セグメントの継手構造
【課題】挿入部材の係止部や被挿入部材の被係止部のピッチを小さくせずに、セグメント間の最大目開きを小さくし、セグメント間の止水性を向上させることを目的とする。
【解決手段】一方のセグメントの接合端面1bには挿入部材5が突設され、他方のセグメントの接合端面1bには被挿入部材4が設けられ、挿入部材5の外周面には周方向に延在する複数の凹凸状の係止部8…が軸方向に一定ピッチで形成され、被挿入部材4の内周面には周方向に延在する凹凸状の被係止部12…が軸方向に複数形成され、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されて係止部8…が被係止部12…に噛合されることで挿入部材5が被挿入部材4に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、複数の被係止部12…が、少なくとも一箇所で、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔(P/2)をあけて形成されている。
【解決手段】一方のセグメントの接合端面1bには挿入部材5が突設され、他方のセグメントの接合端面1bには被挿入部材4が設けられ、挿入部材5の外周面には周方向に延在する複数の凹凸状の係止部8…が軸方向に一定ピッチで形成され、被挿入部材4の内周面には周方向に延在する凹凸状の被係止部12…が軸方向に複数形成され、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されて係止部8…が被係止部12…に噛合されることで挿入部材5が被挿入部材4に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、複数の被係止部12…が、少なくとも一箇所で、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔(P/2)をあけて形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するセグメント同士を継手するセグメントの継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル軸方向に隣接するセグメント同士のリング間継手構造として、一方のセグメントのリング間接合面に設けられたピンボルト状の挿入部材を、他方のセグメントのリング間接合面に設けられた筒状の被挿入部材に挿嵌させる構成からなる継手構造がある。挿入部材は、ピンボルト状の部材であって、挿入部材の外周面には、周方向に延在する鋸目状の係止部が軸方向に一定のピッチで連続的に形成されている。また、被挿入部材は、複数の環状のワッシャ(スナップリング)を積層させた構成からなり、被挿入部材の内周面には、係止部に噛合される鋸目状の被係止部(ワッシャの内周部)が、係止部のピッチに対応するピッチで軸方向に連続的に形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記した継手構造では、挿入部材を被挿入部材に挿嵌させる際、係止部や被係止部のピッチに相当する間隔で断続的に挿嵌されることになる。例えば、厚さ2mmのワッシャを積層させた構成からなる被挿入部材の中に、2mmピッチで係止部(鋸目)が形成された挿入部材を挿入させると、挿入部材は2mmづつ断続的に被挿入部材に挿嵌係止されることになる。
【特許文献1】特開2004−108519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の継手構造では、挿入部材が、係止部や被係止部のピッチに相当する間隔で断続的に挿嵌係止されるため、セグメント間の目開きが大きくなり過ぎる場合があるという問題がある。具体的には、係止部や被係止部のピッチが2mmである場合、セグメント間の目開きは最大で2mmとなる。通常、セグメント間の止水性を確保するためには、セグメント間の目開きを1.5mm以下にする必要があるため、2mmの目開きが生じるとセグメント間の止水性が確保できなくなる。一方、係止部や被係止部のピッチを小さくすることで、セグメント間の最大目開きを小さくすることができるが、係止部や被係止部のピッチを小さくすることには限度がある。具体的には、係止部や被係止部のピッチを1.5mm以下にすると、セグメント間の最大目開きは1.5mm以下となるが、係止部や被係止部がせん断破壊され易くなり、挿入部材と被挿入部材との嵌合係止状態が適正に維持できなくなる虞がある。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、係止部や被係止部のピッチを小さくせずに、セグメント間の最大目開きを小さくし、セグメント間の止水性を向上させることができるセグメントの継手構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、隣接するセグメントのうち、一方のセグメントの接合端面には、挿入部材が突設され、他方のセグメントの接合端面には、前記挿入部材が挿入される筒状の被挿入部材が設けられ、前記挿入部材の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部が軸方向に一定ピッチで形成され、前記被挿入部材の内周面には、周方向に延在する凹凸状の被係止部が軸方向に複数形成され、前記被挿入部材の中に前記挿入部材が挿入されて、前記係止部が前記被係止部に噛合されることで、前記挿入部材が前記被挿入部材に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、前記複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、被係止部は、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔が開けられた箇所を挟んで両側にそれぞれ配設された状態となる。例えば、複数の被係止部が、一箇所に所定間隔をあけて形成されている場合、両側の被係止部群のうち、一方側の被係止部群に挿入部材の係止部が噛合され、挿入部材が係止されているとき、挿入部材の係止部と他方側の被係止部群とは噛合されていない状態となる。そして、挿入部材を軸方向に進退させると、挿入部材の係止部は、一方側の被係止部群に再び噛合される前に、他方側の被係止部群に噛合される。このように、断続的に挿嵌される挿入部材の間隔は、係止部のピッチよりも小さくなる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセグメントの継手構造において、前記被挿入部材には、内周部が前記被係止部となる複数のスナップリングと、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、前記複数のスナップリングが積層されているとともに、隣り合う前記スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、前記介在部材が介在されていることを特徴としている。
【0009】
このような特徴により、スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に介在部材を介在させるだけで、複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成される。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、複数設けられ、前記係止部と前記被係止部とは、同じピッチで形成されており、前記被係止部の複数の間隔の寸法又は前記複数の介在部材の厚さ寸法は、次式でそれぞれ表されるとともに、互いに異なる又は同一の値であることを特徴としている。
【0011】
【数1】
【0012】
このような特徴により、例えば、所定厚さの介在部材が複数箇所に介在されることで、複数の被係止部が複数箇所に所定間隔をあけて形成され、複数に区分けされている場合、区分けされた複数の被係止部群のうち、一つの被係止部群に、挿入部材の係止部が噛合され、挿入部材が係止されているとき、挿入部材の係止部と他の複数の被係止部群とはそれぞれ噛合されていない状態となる。そして、挿入部材を軸方向に進退させると、挿入部材の係止部は、他の被係止部群の何れかに噛合され、さらに挿入部材を軸方向に進退させると、順次他の被係止部群に噛合されていく。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、隣り合う各被係止部間にそれぞれ設けられ、前記係止部と前記被係止部とは、互いに異なるピッチで形成されていることを特徴としている。
【0014】
このような特徴により、係止部のピッチと被係止部のピッチとの差に相当する間隔で、挿入部材が被挿入部材に断続的に嵌合係止される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るセグメントの継手構造によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材の間隔は、係止部のピッチよりも小さくなるため、係止部や被係止部のピッチを小さくせずに、セグメント間の最大目開きを小さくすることができ、セグメント間の止水性を向上させることができる。
【0016】
また、被挿入部材には、内周部が被係止部となる複数のスナップリングと、係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、複数のスナップリングが、軸方向に積層されているとともに、隣り合うスナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、介在部材が介在されている構成からなる。これによって、スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に介在部材を介在させるだけで、複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されるため、被挿入部材を容易に製作することができるとともに、介在部材の厚さを調整するだけで、被係止部の間隔の寸法を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るセグメントの継手構造の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基いて説明する。なお、以下の説明の中で、「前方」や「前側」は、トンネル2の掘進方向における「前方」や「前側」であり、図1における左側である。また、「後方」や「後側」は、トンネル2の掘進方向における「後方」や「後側」であり、図1における右側である。
【0018】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態について説明する。
図1は複数のセグメントピース1…(セグメント)からなるトンネル2を表す図である。図1に示すように、湾曲した板形状の複数のセグメントピース1…を筒状に組み立てることでトンネル2が構築される。このとき、トンネル2の周方向に隣接するセグメントピース1,1は、対向するピース間接合端面1a,1a(トンネル2軸方向に延在するセグメントピース1の端面)同士が図示せぬピース間継手を介して接合されることで連結されている。また、トンネル2の軸方向に隣接するセグメントピース1,1は、対向するリング間接合端面1b,1b(トンネル2の周方向に延在するセグメントピース1の端面)同士が複数(図1では4つ)のリング間継手3…(継手構造)を介して接合されることで連結されている。
【0019】
図2は第1の実施の形態におけるリング間継手3の構成を表す拡大断面図である。図1,図2に示すように、リング間継手3は、先に設置されたセグメントピース1の前側のリング間接合端面1b(接合端面)に埋設された筒状の被挿入部材4と、新たに設置するセグメントピース1の後側のリング間接合端面1bに突設されたピン状の挿入部材5とから構成されており、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されることで、隣接するセグメントピース1,1同士を継手させるものである。
【0020】
図3は第1の実施の形態における被挿入部材4と挿入部材5とが継手された状態を表すリング間継手3の断面図である。図2,図3に示すように、挿入部材5は、セグメントピース1のコンクリート内に定着しているアンカー部6と、リング間接合端面1bから垂直に突出しているピンボルト部7とから構成されている。ピンボルト部7の外周面には、ピンボルト部7の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部8…が軸方向に一定ピッチPで形成されており、ピンボルト部7の外周面は、断面形状が直角三角形の係止部8…が連続的に形成された鋸目状になっている。また、ピンボルト部7の先端は、先に向かってテーパー状に窄まった形状になっており、ピンボルト部7を被挿入部材4に挿入し易い形状になっている。
【0021】
被挿入部材4は、セグメントピース1のコンクリート内に埋設されたケース9と、ケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材11とから構成されている。
【0022】
ケース9は、リング間接合端面1b側(被挿入部材4の先端側)が開放されて被挿入部材4の基端側が閉じられた有底円筒状の容器であり、その先端側の内周面には、周方向に延在する凹部9aが形成されている。
【0023】
スナップリング10…は、挿入部材5に形成された係止部8…のピッチPに相当する厚さの環状の板部材であり、複数積層された状態でケース9の凹部9aの中に保持されている。各スナップリング10…の内周部は、断面形状が直角三角形になっており、挿入部材5の係止部8…に噛合係止される凹凸状の被係止部12になっている。各被係止部12…は、ケース9の内周面から内側に張り出され、周方向に延在して形成されている。また、被係止部12…は、軸方向に連続的に形成されており、係止部8…と同一のピッチPで形成されている。
【0024】
また、介在部材11は、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、具体的には、係止部8…のピッチPの半分(1/2)に相当する厚さ(P/2)の部材である。介在部材11は、積層されたスナップリング10…の真中位置に配設されており、凹部9a内に積層されたスナップリング10…は、介在部材11を挟んで、複数(本実施の形態では4枚)のスナップリング10…からなる先端側(開放端側)の第一のスナップリング群13と複数(本実施の形態では4枚)のスナップリング10…からなる基端側(閉鎖側)の第二のスナップリング群14とに分けられている。上記介在部材11によって、ケース9内に保持された複数の被係止部12…は、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔があけられており、具体的には、積層されたスナップリング10…の真中位置に、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)があけられている。
【0025】
次に挿入部材5を被挿入部材4の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手3の挙動について説明する。
【0026】
図4〜図7は第1の実施の形態における挿入部材5を被挿入部材4の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図4〜図7に示すように、挿入部材5を被挿入部材4に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…と、第二のスナップリング群14の被係止部12b…とに交互に噛合されていく。
【0027】
例えば、図4に示すように、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材4の第一のスナップリング群13の被係止部12a…に噛合されているとき、第二のスナップリング群14の被係止部12b…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/2に相当するズレ量(3P/2)になっている。
【0028】
この後、図5に示すように、図4に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される前に、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPに相当するズレ量(P)になっている。
【0029】
続いて、図6に示すように、図5に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に再び噛合される前に、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0030】
さらに、図7に示すように、図6に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される前に、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に再び噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとは一致している。
【0031】
その後、挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材4の第一のスナップリング群13の被係止部12a…に噛合されることになる。このように、挿入部材5が被挿入部材4の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…との噛合が繰り返される。
【0032】
図4〜図7に示すように、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)で段階的に小さく変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材4に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)で、被挿入部材4に断続的に嵌合係止される。
【0033】
上記した構成からなるリング間継手3によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、係止部8…のピッチPよりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの半分(P/2)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きX(図3に示す)を、係止部8…や被係止部12…のピッチP(厚み)の1/2にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を向上させることができる。
【0034】
また、上記した構成からなるリング間継手3によれば、積層させるスナップリング10…の真中位置において、スナップリング10,10間に介在部材11を介在させるだけで、積層されたスナップリング10…の真中位置で、係止部8…のピッチPの半分(P/2)に相当する間隔をあけて、複数の被係止部12…が形成される。これによって、被挿入部材4を容易に製作することができるとともに、介在部材11の厚さを調整するだけで、被係止部12の間隔寸法を調整することができる。
【0035】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0036】
図8〜図11は第2の実施の形態におけるリング間継手103の図であって、挿入部材5を被挿入部材104の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図8〜図11に示すように、被挿入部材104には、図2に示すケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材111…とから構成されている。
【0037】
介在部材111…は、複数設けられて、被挿入部材104の先端側から第一の介在部材111a、第二の介在部材111b、第三の介在部材111cとなっており、各介在部材111a、111b、111cは、スナップリング10,10の間にそれぞれ介在されている。また、各介在部材111a、111b、111cは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、各介在部材111a、111b、111cの厚さ寸法(被係止部12…の間隔寸法)は、次式でそれぞれ表される。
【0038】
【数2】
【0039】
介在部材111…の厚さ寸法Lは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる値とするため、上式において、整数nと整数iとは異なる整数(n≠i)であり、また、整数nと整数iとは、ピッチPの係数(i/n)が整数にならないような組み合わせとなる。
【0040】
また、各介在部材111a、111b、111cの厚さ寸法は、互いに異なる値であり、具体的には、第一の介在部材111aは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する厚さ(P/4)の部材であり、第二の介在部材111bは、係止部8…のピッチPの1/2に相当する厚さ(P/2)の部材であり、第三の介在部材111cは、係止部8…のピッチPの3/4に相当する厚さ(3P/4)の部材である。
【0041】
スナップリング10…は、各介在部材111a、111b、111cを挟んで、複数(本実施の形態では4つ)のスナップリング群113,114,115,116に分けられている。具体的には、第一の介在部材111aの前方(被挿入部材104の先端側)に配置された第一のスナップリング群113、第一の介在部材111aと第二の介在部材111bとの間に配置された第二のスナップリング群114、第二の介在部材111bと第三の介在部材111cとの間に配置された第三のスナップリング群115、第三の介在部材111cの後側(被挿入部材104の基端側)に配置された第四のスナップリング群116、に分けられている。各スナップリング群113,114,115,116は、それぞれ複数(本実施の形態では2枚)のスナップリング10,10からなっている。
【0042】
このように、第一、第二、第三の介在部材111a,111b,111cによって、第一,第二,第三,第四のスナップリング群113,114,115,116に分けられていることで、ケース9内に保持された複数の被係止部12…は、各介在部材111a,111b,111cの箇所で、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されている。具体的には、複数の被係止部12…は、積層されたスナップリング10…の先端側の位置に、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)をあけ、また、積層されたスナップリング10…の真中位置に、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)をあけ、また、積層されたスナップリング10…の基端側の位置に、係止部8…のピッチPの3/4に相当する間隔(3P/4)をあけて形成されている。
【0043】
次に挿入部材5を被挿入部材104の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手103の挙動について説明する。
【0044】
図8〜図11に示すように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第三のスナップリング群115の被係止部12c…、第一のスナップリング群113の被係止部12a…、第二のスナップリング群114の被係止部12b…、第四のスナップリング群116の被係止部12d…の順番で、各被係止部12a,12b,12c,12dに繰り返し噛合されていく。
【0045】
例えば、図8に示すように、被挿入部材104の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材104の第三のスナップリング群115の被係止部12c…に噛合されているとき、第一、第二、第四のスナップリング群113,114,116の被係止部12a…,12b…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/4に相当するズレ量(3P/4)になっている。
【0046】
この後、図9に示すように、図8に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第一のスナップリング群113の被係止部12a…に噛合される。このとき、第二、第三、第四のスナップリング群114,115,116の被係止部12b…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0047】
続いて、図10に示すように、図9に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第二のスナップリング群114の被係止部12b…に噛合される。このとき、第一、第三、第四のスナップリング群113,115,116の被係止部12a…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当するズレ量(P/4)になっている。
【0048】
さらに、図11に示すように、図10に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第四のスナップリング群116の被係止部12d…に噛合される。このとき、第一、第二、第三のスナップリング群113,114,115の被係止部12a…,12b…,12c…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとは一致している。
【0049】
その後、挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材104の第三のスナップリング群115の被係止部12c…に噛合され、また、第一、第二、第四のスナップリング群113,114,116の被係止部12a…,12b…,12d…が、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になる。このように、挿入部材5が被挿入部材104の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返される。
【0050】
図12は、挿入部材5の係止部8…に噛合される被係止部12…を構成するスナップリング群113,114,115,116と、被挿入部材104の基準線Bに対する挿入部材5の基準線Aのズレとの関係を示した表である。
図8〜図12に示すように、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で、被挿入部材104に断続的に嵌合係止される。
【0051】
上記した構成からなるリング間継手103によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、第1の実施の形態における間隔(P/2)よりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きを、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を一層向上させることができる。
【0052】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態について説明する。なお、上述した第1,第2の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0053】
図13〜図16は第3の実施の形態におけるリング間継手203の図であって、挿入部材5を被挿入部材204の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図13〜図16に示すように、被挿入部材204には、図2に示すケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材211…とから構成されている。
【0054】
介在部材211…は、複数設けられて、被挿入部材204の先端側から第一の介在部材211a、第二の介在部材211b、第三の介在部材211cとなっており、各介在部材211a、211b、211cは、スナップリング10,10の間にそれぞれ介在されている。また、各介在部材211a、211b、211cは、それぞれ、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、各介在部材211a、211b、211cの厚さ寸法(被係止部12…の間隔寸法)は、次式でそれぞれ表される。
【0055】
【数3】
【0056】
介在部材211…の厚さ寸法Lは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる値とするため、上式において、整数nと整数iとは異なる整数(n≠i)であり、また、整数nと整数iとは、ピッチPの係数(i/n)が整数にならないような組み合わせとなる。
また、各介在部材211a、211b、211cの厚さ寸法は、互いに同一の値であり、本実施の形態では、係止部8…のピッチPの1/4に相当する厚さ(P/4)になっている。
【0057】
スナップリング10…は、各介在部材211a、211b、211cを挟んで、複数(本実施の形態では4つ)のスナップリング群213,214,215,216に分けられている。具体的には、第一の介在部材211aの前方に配置された第一のスナップリング群213、第一の介在部材211aと第二の介在部材211bとの間に配置された第二のスナップリング群214、第二の介在部材211bと第三の介在部材211cとの間に配置された第三のスナップリング群215、第三の介在部材211cの後側に配置された第四のスナップリング群216、に分けられている。
【0058】
次に挿入部材5を被挿入部材204の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手203の挙動について説明する。
【0059】
図13〜図16に示すように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第一のスナップリング群213の被係止部12a…、第二のスナップリング群214の被係止部12b…、第三のスナップリング群215の被係止部12c…、第四のスナップリング群216の被係止部12d…の順番で、各被係止部12a,12b,12c,12dに繰り返し噛合されていく。
【0060】
例えば、図13に示すように、被挿入部材204の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材204の第一のスナップリング群213の被係止部12a…に噛合されているとき、第二、第三、第四のスナップリング群214,215,216の被係止部12b…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/4に相当するズレ量(3P/4)になっている。
【0061】
この後、図14に示すように、図13に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第二のスナップリング群214の被係止部12b…に噛合される。このとき、第一、第三、第四のスナップリング群213,215,216の被係止部12a…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0062】
続いて、図15に示すように、図14に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第三のスナップリング群215の被係止部12c…に噛合される。このとき、第一、第二、第四のスナップリング群213,214,216の被係止部12a…,12b…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当するズレ量(P/4)になっている。
【0063】
さらに、図16に示すように、図15に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第四のスナップリング群216の被係止部12d…に噛合される。このとき、第一、第二、第三のスナップリング群213,214,215の被係止部12a…,12b…,12c…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとは一致している。
【0064】
その後、挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材204の第一のスナップリング群213の被係止部12a…に噛合され、また、第二、第三、第四のスナップリング群214,215,216の被係止部12b…,12c…,12d…が、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になる。このように、挿入部材5が被挿入部材204の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返される。
【0065】
上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材204に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で、被挿入部材204に断続的に嵌合係止される。
【0066】
上記した構成からなるリング間継手203によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、第1の実施の形態における間隔(P/2)よりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きを、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を一層向上させることができる。
【0067】
以上、本発明に係るセグメントの継手構造の第1、第2、第3の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、挿入部材5(ピンボルト部7)の外周面に形成された凹凸状の係止部8…が軸方向に連続的に形成された鋸目状になっているが、本発明は、図17に示すように、挿入部材305の外周面に、凹凸状の係止部308…が断続的に形成されていてもよい。
【0068】
また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、被挿入部材4の被係止部12…が断面直角三角形状になっているが、本発明は、図17に示すように、被挿入部材304の被係止部312…が断面矩形であってもよく、その他の形状の被係止部であってもよい。また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、係止部8…が断面直角三角形状になっているが、本発明は、被係止部と同様に、断面矩形の係止部であってもよく、その他の形状の係止部であってもよい。
【0069】
また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、複数(第1の実施の形態では4枚、第2、第3の実施の形態では2枚)のスナップリング10…からなるスナップリング群13,14,113〜116,213〜216の間に介在部材11,111,211を介在させているが、本発明は、図18に示すように、スナップリング410…と介在部材411…とを交互に積層させ、各スナップリング410,410の間に介在部材411…をそれぞれ介在させ、係止部408…と被係止部412…とを、互いに異なるピッチ(P´,3P´/4)としてもよい。具体的には、挿入部材405は、係止部408…と平坦部409とを交互に連設した構成からなり、挿入部材405の外周面に係止部408…が断続的に形成された構成からなる。このとき、平坦部409の厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pと同一であり、係止部408…のピッチ(P´)は、係止部408…の厚さ寸法の2倍に相当する値(2P)となっている。一方、被挿入部材404は、厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pと同一である被係止部412…と、厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pの1/2に相当する値(P/2)である介在部材411…とから構成されており、被係止部412…は、係止部408…のピッチ(P´)の3/4に相当するピッチ(3P´/4)となっている。このような構成により、被係止部412…と係止部408…とは、ピッチ数が異なるある間隔で噛合可能となる。これによって、被係止部412…のピッチ(3P´/4)と係止部408…のピッチ(P´)との差分(P´/4)に相当する間隔で、被挿入部材404に挿入部材405が断続的に嵌合係止され、最大目開き幅を、係止部408…のピッチ(P´)の1/4に相当する値(P´/4)、つまり、係止部408…の厚み(P)の1/2に相当する値(P/2)にすることができる。
【0070】
また、上記した実施の形態では、トンネル2の軸方向に隣接するセグメントピース1,1同士を継手するリング間継手における継手構造について説明しているが、本発明は、トンネルの周方向に隣接するセグメントピース同士を継手するピース間継手における継手構造であってもよい。
【0071】
また、本発明は、係止部や被係止部のピッチは適宜変更可能であり、また、被係止部間に形成される間隔寸法(介在部材の厚さ)は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。さらに、係止部や被係止部、被係止部間に形成される間隔(介在部材)の個数は、適宜変更可能であり、被係止部間に形成される間隔(介在部材)の個数を増やすことで、挿入部材と被挿入部材との断続的な嵌合係止の間隔を小さくすることができる。
その他、上記した実施の形態における構成を周知の構成に適宜置き換えてもよく、また、実施の形態における構成を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための複数のセグメントからなるトンネルを表した図である。
【図2】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造(挿嵌前)を表した断面図である。
【図3】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造(挿嵌後)を表した断面図である。
【図4】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図5】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図6】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図7】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図8】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図9】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図10】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図11】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図12】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための被挿入部材の基準線に対する挿入部材の基準線のズレを示した表である。
【図13】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図14】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図15】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図16】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図17】本発明に係るセグメントの継手構造の他の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図18】本発明に係るセグメントの継手構造の他の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 セグメントピース(セグメント)
1b リング間接合端面(接合端面)
3,103,203 リング間継手(継手構造)
4,104,204,304,404 被挿入部材
5,305,405 挿入部材
8,308,408 係止部
10,310,410 スナップリング
11,111,211,311,411 介在部材
12,312,412 被係止部
P,P´ 係止部のピッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するセグメント同士を継手するセグメントの継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル軸方向に隣接するセグメント同士のリング間継手構造として、一方のセグメントのリング間接合面に設けられたピンボルト状の挿入部材を、他方のセグメントのリング間接合面に設けられた筒状の被挿入部材に挿嵌させる構成からなる継手構造がある。挿入部材は、ピンボルト状の部材であって、挿入部材の外周面には、周方向に延在する鋸目状の係止部が軸方向に一定のピッチで連続的に形成されている。また、被挿入部材は、複数の環状のワッシャ(スナップリング)を積層させた構成からなり、被挿入部材の内周面には、係止部に噛合される鋸目状の被係止部(ワッシャの内周部)が、係止部のピッチに対応するピッチで軸方向に連続的に形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記した継手構造では、挿入部材を被挿入部材に挿嵌させる際、係止部や被係止部のピッチに相当する間隔で断続的に挿嵌されることになる。例えば、厚さ2mmのワッシャを積層させた構成からなる被挿入部材の中に、2mmピッチで係止部(鋸目)が形成された挿入部材を挿入させると、挿入部材は2mmづつ断続的に被挿入部材に挿嵌係止されることになる。
【特許文献1】特開2004−108519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の継手構造では、挿入部材が、係止部や被係止部のピッチに相当する間隔で断続的に挿嵌係止されるため、セグメント間の目開きが大きくなり過ぎる場合があるという問題がある。具体的には、係止部や被係止部のピッチが2mmである場合、セグメント間の目開きは最大で2mmとなる。通常、セグメント間の止水性を確保するためには、セグメント間の目開きを1.5mm以下にする必要があるため、2mmの目開きが生じるとセグメント間の止水性が確保できなくなる。一方、係止部や被係止部のピッチを小さくすることで、セグメント間の最大目開きを小さくすることができるが、係止部や被係止部のピッチを小さくすることには限度がある。具体的には、係止部や被係止部のピッチを1.5mm以下にすると、セグメント間の最大目開きは1.5mm以下となるが、係止部や被係止部がせん断破壊され易くなり、挿入部材と被挿入部材との嵌合係止状態が適正に維持できなくなる虞がある。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、係止部や被係止部のピッチを小さくせずに、セグメント間の最大目開きを小さくし、セグメント間の止水性を向上させることができるセグメントの継手構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、隣接するセグメントのうち、一方のセグメントの接合端面には、挿入部材が突設され、他方のセグメントの接合端面には、前記挿入部材が挿入される筒状の被挿入部材が設けられ、前記挿入部材の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部が軸方向に一定ピッチで形成され、前記被挿入部材の内周面には、周方向に延在する凹凸状の被係止部が軸方向に複数形成され、前記被挿入部材の中に前記挿入部材が挿入されて、前記係止部が前記被係止部に噛合されることで、前記挿入部材が前記被挿入部材に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、前記複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、被係止部は、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔が開けられた箇所を挟んで両側にそれぞれ配設された状態となる。例えば、複数の被係止部が、一箇所に所定間隔をあけて形成されている場合、両側の被係止部群のうち、一方側の被係止部群に挿入部材の係止部が噛合され、挿入部材が係止されているとき、挿入部材の係止部と他方側の被係止部群とは噛合されていない状態となる。そして、挿入部材を軸方向に進退させると、挿入部材の係止部は、一方側の被係止部群に再び噛合される前に、他方側の被係止部群に噛合される。このように、断続的に挿嵌される挿入部材の間隔は、係止部のピッチよりも小さくなる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセグメントの継手構造において、前記被挿入部材には、内周部が前記被係止部となる複数のスナップリングと、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、前記複数のスナップリングが積層されているとともに、隣り合う前記スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、前記介在部材が介在されていることを特徴としている。
【0009】
このような特徴により、スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に介在部材を介在させるだけで、複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成される。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、複数設けられ、前記係止部と前記被係止部とは、同じピッチで形成されており、前記被係止部の複数の間隔の寸法又は前記複数の介在部材の厚さ寸法は、次式でそれぞれ表されるとともに、互いに異なる又は同一の値であることを特徴としている。
【0011】
【数1】
【0012】
このような特徴により、例えば、所定厚さの介在部材が複数箇所に介在されることで、複数の被係止部が複数箇所に所定間隔をあけて形成され、複数に区分けされている場合、区分けされた複数の被係止部群のうち、一つの被係止部群に、挿入部材の係止部が噛合され、挿入部材が係止されているとき、挿入部材の係止部と他の複数の被係止部群とはそれぞれ噛合されていない状態となる。そして、挿入部材を軸方向に進退させると、挿入部材の係止部は、他の被係止部群の何れかに噛合され、さらに挿入部材を軸方向に進退させると、順次他の被係止部群に噛合されていく。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、隣り合う各被係止部間にそれぞれ設けられ、前記係止部と前記被係止部とは、互いに異なるピッチで形成されていることを特徴としている。
【0014】
このような特徴により、係止部のピッチと被係止部のピッチとの差に相当する間隔で、挿入部材が被挿入部材に断続的に嵌合係止される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るセグメントの継手構造によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材の間隔は、係止部のピッチよりも小さくなるため、係止部や被係止部のピッチを小さくせずに、セグメント間の最大目開きを小さくすることができ、セグメント間の止水性を向上させることができる。
【0016】
また、被挿入部材には、内周部が被係止部となる複数のスナップリングと、係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、複数のスナップリングが、軸方向に積層されているとともに、隣り合うスナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、介在部材が介在されている構成からなる。これによって、スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に介在部材を介在させるだけで、複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されるため、被挿入部材を容易に製作することができるとともに、介在部材の厚さを調整するだけで、被係止部の間隔の寸法を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るセグメントの継手構造の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基いて説明する。なお、以下の説明の中で、「前方」や「前側」は、トンネル2の掘進方向における「前方」や「前側」であり、図1における左側である。また、「後方」や「後側」は、トンネル2の掘進方向における「後方」や「後側」であり、図1における右側である。
【0018】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態について説明する。
図1は複数のセグメントピース1…(セグメント)からなるトンネル2を表す図である。図1に示すように、湾曲した板形状の複数のセグメントピース1…を筒状に組み立てることでトンネル2が構築される。このとき、トンネル2の周方向に隣接するセグメントピース1,1は、対向するピース間接合端面1a,1a(トンネル2軸方向に延在するセグメントピース1の端面)同士が図示せぬピース間継手を介して接合されることで連結されている。また、トンネル2の軸方向に隣接するセグメントピース1,1は、対向するリング間接合端面1b,1b(トンネル2の周方向に延在するセグメントピース1の端面)同士が複数(図1では4つ)のリング間継手3…(継手構造)を介して接合されることで連結されている。
【0019】
図2は第1の実施の形態におけるリング間継手3の構成を表す拡大断面図である。図1,図2に示すように、リング間継手3は、先に設置されたセグメントピース1の前側のリング間接合端面1b(接合端面)に埋設された筒状の被挿入部材4と、新たに設置するセグメントピース1の後側のリング間接合端面1bに突設されたピン状の挿入部材5とから構成されており、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されることで、隣接するセグメントピース1,1同士を継手させるものである。
【0020】
図3は第1の実施の形態における被挿入部材4と挿入部材5とが継手された状態を表すリング間継手3の断面図である。図2,図3に示すように、挿入部材5は、セグメントピース1のコンクリート内に定着しているアンカー部6と、リング間接合端面1bから垂直に突出しているピンボルト部7とから構成されている。ピンボルト部7の外周面には、ピンボルト部7の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部8…が軸方向に一定ピッチPで形成されており、ピンボルト部7の外周面は、断面形状が直角三角形の係止部8…が連続的に形成された鋸目状になっている。また、ピンボルト部7の先端は、先に向かってテーパー状に窄まった形状になっており、ピンボルト部7を被挿入部材4に挿入し易い形状になっている。
【0021】
被挿入部材4は、セグメントピース1のコンクリート内に埋設されたケース9と、ケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材11とから構成されている。
【0022】
ケース9は、リング間接合端面1b側(被挿入部材4の先端側)が開放されて被挿入部材4の基端側が閉じられた有底円筒状の容器であり、その先端側の内周面には、周方向に延在する凹部9aが形成されている。
【0023】
スナップリング10…は、挿入部材5に形成された係止部8…のピッチPに相当する厚さの環状の板部材であり、複数積層された状態でケース9の凹部9aの中に保持されている。各スナップリング10…の内周部は、断面形状が直角三角形になっており、挿入部材5の係止部8…に噛合係止される凹凸状の被係止部12になっている。各被係止部12…は、ケース9の内周面から内側に張り出され、周方向に延在して形成されている。また、被係止部12…は、軸方向に連続的に形成されており、係止部8…と同一のピッチPで形成されている。
【0024】
また、介在部材11は、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、具体的には、係止部8…のピッチPの半分(1/2)に相当する厚さ(P/2)の部材である。介在部材11は、積層されたスナップリング10…の真中位置に配設されており、凹部9a内に積層されたスナップリング10…は、介在部材11を挟んで、複数(本実施の形態では4枚)のスナップリング10…からなる先端側(開放端側)の第一のスナップリング群13と複数(本実施の形態では4枚)のスナップリング10…からなる基端側(閉鎖側)の第二のスナップリング群14とに分けられている。上記介在部材11によって、ケース9内に保持された複数の被係止部12…は、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔があけられており、具体的には、積層されたスナップリング10…の真中位置に、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)があけられている。
【0025】
次に挿入部材5を被挿入部材4の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手3の挙動について説明する。
【0026】
図4〜図7は第1の実施の形態における挿入部材5を被挿入部材4の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図4〜図7に示すように、挿入部材5を被挿入部材4に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…と、第二のスナップリング群14の被係止部12b…とに交互に噛合されていく。
【0027】
例えば、図4に示すように、被挿入部材4の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材4の第一のスナップリング群13の被係止部12a…に噛合されているとき、第二のスナップリング群14の被係止部12b…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/2に相当するズレ量(3P/2)になっている。
【0028】
この後、図5に示すように、図4に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される前に、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPに相当するズレ量(P)になっている。
【0029】
続いて、図6に示すように、図5に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に再び噛合される前に、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0030】
さらに、図7に示すように、図6に示す状態から挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、係止部8…は、第一のスナップリング群13の被係止部12a…に再び噛合される前に、第二のスナップリング群14の被係止部12b…に再び噛合される。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとは一致している。
【0031】
その後、挿入部材5を被挿入部材4の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材4の第一のスナップリング群13の被係止部12a…に噛合されることになる。このように、挿入部材5が被挿入部材4の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…との噛合が繰り返される。
【0032】
図4〜図7に示すように、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材4の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)で段階的に小さく変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材4に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)で、被挿入部材4に断続的に嵌合係止される。
【0033】
上記した構成からなるリング間継手3によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、係止部8…のピッチPよりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの半分(P/2)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きX(図3に示す)を、係止部8…や被係止部12…のピッチP(厚み)の1/2にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を向上させることができる。
【0034】
また、上記した構成からなるリング間継手3によれば、積層させるスナップリング10…の真中位置において、スナップリング10,10間に介在部材11を介在させるだけで、積層されたスナップリング10…の真中位置で、係止部8…のピッチPの半分(P/2)に相当する間隔をあけて、複数の被係止部12…が形成される。これによって、被挿入部材4を容易に製作することができるとともに、介在部材11の厚さを調整するだけで、被係止部12の間隔寸法を調整することができる。
【0035】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0036】
図8〜図11は第2の実施の形態におけるリング間継手103の図であって、挿入部材5を被挿入部材104の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図8〜図11に示すように、被挿入部材104には、図2に示すケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材111…とから構成されている。
【0037】
介在部材111…は、複数設けられて、被挿入部材104の先端側から第一の介在部材111a、第二の介在部材111b、第三の介在部材111cとなっており、各介在部材111a、111b、111cは、スナップリング10,10の間にそれぞれ介在されている。また、各介在部材111a、111b、111cは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、各介在部材111a、111b、111cの厚さ寸法(被係止部12…の間隔寸法)は、次式でそれぞれ表される。
【0038】
【数2】
【0039】
介在部材111…の厚さ寸法Lは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる値とするため、上式において、整数nと整数iとは異なる整数(n≠i)であり、また、整数nと整数iとは、ピッチPの係数(i/n)が整数にならないような組み合わせとなる。
【0040】
また、各介在部材111a、111b、111cの厚さ寸法は、互いに異なる値であり、具体的には、第一の介在部材111aは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する厚さ(P/4)の部材であり、第二の介在部材111bは、係止部8…のピッチPの1/2に相当する厚さ(P/2)の部材であり、第三の介在部材111cは、係止部8…のピッチPの3/4に相当する厚さ(3P/4)の部材である。
【0041】
スナップリング10…は、各介在部材111a、111b、111cを挟んで、複数(本実施の形態では4つ)のスナップリング群113,114,115,116に分けられている。具体的には、第一の介在部材111aの前方(被挿入部材104の先端側)に配置された第一のスナップリング群113、第一の介在部材111aと第二の介在部材111bとの間に配置された第二のスナップリング群114、第二の介在部材111bと第三の介在部材111cとの間に配置された第三のスナップリング群115、第三の介在部材111cの後側(被挿入部材104の基端側)に配置された第四のスナップリング群116、に分けられている。各スナップリング群113,114,115,116は、それぞれ複数(本実施の形態では2枚)のスナップリング10,10からなっている。
【0042】
このように、第一、第二、第三の介在部材111a,111b,111cによって、第一,第二,第三,第四のスナップリング群113,114,115,116に分けられていることで、ケース9内に保持された複数の被係止部12…は、各介在部材111a,111b,111cの箇所で、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されている。具体的には、複数の被係止部12…は、積層されたスナップリング10…の先端側の位置に、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)をあけ、また、積層されたスナップリング10…の真中位置に、係止部8…のピッチPの1/2に相当する間隔(P/2)をあけ、また、積層されたスナップリング10…の基端側の位置に、係止部8…のピッチPの3/4に相当する間隔(3P/4)をあけて形成されている。
【0043】
次に挿入部材5を被挿入部材104の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手103の挙動について説明する。
【0044】
図8〜図11に示すように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第三のスナップリング群115の被係止部12c…、第一のスナップリング群113の被係止部12a…、第二のスナップリング群114の被係止部12b…、第四のスナップリング群116の被係止部12d…の順番で、各被係止部12a,12b,12c,12dに繰り返し噛合されていく。
【0045】
例えば、図8に示すように、被挿入部材104の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材104の第三のスナップリング群115の被係止部12c…に噛合されているとき、第一、第二、第四のスナップリング群113,114,116の被係止部12a…,12b…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/4に相当するズレ量(3P/4)になっている。
【0046】
この後、図9に示すように、図8に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第一のスナップリング群113の被係止部12a…に噛合される。このとき、第二、第三、第四のスナップリング群114,115,116の被係止部12b…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0047】
続いて、図10に示すように、図9に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第二のスナップリング群114の被係止部12b…に噛合される。このとき、第一、第三、第四のスナップリング群113,115,116の被係止部12a…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当するズレ量(P/4)になっている。
【0048】
さらに、図11に示すように、図10に示す状態から挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材104の第四のスナップリング群116の被係止部12d…に噛合される。このとき、第一、第二、第三のスナップリング群113,114,115の被係止部12a…,12b…,12c…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとは一致している。
【0049】
その後、挿入部材5を被挿入部材104の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材104の第三のスナップリング群115の被係止部12c…に噛合され、また、第一、第二、第四のスナップリング群113,114,116の被係止部12a…,12b…,12d…が、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になる。このように、挿入部材5が被挿入部材104の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返される。
【0050】
図12は、挿入部材5の係止部8…に噛合される被係止部12…を構成するスナップリング群113,114,115,116と、被挿入部材104の基準線Bに対する挿入部材5の基準線Aのズレとの関係を示した表である。
図8〜図12に示すように、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材104の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で、被挿入部材104に断続的に嵌合係止される。
【0051】
上記した構成からなるリング間継手103によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、第1の実施の形態における間隔(P/2)よりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きを、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を一層向上させることができる。
【0052】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態について説明する。なお、上述した第1,第2の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0053】
図13〜図16は第3の実施の形態におけるリング間継手203の図であって、挿入部材5を被挿入部材204の中に挿入させていく過程を表した部分断面図である。図13〜図16に示すように、被挿入部材204には、図2に示すケース9の中に保持された複数のスナップリング10…と、スナップリング10,10間に介在された介在部材211…とから構成されている。
【0054】
介在部材211…は、複数設けられて、被挿入部材204の先端側から第一の介在部材211a、第二の介在部材211b、第三の介在部材211cとなっており、各介在部材211a、211b、211cは、スナップリング10,10の間にそれぞれ介在されている。また、各介在部材211a、211b、211cは、それぞれ、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる厚さ寸法の環状の板部材であり、各介在部材211a、211b、211cの厚さ寸法(被係止部12…の間隔寸法)は、次式でそれぞれ表される。
【0055】
【数3】
【0056】
介在部材211…の厚さ寸法Lは、係止部8…のピッチPを整数倍した値と異なる値とするため、上式において、整数nと整数iとは異なる整数(n≠i)であり、また、整数nと整数iとは、ピッチPの係数(i/n)が整数にならないような組み合わせとなる。
また、各介在部材211a、211b、211cの厚さ寸法は、互いに同一の値であり、本実施の形態では、係止部8…のピッチPの1/4に相当する厚さ(P/4)になっている。
【0057】
スナップリング10…は、各介在部材211a、211b、211cを挟んで、複数(本実施の形態では4つ)のスナップリング群213,214,215,216に分けられている。具体的には、第一の介在部材211aの前方に配置された第一のスナップリング群213、第一の介在部材211aと第二の介在部材211bとの間に配置された第二のスナップリング群214、第二の介在部材211bと第三の介在部材211cとの間に配置された第三のスナップリング群215、第三の介在部材211cの後側に配置された第四のスナップリング群216、に分けられている。
【0058】
次に挿入部材5を被挿入部材204の中に挿入させて隣接するセグメントピース1,1同士を継手する際の、リング間継手203の挙動について説明する。
【0059】
図13〜図16に示すように、挿入部材5を被挿入部材104に挿入すると、挿入部材5の係止部8…は、第一のスナップリング群213の被係止部12a…、第二のスナップリング群214の被係止部12b…、第三のスナップリング群215の被係止部12c…、第四のスナップリング群216の被係止部12d…の順番で、各被係止部12a,12b,12c,12dに繰り返し噛合されていく。
【0060】
例えば、図13に示すように、被挿入部材204の中に挿入部材5が挿入されて、挿入部材5の係止部8…が被挿入部材204の第一のスナップリング群213の被係止部12a…に噛合されているとき、第二、第三、第四のスナップリング群214,215,216の被係止部12b…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。このとき、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの3/4に相当するズレ量(3P/4)になっている。
【0061】
この後、図14に示すように、図13に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第二のスナップリング群214の被係止部12b…に噛合される。このとき、第一、第三、第四のスナップリング群213,215,216の被係止部12a…,12c…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/2に相当するズレ量(P/2)になっている。
【0062】
続いて、図15に示すように、図14に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第三のスナップリング群215の被係止部12c…に噛合される。このとき、第一、第二、第四のスナップリング群213,214,216の被係止部12a…,12b…,12d…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当するズレ量(P/4)になっている。
【0063】
さらに、図16に示すように、図15に示す状態から挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、係止部8…は、被挿入部材204の第四のスナップリング群216の被係止部12d…に噛合される。このとき、第一、第二、第三のスナップリング群213,214,215の被係止部12a…,12b…,12c…は、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になっている。また、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとは一致している。
【0064】
その後、挿入部材5を被挿入部材204の中に更に押し込むと、挿入部材5の係止部8…は、再び被挿入部材204の第一のスナップリング群213の被係止部12a…に噛合され、また、第二、第三、第四のスナップリング群214,215,216の被係止部12b…,12c…,12d…が、挿入部材5の係止部8…に噛合されていない状態になる。このように、挿入部材5が被挿入部材204の中に挿入されるとともに、上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返される。
【0065】
上記した係止部8…と被係止部12a…,12b…,12c…,12d…との噛合が繰り返されるとともに、挿入部材5の基準線Aと被挿入部材204の基準線Bとのズレは、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で変化していく。このように、挿入部材5を被挿入部材204に挿入する際、挿入部材5は、係止部8…のピッチPよりも小さい間隔で、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4に相当する間隔(P/4)で、被挿入部材204に断続的に嵌合係止される。
【0066】
上記した構成からなるリング間継手203によれば、断続的に嵌合係止される挿入部材5の間隔は、第1の実施の形態における間隔(P/2)よりも小さくなり、具体的には、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)の間隔で断続的に嵌合係止されるため、係止部8…や被係止部12…のピッチを小さくせずに、セグメントピース1,1のリング間接合端面1b,1b間の最大目開きを、係止部8…のピッチPの1/4(P/4)にすることができ、セグメントピース1,1間の止水性を一層向上させることができる。
【0067】
以上、本発明に係るセグメントの継手構造の第1、第2、第3の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、挿入部材5(ピンボルト部7)の外周面に形成された凹凸状の係止部8…が軸方向に連続的に形成された鋸目状になっているが、本発明は、図17に示すように、挿入部材305の外周面に、凹凸状の係止部308…が断続的に形成されていてもよい。
【0068】
また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、被挿入部材4の被係止部12…が断面直角三角形状になっているが、本発明は、図17に示すように、被挿入部材304の被係止部312…が断面矩形であってもよく、その他の形状の被係止部であってもよい。また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、係止部8…が断面直角三角形状になっているが、本発明は、被係止部と同様に、断面矩形の係止部であってもよく、その他の形状の係止部であってもよい。
【0069】
また、上記した第1、第2、第3の実施の形態では、複数(第1の実施の形態では4枚、第2、第3の実施の形態では2枚)のスナップリング10…からなるスナップリング群13,14,113〜116,213〜216の間に介在部材11,111,211を介在させているが、本発明は、図18に示すように、スナップリング410…と介在部材411…とを交互に積層させ、各スナップリング410,410の間に介在部材411…をそれぞれ介在させ、係止部408…と被係止部412…とを、互いに異なるピッチ(P´,3P´/4)としてもよい。具体的には、挿入部材405は、係止部408…と平坦部409とを交互に連設した構成からなり、挿入部材405の外周面に係止部408…が断続的に形成された構成からなる。このとき、平坦部409の厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pと同一であり、係止部408…のピッチ(P´)は、係止部408…の厚さ寸法の2倍に相当する値(2P)となっている。一方、被挿入部材404は、厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pと同一である被係止部412…と、厚さ寸法が係止部408…の厚さ寸法Pの1/2に相当する値(P/2)である介在部材411…とから構成されており、被係止部412…は、係止部408…のピッチ(P´)の3/4に相当するピッチ(3P´/4)となっている。このような構成により、被係止部412…と係止部408…とは、ピッチ数が異なるある間隔で噛合可能となる。これによって、被係止部412…のピッチ(3P´/4)と係止部408…のピッチ(P´)との差分(P´/4)に相当する間隔で、被挿入部材404に挿入部材405が断続的に嵌合係止され、最大目開き幅を、係止部408…のピッチ(P´)の1/4に相当する値(P´/4)、つまり、係止部408…の厚み(P)の1/2に相当する値(P/2)にすることができる。
【0070】
また、上記した実施の形態では、トンネル2の軸方向に隣接するセグメントピース1,1同士を継手するリング間継手における継手構造について説明しているが、本発明は、トンネルの周方向に隣接するセグメントピース同士を継手するピース間継手における継手構造であってもよい。
【0071】
また、本発明は、係止部や被係止部のピッチは適宜変更可能であり、また、被係止部間に形成される間隔寸法(介在部材の厚さ)は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。さらに、係止部や被係止部、被係止部間に形成される間隔(介在部材)の個数は、適宜変更可能であり、被係止部間に形成される間隔(介在部材)の個数を増やすことで、挿入部材と被挿入部材との断続的な嵌合係止の間隔を小さくすることができる。
その他、上記した実施の形態における構成を周知の構成に適宜置き換えてもよく、また、実施の形態における構成を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための複数のセグメントからなるトンネルを表した図である。
【図2】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造(挿嵌前)を表した断面図である。
【図3】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造(挿嵌後)を表した断面図である。
【図4】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図5】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図6】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図7】本発明に係るセグメントの継手構造の第1の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図8】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図9】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図10】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図11】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図12】本発明に係るセグメントの継手構造の第2の実施の形態を説明するための被挿入部材の基準線に対する挿入部材の基準線のズレを示した表である。
【図13】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図14】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図15】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図16】本発明に係るセグメントの継手構造の第3の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図17】本発明に係るセグメントの継手構造の他の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【図18】本発明に係るセグメントの継手構造の他の実施の形態を説明するための継手構造を表した部分断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 セグメントピース(セグメント)
1b リング間接合端面(接合端面)
3,103,203 リング間継手(継手構造)
4,104,204,304,404 被挿入部材
5,305,405 挿入部材
8,308,408 係止部
10,310,410 スナップリング
11,111,211,311,411 介在部材
12,312,412 被係止部
P,P´ 係止部のピッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するセグメントのうち、一方のセグメントの接合端面には挿入部材が突設され、他方のセグメントの接合端面には、前記挿入部材が挿入される筒状の被挿入部材が設けられ、
前記挿入部材の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部が軸方向に一定ピッチで形成され、前記被挿入部材の内周面には、周方向に延在する凹凸状の被係止部が軸方向に複数形成され、
前記被挿入部材の中に前記挿入部材が挿入されて、前記係止部が前記被係止部に噛合されることで、前記挿入部材が前記被挿入部材に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、
前記複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【請求項2】
請求項1記載のセグメントの継手構造において、
前記被挿入部材には、内周部が前記被係止部となる複数のスナップリングと、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、
前記複数のスナップリングが積層されているとともに、隣り合う前記スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、前記介在部材が介在されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【請求項3】
請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、
前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、複数設けられ、
前記係止部と前記被係止部とは、同じピッチで形成されており、
前記被係止部の複数の間隔の寸法又は前記複数の介在部材の厚さ寸法は、次式でそれぞれ表されるとともに、互いに異なる又は同一の値であることを特徴とするセグメントの継手構造。
【数1】
【請求項4】
請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、
前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、隣り合う各被係止部間にそれぞれ設けられ、
前記係止部と前記被係止部とは、互いに異なるピッチで形成されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【請求項1】
隣接するセグメントのうち、一方のセグメントの接合端面には挿入部材が突設され、他方のセグメントの接合端面には、前記挿入部材が挿入される筒状の被挿入部材が設けられ、
前記挿入部材の外周面には、周方向に延在する複数の凹凸状の係止部が軸方向に一定ピッチで形成され、前記被挿入部材の内周面には、周方向に延在する凹凸状の被係止部が軸方向に複数形成され、
前記被挿入部材の中に前記挿入部材が挿入されて、前記係止部が前記被係止部に噛合されることで、前記挿入部材が前記被挿入部材に嵌合係止されて、隣接するセグメント同士が継手されるセグメントの継手構造において、
前記複数の被係止部が、少なくとも一箇所で、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる寸法の間隔をあけて形成されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【請求項2】
請求項1記載のセグメントの継手構造において、
前記被挿入部材には、内周部が前記被係止部となる複数のスナップリングと、前記係止部のピッチを整数倍した値と異なる厚さ寸法の介在部材とが備えられ、
前記複数のスナップリングが積層されているとともに、隣り合う前記スナップリング間のうちの少なくとも一箇所に、前記介在部材が介在されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【請求項3】
請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、
前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、複数設けられ、
前記係止部と前記被係止部とは、同じピッチで形成されており、
前記被係止部の複数の間隔の寸法又は前記複数の介在部材の厚さ寸法は、次式でそれぞれ表されるとともに、互いに異なる又は同一の値であることを特徴とするセグメントの継手構造。
【数1】
【請求項4】
請求項1または2記載のセグメントの継手構造において、
前記被係止部間に形成される間隔、又は前記スナップリング間に介在される前記介在部材は、隣り合う各被係止部間にそれぞれ設けられ、
前記係止部と前記被係止部とは、互いに異なるピッチで形成されていることを特徴とするセグメントの継手構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−154568(P2007−154568A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353364(P2005−353364)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000198307)石川島建材工業株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000198307)石川島建材工業株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
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