説明

スロットマシン

【課題】ストップスイッチを操作しようという遊技者の意欲を高めて、スロットマシン本来の面白みが欠けないようにする。
【解決手段】スロットマシン10は、スタートスイッチ50の操作後の所定時に計時を開始する計時手段160と、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させる自動停止制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関し、さらに詳しくは、スタートスイッチ操作後の所定時からの計時時間が規定時間に達すると、ストップスイッチを操作しなくても、各回転リールの回転が自動的に停止するスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、複数個の図柄が付されている複数個の回転リールと、各回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、各回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチとを備えている。そして、遊技者がスタートスイッチを操作すると、各回転リールの回転が開始し、その後に、遊技者がストップスイッチを操作すると、対応する回転リールの回転が停止し、すべての回転リールの回転を停止させたときに、所定の入賞図柄配列が揃うと、入賞となり、遊技者に対して所定の利益が付与されるものである。
また、スロットマシンでは、遊技者がスタートスイッチを操作し、各回転リールの回転が開始してから所定の時間(例えば30秒)を経過しても、遊技者がストップスイッチを操作しないと、各回転リールの回転が自動的に停止するようになっている。また、各回転リールが自動停止する際に、いずれかの役に入賞し得ることもある。
【0003】
また、各回転リールの自動停止に際し、役抽選手段の抽選結果に対応した図柄を所定の位置に停止させて入賞させるスロットマシンが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−79809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スロットマシン本来の面白みは、所定の入賞図柄配列が揃うようにタイミングを見計らってストップスイッチを操作して、各回転リールの回転を停止させるところにある。しかし、上述した従来のスロットマシンのように、各回転リールが自動停止する際にいずれかの役に入賞し得ることがあると、あるいは各回転リールの自動停止に際し役抽選手段の抽選結果に対応した図柄を所定の位置に停止させて入賞させると、ストップスイッチを操作しようという遊技者の意欲を削ぐことになり、ひいてはスロットマシン本来の面白みに欠けることになる。
(請求項1)
そこで、請求項1記載の発明は、スタートスイッチ操作後の所定時からの計時時間が規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、回転リールの停止制御を行うことにより、ストップスイッチを操作しようという遊技者の意欲を高めて、スロットマシン本来の面白みが欠けないようにしたスロットマシンを提供することを目的とする。
【0006】
(請求項2)
更に、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加えて、各回転リールの回転が自動停止した際における、入賞なしとなる図柄の配列のパターンが単調にならないようにしたスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、周囲に複数個の図柄が付されている複数個の回転リール40と、各回転リール40の回転を開始させるためのスタートスイッチ50と、各回転リール40の回転を停止させるためのものでありかつ各回転リール40にそれぞれ対応して設けられているストップスイッチ60と、遊技を制御するための遊技制御手段と、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選を行うための役抽選手段120と、役抽選手段120の抽選結果と各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて各回転リール40の停止制御を行うための停止制御手段140と、すべての回転リール40の回転が停止した際における図柄の配列に基づいて複数の役のいずれかに入賞したか又は入賞なしかの判定を行うための入賞判定手段150とを備えたスロットマシン10であって、スタートスイッチ50の操作後の所定時に計時を開始する計時手段160と、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させる自動停止制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
ここで、「遊技制御手段」とは、遊技の制御を行うためのものである。また、遊技としては、例えば、一般的な遊技である一般遊技や、いずれかの役の入賞となる確率が一般遊技よりも高い遊技であるレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)や、RBゲームへの移行確率が一般遊技よりも高い遊技であるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)などがある。そして、遊技制御手段としては、例えば、一般遊技の制御を行うための一般遊技制御手段111や、RBゲームを制御するためのレギュラーボーナス制御手段112(RB制御手段112)や、BBゲームを制御するためのビッグボーナス制御手段113(BB制御手段113)などを備えることができる。
【0009】
また、「回転リール40」としては、例えば、遊技者から見て左側に位置する左リール41、同中央に位置する中リール42、及び同右側に位置する右リール43の3個を設けることができる。また、各回転リール40の周囲には、それぞれ、例えば、21個の図柄を付することができる。
また、「スタートスイッチ50」は、各回転リール40の回転を開始させるためのものである。また、スタートスイッチ50は、例えば、レバー式のスイッチを用いて構成することができる。そして、スタートスイッチ50が備えるレバーの先端を押し下げると、3個すべての回転リール40の回転が開始するようにすることができる。
【0010】
また、「ストップスイッチ60」は、各回転リール40の回転を停止させるためのものであって、各回転リール40にそれぞれ対応して設けられるものである。例えば、左リール41、中リール42、及び右リール43の3個の回転リール40が設けられる場合には、ストップスイッチ60として、左リール41に対応する左ストップスイッチ61と、中リール42に対応する中ストップスイッチ62と、右リール43に対応する右ストップスイッチ63とが設けられる。また、各ストップスイッチ60は、例えば、それぞれ押しボタン式のスイッチを用いて構成することができる。そして、左ストップスイッチ61が備えるボタンを押圧操作すると、左リール41の回転が停止し、また、中ストップスイッチ62が備えるボタンを押圧操作すると、中リール42の回転が停止し、また、右ストップスイッチ63が備えるボタンを押圧操作すると、右リール43の回転が停止するようにすることができる。
【0011】
また、「停止制御手段140」とは、役抽選手段120の抽選結果と各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて各回転リール40の停止制御を行うためのものである。
また、停止制御手段140は、いわゆる「テーブル制御」によって、各回転リール40の停止制御を行うようにしてもよく、また、いわゆる「コントロール制御」によって、各回転リール40の停止制御を行うようにしてもよい。
また、「テーブル制御」とは、「停止テーブル130」に従って各回転リール40の停止位置を決定し、この決定した停止位置で各回転リール40の回転を停止させるものである。
【0012】
また、「停止テーブル130」とは、各回転リール40の停止位置を決定するためのものであって、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置に応じて、各回転リール40の「停止位置の決定に係る情報(停止位置決定情報)」をあらかじめ定めたものである。また、停止テーブル130は、入賞役に対応して設けられる。また、いずれかの入賞役に対応した停止テーブル130は、その入賞役に対応した入賞図柄配列がいずれかの有効な入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、その入賞役以外の入賞役に対応した入賞図柄配列についてはいずれの有効な入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の停止位置決定情報を定めている。より具体的には、例えば、「ビッグボーナス入賞(BB入賞)」に対応した停止テーブル130は、「7」「7」「7」の入賞図柄配列がいずれかの有効な入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、「7」「7」「7」以外の入賞図柄配列についてはいずれの有効な入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の停止位置決定情報を定めている。これにより、BB入賞に対応した停止テーブル130は、BB入賞を引き当て得るようにするとともに、BB入賞以外の入賞を引き当て得ないようにしている。また、「入賞なし」に対応した停止テーブル130は、いずれの有効な入賞ライン300上にも、いずれの入賞図柄配列も揃わないように、各回転リール40の停止位置決定情報を定めている。これにより、入賞なしに対応した停止テーブル130は、いずれの入賞をも引き当て得ないようにしている。
【0013】
また、「停止位置決定情報」としては、例えば、「滑りコマ数」を定めてもよく、また、第1入賞ライン301上に停止させる図柄の「コマ番号」を定めてもよい。また、「滑りコマ数」は、例えば、0以上4以下の範囲内で定められる。
また、「コントロール制御」とは、役抽選手段120の抽選結果等に基づいて、いずれかの役に入賞し得るようにするか又は入賞なしとするかを指示する指示フラグを設定し、この指示フラグと、ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、所定の範囲内で、回転リール40の回転を停止させてよい位置(停止可位置)のサーチを行い、このサーチにより探し出されたいずれかの停止可位置で回転リール40の回転を停止させるものである。
【0014】
また、「計時手段160」は、スタートスイッチ50の操作後の所定時に計時を開始するものである。
また、「スタートスイッチ50の操作後の所定時」としては、例えば、スタートスイッチ50の操作の直後としてもよく、また、各回転リール40の回転が定常状態になった時としてもよく、また、各ストップスイッチ60が操作有効状態になった時としてもよい。
つまり、計時手段160は、例えば、スタートスイッチ50の操作を契機に計時を開始するようにしてもよく、また、各回転リール40の回転が定常状態になったことを契機に計時を開始するようにしてもよく、また、各ストップスイッチ60が操作有効状態になったことを契機に計時を開始するようにしてもよい。
【0015】
また、計時手段160は、例えば、計時時間が規定時間に達したことを契機に、又は計時時間が規定時間に達する前にすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になったことを契機に、計時を終了するようにすることができる。
つまり、計時手段160は、計時時間が規定時間に達すると、計時を終了するし、また、計時時間が規定時間に達する前に、すべてのストップスイッチ60が操作無効状態になっても、計時を終了するようにすることができる。
なお、スロットマシン10では、スタートスイッチ60が操作されると、各回転リール40の回転が開始して、各回転リール40の回転速度が次第に加速されていく。また、各回転リール40の回転速度が次第に加速されて所定の速度に達すると、各回転リール40の加速処理は終了し、今度は、各回転リール40を一定の速度で回転させる定速処理が行われる。この定速処理により、各回転リール40の回転速度は一定に保たれる。各回転リール40が一定の回転速度で回転している状態を「定常状態」という。また、定常状態では、各回転リール40は、例えば750msで1回転する。そして、各回転リール40の回転が定常状態になると、今度は、各ストップスイッチ60の操作が有効になる。各ストップスイッチ60の操作が有効になった状態を「操作有効状態」という。また、操作有効状態にあるストップスイッチ60を操作すると、このストップスイッチ60についての操作有効状態は終了する。また、操作有効状態以外のときは、各ストップスイッチ60は「操作無効状態」となる。操作有効状態のときにストップスイッチ60を操作すると、対応する回転リール40の回転が停止するが、操作無効状態のときにストップスイッチ60を操作しても、対応する回転リール40の回転は停止しない。また、回転リール40の回転が停止しているときに、対応するストップスイッチ60を操作しても、もちろん回転リール40は停止したままである。
【0016】
また、「規定時間」は、例えば30秒や60秒などと定めることができる。
また、計時手段160は、例えば、計時開始時に、規定時間に相当する数値をRAM上の数値格納領域に記憶し、割り込み処理が実行される毎に、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値を1ずつ減算することにより、規定時間を計時するものとすることができる。この場合、規定時間に相当する数値は、規定時間の設定時間と、単位時間(1秒)あたりの割り込み処理の回数との乗算により決定できる。具体的には、例えば、規定時間を30秒とする場合には、単位時間(1秒)あたりの割り込み処理の回数が4回であれば、規定時間に相当する数値は、30×4より、120となる。そして、計時手段160は、計時開始時に、数値120をRAM上の数値格納領域に記憶し、割り込み処理が実行される毎に、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値を1ずつ減算する。これにより、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値は、1秒間に4ずつ減算されることになるので、30秒で0になる。そして、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値が0になった時点で、計時開始より30秒が経過したことになる。
【0017】
また、「自動停止制御手段」は、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。
また、自動停止制御手段は、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものであり、また、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。また、「役抽選手段120の抽選結果のいかんにかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように」とは、例えば、役抽選手段120の抽選結果がハズレの場合はもちろんのこと、役抽選手段120の抽選結果がBB当選やベル当選などのいずれかの役の当選となった場合においても、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、という意味である。
【0018】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達したときに、すべての回転リール40が回転中であると、自動停止制御手段は、左リール41、中リール42、及び右リール43の回転を順次停止させるようにすることができる。
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達したときに、左リール41の回転が既に停止していると、自動停止制御手段は、中リール42、及び右リール43の回転を順次停止させるようにすることができる。
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達したときに、左リール41、及び中リール42の回転が既に停止していると、自動停止制御手段は、右リール43の回転のみ停止させるようにすることができる。
【0019】
また、各回転リール40の回転を停止させる間隔や順序は、適宜設定できる。
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間に達することはないので、自動停止制御手段が各回転リール40の回転を停止させることもない。
【0020】
また、例えば、役抽選手段120の抽選結果が「ベル当選」になり、このとき、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63の各ストップスイッチ60を操作したとする。この場合、停止制御手段140が、役抽選手段120の抽選結果である「ベル当選」と、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、左リール41、中リール42及び右リール43の各回転リール40の停止制御を行う。このため、いずれかの有効な入賞ライン300上に「ベル入賞」に対応した「ベル」「ベル」「ベル」の図柄配列が揃い得るようになる。つまり、「ベル入賞」を引き当て得るようになる。
【0021】
一方、例えば、役抽選手段120の抽選結果が「ベル当選」になり、このとき、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のいずれのストップスイッチ60も操作することなく、計時手段160による計時時間が規定時間に達したとする。この場合、自動停止制御手段が、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、左リール41、中リール42及び右リール43の各回転リール40の停止制御を行う。つまり、いずれの入賞をも引き当て得ないようになる。
このように、請求項1記載の発明によれば、役抽選手段120の抽選結果がいずれかの役の当選となったときには、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前にストップスイッチ60を操作すれば、当該当選に対応した入賞を引き当て得るが、ストップスイッチ60を操作することなく計時手段160による計時時間が規定時間に達すると、いずれの入賞をも引き当て得ない。つまり、役抽選手段120の抽選結果がいずれかの役の当選となったときには、各回転リール40の回転を手動で停止させると、当該当選に対応した入賞を引き当て得るが、各回転リール40の回転を自動停止させると、いずれの入賞をも引き当て得ない。
【0022】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を限定したものであって、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、あらかじめ定めた特定状態であるか否かの判定を行うための特定状態判定手段170と、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなるように、各回転リール40の停止位置の決定に係る情報(以下「停止位置決定情報」という)をあらかじめ定めた入賞なし停止テーブルと、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報に従って各回転リール40の停止位置を決定し、この決定した停止位置で各回転リール40の回転を停止させる自動停止制御手段としての第1自動停止制御手段175と、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなる各回転リール40の停止位置(以下「入賞なし停止位置」という)のサーチを行い、このサーチにより探し出した入賞なし停止位置で各回転リール40の回転を停止させる、自動停止制御手段としての第2自動停止制御手段180とを備えていることを特徴とする。
【0023】
ここで、「特定状態判定手段170」は、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、あらかじめ定めた特定状態であるか否かの判定を行うためのものである。
また、「特定状態」としては、例えば、回転停止している回転リール40がない(すべての回転リール40が回転中である)状態や、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しているもののBB内部中でもなくかつRB内部中でもなくかつ役抽選手段120の抽選結果がハズレである状態などを定めることができる。
つまり、特定状態判定手段170は、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転停止している回転リール40がないと(すべての回転リール40が回転中であると)判断すると、特定状態であると判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しているものの、BB内部中ではなく、かつ、RB内部中でもなく、かつ、役抽選手段120の抽選結果がハズレであると判断しても、特定状態であると判定するようにすることができる。
【0024】
一方、特定状態判定手段170は、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中ではなく、かつ、RB内部中でもないものの、役抽選手段120の抽選結果がハズレではない(いずれかの役の当選である)と判断すると、特定状態ではないと判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中であると判断しても、特定状態ではないと判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、RB内部中であると判断しても、特定状態ではないと判定するようにすることができる。
【0025】
また、「特定状態」としては、例えば、回転停止している回転リール40がない(すべての回転リール40が回転中である)状態のみを定めることができる。
つまり、特定状態判定手段170は、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転停止している回転リール40がないと(すべての回転リール40が回転中であると)判断すると、特定状態であると判定し、一方、計時手段160による計時時間が規定時間(例えば30秒)に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在していると、特定状態ではないと判定するようにすることができる。
【0026】
また、「入賞なし停止テーブル」とは、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなるように、各回転リール40の停止位置決定情報をあらかじめ定めた停止テーブル130をいう。また、停止位置決定情報については、上述した通りである。また、入賞なし停止テーブルの構造は、上述した停止テーブル130の構造と同様である。このため、例えば、停止制御手段140がいわゆる「テーブル制御」によって各回転リール40の停止制御を行う場合にあっては、停止制御手段140が用いる「入賞なしに対応した停止テーブル130」を、「入賞なし停止テーブル」として用いることができる。つまり、「入賞なしに対応した停止テーブル130」と「入賞なし停止テーブル」とを兼用にすることができる。換言すると、同一の停止テーブル130を、停止制御手段140は、入賞なしに対応した停止テーブル130として用い、第1自動停止制御手段175は、入賞なし停止テーブルとして用いるようにすることができる。つまり、同一の停止テーブル130を、停止制御手段140と第1自動停止制御手段175とで共用にすることができる。
【0027】
また、本発明では、自動停止制御手段として、第1自動停止制御手段175と、第2自動停止制御手段180とを備えている。
また、「第1自動停止制御手段175」は、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報に従って各回転リール40の停止位置を決定し、この決定した停止位置で各回転リール40の回転を停止させるものである。
つまり、第1自動停止制御手段175は、いわゆる「テーブル制御」によって各回転リール40の停止制御を行うものである。
【0028】
また、第1自動停止制御手段175は、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、各回転リール40の停止制御を行うものである。したがって、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたときには、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達しても、第1自動停止制御手段175は、各回転リール40の停止制御を行わない。
また、第1自動停止制御手段175は、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものであり、また、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。また、「役抽選手段120の抽選結果のいかんにかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように」とは、例えば、役抽選手段120の抽選結果がハズレの場合はもちろんのこと、役抽選手段120の抽選結果がBB当選やベル当選などのいずれかの役の当選となった場合においても、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、という意味である。
【0029】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、すべての回転リール40が回転中であると、第1自動停止制御手段175は、左リール41、中リール42、及び右リール43の回転を順次停止させるようにすることができる。
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、左リール41の回転が既に停止していると、第1自動停止制御手段175は、中リール42、及び右リール43の回転を順次停止させるようにすることができる。
【0030】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、左リール41、及び中リール42の回転が既に停止していると、第1自動停止制御手段175は、右リール43の回転のみ停止させるようにすることができる。
また、各回転リール40の回転を停止させる間隔や順序は、適宜設定できる。
また、第1自動停止制御手段175は、左リール41の停止制御を開始したときの左リール41の回転位置と、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報とに基づいて、左リール41の停止位置を決定し、この決定した停止位置で左リール41の回転を停止させる。また、停止位置決定情報として、例えば、滑りコマ数が定められている場合にあっては、第1自動停止制御手段175は、左リール41の停止制御を開始したときの左リール41の回転位置と、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報とに基づいて、左リール41の滑りコマ数を決定し、この決定した滑りコマ数分だけ更に回転させたところで、左リール41の回転を停止させる。また、停止位置決定情報として、コマ番号が定められている場合にあっては、第1自動停止制御手段175は、左リール41の停止制御を開始したときの左リール41の回転位置と、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報とに基づいて、第1入賞ライン301上に停止させる図柄の「コマ番号」を決定し、この決定したコマ番号の図柄が第1入賞ライン301上に位置するところで、左リール41の回転を停止させる。中リール42及び右リール43についても同様である。
【0031】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間に達することはないので、第1自動停止制御手段175が各回転リール40の回転を停止させることもない。
また、「第2自動停止制御手段180」は、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなる各回転リール40の停止位置(以下「入賞なし停止位置」という)のサーチを行い、このサーチにより探し出した入賞なし停止位置で各回転リール40の回転を停止させるものである。
【0032】
つまり、第2自動停止制御手段180は、いわゆる「コントロール制御」によって各回転リール40の停止制御を行うものである。
また、第2自動停止制御手段180は、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、各回転リール40の停止制御を行うものである。したがって、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときには、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達しても、第2自動停止制御手段180は、各回転リール40の停止制御を行わない。
【0033】
また、第2自動停止制御手段180も、第1自動停止制御手段175と同様に、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものである。また、第2自動停止制御手段180は、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。
「役抽選手段120の抽選結果のいかんにかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように」については、第1自動停止制御手段175と同様である。
【0034】
また、「既にいずれかの入賞が確定している場合」とは、すべての回転リール40の回転が停止する前に、いずれかの入賞となることが決まる場合をいう。つまり、既にいずれかの入賞が確定している場合とは、いまだ回転中の回転リール40があるにもかかわらず、いずれかの入賞となることが決まる場合をいう。
具体的には、例えば、左リール41、中リール42、及び右リール43の3個の回転リール40を備え、いずれかの有効な入賞ライン300上に、「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列が揃うと、チェリー入賞となり、所定枚数(例えば2枚)のメダルが払い出されるスロットマシン10においては、左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止した時点で、チェリー入賞が確定する。このため、例えば、最初に左リール41の回転を停止させ、このとき左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止すると、中リール42及び右リール42がまだ回転中であるにもかかわらず、チェリー入賞が確定することとなる。このようなケースは、「既にいずれかの入賞が確定している場合」の一例である。なお、「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味するものである。
【0035】
また、第2自動停止制御手段180は、右リール43の停止制御を開始した後における最初の適正停止位置から順に、入賞なし停止位置のサーチを行う。そして、例えば、サーチにより探し出した最初の入賞なし停止位置で、右リール43の回転を停止させることができる。そうすると、いわゆる「最小滑り」で、右リール43の回転を停止させることができる。また、入賞なし停止位置のサーチは、所定の範囲内、具体的には、例えば、滑りコマ数が0以上4以下となる範囲内で行うことができる。また、入賞なし停止位置のサーチは、例えば、滑りコマ数が最大となる適正停止位置から順に行うことができる。そして、例えば、サーチにより探し出した最初の入賞なし停止位置で、右リール43の回転を停止させることができる。そうすると、いわゆる「最大滑り」で、右リール43の回転を停止させることができる。また、入賞なし停止位置のサーチは、右リール43の停止制御開始後の極めて短い時間(右リール43が図柄1コマ分回転するのに要する時間よりもはるかに短い時間、より具体的には数マイクロ秒〜数百マイクロ秒程度の時間)の間に行うことができる。また、右リール43が図柄1コマ分回転する毎に、入賞なし停止位置か否かの判断を行うこともできる。左リール41及び中リール42についても同様である。
【0036】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達したときに、中リール42及び右リール43は回転中だが、左リール41の回転が既に停止していると、第2自動停止制御手段180は、中リール42及び右リール43の停止制御を順次行う。このとき、「チェリー」の図柄をいずれかの有効な入賞ライン300上に位置させて左リール41の回転が停止していると、この時点で既にチェリー入賞の確定となるが、第2自動停止制御手段180は、チェリー入賞以外の入賞となる図柄の配列が出現しないように、中リール42及び右リール43の回転を順次停止させる。
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間に達することはないので、第2自動停止制御手段180が各回転リール40の回転を停止させることもない。
【発明の効果】
【0037】
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、スタートスイッチ操作後の所定時からの計時時間が規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、回転リールの停止制御が行われる。このため、ストップスイッチを操作しようという遊技者の意欲が高められ、スロットマシン本来の面白みが欠けないスロットマシンを提供できる。
(請求項2)
更に、請求項2記載の発明によれば、各回転リールの回転が自動停止した際における、入賞なしとなる図柄の配列のパターンが単調にならないスロットマシンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るスロットマシンのブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの外観図。
【図3】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの図柄表示窓、出目及び入賞ライ ンの概念図。
【図4】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域を示す概念図。
【図5】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの入賞可能性有フラグ記憶領域を示す概念図。
【図6】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの左リール用の図柄データテーブルを示す概念図。
【図7】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの中リール用の図柄データテーブルを示す概念図。
【図8】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの第2自動停止制御手段によるAND演算の説明図。
【図9】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(図面の説明)
図1ないし図11は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、スロットマシン10のブロック図、図2は、スロットマシン10の外観図、図3は、図柄表示窓26、出目及び入賞ライン300の概念図、図4は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域の概念図、図5は、入賞可能性有フラグ記憶領域の概念図、図6は、左リール用の図柄データテーブルの概念図、図7は、中リール用の図柄データテーブルの概念図、図8は、第2自動停止制御手段180によるAND演算の説明図、図9ないし図11は、スロットマシン10の動作の概略を示すフローチャートである。
【0040】
本実施の形態では、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいう。また、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいう。また、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図2に示すように、本実施の形態に係るスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体20を備えている。また、筐体20の前面には、開口部を塞ぐ前扉21を備えている。また、前扉21の前面上部には、上パネル22が備えられ、また、前扉21の前面中央には、中パネル23が備えられ、また、前扉21の前面下部には、下パネル24が備えられている。また、上パネル22には、入賞となる図柄配列(入賞図柄配列)や、各役に入賞した際に払い出されるメダルの枚数(配当)などが表示され、また、下パネル24には、当該スロットマシン10の機種名のロゴやイメージキャラクターなどが表示されている。また、前扉21の前面における、中パネル23と下パネル24との間には、前方へ向けて突出する操作部25が設けられている。また、筐体20の内部には、3個の回転リール40を横並びに設けたリールユニット30が備えられている。また、3個の回転リール40のうち、左側に設けられているのが左リール41であり、また、中央に設けられているのが中リール42であり、また、右側に設けられているのが右リール43である。また、各回転リール40の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。また、中パネル23のほぼ中央には、各回転リール40の周囲に付されている21個の図柄のうちの3個を表示するための図柄表示窓26が設けられている。
【0041】
また、図柄表示窓26は、各回転リール40の前方に設けられており、3個すべての回転リール40の回転が停止した際には、図3に示すように、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄を表示可能に形成されている。
具体的には、左リール41の周囲には合計21個の図柄が付されているが、左リール41の回転が停止した際には、21個の図柄のうちの3個が図柄表示窓26に表示される。すなわち、左リール41の回転が停止すると、図柄表示窓26の左側部分には、3個の図柄が縦並びに表示される。中リール42及び右リール43についても同様である。これにより、3個すべての回転リール40の回転が停止すると、図柄表示窓26には、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄が表示される。また、図柄表示窓26に表示される縦3列横3行の図柄配列は、「出目」などと呼ばれる。
【0042】
また、本実施の形態では、3個の図柄が図柄表示窓26に対して適正な位置に表示されるときの各回転リール40の停止位置を、「適正停止位置」という。
例えば、図3に示すように、3個の図柄が図柄表示窓26に対して適正な位置に表示されるときの各回転リール40の停止位置が、「適正停止位置」である。
すなわち、各回転リール40が「適正停止位置」で停止すると、図柄表示窓26には各回転リール40毎に3個の図柄が正しく表示されることとなる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、左リール41の回転がいずれかの適正停止位置で停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「左リール上図柄201」「左リール中図柄202」「左リール下図柄203」とし、また、中リール42の回転がいずれかの適正停止位置で停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「中リール上図柄204」「中リール中図柄205」「中リール下図柄206」とし、また、右リール43の回転がいずれかの適正停止位置で停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「右リール上図柄207」「右リール中図柄208」「右リール下図柄209」としている。
【0043】
また、本実施の形態では、第1から第5までの5本の入賞ライン300を設けている。
左リール中図柄202と中リール中図柄205と右リール中図柄208とを通るのが「第1入賞ライン301」であり、また、左リール上図柄201と中リール上図柄204と右リール上図柄207とを通るのが「第2入賞ライン302」であり、また、左リール下図柄203と中リール下図柄206と右リール下図柄209とを通るのが「第3入賞ライン303」であり、また、左リール下図柄203と中リール中図柄205と右リール上図柄207とを通るのが「第4入賞ライン304」であり、また、左リール上図柄201と中リール中図柄205と右リール下図柄209とを通るのが「第5入賞ライン305」である。
【0044】
また、操作部25の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口85が設けられ、また、操作部25の上面左側には、貯留に係るメダルを投入するためのベットスイッチ70が設けられ、また、操作部25の前面右側には、貯留に係るメダルを払い出すためのキャンセルスイッチ73が設けられ、また、操作部25の前面左側には、回転リール40の回転を開始させるためのスタートスイッチ50が設けられ、また、操作部25の前面中央には、回転リール40の回転を停止させるための3個のストップスイッチ60が横並びに設けられている。
また、前扉21の前面における、上パネル22と中パネル23との間には、表示装置としての横長の液晶ディスプレイ83が設けられ、また、前扉21の上部には、演出に用いられる演出用ランプ81が設けられている。
【0045】
また、前扉21の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口86が設けられ、また、メダル払出口86の下方には、メダル払出口86から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿87が設けられている。また、メダル払出口86の左右両側には、効果音などを鳴らすためのスピーカ82がそれぞれ設けられている。
また、前扉21の裏面における、メダル投入口85の裏側に相当する位置には、メダル投入口85に投入されたメダルを処理するためのメダル処理ユニットが備えられている。
また、筐体20の内部には、スロットマシン10を制御するための制御装置100や、メダルを払い出すためのホッパーユニット88や、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどが備えられている。
【0046】
(リールユニット30)
リールユニット30は、フレームと、このフレームに横並びに固定した3個のステッピングモータと、各ステッピングモータの出力軸に固定した3個の回転リール40とを備えている。
また、各回転リール40の周囲には、「7」「BAR」「ベル」「スイカ」「チェリー」「R」などの複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。また、各図柄には、00番から20番までのコマ番号が順番に付されている。
また、本実施の形態では、「7」の図柄は、ビッグボーナス入賞(BB入賞)に対応した図柄とされ、また、「BAR」の図柄は、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)に対応した図柄とされ、また、「ベル」の図柄は、ベル入賞に対応した図柄とされ、また、「スイカ」の図柄は、スイカ入賞に対応した図柄とされ、また、「チェリー」の図柄は、チェリー入賞に対応した図柄とされ、また、「R」の図柄は、リプレイ入賞に対応した図柄とされている。
【0047】
(スタートスイッチ50)
スタートスイッチ50は、回転リール40の回転を開始させるためのものであって、図2に示すように、操作部25の前面左側に設けられている。また、スタートスイッチ50は、レバー式のスイッチを用いて構成されており、レバーの先端を押し下げると、3個すべての回転リール40の回転が開始するようになっている。
(ストップスイッチ60)
ストップスイッチ60は、回転リール40の回転を停止させるためのものである。
図2に示すように、本実施の形態では、操作部25の前面中央に、3個のストップスイッチ60が横並びに設けられている。
【0048】
また、各ストップスイッチ60は、各回転リール40にそれぞれ対応している。具体的には、3個のストップスイッチ60のうち、左側に設けられているのが、左リール41に対応する、左ストップスイッチ61であり、また、中央に設けられているのが、中リール42に対応する、中ストップスイッチ62であり、また、右側に設けられているのが、右リール43に対応する、右ストップスイッチ63である。
また、各ストップスイッチ60は、それぞれ、押しボタン式のスイッチを用いて構成されており、各ストップスイッチ60が備えるボタンを押圧操作すると、各回転リールの回転が停止する。
【0049】
具体的には、左ストップスイッチ61が備えるボタンを押圧操作すると、左リール41の回転が停止し、また、中ストップスイッチ62が備えるボタンを押圧操作すると、中リール42の回転が停止し、また、右ストップスイッチ63が備えるボタンを押圧操作すると、右リール43の回転が停止する。
(ベットスイッチ70)
ベットスイッチ70は、ベット信号を出力するためのものである。また、「ベット信号」とは、メダルの投入に係る信号をいう。また、ベットスイッチ70を操作すると、ベット信号が出力されて、貯留装置に貯留されているメダルが投入される。また、「貯留装置」とは、メダル投入口85から投入されたメダル及び遊技により獲得されたメダルを貯留することにより、遊技者が新たにメダル投入口85からメダルを投入することなく、ベットスイッチ70の操作により、当該貯留に係るメダルの中からあらかじめ定められた数のメダルを順次投入することができることとなる装置で、メダル投入口85から投入されたメダル及び遊技により獲得されたメダルの総数から、ベットスイッチ70の操作により投入されたメダルの総数を減じた数を、電磁的方法により記録することができるものをいう。
【0050】
本実施の形態では、ベットスイッチ70は、図2に示すように、操作部25の上面左側に設けられている。また、ベットスイッチ70としては、シングルベットスイッチ71と、マックスベットスイッチ72とが備えられている。また、図2に示すように、シングルベットスイッチ71及びマックスベットスイッチ72は、操作部25の上面左側に横並びに設けられている。左側に位置するのがシングルベットスイッチ71であり、右側に位置するのがマックスベットスイッチ72である。
また、シングルベットスイッチ71は、押しボタン式のスイッチを用いて構成されており、ボタンを押すと、ベット信号としての1枚ベット信号が出力されるようになっている。ボタンを1回押すと、1枚ベット信号が1回出力され、また、ボタンを2回押すと、1枚ベット信号が2回出力され、また、ボタンを3回押すと、1枚ベット信号が3回出力される。そして、1枚ベット信号が1回出力されると、貯留装置に貯留されているメダルの総数が1つ減じられて、1枚のメダルが投入され、また、1枚ベット信号が2回出力されると、貯留装置に貯留されているメダルの総数が2つ減じられて、2枚のメダルが投入され、また、1枚ベット信号が3回出力されると、貯留装置に貯留されているメダルの総数が3つ減じられて、3枚のメダルが投入されるようになっている。
【0051】
また、マックスベットスイッチ72も、シングルベットスイッチ71と同様に、押しボタン式のスイッチを用いて構成されている。ただ、マックスベットスイッチ72は、ボタンを1回押すと、ベット信号としてのマックスベット信号が出力される。そして、マックスベット信号が出力されると、貯留装置に貯留されているメダルの総数が3つ減じられて、3枚のメダルが投入されるようになっている。
(キャンセルスイッチ73)
キャンセルスイッチ73は、貯留装置に貯留されているメダルを払い出すためのものであって、図2に示すように、操作部25の前面右側に設けられている。また、キャンセルスイッチ73は、押しボタン式のスイッチを用いて構成されており、ボタンを押すと、キャンセル信号が出力されて、ホッパーユニット88の送出機構が駆動し、貯留装置に貯留されているメダルの総数と同数のメダルがメダル払出口86から払い出されるとともに、貯留装置に貯留されているメダルの総数が0になる。
【0052】
(演出用ランプ81)
演出用ランプ81は、遊技者に当選又は入賞などを知らせるためのものであって、図2に示すように、前扉21の上部に設けられている。
(スピーカ82)
スピーカ82は、効果音などを鳴らすためのものであって、図2に示すように、メダル払出口86の左右両側にそれぞれ設けられている。
(液晶ディスプレイ83)
液晶ディスプレイ83は、演出に係る映像などを表示するためのものであって、図2に示すように、前扉21の前面における、上パネル22と中パネル23との間に設けられている。
【0053】
(メダル投入口85)
メダル投入口85は、メダルを投入するためのものであって、図2に示すように、操作部25の上面右側に設けられている。
(メダル払出口86)
メダル払出口86は、メダルを払い出すためのものであって、図2に示すように、前扉21の下部中央に設けられている。
(メダル受け皿87)
メダル受け皿87は、メダル払出口86から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのものであって、図2に示すように、メダル払出口86の下方に設けられている。
【0054】
(ホッパーユニット88)
ホッパーユニット88は、メダルを払い出すためのものであって、筐体20の内部に設けられている。また、ホッパーユニット88は、メダルを貯留するためのメダルタンクと、メダルタンクに貯留されているメダルを送り出すための送出機構とを備えている。そして、送出機構によって送り出されたメダルは、メダル払出口86から払い出されるようになっている。
(メダル処理ユニット)
メダル処理ユニットは、メダル投入口85から投入されたメダルを処理するためのものであって、前扉21の裏面における、メダル投入口85の裏側に相当する位置に設けられている。また、メダル処理ユニットは、メダル投入口85に投入されたメダルを一定方向へ誘導するためのメダル通路と、メダル通路の途中から分岐するメダル返却通路と、メダル通路からメダル返却通路が分岐する分岐部に位置するメダルセレクターとを有している。また、メダル通路の途中であって、メダルセレクターよりも下流側には、メダル投入口85から投入されたメダルを検知するためのメダルセンサーが設けられている。また、メダル通路は、ホッパーユニット88のメダルタンクに連通し、また、メダル返却通路は、メダル払出口86に連通している。
【0055】
また、メダルセンサーは、メダル投入口85から投入されたメダルを検出するためのものであって、図示しないが、フォトセンサーを用いて構成されている。メダル通路を流下するメダルは、フォトセンサーの発光部と受光部との間を通るようになっている。発光部から発せられた光は、常態では、受光部まで到達するようになっているが、メダル通路を流下するメダルがフォトセンサーの発光部と受光部との間を通過するときには、受光部まで届かなくなる。そして、フォトセンサーの受光部に光が届かなくなると、メダル検出信号が出力されて、メダルが1枚投入されたものと判定されるようになっている。
(電源ユニット)
電源ユニットは、スロットマシン10が備える各装置、具体的には、例えば、制御装置100や、リールユニット30や、ホッパーユニット88などに電力を供給するためのものである。また、電源ユニットは、筐体20の内部に備えられている。
【0056】
(制御装置100)
制御装置100は、スロットマシン10を制御するためのものである。
図1に示すように、本実施の形態では、制御装置100は、主として遊技の制御を行うためのメイン遊技制御装置110と、メイン遊技制御装置110からの信号を受信して主として演出の制御を行うためのサブ遊技制御装置190とを備えている。
また、メイン遊技制御装置110は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、主として遊技の制御を行うためのものであり、メインCPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
【0057】
また、メイン遊技制御装置110は、遊技として、一般遊技と、特別遊技とを実行可能に形成され、また、特別遊技として、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)と、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)とを実行可能に形成されている。また、一般遊技とは、一般的な遊技をいい、また、特別遊技とは、遊技者にとって一般遊技よりも有利な遊技をいい、また、RBゲームとは、いずれかの役の入賞となる確率が一般遊技よりも高い特定の遊技をいい、また、BBゲームとは、RB入賞となる確率が一般遊技よりも高い特定の遊技をいう。
また、図1に示すように、メイン遊技制御装置110は、遊技制御手段としての、一般遊技制御手段111、レギュラーボーナス制御手段112(RB制御手段112)、及びビッグボーナス制御手段113(BB制御手段113)を備えている。また、メイン遊技制御装置110は、役抽選手段120、停止テーブル130、停止制御手段140、入賞判定手段150、計時手段160、及び特定状態判定手段170などを備えるとともに、自動停止制御手段としての、第1自動停止制御手段175、及び第2自動停止制御手段180を備えている。メインCPUが、メイン遊技制御装置110上のROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、メイン遊技制御装置110を構成するマイクロコンピュータが、一般遊技制御手段111、レギュラーボーナス制御手段112(RB制御手段112)、ビッグボーナス制御手段113(BB制御手段113)、役抽選手段120、停止制御手段140、入賞判定手段150、計時手段160、特定状態判定手段170、第1自動停止制御手段175、及び第2自動停止制御手段180などとして機能するのである。また、停止テーブル130は、プログラムなどとともに、メイン遊技制御装置上のROMに記憶されている。
【0058】
また、サブ遊技制御装置190は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、メイン遊技制御装置110からの信号を受信して主として演出の制御を行うためのものであり、サブCPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
また、図1に示すように、制御装置100の入力手段としては、スタートスイッチ50、ストップスイッチ60、シングルベットスイッチ71、マックスベットスイッチ72、及びキャンセルスイッチ73などが接続されている。
また、図1に示すように、制御装置100の出力手段としては、リールユニット30、演出用ランプ81、スピーカ82、液晶ディスプレイ83、及びホッパーユニット88などが接続されている。
【0059】
以下、制御装置100が備える各手段について詳述する。
(一般遊技制御手段111)
一般遊技制御手段111は、一般遊技を制御するためのものである。
また、一般遊技とは、一般的な遊技をいう。
以下、本実施の形態における一般遊技について説明する。
メダルを投入すると、メダルの投入枚数に応じた本数の入賞ライン300が有効になる。具体的には、1回の遊技につき投入可能なメダルの枚数は、最大で3枚とされている。また、メダルの投入には、メダル投入口85からのメダルの投入と、ベットスイッチ70(シングルベットスイッチ71又はマックスベットスイッチ72)の操作による貯留に係るメダルの投入とがある。そして、メダルの投入枚数が1枚のときには、第1入賞ライン301のみが有効になり、また、メダルの投入枚数が2枚のときには、第1から第3までの3本の入賞ライン301〜303が有効になり、また、メダルの投入枚数が3枚のときには、第1から第5までの5本すべての入賞ライン301〜305が有効になる。また、メダルの投入を条件に、スタートスイッチ50を操作すると、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、3個すべての回転リール40の回転が開始する。その後に、3個のストップスイッチ60のうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ60に対応した回転リール40の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ60の操作を終えると、3個すべての回転リール40の回転が停止する。このとき、いずれかの有効な入賞ライン300上にいずれかの入賞図柄配列が揃うと、当該入賞図柄配列に対応した役の入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが払い出される。また、メダルの払い出しには、メダル払出口86からのメダルの払い出しと、貯留装置に貯留させることによるメダルの払い出しとがある。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
【0060】
また、入賞には、BBゲームへの移行に係るビッグボーナス入賞(BB入賞)と、RBゲームへの移行に係るレギュラーボーナス入賞(RB入賞)と、所定枚数(例えば12枚)のメダルの払い出しに係るベル入賞と、ベル入賞よりも少ない枚数(例えば8枚)のメダルの払い出しに係るスイカ入賞と、スイカ入賞よりも少ない枚数(例えば2枚又は4枚)のメダルの払い出しに係るチェリー入賞と、再遊技の実行に係るリプレイ入賞とがある。
また、役抽選の結果には、BB入賞の引き当てに係るビッグボーナス当選(BB当選)と、RB入賞の引き当てに係るレギュラーボーナス当選(RB当選)と、ベル入賞の引き当てに係るベル当選と、スイカ入賞の引き当てに係るスイカ当選と、チェリー入賞の引き当てに係るチェリー当選と、リプレイ入賞の引き当てに係るリプレイ当選と、ハズレとがある。
【0061】
そして、いずれかの有効な入賞ライン300上に「7」「7」「7」の図柄配列が揃うと、BB入賞となり、BBゲームへ移行する。つまり、「7」「7」「7」の図柄配列は、BB入賞となる入賞図柄配列である。
また、いずれかの有効な入賞ライン300上に「BAR」「BAR」「BAR」の図柄配列が揃うと、RB入賞となり、RBゲームへ移行する。つまり、「BAR」「BAR」「BAR」の図柄配列は、RB入賞となる入賞図柄配列である。
また、いずれかの有効な入賞ライン300上に「ベル」「ベル」「ベル」の図柄配列が揃うと、ベル入賞となり、所定枚数(例えば12枚)のメダルが払い出される。つまり、「ベル」「ベル」「ベル」の図柄配列は、ベル入賞となる入賞図柄配列である。
【0062】
また、いずれかの有効な入賞ライン300上に「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄配列が揃うと、スイカ入賞となり、所定枚数(例えば8枚)のメダルが払い出される。つまり、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄配列は、スイカ入賞となる入賞図柄配列である。
また、いずれかの有効な入賞ライン300上に「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列が揃うと、チェリー入賞となり、所定枚数(例えば2枚)のメダルが払い出される。つまり、「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列は、チェリー入賞となる入賞図柄配列である。「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味する。左リール41に付されている「チェリー」の図柄が有効な入賞ライン300上に停止すると、中リール42及び右リール43に付されている図柄の停止位置にかかわらず、チェリー入賞となり、2枚のメダルが払い出される。このため、本実施の形態では、左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止した時点で、チェリー入賞が確定することとなる。具体的には、例えば、最初に左リール41の回転を停止させ、このとき左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止すると、中リール42及び右リール43がまだ回転中であるにもかかわらず、チェリー入賞が確定することとなる。なお、メダルの投入枚数が3枚であり、かつ、「チェリー」の図柄の停止位置が図柄表示窓26の上段又は下段であれば、4枚のメダルが払い出される。
【0063】
また、いずれかの有効な入賞ライン300上に「R」「R」「R」の図柄配列が揃うと、リプレイ入賞となり、新たにメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。つまり、再遊技を実行できる。また、「R」「R」「R」の図柄配列は、リプレイ入賞となる入賞図柄配列である。なお、前回の遊技と同じ条件とは、例えば、前回の遊技でのメダルの投入枚数が1枚のときには、メダルの投入枚数が1枚との条件で再遊技が行われ、また、前回の遊技でのメダルの投入枚数が3枚のときには、メダルの投入枚数が3枚との条件で再遊技が行われることを意味するものである。
また、いずれの有効な入賞ライン300上にも、いずれの入賞図柄配列も揃わないと、入賞なしとなる。
【0064】
(レギュラーボーナス制御手段112/RB制御手段112)
RBゲームとは、いずれかの役の入賞となる確率が一般遊技よりも高い遊技をいう。また、RB制御手段112は、RBゲームを制御するためのものである。
以下、本実施の形態におけるRBゲームについて説明する。
役抽選手段120の抽選結果がRB当選となると、RB内部フラグがセットされて、RB内部当たり状態となるとともに、停止制御手段140により、RB入賞を引き当て得るように、各回転リール40の停止制御が行われる。つまり、役抽選手段120の抽選結果がRB当選になると、停止制御手段140は、RB入賞に対応した停止テーブル130を選択し、この停止テーブル130に基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。このとき、いずれかの有効な入賞ライン300上に「BAR」「BAR」「BAR」の入賞図柄配列が揃い得るようになるとともに、「BAR」「BAR」「BAR」以外の入賞図柄配列については、いずれの有効な入賞ライン300上にも揃わなくなる。そして、3個すべての回転リール40の回転を停止させたときに、いずれかの有効な入賞ライン300上に「BAR」「BAR」「BAR」の入賞図柄配列が揃うと、RB入賞となり、RBゲームフラグがセットされて、RBゲームへ移行する。つまり、RBゲームの開始条件は、いずれかの有効な入賞ライン300上に「BAR」「BAR」「BAR」の入賞図柄配列が揃うことである。また、RB入賞が引き当てられると、RB内部フラグがクリアされて、RB内部当たり状態は終了する。一方、3個すべての回転リール40の回転を停止させたときに、いずれの有効な入賞ライン300上にも「BAR」「BAR」「BAR」の入賞図柄配列が揃わないと、入賞なしとなるものの、RB内部フラグはクリアされず、RB内部当たり状態は継続する。RB内部フラグは、RB入賞が引き当てられるまで、クリアされずにセットされたままとなる。つまり、RB内部当たり状態は、RB入賞が引き当てられるまで継続する。
【0065】
また、RBゲームでは、役抽選手段120の抽選の結果いずれかの役の当選となる確率が一般遊技よりも高くなり、そして、いずれかの有効な入賞ライン300上に役抽選手段120の抽選結果に対応した所定の図柄配列が揃うと入賞となる遊技が行われる。
また、RBゲーム中は、遊技を最大12回行うことができ、そのうち、最大8回の入賞が可能である。また、RBゲーム中に、遊技が12回行われるか、あるいは入賞が8回あると、RBゲームフラグがクリアされて、RBゲームは終了する。つまり、RBゲームの終了条件は、RBゲーム中に、遊技が12回行われたこと、又は入賞が8回あったことである。
【0066】
(ビッグボーナス制御手段113/BB制御手段113)
BBゲームとは、RB入賞となる確率が一般遊技よりも高く、これにより、RBゲームへの移行確率が一般遊技よりも高い遊技をいう。また、BB制御手段113は、BBゲームを制御するためのものである。
以下、本実施の形態におけるBBゲームについて説明する。
役抽選手段120の抽選結果がBB当選となると、BB内部フラグがセットされて、BB内部当たり状態となるとともに、停止制御手段140により、BB入賞を引き当て得るように、各回転リール40の停止制御が行われる。つまり、役抽選手段120の抽選結果がBB当選になると、停止制御手段140は、BB入賞に対応した停止テーブル130を選択し、この停止テーブル130に基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。このとき、いずれかの有効な入賞ライン300上に「7」「7」「7」の入賞図柄配列が揃い得るようになるとともに、「7」「7」「7」以外の入賞図柄配列については、いずれの有効な入賞ライン300上にも揃わなくなる。そして、3個すべての回転リール40の回転を停止させたときに、いずれかの有効な入賞ライン300上に「7」「7」「7」の入賞図柄配列が揃うと、BB入賞となり、所定枚数(例えば15枚)のメダルが払い出されるとともに、BBゲームフラグがセットされて、BBゲームへ移行する。つまり、BBゲームの開始条件は、いずれかの有効な入賞ライン300上に「7」「7」「7」の入賞図柄配列が揃うことである。また、BB入賞が引き当てられると、BB内部フラグがクリアされて、BB内部当たり状態は終了する。一方、3個すべての回転リール40の回転を停止させたときに、いずれの有効な入賞ライン300上にも「7」「7」「7」の入賞図柄配列が揃わないと、入賞なしとなるものの、BB内部フラグはクリアされず、BB内部当たり状態は継続する。BB内部フラグは、BB入賞が引き当てられるまで、クリアされずにセットされたままとなる。つまり、BB内部当たり状態は、BB入賞が引き当てられるまで継続する。
【0067】
また、BBゲームへ移行すると、まず、「BB中一般遊技」が行われる。
「BB中一般遊技」では、一般遊技と同様に、最大3枚のメダルを投入することが可能であり、また、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が毎回行われ、また、3個すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上にいずれかの入賞図柄配列が揃うか否かによって、入賞か否かの判定が行われる。
また、「BB中一般遊技」では、RB入賞となる確率が一般遊技よりも高くなり、そして、いずれかの有効な入賞ライン300上に所定の図柄配列(例えば「BAR」「BAR」「BAR」)が揃うと、RB入賞となり、「BB中一般遊技」からBBゲーム中のRBゲームへ移行する。
【0068】
ここで、BBゲーム中のRBゲームを「BB中RBゲーム」とする。
「BB中RBゲーム」では、RBゲームと同様に、役抽選手段120の抽選の結果いずれかの役の当選となる確率が一般遊技よりも高くなり、そして、いずれかの有効な入賞ライン300上に役抽選手段120の抽選結果に対応した所定の図柄配列が揃うと入賞となる遊技が行われる。
また、「BB中RBゲーム」中は、遊技を最大12回行うことができ、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、「BB中RBゲーム」中に、遊技が12回行われるか、あるいは入賞が8回あると、「BB中RBゲーム」は終了する。つまり、「BB中RBゲーム」の終了条件は、BB中RBゲーム中に、遊技が12回行われたこと、又は入賞が8回あったことである。
【0069】
また、「BB中RBゲーム」の終了条件が満たされると、「BBゲーム」の終了条件が満たされない限り、再度「BB中一般遊技」が行われる。
つまり、一般遊技からBBゲームへ移行すると、まず、「BB中一般遊技」が行われ、「BB中一般遊技」でRB入賞となると、「BB中RBゲーム」へ移行し、そして、「BB中RBゲーム」の終了条件が満たされると、「BBゲーム」の終了条件が満たされない限り、再度「BB中一般遊技」が行われる。このように、「BBゲーム」中は、「BB中一般遊技」でRB入賞となると、「BB中RBゲーム」へ移行し、「BB中RBゲーム」の終了条件が満たされると、「BBゲーム」の終了条件が満たされない限り、「BB中一般遊技」に戻るというパターンが繰り返される。そして、「BBゲーム」中のメダルの払い出し枚数が所定枚数(例えば465枚)に達すると、BB内部フラグがクリアされて、BBゲームは終了する。つまり、BBゲームの終了条件は、BBゲーム中のメダルの払い出し枚数が所定枚数(例えば465枚)に達したことである。
【0070】
また、本実施の形態では、BB内部当たり状態中やRB内部当たり状態中にのみ出現し得る特有の図柄配列として、「リーチ目」がある。「リーチ目」は、BB内部当たり状態やRB内部当たり状態であることを遊技者に知らせる図柄配列である。本実施の形態では、いずれかの入賞ライン300上に「7」と「BAR」とが混在して揃う図柄配列を、「リーチ目」としている。また、「7」と「BAR」とが混在して揃う図柄配列としては、具体的には、「7」「7」「BAR」、「7」「BAR」「BAR」、「7」「BAR」「7」、「BAR」「BAR」「7」、「BAR」「7」「7」、及び「BAR」「7」「BAR」の6通りがある。なお、リーチ目は、これら6通りの図柄配列に限定されるものではない。
【0071】
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
また、役抽選手段120は、役抽選用乱数発生手段と、役抽選用乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、テーブル選択手段と、役抽選判定手段とを備えている。
また、役抽選用乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるためのものである。
また、役抽選用乱数発生手段は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成できる(いわゆるハード乱数)。
【0072】
また、役抽選用乱数発生手段は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。また、これらの手段は、例えば、CPUに所定のプログラムを実行させることによって構成できる(いわゆるソフト乱数)。
また、役抽選用乱数抽出手段は、役抽選用乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(例えば、スタートスイッチ50の操作)で抽出するためのものである。
なお、役抽選用乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、役抽選用乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ50が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、役抽選用乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
【0073】
また、役抽選テーブルは、役抽選用乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選させるか又はハズレかをあらかじめ定めたものである。
また、本実施の形態では、役抽選テーブルとして、一般遊技中に用いられる一般役抽選テーブルと、RBゲーム中に用いられるRB中用役抽選テーブルと、BB中一般遊技中に用いられるBB中用役抽選テーブルとを備えている。
また、一般役抽選テーブルは、役抽選用乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、BB当選にするか、RB当選にするか、ベル当選にするか、スイカ当選にするか、チェリー当選にするか、リプレイ当選にするか、あるいはハズレにするかを、あらかじめ定めている。
【0074】
また、RB中用役抽選テーブルは、抽選結果として、ベル当選と、スイカ当選と、チェリー当選と、ハズレとを、それぞれ所定の割合で定めている。
また、BB中用役抽選テーブルは、抽選結果として、RB当選と、ベル当選と、スイカ当選と、チェリー当選と、ハズレとをそれぞれ所定の割合で定めている。
また、テーブル選択手段は、複数の役抽選テーブルの中から1の役抽選テーブルを選択するためのものである。テーブル選択手段は、一般遊技中には、一般役抽選テーブルを選択し、また、RBゲーム中には、RB中用役抽選テーブルを選択し、また、BB中一般遊技中には、BB中用役抽選テーブルを選択する。
【0075】
また、役抽選判定手段は、役抽選用乱数抽出手段が抽出した乱数と、テーブル選択手段が選択した役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの判定を行うためのものである。
本実施の形態では、役抽選判定手段は、役抽選用乱数抽出手段が抽出した乱数と、テーブル選択手段が選択した役抽選テーブルとを照合して、BB当選か、RB当選か、ベル当選か、スイカ当選か、チェリー当選か、リプレイ当選か、あるいはハズレかの判定を行う(RBゲーム中であれば、ベル当選か、スイカ当選か、チェリー当選か、あるいはハズレかの判定を行い、また、BB中一般遊技中であれば、RB当選か、ベル当選か、スイカ当選か、チェリー当選か、あるいはハズレかの判定を行う)。
【0076】
(停止テーブル130)
停止テーブル130は、各回転リール40の停止位置を決定するためのものであって、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置に応じて、各回転リール40の停止位置の決定に係る情報(以下「停止位置決定情報」という)をあらかじめ定めたものである。
また、本実施の形態では、停止位置決定情報として、「滑りコマ数」を定めている。
また、「滑りコマ数」とは、ストップスイッチ60の操作から対応する回転リール40の回転がいずれかの適正停止位置で停止するまでの間に通過する適正停止位置の数をいう。
【0077】
例えば、ストップスイッチ60の操作後における最初の適正停止位置で対応する回転リール40の回転が停止した場合、ストップスイッチ60の操作から対応する回転リール40の回転が停止するまでの間に通過した適正停止位置の数は「0」であるから、滑りコマ数は「0」である。
また、ストップスイッチ60の操作後における最初の適正停止位置を通過し、その次の適正停止位置で対応する回転リール40の回転が停止した場合、ストップスイッチ60の操作から対応する回転リール40の回転が停止するまでの間に通過した適正停止位置の数は「1」であるから、滑りコマ数は「1」である。
【0078】
また、本実施の形態では、役抽選手段120の抽選結果等に対応して、複数種類の停止テーブル130が備えられている。
また、本実施の形態では、各停止テーブル130は、0以上4以下の範囲内で、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
また、いずれかの役に対応した停止テーブル130は、その役に対応した入賞図柄配列がいずれかの有効な入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、その役以外の入賞図柄配列についてはいずれの有効な入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
【0079】
具体的には、例えば、「BB入賞」に対応した停止テーブル130は、「7」「7」「7」の入賞図柄配列がいずれかの有効な入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、「7」「7」「7」以外の入賞図柄配列についてはいずれの有効な入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。これにより、「BB入賞」に対応した停止テーブル130は、BB入賞を引き当て得るようにするとともに、BB入賞以外の入賞を引き当て得ないようにしている。「RB入賞」「ベル入賞」「スイカ入賞」「チェリー入賞」及び「リプレイ入賞」に対応した各停止テーブル130についても同様である。
また、「入賞なし」に対応した停止テーブル130は、いずれの有効な入賞ライン300上にも、いずれの入賞図柄配列も揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
【0080】
(停止制御手段140)
停止制御手段140は、各回転リール40の停止制御を行うためのものである。
また、停止制御手段140は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。
また、各回転リール40の停止制御は、以下に示すようにして行われる。
まず、役抽選手段120の抽選結果等に基づいて、複数の停止テーブル130の中から一の停止テーブル130が選択される。
【0081】
具体的には、例えば、役抽選手段120の抽選結果が「ベル当選」となった場合には、「ベル入賞」に対応した停止テーブル130が選択される。
次に、この選択された一の停止テーブル130と、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とから、各回転リール40の滑りコマ数が決定される。より具体的には、例えば、左リール41に付されているコマ番号00番の図柄が第1入賞ライン301上に位置しているときに、左ストップスイッチ61が操作されたとする。また、左リール41に付されているコマ番号00番の図柄が第1入賞ライン301上に位置しているときに、左ストップスイッチ61が操作されたときには、左リール41の滑りコマ数は「0」とする旨が、選択された停止テーブル130にあらかじめ定められているとする。そうすると、停止制御手段140は、左リール41の滑りコマ数を「0」と決定する。このようにして、各回転リール40の滑りコマ数が決定される。
【0082】
また、滑りコマ数が「0」と決定されると、ストップスイッチ60の操作後における最初の適正停止位置で、対応する回転リール40の回転が停止する。このとき、ストップスイッチ60の操作時に図柄表示窓26の上段の直前に位置していた図柄は、ストップスイッチ60の操作後ほとんど移動せずに、図柄表示窓26の上段に停止するように見える。
また、滑りコマ数が「1」と決定されると、ストップスイッチ60の操作後における最初の適正停止位置を通過し、その次の適正停止位置で、対応する回転リール40の回転が停止する。このとき、ストップスイッチ60の操作時に図柄表示窓26の上段の直前に位置していた図柄は、ストップスイッチ60の操作後に回転リール40の回転方向に1コマ滑るようにして移動して、図柄表示窓26の中段に停止するように見える。
【0083】
また、滑りコマ数が「2」と決定されると、ストップスイッチ60の操作後における最初の適正停止位置と、その次の適正停止位置とを通過し、3番目の適正停止位置で、対応する回転リール40の回転が停止する。このとき、ストップスイッチ60の操作時に図柄表示窓26の上段の直前に位置していた図柄は、ストップスイッチ60の操作後に回転リール40の回転方向に2コマ滑るようにして移動して、図柄表示窓26の下段に停止するように見える。
なお、上述したような回転リール40の停止制御は、停止テーブル130を用いた制御であることから、「テーブル制御」などと呼ばれる。
(計時手段160)
計時手段160は、スタートスイッチ50の操作後の所定時に計時を開始するものである。
【0084】
本実施の形態では、計時手段160は、各ストップスイッチ60が操作有効状態になったことを契機に、計時を開始する。
つまり、本実施の形態では、各ストップスイッチ60が操作有効状態になった時を、スタートスイッチ50の操作後の所定時としている。
なお、本実施の形態に係るスロットマシン10では、スタートスイッチ60が操作されると、各回転リール40の回転が開始して、各回転リール40の回転速度が次第に加速されていく。また、各回転リール40の回転速度が次第に加速されて所定の速度に達すると、各回転リール40の加速処理は終了し、今度は、各回転リール40を一定の速度で回転させる定速処理が行われる。この定速処理により、各回転リール40の回転速度は一定に保たれる。そして、各回転リール40が一定の回転速度で回転している状態を「定常状態」という。また、定常状態では、各回転リール40は、例えば750msで1回転する。そして、各回転リール40の回転が定常状態になると、今度は、各ストップスイッチ60の操作が有効になる。そして、各ストップスイッチ60の操作が有効になった状態を「操作有効状態」という。また、操作有効状態にあるストップスイッチ60を操作すると、このストップスイッチ60についての操作有効状態は終了する。また、本実施の形態では、計時手段160による計時時間が、規定時間である60秒に達すると、すべてのストップスイッチ60についての操作有効状態は終了する。また、操作有効状態以外のときは、各ストップスイッチ60は「操作無効状態」となっている。操作有効状態にあるストップスイッチ60を操作すると、対応する回転リール40の回転が停止するが、操作無効状態にあるストップスイッチ60を操作しても、対応する回転リール40の回転は停止しない。また、回転リール40が停止しているときには、対応するストップスイッチ60は操作無効状態にあり、このとき対応するストップスイッチ60を操作しても、もちろん回転リール40は停止したままである。また、本実施の形態では、このような一連の処理は、メイン遊技制御装置110によって行われる。
【0085】
また、本実施の形態では、規定時間は、60秒と定められている。
また、本実施の形態では、計時手段160は、計時開始時に、規定時間に相当する数値をRAM上の数値格納領域に記憶し、割り込み処理が実行される毎に、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値を1ずつ減算することにより、規定時間を計時する。また、規定時間に相当する数値は、規定時間の設定時間と、単位時間(1秒)あたりの割り込み処理の回数との乗算により決定される。本実施の形態では、規定時間が60秒と定められるとともに、単位時間(1秒)あたりの割り込み処理の回数が4回とされている。これにより、本実施の形態では、規定時間に相当する数値は、60×4より、240である。そして、本実施の形態では、計時手段160は、計時開始時に、数値240をRAM上の数値格納領域に記憶し、割り込み処理が実行される毎に、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値を1ずつ減算する。これにより、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値は、1秒間に4ずつ減算されることになるので、60秒で0になる。そして、RAM上の数値格納領域に記憶されている数値が0になった時点で、計時開始より60秒が経過したことになる。このようにして、計時手段160は、規定時間の計時を行う。
【0086】
また、本実施の形態では、計時手段160は、計時時間が規定時間に達するか、又は計時時間が規定時間に達する前にすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になると、計時を終了する。具体的には、計時手段160は、計時時間が規定時間である60秒に達すると、計時を終了する。また、計時手段160の計時時間が規定時間である60秒に達する前に、遊技者が各ストップスイッチ60を順次押圧操作することにより、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になっても、計時手段160は、計時を終了する。
(特定状態判定手段170)
特定状態判定手段170は、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、あらかじめ定めた特定状態であるか否かの判定を行うためのものである。
【0087】
本実施の形態では、特定状態判定手段170は、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達したときに、回転停止している回転リール40がないと(すべての回転リール40が回転中であると)判断すると、特定状態であると判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しているものの、BB内部中ではなく、かつ、RB内部中でもなく、かつ、役抽選手段120の抽選結果がハズレであると判断しても、特定状態であると判定する。
つまり、本実施の形態では、回転停止している回転リール40がない(すべての回転リール40が回転中である)状態と、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しているものの、BB内部中でもなく、かつ、RB内部中でもなく、かつ、役抽選手段120の抽選結果がハズレである状態とを、特定状態としている。
【0088】
一方、本実施の形態では、特定状態判定手段170は、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中ではなく、かつ、RB内部中でもないものの、役抽選手段120の抽選結果がハズレではない(いずれかの役の当選である)と判断すると、特定状態ではないと判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中であると判断しても、特定状態ではないと判定し、また、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達したときに、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、RB内部中であると判断しても、特定状態ではないと判定する。
【0089】
つまり、本実施の形態では、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中ではなく、かつ、RB内部中でもないものの、役抽選手段120の抽選結果がハズレではない(いずれかの役の当選である)状態と、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、BB内部中である状態と、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在しており、かつ、RB内部中である状態とは、特定状態ではない。
また、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を順次押圧操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を順次停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達することはないので、特定状態判定手段170が特定状態か否かの判定を行うことはない。
【0090】
(入賞なし停止テーブル)
入賞なし停止テーブルとは、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなるように、各回転リール40の停止位置決定情報をあらかじめ定めた停止テーブル130をいう。
本実施の形態では、停止制御手段140が用いる「入賞なしに対応した停止テーブル130」を、「入賞なし停止テーブル」として用いている。
つまり、「入賞なしに対応した停止テーブル130」と「入賞なし停止テーブル」とを兼用にしている。換言すると、同一の停止テーブル130を、停止制御手段140は、入賞なしに対応した停止テーブル130として用い、第1自動停止制御手段175は、入賞なし停止テーブルとして用いるようにしている。つまり、同一の停止テーブル130を、停止制御手段140と第1自動停止制御手段175とで共用している。
【0091】
(自動停止制御手段)
自動停止制御手段は、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。
また、自動停止制御手段は、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものであり、また、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。また、「役抽選手段120の抽選結果のいかんにかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように」とは、例えば、役抽選手段120の抽選結果がハズレの場合はもちろんのこと、役抽選手段120の抽選結果がBB当選やベル当選などのいずれかの役の当選となった場合においても、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、という意味である。
【0092】
本実施の形態では、自動停止制御手段として、第1自動停止制御手段175と、第2自動停止制御手段180とを備えている。
(第1自動停止制御手段175)
第1自動停止制御手段175は、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報に従って各回転リール40の停止位置を決定し、この決定した停止位置で各回転リール40の回転を停止させるものである。
【0093】
つまり、第1自動停止制御手段175は、いわゆる「テーブル制御」によって各回転リール40の停止制御を行うものである。
また、第1自動停止制御手段175は、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、各回転リール40の停止制御を行うものである。したがって、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたときには、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達しても、第1自動停止制御手段175は、各回転リール40の停止制御を行わない。
【0094】
また、第1自動停止制御手段175は、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものであり、また、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。
また、本実施の形態では、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、すべての回転リール40が回転中であると、第1自動停止制御手段175は、「左リール41」→「中リール42」→「右リール43」の順に、回転を停止させる。具体的には、第1自動停止制御手段175は、まず、左リール41の停止制御を実行し、左リール41の回転が停止すると、次に、中リール42の停止制御を実行し、中リール42の回転が停止すると、最後に、右リール43の停止制御を実行して、右リール43の回転を停止させる。
【0095】
また、本実施の形態では、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、左リール41の回転が既に停止していると、第1自動停止制御手段175は、「中リール42」→「右リール43」の順に、回転を停止させる。具体的には、第1自動停止制御手段175は、まず、左リール41の状態のチェックを行い、左リール41の回転停止を確認すると、次に、中リール42の停止制御を実行し、中リール42の回転が停止すると、最後に、右リール43の停止制御を実行して、右リール43の回転を停止させる。なお、中リール42の回転が既に停止していると、「左リール41」→「右リール43」の順に回転を停止させ、また、右リール43の回転が既に停止していると、「左リール41」→「中リール42」の順に回転を停止させる。
【0096】
また、本実施の形態では、計時手段160による計時時間が規定時間に達し、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときに、左リール41及び中リール42の回転が既に停止していると、第1自動停止制御手段175は、右リール43のみ回転を停止させる。具体的には、第1自動停止制御手段175は、まず、左リール41の状態のチェックを行い、左リール41の回転停止を確認すると、次に、中リール42の状態のチェックを行い、中リール42の回転停止を確認すると、最後に、右リール43の停止制御を実行して、右リール43の回転を停止させる。なお、中リール42及び右リール43の回転が既に停止していると、左リール41のみ回転を停止させ、また、左リール41及び右リール43の回転が既に停止していると、中リール42のみ回転を停止させる。
【0097】
また、第1自動停止制御手段175は、左リール41の停止制御を開始したときの左リール41の回転位置と、入賞なし停止テーブルに定められている停止位置決定情報とに基づいて、左リール41の停止位置を決定し、この決定した停止位置で左リール41の回転を停止させる。
具体的には、例えば、左リール41上のコマ番号07番の図柄が第1入賞ライン301上に位置しているときに、左リール41の停止制御が開始されたとする。また、左リール41上のコマ番号07番の図柄が第1入賞ライン301上に位置しているときに、左リール41の停止制御が開始されると、左リール41の滑りコマ数は「2」とする旨が、入賞なし停止テーブルにあらかじめ定められているとする。そうすると、第1自動停止制御手段175は、左リール41の滑りコマ数を「2」と決定する。そして、第1自動停止制御手段175は、この決定した滑りコマ数分だけ左リール41の回転を更に進めたところで、左リール41の回転を停止させる。具体的には、第1自動停止制御手段175は、左リール41の回転を図柄2コマ分更に進めて、コマ番号05番の図柄が第1入賞ライン301上に位置したところで、左リール41の回転を停止させる。中リール42及び右リール43についても同様である。
【0098】
また、例えば、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を順次押圧操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間である60秒に達することはないので、第1自動停止制御手段175が各回転リール40の回転を停止させることもない。
【0099】
(第2自動停止制御手段180)
第2自動停止制御手段180は、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現することとなる各回転リール40の停止位置(以下「入賞なし停止位置」という)のサーチを行い、このサーチにより探し出した入賞なし停止位置で各回転リール40の回転を停止させるものである。
つまり、第2自動停止制御手段180は、いわゆる「コントロール制御」によって各回転リール40の停止制御を行うものである。
【0100】
また、第2自動停止制御手段180は、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたことを条件に、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、各回転リール40の停止制御を行うものである。したがって、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときには、計時手段160による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達しても、第2自動停止制御手段180は、各回転リール40の停止制御を行わない。
また、第2自動停止制御手段180も、第1自動停止制御手段175と同様に、ストップスイッチ60が操作されなくても、各回転リール40の回転を停止させるものである。また、第2自動停止制御手段180は、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、役抽選手段120の抽選結果にかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の回転を停止させるものである。
【0101】
「役抽選手段120の抽選結果のいかんにかかわらず、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように」については、第1自動停止制御手段175と同様である。
また、第2自動停止制御手段180は、左リール41の停止制御を開始した後における最初の適正停止位置から順に、入賞なし停止位置か否かの判断を行う。また、入賞なし停止位置か否かの判断は、左リール41が図柄1コマ分回転する毎に行う。そして、最初に探し出した入賞なし停止位置で、左リール41の回転を停止させる。つまり、本実施の形態では、第2自動停止制御手段180は、いわゆる「最小滑り」で、左リール41の回転を停止させる。このようにして、本実施の形態では、第2自動停止制御手段180は、入賞なし停止位置のサーチを行い、このサーチにより探し出した入賞なし停止位置で、各回転リール40の回転を停止させる。中リール42及び右リール43についても同様である。
【0102】
より具体的には、本実施の形態では、第2自動停止制御手段180は、以下に示すようにして、入賞なし停止位置のサーチを行い、このサーチにより探し出した入賞なし停止位置で、各回転リール40の回転を停止させる。
本実施の形態では、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグと、各入賞ライン300毎に設定される入賞可能性有フラグと、各回転リール40毎に設けた図柄データテーブルと、回転中回転リール数カウンタとを用いて、各回転リール40の停止制御を行う。
また、蹴飛ばし図柄フラグは、有効な入賞ライン300上から外す必要がある図柄と、有効な入賞ライン300上から外す必要がない図柄とを、各回転リール40毎に識別するためのものである。
【0103】
図4(A)に示すように、メイン遊技制御装置110上のRAMには、8ビットの記憶領域である、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域が、左リール41、中リール42及び右リール43の各回転リール40毎に確保されており、蹴飛ばし図柄フラグは、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域に設定されるようになっている。
また、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域の第1ビットは、チェリー入賞に対応し、また、同第2ビットは、ベル入賞に対応し、また、同第3ビットは、スイカ入賞に対応し、また、同第4ビットは、リプレイ入賞に対応し、また、同第5ビットは、RB入賞に対応し、また、同第6ビットは、BB入賞に対応している。また、同第7ビットは、リーチ目に対応している。また、同第8ビットは、未使用となっている。
【0104】
そして、BB入賞に対応した「7」の図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要がある場合には、第2自動停止制御手段180は、BB入賞に対応した第6ビットに「1」を設定する。一方、BB入賞に対応した「7」の図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要がない場合には、第2自動停止制御手段180は、BB入賞に対応した第6ビットに「0」を設定する。RB入賞、リプレイ入賞、スイカ入賞、ベル入賞又はチェリー入賞を外す場合についても同様である。
また、リーチ目を回避する必要がある場合には、第2自動停止制御手段180は、リーチ目に対応した第7ビットに「1」を設定する。一方、リーチ目を回避する必要がない場合には、第2自動停止制御手段180は、リーチ目に対応した第7ビットに「0」を設定する。
【0105】
したがって、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要がある場合には、第2自動停止制御手段180は、図4(B)に示すように、第1ビットから第7ビットまでの各ビットにそれぞれ「1」を設定する。
また、チェリー入賞に対応した「チェリー」の図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があるが、それ以外の入賞に対応した図柄については有効な入賞ライン300上から外す必要がなく、かつ、リーチ目を回避する必要もない場合には、第2自動停止制御手段180は、図4(C)に示すように、第1ビットには「1」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」を設定する。
【0106】
また、いずれの入賞に対応した図柄についても有効な入賞ライン300上から外す必要がなく、かつ、リーチ目を回避する必要もない場合には、第2自動停止制御手段180は、図4(D)に示すように、第1ビットから第7ビットまでの各ビットにそれぞれ「0」を設定する。
また、入賞可能性有フラグは、入賞する可能性がある役、及びリーチ目が出現する可能性を、各入賞ライン300毎に識別するためのものである。
図5(A)に示すように、メイン遊技制御装置110上のRAMには、8ビットの記憶領域である、入賞可能性有フラグ記憶領域が、第1入賞ライン301から第5入賞ライン305までの各入賞ライン300毎に確保されており、各入賞ライン300についての入賞可能性有フラグは、対応する各入賞可能性有フラグ記憶領域に設定されるようになっている。
【0107】
また、第1入賞ライン301用の入賞可能性有フラグ記憶領域の第1ビットは、チェリー入賞に対応し、また、同第2ビットは、ベル入賞に対応し、また、同第3ビットは、スイカ入賞に対応し、また、同第4ビットは、リプレイ入賞に対応し、また、同第5ビットは、RB入賞に対応し、また、同第6ビットは、BB入賞に対応している。また、同第7ビットは、リーチ目に対応している。また、同第8ビットは、未使用となっている。第2入賞ライン302から第5入賞ライン305までの各入賞ライン300についても同様である。
そして、スタートスイッチ50が操作され、すべての回転リール40が回転しているときには、BB入賞、RB入賞、リプレイ入賞、スイカ入賞、ベル入賞及びチェリー入賞のいずれの役についても第1入賞ライン301上で入賞する可能性があり、かつ、リーチ目が出現する可能性もあることから、第2自動停止制御手段180は、図5(B)に示すように、第1ビットから第7ビットまでの各ビットにそれぞれ「1」を設定する。
【0108】
また、左ストップスイッチ61が操作され、左リール41の回転が停止し、このとき、第1入賞ライン301上にベル入賞に対応した「ベル」の図柄が停止すると、第1入賞ライン301上では、ベル入賞の可能性はあるが、それ以外の役の入賞の可能性はなくなることから、第2自動停止制御手段180は、図5(C)に示すように、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットには「1」を設定し、第3ビットから第6ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」を設定する。また、第1入賞ライン301上の「ベル」の図柄はベル入賞を構成する図柄ではあるもののリーチ目を構成する図柄ではないので、第2自動停止制御手段180は、図5(C)に示すように、第7ビットに「0」を設定する。
【0109】
また、左ストップスイッチ61が操作され、左リール41の回転が停止し、このとき、第1入賞ライン301上にBB入賞に対応した「7」の図柄が停止すると、第1入賞ライン301上では、BB入賞の可能性はあるが、それ以外の役の入賞の可能性はなくなることから、第2自動停止制御手段180は、図示しないが、第1ビットから第5ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」を設定し、第6ビットには「1」を設定する。また、第1入賞ライン301上の「7」の図柄はBB入賞を構成する図柄であるとともにリーチ目を構成する図柄でもあるので、第2自動停止制御手段180は、図示しないが、第7ビットに「1」を設定する。
【0110】
第1入賞ライン301上に、BB入賞、RB入賞、リプレイ入賞、スイカ入賞又はチェリー入賞の可能性がある場合についても同様である。また、第2入賞ライン302から第5入賞ライン305までの各入賞ライン300についても同様である。
また、図柄データテーブルは、各コマ番号の図柄がいずれの入賞に対応するものかを識別するためのものであって、各回転リール40毎に設けられている。
また、図柄データテーブルは、メイン遊技制御装置110上のROMに記憶されている。
ここで、左リール41用の図柄データテーブルを図6に示す。
図6に示すように、左リール41用の図柄データテーブルは、各コマ番号毎に、8ビットの記憶領域を割り当てている。また、コマ番号00に対応する記憶領域の第1ビットは、チェリー入賞に対応し、また、同第2ビットは、ベル入賞に対応し、また、同第3ビットは、スイカ入賞に対応し、また、同第4ビットは、リプレイ入賞に対応し、また、同第5ビットは、RB入賞に対応し、また、同第6ビットは、BB入賞に対応している。また、同第7ビットは、リーチ目に対応している。また、同第8ビットは、未使用となっている。コマ番号01からコマ番号20までの各記憶領域についても同様である。
【0111】
また、図6に示すように、コマ番号00に対応する記憶領域の第1ビットには「0」が設定され、第2ビットには「1」が設定され、第3ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」が設定されている。これは、左リール41のコマ番号00の図柄がベル入賞に対応する図柄であり、かつ、リーチ目を構成する図柄ではないことを意味するものである。つまり、左リール41のコマ番号00の図柄は「ベル」である。
また、図6に示すように、コマ番号01に対応する記憶領域の第1ビットから第5ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」が設定され、第6ビット及び第7ビットにはそれぞれ「1」が設定されている。これは、左リール41のコマ番号01の図柄がBB入賞に対応する図柄であり、かつ、リーチ目を構成する図柄でもあることを意味するものである。つまり、左リール41のコマ番号01の図柄は「7」である。
【0112】
コマ番号01からコマ番号20までの各記憶領域についても同様である。
またここで、中リール42用の図柄データテーブルを図7に示す。
図7に示すように、中リール42用の図柄データテーブルも、左リール41用の図柄データテーブルと同様に、各コマ番号毎に、8ビットの記憶領域を割り当てている。また、左リール41用の図柄データテーブルと同様に、コマ番号00に対応する記憶領域の第1ビットは、チェリー入賞に対応し、また、同第2ビットは、ベル入賞に対応し、また、同第3ビットは、スイカ入賞に対応し、また、同第4ビットは、リプレイ入賞に対応し、また、同第5ビットは、RB入賞に対応し、また、同第6ビットは、BB入賞に対応している。また、同第7ビットは、リーチ目に対応している。また、同第8ビットは、未使用となっている。コマ番号01からコマ番号20までの各記憶領域についても同様である。
【0113】
また、図7に示すように、コマ番号00に対応する記憶領域の第1ビットには「1」が設定され、第2ビットにも「1」が設定され、第3ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」が設定されている。これは、中リール42のコマ番号00の図柄がベル入賞に対応する図柄であるとともに、チェリー入賞に対応する図柄でもあり、かつ、リーチ目を構成する図柄ではないことを意味するものである。上述したように、本実施の形態では、いずれかの有効な入賞ライン300上に、「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列が揃うと、チェリー入賞となる。このため、中リール42に付されている図柄は、すべてチェリー入賞に対応する図柄となる。そして、ベル入賞に対応する図柄であるとともに、チェリー入賞に対応する図柄でもあるということは、つまり、中リール42のコマ番号00の図柄は「ベル」である。
【0114】
また、図7に示すように、コマ番号01に対応する記憶領域の第1ビットには「1」が設定され、第2ビットから第4ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」が設定され、第5ビットには「1」が設定され、第6ビットには「0」が設定され、第7ビットには「1」が設定されている。これは、中リール42のコマ番号01の図柄がRB入賞に対応する図柄であるとともに、チェリー入賞に対応する図柄でもあり、かつ、リーチ目を構成する図柄でもあることを意味するものである。そして、RB入賞に対応する図柄であるとともに、チェリー入賞に対応する図柄でもあり、かつ、リーチ目を構成する図柄でもあるということは、つまり、中リール42のコマ番号00の図柄は「BAR」である。
【0115】
コマ番号01からコマ番号20までの各記憶領域についても同様である。
また、右リール43用の図柄データテーブルは、中リール42用の図柄データテーブルと同様である。
また、回転中回転リール数カウンタは、回転中の回転リール40の数をカウントするためのものである。
本実施の形態では、メイン遊技制御装置110上のRAMに、回転中回転リール数記憶領域が確保されている。スタートスイッチ60が操作され、回転リール40の回転が定常状態になり、各ストップスイッチ60が操作有効状態になると、これを契機に、回転中回転リール数カウンタは、回転中回転リール数記憶領域に、本実施の形態に係るスロットマシン10が備える回転リール40の総数である「3」という数値を記憶させる。
【0116】
また、各ストップスイッチ60が操作されて操作無効状態になると、これを契機に、回転中回転リール数カウンタは、回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値から「1」を減算する。具体的には、すべての回転リール40が回転しているときに、左ストップスイッチ61が操作されて操作無効状態になると、これを契機に、回転中回転リール数カウンタは、回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値「3」から「1」を減算する。そうすると、回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値は「2」になる。中ストップスイッチ62や右ストップスイッチ63が操作されたときについても同様である。そして、この回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値が、回転中の回転リール40の数をあらわすことになる。第2自動停止制御手段180は、回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値を参照して、回転中の回転リール40の数を識別する。
【0117】
そして、第2自動停止制御手段180は、回転中回転リール数記憶領域に記憶されている数値を参照して、回転中の回転リール40の数を識別するとともに、停止させようとする回転リール40が左リール41か中リール42かあるいは右リール43かによって、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域に、蹴飛ばし図柄フラグの設定を行う。
まず、回転中の回転リール40の数が2の場合について説明する。
回転中の回転リール40の数が2の場合には、左リール41の回転が停止し、中リール42、及び右リール43の2つが回転中の場合と、中リール42の回転が停止し、左リール41、及び右リール43の2つが回転中の場合と、右リール43の回転が停止し、左リール41、及び中リール42の2つが回転中の場合とがある。
【0118】
1.左リール41の回転が停止し、中リール42、及び右リール43の2つが回転中の場合について説明する。
中リール42については、いずれの入賞に対応した図柄についても有効な入賞ライン300上から外す必要がなく、かつ、リーチ目を回避する必要もないことから、第2自動停止制御手段180は、図4(D)に示したように、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットから第7ビットまでの各ビットにそれぞれ「0」を設定する。
右リール43については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」を設定する。なお、本実施の形態では、右リール43については、いずれの図柄も、チェリー入賞に対応した図柄となることから、右リール43用の図柄データテーブルの第1ビットには「1」を設定し、その代わりに、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域の第1ビットには「0」を設定するようにしている。
【0119】
2.中リール42の回転が停止し、左リール41、及び右リール43の2つが回転中の場合について説明する。
左リール41については、チェリー入賞に対応した「チェリー」の図柄のみを有効な入賞ライン300上から外す必要があることから、第2自動停止制御手段180は、図4(C)に示したように、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「1」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」を設定する。
右リール43については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」を設定する。なお、第1ビットに「0」を設定するのは、上述した通りである。
【0120】
3.右リール43の回転が停止し、左リール41、及び中リール42の2つが回転中の場合について説明する。
左リール41については、チェリー入賞に対応した「チェリー」の図柄のみを有効な入賞ライン300上から外す必要があることから、第2自動停止制御手段180は、図4(C)に示したように、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「1」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」を設定する。
中リール42については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」を設定する。なお、第1ビットに「0」を設定するのは、上述した通りである。
【0121】
次に、回転中の回転リール40の数が1の場合について説明する。
回転中の回転リール40の数が1の場合には、右リール43のみが回転中の場合と、中リール42のみが回転中の場合と、左リール41のみが回転中の場合とがある。
1.右リール43のみが回転中の場合について説明する。
右リール43については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」を設定する。なお、第1ビットに「0」を設定するのは、上述した通りである。
【0122】
2.中リール42のみが回転中の場合について説明する。
中リール42については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」を設定し、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」を設定する。なお、第1ビットに「0」を設定するのは、上述した通りである。
3.左リール41のみが回転中の場合について説明する。
【0123】
左リール41については、チェリー入賞、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞、RB入賞、及びBB入賞のすべての入賞に対応した図柄を有効な入賞ライン300上から外す必要があり、かつ、リーチ目を回避する必要もあることから、第2自動停止制御手段180は、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットから第7ビットまでの各ビットにそれぞれ「1」を設定する。なお、本実施の形態では、左リール41については、「チェリー」の図柄のみが、チェリー入賞に対応した図柄となることから、蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域の第1ビットには原則通り「1」を設定する。
次に、第2自動停止制御手段180は、チェックする入賞ライン300に対応する入賞可能性有フラグと、停止させようとする回転リール40に対応する蹴飛ばし図柄フラグとを、AND演算する。AND演算したら、このAND演算の結果と、停止させようとする回転リール40に対応する図柄データテーブル上の8ビットデータのうち、チェックする入賞ライン300上のコマ番号に対応する8ビットデータとを、更にAND演算する。そして、この2回目のAND演算の結果がすべて「0」であれば、第2自動停止制御手段180は、入賞なし停止位置であると判断して、この判断に係る回転リール40の回転を停止させる。一方、2回目のAND演算の結果がすべて「0」にならないと、第2自動停止制御手段180は、入賞なし停止位置ではないと判断して、この判断に係る回転リール40の回転を停止させない。そして、第2自動停止制御手段180は、図柄1コマ分だけ回転リール40を回転させたところで同様の処理を行い、入賞なし停止位置であるか否かの判断を行い、入賞なし停止位置であると判断すれば、この判断に係る回転リール40の回転を停止させるし、入賞なし停止位置ではないと判断すれば、この判断に係る回転リール40の回転を停止させず、更に図柄1コマ分だけ回転リール40を回転させたところで同様の処理を繰り返す。
【0124】
具体的には、例えば、回転中の回転リール40の数が1であり、右リール43のみが回転中であるとする。つまり、停止させようとする回転リール40が右リール43のみであるとする。また、左リール41は、第1入賞ライン301上にベルの図柄を位置させて停止し、また、中リール42も、第1入賞ライン301上にベルの図柄を位置させて停止しているとする。つまり、左リール中図柄202は、ベルの図柄であり、また、中リール中図柄205も、ベルの図柄であるとする。
そうすると、第1入賞ライン301上には、ベル入賞の可能性のみが残っていることとなる。このような場合、図8(A)に示すように、第1入賞ライン301に対応する入賞可能性有フラグ記憶領域における、第2ビットには「1」が設定され、第1ビット及び第3ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「0」が設定される。
【0125】
また、図8(B)に示すように、右リール43に対応する蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域における、第1ビットには「0」が設定され、第2ビットから第7ビットまでの各ビットにはそれぞれ「1」が設定される。
そして、図8(A)に示した各入賞可能性有フラグと、図8(B)に示した各蹴飛ばし図柄フラグ記憶領域とをAND演算すると、図8(C)に示すように、第2ビットのみが「1」になり、第1ビット及び第3ビットから第7ビットまでの各ビットはいずれも「0」になる。
ここで、第2自動停止制御手段180が右リール43の回転を停止させるか否かの判断を行う瞬間において、スイカの図柄が第1入賞ライン301上にあるとする。このとき、右リール43用の図柄データテーブルにおける対応する8ビットデータは、図8(D)に示すように、第1ビット及び第3ビットがそれぞれ「1」であり、第2ビット及び第4ビットから第7ビットまでの各ビットはそれぞれ「0」である。
【0126】
そして、図8(C)に示したAND演算の結果と、図8(D)に示した8ビットデータとをAND演算すると、図8(E)に示すように、第1ビットから第7ビットまでの各ビットはいずれも「0」になる。
第2自動停止制御手段180は、第2入賞ライン302から第5入賞ライン305までの各入賞ライン300についても同様の処理を行い、そして、すべての入賞ライン300についての処理の結果が「0」になれば、入賞なし停止位置であると判断して、右リール43の回転を停止させる。
またここで、第2自動停止制御手段180が右リール43の回転を停止させるか否かの判断を行う瞬間において、ベルの図柄が第1入賞ライン301上にあるとする。このとき、右リール43用の図柄データテーブルにおける対応する8ビットデータは、図8(F)に示すように、第1ビット及び第2ビットがそれぞれ「1」であり、第3ビットから第7ビットまでの各ビットはそれぞれ「0」である。
【0127】
そして、図8(C)に示したAND演算の結果と、図8(F)に示した8ビットデータとをAND演算すると、図8(G)に示すように、第1ビット及び第3ビットから第7ビットまでの各ビットはいずれも「0」になるものの、第2ビットは「1」になる。
第1入賞ライン301から第5入賞ライン305までの各入賞ライン300について同様の処理を行い、2回目のAND演算の結果がすべて「0」にならない入賞ライン300が1つでもあれば、第2自動停止制御手段180は、入賞なし停止位置ではないと判断して、右リール43の回転を停止させない。そして、第2自動停止制御手段180は、図柄1コマ分だけ右リール43を回転させたところで同様の処理を行い、入賞なし停止位置であるか否かの判断を行い、入賞なし停止位置であると判断すれば、右リール43の回転を停止させ、一方、入賞なし停止位置ではないと判断すれば、右リール43の回転を停止させず、更に図柄1コマ分だけ右リール43を回転させたところで同様の処理を行う。
【0128】
また、上述したように、本実施の形態では、いずれかの有効な入賞ライン300上に、「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列が揃うと、チェリー入賞となる。つまり、本実施の形態では、左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止した時点で、チェリー入賞が確定する。このため、例えば、最初に左リール41の回転を停止させ、このとき左リール41に付されている「チェリー」の図柄がいずれかの有効な入賞ライン300上に停止すると、中リール42及び右リール42がまだ回転中であるにもかかわらず、チェリー入賞が確定する。本実施の形態では、このようなケースが、「既にいずれかの入賞が確定している場合」に該当する。そして、既にチェリー入賞が確定している場合には、第2自動停止制御手段180は、チェリー入賞以外の入賞となる図柄の配列が出現しないように、各回転リール40の停止制御を行う。
【0129】
より具体的には、計時手段160による計時時間が規定時間に達したときに、中リール42及び右リール43は回転中だが、左リール41の回転が既に停止しており、このとき、「チェリー」の図柄をいずれかの有効な入賞ライン300上に位置させて左リール41の回転が停止していると、この時点で既にチェリー入賞の確定となるが、第2自動停止制御手段180は、チェリー入賞以外の入賞となる図柄の配列が出現しないように、中リール42及び右リール43の回転を順次停止させる。
また、計時手段160による計時時間が規定時間に達する前に、遊技者が左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63を操作して、左リール41、中リール42及び右リール43のすべての回転リール40の回転を停止させたとする。このような場合、左ストップスイッチ61、中ストップスイッチ62及び右ストップスイッチ63のすべてのストップスイッチ60が操作無効状態になった時点で、計時手段160の計時が終了する。このため、計時手段160による計時時間が規定時間に達することはないので、第2自動停止制御手段180が各回転リール40の回転を停止させることもない。
【0130】
(入賞判定手段150)
入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際における各入賞ライン300上の図柄の配列に基づいて、複数の役のいずれかに入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に、いずれかの入賞図柄配列が揃うと、当該入賞図柄配列に対応した役に入賞したと判定する。
具体的には、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「7」「7」「7」の図柄配列が揃うと、「BB入賞」と判定する。
【0131】
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「BAR」「BAR」「BAR」の図柄配列が揃うと、「RB入賞」と判定する。
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「ベル」「ベル」「ベル」の図柄配列が揃うと、「ベル入賞」と判定する。
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄配列が揃うと、「スイカ入賞」と判定する。
【0132】
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「チェリー」「ANY」「ANY」の図柄配列が揃うと、「チェリー入賞」と判定する。
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン300上に「R」「R」「R」の図柄配列が揃うと、「リプレイ入賞」と判定する。
また、入賞判定手段150は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれの有効な入賞ライン300上にも、いずれの入賞図柄配列も揃わないと、「入賞なし」と判定する。
【0133】
(スロットマシン10の動作)
以下、図9ないし図11に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。
まず、図9に示すフローチャートに基づいて、メイン処理について説明する。
ステップ100において、役抽選が行われる。そして、役抽選が行われると、ステップ101に進む。
ステップ101において、制御装置100により、役抽選手段120の抽選結果がBB当選か否かの判断が行われる。ここで、役抽選手段120の抽選結果がBB当選であると判断されると、ステップ102に進む。一方、役抽選手段120の抽選結果がBB当選ではないと判断されると、ステップ103に進む。
【0134】
ステップ102において、制御装置100により、BB内部フラグがセットされる。そして、ステップ105に進む。
ステップ103において、制御装置100により、役抽選手段120の抽選結果がRB当選か否かの判断が行われる。ここで、役抽選手段120の抽選結果がRB当選であると判断されると、ステップ104に進む。一方、役抽選手段120の抽選結果がRB当選ではないと判断されると、ステップ105に進む。
ステップ104において、制御装置100により、RB内部フラグがセットされる。そして、ステップ105に進む。
【0135】
ステップ105において、「遊技処理」が行われる。「遊技処理」とは、回転リール40の回転開始処理、停止制御手段140による停止テーブル130の選択処理、停止制御手段140による回転リール40の回転停止処理、入賞判定手段150による入賞判定処理、及び入賞払出処理からなる一連の処理をいう。「遊技処理」については後で詳しく説明する。そして、「遊技処理」が行われると、ステップ106に進む。
ステップ106において、制御装置100により、BB入賞したか否かの判断が行われる。ここで、BB入賞したと判断されると、ステップ107に進む。一方、BB入賞しなかったと判断されると、ステップ108に進む。
【0136】
ステップ107において、制御装置100により、BB内部フラグがクリアされるとともに、BBゲームフラグがセットされる。そして、ステップ100に戻る。
ステップ108において、制御装置100により、RB入賞したか否かの判断が行われる。ここで、RB入賞したと判断されると、ステップ109に進む。一方、RB入賞しなかったと判断されると、ステップ110に進む。
ステップ109において、制御装置100により、RB内部フラグがクリアされるとともに、RBゲームフラグがセットされる。そして、ステップ100に戻る。
ステップ110において、制御装置100により、BBゲームの終了条件が満たされたか否かの判断が行われる。ここで、BBゲームの終了条件が満たされたと判断されると、ステップ111に進む。一方、BBゲームの終了条件が満たされなかったと判断されると、ステップ112に進む。
【0137】
ステップ111において、制御装置100により、BBゲームフラグがクリアされる。そして、ステップ100に戻る。
ステップ112において、制御装置100により、RBゲームの終了条件が満たされたか否かの判断が行われる。ここで、RBゲームの終了条件が満たされたと判断されると、ステップ113に進む。一方、RBゲームの終了条件が満たされなかったと判断されると、ステップ100に戻る。
ステップ113において、制御装置100により、RBゲームフラグがクリアされる。そして、ステップ100に戻る。
【0138】
次に、図10に示すフローチャートに基づいて、遊技処理について説明する。
ステップ200において、制御装置100により、回転リール40の回転が開始される。そして、ステップ210に進む。
ステップ210において、制御装置100により、各ストップスイッチ60が操作有効状態になったか否かの判断が行われる。ここで、各ストップスイッチ60が操作有効状態になったと判断されると、ステップ220に進む。一方、各ストップスイッチ60が操作有効状態にはなっていないと判断されると、つまり、各ストップスイッチ60が操作無効状態であると判断されると、再度ステップ210となる。
【0139】
ステップ220において、計時手段160により計時が開始される。そして、ステップ230に進む。
ステップ230において、制御装置100により、ストップスイッチ60が操作されたか否かの判断が行われる。ここで、ストップスイッチ60が操作されたと判断されると、ステップ290に進む。一方、ストップスイッチ60が操作されていないと判断されると、ステップ240に進む。
ステップ240において、制御装置100により、計時手段160の計時時間が規定時間である60秒に達したか否かの判断が行われる。ここで、規定時間に達したと判断されると、ステップ250に進む。一方、規定時間には達していないと判断されると、ステップ230に戻る。
【0140】
ステップ250において、自動停止制御処理が行われる。自動停止制御処理については後で詳しく説明する。そして、ステップ260に進む。
ステップ260において、入賞判定手段150により、入賞判定が行われる。そして、ステップ270に進む。
ステップ270において、制御装置100により、ホッパーユニット88が駆動されて、メダルの払い出しが行われる。そして、遊技処理は終了する。
ステップ280において、停止制御手段140により、各回転リール40の停止制御が行われる。そして、ステップ290に進む。
【0141】
ステップ290において、制御装置100により、回転中の回転リール40があるか否かの判断が行われる。ここで、回転中の回転リール40があると判断されると、ステップ230に戻る。一方、回転中の回転リール40がないと判断されると、つまり、すべての回転リール40の回転が停止したと判断されると、ステップ260に進む。
次に、図11に示すフローチャートに基づいて、自動停止制御処理について説明する。
ステップ300において、特定状態判定手段170により、すべての回転リール40が回転中であるか否かの判断が行われる。ここで、すべての回転リール40が回転中であると判断されると、ステップ330に進む。一方、すべての回転リール40が回転中ではないと判断されると、すなわち、回転中の回転リール40と回転停止している回転リール40とが混在していると判断されると、ステップ310に進む。
【0142】
ステップ310において、特定状態判定手段170により、BB内部中又はRB内部中であるか否かの判断が行われる。ここで、BB内部中又はRB内部中ではないと判断されると、ステップ320に進む。一方、BB内部中又はRB内部中であると判断されると、ステップ340に進む。
ステップ320において、特定状態判定手段170により、役抽選手段120の抽選結果がハズレか否かの判断が行われる。ここで、役抽選手段120の抽選結果がハズレであると判断されると、ステップ330に進む。一方、役抽選手段120の抽選結果がハズレではないと判断されると、すなわち、役抽選手段120の抽選結果がいずれかの当選であると判断されると、ステップ340に進む。
【0143】
ステップ330において、第1自動停止制御手段175により、入賞なし停止テーブルを用いて、すなわち、いわゆるテーブル制御によって、各回転リール40の停止制御が行われる。そして、自動停止制御処理は終了する。
ステップ340において、第2自動停止制御手段180により、いわゆるコントロール制御によって、各回転リール40の停止制御が行われる。そして、自動停止制御処理は終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、計時手段160による計時時間が規定時間に達したことを契機に、既にいずれかの入賞が確定している場合を除き、入賞判定手段150によって入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の停止制御が行われる。更に、特定状態判定手段170により特定状態であると判定されたときには、自動ストップ信号出力手段165による自動ストップ信号の出力を契機に、第1自動停止制御手段175が、いわゆるテーブル制御によって、入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の停止制御を行い、一方、特定状態判定手段170により特定状態ではないと判定されたときには、自動ストップ信号出力手段165による自動ストップ信号の出力を契機に、第2自動停止制御手段180が、いわゆるコントロール制御によって、入賞なしと判定される図柄の配列が出現するように、各回転リール40の停止制御を行う。このため、ストップスイッチ60を操作しようという遊技者の意欲が高められ、スロットマシン10本来の面白みが欠けないようにすることができる。更に、各回転リール40の回転が自動停止した際における、入賞なしとなる図柄の配列のパターンが単調にならないようにすることができる。更に、本実施の形態では、各回転リール40の自動停止に際し、単にいずれかの役の入賞となる図柄の配列が出現しないようにするのみならず、リーチ目の出現をも極力回避するようにしているのである。
【符号の説明】
【0144】
10 スロットマシン 20 筐体
21 前扉 22 上パネル
23 中パネル 24 下パネル
25 操作部 26 図柄表示窓
30 リールユニット 40 回転リール
41 左リール 42 中リール
43 右リール 50 スタートスイッチ
60 ストップスイッチ 61 左ストップスイッチ
62 中ストップスイッチ 63 右ストップスイッチ
70 ベットスイッチ 71 シングルベットスイッチ
72 マックスベットスイッチ 73 キャンセルスイッチ
81 演出用ランプ 82 スピーカ
83 液晶ディスプレイ 85 メダル投入口
86 メダル払出口 87 メダル受け皿
88 ホッパーユニット
100 制御装置
110 メイン遊技制御装置 111 一般遊技制御手段
112 レギュラーボーナス制御手段 113 ビッグボーナス制御手段
120 役抽選手段 130 停止テーブル
140 停止制御手段 150 入賞判定手段
160 計時手段 170 特定状態判定手段
175 第1自動停止制御手段 180 第2自動停止制御手段
190 サブ遊技制御装置
201 左リール上図柄 202 左リール中図柄
203 左リール下図柄 204 中リール上図柄
205 中リール中図柄 206 中リール下図柄
207 右リール上図柄 208 右リール中図柄
209 右リール下図柄
300 入賞ライン 301 第1入賞ライン
302 第2入賞ライン 303 第3入賞ライン
304 第4入賞ライン 305 第5入賞ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に複数個の図柄が付されている複数個の回転リールと、
各回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各回転リールの回転を停止させるためのものでありかつ各回転リールにそれぞれ対応して設けられているストップスイッチと、
遊技を制御するための遊技制御手段と、
複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選を行うための役抽選手段と、
役抽選手段の抽選結果と各ストップスイッチが操作されたときの対応する回転リールの回転位置とに基づいて各回転リールの停止制御を行うための停止制御手段と、
すべての回転リールの回転が停止した際における図柄の配列に基づいて複数の役のいずれかが有効な入賞ライン上のいずれかに入賞したか又は入賞なしかの判定を行うための入賞判定手段とを備えたスロットマシンであって、
スタートスイッチの操作後の所定時に計時を開始する計時手段と、
計時手段による計時時間があらかじめ定めた規定時間に達したことを契機に、入賞判定手段によって入賞なしと判定される図柄の配列がすべての有効な入賞ライン上に出現するように、各回転リールの回転を停止させる自動停止制御手段とを備えているとともに、
自動停止制御手段は、蹴飛ばし図柄フラグと、各入賞ライン毎に設定される入賞可能性有フラグと、各回転リール毎に設けた図柄データテーブルとを用いて、各回転リールの停止制御を行うものであり、
蹴飛ばし図柄フラグは、有効な入賞ライン上に停止させない図柄を各回転リール毎に識別するためのものであって、
入賞可能性有フラグは、入賞する可能性がある役に係る図柄を各入賞ライン毎に識別するためのものであって、
図柄データテーブルは、各回転リールごとに複数個の図柄に対応するコマ番号の図柄がいずれの入賞に対応するものかを識別するためのものであって、
自動停止制御手段は、
停止させようとする回転リールに対応する図柄データテーブルのうち現に有効な入賞ライン上にあるコマ番号に対応する図柄のデータのうちすべてが、当該有効な入賞ラインに対応する入賞可能性有フラグに係る図柄でなく、又は、その回転リールに対応する蹴飛ばし図柄フラグに係る図柄でないかどうかを判断し、
その判断結果が肯定的である場合は、その回転リールの回転をそのコマ番号で停止させ、
その判断結果が否定的である場合、すなわち、停止させようとする回転リールに対応する図柄データテーブルのうち現に有効な入賞ライン上にあるコマ番号に対応する図柄のデータのうちいずれかでも、当該有効な入賞ラインに対応する入賞可能性有フラグに係る図柄であり、かつ、その回転リールに対応する蹴飛ばし図柄フラグに係る図柄である場合は、図柄1コマ分だけその回転リールが回転したところで上記の判断を行う
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−230000(P2011−230000A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184217(P2011−184217)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【分割の表示】特願2005−372636(P2005−372636)の分割
【原出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(390026620)山佐株式会社 (108)
【Fターム(参考)】