説明

タッチパネル式液晶表示器

【課題】 本発明は押圧位置を直接に検出できるタッチパネル式液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】データ信号電圧を生成するソースドライバー104と、スキャン信号を生成するゲートドライバー102と、マトリックス型に配列される複数の画素ユニット200と、複数の検知回路210と、複数の検知回路210に出力された動的電流を比較してその発信元を判断する判断ユニット108とを含む液晶表示器において、該複数の画素ユニット200はいずれも、データ信号電圧を導通させるスイッチトランジスター202と、データ信号電圧に基づいて複数の液晶分子の配列を調整する液晶容量とを含み、該複数の検知回路210はいずれも、固定電圧端による所定の固定電圧を導通させる第一トランジスター211と、動的電圧を生成する感知ユニットと、動的電圧に基づいて動的電流を生成する第二トランジスター212と、動的電流を導通させる第三トランジスターと213を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は液晶表示器に関し、特にタッチパネル式液晶表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
民生用電子製品の分野では、最先端の表示器を搭載することが強調される場合が多い。特に液晶表示器は、テレビ、携帯電話、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、デジタルカメラ、モニターないしノートパソコンなどの電子装置において、高解像度カラーディスプレイとして役割を果たすことが多く見られる。
【0003】
携帯及び使用上の便利性に鑑みて、業界はタッチパネル式の液晶表示器の開発にも力を入れている。そのうち、抵抗膜式や静電容量式の従来のタッチパネル式液晶パネルは、表示パネルの上に抵抗・容量を設け、これを用いて押圧点の電圧値を検出し、押圧の位置座標を判断する。しかし、パネルの上に抵抗・容量を設けると、パネルが厚くなり、光透過率も低下しかねない。それに代わって、液晶表示パネルの周辺に光源及び対応する光学検知素子を大量に設置し、光源が発した光を光学検知素子で検出し、押圧点の位置座標を判断する光学式タッチパネルも開発されている。このようなパネルは、光透過率が低下することはないが、製品サイズの縮小が困難であるため、携帯型電子製品には不向きである。
【0004】
したがって、前記検知素子を液晶パネルに組み込むことは、液晶表示器の軽量化・コンパクト化に役立ち、液晶表示器の薄型化に資すると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上記従来の問題を解決するため、押圧位置を直接に検出できるタッチパネル式液晶表示パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は従来の技術に見られる欠点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、下記の装置によって、本発明の課題が解決される点に着眼し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
以下、この発明について具体的に説明する。
【0007】
請求項1に記載する、データ信号電圧を生成するソースドライバーと、スキャン信号を生成するゲートドライバーと、マトリックス型に配列される複数の画素ユニットと、複数の画素ユニットにそれぞれ電気的に接続される複数の検知回路と、複数の検知回路に結合され、複数の検知回路に出力された動的電流を比較して動的電流の発信元を判断する判断ユニットとを含む液晶表示器においては、該複数の画素ユニットはいずれも、スキャン信号によりオンにされるときにデータ信号電圧を導通させるスイッチトランジスターと、複数の液晶分子を包含し、スイッチトランジスターに結合される一端と、共通電圧端に結合されるその他の一端を有し、データ信号電圧に基づいて複数の液晶分子の配列を調整する液晶容量とを含み、該複数の検知回路はいずれも、固定電圧端に結合され、制御信号によりオンにされるときに固定電圧端による所定の固定電圧を導通させる第一トランジスターと、第一トランジスターに結合され、動的電圧を生成する感知ユニットと、感知ユニットに結合され、動的電圧に基づいて動的電流を生成する第二トランジスターと、第二トランジスターに結合され、オンにされるときに動的電流を導通させる第三トランジスターとを含む。
【0008】
請求項10に記載する、データ信号電圧を生成するソースドライバーと、スキャン信号を生成するゲートドライバーと、マトリックス型に配列される複数の画素ユニットと、複数の画素ユニットにそれぞれ電気的に接続される複数の検知回路と、複数の検知回路に結合され、複数の検知回路に出力された動的電流を比較して動的電流の発信元を判断する判断ユニットとを含む液晶表示器においては、該複数の画素ユニットはいずれも、スキャン信号によりオンにされるときにデータ信号電圧を導通させるスイッチトランジスターと、データ信号電圧に基づいて複数の液晶分子の配列を調整する液晶容量とを含み、該複数の検知回路はいずれも、固定電圧端に結合され、制御信号電圧によりオンにされるときに固定電圧端による固定電圧を導通させる第一トランジスターと、第一トランジスターに結合され、動的電圧を生成する感知ユニットと、感知ユニットに結合され、オンにされるときに動的電圧に基づいて動的電流を生成する第二トランジスターとを含む。
【0009】
請求項18に記載する、データ信号電圧を生成するソースドライバーと、スキャン信号を生成するゲートドライバーと、マトリックス型に配列される複数の画素ユニットと、複数の画素ユニットにそれぞれ電気的に接続される複数の検知回路と、複数の検知回路に出力された判断電圧信号を比較して複数の検知回路のうち1つの位置を判断する決定ユニットとを含む液晶表示器においては、該複数の画素ユニットはいずれも、スキャン信号によりオンにされるときにデータ信号電圧を導通させるスイッチトランジスターと、データ信号電圧に基づいて複数の液晶分子の配列を調整する液晶容量とを含み、該複数の検知回路はいずれも、動的電圧を生成する感知ユニットと、制御信号電圧によりオンにされるときに動的電圧に基づいて動的電流を生成するトランジスターと、動的電流を判断電圧信号に変換する変換回路とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明は液晶表示器において、複数の感知ユニットを液晶表示パネルに組み込んで、更に複数の検知回路を設け、各感知ユニットの出力電圧の変化を検出する。そうすれば、液晶表示パネル内の押圧されたタッチ式容量の座標は、この電圧の変化に基づいて判断できる。感知ユニットが液晶表示パネルに組み込まれているため、液晶表示器は重量とサイズが削減され、薄型化は容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明による液晶表示器を示す説明図である。
【図2】この発明の実施例1による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。
【図3】図2に示す感知ユニットの押圧時の状態を示す説明図である。
【図4】図3に示すタッチ式容量において、電圧と容量値の関係を時間別に示す説明図である。
【図5】図2に示す各信号線のタイミング図である。
【図6】導通電流とトランジスターのゲート電圧間の関係を示す説明図である。
【図7】図2に示す判断ユニットのブロック図である。
【図8】この発明の実施例2による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。
【図9】図8に示す各信号線のタイミング図である。
【図10】この発明の実施例3による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。
【図11】図10に示す各信号線のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照する。図1はこの発明による液晶表示器を示す説明図である。液晶表示器100はゲートドライバー102、ソースドライバー104、固定電圧ユニット106、判断ユニット108及び液晶表示パネル110を含む。ゲートドライバー102はスキャン信号を生成し、これをスキャンラインG−Gを介して液晶表示パネル110に送信する。ソースドライバー104はデータ信号電圧を生成し、これをデータラインD−Dを介して液晶表示パネル110に送信する。固定電圧ユニット106は固定電圧を生成し、これを伝送線R−Rを介して液晶表示パネル110に送信する。伝送線B−Bを介して液晶表示パネル110に結合される判断ユニット108は、液晶表示パネル110の押圧位置を検出できる。
【実施例1】
【0013】
図2を参照する。図2はこの発明の実施例1による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。液晶表示パネル110は複数の画素ユニット200と、これに結合される複数の検知回路210とを含む。注意すべきは、複数の検知回路210は液晶表示パネル110に均一に配置されており、その数量は画素ユニット200の数量より少ないか、またはこれに等しい。画素ユニット200はいずれもスイッチトランジスター202と、保存容量204と、液晶容量206とを含む。液晶容量206は、共通電圧端Vcomに接続される電極と、スイッチトランジスター202に接続される電極を有し、両電極の間には液晶分子が設けられている。ゲートドライバー102からスキャンラインGn−1を介して送信されてきたスキャン信号をゲートで受信すると、スイッチトランジスター202は、データラインDnを介してソースドライバー104によるデータ信号電圧を液晶容量206に送信する。そうすると液晶容量206の液晶分子は、共通電圧端Vcomによる共通電圧とデータ信号電圧間の電圧差に基づいて配列方向が変えられ、これによって光透過率も変化するようになる。保存容量204はデータ信号電圧を保存し、スイッチトランジスター202のオフ時においても液晶容量206がデータ信号電圧と共通電圧間の電圧差を保持できるようにし、液晶分子の光透過率を一定にする。検知回路210は、第一トランジスター211、第二トランジスター212、第三トランジスター213、及び感知ユニットを含み、そのうち感知ユニットは特定期間内に動的電圧を生成してノードYに印加する。本実施例は感知ユニットとしてタッチ式容量Cvを利用する。このタッチ式容量Cvの値の変化に基づき電圧を出力すれば、ノードYに印加する電圧は動的電圧となる。
【0014】
図2、図3及び図4を参照する。図3は図2に示す感知ユニットの押圧時の状態を示す説明図であり、図4は図3に示すタッチ式容量において、電圧と容量値の関係を時間別に示す説明図である。前述のとおり、本実施例では、タッチ式容量Cvである感知ユニットは液晶表示パネル110に形成されている。詳しく言えば、タッチ式容量Cvは、液晶表示パネル110の両導電ガラス基板250、252に形成されている。タッチ式容量Cvは一端が第一トランジスター211(すなわちノードY)に電気的に接続され、その他の一端が固定電圧端に電気的に接続され、固定電圧を供給する。本実施例では、固定電圧端と液晶容量206は共通電圧端Vcomを共用している。図に示すように、液晶表示パネル110が押圧されない時点t1では、両導電ガラス基板250、252に印加される電圧差は10Vであり、タッチ式容量Cvの両電極間の距離dは3μmであり、容量値は0.41pfである。導電ガラス基板250に指やスタイラスで外力Aをかける時点t2では、タッチ式容量Cvの両電極間の距離dは2μmとなり、その間の液晶分子の配列方向も変化するようになる。タッチ式容量Cvが距離dに反比例するとともに、液晶分子の配列方向にも関係しているため、時点t2での容量値は0.50pfとなる。また、タッチ式容量Cvに保存される電荷Qが一定であるため、両導電ガラス基板250、252間の電圧差は8.2V(8.2*0.5=10*0.41)となる。その後、時点t3になって、外力Aが消えると、両導電ガラス基板250、252間の距離dは3μmに戻り、容量値と両導電ガラス基板250、252間の電圧差もそれぞれ0.41pfと10Vに戻る。
【0015】
図2と図5を参照する。図5は図2に示す各信号線のタイミング図である。図に示すように、時点T0では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGn−1を介してスイッチトランジスター202をオンにする。そうすると、ソースドライバー104によるデータ信号電圧はデータラインDnとスイッチトランジスター202を介して液晶容量206に送信されることとなる。時点T1では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGnを介して第一トランジスター211をオンにする。そうすると、伝送線Rnは固定電圧(10V)を第一トランジスター211を介してノードYに送信し、それとともにタッチ式容量Cv(感知ユニット)はこの固定電圧を保存し、スキャンラインGnのスキャン信号によって第一トランジスター211が再びオンにされるときまで、ノードYの電圧Vyを10Vに保持する。また、時点T2−T3の間には、第二トランジスター212のゲートがノードYに電気的に接続されているため、上記固定電圧は第二トランジスター212をオンにし、第二トランジスター212は電圧Vyに基づき、下記式1に沿って電流Idsを生成する。
[式1]
【数1】

【0016】
上記Kは定数であり、Vthはトランジスターの閾値電圧であり、Vはトランジスターのゲート電圧であり、Vはトランジスターのドレイン電圧である。時点T2では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGn−1を介して、スイッチトランジスター202と第三トランジスター213を同時にオンにする。そうすると、第二トランジスター212のゲート電圧(すなわちノードYの電圧)は10Vとなり、ドレイン電圧は前記共通電圧端Vcomによる共通電圧となる。そのため、電流Idsは一定の値となり、オンにされた第三トランジスター213によって伝送線Bnに送信され、更に伝送線Bnを介して判断ユニット108に受信される。
【0017】
次に時点T3では、スキャンラインGnによるスキャン信号は第一トランジスター211を再びオンにし、固定電圧ユニット106による固定電圧に基づきノードYの電圧を10Vに保持する。時点T4では、前記図3と図4に示すように、外力によりタッチ式容量Cvの容量値が増えると、ノードYの電圧Vyは低くなり、それと同時に第二トランジスター212の導通電流Idsも低くなる(式1参照)。図6を参照する。図6は導通電流Idsとトランジスターのゲート電圧Vg間の関係を示す説明図である。その後、時点T5になると、スキャンラインGn−1で送信されるスキャン信号は第三トランジスター213を再びオンにし、伝送線Bnを介して導通電流Idsを判断ユニット108に送信する。
【0018】
図7を参照する。図7は図2に示す判断ユニット108のブロック図である。判断ユニット108は複数の積分回路1082と、複数のアナログ/デジタル変換器(ADC)1084と、決定ユニット1086を含む。これら複数の積分回路1082は伝送線Bnに結合されている。スイッチユニット1088がオフにされたとき、積分回路1082の出力Voutは下記式2で算出される。
[式2]
【数2】

【0019】
言い換えれば、積分回路1082は、時点T5−T6間の電流Ids変化を計算し、その結果を出力VoutとしてADC1084に出力する。ADC1084は、この出力Voutが所定値を超えたかどうかによって、各々異なる判断信号を決定ユニット1086に送信する。決定ユニット1086は各ADC1084の出力を受信し、これに基づき押圧された検知回路210を判断し、液晶表示パネル110内、押圧された検知回路210に対応する座標を判断する。
タッチ式容量Cvの容量値はそれに加える外力の大きさによって変化し、検知回路210の第二トランジスター212の出力電流Idsも容量値によって変化する。したがって、積分回路1082の出力Voutは外力の大きさによって決められる。積分回路1082を決定ユニット1086に接続すれば、決定ユニット1086は各積分回路1082の出力電圧Voutに基づき、押圧点の座標と加えられた外力の大きさを判断できる。
【0020】
注意すべきは、図2に示す第一トランジスター211のゲートとスキャンラインGnは、ノードCTRLのところで結合されている。すなわち、各検知回路で検出される感知ユニットの出力電圧の変化周期は、液晶表示器の走査周波数と一致している。例えば、液晶表示器の走査周波数が60Hzであれば、各検知回路の検知は16.67ms(1/60)ごとに1回行われる。また、別の実施例として、第一トランジスター211と第三トランジスター213のゲートを制御信号発生器(非表示)に結合することも可能である。そのほか、検知回路の検知間隔を100msやその他の値に設定することも可能である。つまり、制御信号発生器は、前記検知回路の検知周期(16.67msごとに1回)に限らず、100msごとに制御信号電圧を生成し、第一トランジスターのゲートと第三トランジスターに送信してもよい。
【実施例2】
【0021】
図8を参照する。図8はこの発明の実施例2による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。本実施例では、液晶表示パネル300は複数の画素ユニット200と、これに結合される複数の検知回路310とを含む。注意すべきは、複数の検知回路310は液晶表示パネル300に均一に配置されており、その数量は画素ユニット200の数量より少ないか、またはこれに等しい。画素ユニット200はスイッチトランジスター202と、保存容量204と、液晶容量206を含み、その動作は図2に示す実施例1と同様であり、ここで説明を省略する。検知回路310は、第一トランジスター311、第二トランジスター312、及び感知ユニットを含み、そのうち感知ユニットは特定期間内に動的電圧を生成してノードYに印加する。本実施例は感知ユニットとしてタッチ式容量Cvを利用する。このタッチ式容量Cvの値の変化に基づき電圧を出力すれば、ノードYに印加する電圧は動的電圧となる。タッチ式容量Cvの動作は前掲図3と図4に示されるとおりであり、ここで説明を省略する。
【0022】
図8と図9を参照する。図9は図8に示す各信号線のタイミング図である。図に示すように、時点T0では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGn−1を介してスイッチトランジスター202をオンにする。そうすると、ソースドライバー104によるデータ信号電圧は、データラインDnとスイッチトランジスター202を介して、液晶容量206に送信されることとなる。時点T1では、ゲートドライバー102によるスキャン信号は、スキャンラインGnを介して第一トランジスター311をオンにする。そうすると、伝送線Rnは第一トランジスター311を介して固定電圧(10V)をノードYに送信し、それとともにタッチ式容量Cv(感知ユニット)はこの固定電圧を保存し、スキャンラインGnのスキャン信号によって第一トランジスター311が再びオンにされるときまで、ノードYの電圧Vyを10Vに保持する。時点T2−T3の間には、第二トランジスター312のゲートとスイッチトランジスター202のゲートが、いずれもスキャンラインGn−1に電気的に接続されているので、上記固定電圧は第二トランジスター312をオンにし、第二トランジスター312は電圧Vyに基づき、前記式1に沿って電流Idsを生成する。前記式1を参照する。電流IdsはノードYの電圧Vyに関係しているため、ノードYの電圧Vyを10Vに保持すると、電流Idsも一定となる。次に、時点T2では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGn−1を介して、スイッチトランジスター202と第二トランジスター312を同時にオンにする。そうすると、オンにされた第二トランジスター312は電流Idsを伝送線Bnに送信し、この電流Idsは後に判断ユニット108に受信される。
【0023】
時点T3では、スキャンラインGnによるスキャン信号は第一トランジスター311を再びオンにし、ノードYの電圧を10Vに保持する。時点T4では、前記図3と図4に示すように、外力によりタッチ式容量Cvの容量値が増えると、ノードYの電圧Vyは低くなり、それと同時に第二トランジスター312の導通電流Idsも低くなる(式1参照)。その後、時点T5になると、スキャンラインGn−1で送信されるスキャン信号は第二トランジスター312を再びオンにし、伝送線Bnを介して導通電流Idsを判断ユニット108に送信する。
【0024】
最後に図7に示すように、判断ユニット108は導通電流Idsに基づき、押圧された検知回路310を判断し、液晶表示パネル300の中、押圧された検知回路310に対応する座標を判断する。
【0025】
また、別の実施例として、第一トランジスター311のゲートと第二トランジスター312のゲートを制御信号発生器(非表示)に結合することも可能である。そのほか、検知回路の検知間隔を100msやその他の値に設定することも可能である。つまり、制御信号発生器は、前記検知回路の検知周期(16.67msごとに1回)に限らず、100msごとに制御信号電圧を生成し、第一トランジスターのゲートと第二トランジスターのゲートに送信してもよい。
【実施例3】
【0026】
図10を参照する。図10はこの発明の実施例3による液晶表示パネルの一部回路を示す説明図である。本実施例では、液晶表示パネル400は複数の画素ユニット200と、これに結合される複数の検知回路410とを含む。注意すべきは、複数の検知回路410は液晶表示パネル400に均一に配置されており、その数量は画素ユニット200の数量より少ないか、またはこれに等しい。画素ユニット200はスイッチトランジスター202と、保存容量204と、液晶容量206を含み、その動作は図2に示す実施例1と同様であり、ここで説明を省略する。検知回路410は、トランジスター411、変換回路412、及び感知ユニットを含む。そのうち変換回路412は演算増幅器414と、帰還容量Cfと、スイッチユニット416を含む。演算増幅器414は第一入力端421、第二入力端422、及び出力端423を有し、そのうち第一入力端421は、直流基準電圧を供給する基準電圧端Vrefに結合されている。本実施例では、基準電圧は5Vとされ、上記変換回路412は積分回路とみなしてよい。スキャンラインGnにスキャン信号が送信されているとき、スイッチユニット416はオフにされる。それに反して、スキャンラインGnにスキャン信号が送信されていない場合では、スイッチユニット416はオンにされ、第二入力端422と出力端423は短絡となる。感知ユニットは特定期間内に動的電圧を生成してノードYに印加する。本実施例は感知ユニットとしてタッチ式容量Cvを利用する。このタッチ式容量Cvの値の変化に基づき電圧を出力すれば、ノードYに印加する電圧は動的電圧となる。タッチ式容量Cvの動作は前掲図3と図4に示されるとおりであり、ここで説明を省略する。
【0027】
図10と図11を参照する。図11は図10に示す各信号線のタイミング図である。図に示すように、時点T0では、ゲートドライバー102によるスキャン信号はスキャンラインGnを介して、スイッチトランジスター202をオンにする。そうすると、ソースドライバー104によるデータ信号電圧は、データラインDnとスイッチトランジスター202を介して液晶容量206に送信され、ゲートドライバー102によるスキャン信号は、スキャンラインGnを介してトランジスター411をオンにし、ノードYの電位と演算増幅器414の第二入力端422の電位を一致させる(すなわち基準電圧Vref=5V)。この場合、スイッチユニット416がオンにされているため、演算増幅器414の出力端423の電圧も5Vとなる。
【0028】
時点T0−T1の間、前記図3と図4に示すように、外力によってタッチ式容量Cvの容量値が増えると、ノードYの電圧Vyは低くなり、それと同時にトランジスター411の導通電流Idsも低くなる(式1参照)。その後、時点T1になると、スキャンラインGnで送信されるスキャン信号はトランジスター411を再びオンにし、導通電流Idsを帰還容量Cfに充電し、演算増幅器414の出力端423の電圧Voutを上昇させる。一方、決定ユニット(非表示)は、各検知回路で送信される電圧Voutに基づいて押圧された検知回路410を判断し、液晶表示パネル400の中、押圧された検知回路410に対応する座標を判断する。
【0029】
以上はこの発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0030】
100、300、400 液晶表示器
102 ゲートドライバー
104 ソースドライバー
106 固定電圧ユニット
108 判断ユニット
110 液晶表示パネル
200 画素ユニット
202 スイッチトランジスター
204 保存容量
206 液晶容量
210 検知回路
211、311 第一トランジスター
212、312 第二トランジスター
213 第三トランジスター
250、252 導電ガラス基板
410 検知回路
411 トランジスター
412、1082 積分回路
414 演算増幅器
416、1088 スイッチユニット
421、422 入力端
423 出力端
1084 ADC
1086 決定ユニット
Bn、Rn 伝送線
Cv タッチ式容量
Dn データライン
Gn スキャンライン
Vcom 共通電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号電圧を生成するソースドライバーと、スキャン信号を生成するゲートドライバーと、マトリックス型に配列される複数の画素ユニットと、複数の画素ユニットにそれぞれ電気的に接続される複数の検知回路と、複数の検知回路に結合され、複数の検知回路に出力された動的電流を比較して動的電流の発信元を判断する判断ユニットとを含む液晶表示器において、該複数の画素ユニットはいずれも、スキャン信号によりオンにされるときにデータ信号電圧を導通させるスイッチトランジスターと、データ信号電圧に基づいて複数の液晶分子の配列を調整する液晶容量とを含み、該複数の検知回路はいずれも、固定電圧端に結合され、制御信号電圧によりオンにされるときに固定電圧端による固定電圧を導通させる第一トランジスターと、第一トランジスターに結合され、動的電圧を生成する感知ユニットと、感知ユニットに結合され、オンにされるときに動的電圧に基づいて動的電流を生成する第二トランジスターとを含むことを特徴とする液晶表示器。
【請求項2】
前記感知ユニットは可変容量であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示器。
【請求項3】
前記可変容量はその容量値の変化に基づき、対応する動的電圧を生成することを特徴とする請求項2記載の液晶表示器。
【請求項4】
前記可変容量は両端が第一トランジスターと共通電圧端にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項3記載の液晶表示器。
【請求項5】
前記制御信号電圧は、ゲートドライバーが次の列に印加するスキャン信号であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示器。
【請求項6】
前記液晶表示器は更に、第一トランジスターの制御端に結合され、制御信号電圧を生成して第一トランジスターに送信する制御信号発生器を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示器。
【請求項7】
前記第二トランジスターの第一端は判断ユニットに結合され、第二トランジスターの第二端は感知ユニットと第一トランジスターに結合され、第二トランジスターの制御端はスイッチトランジスターの制御端に結合されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示器。
【請求項8】
前記判断ユニットは、感知電流に基づいて感知電圧を出力する複数の積分回路と、積分回路に出力された感知電圧を比較して動的電流の発信元を判断する決定ユニットとを含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−256918(P2010−256918A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136677(P2010−136677)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2006−310736(P2006−310736)の分割
【原出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(501358079)友達光電股▲ふん▼有限公司 (220)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corporation
【住所又は居所原語表記】No.1,Lt−Hsin Rd,II,Science−Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】