説明

タッチセンサー機能付き表示装置

【課題】回路負荷が軽減されたタッチセンサー機能付き表示装置を提供する。
【解決手段】タッチセンサー機能付き表示装置のタッチセンサーは、複数のゲート線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線に対して電圧を印加する第1電圧印加部と、複数のデータ線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線に対して電圧を印加する第2電圧印加部と、電圧が印加されたタッチ位置検出用ゲート線に対応するタッチ位置検出用データ線に電圧を印加させ、複数の画素領域から選択されたタッチ位置検出用画素領域が充電される際の電位上昇率を検知する電位上昇率検知部と、電位上昇率に基づいて、タッチ位置を検出するタッチ位置検出部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサー機能付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチセンサー機能付き表示装置としては、ATM等のように、液晶表示装置の上に入力装置を搭載した構成が知られている。また、入力装置としては、タッチペン等の入力器具や人間の指等をタッチ面の任意の位置に接触させることにより、接触位置を特定して電子機器の各種操作、入力等を行うタッチパネル装置が知られている。タッチセンサー機能付き表示装置としては、基板上に形成された複数のゲート線と、当該ゲート線と交差して形成された複数のデータ線と、複数のゲート線と複数のデータ線とが交差する領域に形成された薄膜トランジスターと、複数のゲート線及び複数のデータ線と同じ方向に形成されたセンサーラインとを備え、例えば、外力が印加された場合に、センサーラインを通じて、外力が印加された位置(タッチ位置)を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−122913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のタッチセンサー機能付き表示装置の構成は、一画素単位でタッチ位置を検出しているため、タッチ位置を検出するためのセンサーラインやセンサーラインに関連するセンサー回路の数が増加し、回路構成に多大な負荷がかかってしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置は、共通電極を有する第1基板と、前記第1基板に対して対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示部と、前記第2基板上の第1方向に設けられた複数のゲート線に対して所定のタイミングで電圧を印加するゲート線電圧印加部と、前記第2基板上であって、前記ゲート線に略直交する第2方向に設けられた複数のデータ線に対して所定のタイミングで電圧を印加し、隣り合う一対の前記データ線および隣り合う一対の前記ゲート線とで囲まれた画素領域毎に配置された複数の画素電極を充電するデータ線電圧印加部と、前記第1基板側または前記第2基板側に設けられたタッチ面のタッチ位置を検出するタッチセンサーと、を含み、前記タッチセンサーは、前記複数のゲート線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線に対して電圧を印加する第1電圧印加部と、前記複数のデータ線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線に対して電圧を印加する第2電圧印加部と、前記電圧が印加された前記タッチ位置検出用ゲート線に対応する前記タッチ位置検出用データ線に前記電圧を印加させ、複数の前記画素領域から選択されたタッチ位置検出用画素領域が充電される際の電位上昇率を検知する電位上昇率検知部と、前記電位上昇率に基づいて、前記タッチ位置を検出するタッチ位置検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、複数のゲート線の中から選択されたタッチ位置検出用ゲート線に対して電圧が印加され、当該電圧が印加されたタッチ位置検出用ゲート線に対応するタッチ位置検出用データ線に対して電圧が印加されると、タッチ位置検出用画素領域が充電される。ここで、タッチ位置検出用ゲート線は、複数のゲート線から任意に間引かれたゲート線である。また、タッチ位置検出用データ線も同様に、複数のデータ線から任意に間引かれたデータ線である。そして、タッチ位置検出用画素領域の電位上昇率が検知され、タッチ位置が検出される。従って、選択されたタッチ位置検出用画素領域についてのみ電位上昇率が検知される。すなわち、全画素領域の中から任意に選択された一部の画素領域にのみ電位上昇率が検知される。さらに換言すれば、表示装置における解像度よりも低い解像度でタッチセンサーが機能する。このため、装置の構成の簡略化が図れ、回路負荷を低減させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の前記第1電圧印加部が、前記ゲート線電圧印加部に含まれることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、ゲート線電圧印加部が、複数のゲート線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線に対して電圧を印加することになるため、回路部材を削減することができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の前記第2電圧印加部が、前記データ線電圧印加部に含まれることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、データ線電圧印加部が、複数のデータ線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線に対して電圧を印加することになるため、回路部材を削減することができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置では、隣接する前記タッチ位置検出用画素領域の離間距離が、1mm〜10mmであることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、通常の操作に支障が生じない程度のタッチ位置検出用画素領域の数で、タッチ位置が検出される。すなわち、タッチ位置検出用画素領域の数が過剰となることにより、タッチセンサーとして必要以上のタッチ位置検出能力を持つことになったり(オーバークオリティ化)、タッチ位置検出用画素領域の数が少なすぎることにより、タッチ位置の検出能力が低下することを防止することができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置では、前記第1電圧印加部は、複数の前記タッチ位置検出用ゲート線に対して順次電圧を印加し、前記第2電圧印加部は、前記タッチ位置検出用ゲート線に前記電圧が印加されたタイミングに合わせて複数の前記タッチ位置検出用データ線に前記電圧を印加することにより前記タッチ位置検出用画素領域を充電し、前記電位上昇率検知部は、前記タッチ位置検出用画素領域が充電された際の前記タッチ位置検出用画素領域における電位上昇率を検知することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、正確にタッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の前記第2電圧印加部は、前記データ線に画像信号が印加されていない時間に前記タッチ位置検出用データ線に対して前記電圧を印加することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を正確に検知することができ、タッチ面のタッチ位置を正確に検出することができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の前記画像信号が印加されていない時間は、帰線期間であることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、表示される画像の品質を落とすことなく、タッチ面のタッチ位置を検出することができる。
【0020】
[適用例8]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置では、複数の前記帰線期間に分けて、全ての前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、実質的なタッチ位置検出精度の低下を招くことなく省電力駆動を図ることができる。
【0022】
[適用例9]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置では、一度の前記帰線期間に、全ての前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、タッチ位置検出精度が向上する。
【0024】
[適用例10]上記適用例にかかるタッチセンサー機能付き表示装置では、複数回の前記帰線期間に一度の割合で、前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、実質的なタッチ位置検出精度の低下を招くことなく省電力駆動を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】タッチセンサー機能付き表示装置の構成を示す断面図。
【図2】タッチセンサー機能付き表示装置を構成するTFTアレイ基板の平面図。
【図3】画素領域の拡大斜視図。
【図4】第1実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の電気的制御構成を示すブロック図。
【図5】画素領域の等価回路。
【図6】第1実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置のタッチセンサーの電気的制御構成を示すブロック図。
【図7】第2実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の電気的制御構成を示すブロック図。
【図8】第2実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置のタッチセンサーの電気的制御構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、第1及び第2実施形態について説明する。なお、説明に用いる図面において、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせている場合がある。また、各実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
【0028】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の構成を示す断面図である。図2は、TFTアレイ基板の構成を示す平面図である。図3は、画素領域を拡大した斜視図である。図4は、タッチセンサー機能付き表示装置の電気的制御構成を示すブロック図である。図5は、画素領域の等価回路である。図6は、タッチセンサー機能付き表示装置のタッチセンサーの電気的制御構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、タッチセンサー機能付き表示装置10は、互いに対向する第1基板としての対向基板2および第2基板としてのTFTアレイ基板3と、これらの間に形成された表示部としての液晶部4とを備えた液晶パネル1と、対向基板2またはTFTアレイ基板3側に設けられたバックライト5を有している。なお、本実施形態では、TFTアレイ基板3の液晶部4とは反対側にバックライト5が設けられている。また、タッチセンサー機能付き表示装置10は、図4に示すように、制御手段9を備えており、そのうちの一部がタッチセンサー6を構成している。タッチセンサー6は、液晶パネル1の上面(タッチ面211)のタッチ位置を検出することができる。このようなタッチセンサー機能付き表示装置10では、例えば、タッチセンサー6により検出されたタッチ位置に応じた画像を表示することができる。
【0030】
バックライト5は、液晶パネル1に光を供給する機能を有し、その構成は特に限定されない。例えば、バックライト5は、反射板、導光板、プリズムシート(光学シート)および拡散板が下側(液晶パネル1と反対側)から順に積層された四角板状の積層体と、導光板の側面に設けられた冷陰極蛍光管とで構成することができる。なお、冷陰極蛍光管の代わりにLEDなどを用いてもよい。
【0031】
バックライト5の図中の上側には、バックライト5からの光が照射される液晶パネル1が設けられている。液晶パネル1が備える対向基板2およびTFTアレイ基板3は、それぞれ、四角板状をなす無色透明のガラス基板であって、これらは、対向基板2の縁部に沿って設けられた四角枠状のシール部材7によって貼り合わされている。そして、対向基板2、TFTアレイ基板3およびシール部材7で画成された空間に液晶材料を充填することにより、液晶部4が形成されている。このような液晶部4を表示部として用いることにより、タッチセンサー機能付き表示装置10は、優れた画像表示機能を発揮することができる。TFTアレイ基板3の液晶部4とは反対側の面(バックライト5側の面)には、偏光板や位相差板などからなる光学基板31が貼り合わされている。光学基板31は、バックライト5からの光を直線偏光にして液晶部4に出射する機能を有する。
【0032】
一方、TFTアレイ基板3の液晶部4側の面には、図2に示すように、ゲート線81、データ線82、画素電極83およびTFT(薄膜トランジスター)84が、それぞれ複数形成されている。複数のゲート線81は、図2中縦方向(列方向)に等ピッチで形成されており、それぞれ、第1方向(行方向)に延在している。各ゲート線81は、TFTアレイ基板3の縁部(液晶部4から図2中左方向へ突出する部位)に形成されたゲート線電圧印加部としてのゲートドライバー94に電気的に接続されている。
【0033】
複数のデータ線82は、図2中横方向(行方向)に等ピッチで形成されており、それぞれ、第2方向(列方向)に延在している。各データ線82は、TFTアレイ基板3の縁部(液晶部4から図2中上方向へ突出する部位)に形成されたデータ線電圧印加部としてのデータドライバー95に電気的に接続されている。隣り合う一対のゲート線81,81と隣り合う一対のデータ線82,82とで囲まれた複数の画素領域(画素)Pには、それぞれ、画素電極83およびTFT84が形成されている。
【0034】
図3は、1つの画素領域Pの拡大図である。同図に示すように、TFT84は、ゲート線81とデータ線82の交差部付近に設けられ、ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が、それぞれ、ゲート線81、データ線82および画素電極83に電気的に接続されている。また、画素電極83は、TFT84が形成された領域を除いて、画素領域Pの広域にわたって形成されている。この画素電極83は、透明導電膜などからなり光透過性を有している。
【0035】
また、図3に示すように、画素領域Pには、データ線82の一部を突出させて形成した蓄積容量電極821が設けられており、この蓄積容量電極821と画素電極83とを絶縁膜85を介して対向させることにより、蓄積容量コンデンサーが形成されている。このような構成の各画素領域Pには、図1に示すように、配向処理の施された配向膜34が形成されている。配向膜34は、配向性ポリイミドなどの配向性高分子によって形成され、対応する画素電極83の近傍で液晶分子の配向を所定の方向に設定する。このようなTFTアレイ基板3と液晶部4を介して対向する対向基板2の上面には、光学基板31からの光と直交する直線偏光の光を外方(図1中上方向)に出射する偏光板21が貼り合わされている。偏光板21の上面(装置外部に露出する面)は、タッチペン等の入力具や操作者の指などでタッチされるタッチ面211を構成する。
【0036】
一方、対向基板2の液晶部4側の面には、カラーフィルター22が形成されている。また、カラーフィルター22上には、共通電極23が形成されている。共通電極23も、画素電極83と同様、透明電導膜などからなり光透過性を有している。共通電極23は、接地(アース)されている。また、共通電極23上には、配向処理の施された配向膜24が形成されており、共通電極23の近傍で液晶分子の配向を所定の方向に設定する。
【0037】
次いで、タッチセンサー機能付き表示装置10の駆動を制御する制御手段9について説明する。図4に示すように、制御手段9は、CPU91、表示電圧作動回路92、タッチ位置検出電圧作動回路93、ゲート線電圧印加部としてのゲートドライバー94、データ線電圧印加部としてのデータドライバー95、電位上昇率検知部96、タッチ位置検出部としてのタッチ位置計算回路97と、第1電圧印加部100と、第2電圧印加部101等を有している。これらのうち、CPU91、表示電圧作動回路92、ゲートドライバー94およびデータドライバー95により、タッチセンサー機能付き表示装置10に所望の画像が表示され、また、CPU91、タッチ位置検出電圧作動回路93、電位上昇率検知部96、タッチ位置計算回路97、第1電圧印加部100および第2電圧印加部101により、タッチ面211のタッチ位置が検出される。すなわち、CPU91、タッチ位置検出電圧作動回路93、電位上昇率検知部96、タッチ位置計算回路97、第1電圧印加部100および第2電圧印加部101によりタッチセンサー6が構成されている。
【0038】
まず、制御手段9による画像表示について説明する。CPU91は、表示電圧作動回路92、ゲートドライバー94およびデータドライバー95に必要なタイミング信号、表示用データ信号、制御信号等を形成する。CPU91からの信号を受けた表示電圧作動回路92は、タッチセンサー機能付き表示装置10に所望の画像を表示するのに必要な複数の電圧レベル(各画素電極83に印加する電圧レベル)を形成する。
【0039】
ゲートドライバー94は、表示電圧作動回路92からの信号や、CPU91からのタイミング信号等に基づいて、複数のゲート線81に順次1本ずつ(例えば、図2中上側のゲート線81から順に)所定のタイミングで電圧を印加する。これにより、電圧が印加されたゲート線81に接続されたTFT84がON状態となる。データドライバー95は、表示電圧作動回路92からの表示用データ信号(各画素電極83へ印加する電圧レベル)やCPU91からのタイミング信号等に基づいて、ゲート線81に電圧が印加されるタイミングに合わせて各データ線82に電圧を印加する。データドライバー95は、このような電圧印加を全てのゲート線81に対して順次行って、全ての画素電極83に電圧を印加する。各画素領域Pでは、画素電極83に電圧が印加されると、その電圧レベルに応じて液晶が駆動する。これにより、画素領域P毎に、バックライト5からの光が液晶部4を通過する際に、その光の偏光状態を変調することができる。その結果、液晶部4を通過した光によりタッチ面211に所望の画像が表示される。
【0040】
次に、制御手段9(タッチセンサー6)によるタッチ面211のタッチ位置の検出について説明する。
【0041】
本実施形態のタッチセンサー機能付き表示装置10では、全ての画素領域Pの中から複数のタッチ位置検出用画素領域P’が選択され、選択されたタッチ位置検出用画素領域P’が充電される際の電位上昇率を検知し、検知された電位上昇率に基づいて、タッチ位置を検出するように構成されている。
【0042】
タッチ位置検出用画素領域P’の位置は、特に限定されないが、タッチ面211の全域に粗密なく平均して配置することが好ましい。タッチ位置の検出精度をタッチ面211で均一化することができ、タッチ位置の検出精度が向上するからである。
【0043】
また、タッチ位置検出用画素領域P’の離間距離は、特に限定されないが、1mm〜10mm程度であることが好ましい。ここで、通常、タッチ面211は、操作者の指や、先端が丸みを帯びたペン型の入力具等のタッチ面211との接触面積が比較的大きいものでタッチされる。そのため、離間距離Dを1mm〜10mm程度とすることで、タッチ面211のタッチ位置に対応する箇所に、少なくとも1つのタッチ位置検出用画素領域P’を存在させることができ、タッチ位置検出用画素領域P’の数(占有率)を、タッチ位置を高精度(通常操作に支障がない精度)に検出するのに適当な数とすることができる。すなわち、タッチ位置検出用画素領域P’の数が過剰となることにより、タッチセンサー6が必要以上のタッチ位置検出能力を持つこととなったり(オーバークオリティ化)、タッチ位置検出用画素領域P’の数が少なすぎることにより、タッチセンサー6のタッチ位置検出能力が低下したりするのを防止することができる。
【0044】
このような複数のタッチ位置検出用画素領域P’は、全てのゲート線81のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して電圧を印加する第1電圧印加部100と、全てのデータ線82から選択された複数のタッチ位置検出用データ線82Tに対して電圧を印加する第2電圧印加部101とによって規定される。
【0045】
ここで、タッチ位置検出用ゲート線81Tは、全てのゲート線81のうちから選択され、隣り合う一対のタッチ位置検出用ゲート線81Tの離間距離(ピッチ)は、1mm〜10mm程度である。また、タッチ位置検出用データ線82Tは、全てのデータ線82のうちから選択され、隣り合う一対のタッチ位置検出用データ線82Tの離間距離(ピッチ)は、1mm〜10mm程度である。これにより、タッチ位置検出用画素領域P’の離間距離を1mm〜10mm程度とすることができる。すなわち、液晶パネル1における解像度よりも低い解像度でタッチ位置の検出が行われることになる。
【0046】
次いで、タッチセンサー6を構成する各部について説明する。CPU91は、タッチ位置検出電圧作動回路93、第1電圧印加部100、第2電圧印加部101、電位上昇率検知部96およびタッチ位置計算回路97に必要な、タイミング信号、チャージ用信号、制御信号等を形成する。CPU91からの信号を受けたタッチ位置検出電圧作動回路93は、複数の画素領域Pから選択されたタッチ位置検出用画素領域P’を充電するのに必要な電圧レベル(各タッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83に印加する電圧のレベル)を形成する。なお、各画素電極83に印加する電圧のレベルは、それぞれ等しいことが好ましい。
【0047】
第1電圧印加部100は、タッチ位置検出電圧作動回路93からの信号や、CPU91からのタイミング信号等に基づいて、複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに順次1本ずつ所定のタイミングで電圧を印加する。
【0048】
第2電圧印加部101は、タッチ位置検出電圧作動回路93からの信号(各タッチ位置検出用画素領域P’を充電するためのチャージ信号)やCPU91からのタイミング信号等に基づいて、タッチ位置検出用ゲート線81Tに電圧が印加されるタイミングに合わせて、各タッチ位置検出用データ線82Tに同一レベルの電圧(チャージ信号電圧)を印加し、電圧が印加されているタッチ位置検出用ゲート線81Tに対応する各タッチ位置検出用画素領域P’を充電する。第2電圧印加部101は、このような電圧の印加を全てのタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して順次行って、全てのタッチ位置検出用画素領域P’を充電する。このような充電方法によれば、簡単かつ確実に、全てのタッチ位置検出用画素領域P’を充電することができる。
【0049】
電位上昇率検知部96は、各タッチ位置検出用画素領域P’の充電時における電位上昇率を、タッチ位置検出用データ線82Tを介して検知し、検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0050】
ここで、図5は、1つのタッチ位置検出用画素領域P’の等価回路である。図5中「C1」は、タッチ位置検出用画素領域P’における画素電極83’および共通電極23で液晶部4を挟むことにより形成された画素容量であり、「C2」は、タッチ位置検出用画素領域P’における蓄積容量電極821および画素電極83’で絶縁膜85を挟むことにより形成された蓄積容量である。そして、タッチ面211上のタッチ位置に対応するタッチ位置検出用画素領域P’では、指や入力具等によるタッチ面211の押圧で、共通電極23と画素電極83’とのギャップが押圧されていない状態と比べて小さくなることにより画素容量C1が変化(増加)したり、指がタッチ面211に触れることで浮遊容量が発生したりすることにより、タッチ位置検出用画素領域P’全体の容量が変化し、そのタッチ位置検出用画素領域P’を充電する際の電位上昇率が変化(低下)する。すなわち、タッチ面211のタッチ位置に対応するタッチ位置検出用画素領域P’の充電時の電位上昇率は、その他のタッチ位置検出用画素領域P’の充電時の電位上昇率と異なっている。
【0051】
タッチ位置計算回路97は、上述のような性質(電位上昇率の変化)を利用し、電位上昇率が所定範囲T外にあるタッチ位置検出用画素領域P’の位置(タッチ面211の平面視での位置)をタッチ位置として検出する。なお、前記「所定範囲T」としては、例えば、タッチされていないタッチ位置検出用画素領域P’の充電時の電位上昇率を基準にし、その前後(高い方向および低い方向)に所定幅を持たせた範囲とすることができる。
【0052】
以下、図6を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では、複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tを図6中上側から順に「タッチ位置検出用ゲート線81Tn」、「タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1」、「タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2」とし、複数のタッチ位置検出用データ線82Tを図6中左側から順に「タッチ位置検出用データ線82Tm」、「タッチ位置検出用データ線82Tm+1」、「タッチ位置検出用データ線82Tm+2」とする。また、以下では、タッチ位置検出用ゲート線81Tnとタッチ位置検出用データ線82Tmに対応するタッチ位置検出用画素領域P’、 タッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83’およびTFT84’をそれぞれ「タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)」、「画素電極83’(n、m)」および「TFT84’(n、m)」とする。他のタッチ位置検出用画素領域P’、 他のタッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83’およびTFT84’についても同様とする。ここでは、具体例として、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する個所がタッチされた場合について説明する。すなわち、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)の充電時の電位上昇率のみが、タッチ位置計算回路97に設定されている所定範囲Tの範囲外となる。
【0053】
[1]タッチ位置検出用ゲート線81Tnについて
まず、第1電圧印加部100により、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)、TFT84’(n、m+1)およびTFT84’(n、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0054】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tnへの電圧印加に合わせて(すなわち、タッチ位置検出用ゲート線81Tnへ電圧が印加されているときに)、第2電圧印加部101により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。上記電圧(チャージ信号)がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)に対応する画素電極83’(n、m)〜83’(n、m+2)に電圧(チャージ信号)が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0055】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0056】
[2]タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1について
次いで、第1電圧印加部100により、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)、TFT84’(n+1、m+1)およびTFT84’(n+1、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0057】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1への電圧印加に合わせて、第2電圧印加部101により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。この電圧レベルは、前記[1]でタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加した電圧と同じレベルであるのが好ましい。上記電圧がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)に対応する画素電極83’(n+1、m)〜83’(n+1、m+2)に電圧が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0058】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0059】
[3]タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2について
次いで、第1電圧印加部100により、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)、TFT84’(n+2、m+1)およびTFT84’(n+2、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0060】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2への電圧印加に合わせて、第2電圧印加部101により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。この電圧レベルは、前記[1]でタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加した電圧と同じレベルであるのが好ましい。上記電圧がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)に対応する画素電極83’(n+2、m)〜83’(n+2、m+2)に電圧が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0061】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0062】
一方、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する位置はタッチされているため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)の充電時の電位上昇率は、所定範囲Tの範囲外である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する位置はタッチされている(すなわちタッチ位置である)と判断する。
【0063】
このように、タッチ位置計算回路97は、全てのタッチ位置検出用画素領域P’について充電時の電位上昇率を所定範囲Tと比較し、タッチ位置検出用画素領域P’毎にその領域に対応するタッチ面211がタッチされているがどうかを判断して、タッチ面211のタッチ位置を検出する。そして、タッチ位置計算回路97は、その検出結果(タッチ位置情報)をCPU91に送信する。
【0064】
タッチ位置情報を受信したCPU91は、その位置情報に応じた表示用データ信号を形成し、形成した表示用データ信号をタイミング信号、制御信号等とともに、表示電圧作動回路92、ゲートドライバー94およびデータドライバー95の必要な箇所に送信する。これにより、タッチ位置に応じた画像がタッチ面211に表示される。
【0065】
従って、上記の第1実施形態によれば、以下に示す効果がある。
【0066】
(1)複数のゲート線81の中からタッチ位置検出用ゲート線81Tを選択するとともに、複数のデータ線82の中からタッチ位置検出用データ線82Tを選択し、選択されたタッチ位置検出用ゲート線81Tとタッチ位置検出用データ線82Tとで規定されるタッチ位置検出用画素領域P’の電位上昇率に基づいて、タッチ位置を検出した。これにより、タッチ位置を検出するための回路構成が簡略化され、回路負荷を低減させることができる。
【0067】
(2)複数のゲート線81の中からタッチ位置検出用ゲート線81Tを選択するとともに、複数のデータ線82の中からタッチ位置検出用データ線82Tを選択して、隣接するタッチ位置検出用画素領域P’の離間距離が1mm〜10mmとなるように設定した。従って、通常の操作に支障が生じない程度のタッチ位置検出用画素領域P’の数で、タッチ位置の検出が可能となる。すなわち、タッチ位置検出用画素領域P’の数が過剰となることにより、タッチセンサーとして必要以上のタッチ位置検出能力を持つことになったり(オーバークオリティ化)、タッチ位置検出用画素領域P’の数が少なすぎることにより、タッチ位置の検出能力が低下することを防止することができる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、タッチセンサー機能付き表示装置の基本的な構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略し、第1実施形態と異なる事項につて主に説明する。また、第1実施形態と同様な部材については、第1実施形態と同様の符号を付している。
【0069】
まず、第2実施形態にかかるにタッチセンサー機能付き表示装置の構成について説明する。図7は、本実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置の電気的制御構成を示すブロック図である。図8は、本実施形態にかかるタッチセンサー機能付き表示装置のタッチセンサーの電気的制御構成を示すブロック図である。
【0070】
図7に示すように、タッチセンサー機能付き表示装置10’の制御手段9は、CPU91、表示電圧作動回路92、タッチ位置検出電圧作動回路93、ゲート線電圧印加部としてのゲートドライバー94、データ線電圧印加部としてのデータドライバー95、電位上昇率検知部96、タッチ位置検出部としてのタッチ位置計算回路97、第1電圧印加部100および第2電圧印加部101等を有している。
【0071】
ここで、第1電圧印加部100は、ゲートドライバー94に含まれ、第2電圧印加部101は、データドライバー95に含まれている。すなわち、第1電圧印加部100の機能がゲートドライバー94に含まれ、第2電圧印加部101の機能が、データドライバー95に含まれている。従って、ゲートドライバー94によって、複数のゲート線81のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して電圧が印加される。また、データドライバー95によって、複数のデータ線82のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線82Tに対して電圧が印加される。
【0072】
従って、タッチセンサー機能付き表示装置10’では、CPU91、表示電圧作動回路92、ゲートドライバー94およびデータドライバー95により、タッチセンサー機能付き表示装置10’に所望の画像が表示される。また、CPU91、タッチ位置検出電圧作動回路93、ゲートドライバー94、データドライバー95、電位上昇率検知部96およびタッチ位置計算回路97により、タッチセンサー6が構成され、タッチ面211のタッチ位置が検出される。
【0073】
なお、制御手段9による画像表示については、第1実施形態と同様なので説明を省略し、制御手段9(タッチセンサー6)によるタッチ面211のタッチ位置の検出について説明する。
【0074】
本実施形態のタッチセンサー機能付き表示装置10’では、全ての画素領域Pの中から複数のタッチ位置検出用画素領域P’が選択され、選択されたタッチ位置検出用画素領域P’が充電される際の電位上昇率を検知し、検知された電位上昇率に基づいて、タッチ位置を検出するように構成されている。
【0075】
タッチ位置検出用画素領域P’の位置は、特に限定されないが、タッチ面211の全域に粗密なく平均して配置することが好ましい。タッチ位置の検出精度をタッチ面211で均一化することができ、タッチ位置の検出精度が向上するからである。
【0076】
また、タッチ位置検出用画素領域P’の離間距離は、特に限定されないが、1mm〜10mm程度であることが好ましい。ここで、通常、タッチ面211は、操作者の指や、先端が丸みを帯びたペン型の入力具等のタッチ面211との接触面積が比較的大きいものでタッチされる。そのため、離間距離Dを1mm〜10mm程度とすることで、タッチ面211のタッチ位置に対応する箇所に、タッチ位置検出用画素領域P’の少なくとも1つを存在させることができ、タッチ位置検出用画素領域P’の数(占有率)を、タッチ位置を高精度(通常操作に支障がない精度)に検出するのに適当な数とすることができる。すなわち、タッチ位置検出用画素領域P’の数が過剰となることにより、タッチセンサー6が必要以上のタッチ位置検出能力を持つこととなったり(オーバークオリティ化)、タッチ位置検出用画素領域P’の数が少なすぎることにより、タッチセンサー6のタッチ位置検出能力が低下したりするのを防止することができる。
【0077】
このような複数のタッチ位置検出用画素領域P’は、全てのゲート線81のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して電圧を印加するゲートドライバー94と、全てのデータ線82から選択された複数のタッチ位置検出用データ線82Tに対して電圧を印加するデータドライバー95とによって規定される。
【0078】
ここで、タッチ位置検出用ゲート線81Tは、全てのゲート線81のうちから選択され、隣り合う一対のタッチ位置検出用ゲート線81Tの離間距離(ピッチ)は、1mm〜10mm程度である。また、タッチ位置検出用データ線82Tは、全てのデータ線82のうちから選択され、隣り合う一対のタッチ位置検出用データ線82Tの離間距離(ピッチ)は、1mm〜10mm程度である。これにより、タッチ位置検出用画素領域P’の離間距離を1mm〜10mm程度とすることができる。すなわち、液晶パネル1における解像度よりも低い解像度でタッチ位置の検出が行われることになる。
【0079】
次いで、タッチセンサー6を構成する各部について説明する。CPU91は、タッチ位置検出電圧作動回路93、ゲートドライバー94、データドライバー95、電位上昇率検知部96およびタッチ位置計算回路97に必要な、タイミング信号、チャージ用信号、制御信号等を形成する。CPU91からの信号を受けたタッチ位置検出電圧作動回路93は、複数の画素領域Pから選択されたタッチ位置検出用画素領域P’を充電するのに必要な電圧レベル(各タッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83’に印加する電圧のレベル)を形成する。なお、各画素電極83’に印加する電圧のレベルは、それぞれ等しいことが好ましい。
【0080】
ゲートドライバー94は、タッチ位置検出電圧作動回路93からの信号や、CPU91からのタイミング信号等に基づいて、複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに順次1本ずつ所定のタイミングで電圧を印加する。
【0081】
データドライバー95は、タッチ位置検出電圧作動回路93からの信号(各タッチ位置検出用画素領域P’を充電するためのチャージ信号)やCPU91からのタイミング信号等に基づいて、タッチ位置検出用ゲート線81Tに電圧が印加されるタイミングに合わせて各タッチ位置検出用データ線82Tに同一レベルの電圧(チャージ信号電圧)を印加し、電圧が印加されているタッチ位置検出用ゲート線81Tに対応する各タッチ位置検出用画素領域P’を充電する。データドライバー95は、このような電圧の印加を全てのタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して順次行って、全てのタッチ位置検出用画素領域P’を充電する。このような充電方法によれば、簡単かつ確実に、全てのタッチ位置検出用画素領域P’を充電することができる。また、画像を表示する際の駆動方法と似ているため制御も簡単となる。
【0082】
電位上昇率検知部96は、各タッチ位置検出用画素領域P’の充電時における電位上昇率をタッチ位置検出用データ線82Tを介して検知し、検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。タッチ位置検出用データ線82Tを用いて各タッチ位置検出用画素領域P’の電位上昇率を検知するため、すなわち、タッチ位置検出用データ線82Tが画像表示用の配線と充電用の配線とを兼ねているため、装置構成を簡易化することができる。
【0083】
タッチ位置計算回路97は、電位上昇率の変化を利用し、電位上昇率が所定範囲T外にあるタッチ位置検出用画素領域P’の位置(タッチ面211の平面視での位置)をタッチ位置として検出する。なお、前記「所定範囲T」としては、例えば、タッチされていないタッチ位置検出用画素領域P’の充電時の電位上昇率を基準にし、その前後(高い方向および低い方向)に所定幅を持たせた範囲とすることができる。
【0084】
以下、図8を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では、複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tを図8中上側から順に「タッチ位置検出用ゲート線81Tn」、「タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1」、「タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2」とし、複数のタッチ位置検出用データ線82Tを図8中左側から順に「タッチ位置検出用データ線82Tm」、「タッチ位置検出用データ線82Tm+1」、「タッチ位置検出用データ線82Tm+2」とする。また、以下では、タッチ位置検出用ゲート線81Tnとタッチ位置検出用データ線82Tmに対応するタッチ位置検出用画素領域P’、 タッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83’およびTFT84’をそれぞれ「タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)」、「画素電極83’(n、m)」および「TFT84’(n、m)」とする。他のタッチ位置検出用画素領域P’、 他のタッチ位置検出用画素領域P’に対応する画素電極83’およびTFT84’についても同様とする。ここでは、具体例として、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する個所がタッチされた場合について説明する。すなわち、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)の充電時の電位上昇率のみが、タッチ位置計算回路97に設定されている所定範囲Tの範囲外となる。
【0085】
[1]タッチ位置検出用ゲート線81Tnについて
まず、ゲートドライバー94により、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)、TFT84’(n、m+1)およびTFT84’(n、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0086】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tnへの電圧印加に合わせて(すなわち、タッチ位置検出用ゲート線81Tnへ電圧が印加されているときに)、データドライバー95により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。上記電圧(チャージ信号)がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)に対応する画素電極83’(n、m)〜83’(n、m+2)に電圧(チャージ信号)が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0087】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0088】
[2]タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1について
次いで、ゲートドライバー94により、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)、TFT84’(n+1、m+1)およびTFT84’(n+1、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0089】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+1への電圧印加に合わせて、データドライバー95により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。この電圧レベルは、前記[1]でタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加した電圧と同じレベルであるのが好ましい。上記電圧がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)に対応する画素電極83’(n+1、m)〜83’(n+1、m+2)に電圧が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0090】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0091】
[3]タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2について
次いで、ゲートドライバー94により、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に電圧を印加し、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2に接続されたTFT84’(n+2、m)、TFT84’(n+2、m+1)およびTFT84’(n+2、m+2)をそれぞれON状態とする。なお、このとき、タッチ位置検出用ゲート線81Tnに接続されたTFT84’(n、m)〜84’(n、m+2)およびタッチ位置検出用ゲート線81Tn+1に接続されたTFT84’(n+1、m)〜84’(n+1、m+2)は、それぞれ、OFF状態である。
【0092】
次いで、タッチ位置検出用ゲート線81Tn+2への電圧印加に合わせて、データドライバー95により、タッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2にそれぞれ同一レベルの電圧(チャージ信号)を印加する。この電圧レベルは、前記[1]でタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加した電圧と同じレベルであるのが好ましい。上記電圧がタッチ位置検出用データ線82Tm〜82Tm+2に印加されると、ON状態となっているTFT84’(n+2、m)〜84’(n+2、m+2)に対応する画素電極83’(n+2、m)〜83’(n+2、m+2)に電圧が印加され、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)の充電が開始される。タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)の充電が開始されると、電位上昇率検知部96が、各タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)における電位上昇率を検知し、その検知結果をタッチ位置計算回路97に送信する。
【0093】
タッチ位置計算回路97は、受信したタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+2)の電位上昇率をそれぞれ設定された所定範囲Tと比較する。タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)に対応する位置はタッチされていないため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)の電位上昇率は、それぞれ、所定範囲Tの範囲内である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)、P’(n+2、m+2)に対応する位置はタッチされていないと判断する。
【0094】
一方、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する位置はタッチされているため、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)の充電時の電位上昇率は、所定範囲Tの範囲外である。この比較を受け、タッチ位置計算回路97は、タッチ面211のタッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m+1)に対応する位置はタッチされている(すなわちタッチ位置である)と判断する。
【0095】
このように、タッチ位置計算回路97は、全てのタッチ位置検出用画素領域P’について充電時の電位上昇率を所定範囲Tと比較し、タッチ位置検出用画素領域P’毎にその領域に対応するタッチ面211がタッチされているがどうかを判断して、タッチ面211のタッチ位置を検出する。そして、タッチ位置計算回路97は、その検出結果(タッチ位置情報)をCPU91に送信する。
【0096】
タッチ位置情報を受信したCPU91は、その位置情報に応じた表示用データ信号を形成し、形成した表示用データ信号をタイミング信号、制御信号等とともに、表示電圧作動回路92、ゲートドライバー94およびデータドライバー95の必要な箇所に送信する。これにより、タッチ位置に応じた画像がタッチ面211に表示される。
【0097】
なお、上記の第1及び第2実施形態におけるタッチセンサー6によるタッチ位置の検出は、データ線82に画像を表示するための電圧(表示用データ信号)が印加されていない期間に行うことが好ましい。これにより、各タッチ位置検出用画素領域P’の充電時の電位上昇率を正確に検知することができ、タッチ面211のタッチ位置を正確に検出することができる。特に、タッチセンサー6によるタッチ位置の検出は、上記期間のうちでも、帰線期間に行うことが好ましい。これにより、タッチ面に表示される画像の品質を落とすことなく、タッチ面211のタッチ位置を検出することができる。なお、「帰線期間」とは、所定の画像(フレーム)を表示し終えてから、次の画像(フレーム)の表示を開始するまでの期間を言う。
【0098】
また、タッチセンサー6は、タッチ面211のタッチ位置の検出を全ての帰線期間で行ってもよいし、複数回に1回(例えば60回に1回)の割合(周期)で行ってもよい。タッチ面211のタッチ位置の検出を全ての帰線期間で行う場合には、高速タッチ(タッチ面211との接触時間が短いタッチ)でも、そのタッチ位置を検出することができ、タッチ位置検出精度が向上するという利点がある。
【0099】
一方、タッチ面211のタッチ位置の検出を複数回の帰線期間に1回の割合で行う場合には、タッチセンサー機能付き表示装置10,10’の省電力駆動を図ることができる利点がある。なお、通常の液晶表示装置では、タッチ面211に表示される画像は、1秒間に60フレーム程度であるため、帰線期間も1秒間に60回存在する。しかしながら、タッチ面211をタッチする際にタッチ面211に触れている時間は、帰線期間の周期(例えば1/60秒)よりも長いため、複数回の帰線期間に1回の割合でタッチ位置の検出を行っても、実質的にタッチ位置検出の精度が低下することはない。
【0100】
また、タッチ面211全域に対するタッチ位置の検出を1回の帰線期間で行ってもよいし、複数回の帰線期間に分けて行ってもよい。すなわち、全ての画素領域Pに対するタッチの有無を1回の帰線期間で判断してもよいし、複数回の帰線期間に分けて判断してもよい。例えば、図6または図8において、1回目の帰線期間では、タッチ位置検出用画素領域P’(n、m)〜P’(n、m+2)についてタッチの有無を判断し、2回目の帰線期間では、タッチ位置検出用画素領域P’(n+1、m)〜P’(n+1、m+2)についてタッチの有無を判断し、3回目の帰線期間では、タッチ位置検出用画素領域P’(n+2、m)〜P’(n+2、m+2)についてタッチの有無を判断ればよい。
【0101】
タッチ面211全域に対するタッチ位置の検出を1回の帰線期間で行う場合には、高速タッチ(タッチ面211との接触時間が短いタッチ)でも、そのタッチ位置を検出することができ、タッチ位置検出精度が向上するという利点がある。一方、タッチ面211全域に対するタッチ位置の検出を複数回の帰線期間に分けて行う場合には、タッチセンサー機能付き表示装置10,10’の省電力駆動を図ることができる。なお、前述したのと同様に、タッチ面211全域に対するタッチ位置の検出を複数回の帰線期間に分けて行っても、実質的にタッチ位置検出の精度が低下することはない。
【0102】
以上、タッチセンサー機能付き表示装置10,10’の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【0103】
従って、上記の第2実施形態によれば、第1実施形態における効果に加え、以下に示す効果がある。
【0104】
(1)ゲートドライバー94は、ゲート線81に電圧を印加する表示機能と、タッチ位置検出用ゲート線81Tに電圧を印加するタッチ位置検出機能を備えた。従って、回路部材を削減することができる。
【0105】
(2)データドライバー95は、データ線82に電圧を印加する表示機能と、タッチ位置検出用データ線82Tに電圧を印加するタッチ位置検出機能を備えた。従って、回路部材を削減することができる。
【0106】
なお、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
【0107】
(変形例1)第1実施形態では、第1電圧印加部100と第2電圧印加部101を部材として個別に設けたが、これに限定されず、第1電圧印加部100と第2電圧印加部101とを1つの部材として設けてもよい。このようにすれば、実装面積が削減され、さらに小型化することができる。
【0108】
(変形例2)第1実施形態における構成の一部と第2実施形態における構成の一部を組み合わせた構成としてもよい。例えば、複数のゲート線81のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線81Tに対して電圧を印加するゲートドライバー94と、複数のデータ線82のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線82Tに対して電圧を印加する第2電圧印加部101と、を含むタッチセンサー6としてもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0109】
(変形例3)第1及び第2実施形態では、バックライト5がTFTアレイ基板3側に配置され、対向基板2側にタッチ面を有するタッチセンサー機能付き表示装置10,10’が配置される形態について説明したが、これに限定されず、バックライト5が対向基板2側に配置され、TFTアレイ基板3側にタッチ面211を有する構成であってもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0110】
(変形例4)第1及び第2実施形態では、表示部として液晶部4を有する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、電気泳動粒子を液相分散媒に分散(懸濁)してなる電気泳動分散液が充填された複数のマイクロカプセルをバインダーにより固定した電泳動表示層であってもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0111】
1…液晶パネル、2…第1基板としての対向基板、3…第2基板としてのTFTアレイ基板、4…表示部としての液晶部、5…バックライト、6…タッチセンサー、9…制御手段、10,10’…タッチセンサー機能付き表示装置、21…偏光板、22…カラーフィルター、23…共通電極、24…配向膜、31…光学基板、34…配向膜、81…ゲート線、81T…タッチ位置検出用ゲート線、82…データ線、82T…タッチ位置検出用データ線、83…画素電極、83’…タッチ位置検出用画素領域に対応する画素電極、84…TFT、84’…タッチ位置検出用画素領域に対応するTFT、91…CPU、92…表示電圧作動回路、93…タッチ位置検出電圧作動回路、94…ゲート線電圧印加部としてのゲートドライバー、95…データ線電圧印加部としてのデータドライバー、96…電位上昇率検知部、97…タッチ位置計算回路、100…第1電圧印加部、101…第2電圧印加部、211…タッチ面、821…蓄積容量電極、P…画素領域、P’…タッチ位置検出用画素領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通電極を有する第1基板と、
前記第1基板に対して対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示部と、
前記第2基板上の第1方向に設けられた複数のゲート線に対して所定のタイミングで電圧を印加するゲート線電圧印加部と、
前記第2基板上であって、前記ゲート線に略直交する第2方向に設けられた複数のデータ線に対して所定のタイミングで電圧を印加し、隣り合う一対の前記データ線および隣り合う一対の前記ゲート線とで囲まれた画素領域毎に配置された複数の画素電極を充電するデータ線電圧印加部と、
前記第1基板側または前記第2基板側に設けられたタッチ面のタッチ位置を検出するタッチセンサーと、を含み、
前記タッチセンサーは、
前記複数のゲート線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用ゲート線に対して電圧を印加する第1電圧印加部と、
前記複数のデータ線のうちから選択された複数のタッチ位置検出用データ線に対して電圧を印加する第2電圧印加部と、
前記電圧が印加された前記タッチ位置検出用ゲート線に対応する前記タッチ位置検出用データ線に前記電圧を印加させ、複数の前記画素領域から選択されたタッチ位置検出用画素領域が充電される際の電位上昇率を検知する電位上昇率検知部と、
前記電位上昇率に基づいて、前記タッチ位置を検出するタッチ位置検出部と、を備えたことを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記第1電圧印加部が、前記ゲート線電圧印加部に含まれることを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記第2電圧印加部が、前記データ線電圧印加部に含まれることを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
隣接する前記タッチ位置検出用画素領域の離間距離が、1mm〜10mmであることを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記第1電圧印加部は、複数の前記タッチ位置検出用ゲート線に対して順次電圧を印加し、
前記第2電圧印加部は、前記タッチ位置検出用ゲート線に前記電圧が印加されたタイミングに合わせて複数の前記タッチ位置検出用データ線に前記電圧を印加することにより前記タッチ位置検出用画素領域を充電し、
前記電位上昇率検知部は、前記タッチ位置検出用画素領域が充電された際の前記タッチ位置検出用画素領域における電位上昇率を検知することを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記第2電圧印加部は、前記データ線に画像信号が印加されていない時間に前記タッチ位置検出用データ線に対して前記電圧を印加することを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記画像信号が印加されていない時間は、帰線期間であることを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記タッチセンサーは、複数の前記帰線期間に分けて、全ての前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項9】
請求項7に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記タッチセンサーは、一度の前記帰線期間に、全ての前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のタッチセンサー機能付き表示装置において、
前記タッチセンサーは、複数回の前記帰線期間に一度の割合で、前記タッチ位置検出用画素領域の充電時の電位上昇率を検知することを特徴とするタッチセンサー機能付き表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−34424(P2011−34424A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181276(P2009−181276)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】