説明

タンパク質キナーゼ阻害剤及びその使用

開示されているのは、式I:


で表される化合物であり、ここでW1はCR8若しくはN、そしてW2は-C-C=C-Ar;又はW1は-C-C≡C-Ar、そしてW2はCR8若しくはNであり;Yは_s.、-O-、-NH-、若しくは-NHCH2-であり;XはN若しくはN+-O'である。本発明の1つの側面は、過剰増殖性疾患及び炎症性疾患の治療に有用な、式Iで表される新規化合物を提供することである。特に、本発明の組成物は、タンパク質キナーゼ阻害剤である。よって、本発明は、第一の側面において、タンパク質キナーゼの阻害が必要な対象の治療に有用な、式Iで表される新規化合物、並びにその医薬として許容される塩及び医薬として活性な誘導体を提供する。式Iにおける記号の意味及び具体的な意味は、以下の文章中に提供される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タンパク質キナーゼはタンパク質の巨大なファミリーを構成し、広範な細胞プロセスの制御、細胞機能の維持支配に中心的な役割を果たす。そのようなキナーゼの部分的な一例として、Akt、Axl、Aurora A、Aurora B、dyrk2、epha2、fgfr3、igflr、IKK2、JNK3、VEGFR1 VEGFR2、VEGFR3(Flt-4としても知られる)、KDR、MEK1、MET、P70s6K、Plk1、RSK1、Src、TrkA、Zap70、cKit、bRaf、EGFR、Jak2、PI3K、NPM-Alk、c-Abl、BTK、FAK、PDGFR、TAK1、LimK、Flt-3、Flt-1、PDK1及びErkが含まれる。そのようなキナーゼの阻害は、重要な治療上の標的となっている。
【0002】
特定の疾患は、血管新生(血管の成長)及び/又はリンパ管新生(リンパ管の成長)の脱制御に関連することが知られている。一例として、リンパ腫、眼球の新血管形成、角膜同種移植の拒絶反応、加齢性黄斑変性症、乾癬、血管芽細胞腫、血管腫、動脈硬化、炎症性疾患、動脈又は移植後動脈硬化、子宮内膜症、並びに固形腫瘍、液性腫瘍(白血病等)及び転移性癌疾患を含む癌性疾患が含まれる。
【0003】
血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)は、膜貫通型受容体チロシンキナーゼである。これらは、7つのイムノグロブリン様ドメインを有する細胞外ドメイン、及び1つの細胞内チロシンキナーゼドメインを有することを特徴とする。様々な種類のVEGF受容体が知られており、例えば、VEGFR1(Flt-1としても知られる)、VEGFR2(KDRとしても知られる)、VEGFR3(Flt-4としても知られる)等が挙げられる。VEGFR2及びVEGFR3は、それぞれ血管及びリンパ内皮において優勢に発現している(Stacker, et al, FASEB J. 16: 9222-934, (2002))。VEGF3はリンパ管新生を指示し(Detmar, et al, Clin. Cancer Res., 12(23) 6865-6868 (2006))、他方VEGF2は血管新生に関与する(Olsson, et al. , Nature Reviews Molecular Cell Biology, 7, 359-371 (2006))。
【0004】
血管内皮増殖因子(VEGF)は、約40kDaの二量体糖タンパク質であり、胚発生及び成体の血管形成(血管新生)の過程での血管の発達の不可欠な制御因子である。VEGFR3はVEGFの内VEGF-C及びVEGF-Dの2つと結合する(Olsson, et al, Nature Reviews Molecular Cell Biology, 7, 359-371 (2006))。
【0005】
リンパ管は、幾つかの点で血管と異なる。大きな集合リンパ管は、壁面、及びリンパの逆流を防ぐ弁に、血管平滑筋を含む。しかしながら、リンパ細管は、典型的な毛細血管と異なり周皮細胞及び連続基底膜を欠き、内皮に大きな間隙を有する(Lohela, et al., Thromb. Haemost., 90:167 (2003))。その高度な透過性により、リンパ細管は、毛細血管と比較して、腫瘍細胞のより効率的な通過を可能とする。よって、リンパ管新生の阻害は、腫瘍細胞の移動性及び浸潤性の低下、転移発生率の低下、及びリンパ管新生のかく乱において重要な役割を果たし、今度は細胞増殖を低下させる。
【0006】
所属リンパ節への腫瘍細胞転移は、転移腫瘍の拡散における早期のイベントである。腫瘍細胞の播種は、組織への浸潤、リンパ性拡散、血行性拡散及び体腔又は表面の直接播種等の、多くのメカニズムにより仲介される。臨床的及び病理学的観察によると、多くの腫瘍において、初期の播種の一般的な経路は、リンパ系を介するものである。VEGFR3シグナルは、腫瘍細胞の移動及び浸潤、リンパ内皮細胞の増殖及び移動、並びに内皮細胞の増殖及び移動において、多面的な役割を有する。加えて、VEGFR3は、肺腺癌、結腸腺癌、頭頸部癌、前立腺癌、白血病及びカポジ肉腫等の、多くのヒト悪性腫瘍に関連する(Su, J-L, et al, Cancer Cell, 9, 209-223 (2006))。
【0007】
血管新生は、腫瘍が直径約1〜2mmを超えて成長するのに必須であるとみなされている。1〜2mm未満であれば、酸素及び栄養分は分散により腫瘍細胞に供給され得るが、2mmを超えると、それが何を起源及び原因とするものであっても、持続的に成長するのに血管形成に頼ることとなる。
【0008】
腫瘍に対する血管新生阻害剤の活性において、3つの主要なメカニズム、即ち、1)無血管休止腫瘍(avascular resting tumor)内への血管、特に毛細血管の成長を阻害して、細胞死及び増殖により達せられるバランスにより、正味の腫瘍成長の停止をもたらし;2)腫瘍への、又は腫瘍からの血流を止めることにより、腫瘍細胞の移動を防ぎ;そして3)内皮細胞増殖を阻害して、通常内皮を裏打ちする内皮細胞により、周囲の組織にかかる傍分泌増殖刺激作用を回避するメカニズムが、主要な部分を担っている(R. Connell & J. Beebe, Exp. Opin. Ther. Patents, 11 , 77-114 (2001))。
【0009】
VEGFの特徴は、多くの他の増殖因子の発現又は投与に関与する血管の透過性増大及び浮腫の原因として知られる唯一の血管形成増殖因子である点である。VEGF生産は、血管の過透過性及び浮腫の過程を仲介すると考えられる。VEGFの生産は、IL-1及び腫瘍壊死因子等の炎症性サイトカインにより刺激される。多くの腫瘍(液性及び固形)が炎症促進サイトカインを発現し、そしてそのようなサイトカインの中心的な役割は、VEGF-C及びVEGF-Dの制御であるので、VEGFのシグナル経路は、治療的関心が高い。血管新生及びリンパ管新生は、多くのヒト病態において重要な役割を果たすので、血管新生及びリンパ管新生の両方の制御因子は、重要な治療上の標的となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一つの側面において、下記の式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩を提供する。
【0011】
【化1】

【0012】
ここで、W1はCR8又はN、及びW2は-C-C≡C-Arであり;又はW1は-C-C≡C-Ar、及びW2はCR8又はNである。Yは-S-、-O-、-NH-、又は-NHCH2-である。XはN又はN+-O-である。
【0013】
空白は、単結合又は二重結合を表す。
【0014】
Arはアリール、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;ここで該アリール及びヘテロアリールは任意で、かつ独立して、R3で表される最大4つの基により置換され、そしてここで該カルボキシシクリル及びヘテロシクリルは任意で、かつ独立して、R4で表される最大4つの基により置換される。
【0015】
R1及びR2は、独立して、H、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)PNR5R6、-NR5R6、-S(O)PR5、-NR5S(O)PR5から選択され、ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ置換され、又は置換されず;又はR1及びR2は、それらに介在する原子と共に、置換され、又は置換されない(C5-Cδ)シクロアルキル環を形成してもよく;そしてpは0〜2の整数である。
【0016】
各R3は、独立して:i)ハロゲン、-X1-OH、-X1-CN、-Xi-OR10、-X1-CO2R10、-X1-NR10C(O)N(R10)2、-X1-NR10C(S)N(R10)2、-X1-NR10CO2R10、-X1-COR10、-X1-N(R10)2、-X1-N+(R10)3、-X1-OCOR10、-X1-SO2N(R10)2;-X1-S(O)nR10;-X1-NR10S(O)nR10、-X1-NR10COR10、-X1-OC(O)N(R10)2、-X1-CON(R10)2若しくは-X1-NR10CO2R10;又はii)(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)ハロアルケニル、(C2- C6)アルキニル若しくは(C2-C6)ハロアルキニル;又はiii)それぞれ任意でかつ独立してハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル若しくは-CO2Hから選択される最大3つの基により置換される、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、若しくはヘテロアリールオキシ;又はiv)それぞれ任意でかつ独立してハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-CO2H、アリール、ヘテロアリール、オキソ及びチオキソから選択される最大3つの基により置換される、カルボシクリル若しくはヘテロシクリルである。
【0017】
各X1は、独立して共有結合、(C1-C6)アルキレン、(C1-C6)アルケニレン若しくは(C1-C6)アルキニレンである。
【0018】
各R4は、独立してR3で表される基、オキソ若しくはチオキソである。
【0019】
nは0〜2の整数である。
【0020】
各R5及びR6は、独立してH、(C1-C4)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル若しくはフェニルから選択され;ここで該アルキル、シクロアルキル及びは、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-OCF3、-OMe、若しくは(C1-C3)アルキルで置換される。
【0021】
R7及びR8は、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、-OR5、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-SR5、-NR5S(O)pR5であり、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ置換され、若しくは置換されない。
【0022】
各R10は、独立してH、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアラルキルであり;ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、任意で、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C3)アルキル、-N((C1-C3)アルキル)2、-CONH2、-CONH(C1-C3)アルキル、-CON((C1-C3)アルキル)2、-CO(C1-C3)アルキル、-CO2H、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、(C1-C3)アルコキシカルボニル、(C3-C7)シクロアルキル、又はフェニルで置換される。
【0023】
また、実施例1〜42に例示される化合物、及びそれらの医薬として許容される塩も、本発明の範囲内に含まれる。
【0024】
加えて、本発明は、キナーゼタンパク質の阻害が必要な対象を治療する方法を提供し、該方法は、治療を必要とする対象に有効量の式Iで表されるキナーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0025】
本発明は、癌患者の癌の転移を低下させる方法を提供し、該方法は、癌転移の低下を必要とする対象に有効量の式Iで表されるキナーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0026】
更に、本発明の態様は:医薬として使用される式Iで表される化合物;キナーゼタンパク質の阻害を必要とする対象を治療する医薬を調製するための、式Iで表される化合物の使用;及び癌転移の抑制(低下)を必要とする対象の癌転移を抑制(低下)する医薬を調製するための、式Iで表される化合物の使用を含む。
【0027】
また、本発明は、治療において使用される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩を包含する。加えて、治療、例えばキナーゼタンパク質の抑制を必要とする、過剰増殖疾患又は炎症性疾患を有する対象の治療等のための、式Iで表される、開示されたタンパク質キナーゼ阻害剤、又はその医薬として許容される塩の使用も含まれる。
【0028】
加えて、本発明は、有効量の式Iで表される化合物、及び医薬として許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物を含む。
【0029】
発明の詳細な説明
本発明の1つの側面は、過剰増殖性疾患及び炎症性疾患の治療に有用な、式Iで表される新規化合物を提供することである。特に、本発明の化合物は、タンパク質キナーゼ阻害剤である。よって、本発明は、第一の側面において、式Iで表される新規化合物、並びにその医薬として許容される塩、及び医薬として活性な誘導体を提供し、それらはタンパク質キナーゼの阻害が必要な対象を治療するのに有用である。式Iにおける記号の意味及び具体的な意味は、以下の文章中に提供される。
【0030】
Arは、上記と同じである。あるいは、Arは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、1H-インドリル、2-オキソ-インドリニル、ベンゾ[l,3-d]ジオキソリル及びフラニルからなる群から選択され、それぞれが任意に、かつ独立して、R3で表される最大3つの置換基で置換される。他の可能性としては、Arは、任意にフェニルで置換される。あるいは、Arは、任意にピリジニルで置換される。あるいは、Arは、任意にピリミジニルで置換される。更に、Arは、任意にイミダゾリルで置換され得る。また、Arは、任意に1H-インドリルで置換される場合もある。あるいは、Arは、任意に2-オキソ-インドリニルで置換される。他の可能性としては、Arは、任意にベンゾ[l,3-d]ジオキソリルで置換される。あるいは、Arは、任意にフラニルで置換され得る。
【0031】
R1及びR2は、上記と同じである。あるいは、R1及びR2は、それぞれ独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)PNR5R6、-NR5R6、-S(O)PR5、-NR5S(O)PR5から選択され;又はR1及びR2は、それらに介在する原子と共に、置換され、又は置換されない(C5-Cδ)シクロアルキル環を形成してもよく;ここでR1及び/又はR2で表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は(C5-Cδ)シクロアルキル環は、任意にかつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(O)P(C1-C6)アルキル、-S(O)pNH2、-S(O)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)PN((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hで置換される。あるいは、各R1及びR2は、独立してH又は(C1-C6)アルキルであり、ここで、該アルキル基は、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルコキシ、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、又はメトキシフェニルにより置換される。
【0032】
R3は、上記と同じである。あるいは、各R3は独立して:i)ハロゲン、-X1-OH、-X1-CN、-X1CO2R10、-X1-OR10、-X1-NR10C(O)N(R10)2、-X1-NR10C(S)N(R10)2、-X1-COR10、-X1-N(R10)2、-X1-N(R10)3、-X1-OCOR10、-X1-SO2N(R10)2、-X1-S(O)nR10、-X1-NR10S(O)nR10、-X1-NR10COR10、-X1-CON(R10)2、若しくは-X1-NR10CO2R10;又はii)(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)ハロアルケニル、(C2-C6)アルキニル若しくは(C2-C6)ハロアルキニル;又はiii)フェニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラゾリル、若しくはピロリルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、フェニル[任意にハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN若しくは-NO2で置換される]、(C1-C3)アルコキシ、ハロ(C1-C3)アルコキシ、-CO2(C1-C3)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C3)アルキル、-CO(C1-C3)アルキル若しくは-CO2Hから選択される最大2つの基で置換され;又はiv)1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル若しくはモルホリニルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ及びチオキソから選択される最大2つの基で置換される。他の代替において、各R3は、独立して-F、-Cl、-CN、-COMe、-CONH2、-CO2Me、-CO(シクロプロピル)、-OCF3、-OMe、-0-iPr、-OCHF2、-OCH2CN、-NH2、-NHCOMe、-NMe2、-NHPh、-Me、-Et、アリル、-Ph、-CF3、-CH2CN、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2COMe、-CH2CO2H、-CH2NH2、-CH2NHCOCF3、-SO2NH2、-SO2Me、又は以下から選択される基である。
【0033】
【化2】

【0034】
他の代替において、R3で表される基の1つは、以下の式から選択される構造式で表される。
【0035】
【化3】

【0036】
そして、存在するのであれば、その他のR3は、独立してハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN及び-NO2から選択される。なおももう一つの代替において、各R3は、独立してハロゲン、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、-CN、-CO(C1-C4)アルキル、-CO2(C1-C4)アルキル、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、-CH2NHCOCF3、又は以下の構造式で表される基から選択される。
【0037】
【化4】

【0038】
R4は上記と同じである。あるいは、各R4は、独立してハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ及びチオキソである。
【0039】
R7及びR8は、上記と同じである。あるいは、R7及びR8は、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、-OR5、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-SR5、-NR5S(O)pR5であり、ここでR7及びR8により表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ任意で、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(0)p(C1-C6)アルキル、-S(0)pNH2、-S(0)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)pN((C1-C6)アルキル)2、-C0(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hにより置換される。もう一つの態様において、R7及びR8は、独立してH、ハロゲン若しくは(C1-C6)アルキルであり、ここで該アルキルが、任意にハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル若しくは-CO2Hで置換される。
【0040】
R10は、上記と同じである。あるいは、各R10は、独立してH、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル若しくはフェニルであり;ここでR10で表されるアルキル、シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル及びフェニル基は、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C3)アルキル、-N((C1-C3)アルキル)2、-COMe、-CO2H、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ若しくはハロ(C1-C3)アルコキシで置換される。
【0041】
W、Y、X、p、n、R5及びR6は、全て上記と同じである。
【0042】
各X1は、独立して共有結合、(C1-C6)アルキレン、(C1-C6)アルケニレン若しくは(C1-C6)アルキニレンである。あるいは、各X1は、独立して共有結合又は(C1-C2)アルキレンである。
【0043】
もう一つの側面において、本発明は、以下の式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIi、並びにそれらの医薬として許容される塩を提供する。
【0044】
【化5】

【化6】

【0045】
ここで、記号の意味、及び、任意の記号が存在する場合その具体的な意味は、記号の意味、及び、任意の記号が存在する場合のその具体的な意味は、式Iにおいて記載されているものと同じである。
【0046】
第一の特定の態様において、式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIiの記号は、以下の意味を有している。
【0047】
R1及びR2は、存在する場合、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)PNR5R6、-NR5R6、-S(O)PR5、-NR5S(O)PR5から選択され;又はR1及びR2は、それらに介在する原子と共に、(C5-Cδ)シクロアルキル環を形成してもよく;ここで該R1及び/又はR2で表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は(C5-Cδ)シクロアルキル環は、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(O)P(C1-C6)アルキル、-S(O)pNH2、-S(O)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)PN((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hで置換される。
【0048】
R7及びR8は、存在する場合、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2- C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、-OR5、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-SR5、-NR5S(O)pR5であり、ここでR7及びR8により表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ任意で、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(0)p(C1-C6)アルキル、-S(0)pNH2、-S(0)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)pN((C1-C6)アルキル)2、-C0(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hにより置換され、残りの記号は、式Iにおいて記載されるものと同じ意味又は具体的な意味を有する。
【0049】
第二の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、Arは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、1H-インドリル、2-オキソ-インドリニル、ベンゾ[l,3-d]ジオキソリル及びフラニルからなる群から選択され、それぞれが任意に、かつ独立して、R3で表される最大3つの置換基で置換され、そして残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0050】
第三の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、存在する場合、R1及びR2は、それぞれ独立してH又は(C1-C6)アルキルであり、ここで該アルキル基は、任意でハロゲン、-OH、-CN、-NH2、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルコキシ、又はフェニルにより置換され、そして残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。あるいは、Arは上記第二の態様に記載したものと同じで、そして残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0051】
第四の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、以下の意味を有する。
【0052】
各R3は、独立して:
i)ハロゲン、-X1-OH、-X1-CN、-X1CO2R10、-X1-OR10、-X1-NR10C(O)N(R10)2、-X1-NR10C(S)N(R10)2、-X1-COR10、-X1-N(R10)2、-X1-N(R10)3、-X1-OCOR10、-X1-SO2N(R10)2、-X1-S(O)nR10、-X1-NR10S(O)nR10、-X1-NR10COR10、-X1-CON(R10)2、若しくは-X1-NR10CO2R10;又は
ii)(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)ハロアルケニル、(C2-C6)アルキニル若しくは(C2-C6)ハロアルキニル;又は
iii)フェニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラゾリル、若しくはピロリルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、フェニル[任意にハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN若しくは-NO2で置換される]、(C1-C3)アルコキシ、ハロ(C1-C3)アルコキシ、-CO2(C1-C3)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C3)アルキル、-CO(C1-C3)アルキル若しくは-CO2Hから選択される最大2つの基で置換され;又は
iv)1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル若しくはモルホリニルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ及びチオキソから選択される最大2つの基で置換される。
【0053】
各R4は、独立してハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ若しくはチオキソである。
【0054】
各X1は、独立して共有結合又は(C1-C6)アルキレンである。
【0055】
nは、0〜2の整数である。
【0056】
R7及びR8は、独立してH、ハロゲン若しくは(C1-C6)アルキルであり、ここで該アルキルは、任意にハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル若しくは-CO2Hで置換される。
【0057】
各R10は、独立してH、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル若しくはフェニルであり;ここでR10で表されるアルキル、シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル及びフェニル基は、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C3)アルキル、-N((C1-C3)アルキル)2、-COMe、-CO2H、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ若しくはハロ(C1-C3)アルコキシで置換される。残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。あるいは、Arは上記第二の態様に記載したものと同じで、そして残りの記号の意味又は具体的な意味はは、式Iに記載されるものと同じである。
【0058】
第五の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、以下の意味を有する。
【0059】
Arは最大3つの置換基R3で任意に置換され、各R3は、独立して-F、-Cl、-CN、-COMe、-CONH2、-CO2Me、-CO(シクロプロピル)、-OCF3、-OMe、-0-iPr、-OCHF2、-OCH2CN、-NH2、-NHCOMe、-NMe2、-NHPh、-Me、-Et、アリル、-Ph、-CF3、-CH2CN、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2COMe、-CH2CO2H、-CH2NH2、-CH2NHCOCF3、-SO2NH2、-SO2Me、若しくは以下の構造式から選択される基である。
【0060】
【化7】

【0061】
【化8】

【0062】
又は、Arは、1つ、2つ、又は3つの置換基R3で任意に置換されフェニルであり、ここでR3で表される置換基は、以下の構造式により表される。
【0063】
【化9】

【0064】
そして、存在する場合、基は、ハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN及び-NO2から選択され、ここで、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。R4、n、R7、R8及びR10は、前記第四の態様において記載されるものと同じであり、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0065】
第六の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、以下の意味を有する。
【0066】
Arはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、1H-インドリル、2-オキソ-インドリニル、ピリミジニル、ベンゾ[l,3-d]ジオキソリル又はフラニルであり、それぞれ任意に最大3つの置換基R3で置換される。
【0067】
そして、各R3は、独立して
【化10】

ハロゲン、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、-CN、-CO(C1-C4)アルキル、-CO2(C1-C4)アルキル、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、又は-CH2NHCOCF3で、ここで、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。あるいは、R4、n、R7、R8及びR10は、前記第四の態様において記載されるものと同じであり、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0068】
第七の特定の態様では、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiの記号において、以下の意味を有する。
【0069】
Arはフェニル、ピリジニル、1H-インドリル、2-オキソ-インドリニル、ピリミジニル、ベンゾ[l,3-d]ジオキソリル又はフラニルであり、それぞれ任意に最大3つの置換基R3で置換される。
【0070】
そして、1つのR3
【化11】

から選択される構造式で表されるとすると、各R3は、独立して
【化12】

ハロゲン、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、-CN、-CO(C1-C4)アルキル、-CO2(C1-C4)アルキル、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、又は-CH2NHCOCF3である。ここで、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0071】
あるいは、R4、n、R7、R8及びR10は、前記第四の態様において記載されるものと同じであり、残りの記号の意味又は具体的な意味は、式Iに記載されるものと同じである。
【0072】
本発明の更なる態様において、式I、II、IIa〜IIf、III、及びIIIa〜IIIiは、以下の2つの化合物(グループA)、及びそれらの医薬として許容される塩を除く。
【0073】
【化13】

【0074】
本発明の代替的な態様は、化合物(グループB)を除く、式I、II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物、及びその医薬として許容される塩であり、ここでX及びWはNであり;YはSであり;R1及びR2は、それらに介在する原子と共に、置換されないシクロヘキシルを形成し、R1とR2との間に二重結合が存在し;R7はHであり;並びにArは、ハロゲン、メチル又はCF3で置換されたフェニルであり、追加的にハロゲン、OH、CN、CF3、NO2、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルキニルにより置換される。
【0075】
あるいは、本発明は、式I、II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物であって、Arが、置換された、又は置換されていない2,4−ジアミノ-1,3-ピリミジニルであるもの(グループC)、及びその医薬として許容される塩を除く。
【0076】
加えて、本発明は、グループA及びグループBに該当する化合物を除く、式I、II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物;又はグループA及びグループCに該当する化合物を除く、式I、II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物;又はグループA、B及びCに該当する化合物を除く、式I、II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物を具体化する。
【0077】
定義:
単独で、又は接頭語として使用される「Cm-Cn」又は「Cm-Cn基」は、m個〜n個の炭素原子を有する任意の基を指す。
【0078】
「シクロアルキル」は、3〜20炭素原子、3〜12炭素原子、又は3〜8炭素原子で構成される、単環式又は多環式の、非芳香族環系であり、置換されていてもされていなくてもよい。シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ-1,3-ジエニル、シクロオクチル、シクロヘプタニル、ノルボルニル、アダマンチル等が含まれる。
【0079】
「ヘテロシクロアルキル」は、3〜20炭素原子、3〜12炭素原子、又は3〜8炭素原子で構成され、O、N及びSから選択される1〜4個の環ヘテロ原子(ring heteroatom)を含む、飽和又は不飽和の、非芳香族単環式又は多環式環系を指す。ヘテロシクロアルキル基の例として、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソキサゾリジン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-2H-1,2-チアジン-1,1-ジオキシド、イソチアゾリジン-1,1-ジオキシド、ピロリジン-2-オン、ピペリジン-2-オン、ピペラジン-2-オン、及びモルホリン-2-オン等が含まれる。
【0080】
「ハロゲン」及び「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0081】
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。同様に、「ハロアルケニル」、「ハロアルキル」等は、1つ以上のハロゲン原子で置換された基(例えばアルケニル又はアルキニル)を指す。
【0082】
「シアノ」は、-CN基を指す。
【0083】
「オキソ」は、=O基を指す。
【0084】
「チオキソ」は、二価の=S基を指す。
【0085】
「Ph」は、フェニル基を指す。
【0086】
「カルボニル」は、二価の-C(O)-基を指す。
【0087】
「アルキル」は、典型的には1〜12個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族基を指す。より具体的には、該脂肪族基は、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有していてもよい。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル等の基により例証される。
【0088】
「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する、直鎖又は分岐鎖脂肪族基を指す。典型的には、アルケニル基は、1〜12個の炭素原子、2〜8個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を有する。アルケニル基の例として、エテニル(-CH=CH2)、n-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)、ペンテニル、ヘキセニル等が含まれる。
【0089】
「アルキニル」は、少なくとも1箇所のアルキル不飽和を有する、直鎖又は分岐鎖脂肪族基を指す。典型的には、アルキニル基は、2〜12、2〜8、2〜6、又は2〜4個の炭素原子を含む。アルキニル基の例として、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)、ペンチニル、ヘキシニル等が含まれる。
【0090】
「アルキレン」は、二価飽和直鎖炭化水素を指し、例えばC1-C6アルキレンとして、-(CH2)6-、-CH2-CH-(CH2)3CH3、-CH2-CH-(CH2)3CH3等が挙げられる。「二価」は、アルキレン基が、分子の余剰部分(remainder)と、2つの異なる炭素原子を通して結合することを意味する。
【0091】
「アルケニレン」は、1つの炭素-炭素単結合が、二重結合で置き換えられている、アルキレン基を意味する。
【0092】
「アルキニレン」は、1つの炭素-炭素単結合が、三重結合で置き換えられている、アルキレン基を意味する。
【0093】
「アリール」は、単環又は多環を有する、6〜14個の炭素原子の芳香族炭素環基を指す。また、「アリール」という用語は、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基と融合した芳香族炭素環も含む。アリール基の例として、フェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、ナフチル、フェナントレニル等が含まれる。
【0094】
「アリロキシ」は、-OAr基を指し、ここでOは酸素原子」で、Arは上記のようにアリール基である。
【0095】
「アラルキル」は、アリール部分で置き換えられた少なくとも1つのアルキル水素原子を有するアルキルを指し、例えばベンジル、-(CH2)2フェニル、-(CH2)3フェニル、-CH(フェニル)2等が挙げられる。
【0096】
「アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル部分で置き換えられた少なくとも1つのアルキル水素原子を有するアルキルを指し、例えば-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロヘキセニル等が挙げられる。
【0097】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、5〜14員、単環式、二環式、又は三環式ヘテロ芳香族環系を指す。また、「ヘテロアリール」という用語は、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基と融合した、ヘテロ芳香族環も含む。ヘテロアリール基の具体的な例は、任意に置換されたピリジル、ピロリル、ピリミジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3- トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサゾリル、1 ,2,4-オキサゾリル、1,2,5-オキサゾリル、l,3,4-オキサゾリル,l,3,4-トリアジニル、1 ,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3- ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[l,2-a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサ-ゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、ナフリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3- b]ピリジル、イソキノリル、テトラゾリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリル等が挙げられる。
【0098】
「ヘテロアリールオキシ」は、-OHet基を指し、ここでOは酸素原子で、Hetは上記のようにヘテロアリール基である。
【0099】
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール部分と置き換えられた少なくとも1つのアルキル水素を有するアルキルを指し、例えば-CH2-ピリジニル、-CH2-ピリミジニル等が挙げられる。
【0100】
「アルコキシ」は、-O-R基を指し、ここでRは「シクロアルキル」、「アルケニル」、又は「アルキニル」である。アルコキシ基の例として、例えば、メトキシ、エトキシ、エテノキシ等が挙げられる。
【0101】
「アルキルヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルで置き換えられた少なくとも1つのアルキル水素原子を有するアルキルを指し、例えば-CH2-モルホリノ、-CH2-ピペリジル等が挙げられる。
"Alkyl heterocycloalkyl" refers to an alkyl having at least one alkyl hydrogen atom replaced with a heterocycloalkyl moiety, such as -CH2-morpholino, -CH2-piperidyl and the like.
【0102】
「アルコカルボニル」は、-C(O)OR基を指し、ここでRは「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、又は「ヘテロアリール」が挙げられる。
【0103】
「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、又は「ヘテロアリール」等の適切な置換基は、タンパク質キナーゼ阻害活性に顕著な影響を与えないものであり、例えば活性を10倍又は100倍以上下げないものである。適切な置換基の例として、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、(C3-C7)シクロアルキル、(5-7員)ヘテロシクロアルキル、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル 、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(O)p(C1-C6)アルキル、-S(O)PNH2、-S(O)PNH(C1-C6)アルキル、-S(O)PN((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H又は-CO2Hからなる群から選択されるものが挙げられる。より具体的には、前記置換基は、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)ハロアルキル、(C1-C4)アルコキシ、フェニル、及び(C3-C7)シクロアルキルから選択される。本発明の枠組み内で、「置換」という用語は、隣接する複数の置換基が、特に官能基が隣接するとき、閉環反応を起こして、例えばラクタム、ラクトン、環状無水物、アセタール、チオアセタール、アミナル等を形成することも意味する。
【0104】
本発明の化合物が2つ以上の立体構造、即ち化合物の互変異性体を有するとき、いずれの構造も個別に特許請求の範囲に含まれ、そして任意の比率での混合物も同じく特許請求の範囲に含まれる。一般的に互変異性体を形成する官能基の一例として、ケトン-エノールが挙げられる。加えて、本発明の化合物が立体異性体、鏡像体、シス/トランス異性体、及び/又は配座異性体として表現されるとき、全ての構造が個別に特許請求の範囲に含まれ、そして任意の比率での混合物(例えば鏡像体のラセミ混合物)も同じく特許請求の範囲に含まれる。
【0105】
本明細書中で使用されるとき、「対象」という用語は、典型的にはヒトを意味するが、治療を必要とする動物の場合もあり、例えば愛玩動物(イヌ、ネコ等)、家畜(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等)及び実験動物(ラット、マウス、モルモット等)が挙げられる。
【0106】
「治療」及び「治療すること」は、タンパク質キナーゼの阻害を必要とする対象の症状の低減、進行の低減、発症の遅延、及び/又は寿命の延長を包含する。予防的治療は、タンパク質キナーゼの発現に関連する前記疾患の(部分的又は完全な)制御を含み、更に疾患が発症した場合に、その重症度を低下させることを含む。加えて、予防的治療は、前記疾患の発症前に本発明のタンパク質キナーゼ阻害剤を投与して、疾患の発症を遅延させ、及び/又は疾患の発達する可能性を低下させることを含む。
【0107】
「癌転移の減少」は、治療を必要とする対象において癌の転移の発生の進行を減少させ、及び/又は遅延させることを指す。あるいは、「癌転移の減少」は、転移にかかる器官及び/又は系の数の減少、並びに転移にかかる器官及び/又は系における腫瘍の増殖及び/又は進行の減少を含む。あるいは、「癌転移の減少」は、発症の遅延、発症の回避、発症の可能性の低下、又は転移の重症度の低下のためにする、転移のリスクを有する癌患者の予防的治療を含む。予防的治療は、癌転移のリスクを有する癌患者への投与に特に有利である。本発明は、原発癌の治療の後、又は原発癌の治療の途中に、式Iで表されるタンパク質キナーゼ阻害剤を投与することを含む。本発明の化合物は、原発癌の治療に使用されてもよく、及び/又は癌転移を減少させるための原発癌の代替的な方法(即ち放射線治療、手術等)と組み合わせて使用されてもよい。
【0108】
「キナーゼタンパク質の阻害を必要とする対象」とは、本明細書中で、例えば、直接的又は間接的にタンパク質キナーゼの発現又は活性に関連する過剰増殖疾患又は炎症性疾患を有する対象等を指す。例えば、多くの腫瘍はタンパク質キナーゼを直接生産し、それが腫瘍増殖及び/又は腫瘍細胞生存を亢進する。同様に、多くの腫瘍はタンパク質キナーゼ生産を刺激するリガンドを生産し、これにより間接的にタンパク質キナーゼを生産し、それが細胞増殖及び/又は生存を亢進する。多くの場合、前記タンパク質キナーゼの発現の増大は、局所的であり、全身的ではない。故に、本発明は、過剰増殖性及び炎症性疾患に関連するタンパク質キナーゼの局所的及び全身的阻害のいずれも包含する。
【0109】
「タンパク質キナーゼ阻害剤」は、タンパク質キナーゼと結合することによりその活性を低下させる、本発明の化合物を指す。本発明の範囲内にあるタンパク質キナーゼの例として、Akt、Axl、AuroraA、AuroraB、dyrk2、epha2、fgfr3、igflr、IKK2、JNK3、VEGFRl、VEGFR2、VEGFR3(Flt-4としても知られる)、KDR、MEK1、MET、P70s6K、Plk1、RSK1、Src、TrkA、Zap70、cKit、bRaf、EGFR、Jak2、PI3K、NPM-Alk、c-Ab1、BTK、FAK、PDGFR、TAKl、LimK、Flt-3、PDK1及びErkが含まれる。一つの態様において、前記タンパク質キナーゼは、VEGFR2、VEGFR3、PDK1及び/又はFlt-3である。
【0110】
本明細書中で使用されるとき、「過剰増殖性疾患」という用語は、細胞の病理的増殖を含む疾患又は医学的症状を指す。過剰増殖性疾患は、癌又は転移性癌等の新生物を含み、限定されないが;癌腫、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、及び皮膚癌(扁平上皮細胞癌を含む)等;リンパ系列の造血細胞腫瘍(白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーケットリンパ腫を含む);ミエロイド系列の造血細胞腫瘍(急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球白血病を含む);中胚葉起源の腫瘍(線維肉腫及び横紋筋肉腫、並びに他の肉腫、例えば軟組織及び骨);中枢及び末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫及び神経鞘腫を含む);並びに、精上皮腫、黒色腫、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、ケラトアカントーマ(keratoctanthoma)、濾胞性甲状腺癌、およびカポジ肉腫を含む他の腫瘍を含む。あるいは、本発明の化合物は、肺癌、結腸癌、頭頸部癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫及びカポジ肉腫から選択される新生物の治療に有用である。
【0111】
非癌性増殖性疾患は、平滑筋細胞増殖、全身性硬化症、肝硬変、成人呼吸窮迫症候群、特発性心筋症、紅斑性狼瘡、網膜症、例えば糖尿病性網膜症又は他の網膜症、心臓過形成、生殖系関連疾患、例えば良性前立腺過形成及び卵巣嚢胞(ovarian cyst)、肺線維症、子宮内膜症、線維腫症、ハルマトーマ(harmatoma)、リンパ管腫症、サルコイドーシス、類腱腫等を含む。また、非癌性増殖性疾患は、皮膚の細胞の過剰増殖、例えば乾癬及びその様々な臨床的形態(clinical form)、ライター症候群、毛孔性紅色粃糠疹、及び角質化不全の過剰増殖変異(例えば光線角化症、老人性角化症)、強皮症を含む。
【0112】
平滑筋細胞増殖は、増殖性血管不全、例えば血管内膜平滑筋過形成、再狭窄及び血管閉塞を含み、特に、生物学的に、又は機械的に誘導された血管傷害、例えばバルーン血管形成又は血管狭窄に関連する血管傷害後の狭窄を含む。更に、血管内膜平滑筋過形成は、血管系以外の平滑筋の過形成、例えば胆管閉塞における過形成、喘息患者の肺の気管支における過形成、腎間質線維症の患者の腎臓における過形成等を含む。
【0113】
本明細書中で使用されるとき、「炎症性疾患」は、炎症により特徴付けられる疾患又は症状を指す。炎症は、感染又は刺激に対する最初の免疫応答を包含し、場合によっては自然カスケード(innate cascade)と称する。典型的には、炎症は:発赤、発熱、腫れ、痛み及び関係する器官の機能不全を特徴とする。
【0114】
本明細書中に記載される治療可能な炎症性疾患の例として、限定されないが、:関節の慢性炎症性不全、例えば関節炎、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、骨関節炎及び骨吸収の増大に関連する骨疾患;炎症性腸疾患、例えば回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、及びクローン症候群;炎症性肺疾患、例えば喘息、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は慢性閉塞性気道疾患;眼球の炎症性疾患、例えば角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎及び眼内炎;歯肉の慢性炎症疾患、例えば歯肉炎及び歯周炎;ハンセン病;腎臓の炎症疾患、例えば尿毒性の合併症(uremic complication)、子糸体腎炎及びネフローゼ;肝臓の炎症疾患、例えばウイルス性肝炎及び自己免疫性肝炎;皮膚の炎症性疾患、例えば硬化性皮膚炎、乾癬、湿疹又は接触性皮膚炎;中枢神経系の炎症疾患、例えば脳卒中、神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性及びアルツハイマー症、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症及びウイルス性又は自己免疫性脳炎;自己免疫性疾患、例えば糖尿病、免疫複合体血管炎、全身性紅斑性狼瘡(SLE);心臓の炎症性疾患、例えば心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、及びアテローム性動脈硬化;並びに様々な疾患に起因する炎症、例えば子癇前症、慢性肝不全、脳及び脊髄の傷害、及び癌が含まれる。本明細書中に記載の治療可能な炎症疾患は、更に、身体の全身性炎症を含む。全身性炎症の例として、限定されないが、グラム陽性又はグラム陰性ショック敗血症、敗血性ショック、出血性又はアナフィラキシーショック、及び全身性炎症反応症候群が含まれる。炎症性疾患の更なる例として、循環性ショック、出血性ショック及び心臓性ショックが含まれる。
【0115】
より具体的には、本明細書中に記載の治療可能な炎症性疾患は、炎症性リウマチ又はリウマチ性疾患、特に運動器官における兆候、例えば関節リウマチ、若年性関節炎又は乾癬性関節症;腫瘍随伴症候群又は腫瘍により誘導される炎症性疾患;鼻甲骨浸出(turbin effusion);膠原線維症、例えば全身性紅斑性狼瘡、多発筋炎、皮膚筋炎;全身性強皮症又は混合性膠原線維症;感染後関節炎(身体の感染部分において生きた病原体が確認されないもの);血清反応陰性脊椎関節炎、例えばアンキロサン脊椎炎(spondylitis ankylosan);並びに血管炎を含む。
【0116】
また、本発明の化合物は、VEGFの有害な効果に関係する炎症症状の治療にも有用である。そのような症状は、眼科的症状、例えば角膜移植の拒絶反応、眼球内新血管形成、例えば感染又は外傷後の網膜新血管形成、糖尿病性網膜症、水晶体後線維増殖症及び血管新生緑内障を含む。特に、前記化合物は、角膜移植の拒絶反応の治療に有用である。
【0117】
開示された化合物又はその医薬として許容される塩が名付けられ、又は構造により表現されるとき、その化合物の溶媒和物又は水和物も含まれると理解されるべきである。「溶媒和物」は、結晶化の過程で溶媒分子が結晶格子中に包摂された結晶形態を指す。溶媒和物は、水又は非水性溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、及びAtOAcを含み得る。結晶格子中に包摂された溶媒分子が水である溶媒和物は、典型的には、「水和物」と称される。水和物は、化学量論的な水和物及び様々な量の水を含む化合物を含む。
【0118】
本発明の化合物は、単一の活性薬理成分として投与されてもよいが、1つ以上の本発明の化合物又は他の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。組合せ製剤として投与されるとき、それらの治療剤は、同時に、又は異なる時間に連続して投与される別個の組成物として製剤化されてもよく、又はそれらの治療剤は、単一の組成物として提供されてもよい。
【0119】
「共療法」又は「組合せ療法」という言葉は、本発明の化合物を他の薬剤と組み合わせて使用することを指し、薬物の組合せの有利な作用を提供し得る投薬計画の連続様式に従って薬剤の投与を行うことが意図される。加えて、これらの薬剤を、実質的に同時に、例えば一定の割合の複数の薬剤が入った単一のカプセルを用いて、又は各薬剤ごと複数の、個別のカプセルを用いて、共投与が行われることも意図される。
【0120】
特に、本発明の化合物の投与は、新生物の予防又は治療の分野の当業者に知られる追加的な治療、例えば放射線療法又は細胞増殖抑制剤若しくは細胞傷害剤と併用され得る。
【0121】
一定の用量として製剤化される場合、そのような組合せ生産物は、本発明の化合物を、許容される投与範囲内で含む。組合せ製剤が不適当であるとき、式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIiで表される化合物は、既知の抗癌剤又は細胞傷害剤と共に連続して投与される場合もある。本発明は、投与の順序により限定されず;本発明の化合物は、前記既知の抗癌剤又は細胞傷害剤の投与の前に、同時に、又は後に投与されてもよい。
【0122】
現在、原発腫瘍の標準的な治療は、外科的摘出及びその後の放射線療法又はIV投与による化学療法からなる。典型的な化学療法の投与計画は、DNAアルキル化剤、DNAインターカレーション剤、CDK阻害剤、又は微小管毒物のいずれかからなる。使用される化学療法の用量は、耐容用量より僅かに低く、そのため、典型的には、用量制限毒性は、悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少症等を含む。
【0123】
また、本発明は、治療的に有効な量の式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIiで表される化合物を、細胞分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーター抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物反応修飾物質、抗ホルモン、血管新生阻害剤、及び抗アンドロゲンからなる群から選択される抗腫瘍剤と組み合わせて投与することを含む、過剰増殖疾患の治療に関する。抗腫瘍剤が組合せ治療において有効であることは、当該技術分野で周知である。
【0124】
「医薬として許容される塩」は、下で特定される式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIiで表される化合物の塩又は複合体を指す。そのような塩の例は、限定されないが、式II、IIa〜IIf、III及びIIIa〜IIIiで表される化合物と、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム又はマグネシウム)等の金属カチオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩等の有機又は無機塩基と、あるいは第1級、第2級又は第3級アルキルアミンとの反応により形成される塩基添加塩を含む。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N-Me-D-グルカミン、N,N'-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタンジアミン、トロメタミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルモルホリン、プロカイン、ピペリジン、ピペラジン等に由来するアミン塩は、本発明の範囲内であることが予定される。追加的な例として、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等)、を用いて形成された塩、並びに酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、酪酸、タンニン酸、パルモ酸(palmoic acid)、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸を用いて形成された塩、並びにリシン又はアルギニン等の塩基性アミノ酸を用いて形成された塩が挙げられる。そのような塩の追加的な例は、Berge, et al. , J. Pharm. Sci, 66, 1 (1977)に見出される。
【0125】
「医薬として許容される担体」は、本発明の組成物の形成に使用されるのに十分な純度及び品質で、動物又はヒトに投与されたとき有害反応を生じない化合物及び組成物を意味する。
【0126】
本発明は、更に、本発明の1つ以上の化合物と、任意の医薬として許容される担体との混合物を含む組成物を製造するプロセスを含み;そしてそのようなプロセスから得られる組成物を含み、該プロセスは、既存の医薬的技術を含む。
【0127】
任意の所定のケースにおいて、最も適切な経路は、治療される症状の重症度及び性質、並びに有効成分の性質に依存し得るが、前記組成物は、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、眼球(眼科(ophthalmic))、肺(鼻又は口腔吸入)、又は経鼻投与に適した組成物を含む。それらは単位剤形で便利に提供され得て、薬学分野で周知の任意の方法により提供される。
【0128】
実際の使用において、式II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物は、既存の医薬形成技術に従い、医薬担体と混合した有効成分として組み合わせられる。該担体は、投与、例えば経口又は非経口(静脈内を含む)投与に望ましい調製物の形態に依存して、広範な形態をとり得る。経口剤形用の組成物を調製する場合、経口液体調製物、例えば懸濁物、エリキシール及び溶液等の場合、例えば水、グリコール、油、アルコール、香料、保存料、着色料等が採用され得て、又は経口固体調製物、例えば粉末、硬及び軟カプセル並びに錠剤等の場合、デンプン、砂糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑剤、結合剤、崩壊剤等の、任意の通常の医薬媒体が採用され得て、液体調製物よりも、固体経口調製物のほうがより好ましい。
【0129】
投与の簡便性のため、錠剤及びカプセルは、最も有利な経口剤形であり、その場合、当然固体医薬担体が使用される。必要であれば、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によりコーティングされ得る。そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1%の前記有効成分を含有すべきである。これらの組成物における有効成分、医薬として許容される塩、又はそれらの組成物のパーセンテージは、当然様々であり、約2重量パーセント〜約60重量パーセントであるのが便利であり得る。そのような治療的に有用な組成物は、効果的な用量が確保され得る量の有効成分を含む。また、前記有効成分は、例えば液滴又はスプレーとして、鼻内投与される場合もある。
【0130】
錠剤、丸薬、カプセル等も、結合剤、例えばトラガカントガム、アカシアガムコーンスターチ又はゼラチン;賦形剤、例えば第二リン酸カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ポテトスターチ、アルギニン酸;滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;及び甘味料、例えばスクロース、ラクトース又はサッカリンを含む。剤形がカプセルであるとき、上記の種類の材料に加えて、油脂等の液性担体を含む場合がある。
【0131】
コーティング剤として、又は剤形の物理的形態を改変するために、様々な他の材料が含まれ得る。例えば、錠剤は、シェラック、砂糖、又はそれら両方でコーティングされ得る。シロップ又はエリキシールは、有効成分に加えて、甘味料としてスクロース、保存料としてメチル及びプロピルパラベン、着色料及び香料、例えばチェリー又はオレンジ香等を含む場合がある。
【0132】
また、本発明の化合物は、非経口的に投与される場合もある。これらの有効成分の溶液又は懸濁物は、適切にはヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と混合され、水中で調製される。分散物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの油中混合物中でも調製され得る。保存及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存料を含有する。
【0133】
注射可能な使用に適した医薬形態は、滅菌水溶液又は分散物、及び滅菌注射溶液又は分散物の即時調製用の滅菌粉末を含む。全ての場合において、該形態は滅菌されなければならず、また容易なシリンジ可能性(easy syringability)を有する程度に流動的でなければならない。該形態は、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、また、細菌及び菌類等の微生物のコンタミネーションを起こさずに保存されなければならない。担体は、前記担体は、溶媒又は分散媒体であり得て、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、及び植物油等が含まれる。
【0134】
有効量の本発明の化合物を哺乳類、特にヒトに提供するために、任意の適切な投与経路が採用され得る。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼球、肺、鼻投与等が採用され得る。投与形態は、錠剤、トローチ、分散物、懸濁物、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル等を含む。好ましくは、本発明の化合物は経口投与される。
【0135】
採用される有効成分の有効用量は、採用される具体的な化合物、投与の様式、治療される症状、及び治療される症状の重症度に依存して変化し得る。そのような用量は、当業者により容易に判定される。
【0136】
本発明の化合物が適応する過剰増殖性又は炎症性疾患を治療するとき、一般的に十分な結果は、本発明の化合物が、動物の体重のキログラムあたり約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムの日常用量で、好ましくは単発日常投与で、若しくは1日に2〜6回に分けて、又は徐放性形態で投与されるとき達成される。最も大きな哺乳類において、日常用量は、約1.0ミリグラム〜約1000ミリグラム、好ましくは約1ミリグラム〜約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、合計日常用量は、一般的に、約7ミリグラム〜約350ミリグラムであり得る。この投与計画は、最適な治療的効果を提供するように調整され得る。
【0137】
本発明は、式II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物を調製するプロセスを含む。
【0138】
本発明の化合物は、下記の「スキーム」及び「実施例」の手順に従い、適切な材料を使用して調製され得て、下記の具体的な実施例により更に例証される。更に、本明細書中に記載される手順を当該技術分野の通常の技術と組み合わせて利用することにより、本明細書中で主張される本発明の追加的な化合物が容易に調製され得る。しかしながら、実施例において例示される化合物本発明として考慮される属(genus)を形成するものとして解釈されるべきではない。更に、本実施例は、式II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物を調製する詳細を例示している。当業者は、下記の調製手順の条件及びプロセスの既知の変法を、これらの化合物を調製するのに使用し得ること容易に理解し得る。例示される化合物は、以下に記載されるように、一般に、それらの医薬として許容される塩の形態で単離される。前記単離された塩に対応するアミンを含まない塩基は、適切な塩基、例えば重炭酸ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液、並びに有機溶媒中に遊離したアミンを含まない塩基の抽出物で中和することにより製造され得る。このようにして単離されたアミンを含まない塩基は、更に、有機溶媒に溶解して、それから適切な酸を添加して、その後蒸留、沈殿又は結晶化することにより、他の医薬として許容される塩に転換され得る。
【実施例】
【0139】
一般的な合成手順
式II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物の調製についての例示は、スキーム1〜6に示される。それらのスキーム中に特段の示唆が無い限り、 記号は、上記と同じ意味を有する。下記スキームにおいて示される具体的な条件は、実施例に詳述される。
【0140】
【化14】

【0141】
1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(3)は、スキーム1に概説される、パラジウムにより触媒される薗頭カップリングにより調製され得る。
【0142】
あるいは、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(3)は、スキーム2に概説されるプロセスにより調製され得る。
【0143】
【化15】

【0144】
スキーム1に例示したプロセスと同様に、当業者により、スキーム2に概説される薗頭カップリングの代替的な経路が採用される場合がある。
【0145】
7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(6)の合成は、スキーム1又はスキーム2において使用されるものと類似のプロセスが利用され得る。以下に例示される実施例において、スキーム3に概説する合成経路が、最もよく使用された。
【0146】
【化16】

【0147】
1H-ピロロ[2,3-b]ピリミジン誘導体(8)の合成の経路は、スキーム4に例示される。
【0148】
【化17】

【0149】
テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジン(11)(スキーム5)の合成は、スキーム1に例示されるものと類似の合成経路を経て行われる。
【0150】
【化18】

【0151】
テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン(13)は、スキーム1において採用されるものと同様のパラジウムを触媒とするカップリングを通じて、容易に取得される。
【0152】
【化19】

【0153】
当業者が認識し得るように、上記合成スキームは、本出願に記載され、言及される化合物が合成され得る全ての手段の包括的な列挙を含むことが意図されるものではない。例えば、上記スキームのいずれかにおいて、Arの置換基は、当業者に知られた標準的な技術により操作され得る。加えて、更なる合成手法が、当業者に明らかであり得る。上記様々な合成工程は、記載される化合物を得るために、異なる配置又は順序で行われる場合がある。更に、本発明の阻害剤化合物を合成するのに有用な、合成化学変換(synthetic chemistry transformation)及び保護基手法(protecting group methodology)(保護及び脱保護)は、当業者に知られている。
【0154】
本発明の化合物は、「スキーム」及び「実施例」に詳述される手順に従い、適切な材料を使用して調製され得て、そして下記の具体的な実施例により、それらは更に例証される。更に、本明細書中に記載される手順を当該技術分野の通常の技術と組み合わせて利用することにより、本明細書中で主張される本発明の追加的な化合物が容易に調製され得る。しかしながら、実施例において例示される化合物本発明として考慮される属を形成するものとして解釈されるべきではない。更に、本実施例は、本発明の化合物を調製する詳細を例示している。当業者は、下記の調製手順の条件及びプロセスの既知の変法を、これらの化合物を調製するのに使用し得ること容易に理解し得る。例示される化合物は、以下に記載されるように、一般に、それらの医薬として許容される塩の形態で単離される。前記単離された塩に対応するアミンを含まない塩基は、適切な塩基、例えば重炭酸ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液、並びに有機溶媒中に遊離したアミンを含まない塩基の抽出物で中和することにより製造され得る。このようにして単離されたアミンを含まない塩基は、更に、有機溶媒に溶解して、それから適切な酸を添加して、その後蒸留、沈殿又は結晶化することにより、他の医薬として許容される塩に転換され得る。
【0155】
本発明の化合物は、選択的な生物学的特性を亢進する適切な機能性を付与することにより改変され得る。そのような改変は当業者に既知であり、所定の生物学的区画(例えば血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過性を増大させるもの、経口生体利用効率を増大させるもの、溶解性を増大させて注射による投与を可能とするもの、代謝及び排出率を改変するもの等が含まれる。
【0156】
解剖学的手法
以下の2つの手法を使用して、分析LC/MSを行った:
【0157】
方法A;
Discovery(登録商標)C18、5μm、3x30mmを、流速400μL/分、試料ループ5μL、移動相(A):蟻酸0.1%を含むメタノール、流動相(B):蟻酸0.1%を含む水として使用して;反応時間を分単位で取得した。詳細な方法:(I) UV/VisダイオードアレイデテクターGl315B(Agilent)及びESI+モーダス(modus)のFinnigan LCQ Duo MSデテクターを備えたQuaternary Pump Gl311A(Agilent)を、UV検出250及び280nm、グラディエント15〜95%(B)、線形グラディエント3.2分で運転し、(II)95%(B)で1.4分間ホールドし、(III)0.1分線形グラディエントで95%から15%まで(B)減少させ、(IV)15%(B)で2.3分間ホールドした。
【0158】
方法B:
Waters Symmetry(登録商標)C18、3.5μm、4.6x75mmカラムを、流速400μL/分、試料ループ5μL、移動相(A)を蟻酸0.1%を含むメタノール、流動相(B)を蟻酸0.1%を含む水として使用して、反応時間を分単位で取得した。詳細な方法:(I) UV/VisダイオードアレイデテクターGl315B(Agilent)及びESI+モーダス(modus)のApplied Biosystems API3000 MSデテクターを備えたBinary Pump G1312A(Agilent)を、UV検出250及び280nm、グラディエント20〜95%(B)、線形グラディエント10分で運転し、(II)95%(B)で1分間ホールドし、(III)0.2分線形グラディエントで95%から20%まで(B)減少させ、(IV)20%(B)で3.8分間ホールドした。
【0159】
必要に応じて、異性体は、例えば液体クロマトグラフィー等の当該技術分野で周知の手法により分離され得る。加えて、鏡像体は、当該技術分野で周知の手法により、即ちキラル固定相クロマトグラフィーを使用することにより分離され得る。更に、鏡像体は、それらをジアステレオマーに転換するして、即ち鏡像体的に純粋な補助化合物とカップリングして、その後得られたジアステレオマーを分離して、その補助部分を切断することにより単離される。あるいは、本発明の化合物のいずれかの鏡像体は、光学的に純粋な開始材料を使用した、立体選択的合成から取得される場合もある。
【0160】
実験項
略語
ATP アデノシン-5'-三リン酸
CDCl3 クロロホルム-d
CuI ヨウ化銅
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d6 d6-ジメチルスルホキシド
DTT 1,4-ジチオ-DL-スレイトール
EtOAc 酢酸エチル
g グラム
h 時間
H2O 水
HCl 塩酸
HEPES 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HPLC 高効率液体クロマトグラフィー
Hz ヘルツ
K2CO3 炭酸カリウム
LC/MS 液体クロマトグラフィー/マススペクトロメトリー
mg ミリグラム
MgCl2 塩化マグネシウム
mL ミリリットル
μL マイクロリットル
mmol マイクロモル
MS マススペクトロメトリー
N 正常
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
NaI ヨウ化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NEt3 トリエチルアミン
NMR 核磁気共鳴
0C セルシウス度
PdCl2(PPh3) 2 塩化パラジウムビス(とりフェニルホスフィン)
RT 保持時間
tert 第3級
THF テトラヒドロフラン
TMS トリメチルシラン
【0161】
下記実施例は、式II、IIa〜IIf、III、又はIIIa〜IIIiで表される化合物を調製する方法の詳細な説明を含む。これらの詳細な説明は、本発明の一部を形成する上記一般的な合成手順の範囲内にあり、これらを例証すると考えられる。これらの詳細な説明は、例証のみを目的とし、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0162】
特段の記載が無い限り、全ての材料は市販のものであり、更に精製することなく使用した。特段の記載が無い限り、全ての非水性反応は、アルゴン又は窒素大気中で、市販の乾燥溶媒(dry solvent)を用いて実行された。シリカゲル60(230-400メッシュ)又はBiotageパック済みカラムを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、化合物を精製した。溶媒としてd6-ジメチルスルホキシド、d4-メタノール又はCDCl3を用いたJoel ECP-400(400MHz、1H-NMR用)で1H-NMRを記録し;テトラメチルシランに対する化学シフトをppm単位で記録した。
【0163】
実施例1
4-(フェニルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化20】

【0164】
中間体1.1:4-ヨード-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
塩化アセチル(2.34mL、2.57g、32.8mmol)を4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン及びヨウ化ナトリウム(13.8g、91.8mmol)のアセトニトリル溶液(25ml)に滴下した。得られた懸濁物を80℃で7日間加熱した。室温に冷ました後、反応混合物を真空中で濃縮し、これに炭酸カリウムの飽和水溶液(50mL)を添加した。それから該混合物をジクロロメタン(3x50mL)で抽出して、該組み合わされた有機相を、重亜硫酸ナトリウムの飽和溶液(2x50mL)及びブリン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空中で濃縮した。これをIHF(25mL)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(15ml)に添加した。得られた溶液を、25℃で3時間攪拌した。それから、該反応混合物を真空中で濃縮し、これに水(100mL)を添加した。この混合物をジクロロメタン(3x50mL)を用いて抽出し、該組み合わされた有機相をブリン(50mL)で溶解し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、黄色の固体として表記化合物(1.26g、39%)を得た(HPLC:66%、RT:5.77分)。1H NMR(CDCl3)δ=11.77(br s、1H)、7.94(d、J=5.1Hz、1H)、7.51(d、J=5.1Hz、1H)、7.44 (d、J=3.7Hz、1H)、6.41(d、J=3.3Hz、1H);MS(m/z)245[M+H]+(127I)。
【0165】
実施例1:4-(フェニルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.8mg、0.0082mmol)、ヨウ化銅(I)(3.1mg、0.016mmol)及びトリエチルアミン(288μL、207mg、2.05mmol)を1,4-ジオキサン中の中間体1.1(100mg、0.410mmol)及びフェニルアセチレン(89.1μL、83.7mg、0.820mmol)の溶液(2mL)に添加し、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを90℃で2時間加熱した。冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、黄色の固体として表記化合物(79mg、88%)を得た(HPLC:99%、RT:6.69分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1Η)、8.24(d、J=4.8Hz、1H)、7.70-7.66(m、2H)、7.61(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.50-7.46(m、3H)、7.22(d、J=4.8Hz、1H)、6.65(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)219[M+H]+
【0166】
実施例2
4-[(3-クロロフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化21】

【0167】
表記化合物は、中間体1.1及び1-クロロ-3-エチニルベンゼンの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、83%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:7.24分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.95(br s、IH)、8.25(d、J-4.8Hz、1H)、7.80(dd、J=1.8、1.5Hz、1H)、7.66(td、J=7.3、1.5Hz、1H)、7.63(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.58-7.48(m、2H)、7.23(d、J=4.8Hz、1H)、6.70(dd、J=3.7、1.8Hz、1H);MS(m/z)253[M+H]+(35Cl)。
【0168】
実施例3
4-(ピリジン-2-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化22】

【0169】
表記化合物は、中間体1.1及び2-エチニルピリジンの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、42%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:4.98分)。1H NMR(CDCl3)δ=8.69(br s、H)、7.75(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.65(d、J=8.1Hz、1H)、7.47(d、J=3.7Hz、1H)、7.37(br s、1H)、7.32(ddd、J=7.5、4.9、1.1Hz、1H)、6.83(br s、1H);MS(m/z)220[M+H]+
【0170】
実施例4
4-[(4-メトキシフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化23】

【0171】
表記化合物は、中間体1.1及び4-エチニルアニソールの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、50%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.65分)。1H NMR(DMSOd6)δ=11.89(br s、1H)、8.22(d、J=5.1Hz、1H)、7.62(d、J=8.8 Hz、2H)、7.58(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.17(d、J=4.8Hz、1H)、7.03(d、J=8.8Hz、2H)、6.63(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、3.82(s、3H);MS(m/z)249[M+H]+
【0172】
実施例5
4-[(2,4-ジフルオロフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化24】

【0173】
表記化合物は、中間体1.1及び1-エチニル-2,4-ジフルオロベンゼンの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、87%の収率で取得された(HPLC:91%、RT:6.77分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.98(br s、1H)、8.26(d、J=4.8Hz、1H)、7.84(ddd、J=15.0、8.4、6.6Hz、1H)、7.63(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.50(td、J=9.7、2.6Hz、1H)、7.27-7.21(m、2H)、6.60(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)255[M+H]+
【0174】
実施例6
4-(ピリジン-4-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化25】

【0175】
表記化合物は、中間体1.1及び4-エチニルピリジンヒドロクロライドの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、38%の収率で取得された(HPLC:88%、RT:4.85分)。1H NMR(DMSOd6)δ=12.01(br s、1H)、8.69(dd、J=4.4、1.5Hz、2H)、8.28(d、J=4.8、1H)、7.67-7.65(m、3H)、7.28(d、J=5.1Hz、1H)、6.68(dd、J=3.5、1.8Hz、1H);MS(m/z)220[M+H]+
【0176】
実施例7
3-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)アニリン
【化26】

【0177】
表記化合物は、中間体1.1及び3-エチニルアニリンの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、63%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:4.75分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.91(br s、1H)、8.22(d、J=5.1、1H)、7.59(dd、J=3.3、2.9Hz、1H)、7.17(d、J=4.8Hz、1H)、7.10(t、J=7.7Hz、1H)、6.83(t、J=1.8Hz、1H)、6.78(dt、J=7.3、1.5Hz、1H)、6.65(dd、J=8.1、2.2Hz、1H)、6.57(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、5.32(br s、2H);MS(m/z)234[M+H]+
【0178】
実施例8
N-[3-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]アセトアミド
【化27】

【0179】
ピリジン中の3-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)アニリン(実施例7、70.0mg、0.300mmol)の溶液(2mL)に、アセチルクロライド(0.107mL、118mg、1.50mmol)を慎重に添加した。黄色の溶液を25℃で一昼夜攪拌し、それから真空中で濃縮した。これをTHF(2mL)中で溶解し、1Nの水酸化ナトリウム(2mML)を添加し、得られた混合物を25℃で2時間攪拌した後、真空中で濃縮した。。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、白色の固体として表記化合物(49mg、59%)を得た(HPLC:99%、RT:5.54分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、10.12(br s、1H)、8.24(d、J=4.8Hz、1H)、8.13(dd、J=8.8、5.5Hz、1H)、7.96(dd、J=1.8、1.5Hz、1H)、7.61(dd、J=3.3、2.9Hz、1H)、7.59(ddd、J=8.1、2.2、1.5Hz、1H)、7.40(dd、J=8.1、7.7Hz、1H)、7.34(dt、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.22(d、J=4.8Hz、1H)、6.60(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、2.08(s、3H);MS(m/z)276[M+H]+
【0180】
実施例9
N,N-ジメチル-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)アニリン
【化28】

【0181】
表記化合物は、中間体1.1及び1-エチニル-4-ジメチルアニリンの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、16%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.80分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.38(br s、1H)、8.30(d、J=5.1Hz、1H)、7.68(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.54(d、J=8.8Hz、2H)、7.30(d、J=5.5Hz、1H)、6.80(d、J=8.8Hz、2H)、6.77(d、J=3.7、2.2Hz、1H)、3.00(s、6H);MS(m/z)262[M+H]+
【0182】
実施例10
4-フルオロ-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)ベンゾニトリル
【化29】

【0183】
中間体10.1:4-[(トリメチルシリル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
中間体10.1は、中間体1.1及びエチニルトリメチルシランの組み合わせで、実施例1に記載の手順を経て、84%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.80分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.92(br s、1H)、8.19(d、J=4.8Hz、1H)、7.58(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.11(d、J=4.8Hz、1H)、6.46(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、0.29(s、9H);MS(m/z)215[M+H]+
【0184】
中間体10.2:4-エチニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
メタノール(20mL)中の中間体10.1(600mg、2.80mmol)の溶液に、1Nの水酸化ナトリウム(14mL、14mmol)を添加した。得られた反応溶液を25℃で2時間攪拌し、それから真空中で濃縮した。これを水(50mL)中に懸濁し、エチルアセテートで抽出した(3x50mL)。該組み合わされた有機相をブリン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空中で濃縮して、黄色の固体として表記の化合物を取得した(397mg、99%)(ΗPLC:66%、RT:4.59分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.92(br s、1H)、8.20(d、J=5.1Hz、1H)、7.58(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.15(d、J=5.1Hz、1H)、6.50(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.67(s、1H);MS(m/z)143[M+H]+
【0185】
実施例10:4-フルオロ-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)ベンゾニトリル
1,4-ジオキサン(4mL)中の中間体10.2(150 mg、1.06 mmol)及び2-ブロモ-4-フルオロベンゾニトリル(742μL、534mg、5.28mmol)に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(29.6mg、0.0422mmol)、及びトリエチルアミン(742μL、534mg、5.28mmol)を添加して、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを80℃で2時間加熱した。冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、黄色の固体として表記化合物(33mg、12%)を得た(HPLC:99%、RT:6.20分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.05(br s、1H)、8.31(d、J=5.1Hz、1H)、8.13(dd、J=8.8、5.5Hz、1H)、7.90(dd、J=9.3、2.6Hz、1H)、7.69(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.59(td、J=8.4、2.6Hz、1H)、7.27(d、J=4.8Hz、1H)、6.78(dd、J=3.7、1.8Hz、1H);MS(m/z)262[M+H]+
【0186】
実施例11
2-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]エタノール
【化30】

【0187】
表記化合物は、中間体10.2及び2-ブロモフェニルエタノールの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、46%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:2.99分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、8.69(dd、J=4.4、1.5Hz、2H)、8.25(d、J=5.1、1H)、7.65-7.60(m、2H)、7.40(d、J=4.0Hz、2H)、7.35-7.28(m、1H)、7.22(d、J=4.8Hz、1H)、6.65(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.82(t、J=5.1Hz、1H)、3.74(ddd、J=7.3、7.9、5.1Hz、2H)、3.07(t、J=7.3Hz、2H);MS(m/z)263[M+H]+
【0188】
実施例12
tert-ブチル2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)ベンジルカルバメート
【化31】

【0189】
表記化合物は、中間体10.2及びtert-ブチル2-ブロモベンジルカルバメートの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、29%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.52分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、8.25(d、J=5.1Hz、1H)、7.65(d、J=7.7Hz、1H)、7.62(t、J=2.9Hz、1H)、7.52-7.45(m、2H)、7.39-7.32(m、2H)、7.26(d、J=5.1Hz、1H)、6.64(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.46(d、J-5.9Hz、2H)、1.41(s、9H);MS(m/z)348[M+H]+
【0190】
実施例13
2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)ベンジルアミン
【化32】

【0191】
メタノール(3mL)及びエーテル(6mL)中のtert-ブチル2-(1H-ピロロ[2.3-b]ピリジン-4-イルエチニル)ベンジルカルバメート溶液に、エーテル中の2Nの水酸化ナトリウム溶液(1.71mL、3.43mmol)を添加した。無色の溶液を25℃で一昼夜攪拌して、ゆっくりと沈殿を形成させた。黄色の固体を濾過し、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥させて、塩酸塩として表記化合物(82mg、84%)を得た(HPLC: 99%, RT:0.45分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.15(br s、1H)、8.60(br s、2H)、8.31(d、J=5.1Hz、1H)、7.78(dd、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.70(d、J=7.7Hz、1H)、7.68(t、J=2.9Hz、1H)、7.58(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.51(td、J= 7.7、1.1Hz、1H)、7.34(dd、J=5.1、0.7Hz、1H)、6.74(m、1H)、4.38-4.33(m、2H);MS(m/z)248[M+H]+
【0192】
実施例14
(1S)-1-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]エタノール
【化33】

【0193】
表記化合物は、中間体10.2及び(1S)-1-(2-ブロモフェニル)エタノールの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、38%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.91分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.96(br s、1H)、8.25(d、J=4.8、1H)、7.66(d、J=8.4Hz、1H)、7.63(dd、J=3.7、2.6Hz、1H)、7.60(dd、J=7.7、1.1Hz、1H)、7.48(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.33(td、J=7.5、1.5Hz、1H)、7.21(d、J=5.1Hz、1H)、6.59(dd、J=3.3、2.0Hz、1H)、5.41(d、J=4.0Hz、1H)、5.34-5.28(m、1H)、1.44(d、J=6.6Hz、3H);MS(m/z)363[M+H]+
【0194】
実施例15
4-[(2,6-ジクロロフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化34】

【0195】
表記化合物は、中間体10.2及び1,3-ジクロロ-2-ヨードベンゼンの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、61%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:7.25分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.03(br s、1H)、8.29(d、J=4.8、1H)、7.67(d、J=8.4Hz、2H)、7.66(dd、J=3.7、2.6Hz、1H)、7.51(dd、J=8.6、7.7Hz、1H)、7.26(d、J=5.1Hz、1H)、6.63(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)287[M+H]+(35Cl+37Cl)。
【0196】
実施例16
4- [(2-チエン-2-イルフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化35】

【0197】
表記化合物は、中間体10.2及び2-(2-ブロモフェニル)チオフェンの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、47%の収率で取得された(HPLC:98%、RT:7.20分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.95(br s、1H)、8.25(d、J=5.1Hz、1H)、7.80(dd、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.74-7.70(m、3H)、7.60(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.53(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.44(td、J=7.5、1.5Hz、1H)、7.23(dd、J=5.1、3.7Hz、1H)、7.20(d、J=4.8Hz、1H)、6.50(dd、J=3.7、1.8Hz、1H);MS(m/z)301[M+H]+
【0198】
実施例17
4-{[2-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]エチニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化36】

【0199】
表記化合物は、中間体10.2及び5-(2-ブロモフェニル)-1,3-オキサゾールの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、49%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.48分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.00(br s、1H)、8.61(s、1H)、8.29(d、J=5.1Hz、1H)、7.99(s、1H)、7.85(ddd、J=7.7、2.2、1.5Hz、2H)、7.65(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.60(td、J=8.1、1.5Hz、1H)、7.28(d、J=4.8Hz、1H)、6.60(dd、J=3.7、1.8Hz、1H);MS(m/z)286[M+H]+
【0200】
実施例18
4-(フェニルエチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
【化37】

【0201】
DMF中の4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(100mg、0.651mmol)及びフェニルアセチレン(215μL、200mg、1.95mmol)の溶液(2mL)に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(23mg、0.033mmol)、ヨウ化銅(I)(12mg、0.065mmol)及びトリエチルアミン(451μL、330mg、3.26mmol)を添加して、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを100℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、緑色の固体として表記化合物(82mg、57%)を得た(HPLC:99%、RT:7.09分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.38(br s、1H)、8.77(s、1H)、7.77-7.73(m、2H)、7.71(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.55-7.50(m、3H)、6.76(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)220[M+H]+
【0202】
実施例19
4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)アニリン
【化38】

【0203】
表記化合物は、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン及び4-エチニルアニリンの組み合わせで、実施例18に記載の手順を経て、32%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:3.96分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.23(br s、1H)、8.68(s、1H)、7.62(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.38(d、J=8.4Hz、2H)、6.67(d、J=3.7、1.8Hz、1H)、6.61(d、J=8.4Hz、2H)、5.85(br s、2H);MS(m/z)235[M+H]+
【0204】
実施例20
N,N-ジメチル-4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)アニリン
【化39】

【0205】
表記化合物は、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン及び1-エチニル-4-ジメチルアニリンの組み合わせで、実施例18に記載の手順を経て、39%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.81分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.25(br s、1H)、8.69(s、1H)、7.63(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.53(d、J=8.8Hz、2H)、6.77(d、J=9.2Hz、2H)、6.71(d、J=3.3、1.8Hz、1H)、2.30(s、6H);MS(m/z)263[M+H]+
【0206】
実施例21
5-(フェニルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化40】

【0207】
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(18mg、0.026mmol)、ヨウ化銅(I)(10mg、0.053mmol)及びトリエチルアミン(352μL、257mg、2.54mmol)を1,4-ジオキサン中の5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(100mg、0.507mmol)及びフェニルアセチレン(167μL、155mg、1.52mmol)の溶液(2mL)に添加し、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを90℃で一昼夜加熱した。室温まで冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、淡黄色の固体として表記化合物(23mg、21%)を得た(HPLC:99%、RT:6.78分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.93(br s、1H)、8.40(d、J=1.8Hz、1H)、8.18(d、J=1.5Hz、1H)、7.59-7.55(m、3H)、7.47-7.39(m、3H)、6.50(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)219[M+H]+
【0208】
実施例22
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルエチニル)アニリン
【化41】

【0209】
ピペリジン(251μL、216mg、2.54mmol)、ヨウ化銅(I)(3.9mg、0.021mmol)及びジ(tert-ブチル)(2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル-2-イル)ホスフィン(13mg;0.031mmol)を1,4-ジオキサン中の5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(100mg、0.507mmol)及び4-エチニルアニリン(89mg、0.76mmol)の溶液(2mL)に添加し、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを100℃で一昼夜加熱した。室温まで冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、黄色の固体として表記化合物(29mg、25%)を得た(HPLC:99%、RT:5.03分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.83(br s、1H)、8.30(d、J=1.8Hz、1H)、8.05(d、J=1.8Hz、1H)、7.52(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.21(d、J=8.4Hz、2H)、6.56(d、J=8.4Hz、2H)、6.46(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、5.54(br s、2H);MS(m/z)234[M+H]+
【0210】
実施例23
2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルエチニル)アニリン
【化42】

【0211】
表記化合物は、5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリジン及び2-エチニルアニリンの組み合わせで、実施例21に記載の手順を経て、9%の収率で取得された(HPLC:97%、RT:5.92分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.87(br s、1H)、8.44(d、J=2.2Hz、1H)、8.21(d、J=1.8Hz、1H)、7.54(dd、J=3.1、2.8Hz、1H)、7.24(dd、J=7.5、1.8Hz、1H)、7.07(ddd、J=8.3、7.2、1.8Hz、1H)、6.73(d、J=7.3Hz、1H)、6.54(td、J=7.3、1.1Hz、1H)、6.48(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、5.51(br s、2H);MS(m/z)234[M+H]+
【0212】
実施例24
3-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルエチニル)アニリン
【化43】

【0213】
表記化合物は、5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリジン及び3-エチニルアニリンの組み合わせで、実施例21に記載の手順を経て、28%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.02分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.90(br s、1H)、8.35(d、J=1.8Hz、1H)、8.13(d、J=1.5Hz、1H)、7.55(dd、J=3.3、2.9Hz、1H)、7.24(dd、J=7.5、1.8Hz、1H)、7.05(t、J= 7.7Hz、1H)、6.74(t、J=1.8Hz、1H)、6.69(dt、J=7.3、1.1Hz、1H)、6.59(ddd、J=8.1、2.6、1.1Hz、1H)、6.48(dd、J=3.7、1.8Hz、1H)、5.26(br s、2H);MS(m/z)234[M+H]+
【0214】
実施例25
5-{2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化44】

【0215】
表記化合物は、5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリジン及び1-エチニル-2-(トリフルオロエチニルの組み合わせで、実施例21に記載の手順を経て、18%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.86分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.01(br s、1H)、8.38(d、J=2.2Hz、1H)、8.17(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(t、J=7.3Hz、2H)、7.74(t、J=7.7Hz、1H)、7.62(t、J=7.7Hz、1H)、7.59(dd、J= 3.3、2.6Hz、1H)、6.69(dt、J=7.3、1.1Hz、1H)、6.54(dd、J=3.3、1.8Hz、1H);MS(m/z)287[M+H]+
【0216】
実施例26
5-[4-メトキシフェニル)エチニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化45】

【0217】
表記化合物は、5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリジン及び1-エチニル-4-メトキシベンゼンの組み合わせで、実施例21に記載の手順を経て、25%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.73分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.89(br s、1H)、8.36(d、J=1.8Hz、1H)、8.13(d、J=1.8Hz、1H)、7.55(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.51(d、J=8.8Hz、2H)、6.99(d、J=8.8Hz、2H)、6.48(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、3.80(s、3H);MS(m/z)249[M+H]+
【0218】
実施例27
3,3-ジメチル-N-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ブチルアミド
【化46】

【0219】
1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(41mg、0.21mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(29mg、0.21mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(146μl、114mg、0.88mmol)を、3,3-ジメチル-酪酸(22μl、21mg、0.18mmol)のDMF溶液(2mL)に添加した。該反応混合物を25℃で15分間攪拌した後、1-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル]メタンアミン(実施例13、50mg、0.18mmol)を添加した。得られた溶液を25℃で一昼夜攪拌し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、白色の固体として表記化合物(29mg、47%)を得た(HPLC:98%、RT:6.25分)。1H NMR(DMS0-d6)δ=11.94(br s、1H)、8.33(t、J=5.5Hz、1H)、8.25(d、J=4.8Hz、1H)、7.67(dd、J=7.5、1.5Hz、1H)、7.62(dd、J= 3.3、2.6Hz、1H)、7.46(td、J=7.3、1.5Hz、1H)、7.40(d、J=6.6Hz、1H)、7.36(td、J=7.3、1.5Hz、1H)、7.25(d、J=5.1Hz、1H)、6.64(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.59(d、J= 5.5Hz、2H)、2.08(s、2H)、0.98(s、9H);MS(m/z)346[M+H]+
【0220】
実施例28
N-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ベンズアミド
【化47】

【0221】
表記化合物は、l-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]メタンアミン(実施例13)及び酪酸の組み合わせで、実施例27に記載の手順を経て、59%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.91分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.93(br s、1H)、9.13(t、J=5.9Hz、1H)、8.25(d、J=5.1Hz、1H)、7.96-7.93(m、2H)、7.69(dd、J=7.7、1.1Hz、1H)、7.61(dd、J=3.3、2.2Hz、1H)、7.58-7.35(m、6H)、7.26(d、J=5.1Hz、1H)、6.66(dd、J=3.1、1.8Hz、1H)、4.82(d、J=5.9Hz、2H);MS(m/z)352[M+H]+
【0222】
実施例29
4-ジメチルアミノ-N-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ベンズアミド
【化48】

【0223】
表記化合物は、l-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]メタンアミン(実施例13)及び4-ジメチルアミノ酪酸の組み合わせで、実施例27に記載の手順を経て、53%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:6.06分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、8.77(t、J=5.9Hz、1H)、8.25(d、J=4.8Hz、1H)、7.82(d、J=9.2Hz、2H)、7.67(d、J=7.7Hz、1H)、7.62(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.44(td、J=7.7、1.1Hz、1H)、7.39-7.33(m、2H)、7.26(d、J=5.1Hz、1H)、6.73(d、J=9.2 Hz、2H)、6.66(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.78(d、J=5.9Hz、2H)、2.98(s、6H);MS(m/z)395[M+H]+
【0224】
実施例30
4-メトキシ-N-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ベンズアミド
【化49】

【0225】
表記化合物は、l-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]メタンアミン(実施例13)及び4-メトキシ酪酸の組み合わせで、実施例27に記載の手順を経て、62%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.96分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、8.99(t、J=5.9Hz、1H)、8.29(d、J=5.1Hz、1H)、7.93(d、J=8.8Hz、2H)、7.69(d、J=7.7Hz、1H)、7.61(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.45(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.41-7.34(m、2H)、7.26(d、J=5.1Hz、1H)、7.02(d、J=8.8Hz、2H)、6.66(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.80(d、J=5.5Hz、2H)、3.82(s、3H);MS(m/z)382[M+H]+
【0226】
実施例31
2,2,2-トリフルオロ-N-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-アセトアミド
【化50】

【0227】
表記化合物は、中間体10.2及び2,2,2-トリフルオロ-N-(2-ヨードベンジル)アセトアミドの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、62%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.90分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.94(br s、1H)、10.09(t、J=5.9、1H)、8.26(d、J=4.8Hz、1H)、7.71(d、J=7.7Hz、1H)、7.62(t、J=2.9Hz、1H)、7.50(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.42(t、J=7.7Hz、1H)、7.39(d、J=7.7Hz、1H)、7.25(d、J=5.1Hz、1H)、6.65(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.72(d、J=5.9Hz、2H);MS(m/z)344[M+H]+
【0228】
実施例32
1-フェニル-3-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ウレア
【化51】

【0229】
無水THF(1mL)中に、1-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]メタンアミン(実施例13、50mg、0.18mmol)、フェニルイソシアネート(58μl、63mg、0.53mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(146μl、114mg、0.88mmol)を溶解し、25℃で一昼夜攪拌した。該反応混合物をDMSO(5mL)に溶解し、5Nの水酸化ナトリウム溶液(2mL)を添加し、25℃で1時間攪拌した。該反応混合物を水(100mL)で更に希釈することにより沈殿が形成され、これを濾過した。得られた黄褐色の固体をジクロロメタン及びメタノール中で練和して、ベージュ色の固体として表記化合物(12mg、19%)を得た(HPLC:98%、RT:5.03分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.66(br s、1H)、8.75(s、1H)、8.20(d、J=4.8Hz、1H)、7.85(s、1H)、7.60(d、J=8.4Hz、2H)、7.46(d、J=7.3Hz、1H)、7.41(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.33(t、J=7.3Hz、3H)、7.08-7.00(m、3H)、6.93(d、J=8.1Hz、1H)、6.27(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、5.17(s、2H);MS(m/z)367[M+H]+
【0230】
実施例33
1-tert-ブチル-3-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-ウレア
【化52】

【0231】
表記化合物は、1-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)フェニル]メタンアミン(実施例1)及びtert-ブチルイソシアネートの組み合わせで、実施例32に記載の手順を経て、27%の収率で取得された(HPLC:98%、RT:6.03分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.92(br s、1H)、8.25(d、J=4.8Hz、1H)、7.65(d、J=7.7Hz、1H)、7.61(t、J=2.9Hz、1H)、7.46(t、J=7.3Hz、1H)、7.39(d、J=7.3Hz、1H)、7.34(t、J=7.3Hz、1H)、7.25(d、J=4.8Hz、1H)、6.65(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、6.17(t、J=5.9Hz、1H)、5.87(s、1H)、4.48(d、J=5.9Hz、2H)、1.24(s、9H);MS(m/z)347[M+H]+
【0232】
実施例34
[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]-酢酸
【化53】

【0233】
1,4-ジオキサン(2mL)中の中間体10.2(102mg、1.06mmol)及び(2-ヨードフェニル)酢酸(125mg、0.48mmol)に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(17mg、0.024mmol)、及びトリエチルアミン(335μL、241mg、2.39mmol)を添加して、密封可能なチューブに納めた。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気した後チューブを密封し、これを60℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、Celiteを通して褐色の溶液を濾過し、真空中で濃縮した。残ったものを5Nの水酸化ナトリウム溶液中に溶解し、エチルアセテートで洗浄(3x20ml)し、5Nの塩酸で中和し、これを濾過し、ベージュ色の固体として表記化合物(60mg、45%)を得た(HPLC:99%、RT:6.19分)。1H NMR(DMSOd6)δ=8.25(d、J=4.8Hz、1H)、7.66(d、J=7.3Hz、1H)、7.62(dd、J=3.3、2.6Hz、1H)、7.45-735(m、3H)、7.21(d、J=5.1Hz、1H)、6.66(dd、J=3.5、1.8Hz、1H)、3.90(s、2H);MS(m/z)277[M+H]+
【0234】
実施例35
N-tert-ブチル-2-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]-アセトアミド
【化54】

【0235】
1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(30mg、0.16mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(21mg、0.16mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(108μl、84mg、0.65mmol)を、[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]酢酸(実施例34、36mg、0.13mmol)の無水DMF溶液(2mL)に添加した。該反応混合物を25℃で15分間攪拌した後、tert-ブチルアミン(14μl、10mg、0.13mmol)を添加し、それから得られた溶液を25℃で一昼夜攪拌し、真空中で濃縮した。残ったものをSPl Biotageシステムを用いたクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶出剤として使用して、白色の固体として表記化合物(6mg、14%)を得た(HPLC:98%、RT:5.89分)。1H NMR(DMSOd6)δ=11.91(br s、1H)、8.25(d、J=4.8Hz、1H)、7.74(s、1H)、7.64(d、J=7.7Hz、1H)、7.61(dd、J=3.3、2.9Hz、1H)、7.43-7.31(m、3H)、7.27(d、J=4.8Hz、1H)、6.68(dd、J=3.7、1.8Hz、1H)、3.73(s、2H)、1.21(s、9H);MS(m/z)332[M+H]+
【0236】
実施例36
N-(4-メトキシベンジル)-2-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]-アセトアミド
【化55】

【0237】
表記化合物は、[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]酢酸(実施例34)及び4-メトキシベンジルアミンの組み合わせで、実施例35に記載の手順を経て、54%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.80分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.91(br s、1H)、8.46(t、J=5.9Hz、1H)、8.22(d、J= 4.8Hz、1H)、7.66(d、J=7.3Hz、1H)、7.59(t、J=2.9Hz、1H)、7.44-7.33(m、3H)、7.19(d、J=4.8Hz、1H)、7.13(d、J=8.4Hz、2H)、6.69(d、J=8.4Hz、2H)、6.65(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.21(d、J=5.9Hz、2H)、3.84(s、2H)、3.66(s、3H);MS(m/z)396[M+H]+
【0238】
実施例37
N-(4-メトキシフェニル)-2-[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]-アセトアミド
【化56】

【0239】
表記化合物は、[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]酢酸(実施例34)及びp-アニシジンの組み合わせで、実施例35に記載の手順を経て、56%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.81分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=11.87(br s、1H)、10.14(s、1H)、8.18(d、J=5.1Hz、1H)、7.68(d、J=7.3Hz、1H)、7.53-7.49(m、3H)、7.46-7.35(m、3H)、7.19(d、J=4.8Hz、1H)、6.86(d、J=9.1Hz、2H)、6.62(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、3.99(s、2H)、3.71(s、3H);MS(m/z)382[M+H]+
【0240】
実施例38
4-({2-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]フェニル}エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化57】

【0241】
表記化合物は、[2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イルエチニル)-フェニル]酢酸(実施例34)及び4,4-ジフルオロピペリジンハイドロクロライドの組み合わせで、実施例35に記載の手順を経て、49%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.96分)。1H NMR (DMSOd6) δ = 11.93 (br s、1H)、8.24 (d、J= 5.1 Hz、1H)、7.66 (d、J= 7.7 Hz、1H)、7.60 (dd、J= 3.3、2.6 Hz、1H)、7.45-7.32 (m、3H)、7.18 (d、J= 5.1 Hz、1H)、6.57 (dd、J= 3.7、1.8 Hz、1H)、4.06 (s、2H)、3.69-3.54 (m、4H)、1.99- 1.80 (m、4H); MS (m/z) 380 [M + H]+
【0242】
実施例39
2,2,2-トリフルオロ-N-[(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-アセトアミド
【化58】

【0243】
中間体39.1:4-トリメチルシラニルエチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
中間体39.1は、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン及びエチニルトリメチルシランの組み合わせで、実施例18に記載の手順を経て、29%の収率で取得された(HPLC:98%、RT:6.13分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=8.72(s、1H)、7.68(dd、J=3.7、2.2Hz、1H)、6.55(dd、J=3.5、1.8Hz、1H)、0.31(s、9H);MS(m/z)216[M+H]+
【0244】
中間体39.2:4-エチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
中間体39.2は、中間体39.1から、中間体10.2に記載の手順を経て、88%の収率で取得された(HPLC:92%、RT:3.15分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.38(br s、1H)、8.74(s、1H)、7.68(dd、J=3.3、2.2Hz、1H)、6.59(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、4.84(s、1H);MS(m/z)144[M+H]+
【0245】
実施例39:2,2,2-トリフルオロ-N-[2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)-ベンジル]-アセトアミド
表記化合物は、中間体39.2及び2,2,2-トリフルオロ-N-(2-ヨードベンジル)アセトアミドの組み合わせで、実施例10に記載の手順を経て、31%の収率で取得された(HPLC:99%、RT:5.64分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=12.39(br s、1H)、10.14(t、J=5.5Hz、1H)、8.78(s、1H)、7.77(dd、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.72(dd、J=3.3、2.2Hz、1H)、7.55(td、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.45(td、J=7.7、1.1Hz、1H)、7.39(d、J=7.3Hz、1H)、6.75(dd、J=3.7、1.5Hz、1H)、4.74(d、J=5.5Hz、2H);MS(m/z)345[M+H]+
【0246】
実施例40
3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジン-4-イルエチニル)-フェニルアミンの合成
【化59】

【0247】
中間体40.1:5-ヨードエチニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジン
中間体40.1は、5-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジンから、中間体1.1に記載の手順を経て、2%の収率で取得された。1H NMR(DMSO-d6)δ=7.37(d、J=5.5Hz、1H)、6.89(d、J=5.5Hz、1H)、6.64(br s、1H)、3.25-3.18(m、2H)、2.58(t、J=6.2Hz、2H)、1.82-1.75(m、2H);MS(m/z)261[M+H]+
【0248】
実施例40:3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジン-4-イルエチニル)-フェニルアミン
表記化合物は、中間体40.1及び3-エチニルアニリンの組合せで、実施例1に記載の手順を経て取得された。該精製された生産物をメタノール(2mL)に溶解し、これにエーテル中の2Nの塩酸溶液(2mL)及びエーテル(10mL)を添加することにより、塩酸塩を沈殿させた。そして、該沈殿を濾過し、ベージュ色の固体として表記化合物(15mg、45%)を得た。(HPLC:98%、RT:2.82分)。1H NMR(DMSO-d6)δ=8.64(br s、1H)、7.83(d、J=6.6Hz、1H)、7.39-7.34(m、1H)、7.26-7.22(m、2H)、7.12(br d、J=10.3Hz、1H)、6.87(d、J=6.6Hz、1H)、3.44(br s、2H)、2.93(t、J=6.2Hz、2H)、1.93-1.87(m、2H);MS(m/z)250[M+H]+
【0249】
実施例41
4-(フェニルエチニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン
【化60】

【0250】
一般的な手順A
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(17.6mg;0.03mmol;0.05equiv)、ヨウ化銅(I)(9.6mg、0.05mmol;0.10equiv)及びトリエチルアミン(0.35ml;2.5mmol;5.0equiv)を、無水ジオキサン中の4-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン(113.0mg;0.50mmol;1.00equiv)及びアルキン(2.51mmol;5.00equiv)の溶液(2mL)に添加した。該反応混合物に5分間窒素ガスを瀑気し、チューブを密封し、これを90℃で4時間加熱した。Celiteパッドを通して該反応混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濃縮した。濁った混合物を、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望の生産物を得た。
【0251】
一般的な手順Aに従い、4-(フェニルエチニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジンを、72%の収量で、淡黄色の固体として合成した。1HNMR(CDCl3中)δ=1.90-1.97(m、4H)、2.86-2.93(m、2H)、3.19-3.25(m、2H)、7.38-7.43(m、3H)、7.61-7.65(m、2H)、8.93(s、1H)。質量:M+H+:291。
【0252】
実施例42
N,N-ジメチル-4-(5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)アニリン
【化61】

【0253】
一般的な手順Aに従い、N,N-ジメチル-4-(5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)アニリンを、72%の収量で、鮮黄色の固体として合成した。1HNMR(DMSO-d6中)δ=1.89(br、4H)、2.89(br、2H)、2.99(s、6H)、3.17(br、2H)、6.77(dt、J= 7.6及び1.8Hz、2H)、7.48(dt、J=7.6及び1.8Hz、2H)、8.87(s、1H)。質量:M+H+:334。
【0254】
材料及び方法:
VEGFR3、VEGFR2及びFlt3は、Caliper Life Sciences LC3000 (Hopkinton, MA)を用いて測定された。該システムは、電気浸透流の原理を利用して、リン酸化されていないフルオレセイン標識ペプチド(基質)からリン酸化されたフルオレセイン標識ペプチド(生産物)を分離し、定量するものである。生産物及び基質の量は、電気泳動図(electropherogram)のピーク高を測定することにより決定される。そして、酵素活性は、生産物及び基質の和で生産物の量を割ることにより定量される。試料の阻害活性は、試料の存在下での酵素活性とジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下での酵素活性を比較することにより測定される。各酵素における具体的なアッセイの条件を、以下に列挙する。
【0255】
VEGFR3アッセイ:1μMのペプチド基質(FITC-KKKKEEI YFFF-CONH2; Tufts University, Boston, MAで合成された)を、400μMのATP(酵素/基質反応のミカエリスメンテン(Km)定数に対応する)、及び0.4nMのVEGFR3(Millpore Corp., Cat. No. 14-681)の存在下、室温で90分間インキュベーションした。90分後、10mMのEDTAを添加して反応を停止した。それから、基質及び生産物を、LC3000を用いて分離した。
【0256】
VEGFR2アッセイ:1μMのペプチド基質(5-FL-EEPLYWSFPAKKK-CONH2;Tufts University, Boston, MAで合成された)を、160μMのATP(酵素/基質反応のミカエリスメンテン(Km)定数に対応する)、及び1nMのVEGFR2(BPS Bioscience; San Diego, CA; Cat. No. 40301)の存在下、室温で90分間インキュベーションした。90分後、10mMのEDTAを添加して反応を停止した。それから、基質及び生産物を、LC3000を用いて分離した。
【0257】
Flt3アッセイ;1μMのペプチド基質(FITC-AHA-UEAIYAAPFAKKK-CONH2;Tufts University, Boston, MAで合成された)を、350μMのATP(酵素/基質反応のミカエリスメンテン(Km)定数に対応する)、及び3nMのFlt3(BPS Bioscience; San Diego, CA; Cat. No. 40225)の存在下、室温で90分間インキュベーションした。90分後、10mMのEDTAを添加して反応を停止した。それから、基質及び生産物を、LC3000を用いて分離した。
【0258】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

【表1−26】

【表1−27】

【表1−28】

【表1−29】

【0259】
上記実施例を参照することにより、本発明が具体的に示され、及び記載されるが、当業者であれば、添付された特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱すること無く、本発明の形式及び細部を変化させ得るものと理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
W1はCR8又はN、及びW2は-C-C≡C-Arであり;又は
W1は-C-C≡C-Ar、及びW2はCR8又はNであり;
Yは-S-、-O-、-NH-、又は-NHCH2-であり;
XはN又はN+-O-であり;
空白は単結合又は二重結合を表し;
Arはアリール、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;ここで該アリール及びヘテロアリールは任意で、かつ独立して、R3で表される最大4つの基により置換され、そしてここで該カルボキシシクリル及びヘテロシクリルは任意で、かつ独立して、R4で表される最大4つの基により置換され;
R1及びR2は、独立して、H、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)PNR5R6、-NR5R6、-S(O)PR5、-NR5S(O)PR5から選択され、ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ置換され、又は置換されず;又は
R1及びR2は、それらに介在する原子と共に、置換され、又は置換されない(C5-Cδ)シクロアルキル環を形成してもよく;そして
pは0〜2の整数であり;
各R3は、独立して:
i)ハロゲン、-X1-OH、-X1-CN、-Xi-OR10、-X1-CO2R10、-X1-NR10C(O)N(R10)2、-X1-NR10C(S)N(R10)2、-X1-NR10CO2R10、-X1-COR10、-X1-N(R10)2、-X1-N+(R10)3、-X1-OCOR10、-X1-SO2N(R10)2;-X1-S(O)nR10;-X1-NR10S(O)nR10、-X1-NR10COR10、-X1-OC(O)N(R10)2、-X1-CON(R10)2若しくは-X1-NR10CO2R10;又は
ii)(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)ハロアルケニル、(C2- C6)アルキニル若しくは(C2-C6)ハロアルキニル;又は
iii)それぞれ任意でかつ独立してハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル若しくは-CO2Hから選択される最大3つの基により置換される、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、若しくはヘテロアリールオキシ;又は
iv)それぞれ任意でかつ独立してハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-CO2H、アリール、ヘテロアリール、オキソ及びチオキソから選択される最大3つの基により置換される、カルボシクリル若しくはヘテロシクリルであり;
各X1は、独立して共有結合、(C1-C6)アルキレン、(C1-C6)アルケニレン若しくは(C1-C6)アルキニレンであり;
各R4は、独立してR3で表される基、オキソ若しくはチオキソであり、;
nは0〜2の整数であり;
各R5及びR6は、独立してH、(C1-C4)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル若しくはフェニルから選択され;ここで該アルキル、シクロアルキル及びは、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-OCF3、-OMe、若しくは(C1-C3)アルキルで置換され;
R7及びR8は、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、-OR5、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-SR5、-NR5S(O)pR5であり、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ置換され、若しくは置換されず;並びに
各R10は、独立してH、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアラルキルであり;ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、任意で、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C3)アルキル、-N((C1-C3)アルキル)2、-CONH2、-CONH(C1-C3)アルキル、-CON((C1-C3)アルキル)2、-CO(C1-C3)アルキル、-CO2H、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、(C1-C3)アルコキシカルボニル、(C3-C7)シクロアルキル、又はフェニルで置換される]
で表される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であり:
R1及びR2が、H、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-S(O)PR5、-NR5S(O)PR5から選択され;又は
R1及びR2が、それらに介在する原子と共に(C5-Cδ)シクロアルキル環を形成してもよく;そして
該R1及び/又はR2で表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル若しくは(C5-C6)シクロアルキル環は、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(O)P(C1-C6)アルキル、-S(O)pNH2、-S(O)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)PN((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hで置換され;そして
R7及びR8は、独立してH、ハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C2- C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、-OR5、(C3-C8)シクロアルキル、5-10員ヘテロシクロアルキル、-C(O)OR5、-C(O)R5、-OC(O)R5、-C(O)NR5R6、-NR5C(O)NR5R6、-NR5C(O)OR5、-NR5C(O)R5、-NR5C(S)NR5R6、-S(O)pNR5R6、-NR5R6、-SR5、-NR5S(O)pR5であり、ここでR7及びR8により表されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ任意で、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-OCONH2、-NHCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH2、-N(C1-C6)アルキルCONH(C1-C6)アルキル、-NHCONH(C1-C6)アルキル、-NHCON((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルCON((C1-C6)アルキル)2、-NHC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH2、-N(C1-C6)アルキルC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)NH(C1-C6)アルキル、-NHC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-N(C1-C6)アルキルC(S)N((C1-C6)アルキル)2、-CONH(C1-C6)アルキル、-OCONH(C1-C6)アルキル-CON((C1-C6)アルキル)2、-C(S)(C1-C6)アルキル、-S(0)p(C1-C6)アルキル、-S(0)pNH2、-S(0)pNH(C1-C6)アルキル、-S(O)pN((C1-C6)アルキル)2、-C0(C1-C6)アルキル、-OCO(C1-C6)アルキル、-C(O)O(C1-C6)アルキル、-OC(O)O(C1-C6)アルキル、-C(O)H若しくは-CO2Hにより置換される;
前記化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項3】
式II:
【化2】

[式中、
WはN若しくはCR8である]
で表される、請求項1又は2に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項4】
式IIa:
【化3】

で表される、請求項3に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項5】
式III:
【化4】

[式中、
WはN若しくはCR8である]
で表される、請求項1に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項6】
式IIIa:
【化5】

で表される、請求項5に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項7】
式IIIb:
【化6】

で表される、請求項6に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項8】
式IIIc:
【化7】

で表される、請求項7に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項9】
式IIId:
【化8】

で表される、請求項7に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項10】
式IIIe:
【化9】

で表される、請求項5に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項11】
式IIIg:
【化10】

で表される、請求項5に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項12】
式IIIi:
【化11】

で表される、請求項11に記載される化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項13】
Arが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、1H-インドリル、2-オキソ-インドリニル、ベンゾ[l,3-d]ジオキソリル及びフラニルからなる群から選択され、それぞれが任意に、かつ独立して、R3で表される最大3つの置換基で置換される、請求項1〜12のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項14】
R1及びR2が、それぞれ独立してH又は(C1-C6)アルキルであり、ここで該アルキル基が、任意でハロゲン、-OH、-CN、-NH2、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルコキシ、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、又はメトキシフェニルにより置換される、請求項1〜10のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項15】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるフェニルである、請求項4に記載される化合物。
【請求項16】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるフェニルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項17】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるピリジニルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項18】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換される1H-インドリルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項19】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換される2-オキソ-インドリニルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項20】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるベンゾ[l,3-d]ジオキソリルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項21】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるピリミジニルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項22】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるフラニルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項23】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるN-アルキル-イミダゾリルである、請求項8又は9に記載される化合物。
【請求項24】
Arが、最大3つの独立して選択されるR3で表される置換基で任意に置換されるフェニルである、請求項11又は12に記載される化合物。
【請求項25】
R3 が独立して:
i)ハロゲン、-X1-OH、-X1-CN、-X1CO2R10、-X1-OR10、-X1-NR10C(O)N(R10)2、-X1-NR10C(S)N(R10)2、-X1-COR10、-X1-N(R10)2、-X1-N(R10)3、-X1-OCOR10、-X1-SO2N(R10)2、-X1-S(O)nR10、-X1-NR10S(O)nR10、-X1-NR10COR10、-X1-CON(R10)2、若しくは-X1-NR10CO2R10;
ii)(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)ハロアルケニル、(C2-C6)アルキニル若しくは(C2-C6)ハロアルキニル;又は
iii)フェニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラゾリル、若しくはピロリルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、フェニル[任意にハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN若しくは-NO2で置換される]、(C1-C3)アルコキシ、ハロ(C1-C3)アルコキシ、-CO2(C1-C3)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C3)アルキル、-CO(C1-C3)アルキル若しくは-CO2Hから選択される最大2つの基で置換され;又は
iv)1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル若しくはモルホリニルであり、それぞれ任意にかつ独立して、ハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ及びチオキソから選択される最大2つの基で置換され;
X1が、共有結合若しくは(C1-C2)アルキレンであり;
各R4が、独立してハロゲン、-OH、-NH2、-O(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルキル、フェニル、-CO2H、オキソ若しくはチオキソであり;
nは0〜2の整数であり;
R7及びR8は、独立してH、ハロゲン若しくは(C1-C6)アルキルであり、ここで該アルキルが、任意にハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)アルキル)2、-CO(C1-C6)アルキル若しくは-CO2Hで置換され;並びに
各R10は、独立してH、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル若しくはフェニルであり;ここでR10で表されるアルキル、シクロアルキル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジル及びフェニル基が、任意に、かつ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-NH2、-NH(C1-C3)アルキル、-N((C1-C3)アルキル)2、-COMe、-CO2H、(C1-C3)アルキル、ハロ(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ若しくはハロ(C1-C3)アルコキシで置換される、
請求項1〜24のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項26】
各R3が、独立して-F、-Cl、-CN、-COMe、-CONH2、-CO2Me、-CO(シクロプロピル)、-OCF3、-OMe、-0-iPr、-OCHF2、-OCH2CN、-NH2、-NHCOMe、-NMe2、-NHPh、-Me、-Et、アリル、-Ph、-CF3、-CH2CN、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2COMe、-CH2CO2H、-CH2NH2、-CH2NHCOCF3、-SO2NH2、-SO2Me、若しくは:
【化12】

から選択される基である、請求項16に記載される化合物。
【請求項27】
Arが、R3で表される1つ、2つ、又は3つの基で置換されたフェニルであり、該R3で表される基の1つが:
【化13】

から選択される構造式により表され、そして該R3で表される基の他の1つが存在する場合、独立してハロゲン、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C3)ハロアルコキシ、-CN及び-NO2から選択される、請求項16に記載される化合物。
【請求項28】
各R3が、独立してハロゲン、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、-CN、-CO(C1-C4)アルキル、-CO2(C1-C4)アルキル、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、-CH2NHCOCF3
【化14】

である、請求項15又は17〜22のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項29】
群:
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)アニリン;
l-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)エタノン;
4-((3-メトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
l-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)エタノン;
4-(m-トリルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ビフェニル-4-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)アセタミド;
4-((3-フルオロフェニル)エチニル)ピリジン-2-アミン;
4-((4-フルオロフェニル)エチニル)- 1 H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-ビニルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ピリジン-3-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((6-メトキシピリジン-3-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)アニリン;
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)アニリン;
4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2-メトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ [2,3 -b]ピリジン;
4-((2-ビニルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2-エチルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ビフェニル-3-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
N-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)アセタミド;
4-((4-ビニルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)アセトニトリル;
2-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)アセトニトリル;
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンズアミド;
4-((5-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
メチル 3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾエート;
4-((3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゼンスルホンアミド;
4-((4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
(E)-3-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-N-エチルアクリルアミド;
(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)メタノール;
4-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ピコリノニトリル;
4-((5-メトキシピリジン-3 -イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾニトリル;
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾニトリル;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾニトリル;
4-((4-(メチルスルホニル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-2-メチルベンゾニトリル;
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゼンスルホンアミド;
4-((2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ピリミジン-5-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-メチルピリジン-3-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
メチル 6-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ピコリネート;
4-(ベンゾ[d][l,3]ジオキソl-5-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((1H-インドル-5-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
メチル 2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾエート;
(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)(シクロプロピル)メタノン;
3-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール;
2-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール;
メチル 4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-2-メトキシベンゾエート;
4-(o-トリルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3,5-ジメチルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)メタノール;
4-((3,4-ジメトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
メチル 4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾエート;
4-(4'-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ビフェニル-4-イル)-1,2,3-thiadiazole;
4-((1H-インドル-6-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((1H-インドル-4-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェノキシ)アセトニトリル;
4-((3-(ピロリジン-l-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
5-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)オキサゾール;
4-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)モルホリン;
4-((2-(1H-ピラゾル-1-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2-(1H-ピラゾル-1-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-(1H-ピラゾル-1-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ビフェニル-2-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-(チオフェン-2-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)モルホリン;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)アセタミド;
4-(p-トリレチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
1-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)エタノール;
l-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)プロパン-2-オン;
4-((3-(1H-ピラゾル-3-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-イソプロポキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-(l,3-ジオキソラン-2-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((6-メチルピリジン-2-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((6-メトキシピリジン-2-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
1-(6-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ピリジン-3-イル)エタノン;
4-((1-メチル-1H-イミダゾル-5-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2,6-ジメチルフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2,6-ジフルオロフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
5-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)イソキサゾール;
4-((2-(1H-ピロル-l-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-N,N-ジメチルアニリン;
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-N-フェニルアニリン;
6-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)インドリン-2-オン;
4-(ピリミジン-2-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-メチルピリジン-2-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ニコチノニトリル;
4-((3-メトキシピリジン-2-イル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(フラン-3-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(フェニルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((3-クロロフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(ピリジン-2-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((4-メトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((2,4-ジフルオロフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-4-フルオロベンゾニトリル;
4-(ピリジン-4-イルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)エタノール;
tert-ブチル 2-((1H-ピロロ [2,3 -b]ピリジン-4- yl)エチニル)ベンジルカルバメート; (2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)メタンアミン;
4-((2,6-ジクロロフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
(S)-1-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)エタノール;
N-(3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)アセタミド;
4-((2-(チオフェン-2-イル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
5-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)オキサゾール;
5-(フェニルエチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-N,N-ジメチルアニリン;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)エチニル)アニリン;
4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)-N,N-ジメチルアニリン;
3-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)エチニル)アニリン;
5-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-(フェニルエチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン;
5-((4-メトキシフェニル)エチニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;
4-((7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)エチニル)アニリン;
4-((7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)エチニル)-N,N-ジメチルアニリン;
4-(フェニルエチニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン;
N,N-ジメチル-4-(5,6,7,8-テトラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イルエチニル)アニリン;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)酢酸;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-3,3- ジメチルブタンアミド;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)ベンズアミド;
l-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-3-フェニルウレア;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-N-(4-メトキシベンジル)アセタミド;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-N-tert-ブチルアセタミド;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-4-(ジメチルアミノ)ベンズアミド;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-4-メトキシベンズアミド;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-2,2,2-トリフルオロアセタミド;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-N-(4-メトキシフェニル)アセタミド;
2-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)フェニル)-1-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)エタノン;
N-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-2,2,2-トリフルオロアセタミド;
l-(2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)エチニル)ベンジル)-3-tert-ブチルウレア;及び
3-((5,6,7,8-テトラヒドロ-l,8-ナフチリジン-4-イル)エチニル)アニリン;
から選択される化合物、又は
それらの医薬として許容される塩。
【請求項30】
キナーゼタンパク質の阻害が必要な対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に有効量の請求項1〜29のいずれか1項に記載のキナーゼ阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
前記キナーゼタンパク質が、VEGFR3、VEGFR2、Flt-3、又はPDK1である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、過剰増殖性疾患又は炎症性疾患を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が、リンパ腫、卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌及び表皮癌からなる群から選択される過剰増殖性疾患を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記対象が、多発性硬化症、乾癬、肺の炎症、全身性エリテマトーデス、血栓症、髄膜炎、脳炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、及びアテローム性動脈硬化からなる群から選択される炎症性疾患を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
癌患者の癌の転移を低下させる方法であって、癌転移の低下を必要とする対象に有効量の請求項1〜29のいずれか1項に記載のキナーゼ阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項36】
医薬として使用する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
キナーゼタンパク質の阻害が必要な対象を治療する医薬を調製するための、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項38】
前記キナーゼがVEGFR3、VEGFR2、Flt-3、又はPDK1である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記対象が過剰増殖性疾患又は炎症性疾患を有する、請求項37又は38に記載の使用。
【請求項40】
前記対象が、リンパ腫、卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌及び表皮癌からなる群から選択される過剰増殖性疾患を有する、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記対象が、多発性硬化症、乾癬、肺の炎症、全身性エリテマトーデス、血栓症、髄膜炎、脳炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、及びアテローム性動脈硬化からなる群から選択される炎症性疾患を有する、請求項39に記載の使用。
【請求項42】
癌転移の抑制を必要とする対象の癌転移を抑制する医薬を調製するための、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
キナーゼタンパク質の阻害を必要とする、過剰増殖性疾患又は炎症性疾患を有する対象の治療等の治療のための、請求項1〜29のいずれか1項に記載の開示されるタンパク質キナーゼ、又はその医薬として許容される塩の使用。
【請求項44】
前記タンパク質キナーゼが、VEGFR3、VEGFR2、Flt-3、又はPDK-1である、請求項40に記載の使用。
【請求項45】
治療において使用する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩。
【請求項46】
有効量の請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物、及び医薬として許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬化合物。

【公表番号】特表2011−510004(P2011−510004A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543142(P2010−543142)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/000291
【国際公開番号】WO2009/094123
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】