説明

セグメント状の薬剤の剤形

セグメントを通して割れることによって一方のセグメントと他方のセグメントとを分離するのに適した層状又はセグメント状の制御放出用薬物錠剤が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を含む層又はセグメントと、(a)薬物が無い又は薬物がほとんど無い、(b)第1のセグメントと同じ薬物を含むが、異なる強度又は濃度又は異なる賦形剤を具えているといった一部の異なる製剤を含む、(c)少なくとも1の異なる薬物を含む、組成を具える層状の薬物錠剤を含むものである。
【0002】
特に、本発明は、新規な剤形及び好適な実施例では正確且つ一貫した分割投与を提供できる割ることのできる制御放出医薬品を提供するための新規な方法に関する。本剤形は、深くすることができる刻み目を有するセグメントを具えている。
【背景技術】
【0003】
本発明は、剤形を割る際に生じる可能性のある不正確な又は一貫性のない分割投与、又は複合剤形に含まれる1又はそれ以上の薬物に関する正確な投与の柔軟性の欠如といった、製薬産業に共通の問題を解決するための必要性に由来する。制御放出剤形では、これらの問題は、剤形全体が壊され又は分割されて少量又は別々の投与が行われる場合、制御放出特性が悪くなるよう変えられ又は完全に失われるという事実によって、悪化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬物錠剤は、一般に完全な錠剤によって与えられる投与を変更するよう割ることが知られている。患者がより小さな部分に錠剤を割ることは、不正確な投与の調整方法であることが分かっている。錠剤には多くの場合表向きは割れ易いよう刻み目が設けられているが、標準的な錠剤の刻み目は投与の調整の際に正確さを提供しないという十分な裏付けがある。ワルファリンといった多くの薬物は、治療の際に投与調整を要する。
【0005】
剤形の分割又は壊れに由来する第2の問題は、複合医薬品、すなわち、2又はそれ以上の有効成分を含む1つ又は単一の剤形に関する。複合剤形は、一般に、均一混合物又はカプセルとして製造される。このため、このような複合医薬品を調剤する医師は、複合医薬品の中に含まれる他の有効成分の投与についての当然の比例する調整を行うことなしに、複合医薬品の有効成分のうちの1つの投与のみを調整しない可能性がある。このため、複合薬剤を含む従来の剤形は、不規則に変動する血圧又は薬物に対する副作用の発現といった、状況の変化に対応する柔軟性が欠けていることにより不利である。
【0006】
複合医薬品の有効成分が固定投与錠剤の中で別々の層になっていても、このような剤形を割ることで、−特に標準的な横長の錠剤の上面に従来のパターンで切れ込まれている場合−全ての層にわたって壊れ、相対的に比例的に全ての有効成分を壊す。しかしながら、割る際に細かくなるか粉々に砕けるため、又は剤形が不揃いに壊れて不均一に細分化した投与をもたらすため、従来の層状の錠剤を割っても正確に又は精度良く投与を分割しない。
【0007】
さらに、既知の層状の複合剤形は、活性薬物を含む異なる層間の物理的又は化学的な不適合性の問題を扱うよう主に提供されている。このようなケースでは、適合しない層を分離するのに大きさ(厚さ)が制限された「分離層」が必要であることが特に示唆されている。
【0008】
ある層状の剤形が特許文献に記載されている。例えば、Conteらに付与された米国特許第5,738,874号は、即時放出性薬物組成を具える第1の層と、持続放出性薬物組成を具える第2の層と、バリア組成を具えてその近くの層からの薬物の放出を調整する第3の層と、を有する多層の制御放出錠剤を記載している。このような第3の薬物が無い層は、薬物を含む層間に挟まれていても、錠剤を壊し易く又は割り易くするのに有用ではなく、投与する前に一方の活性層と他方の活性層とを分離して固定用量の複合剤形における一方の薬物のみの投与量を調整又は増量し得ることの利益をもたらさない。
【0009】
Sowdenらによる米国特許出願第2005/0019407A1号は、界面で結合された第1及び第2の部分を具える複合剤形を記載している。これらの剤形は、第1の成形材料及び第2の圧縮材料を有している。投与の調整又は増量に有利な目的のために細分化した形状に剤形を割り易くする記載された剤形の変形例の開示が無い。
【0010】
米国特許第6,602,521号は、刻み目によって包まれた少なくとも2の即時放出性薬物投与パッケージと、持続放出型区画を含む薬物送出多重システムを記載している。制御放出区画のこの特許の開示には即時放出型区画を包まない示唆が無い。
【0011】
Concerta(登録商標)は、縦長の剤形として製造される唯一の市販の医薬品と考えられている。Concerta(登録商標)は、半透膜を有する層状の錠剤であり、その制御放出特性のためにOROS(登録商標)システムを使用する。Concerta(登録商標)を使用するための製造者の指示は、錠剤を割るべきではないと明確に述べている。Concerta(登録商標)は、2つの活性制御放出層間に挟まれた非活性層を有していない。
【0012】
従来技術には薬物錠剤の業界が直面する問題を十分に扱う制御放出剤形が提供されていない。本発明は、本書に記載のように、これらの問題を克服又は軽減することが可能であり、さらなる利点を提供することができ、破断部として有用な特定のセグメントを有するセグメント化した(例えば、層状の)圧縮錠剤を提供することによってさらなる問題を扱うことが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、投与の前に、得られる錠剤の部分からの薬物の放出速さに影響を及ぼすことなしに、一方の活性セグメントを他方の活性セグメントから分離し得るよう有利に構成された制御放出用薬物錠剤に関する。好適な実施例での本発明は、少なくとも2の薬剤的に活性な制御放出(CR)製剤、例えば、圧縮された錠剤の異なる部分又はセグメントとして構成された少なくとも1の活性薬物を具えるCR顆粒、圧縮ビーズ又はペレット、又はマトリクス組成に関係する。有効成分は同一又は異なるものとすることができる。さらに、錠剤は、各活性セグメントに接触して錠剤の割れ部として機能する少なくとも1の非活性の層又はセグメントを具えている。このような構成により、活性セグメントからの薬物の放出速さに影響を及ぼさずに、正確且つ精度の良い活性セグメント(及びそれに含まれている活性薬物)の分割が可能となる。3又はそれ以上の層を有する好適な実施例では、非活性セグメントが2つの活性CRセグメント間に挟まれた分離する層又はセグメントであり、錠剤の他のセグメントを割らずに、この分離層を通して横方向に割ることができるような大きさである。
【0014】
2つの層を有する錠剤の別の好適な実施例では、本発明が、活性薬物を含む制御放出するセグメントに隣接するマトリクス組成といった外側(上部又は下部)セグメントを含んでおり、その中でマトリクス組成が好適には切れ込まれ又はそうでなければ刻み目といった分離マークが設けられている。活性層を完全に通るように分割又は切れ込むことで、3又はそれ以上のセグメントを有する実質的に2層の錠剤を与える。
【0015】
有効成分が異なることで併用医薬品を提供する場合には、好適な実施例は分離セグメントに各有効成分を与えるものである。好適には、併用医薬品の第1の有効成分が第1のセグメントを形成するのに使用される成分で調剤され、第2の有効成分が第2のセグメントを形成するのに使用される成分で調剤される。各有効成分を含む組成は、制御放出組成又は即時放出組成とすることができる。
【0016】
本発明の好適な剤形は、全て1つの剤形の中に含まれている2つの活性セグメントを分ける、又はこのような2つの活性セグメントの間に挟まれているセグメントを含んでいる。挟まれた、又は「中間」セグメントは、実質的に薬物フリー(本書では「非活性セグメント」と称する)であるか、又は第1又は第2の薬物の一方を異なる濃度含んでいるか、又は第3の活性薬物を含んでいる。活性セグメントのこのような分離は、2つの適合しない薬物又は薬物を含む組成を分けるために行うか、又は投与量を正確に分割できる同一又は異なる有効成分を含む2つのセグメント間の割れ部を与える。
【0017】
本発明に係る錠剤に構成されたこのようなマトリクス制御放出組成の利点は、例えば、マトリクス製剤といった活性セグメントに影響を及ぼさずに割ることで活性薬物をそこから放出させるようなセグメントを設けた錠剤が優れていることである。
【0018】
本発明の1つの目的は、小さな部分に割った後に少量を投与でき、割った時に各部分が有効成分を具える部分の一定の露出面を保つ錠剤を提供することである。錠剤全体に均一に分散した活性薬物を有する従来のマトリクス錠剤は、錠剤を割ると割った後に錠剤の表面積が変わるため、活性薬物の異なる放出速さを呈する。本発明の錠剤は、錠剤全体が投与されようが割った部分が投与されようが、錠剤の制御放出部の露出した表面積が一定に保たれるため、薬物放出の一定の溶解又は薬物動態特性を有利に維持し得る。
【0019】
本発明は、圧縮した場合に、少なくとも1のセグメントが「変化する放出」又は「制御放出」製剤に薬物又は複数の薬物を具える錠剤のセグメントを形成する、少なくとも2の長さ方向に配置された異なる層を具えた薬剤を提供する。錠剤が3又はそれ以上のセグメントを含む場合に、少なくとも2のセグメントが、好適な実施例では実質的に同じ製剤に薬物又は複数の薬物の同一の濃度又は量を含んでおり、第3のセグメントが薬理学的に有効量の薬物が無い製剤を具えている。
【0020】
制御放出組成として調剤される少なくとも1のセグメントを具えている本発明のこのような剤形は、制御放出剤形として考えられる。このため、例えば、本発明の3つのセグメントから成る制御放出錠剤の好適な実施例は、2つの「外側」の層又はセグメント及びそれらの間に配置された「内側」の層を有する長手方向に圧縮された錠剤を具えている。外側のセグメントは、好適には、「上部」又は「上側」セグメントと、「下部」又は「下側」セグメントと、を具えている。本発明のこれらの層状又はセグメント状の錠剤の構成は、全体としてそれらの最終的な剤形において非均一の錠剤をもたらす。
【0021】
挟まれた内側層は、好適には1つの界面のみで別の層又はセグメントと接触し、錠剤の他の層又はセグメントを包含又は包まない。説明したようなこのような好適な3つのセグメントから成る構成を具える制御放出剤形では、1又はそれ以上の制御放出組成からの薬物の放出に影響されない内側の非活性セグメントが本発明の部分であると考えられる。
【0022】
本発明の別の好適な実施例は、2又はそれ以上のセグメントを有する薬物錠剤であり、上部及び下部を有しており、錠剤の幅を超える高さを有し、すなわち錠剤はその幅よりも長い。錠剤の「長さ」は、完全に圧縮されて錠剤の型の中に有る場合のその縦方向すなわち錠剤の上部から下部までの寸法に関する。錠剤の「幅」は、その最も幅が広い水平方向の寸法に関する。本発明の錠剤の「縦方向」及び「水平方向」(「水平方向」は「横方向」としても言及される)の軸という用語は、型の中に顆粒を入れる順番とともに、完全に圧縮した場合の錠剤の型の中の錠剤の方向によって決定される。
【0023】
本発明の縦長の錠剤は、錠剤の理論的な縦軸(すなわち、水平方向)を通して、「横長の」構成を有する従来製造される錠剤よりも簡単に割れるよう形成される。本発明の錠剤の好適な使用は、挟まれたセグメントの上下のセグメントを通して割らずに、本発明の3つのセグメントから成る錠剤の挟まれた内側セグメントといった、錠剤の非活性セグメントを通して割ることである。
【0024】
本発明の錠剤は、錠剤全体としてだけではなく、本書で「tablettes」と称するサブユニットに割って、錠剤全体として及びtablette形式のいずれにおいて精度良く投与することができるように、使用するよう構成されている。「tablette」は、少量投与を与えるためにこれらの錠剤を割った後に本発明の錠剤の得られた部分に言及するよう本書で使用される用語である。割る処置は、例えば剤形全体を1回割って2つの「tablette」を形成するといった錠剤全体に適用でき、又は例えば(錠剤全体からの)半分の投与量の「tablette」を4分の1の投与量の「tablette」に割るといったtablette自身のさらなる分割に適用できる。本発明は、多くの好適な実施例で実質的に活性薬物がない顆粒又は他の組成を具えるセグメント(「非活性セグメント」を具える「非活性顆粒」)を使用することによって、これらの目的を実現する。
【0025】
制御放出組成を具える錠剤のセグメントの中に含まれる薬物の放出を防止又は顕著に抑制するセグメントを通して割れることによって、必要に応じて割って錠剤全体に存在する薬物又は複数の薬物の少量投与を形成するように構成された制御放出薬物錠剤を作製することが、本発明の主要な目的の1つである。
【0026】
1つの医薬品及び併用医薬品の双方の正確な投与に本発明を適用することが本発明の別の目的である。
【0027】
併用医薬品についての本発明の使用に関して、1つの顆粒の中の薬物の混合物は、あるセグメントを別のセグメントと分離できる観点からすれば、1つの薬物として作用することに留意されたい。例えば、薬物Aが上部セグメントに治療上有効な量で存在し、薬理学的に有効な量の薬物が無い内側セグメントが2つの外側(すなわち、上部及び下部又は上側及び下側)セグメント間に挟まれており、薬物Bが下部セグメントに治療上有効な量で存在しているような好適な実施例では、本発明は、内側セグメントの長さ、特に「有効長さ」が十分大きくて、外側セグメントを通して実質的に割れずに内側セグメントが錠剤の割れ部として作用し得るような状況で有用である。しかしながら、錠剤の上部及び下部セグメントの全ての成分が物理的及び化学的に互いに適合する場合、従来技術に対して本発明の新規性は内側セグメントの最小限の長さを要しない。
【0028】
外側セグメントの構成要素間に不適合が有る特殊な状況では、従来技術は、錠剤全体の大きさを最小限にする理由又はコストを最小限にする理由から、内側の「分離」セグメントの長さを、不適合の存在を無くすのに必要最小限に限らなければならない。このようなケースでは、本発明は、単に不適合層を分離するために与えられる量と比較して、周知のように過剰な量の内側の分離セグメントを与えてそれを割ることができるような、そのより好適な形式において新規性を有している。
【0029】
上記のような完全な錠剤全ては、少なくとも2の組成的に異なったセグメントを具えており、少なくとも1のセグメントが本質的に変化する又は制御される放出特性を具えている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の3つのセグメントから成る錠剤の断面図を示す。
【図2】図2は、本発明の切れ込みを入れた2つのセグメントから成る錠剤の断面図を示す。
【図3】図3は、活性セグメントを通り抜けて非活性セグメントに入った切れ込みを有する本発明の2つのセグメントから成る錠剤の断面図を示す。
【図4】図4は、本発明の3つのセグメントから成る錠剤の異なる実施例を示す。
【図5】図5は、中間セグメントに切れ込みを有する本発明の3つのセグメントから成る錠剤の実施例を示す。
【図6】図6は、図4の3つのセグメントから成る錠剤の変形例を示しており、錠剤が3つの活性セグメントと2つの非活性セグメントとを具えており、各非有効成分が活性セグメントの間に挟まれたバリアとなっている。
【図7】図7は、図6の5つのセグメントから成る錠剤を示しており、中間の活性セグメントに刻み目を有している。
【図8】図8は、2つの下部セグメントを形成する2つの異なる有効成分と、2つの上部セグメントを形成する2つの異なる有効成分と、上部及び下部の2つのセグメントの間に挟まれた非活性バリアセグメントと、を具えた本発明の5つのセグメントから成る錠剤のさらなる実施例を示す。
【図9】図9は、図8の5つのセグメントから成る錠剤を示しており、中間のバリアセグメントに刻み目を有する。
【図10】図10は、7つのセグメントから成る図8の5つのセグメントから成る錠剤の変形例を示しており、2つの上部活性セグメントが追加して挟まれた非活性セグメントによって分けられ、2つの下部活性セグメントが追加して挟まれた非活性セグメントによって分けられている。
【図11】図11は、一方の活性セグメントを完全に通って錠剤の基層又はベースセグメントとして機能する他方の活性セグメントに入る刻み目を有する本発明の2層の錠剤の断面図を示す。
【図12】図12は、図11の2層の錠剤の変形例を示しており、第3の非活性又はバリアセグメントが第1及び第2の活性セグメントの間に挟まれている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、好適な実施例では、錠剤の部分に割った場合に少なくとも1の有効成分のほぼ正確且つ精度の良い分割投与を与えるよう構成された新規な錠剤に関する。好適な実施例では、本発明の錠剤が層状となっていて、3又はそれ以上のセグメントを具えており、少なくとも1のセグメントが、変化又は制御放出組成として調剤された医薬品有効成分(API)を具えている。より好適には、本発明の錠剤が、制御放出組成として調剤されたAPIを具える上部セグメントと、制御放出組成として調剤されたAPIを具える下部セグメントと、上部及び下部セグメントに挟まれた中間セグメントと、を与えるよう構成されている。中間セグメントの組成は、好適には、上部及び下部セグメントに存在するのとは異なるAPIを具えており、又は実質的にAPIを含んでいない(検出可能であるが実質的に薬剤的に非活性な量のAPIを含んでいる)。
【0032】
上部及び下部セグメントが、実質的に同じ濃度又は量の同じAPIを具えているか、又は異なるAPI又は同一又は異なる濃度又は量のAPIを具えていることに留意されたい。本書で説明及び図示する錠剤全体は、好適には、変化放出特性を本質的に有している少なくとも1のセグメントを具えている。本質的な変化放出特性は、構成要素そのものの放出特性、すなわち、放出の変化又は制御のためにコーティング又は膜等といったセグメントの構成要素の外部の器具又は構成要素を使用しない、構成要素からの薬物又は複数の薬物の(即時放出に対して)変化又は制御放出に関するものである。このため、本発明の好適な錠剤は、意図的に調剤されてこのような変化放出特性を有する1又はそれ以上のセグメントの構成要素による変化放出又は制御放出特性を有する。しかしながら、本発明の1又はそれ以上、又は全てのセグメントでさえも即時放出の構成要素を具えており、このような剤形は本発明の部分とみなされることに留意されたい。
【0033】
「変化放出(altered release)」及び「制御放出(controlled release)」という用語は、当技術分野で良く理解されるように、従来の「即時放出性」製剤からの薬物の放出速度に対して変更された又は「変化する」速さで剤形から有効成分を放出する特性を有する剤形又は構成を含んでいる。このため、「変化」放出は、「制御放出」、「遅延放出」、「持続放出」、「持続性」、「変更放出」、「徐放(slow release)」、「徐放(sustained release)」、「徐放(time releas)」等を含んでおり、これら全ては「即時放出」の後の又はこれよりも遅い放出に言及するものと理解される。
【0034】
腸溶性又は他の材料を具えた製剤により遅れる放出は、遅延時間に続いて即時に放出されるが、当技術分野において一種の「制御放出」であると理解され、本発明の目的とするものであると考えられる。「徐放(slow release)」、「持続放出」、「持続性」、「徐放(time releas)」等は、概して同意語として認識されており、本書でこれらを交互に使用して「遅延放出」ではない「変化する放出」又は「制御放出」製剤を示す。
【0035】
また、「変化する放出」は、製薬業界で良く知られて理解されているような、従来の即時放出錠剤、例えば、飲み込む前に口又は口腔内で分解する急速に分解する錠剤又は迅速に分解する錠剤よりも早い放出速度を意味してもよい。
【0036】
「本質的に変化する放出」という用語は、医薬組成物、例えば、顆粒又はマトリクス組成物の制御放出特性に言及しており、このような組成物からの薬物(drug)又は薬物(drugs)の放出速度は、このような組成物の含有物又は賦形剤によって影響を受け、このような組成物の外側のデバイス又は構成物、例えば、組成物又はその周囲に形成されたコーティング又は膜によっては影響を受けない。
【0037】
「活性剤」、「薬物」、「活性薬物」、「活性医薬品」、「医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)」、「API」及び「薬理活性物質(pharmacologically active agent)」を本書で交互に使用して、(人間又は動物の)臓器に投与されると薬理効果を引き起こし、調剤及び非調剤の医薬品、及びビタミン又は補助因子又は生物学的に有効な塩等を含むミネラルの薬理的に効果がある投与といった物質を含む化学物質又は化合物に言及する。
【0038】
本書では慣例により、以下に説明する理由によって、本発明の完成品の錠剤について一般に議論する際に、「セグメント」という用語を「層」の代わりに使用する。さらに、本明細書にわたる参照及び整合性の都合上、本書の記載は特定の「顆粒」と比較するものとして又はこれを使用するものとしてセグメントに言及する。このような用語は、例えば湿式造粒プロセスにおける顆粒の形成に本質的に限定されない。他の製剤組成物、例えば、直接圧縮マトリクス製剤で使用される均一混合物又は融合物、圧縮錠剤で使用されるコーティング又はコーティングされていないビーズ又はペレット、又は組成物のようなものは、当技術分野で良く知られており、従来の層状の圧縮錠剤技術での使用に適しており、容易にこのような「顆粒」の代わりとすることができ、本発明の範囲内と考えられる。本発明は、これらのそれぞれ代替的に利用できるもの及び良く知られた圧縮可能な製剤方法を含んでいることを、明白に意図するものである。
【0039】
セグメントは、錠剤の実質的に均一な連続した部分全体を表している。しかしながら、セグメントを2以上の層で形成してもよい。2種類の略同一の顆粒が、自動的な高速の錠剤製造の際の2つの連続的な充填工程といった、一方が入った直後に他方が入るよう錠剤の型に連続的に入れられる場合、2種類の顆粒は入った直後にはそれぞれ別々の層を形成するが、圧縮するとそれらは1つのセグメントを具えるであろう。このため、セグメントは、本発明の錠剤がどのくらい有用であることが分かる基本単位である。しかしながら、2つの異なる活性薬物又は同じ活性薬物の異なる塩が、他方の上に圧縮されている場合、それらは2つのセグメントを形成するであろう。また、同じ活性薬物を具えているが異種の賦形剤を具える顆粒は、一方の顆粒が互いに圧縮されるに場合2つのセグメントを形成するであろう。
【0040】
略同一の顆粒で形成された複数の層によって形成されるセグメントは、複合セグメントと称される。複合セグメントは、略同一の顆粒の2又はそれ以上の連続的な充填(供給)が生じるように、比較的多量の非活性顆粒、又は薬物又は複数の薬物を含む顆粒の場合に有用であることが分かっている。
【0041】
略同一の顆粒の上下に配置されない(すなわち、隣接せず接触しない)顆粒から形成される層は単一のセグメントである。
【0042】
本書で使用するように、「水平方向」(「横方向」)及び「上下方向」という用語は、錠剤に関して使用する場合に、型の中で製造される際又は製造後の錠剤であって型から取り出された錠剤又は射出される前の錠剤の空間的な方向に基づいている。現状の製造方法は、このような方法によって製造された本発明の錠剤が、1又はそれ以上の上部(外側)セグメントと、1又はそれ以上の下部(外側)セグメントと、任意に1又はそれ以上の中間(内側)セグメントとを具えるように、型の中に入っている1つの粒が別の粒の上にある状態で錠剤を作り出す。上部又は下部セグメント(すなわち、外側)ではないセグメントは、内側セグメントと考えられる。
【0043】
現在行われているように、別の粒が型の中に上下方向ではなく横方向に(左右に)連続して配置される場合、そのようにして製造された錠剤は、同じような終局産物が横方向の圧縮過程で製造されるため、本発明の範囲内にある。例えば、図1の錠剤が平らなテーブルの上に置かれている場合、型の中で形成される方式で垂直に上下方向に置かれ易くなり、3つのセグメントが全て異なる色の場合、セグメントは上下方向(一方が他の錠剤の上に)ではなく横方向(左右に)に配置されるように思われる。それにもかかわらず、このようなセグメントは用語を一致させるため、上部の上に互いに上下方向に配置されるものと考えられる。
【0044】
本発明に係る錠剤の構成では、外側又は内側セグメントの外側部が外部に露出した面を有している。
【0045】
「検出不能な量」という用語は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴像法(NMRI)等といった従来の分析法で用いる場合、活性化合物の存在が特定できないことを意味する。「薬理学的に非活性な量」という用語は、測定できない薬理学的な効果を有する薬物又は複数の薬物の量を意味する。高速自動製剤機器が作動する状況により、錠剤の形成の際に様々な顆粒の混合が生じることで、存在する薬物といった物質が配置を意図していない層又はセグメントに現れる。
【0046】
「相対的に非活性なセグメント」という用語は、検出不能な量の薬物を含むか、又は別のセグメント又は複数のセグメントにおいて薬理学的に有効な量の濃度が低い薬物又は複数の薬物を含むセグメントに言及するものである。「濃度が低い」とは、相対的に非活性なセグメントの薬物又は複数の薬物の濃度が、別のセグメントの薬物又は複数の薬物の濃度の80%、より好適には、他のセグメントの薬物又は複数の薬物の濃度の20%;しかしながら最も好適には、比が5%よりも大きいことを意味する。1つのセグメントの薬物又は複数の薬物の濃度は、本書では、薬物又は複数の薬物及び非活性な賦形剤を含むセグメントの総重量に対する重量ベースでのセグメントの薬物又は複数の薬物の比を意味する。
【0047】
また、薬理学的に非有効成分、別のセグメントと同じ活性組成、又は別のセグメントとは異なる活性組成を含むセグメントは、有効成分の併用とともに、錠剤の部分に含めて4又はそれ以上の、好適には約4から9の層状のセグメントを形成することができる。これらのさらなる実施例では、特定の内側のセグメントが、外側と内側のセグメント間、又は2つの内側のセグメント間に挟まれた活性組成を具えることが可能である。層又はセグメントの数は、利用可能な層の圧縮器具及び所望の完成品によってのみ制限される。
【0048】
本発明の錠剤は、好適には、ドイツのKorsch AGによって製造されたKorsch 900といった3層又は5層の高速プレスといった層のプレスで製造される。参照することにより盛り込まれているRemington’s Pharmaceutical Sciences 20th Ed.,Mack Publishing Co., Raston.Pa.(2000)の第45章に、圧縮錠剤の作製に使用される様々な方法が記載されている。要約すれば、本発明の錠剤は、例えば少なくとも2の異なる医薬製剤組成物、例えば別々の層又は錠剤セグメントとして構成される顆粒又はマトリクス組成物を上下に圧縮することによって形成される。
【0049】
好適には、対象とする錠剤は上下に配置された3つのセグメントを具えている。本発明の実施例は、その幅よりも長さが長い上下に圧縮された錠剤(「縦長」の錠剤)や、均一にセグメント化した錠剤を含んでいるが、これに限定されない。
【0050】
本発明の好適な錠剤の製造方法の例として、まず、薬理的に活性な薬物の投与量を含む顆粒を型に入れ、第1のセグメントを形成するよう詰める。次に、薬物が無い顆粒(「非活性」な顆粒)又は第1の顆粒と異なる薬物を具える顆粒を型に入れて詰める。この第2の顆粒は、それに隣接したセグメントが割れないように、識別及び割ることができる錠剤の一部を形成する。最後に、薬理学的に有効な量の薬物を含む第3の顆粒を型に入れて任意に詰め、その後最終的な圧縮を行って第3のセグメントを形成し完成した圧縮錠剤が出来上がる。上記は3つのセグメントから成る錠剤に言及するが、任意の段階で追加の層又はセグメントを加えて、所望の層状又はセグメント化した錠剤を与えてもよいことに留意されたい。例えば、追加の活性又は非活性層を上記のように活性セグメント間に挟むことができ、使用する層状にする錠剤のプレス機の能力に応じて4から9個の層又はセグメントを具える錠剤を形成する。1又は全てのセグメントは個別に、長さよりも幅が広くてもよく、錠剤全体がその幅よりも長い。
【0051】
錠剤の型の中に個別の顆粒の量を投入して型の少なくとも一部に充填することによって層が形成される。層は締め固めていない又は締め固めた又は完全に圧縮された顆粒の形式で存在していると考えられる。本発明に係る錠剤の(成人の使用を意図する)適切な寸法は、6mmから24mmといった長さの制限が無い。
【0052】
本発明の錠剤の実施例は、別々のマーク又は刻み目を具えることができる。錠剤のセグメントを形成する上下に配置された層として製造された錠剤では、錠剤の形成の後で錠剤の部分に好適には横方向に刻み目を任意に設けてもよい。代替的に、錠剤の形成の後に、プリントしたライン又は点線、記号又はミシン目といった他の形式の表示を錠剤の面上又は面内に設けてもよく、これら全ては薬物の分割投与を含む錠剤の部分の正確な分離をもたらすという観点から錠剤の所望の破断部を識別し得るためのものである。異なるセグメントに対比色を用いるといった、錠剤を割る可能性のある所望の部分の識別を補助する他の手段を使用してもよい。
【0053】
さらに追加的に、圧縮錠剤に、例えばゼラチンカプセル又は小袋(sachet)といった不活性のカバーを設けることができる。使用時に、例えば従来型のゼラチンカプセルを捻り取りその際に錠剤を取り外すことによって、このカバーを切り離すか又はそうでなければ取り除くことができ、カプセルに入れられていない上記の実施例のように錠剤を扱うことができる。代替的に、カプセル又は小袋に設けられた分離マークが使用者に案内することで、所定の場所で錠剤又はそのカバーを割ることができ、本発明に係る錠剤の正確な分割を与える。カバーは、本発明のセグメント化した又は層状の錠剤を見る患者の一部に関する混乱を最小限又は防止するのに有用である。本発明を制限することなく様々な方法で錠剤にコーティングしてもよい。
【0054】
本発明のある好適な錠剤では、層(及び層が得られる顆粒)を略同一の層(又は顆粒)の上下に配置する(例えば、隣接又は接触する)必要がない。このようなケースでは、1つの層が「単一」セグメントと称されるサブタイプのセグメントを生じるであろう。「セグメント」という用語の使用により、セグメントを単一又は複合物にし得る。
【0055】
必要に応じて本発明の錠剤を割るよう構成したため、このような分割で得られる主要な断片に関する用語が作られている。本発明者は、これに関して「tablette」という用語を使用する。tablette形式の例は、以下の通りである:すなわち、1つの刻み目が形成された単層の均一の標準的な薬物錠剤が割られる。このような分割により、2つの主要な断片が生じ、そのそれぞれがtabletteと称される。いくつかの小片又は破砕が生じるが、少量であるのが好ましい。本発明のセグメント化した層状の錠剤は、本発明を適切に使用して内側のセグメントといったセグメントの中にやすりといった器具で横方向に刻み目を設けるのに都合が良い。刻み目によって錠剤を上手に割ることで、錠剤の2つの主要な断片を表すが小片又は切れ端といった小さな断片を含んでいない、2つのtabletteが生じる。
【0056】
本発明によって製造される多くの錠剤のうち、多層の錠剤プレスで製造される錠剤の例は、以下の通りである:
【0057】
薬物Aを具える第1の顆粒を第1の充填ステーションで型の中に入れ;薬物Bを具える顆粒を第2の充填ステーションで当該第1の顆粒の上に入れ;第1の顆粒と組成及び量の点でほぼ同じ薬物Aを具える顆粒を第3の充填ステーションで入れる。最終的な圧縮の後に、錠剤を型から取り出す。各顆粒を型の中に完全に入れた後、最終的な錠剤製品の層、又はセグメントを形成する。これは、A−B−A構成の錠剤と称される。
【0058】
理想的には、本発明の錠剤を形成するのに使用する製造プロセスのいずれかで、一方のセグメントと他方のセグメントの薬物又は賦形剤を混合しない。しかしながら、実際には、層の形成時に異なる顆粒の最小限の不用意の混合が生じる可能性がある。このため、何らかの混合が予期され、割ることのできる錠剤から正確な投与を与える技術の改善を様変わりさせない。例えば、隣接して調剤されたセグメントでの活性薬物又は顆粒の不適合といったこのような不用意の混合が、特定の製品について不利益の場合には、非活性又は混合可能な組成物を適合しないセグメント間に挟んで、このような混合を防止又は減少させることができる。異なる顆粒は、同一又は異なる色でできていてもよい。湿った顆粒は、多くの場合好適には一方の顆粒から他方の顆粒への材料の移動を制限する。また、粉末の直接圧縮が好適な製造方法である。
【0059】
本発明の錠剤は好適にはコーティングされていないが、美的又は機能的又は他の目的のために従来のコーティングによってコーティングすることができる。しかしながら、これらのコーティングは本発明の錠剤の「層」又は「セグメント」と見なされない。これらのコーティングは、本発明の錠剤の薬物又は複数の薬物の放出動態を顕著に変えない。
【0060】
本発明の錠剤は好適には横方向に割って利益又は利点を実現する。手で力を加えることによって(「手で」という用語は普通に理解される)所望の位置で錠剤を割るか、又は、刃先といった器具を使用して所望の分離部が設けられた分離マークに直接的に力を加えるといった通常の方法で、本発明に従ってそれらを割ってよい。
【0061】
分離マークは、錠剤の分割が望ましい場合に、力を加えて錠剤の分割を開始するのが望ましい面に対して略垂直な方向に分離マーク又はその近くで錠剤を割ることができるように、刻み目として知られた有用な方法でさらなる錠剤の分割をガイドするためのものである。本発明に係る錠剤を、手で力を加えるか又は刃先といった器具によって分離マークに対して直接的に、又は外側のセグメントといった錠剤の他の場所で割ってもよく、これにより錠剤が分離マーク又はその近くで分離マークの方向に割れる。
【0062】
分離マーク又は複数の分離マークは、1またはそれ以上の以下のものを具えてよい。すなわち:
(a)上下方向に向いていないサイドの刻み目
(b)錠剤の少なくとも一方の側又は側面における錠剤の所望の分割領域を表す又は位置決めする表示
(c)1つのセグメント又は2つのセグメントの界面に設けられた帯
(d)錠剤の内側のセグメントであって、第1の下部及び第2の上部セグメントが、同じ色を有しており、薬理学的に有効な量の同じ薬物を含んでおり又はいずれも薬理学的に有効な量の薬物が足らず、そして、第3の内側又は挟まれたセグメントが、第1のセグメントとは異なる色を有しており、第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を有する場合に第1のセグメントと同じ薬物を有しており、又は第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物が足りない場合に薬理学的に有効な量の薬物を有しない、錠剤の内側のセグメント
【0063】
別の実施例では、本発明が2又はそれ以上のセグメントを有する制御放出の圧縮薬物錠剤に係わり、第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物又は複数の薬物を含んでおり、第1のセグメントの中に最大約50%又はそれ以上延びる深い刻み目を有している。より好適には、一実施例では、隣接する第2のセグメントを対向面に有する第1のセグメントの対向面(表面)に向かって第1のセグメントの表面から70%から99.5%の距離の刻み目を形成できる。代替的な実施例では、第1のセグメントを完全に通って第2の隣接するセグメントの中に刻み目を形成する。好適な実施例では、第2のセグメントが第1のセグメントの薬物の最大80%の濃度である検出できない量の薬物を有している。
【0064】
本発明の別の好適な実施例は、例えば、上記のような変形例を使用する:ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を具えた第1の顆粒を型に入れ、続いて非活性顆粒を型に2回入れ、続いて第4及び最後の充填ステーションでメトプロロール(ベータブロッカ)を具える顆粒を制御放出する。最終的な圧縮の後に、(4つの層で形成される)3つのセグメントから成る錠剤を形成する。第1の顆粒で形成される単純なセグメントは下層であり、非活性賦形剤で形成されるこれらの層は2つの内側層であり、錠剤の形成後に中間(内側)化合物層を形成し、最後の顆粒が上層を具えており、本書で規定する単一のセグメントである上部セグメントを最終的な圧縮の後に示す。本書に関する全ての大きさ及び方向は、錠剤の製造方法に関係する。このような好適には縦長の錠剤は、中間及び上部セグメントに若干のHCTZを含んでよく、中間及び下部セグメントに若干のメトプロロールを含んでよい。
【0065】
上記の持続放出メトプロロール/ヒドロクロロチアジド(HTCZ)錠剤を中間セグメントを通して全体的に割った後に、2つのtabletteを形成する。一方のtabletteは、治療上有効な量のHTCZを主に含んでおり、若干のメトプロロールを含んでよく;他方のtabletteは、十分な量のメトプロロールを主に含んでおり、若干量の好適には微量のHTCZに加えて、ある程度の量の中間セグメントを含んでよい。投与量の調整、副作用の取り扱い等に関する重要な治療上の利点は、上記の錠剤の構成から得られ、2つの別々の投与をほぼ完全に形成する追加的な性能が、併用製品から形成する。
【0066】
セグメントを斜めにさせ又は凹ませるケースでの有効長さは、錠剤の上部の形状に容易に反映されるように、割ることを意図する分割又は介在セグメントの長さよりも短い。介在するセグメントの長さは、その最も高い点から上に隣接して配置したセグメントの最も高い点までの垂直距離である。
【0067】
本発明の別の実施例が、好適には単一のセグメントを具えた2層の錠剤を具えている。製品は、顆粒がエンボス加工によって下に凹凸のある非分離層を形成するように、エンボス加工された下部パンチを有する型の中に顆粒が活性薬物を含むことができる。エンボス加工は、そのパターンに限定されない。追加の好適な充填の後に非活性顆粒が型の中に入り、追加の予圧縮の後に最終的な全力での圧縮によって錠剤が形成される。このような圧縮は、特に深い刻み目を形成するように、エンボス加工のほとんど最上の形態のレベルまで第1の下層を押す。型の中に入れた後、各顆粒が層を形成する。また、錠剤の最終的な圧縮の後に、各層を錠剤のセグメントと見なしてもよい。顆粒間の不用意な混合を除いて、錠剤の割れが実質的に非活性セグメントを通って生じるように、上部セグメントが非活性であることで、1回分を再分割する正確さの観点からすれば錠剤に切れ目を入れる既存の方法に対して実質的な改善を与える。あまり好適ではないが、第2の顆粒が第1の顆粒を具える希釈された量の有効成分又は複数の有効成分を含んでいる。第1の顆粒の中に全体に十分な薬物を設けるのが難しい場合、このような方策は有用である。
【0068】
別の好適な実施例は以下の通りである。第1の活性顆粒が型の中のエンボス加工された下部パンチに入り詰められる。第2の非活性顆粒が第2の充填ステーションさらには第3の充填ステーションで型の中に入り、各々の顆粒が型に入った後に追加的又は好適に詰められる。第4の充填ステーションで、第1のステーションからの顆粒が型に入り、追加的及び好適に詰められた後に、最終的な圧縮が行われ、第1の顆粒の最上の部分がエンボス加工した部分の最上の部分の上方に残るように、第1の顆粒を型の中で下方に押す。このようにして第1の顆粒が非分離層を形成する。
【0069】
本例では、組成的に略同一の2層を形成するために2つの同一の顆粒を使用することが、1つの長いセグメントを形成するのに有用である。このようなセグメントは、2又はそれ以上の略同一の非活性顆粒で形成されていようと、又は活性薬物又は複数の薬物を具えていようと、複合セグメントと称される。剤形の効用は、錠剤全体で双方の薬物を併用投与するが、中間セグメントを通して錠剤を割って(顆粒間の不用意な混合が無く)実質的に異なる薬物を具える2つのtablelteを形成するように、それが異なる活性薬物を「縦長の」錠剤の両端に主に配置し得ることである。本発明は、中間セグメントを通してこのように任意に錠剤を割り、その後で必要に応じて第1のセグメント自身を再分割して複数の正確に投与されるtablelteを形成した後に、最も有用に使用される。
【0070】
上記の例は、第1の顆粒と組成的に略同一の第4の充填ステーションで(再び)入れる顆粒を容易に使用する。さらなるセグメントを第5のセグメント及びそれ以上のセグメントとして加えることができるが、錠剤製造のための技術的能力が制限要因となる。さらに、第2のセグメントは、上記の実施例の第1及び第3のセグメントの双方で、活性薬物、又は薬物又は複数の薬物の混合物を具えることもでき、医療行為又は獣医学診療における適合性は中間セグメントにおける薬物又は複数の薬物の性質に関連するが、本発明の効用が持続するであろう。
【0071】
別の好適な実施例は、以下の通りである。薬物を具えた第1の顆粒が錠剤の型の中に入る。0.3mmの長さのエンボス加工が下部パンチを二分する。第2の非活性顆粒が型の中の第1の顆粒の上に入る。錠剤を圧縮する。最終的な圧縮の後の第1のセグメントは、1.0mmの長さである。このため、刻み目は、第1のセグメントの30%を通り抜ける。錠剤は即時放出特性を有する。錠剤は新規なものであり、当技術分野で知られている実質的に非活性なセグメントが無い錠剤に対して実質的な利点が不足しているが、第2のセグメントが錠剤の構造的な支持を与えるためいくつかの利点を有する。
【0072】
このように本発明は、錠剤の薬理学的に活性な部分の中の深い刻み目の新規な製造方法を示唆する。エンボス加工した下部パンチを使用して発明の内容である刻み目を有するセグメントを形成する本発明に係る錠剤の好適な製造方法は、エンボス加工を有しない、あるいはエンボス加工した小さな高さを有する、下部パンチのベースからエンボス加工した部分の上を上方に延びる上部パンチを使用する。
【0073】
エンボス加工した上部パンチ及び好適には平らな下部パンチを用いた異なる製造方法を使用してもよい。このような方法では、本発明の最も好適な錠剤を以下のように使用してもよい。まず、非活性顆粒が型の中に入り任意に詰められる。そして、薬物を具える第2の顆粒が型の中に入り、任意に詰められ、最終的な圧縮が生じる。若干量の薬物がエンボス加工した下部の下に置かれるが、第2の顆粒の大部分は割れ部から離れているため、刻み目の最も深い部分に従来の上下方向の形式で力を加える場合、活性薬物に関する非常に正確な錠剤の割れが起きるであろう。
【0074】
上記の構成の錠剤は2つのセグメントに限定されない。セグメントは、以下のような賦形剤とともに同時に錠剤の型に入る顆粒で形成される本発明の錠剤の連続的な部分を表す。2つの一連の顆粒が同じ活性薬物及び同じ賦形剤を具えている場合、圧縮するとそれらは1つのセグメントを具える。しかしながら、異なる活性薬物又は同じ活性薬物の異なる塩といった2つの異なる活性薬物を圧縮すると、それらは2つのセグメントを具える。同じ活性薬物を具えるが異なる賦形剤を具える顆粒は、1つの顆粒を圧縮する場合、2つのセグメントを具える。
【0075】
本発明の利点は、特定の数の有効成分の錠剤に限定されない。有効成分を含む全てのセグメントが同じ薬物を含んでおり、又はセグメントが異なる薬物を含んでいる。
【0076】
本発明の利点を十分に理解するために、刻み目を錠剤のセグメントの中(又はセグメント間の界面)に設けてもよい。外側セグメントをそのままにしながら刻み目を通して錠剤を割ることで内側セグメントを通して割ることができるように、やすりでほぼ横方向にこのような刻み目を内側セグメントに形成してもよい。
【0077】
さらなる実施例が単一のセグメント構成を有しており、エンボス加工された又は形成前の刻み目が外側の、例えば下部セグメントを完全に抜けるよう構成されている。さらに、錠剤を作製するための同じような手段の後に、錠剤に食用のインクを付けることで、中間セグメントといった錠剤の所望の部分に線を引く。このような適用例は、当技術分野でよく知られている。表示を付けるための他の手段は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0078】
本発明の好適な錠剤は、多くの場合、いずれも4mmよりも大きく6mmを超える高さ及び有効高さHを使用する。錠剤の大きさの制約により、必要に応じてより低い高さ及び有効高さを使用する。
【0079】
本発明の特定の実施例が、本開示に添付した図面に関連して記載されている。この図面は、本発明の錠剤及びtabletteの上下方向の断面図を表している。錠剤は、紙面に向いた場合に錠剤の上部が型の中の錠剤の上部と対応するように、型の中にあるように表されている。換言すれば、視た場合に錠剤の上部セグメントが、型に最後に入る顆粒を収容する。割れていない錠剤から分離する前に型の中にあるように、tabletteが表されている。影を付けた部分は、活性顆粒、すなわち薬物を含む顆粒に由来するセグメントを表しており;クリアな(無地の)部分は非活性顆粒、すなわち非活性薬物で調剤された顆粒に由来するセグメントを表している。
【0080】
「正面図」は、正面として任意に指定された側に対して錠剤を通り抜ける理論的な幾何学的な面を有する錠剤の断面図に言及する。「側面図」と表示された図面もまた対応する「正面図」を有しているが、錠剤全体にわたる正面の右側からの断面図として考えられ、すなわち、側面図が正面の断面図に対して90°の角度で錠剤全体の垂直軸を通過する平面を通過する断面である。各正面図は、錠剤の正面から錠剤又はtabletteの背面に見積もられる横断面の中間点を通過する概略的な断面を表す。また、正面図は、錠剤の主軸に対して平行である(例えば、(正方形ではなく)長方形の横断面を具える錠剤では、長い方の外周が正面の断面を表す面に平行である)。このような面は、錠剤の正面と背面との間の半分の位置に位置している。図面は、錠剤の上下方向の中間点での長方形であるが正方形でない水平断面の錠剤のものである。
【0081】
薬理学的に有効量の薬物又は複数の薬物を含むセグメントは、斜線が引かれており;薬理学的に非活性なセグメントは無地(斜線又は斑点が無いクリアな部分)で示す。整合性のため、型から錠剤を取り出した後にtabletteが形成されるが、錠剤が形成される同じ向きでtabletteが表されている。図面に表されている錠剤の点線は、プリントされたマーク又は他の表示、又は錠剤又はその面に存在する刻み目を表しており、それらが刻み目を表す場合、刻み目は錠剤の中に十分深く延びておらず、正面の断面図に現れない。図に示す刻み目を反映する横方向の点線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限する意図を含んでいない。表面の刻み目を表す正面図の水平方向の点線は概略的であり、刻み目、プリントされたマーク等の上下方向の範囲全体を必ずしも表すものではない。
【0082】
図に示す錠剤の分離マークは、錠剤の面上又はその中に存在する刻み目として表わされており、図の中で点線として表され錠剤の面上又はその中の刻み目の場所(図示せず)を反映し、錠剤の中に十分深く延びておらず正面の断面図に現れない。分離マーク又は他の刻み目の深さは、特に実施例では錠剤の最も幅広の断面の二分の一よりも深くてよいため、図に示す分離マークである刻み目を反映する横方向の点線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを限定することを意図するものではないことに留意されたい。同様に、刻み目を含む図示する錠剤は、刻み目の幅又は範囲を限定しない。表面の刻み目を表す正面図に関する横方向の点線は概略的であり、刻み目の上下方向の範囲全体を必ずしも表さない。(錠剤の幅方向又は深さ方向を通り抜ける切れ目が入った又は非連続的な刻み目は、分離マークを形成する錠剤の他のマーク又は物理的な変化のように本書では表さないが、本発明の範囲内にある。)分離マークとして機能する刻み目又はプリントされた表示は、便宜上本書では、錠剤の上下に向いた面から任意に選択される錠剤の表面上にあると考えられる。錠剤の「側面図」は、正面図から90度回転した錠剤の断面図である。分離マークの大きさは、図面で点線として表示されているものによって制限されない。
【0083】
図1は、本発明に係る3つのセグメントを有する錠剤を示す。好適には、上部セグメントAが薬物又は複数の薬物を含む制御放出組成を具えている。制御放出組成は、好適には、マトリクス組成である。中間セグメントIは、好適には、部分的な投与が望ましい場合に割ることを意図する組成を具えており、錠剤又はその一部が体内に取り込まれた場合にそこを通って薬物が放出するのを防止する。下部セグメントBはセグメントA又はIと同じ組成を具えており、又は様々な即時放出又は制御放出組成を具えることができる。最も好適な実施例では、図1に示すような剤形が、薬物を具えるマトリクス組成の上部セグメントAと、割って剤形から部分的な投与を与えることができ、薬物がそこを通って放出されないようにする剤形である中間セグメントと、薬物を具え上部セグメントの組成と略同一のマトリクス組成の下部セグメントBと、を具えている。
【0084】
図2は、深い刻み目aを具える本発明の2つのセグメントからなる錠剤の断面図を示す。好適には、上部セグメントAが、薬物又は複数の薬物を含む制御放出組成を具えている。制御放出組成は、好適には、マトリクス組成である。下部セグメントIは、好適には、部分的な投与が望ましい場合に割ることを意図する組成を具えており、錠剤又はその一部が体内に取り込まれた場合にそこを通って薬物が放出するのを防止する。最も好適な実施例では、図2に示す剤形が、薬物を具えるマトリクス組成の上部セグメントAと、割って剤形から部分的な投与を与えることができ、薬物がそこを通って放出されないようにする剤形である下部セグメントと、を具えている。
【0085】
図3は、図2に示すような本発明の2つのセグメントからなる錠剤であるが、活性セグメントを完全に通り抜けて非活性セグメントの中に延びるよう形成された刻み目bを有する錠剤の断面図を示す。
【0086】
図4は、本発明の3つのセグメントからなる錠剤の代替的な実施例を示す。好適には、上部セグメントAが薬物又は複数の薬物を含む制御放出組成を具えている。制御放出組成は、好適には、マトリクス組成である。中間セグメントBは、部分的な投与が望ましい場合に割ることを意図する組成を具えている。一実施形態では、セグメントBの組成が、錠剤又はその一部が体内に取り込まれた場合にそこを通って薬物が放出するのを防止し得る不浸透性又は不溶性の組成を具える。中間セグメントBは、活性薬物又は非活性薬物を具えることができる。下部セグメントCは、セグメントA又はBと同一の組成を具えており、又は様々な薬物又は薬物を含む即時放出又は制御放出組成を具えることができる。
【0087】
最も好適な実施例では、図4に示す剤形が、マトリクス組成から薬物を制御放出するための薬物を具えるマトリクス組成の上部セグメントAを具えている。好適な薬物はナイアシンである。中間セグメントBは、好適には非ステロイド系の抗炎症薬(NSAID)、例えば、即時放出調剤の中のアセチルサリチル酸(アスピリン)といったといった別の薬物を具えている。アスピリンの代わりに使用できる他の(NSAID)は、ピロキシカム、セレコキシブ、イブプロフェン、及びインドメタシンを含むがこれらに限定されない。中間セグメントの組成は、割って剤形全体に含まれる薬物の部分投与を与えることができる。代替的に、中間セグメントは、そこを通って薬物が放出するのを防止する組成を具える調合物である。下部セグメントCは、好適には、上部セグメントAの組成と略同一のマトリクス組成の薬物である。
【0088】
代替的に、本発明の剤形が、別々の上部及び下部セグメントA及びCに第1及び第2の活性薬物を具えており、さらにそれらに挟まれた非活性セグメントBを具えている。ある好適な実施例では、剤形が刻み目を具えており、図5に示すように中間セグメントBに設けることができる。
【0089】
図6は、図1の3つのセグメントから成る錠剤の変形例を示しており、錠剤が図4に関して上述したように3つの活性セグメントA、B及びCを具え、さらに2つの(ほとんど薬物がない)非活性セグメントI及びIを具えている。1つの非活性セグメントが間に挟まれ、3つの活性セグメントのそれぞれを分けている。好適には、非活性セグメントがバリア層を形成する組成を具えており、隣接する活性セグメントからそこを通って薬物が放出するのを防止又は抑制できる。中間の活性セグメントの刻み目を有する図6の5つのセグメントからなる錠剤の実施例を図7に示す。
【0090】
図8は、下部の2つのセグメントを形成する2つの異なる有効組成A及びBを具える本発明の5つのセグメントから成る錠剤のさらなる実施例を示す。2つの異なる有効組成は上部の2つのセグメントを形成しており、非活性バリアセグメントが上部の2つのセグメントと下部の2つのセグメントとの間に挟まれている。好適な実施例では、セグメントAがアスピリンといったNSAIDを具えており、セグメントBがナイアシンといった薬物を具えている。非活性の中間セグメントは、好適には割ることができバリア層を形成して隣接する活性セグメントBからそこを通って薬物が放出するのを防止又は抑制する組成を具えている。中間の活性セグメントに刻み目を有する図8の5つのセグメントから成る錠剤の実施例を図9に示す。
【0091】
図10は、図8の5つのセグメントから成る錠剤の7つのセグメントの変形例を示しており、2つの上部活性セグメントA及びBが挟まれている追加した非活性セグメントIによって分けられており、2つの下部活性セグメントが追加した非活性セグメントIによって分けられている。非活性セグメントI及びIは薬剤的に条件を満たしている成分を具えており、好適には実質的に薬物がない即時放出組成を具えている。
【0092】
図11は、活性セグメントA及びBを具える本発明の2層の錠剤の断面を示す。深い刻み目又は完全な刻み目は、好適にはセグメントAを貫通又はほぼ貫通してセグメントBの中に入るよう形成される。活性セグメントBは、錠剤のベース層又はベースセグメントとして機能し得る。好適な実施例では、セグメントAがナイアシンといった薬物を具えており、セグメントBが例えばアスピリンのようなNSAIDといった薬物を具えている。
【0093】
図12は、図11の2層の錠剤の変形例を示しており、第3の非活性又はバリアセグメントIが第1及び第2の活性セグメントA及びB間に挟まれている。非活性の中間セグメントは好適にはバリア層を形成する組成を具えており、隣接する活性セグメントAからそこを通って薬物が放出するのを防止又は抑制する。
【0094】
親水性のマトリクスシステムは、固形の経口剤形の薬物の送出を制御するのに最も広く使用される手段の一つである。マトリクスシステムの調剤及び製造は、薬の錠剤の製造の分野で従来からある。商用の設備及び従来の処理方法で錠剤を製造できる。
【0095】
以下は、活性製剤を含むマトリクス制御放出錠剤を構成するのに使用できる活性製剤であり、本発明に係る非活性組成製剤を含む。
【実施例1】
【0096】
a.メトプロロール・コハク酸エステルの組成(活性#1)

【0097】
b.非活性組成
中間セグメントの構成要素 Mg.

無水第二リン酸カルシウム 158.59
ステアリン酸マグネシウム 2.79
PVP K−30 2.62
----------------------------------------------------------------------
164.00

例えば、以下の混合手順を用いてこの組成を調整できる:
1.粉末の混合(V形ブレンダ):
薬物、賦形剤/充填剤及びポリマーをV形ブレンダに装填して、10分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを加えて2分間混合する。
2.粉末の混合(高せん断混合機):
薬物及びポリマーを高せん断混合機に装填して、200rpmのメインブレード速度及び1000rpmのチョッパ速度で1分間混合し、確実に均一にする。このような予混合ステップの後、ステアリン酸マグネシウムを加えて同じ速度で2分間混合する。
【0098】
c.調剤
0.131インチ×0.3222インチの楕円形の凹形錠剤パンチを具えた、27ステーションのStokes3層ロータリー式錠剤プレス機を用いて混合物を錠剤化する。下部セグメントが始めに型の中に導入される。選択した処方箋に応じて、300mgから450mgの間で錠剤の重量を調整する。そのように作製した錠剤は、約10mmの長さで;非活性中間セグメントが5mmから8mm長さの間で変化し、4mmの幅である。加えた圧縮力は、約6000ポンド(26.6kN)である。
【0099】
d.錠剤化機器
1.活性薬物(活性#1)のマトリクス粉末の混合物をホッパ#1にセットする。
2.第2のセグメント(層#2)用の非活性合成粉末をホッパ#2にセットする。
3.層#3用の活性薬物(活性#1)のマトリクス粉末の混合物をホッパ#3にセットする。
4.所望の重量にセグメントを圧縮する。(活性#1用の錠剤はソフトに詰めなければならない)。
5.活性#1及び非活性層#2の所望の総合重量に活性#1及び非活性層#2の錠剤を圧縮する(錠剤はソフトに詰めなければない)。
6.所望の総合重量(活性#1の重量+層#2の重量+活性#1(層#3)の重量)に3層の錠剤を圧縮する。
【実施例2】
【0100】
以下の処方箋に従ってアルプラゾラムの活性組成の製剤を調整できる。

【0101】
当業者には明らかなように、重量及び成分量の適切な変更を行ってアルプラゾラムの活性製剤を実施例1に記載するように調整できる。実施例1で与えられたような錠剤化機器をアルプラゾラム生成物の調整に使用できる。
【実施例3】
【0102】
以下の処方箋に従ってプロメタジン活性組成の製剤を調整できる。

【0103】
当業者には明らかなように、適切な変更を行って実施例1に記載するようにプロメタジン活性製剤を調整できる。
【実施例4】
【0104】
(1)マトリクス製剤にナイアシンを具える活性な上部又は上位セグメントと、(2)マトリクス製剤にナイアシンを具える活性な下部又は下位セグメントであって、上部及び下部セグメントが分けられている下部又は下位セグメントと、(3)従来の即時放出製剤のアスピリンを具える中間セグメントと、から成る3つのセグメントを有する錠剤を作製できる。27ステーションのStokes3層ロータリー式錠剤プレス機を用いて錠剤のセグメントを層状にできる。
【0105】
全ての製剤は、直接的に圧縮可能な組成を具えており、薬剤の製造分野でよく知られているように従来の方法及び処理を用いて製造される。例えば、Patterson−Kellyの「V型」混合機で粉末の混合製剤を実施できる。当分野で通常知られている任意の手段によってコーティングを行うことができるが、コーティング処理の際に固着防止剤がコアにかかる場合、コーティング処理のためにロータリー式造粒機又はpan塗装機を使用するのが好ましい。コーティング溶液の中に懸濁させることによって固着防止剤を付ける場合、コーティング処理のために流動床塗装機又はロータリー式造粒機を使用するのが好ましい。
【0106】
例えば、0.131インチ×0.3222インチの楕円形の凹形錠剤パンチを用いて錠剤が35キロポンドの硬さに圧縮される。下部セグメントが型の中に初めに投入される。錠剤の重量は300mgである。そのようにして製造された錠剤は、約11mmの長さで;非活性中間セグメントが約5mmから8mm長さの間で変化し、4から6mmの幅である。
【0107】
ナイアシン/キサンタンゴム錠剤の処方箋及びそれらの調整方法は、以下の通りである。
【0108】
ナイアシンベースの顆粒:ロッシュ社製ナイアシン(ニコチン酸)97.7%、マルトデキストリンM−100 3.0%。ナイアシンを流動床凝集機に充填して、マルトデキストリンを15%の水和溶液として振りかけ良好な流動性とともに凝集及び圧縮をもたらした。最終的な顆粒は、米国メッシュサイズで20メッシュの大きさであった。
【0109】
ナイアシンベースの顆粒61.9%、キサンタンゴム(Keltrol SF)37.4%、ステアリン酸0.7%。この成分を良く混合して840mg/錠剤の重量でカプレットパンチを用いて12kpの硬さに圧縮した。
【0110】
各840mgの錠剤は:
ナイアシン 504.4 mg
キサンタンゴム 314.2 mg
ステアリン酸 5.9 mg
マルトデキストリン 15.5 mgを与える。
【0111】
キサンタンゴムを盛り込む本組成は、胃腸管の中への有効成分の満足な持続放出を示す。
【0112】
錠剤化機器
1.ナイアシン活性層用の粉末をホッパ#1にセットする。
2.アスピリン活性層用の粉末をホッパ#2にセットする。
3.ナイアシン活性層用の粉末をホッパ#3にセットする。
4.所望の重量に層1#の錠剤を圧縮する(層#1用の錠剤はソフトに詰めなければならない)。
5.所望の総合重量の層#1及び層#2の錠剤の重量に、層#1及び層#2を圧縮する(錠剤はソフトに詰めなければない)。
6.所望の総合重量(層#1の重量+層#2の重量+層#3の重量)に3層の錠剤を圧縮する。錠剤は所望の硬さを有しなければならない。
【実施例5】
【0113】
製剤及び錠剤の製造の当業者にとって明らかなように適切に変更して、上記の実施例1から5のうちのいずれかの方法及び手順を用いて治療量のフェニトインを具える製剤を調整できる。
【実施例6】
【0114】
製剤及び錠剤の製造の当業者にとって明らかなように適切に変更して、上記の実施例1から5のうちのいずれかの方法及び手順を用いて治療量のベンラファクシンを具える製剤を調整できる。
【0115】
前述の説明から明らかになっているものの中の上記の目的は効果的に達成され、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに上記の構成の特定の変更を行ってもよいため、上記の記載に含まれる全ての内容は具体例として解釈され限定する意味に解釈されるものではない。
【0116】
最も現実的且つ好適であると考えられる方法で本発明を図示及び説明したが、多くの変更が可能であり本発明の範囲内であると認識されるため、添付の特許請求の範囲はあらゆる等価なものを享有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントを具える剤形であって、
制御放出組成の薬物を具える第1のセグメントと、
前記第1のセグメントから前記薬物が放出されるのを防止又は抑制する組成を具える第2のセグメントと、を具えており、
前記第2のセグメントが、前記第2のセグメントが破断した後に前記第1のセグメントが正確に分割投与されるように、割れ易いことを特徴とする剤形。
【請求項2】
前記剤形が錠剤であることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
前記第2のセグメントの組成が、前記錠剤が割れていない場合及び前記錠剤が前記第2のセグメントを通して割れた場合のいずれにおいても、前記第1のセグメントから前記薬物が放出されるのを防止又は抑制することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項4】
前記制御放出組成が、圧縮ビーズ(bead)又はペレット組成及びマトリクス組成から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項5】
前記剤形が、プリントマーク、ゼラチンバンド、カラー表示、及び刻み目から選択される分離マークを具えていることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項6】
前記錠剤が基本的に2つのセグメントから成ることを特徴とする請求項2に記載の錠剤。
【請求項7】
前記錠剤が基本的に3つのセグメントから成ることを特徴とする請求項2に記載の錠剤。
【請求項8】
前記錠剤が基本的に5つのセグメントから成ることを特徴とする請求項2に記載の錠剤。
【請求項9】
前記刻み目が前記第1のセグメントの少なくとも70%に延びていることを特徴とする請求項5に記載の剤形。
【請求項10】
前記刻み目が前記第1のセグメントの95%を超えて延びていることを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の剤形。
【請求項11】
前記第2のセグメントが、服用者が摂取した後に前記第1のセグメントに存在する全ての薬物が前記第1のセグメントから前記第2のセグメントを通って放出されるのを実質的に抑制することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項12】
前記第2のセグメントが、服用者が摂取した後に前記第1のセグメントに存在する少なくとも75%の薬物が前記第1のセグメントから前記第2のセグメントを通って放出されるのを抑制することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項13】
完全な錠剤の前記第1のセグメントの中に存在する薬物の薬物動態又は薬物放出特性が、前記第2のセグメントを通して前記完全な錠剤が割れた後の前記薬物の薬物動態又は薬物放出特性と略同一であることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項14】
薬学的に有効量の薬物を具える各セグメントに制御放出組成を具えていることを特徴とする請求項7に記載の錠剤。
【請求項15】
前記錠剤が、組成的に略同一の2の制御放出セグメントを具えていることを特徴とする請求項14に記載の錠剤。
【請求項16】
製造時に錠剤の型に配置されるとおりに、前記第1のセグメントが前記第2のセグメントの上にあり、前記第3のセグメントが前記第2のセグメントの下にあることを特徴とする請求項14に記載の錠剤。
【請求項17】
前記第2のセグメントが、前記第1及び第3のセグメントの少なくとも一方に隣接していることを特徴とする請求項14に記載の錠剤。
【請求項18】
前記剤形の少なくとも1のセグメントがコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項19】
前記コーティングが、前記第1のセグメントの中に存在する薬物の放出動態に実質的に影響を及ぼさないことを特徴とする請求項18に記載の剤形。
【請求項20】
前記剤形が形成された後に前記刻み目が作成されることを特徴とする請求項5に記載の剤形。
【請求項21】
さらに、前記剤形が、前記第2のセグメントと前記第1のセグメントとの間に挟まれた第3のセグメントを具えており、
前記挟まれたセグメントが水溶液に実質的に溶けないことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項22】
前記薬物が、アルプラゾラム、アスピリン、ピロキシカム、セレコキシブ、イブプロフェン、インドメタシン、ディダノシン、炭酸リチウム、メトプロロール、ニコチン酸又はナイアシン、フェニトイン、塩化カリウム、テオフィリン、及びベンラファクシン、又は、塩、水和物、多形体、誘導体、又はそれらのプロドラッグから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項23】
前記剤形が完全な錠剤として提供される請求項1に記載の剤形の使用方法であって、
a)前記第2のセグメントを通して前記完全な錠剤を割って、前記第2のセグメントを割る前の前記第1のセグメントと同じ投与量を実質的に含む前記第1のセグメントを具える錠剤部分を用意するステップと、
b)前記第1のセグメントを具える錠剤部分を患者に投与するステップと、
を具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
割った後の前記第1のセグメントの投与量が割る前の投与量の90%よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
割った後の前記第1のセグメントの投与量が割る前の投与量の95%よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
割った後の前記第1のセグメントの投与量が割る前の投与量の99%よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
割った後の前記第1のセグメントの投与量が割る前の投与量の99.5%よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
割った後の前記第1のセグメントの投与量が割る前の投与量の99.9%よりも大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のセグメントが、前記第2のセグメントが前記第1のセグメントに直接的又は間接的に隣接する界面で、前記第1のセグメントからの薬物の放出に対するバリアを与えており、
前記薬物の放出に対するバリアが、50%又はそれ以上の前記薬物が前記第1のセグメントから前記界面を通って放出するのを防止することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項30】
前記薬物の放出が75%以上抑制されることを特徴とする請求項29に記載の剤形。
【請求項31】
前記薬物の放出が90%以上抑制されることを特徴とする請求項29に記載の剤形。
【請求項32】
前記薬物の放出が95%以上抑制されることを特徴とする請求項29に記載の剤形。
【請求項33】
さらに、前記第1及び第2のセグメント間に挟まれた第4のセグメントと、
前記第2及び第3のセグメント間に挟まれた第5のセグメントと、
を具えていることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項34】
前記第4及び第5のセグメントが、非活性又は実質的に薬物の無い組成を具えていることを特徴とする請求項33に記載の剤形。
【請求項35】
前記第4及び第5のセグメントが、薬物がそれに隣接する活性セグメントから分離又は放出するのを防止又は抑制するバリア層を具えていることを特徴とする請求項34に記載の剤形。
【請求項36】
前記第1及び第3のセグメントが同じ活性組成を具えており、
前記第2のセグメントが非活性組成を具えており、
前記剤形が、さらに、前記第1のセグメントに隣接する第4のセグメントと、前記第3のセグメントに隣接する第5のセグメントと、を具えていることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項37】
前記第2のセグメントの非活性組成が、それに隣接する活性セグメントから薬物が分離又は放出するのを防止又は抑制するバリア組成であることを特徴とする請求項36に記載の剤形。
【請求項38】
さらに、前記第1及び第4のセグメント間に挟まれた第6のセグメントと、前記第2及び第5のセグメント間に挟まれた第7のセグメントと、を具えていることを特徴とする請求項36に記載の剤形。
【請求項39】
前記第6及び第7のセグメントが非活性組成を具えていることを特徴とする請求項38に記載の剤形。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2009−541341(P2009−541341A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516682(P2009−516682)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/071567
【国際公開番号】WO2007/149860
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508144875)エーシーシーユー−ブレイク テクノロジーズ,インク. (5)
【Fターム(参考)】