説明

タイムゾーン通知システム

【課題】システムの制御負荷を軽減しつつ、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうことを防止することのできるタイムゾーン通知システムを提供すること。
【解決手段】タイムゾーン通知システム1のサーバ20は、発信者Xの携帯電話10からの発呼要求を受けると着信者Yの携帯電話30の位置情報を取得し、この位置情報を発信者Xの携帯電話10に送信する。発信者Xの携帯電話10は、この位置情報を出力手段に表示するとともに、発信者Xによる接続の可否の判断を受け付ける。サーバ20は、発信者Xにより接続すると判断されることを条件に、発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信者の携帯電話の位置、時刻を含む位置情報を発信者の携帯電話に通知するタイムゾーン通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の世界的な普及に伴い、日本国内の仕様のみならず海外でも国内同様に使用可能な携帯電話が登場している。このような携帯電話では、着信者が国内にいても海外にいても同一の電話番号を用いて通話することができる。ここで、同一の携帯電話が国際的に使用されると、着信者が国外に居ることを知らずに、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうおそれがある。
【0003】
そこで、特許文献1には着信者の携帯電話の属するタイムゾーンを通知して、メールや電話等の連絡手段のうち適切な連絡手段で連絡を取るべきか通知するシステムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−42626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムでは電話をかける必要のない相手のタイムゾーンまで取得してしまうため、無駄な処理が生じてしまっていた。また、タイムゾーンが通知されていてもユーザが気づかずに着信者に発呼してしまうことがあり、依然として相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、システムの制御負荷を軽減しつつ、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうことを防止することのできるタイムゾーン通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1) 発信者携帯電話、前記発信者携帯電話と接続可能な着信者携帯電話、及び前記発信者携帯電話と接続可能なサーバ、を含むタイムゾーン通知システムであって、前記サーバは、発信者携帯電話からの着信者携帯電話への発呼要求を受け付けることを条件に、この着信者携帯電話の位置情報を取得する位置確認手段と、前記発信者携帯電話に前記着信者携帯電話の前記位置情報を送信する接続確認手段と、を備え、前記発信者携帯電話は、受信した前記位置情報を出力する出力手段と、発信者からの操作に応じて前記着信者携帯電話と接続するか否かを判断する接続判断手段と、前記接続判断手段により接続すると判断されることを条件に、接続指示信号を前記サーバに送信する接続送信手段と、を備え、前記サーバは、前記接続送信手段からの前記接続指示信号を受信することを条件に、前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続する呼出手段をさらに備えることを特徴とするタイムゾーン通知システム。
【0009】
(1)のタイムゾーン通知システムによれば、サーバは、発信者携帯電話からの発呼要求を受けると着信者携帯電話の位置情報を取得し、この位置情報を発信者携帯電話に送信する。発信者携帯電話は、この位置情報を出力手段に出力するとともに、発信者による接続の可否の判断を受け付ける。サーバは、発信者により接続すると判断されることを条件に、発信者携帯電話と着信者携帯電話とを接続する。このように、着信者携帯電話に接続するためには、発信者は発呼要求に加えて、着信者の位置情報が表示された後の再度の確認を行わなければならない。そのため、着信者の位置情報(例えば、タイムゾーン)を考慮することなく電話をかけてしまうことを確実に防止することができる。
【0010】
また、この場合において、着信者の位置情報は発呼要求に応じて取得される。そのため、着信者の位置情報をサーバや発信者携帯電話が常時取得する必要がなく、タイムゾーン通知システム全体における制御負荷を軽減することができる。
【0011】
(2) 前記位置情報は、携帯電話の属する地域、携帯電話の属するタイムゾーン、又は携帯電話の属する地域の時刻であることを特徴とする(1)に記載のタイムゾーン通知システム。
【0012】
(2)のタイムゾーン通知システムによれば、位置情報として、携帯電話の属する地域、携帯電話の属するタイムゾーン、又は携帯電話の属する地域の時刻を用いることができる。
【0013】
(3) 前記サーバの前記接続確認手段は、前記発信者携帯電話の前記位置情報と前記着信者携帯電話の前記位置情報とを対比する位置情報対比手段を備え、前記呼出手段は、前記位置情報対比手段により前記発信者携帯電話の前記位置情報と前記着信者携帯電話の前記位置情報とが所定以上に異ならない場合には、前記接続指示信号に関わらず前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続することを特徴とする(1)又は(2)に記載のタイムゾーン通知システム。
【0014】
(3)のタイムゾーン通知システムによれば、呼出手段は、発信者携帯電話の位置情報と着信者携帯電話の位置情報とが所定以上に異ならない場合には、発信者携帯電話に接続確認を行うことなく、発信者携帯電話と着信者携帯電話とを接続する。このため、着信者のタイムゾーンを考慮する必要がない場合にまで不要な確認を行わせることがなく、発信者に煩わしさを感じさせない。
【0015】
(4) 前記位置情報は、携帯電話の属する地域の時刻であり、前記呼出手段は、前記着信者携帯電話の属する地域の時刻が所定範囲の時刻である場合には、前記接続指示信号に関わらず前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続することを特徴とする(1)に記載のタイムゾーン通知システム。
【0016】
(4)のタイムゾーン通知システムによれば、着信者の携帯電話の属する地域の時刻を考慮する必要がない場合にまで不要な確認を行わせることがなく、発信者に煩わしさを感じさせない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、システムの制御負荷を軽減しつつ、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうことを防止することのできるタイムゾーン通知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態にかかるタイムゾーン通知システムの概略を示す図である。
【図2】本実施形態にかかるタイムゾーン通知システムの機能構成を示す図である。
【図3】ホームメモリ局に記憶されるホームメモリを示す図である。
【図4】タイムゾーンテーブルを示す図である。
【図5】本実施形態にかかるタイムゾーン通知システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態にかかるサーバのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図1から図6を参照して説明する。
【0020】
[タイムゾーン通知システム1の概略]
図1を参照して、タイムゾーン通知システム1の概略について説明する。タイムゾーン通知システム1は、発信者Xの携帯電話10、携帯電話10と接続可能なサーバ(基地局又は交換機)20、着信者Yの携帯電話30、及び着信者Yの携帯電話30の現在地等の情報を有するホームメモリ局40から構成される。
【0021】
(1)携帯電話10のユーザ(発信者X)の操作に基づき着信者Yの携帯電話30への発呼要求がなされると、この発呼要求は携帯電話10と接続可能なサーバ20に送信される。
(2)サーバ20は、発呼要求に含まれる携帯電話30の識別子に基づいて、携帯電話30のホームメモリ局40に携帯電話30の位置確認要求を行う。
(3)サーバ20から位置確認要求を受けるとホームメモリ局40は、携帯電話30の位置情報をサーバ20に返信する。
(4)サーバ20ではこの位置情報を発信者Xの携帯電話10に返信する。
(5)着信者Yの携帯電話30の位置情報を取得した携帯電話10は、その表示部に着信者の位置、着信者との時差情報等を表示し、発信者Xからの接続指示を受け付ける。
(6)このとき、表示された時差情報に関わらず発信者Xが接続を指示した場合には、サーバ20は着信者Yの携帯電話30に対し呼び出しをかける。すなわち、発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とを実際に接続する。他方、接続を指示しない場合には、サーバ20は発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とを接続せずに処理を終了する。
【0022】
このように、タイムゾーン通知システム1によれば、発信者Xが発呼要求を行ったとしても、発信者Xによる再度の接続指示が行われない限り着信者Yの携帯電話30に実際に呼び出しがかかることがない。そのため、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうことを防止することができる。また、着信者Yの携帯電話30の位置情報は、発信者Xによる発呼要求が行われない限り取得されない。そのため、発信者Xの携帯電話10及びサーバ20は、着信者Yの携帯電話30の位置情報を常に取得する必要がなく、タイムゾーン通知システム1全体における制御負荷を軽減することができる。
【0023】
[タイムゾーン通知システム1の機能構成]
次に、上記(1)〜(6)のような制御を行うための具体的構成について、図2を参照して説明する。
【0024】
タイムゾーン通知システム1は、発信者Xの携帯電話10、携帯電話10と接続可能なサーバ(基地局又は交換機)20、着信者Yの携帯電話30、及び着信者Yの携帯電話30の現在地等の情報を有するホームメモリ局40から構成される。
【0025】
携帯電話10は、発呼手段11、接続判断手段12、及び接続送信手段13から構成される。なお、図示は省略するが、携帯電話10には、種々の情報を出力する出力手段(例えば、液晶ディスプレイ)や発信者Xからの操作を受け付ける操作手段も設けられている。
【0026】
発呼手段11は、発信者Xからの操作に応じて着信者Yの携帯電話30に対する発呼を要求するメッセージをサーバ20に送信する。接続判断手段12は、発信者Xからの操作に応じて着信者Yの携帯電話30と接続するか否かを判断する。例えば、出力手段に表示された情報「発呼を接続しますか?」に対し、「YES」と操作された場合に接続すると判断し、「NO」と操作された場合に接続しないと判断する。接続送信手段13は、接続判断手段12により接続すると判断されることを条件に、接続指示信号をサーバ20に送信する。
【0027】
サーバ20は、位置確認手段21、接続確認手段22、呼出手段23、時刻判別手段24、及びタイムゾーンテーブル25から構成される。
【0028】
位置確認手段21は、携帯電話10からの発呼要求に応じて、発呼先の携帯電話30を特定し、ホームメモリ局40に携帯電話30の現在地を確認する。すなわち、位置確認手段21は、ホームメモリ局40に携帯電話30の現在地を要求し、ホームメモリ局40から携帯電話30の現在地を取得する。
【0029】
ここで、ホームメモリ局40のホームメモリには、図3に示すように着信者Yの携帯電話30の現在地を含む個人情報が記憶されている。このように、それぞれの携帯電話の現在地は、予め定められた1のホームメモリ局(交換機)に記憶されているため、位置確認手段21は、携帯電話30の識別情報に基づいて該当するホームメモリ局40にアクセスすることで、携帯電話30の現在地を取得することができる。
【0030】
接続確認手段22は、ホームメモリ局40から取得した携帯電話30の位置情報を、発呼要求を行った携帯電話10に送信し、接続確認を行う。なお、「位置情報」については、後述する。
【0031】
呼出手段23は、携帯電話10の接続送信手段13からの接続指示信号を受信することを条件に、携帯電話10と携帯電話30とを接続する。すなわち、携帯電話30と接続可能な基地局にアクセスし、携帯電話30を呼び出す。
【0032】
ここで、「位置情報」とは携帯電話30の現在地のほか、携帯電話30の属するタイムゾーンや、携帯電話30の現在地の時刻、携帯電話10と携帯電話30との時差を含む概念である。このようなタイムゾーン、時刻、時差を取得するため、サーバ20に時刻判別手段24及びタイムゾーンテーブル25が設けられている。なお、「タイムゾーン」とは、共通の協定世界時(UTC:Universal Time, Coordinated)を使う地域をいう。
【0033】
時刻判別手段24は、タイムゾーンテーブル25を参照して、ホームメモリ局40から取得した携帯電話30の現在地に基づいて携帯電話30の属するタイムゾーンや時刻を取得する。なお、時刻判別手段24は、取得したタイムゾーンや時刻から、発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30との時差を取得することとしてもよい。
【0034】
タイムゾーンテーブル25は、着信者Yの携帯電話30の現在地からタイムゾーンを判別するためのタイムゾーンテーブル(図4(1))、及び判別したタイムゾーンから現在の時刻を判別する時刻判別テーブル(図4(2))により構成される。なお、時刻判別テーブルについては対応関係を明確にするためテーブル形式で記載しているが、携帯電話30の現在地における時刻は、時刻判別手段24が演算することで判別したタイムゾーンから取得することとしてもよい。
【0035】
このように、時刻判別手段24及びタイムゾーンテーブル25により、携帯電話30の現在地からその時刻を取得することで、図1に示すように発信者Xの携帯電話10の出力手段に着信者Yの現在地及びその時刻を表示することができる。その結果、発信者Xは着信者Yの状況を適確に把握でき、着信者Yの状況を考慮して接続確認を行うことができる。なお、発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30との時差を取得した場合には、発信者Xの携帯電話10の出力手段に時差も併せて又は単独で表示することとしてもよい。
【0036】
ここで、サーバ20の接続確認手段22に、携帯電話10の位置情報と携帯電話30の位置情報とを対比する位置情報対比手段221を設けることとしてもよい。この場合において、携帯電話10の位置情報は、携帯電話10のホームメモリ局にアクセスし取得することとしてもよく、サーバ20の属する位置を携帯電話10の現在地とみなし取得することとしてもよい。
【0037】
そして、接続確認手段22は、位置情報対比手段221により携帯電話10の位置情報と携帯電話30の位置情報とが予め定められた以上に異なった場合にのみ、携帯電話10に接続確認を行い(位置情報を送信)、予め定められた以上に異ならない場合には、接続確認を行わない(位置情報を送信しない)こととしてもよい。すなわち、発信者Xの携帯電話10の位置情報と着信者Yの携帯電話30の位置情報とが予め定められた以上に異ならない場合には、呼出手段23は、接続指示信号に関わらず発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とを接続することとしてもよい。
【0038】
例えば、「位置情報」が地域である場合には、携帯電話10が属する地域と携帯電話30が属する地域とが異なるか判断し、接続確認を行うか判断することができる。また、「位置情報」がタイムゾーンである場合には、携帯電話10が属するタイムゾーンと携帯電話30が属するタイムゾーンとが異なるか判断し、接続確認を行うか判断することができる。また、「位置情報」が時差である場合には、携帯電話10と携帯電話30との時差(3時間以上の時差)から、接続確認を行うか判断することができる。また、「位置情報」が時刻である場合には、着信者Yの携帯電話30の時刻のみ(真夜中か)から、接続確認を行うか判断することができる。
【0039】
なお、接続確認を行うか否かの基準は、管理者が任意に設定することができる。例えば、3時間以上時差がある場合に接続確認を行うこととしてもよく、5時間以上時差がある場合に接続確認を行うこととしてもよい。
【0040】
[タイムゾーン通知システム1の処理]
次に、図5を参照して、タイムゾーン通知システム1における具体的な処理について説明する。
【0041】
S100:発信者Xが着信者Yへ電話をかける操作を行うと、携帯電話10の発呼手段11は接続可能な基地局(サーバ20)に発呼を要求するメッセージを送信する。
S105:このメッセージを受信すると、サーバ20の位置確認手段21は、着信者Yの携帯電話30の個人情報を有するホームメモリ局40にアクセスし、ホームメモリ局40に携帯電話30の現在地を要求する。
S110、S115:ホームメモリ局40は、ホームメモリを参照して確認要求された携帯電話30の現在地を取得し、この現在地をサーバ20に送信する。
【0042】
S120:サーバ20の時刻判別手段24は、タイムゾーンテーブル25を参照して、受信した現在地から携帯電話30の属するタイムゾーンや時刻、又は時差、すなわち、携帯電話30の位置情報を判別する。
S125:サーバ20の位置情報対比手段221は、判別した携帯電話30の位置情報と、携帯電話10の位置情報とを対比し、接続確認が必要であるか否かを判別する。
S130:このとき、予め定めた以上に異なる場合には、サーバ20の接続確認手段22は、携帯電話10に携帯電話30の位置情報を送信し、接続確認を行う。
【0043】
S135、S140:接続確認を受けると、携帯電話10は着信者Yの携帯電話30の位置情報を出力手段に表示し、発信者Xからの接続指示を受け付ける。
S145:このとき、発信者Xが接続を選択した場合には、携帯電話10の接続送信手段13は、接続指示信号をサーバ20に送信する。他方、発信者Xが接続しないことを選択した場合には、処理を終了する。
【0044】
S150:携帯電話10からの接続指示信号を受信した場合、又は、S125において接続確認が必要ないと判別された場合には、サーバ20の呼出手段23は、発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とを接続する。
S160:この接続により、携帯電話30から着信音が出音され、着信者Yへの呼び出しが行われる。
【0045】
このように、タイムゾーン通知システム1によれば、発信者Xが発呼要求を行ったとしても、発信者Xによる再度の接続指示が行われない限り着信者Yの携帯電話30と接続されない。そのため、相手のタイムゾーンを考慮することなく電話をかけてしまうことを防止することができる。また、着信者Yの携帯電話30の位置情報は、発信者Xによる発呼要求が行われない限り取得されない。そのため、発信者Xの携帯電話10及びサーバ20は、着信者Yの携帯電話30の位置情報を常に取得する必要がなく、タイムゾーン通知システム1全体における制御負荷を軽減することができる。
【0046】
また、発信者Xの携帯電話10の位置情報と着信者Yの携帯電話30の位置情報とが予め定められた以上に異ならない場合には、発信者Xの確認を受けることなく発信者Xの携帯電話10と着信者Yの携帯電話30とが接続される。そのため、着信者Yの携帯電話30の位置情報を考慮する必要がない場合にまで不要な確認を行わせることがなく、発信者Xに煩わしさを感じさせない。
【0047】
[サーバ20のハードウェア構成]
図6は、本発明の実施形態に係るタイムゾーン通知システムを構成するサーバ20のハードウェア構成を示す図である。本発明が実施される装置は標準的なものでよく、以下に構成の一例を示す。なお、携帯電話10,30、及びホームメモリ局40のハードウェア構成については省略するが、基本的にはサーバ20のハードウェア構成と同一である。
【0048】
サーバ20は、制御部1300を構成するCPU(Central Processing Unit)1310(マルチプロセッサ構成ではCPU1320等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン1200、通信I/F(I/F:インターフェイス)1330、メインメモリ1340、BIOS(Basic Input Output System)1350、表示装置1360、I/Oコントローラ1370、キーボード及びマウス等の入力装置1380、ハードディスク1390、光ディスクドライブ1400、並びに半導体メモリ1420を備える。なお、ハードディスク1390、光ディスクドライブ1400、並びに半導体メモリ1420はまとめて記憶装置1430と呼ぶ。
【0049】
制御部1300は、サーバ20を統括的に制御する部分であり、ハードディスク1390(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0050】
通信I/F1330は、サーバ20が、ネットワークを介して携帯電話10等と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F1330は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0051】
BIOS1350は、サーバ20の起動時にCPU1310が実行するブートプログラムや、サーバ20のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0052】
表示装置1360は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0053】
I/Oコントローラ1370には、ハードディスク1390、光ディスクドライブ1400、及び半導体メモリ1420等の記憶装置1430を接続することができる。
【0054】
入力装置1380は、サーバ20のユーザによる入力の受け付けを行うものである。
【0055】
ハードディスク1390は、本ハードウェアをサーバ20として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラム及び前述したテーブル及びレコードを記憶する。なお、サーバ20は、外部に別途設けたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0056】
光ディスクドライブ1400としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク1410を使用する。光ディスク1410から光ディスクドライブ1400によりプログラム又はデータを読み取り、I/Oコントローラ1370を介してメインメモリ1340又はハードディスク1390に提供することもできる。
【0057】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えたサーバ20をいい、サーバ20は、記憶装置1430、制御部1300等を備えたサーバ20により構成され、このサーバ20は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0058】
サーバ20の各手段は、制御部1300によってプログラムが実行されることで実現される。但し、タイムゾーンテーブル25は、主としてハードディスク1390に実装されるが、既に述べたように、他の記憶装置を用いてもよい。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0060】
例えば、本発明の実施形態では、着信者Yの位置情報が液晶ディスプレイに表示されるものを例にとって説明した。すなわち、出力手段として表示手段である液晶ディスプレイを例にとって説明した。しかしながら、出力手段は液晶ディスプレイのような表示手段に限らず、音声により着信者Yの位置情報を発信者Xに知らせる音声出力手段(例えば、携帯電話のスピーカ)であってもよい。すなわち、発信者Xが発呼要求を行うと、発信者Xは携帯電話を耳にあて待機するところ、表示手段に表示するよりも、音声出力手段から音声により出力したほうが好適な場合があるためである。その後、例えば、「接続する場合には「1」、接続しない場合には「2」を押してください」といった音声を出力することで、発信者Xは容易に接続指示を行うことができる。
【0061】
なお、発信者Xの接続指示についても、様々な方法が考えられる。例えば、音声により接続するか否かを指示できることとしてもよく、また、携帯電話の動作を感知するモーションコントロールセンサーを有する場合には、携帯電話の動作により接続するか否かを指示できることとしてもよい。また、タッチパネルを有する携帯電話である場合には、タッチパネルに対する接触により接続するか否かを指示できることとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 タイムゾーン通知システム
10 携帯電話
11 発呼手段
12 接続判断手段
13 接続送信手段
20 サーバ
21 位置確認手段
22 接続確認手段
221 位置情報対比手段
23 呼出手段
24 時刻判別手段
25 タイムゾーンテーブル
30 ホームメモリ局
40 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者携帯電話、前記発信者携帯電話と接続可能な着信者携帯電話、及び前記発信者携帯電話と接続可能なサーバ、を含むタイムゾーン通知システムであって、
前記サーバは、
発信者携帯電話からの着信者携帯電話への発呼要求を受け付けることを条件に、この着信者携帯電話の位置情報を取得する位置確認手段と、
前記発信者携帯電話に前記着信者携帯電話の前記位置情報を送信する接続確認手段と、
を備え、
前記発信者携帯電話は、
受信した前記位置情報を出力する出力手段と、
発信者からの操作に応じて前記着信者携帯電話と接続するか否かを判断する接続判断手段と、
前記接続判断手段により接続すると判断されることを条件に、接続指示信号を前記サーバに送信する接続送信手段と、
を備え、
前記サーバは、前記接続送信手段からの前記接続指示信号を受信することを条件に、前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続する呼出手段をさらに備えることを特徴とするタイムゾーン通知システム。
【請求項2】
前記位置情報は、携帯電話の属する地域、携帯電話の属するタイムゾーン、又は携帯電話の属する地域の時刻であることを特徴とする請求項1に記載のタイムゾーン通知システム。
【請求項3】
前記サーバの前記接続確認手段は、前記発信者携帯電話の前記位置情報と前記着信者携帯電話の前記位置情報とを対比する位置情報対比手段を備え、
前記呼出手段は、前記位置情報対比手段により前記発信者携帯電話の前記位置情報と前記着信者携帯電話の前記位置情報とが所定以上に異ならない場合には、前記接続指示信号に関わらず前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイムゾーン通知システム。
【請求項4】
前記位置情報は、携帯電話の属する地域の時刻であり、
前記呼出手段は、前記着信者携帯電話の属する地域の時刻が所定範囲の時刻である場合には、前記接続指示信号に関わらず前記発信者携帯電話と前記着信者携帯電話とを接続することを特徴とする請求項1に記載のタイムゾーン通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−219644(P2010−219644A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61212(P2009−61212)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(500521522)株式会社オプティム (73)
【Fターム(参考)】