説明

タンクの洗浄方法及びタンク用異物吸着具

【課題】タンクの製造時に発生した磁性異物をタンク内から確実に洗浄除去することができるタンクの洗浄方法を提供する。
【解決手段】タンク11の外壁12に形成された給油口17、油量センサ取付口19、ドレン口22等の開口部に磁石26,27,28を装着するとともに、タンク11内に洗浄液29を注入して、タンク11を密封する。その状態で、揺動反転装置43によりタンク11を揺動及び反転させて、タンク11内の磁性異物を磁石26〜28に吸着させる。その後、洗浄液29を排出するとともに、磁石26〜28を磁性異物の吸着状態でタンク11から取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばブルドーザ等の建設機械における燃料用のタンク等の製造過程において、タンク内を洗浄液で洗浄するためのタンクの洗浄方法及びその洗浄方法において用いられるタンク用異物吸着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大型建設機械における燃料用タンクは、複数枚の金属板を溶接することにより所定の容器形状となるように外壁が形成されるとともに、外壁内部には形状を保持するための複数の補強板等が溶接固定されている。そして、この燃料タンクの製造に際しては、例えば溶接にともなってスパッタ等の酸化物、すなわち磁性材料よりなる異物が生じるため、燃料タンクを車両に搭載した場合にその異物がエンジン等に侵入しないように、異物をタンク内から洗浄除去する必要があった。
【0003】
一方、特許文献1に開示されるように、タンク内に全方位回転ノズルを挿入し、そのノズルからタンク内に洗浄液を圧力噴射して、タンク内に付着しているスパッタ等の異物を落とし、その異物を洗浄液とともにタンクのドレン口から排出除去する方法が従来から提案されている。
【0004】
また、タンク内に洗浄液を注入してタンクを密封し、その状態でタンクを揺動させたり、反転させたりして、タンク内に残留している異物を洗浄液により洗い落とし、その後に異物を洗浄液とともにタンクのドレン口から排出する方法も従来から行われている。
【特許文献1】特開平5−253553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの従来の洗浄方法においては、次のような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の方法は、小型のタンクを対象としたもので、タンクが大型である場合、特に全方向回転ノズルが挿入される給油口等の開口が偏って配置されている場合には、前記ノズルがタンク内で偏って配置されることになるため、洗浄液をタンクの内周面全体に高い圧力の噴射によって吹き付けることが困難で、タンク内部に付着した異物を効果的に洗浄除去することができなかった。しかも大型タンクは、前述のように、その内部に複数の補強板や骨組等が溶接固定されているため、特許文献1に記載の方法では、補強板や骨組が邪魔になって、全方位回転ノズルからタンクの外壁内面の全体に洗浄液を吹き付けることはできない。
【0006】
一方、タンク内に洗浄液を注入した状態でタンクを揺動または反転させる方法では、洗浄後に洗浄液をタンクのドレン口から排出するためにタンクの運動を停止した際に、異物、とりわけ比重の高い磁性異物が沈殿する。このため、洗浄液が排出された後に、異物が補強板と外壁との間のコーナ部や隙間等に残留して、除去されない。このようなことから、洗浄後の洗浄液の廃棄と新たな洗浄液の注入とをともなう洗浄を複数回繰り返すのが一般的であるが、このように手間をかけても、多くの異物が残留し、効果的な洗浄を行い得なかった。
【0007】
これらの問題を解決するために、タンクの内周面に対して浸漬塗装等を行って、異物を塗膜によって固定化する方法が実行されているが、このような方法では、製造工程が非常に面倒になるばかりでなく、塗膜の剥離という新たな問題が生じた。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、タンクの製造時に発生した磁性異物をタンク内から効果的に洗浄除去することができるタンクの洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、タンクの洗浄方法に係るこの発明は、タンク内を洗浄液で洗浄するためのタンクの洗浄方法において、タンクの内側に磁石を装着するとともに、タンク内に洗浄液を注入してタンクを密封し、その状態でタンクを洗浄のために揺動させて、タンク内の磁性異物を前記磁石に吸着させ、その後に前記洗浄液を排出するとともに、磁石をタンクから取り外すことを特徴としている。なお、ここで、揺動とは、タンク洗浄のために、洗浄液が注入されたタンクを回動させたり、上下反転させたりすること等のタンク全体の運動のことをいう。
【0010】
従って、この洗浄方法によれば、タンクが揺動されるとき、タンクの内面に付着している磁性異物が洗浄液により洗い落とされて、磁石に吸着される。よって、その後に洗浄液を排出するとともに、磁石をタンクから取り外すことにより、磁性異物を磁石に対する吸着状態で、タンク内から効果的に洗浄除去することができる。
【0011】
前記の洗浄方法において、前記タンクが燃料タンクの場合、前記洗浄液として石油系溶剤を用いれば、洗浄後、残留洗浄液の除去処理等を行うことなく、そのまま燃料タンクとして使用できる。なお、ここで、石油系溶剤とは、灯油,ケロシン,軽油あるいはそれらのうちの少なくとも一つを原料基材とした溶剤を指すものとする。
【0012】
前記磁石をキャップに支持し、そのキャップをタンクの外壁に形成された開口部に閉鎖状態で装着することにより、磁石をタンクの内側に装着するようにすれば、燃料タンクに構造変更を施すことなく、簡単に磁性異物を除去できる。
【0013】
前記磁石として永久磁石を用いれば、構造が簡単で、しかも給電設備等が不要であり、取り扱いが容易である。
前記磁石をその表面が露出しないように、合成樹脂シートにより着脱可能に覆うことにより、その合成樹脂シートを磁石から取り外せば、磁石に吸着された磁性異物を磁石から簡単に除去できる。
【0014】
前記タンクの揺動に際してタンクに振動を付与すれば、磁石に対する磁性異物の吸着をより確実に行うことができる。
タンク用異物吸着具に係る発明においては、タンクの外壁の開口に対して着脱可能で、装着状態において開口を密封するキャップと、そのキャップに固定され、前記開口に対して同キャップの装着状態でタンクの内側に位置する磁石とを備え、前記磁石により、タンク内の磁性異物を吸着するようにしたことを特徴としている。
【0015】
従って、このようなタンク用異物吸着具を用いることにより、タンク外壁の開口を利用し、タンクに対して構造変更を加えることなく、磁性異物を除去できる。
前記キャップに、前記磁石がタンクに吸着するのを防ぐための防護部材を設ければ、磁石がタンクの一部に吸着されることを防止でき、磁石着脱のための取り扱いが容易になる。
【0016】
防護部材を、長尺状をなす磁石と平行をなすロッドとすれば、磁石がタンクの一部に吸着されるのを有効に防止できる。
前記防護部材を非磁性体により構成すれば、磁石がタンクの一部に吸着されるのをさらに有効に防止できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、タンクの製造時等に発生した磁性異物をタンク内から有効に洗浄除去することができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明を例えばブルドーザにおける燃料用のタンクの洗浄方法に具体化した実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3に示すように、この第1実施形態の洗浄方法に用いられる燃料用のタンク11においては、複数の金属板12a,12b,12c,12d,12eをそれらの対向端縁において互いに溶接することにより、外壁12が所定形状をなすように形成されている。外壁12の内側面には、タンク11の形状を保持するための複数の補強板13が所定間隔おきに溶接固定され、それらの補強板13には燃料通過及び軽量化のための複数の透孔14が形成されている。外壁12の底部内側面及び前部内側面には、同部を補強するためのチャンネル状あるいは断面アングル状の補強枠15,16が溶接固定されている。
【0019】
図1〜図3に示すように、前記タンク11における外壁12の頂部には円筒状の給油口17が貫設され、その給油口17の先端外周にはネジ部18が形成されている。そして、通常は、つまりタンク11が燃料タンクとして用いられる場合は、ネジ部18に図示しないキャップが螺合されることにより、給油口17が閉塞されるようになっている。また、この給油口17のネジ部18からキャップを取り外した状態で、給油口17を介してタンク11内に燃料を注ぎ込むことができるようになっている。
【0020】
図1、図2及び図5に示すように、前記タンク11の外壁12の側部には円筒状の油量センサ取付口19が貫設され、その外面側には複数のネジ孔20が形成されている。そして、この油量センサ取付口19には、タンク11内に収容された燃料の量を測定するための図示しない油量センサが嵌挿され、ネジ孔20に螺合した複数のボルトにより固定されるようになっている。
【0021】
図1、図2及び図7に示すように、前記タンク11の外壁12の底部には凹部21が形成されている。凹部21の底面には円筒状のドレン口22が貫設され、そのドレン口22の内周面にはネジ部23が形成されている。そして、通常ではネジ部23に図示しないキャップが螺合されることにより、ドレン口22が閉塞されるようになっている。また、このドレン口22のネジ部23からキャップを取り外した状態で、ドレン口22を介してタンク11内の燃料を抜き取ることができるようになっている。
【0022】
次に、前記のような構成のタンク11の製造過程において、タンク11の内部を洗浄するための洗浄方法について説明する。
さて、このタンク11の洗浄時には、図1及び図2に示すように、タンク11の外壁12に設けられた開口部としての油量センサ取付口19及びドレン口22に、永久磁石よりなる長尺形状の磁石27,28が備えられた34,38をそれぞれ装着することにより、それらの油量センサ取付口19及びドレン口22を閉鎖する。次いで、給油口17からタンク11内に石油系溶剤よりなる洗浄液29を注入する。そして、開口部としての給油口17に永久磁石よりなる長尺形状の磁石26が備えられたキャップ30を装着することにより、給油口17を閉じて、タンク11を密封する。なお、前記洗浄液29は、タンク容積の数十分の1以下のわずかな量でよい。
【0023】
すなわち、図2〜図4に示すように、前記給油口17に装着するキャップ30の内側面には長尺状をなす磁石26の一端部が固定され、そのキャップ30の内周面にはネジ部31が形成されるとともに、外周面には操作棒32が突設されている。前記磁石26の外側には、合成樹脂製のシートよりなる袋33が着脱可能に被覆装着されている。そして、磁石26を給油口17に嵌挿した状態で、操作棒32を介してキャップ30を回転させることにより、キャップ30のネジ部31が給油口17のネジ部18に螺合される。これにより、磁石26が給油口17に装着されるとともに、キャップ30にて給油口17が閉塞されるようになっている。
【0024】
図2、図5及び図6に示すように、前記油量センサ取付口19に装着するキャップ34の内側面には長尺状をなす磁石27の一端部が固定され、そのキャップ34には複数のボルト挿通孔35が形成されている。前記磁石27の外側には、合成樹脂製のシートよりなる袋36が着脱可能に被覆装着されている。そして、磁石27を油量センサ取付口19に嵌挿した状態で、キャップ34の各ボルト挿通孔35を介して油量センサ取付口19上のネジ孔20にボルト37を螺合させることにより、磁石27が油量センサ取付口19に装着されるとともに、キャップ34にて油量センサ取付口19が閉塞されるようになっている。
【0025】
図2、図7及び図8に示すように、前記ドレン口22に装着するボルト状のキャップ38の内側面には長尺状をなすキャップ38が固定され、そのキャップ38の基部外周面にはネジ部39が形成されている。前記磁石28の外側には、合成樹脂製のシートよりなる袋40が着脱可能に被覆装着されている。そして、磁石28をドレン口22に嵌挿した状態で、キャップ38を回転させることにより、キャップ38のネジ部39がドレン口22のネジ部23に螺合されて、磁石28がドレン口22に装着されるとともに、キャップ38にてドレン口22が閉塞されるようになっている。
【0026】
このように、タンク11に磁石26〜28を装着するとともに、タンク11内に洗浄液29を注入して、タンク11を密閉した状態では、図1に示すように、そのタンク11は揺動反転装置43にセットされている。この揺動反転装置43においては、基台44上に揺動フレーム45が支軸46を中心に揺動可能に支持されている。揺動フレーム45上には反転支持フレーム47が回転軸48を介して反転可能に支持され、その反転支持フレーム47上にはタンク11をセットするためのセット部49が設けられている。反転支持フレーム47の上面には、タンク11に振動を付与するためのバイブレータ50が配設されている。
【0027】
そして、反転支持フレーム47上にタンク11をセットした状態で、図示しないモータ等の駆動源にて、揺動フレーム45が前記支軸46を中心に揺動されるとともに、反転支持フレーム47が前記回転軸48を中心に反転されることにより、タンク11が揺動されながら反転される。これにより、洗浄液29がタンク11の外壁12の内部全体にわたって流動され、その外壁12の内周面等に付着している磁性異物を含む異物が洗い落とされる。また、このタンク11の揺動及び反転時には、バイブレータ50によりタンク11に対して振動が付与される。このため、タンク11の外壁12の内面に対する補強板13及び補強枠15,16の溶接部のような隅角部に異物が堆積している場合でも、その異物を効果的に洗い落とすことができる。そして、洗い落とされた磁性異物は、前記給油口17、油量センサ取付口19及びドレン口22に装着された磁石26〜28に吸着して捕捉される。
【0028】
そして、この洗浄動作を所定時間行った後、給油口17,油量センサ取付口19及びドレン口22から磁石26,27,28をキャップ30,34,38とともに取り外す。そして、その給油口17や油量センサ取付口19等を介してタンク11内から洗浄液29をバキュームによる吸引排出させる。これにより、タンク11の内部の磁性異物を磁石26〜28に吸着させた状態で、タンク11内に残留することなく効果的に除去することができる。
【0029】
また、この場合、各磁石26〜28の外側には樹脂製の袋33,36,40が着脱可能に被覆装着されて、磁性異物が袋33,36,40を介して磁石26〜28に吸着された状態にある。このため、タンク11外において、磁石26〜28から袋33,36,40を取り外すことにより、磁性異物を磁石26〜28上から容易に除去することができる。従って、磁石26〜28に磁性異物が付着していない袋33,36,40を再度被せれば、次のタンク洗浄に備えることができる。
【0030】
以上に述べた実施形態においては、以下の効果がある。
・ タンクを揺動させて洗い落とすのみの従来方法とは異なり、洗浄後、洗浄液を排出する際には、磁性異物が磁石26〜28に吸着されて、洗浄液中にはほとんど残留しない。従って、洗浄液が排出されても、磁性異物が沈殿集積されることを有効に防止できる。このように、タンク11内の磁性異物を効果的に洗浄できて、タンク11を燃料タンクとして用いた際に、エンジントラブル等の不都合が生じるおそれを未然に防止できる。
【0031】
・ 洗浄液として灯油等の石油系溶剤を用いているため、タンク11の洗浄後、残留洗浄液の除去処理等を行うことなく、そのまま燃料タンクとして使用できる。
・ 磁石26〜28をそれぞれキャップ30,34,38に支持し、そのキャップ30,34,38をタンク11の給油口17等に閉鎖状態で装着することにより、磁石26〜28をタンク11の内側に装着できるため、タンク11に構造変更を施す必要がなく、しかも、磁石26〜28として永久磁石を用いているため、給電設備等が不要で、簡単に磁性異物を除去できる。
【0032】
・ 磁石26〜28をその表面が露出しないように、合成樹脂シートによりなる袋36により覆うようにしているため、その袋36を磁石26〜28から取り外せば、磁石26〜28に吸着された磁性異物を磁石26〜28から簡単に除去でき、洗浄作業の効率化に有用である。
【0033】
・ バイブレータ50によりタンク11の揺動に際して同タンク11に振動を付与するようにしているため、磁石26〜28に対する磁性異物の吸着をより確実に行うことができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図9(a)(b)及び図10(a)(b)に示すように、この第2実施形態では、給油口17用及び油量センサ取付口19用のキャップ30,34の内面に、防護部材としてのアルミニウム等の非磁性体よりなる防護ロッド51が立設固定されている。図9(a)(b)及び図10(a)(b)の例では、防護ロッド51は、長尺形状の磁石26,27に対して間隔をおいて同磁石26,27を挟んで、2本ずつ配置されている。また、防護ロッド51は、磁石26,27より若干長くなっている。
【0035】
従って、この第2実施形態においては、磁石26,27の着脱時に、防護ロッド51を給油口17等の内周面に当てれば、同磁石26,27が給油口17等の内周面に吸着するのを防止できる。このため、磁石26,27として強力な磁力を有するものを用いても、磁石26,27の取り扱いが容易になり、磁性異物をより確実に除去できるものとなる。
【0036】
なお、前記防護ロッド51の数は2本に限定されるものではなく、1本や3本でもよく、あるいは、図9(b)及び図10(b)に示すように、4本でもよい。防護ロッド51の本数が多ければ、タンク11に対する磁石26,27の吸着をより確実に防止できる。
【0037】
(変更例)
前記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、タンク11の外壁12に形成された開口部としての給油口17、油量センサ取付口19及びドレン口22に磁石26〜28を装着するようにしたが、タンク11内の補強板13等の壁部に形成された開口部に磁石を装着すること。
【0038】
・ 前記実施形態では、ブルドーザにおける燃料用のタンクの洗浄方法に具体化しているが、油圧ショベル等の他の建設機械等における燃料用のタンク、あるいは他の用途のタンクの洗浄方法に具体化すること。
【0039】
・ 磁石26〜28として電磁石を用いること。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態のタンクの洗浄方法を示す正面図。
【図2】図1のタンクを拡大して示す断面図。
【図3】図2の3−3線における拡大断面図。
【図4】タンクの給油口に装着する磁石を示す斜視図。
【図5】図2の5−5線における拡大断面図。
【図6】タンクの油量センサ取付口に装着する磁石を示す斜視図。
【図7】図2の7−7線における拡大断面図。
【図8】タンクのドレン口に装着する磁石を示す斜視図。
【図9】(a),(b)は、それぞれ第2実施形態を示す斜視図及び底面図。
【図10】(a),(b)は、それぞれ同じく第2実施形態を示す斜視図及び底面図。
【符号の説明】
【0041】
11…タンク、12…外壁、13…補強板、15,16…補強枠、17…開口部としての給油口、19…開口部としての油量センサ取付口、22…開口部としてのドレン口、26,27,28…磁石、29…洗浄液、30,34,38…キャップ、43…揺動反転装置、45…揺動フレーム、47…反転支持フレーム、50…バイブレータ、51…防護手段としての防護ロッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内を洗浄液で洗浄するためのタンクの洗浄方法において、
タンクの内側に磁石を装着するとともに、タンク内に洗浄液を注入してタンクを密封し、その状態でタンクを洗浄のために揺動させて、タンク内の磁性異物を前記磁石に吸着させ、その後に前記洗浄液を排出するとともに、磁石をタンクから取り外すことを特徴としたタンクの洗浄方法。
【請求項2】
前記タンクは燃料タンクであって、前記洗浄液として石油系溶剤を用いることを特徴とした請求項1に記載のタンクの洗浄方法。
【請求項3】
前記磁石をキャップに支持し、そのキャップをタンクの外壁に形成された開口部に閉鎖状態で装着することにより、磁石をタンクの内側に装着することを特徴とした請求項1または請求項2に記載のタンクの洗浄方法。
【請求項4】
前記磁石として永久磁石を用いることを特徴とした請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のタンクの洗浄方法。
【請求項5】
前記磁石をその表面が露出しないように、合成樹脂シートにより着脱可能に覆うことを特徴とした請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のタンクの洗浄方法。
【請求項6】
前記タンクの揺動に際してタンクに振動を付与することを特徴とした請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載のタンクの洗浄方法。
【請求項7】
タンクの外壁の開口に対して着脱可能で、装着状態において開口を密封するキャップと、
そのキャップに固定され、前記開口に対して同キャップの装着状態でタンクの内側に位置する磁石とを備え、
前記磁石により、タンク内の磁性異物を吸着するようにしたことを特徴とするタンク用異物吸着具。
【請求項8】
前記キャップには、前記磁石がタンクに吸着するのを防ぐための防護部材を設けたことを特徴とする請求項7に記載のタンク用異物吸着具。
【請求項9】
前記磁石は、長尺状をなし、防護部材はその磁石と平行をなすように設けられたロッドであることを特徴とする請求項8に記載のタンク用異物吸着具。
【請求項10】
前記防護部材は非磁性体よりなることを特徴とする請求項8または9に記載のタンク用異物吸着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−185632(P2007−185632A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7300(P2006−7300)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】