説明

タイヤ層及びそれに接着されたDVAバリア層を有する空気入りタイヤ及びその製造法

【課題】外側トレッドの内側に配置された動的加硫アロイフィルムバリア層を含む空気入りタイヤ及びその製造法を提供する。
【解決手段】バリア層24は、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも一つの部分加硫ゴムを有する動的加硫アロイと、内表面26及び外表面28を含む。タイヤ層、例えばプライ層18は、バリア層24の内表面26又は外表面28の少なくとも一つに隣接して配置される。タイヤ層は、100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ、1〜10phrのメラミン誘導体、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、及び少なくとも一つの補強充填剤を有するゴム配合物を含む。タイヤはバリア層24とタイヤ層との間に接着層がなく、タイヤ層はタイヤの硬化後、バリア層24に直接接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、タイヤ層、例えばプライ層、及びそれに接着されたDVAバリア層を含む空気入りタイヤ、及びその製造法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
[0002]動的加硫アロイ(“DVA”,dynamically vulcanized alloy)フィルムは、タイヤのハロブチルバリア層、例えばハロブチルインナーライナーの改良代替品としてもてはやされている。その理由の少なくとも一部は、該フィルムが従来のハロブチルインナーライナーよりも薄くて軽量のためである。それでも、DVAバリア層を用いたタイヤを構築及び硬化するためには、カーカス、例えばプライ層への取り付けについて対処する必要がある。なぜならば、従来のハロブチルバリア層とは異なり、DVAは固有粘着力のない非粘着材料だからである。これらの欠点を克服するための一つの選択肢は、タイゴム(tie-gum)層とも呼ばれる特定ゴム配合物の薄層である接着層をDVAフィルム上に適用して、その硬化接着を改良することであった。しかしながら、これは製造の複雑性とコストを増大する。
【0003】
[0003]現在のタイ層配合物にはその他の様々な欠点も存在する。例えば、従来のタイ層配合物に関する一つのそのような問題は、タイ層自体の加工を妨害する望ましくないほど高レベルの粘着性であろう。別の問題は、タイ層に高価で希少な特殊ゴムであるエポキシ化天然ゴムを使用することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]そこで、上記欠点を克服した、バリア層として使用されるDVAフィルムに接着するタイヤ層を有する空気入りタイヤ及びその製造法に対する需要は依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明は、バリア層、例えばインナーライナーとして使用されるDVAフィルムに接着するタイヤ層を有する空気入りタイヤ及びその製造法に向けられる。該空気入りタイヤは、例えば、自動車、航空機(例えば飛行機)、及び産業機械に有用でありうる。
【0006】
[0006]一態様において、外側トレッドと該外側トレッドの内側に配置されたバリア層を含む空気入りタイヤを提供する。バリア層は、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイを含む。バリア層はさらに内表面及び外表面を含む。タイヤ層、例えばタイヤカーカスのプライ層は、バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置され、100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ、約1〜10phrのメラミン誘導体、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、及び少なくとも一つの補強充填剤を有するゴム配合物を含む。タイヤはバリア層とタイヤ層との間に接着層を持たない。そして、タイヤ層はタイヤの硬化後、バリア層に直接接着する。一例において、バリア層はタイヤの最内層である。
【0007】
[0007]別の態様において、タイヤ層とバリア層をタイヤ構築装置上に配置することを含む空気入りタイヤの製造法を提供する。動的加硫アロイは、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む。バリア層はさらに内表面及び外表面を含む。タイヤ層、例えばタイヤカーカスのプライ層は、バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置される。タイヤ層は、100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ、約1〜10phrのメラミン誘導体、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、及び少なくとも一つの補強充填剤を有するゴム配合物を含む。次に、外側トレッドをタイヤ層とバリア層の外側に配置し、未硬化タイヤアセンブリを定義づける。タイヤアセンブリは、バリア層とタイヤ層との間に接着層を持たない。そして、タイヤ層はタイヤの硬化後、バリア層に直接接着する。
【0008】
[0008]添付の図面は、本明細書に取り込まれ、その一部を構成するものであるが、本発明の態様を例示し、また、上に示した本発明の一般的説明及び以下に示す詳細な説明と一緒になって本発明を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[0009]図1は、本発明の態様に従ってタイヤ層とDVAバリア層を有する空気入りタイヤの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0010]図1は、サイドウォール12と、外周ゴムトレッド14と、タイヤ層、例えばプライ層18を含む支持カーカス16と、拡張不能のビード20と、そして内表面26及び外表面28を含む最内バリア層24とを含む空気入りタイヤ10を示す。個別サイドウォール12は、トレッド14の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて、拡張不能な各ビード20に接合する。プライ層18を含む支持カーカス16は、トレッド部14とサイドウォール12のための支持構造として働く。プライ層18は、バリア層がプライ層に、それらの間に接着層の必要なしに望ましく接着されるように、バリア層24に直接隣接して配置されている。外周トレッド14は、タイヤ10の使用時、接地するように適応されている。そしてバリア層24は、タイヤ圧が長期間にわたって維持されるように、空気又は酸素の通過を阻止するように設計されている。
【0011】
[0011]タイヤ10のバリア層24は、連続相として少なくとも一つのエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイ(“DVA”)を含む。DVAは、一般的に、動的加硫として知られている技術を利用して、エンジニアリングレジンとゴムを硬化剤及び充填剤と共に一緒にブレンドすることによって製造できる。“動的加硫”という用語は、エンジニアリングレジンとゴムを硬化剤の存在下、高剪断及び高温の条件下で混合する加硫プロセスのことを言う。動的加硫は、ゴムの硬化温度又はそれを上回る温度で、ロールミル、バンバリーミキサー、連続ミキサー、ニーダー、混合押出機(例えば二軸スクリュー押出機)などを用いて成分を混合することによって実施される。その結果、ゴムは、同時に架橋及びエンジニアリングレジン内に例えばミクロゲルの形態の微粒子として分散され、連続マトリックスを形成する。動的硬化組成物の一つの特徴は、ゴムは硬化されている(又は少なくとも部分硬化されている)という事実にもかかわらず、組成物は、押出、射出成形、圧縮成形などの従来の熱可塑性加工技術によって加工及び再加工できることである。
【0012】
[0012]エンジニアリングレジン(“エンジニアリングサーモプラスチックレジン”、“熱可塑性樹脂”、又は“熱可塑性エンジニアリングレジン”とも呼ばれる)は、任意の熱可塑性ポリマー、コポリマー又はそれらの混合物を含みうる。例えば、下記の一つ又は複数であるが、これらに限定されない。a)ポリアミド樹脂、例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T(N6T)、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、又はナイロン66/PPSコポリマー;b)ポリエステル樹脂、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド二酸/ポリブチレートテレフタレートコポリマー及びその他の芳香族ポリエステル;c)ポリニトリル樹脂、例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル−スチレンコポリマー、又はメタクリロニトリル−スチレン−ブタジエンコポリマー;d)ポリメタクリレート樹脂、例えばポリメチルメタクリレート、又はポリエチルアクリレート;e)ポリビニル樹脂、例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニル/ポリビニリデンコポリマー、又はポリ塩化ビニリデン/メタクリレートコポリマー;f)セルロース樹脂、例えば酢酸セルロース、又は酢酸酪酸セルロース;g)フッ素含有樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロフルオロ−エチレン(PCTFE)、又はテトラフルオロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE);h)ポリイミド樹脂、例えば芳香族ポリイミド;i)ポリスルホン;j)ポリアセタール;k)ポリラクトン;l)ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィド;m)スチレン−無水マレイン酸;n)芳香族ポリケトン;及びo)a)〜n)のいずれか及びすべての混合物のほか、a)〜n)のそれぞれの中の実例又は例示エンジニアリングレジンのいずれかの混合物。
【0013】
[0013]一態様において、エンジニアリングレジンは、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン6 66コポリマー、ナイロン11、及びナイロン12、並びにそれらのブレンドを含む。別の態様において、エンジニアリングレジンは、オレフィンのポリマー、例えばポリエチレン及びポリプロピレンを除外する。別の態様において、エンジニアリングレジンは、500MPaを超えるヤング率及び/又は60×10−12cc・cm/cm sec cm Hg(30℃)未満の空気透過係数を有する。一例において、空気透過係数は25×10−12cc・cm/cm sec cm Hg(30℃)未満である。
【0014】
[0014]DVAのゴム成分は、ジエンゴム及びその水素化物、ハロゲン含有ゴム、例えばハロゲン化イソブチレン含有コポリマー(例えば臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマー)、シリコーンゴム、硫黄含有ゴム、フルオロゴム、ヒドリンゴム、アクリルゴム、イオノマー、熱可塑性エラストマー、又はそれらの組合せ及びブレンドなどでありうる。
【0015】
[0015]一態様において、ゴム成分はハロゲン含有ゴムである。ハロゲン含有ゴム、又はハロゲン化ゴムは、少なくとも約0.1モル%のハロゲン(例えば、臭素、塩素又はヨウ素)を有するゴムなどでありうる。適切なハロゲン化ゴムは、ハロゲン化イソブチレン含有ゴム(ハロゲン化イソブチレンベースのホモポリマー又はコポリマーとも呼ばれる)を含む。これらのゴムは、C〜Cイソモノオレフィン誘導単位、例えばイソブチレン誘導単位と、少なくとも一つのその他の重合可能単位とのランダムコポリマーと言うことができる。一例において、ハロゲン化イソブチレン含有ゴムは、ブチルタイプのゴム又は分枝ブチルタイプのゴムの臭素化されたようなものである。本開示に適切な、オレフィン又はイソオレフィンのホモポリマー及びコポリマーなどの有用な不飽和ブチルゴム及びその他のタイプのゴムは周知であり、RUBBER TECHNOLOGY 209−581(Maurice Morton ed.,Chapman & Hall 1995)、THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 105−122(Robert F.Ohm ed.,R.T.Vanderbilt Co.,Inc.1990)、及び8 KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY 934−955中のEdward Kresge and H.C.Wang(John Wiley & Sons,Inc.4th ed.1993)に記載されている。一例において、ハロゲン含有ゴムは、ハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレン−イソプレンコポリマー又はハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)ポリマーで、これは約0.1〜約5wt%のブロモメチル基を一般的に含有する臭素化ポリマーである。
【0016】
[0016]一態様において、ゴムは、500MPaを超えるヤング率及び/又は60×10−12cc・cm/cm sec cm Hg(30℃)未満の空気透過係数を有する。一例において、空気透過係数は25×10−12cc・cm/cm sec cm Hg(30℃)未満である。
【0017】
[0017]一態様において、ゴム成分及びエンジニアリングレジンとも、ゴム配合物の総重量を基にして少なくとも10重量%の量で存在し;ゴム成分とエンジニアリングレジンの総量は、ゴム配合物の総重量を基にして30重量%以上である。
【0018】
[0018]前述のように、DVAは一つ又は複数の充填剤成分も含みうる。それは、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ及びシリケート、タルク、二酸化チタン、デンプン及びその他の有機充填剤、例えば木粉、及びカーボンブラックなどでありうる。一例において、充填剤は、全DVA組成物の約20%〜約50重量%存在する。
【0019】
[0019]当該技術分野で公知の追加の添加剤も、所望の物理的性質を有する所望のコンパウンドを得るためにDVAに入れてもよい。そのような公知の通常使用されている添加剤材料は、活性化剤、遅延剤及び促進剤、ゴムプロセス油、粘着付与樹脂を含む樹脂、可塑剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤(antiozonant)、及びしゃく解剤である。当業者にはわかるように、DVAの意図する使用に応じて、添加剤は選択され、従来量で使用される。
【0020】
[0020]本発明の態様に従う適切なDVA及びDVAの製造法は、米国特許出願公開第2008/0314491号;2008/0314492号;及び2009/015184号に開示されている。これらの内容は、引用によってそれらの全体を明示的に本明細書に援用する。
【0021】
[0021]動的加硫プロセスのための適切な硬化剤は、例えば、ZnO、CaO、MgO、Al、CrO、FeO、Fe、及びNiOなどで、これらは対応するステアリン酸金属化合物(例えば、Zn、Ca、Mg、及びAlのステアリン酸塩)、又はステアリン酸と、及び硫黄化合物又はアルキルペルオキシド化合物のいずれかと共に使用できる。所望により促進剤を添加してもよい。ペルオキシド硬化剤は、選択されたエンジニアリングレジンが、ペルオキシドによってこれらの樹脂自体の架橋が起こり、過度に硬化された非熱可塑性組成物がもたらされるような場合は避ける必要がある。
【0022】
[0022]動的加硫プロセスは、ゴム成分を少なくとも部分加硫する条件で実施される。これを達成するには、エンジニアリングレジン、ゴム成分及びその他の所望ポリマーと共に硬化系を、樹脂を軟化させるのに十分な温度で一緒に混合すればよい。混合プロセスは、所望レベルの加硫又は架橋が完了するまで継続できる。一態様において、ゴム成分は、エンジニアリングレジンの一部又は全部の存在下で動的加硫できる。同様に、全部の充填剤及びオイルは、使用される場合、動的加硫段階の前に添加される必要はない。ある種の成分、例えば安定剤及び加工助剤は、硬化後に添加されるとより効果的に機能することができる。加硫温度での加熱及び混練は、一般的に約0.5〜約10分で加硫を完了させるのに適切である。加硫時間は加硫温度を高めることによって短くできる。加硫温度の適切な範囲は、例えば、典型的には熱可塑性樹脂のおよそ融点〜約300℃である。
【0023】
[0023]得られたDVAは、バリア層24としてそのまますぐに使用できる。そのためには、DVA材料をカレンダリングして約0.1mm〜約1mmの厚さを有するシート又はフィルム材料にし、該シート材料を特定のサイズ又はタイプのタイヤにバリア層として適用するのに適切な幅及び長さのストリップにカットすることによって、バリア層24又は“ストック”を製造すればよい。バリア層24は管状層として提供することもできる。バリア層24として使用するための一つの適切なタイプのDVAフィルムは、テキサス州ヒューストンのExxonMobil社から入手できるExxcore(登録商標)DVAフィルムである。
【0024】
[0024]タイヤカーカス16は、空気入りタイヤ10に使用するための任意の従来型タイヤカーカス16でよい。タイヤカーカス16は、一般的に、トレッド部14及びサイドウォール12の支持構造としての役割を果たすプライ18及び/又はコードの一つ又は複数の層を含む。図1では、カーカス16は、バリア層24に隣接して配置された少なくとも一つのプライ層18を含む。バリア層24をタイヤカーカス16に接着しているプライ層18は、100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せを有するゴム配合物を含む。そのようなゴム配合物は、以下でさらに説明するが、さらに1〜10phrのメラミン及び少なくとも一つの補強充填剤、並びにその他の任意の成分を含む。
【0025】
[0025]一例において、プライ層18のゴム配合物の天然又は合成ゴム成分は、少なくとも50モル%、別の例では少なくとも約60モル%〜約100モル%のC〜C12ジエンモノマーを含みうる従来のジエン又は高ジエンゴムであろう。有用なジエンゴムは、オレフィン又はイソオレフィン及びマルチオレフィンのホモポリマー及びコポリマー、又はマルチオレフィンのホモポリマーなどである。これらは周知であり、RUBBER TECHNOLOGY 179−374(Maurice Morton ed.,Chapman & Hall 1995)、及びTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 22−80(Robert F.Ohm ed.,R.T.Vanderbilt Co.,Inc.1990)に記載されている。ジエンゴムの適切な例は、ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどで、これらは単独でも又は組合せ及び混合物でも使用できる。別の例では、ジエンゴムはスチレン系ブロックコポリマー、例えば5wt%〜95wt%のスチレン含有量を有するものを含むことができる。適切なスチレン系ブロックコポリマー(SBC)は、一般的に熱可塑性ブロック部分A及びエラストマー性ブロック部分Bを含むものなどである。
【0026】
[0026]ゴム配合物中のメラミン誘導体は、例えばヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)、テトラメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、及びそれらの二量体;N−(置換オキシメチル)メラミン誘導体、例えばヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリエチル−N,N’,N”−トリス(メトキシメチル)メラミン、及びN,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン;又はそれらの混合物などでありうる。一例において、メラミン誘導体はヘキサメトキシ−メチルメラミンである。
【0027】
[0027]メラミン誘導体は、ゴム配合物中に約1phr〜約10phrの量で存在しうる。別の例において、メラミン誘導体は、約1phr〜約5phrの量で存在する。
[0028]補強充填剤は、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ及びシリケート、タルク、二酸化チタン、デンプン及びその他の有機充填剤、例えば木粉、カーボンブラック、及びそれらの組合せなどでありうる。一例において、補強充填剤はカーボンブラック又は改質カーボンブラックである。適切なカーボンブラックの等級は、RUBBER TECHNOLOGY 59−85(1995)に記載されているように、N110〜N990を含む。
【0028】
[0029]補強充填剤は、ゴム配合物中に約10phr〜約150phrの量で存在しうる。別の例において、充填剤は、約30phr〜約100phrの量で存在する。さらに別の例において、充填剤は、約40phr〜約70phrの量で存在する。
【0029】
[0030]プライ層18のためのゴム配合物は、フェノール、例えばレソルシノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、例えばレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。一例において、フェノールは、ゴム配合物中に約0.1phr〜約3phr、別の例においては、約0.4phr〜約1phrの量で存在しうる。別の例において、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、ゴム配合物中に約1phr〜約5phr、別の例においては、約2phr〜約4phrの量で存在しうる。
【0030】
[0031]当該技術分野で公知の追加の添加剤も、所望の物理的性質を有する所望のコンパウンドを得るためにプライ層18のゴム配合物に入れてもよい。そのような公知の通常使用されている添加剤材料は、活性化剤、遅延剤及び促進剤、ゴムプロセス油、可塑剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、及びしゃく解剤である。プライ層18のためのゴム配合物は、該組成物が加硫可能となり標準のゴム配合法によって製造できるように、硬化剤又は硬化系も含む。当業者にはわかるように、プライ層の意図する使用に応じて、添加剤及び硬化剤は選択され、従来量で使用される。
【0031】
[0032]バリア層24及びプライ層18のためのゴム配合物の全成分の混合は、当業者に公知の方法によって達成できる。例えば、成分は少なくとも二つの段階、すなわちノンプロダクティブ混合段階とそれに続くプロダクティブ混合段階で混合できる。最終の硬化剤は典型的には最終段階で混合される。この最終段階は従来“プロダクティブ”混合段階と呼ばれ、混合が典型的にはエラストマーの加硫温度より低い温度、又は極限温度で実施される。“ノンプロダクティブ”及び“プロダクティブ”混合段階という用語は、ゴム混合分野の技術者には周知である。バリア層24及びプライ層18は、例えば押出注型技術又はインフレート(film blowing)技術によって形成されるシート又はフィルムとして提供できる。
【0032】
[0033]タイヤ部品の残り、例えばタイヤトレッド14、サイドウォール12、及び補強ビード20も、一般的に当該技術分野で従来知られているものから選ぶことができる。バリア層24及びプライ層18と同様、タイヤトレッド14、サイドウォール12、及びビード20、並びにそれらの製造法もそのような分野の技術者には周知である。
【0033】
[0034]上記の層を用いて、空気入りタイヤ10は、タイヤ形成ドラム(図示せず)上に標準的タイヤ構築技術を用い、複雑で高価なタイヤ構築装置を使わずに構築することができる。特に、図1に示されている空気入りタイヤ10は、まずタイヤドラム上に最内バリア層24を配置し、その後未硬化タイヤの残り部分をその上に構築することによって製造することができる。次に、プライ層18をバリア層24上に直接配置し、続いてタイヤカーカス16の残りを配置する。プライ層18は、バリア層24をそれ(プライ層)に、バリア層24の対向面上に例えば接着層の必要なしに、初期接着させるための望ましい未硬化粘着性又は粘着力を含む。最後に、ゴムのタイヤトレッド14をタイヤカーカス16上に配置することによって未加硫タイヤアセンブリを定義づける。
【0034】
[0035]ドラム上で未硬化タイヤアセンブリを構築したら、取り外して熱金型に入れることができる。金型は、未硬化タイヤの内周に配置される膨張可能なタイヤ成形ブラダーを包含している。金型を閉じたらブラダーを膨らます。そうすると、ブラダーは硬化プロセスの早期段階でタイヤを閉金型の内表面に押し付けることによってタイヤ10を成形する。ブラダー及び金型内の熱はタイヤ10の温度を加硫温度にまで上昇させる。
【0035】
[0036]一般的に、タイヤ10は広範囲の温度で硬化でき、加硫温度は約100℃〜約250℃となりうる。例えば、乗用車のタイヤは約130℃〜約170℃の範囲の温度で硬化され、トラックのタイヤは約150℃〜約180℃の範囲の温度で硬化されるであろう。硬化時間も約5分から数時間の範囲で変動しうる。硬化時間及び温度は、当該技術分野で周知の多数の変数、例えばタイヤ部品の組成(各層の硬化系を含む)、全体的なタイヤのサイズ及び厚さなどに依存する。アセンブルされたタイヤの加硫は、タイヤアセンブリのすべての構成要素又は層、すなわちバリア層24、プライ層18を含むカーカス16、及び外側トレッド14並びにサイドウォール層12の完全な又は実質的に完全な加硫又は架橋をもたらす。加硫は、各層及び全体構造の所望の強度特性を発揮させることに加えて、これらの構成要素間の接着も増強し、別個の多数の層であったものから、硬化された一体化(unitary)タイヤ10を生み出す。
【0036】
[0037]前述のように、少なくとも一つのエンジニアリングレジン及び少なくとも部分加硫されたゴムを有する動的加硫アロイを含む薄型軽量バリア層24は、望ましく低い透過特性を示す。そして、プライ層18は、それが接触しているバリア層24の表面に対して望ましく高い加硫接着を生じることができる。得られた全体構造は、低減された重量を有するタイヤ構造を可能にする。
【0037】
[0038]図1では最内層として示されているが、一つ又は複数のバリア層24を、代替的あるいは追加的に、タイヤ10全体の中間的位置に配置することもできることは理解されるはずである。一例において、バリア層24の各表面26、28を、プライ層18のようなタイヤ層に隣接させて配置することができる。その場合、タイヤ層はプライ層18に使用されたのと同じ又は類似タイプのゴム配合物を含みうる。別の例では、多重のバリア層24を、一つ又は複数のプライ層18のようなタイヤ層をその間に挟むように、タイヤ全体の中間的位置に間隔をあけて配置してもよい。さらに別の例では、バリア層24が最内層を定義づけ、別のバリア層(図示せず)がプライ層18を挟み込むように中間的位置に配置されてもよい。
【実施例】
【0038】
[0039]詳細な説明に従ってタイヤ10のタイヤ層、例えばプライ層18に使用されるゴム配合物の非制限的例を以下に開示する。この例は単に例示を目的としたものであって、本発明の範囲又は本発明を実施できる様式の制限と見なされてはならない。当業者には他の例もわかるであろう。
【0039】
[0040]表I:タイヤ層のためのゴム配合物
【0040】
【表1】

【0041】
[0041]表1のプライ層のゴム配合物を対照及び比較例と比較した。両方とも次に説明する。
[0042]対照配合物
[0043]このプライ層のゴム配合物は、配合物からHMMMを除外して合計phrを168.03とした以外は表1のゴム配合物と同一であった。
【0042】
[0044]比較例
[0045]このプライ層のゴム配合物は、HMMMを3.0phrのヘキサメチレンビス−チオスルフェート二ナトリウム塩二水和物で置き換えて合計phrを171.03とした以外は表1のゴム配合物と同一であった。
【0043】
[0046]上記ゴム配合物は、当業者に公知の標準的ゴム配合法によって、及び前述のように製造された。製造された各配合物は、タイヤ構築に使用するのに適切なプライ層を提供するための標準法によってさらに加工された。
【0044】
[0047]プライ層の0.2mmDVAバリア層への硬化接着など、各プライ層の様々な特性及び性質を評価した。バリア層として使用するためのDVAフィルムは、テキサス州ヒューストンのExxonMobil社から入手したExxcore(登録商標)DVAフィルムであった。このDVAバリア層は、連続相としてナイロン及び分散相として少なくとも一つの部分加硫された臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマーを含んでいた。
【0045】
[0048]試験の目的のために、各プライ層を、接着層を含んでいないDVAフィルムの表面に直接隣接させて配置し、150℃で23分間、100psiで硬化させた。次に1インチのストリップを列理方向に切り取り、クロスヘッド速度50.8cm/分で定常状態平均負荷をInstronを用いて測定した。各ゴム配合物について3個のサンプルを試験した。結果/データを以下の表IIに示す。
【0046】
[0049]表II:試験結果
【0047】
【表2】

【0048】
[0050]試験結果に基づくと、ヘキサメチレンビス−チオスルフェート二ナトリウム塩二水和物を含む比較例のプライ層ゴム配合物は、DVAバリア層に対する硬化接着を改良しなかった。しかしながら、HMMMを含む表1のプライ層ゴム配合物は、プライ層とDVAバリア層間の硬化接着を予想外に著しく増強した。
【0049】
[0051]本発明を、その一つ又は複数の態様を記載することによって例示してきたが、そしてまた、その態様をかなり詳細に記載してきたが、それらは、添付のクレームの範囲をそのような詳細に制限又は限定することを意図したものでは決してない。追加の利益及び変更は当業者には容易に思い浮かぶであろう。従って、本発明は、その広い側面において、提示及び記載された特定の詳細、代表的製品及び方法及び例示的実施例に限定されない。従って、一般的発明概念の範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱をなすことは可能である。
[発明の態様]
1.空気入りタイヤであって、
外側トレッドと;
前記外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイを含むバリア層であって、前記バリア層は内表面及び外表面を含むバリア層と;そして
前記バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置されたタイヤ層であって、前記タイヤ層は、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
約1〜10phrのメラミン誘導体;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含むタイヤ層と;
を含み、
タイヤは前記バリア層と前記タイヤ層との間に接着層がなく、前記タイヤ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着する空気入りタイヤ。
【0050】
2.タイヤ層がプライ層である、1記載のタイヤ。
3.タイヤ層が、バリア層の外表面に直接隣接し、且つバリア層と外側トレッドとの間に配置されている、1記載のタイヤ。
【0051】
4.バリア層がタイヤの最内層である、3記載のタイヤ。
5.メラミン誘導体がヘキサメトキシメチルメラミンである、1記載のタイヤ。
6.メラミン誘導体が、約1〜5phrのメラミン誘導体の量で存在する、1記載のタイヤ。
【0052】
7.ゴム配合物が、100部の天然ゴム及び合成ポリイソプレンを含む、1記載のタイヤ。
8.ゴム配合物が、フェノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物をさらに含む、1記載のタイヤ。
【0053】
9.ゴム配合物が、フェノールとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の混合物をさらに含む、1記載のタイヤ。
10.エンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫されたゴムがハロゲン化ゴムである、1記載のタイヤ。
【0054】
11.空気入りタイヤであって、
外側トレッドと;
前記外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイを含む最内バリア層であって、前記バリア層は内表面及び外表面を含む最内バリア層と;そして
前記バリア層の外表面に隣接して配置されたプライ層であって、前記プライ層は、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
ヘキサメトキシメチルメラミン;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含むプライ層と;
を含み、
タイヤは前記バリア層と前記プライ層との間に接着層がなく、前記プライ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着する空気入りタイヤ。
【0055】
12.メラミン誘導体が、約1〜10phrの量で存在する、11記載のタイヤ。
13.メラミン誘導体が、約1〜5phrのメラミン誘導体の量で存在する、11記載のタイヤ。
【0056】
14.ゴム配合物が、100部の天然ゴム及び合成ポリイソプレンを含む、11記載のタイヤ。
15.ゴム配合物が、フェノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物をさらに含む、11記載のタイヤ。
【0057】
16.ゴム配合物が、フェノールとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の混合物をさらに含む、11記載のタイヤ。
17.エンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫されたゴムがハロゲン化ゴムである、11記載のタイヤ。
【0058】
18.空気入りタイヤの製造法であって、
タイヤ層及び動的加硫アロイを含むバリア層をタイヤ構築装置上に配置し、前記動的加硫アロイは連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含み、前記バリア層は内表面及び外表面を含み、前記タイヤ層は、前記バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置され、前記タイヤ層は、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
1〜10phrのメラミン誘導体;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含み;そして
タイヤ層とバリア層の外側に外側トレッドを配置して、未硬化タイヤアセンブリを定義づけ、
前記タイヤアセンブリは、前記バリア層と前記タイヤ層との間に接着層がなく、前記タイヤ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着する
ことを含む方法。
【0059】
19.未硬化タイヤアセンブリを、タイヤ層をバリア層に直接接着させるための熱及び圧力条件下で硬化させることをさらに含む、18記載の方法。
【符号の説明】
【0060】
10 空気入りタイヤ
12 サイドウォール
14 トレッド
16 カーカス
18 プライ層
20 ビード
24 バリア層
26 内表面
28 外表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤであって、
外側トレッドと;
前記外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイを含むバリア層であって、内表面及び外表面を含むバリア層と;そして
前記バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置されたタイヤ層であって、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
約1〜10phrのメラミン誘導体;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含むタイヤ層と;
を含み、
タイヤは前記バリア層と前記タイヤ層との間に接着層がなく、前記タイヤ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着することを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
タイヤ層がプライ層である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
タイヤ層が、バリア層の外表面に直接隣接し、且つバリア層と外側トレッドとの間に配置されている、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
バリア層がタイヤの最内層である、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】
メラミン誘導体がヘキサメトキシメチルメラミンである、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
メラミン誘導体が、約1〜5phrのメラミン誘導体の量で存在する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項7】
ゴム配合物が、100部の天然ゴム及び合成ポリイソプレンを含む、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項8】
ゴム配合物が、フェノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項9】
ゴム配合物が、フェノールとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の混合物をさらに含む、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項10】
エンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫されたゴムがハロゲン化ゴムである、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項11】
空気入りタイヤであって、
外側トレッドと;
前記外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含む動的加硫アロイを含む最内バリア層であって、内表面及び外表面を含む最内バリア層と;そして
前記バリア層の外表面に隣接して配置されたプライ層であって、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
ヘキサメトキシメチルメラミン;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含むプライ層と;
を含み、
タイヤは前記バリア層と前記プライ層との間に接着層がなく、前記プライ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着することを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項12】
メラミン誘導体が、約1〜10phrの量で存在する、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項13】
メラミン誘導体が、約1〜5phrのメラミン誘導体の量で存在する、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項14】
ゴム配合物が、100部の天然ゴム及び合成ポリイソプレンを含む、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項15】
ゴム配合物が、フェノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物をさらに含む、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項16】
ゴム配合物が、フェノールとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の混合物をさらに含む、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項17】
エンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫されたゴムがハロゲン化ゴムである、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項18】
空気入りタイヤの製造法であって、
タイヤ層及び動的加硫アロイを含むバリア層をタイヤ構築装置上に配置し、前記動的加硫アロイは連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫されたゴムを含み、前記バリア層は内表面及び外表面を含み、前記タイヤ層は、前記バリア層の内表面又は外表面の少なくとも一つに隣接して配置され、前記タイヤ層は、
100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せ;
1〜10phrのメラミン誘導体;及び
少なくとも一つの補強充填剤
を含むゴム配合物を含み;そして
タイヤ層とバリア層の外側に外側トレッドを配置して、未硬化タイヤアセンブリを定義づけ、
前記タイヤアセンブリは、前記バリア層と前記タイヤ層との間に接着層がなく、前記タイヤ層はタイヤの硬化後、前記バリア層に直接接着する
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
未硬化タイヤアセンブリを、タイヤ層をバリア層に直接接着させるための熱及び圧力条件下で硬化させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−96785(P2012−96785A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−237680(P2011−237680)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
【Fターム(参考)】