説明

タイル型電子ディスプレイ

タイル型ディスプレイが、放射画像エリアを設けるように位置合わせされる複数のディスプレイタイルを備え、ディスプレイタイルはそれぞれ、放射画像エリアでピクセルグループ内に配置される複数の発光ピクセルと、複数の順次に配置されるピクセル駆動回路であって、ピクセルの光放射を制御するために特定のピクセルグループに電気的に接続される、ピクセル駆動回路と、各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータを与える、1つ又は複数の信号通信線とを備え、各ピクセル駆動回路は、ピクセル駆動回路の対応するピクセルグループの光放射を制御し、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与えて、そのような次の順次ピクセル駆動回路に、次の順次ピクセル駆動回路の対応するデータに応答させて、次の順次ピクセル駆動回路の発光ピクセルグループの動作を制御させると共に、所定の数のピクセル駆動回路が所望の光放射を引き起こすまで、この動作を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ディスプレイに関し、詳細には大型電子ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶(LC)ディスプレイ及び有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのような電子ディスプレイデバイスが普及しつつあり、電子ディスプレイは従来のディスプレイに比べて薄型で、軽量で、消費電力が少ないことから、従来の陰極線管ディスプレイよりも一層好ましい。それらの電子ディスプレイによって、より大きな面積のディスプレイも開発することができるようになった。これは、さらに大型のディスプレイ、たとえば、テレビ用の大型ディスプレイの需要をもたらしている。しかしながら、ディスプレイが大きくなるほど製造するのが難しくなるので、サイズと共に、この種のディスプレイを製造するコストは急上昇することになる。
【0003】
電子ディスプレイは、一般的に、ガラス板のような基板上に制御回路(たとえば、薄膜トランジスタ、すなわちTFTのパターンであり、それは1つ又はいくつかの層を含むことができる)及び発光材料を設けることによって製造される。パターニングされたカラーフィルター、又はLCディスプレイ内の液晶の層等の他の材料も設けることができる。そのようなディスプレイは、最終的な製品を実現するために、複数のコーティング及びパターニングステップを必要とする。
【0004】
ディスプレイサイズが大きくなるにつれて、そのような工程も益々難しくなる。1つの問題は、ディスプレイが大きくなるほど、コーティング及びパターニングステップのために必要とされる装置も大きくかつ高額になり、さらに、多くの場合にクリーンルームにおいて、より大きな面積を必要とし、それによりさらに費用が嵩むことである。さらに、1つのディスプレイを使用不可能にする製造中の欠陥は、それよりも大きく、高額である基板の損失を伴うので、さらに費用がかかる。小型のディスプレイの場合であれば許容できた欠陥率も、はるかに大型のディスプレイの場合には許容できない可能性がある。これは、製造管理をさらに厳しくすることに繋がる可能性があり、これもコストを上昇させる。
【0005】
大型ディスプレイの製造性を改善する1つの手法は、小型のディスプレイユニットを製造し、その後、それらのディスプレイユニットをタイル型ディスプレイとして結合することであった。それらの例には、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4が含まれる。製造を容易にする上で魅力的であるが、タイル型ディスプレイは、画像ディスプレイの適切な制御へのアクセス等の他の問題を引き起こす。画像を適切に表示するために、電子ディスプレイは2次元に存在するデータ信号及び制御信号、たとえば、列接続上のデータ信号及び行接続上に存在する制御信号を必要とする。長方形タイルから成る2×2アレイでは、たとえば、特許文献4の図1Aにおいて示されるように、各タイルは各次元において露出した1つのエッジを有し、それにより、そのように接続することができるようにする。しかしながら、このようにしてタイル型アレイを接続すると、単一ユニットのディスプレイと比べて、ディスプレイを制御するために必要とされる接続が2倍になる。さらに、2×2よりも多くのタイルアレイ(たとえば、2×3)を必要とする大型アレイの場合、タイルのうちのいくつかにおいて、側面が1つしか露出しないか、又はさらには1つも露出しないことになるので、このエッジ接続法は実現不可能である。
【0006】
特許文献5において、ブロディ(Brody)他は、この制約を克服し、タイルを重ね合わせて大型のディスプレイを作り出すことができる方法を教示している。しかしながら、この方法の不都合な点は、現時点において、タイルがタイル−タイル間接続を含まなければならないことである。この要件は、必然的に、各タイルの製造をさらに複雑にし、難しくする。
【0007】
特許文献6は、さらに多くの数のタイルを有するタイル型ディスプレイを形成するための種々の手法を記述している。たとえば、各タイルを1つのモジュールとして形成し、少なくとも2つのエッジ(たとえば、行エッジ及び列エッジ)において接続することができる。代替的には、タイル−タイル間接続を形成することができる。タイルへの接続及びタイルの封止のための空間が放射ピクセルエリア間で隠されなければならないので、この手法は、ピクセルサイズが非常に大きいか、又は解像度が低いディスプレイの場合にのみ有効である。
【0008】
特許文献7において、ボワドロン(Boisdron)他は、表示品質を改善するために、タイルの封止領域及びタイルへの電気的接続のために必要とされる空間、又は表示エリア内のタイル間の空間を低減するか又は隠す方法を教示している。しかしながら、これらの方法は、費用を増やし、製造するのを複雑にする。
【0009】
特許文献8において、コック(Cok)は、ディスプレイタイル素子を直列又は並列に接続することができることを教示している。しかしながら、タイル内通信が従来通りに処理されるので、単一タイルの最大サイズを制限する。さらに、この手法では、2×2よりも大きなタイル型アレイの場合に、光導波路等によって、タイル−タイル間の電気的接続又はディスプレイ内の封止領域を依然として隠す必要がある。
【0010】
特許文献9において、松村(Matsumura)他は、ピクセル素子を制御するために、ディスプレイ内に固定される半導体ICを利用するディスプレイのアセンブリのための方法を教示しており、その方法では、従来技術のディスプレイのTFTによって実行される標準機能を、IC内に埋め込まれるトランジスタが代わりに実行する。松村他のデバイスは行制御ワイヤ及び列データワイヤから成る従来の直交アレイによって駆動されるので、長いディスプレイ又は大きなディスプレイのタイル張り又は製造を容易にしない。
【0011】
大面積で、低コストのディスプレイを製造するのに、複数の小型のディスプレイをタイル張りするという目標は依然として望ましい。したがって、より大きなタイル型ディスプレイの製造は進歩しているものの、さらに製造するのが容易である改善された大型ディスプレイが依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,661,531号
【特許文献2】米国特許第5,056,893号
【特許文献3】米国特許第5,673,091号
【特許文献4】米国特許第5,903,328号
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0044215号
【特許文献6】米国特許第5,889,568号
【特許文献7】米国特許第5,673,091号
【特許文献8】米国特許第6,999,045号
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0055864号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それゆえ、本発明の目的は、さらに容易に製造することができる大型ディスプレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、光放射を引き起こす放射画像エリアを有するタイル型ディスプレイであって、
a.放射画像エリアを設けるように位置合わせされる複数のディスプレイタイルを備え、該ディスプレイタイルはそれぞれ、
i.放射画像エリアにおいてピクセルグループ内に配置される複数の発光ピクセルと、
ii.複数の順次に配置されるピクセル駆動回路であって、各ピクセル駆動回路は、そのようなピクセルの光放射を制御するために特定のピクセルグループに電気的に接続される、ピクセル駆動回路と、
iii.各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータを与える、1つ又は複数の信号通信線を含む第1の手段とを備え、
iv.各ピクセル駆動回路は、第1の手段から、該ピクセル駆動回路の対応するピクセルグループの光放射を制御するためのデータを受信し、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与えて、そのような次の順次ピクセル駆動回路に該次の順次ピクセル駆動回路の対応するデータに応答させて該次の順次ピクセル駆動回路の発光ピクセルグループの動作を制御させると共に、所定の数のピクセル駆動回路が放射エリアから所望の光放射を引き起こすまで、この動作を繰り返す、光放射を引き起こす放射画像エリアを有するタイル型ディスプレイによって達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の利点は、多数の小型のタイルから大型ディスプレイを形成することができ、それにより大型電子ディスプレイをさらに簡単かつ安価に製造することができるようになることである。本発明のさらなる利点は、任意の所望の数のタイルを使用することができることである。本発明のさらなる利点は、欠陥がある場合には、ディスプレイ全体よりもはるかに安価であるタイルを廃棄することができ、既知の良好なタイルからのみディスプレイが製造されるので、製造歩留まりが改善され、ディスプレイのコストが削減されることである。本発明のさらなる利点は、タイル−タイル間接続が不要であり、それゆえ、タイルの複雑さ及び製造の難しさが軽減されることである。本発明のさらなる利点は、制御及びデータ接続の全てがディスプレイの一方の側に存在し、ディスプレイの制御が簡単になることである。本発明のさらなる利点は、表示エリア内でタイルへの電気的接続が不要であり、それにより、高い画像品質が提供されることである。本発明のさらなる利点は、ディスプレイが平坦でない形状を有することが望ましい用途において使用することができることである。本発明のさらなる利点は、個々の駆動回路をその製造時に全て同じにすることができ、固有のID又はアドレス情報が不要であることである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のディスプレイの一実施形態の平面図である。
【図2】本発明を実施する際に用いることができるピクセル駆動回路のためのブロック図である。
【図3】ピクセル駆動制御回路内に含まれる駆動回路の回路図である。
【図4】本発明のディスプレイの別の実施形態の平面図である。
【図5A】図4によって示されるような本発明のディスプレイの一実施形態の断面図である。
【図5B】図4によって示されるような本発明のディスプレイの一実施形態の断面図である。
【図6】本発明の複数のディスプレイタイルを組み込む、本発明のタイル型ディスプレイの一実施形態の平面図である。
【図7】本発明のディスプレイを使用する方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
層厚のような特徴は多くの場合にサブマイクロメートル範囲内にあるので、それらの図面のサイズは、寸法を正確に表すことではなく、本発明の特徴を明確に例示することを目的とする。
【0018】
ここで図1を参照すると、本発明のディスプレイの一実施形態の平面図が示される。ディスプレイ10は、ディスプレイ全体又はその一部を表すことができる。ディスプレイ10は、光放射を引き起こす放射画像エリアを有する。放射画像エリアは、複数の発光ピクセル、たとえば、20rのような赤色発光ピクセル、20gのような緑色発光ピクセル、20bのような青色発光ピクセル及び20wのような白色発光ピクセルを備える。発光ピクセルは、任意の形態の電子ディスプレイ、たとえば、OLED又はLCDとすることができ、本実施形態における色の組み合わせには限定されない。放射エリア内のピクセルは、複数のピクセルから成るグループ、たとえば、ピクセルグループ20内に配置される。ディスプレイ10は、複数の順次に配置されるピクセル駆動回路、たとえば、ピクセル駆動回路30及び50と、ピクセル駆動回路30の上方に、又はピクセル駆動回路50の下方に位置決めされる場合がある他のピクセル駆動回路とを含む。本明細書において用いられるときに、用語「順次に配置される」は、1)ピクセル駆動回路が、そのような駆動回路の空間内に1つの配列、たとえば、支持体上に直線的な配列を形成するように位置決めされ、2)ピクセル駆動回路が、その空間的な位置と同じ配列内でその動作を実行すると共に、3)1つの配列内の全てのピクセル駆動回路が、少なくとも1つの通信接続によって、連鎖構成で電気的に直列に接続されることを意味する。それゆえ、各ピクセル駆動回路は次の順次ピクセル駆動回路に電気的に接続される。直列の少なくとも1つの通信接続に加えて、そのディスプレイは、ピクセル駆動回路にデータの一部を与えるための並列の通信接続をさらに含むことができる。本明細書において用いられる用語「直列」、「直列に」及び「並列に」は、ピクセル駆動回路に対する通信経路の配置を指している。ピクセルからの光放射を制御するために、各ピクセル駆動回路は、特定のピクセルグループに電気的に接続され、たとえば、ピクセル駆動回路30は、ピクセルグループ20に接続される(電気的接続、たとえば40を経由する)。ピクセル駆動回路30は、後に示されるように、受信されるデータに従って、ピクセルグループ20内の各ピクセルの輝度レベルを決定する。ピクセル駆動回路30は、たとえば、別個に製造された集積回路とすることができ、後にさらに説明される。本明細書において記述される実施形態において、データは、個々のサブピクセル、ピクセル、又はピクセルグループの所望の輝度及び色に関連するデジタルデータとして表すことができるか、又はアナログ電圧信号の形で表すことができる。
【0019】
ディスプレイ10は、ピクセル駆動回路30の動作を制御するための装置をさらに備える。この制御装置は、1つ又は複数の信号通信線、たとえば、データ線25及び制御線55と、ディスプレイ10の外部に存在することができ、データ線25上にデータを、制御線55上に制御信号を与えるための制御デバイス、たとえば、データ源80とを備える。データ源80は、ピクセル駆動回路及びその対応するピクセルの動作を制御するためのデータを与える制御デバイスの一例である。データ源80は、プロセッサ又は特定用途向け集積回路のような、ディスプレイを制御するために有用である、当該技術分野において知られているデバイスとすることができる。こうして、第1のピクセル駆動回路は、制御デバイスに電気的に接続され、制御デバイスからデータを受信する。与えられるデータ及び信号は、ピクセル駆動回路の動作を制御する。他のデータ線及び制御線は、順次に配置されるピクセル駆動回路に接続することができる。制御線55及び後続の制御線(たとえば、制御線65及び75)のような、信号通信線のうちの少なくとも1つが、順次に配置されるピクセル駆動回路と電気的に直列に接続される。他の信号通信線、たとえば、データ線25及び後続のデータ線は、各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータの一部を与えるための直列又は並列信号通信線とすることができる。その制御デバイスは、最初に、ピクセル駆動回路30に接続される全てのピクセルのためのデータを与え、その後、ピクセル駆動回路50に接続される全てのピクセルのためのデータを与え、そして順次に一連の各ピクセル駆動回路のためのデータを与えることによってディスプレイ10のピクセルの放射を制御するための順次データをデータ線25上に与える。本発明の一実施形態では、制御線55上に信号を与えることによって、ピクセル駆動回路30に情報が与えられ、それにより、ピクセル駆動回路30がデータ線25上のその対応するデータに応答し、ピクセルグループ20の動作を制御する。ピクセル駆動回路30は、そのデータに応答して、個々のピクセルの動作を制御する。発光ピクセルグループ20の全てに対してデータが与えられたとき、ピクセル駆動回路30は、制御線65上の信号を介して、次の順次ピクセル駆動回路、たとえば、ピクセル駆動回路50に情報を与える。その情報によって、ピクセル駆動回路50は、データ線35上のその対応するデータに応答し、その発光ピクセルグループの動作を制御する。ピクセル駆動回路50が完了するとき、ピクセル駆動回路50は、たとえば、制御線75上の信号を介して、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与え、その対応するデータはデータ線45上で入手することができる。所定の数のピクセル駆動回路によって、ディスプレイ10の放射エリアから所望の光放射がもたらされるまで、この過程は繰り返される。
【0020】
本発明の1つの利点は、最後のピクセル駆動回路の動作が他の動作と異なる必要はなく、製造するのが簡単になることである。最後のピクセル駆動回路は、次のピクセル駆動回路に信号を伝達するための役割を果たす。しかしながら、その信号を受信するのに利用可能な次のピクセル駆動回路は存在しない。さらに、データ源はデータを送信するのを中止し、データ伝送シーケンスは終了する。その後、データ源は、制御線上で最初のピクセル駆動回路に信号を送出し、新たなデータ伝送シーケンスが開始していることを指示する。
【0021】
ディスプレイ10は、そのようなディスプレイ内で一般的に用いられる、電源線及びグランド線のような他の線も含む。これらの線は、本発明の顕著な特徴を明確に例示するために省かれている。各ピクセル駆動回路が後続の制御線を制御するように、制御線55、65及び75は、連続しないように、すなわち、ピクセル駆動回路と直列に接続されるように構成される。データ線25、35、45及び任意の後続の線は、ディスプレイ10の上から下まで連続した線を形成することができる(並列接続)か、又は別個の線とすることができ、各ピクセル駆動回路が同様にデータ経路の一部を形成する(直列接続)。後者の場合、各ピクセル駆動回路は通り抜ける信号に利得増加を与えることができるので、外部コントローラは、データ信号に、ディスプレイ全体を通り抜けるだけの十分な利得を与える必要はない。また後者の場合に、ピクセル駆動回路は、いつでも、又は自らの対応するピクセルグループのためのデータを受信した後にのみ、後続のピクセル駆動回路にデータを渡すように構成することができる。
【0022】
上記の事柄は、ピクセル駆動回路30が次の順次ピクセル駆動回路50に情報を与える過程の一実施形態を表しており、それにより、ピクセル駆動回路50はその対応するデータに応答する。他の実施形態も実現可能であることは理解されよう。いくつかの代替の実施形態では、制御線及びデータ線の両方を有する必要はない。これらの実施形態では、ピクセル駆動回路と直列に接続される単一の不連続な信号通信線(たとえば、データ線25、35等)で十分であろう。1つのそのような代替の実施形態では、ピクセル駆動回路30は、受信する最初のデータに応答するが、そのデータに応答し終わるまで、次のピクセル駆動回路50にデータを渡さない。その後、ピクセル駆動回路30は、行の数に等しいデータが受信されるまで、入ってくるデータをカウントしながら、データを渡し続ける。これがピクセル駆動回路毎に繰り返され、各順次回路は先行するピクセル駆動回路に対して遅延する。こうして、各ピクセル駆動回路は、単にデータを受信することによって、最初に起動される。単一の不連続な通信線を用いる別のそのような代替の実施形態では、ピクセル駆動回路30は、データストリーム内で1つ又は複数の制御ビットを設定し、そのデータがピクセル駆動回路50に向けられたものであることを指示することができる。この実施形態は、外部制御デバイスが制御ビット(複数可)を設定して、その配列内の最初のピクセル駆動回路に、データを処理しなければならないことを指示することができ、それによりデータ転送シーケンスを再開することができるという利点を有する。
【0023】
上記の実施形態は、表示動作中に制御信号を利用して、データの受信を調整する。別の実施形態では、表示動作を開始する前に、制御線上の信号を利用することができる。この実施形態では、制御線(55等)は直列接続を有し、一方、データ線(25等)は集積回路との並列接続を有する。この実施形態では、ピクセル駆動回路30は、アドレスを格納するためのレジスタを含む。表示動作前(ディスプレイの電源が入れられる度に、又はディスプレイが製造されたときに一度だけとすることができる)、制御線55上に、ピクセル駆動回路30が、その配列を指示する配列識別番号又はディスプレイ内のアドレスを格納すべきであるという信号が送出される。その次に、制御線65上に、ピクセル駆動回路50が、その配列を指示するインクリメントされた番号を格納すべきであるという信号が送出され、ディスプレイの最下部まで続けられる。その後、表示動作中に、並列データ線25上に信号が送出される。そのデータは、そのデータを処理する適切なピクセル駆動回路を指示するアドレス情報と共に送信することができる。それゆえ、各ピクセル駆動回路は、以前に格納された配列識別番号がデータストリーム内に現れるときにのみ応答する。代替的には、その所定の配列識別番号に基づく適切な量のデータが、下位の番号を付されたピクセル駆動回路に送信されるまで待つことによって、ピクセル駆動回路そのものが、データを処理するタイミングを判断することができる。
【0024】
図1に示される実施形態は、図示される配列を延長すると共にディスプレイの長さを増やすために、一度、又は何度も繰り返すことができる。その実施形態は、ディスプレイの幅を増やすために、同じ物理ディスプレイ上で並列に一度、又は何度も繰り返すことができる。
【0025】
ピクセル駆動回路30は、別個に製造され、後にディスプレイ10に実装される集積回路とすることができる。本発明において有用なピクセル駆動回路30の一実施形態が図2に示される。この回路の実施形態では、名目的な制御線55(図1を参照)は実際には2つの線:クロック入力56及び同期入力57を含む。同様に、制御線65(図1を参照)は、クロック出力66及び同期出力67を含む。クロック入力56及び同期入力57は、データ線25がピクセル駆動回路によって駆動されるサブピクセルをプログラムするタイミングを制御する。その回路のデジタル部は、フリップフロップ(FF)34から構成されるシフトレジスタである。アナログ駆動回路31によって、サブピクセルアノード32に電流が供給される。アナログ駆動回路31の一実施形態が図3に示される。所望のピクセル輝度に対応する電圧信号がストレージキャパシタ38上に格納され、ストレージキャパシタは、駆動トランジスタ36の中に流れる電流を調整して、ピクセルの光放射を制御する。走査信号33がイネーブルされるときに、走査トランジスタ37によって、データ線25上の電圧をストレージキャパシタ38上に格納することができるようになる。ピクセル駆動回路30内の回路は、オプションで、熱の影響及びディスプレイの経年変化を補償するための当該技術分野において知られている回路を含むことができる。
【0026】
ここで図4を参照すると、本発明のディスプレイの別の実施形態の平面図が示される。ディスプレイ110では、ピクセル駆動回路が、より大きな発光ピクセルグループ、たとえば、ピクセルグループ180の動作を制御する。そのピクセル駆動回路は、第1の集積回路130と、対応するピクセルグループのエリア内の1つ又は複数の第2の集積回路、たとえば、第2の集積回路160とを備える。第1の集積回路130及び150並びに第2の集積回路160は別個に製造し、後にディスプレイ110に実装することができる。第2の集積回路160はそれぞれ、電気的接続170を介して第1の集積回路(たとえば、130)に、かつ電気的接続140を介してピクセルグループ、たとえば、ピクセルグループ120に電気的に接続される。明確に例示するために、接続170は1つの線として表されるが、接続170は、必要に応じて複数の線を表すことができることは理解されよう。この実施形態では、集積回路130及び150は、データ線125、135及び145を介してデータを受信及び送信する機能に関して、上記のディスプレイ10のピクセル駆動回路30及び50に類似である。しかしながら、第1の集積回路130及び150は、ピクセルを直に制御しない。代わりに、第1の集積回路130は、そのデータを1つ又は複数の別個に製造された第2の集積回路、たとえば、第2の集積回路160に転送し、第2の集積回路が、その対応する発光ピクセルグループ、たとえば、ピクセルグループ120の光放射を制御する。したがって、第1の集積回路は一次、又はマスター集積回路と見なすことができ、一方、第2の集積回路は二次、又はスレーブ集積回路と見なすことができる。この構成の利点は、第1の集積回路130を高速のデジタルデータ受信、処理及び送信のために設計及び最適化することができるのに対して、第2の集積回路160をアナログ電流駆動による高電力ピクセル制御のために設計及び最適化することができることである。集積回路製造業者は、これらの処理のいずれかのタイプを別個に提供することはできるが、両方を同時に提供するのは容易ではないので、これらの機能を異なる複数の集積回路チップに分離することは好都合である。すなわち、第1の集積回路130は、図2のフリップフロップ34において具現されるデジタル情報部分を取り扱い、低電圧(5V又は3.3V)のデジタルロジックタイプのトランジスタによる、小さな特徴サイズの製造工程(0.35、0.18、0.13マイクロメートル等)を用いて形成することができ、一方、第2の集積回路160は、図2の回路に類似のアナログ駆動回路を含むことができ、高電圧タイプのトランジスタ(15V又は18Vタイプ)による、より大きな特徴サイズの製造工程(0.5マイクロメートル等)を用いて形成することができる。
【0027】
この実施形態では、データ線は、データ配送(ディスプレイ10と同様)、及びピクセル駆動回路制御(ディスプレイ10内の制御線と同様)の両方のための役割を果たす。これは、上記のように、データシーケンス及びコマンドシーケンスの両方が可能であるような、データストリーム内の1つ又は複数の付加情報ビットを用いることによって成し遂げることができる。したがって、データ線125を介して外部コントローラから第1の集積回路130に向けられるコマンドシーケンスによって、第1の集積回路130はデータを受信することになり、そのデータを、その対応する第2の集積回路に配送する。終了したときに、第2の集積回路は、第1の集積回路150にコマンドシーケンスを送信し、その対応するピクセルの動作を制御するために第1の集積回路150が後に使用するデータを渡す。しかしながら、ディスプレイ10の場合のように、この実施形態においても、別個のデータ線及び制御線を用いることができる。
【0028】
ここで図5A及び図5Bを参照すると、図4に示されるような本発明のディスプレイの一実施形態の断面図が示される。図5Aは、データ線125からデータ線145までの直線に沿った、図4からのディスプレイ110の直線の断面である。ディスプレイ110は基板210上に形成することができる。基板210は、金属箔、プラスチック又は金属及びプラスチックの組み合わせを含む、可撓性材料であることが望ましい。より一般的に使用されるガラス材料も基板として利用することができる。1つの有用な実施形態では、基板210は、アルミニウム又はステンレス鋼のような金属箔である。そのような事例では、基板は光に対して不透過性であり、それゆえ、光は基板210と反対側にあるディスプレイ110の面から放射される。基板210が金属箔であるとき、その上に絶縁層220が配置される。絶縁層220上に、パターニングされた電気的接続が配置される。電気的接続は、上記のような信号データ線及び制御線、たとえば、データ線125、135及び145と、電源及びグランド線(ただし、基板210が金属箔である場合には、これらの線のうちの1つが基板210によって成し遂げられる場合がある)、タイミング又はハンドシェーク接続、及び回路試験線のような、電子ディスプレイ内で必要又は有用である他の電気的接続とを含むことができる。本明細書において記述されるこの層及び他の層のパターニングは、限定はしないが、従来の堆積及びフォトリソグラフィ、スルーマスク(シャドーマスク)堆積、米国特許第5,276,380号明細書及び欧州特許第0 732 868号明細書において記述されるようなインテグラルシャドーマスキング、レーザアブレーション、選択的化学気相成長、及びデジタルリソグラフィを含む、当業者によく知られている方法によって成し遂げることができる。
【0029】
電気的接続の層上に接着剤240が配置される。上記の集積回路が、接着剤240によって基板210に実装され、電気的接続の層への接続のために、必要に応じてバイアホール、たとえば、バイア235が形成される。集積回路、たとえば、第1の集積回路130及び150を、当該技術分野において一般的であるようにウェーハ上に多数の従来の集積回路として製造することができ、米国特許出願公開第2007/0032089号明細書、国際公開第2005/122285号パンフレット及び国際公開第2006/130721号パンフレットにおいてヌッツォ(Nuzzo)他によって記述された方法によって、接着剤240上に別個に配置することができる。集積回路をディスプレイ基板に取り付ける他の方法が、米国特許出願公開第2006/0055864号明細書において松村他によって、及び「Manufacturing Microelectronics Using 'Lase-and-Place'」(Photonics Spectra, October 2007, pp. 70-74)においてマシューズ(Mathews)他によって記述される。
【0030】
パターニングされた絶縁層260が、所望の場所、たとえば、バイア235を除いて、電気的接続層のための絶縁をもたらす。その後、パターニングされたワイヤ層265が、集積回路と電気的接続層との間の電気的接続をもたらす。この上には、パターニングされた絶縁層であるように示される絶縁層270、及びOLED層275がある。
【0031】
図5Bは、XからX’までの図4のディスプレイ110の概略的な断面図である。具体的には、図5Bの断面は、Xから、カラーピクセルまで、対応する接続140まで、対応する第2の集積回路160まで、対応する接続170まで、第1の集積回路130まで、そして対応する構造を介してX’までの断面である。第1の集積回路130及び第2の集積回路160は、接着剤240によって基板210に実装される。パターニングされたワイヤ層265は、上記のように、同じく、第1の集積回路130と第2の集積回路160との間の上記の接続170、及び第2の集積回路160と発光ピクセル245との間の接続140を含む。したがって、パターニングされたワイヤ層は、OLED層275の下側電極(たとえば、アノード)としての役割を果たすことができるか、又はオプションでは、別の電極を追加することができる。OLED層275は、そのようなデバイスにおいて一般的に用いられる層、たとえば、正孔輸送層、電子輸送層、発光層、及び当該技術分野においてよく知られている他の層を含むことができる。したがって、この実施形態におけるピクセルはOLEDデバイスを含む。OLEDデバイス275上には上側電極があり、この実施形態における上側電極はカソード280である。基板210の全て又は一部が導電性である一実施形態では、カソード280はディスプレイ110のエッジを包み込み、それにより、基板が電極と電気的に接触し、発光ピクセルとの間で電気を通すことができるようにする。そのディスプレイは上面発光であり、光が基板210と反対側にある面から、すなわち、カソード280及び透明カバー290を通して放射されるようになる。
【0032】
共通広帯域層(たとえば、白色OLED層)及びカラーフィルター285を用いて、フルカラーデバイスを実現することができる。カラーフィルターは透明カバー290上に予め印刷され、そのカバーはガラス又はプラスチックを含むことができる。別の実施形態では、カラーフィルターはカソード280の上に形成することができる。実施形態によるが、この実施形態では、透明カバー290を取り付けることができるか、又は後に説明されるように、ディスプレイがディスプレイ支持体に対して配置されることになる場合には、透明カバーを外すことができる。別の実施形態では、カラーフィルターは、後に説明されるディスプレイ支持体上に形成され、1つ又は複数のディスプレイ素子をディスプレイ支持体に対して位置合わせ及び固定することができる。
【0033】
異なるピクセル上に赤色、緑色及び青色発光OLED材料を選択的に堆積するためのシャドーマスクを用いることによって、フルカラーOLEDデバイスを形成することもできる。この場合、そのディスプレイは、透明カバー290で覆うことができるが、カラーフィルターは不要である。代替的には、透明カバー290は、放射ディスプレイ上に形成される薄膜封入層で置き換えることができる。
【0034】
明確に例示するために、図5Bが簡略化されていることは理解されよう。ディスプレイ110は典型的には、断面にわたって、さらに多くのピクセル及びカラーフィルターを有する。
【0035】
ここで図6を参照すると、本発明の複数のタイルを組み込む、本発明のタイル型ディスプレイの一実施形態の平面図が示される。タイル型ディスプレイ310は複数のディスプレイタイル330を含み、ディスプレイタイルは、互いに平行である第1のエッジ340と、第1のエッジ340に対して垂直な第2のエッジ350とを含む。第1のエッジ340は第2のエッジ350よりも長い。各ディスプレイタイル330は、ディスプレイ10及び110に関して上記で説明されたように構成することができる。すなわち、各ディスプレイタイル330は、上記のような基板と、基板上に形成され、上記のようにピクセルグループ内に配置される複数の発光ピクセルと、上記のような複数の順次に配置されるピクセル駆動回路と、上記のような1つ又は複数の信号通信線とを備える。信号通信線、それゆえ、ピクセル駆動回路の配列は、第1のエッジ340に対して平行に配置される。順次に配置されるピクセル駆動回路は、基板上に実装される、図1に示されるような一連の集積回路を含むことができる。代替的には、順次に配置されるピクセル駆動回路は、基板上に実装される一連の第1の集積回路を含むことができ、その集積回路はそれぞれ、図4に示されるように、基板上に実装される1つ又は複数の第2の集積回路に電気的に接続される。順次に配置されるピクセル駆動回路は上記のように動作する。ディスプレイタイルの各ピクセル駆動回路は、その対応するピクセルグループの光放射を制御し、ディスプレイタイル340上の次の順次ピクセル駆動回路に情報を与え、それにより、次の順次ピクセル駆動回路がその対応するデータに応答し、その対応する発光ピクセルグループの動作を制御する。ディスプレイタイル330は、タイル型ディスプレイの放射画像エリアを設けるように、第1の平行なエッジ340に沿ってディスプレイ支持体320上に位置合わせされ、その放射画像エリアは全てのディスプレイタイルの結合された放射エリアを含む。
【0036】
ディスプレイタイル330は、接着剤を用いて、放射面がディスプレイ支持体320に面するようにして位置合わせ及び固定することができる。ディスプレイ支持体320は、支持体を通して放射を視認することができるように光透過性である。透明なガラス又はプラスチックを利用することができ、ディスプレイ支持体320は硬質又は可撓性とすることができる。
【0037】
単一の広帯域放射体(たとえば、白色発光OLED)を用いてフルカラーディスプレイを形成することが望ましい実施形態では、ディスプレイ支持体320に、カラーフィルター及び位置合わせマークを予め印刷することができ、別個のカラーフィルター基板を不要にすることができる。その後、ディスプレイタイル330を位置合わせマークに合わせて、発光エリアがカラーフィルターと位置合わせされるようにし、ディスプレイタイル330が接着剤でディスプレイ支持体320に固定される。封入が必要とされ、かつ要求されるディスプレイ寿命に対して、個々のディスプレイタイルの封入(たとえば、透明カバー290による)が十分でない場合には、タイル型ディスプレイ310は、ガラス又は金属のような防水性かつ酸素不透過性のカバーでディスプレイタイルの非放射面を覆うことによって、さらに封止することができる。個々のディスプレイタイル330は、図に示されるように、ディスプレイ支持体320のエッジを越えて延在することができるか、又は支持体のエリア内で終端することができる。
【0038】
タイル型ディスプレイ310はデータ源360をさらに含み、データ源はディスプレイタイル330から離れている。データ源360は、ピクセル駆動回路及びその対応するピクセルの動作を制御するためのデータを与える制御デバイスの一例である。データ源360はディスプレイ支持体320の一部とすることができるか、又は別個の構成要素とすることができる。データ源360は画像情報370、たとえば、ピクセル強度を受信し、上記のように信号通信線上にデータを与えることによって、各ディスプレイタイル330のピクセルからの光放射を制御するデータを生成する。ディスプレイタイル330の信号通信線は、第2のエッジ350を通して、接続380によってデータ源360に接続される。各接続380は、データ源360とディスプレイタイル330との間の1つ又は複数の線を表しており、そのような線はデータ線、制御線、電源及びグランド線、ハンドシェーク線、データ読出し線、又はディスプレイ制御のために必要とされる他の線を含むことができる。接続380は、一方又は両方の第2のエッジ350に取り付けることができる。しかしながら、単一のデータ源360を用いて低コストの駆動方法を可能にするために、単一の第2のエッジにおける接続が望ましい。データ源360は、プロセッサ又は特定用途向け集積回路のような、ディスプレイを制御するのに有用である、当該技術分野において知られているデバイスとすることができる。
【0039】
ここで図7を参照すると、本発明のディスプレイを使用する方法のブロック図が示されており、合わせて図1及び図6も参照する。方法400の開始時に、データ源360によって画像情報370が受信され(ステップ410)、データ源360は、ディスプレイのピクセル駆動回路及びピクセルを駆動するために用いられることになるデータを生成する(ステップ420)。データ源360は、たとえば、制御線55上で第1のピクセル駆動回路30に信号を与えることによって、第1のピクセル駆動回路に情報を与えて(ステップ430)、その対応するピクセルグループの制御を開始する。その後、たとえば、信号データ線25を介して、そのピクセル駆動回路にデータが与えられ(ステップ440)、ピクセル駆動回路は、そのデータを用いて、その対応するピクセルグループ内のピクセルを制御する(ステップ450)。その対応するグループ内にさらにピクセルがある場合には(ステップ460)、必要に応じて、ステップ440及び450が繰り返される。ピクセル駆動回路30及びその対応するピクセルグループのためのデータがもはやないとき(ステップ460)、ピクセル駆動回路30は、たとえば、制御線65上の信号を介して、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与え(ステップ470)、次のピクセル駆動回路がその対応するデータに応答して、その発光ピクセルグループの動作を制御するようにする。次の順次ピクセル駆動回路が存在する場合には(ステップ480)、必要に応じて、ステップ440〜470が繰り返される。それ以上ピクセル駆動回路が存在しない場合には(ステップ480)、その過程は終了する。それゆえ、最後の順次ピクセル駆動回路は、後続のピクセル駆動回路に信号を伝達する能力を有する。しかしながら、その信号に応答する後続のピクセル駆動回路は存在せず、データ源360は、それ以上のデータを与えない。代わりに、データ源360は、新たな情報を用いて過程400を再開し(ステップ410)、新たな画像データを生成し(ステップ420)、第1のピクセル駆動回路に信号を伝達して再びデータを受け取り始める(ステップ430)。タイル型ディスプレイ、たとえば、タイル型ディスプレイ310では、上記の過程はディスプレイタイル毎に用いられる。
【0040】
代替の実施形態では、タイルの最下部においてそれ以上のピクセル駆動回路が存在しない場合には、最後のピクセル駆動回路は第1のピクセル駆動回路に信号を伝達し、データへの応答を再開することができる。しかしながら、この実施形態は、各ディスプレイタイルにおいて所定の長さにわたって延在する余分な線を必要とすることになるので、望ましくない実施形態である。
【符号の説明】
【0041】
10 ディスプレイ
20 ピクセルグループ
20r 赤色ピクセル
20g 緑色ピクセル
20w 白色ピクセル
20b 青色ピクセル
25 データ線
30 ピクセル駆動回路
31 アナログ駆動回路
32 サブピクセルアノード
33 走査信号
34 フリップフロップ
35 データ線
36 駆動トランジスタ
37 走査トランジスタ
38 ストレージキャパシタ
40 接続
45 データ線
50 ピクセル駆動回路
55 制御線
56 クロック入力
57 同期入力
65 制御線
66 クロック出力
67 同期出力
75 制御線
80 データ源
110 ディスプレイ
120 ピクセルグループ
125 データ線
130 第1の集積回路
135 データ線
140 接続
145 データ線
150 第1の集積回路
160 第2の集積回路
170 接続
180 ピクセルグループ
210 基板
220 絶縁層
235 バイア
240 接着剤
245 ピクセル
260 パターニングされた絶縁層
265 パターニングされたワイヤ層
270 パターニングされた絶縁層
275 OLED層
280 カソード
285 カラーフィルター
290 透明カバー
310 タイル型ディスプレイ
320 ディスプレイ支持体
330 ディスプレイタイル
340 第1のエッジ
350 第2のエッジ
360 データ源
370 画像情報
380 接続
400 方法
410〜470 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射を引き起こす放射画像エリアを有するタイル型ディスプレイであって、
a.前記放射画像エリアを設けるように位置合わせされる複数のディスプレイタイルを備え、該ディスプレイタイルはそれぞれ、
i.前記放射画像エリアにおいてピクセルグループ内に配置される複数の発光ピクセルと、
ii.複数の順次に配置されるピクセル駆動回路であって、各ピクセル駆動回路は、そのようなピクセルの前記光放射を制御するために特定のピクセルグループに電気的に接続される、ピクセル駆動回路と、
iii.各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータを与える、1つ又は複数の信号通信線を含む第1の手段とを備え、
iv.各ピクセル駆動回路は、前記第1の手段から、該ピクセル駆動回路の対応するピクセルグループの前記光放射を制御するためのデータを受信し、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与えて、そのような次の順次ピクセル駆動回路に該次の順次ピクセル駆動回路の対応するデータに応答させて該次の順次ピクセル駆動回路の発光ピクセルグループの動作を制御させると共に、所定の数のピクセル駆動回路が前記放射エリアから所望の光放射を引き起こすまで、この動作を繰り返す、光放射を引き起こす放射画像エリアを有するタイル型ディスプレイ。
【請求項2】
1つのディスプレイタイル上の前記複数の順次に配置されるピクセル駆動回路は、少なくとも1つの信号通信線によって電気的に直列に接続される、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項3】
各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータの一部を与えるための1つ又は複数の並列信号通信線をさらに備える、請求項2に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項4】
前記タイル型ディスプレイは、前記タイルから離れており、画像情報を受信すると共に、前記データを生成するためのデータ源をさらに備え、前記タイルは、互いに平行である第1のエッジと、該第1のエッジ(複数可)に対して垂直な第2のエッジ(複数可)とを含み、前記タイルは、前記第1の平行なエッジに沿って位置合わせされ、前記信号通信線(複数可)は前記第2のエッジ(複数可)を通して前記データ源に接続される、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項5】
前記第1のエッジは前記第2のエッジよりも長い、請求項4に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項6】
各タイルは基板をさらに含み、各ピクセル駆動回路は、前記基板上に実装されると共に、前記第1の手段に電気的に接続される、別個に製造された第1の集積回路と、前記次の順次ピクセル駆動回路とを含む、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項7】
前記第1の集積回路は前記第1の手段からデータを受信し、
前記タイル型ディスプレイは、前記基板上に実装されると共に、前記第1の集積回路に電気的に接続される、別個に製造された第2の集積回路と、光放射を制御するための、該第2の集積回路の対応する発光ピクセルグループとをさらに含む、請求項6に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項8】
各ピクセルはOLEDを含む、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項9】
各タイルは基板をさらに含み、該基板は金属を含む、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項10】
前記金属基板は前記発光ピクセルとの間で電気を通す、請求項9に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項11】
各タイルは基板をさらに含み、該基板と反対側にある面から光が放射される、請求項1に記載のタイル型ディスプレイ。
【請求項12】
放射画像エリアから光放射を引き起こすディスプレイであって、
a.前記放射画像エリアにおいてピクセルグループ内に配置される複数の発光ピクセルと、
b.複数の順次に配置されるピクセル駆動回路であって、該各ピクセル駆動回路は、そのようなピクセルの前記光放射を制御するために特定のピクセルグループに電気的に接続される、該ピクセル駆動回路と、
c.各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータを与える、1つ又は複数の信号通信線を含む第1の手段とを備え、
d.各ピクセル駆動回路は、前記第1の手段から、該ピクセル駆動回路の対応するピクセルグループの前記光放射を制御するためのデータを受信し、次の順次ピクセル駆動回路に情報を与えて、そのような次の順次ピクセル駆動回路に、該次の順次ピクセル駆動回路の対応するデータに応答させて、該次の順次ピクセル駆動回路の発光ピクセルグループの動作を制御させると共に、所定の数のピクセル駆動回路が前記放射エリアから所望の光放射を引き起こすまで、この動作を繰り返す、放射画像エリアから光放射を引き起こすディスプレイ。
【請求項13】
1つのディスプレイタイル上の前記複数の順次に配置されるピクセル駆動回路は、少なくとも1つの信号通信線によって電気的に直列に接続される、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
各ピクセル駆動回路の動作を制御するためのデータの一部を与えるための1つ又は複数の並列信号通信線をさらに備える、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記ディスプレイは基板をさらに含み、各ピクセル駆動回路は、前記基板上に実装されると共に、前記第1の手段に電気的に接続される、別個に製造された第1の集積回路と、前記次の順次ピクセル駆動回路とを含む、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記第1の集積回路は前記第1の手段からデータを受信し、
前記タイル型ディスプレイは、前記基板上に実装されると共に、前記第1の集積回路に電気的に接続される、別個に製造された第2の集積回路と、光放射を制御するための、該第2の集積回路の対応する発光ピクセルグループとをさらに含む、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
各ピクセルはOLEDを含む、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項18】
各タイルは基板をさらに含み、該基板は金属を含む、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記金属基板は前記発光ピクセルとの間で電気を通す、請求項18に記載のディスプレイ。
【請求項20】
各タイルは基板をさらに含み、該基板と反対側にある面から光が放射される、請求項12に記載のディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−527023(P2011−527023A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516274(P2011−516274)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/003617
【国際公開番号】WO2010/008441
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】1209 Orange Street, Wilmington, Delaware 19801, United States of America
【Fターム(参考)】