説明

センサコントローラ、光電センサシステムおよび光電センサ

【課題】同極性の出力タイプと、異極性の出力タイプとを簡易な構成で切替可能なセンサコントローラおよび当該センサコントローラを提供すること。
【解決手段】センサコントローラ50は、第1出力装置30Aに接続される第1接続モードと、第2出力装置30Bに接続される第2接続モードと、第3出力装置30Cに接続される第3接続モードとを有する。制御手段57は、第1接続モードが選択されている場合に、第1および第2入力回路(51A、51B)において第1入力処理回路(SW1A、SW1B)に切替え、第2接続モードが選択されている場合に、記第1および第2入力回路(SW1A、SW1B)において、第2入力処理回路(SW2A、SW2B)に切替え、記第3接続モードが選択されている場合に、第1入力回路および第2入力回路のうち一方を第1入力処理回路に、他方を第2入力処理回路に切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサコントローラ、当該コントローラを備えた光電センサシステムおよび光電センサに関し、詳しくは、センサコントローラに入力される、異なるタイプの入力信号に対処する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば多光軸光電スイッチ(光電センサ)などの検出スイッチには、その検出動作に応じて出力される動作信号を、例えば、PNP型トランジスタのオープンコレクタ回路を介して外部に出力するタイプと、NPN型トランジスタのオープンコレクタ回路を介して外部に出力するタイプとがある。また、下記特許文献1には、光電センサ本体に、PNP出力用アダプタ及びNPN出力用アダプタを選択的に接続可能とすることで、1つの光電センサをPNP出力タイプとNPN出力タイプとに使い分けることができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−255054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PNP出力タイプの光電センサにはPNP出力対応の入力回路(以下、「PNP対応入力回路」という)を、NPN出力タイプの光電センサにはNPN出力対応の入力回路(以下、「NPN対応入力回路」という)をそれぞれ接続する必要がある。さらに、製造現場への光電センサの設置に関連して、緊急時に製造ラインを非常停止させるための非常停止スイッチ等のメカニカルスイッチが設置される場合、メカニカル接点(メカニカルスイッチ)対応の入力回路をメカニカル接点に接続する必要がある。メカニカル接点は、通常、PNP出力タイプおよびNPN出力タイプとは異なる出力タイプを有することが多い。そのため、これら三つの信号出力タイプに、簡易な構成で対応可能な入力回路を有するセンサコントローラが所望されていた。言い換えれば、PNP出力タイプおよびNPN出力タイプ等の同極性の出力タイプと、メカニカルスイッチ等の異極性の出力タイプとを簡易な構成で切替可能なセンサコントローラが所望されていた。
また、メカニカル接点のように異極性のペア信号を受け取るセンサコントローラにおいて、安全性の向上のために、メカニカルスイッチの接続に係る短絡(交差短絡)を好適に検出できるセンサコントローラが所望されていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、同極性の出力タイプと、異極性の出力タイプとを簡易な構成で切替可能なセンサコントローラおよび当該センサコントローラを備えた光電センサシステムを提供することを目的とする。
さらにメカニカルスイッチの接続に係る短絡(交差短絡)を好適に検出できるセンサコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係るセンサコントローラは、第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有するセンサコントローラであって、前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路を有する入力手段と、前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、前記第1接続モード、前記第2接続モード、および前記第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、前記第2接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、前記第3接続モードが選択されている場合に、前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段と備える。
【0007】
本構成によれば、同一構成の第1入力回路および第2入力回路を備え、第1入力回路および第2入力回路に含まれる、第1入力処理回路および第2入力処理回路を適宜選択して切替えることによって、第1から第3接続モードを切替える。そのため、同極性の出力タイプ(例えば、PNP出力信号あるいはNPN出力信号)と、異極性の出力タイプ(メカニカルスイッチ出力信号)とを簡易な構成で切替えられる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明のセンサコントローラにおいて、前記第1入力回路に接続された第1入力端子と、前記第2入力回路に接続された第2入力端子をさらに備え、前記第1入力回路の前記第1および第2入力処理回路は、電源とグランドと間に直列接続され、前記第2入力回路の前記第1および第2入力処理回路は、電源とグランドと間に直列接続され、前記第1入力回路は、前記第1入力端子と、前記第1および第2入力処理回路の接続点とに接続され、第1検出信号を生成する第1双方向検出手段を含み、前記第2入力回路は、前記第2入力端子と、前記第1および第2入力処理回路の接続点とに接続され、第2検出信号を生成する第2双方向検出手段を含み、前記制御手段は、前記第1および第2検出信号に基づいて、前記第1ペア出力信号、第2ペア出力信号および異極性ペア出力信号を検出する。
【0009】
第3の発明は、第2の発明のセンサコントローラにおいて、前記制御手段は、前記第3接続モードが選択設定されている場合において、前記第1入力回路および前記第2入力回路うちの一方において、前記第1および第2入力処理回路のうちの一つを切替制御した際に、切替制御されない側の入力回路の双方向検出手段から、該切替制御に反応した前記検出信号を受け取った場合、前記第1入力端子と第2入力端子との間の短絡を検出する。
【0010】
本構成によれば、第1入力処理回路および第2入力処理回路の構成を利用して、簡易な方法によって、センサコントローラの第1および第2入力端子間の短絡、すなわち、交差短絡を検出することができる。
【0011】
第4の発明は、第2また第3の発明のセンサコントローラにおいて、前記第1双方向検出手段と前記制御手段との間に接続される第1抵抗と、前記第2双方向検出手段と前記制御手段との間に接続される第2抵抗とをさらに備え、前記制御手段は、前記第1抵抗が接続され、前記第1抵抗を介して前記第1検出信号を受け取る第1入出力ポートと、前記第2抵抗が接続され、前記第2抵抗を介して前記第2検出信号を受け取る第2入出力ポートとを含み、前記制御手段は、前記第1入出力ポートおよび第2入出力ポートに入力されている前記第1および第2検出信号の極性とは異なる極性を有する検査出力信号を第1入出力ポートおよび第2入出力ポートのうちの一方から出力した際に、他方の入出力端子が検査出力信号と同一の極性の信号を受け取った場合、前記第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間の短絡を検出する。
【0012】
本構成によれば、第1入力処理回路および第2入力処理回路の構成を利用して、簡易な方法によって、制御手段の第1および第2入出力ポート間の短絡を検出することができる。
【0013】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つ発明のセンサコントローラにおいて、前記第1ペア出力信号はPNPペア出力信号であり、前記第1出力装置は、PNP型トランジスタから前記PNP出力信号を出力するPNP出力装置であり、前記第2ぺア出力信号はNPNペア出力信号であり、前記第2出力装置は、NPN型トランジスタから前記NPN出力信号を出力するNPN出力装置であり、第3出力装置は、メカニカルスイッチであり、前記第1入力処理回路は、前記PNP出力信号を処理するPNP信号処理回路であり、前記第2入力処理回路は、前記NPN出力信号を処理するNPN信号処理回路である。
【0014】
本構成によれば、光電センサからの出力がPNPペア出力信号あるいはNPNペア出力信号であっても好適対応できる。さらに、メカニカルスイッチからのペア出力にも対応できる。
【0015】
第6の発明に係る光電センサシステムは、所定の検出領域に光を出射する投光手段と、前記検出領域からの透過光又は反射光を受光する受光手段と、前記受光手段での受光量レベルに基づき検出動作をする検出手段と、前記検出手段の検出動作に応じて、前記第1ペア出力信号を生成する第1出力装置および前記第2ペア出力信号を生成する前記第2出力装置の少なくともいずれか一方を含む信号出力手段とを含む、光電センサと、前記光電センサの設置に伴って設置され、前記異極性ペア出力信号を生成する前記第3出力装置と、前記第1から第5のいずれか一つ発明のセンサコントローラとを備える。
【0016】
本構成によれば、光電センサシステムにおいて、同極性の出力タイプ(例えば、PNP出力信号あるいはNPN出力信号)と、異極性の出力タイプ(メカニカルスイッチ出力信号)とを簡易な構成で切替えられる。
【0017】
第7の発明は、第6の発明の光電センサシステムにおいて、前記センサコントローラは、前記光電センサに接続され、前記第1ペア出力信号および前記第2ペア出力信号の少なくともいずれか一方を受け取る第1センサコントローラと、前記第3出力装置に接続され、前記異極性ペア出力信号を受け取る第2センサコントローラとを含む。
本構成によれば、同極性のペア出力信号と、異極性ペア出力信号とを並列して処理することができる。
【0018】
第8の発明は、第6または第7の発明の光電センサシステムにおいて、前記センサコントローラは、前記光電センサに設けられる。
本構成によれば、信号出力手段とセンサコントローラと接続するケーブルを省略することができる。
【0019】
第9の発明に係る光電センサは、第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有する光電センサであって、所定の検出領域に光を出射する投光手段を含む投光器と、前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路と、前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、前記第1出力装置に接続される第1接続モード、第2出力装置に接続される第2接続モード、および前記第3出力装置に接続される第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、前記第2接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、前記第3接続モードが選択されている場合に、前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段とを備える。
【0020】
第10の発明に係る光電センサは、第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有する光電センサであって、前記検出領域からの透過光又は反射光を受光する受光手段を含む受光器と、前記受光手段での受光量レベルに基づき検出動作をする検出手段と、前記検出手段の検出動作に応じて、第1ペア出力信号を生成する第1出力装置および前記第2ペア出力信号を生成する前記第2出力装置の少なくともいずれか一方を含む信号出力手段と、前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路と、前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、前記第1出力装置に接続される第1接続モード、第2出力装置に接続される第2接続モード、および前記第3出力装置に接続される第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、前記第2接続モードが選択されている場合に、前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、前記第3接続モードが選択されている場合に、前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段とを備える。
【0021】
上記第9および第10の発明の構成によれば、光電センサにおいて、同極性の出力タイプ(例えば、PNP出力信号あるいはNPN出力信号)と、異極性の出力タイプ(メカニカルスイッチ出力信号)とを簡易な構成で切替えられる。また、信号出力手段とセンサコントローラと接続するケーブルを省略することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、同極性の出力タイプと、異極性の出力タイプとを簡易な構成で切替可能となる。また、メカニカル接点の接続に係る短絡(交差短絡)を好適に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の多光軸光電センサシステムの回路構成図
【図2】センサシステムに含まれるセンサコントローラの回路構成図
【図3】センサコントローラの第3接続モードの説明図
【図4】本発明の別の実施形態の多光軸光電センサシステムの概略的なブロック図
【図5】本発明の別の実施形態の多光軸光電センサシステムの概略的なブロック図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図1から図3を参照して説明する。
【0025】
本実施形態の光電センサシステム100は、PNP型(PNP出力タイプ)の多光軸光電センサ1又はNPN型(NPN出力タイプ)の多光軸光電センサ1と、非常停止スイッチ(「メカニカルスイッチ」の一例)30Cそれらと選択的に接続可能とされたセンサコントローラ(リレーユニット)50とを備える。センサコントローラ50は、PNP型の多光軸光電センサ1が接続されているときはここからのPNP出力信号(「第1ペア出力信号」の一例)を、NPN型の多光軸光電センサ1が接続されているときはここからのNPN出力信号(「第2ペア出力信号」の一例)を、取り込む。
【0026】
なお、以下において、PNP型の多光軸光電センサ及びNPN型の多光軸光電センサについて、両者を総称する場合には「多光軸光電センサ1」と呼び、区別する場合には、前者を「PNP出力光電センサ2」、後者を「NPN出力光電センサ3」)とそれぞれ呼ぶ。
【0027】
1.多光軸光電センサの構成
(1)多光軸光電センサの全体構成
本発明における光電センサとしてのPNP出力光電センサ2及びNPN出力光電センサ3は、主として信号出力回路(出力装置)30の回路構成が異なるのみで他の構成は共通する。従って、まず共通構成について図1を参照しつつ説明する。
【0028】
(a)全体構成
多光軸光電センサ1は、互いに対向配置される投光器10と受光器20とからなる。これら投受光器10,20は、共に、例えば上下に延びた角柱状をなし、投光器10のうち受光器20との対向面には、複数の投光素子11が上下方向に沿って一列に配され、受光器20のうち投光器10との対向面には、前記各投光素子11と対をなす複数の受光素子21が、やはり上下方向に沿って一列に配されている。
【0029】
また、これら投受光素子11,21は、共に例えば16個ずつ備えられており、上下方向で同じ順位に配置された投受光端子11,21同士が、互いに正規の相手方になっている。そして、各受光素子21が光を受光して出力する受光信号は、正規の相手方投光素子11からの光を受光したときにのみ、受光回路22に受信される。なお、受光器20の上面には、動作表示部26が設けられている。この動作表示部26は、例えば、表示灯としてのLEDからなる。
【0030】
(b)電気的構成
図1には、本実施形態の多光軸光電センサ1に係る電気的構成が示されている。図1に示すように、投光器10には、上記投光素子11が連なる投光回路14が設けられており、投光回路14は、所定のクロックパルス信号に基づいて作動し、投光器10の上端側の投光素子11から下端側の投光素子11へと順次に駆動信号を与え、この動作を高周期で繰り返す。これにより、投光器10の上端側の投光素子11から順次に光信号が出射される。
【0031】
一方、受光器20には、上記受光素子21が連なる受光回路22が設けられている。受光回路22には、複数のスイッチ素子25が備えられ、これらスイッチ素子25の一方のリード部に、各受光素子21の出力端子を電気的に接続すると共に、他方にリード部を、受光制御回路24の信号入力端子に共通接続してある。
【0032】
また、各スイッチ素子25に備えた制御用端子25Aは、シフトレジスタ23を介して受光制御回路24の出力端子に電気的に接続されている。そして、各スイッチ素子25は、常には、オフ状態になっており、受光制御回路24からシフトレジスタ23を介して各スイッチ素子25に駆動信号が順次に与えられ、これによりオンしたスイッチ素子25に連なる受光素子21の受光信号だけが、受光制御回路24に取り込まれる。
【0033】
さらに、受光制御回路24は、投受光器10,20を繋ぐ線L1を介して、投光回路14から上記クロックパルス信号を取り込み、クロックパルス信号(即ち、各投光素子11の投光タイミング)に同期して、所定のスイッチ素子25をオンさせる。具体的には、上下一列に配された投光素子11のうち所定順位の投光素子11が光信号を投光した瞬間に、その投光素子11と同順位に配された受光素子21に連なるスイッチ素子25のみをオンする。これにより、各受光素子21が、正規の相手方投光素子11からの光を受光したときにのみ、その受光素子21が出力した受光信号が受光制御回路24に取り込まれる。
【0034】
受光制御回路24は、各スイッチ素子25を順次にオンオフ制御するタイミングに同期して、取り込んだ受信信号と所定の基準電圧との大小関係をチェックする。そして、順次に受光制御回路24に取り込まれた受光信号の全てが、基準電圧VC1を上回った場合に、前記動作表示部26を消灯し、いずれか1つの受光信号でも基準電圧VC1を下回った場合には、動作表示部26を点灯させるとともに、例えば被検出物を検出したか否かによって反転する動作信号を次述する信号出力回路30に出力する。
【0035】
(2)信号出力回路および非常停止スイッチ30Cの構成
上記したように、PNP出力光電センサ2とNPN出力光電センサ3とでは、信号出力回路30の回路構成が異なる。図2の左側には、PNP出力光電センサ2とNPN出力光電センサ3のそれぞれの信号出力回路30A,30Bおよび非常停止スイッチ30Cの回路構成が示されている。
【0036】
(a)PNP出力光電センサの信号出力回路
信号出力回路(「第1出力装置」の一例)30Aは、主としてCPU32と一対のPNP型トランジスタ(33A、33B)とを備えている。CPU32は、受光制御回路24からの上記動作信号を受けると、PNP型トランジスタ(33A、33B)のベースに制御信号を与えてオン動作させる。つまり、受光素子21での受光量レベルが基準電圧VC1を上回ったとき(例えば検出領域に被検出物が存在しないとき)にPNP型トランジスタ(33A、33B)がオン動作する、いわゆる「ライトオン」タイプである。なお、PNP型トランジスタ(33A、33B)からは、安全性のために、一対のPNPペア出力信号が出力される。
【0037】
信号出力回路30Aは、1対の信号出力線を含むシールド電線40Aによって、後述するセンサコントローラ50の第1入力端子T1および第2入力端子T2に接続される。
【0038】
(b)NPN出力光電センサの信号出力回路
信号出力回路(「第2出力装置」の一例)30Bは、主としてCPU42と一対のNPN型トランジスタ(43A、43B)とを備えている。CPU42は、受光制御回路24からの上記動作信号を受けると、NPN型トランジスタ(43A、43B)のベースに制御信号を与えてオン動作させる。つまり、受光素子21での受光量レベルが基準電圧VC1を上回ったとき(例えば検出領域に被検出物が存在しないとき)にNPN型トランジスタ(43A、43B)43がオン動作する、いわゆる「ライトオン」タイプである。同等に、NPN型トランジスタ(43A、43B)からは、安全性のために、一対のNPNペア出力信号が出力される。
【0039】
信号出力回路30Bは、1対の信号出力線(46A、46B)を含むシールド電線40Bによってセンサコントローラ50の第1入力端子T1および第2入力端子T2に接続される。
【0040】
(c)非常停止スイッチ
非常停止スイッチ30Cは、メカニカルスイッチであり、連動する2つのスイッチ接点を有する。非常停止スイッチ30Cは、製造現場への光電センサ1の設置に関連して、緊急時に製造ライン等を非常停止させるために、例えば、製造ラインのベルトコンベヤの近傍に設けられる。現場作業者によってスイッチ・オンされることによって、一方の接点は電源Vccに接続され、他方の接点はグランドに接続される。非常停止スイッチ30Cは、1対の信号出力線を含むシールド電線40Cによってセンサコントローラ50の第1入力端子T1および第2入力端子T2に接続され、接点信号が1対の信号出力線(56A、56B)を含むシールド電線40Cを介してセンサコントローラ50に供給される。
【0041】
2.センサコントローラ(リレーユニット)の構成
上記PNP型の信号出力回路30Aは、全ての受光素子21での受光量レベルが基準電圧VC1を上回ったときにPNP型トランジスタ(33Aおよび33B)がオン動作し、このとき信号出力線(36Aおよび36B)の電位レベルは高電位側にプルアップする。一方、NPN型の信号出力回路30Bは、全ての受光素子21での受光量レベルが基準電圧VC1を上回ったときにNPN型トランジスタ(43Aおよび43B)がオン動作し、このとき信号出力線(46Aおよび46B)の電位レベルは低電位側にプルダウンする。従って、PNP型の信号出力回路30AとNPN型の信号出力回路30Bとではそれぞれを構成するトランジスタ33,43がオン動作したときの信号出力線36の電位レベルが異なる。
【0042】
センサコントローラ50は、入力ユニット(本発明の「入力手段」に相当)51、CPU(本発明の「制御手段」に相当)57、リレー回路66,67および外部入力回路68等を含む。
【0043】
入力ユニット51は、多光軸光電センサ1からの出力信号を取り込む一対の第1および第2信号入力回路(51A、51B)(本発明の「第1入力回路」および「第2入力回路」に相当)を含む。なお、第1信号入力回路51Aおよび第2信号入力回路51Bは、同一構成を有し、説明の便宜上、その構成には異なる部材番号が付されている。
【0044】
第1信号入力回路51Aおよび第1信号入力回路51Bは、PNP信号出力回路(第1出力装置)30AからはPNPペア出力信号(第1ペア出力信号)と、NPN信号出力回路(第2出力装置)30BからはPNPペア出力信号と極性の異なるNPNペア出力信号(第2ペア出力信号)と、非常停止スイッチ(第3出力装置)30Cからは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む。
【0045】
第1信号入力回路51Aおよび第1信号入力回路51Bには、PNP信号出力回路30A、PNP信号出力回路30Aおよび非常停止スイッチ30Cのうちのいずれか一つが、所定のケーブル40を介して接続可能である。すなわち、センサコントローラ50は、PNP信号出力回路30Aに接続される第1接続モードと、NPN信号出力回路30Bに接続される第2接続モードと、非常停止スイッチ30Cに接続される第3接続モードとを有する。
【0046】
第1信号入力回路51Aは、PNPペア出力信号の一方を検出するための第1スイッチ回路(「第1入力処理回路」に相当)SW1Aと、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2スイッチ回路(「第2入力処理回路」に相当)SW2Aとを含む。第1スイッチ回路SW1Aと第2スイッチ回路SW2Aは、電源Vccとグランドと間に直列接続されている。
【0047】
第1信号入力回路51Aは第1双方向ホトカプラ(「第1双方向検出手段」の一例)PC1を含む。第1双方向ホトカプラPC1は、第1入力端子T1と、第1および第2スイッチ回路(SW1A、SW2A)の接続点とに接続され、第1検出信号Sd1を生成する。第1検出信号Sd1は、抵抗52Aを介してCPU57の第1入出力(双方向)ポートP1に供給される。また、第1双方向ホトカプラPC1の出力トランジスタは抵抗R1を介してグランドに接続されている。
【0048】
一方、 第2信号入力回路51Bは、PNPペア出力信号の他方を検出するための第1スイッチ回路(「第1入力処理回路」に相当)SW1Bと、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する第2スイッチ回路(「第2入力処理回路」に相当)SW2Bとを含む。第1スイッチ回路SW2Aと第2スイッチ回路SW2Bは、電源Vccとグランドと間に直列接続されている。
【0049】
同様に、第2信号入力回路51Bは第2双方向ホトカプラ「第2双方向検出手段」の一例)PC2を含む。第2双方向ホトカプラPC2は、第2入力端子T2と、第1および第2スイッチ回路(SW1B、SW2B)の接続点とに接続され、第2検出信号Sd2を生成する。第2検出信号Sd2は、抵抗52Bを介してCPU57の第2入出力ポートP2に供給される。また、第2双方向ホトカプラPC2の出力トランジスタは抵抗R2を介してグランドに接続されている。
【0050】
なお、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)および第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)は、例えば、バイポーラトランジスタ、あるいはFET、あるいは機械リレー回路のスイッチ素子を含む。また、第1および第2双方向検出手段は双方向ホトカプラに限られない。また、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)と第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)とは、それぞれ、第1あるいは第2双方向ホトカプラ(PC1あるいはPC2)に接続される必要はあるが、第1スイッチ回路および第2スイッチ回路が、必ずしも、図2に示されるように互いに直接接続されている必要はない。
【0051】
外部入力回路(「設定手段」の一例)68は、第1接続モード、第2接続モード、および第3接続モードのいずれかを選択設定するためのモード選択信号MS1を生成し、モード選択信号MS1をCPU57に供給する。外部入力回路68は、例えば、選択スイッチ(図示せず)に接続され、作業者による選択スイッチの操作に応じて、モード選択信号S1を生成する。
【0052】
CPU57は、外部入力回路68によって第1接続モードが選択されている場合には、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)に切替える切替信号(SS2、SS4)を生成し、切替信号(SS2、SS4)を第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)に供給する。このとき、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)が選択され、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)がそれぞれ、オンされる。図2には、第1接続モードが選択されている場合が示されている。
【0053】
また、CPU57は、外部入力回路68によって第2接続モードが選択されている場合には、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)に切替える切替信号(SS1、SS3)を生成し、切替信号(SS1、SS3)を第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)に供給する。このとき、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)が選択され、第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)がそれぞれ、オンされる。
【0054】
また、CPU57は、外部入力回路68によって第3接続モードが選択されている場合には、第1および第1および第2信号入力回路(51A、51B)のうち一方を第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)のうち一方を第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)に、他方を第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)に切替える切替信号を生成する。図3には、第3接続モードが選択されている場合が示され、第1信号入力回路51Aでは第1スイッチ回路SW1Aがオンされ、第2信号入力回路51Bでは、第2スイッチ回路SW2Bがオンされている。
【0055】
なお、図2および図3においてスイッチ回路の保護抵抗は省略されている。
【0056】
3.本実施形態の動作
(1)、センサコントローラ(リレーユニット)にPNP出力光電センサを接続した場合(第1接続モード)
図2に示す第1接続モードでは、CPU57は、外部入力回路68から第1接続モードを選択するモード選択信号MS1に応じて、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)をそれぞれオンさせる。
【0057】
そして、PNP出力光電センサ2のCPU32の制御によって、PNP信号出力回路30Aのトランジスタ(33A、33B)がオンされると、ハイレベルのPNPペア信号が、第1および第1および第2信号入力回路(51A、51B)の双方向ホトカプラ(PC1、PC2)に印加される。このとき、双方向ホトカプラ(PC1、PC2)のトランジスタはオンされ、ハイレベルの検出信号(Sd1、Sd2)が、CPU57の入出力ポート(P1、P2)にそれぞれ供給される。
【0058】
(2)センサコントローラにNPN出力光電センサを接続した場合(第2接続モード)
第2接続モードでは、CPU57は、外部入力回路68から第2接続モードを選択するモード選択信号MS1に応じて、第1および第2信号入力回路(51A、51B)において、第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)をそれぞれオンさせる。
【0059】
そして、NPN出力光電センサ2のCPU42の制御によって、NPN信号出力回路30Bのトランジスタ(43A、43B)がオンされると、ローレベルのNPNペア信号が、第1および第1および第2信号入力回路(51A、51B)の双方向ホトカプラ(PC1、PC2)に印加される。このとき、電源電圧Vccによって双方向ホトカプラ(PC1、PC2)のトランジスタはオンされ、ハイレベルの検出信号(Sd1、Sd2)が、CPUの入出力ポート(P1、P2)にそれぞれ供給される。
【0060】
また、CPU57は、第1接続モードおよび第2接続モードにおいて、CPU57の入出力ポート(P1、P2)間の短絡チェックを行う。その際、CPU57は、第1入出力ポートP1および第2入出力ポートP2に入力されている第1および第2検出信号(Sd1、Sd2)の極性とは異なる極性を有する検査出力信号Stを第1入出力ポートP1および第2入出力ポートP2のうちの一方から出力する。その際に、他方の入出力端子が検査出力信号Stと同一の極性の信号を受け取った場合、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間の短絡を検出する。
【0061】
例えば、第1入出力ポートP1および第2入出力ポートP2にローレベルの第1および第2検出信号(Sd1、Sd2)が入力されている場合に、CPU57は、ハイレベルの検査出力信号Stを第1入出力ポートP1から出力する。このとき、第2入出力ポートP2からハイレベルの信号を受け取った場合、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間(図2の矢印X参照)に短絡が発生していることを検出する。
【0062】
あるいは、第1入出力ポートP1および第2入出力ポートP2にハイレベルの第1および第2検出信号(Sd1、Sd2)が入力されている場合に、CPU57は、ローレベルの検査出力信号Stを第1入出力ポートP1から出力する。このとき、第2入出力ポートP2からローレベルの信号を受け取った場合、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間(図2の矢印X参照)に短絡が発生していることを検出する。
【0063】
(3)センサコントローラに非常停止スイッチ30Cを接続した場合(第3接続モード)
図3に示す第3接続モードでは、CPU57は、外部入力回路68から第3接続モードを選択するモード選択信号MS1に応じて、例えば、第1入力回路51Aにおいて第1スイッチ回路SW1Aをさせ、第2信号入力回路51Bにおいて第2スイッチ回路SW2Bをオンさせる。
【0064】
そして、非常停止スイッチ30Cがオンされると、ハイレベル信号が第1信号入力回路51Aの第1双方向ホトカプラPC1に印加される。また、第2入力回路の電源Vccからハイレベル信号が第2信号入力回路51Bの第2双方向ホトカプラPC2に印加される。このとき、双方向ホトカプラ(PC1、PC2)のトランジスタはオンされ、ハイレベルの検出信号(Sd1、Sd2)が、CPUの入出力ポート(P1、P2)にそれぞれ供給される。
【0065】
また、CPU57は、センサコントローラ50が第3接続モードに設定されている場合において、第1信号入力回路51Aおよび第2信号入力回路51Bうちの一方において、第1および第2入力処理回路「(SW1A、SW1B)、(SW2A、SW2B)」のうちの一つを切替制御した際に、切替制御されない側の入信号力回路(51Aまたは51B)の双方向ホトカプラ(PC1またはPC2)から、該切替制御に反応した第1または第2検出信号(Sd1またはSd2)を受け取った場合、第1入力端子T1と第2入力端子T2との間の短絡を検出する。
【0066】
例えば、図3に示されてように、第3接続モードに設定されると、例えば、第1信号入力回路51Aの第1スイッチ回路SW1Aがオンされ、第2信号入力回路51Bの第2スイッチ回路SW2Bがオンされる。この状態で、第1信号入力回路51Aの第1スイッチ回路SW1Aをオン・オフさせた場合に、第1スイッチ回路SW1Aをオン・オフに反応した第2検出信号(Sd2)をCPU57が受け取った場合、第1入力端子T1と第2入力端子T2との間(図2の矢印Y参照)に短絡が発生していることを検出する。すなわち、この場合、第1入力端子T1と第2入力端子T2との間が短絡していると、第1スイッチ回路SW1Aをオン・オフに応じて、第2信号入力回路51Bの電源Vccによって第2双方向ホトカプラPC2のトランジスタがオン・オフする。
【0067】
あるいは、第3接続モードに設定されると、第1信号入力回路51Aの第2スイッチ回路SW2Aがオンされ、第2信号入力回路51Bの第1スイッチ回路SW1Bがオンされる。この状態で、第2信号入力回路51Bの第2スイッチ回路SW1Bをオン・オフさせた場合に、第2スイッチ回路SW1Bのオン・ オフに反応した第1検出信号(Sd1)をCPU57が受け取った場合、第1入力端子T1と第2入力端子T2との間(図2の矢印Y参照)に短絡が発生していることを検出する。すなわち、この場合、第1入力端子T1と第2入力端子T2との間が短絡していると、第スイッチ回路SW1Bをオン・オフに応じて、第1信号入力回路51Aの電源Vccによって第1双方向ホトカプラPC1のトランジスタがオン・オフする。
【0068】
4.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態のセンサコントローラ50は、同一構成の第1信号入力回路51Aおよび第2信号入力回路51Bを備え、第1信号入力回路51Aおよび第2信号入力回路51Bに含まれる、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)および第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)を適宜選択して切替えることによって、第1から第3接続モードを切替える。そのため、同極性の出力タイプ(PNP出力信号あるいはNPN出力信号)と、異極性の出力タイプ(メカニカルスイッチ出力信号)とを簡易な構成で切替えられる。
【0069】
また、第1スイッチ回路(SW1A、SW1B)および第2スイッチ回路(SW2A、SW2B)の構成を利用して、簡易な方法によって、センサコントローラ50の第1および第2入力端子(T1、T2)間の短絡(メカニカルスイッチ30Cの接続に係る短絡(交差短絡))、およびCPU57の入出力ポート(P1、P2)間の短絡を検出することができる。
【0070】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0071】
(1)上記実施形態では、本発明における第1ペア出力信号をPNPペア出力信号とし、第2ぺア出力信号をNPNペア出力信号とする例を示したが、これに限られない。第1ペア出力信号は例えば、PチャネルFETからのペア出力信号とし、第2ぺア出力信号をNチャネルFETからのペア出力信号としてもよい。すなわち、トランジスタ(33A、33B)をPチャネルFETとし、トランジスタ(43A、43B)をNチャネルFETとしてもよい。
【0072】
(2)光電センサシステム100の構成は、図1に示すものに限られない。例えば、図4に示すように、センサコントローラは、光電センサ1に接続され、同極性の第1ペア出力信号および第2ペア出力信号の少なくともいずれか一方を受け取る第1センサコントローラ50Aと、第3出力装置30Cに接続され、異極性ペア出力信号を受け取る第2センサコントローラ50Bとを含むようにしてもよい。この場合、同極性のペア出力信号と、異極性ペア出力信号とを並列して処理することができる。
【0073】
(3)また、図5に示すように、光電センサ1Aは、複数の投光器(10A、10B)および複数の受光器(20A、20B)を含むように構成してもよい。その際、センサコントローラ50あるいはセンサコントローラ50と同一の機能を有する構成を、光電センサ1Aの投光器(10A、10B)に設けるようにしてもよい。この場合、信号出力回路30とセンサコントローラ50と接続するケーブル40を省略することができる。また、センサコントローラ50あるいはセンサコントローラ50と同一の機能を有する構成を、光電センサ1Aの受光器(20A、20B)に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1(2,3)…多光軸光電センサ(光電センサ)
30A…PNP信号出力回路(第1出力装置、信号出力手段)
30B…NPN信号出力回路(第2出力装置、信号出力手段)
30C…非常停止スイッチ(第3出力装置)
33A、33B…PNPトランジスタ
43A、43B…NPNトランジスタ
50センサコントローラ
51…入力ユニット(入力手段)
51A…第1信号入力回路(第1入力回路)
51B…第2信号入力回路(第2入力回路)
68…外部入力回路(設定手段)
57…CPU(制御手段)
100…光電センサシステム
PC1…第1双方向ホトカプラ(第1双方向検出手段)
PC2…第2双方向ホトカプラ(第2双方向検出手段)
SW1A、SW1B…第1スイッチ回路(第1入力処理回路)
SW2A、SW2B…第2スイッチ回路(第2入力処理回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有するセンサコントローラであって、
前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路を有する入力手段と、
前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、
前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、
前記第1接続モード、前記第2接続モード、および前記第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、
前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、
前記第2接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、
前記第3接続モードが選択されている場合に、
前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段と
を備えた、センサコントローラ。
【請求項2】
前記第1入力回路に接続された第1入力端子と、前記第2入力回路に接続された第2入力端子をさらに備え、
前記第1入力回路の前記第1および第2入力処理回路は、電源とグランドと間に直列接続され、
前記第2入力回路の前記第1および第2入力処理回路は、電源とグランドと間に直列接続され、
前記第1入力回路は、前記第1入力端子と、前記第1および第2入力処理回路の接続点とに接続され、第1検出信号を生成する第1双方向検出手段を含み、
前記第2入力回路は、前記第2入力端子と、前記第1および第2入力処理回路の接続点とに接続され、第2検出信号を生成する第2双方向検出手段を含み、
前記制御手段は、前記第1および第2検出信号に基づいて、前記第1ペア出力信号、第2ペア出力信号および異極性ペア出力信号を検出する、請求項1に記載のセンサコントローラ。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第3接続モードが選択設定されている場合において、
前記第1入力回路および前記第2入力回路うちの一方において、前記第1および第2入力処理回路のうちの一つを切替制御した際に、切替制御されない側の入力回路の双方向検出手段から、該切替制御に反応した前記検出信号を受け取った場合、前記第1入力端子と第2入力端子との間の短絡を検出する、請求項2に記載のセンサコントローラ。
【請求項4】
前記第1双方向検出手段と前記制御手段との間に接続される第1抵抗と、前記第2双方向検出手段と前記制御手段との間に接続される第2抵抗とをさらに備え、
前記制御手段は、前記第1抵抗が接続され、前記第1抵抗を介して前記第1検出信号を受け取る第1入出力ポートと、前記第2抵抗が接続され、前記第2抵抗を介して前記第2検出信号を受け取る第2入出力ポートとを含み、
前記制御手段は、前記第1入出力ポートおよび第2入出力ポートに入力されている前記第1および第2検出信号の極性とは異なる極性を有する検査出力信号を第1入出力ポートおよび第2入出力ポートのうちの一方から出力した際に、他方の入出力端子が検査出力信号と同一の極性の信号を受け取った場合、前記第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間の短絡を検出する、請求項2または請求項3に記載のセンサコントローラ。
【請求項5】
前記第1ペア出力信号はPNPペア出力信号であり、
前記第1出力装置は、PNP型トランジスタから前記PNP出力信号を出力するPNP出力装置であり、
前記第2ぺア出力信号はNPNペア出力信号であり、
前記第2出力装置は、NPN型トランジスタから前記NPN出力信号を出力するNPN出力装置であり、
第3出力装置は、メカニカルスイッチであり、
前記第1入力処理回路は、前記PNP出力信号を処理するPNP信号処理回路であり、
前記第2入力処理回路は、前記NPN出力信号を処理するNPN信号処理回路である、請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載のセンサコントローラ。
【請求項6】
所定の検出領域に光を出射する投光手段と、前記検出領域からの透過光又は反射光を受光する受光手段と、前記受光手段での受光量レベルに基づき検出動作をする検出手段と、前記検出手段の検出動作に応じて、前記第1ペア出力信号を生成する第1出力装置および前記第2ペア出力信号を生成する前記第2出力装置の少なくともいずれか一方を含む信号出力手段とを含む、光電センサと
前記光電センサの設置に伴って設置され、前記異極性ペア出力信号を生成する前記第3出力装置と、
前記請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載のセンサコントローラと
を備えた、光電センサシステム。
【請求項7】
前記センサコントローラは、前記光電センサに接続され、前記第1ペア出力信号および前記第2ペア出力信号の少なくともいずれか一方を受け取る第1センサコントローラと、前記第3出力装置に接続され、前記異極性ペア出力信号を受け取る第2センサコントローラとを含む、請求項6に記載の光電センサシステム。
【請求項8】
前記センサコントローラは、前記光電センサに設けられる、請求項6または7に記載の光電センサシステム。
【請求項9】
第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有する光電センサであって、
所定の検出領域に光を出射する投光手段を含む投光器と、
前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路と、
前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、
前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、
前記第1出力装置に接続される第1接続モード、第2出力装置に接続される第2接続モード、および前記第3出力装置に接続される第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、
前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、
前記第2接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、
前記第3接続モードが選択されている場合に、
前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段と、
を備えた光電センサ。
【請求項10】
第1出力装置に接続される第1接続モードと、第2出力装置に接続される第2接続モードと、第3出力装置に接続される第3接続モードとを有する光電センサであって、
前記検出領域からの透過光又は反射光を受光する受光手段を含む受光器と、
前記受光手段での受光量レベルに基づき検出動作をする検出手段と、
前記検出手段の検出動作に応じて、第1ペア出力信号を生成する第1出力装置および前記第2ペア出力信号を生成する前記第2出力装置の少なくともいずれか一方を含む信号出力手段と、
前記1出力装置からは第1ペア出力信号と、前記2出力装置からは第1ペア出力信号と極性の異なる第2ペア出力信号と、前記3出力装置からは異極性ペア出力信号とを選択的に取り込む第1入力回路および第2入力回路と、
前記第1入力回路は、前記第1ペア出力信号の一方を検出するための第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の一方を検出するための処理する第2入力処理回路とを含み、
前記第2入力回路は、前記第1ペア出力信号の他方を検出するための前記第1入力処理回路と、前記第2ペア出力信号の他方を検出するための処理する前記第2入力処理回路とを含み、
前記第1出力装置に接続される第1接続モード、第2出力装置に接続される第2接続モード、および前記第3出力装置に接続される第3接続モードのいずれかを選択設定する設定手段と、
前記設定手段によって、前記第1接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第1入力処理回路に切替え、
前記第2接続モードが選択されている場合に、
前記第1および第2入力回路において、前記第2入力処理回路に切替え、
前記第3接続モードが選択されている場合に、
前記第1入力回路および第2入力回路のうち一方を前記第1入力処理回路に、他方を前記第2入力処理回路に切替える制御手段と、
を備えた光電センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−239602(P2010−239602A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88482(P2009−88482)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】