説明

タッチセンサシステム及びマイクロコンピュータ

【課題】大きな抵抗を必要とすることなくマイクロコンピュータを用いてタッチセンサによる接触検知を行う。
【解決手段】マイクロコンピュータの外部端子にタッチセンサの容量電極を接続し、前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に夫々接続された電流源回路(例えば定電流回路)及びインタフェース部と、インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置とを備え、この中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、その計数値に基づいてタッチセンサへの接触を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサによる接触検知を行うタッチセンサシステム、及び当該システムに好適なマイクロコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量型のタッチセンサによる接触検知を行う技術は、例えば特許文献1,2に代表されるようにタッチセンサの容量電極に抵抗を接続し、そのCR時定数に従った充電又は放電カーブの変化に基づいてタッチセンサへの接触に有無を検知することが広く知られている。例えば、人体の静電容量は8pF程度であり、CR時定数に従った充電又は放電カーブがそのような容量値の増加によって変化した状態を、当該カーブが閾値電圧を横切るまでの時間の相違によって検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−357744号公報
【特許文献2】特開2008−102885公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者はタッチセンサの接触検知をそのようなCR時定数を用いて行う技術について検討した。これによれば、人の接触による容量値変化が小さいから、タッチセンサに数メガ・オームの大きな抵抗を接続することが必要になり、そのような大きな抵抗を個々に用意して基板上に実装しなければならない。例えば検出処理にマイクロコンピュータを用いる場合にその入出力ポートにはタッチセンサの容量電極だけでなく大きな抵抗素子を容量電極毎に外付けすることが必要になるから、その処理工数が増え、外付け部品点数も増えてしまう。
【0005】
本発明の目的は、大きな抵抗素子を必要とすることなくマイクロコンピュータを用いてタッチセンサによる接触検知を行うことができるタッチセンサシステム、そして当該タッチセンサシステムに好適なマイクロコンピュータを提供することにある。
【0006】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0008】
すなわち、マイクロコンピュータの外部端子にタッチセンサの容量電極を接続し、前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に夫々接続された電流源回路(例えば定電流回路)及びインタフェース部と、インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置とを備え、この中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、その計数値に基づいてタッチセンサへの接触を判別する。
【0009】
初期化されたタッチセンサに電荷を積分するのに必要な電流はマイクロコンピュータ内部の電流源回路が供給するから、大きな抵抗素子をマイクロコンピュータに外付けすることを要しない。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0011】
すなわち、大きな抵抗素子を必要とすることなくマイクロコンピュータを用いてタッチセンサによる接触検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は放電型定電流回路を採用したタッチセンサシステムが例示されるブロック図である。
【図2】図2は電流ミラー比を選択可能な放電形の定電流回路が例示される回路図である。
【図3】図3は定電流回路18にバンドギャップリファレンス回路を適用した例を示す回路図である。
【図4】図4はインタフェース部20の一例として汎用入出力ポートの1ビット分(ポート単位)を例示するブロック図である。
【図5】図5は図1に対してタッチセンサの接触検知に用いる外部端子を出力バッファと入力バッファとで個別化したタッチセンサシステムを例示するブロック図である。
【図6】図6は充電型定電流回路を採用したタッチセンサシステムが例示されるブロック図である。
【図7】図7には充電型定電流回路が例示される回路図である。
【図8】図8は図6に対してタッチセンサの接触検知に用いる外部端子を出力バッファと入力バッファとで個別化したタッチセンサシステムを例示するブロック図である。
【図9】図9は図1のタッチセンサシステムにおけるタッチセンサの接触検知動作を例示するタイミングチャートである。
【図10】図10は図6のタッチセンサシステムにおけるタッチセンサの接触検知動作を例示するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0014】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るタッチセンサシステムは、マイクロコンピュータ(1,1A,1B)と、前記マイクロコンピュータの外部端子(P1,P1A,P1B)に容量電極が接続されたタッチセンサ(2)とを有する。前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に接続された電流源回路(18,18A)と、前記外部端子に接続されたインタフェース部(20)と、前記インタフェース部に接続された計数回路(19)と、前記インタフェース部と前記計数回路を制御する中央処理装置(10)とを有する。前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路(75)によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路(87)から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0015】
初期化されたタッチセンサに電荷を積分するのに必要な電流はマイクロコンピュータ内部の電流源回路が供給するから、大きな抵抗素子をマイクロコンピュータに外付けすることを要しない。
【0016】
〔2〕<放電型定電流回路採用>項1のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記出力回路は、充電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化する。前記電流源回路は、外部端子から電流を引き込む放電型の定電流回路(18)である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電してから、前記定電流回路に電流を引き込み、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する。タッチセンサの初期化蓄積電荷を放電させる動作によってタッチセンサの接触検知を行うことができる。
【0017】
〔3〕<共通端子>項2のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記外部端子(P1)は前記出力回路と前記入力回路の共通端子である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電した後、前記出力回路を高出力インピーダンス状態にする。タッチセンサの接触検知を行うために用いる外部端子の数を最小にすることができる。
【0018】
〔4〕<個別端子>項2のタッチセンサシステムにおいて、前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路との間で個別化された端子(P1A,P1B)である。個別化された出力回路用の第1外部端子(P1A)と入力回路用の第2外部端子(P1B)との間に、第1外部端子から第2外部端子の向きを順方向とするダイオードが配置される。インタフェース部の入力回路と出力回路の端子を個別端子としてその間をダイオード(5)にて分離するから、入力回路による入力動作において、入力回路よりも大きなトランジスタを用いる出力回路のソース・ドレイン寄生容量が電流積分動作に影響を与えない。高い精度で接触検知を行うことができる。ダイオードに代えてスイッチを採用してもよいが、その場合にはスイッチ制御のための外部端子が新たに必要になる。
【0019】
〔5〕<充電型定電流回路採用>項1のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記出力回路は、放電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化する。前記電流源回路は、外部端子に電流を供給する充電型の定電流回路(18A)である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電してから、前記定電流回路から電流を供給し、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する。初期化されたタッチセンサに充電する動作によってタッチセンサの接触検知を行うことができる。
【0020】
〔6〕<共通端子>項5のタッチセンサシステムにおいて、前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路の共通端子である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電した後、前記出力回路を高出力インピーダンス状態にする。タッチセンサの接触検知を行うために用いる外部端子の数を最小にすることができる。
【0021】
〔7〕<個別端子>項のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路との間で個別化される。個別化された出力回路用の第1外部端子と入力回路用の第2外部端子との間に、第2外部端子から第1外部端子の向きを順方向とするダイオード(6)が配置される。インタフェース部の入力回路と出力回路の端子を個別端子としてその間をダイオードにて分離するから、入力回路による入力動作において、入力回路よりも大きなトランジスタを用いる出力回路のソース・ドレイン寄生容量が電流積分動作に影響を与えない。高い精度で接触検知を行うことができる。ダイオードに代えてスイッチを採用してもよいが、その場合にはスイッチ制御のための外部端子が新たに必要になる。
【0022】
〔8〕<外付け抵抗に応じたミラー電流>項1のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記電流源回路は定電流回路であり、この定電流回路は電流ミラー回路を有し、前記電流ミラー回路はマイクロコンピュータに専用端子を介して外付される抵抗素子(4)の抵抗値に応じて出力電流値が設定される。外付け抵抗を必要としても、一つあればよく、抵抗値もタッチセンサに直列配置する場合に比べて小さくて済む。
【0023】
〔9〕<電流ミラー比の選択回路>項1のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記電流源回路は定電流回路であり、この定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路(41〜46)により選択される電流ミラー回路を有し、前記電流ミラー回路は選択された電流ミラー比に応じて出力電流値が設定される。電流ミラー比の選択によって所要の積分動作を選択することができる。
【0024】
〔10〕<計数クロック周波数に反比例する出力電流値の選択>項9のタッチセンサシステムにおいて、前記中央処理装置は、前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を前記選択回路に選択させる。前記クロック信号の周波数に応じてそれに反比例する電流値を出力する電流ミラー比を選択する、という関係により、計数回路の計数動作に用いるクロック信号周波数が変わっても、タッチセンサに対する充電又は放電の積分動作時間は変更されないから、中央処理装置による処理動作、そしてこれを規定する処理プログラムの変更を要しない。マイクロコンピュータの動作クロック周波数が変更されても、タッチセンサによる接触検知のために中央処理装置が実行する動作プログラムは同じであってよい。
【0025】
〔11〕項10のタッチセンサシステムにおいて、例えば、周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータ(14)を有し、前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定の分周比を有する。低消費電力モードなどに応じてクロックパルスジェネレータで生成される動作基準クロック信号の周波数がダイナミックに可変されても、タッチセンサによる接触検知のために中央処理装置が実行する動作プログラムは同じであってよい。
【0026】
〔12〕項11のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記中央処理装置は前記動作基準クロック信号の周波数を制御する。
【0027】
〔13〕項12のタッチセンサシステムにおいて、例えば、前記中央処理装置はパワーオンリセットに応答して不揮発性記憶装置(12)から前記電流ミラー比を決定する選択制御データを読み出して前記選択回路に初期設定する。
【0028】
〔14〕本発明の代表的な別の実施の形態に係るタッチセンサシステムは、マイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの外部端子に容量電極が接続されたタッチセンサとを有する。前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に接続された定電流回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置と、周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータと、を有する。前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定分周比を有する。前記定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路により選択される電流ミラー回路を有し、前記選択回路は前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を選択する。前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記定電流回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0029】
〔15〕本発明の代表的な別の実施の形態に係るマイクロコンピュータは、外部端子にタッチセンサの容量電極が接続されるマイクロコンピュータであって、前記外部端子に接続された電流源回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、前記インタフェース部と前記計数回路を制御する中央処理装置とを有する。前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0030】
〔16〕項15のマイクロコンピュータにおいて、例えば、前記出力回路は、充電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化する。前記電流源回路は、外部端子から電流を引き込む放電型の定電流回路である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電してから、前記定電流回路に電流を引き込み、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0031】
〔17〕項15のマイクロコンピュータにおいて、例えば、前記出力回路は、放電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化する。前記電流源回路は、外部端子に電流を供給する充電型の定電流回路である。前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電してから、前記定電流回路から電流を供給し、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0032】
〔18〕本発明の代表的な別の実施の形態に係るマイクロコンピュータは、外部端子にタッチセンサの容量電極が接続可能にされるマイクロコンピュータであって、前記外部端子に接続された定電流回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置と、周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータと、を有する。前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定の分周比を有する。前記定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路により選択される電流ミラー回路を有し、前記選択回路は前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を選択する。前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記定電流回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する。
【0033】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0034】
《放電型定電流回路採用によるタッチセンサシステム》
図1には本発明に係るタッチセンサシステムの構成が例示される。タッチセンサシステムはマイクロコンピュータ1とタッチセンサ2からなる。タッチセンサ2の一方の容量電極はマイクロコンピュータ1の外部端子P1に接続される。マイクロコンピュータ1は、特に制限されないが、相補型MOS集積回路製造技術などによって単結晶シリコン基板などの1個の半導体基板に形成される。マイクロコンピュータ1は、プログラムを実行する中央処理装置(CPU)10、CPU10のワーク領域もしくはデータの一時記憶領域として利用されるRAM11、CPU10が実行するプログラムや初期化データなどが格納されたフラッシュメモリのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(NVMRY)12、クロックパルスジェネレータ(CPG)14、代表的に示されたインタフェース部20、放電型の定電流回路18、及び計数回路としてのカウンタ(CNT)19を有する。13は内部バスを意味する。ここではタッチセンサ2の接触検知を行うために必要な構成を示すものであり、マイクロコンピュータ1はその他のデータ処理に必要な別のインタフェース部や周辺回路モジュールを備えてよいことは言うまでもない。
【0035】
インタフェース部20は例えばpチャンネル型の出力MOSトランジスタ70及びnチャンネル型の出力MOSトランジスタ71が直列されたプッシュ・プル型の出力回路としての出力バッファ75と、pチャンネル型の入力MOSトランジスタ87A及びnチャンネル型の入力MOSトランジスタ87Bが直列されたプッシュ・プル型の入力回路としての入力バッファ87を備える。出力バッファ75の出力ノードと入力バッファ87の入力ノードは前記外部端子P1に共通接続される。インタフェース部20の出力動作と入力動作はCPU10から供給される信号群25によって制御される。
【0036】
定電流回路18は外部端子P2,P3に外付けされた抵抗素子4を介して電源電圧VDDから供給される電流に基づいて定電流を引き込む。定電流回路18はで引き込み電流を決める電流ミラー回路を有し、電流ミラー回路で選択される電流ミラー比はCPU10が選択制御回路46に与える制御データ28で決まる。定電流の引き込みノードは前記外部端子P1に接続され、定電流の引き込み動作は入力バッファ87の入力動作に同期して開始され、その指示はCPU10が信号26によって与えられる。
【0037】
クロックパルスジェネレータ14はクロック端子P4,P5に外付けされた振動子3と奇数段のインバータ15によって構成されたリングオシレータで発振動作を行い、発振信号周波数を分周回路16で1/Nに下げて、CPU1の動作基準クロック信号として利用されるクロック信号CLKを生成する。分周回路16による分周比はCPU10が出力する制御データ28で決まる。CPU10はこのクロック信号CLKに同期してデータ処理を行う。
【0038】
カウンタ19はCPU1の動作基準クロック信号に対して規定の分周比を有するクロック信号としてクロック信号CLKを計数する。カウンタ19は、入力バッファ87の入力動作の開始に同期して計数動作を開始し、入力バッファ87の出力ノードの信号がハイレベルに判定されるのに同期して計数動作を終了する。計数動作の開始はCPU10が信号27によって与える。
【0039】
CPU10は、出力バッファ75の出力MOSトランジスタ71からハイレベルを出力させてタッチセンサ2を充電して初期化した後、出力バッファ75を高インピーダンス状態とし、前記定電流回路18に電流引き込み動作を開始させる。これと共に、CPU10は入力バッファ87に入力動作を開始させ、カウンタ19に計数動作を開始させる。定電流回路18の電流引き込み動作によって徐々にタッチセンサ2に電荷が充電され、充電レベルが入力バッファ87の論理閾値電圧を超えると、入力バッファ87の出力信号がローレベルからハイレベルに反転され、これに同期してカウンタ19は計数動作を停止する。CPU10はその計数値を例えばカウントアップ割り込みを介して取得してタッチセンサ2への人の接触の有無を判別する。タッチセンサ2に人が接触することによって外部端子P1から見える容量成分は人の等価容量値である大凡5pF増えるから、カウンタ19による計数値が閾値を越えている場合には人が接触したと判別する。例えば図9のタイミングチャートにおいてT1を出力バッファ75による充電期間とすると、外部端子P1の電位は、人がタッチセンサ2に接触しないときは波形W1にように変化され、人がタッチセンサ2に接触したときは波形W2にように変化される。Vthを入力バッファ87の論理閾値電圧とすれば、人がタッチセンサ2に接触しないときは波形W1のように変化され、人がタッチセンサ2に接触したときは波形W2のように変化される。人がタッチセンサ2に接触していないときのカウンタ19の計数値は波形W1が閾値電圧Vthを横切ったときの値N1とされ、人がタッチセンサ2に接触したときのカウンタ19の計数値は波形W2が閾値電圧Vthを横切ったときの値N2とされる。CPU10は、その計数値が閾値Nthよりも小さければ人がタッチセンサ2に接触していないと判定し、その計数値が閾値Nthよりも大きければ人がタッチセンサ2に接触したと判定する。
【0040】
上記によれば、初期化されたタッチセンサに電荷を積分するのに必要な電流はマイクロコンピュータ内部の定電流回路18が供給するから、タッチセンサ2に直列させて大きな抵抗素子をマイクロコンピュータに外付けすることを要しない。更に、外部端子P1に対する電流引き込みは定電流で行われ、タッチセンサ2に対する放電レベルが時間に比例するから、接触検知の精度も高くなる。
【0041】
《電流ミラー比を選択可能な定電流回路》
図2には電流ミラー比を選択可能な放電形の定電流回路が例示される。定電流回路18は、初段電流ミラー回路として、抵抗素子4を介して電源電圧VDDから電流が供給され、ドレイン・ゲートが接続されたnチャンネル型のMOSトランジスタ30と、このMOSトランジスタ30のドレイン・ソース電流が鏡映されるnチャンネル型のMOSトランジスタ31〜35と、MOSトランジスタ31〜35のドレインに接続された選択スイッチ41〜45と、選択スイッチ41〜45のスイッチ制御を行う選択制御回路46とを有する。MOSトランジスタ30のW/LをX1とすると、MOSトランジスタ31〜35には例えば順次X1,X1,X2,X3,X4のW/Lが設定され、選択スイッチ41〜45におけるオン状態の組合せに応じて電流ミラー比の選択が可能にされる。選択制御回路46によるスイッチ41〜45の選択はCPU10から供給される制御データ28によって決定される。
【0042】
次段には、選択スイッチ41〜45の共通接続ノードと電源電圧VDDとの間に配置されドレイン・ゲートが接続されたpチャンネル型のMOSトランジスタ36と、このMOSトランジスタ36のソース・ドレイン電流が鏡映されるpチャンネル型のMOSトランジスタ37とから成る電流ミラー回路が設けられ、最終段には、MOSトランジスタ37に流れる電流を受け、ドレイン・ゲートが接続されたnチャンネル型のMOSトランジスタ51と、このMOSトランジスタ51のドレイン・ソース電流が鏡映されるnチャンネル型のMOSトランジスタ52〜54とから成る電流ミラー回路が設けられる。外部端子P1には例えばMOSトランジスタ52のドレインが結合される。図1では1個のタッチセンサ2を例示したが実際には多数のタッチセンサの接触検知を行うことができるようにインタフェース部20や外部端子P2が複数個も受けられ、カウンタ19が複数チャネルも受けられている。これに対応して定電流回路18も複数の電流引き込み用のMOSトランジスタ52〜54を備えている。55は最終段の電流ミラー回路のパワースイッチMOSトランジスタであり、このMOSトランジスタ55が信号26によってオン状態にされているとき、外部端子P1に対する電流引き込み動作を行う。
【0043】
電源電圧VDDから定電流回路18に供給する電流を抵抗素子4によって規定しているが、外付け抵抗素子4が必要としても、一つあればよく、その抵抗値もタッチセンサに直列配置する場合に比べて小さくて済む。
【0044】
《カウンタのクロック周波数に反比例する出力電流値の選択》
引き込み電流を決める電流ミラー比が選択可能な定電流回路18を用いるので、電流ミラー比の選択によって所要の積分動作を選択することができる。特に、CPU10は、カウンタの計数動作に用いるクロック信号CLKの周波数と定電流回路18が出力する引き込み電流との積が一定となるように定電流回路18の電流ミラー比とクロックパルスジェネレータ14の分周比とを制御データ28によって制御する。換言すれば、CPU10は、前記電流ミラー比で決まる電流値がカウンタ19の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を選択を前記選択回路41〜45に選択させる。即ち、クロック信号CLKの周波数がmMHzの場合に電流ミラー比をnとするとき、クロック信号CLKの周波数がm/2MHzの場合に電流ミラー比を2nとする。これにより、カウンタ19の計数動作に用いるクロック信号CLKの周波数が変わっても、タッチセンサ2に対する放電の積分動作時間は変更されないから、CPU10による処理動作、そしてこれを規定する処理プログラムの変更を要しない。マイクロコンピュータ1の動作クロック周波数CLKがその適用システムに応じて変更されても、タッチセンサ2による接触検知のためにCPU10が実行する動作プログラムは同じであってよい。また、低消費電力モードや高速動作モードのようにマイクロコンピュータ1の動作モードに応じてクロックパルスジェネレータ14で生成される動作基準クロック信号CLKの周波数がダイナミックに可変されても、タッチセンサ2による接触検知のためにCPU10が実行する動作プログラムは同じであってよい。
【0045】
定電流回路18の電流ミラー比と分周回路16の分周比を初期的に設定するには、例えば、パワーオンリセットに応答してCPU10が不揮発性記憶装置12から電流ミラー比と分周比を決定する制御データ28を読み出して選択制御回路46にセットし、分周回路16のデフォルト値を制御データ28で書換えればよい。
【0046】
図3には定電流回路18にバンドギャップリファレンス回路を適用した例が示される。バンドギャップリファレンス回路90は電流発生回路と電流電圧変換回路24とを有する。電流発生回路は、第1のカレントミラー回路を構成するPチャネル型MOSトランジスタ60,61と、第2のカレントミラー回路を構成するNチャネル型MOSトランジスタ63,64と、ダイオード65,66と、抵抗68(抵抗値R1)とを有する。ボルツマン定数をk、絶対温度をT、電子の素電荷量をq、ダイオード65及び68の接合面積SをそれぞれS3及びS4とし、その面積比S4/S3をNとするとMOSトランジスタ60,61のドレイン・ソース間電流IP61は、
IP61=(1/R1)・(kT/q)・ln(N)…(1)
で表される。電流電圧変換回路は、PチャネルMOSトランジスタ62、抵抗69(抵抗値R2)、ダイオード67を有し、電流発生回路14から供給された定電流IP61を電圧に変換する。これにより、MOSトランジスタ62のドレインから基準電圧Vrefを取り出すことができる。ダイオードD5の順方向電圧をVFとすると、基準電圧Vrefは、
Vref=(R11/R10)・(kT/q)・ln(N)+VF…(2)
で表される。これによれば、抵抗68及び69の抵抗値と、ダイオード65及び68の接合面積比Nの値とを適切な値に選ぶことによって、比較的温度の影響を受けない出力電圧としての基準電圧Vrefを得ることができる。
【0047】
前記定電流回路18の動作電源としてそのような基準出何つVrefを用いることにより前記定電流回路18で生成する動引き込み電流の温度による影響を小さくでき、タッチセンサ2の接触検知を更に高精度で行うことが可能になる。
【0048】
《インタフェース部》
図4にはインタフェース部20の一例として汎用入出力ポートの1ビット分(ポート単位)20Aが例示される。汎用入出力ポートのポート単位20Aは、前記入力バッファ87と出力バッファ75を構成するMOSトランジスタ70,71のほかに、pチャンネル型のプルアップMOSトランジスタ72、静電破壊防止用ダイオード73,74を有し、更に入力バッファ87、出力バッファ75及びプルアップMOSトランジスタの動作を制御するための論理を構成するナンドゲート80,81、ノアゲート82及びインバータ83,84を備えると共に、方向レジスタ88及びデータレジスタ89を有して構成される。PUPSはプルアップ選択信号、AINはアナログ入力、Diは内部バス13におけるデータ信号の1ビットを意味する。実際にはマイクロコンピュータ1は複数のポート単位を備える。ここでは1個のポート単位20Aをタッチセンサの接触検知に用いている。方向レジスタ88の出力がローレベルのとき出力バッファ75は高出力インピーダンス状態にされ、入力バッファ87は入力動作可能にされる。方向レジスタ88の出力がハイレベルのとき入力バッファ87の入力動作は抑制され、出力バッファ75はデータレジスタ8の値に従った論理値の信号を出力可能にされる。
【0049】
図4に例示されるようにタッチセンサの接触検知の最小単位として1個のポート単位を採用し、外部端子P1を出力バッファ75と入力バッファ87の共通端子とする場合、CPU10は、出力バッファ75によりタッチセンサ2を充電した後、出力バッファ75を高出力インピーダンス状態にすることが必要である。このように、外部端子P1を出力バッファ75と入力バッファ87の共通端子とすることにより、それらを別々の端子とする場合に比べて、タッチセンサ2の接触検知を行うために用いる外部端子の数を少なくすることができる。
【0050】
図5にはタッチセンサの接触検知に用いる外部端子を出力バッファ75と入力バッファ87とで個別化した例が示される。図5のマイクロコンピュータ1Aにおいて、P1Aは出力バッファ75に割当てられた外部端子、P1Bは入力バッファ87に割当てられた外部端子である。外部端子P1AとP1Bとの間には外部端子P1AからP1Bの向きを順方向とするダイオード5が配置され、外部端子P1Bにタッチセンサ2の容量電極が接続される。インタフェース部20Aにおいて、1個のポート単位20Aはタッチセンサ2の初期化出力動作のために出力バッファ75だけを用いる。定電流回路18の電流引き込みノードは外部端子P1Bに接続する。外部端子P1Bに接続する入力バッファ87は前記ポート単位20Aとは異なる単位回路20Bに含まれる。単位回路20Bは出力バッファを持たず、入力バッファ87の入力ノードには、入力バッファよりも大きなMOSトランジスタを用いる出力バッファのソース・ドレイン寄生容量のような大きな入力容量は存在しない。出力バッファ75と入力バッファ87とのまで外部端子P1A,P1Bが個別化され、個別化された外部端子P1A,P1Bの間に、出力用の外部端子P1Aから入力用の外部端子P1Bの向きを順方向とするダイオード5が配置されて外部端子P1Bから出力バッファ75の大きな入力寄生容量が見えなくなっているから、入力バッファ87による入力動作において、出力回路75の入力寄生容量が電流積分動作に影響を与えない。これにより、更に高い精度で接触検知を行うことができる。図5の場合に入力バッファ87による入力動作中には出力バッファ75は高出力インピーダンス又はローレベル出力状態にされなければならない。尚、ダイオード5に代えてスイッチを採用してもよいが、その場合にはスイッチ制御のための外部端子が新たに必要になり、また、当該スイッチのソース・ドレイン寄生容量が不所望な入力容量を構成することになる。
【0051】
《充電型定電流回路採用によるタッチセンサシステム》
図6には充電型定電流回路を採用したタッチセンサシステムが例示される。充電型定電流回路を採用する場合、出力バッファ75は、放電動作によってタッチセンサ2の蓄積電荷を初期化する。定電流回路18Aは、外部端子P1に電流を供給する充電型の回路である。CPU10は、出力バッファ75によりタッチセンサ2を放電してから、定電流回路18Aから電流を供給し、これによって入力バッファ87から得られる信号が反転するまでの時間をカウンタ19で取得し、計数値が閾値Nthを超えたか否かによりタッチセンサ2への接触を判別する。例えば図10のタイミングチャートにおいてT1を出力バッファ75による放電期間とすると、外部端子P1の電位は、人がタッチセンサ2に接触しないときは波形W3にように変化され、人がタッチセンサ2に接触したときは波形W4にように変化される。Vthを入力バッファ87の論理閾値電圧とすれば、人がタッチセンサ2に接触しないときは波形W3のように変化され、人がタッチセンサ2に接触したときは波形W4のように変化される。人がタッチセンサ2に接触していないときのカウンタ19の計数値は波形W3が閾値電圧Vthを横切ったときの値N3とされ、人がタッチセンサ2に接触したときのカウンタ19の計数値は波形W4が閾値電圧Vthを横切ったときの値N4とされる。CPU10は、その計数値が閾値Nthよりも小さければ人がタッチセンサ2に接触していないと判定し、その計数値が閾値Nthよりも大きければ人がタッチセンサ2に接触したと判定する。
【0052】
図6のその他の構成は図1で説明した構成と同じであるからその詳細な説明は省略する。
【0053】
図6の場合も初期化されたタッチセンサ2に電荷を積分するのに必要な電流はマイクロコンピュータ内部の定電流回路18Aが供給するから、タッチセンサ2に直列させて大きな抵抗素子をマイクロコンピュータ1Bに外付けすることを要しない。更に、外部端子P1に対する電流供給は定電流で行われ、タッチセンサ2に対する充電レベルが時間に比例するから、接触検知の精度も高くなる。
【0054】
図7には充電型定電流回路18Aが例示される。MOSトランジスタ36に流れる電流を鏡映するMOSトランジスタとして37〜39が設けられて最終段の電流ミラー回路が構成され、この最終段の電流ミラー回路のパワースイッチMOSトランジスタとしてpチャンネル型MOSトランジスタ57がMOSトランジスタ37〜39の共通ソースノードに接続された点が図2と相違される。このMOSトランジスタ57が信号26によってオン状態にされているとき、外部端子P1に対する電流供給動作を行う。その他の構成は図2と同様であるからその詳細な説明は省略する。
【0055】
特に図示はしないが、図7の定電流回路18Aにおいても図3と同様にバンドギャップリファレンス回路90で生成される基準電圧Vrefを動作電源とすることも可能である。
【0056】
図8には充電型定電流回路を採用したマイクロコンピュータにおいてタッチセンサの接触検知に用いる外部端子を出力バッファ75と入力バッファ87とで個別化した例が示される。図8のマイクロコンピュータ1Aにおいて、P1Aは出力バッファ75に割当てられた外部端子、P1Bは入力バッファ87に割当てられた外部端子である。外部端子P1AとP1Bとの間には外部端子P1BからP1Aの向きを順方向とするダイオード6が配置され、外部端子P1Bにタッチセンサ2の容量電極が接続される。インタフェース部20Aにおいて、1個のポート単位20Aはタッチセンサ2の初期化出力動作のために出力バッファ75だけを用いる。定電流回路18の電流供給ノードは外部端子P1Bに接続する。外部端子P1Bに接続する入力バッファ87は前記ポート単位20Aとは異なる単位回路20Bに含まれる。単位回路20Bは出力バッファを持たず、入力バッファ87の入力ノードには、入力バッファよりも大きなMOSトランジスタを用いる出力バッファのソース・ドレイン寄生容量のような大きな入力容量は存在しない。出力バッファ75と入力バッファ87との間で外部端子P1A,P1Bが個別化され、個別化された外部端子P1A,P1Bの間に、外部端子P1Bから外部端子P1Aの向きを順方向とするダイオード6が配置されて外部端子P1Bから出力バッファ75の大きな入力寄生容量が見えなくなっているから、入力バッファ87による入力動作において、出力回路75の入力寄生容量が電流積分動作に影響を与えない。図5の場合と同様に高い精度で接触検知を行うことができる。図8の場合に入力バッファ87による入力動作中には出力バッファ75は高出力インピーダンス又はハイレベル出力状態にされなければならない。
【0057】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0058】
例えば、定電流回路18,18AのパワースイッチMOSトランジスタ18,18Aは省略してもよい。出力バッファ75の充電,放電動作は定電流回路18,18Aによる放電、充電動作に勝るからである。マイクロコンピュータ1をタッチセンサ2の接触検知に用いない場合には抵抗素子4を設けなければよい。
【0059】
また、マイクロコンピュータが内蔵する回路モジュールの種類やバス接続の構成は図2に限定されず適宜変更可能である。入力回路はCMOSインバータによって構成される入力バッファに限定されず、所定の論理閾値を持つ論理ゲートやコンパレータ等の適宜の回路構成に変更することができる。タッチセンサは複数個をマトリクス状に配置し、X方向とY方向に夫々検出ノードを複数個持つように構成されものであってもよい。夫々の検出ノードを異なる外部端子に接続してタッチセンサシステを構成すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1,1A,1B マイクロコンピュータ
2 タッチセンサ
P1 外部端子
10 中央処理装置(CPU)
14 クロックパルスジェネレータ(CPG)
16 分周回路
18,18A 定電流回路
19 カウンタ(CNT)
20 インタフェース部
20A ポート単位
20B 単位回路
28 制御データ
41〜45 選択スイッチ
46 選択制御回路
70 pチャンネル型の出力MOSトランジスタ
71 nチャンネル型の出力MOSトランジスタ
75 出力バッファ
87A pチャンネル型の入力MOSトランジスタ
87B nチャンネル型の入力MOSトランジスタ
87 入力バッファ
CLK クロック信号
P1A 出力バッファに割当てられた外部端子
P1B 入力バッファに割当てられた外部端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの外部端子に容量電極が接続されたタッチセンサとを有し、
前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に接続された電流源回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、前記インタフェース部と前記計数回路を制御する中央処理装置とを有し、
前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する、タッチセンサシステム。
【請求項2】
前記出力回路は、充電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化し、
前記電流源回路は、外部端子から電流を引き込む放電型の定電流回路であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電してから、前記定電流回路に電流を引き込み、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する、請求項1記載のタッチセンサシステム。
【請求項3】
前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路の共通端子であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電した後、前記出力回路を高出力インピーダンス状態にする、請求項2記載のタッチセンサシステム。
【請求項4】
前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路との間で個別化され、
個別化された出力回路用の第1外部端子と入力回路用の第2外部端子との間に、第1外部端子から第2外部端子の向きを順方向とするダイオードが配置された、請求項2記載のタッチセンサシステム。
【請求項5】
前記出力回路は、放電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化し、
前記電流源回路は、外部端子に電流を供給する充電型の定電流回路であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電してから、前記定電流回路から電流を供給し、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する、請求項1記載のタッチセンサシステム。
【請求項6】
前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路の共通端子であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電した後、前記出力回路を高出力インピーダンス状態にする、請求項5記載のタッチセンサシステム。
【請求項7】
前記外部端子は前記出力回路と前記入力回路との間で個別化され、
個別化された出力回路用の第1外部端子と入力回路用の第2外部端子との間に、第2外部端子から第1外部端子の向きを順方向とするダイオードが配置された、請求項5記載のタッチセンサシステム。
【請求項8】
前記電流源回路は定電流回路であり、
前記定電流回路は電流ミラー回路を有し、前記電流ミラー回路はマイクロコンピュータに専用端子を介して外付される抵抗素子の抵抗値に応じて出力電流値が設定される、請求項1記載のタッチセンサシステム。
【請求項9】
前記電流源回路は定電流回路であり、
前記定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路により選択される電流ミラー回路を有し、前記電流ミラー回路は選択された電流ミラー比に応じて出力電流値が設定される、請求項1記載のタッチセンサ検出システム。
【請求項10】
前記中央処理装置は、前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を前記選択回路に選択させる、請求項9記載のタッチセンサシステム。
【請求項11】
周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータを有し、前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定の分周比を有する、請求項10記載のタッチセンサシステム。
【請求項12】
前記中央処理装置は前記動作基準クロック信号の周波数を制御する、請求項11記載のタッチセンサシステム。
【請求項13】
前記中央処理装置はパワーオンリセットに応答して不揮発性記憶装置から前記電流ミラー比を決定する選択制御データを読み出して前記選択回路に初期設定する、請求項12記載のタッチセンサシステム。
【請求項14】
マイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの外部端子に容量電極が接続されたタッチセンサとを有し、
前記マイクロコンピュータは、前記外部端子に接続された定電流回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置と、周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータと、を有し、
前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定分周比を有し
前記定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路により選択される電流ミラー回路を有し、前記選択回路は前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を選択し、
前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記定電流回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する、タッチセンサシステム。
【請求項15】
外部端子にタッチセンサの容量電極が接続されるマイクロコンピュータであって、
前記外部端子に接続された電流源回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、前記インタフェース部と前記計数回路を制御する中央処理装置とを有し、
前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記電流源回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する、マイクロコンピュータ。
【請求項16】
前記出力回路は、充電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化し、
前記電流源回路は、外部端子から電流を引き込む放電型の定電流回路であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを充電してから、前記定電流回路に電流を引き込み、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する、請求項15記載のマイクロコンピュータ。
【請求項17】
前記出力回路は、放電動作によって前記タッチセンサの蓄積電荷を初期化し、
前記電流源回路は、外部端子に電流を供給する充電型の定電流回路であり、
前記中央処理装置は、前記出力回路によりタッチセンサを放電してから、前記定電流回路から電流を供給し、これによって入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得し、計数値が閾値を超えたか否かにより前記タッチセンサへの接触を判別する、請求項15記載のマイクロコンピュータ。
【請求項18】
外部端子にタッチセンサの容量電極が接続可能にされるマイクロコンピュータであって、
前記外部端子に接続された定電流回路と、前記外部端子に接続されたインタフェース部と、前記インタフェース部に接続された計数回路と、中央処理装置と、周波数を可変として前記中央処理装置の動作基準クロック信号を生成するクロックパルスジェネレータと、を有し、
前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号は前記動作基準クロック信号に対して規定の分周比を有し
前記定電流回路は出力電流の電流ミラー比が選択回路により選択される電流ミラー回路を有し、前記選択回路は前記電流ミラー比で決まる電流値が前記計数回路の計数動作に用いるクロック信号の周波数と反比例する関係をもって前記電流ミラー比を選択し、
前記中央処理装置は、前記インタフェース部の出力回路によりタッチセンサの蓄積電荷を初期化した後、前記定電流回路の出力電流で前記タッチセンサに電荷を積分して前記インタフェース部の入力回路から得られる信号が反転するまでの時間を前記計数回路で取得して、前記タッチセンサへの接触を判別する、マイクロコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−263411(P2010−263411A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112654(P2009−112654)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】