説明

セキュリティモジュール

トラッキングモジュール(10)は、無線周波数信号の交換を介して、セキュリティモジュール(2)をユーザに追跡させる。セキュリティモジュール(2)は、動き検出器(4)、マイクロコントローラ(6)およびアンテナ(8)を有する。動き検出器(4)は、セルラ電話ネットワークに対するセキュリティモジュールの相対的な動きを検出する。セキュリティモジュール(2)は、ATM(自動預け払い機)の現金カセットまたは貴重品が格納されるいかなるコンテナにもインストールされ得る。トラッキングモジュール(10)は、マイクロコントローラ(12)、および無線信号を受信および送信するためのアンテナ(14)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATM(自動預け払い機)の現金コンテナ用のセキュリティモジュールに関する。更に詳細には、ATMの現金コンテナ用(これに限られるものではないが)のセキュリティモジュールを追跡する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどセキュリティがない領域に設置された自動預け払い機(ATM)および自動販売機は攻撃に対して無防備である。例えば、ATMはATMが取り付けられた部品を破壊することによって完全に取り外すことができる。また、現金コンテナはATMに許可なくアクセスすることによって取り外されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、盗まれたATMまたは自動販売機、またはATMまたは自動販売機の中身を追跡するための方法と装置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、セキュリティモジュールは、
複数のトランシーバを含むセルラ電話ネットワークに対するセキュリティモジュールの相対的な動きを検出する動き検出手段;
前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの前記動き検出手段による検出に応答して、第1のデューティサイクルで警報信号を送信するための送信手段;
トラッキングモジュールによって送信される確認応答信号を受信するための受信手段;および
前記受信手段による前記確認応答信号の受信に応答して、前記送信手段に前記第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで前記警報信号を送信させる制御手段、を有する。
【0005】
セルラ電話ネットワークに対するセキュリティモジュールの相対的な動きを検出する動き検出手段を提供することによって、セルラ電話ネットワークに対してセキュリティモジュールのおおよその地理的な位置を決定する動きセンサとして用いられ得る効果を奏する。GPSが利用する衛星からの信号による電力は非常に小さいため、この種の機能にGPS(全地球測位)システムを使用することは望ましくない。これらの信号は、雲、森林、高い建物および他の物理障壁によって遮断されることがある。例えば、セキュリティモジュールがGPS衛星から信号を受け取るのを防止するには、追跡する対象(例えばATM)をバンのような車両に乗せることにより可能であり、信号はバンによって遮断されてしまう。
【0006】
第1のデューティサイクル警報信号を送信する送信手段、および受信手段による確認応答信号の受信に応答して、第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで送信手段に警報信号を送信させる制御手段、を提供することによって、装置のバッテリ寿命を改善する効果を提供する。バッテリ寿命の改良の結果、隠すことがより容易にでき、より小さな形状の装置を製造することができる。
【0007】
最初に低いデューティサイクルの警報信号が送信されることによって、周波数スキャナで電子的に場所を見つけ出すのが難しい装置を製造することができるという効果を奏する。また、セキュリティモジュールの位置を決める際に利用する、セルラ電話ネットワークおよび送信手段を組合せて使用することは、セルラ電話ネットワークによって、セキュリティモジュールのおおよその位置情報を提供するために用いることができるという効果を奏する。そして、送信手段はセキュリティモジュールを追跡するために用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】セキュリティモジュールおよびトラッキングモジュールを有する現金コンテナ追跡方式の略図である。
【図2】セキュリティモジュールの除去および追跡の間、警報信号が送信されるデューティサイクルを変えるために、セキュリティモジュールのコントローラが行う処理のフローチャートである。
【図3】セキュリティモジュールの除去および追跡の間、警報信号が送信される電力レベルを変えるために、セキュリティモジュールのコントローラが行う処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
好ましい実施例において、前記トラッキングモジュールによって送信される更なる確認応答信号に応答して、前記制御手段は、送信される前記警報信号の前記デューティサイクルを増加させ、前記更なる確認応答信号は、当該セキュリティモジュールと前記トラッキングモジュールとの近接度が増加したことを示す。
【0010】
トラッキングモジュールがセキュリティモジュールに近づくにつれて警報信号が送信される周波数が増加するため、トラッキングモジュールによってセキュリティモジュールの位置検出を補強する効果を奏する。
【0011】
好ましい実施例において、前記警報信号は、前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの前記動き検出手段による検出に応答して、第1の複数の電力レベルで送信され;かつ
前記制御手段は、前記受信手段による前記確認応答信号の受信に応答して、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものと、前記第1の複数の電力レベルの少なくとも一つの、より低い電力レベルのものとを含む第2の複数の電力レベルで、前記送信手段に前記警報信号を再送信させる。
【0012】
動きの検出に応答して、第1の複数の電力レベルで警報信号を送信することによって、トラッキングモジュールが警報信号を受信する最も低い電力レベルは、トラッキングモジュールに対するセキュリティモジュールの近接度の情報を提供する効果を奏する。第1の複数電力レベルのうち、トラッキングモジュールによって警報信号が受信された最も低いものと、少なくとも一つのより低い電力レベルのものを含む第2の複数の電力レベルで警報信号を再送信することによって、全ての高い電力レベルが排除され、送信器の電源が保たれるという効果を有する。これも、セキュリティモジュールの物理的な大きさを小さくすることができる効果を奏する。
【0013】
好ましい実施例において、前記制御手段は、前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信手段による受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変える。
【0014】
前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信手段による受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変えることによって、これは、トラッキングモジュールからセキュリティモジュールへの近接度を表すという効果を奏する。なぜなら、送信された電力レベルは、継続的に最低の電力レベルになるまで適応し、これは、トラッキングモジュールからセキュリティモジュールへの近い近接度を表すことになるからである。
【0015】
前記警報信号は、より高い電力レベルよりも、より低い電力レベルで、より頻繁に送信される。
【0016】
これは、バッテリーパワーを更に保つという効果を奏する。
【0017】
本発明の別の態様では、セキュリティ集成装置は、セキュリティモジュールによって送信された警報信号を受信し、かつ、前記警報信号の受信に応答して、確認応答信号を送信するトラッキングモジュール;および
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセキュリティモジュール、を有する。
【0018】
好ましい実施例において、前記確認応答信号は、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものを示す。
【0019】
本発明の別の態様では、セキュリティモジュールを追跡する方法であって:
セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの検出に応答して、セキュリティモジュールが、第1のデューティサイクルで警報信号を送信するステップ;
トラッキングモジュールによって送信された確認応答信号を、前記セキュリティモジュールにおいて受信するステップ;および
前記セキュリティモジュールにおける前記確認応答信号の受信に応答して、前記セキュリティモジュールに、前記第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで前記警報信号を送信させるステップ、を有する。
【0020】
セルラ電話ネットワークに対するセキュリティモジュールの相対的な動きを検出することによって、これは、セルラ電話ネットワークがセキュリティモジュールのおおよその地理的な位置を決定する動きセンサとして用いられ得るという効果を提供する。GPSが用いる衛星からの信号は電力が非常に小さいため、この種の処理にGPS(全地球測位)システムを使用することは望ましくない。これらの信号は、雲、森林、高い建物および他の物理障壁によって遮断されてしまうことがある。例えば、セキュリティモジュールがGPS衛星から信号を受け取るのを防止するには、追跡する対象(例えばATM)をバンのような車両に乗せることにより可能であり、信号はバンによって遮断されてしまう。
【0021】
第1のデューティサイクルで警報信号を送信し、確認応答信号の受信に応答して、送信手段に前記第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで警報信号を送信させることによって、装置のバッテリ寿命を改善する効果を奏する。バッテリ寿命が改善される結果、装置の物理的な容量が小さくなり、隠すのが容易な装置を製造することができる。
【0022】
最初に低いデューティサイクルの警報信号が送信されることによって、周波数スキャナで電子的に場所を見つけ出すのが難しい装置を製造することができるという効果を奏する。また、セキュリティモジュールの位置を決める際に利用する、セルラ電話ネットワークおよび送信手段を組合せて使用することは、セルラ電話ネットワークによって、セキュリティモジュールのおおよその位置情報を提供するために用いることができるという効果を奏する。そして、送信手段はセキュリティモジュールを追跡するために用いることができる。
【0023】
好ましい実施例において、前記セキュリティモジュールにおける更なる確認応答信号の受信に応答して、前記警報信号が送信される前記デューティサイクルを増加させるステップであって、前記更なる確認応答信号は、前記セキュリティモジュールと前記トラッキングモジュールとの近接度が増加したことを示すところのステップ、を更に有する。
【0024】
これは、トラッキングモジュールがセキュリティモジュールに近づくにつれて警報信号が送信される周波数が増加するため、トラッキングモジュールによってセキュリティモジュールの位置を特定するのを助ける効果を奏する。
【0025】
好ましい実施例において、前記警報信号は、前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの検出に応答して、第1の複数の電力レベルで送信され;かつ
前記セキュリティモジュールによる前記確認応答信号の受信に応答して、前記送信するステップは、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものと、前記第1の複数の電力レベルの少なくとも一つの、より低い電力レベルのものとを含む第2の複数の電力レベルで、前記警報信号を再送信する。
【0026】
動きの検出に応答して、第1の複数の電力レベルで警報信号を送信することによって、トラッキングモジュールが警報信号を受信する最も低い電力レベルは、トラッキングモジュールに対するセキュリティモジュールの近接度の情報を提供する効果を奏する。第1の複数の電力レベルのうち、トラッキングモジュールによって警報信号が受信された最も低いものと、少なくとも一つのより低い電力レベルのものを含む第2の複数の電力レベルで警報信号を再送信することによって、全ての高い電力レベルが排除され、送信器の電源が保たれるという効果を有する。これも、セキュリティモジュールの物理的な大きさを小さくすることができる効果を奏する。
【0027】
方法は、前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信するステップによる受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変えるステップを有する。
【0028】
これは、前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信手段による受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変えることによって、トラッキングモジュールからセキュリティモジュールへの近接度を表すという効果を奏する。なぜなら、送信された電力レベルは、継続的に最低の電力レベルになるまで適応し、これは、トラッキングモジュールからセキュリティモジュールへの近い近接度を表すことになるからである。
【0029】
前記警報信号は、より高い電力レベルよりも、より低い電力レベルで、より頻繁に送信されてもよい。
【0030】
これは、バッテリーパワーを更に保つ効果を提供する。
【0031】
本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照しながら説明する。これは、例示的な目的
で説明するものであり、制限的と解釈してはならない。
【実施例】
【0032】
図1を参照すると、セキュリティモジュール2は、動き検出器4、マイクロコントローラ6およびアンテナ8を有する。セキュリティモジュール2は、ATMの現金カセットまたは貴重品が格納されるいかなるコンテナの設置にも適している。動き検出器モジュール4は、セルラ電話ネットワーク、例えばGPRSまたはGSMネットワークと相対的に、セキュリティモジュールの動きを検出する。これは、セルラ電話ネットワークのさまざまなセルの間のセキュリティモジュール2の動きを検出することによって達成される。動き検出器4は、第2の動き検出器、例えば傾斜スイッチ、アクセロメータまたは音響センサ、またはセキュリティモジュールが移動していることが確認できる出力を提供するその他の装置を含んでもよい。煙および/または温度式探知器(図示せず)は、切削または酸素アセチレンによる攻撃を検出するために配置されていてもよい。
【0033】
動き検出器4およびマイクロコントローラ6は、許可された人が現金コンテナに補充を行うためにセキュリティモジュールを停止させることができるよう、スイッチ手段(図示せず)を有する。この切り替は、携帯電話リンクを介して中央制御室から行ってもよく、または専用のキーによって行ってもよい。
【0034】
マイクロコントローラ6は、アンテナ8を介して無線信号を送信および受信する。トラッキングモジュール10は、マイクロコントローラ12および無線信号を受信および送信するためのアンテナ14を有する。
【0035】
トラッキングモジュール10は、電池式携帯機器でもよい。以下詳しく述べるように無線信号の通信を介して、セキュリティモジュール2を追跡することができる。トラッキングモジュールは、トラッキングモジュール10とセキュリティモジュール2の間の近くに位置するユーザに可聴の音および/または視覚的な表示を提供する。
【0036】
セキュリティモジュール2がセルラ電話ネットワーク(例えばGPRSまたはGSMネットワーク)のセルと相対的に移動していることを検出することによって、動き検出器4は、セキュリティモジュール2の動きを検出する。信号は動き検出器4からマイクロコントローラ6に送られる。警報信号が、60:1のような低いデューティサイクルでアンテナ8から送信される(デューティサイクルとは、オンの時間とオフの時間との比で定義される。すなわちこの場合には、1分間に1秒間だけ警報信号が送信される)。警報信号は、図1のP0からP3に示されるように、同じ信号がいくつかの異なる電力レベルで送られる。警報信号の電力レベルは、P0からP3まで段階的に増加する。記載されている4つの別々のレベル以外の、より大きいレベルまたはより小さいレベルの信号が用いられてもよい。
【0037】
図2を参照すると、ステップ50で、セキュリティモジュール2は、静止している。セルラ電話ネットワークと相対的に移動せず、動き検出器4が静止している限り、マイクロコントローラ6およびアンテナ8による無線ビーコンは、ステップ52に示すように休止のままである。動き検出器4によって動きが検出されると、アンテナ8はステップ54でP0からP3の全ての電力レベルで警報信号を送信する。送信は、低いデューティサイクル(例えば60:1)でなされる。
【0038】
トラッキングモジュール10が警報信号を受信すると、確認応答信号16がトラッキングモジュール10によって送信される。警報信号は、セルラ電話ネットワークによって提供されるデータによって得られた、セキュリティモジュール2のおおよその地理的な位置の情報を提供する。都市においては、このデータがほぼ100メートル程度まで正確であり、より遠隔地域では、精度は0.5キロメートル程度に減少することは当業者にとって明らかである。この警報信号によって提供されるおおよその地理的位置データは、中央制御室で受信され認識されてもよい。このデータは、トラッキングモジュール10を所持しているユーザに、おおよその地理的な位置へ進むように指示するために用いてもよい。あるいは、おおよその地理的位置データを含む警報信号を受信するトラッキングモジュール10によって、セキュリティモジュール2のおおよその地理的な位置に存在するユーザに対して、可聴の音および/または視覚的な表示を提供してもよい。ステップ56において、セキュリティモジュール2がトラッキングモジュール10から確認信号を受け取ると、ステップ58において、送信される警報信号の周波数は、より高いデューティサイクルへと増加する。例えば、デューティサイクルが、10:1に増加されてもよい。より高いデューティサイクルになると、トラッキングモジュール10は、セキュリティモジュール2の位置を決めることがより容易になる。セキュリティモジュール2がユーザの近くにあることを通知するために、トラッキングモジュールは、可聴のおよび/または視覚的な信号を発する。例えば、警報信号が受け取られるたびに、トラッキングモジュール10は可聴のクリック音を発してもよい。そして、警報信号増加のデューティサイクルが増加するにつれて、クリックの周波数が増加し、近くに近づいたことを知らせてもよい。あるいは、LEDの点滅を用いることができる。
【0039】
トラッキングモジュール10に指向性アンテナ(図示せず)を取り付けることもできる。そうすると、アンテナがセキュリティモジュール2に向けられると、可聴のクリック音の周波数が増加し、指向性アンテナがセキュリティモジュール2から離れると周波数が減少する。
【0040】
ステップ60において、セキュリティモジュール2とトラッキングモジュール10との拒理が減少していることを示す確認応答信号を、セキュリティモジュール2が受信した場合、ステップ62において、デューティサイクルを更に増加してもよい(例えば5:1まで)。
【0041】
最初に60:1のような低いデューティサイクルで警報信号を送信することで、比較的小さいバッテリを用いることができ、これによって、バッテリ寿命を60倍改善する。省エネルギーによる結果として、物理的に比較的小さくできることは、セキュリティモジュール2の寸法を小さくできることになる。そして、セキュリティモジュール2を隠すことを容易にする。
【0042】
図3を参照すると、セキュリティモジュール2を更に省エネルギー化する特徴が記載されている。ステップ100において、セキュリティモジュールは、静止している。動き検出器4が静止している限り、ステップ102に示すように、マイクロコントローラ6およびアンテナ8からの無線ビーコンは休止中のままである。ステップ104において、動き検出器4によって動きが検出されると、アンテナ8はすべての電力レベルP0からP3で警報信号を送信する。
【0043】
ステップ106において、所定の期間の後、トラッキングモジュール10からの確認信号が受信できない場合、トラッキングモジュール10からの確認信号が受信されるまで、セキュリティモジュール2は、ステップ104に戻る。
【0044】
トラッキングモジュール10が警報信号を受信した場合、確認応答信号16がトラッキングモジュール10によって送信される。確認応答信号16は、警報信号がトラッキングモジュール10によって受信できたP0からP3の最も低い電力レベルを示す情報を含む。例えば、警報信号が電力レベルP2およびP3(2つの最高電力レベル)でトラッキングモジュール10によって受信された場合、トラッキングモジュール10が警報信号を受信した最も低い電力レベルが電力レベルP2であったことを示す確認応答信号16が、トラッキングモジュール10によって送信される。
【0045】
電力レベルP2の警報信号がトラッキングモジュールによって受信されたことを示す確認応答信号16がセキュリティモジュール2によって受信された場合、マイクロコントローラ6は、ステップ108において、警報信号を変更し、電力レベルP0からP2(したがって、P3でなく)で警報信号を再送信する。これは、トラッキングモジュール10がセキュリティモジュール2との間で通信するとき、2台のモジュール距離の範囲内で必要とされる最も大きな電力がP2であるからである。P3は、P2より大きい。トラッキングモジュール10は、セキュリティモジュール2に対して低い電力レベルの範囲(すなわちP2)の中に存在するため、もはやP3で送信する必要がないということである。
【0046】
したがって、ステップ110において、警報信号は、電力レベルP0からP2で再送信される。トラッキングモジュール10がセキュリティモジュール2に近づくと、手順は、ステップ112から始まって繰り返される。すなわち、トラッキングモジュール10が警報信号を受信した最も低い電力レベルを示す確認信号がセキュリティモジュール2に送られる。トラッキングモジュール10がセキュリティモジュール2に近づくにつれて、最終的には、電力レベルが最も低い電力レベルP0の警報信号が送信されるようになる。すなわち、トラッキングモジュール10とセキュリティモジュール2とが互いに近い位置に達することになるからである。
【0047】
警報信号が送信される電力レベルを絶えず低下させることによって、送信器によって必要とされる電力を低減させることができる。また、トラッキングモジュールによって受信される警報信号が最も低い電力レベルとなることは、セキュリティモジュール2とトラッキングモジュール10との間の距離が近いことを直接的に表すことになる。距離のこの情報は、可聴のおよび/または視覚的な信号によって、トラッキングモジュールのユーザに通知されてもよい。
【0048】
セキュリティモジュール2がバッテリで駆動されているため、消費電力を抑えるために、低レベルの電力での送信よりも低い頻度で最高の電力レベルでの送信がなされる。
【0049】
一旦セキュリティモジュール2が到達すると、マイクロコントローラ6およびアンテナ8からによる無線ビーコンは、図2および3の手順を終え、停止してもよい。
【0050】
上述の実施例は、例示的のためにのみ示したものであり、制限的なものと当業者が解してはならない。また、添付の請求項の範囲を逸脱しない限り、様々な変更および修正が可能である。特に、前記実施例は、ATMの現金カセットに関連して記載しているが、セキュリティモジュール2は貴重品が保存される携帯用のコンテナのいかなる位置にも設置することができる。また、前記実施例が通信手段として無線信号を使用するとして記載したが、超音波のような他の通信手段を使うことも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランシーバを含むセルラ電話ネットワークに対するセキュリティモジュールの相対的な動きを検出する動き検出手段;
前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの前記動き検出手段による検出に応答して、第1のデューティサイクルで警報信号を送信するための送信手段;
トラッキングモジュールによって送信される確認応答信号を受信するための受信手段;および
前記受信手段による前記確認応答信号の受信に応答して、前記送信手段に前記第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで前記警報信号を送信させる制御手段;
を有するセキュリティモジュール。
【請求項2】
前記トラッキングモジュールによって送信される更なる確認応答信号に応答して、前記制御手段は、送信される前記警報信号の前記デューティサイクルを増加させ、前記更なる確認応答信号は、当該セキュリティモジュールと前記トラッキングモジュールとの近接度が増加したことを示す、請求項1記載のモジュール。
【請求項3】
前記警報信号は、前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの前記動き検出手段による検出に応答して、第1の複数の電力レベルで送信され;かつ
前記制御手段は、前記受信手段による前記確認応答信号の受信に応答して、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものと、前記第1の複数の電力レベルの少なくとも一つの、より低い電力レベルのものとを含む第2の複数の電力レベルで、前記送信手段に前記警報信号を再送信させる、請求項1又は2記載のモジュール。
【請求項4】
前記制御手段は、前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信手段による受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変える、請求項3記載のモジュール。
【請求項5】
前記警報信号は、より高い電力レベルよりも、より低い電力レベルで、より頻繁に送信される、請求項3または4記載のセキュリティモジュール。
【請求項6】
添付の図面を参照し、本願明細書に実質的に記載されたセキュリティモジュール。
【請求項7】
セキュリティモジュールによって送信された警報信号を受信し、かつ、前記警報信号の受信に応答して、確認応答信号を送信するトラッキングモジュール;および
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセキュリティモジュール;
を有するセキュリティ集成装置。
【請求項8】
前記確認応答信号は、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものを示す、請求項7記載の集成装置。
【請求項9】
添付の図面を参照し、本願明細書に実質的に記載されたセキュリティ集成装置。
【請求項10】
セキュリティモジュールを追跡する方法であって:
セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの検出に応答して、セキュリティモジュールが、第1のデューティサイクルで警報信号を送信するステップ;
トラッキングモジュールによって送信された確認応答信号を、前記セキュリティモジュールにおいて受信するステップ;および
前記セキュリティモジュールにおける前記確認応答信号の受信に応答して、前記セキュリティモジュールに、前記第1のデューティサイクルより高い第2のデューティサイクルで前記警報信号を送信させるステップ、
を有する方法。
【請求項11】
前記セキュリティモジュールにおける更なる確認応答信号の受信に応答して、前記警報信号が送信される前記デューティサイクルを増加させるステップであって、前記更なる確認応答信号は、前記セキュリティモジュールと前記トラッキングモジュールとの近接度が増加したことを示すところのステップ、を更に有する請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記警報信号は、前記セルラ電話ネットワークに対する前記セキュリティモジュールの相対的な動きの検出に応答して、第1の複数の電力レベルで送信され;かつ
前記セキュリティモジュールによる前記確認応答信号の受信に応答して、前記送信するステップは、前記第1の複数の電力レベルのうち前記トラッキングモジュールによって前記警報信号が受信された最も低いものと、前記第1の複数の電力レベルの少なくとも一つの、より低い電力レベルのものとを含む第2の複数の電力レベルで、前記警報信号を再送信する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記セキュリティモジュールに対する前記トラッキングモジュールの前記近接度を示す更なる確認応答信号の前記受信するステップによる受信に応答して、前記警報信号が送信される前記複数の電力レベルを変えるステップ、を有する請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記警報信号は、より高い電力レベルよりも、より低い電力レベルで、より頻繁に送信される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
添付の図面を参照し、本願明細書に実質的に記載されたセキュリティモジュールを追跡する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−507136(P2010−507136A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531901(P2009−531901)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003816
【国際公開番号】WO2008/043992
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509099958)セダーデル リミテッド (1)
【Fターム(参考)】