説明

スロットマシン

【課題】リーチ目等の特定の停止出目を出現させた場合には、当選した特別役の図柄情報を報知する特典を遊技者に与えることで、遊技者に特定の停止出目をおぼえてもらう。
【解決手段】複数種類のリーチ目を予め記憶しておく特定停止出目記憶手段74と、リール31の停止時に、停止出目が特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であるか否かを判断する特定停止出目判断手段75と、停止出目が特定停止出目判断手段75により特定のリーチ目であると判断されたときに、その停止出目を記憶しておく出現停止出目記憶手段76とを備える。特別役当選図柄報知手段73は、停止出目が特定停止出目判断手段75により特定のリーチ目であると判定され、かつ出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であると判断されたときは、当選している特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者がリーチ目等の特定停止出目を出現させたときに、遊技者に対し、当選した特別役の図柄の情報を報知するスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンにおいて、BBやRB等の特別役に当選し、内部中となった場合において、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないときには、特定の停止出目として、リーチ目やチャンス目を表示させるスロットマシンが知られている。
ここで「チャンス目」とは、特別役に当選していないとき及び特別役に当選しているときのいずれの場合にも出現可能性を有する停止出目である。また、「リーチ目」とは、特別役に当選していないときには出現しない停止出目であって、特別役に当選していることを遊技者に報知する役割を有している。
【0003】
なお、「停止出目」とは、表示窓から見えるリールの図柄の組合せであり、リールが3個設けられ、かつ各リールごとに上下の3図柄が見えるときは、3×3=9個の図柄の組合せからなるものが停止出目である。
【0004】
従来の技術においては、特別役(例えば「赤7」−「赤7」−「赤7」からなるBB)に当選したときに、リーチ目(例えば「赤7」−「ベル」−「赤7」)を報知し、そのリーチ目が停止した場合には、特別役に当選している旨を報知するスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−132251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスロットマシンにおいて、液晶表示装置等の画像表示装置を有さないスロットマシンの場合には、特別役に当選しているか否かをリーチ目によって遊技者に報知することが一般的に行われていた。したがって、従来、遊技者は、そのスロットマシン特有のリーチ目をおぼえる努力をしていた。
なお、リーチ目は、多種類(例えば数百種類)設けられているので、その全てを記憶しておくことは困難である。このため、遊技者は、有名なリーチ目(例えば特定の1リールのみでリーチ目が確定する1確等)を中心として記憶している。
【0007】
一方、今日のスロットマシンでは、液晶表示装置等の画像表示装置により多彩な演出が行われ、特別役に当選したときには、数遊技を消化すれば、「ボーナス確定」等の内容が画像表示される。このため、遊技者は、従来のようにリーチ目をおぼえておくことが少なくなってきているという趨勢がある。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、リーチ目等の特定の停止出目を出現させた場合には、当選した特別役の図柄情報を報知する特典を遊技者に与えることで、遊技者が積極的に特定の停止出目を出現させる状況を作り出し、遊技者に特定の停止出目をおぼえてもらうようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
請求項1の発明は、役を構成する図柄を含む複数種類の図柄を表示した複数のリールと、各前記リールごとに設けられ、対応する前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役を含む役の抽選を行う役抽選手段と、リールの回転開始命令を受けたときに前記リールの回転を開始するとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で前記リールを停止制御するリール制御手段と、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで、前記特別役の当選を次遊技に持ち越す特別役当選持越し手段と、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する演出を出力する演出制御手段とを備え、前記役抽選手段は、図柄の組合せが異なる複数種類の前記特別役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないときは、特定の停止出目が停止可能に前記リールを停止制御し、複数種類の前記特定の停止出目を予め記憶しておく特定停止出目記憶手段と、前記リールの停止時に、停止出目が前記特定停止出目記憶手段に記憶された前記特定の停止出目であるか否かを判断する特定停止出目判断手段と、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判断されたときに、その停止出目を記憶しておく出現停止出目記憶手段とを備え、前記演出制御手段は、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が前記出現停止出目記憶手段に記憶されていないと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知するように制御することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記特定の停止出目は、前記特別役に当選していることを意味するリーチ目であることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前回の前記特別役の当選時に出現した前記特定の停止出目と同一の前記特定の停止出目が出現したと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知しないように制御するとともに、前回の前記特別役の当選時に出現した前記特定の停止出目と異なる前記特定の停止出目が出現したと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示するように制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載のスロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示した後の遊技において、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が前記出現停止出目記憶手段に記憶されていないと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを残しつつ画像表示している図柄の組合せの数を減じるように制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、遊技中に所定の条件を満たしたときは、前記出現停止出目記憶手段に記憶された停止出目をクリアするように制御することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載のスロットマシンにおいて、前記出現停止出目記憶手段に記憶された停止出目が所定数となったときに、記憶された停止出目をクリアするように制御することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、役を構成する図柄を含む複数種類の図柄を表示した複数のリールと、各前記リールごとに設けられ、対応する前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役を含む役の抽選を行う役抽選手段と、リールの回転開始命令を受けたときに前記リールの回転を開始するとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で前記リールを停止制御するリール制御手段と、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで、前記特別役の当選を次遊技に持ち越す特別役当選持越し手段と、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する演出を出力する演出制御手段とを備え、前記役抽選手段は、図柄の組合せが異なる複数種類の前記特別役の抽選を行い、前記リール制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないときは、特定の停止出目が停止可能に前記リールを停止制御し、複数種類の前記特定の停止出目を予め記憶しておく特定停止出目記憶手段と、前記リールの停止時に、停止出目が前記特定停止出目記憶手段に記憶された前記特定の停止出目であるか否かを判断する特定停止出目判断手段とを備え、前記演出制御手段は、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示し、その後の遊技において、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを残しつつ画像表示している図柄の組合せの数を減じるように制御することを特徴とする。
【0016】
(作用)
本発明においては、図柄の組合せが異なる複数種類の特別役(複数種類のBBやRB等)が設けられ、抽選される。
また、特別役に当選したときに特別役が入賞しないときは、特定の停止出目(リーチ目やチャンス目等)が出現するようにリールが停止制御される。
一方、スロットマシンには、複数種類の特定の停止出目が予め記憶されている。そして、リールの停止時に、記憶された特定の停止出目が出現したか否かが判断される。
【0017】
ここで、請求項1の発明においては、特定の停止出目が出現したと判断されたときは、その出現した停止出目が記憶される。
そして、停止出目が特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が出現した停止出目として記憶されていないときは、当選している特別役の図柄の組合せに関する情報(図柄の組合せの内容)が遊技者に報知される。
【0018】
また、請求項7の発明においては、特定の停止出目が出現したと判断されたときは、当選している特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せが画像表示される。
そして、次遊技以降で、さらに特定の停止出目が出現したときは、当選している特別役の図柄の組合せを残しつつ、画像表示している図柄の組合せの数が減じられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特定の停止出目を出現させることで(特に請求項1の発明によれば、出現停止出目記憶手段に記憶されていない特定の停止出目を出現させることで)、当選している特別役の図柄の組合せがどの図柄の組合せであるかを知ることができる、推測しやすくなる、又は絞り込むことができる。
これにより、特定の停止出目を出現させることで遊技者に特典が与えられることとなるので、遊技者に、特定の停止出目を積極的におぼえてもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図2】リールの図柄配列を示す図である。
【図3】表示窓とリールとの関係、及び有効ラインを示す図である。
【図4】役の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
【図5】役抽選テーブルを示す図である。
【図6】リーチ目の一例を示す図である。
【図7】出現したリーチ目と、画像表示(報知)内容との関係を説明する図である。
【図8】出現したリーチ目と、画像表示(報知)内容との関係を説明する図であり、図7に続く図である。
【図9】通常遊技の1遊技における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技(メイン)制御手段50と演出(サブ)制御手段70とを備える。
【0022】
遊技制御手段50は、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものであり、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0023】
また、演出制御手段70は、遊技中及び遊技待機中における演出や遊技情報等の出力等を制御するものである。演出制御手段70は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
なお、サブ制御基板は、メイン制御基板の下位に属する制御基板である。そして、遊技制御手段50と演出制御手段70とは電気的に接続されており、遊技制御手段50から演出制御手段70に一方向で信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
【0024】
図1に示すように、遊技制御手段50の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態でのベットスイッチ40は、3枚(max)投入専用のスイッチであり、遊技者は、いずれの遊技状態(通常遊技及び特別遊技)においても、常に3枚のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
なお、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0025】
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0026】
遊技制御手段50の出力側(図1中、右側)には、3つのモータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0027】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄が等間隔で配置されている。
【0028】
また、図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
【0029】
なお、本明細書では、図3中、左リール31の「RP」の図柄が停止している位置を「上段」、左リール31の「赤7」の図柄が停止している位置を「中段」、左リール31の「BAR」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0030】
また、図3に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0031】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0032】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、いずれの遊技中においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0033】
さらに、図1において、演出制御手段70の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0034】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像等(後述する、当選した特別役の図柄の組合せを含む)を表示するものである。
【0035】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。図4に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(その役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される(ただし、特別役を除く)。
【0036】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役である。本実施形態では、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)、及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。1BBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つである1BB遊技に移行する。同様に、RBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の他の1つであるRB遊技に移行する。
【0037】
図4に示すように、1BBは、1BBA、1BBB、及び1BBCの3種類が設けられている。これらはいずれも図柄の組合せが異なるように設定されており、それぞれ独立して抽選される役である。
同様に、RBは、RBA、及びRBBの2種類が設けられており、これらはいずれも図柄の組合せが異なるように設定されており、それぞれ独立して抽選される役である。
【0038】
なお、他の特別役としては、2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)ともいう。)、及びSB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0039】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1〜小役3を備えており、各小役ごとに異なる図柄の組合せが設定されている。なお、小役1における「any」とは、いずれの図柄でもよいことを意味している。
また、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0040】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役(1BB及びRB)が挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0041】
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0042】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0043】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段50に入力される。遊技制御手段50(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0044】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段50に入力される。遊技制御手段50(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0045】
図1に示すように、遊技制御手段50は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段50は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0046】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0047】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0048】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が1BBAの当選領域に属する場合は、1BBAの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0049】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図5は、本実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62C)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0050】
まず、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態では1BB遊技及びRB遊技に該当する。また、「通常遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非内部中遊技及び内部中遊技が設けられている。
【0051】
図5において、役抽選テーブル62Aは、通常遊技の非内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62である。
役抽選テーブル62Aでは、特別役(1BBA、1BBB、1BBC、RBA、及びRBB)、小役1、小役2、小役3、及びリプレイの各単独当選が設けられている。
なお、特別役と小役やリプレイとが重複当選したり、複数種類の小役又はリプレイが重複当選するように設定することも挙げられるが、本実施形態では、説明の簡素化のため、単独当選のみとしている。
【0052】
さらにまた、図5示した特別役の当選確率は、いずれか1つの設定値での当選確率を例示したものである。実際には、設定値が設定1〜設定6まで有する場合、設定値が高くなるほど特別役の当選確率が高くなるように設定されている。
【0053】
さらに、役抽選テーブル62Bは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、特別役が抽選されない点で異なり、それ以外は役抽選テーブル62Aと同一である。すなわち、一旦特別役に当選し、内部中遊技になると、その入賞に基づく特別遊技が終了するまで特別役は抽選されない。
【0054】
また、抽選テーブル62Cは、特別遊技(後述する1BB遊技及びRB遊技)で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Cでは、小役1、小役2、及び小役3(単独当選)のみが抽選されるとともに、小役3の当選確率が高く設定されている。すなわち、特別遊技では、ほぼ毎遊技、小役3に単独当選する遊技状態となる。
【0055】
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、1BBA、1BBB、1BBC、RBA、RBB、小役1、小役2、小役3、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、リプレイに当選したときは、リプレイに係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
【0056】
また、上述したように、小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技でこれらの役に当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aがオンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
【0057】
例えば、当該遊技で1BBAに当選したときは、1BBAの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技で1BBAが入賞しなかったときは、1BBAに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中遊技)で、小役2に当選したときは、すでにオンである1BBAに係る当選フラグ63aのほか、小役2の当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時に1BBAが非入賞のときは、1BBAに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役2の当選フラグ63aはオフにされる。
【0058】
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0059】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0060】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0061】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0062】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0063】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0064】
さらに、リール制御手段64は、複数の当選フラグ63aがオンである遊技では、いずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御し、複数の役に対応する図柄の組合せが同時に有効ラインに停止しないようにリール31を停止制御する。
【0065】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。具体的には、各停止位置決定テーブル65には、例えば0番の図柄(左リール31であれば「ベル」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0066】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
1BBAテーブルは、1BBA(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で1BBAに当選したとき、又は1BBAの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0067】
1BBBテーブル、1BBCテーブル、RBAテーブル、RBBテーブルについても、1BBAテーブルと同様である。すなわち、1BBBテーブル、1BBCテーブル、RBAテーブル、RBBテーブルは、それぞれ、1BBAテーブル中、「1BBA」を「1BBB」、「1BBC」、「RBA」、及び「RBB」と読み替えたものに相当する。
【0068】
さらに、上記1BBAテーブル〜RBBテーブルは、当選した特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、リーチ目又はチャンス目を出現させるように停止する。
ここで「リーチ目」とは、特別役に当選していないときには出現せず、特別役に当選していることを条件に出現する停止出目であって、かつ、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときに、特別役の当選を遊技者に示す(報知又は告知する)ための停止出目をいう。したがって、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときの停止出目は「特別役入賞停止出目」であって、「リーチ目」には含まれない。
【0069】
一方、「チャンス目」とは、特別役に当選していないとき及び特別役に当選しているときのいずれの場合にも出現する可能性のある停止出目であって、それによって特別役の当選期待度を遊技者に与える停止出目をいう。
また、「ハズレ目」とは、特別役に当選しているときには出現せず、特別役に当選していないことを条件に出現する停止出目であって、それによって特別役に当選していないことを遊技者に示すための停止出目をいう。
なお、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止していない停止出目(以下、この停止出目を「非入賞停止出目」という。)のすべてが「ハズレ目」となるものではなく、非入賞停止出目のうちの特定の停止出目(例えば、左リール中段及び中リール中段に「ベル」、右リール下段に「ベル」の場合等)がハズレ目に設定される。
【0070】
さらに、上記のハズレ目、チャンス目及びリーチ目は、原則として、役の非入賞時の停止出目を指すが、まれに、役の入賞時の停止出目をハズレ目、チャンス目又はリーチ目に設定される場合もある。
例えば、小役1当選時には、常に、左リール31の「チェリー」の図柄は上段又は下段に停止するが、中段に停止したときはリーチ目となる場合がある。
また、小役2当選時に、「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」が有効ラインL1〜L3(水平の有効ライン)に停止したときはハズレ目でもチャンス目でもないが、斜めの有効ラインL4又はL5に停止したときにはチャンス目となる場合がある。
【0071】
よって、上記の1BBAテーブル〜RBBテーブルについては、特別役の非入賞時にリーチ目又はチャンス目が出現する可能性はあるが、ハズレ目は出現しないようにリール31の停止位置が定められている。
また、リーチ目とチャンス目との出現比率は任意に設定できるが、例えばリーチ目が約45%程度、チャンス目が約30%程度の出現率に設定することが挙げられる(その他の約25%は、リーチ目でもチャンス目でもない単なる非入賞停止出目となる)。
さらに、1BBAテーブル〜RBBテーブルにおいて、リーチ目とチャンス目の出現比率は同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、1BB当選時(1BBAテーブル〜1BBCテーブル)のリーチ目の出現率は約45%程度とし、RB当選時(RBAテーブル、RBBテーブル)のリーチ目の出現率は約30%程度に(1BB当選時よりも低く)設定することが挙げられる。
【0072】
リーチ目としては、以下の種類が挙げられる。
第1に、そのリーチ目が出現することで、当選している特別役の種類が確定するリーチ目が挙げられる。この種のリーチ目としては、BB確定リーチ目及びRB確定リーチ目が挙げられる。
【0073】
BB確定リーチ目とは、そのリーチ目が出現することにより1BBの当選が確定するリーチ目である。したがって、RB当選時は、BB確定リーチ目は出現しない。
また、RB確定リーチ目とは、そのリーチ目が出現することによりRBの当選が確定するリーチ目である。したがって、1BB当選時は、RB確定リーチ目は出現しない。
なお、上記以外に、1BB当選時及びRB当選時のいずれの場合にも出現するリーチ目は、BB・RB共通リーチ目と称される。以下の実施形態では、リーチ目というときは、BB・RB共通リーチ目を指すものとする。
【0074】
第2に、特定(1つ又は2つ)のリール31の停止出目でのみ確定するリーチ目が挙げられる。この種のリーチ目としては、1確目及び2確目が挙げられる。
1確目とは、特定の1つ(例えば左リール31のみ、あるいは右リール31のみ)の停止出目で確定するリーチ目である。また、2確目とは、特定の2つ(例えば左リール31及び中リール31、又は左リール31及び右リール31等)の停止出目で確定するリーチ目である。
【0075】
なお、1確目や2確目は、ストップスイッチ42の押し順によってもリーチ目になるときとならないときとがある。例えば、右リール31の停止出目で確定する1確目は、最初に右リール31が停止したときに限定される場合や、ストップスイッチ42の押し順に限定されない場合とを有する。
もちろん、1確目及び2確目以外に、すべてのリール31の停止時の停止出目によって確定するリーチ目もある。
【0076】
また、リーチ目には、当該遊技での役の入賞の有無にかかわらず成立するリーチ目、当該遊技でいずれかの小役やリプレイが入賞したときは、その停止出目が出現してもリーチ目にはならないリーチ目、役の非入賞であっても当選役を取りこぼしたときにはリーチ目として成立しないリーチ目等が挙げられる。
【0077】
図6は、本実施形態におけるリーチ目の代表例を示す図である。なお、リーチ目は、一般には数10〜数100種類設けられており、図6に示したものに限定されるものではない。
図6に示すリーチ目は、いずれかの位置に、「赤7」の図柄が停止するリーチ目を示している。先ず、図6(a)は、右リール31の中段に「チェリー」が停止し、下段に「赤7」が停止した場合を示している。なお、このようなリーチ目は、スロットマシン業界において「ゲ・チェ・ナ」(以下、「ゲチェナ」という。)と称される。「ゲチェナ」とは、「下段チェリー付き7」(下段に「7」の図柄が停止し、その「7」の上に「チェリー」があること、すなわち上段から、「any」、「チェリー」、「7」の順)を意味する。このリーチ目は、上述した1確目に相当する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、この停止形の右リール31の上段の図柄は「RP」(5番)である。
【0078】
図6(b)は、左リール31及び中リール31の下段が「赤7」の図柄であり、右リール31の上段が「赤7」の図柄がリーチ目となる例を示している。
図6(c)は、上記とは逆に、左リール31及び中リール31の上段が「赤7」の図柄であり、右リール31の下段が「赤7」の図柄がリーチ目となる例を示している。
図6(d)は、「赤7」及び「青7」の図柄がいわゆるV形で停止したリーチ目であり、図6(d)の例では、左リール31の上段が「赤7」、中リール31の下段が「赤7」、右リール31の上段が「青7」の例である。
【0079】
小役1テーブルは、小役1の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0080】
小役2テーブル、小役3テーブル、及びリプレイテーブルについても、小役1テーブルと同様である。すなわち、小役2テーブル、小役3テーブル、及びリプレイテーブルは、それぞれ、小役1テーブル中、「小役1」を「小役2」、「小役3」、及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
なお、後述するように、小役3テーブル又はリプレイテーブルが用いられたときは、常に、それぞれ小役3又はリプレイが入賞するようにリール31が停止制御される。
【0081】
これに対し、小役1テーブル又は小役2テーブルが用いられたときは、それぞれ「チェリー」や「スイカ」の図柄が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42が操作されなければ、それぞれ小役1又は小役2は入賞しない。したがって、小役1又は小役2は、取りこぼしが発生する場合のある小役である。
そして、取りこぼしが発生する場合には、所定確率で、チャンス目又はハズレ目が出現するようにリール31の停止位置が定められている。チャンス目又はハズレ目の各出現比率は任意に設定できるが、例えばチャンス目を20%程度、ハズレ目を80%程度の出現率に設定することが挙げられる。
【0082】
また、特別役の内部中遊技において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技での当選役(小役又はリプレイ)の入賞が優先されるとともに、その当選役を入賞させることができないときは、次に、当選を持ち越している特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置が定められた停止位置決定テーブル65が用いられる。
なお、これに限らず、当選を持ち越している特別役を優先して入賞させるように制御することも可能である。
また、本実施形態では、図5に示すように、役はすべて単独当選するように設定しており、特別役と小役1又は小役2が当該遊技で同時に重複当選する場合はないが、これに限らず、特別役と小役1又は小役2が重複当選する場合を有するように役の抽選を行ってもよいのは勿論である。
【0083】
特別役と小役1や小役2が当該遊技で同時に重複当選する場合や、特別役の当選を持ち越している(内部中の)遊技で小役1や小役2に当選した場合には、特別役と小役1又は小役2の同時当選テーブルを用いてリール31の停止位置を定めることも可能である。
その場合、小役1又は小役2を優先して入賞させ、小役1又は小役2を入賞させることができない場合には、次に特別役を入賞させ、さらに特別役を入賞させることができない場合には、リーチ目やチャンス目は出現する場合があるが、ハズレ目は出現しないようにリール31の停止位置を定めるようにする。
【0084】
さらにまた、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。したがって、非当選テーブルは、特別役の内部中に用いられることはない。
また、非当選テーブルは、役の非当選時に用いられるものであるので、常に上記の非入賞停止出目が出現する。そして、例えば約40%程度の確率でハズレ目が出現し、例えば約5%程度の確率でチャンス目が出現するようにリール31の停止位置が定められている(その他は、ハズレ目でもチャンス目でもない単なる非入賞停止出目となる)。
【0085】
次に、リール31の図柄配列と停止制御との関係について説明する。
図2に示すように、すべてのリール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、所望の有効ラインに「ベル」の図柄を停止させることができる。よって、小役3の当選時には、常に小役3を入賞させることができる。
【0086】
同様に、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、「RP」の図柄を停止させることができる。
一方、「赤7」、「青7」、「BAR」、「スイカ」、及び左リール31の「チェリー」の各図柄については、間隔が5図柄を超えて配置されている。これにより、1BB、RB、小役1及び小役2の当選時には、当選役に対応する図柄が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42が操作されなければ、当選役に対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。
【0087】
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0088】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0089】
特別遊技制御手段68は、本実施形態の特別遊技である1BB遊技の開始、1BB遊技中の遊技の進行、及び1BB遊技の終了を制御するものである。
遊技中に、1BB(1BBA〜1BBCのいずれか)に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BB遊技を開始するように制御する。
1BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Cを用いて役の抽選が行われる。これにより、1BB遊技中は、小役3の当選確率が高くなる。
【0090】
また、本実施形態では、1BB遊技の終了条件として、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が所定枚数(本実施形態では、350枚)以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が所定枚数以上となったと判断したときは、1BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0091】
また、遊技中に、RB(RBA又はRBBのいずれか)に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、RBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からRB遊技を開始するように制御する。
RB遊技では、上述した役抽選テーブル62Cを用いて役の抽選が行われる。これにより、RB遊技中は、小役3の当選確率が高くなる。
【0092】
また、本実施形態では、RB遊技の終了条件として、RB遊技中に払い出されたメダル枚数が所定枚数(本実施形態では、105枚)以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、RB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が所定枚数以上となったと判断したときは、RB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0093】
また、遊技制御手段50は、演出制御手段70に対し、各種の情報を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置の情報(有効ラインに停止した図柄及び図柄の組合せの情報)、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中/内部中、1BB遊技やRB遊技の開始及び終了)の情報等が挙げられる。
【0094】
図1において、演出制御手段70は、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段70の演出パターン記憶手段71は、複数種類の演出パターンを記憶しているものである。そして、演出制御手段70の演出パターン選択手段72は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって、遊技状態(非内部中/内部中、通常遊技中/特別遊技中)に応じて、役の抽選結果に対応するいずれか1つの演出パターンを選択する。
【0095】
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段70は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0096】
さらに、演出制御手段70は、特別役当選図柄報知手段73を備える。
特別役当選図柄報知手段73は、いずれかの特別役に当選したときに、当選した特別役に対応する図柄の組合せを遊技者に対して報知するものである。特に本発明では、当選した特別役に対応する図柄の組合せを最初から報知する場合や、最初は、当選した特別役に対応する図柄の組合せを含めて複数種類の候補を画像表示し、その後、停止させた(出現した)リーチ目に応じて、当選している特別役の図柄の組合せを残しつつ、画像表示している図柄の組合せの数を減じる(消去する)ように制御する。
【0097】
また、演出制御手段70は、以下の特定停止出目記憶手段74〜出現停止出目記憶手段76を備える。
特定停止出目記憶手段74は、本実施形態の複数種類のリーチ目のうち、特定のリーチ目を記憶しておくものである。特に本実施形態では、図6(a)〜(d)の4種類のリーチ目を記憶している。
また、特定停止出目判断手段75は、リール31の停止時に、停止出目が特定停止出目記憶手段74により記憶された特定のリーチ目であるか否かを判断するものである。
【0098】
上述したように、演出制御手段70は、遊技制御手段50から、各リール31の停止時ごとに、リール31の停止位置情報を受信する。この受信した情報に基づいて、リール31の停止位置すなわち停止出目を把握し、その停止出目と特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目とを照合し、一致するか否かを判断する。
【0099】
さらにまた、出現停止出目記憶手段76は、特定停止出目判断手段75により特定のリーチ目が出現したと判断されたときに、その停止出目(出現したリーチ目)を一時的に記憶しておくものである。
なお、後述するように、出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目は、所定の条件を満たしたときにクリア(初期化)される。
【0100】
そして、特別役当選図柄報知手段73は、停止出目が特定停止出目判断手段75により特定のリーチ目であると判定され、かつそのリーチ目が出現停止出目記憶手段76に記憶されていないと判断されたときは、当選している特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知するように制御する。
【0101】
さらに、次遊技以降において、停止出目が特定停止出目判断手段75により特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が出現停止出目記憶手段76に記憶されていないと判断されたときは、当選している特別役の図柄の組合せを残しつつ、画像表示している図柄の組合せの数を減じるように制御する。
【0102】
以上の特別役当選図柄報知手段73〜出現停止出目記憶手段76を用いた、当選した特別役に対応する図柄の組合せの報知方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)第1の方法
特別役に当選したときに、先ず、画像表示すべき複数種類の特別役に対応する図柄の組合せ(当選した特別役に対応する図柄の組合せを含む)を抽選で選択し、それらを画像表示する。
そして、リーチ目が出現したときは、特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であるか否かを特定停止出目判断手段75により判断し、特定停止出目記憶手段74に記憶された特定のリーチ目であるときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
【0103】
また、出現したリーチ目は、出現停止出目記憶手段76に記憶しておく。
次遊技以降では、リーチ目が出現したときは、特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であるか否かを判断するとともに、出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であるか否かを判断する。
特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であり、かつ出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であるときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
【0104】
(2)第2の方法
特別役に当選したときに、先ず、画像表示すべき複数種類の特別役に対応する図柄の組合せ(当選した特別役に対応する図柄の組合せを含む)を抽選で選択する。
そして、リーチ目が出現したときは、特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であるか否かを特定停止出目判断手段75により判断し、特定停止出目記憶手段74に記憶された特定のリーチ目であるときは(出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目であるか否かを問わない)、選択した複数の特別役の図柄の組合せを画像表示する。すなわち、第1の方法と異なり、最初に特定のリーチ目を出現させたことを条件として、画像表示を行う。
【0105】
また、出現したリーチ目は、出現停止出目記憶手段76に記憶しておく。
次遊技以降では、リーチ目が出現したときは、特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であるか否かを判断するとともに、出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であるか否かを判断する。
特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であり、かつ出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であるときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
【0106】
(3)第3の方法
特別役当選図柄報知手段73は、特別役に当選したときに、いずれか1つのリーチ目を、特定停止出目記憶手段74の中から選択する。
そして、選択したリーチ目が出現するまでは、一切、特別役の図柄の組合せに関する報知を行わない。次いで、選択したリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せのみを報知する。
なお、このように制御する場合は、出現停止出目記憶手段76を設ける必要はない。
【0107】
(4)第4の方法
特別役当選図柄報知手段73は、特別役に当選したときに、いずれか1つのリーチ目を、特定停止出目記憶手段74の中から選択する。
そして、抽選で選択した、複数種類の特別役に対応する図柄の組合せ(当選した特別役に対応する図柄の組合せを含む)を報知する。
次いで、選択したリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せのみが画像表示されるようにする。
【0108】
これに対し、リーチ目が出現した場合であって、選択したリーチ目でないときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
なお、仮にリーチ目が出現したとしても、特定停止出目記憶手段74に記憶されているリーチ目でなければ、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つは消去されない。
【0109】
このようにして、選択したリーチ目が出現すれば一発で当選した特別役に対応する図柄の組合せのみが画像表示されるようにし、選択したリーチ目以外のリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
【0110】
(5)第5の方法
特別役当選図柄報知手段73は、特別役に当選したときに、いずれか1つのリーチ目を、特定停止出目記憶手段74の中から選択する。
また、画像表示すべき複数種類の特別役に対応する図柄の組合せ(当選した特別役に対応する図柄の組合せを含む)を抽選で選択し、画像表示する。
そして、選択したリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せのみを報知する。
【0111】
これに対し、選択したリーチ目が出現するまでは、リーチ目が出現したか否かにかかわらず、毎遊技、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去していく。
このようにすれば、選択したリーチ目を出現させれば1発で当選した特別役に対応する図柄の組合せが画像表示される。これに対し、選択したリーチ目を出現させることができない場合でも、画像表示された図柄の組合せ数が1つになるまで遊技を消化すれば、当選した特別役に対応する図柄の組合せが画像表示される。
【0112】
(6)第6の方法
特別役当選図柄報知手段73は、特別役に当選したときに、いずれか1つのリーチ目を、特定停止出目記憶手段74の中から選択する。いずれか1つのリーチ目が選択されたときは、それを記憶しておき、次回の特別役の当選時には、既に選択されたリーチ目以外のリーチ目を選択する。
このようにして、選択すべきリーチ目がなくなったとき(リーチ目の選択が一巡したとき)は、選択されたリーチ目の記憶をクリア(初期化)する。
【0113】
また、第6の方法において、当選した特別役に対応する図柄の組合せを報知する場合は、選択したリーチ目が出現するまでは、一切、特別役の図柄の組合せに関する情報を報知せず、選択したリーチ目が出現したときに当選した特別役に対応する図柄の組合せのみを報知する方法が挙げられる。あるいは、最初は抽選で選択した複数種類の特別役に対応する図柄の組合せ(当選した特別役に対応する図柄の組合せを含む)を報知し、選択したリーチ目が出現すれば一発で当選した特別役に対応する図柄の組合せのみが画像表示されるようにし、選択したリーチ目以外のリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外のいずれか1つを消去する。
【0114】
以上で、当選した特別役に対応する図柄の組合せの報知方法の具体例の説明を終了するが、上述した報知方法に限らず、上述した報知方法の変形例や、上述した報知方法の一部を組み合わせた報知方法等、種々の変形例が考えられる。
また、上記の報知は、特別役に当選した遊技から開始してもよく、あるいは特別役に当選した後、所定遊技回数(例えば2遊技)を消化したことを条件として開始してもよい。
また、特別役当選時に、複数遊技にわたって一連の演出を出力する連続演出が選択されたときは、この連続演出の終了後に、上記報知を開始してもよい。
【0115】
図7及び図8は、上記の報知方法の具体例を図示したものである。
先ず、1回目の特別役の当選時に、図6(a)に示すリーチ目(ゲチェナ)が出現したときは、特別役当選図柄報知手段73は、当選した特別役に対応する図柄の組合せを画像表示するように制御する。なお、図6(a)に示すリーチ目が出現する前は、特別役の図柄の組合せに関する情報を一切画像表示しないようにしてもよく、あるいは、当選した特別役に対応する図柄の組合せを含めた複数種類の特別役に対応する図柄の組合せを画像表示してもよい。
【0116】
図7の例において、1回目の特別役の当選は、1BBA(「赤7」−「赤7」−「赤7」)に当選したとする。そして、図6(a)に示すリーチ目が出現したときに、当選した特別役に対応する図柄の組合せが「赤7」−「赤7」−「赤7」であることを画像表示(報知)する。
また、図6(a)のリーチ目が出現したときは、そのリーチ目が出現停止出目記憶手段76に記憶される。
【0117】
図7(b)は、2回目の特別役の当選時を示す。なお、2回目の特別役は、1BBB(「青7」−「青7」−「青7」)に当選したものとする。
先ず最初に、図7(b)に示すように、1回目の特別役の当選時に出現したリーチ目(ゲチェナ)が出現したときは、画像表示を行わない。
次に、次遊技(2ゲーム目)で、図7(c)に示すように、出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ(「青7」−「青7」−「青7」)を含む、複数種類(この例では3種類)の図柄の組合せを画像表示する。
なお、図7(c)に示すリーチ目は、出現停止出目記憶手段76に記憶される。
【0118】
さらに図8(a)に示すように、次遊技(3ゲーム目)で、出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せを除いていずれか1つの図柄の組合せを消去する。図8(a)の例では、図7(d)において「赤7」−「赤7」−「青7」が消去された例を示している。
なお、図8(a)に示すリーチ目は、出現停止出目記憶手段76に記憶される。
【0119】
さらに図8(b)に示すように、次遊技(4ゲーム目)で、出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目が出現したときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せを除いていずれか1つの図柄の組合せを消去する。これにより、図8(b)の例では、当選した特別役に対応する図柄の組合せのみが画像表示された状態となる。
【0120】
また、出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目は、所定の条件を満たしたときにクリア(初期化)するように制御する。
例えば第1に、前回のクリア後、特別役の当選が所定回数(例えば4回)となったときに、再度クリアすることが挙げられる。
【0121】
また第2に、特別遊技中に、役の非当選時に用いられる非当選テーブルにより、図8(c)に示すように、「BAR」−「赤7/青7」−「BAR」が有効ラインに停止可能にリール31を停止制御する。そして、遊技者の目押しにより図8(c)に示す停止出目が出現したときは、出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目をクリアすることが挙げられる。
【0122】
図9は、通常遊技の1遊技における処理の流れを示すフローチャートである。
図9のステップS11において、遊技制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。操作されていないと判断されたときはステップS11に戻り、操作されたと判断したときはステップS12に進む。
【0123】
ステップS12では、役抽選手段61は、役抽選テーブル62Aを用いて役の抽選を行う。
次のステップS13では、演出制御手段70は、ステップS12の役の抽選において特別役に当選したか否かを判断する。特別役に当選したと判断されたときはステップS14に進み、当選していないと判断したときはステップS16に進む。
【0124】
ステップS14では、特別役当選図柄報知手段73は、最初に画像表示すべき複数種類の図柄の組合せを抽選によって選択する。なお、この場合には、当選した特別役に対応する図柄の組合せを含めるようにする。そして、次のステップS15で、特別役当選図柄報知手段73は、選択した複数種類の図柄の組合せを画像表示する。
【0125】
次のステップS16では、遊技制御手段50は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し続ける。そして、操作されたと判断したときはステップS17に進み、リール制御手段64は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31の停止制御を行う。
次のステップS18では、遊技制御手段50は、すべてのリール31が停止したか否かを判断する。停止したと判断したときはステップS19に進み、停止していないと判断したときはステップS16に戻る。
【0126】
ステップS19では、停止図柄判断手段66は、有効ラインに停止した図柄の組合せに基づいて、特別役が入賞したか否かを判断する。そして、特別役が入賞したと判断したときはステップS24に進み、次遊技以降、特別遊技を開始するように制御する。
これに対し、ステップS19で特別役が入賞していないと判断したときはステップS20に進む。
ステップS20では、特定停止出目判断手段75は、当該遊技で出現した停止出目を判断する。そしてステップS21に進み、特定停止出目判断手段75は、当該遊技の停止出目が特定停止出目記憶手段74に記憶されたリーチ目であり、かつ出現停止出目記憶手段76に記憶されていないリーチ目であるか否かを判断する。ステップS21で「Yes」の場合はステップS22に進み、画像表示の内容を変更するように制御する。
【0127】
すなわち、特別役当選図柄報知手段73は、画像表示した複数種類の図柄の組合せのうち、当選した図柄の組合せを除くいずれか1つの図柄の組合せを抽選で選択し、その図柄の組合せを消去するように制御する。次のステップS23では、当該遊技で出現したリーチ目を出現停止出目記憶手段76に記憶するように制御する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
これに対し、ステップS21で「No」の場合は、ステップS22及びステップS23の処理を行うことなく本フローチャートによる処理を終了する。
なお、次遊技以降の内部中遊技では、ステップS13〜ステップS15の処理は行わない。
【0128】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、特別遊技中に特殊な停止出目を出現させたときに、出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目をクリアするようにした。しかし、これに限らず、例えば記憶されたリーチ目をクリアするボタンをスロットマシン10に設け、遊技者に操作させることも可能である。
また、画像表示装置23に、リーチ目をクリアする操作方法(非遊技状態において特定の操作スイッチを所定秒間押し続ける等)を表示したりすることも可能である。
【0129】
(2)本実施形態では、リーチ目を出現させることで、当選した特別役に対応する図柄の組合せを報知するようにした。しかし、リーチ目に限らず、チャンス目を用いることも可能である。
【0130】
(3)本実施形態では、複数種類の図柄の組合せを画像表示した後、特定のリーチ目を出現させることで、1つの図柄の組合せを画像表示から消去するようにした。しかし、例えばある1つのリーチ目を出現させたときは1つの図柄の組合せを消去示するが、他の1つのリーチ目を出現させたときは2つ以上の図柄の組合せを消去し、さらに他の1つのリーチ目を出現させたときは、当選した特別役に対応する図柄の組合せ以外の図柄の組合せをすべて消去する等の制御を行うことも可能である。
【0131】
(4)本実施形態において、特定のリーチ目を出現させない限り、当選した特別役に対応する図柄の組合せを報知しない場合や、画像表示した複数種類の図柄の組合せの数を減じないように制御する場合には、どのリーチ目を出現させれば、当選した特別役に対応する図柄の組合せが報知されたり、あるいは画像表示された図柄の組合せの数が減じられるかを報知(アシスト)することも可能である。
【0132】
(5)出現停止出目記憶手段76に記憶されたリーチ目(遊技者が過去に出現させたリーチ目)を読み取り、二次元コードを生成(二次元コードに変換)する手段と、生成(変換)した二次元コードを画像表示装置23に画像表示する手段とを設けてもよい。例えばベットスイッチ40、スタートスイッチ41若しくはストップスイッチ42を用いた所定の操作で画像表示するか、又は二次元コード表示専用のボタンを設けてもよい。
そして、遊技者が携帯電話機その他の携帯情報端末に設けられたカメラ(CCDやCMOS等の撮像手段)でその二次元コードを読み取ると、その二次元コードに記録された情報内容(過去に出現させたリーチ目に係る情報)が認識され、遊技者の携帯情報端末の画像表示部(液晶表示部等)に、過去に出現させたリーチ目が画像表示されるようにしてもよい。
このようにすれば、遊技者は、過去に出現させたリーチ目を容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0133】
10 スロットマシン
11 表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
50 遊技(メイン)制御手段
61 役抽選手段
62(62A〜62C) 役抽選テーブル
63 当選フラグ制御手段
63a 当選フラグ
64 リール制御手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
70 演出(サブ)制御手段
71 演出パターン記憶手段
72 演出パターン選択手段
73 特別役当選図柄報知手段
74 特定停止出目記憶手段
75 特定停止出目判断手段
76 出現停止出目記憶手段
L1〜L5 有効ライン(図柄組合せライン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
役を構成する図柄を含む複数種類の図柄を表示した複数のリールと、
各前記リールごとに設けられ、対応する前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、
遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役を含む役の抽選を行う役抽選手段と、
リールの回転開始命令を受けたときに前記リールの回転を開始するとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で前記リールを停止制御するリール制御手段と、
前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで、前記特別役の当選を次遊技に持ち越す特別役当選持越し手段と、
前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する演出を出力する演出制御手段と
を備え、
前記役抽選手段は、図柄の組合せが異なる複数種類の前記特別役の抽選を行い、
前記リール制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないときは、特定の停止出目が停止可能に前記リールを停止制御し、
複数種類の前記特定の停止出目を予め記憶しておく特定停止出目記憶手段と、
前記リールの停止時に、停止出目が前記特定停止出目記憶手段に記憶された前記特定の停止出目であるか否かを判断する特定停止出目判断手段と、
停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判断されたときに、その停止出目を記憶しておく出現停止出目記憶手段と
を備え、
前記演出制御手段は、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が前記出現停止出目記憶手段に記憶されていないと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知するように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記特定の停止出目は、前記特別役に当選していることを意味するリーチ目である
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前回の前記特別役の当選時に出現した前記特定の停止出目と同一の前記特定の停止出目が出現したと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せに関する情報を遊技者に報知しないように制御するとともに、前回の前記特別役の当選時に出現した前記特定の停止出目と異なる前記特定の停止出目が出現したと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示するように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示した後の遊技において、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定され、かつその停止出目が前記出現停止出目記憶手段に記憶されていないと判断されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを残しつつ画像表示している図柄の組合せの数を減じるように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
遊技中に所定の条件を満たしたときは、前記出現停止出目記憶手段に記憶された停止出目をクリアするように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項6】
請求項5に記載のスロットマシンにおいて、
前記出現停止出目記憶手段に記憶された停止出目が所定数となったときに、記憶された停止出目をクリアするように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項7】
役を構成する図柄を含む複数種類の図柄を表示した複数のリールと、
各前記リールごとに設けられ、対応する前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、
遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役を含む役の抽選を行う役抽選手段と、
リールの回転開始命令を受けたときに前記リールの回転を開始するとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する位置で前記リールを停止制御するリール制御手段と、
前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで、前記特別役の当選を次遊技に持ち越す特別役当選持越し手段と、
前記役抽選手段による役の抽選結果に対応する演出を出力する演出制御手段と
を備え、
前記役抽選手段は、図柄の組合せが異なる複数種類の前記特別役の抽選を行い、
前記リール制御手段は、前記特別役に当選している場合において、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないときは、特定の停止出目が停止可能に前記リールを停止制御し、
複数種類の前記特定の停止出目を予め記憶しておく特定停止出目記憶手段と、
前記リールの停止時に、停止出目が前記特定停止出目記憶手段に記憶された前記特定の停止出目であるか否かを判断する特定停止出目判断手段と
を備え、
前記演出制御手段は、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを含めた複数種類の図柄の組合せを画像表示し、その後の遊技において、停止出目が前記特定停止出目判断手段により前記特定の停止出目であると判定されたときは、当選している前記特別役の図柄の組合せを残しつつ画像表示している図柄の組合せの数を減じるように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−110214(P2011−110214A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269150(P2009−269150)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】