説明

タイル構成可能なパッケージング構造によるマルチ・スライスCT検出器

【課題】検出器性能を高めつつスライスを増加させた取得を提供する。
【解決手段】各々の検出器モジュール(20)が、モジュール・フレーム(52)と、モジュール・フレーム(52)のZ軸に沿って整列してモジュール・フレーム(52)に設けられ、物体によって減弱したX線を受光してディジタル信号へ変換する複数のタイル構成可能なサブ・モジュール(56)と、複数のサブ・モジュール(56)に接続されてディジタル信号を受け取る電子回路基板(32)とを含んでいる。各々のサブ・モジュール(56)がさらに、検出器素子のアレイ(60)と、検出器素子のアレイ(60)からのアナログ電気信号をディジタル信号へ変換するASIC電子回路パッケージ(68)と、ASIC電子回路パッケージ(68)に接続されて、ディジタル信号を受け取って電子回路基板(32)へ転送するフレックス回路(76)とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は一般的には、診断撮像用の放射線撮影検出器に関し、さらに具体的には、スライスを増加させた取得及び検出器性能の改善を提供する複数のタイル構成可能なサブ・モジュールを有する計算機式断層写真法(CT)検出器モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。ビームは被検体によって減弱した後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はアナログからディジタルへの(A/D)変換器へ送られた後に、ディジタル画像への処理のために送られる。
一般的には、X線源及び検出器アレイは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリの周りを回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。X線検出器は典型的には、検出器において受光されるX線ビームをコリメートして患者からの散乱を拒絶するコリメータと、コリメータに隣接して設けられてX線を光エネルギへ変換するシンチレータと、隣接するシンチレータから光エネルギを受け取ってここから電気信号を発生するフォトダイオードとを含んでいる。
典型的には、シンチレータ・アレイの各々のシンチレータがX線を光エネルギへ変換する。各々のシンチレータは、シンチレータに隣接するフォトダイオードに光エネルギを放出する。各々のフォトダイオードが光エネルギを検出して、対応する電気信号を発生する。次いで、フォトダイオードの出力はデータ処理システムへ送信されて、画像再構成を施される。
【0003】
過去十年間で、容積測定CT又はコーン・ビームCT(VCT)技術の発展から、CT検出器に用いられるスライスの数(Z軸)が急増した。実際に、VCTに用いられる検出器は、患者の曝射面積を増大させることにより患者走査の撮影範囲を一層拡大することを可能にしている。かかる撮影範囲を収容するために、CT検出器の幅がZ軸(すなわち患者長さの方向)に増大している。現在の最新型CTシステムのX線検出器は、シリコン・フォトダイオードの二次元(2D)アレイに結合されたシンチレート・ピクセルの2Dアレイで構成されており、典型的なアレイは、様々な異なるスライス形式(例えば16、32又は64のスライス)の取得を提供することが可能であるような寸法を有し、アレイ寸法は64スライス構成の場合にはISOにおいて40mmとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では心撮像の必要への関心が高まっており、一回転の範囲内での心臓の撮影が要件となっている。心臓を一回転で撮影するためには、ハーフ・スキャンにおいて完全な臓器を撮影範囲に収めるために検出器アレイ寸法をISOにおいて約160mmとする必要があり、この寸法は心臓の解剖学的構造を1回の動作で捕えることが可能な検出器に等しい(例えばここでの例では256スライス)。しかしながら、Z軸での検出器の撮影範囲を64スライスを超えて256スライスまで拡大すると問題が生じ得る。例えば、長さの長いシンチレート・アレイ及びフォトダイオード・アレイを用いると、Z軸での検出器の撮影範囲を64スライスを超えて増大させることができるが、このように長さの長いシンチレート・アレイ及びフォトダイオード・アレイを用いると、歩留まり、費用、試験容易性、寸法精度、及び性能のような理由から製造容易性に関する問題が生ずる。
【0005】
従って、心臓の詳細な解剖学的構造を単一の回転の範囲内で提供するのに十分な撮影範囲及びピクセル分解能(pixilation)でのデータ取得に対処することによりVCT心撮像を提供するCT検出器を設計できると望ましい。また、かかるCT検出器が、検出器の製造容易性、拡縮自在性(スケーラビリティ)、早期試験容易性、保守容易性、及び性能最適化を可能にするタイル構成可能な構成を有していると望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、検出器性能を高めつつスライスを増加させた取得を提供するCT画像取得装置に関するものである。
【0007】
本発明の一観点によれば、CTシステムが、被走査物体を収容するように開口を有する回転式ガントリと、回転式ガントリに配置されて、当該X線投射源の焦点スポットから物体へ向けてX線のコーン・ビームを投射するX線投射源と、回転式ガントリに配置されて、物体によって減弱したX線を受光するように構成されている複数の検出器モジュールとを含んでいる。複数の検出器モジュールの各々が、上面を有するモジュール・フレームと、物体によって減弱したX線を受光してX線をディジタル信号へ変換するようにモジュール・フレームの上面に配置されてモジュール・フレームのZ軸に沿って整列した複数のタイル構成可能なサブ・モジュールと、複数のサブ・モジュールに接続されて、ここからディジタル信号を受け取る電子回路基板とを含んでいる。検出器モジュールに設けられた複数のサブ・モジュールの各々がさらに、物体を通して減弱したX線を受光してX線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器素子のアレイと、検出器素子のアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル信号へ変換する特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージと、ASIC電子回路パッケージに接続されて、ここからディジタル信号を受け取ってディジタル信号を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するフレックス回路とを含んでいる。
【0008】
本発明のもう一つの観点によれば、CT走査手順時に物体によって減弱したX線を受光する検出器モジュールが、モジュール・フレームと、モジュール・フレームに配置されて、物体によって減弱したX線を受光する複数のタイル構成可能なサブ・モジュールと、モジュール・フレームに固定され、複数のサブ・モジュールに電気的に接続されて、ここから受け取った信号を処理する電子回路処理基板とを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々がさらに、物体を通して減弱したX線を受光してX線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器ピクセルのアレイと、検出器ピクセルのアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル数へ変換する特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージと、ASIC電子回路パッケージに接続されて、ここからディジタル数を受け取ってディジタル数を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するディジタル・フレックス回路とを含んでいる。
【0009】
本発明のさらにもう一つの観点によれば、CT走査手順時に物体によって減弱したX線を受光する検出器モジュールが、モジュール・フレームと、モジュール・フレームに配置されて、物体によって減弱したX線を受光する複数の選択的追加可能なサブ・モジュールと、モジュール・フレームに固定され、複数のサブ・モジュールに電気的に接続されて、ここから受け取った信号を処理する電子回路処理基板とを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々が、物体を通して減弱したX線を受光し受光に応答して光出力を発生するように構成されている複数のシンチレータ・ピクセルを有するシンチレータ・アレイと、シンチレータ・アレイに光学的に結合されて、シンチレータ・アレイからの光出力を検出し検出に応答してアナログ電気信号を発生するように各々構成されている複数のフォトダイオードを含むフォトダイオード・アレイとを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々がさらに、検出器素子のアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル数へ変換するアナログからディジタルへの(A/D)変換器と、フォトダイオード・アレイの反対側でA/D変換器の背面に配置されて、サブ・モジュールに対する支持を提供する基材層と、A/D変換器に接続されて、ここからディジタル数を受け取ってディジタル数を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するディジタル・フレックス回路であって、A/D変換器と基材層との間に配置されてA/D変換器との電気的な且つ機械的な結合を形成する境界(インタフェイス)部分を含むディジタル・フレックス回路とを含んでいる。
【0010】
他の様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好適な実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】本発明の一実施形態による検出器モジュールの遠近図である。
【図5】本発明の一実施形態による図4の検出器モジュールと共に用いられる検出器サブ・モジュールの図である。
【図6】本発明の一実施形態による図4の検出器モジュールと共に用いられる検出器サブ・モジュールの図である。
【図7】本発明の一実施形態による検出器サブ・モジュールの両側ディジタル・フレックス回路の図である。
【図8】本発明の一実施形態による検出器サブ・モジュールのASIC電子回路パッケージのための入出力インタコネクトの図である。
【図9】本発明の一実施形態による検出器サブ・モジュールのASIC電子回路パッケージのための入出力インタコネクトの図である。
【図10】本発明の一実施形態による検出器サブ・モジュールのASIC電子回路パッケージのための入出力インタコネクトの図である。
【図11】本発明の一実施形態による検出器モジュールの遠近図である。
【図12】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の動作環境を256スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関連して説明する。但し、後にあらためて詳述するように、本発明は64スライスと256スライスとの間、及び512スライスまで等のようにさらに多い他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることが認められよう。また、本発明をX線の検出及び変換に関連して説明する。但し、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関連して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0013】
図1及び図2には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、当該線源14の焦点スポット15からガントリ12の反対側に位置する検出器アセンブリ18へ向けてX線のビームを投射する。図2を参照すると、検出器アセンブリ18は、複数の検出器モジュール20、並びに制御及び処理基板32(すなわち電子回路基板)によって形成されている。複数の検出器モジュール20は、患者22を透過する投射X線16を感知し、電子回路基板32は取得されたデータに対して後続の処理を実行する。各々の検出器モジュール20が、入射X線ビームの強度を表わし従って患者22を透過した減弱後のビームの強度を表わすアナログ出力を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。
【0014】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線制御器28とガントリ・モータ制御器30とを含んでおり、X線制御器28はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器30はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データを電子回路基板32から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0015】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からの他のデータを観察することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、電子回路基板32、X線制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者22及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者22を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0016】
図3に示すように、検出器アセンブリ16は、コリメート用ブレード又はプレート19を間に配置したレール17を含んでいる。プレート19は、X線16のビームが例えば検出器アセンブリ18に配置された図4の検出器モジュール20に入射する前にX線16をコリメートするように配置されている。本発明の一実施形態によれば、検出器アセンブリ18は57個の検出器モジュール20を含んでおり、各々の検出器モジュール20が、後にあらためて詳述するように256×16のアレイ寸法のピクセル素子を有している。結果として、検出器アセンブリ16は256列の横列及び912列の縦列(16×57個の検出器)を有し、ガントリ12の各回の回転によって256枚の同時スライスのデータを収集することを可能にしている。但し、例示的な検出器モジュール20が256×16のアレイ寸法のピクセル素子を有するものとして説明されているが、検出器アセンブリ18での横列及び縦列の数は、本発明の各実施形態によれば検出器モジュール20の構造に基づいて選択的に制御されることができ、同時に収集されるスライスの数は、512スライスまでのデータ等のように多くても少なくてもよいことが認められる。
【0017】
図4には、本発明の実施形態の一例による検出器モジュール20の構成が示されている。検出器モジュール20は、上面54を有するモジュール・フレーム52を含んでいる。本発明の各実施形態によれば、後にあらためて詳述するように、上面54は平坦な表面、円弧として形成されるがX線ビームの弧に従っていない近似的曲線、又は複数の角度付き面を有する階段型構成として構築され得る。図4に示すように、複数の検出器サブ・モジュール又は「ナノ・モジュール」56が、モジュール・フレーム52の上面に配置されてZ軸に沿って整列しており、患者又は物体を通して減弱したX線を受光して処理する。本発明の各実施形態によれば、モジュール・フレーム52の上面54に配置されるサブ・モジュール56の数は、CTシステム10(図1)の検出器モジュール20の動作要件に基づいて製造工程時に制御され得る。すなわち、Z軸に沿った撮影範囲量を変化させる(すなわち取得されるスライスの数を変化させる/制御する)ように、検出器モジュール20に含まれるサブ・モジュール56の数が制御され得るように所望に応じてサブ・モジュール56をモジュール・フレーム52に選択的に追加することができる点で、検出器モジュール20のサブ・モジュール56はタイル構成可能なサブ・モジュールとして構成されている。このように、例えば本発明の一実施形態によれば、6個のサブ・モジュール56が検出器モジュール20に含まれ得る。但し、検出器モジュール20の他の各実施形態は、4個、8個、又は例えば図4に示す破線によって示すように12個のサブ・モジュール56を含み得る。各々の実施形態において、サブ・モジュール56は、Z軸に沿って検出器モジュールの中心線58に関して対称な態様で上面54に配置される。このように、モジュール・フレーム52におけるサブ・モジュール56の配置数の増減(populating/depopulating)に基づいて、検出器モジュール20をZ軸に沿って制御自在の長さ/撮影範囲を有するように構築し得ることが認められる。
【0018】
本発明の一実施形態による1個のサブ・モジュール56の詳細図を図5及び図6に示す。サブ・モジュール56は、物体を通して減弱したX線を受光してX線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器素子又はピクセルのアレイ60を含んでいる。一実施形態によれば、検出器素子/ピクセル60は、シンチレータ−フォトダイオードの対で形成される。シンチレータ−フォトダイオードの対を形成するときに、多数のシンチレータ検出器素子又はピクセル64が配列されてシンチレート・パック・アレイ62を形成する。例えば、シンチレート・パック・アレイ62は、各々のシンチレート・パック・アレイ62が32スライスを含むようにして32×16のシンチレータ検出器素子64のアレイで構成され得る。シンチレート・パック・アレイ62は、複数のダイオード素子又はピクセル(図示されていない)で形成されたフォトダイオード・アレイ66の上に配置され、ダイオード・アレイ66は、シンチレータ検出器素子64の数に対応して例えば32×16のダイオードのアレイで形成される。
【0019】
図5及び図6に示すように、シンチレータ検出器素子64はダイオード・アレイ66に光学的に結合され、ダイオード・アレイ66は次に1又は複数の特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージ68に電気的に結合される。ASIC電子回路パッケージ68(すなわちアナログからディジタルへの(A/D)変換器)は、上に(すなわちASIC電子回路パッケージ68の前面及び背面に)形成された入出力(I/O)インタコネクト70を介してダイオード・アレイ66に電気的に且つ機械的に結合される。I/Oインタコネクト70は、例えばボール・グリッド・アレイ(BGA)型のインタコネクト、又はASIC電子回路パッケージ68をダイオード・アレイ66に電気的に且つ機械的に結合する他の類似の接着装置として形成され得る。本発明の各実施形態によれば、各々のASIC電子回路パッケージ68が、パッケージ68を集合的に形成する4個のASICダイ72のような1又は複数の個別のASICダイ72を含んでいる。
【0020】
本発明の各実施形態によれば、ASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68は部分的には、フォトダイオード・アレイ66から受け取った信号のアナログからディジタルへの(A/D)変換を実行するように構成される。すなわち、ASIC電子回路パッケージ68は、フォトダイオード・アレイ66から受け取ったアナログ電気信号を、ダイオード・アレイから受け取った信号のレベルに基づいてディジタル数へ変換するように作用する。このように、一実施形態の動作では、X線がシンチレータ検出器素子64の内部に入射してフォトンを発生し、フォトンはパック・アレイ62を横断してダイオード・アレイ66の内部のフォトダイオード・ピクセル/素子において検出され、検出に応答してダイオード・アレイ66によって発生されるアナログ信号がASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68によって受け取られて、ディジタル信号/数へ変換される。
【0021】
図5及び図6にさらに示すように、基材層74(すなわちASICパッケージ基材)が、ASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68の下方にシンチレート・パック・アレイ62の反対側に配置される。基材層74は電気絶縁性材料で形成されて、サブ・モジュール56に対して支持/剛性を提供するように構成される。基材層74とASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68との間には、フレックス回路76がASIC電子回路パッケージ68に取り付けられて配置されており、ASIC電子回路パッケージからの信号を検出器モジュール20(図4)の制御及び処理基板32へ伝送し、また制御及び電力を/制御及び処理基板32との間で伝達し合う。フレックス回路76は、ASIC電子回路パッケージ68からディジタル信号/数を送信するように作用する点で「ディジタル・フレックス回路」の形態にある。フレックス回路76は、ASIC電子回路パッケージ68との境界(インタフェイス)(すなわちI/Oインタコネクト70との境界)を成すように構成されているコネクタ/電気的接着可能域78と、検出器モジュール20(図4)の制御/処理基板32との境界を成すように構成されているコネクタ80とを含んでいる。一実施形態によれば、フレックス回路76のコネクタ/電気的接着可能域78の範囲内には、基材層74を(台座(pedestal)を介して)ASIC電子回路パッケージ68に熱接着するようにASIC電子回路パッケージ68のASICダイに対応する孔が形成されている(図示されていない)。
【0022】
また、一実施形態によれば、熱伝導接着剤79がASIC電子回路パッケージ68とフレックス回路76との間に設けられて、各構成要素を共に接着すると共に、サブ・モジュール56に別個の熱境界を設ける。フレックス回路76は図5及び図6では片側フレックス回路として図示されているが、フレックス回路76は代替的には、フレックス回路がモジュール・フレーム52(図4)の両側の各々の先まで延在しているような図7に示すもののような両側フレックス回路76として構築され得ることが認められる。さらに、リボン・ケーブル又は基板間接続のような他のインタコネクトの選択肢も同等に用いられ得ることが認められる。また図7には、サブ・モジュール56が方形構成を有し得るように検出器素子/ピクセルのアレイ60が32×32のピクセルのアレイで形成され得ることが示されている。
【0023】
図8〜図10には、ASIC電子回路パッケージ68及びパッケージ68に設けられたI/Oインタコネクト70の構造が本発明の各実施形態に従って示されている。図8〜図10に示すように、一実施形態によれば、各々のサブ・モジュール56に2個ずつのASIC電子回路パッケージ68が設けられる。図8はASIC電子回路パッケージ68のアナログ側を示しており、フォトダイオード・アレイ66(図5〜図6)に接続されるI/Oインタコネクト70が設けられている。図9及び図10は本発明の各実施形態によるASIC電子回路パッケージ68のディジタル側を示しており、図9は両側フレックス回路76(図7)に接続可能なI/Oインタコネクト70を示し、図10は片側フレックス回路76(図5〜図6)に接続可能なI/Oインタコネクト70を示している。実施形態の一例によれば、I/Oインタコネクト70は、ボール・グリッドアレイ(BGA)の形態、又はフォトダイオード・アレイとASIC電子回路パッケージとの間に機械的且つ電気的結合を設ける類似形式の接続の形態にある。
【0024】
図8〜図10に示すように、各々のサブ・モジュール56毎に2個ずつのASIC電子回路パッケージ68が設けられて、アナログ信号の受け取り/処理、及びこれらのアナログ信号のディジタル信号/数への変換に対処する。本発明の各実施形態によれば、各々のASIC電子回路パッケージ68が、1個と4個との間のASICダイ72(図6)を含むことができ、各々のASICダイ72が例えば64個のアナログ・チャネルを有する。ASICダイ72は、H字形パターンのアレイ、単一列の線形アレイ、行列型アレイ、又は単一のパッケージとして配列され得る。本発明の実施形態の一例によれば、各々のサブ・モジュール56が2個ずつのASIC電子回路パッケージ68を含んでおり、各々のASIC電子回路パッケージ68が4個ずつのASICダイ72を内部に有し、合計で8個のASICダイ72が各々のサブ・モジュール56に設けられる。
【0025】
図5及び図6に戻り、ASIC電子回路パッケージ68をシンチレータ及びフォトダイオードの対64、66に直接結合すると、従来のアナログ・フレックス伝送及び付設されるインタコネクトに比較して減少した電子雑音を有利に与え、これにより信号対雑音比(SNR)を高めることが認められる。すなわち、アナログ信号伝達の主な不利益は雑音すなわちランダムな無用の変動であることが認められる。信号が複製されまた再複製され、又はアナログ・フレックス回路に跨がる送信のように長距離にわたり送信されるにつれて、これらの見かけ上ランダムな変動が支配的になり、このようにして電気的雑音を生ずる。加えて、フォトダイオード・アレイをASIC(A/D変換器)に近接して結合すると、電力要件が縮小し、また発生される対応する熱が少なくなる。このように、フォトダイオード・アレイ66によって発生されるアナログ電気信号のディジタル数への変換(すなわちASIC電子回路パッケージ68でのA/D変換)をサブ・モジュール56のASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68において直接行なうと、相対的に長い距離にわたり(すなわちフレックス回路に跨がって)アナログ信号を送信する必要がなくなるため、雑音を少なくしてSNRを高めるのに役立つ。
【0026】
SNRを高めることに加えて、ASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68をシンチレータ及びフォトダイオードの対64、66に直接結合すると、電気的インタコネクト及び構成要素の数を減少させ、特に従来の検出器モジュールに見られる高密度アナログ・フレックス回路に関して減少させることにより、検出器モジュール20の信頼性を高めることができる。サブ・モジュール56においてASIC電子回路パッケージ(1又は複数)68を用いると、内部に含まれる構成要素及び境界の数を減少させることにより、検出器モジュール20の全体の単位面積当たり(すなわちピクセル当たり)の費用を縮小するのにも役立つ。
【0027】
サブ・モジュール56の構造、及びサブ・モジュール56を検出器モジュールに含めることにより、サブ・モジュールのタイル構成可能性及び寸法可変性に関するサブ・モジュールの制御自在で且つ変化自在の性質に基づいて、さらに他の利益が提供される。すなわち、本発明の各実施形態によれば、サブ・モジュール56の構成を、性能及び拡縮自在性について最適化するために変化させることができる。すなわち、サブ・モジュール56は上では32×16の検出器ピクセル/素子のアレイ(すなわち32スライス及び16チャネル)を有するものとして記載されているが、サブ・モジュール56は、ピクセル/素子の多数のN×Mアレイ(例えばN=16、32、又は64、例えばM=16、24、又は32)の任意の一つを有するように形成されることができ、アレイの寸法は費用、性能、歩留まり、試験時間拡縮自在性、及び信頼性等に基づいて最適化されることが認められる。呼応して、サブ・モジュール56の寸法は様々であってよく、サブ・モジュール56は、検出器モジュール20の厳密な構成に依存して10mm長から40mm長までの長さ(すなわちZ軸に沿った寸法)を有する。さらに、サブ・モジュール56は図5及び図6ではシンチレータ・アレイ62及びフォトダイオード・アレイ66を含むものとして示されているが、サブ・モジュール56におけるかかる素子/材料は、テルル化カドミウム(CdTe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)のようにX線を電気信号へ直接変換する直接変換材料によって置き換えられ得ることが認められる。
【0028】
図11には、本発明のもう一つの実施形態による検出器モジュール20の構成が示されている。検出器モジュール20は、上面84が階段型構成を有するように構築されたモジュール・フレーム82を含んでおり、従って複数の面86を上部に含んでいる。面86は、Z軸に沿ってモジュール・フレーム82に沿った長さ方向に整列されており、各々の面86が、患者又は物体を通して減弱したX線を受光して処理するために検出器サブ・モジュール56を収容する寸法を有して構成されている。本発明の一実施形態によれば、8個の面86がモジュール・フレーム82の上面84に形成されて、サブ・モジュール56が各々の面86に配置されており、各々のサブ・モジュール56に32×16の検出器素子の各々のアレイが存在しているので、検出器モジュール20では和が256×16の検出器素子のアレイ寸法となる。結果として、検出器モジュール20は、ガントリ12(図1)の各回の回転によって256枚の同時スライスのデータを収集することを可能にする。
【0029】
図11に示すように、モジュール・フレーム82は、視差効果を回避するために、各々の面86がX線ビーム焦点スポット15に関して一定の角度でそれぞれのサブ・モジュール56を配置するように構成されている。各々の面86が形成される角度は、サブ・モジュール56の各スライスが視差現象による影響を最小限に受ける(すなわちスライスの間でのX線クロストーク、スペクトルの非線形性、スライス・プロファイルの劣化、及びMTFの劣化を最小に抑える)ように個々に最適化され、各々の面86の焦点スポット15に関する角度は、所望の性能、及び改善すべき特定の画質パラメータの関数として変化させられ決定される。一般的には、焦点スポット15に対する特定の面86の角度は、面86が検出器モジュール20の中心線58から離隔するほど増加する。このように、モジュール・フレーム52において最も外側の面86は、焦点スポット15に対して中心線58に隣接するモジュール・フレーム82の中間面86よりも大きい角度で配向させられ得る。次いで、サブ・モジュール56は、接着剤、ねじ、又は他の任意の許容可能な固着方法等を介して、対応する面86によって形成される所望の角度に配置されるように面86に配置されて固定される。
【0030】
図12を参照すると、小包又は手荷物を通過させ得る開口104を内部に有する回転式ガントリ102を含む小包/手荷物検査システム100が示されている。回転式ガントリ102は、高周波電磁エネルギ源106と、図4、図5、図11に示されるものと同様の検出器モジュール20を有する検出器アセンブリ108とを収容している。また、コンベヤ・システム110が設けられており、コンベヤ・システム110は、構造114によって支持されて走査のために小包又は手荷物116を自動的に且つ連続的に開口104に通すコンベヤ・ベルト112を含んでいる。物体116をコンベヤ・ベルト112によって開口104に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト112によって開口104から小包116を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包116の内容を非侵襲的に検査することができる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、検出器モジュール20(図4、図5、図11)を小包/手荷物検査システム100に組み入れると、小包116の走査時間の短縮を図ることができる。すなわち、検出器モジュール20(図4、図5、図11)は、256スライスが検出器モジュール20によって取得され得るためシステム100がガントリ102の単一の回転において小包の相対的に大きい容積を走査することを可能にする。このように、小包/手荷物検査システム100によるさらに効率のよい小包116の走査が、検出器モジュール20(図4、5、11)をシステム100に組み入れることにより達成される。
【0032】
従って、本発明の一実施形態によれば、CTシステムが、被走査物体を収容するように開口を有する回転式ガントリと、回転式ガントリに配置されて、当該X線投射源の焦点スポットから物体へ向けてX線のコーン・ビームを投射するX線投射源と、回転式ガントリに配置されて、物体によって減弱したX線を受光するように構成されている複数の検出器モジュールとを含んでいる。複数の検出器モジュールの各々が、上面を有するモジュール・フレームと、物体によって減弱したX線を受光してX線をディジタル信号へ変換するようにモジュール・フレームの上面に配置されてモジュール・フレームのZ軸に沿って整列した複数のタイル構成可能なサブ・モジュールと、複数のサブ・モジュールに接続されて、ここからディジタル信号を受け取る電子回路基板とを含んでいる。検出器モジュールに設けられた複数のサブ・モジュールの各々がさらに、物体を通して減弱したX線を受光してX線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器素子のアレイと、検出器素子のアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル信号へ変換する特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージと、ASIC電子回路パッケージに接続されて、ここからディジタル信号を受け取ってディジタル信号を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するフレックス回路とを含んでいる。
【0033】
本発明のもう一つの実施形態によれば、CT走査手順時に物体によって減弱したX線を受光する検出器モジュールが、モジュール・フレームと、モジュール・フレームに配置されて、物体によって減弱したX線を受光する複数のタイル構成可能なサブ・モジュールと、モジュール・フレームに固定され、複数のサブ・モジュールに電気的に接続されて、ここから受け取った信号を処理する電子回路処理基板とを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々がさらに、物体を通して減弱したX線を受光してX線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器ピクセルのアレイと、検出器ピクセルのアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル数へ変換する特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージと、ASIC電子回路パッケージに接続されて、ここからディジタル数を受け取ってディジタル数を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するディジタル・フレックス回路とを含んでいる。
【0034】
本発明のさらにもう一つの実施形態によれば、CT走査手順時に物体によって減弱したX線を受光する検出器モジュールが、モジュール・フレームと、モジュール・フレームに配置されて、物体によって減弱したX線を受光する複数の選択的追加可能なサブ・モジュールと、モジュール・フレームに固定され、複数のサブ・モジュールに電気的に接続されて、ここから受け取った信号を処理する電子回路処理基板とを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々が、物体を通して減弱したX線を受光し受光に応答して光出力を発生するように構成されている複数のシンチレータ・ピクセルを有するシンチレータ・アレイと、シンチレータ・アレイに光学的に結合されて、シンチレータ・アレイからの光出力を検出し検出に応答してアナログ電気信号を発生するように各々構成されている複数のフォトダイオードを含むフォトダイオード・アレイとを含んでいる。複数のサブ・モジュールの各々がさらに、検出器素子のアレイに電気的に且つ機械的に結合されて、アナログ電気信号を受け取ってアナログ電気信号をディジタル数へ変換するアナログからディジタルへの(A/D)変換器と、フォトダイオード・アレイの反対側でA/D変換器の背面に配置されて、サブ・モジュールに対する支持を提供する基材層と、A/D変換器に接続されて、ここからディジタル数を受け取ってディジタル数を検出器モジュールの電子回路基板へ転送するディジタル・フレックス回路であって、A/D変換器と基材層との間に配置されてA/D変換器との電気的な且つ機械的な結合を形成する境界(インタフェイス)部分を含むディジタル・フレックス回路とを含んでいる。
【0035】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が本発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0036】
10:CTイメージング・システム
12:ガントリ
14:X線源
15:焦点スポット
16:X線
17:レール
18:検出器アセンブリ
19:コリメート用プレート
20:検出器モジュール
22:患者
24:回転中心
26:制御機構
28:X線制御器
30:ガントリ・モータ制御器
32:制御及び処理基板
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
52:モジュール・フレーム
54:上面
56:検出器サブ・モジュール
58:検出器モジュールの中心線
60:検出器素子又はピクセルのアレイ
62:シンチレート・パック・アレイ
64:シンチレータ検出器素子又はピクセル
66:フォトダイオード・アレイ
68:特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージ
70:入出力(I/O)インタコネクト
72:ASICダイ
74:基材層
76:フレックス回路
78:コネクタ/電気的接着可能域
79:熱伝導接着剤
80:コネクタ
82:モジュール・フレーム
84:上面
86:面
100:小包/手荷物検査システム
102:回転式ガントリ
104:開口
106:高周波電磁エネルギ源
108:検出器アセンブリ
110:コンベヤ・システム
112:コンベヤ・ベルト
114:構造
116:小包又は手荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被走査物体を収容するように開口(48)を有する回転式ガントリ(12)と、
該回転式ガントリ(12)に配置されて、当該X線投射源(14)の焦点スポット(15)から前記物体へ向けてX線(16)のコーン・ビームを投射するX線投射源(14)と、
前記回転式ガントリ(12)に配置されて、前記物体により減弱したX線を受光するように構成されている複数の検出器モジュール(20)と
を備えた計算機式断層写真法(CT)システム(10)であって、前記複数の検出器モジュール(20)の各々が、
上面(54)を有するモジュール・フレーム(52)と、
前記物体により減弱した前記X線を受光して該X線をディジタル信号へ変換するように前記モジュール・フレーム(52)の前記上面(54)に配置されて前記モジュール・フレーム(52)のZ軸に沿って整列した複数のタイル構成可能なサブ・モジュール(56)と、
該複数のサブ・モジュール(56)に接続されて、ここから前記ディジタル信号を受け取る電子回路基板(32)と
を含んでおり、前記複数のサブ・モジュール(56)の各々が、
前記物体を通して減弱したX線を受光して該X線をアナログ電気信号へ変換するように構成されている検出器素子のアレイ(60)と、
該検出器素子のアレイ(60)に電気的に且つ機械的に結合されて、前記アナログ電気信号を受け取って該アナログ電気信号をディジタル信号へ変換する特定応用向け集積回路(ASIC)電子回路パッケージ(68)と、
該ASIC電子回路パッケージ(68)に接続されて、ここから前記ディジタル信号を受け取って該ディジタル信号を前記検出器モジュール(20)の前記電子回路基板(32)へ転送するフレックス回路(76)と
を含んでいる、計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項2】
前記検出器素子のアレイ(60)は、
複数のシンチレータ・ピクセル(64)を有し、前記物体を通して減弱したX線を受光し受光に応答して光出力を発生するように構成されているシンチレータ・アレイ(62)と、
該シンチレータ・アレイに光学的に結合されて、該シンチレータ・アレイ(62)からの前記光出力を検出し検出に応答して前記アナログ電気信号を発生するように各々構成されている複数のフォトダイオードを含むフォトダイオード・アレイ(66)と
を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項3】
前記ASIC電子回路パッケージ(68)は、当該ASIC電子回路パッケージ(68)を前記検出器素子のアレイ(60)及び前記フレックス回路(76)に電気的に且つ機械的に結合する入出力(I/O)インタコネクト・システム(70)を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項4】
前記I/Oインタコネクト・システムは、前記ASIC電子回路パッケージ(68)の前面及び背面の各々に形成されたボール・グリッド・アレイ(BGA)を含んでいる、請求項3に記載のCTシステム(10)。
【請求項5】
前記ASIC電子回路パッケージ(68)は複数の個別のASICダイ(72)を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項6】
前記フレックス回路(76)は、前記ASIC電子回路パッケージ(68)の一辺から外へ延在する片側フレックス回路及び前記ASIC電子回路パッケージ(68)の1対の対辺の各々から外へ延在する両側フレックス回路の一方を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項7】
前記フレックス回路(76)は、当該フレックス回路(76)を前記ASIC電子回路パッケージ(68)に電気的に且つ機械的に結合するように構成されている境界(78)を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項8】
前記複数のサブ・モジュール(56)の各々がさらに、前記検出器素子のアレイ(60)の反対側で前記ASIC電子回路パッケージ(68)の背面に配置された電気絶縁性ASICパッケージ基材層(74)を含んでおり、前記フレックス回路の前記境界(78)は、前記基材層(74)と前記ASIC電子回路パッケージ(68)との間に配置されている、請求項7に記載のCTシステム(10)。
【請求項9】
前記フレックス回路(76)は、前記ASIC電子回路パッケージ(68)との境界を成すように構成されている接着可能域(78)を含んでおり、該接着可能域(78)は、前記ASIC電子回路パッケージ(68)を前記ASICパッケージ基材(74)に熱接着するために内部に形成された複数の孔を含んでいる、請求項1に記載のCTシステム(10)。
【請求項10】
前記複数のタイル構成可能なサブ・モジュール(56)の各々が、前記Z軸に沿った前記検出器モジュール(20)の撮影範囲量を変化させるように前記モジュール・フレーム(52)に選択的に追加可能であって、これにより、費用、性能、歩留まり、試験時間拡縮自在性、及び信頼性を最適化するように決定される制御自在の寸法を有するアレイを提供する、請求項1に記載のCTシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−143564(P2012−143564A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−2947(P2012−2947)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】