説明

ソレノイド駆動装置及び吐水装置

【課題】洗浄水のコントロール性とプランジャーの応答性を高めたソレノイド駆動装置及び洗浄性能を改善した吐水装置を提供する。
【解決手段】電源の正側に一端が接続された第一のスイッチ手段と、前記第一のスイッチ手段の他端に一端が接続されたソレノイドと、前記ソレノイドの他端に一端が接続され他端が電源の負側に接続された第二のスイッチ手段と、前記電源の正側と前記電源の負側との間に接続された容量手段と、前記ソレノイドの一端と前記容量手段の負側との間に逆方向に接続された第一の整流ダイオードと、前記静電容量の正側と前記ソレノイドの他端との間に逆方向に接続された第二の整流ダイオードと、前記ソレノイドに通電中の電流を一定に維持する定電流回路と、を備えたことを特徴とするソレノイド駆動装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイド駆動装置及び吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄水の吐水装置などに設けられるソレノイドを駆動させる場合、ソレノイドに通電して得られる磁気的吸引力を利用してプランジャーを動作させ、吐水孔まで通水された給水洗浄水をソレノイド駆動によるプランジャーの往復運動にて加圧し、瞬間流量を上げ吐水性能の向上に繋げる制御方式が一般的である。そのとき、このような電磁駆動式に利用されるソレノイドは、パルス駆動により簡単に往復駆動が得られるものの、ソレノイドにおけるプランジャーのストローク(変位)の速さが、駆動のためのパルスのタイミングに必ずしも追従しきれない場合がある。
【0003】
一般的にソレノイドへの通電をオフした際、ソレノイドが持つ電磁誘導の現象によりソレノイドには逆起電力が生じる。この逆起電力はソレノイドへの通電を行うスイッチ素子へ電気的ストレスを加えてしまい、場合によっては素子の破損に繋がることがある。この逆起電力を吸収するため、例えば、ソレノイド駆動回路150(図5)においては、ダイオードD201が設けられている。スイッチQ201が開であるとき閉成されるループ(図5の矢印)において、逆起電力による電流が流れる(図6の破線REで囲んだ部分)。
【0004】
この電流は、ループ(図5の矢印)のインピーダンス成分とソレノイド自身の巻線抵抗で熱エネルギーとして消費されながら減衰する。この間、ソレノイドには電流が流れ続けるため、ソレノイドには磁力が残ることになる。そのため、定位置に戻ろうとするプランジャーは励磁されたソレノイドによる吸引作用によって、戻り時間が遅れてしまい、その結果、復帰(プランジャーがもとの位置に戻ること)遅れが生じると考えられる。このように、プランジャーの復帰速度が遅れ、駆動のためのパルスのタイミングに追従しきれないことにより、通水された給水洗浄水を加圧するタイミングが遅れると考えられる。
【0005】
そのため、加圧して得られる本来の狙いの水玉形状が得られず、より高い洗浄性能を実現しにくい。また、加圧するタイミングが遅れてしまうことで、その期間に吐水孔から出てしまう水は洗浄性能に寄与しない。結果、無駄水となってしまう。このため、ソレノイドの応答性を改善する必要があった。
これに対して、従来のソレノイド駆動回路においては、ソレノイドに並列にコンデンサ及び抵抗で構成されたいわゆるスナバ回路を設けて逆起電力の吸収を図ると同時に、通電遮断時にソレノイドへ回生される電流の流れる時間を短くしていた。
こうすることにより、ソレノイドへの励磁期間も短くなり、プランジャーの復帰遅れを回避していた。
【0006】
しかし、特にインダクタンス成分が大きいソレノイドにおいては、逆起電力が1000V程度にまで大きいものとなるので、コンデンサの所要耐圧と容量が大きいものとなる。また、抵抗の所要ワット数もかなり大きいものが必要となり、スペースの問題とコストの問題が生じる。
【0007】
特許文献1(特開2000−223313号)に記載されたようにソレノイドの逆起電力を蓄積するためのダイオードを設けて次の駆動時に利用することも提案されている。しかし、ソレノイドのインダクタンス成分のばらつきや、電源電圧のばらつきによって、通電電流が安定しない。通電電流が大きい場合にはソレノイドに蓄積される磁力も大きくなるため、プランジャーを吸引する力が過大になることがあり、プランジャーが往復するストローク範囲を超えてしまう。この場合、プランジャー周辺の部材と干渉してしまい、異音の発生や、部材の破損に繋がる。さらに、通電電流が安定しないと、その通電をオフしてから発生する逆起電力も安定せず、断続して吐水孔から吐水させる水玉の大きさを安定的にコントロール出来ないため洗浄力が過小になったり、過大になったりしてしまい、より高い洗浄性能を実現しにくかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−223313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、洗浄水のコントロール性とプランジャーの応答性を高めたソレノイド駆動装置及び洗浄性能を改善した吐水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明の態様によれば、電源の正側に一端が接続された第一のスイッチ手段と、前記第一のスイッチ手段の他端に一端が接続されたソレノイドと、前記ソレノイドの他端に一端が接続され他端が電源の負側に接続された第二のスイッチ手段と、前記電源の正側と前記電源の負側との間に接続された容量手段と、前記ソレノイドの一端と前記容量手段の負側との間に逆方向に接続された第一の整流ダイオードと、前記静電容量の正側と前記ソレノイドの他端との間に逆方向に接続された第二の整流ダイオードと、前記ソレノイドに通電中の電流を一定に維持する定電流回路と、を備えたことを特徴とするソレノイド駆動装置が提供される。
【0011】
これによれば、洗浄水のコントロール性とプランジャーの応答性を高めたソレノイド駆動装置が提供される。
【0012】
また、第2の発明の態様によれば、給水された水を吐水孔まで通水させ、その水圧に繰り返し変化を起こしながら水を前記吐水孔から吐水させる吐水手段と、前記吐水孔から吐水され前記吐水孔の前方に移動した水の瞬間流量が前記吐水孔において吐水された際の水の瞬間流量を上回る吐水現象が、前記水圧の繰り返し変化の都度に生ずるように、前記吐水手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、請求項1記載のソレノイド駆動装置と、前記ソレノイドが生ずる電磁力により駆動され前記水圧を変化させるプランジャーと、を有することを特徴とする吐水装置が提供される。
【0013】
これによればプランジャーの復帰速度が遅れず、また断続して吐水孔から吐水させる水玉の大きさを安定してコントロールし、洗浄性能を改善した吐水装置を提供することが出来る。
【0014】
尚、本明細書において、整流ダイオードの接続方向は、カソードとアノードの順が電源の正から負に向かう方向と同方向を順方向といい、その反対方向を逆方向という。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様によれば、洗浄水のコントロール性とプランジャーの応答性を高めたソレノイド駆動装置及び洗浄性能を改善した吐水装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るソレノイド駆動装置の構成を例示する回路図である。
【図2】図1に表したソレノイド駆動装置のソレノイドの電流を表わすグラフ図である。
【図3】図1に表したソレノイド駆動装置を利用した水圧変調装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図4】本実施形態に係る吐水装置の効果を表す模式図である。
【図5】比較例のソレノイド駆動装置を示す回路図である。
【図6】比較例のソレノイド駆動装置のソレノイドの電流を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係るソレノイド駆動装置の構成を例示する回路図である。
図1に表したように、本実施例のソレノイド駆動装置50は、第一及び第二のスイッチ手段Q1、Q2、ソレノイドSOL1、容量手段C1、第一及び第二の整流ダイオードD1、D2及び定電流回路20を備える。
【0018】
電源V0の正側から、第一のスイッチ手段Q1と、ソレノイドSOL1と、第二のスイッチ手段Q2とが直列にこの順に接続され、さらに電流検出抵抗R1を介して電源V0の負側に至る。電源V0の正側と電源V0の負側との間に、容量手段C1が接続されている。
【0019】
ソレノイドSOL1と第一のスイッチ手段Q1との接続点と、電源V0の負側と、の間に逆方向に第一の整流ダイオードD1が接続されている。また、ソレノイドSOL1と第二のスイッチ手段Q2との接続点と、電源V0の正側と、の間に逆方向に第二の整流ダイオードD2が接続されている。
【0020】
第一のスイッチ手段Q1をオン、オフさせるスイッチ手段Q3は比較器22の出力端子に、電流検出抵抗R1は比較器22の反転入力端子にそれぞれ接続されている。比較器22の非反転入力端子には、基準電圧を生成する基準電圧生成回路21の出力が接続されている。
【0021】
基準電圧生成回路21、比較器22及び電流検出抵抗R1は、ソレノイドSOL1に通電中の電流を一定に維持する定電流回路20を構成している。なお、基準電圧生成回路21は、例えば、電源V0の電圧をツェナーダイオードと抵抗とで分圧して構成することができる。
【0022】
制御入力V1は、第二のスイッチ手段Q2に接続されている。
制御入力V1には、第一のスイッチ手段Q1と第二のスイッチ手段Q2とを駆動するために、ハイレベル信号とローレベル信号とのパルスが入力される。
【0023】
次に、ソレノイド駆動装置50の動作について説明する。
まず、ソレノイドSOL1の通電状態について説明する。
ソレノイドSOL1への通電タイミングにおいて、制御入力V1からハイレベル信号が入力されると、スイッチ手段Q3と第二のスイッチ手段Q2と第一のスイッチ手段Q1とがオンする。
【0024】
これにより、電源V0、第一のスイッチ手段Q1、ソレノイドSOL1、第二のスイッチ手段Q2及び電流検出抵抗R1からなる閉ループが形成され、ソレノイドSOL1が通電されて動作する。
【0025】
次に、ソレノイド駆動装置の定電流制御動作について説明する。
上記のように、閉ループが形成されると、ソレノイドには容量手段C1を電源とした電流が流れる。この電流は、電流検出抵抗R1にも流れる。このとき、電流検出抵抗R1の両端に発生する電圧V3は、以下の(1)式により表わされる。
【0026】
V3=I1×R1 …(1)
但し、I1はソレノイドSOL1に流れる電流である。
電流I1は、ソレノイドSOL1のインダクタンス成分により三角波に似た波形となる。
【0027】
そして、ソレノイドSOL1へ流れる電流I1が徐々に大きくなるにつれて、電圧V3も大きくなる。この電圧V3が基準電圧V2より大きくなると、比較器22の出力信号はローレベルとなり、スイッチ手段Q3と第一のスイッチ手段Q1とがオフ状態となる。
【0028】
ここで、基準電圧V2はあらかじめ制限したい電流値と電流検出抵抗R1との積で得られる電圧値に設定しておく。尚、制御入力V1からハイレベル信号が入力されている期間でも、電圧V3が基準電圧V2より大きくなると、比較器22の出力信号はローレベルとなり、スイッチ手段Q3と第一のスイッチ手段Q1とがオフ状態となる。
但し、第二のスイッチ手段Q2は、制御入力V1からハイレベル信号が出力され続けているため、オン状態を継続する。
【0029】
上記のとおり、第一のスイッチ手段Q1がオフ状態にあるため、ソレノイドSOL1には逆起電力が生じ、その逆起電力により第二のスイッチ手段Q2と電流検出抵抗R1と第一の整流ダイオードD1とからなる閉ループに回生電流が流れる。ソレノイドSOL1に蓄積されたエネルギーは、この閉ループのインピーダンスによって熱エネルギーへ変換され、回生電流は徐々に小さく減衰していく。
【0030】
よって、電流検出抵抗R1の両端に発生する電圧V3は徐々に小さくなり、やがて基準電圧V2より小さくなる。すなわち、V3<V2となり、比較器22はハイレベル信号を出力する。スイッチQ3及び第一のスイッチ手段Q1は再びオン状態となる。その後、電流検出抵抗R1の両端電圧V3が基準電圧V2を超える程(V3>V2)のソレノイド電流が流れた時点で、再び第一のスイッチ手段Q1とスイッチ手段Q3とはオフ状態へ戻る。
【0031】
このように、制御入力V1からハイレベル信号が入力されている期間でも、所定の電流値が電流検出抵抗R1に流れると自動的に電流は遮断、そして通電を繰り返す。よって、通電電流を一定に保つことが出来、ソレノイドSOL1のインダクタンスのばらつきや電源V0の電圧のばらつきが生じても、安定してソレノイドSOL1に電流を流すことが出来る定電流制御を行える。
【0032】
定電流制御時のソレノイドSOL1の電流波形を図2に示す。図2に表したように(破線FOで囲んだ部分)、制御入力V1にハイレベル信号が入力されている期間は、ソレノイドSOL1の電流はほぼ一定となる。
【0033】
次に、ソレノイド駆動装置50のオフ動作時について説明する。
制御入力V1に入力される制御信号がローレベルになると、スイッチ手段Q3と第一のスイッチ手段Q1と第二のスイッチ手段Q2とがオフし、ソレノイドSOL1への通電は遮断される。
【0034】
ソレノイドSOL1には通電時に流れていた電流によりエネルギーが蓄積されており、ソレノイドへの通電が遮断されると、ソレノイドSOL1の両端には逆起電力が発生する。この逆起電力は、第一のダイオードD1と第二のダイオードD2を経由して、容量手段C1に吸収される。
【0035】
ソレノイドSOL1、第一及び第二のダイオードD1、D2、容量手段C1のインピーダンスは小さいため、ソレノイドSOL1のエネルギーは、速やかに容量手段C1に吸収される。また、第一及び第二のダイオードD1、D2により逆方向には電流が流れないため、容量手段C1からソレノイドSOL1へのエネルギーの逆流はない。
図2に表したように(破線REで囲んだ部分)、オフ時のソレノイドの電流は、図6の比較例の電流と比較して速く減衰している。
【0036】
このため、通電オフ時にはソレノイドの再励磁は生じないので、プランジャーの復帰速度は遅れない。また、図示しないが、次にソレノイドへの通電がオンされた場合にも、プランジャーは速やかに応答することができる。
このように、本実施例のソレノイド駆動装置50によれば、プランジャーの応答性を高めることができ、後述するように、吐水装置に用いた場合に洗浄水のコントロール性を高めることができる。
【0037】
なお、本実施例においては、第一及び第二のスイッチ手段Q1、Q2としてバイポーラトランジスタを用いた構成を例示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、他のスイッチ素子、例えば、FETを用いることもできる。
【0038】
図3は、図1に表したソレノイド駆動装置50を利用した水圧変調装置の構成を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、水圧変調装置74は、給水管路67(上流側)、75(下流側)に接続されるシリンダ74bと、シリンダ74bの内部に進退自在に設けられたプランジャー74cと、プランジャー74cの内部に設けられた逆止弁74gと、励磁電圧を制御することでプランジャー74cを進退させるソレノイドSOL1を有するソレノイド駆動装置50と、を備えている。
なお、図3においては、ソレノイド駆動装置50のソレノイドSOL1のみ図示し、ソレノイド駆動装置50の他の構成要素については、図示を省略している。
【0039】
プランジャー74cの位置が、下流側74hに変化した場合にはシリンダ74b内部の水圧が上昇し、上流側に変化した場合には水圧が低下するように逆止弁74gが配設されている。
【0040】
ソレノイドSOL1の励磁を制御することにより、プランジャー74cを上流側・下流側に進退させる。すなわち、ソレノイドSOL1に流す励磁電圧を制御することにより、プランジャー74cをシリンダ74bの軸方向(上流方向・下流方向)に進退させ、水圧を上昇または低下させる。
【0041】
プランジャー74cは、ソレノイドSOL1の励磁により、図示する原位置(プランジャー原位置)から下流側74hに移動する。そして、コイルの励磁が消えると、復帰スプリング74fの付勢力によって、原位置に復帰する。この際、緩衝スプリング74eによってプランジャー74cの復帰の動作が緩衝される。プランジャー74cは、その内部にダックピル式の逆止弁74gを備え、上流側への逆流を防止している。
【0042】
図4は、本実施形態に係る吐水装置を表す模式図である。
図4に表したように、吐水装置80は、制御手段81と、水路84(吐水手段)と、を備える。制御手段81は、ソレノイド駆動装置50と、ソレノイド駆動装置50によって駆動される水圧変調装置74と、を有する。また、水路84(給水手段)は、給水孔83から給水された水を吐水孔82まで通水させる。
【0043】
本実施例においては、水路84(給水手段)の途中にソレノイド駆動装置50により駆動される水圧変調装置74が設けられている。図3において説明したように、ソレノイド駆動装置50により制御されるソレノイドは、電磁力によってプランジャー74cを駆動させる。プランジャー74cは給水管路に設けられ、プランジャー74cが駆動することにより、吐水孔82に供給される水の水圧が変調される。
【0044】
すなわち、水路84(給水手段)は、水圧変調装置74を通ることにより、その水圧に繰り返し変化を起こしながら水を吐水孔82から吐水させる。
また、制御手段81は、吐水孔82から吐水され吐水孔82の前方に移動した水の瞬間流量が吐水孔82において吐水された際の水の瞬間流量を上回る吐水現象が、水圧の繰り返し変化の都度生じるように、水路84(吐水手段)を制御する。すなわち、水路84(吐水手段)の水圧を上昇させる。具体的には、ソレノイド駆動装置50を制御することにより、水路84(吐水手段)を制御する。
【0045】
図4に表わしたように、圧力が変調された水は、吐水孔82から、例えば、使用者の臀部99に向けて吐水される。このようにして、使用者の臀部99を洗浄することができる。
図4においては、本実施例の吐水装置80にて生成される水玉98a、98bを実線で表している。また、比較例のソレノイド駆動装置150(図5)を用いた吐水装置で生成される水玉を破線で表わしている。
【0046】
本実施例の吐水装置80においては、ソレノイド駆動装置50を有する制御手段81を設けることにより、ソレノイドの再励磁を抑制し、プランジャーの復帰速度の低下を抑制できる。その結果として、プランジャーの応答性が高まり、洗浄水のコントロール性を高めることができる。そのため、図4に表したようにノズルから吐水される水玉をさらに大きくすることができ、使用者が感じる洗浄水の量感を増すことが可能となる。
このように、本実施例の吐水装置80によれば、洗浄性能が改善される。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ソレノイド駆動装置及び吐水装置を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0048】
その他、本発明の実施形態として上述したソレノイド駆動装置及び吐水装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのソレノイド駆動装置及び吐水装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0049】
20…定電流回路
21…基準電圧生成回路
22…比較器
50、150…ソレノイド駆動装置
67、75…給水管路
74…水圧変調装置
74b…シリンダ
74c…プランジャー
74e、74f…スプリング
74g…逆止弁
74h…下流側
80…吐水装置
81…制御手段
82…ノズル(吐水孔)
83…給水孔
84…水路(吐水手段)
98a、98b…水玉
99…使用者の臀部
100…制御回路
SOL1…ソレノイド
Q1…第一のスイッチ手段
Q2…第二のスイッチ手段
Q3…スイッチ手段
D1…第一の整流ダイオード
D2…第二の整流ダイオード
R1…電流検出抵抗
C1…容量手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源の正側に一端が接続された第一のスイッチ手段と、
前記第一のスイッチ手段の他端に一端が接続されたソレノイドと、
前記ソレノイドの他端に一端が接続され他端が電源の負側に接続された第二のスイッチ手段と、
前記電源の正側と前記電源の負側との間に接続された容量手段と、
前記ソレノイドの一端と前記容量手段の負側との間に逆方向に接続された第一の整流ダイオードと、
前記静電容量の正側と前記ソレノイドの他端との間に逆方向に接続された第二の整流ダイオードと、
前記ソレノイドに通電中の電流を一定に維持する定電流回路と、
を備えたことを特徴とするソレノイド駆動装置。
【請求項2】
給水された水を吐水孔まで通水させ、その水圧に繰り返し変化を起こしながら水を前記吐水孔から吐水させる吐水手段と、
前記吐水孔から吐水され前記吐水孔の前方に移動した水の瞬間流量が前記吐水孔において吐水された際の水の瞬間流量を上回る吐水現象が、前記水圧の繰り返し変化の都度に生ずるように、前記吐水手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
請求項1記載のソレノイド駆動装置と、
前記ソレノイドが生ずる電磁力により駆動され前記水圧を変化させるプランジャーと、
を有することを特徴とする吐水装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−40514(P2011−40514A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185466(P2009−185466)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】