説明

セフキノム粒子を製造する方法

酸、好ましくは硫酸をベタイン溶液に添加する、セフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸塩をセフキノムベタイン溶液から沈殿させることによるセフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子の製造のための方法が開示される。本発明によれば、酸、好ましくは硫酸は、40%〜100%未満のモル過剰でシングルショットで素早く添加される。結果として、マイクロスケールの一次結晶粒子の凝集体を含む粒子が形成される。これにより、微粉化された材料に相応する粒度であるが安定性の向上したセフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸セフキノムの粒子を得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セフキノム酸付加塩の粒子の製造に関する。特に、本発明は、粉砕または微粉化などの高エネルギーの微粉化を行わずに所望の粒度範囲の硫酸セフキノム結晶を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セフキノムは、ヒトおよび動物に、とりわけウシ呼吸器疾患、ブタのパスツレラ感染症を処置するために、および高い抗菌活性が求められる多くのその他の用途のために使用される抗生物質である。セフキノムは、一般に酸付加塩、好ましくは硫酸塩の形をとる。硫酸セフキノムは、次式の化学構造を有する。
【0003】
【化1】


この構造の化学名は、1−[[6R,7R)−7−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)グリオキシルアミド]−2−カルボキシ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−3−イル]メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロキノキノリニウムヒドロキシド、内塩7−(Z)−(O−メチルオキシム)、硫酸塩である。
【0004】
硫酸セフキノムおよびその他の酸付加塩の合成は、例えば、欧州特許第280157号または米国特許公開第2006/0100424号から公知である。
【0005】
無菌の硫酸セフキノム粒子を製造するための既存の方法は、硫酸セフキノムの水中懸濁液を準備する段階、アルカリ(一般にNaOH)を前記硫酸塩に添加し、それに続いて有機溶媒(一般にアセトン)を添加して対応する硫酸塩(NaSO)の沈殿を得、セフキノム遊離塩基(実際にはベタイン)の溶液を保持する段階、ベタイン溶液の濾過滅菌を実施する段階、および、硫酸を添加して無菌の硫酸セフキノム粒子を生成するか、または、任意のその他の酸を添加して任意の対応する無菌のセフキノム塩粒子を生成する段階を含む。
【0006】
薬物は、とりわけ注入用製剤として、一般に懸濁液、例えばオレイン酸エチル中の形態で提示されるか、または、Miglyolの商標名で公知の飽和ココナツおよびパーム核油由来のカプリル酸およびカプリン脂肪酸とグリセリンまたはプロピレングリコールのエステルの種類で提示される。国際公開第03/063877号に記載されるように、狭い粒度範囲の小型粒子の形態の抗菌剤の使用は、より粗い材料と比較して有利である。かかる小型粒子の実際に実現可能な粒度分布は、例えば、
d(50)≦7μm
d(90)≦15μm
d(100)≦50μm
である。
【0007】
ここに、欧州特許第280157号または米国特許公開第2006/0100424号に従って調製された前述の無菌の硫酸セフキノム粒子は、粗大すぎるため、高エネルギーの微粉化法によって、一般に粉砕または微粉化によってサイズを縮小する必要がある。
【0008】
セフキノムは一般に安定した生成物を生じるが、セフキノム粒子を物理的安定性の点でさらにもっと改良したい、かつ、特に沈降に対する低い脆弱性に関して、安定したセフキノム懸濁液を提供したいという要望が存在する。さらに、前述の内容は、好ましくは前述の粒度分布を満たすセフキノム粒子に基づいて実現されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第280157号
【特許文献2】米国特許公開第2006/0100424号
【特許文献3】国際公開第03/063877号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の要望の1以上により良く対処するために、本発明は、一態様において、酸がベタイン溶液に添加され、かつ酸、特に硫酸の添加が40%〜100%未満のモル過剰でシングルショットで行われる、セフキノム酸付加塩をセフキノムベタイン溶液から沈殿させることによる、セフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸セフキノムの粒子の製造のための方法を提示する。
【0011】
本発明は、別の態様では、前述の方法により得ることのできるセフキノム酸付加塩粒子、特に硫酸セフキノム粒子を提示する。
【0012】
なおさらなる態様では、本発明は、好ましくは0.05μm〜100μmの範囲の、セフキノム酸付加塩、特に硫酸セフキノムの結晶を提示する。
【0013】
さらにもう一つの態様では、本発明は、d(50)≦7μm、d(90)≦15μm、およびd(100)≦50μmの粒度分布の、セフキノム酸付加塩の粒子、特に硫酸セフキノム粒子を提供し、この際、粒子は粉砕または微粉化されていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(Folmulation,Franceにより供給)によって測定される処方物Aの、測定用セルの中央での4時間の清澄化動態(clarification kinetic)を表す。
【図2】巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(Folmulation,Franceにより供給)によって測定される処方物Bの、測定用セルの中央での4時間の清澄化動態を表す。
【図3】巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(Folmulation,Franceにより供給)によって測定される処方物Cの、測定用セルの中央での4時間の清澄化動態を表す。
【図4】巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(Folmulation,Franceにより供給)によって測定されるCobactan2.5%の、測定用セルの中央での4時間の清澄化動態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の態様において、本発明は、セフキノム酸付加塩の粒子の製造のための方法である。上記の背景に関して、本発明のプロセスは、セフキノム遊離塩基の溶液(すなわちベタイン溶液)に基づく。
【0016】
酸付加塩を調製するために、適した酸をベタイン溶液に添加する。これらの酸は、有機酸であっても無機酸であってもよく、一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、鉱酸が好ましい。
【0017】
適した酸としては、例えば、HCl、HBr、HI、HF、HNO、HClO、HSCN、脂肪族モノ−、ジ−もしくはトリカルボン酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、または好ましい生理学的に許容される酸、例えば、モノマレイン酸陰イオンHOOCCH=CHCOOを有する塩を得るためのマレイン酸などが挙げられる。別の適した有機酸はナフトエ酸である。好ましいセフキノム酸付加塩としては、セフキノム二塩酸塩、セフキノム二ヨウ化水素酸塩、硫酸セフキノム、セフキノム−6−ヒドロキシナフトエ酸塩、セフキノム−ナフトエ酸塩、セフキノム2,4ジヒドロキシ安息香酸塩が挙げられる。最も好ましい塩は、硫酸セフキノムである。
【0018】
理論に縛られることを望むものではないが、本発明者らは、酸(例えば好ましい硫酸セフキノムの場合には硫酸)をセフキノムベタイン溶液に付加するための投与計画は、最終的な粒度に予想外の影響を及ぼすと考える。
【0019】
投与は、シングルショットで行われる。これは、このシングルショットが、複数の2またはそれ以上の重複する注入、すなわち、注入と注入の間が途切れることなく、1回目の注入の後に2回目の注入およびまたはさらなる注入の続く注入を含むこともあり得るという事実を排除するものではない。しかし、これは、所望の酸が全て非常に短い時間(15分未満、好ましくは10分未満、特に5±2分または5分未満)で添加される一度だけの注入をさし、より多くの時間がかかる方法であり、一定のpHとするためにより多くの時間をとる、欧州特許第280157号に記載されるpH=1.3への、または米国特許公開第2006/0100424号に記載されるpH=1.8へのpHの調節とは対照的である。
【0020】
投与は、少なくとも40%〜100%未満のモル過剰の状態である。このことは、存在するセフキノムの量に基づいて計算すると、酸(すなわち、硫酸セフキノムを調製する場合には硫酸)が、少なくともその1.4当量〜2.0当量未満で添加されることを意味する。加工性を考えると、この過剰はあまり高くないことが好ましい。好ましくは、特に、最も好ましい粒度分布を満たすセフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノムを製造することを目的として、酸、好ましくは硫酸は、70〜99%または70〜90%、より好ましくは75〜85%、最も好ましくは80〜85%のモル過剰で添加される。従って、酸、好ましくは硫酸を80〜85%のモル過剰で直接提供するシングルショットが最も好ましい実施形態である。
【0021】
ベタイン水溶液は、ケトンまたはアルコールのような任意の水混和性有機溶媒中に存在し得る。好ましい溶媒としては、アセトンおよびエチルアルコールが挙げられ、最も好ましくは、アセトンと水の混合物が使用される。本明細書においてこれら2種類の溶媒(溶媒/水)の比は、0〜1.7、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは1〜1.5の範囲で変動し得、最も好ましくはこの溶媒/水の比は1.2である。
【0022】
混合した有機溶媒および水性溶媒の使用は、粒子沈殿(結晶化)のプロセスを操作する際に有利に用いることができる。その上、水の置換洗浄を実施することにより粒度分布を操作することができる。
【0023】
セフキノムベタイン溶液の濃度は、0.165〜0.196mol/Lで変動し得る。好ましくは、セフキノムは、0.165〜0.166mol/Lの濃度で存在する。
【0024】
粒子を製造するために、酸、好ましくは硫酸の添加の後に結晶化が続く。溶媒および温度に応じて、酸、好ましくは硫酸の添加による硫酸塩の形成の結果としてこの結晶化が(好ましいように)自動的に起こることは、当業者には明らかである。このことは、有機溶媒と水性溶媒の好ましい組合せ、最も好ましくはアセトン/水を使用する場合に特にそうである。
【0025】
好ましい粒度を有する粒子を得ることを目的として、結晶化の時の温度を調整する(tailored)ことがさらに好ましい。一般に、加工という観点からすれば、酸、好ましくは硫酸は、0℃〜100℃の広い温度範囲にわたって添加することができる。しかし、酸、好ましくは硫酸は、0℃〜35℃、好ましくは15℃〜21℃の(ベタイン溶液の)温度で、最も好ましくは19℃〜21℃の温度で添加されることが好ましい。
【0026】
酸、好ましくは硫酸をベタイン溶液に添加する直接的または間接的結果として、セフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸セフキノムの粒子は沈殿する。これらが結晶質、非晶質、または両方の混合物であり得ることを反映するために、本明細書において粒子に言及する。しかし、理論に縛られることを望むものではないが、本発明者らは、本発明に従って製造される粒子は、実際には結晶質であると考える。
【0027】
驚くべきことに、本発明の方法により、既存のセフキノム酸付加塩粒子、特に硫酸塩粒子とは異なる、セフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子を製造することができる。後者は、懸濁注入液の良好な注入性(syringability)および再懸濁性のために微粉化により所望の粒度に調節しなければならない粒子となる。
【0028】
本発明の方法は、懸濁注入液の良好な注入性および再懸濁性(物理的安定性)を有する粉砕もしくは微粉砕材料の、前述のPSDに匹敵する粒度分布(PSD)を有する粒子をもたらす。
【0029】
驚くべきことに、本発明に従って製造される粒子は、さらに小さな一次粒子の弛く密集した凝集体を含む。これらの一次粒子の粒度は、一般に0.05〜50μm、好ましくは0.07〜10μmの範囲内であり、少なくとも75%の粒子は0.07〜0.3μmの範囲内、好ましくは0.08〜0.275μmの範囲内である。
【0030】
本明細書に関連して、本発明には一態様において、前述の方法により得ることのできるセフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸セフキノム粒子の新規な粒子が含まれ、それは、前述のPSD範囲の一次粒子からなる凝集体であり、特に、例えば粒子の懸濁液を単にかき混ぜることによって、または超音波の影響下で凝集を逆転させる能力をさらに特徴とする。
【0031】
超音波は当業者に公知である。本発明の状況において、それは、好ましくはソノトロードを用いて、またフローセルと組み合わせて、超音波処理した懸濁液の冷却によって、例えばBranssonソニファイアー250、Hielscher UIP1000、Sonorex Sonoblocを用いて適用される。粒度分布は、かき混ぜまたは超音波処理プロセスの継続時間およびエネルギー入力によって操作することができる。
【0032】
本発明の粒子によって、かき混ぜも超音波処理も同様に、結晶格子および/または粒子表面を損傷することなく凝集体の崩壊をもたらすと考えられる。これは基本的に、粉砕(例えば微粉化)が結晶格子の分裂および非常にでこぼこの粒子表面の発生を引き起こし得る既存の粒子とは異なっている。
【0033】
この点において、本発明は、粒度分布がd(50)≦7μm、d(90)≦15μm、およびd(100)≦50μm(ここで、粒子は微粉化されていない)の、セフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子も提供する。
【0034】
前述の新規な粒子を提供することにより、本発明はいくつかの好ましい可能性を開く。1つは、凝集体の形成により、広い範囲内の所望の粒度分布をもつ凝集体を製造するような方法でプロセスを調整することが可能となることである。この下限が、一次粒子の前述のサイズによって決まることは理解される。上限は、一般にほぼ直径1mm程度である。好ましくは、粒度は、1μm〜500μm、より好ましくは5μm〜100μmで変動する。
【0035】
粒度は、0.1〜3000μmの間の粒子の粒度を決定するために最適な選択方法である、レーザー光散乱により決定される。これは、より正確には低角度レーザー光散乱(LALLS)と呼ばれる。この方法は、多くの産業において特徴付けおよび品質管理のための好ましい基準となっている。国際標準ISO13320−1「Particle Size Analysis−Laser Diffraction Methods」には、レーザー回折による粒度分布の決定のための方法が記載されている。ISO13320に従って適用可能な範囲は、0.1〜3000μmである。この方法は、Winnacker−Kuchler:「Chemische Technologie」,4th Editionl.,volume 1,page.46 ffに従って実施される。
【0036】
粒度、およびその分布は、酸、好ましくは硫酸の過剰量によって影響され得る。これにより、所望のサイズのセフキノム酸付加塩の粒子(好ましくは硫酸セフキノム粒子)を製造しようとする当業者は、酸(好ましくは硫酸)の過剰量を変化させることにより、かつ製造した粒子の簡単な粒度測定を行うことにより、求める粒度を製造するために望ましい条件を選択することができる。
【0037】
既存の微粉化セフキノムの規模の粒度分布を参照すると、モル過剰の酸、好ましくは硫酸は、70〜90%、より好ましくは75〜85%、最も好ましくは80〜85%であることが好ましい。
【0038】
注目すべきは、本発明の新規な粒子が、さらなる特性を提示することであり、それらにより本発明の粒子は既存の硫酸セフキノムとは有利に異なる。例えば、新規な粒子は、動的水蒸気吸着測定装置(DVS)により観察できる水との異なる相互作用を示す。
【0039】
この決定は当業者に公知の水蒸気理論に関する。Tisserand,C et al「Comparison of two techniques for the surface analysis of alumina:Inverse Gas Chromatography at Finite Concentration(IGC−FC)and Dynamic Vapor Sorption(DVS)」in Powder Technology 190,(2009)page 53−58を参照されたい。本発明の新規な粒子は、ヒステリシス(前述の理論のII型特性)の傾向を示さないが、既存の硫酸セフキノム粒子はIV型特性を示す。
【0040】
本発明のセフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子は、公知の方法で、特に油性基剤、例えばオレイン酸エチル、MCT油(下記参照)または、Miglyol(登録商標)(下記参照)中の懸濁液の形態で使用することができる。本明細書において、本発明は、その利点の一つとして、沈降に対する安定性の増加した懸濁液を提供する。かかる沈降に対する安定性は、WO01/17504号に記載されるように、巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(例えばFolmulation,Franceにより供給)によって測定することができる。TURBISCAN(登録商標)機器は、複数の光散乱に基づいて分散系におけるあらゆる変化(例えば、清澄化、沈降など)を検出する。それは、平底の円筒セルに沿って移動し、その間に全てのサンプルの高さを走査する読取ヘッドからなる垂直走査型巨視的分析計である(例えばMengual,O,「Characterisation of instability of concentrated dispersions by a new optical analyser:the TURBISCAN MA 100」,Colloids and Surfaces A Physicochemical and Engineering Aspects 152(1999),page 111−123を参照)。
【0041】
基剤は、好ましくは製薬上許容される低粘度油性媒体、例えば中鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドの混合物を含む。中鎖トリグリセリド(MCT油)は、6〜12炭素原子の脂肪酸鎖を有し、MCT油の医学的に精製された等級(medically refined grades)に関して各々の鎖は8〜10個の炭素原子を有する。MCT油は、C8−C10脂肪酸のトリグリセリドか、またはこれらの脂肪酸のプロピレングリコールジエステルまたはトリグリセリドとプロピレングリコールジエステルの両方の混合物を含んでよい。好ましくはこれらのC8−C10脂肪酸は、完全に飽和している(例えばn−カプリル酸およびn−カプリン酸など)。これらは、主にC8−10脂肪酸を得るための天然に存在する植物(例えばココナツ)油の工業的精留、それに続いてこれらの酸の選択されたアルコールでのエステル化により、簡便に調製される。所望の組成を有する精留植物油は市販されている。かかる油の商標例は、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドとしてのMiglyol(登録商標)812およびプロピレングリコールジカプリル酸塩/カプリン酸塩としてのMiglyol(登録商標)840である。
【0042】
これらの油の等価物は、例えばAldo(登録商標)MCT KFG、Aldo(登録商標)TC、Calgene CC−33、Calgene CC−33−F、Calgene CC−33−L、Calgene CC−33−S、Captex(登録商標)300、Captex(登録商標)355、Crodamol GTCC、Estasan GT 8−40 3578、Estasan GT 8−60 3575、Estasan GT 8−60 3580、Estasan GT 8−65 3577、Estasan GT 8−65 3581、Estasan GT 8−70 3579、Labrafac(登録商標)LIPO、Labrafac(登録商標)lipophile WL 1349、Lexol(登録商標)GT−855、Lexol(登録商標)GT−865、Miglyol(登録商標)810、Miglyol(登録商標)812、Myritol(登録商標)312、Myritol(登録商標)318、Neobee(登録商標)1053、Neobee(登録商標)M−5、Neobee(登録商標)O、Pelemol(登録商標)CCT、Standamul(登録商標)318、Standamul(登録商標)7105およびCalgene CC−22、Calgene CC−22−S、Captex(登録商標)200、Lexol(登録商標)PG−865、Miglyol(登録商標)840、Myritol(登録商標)PC、Neobee(登録商標)1054、Neobee(登録商標)M−20、Pelemol(登録商標)PDD、Standamul(登録商標)302である。
【0043】
最も好ましいのはMiglyol(登録商標)等級812である。本発明に従う組成は、増粘剤を含む。医薬処方物中の増粘剤は、一般に良好な懸濁性を得るために有用であり、注入性に悪影響を与えることなく組成物の粘度を増加させる。
【0044】
本発明は、酸、好ましくは硫酸をセフキノムベタイン溶液に添加する段階、およびその粒子の形成以外のプロセスの態様を必ずしも変えるものでないことは理解されよう。
【0045】
本発明のセフキノム粒子は、既存のセフキノムと少なくとも同じ方法で使用することができる。用語「セフキノム」には、本明細書において、製薬上許容される塩およびそのエステルが含まれる。
【0046】
セフキノム(INN−国際一般名称)は、獣医学で使用するために開発された最初の第四世代セファロスポリンである。それはセフォタキシムに似た半合成アミノチアゾリルセファロスポリンであるが、C−3位に二環式ピリジニウム基を含む(Isert et al,Seibert et al,29th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy Houston,Texas,1989)。
【0047】
セフキノムは、注入により投与すると家畜の呼吸器感染症(例えば牛およびブタ、特に牛におけるマンヘミア・ヘモリチカ感染)の治療に特に有用であることが見出されてきた。
【0048】
細菌感染の治療のために様々な結晶性セファロスポリン塩、例えばセフキノム二塩酸塩または硫酸セフキノムあるいは特に低溶解度の結晶性セファロスポリン付加塩、例えばセフキノム−6ヒドロキシナフトエート(セフキノム−ナフトエート)およびセフキノム2,4ジヒドロキシベンゾエート(ヒドロキシ安息香酸セフキノム)が提案されてきた。好ましいのは硫酸セフキノムである。
【0049】
本発明のセフキノム粒子は、一般に、医薬組成物、好ましくは本明細書上文に記載される懸濁液に組み込まれる。本発明に従う典型的な医薬組成物は、2.0〜20.0重量%のセフキノムを含む。本発明に従う組成物は、動物に、一般に当技術分野で公知の全ての適用形態により適用することができる。一般に、動物への投与は、経口的または非経口的に行われる。本発明に従う医薬組成物は、非経口的に、例えば筋肉もしくは皮下注入によって投与されることが好ましいが、代替経路による治療も可能である。
【0050】
一般に、本発明に従う組成物は、細菌感染の治療または予防を必要とする全ての種類の動物、例えばブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、家禽および魚に投与することができる。
【0051】
あり得る具体的な疾患は、気道の細菌感染、尿生殖路の細菌感染、軟組織感染および皮膚感染ならびに乳腺炎または子宮炎である。
【0052】
特定の治療に必要なセフキノムの特定量は、治療される宿主動物の種、年齢および体重、防護または治療されるべき特定の疾患、ならびに治療に選択された具体的な抗菌剤、投与経路および投与頻度に応じて変化することになる。例えば、ウマ、ヒツジ、ヤギ、家禽および魚の治療のための硫酸セフキノム(またはその他の酸付加塩)の用量は、5〜10mg/kg体重の間である。牛に対しては5mg/kg体重の投与量が推奨され、ブタ、イヌおよびネコへの適用に対しては10mg/kg体重の投与量が推奨される。
【0053】
次の治療における使用が好ましい。
ウシ:パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)およびマンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)に起因する呼吸器疾患、趾皮膚炎、感染性眼球壊死(infectious bulbar necrosis)および急性趾間部壊死桿菌症(趾間腐爛)、全身性疾患の徴候のある急性大腸菌乳腺炎。仔ウシ:仔ウシの大腸菌敗血症。ブタ:パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、アクチノバチルス・プルロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)およびその他のセフキノム感受性生物に起因する肺および気道の細菌感染の治療のため、大腸菌、スタフィロコッカス属(Staphylococcus spp.)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)およびその他のセフキノム感受性生物の関与する乳腺炎−子宮炎−無乳症症状群(MMA)、仔ブタ:ストレプトコッカス・スイスに起因する髄膜炎の場合の死亡率の低下。別の好ましい使用は、ストレプトコッカス属、大腸菌およびその他のセフキノム感受性生物に起因する関節炎およびスタフィロコッカス・ヒカス(Staphylococcus hyicus)に起因する表皮炎(軽度または中程度の病変)の治療においてである。
【0054】
要約すれば、本発明には、セフキノム塩をセフキノムベタイン溶液から沈殿させることによる、セフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子の製造のための方法が含まれ、この際、酸、好ましくは硫酸がベタイン溶液に添加される。本発明の一態様によれば、酸、好ましくは硫酸は、非常に短時間(15分未満)で、40%〜100%未満のモル過剰でシングルショットで添加される。結果として、マイクロスケールの一次結晶粒子の凝集体を含む粒子が形成される。これにより、粉砕された、特に微粉化された材料に相応する粒度の、しかしそれと比較すると改良された物理的安定性をもつセフキノム酸付加塩、好ましくは硫酸セフキノムを提供することが可能となる。
【0055】
本発明を、これから以下の限定されない実施例および添付の図面を参照してさらに説明する。
セフキノム粒子の調製:実施例1〜7
[実施例1]
【0056】
250.3gの硫酸セフキノムを、10℃よりも低い温度で740mlの水に懸濁した後、150mlの16.3%NaOH、続いて1020mlのアセトンを硫酸ナトリウム(NaSO)の沈殿のために−5℃で添加した。塩を375mlのアセトン/水=1.27/1混合物で濾過および洗浄した後、合した液体を21gの炭で処理することにより脱色した。炭を150mlのアセトン/水=2/1で洗浄した後、合した液体の混合物を19℃に加熱した後に388mlの15.1%硫酸を5分以内に添加した。反応混合物の攪拌を19〜21℃で35分間継続した後、1200mlのアセトンを添加した。攪拌下、懸濁液を12400mlのアセトンに注入した。濾過および2500mlのアセトンでの2回の洗浄の後、沈殿物を32℃で一晩乾燥させて、オレイン酸エチル処方物A、BまたはCの調製に用いる材料225gを得た。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=15.14μm、D(90)=6.25μm、D(50)=3.05。
[実施例2]
【0057】
実施例1に記載される手順と同様に(comparable to)、1200mlの水および500gの硫酸セフキノムを、350gの16.3%NaOHおよび1325mlのアセトンと5℃で反応させた。塩および15gの炭の両方を、300mlのアセトン/水=3/1でそれぞれ洗浄し、それに続いてさらなる炭の洗浄のために215mlのアセトン/水=3.3/1で洗浄し、3472gの合した液体を得、それを原液として用いた。この原液を、実施例2−1、2−2および2−3で使用するために三等分した。
[実施例2−1]
【0058】
原液の一部の1158gを18℃まで加熱した。334mlのアセトンを添加した後、286gの15.1%硫酸を5分以内に投与した。反応混合物を攪拌した後に、攪拌を継続しながら800mlのアセトンで希釈した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=104.71μm、D(90)=36.24μm、D(50)=9.67μm
[実施例2−2]
【0059】
原液の別の一部の1159gに、95mlのアセトンを添加し、実施例2−1に記載される手順に従った。605mlの懸濁液を1800mlのアセトンで希釈し、沈殿物を分離し、減圧下30℃で乾燥させた。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=15.14μm、D(90)=4.86μm、D(50)=2.58μm
[実施例2−3]
【0060】
原液の残りの一部の1155gに、実施例2−2に記載される容積と比較してさらなる140mlのアセトンを添加し、実施例2−1に記載される硫酸の投与の前に、117mlの水を18℃で行った。670mlの懸濁液を2000mlのアセトンで処理し、沈殿物を分離し、減圧下30℃で乾燥させた。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=22.91μm、D(90)=6.95μm、D(50)=2.98μm
[実施例3]
【0061】
原液を実施例2に従って調製した(3505g)。この原液を三等分した。
[実施例3−1]
【0062】
実施例2−1に記載される手順と同様に、原液3の一部の1166gを29℃に加熱した後、実施例2−1に記載される手順に従った。実施例2−1に記載される800mlのアセトンの添加の前に、懸濁液を3℃に冷却した。10℃の温度で、700mlのアセトンを266mlのこの懸濁液に添加し、沈殿を分離し、乾燥させた。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=15.14μm、D(90)=5.97μm、D(50)=2.92μm
[実施例3−2]
【0063】
1170gの原液3を用いて、実施例3−1に記載される手順に従い、95mlのアセトンを酸の添加前に5分以内に添加した。沈殿物の分離および乾燥の前に、725mlのアセトンを240mlの懸濁液に添加した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=13.18μm、D(90)=5.55μm、D(50)=2.87μm
[実施例3−3]
【0064】
原液3の一部の1169gを用いて、実施例3−2に記載される手順に従い、さらなる139mlのアセトンおよび117mlの水を、酸の添加前に5分以内に添加した。沈殿物の分離および乾燥の前に、820mlのアセトンを260mlの懸濁液に添加した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=13.18μm、D(90)=5.78μm、D(50)=2.96μm
実施例4〜7は、硫酸の変化がPSDに及ぼす影響を実証するためのものである。
[実施例4]
【0065】
炭処理を除いて、一般に50gの硫酸セフキノムと32gの15%NaOHを反応させること、およびその後の10℃よりも低い温度での塩の沈殿のために、実施例1に記載される手順に従った。1〜2分以内に添加された66mlの15%硫酸を用いて、硫酸セフキノムを沈殿させた。後処理の後、45.7gの乾燥材料を単離した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=60.26μm、D(90)=35.40μm、D(50)=18.91μm
[実施例5]
【0066】
1〜2分以内に添加された70mlの15%硫酸を用いて、実施例4に記載される手順に従って、45.8gの乾燥材料を単離した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=30.20μm、D(90)=14.72μm、D(50)=6.56μm
[実施例6]
【0067】
1〜2分以内に添加された75mlの15%硫酸を用いて、実施例4に記載される手順に従って、44.8gの乾燥材料を単離した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=13.18μm、D(90)=6.04μm、D(50)=3.05μm
[実施例7]
【0068】
1〜2分以内に添加された84mlの15%硫酸を用いて、実施例4に記載される手順に従って、45gの乾燥材料を単離した。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後、アセトンの添加直前に採取した。超音波を60秒間適用した。
PSD:D(100)=15.14μm、D(90)=7.05μm、D(50)=3.71μm
[実施例8]
【0069】
炭処理を含む実施例6のプロセスを、10倍スケールアップした。粒度分布(PSD)のためのこの材料のサンプルを、硫酸の添加後5分以内にアセトンの添加直前に採取した。1分後および10分後に、計測器において攪拌しただけのPSDを測定した。
PSD(1分攪拌):D(100)=239.9μm、DE(90)=66.97μm、D(50)=4.78μm、
PSD(10分攪拌):D(100)=11.48μm、DE(90)=5.95μm、D(50)=3.34μm、
さらに5〜6分の超音波を適用すると、PSDは次の通りである。
PSD(10分攪拌+6分の超音波):D(100)=5.01μm、DE(90)=1.98μm、D(50)=0.15μm
エチルオレイン酸塩処方物の調製
実施例1の硫酸セフキノム粒子を含む処方物A〜Cを、次の通り調製した。
処方物A
2Lビーカーを、氷浴中に設置した。1200mlの計算されたバッチサイズに対して、1027gのオレイン酸エチルを秤量してビーカーの中に入れ、実施例1で製造した35.7gの乾燥硫酸セフキノム材料を添加した。懸濁液を、IKA分散攪拌器S50N−G45Fを備えたIKA Ultraturrax Typ50 basicを用いて120分間10000rpmの攪拌速度で均質化した。温度は25℃より下で維持した。962gの懸濁液を単離した。
処方物B
2Lビーカーを、氷浴中に設置した。1200mlの計算されたバッチサイズに対して、1027gのオレイン酸エチルを秤量してビーカーの中に入れ、実施例1で製造した35.7gの乾燥硫酸セフキノム材料を添加した。懸濁液を、IKA分散攪拌器S50N−G45Fを備えたIKA Ultraturrax Typ50 basicを用いて165分間10000rpmの攪拌速度で均質化した。超音波による凝集体の分解のために、6.5mm超音波ソノトロードを変換器として備えたBranson Sonifier 250を使用した。超音波エネルギー入力は約100ワットに調節した。温度は、超音波処理の間隔をあけ、さらなる超音波処理の前に懸濁液を約10℃に冷却することにより31℃より下で維持した。992gの懸濁液を単離した。
処方物C
処方物Bに相当するオレイン酸エチル懸濁液を、実施例1で得た材料の相当量のアセトンおよび2−プロパノールの混合物中の懸濁液を添加することにより調製し、それを5200rpmで均質化し、処方物Bに関して35分間超音波処理して計算された量のオレイン酸エチルとした。混合物をさらに50分間攪拌した。低沸点懸濁液を、一定重量になるまで減圧下で35℃で除去した。
【0070】
粒度は、Frauenhofer法に従って、Hydro 2000G測定用セルを備えたMalvern Master Sizer GMAL01によって決定した。
【0071】
【表1】


処方物A〜Cの物理的安定性
図1〜4は、巨視的光学走査装置、TURBISCAN(登録商標)(Folmulation,Franceにより供給)によって測定される処方物A〜CおよびCobactan2.5%の、測定用セルの中央での4時間の清澄化動態を表す。
【0072】
TURBISCAN(登録商標)機器は、複数の光散乱に基づいて分散系におけるあらゆる変化(例えば、清澄化、沈降など)を検出する。それは、平底の円筒セルに沿って移動し、その間に全てのサンプルの高さを走査する読取ヘッドからなる垂直走査型巨視的分析計である。読取ヘッド自体は、パルス近赤外光源および2つの同期検出器からなる。透過検出器は、生成物を通じて透過する光を獲得し、後方散乱検出器は生成物により後方散乱した光を受け取る。読取ヘッドは、透過および後方散乱データを40μmごとに最大高さ80mmで取得する。得られる分布は、生成物の均質性、粒子濃度および平均径を特徴付ける。結果は、サンプル高さ(単位はmm)の関数として、後方散乱または透過光の百分率で表される。次に、生成物に沿った獲得をプログラム可能な頻度で反復して、それらが同一であろうとなかろうと、生成物の安定性または不安定性を特徴付ける生成物の特性評価(product fingerprints)の重ね合わせを得る。
【0073】
結果 実施例1の硫酸セフキノム粒子を用いて製造したオレイン酸エチル処方物A〜Cについて、4時間以内の物理的不安定性(セルの中央での非清澄化、不沈降)は、TURBISCAN(登録商標)により測定されなかった(図1〜4参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セフキノム酸付加塩をセフキノムベタイン溶液から沈殿させることによる、セフキノム酸付加塩の粒子の製造方法であって、酸がベタイン溶液に添加され、かつ前記酸の添加が40%〜100%未満のモル過剰でシングルショットで行われる、方法。
【請求項2】
前記酸が鉱酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鉱酸が硫酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モル過剰が70〜90%である、請求項1〜3に記載の方法。
【請求項5】
前記モル過剰が80〜85%である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸が、0℃〜35℃、好ましくは15℃〜21℃のベタイン溶液の温度で添加される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法により得られる、セフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子。
【請求項8】
その75%より多くが0.08μm〜0.275μmの範囲の粒度を有する一次結晶粒子から本質的になる、セフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノムの粒子。
【請求項9】
前記一次粒子が、1μm〜500μm、好ましくは5μm〜100μmの範囲の凝集した粒子サイズの凝集体を形成する、請求項7に記載の結晶セフキノム塩。
【請求項10】
粒度分布がd(50)≦7μm、d(90)≦15μm、およびd(100)≦50μmのセフキノム酸付加塩の粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか一項に記載のセフキノム酸付加塩粒子、好ましくは硫酸セフキノム粒子、および製薬上許容される担体を含む医薬処方物。
【請求項12】
前記処方物が、好ましくはオレイン酸エチルおよび中鎖トリグリセリドからなる群から選択される油性媒体中のセフキノム粒子の懸濁液を含む、請求項11に記載の医薬処方物。
【請求項13】
ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、家禽および魚などの動物における細菌感染の治療または予防で使用するための、請求項11または12に記載の医薬処方物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−533596(P2012−533596A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521010(P2012−521010)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060376
【国際公開番号】WO2011/009827
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】