流状態まで加熱した。次いで、真空中で溶媒を除去して、塩化スルホニルを得、これを、さらに精製することなく、次の工程に運んだ。
【0380】
((R)−N−(3−(ベンジルオキシ)−1−(1−(メチルスルホニル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−1−メチルピペリジン−4−スルホンアミドの合成)
【0381】
【化84】

A(248mg、0.56mmol)およびDIPEA(488μL、2.80mmol)のDCM(5ml)溶液に、DCM(5ml)に溶解した塩化1−メチルピペリジン−4−スルホニルを加え、そして周囲温度で、一晩撹拌した。これを、クエン酸の飽和水溶液(10ml)に続いて飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空中で蒸発させた。その粗生成物を分取LCで精製した。この生成物をDCMに溶解し、1当量のMsOHを加え、そして周囲温度で、30分間撹拌し、次いで、真空中で溶媒を除去して、19mgの(R)−N−(3−(ベンジルオキシ)−1−(1−(メチルスルホニル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)−1−メチルピペリジン−4−スルホンアミドを得た。
【0382】
【化85】

((R)−4’−{[3−ベンジルオキシ−2−(3−ジエチルアミノ−プロパン−1−スルホニルアミノ)−プロピオニルアミノ]−メチル)−ビフェニル−2−カルボン酸アミドの合成)
【0383】
【化86】

(Boc中間体1の調製)
4’−アミノメチル−ビフェニル−2−カルボキサミド(204mg、0.9mmol)、Boc O−ベンジル−D−セリン(295mg、lmmol)、EDC(190mg、lmmol)およびHOBT(135mg、lmmol)を、室温で、DCM(10ml)に溶解した。その反応物を一晩撹拌した。この溶液をNaHCO飽和水溶液で洗浄し、水層をDCM(10ml)で2回抽出し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、そして蒸発させた。その油状残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、3/1)で精製して、淡黄色発泡体として、340mgの1(75%)を得た。
【0384】
【化87】

(スルホンアミド中間体2の調製)
Boc保護中間体1(110mg、0.21mmol)をTFA/DCM(1/4)(3ml)に溶解した。その反応物を、室温で、1時間撹拌した。この溶液をNaCO飽和水溶液で洗浄し、水層をDCM(10ml)で2回抽出し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、そして蒸発させて、白色発泡体として、100mgの遊離アミンを得、これを、さらに精製することなく、使用した。
【0385】
このアミン中間体をDCM(3ml)に溶解した。次いで、0℃で、DIPEA(63μl、1.1当量)および塩化3−クロロプロパンスルホニル(33μl、1.1当量)を加えた。その反応物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。
【0386】
この溶液にDCM(10mL)を加え、そしてNaHCO飽和水溶液で洗浄し、有機層をMgSOで乾燥し、そして蒸発させた。その油状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン、3/1)で精製して、無色油状物として、20mgの2(17%)を得た。
【0387】
【化88】

(ビアリールアミド3の調製)
塩化物中間体2(15mg、0.03mmol)をジエチルアミン1mlに溶解した。NaI(lmg、0.25eq)を加え、その反応物を、電子レンジ(CEM Discover)中にて、150℃で、1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、9/1)で精製して、淡黄色油状物として、5mgの3(31%)を得た。
【0388】
【化89】

((R)−3−(ジエチルアミノ)−N−(1−(2’−(ヒドロキシメチル)ビフェニル−4−イル)−1−オキソ−4−フェニルブタン−2−イル)プロパン−1−スルホンアミドの合成)
【0389】
【化90】

(「ワインレブ」アミド2の調製)
N−BOC−D−Homophe−OH(2.00g、7.16mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン.HCl(0.84g、8.59mmol)、EDC.HCl(1.65g、8.59mmol)およびHOBt(1.16g、8.59mmol)のDCM(30ml)懸濁液に、0℃で、撹拌しながら、DIPEA(1.50ml、8.59mmol)を滴下した。これを、0℃で、45分間撹拌し、次いで、さらに5時間にわたって、室温まで温めた。その反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×50ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で乾燥状態まで蒸発させた。その粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン 2/3)で精製した。
【0390】
生成物は、無色透明で粘稠な液状物である。収量2.3g(99%)。
【0391】
【化91】

(アリールケトン3の調製)
i.2(2.30g、7.16mmol)のTHF(20ml)およびエーテル(20ml)溶液に、−20℃で、撹拌しながら、塩化イソプロピルマグネシウム(3.58ml、7.16mmol)をゆっくりと加え、次いで、さらに5分間撹拌した。
【0392】
ii.1,4−ジブロモベンゼン(2.54g、10.75mmol)のエーテル(15ml)溶液に、0℃で、n−Buliを一度に加えた。次いで、カニューレを経由して、この溶液をi.に加え、そして−20℃で、1時間撹拌した後、塩化アンモニウムの飽和溶液(1ml)でクエンチした。その反応混合物を真空中で蒸発させ、その粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン 5/95)で精製した。収量1.57g(52%)白色固形物。
【0393】
【化92】

(スルホンアミド4の調製)
i.アリールケトン3に、周囲温度で、TFA(25%)のDCM溶液を加え、そして2時間撹拌した。次いで、その溶液を、真空中で、乾燥状態まで蒸発させた。
【0394】
ii.保護アミン(i.)のDCM(10ml)溶液にDIPEA(0.64ml、3.69mmol)を加え、続いて、塩化N,N−ジエチルアミノプロピルスルホニル/HCl(0.40g、1.60mmol)を加え、そして周囲温度で、3時間撹拌した。次いで、その反応混合物をブライン(10ml)で洗浄し、次いで、真空中で蒸発させた。その粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、(MeOH/DCM 5/95)で精製した。収量=0.40g(65%)。
【0395】
【化93】

(ビアリールスルホンアミド5の調製)
スルホンアミド4(100mg、0.2mmol)、2−ヒドロキシルメチルフェニルボロン酸環状モノエステル(53mg、0.4mmol)、KCO(55mg、0.4mmol)のトルエン/EtOH/HO(4ml、2/1/1)懸濁液に触媒量のPd(PPhを加え、そして電子レンジ(CEM Discover)にて、45分間にわたって、90℃まで加熱した。有機層をEtOAcで抽出し(5ml)、次いで、ブライン(5ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空中で蒸発させた。その生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、0〜10%MeOHの勾配、EtOAc中の1%NHOHで溶出する)で精製した。収量=100mg(95%)
【0396】
【化94】

本発明の多数の実施形態が記述されている。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行い得ることが理解される。従って、他の実施形態は、上記請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

ここで;
は、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクリル、シクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
k’は、結合、O、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、S、SO、SO、CR=CRまたはC≡Cである;
nは、1〜6、好ましくは、1〜3である;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである;
Aは、
【化2】

である;
xおよびyは、それぞれ別個に、0〜6である;
Mは、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のRで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクリルまたはヘテロシクリルであるか、またはRおよびRは、一緒になって、複素環を形成できるか、またはRおよびRは、一緒になって、アジド部分を形成できる;ここで、各RおよびRは、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキル、1個〜3個のアルコキシまたは1個〜3個のオキソで置換されている;
は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)R、SRである;
7aおよびR7bは、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜5個のハロ、1個〜3個のヒドロキシ、1個〜3個のアルキルまたは1個〜3個のアルコキシで置換できる;R7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、RおよびRが結合する窒素とR7aおよびR7bとの間で、1個またはそれ以上の架橋を形成でき、ここで、各架橋は、1個〜5個の炭素を含有する;またはR7aおよびR7bの一方または両方は、別個に、RおよびRの一方または両方と結合して、1個またはそれ以上の複素環を形成でき、該複素環は、RおよびRが結合する窒素を含む;
Xは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;
Yは、
【化3】

である;
ここで、
Bは、CHC(O)OR、CHC(O)R、CHC(O)N(R、NSO、CHN(R、C(O)、CHN(R)SO、CHCHOR、CHR、NR、NC(O)R、NC(O)OR、NC(O)NRであるか、またはDと一緒になるとき、CR=CRである;
Dは、(CH、CHC〜Cアルキル、O、C(O)、またはBと一緒になるとき、CR=CRである;ここで、pは、1、2または3である;
Eは、別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されている;
mは、0、1または2である;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルである;それらの各々は、別個に、1個またはそれ以上のRで置換できる;
各Rは、別個に、水素、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヘテロシクリル(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル、ハロ、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFである;
各R10は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、OC(O)N(R、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
各R10’は、別個に、ハロ、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルチオ、アセチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C(O)OR、OC(O)R、N(R、C(O)N(R、NRC(O)RまたはSRである;
FおよびGは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、FおよびHは、Gの隣接原子上に位置している;
Hは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、N(R、OR、SR、C(O)N(R、NRC(O)R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、OC(O)N(R、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである;それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている;
J、KおよびLは、それぞれ別個に、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は、必要に応じて、1個〜4個のR10で置換されており、ここで、XおよびLは、Kの隣接原子上に位置している;
Q、RおよびSは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されており、ここで、XおよびSは、Rの非隣接原子上に位置している;
Wは、CHCHCHであり、ここで、1個またはそれ以上のCHは、個々に、O、C(O)、NR、S、S(O)、S(O)または結合で置き換えることができる;
T、UおよびVは、それぞれ別個に、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルである;それらの各々は、必要に応じて、R10’で置換されている;そして
Zは、CH、NR、O、C(O)、S(O)またはS(O)である、
化合物。
【請求項2】
Xが、COである;そして
Yが、
【化4】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bが、NSOである;
Dが、CHである;
Eが、アリールである;そして
mが、1である、式(I)の請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
BおよびDが、一緒になって、CR=CRを形成する;
Eが、アリールである;そして
mが、1である、式(I)の請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、CHである;そして
Yが、
【化5】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Fが、アリールである;
Gが、アリールである;そして
Hが、ヘテロアリールである、式(I)の請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Hが、窒素含有ヘテロアリールである、式(I)の請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Hが、テトラゾールまたはオキサジアゾールである、式(I)の請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Fが、フェニルである;
Gが、フェニルである;そして
Hが、窒素含有ヘテロアリールである、式(I)の請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
Xが、CHである;そして
Yが、
【化6】

である、式(I)の請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
FおよびGが、フェニルである;そして
Hが、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである、式(I)の請求項5に記載の化合物。
【請求項12】
Hが、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている、式(I)の請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Xが、C(O)NHCHであり、ここで、CHが、Yに結合されている;そして
Yが、
【化7】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
FおよびGが、フェニルである;そして
Hが、窒素含有ヘテロシクリルである、式(I)の請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Hが、テトラゾールまたはオキサジアゾールである、式(I)の請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
FおよびGが、フェニルである;そして
Hが、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである、式(I)の請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
Hが、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている、式(I)の請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Xが、C(O)である;そして
Yが、
【化8】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Fが、アリールである;
Gが、アリールである;そして
Hが、ヘテロアリールである、式(I)の請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Hが、窒素含有ヘテロアリールである、式(I)の請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Hが、テトラゾールまたはオキサジアゾールである、式(I)の請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Fが、フェニルである;
Gが、フェニルである;そして
Hが、窒素含有ヘテロアリールである、式(I)の請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
Yが、
【化9】

である、式(I)の請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
FおよびGが、フェニルである;そして
Hが、アルキル、N(R、C(O)N(R、CN、N(R)C(O)OR、ROC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)N(R、N(RC(O)N(R)アルキル、N(R)C(O)OアルキルまたはC(O)ORである、式(I)の請求項18に記載の化合物。
【請求項25】
Hが、1個〜4個のR10、OR、NRSO、N(R、CN、C(O)OR、OC(O)R、COR、NO、SON(R、SO、S(O)R、SR、CF、CHCFまたはOCFで置換されている、式(I)の請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
Xが、C(O)またはCHである;そして
Yが、
【化10】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
JおよびKが、一緒になって、インドールである;そして
Lが、アリールである、式(I)の請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Yが、
【化11】

である;そして
10が、ハロである、式(I)の請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
10が、Brである、式(I)の請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
Xが、COである;そして
Yが、
【化12】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
QおよびRが、それぞれ別個に、ヘテロシクリルである;
Sが、アリールである;そして
Wが、CHである、式(I)の請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Qが、オキソで置換された5員窒素含有ヘテロシクリルである;
Rが、窒素を介してXに連結された6員窒素含有ヘテロシクリルである;
Sが、フェニルである;そして
Wが、CHである、式(I)の請求項30に記載の化合物。
【請求項33】
Xが、C(O)またはCHである;そして
Yが、
【化13】

である、式(I)の請求項30に記載の化合物。
【請求項34】
Wが、NRである;
Xが、COである;そして
Yが、
【化14】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
Xが、C(O)NHである;
Tが、ヘテロアリールである;
Uが、アリールである;そして
Vが、ピロールまたはピペリジンである、式(I)の請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
Tが、
【化15】

からなる群から選択される、式(I)の請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Tが、イミダゾールである;
Uが、フェニルである;
Vが、ピロリジンである;そして
が、メチルである、式(I)の請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
Xが、C(O)NHである;そして
Yが、
【化16】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
nが、1である;
k’が、結合またはOである;そして
が、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
nが、1である;
k’が、Oである;そして
が、アリールアルキルである、式(I)の請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
が、フェニルメチルである、式(I)の請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
nが、1である;
k’が、結合である;そして
が、アリールまたはヘテロアリールである、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
が、インドールである、式(I)の請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
Aが、
【化17】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
Aが、CHCHであり、そして
各RおよびRが、別個に、アルキルであるか、またはRおよびRが、一緒になるとき、複素環を形成する、式(I)の請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
7aまたはR7bの少なくとも個が、RまたはRの少なくとも1個と一緒になって、複素環を形成し、該複素環が、RおよびRが結合する窒素を含む、式(I)の請求項44に記載の化合物。
【請求項47】
7aおよびR7bが、それぞれ別個に、アルキルである;
およびRが、それぞれ別個に、水素またはアルキルである;そして
xおよびyが、それぞれ別個に、0または1である、式(I)の請求項44に記載の化合物。
【請求項48】
【化18】

が、一緒になって、
【化19】

である、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項49】
被験体に、式(I)の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、メタボリックシンドロームを治療する方法。
【請求項50】
被験体に、式(I)の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、糖尿病を治療する方法。
【請求項51】
被験体に、式(I)の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、肥満を治療する方法。

【公表番号】特表2007−531739(P2007−531739A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506356(P2007−506356)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/011357
【国際公開番号】WO2005/097788
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506147445)エリクシアー ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】