ツールへの直接載せ方法
本発明は、容器輸送及び搭載システムを含む。システムは、一般的に、物品をツール及び容器輸送システムに差出すための載せポート部を含む。一実施形態では、載せポート部は、載せポート部を通過してFOUPを水平方向に移動させるコンベヤからFOUPを載せたり下ろしたりするように構成された垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を含む。別の実施形態では、載せポート部は、載せポート部を通過するシャトルから容器を載せたり下ろしたりするように構成された垂直方向に移動可能な支持構造体を含む。載せポート部及び容器輸送システムの様々な実施形態は、従来の容器輸送システムに優る改良点である。本発明はまた、載せポート部が容器をそこから載せたり下ろしたりすることができる複数の容器を同時に輸送するためのシャトルを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、自動的な材料取扱いシステム(AMHS: automated mechanical handling system)に関する。より具体的には、本発明は、容器を容器輸送システムから直接載せたりそれに下ろしたりすることができ且つ垂直方向に移動可能な容器支持構造体を有する載せポート部を有する。
【背景技術】
【0002】
前面開放統合ポッド(FOUP: Front Opening Unified pod)及び標準機械的インタフェース(SMIF: Standard Mechanical Interface)ポッド等の容器を、半導体製造設備内の処理ツール及び載せポート部まで配送することは、コストがかかる。FOUPを処理ツール間で配送する1つの方法は、オーバーヘッド輸送(OHT: overhead transport)システムである。OHTシステムは、FOUPを、製造設備用床から約900mmの高さのところにある載せポート部の運動プレートの上に下降させる。FOUPを例えば処理ツールの載せポート部まで配送するために、OHTシステムは、高性能の天井取付け軌道及びケーブル巻上げ機車両を使用する。FOUPを処理ツール間で迅速に輸送するために、水平方向移動、ケーブル巻上げ機延長、及び一方向作動の組合せを調整しなければならない。輸送車両は、処理ツールに最良の効率で載せられたりそれから下ろされたりする必要がある時に直ちに利用可能でなければならない。
【0003】
OHTシステムは、多くの場合、設備の天井部分に取付けられ、従って、処理ツール及び載せポート部の上方に位置する。処理ツールが典型的に床取付け装置であるので、OHTシステムは、製造設備内の自由空間を利用する。天井に取付けられたOHTシステムは、容器をOHT軌道と例えば載せポート部との間のかなりの距離にわたって上昇させたり下降させたりする必要がある。軌道に沿ってFOUPを移動させることから生じる任意の粒子が、下に位置する処理ツール領域上に落ち、ウェーハを損傷する可能性があると考えられるので、OHTシステムは、非常に高い清浄度性能を有することが好ましい。
【0004】
半導体製造設備において、容器を処理ツールの間の設備用床に沿って移動するために、軌道案内車両(RGV: rail guided vehicle)及び自動案内車両(AGV: automatic guided vehicle)が、多くの場合に利用される。RGV及びAGVは、それにメンテナンスの目的でアクセスすることがOHTシステムよりも容易であり、通常は、天井取付け型OHTシステムよりもコストがかからない。RGV又はAGVによって生じた粒子が載せポート部の基準面よりも下に留まるので、粒子管理も簡素化される。しかしながら、RGV及びAGVは、半導体製造設備では割高な貴重な床空間を占めることになる。
【0005】
ウェーハを処理ツールに床ベースの輸送システム及びOHTシステムの両方によって配送することによって、半導体設備におけるウェーハ処理量を向上させ得る。例えば、隣接した処理ツール間の多数の容器の配送が床ベースの輸送システムによって取り扱われている間、OHTシステムは、FOUPを処理ツールまで配送することができる。これは、例えば、処理ツールが、全てのFOUPの第1のウェーハをベイにおいて測定ツールで試験すベきことを要求する場合である。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,419,438号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、半導体製造設備において改良されたFOUP配送システムの必要が存在する。本発明は、FOUP配送のコストを軽減し、FOUP配送の精度を高め、設置及びメンテナンスを簡素化し、清浄度性能を改良し、かつ従来のFOUP輸送システムに関連する遅れを縮めるFOUP配送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面は、容器をツールとコンベヤの間で効率的に移動させる輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、垂直方向に移動可能な運動プレートを有する載せポート部を提供する。載せポート部は、容器を、例えばコンベヤから直接持上げ、容器がその輸送中及び処理ツールへの載せ作業中に取扱われる回数を低減する。
【0009】
本発明の別の側面は、OHTシステムを補完し、且つベイ(例えば、処理ツールの列)又は製造設備全体のための主なAMHSとして機能する輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、容器を製造設備の中を輸送するための床取付け型コンベヤを含む。各載せポート部は、容器をコンベヤから直接載せたりそれから下ろしたりするための垂直方向に移動可能な支持プレートを含む。別の実施形態では、支持プレートは、支持プレートを水平方向に移動させるためのキャリア前進プレート組立体を含む。コンベヤはまた、設備用床と同一平面であってもよいし、設備用床よりも下にあってもよいし、設備用床よりも上にあってもよい。本発明の他の実施形態は、容器を製造設備の中を輸送するRGV、AGV及び有人案内車両(PGV: person guided vehicle)を利用する。
【0010】
本発明の更に別の側面は、保守することが容易である輸送及び配送システムを提供することである。OHTシステムは、設備用床から離れて高く位置する。従って、OHTシステムは、床ベース型輸送システムほどアクセスすることが容易ではない。一実施形態では、コンベヤは、設備用床に取付けられる。保守要員は、メンテナンス目的でコンベヤに容易にアクセス可能である。別の実施形態では、載せポート部は、設備用床の下に位置するコンベヤにアクセスするための2段垂直方向リフトを有し、リフトが上昇位置にあるとき、載せポート部は、設備用床よりも完全に上に位置する。このコンパクトな段では、載せポート部は、処理ツールから取外され、コンベヤの上に持上げられる。
【0011】
本発明の更に別の側面は、安全性を備えた輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、コンベヤを設備の残部から分離する安全レールを含む。安全レールは、移動している容器にツール作業者が接触することを防止する障壁を構成する。本発明の別の実施形態は、コンベヤを隔離チューブ内に包囲する。チューブはまた、移動している容器にツール作業者が接触することを防止し、それと同時に、容器又は物品を設備の残部及び関連粒子の影響から隔離するのがよい。床ベース型輸送システム(例えば、コンベヤ、RGV、AGV)はまた、容器がOHTシステムから落ちたり作業者を傷つけたりする懸念を排除する。
【0012】
本発明の別の側面は、従来の載せポート部及び床ベース型容器輸送システム(例えば、AGV)によって占められる設置面積と同様か又はそれよりも小さい設置面積を占める床ベース型輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、床取付け型コンベヤ及び載せポート部を含み、一般的に、従来の載せポート部だけによって占められる設置面積と同じ設置面積を占める。別の実施形態では、本発明は、シャトル及び載せポート部を含み、設備用床上の小さな設置面積しか占めない。
【0013】
本発明の別の側面は、ウェーハの一体性に妥協することなしに、清浄性能を改良する容器輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、容器は、各載せポート部の容器プレート前進組立体の下を通るコンベヤに沿って輸送される。別の実施形態では、シャトルが、容器を設備用床に沿って各載せポート部の基準面よりも下で輸送する。更に別の実施形態では、容器は、設備用床に沿って移動し且つ容器プレート前進組立体の下の各載せポート部を通るAGV又はRGVによって輸送される。これらの輸送システムによって発生した粒子は、設備用床に落ち、処理ツールによって処理されているウェーハを汚染しない。
【0014】
本発明の別の側面は、既存システムと共に効率的に稼働させために、既存の処理ツール、製造設備レイアウト、又は製造ソフトウエアに大幅な修正を必要としない輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、載せポート部は、BOLTSインタフェース(SEMI規格E63)又は提案されたBOLTS−Light規格によって処理ツールの前端部に固定される。制御装置が、典型的には容器プレート前進組立体の下のハウジング内に位置し、載せポート部の内側に移転される。すなわち、処理ツールは、本発明による載せポート部を収容するのに全く修正する必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
半導体製造装置材料協会(SEMI)は、半導体ウェーハ製造設備のための規格を作成した(http://www.semi.org参照)。SEMI規格は、半導体製造設備の許容公差及びインタフェースを規定する。本明細書で説明する発明は、FOUPを取り扱うための半導体製造設備に限定されない。
【0016】
単なる例示として、本発明の様々な実施形態はまた、SMIFポッド、レチクル容器、フラットパネルディスプレイ輸送装置、又は任意その他の容器又は処理ツールを取扱うためのシステムに用いられ且つ/又は適応させられる。容器は、限定されるわけではないが、半導体基板を含む物品を支持するための任意の種類の構造体として形成される。単なる例示として、容器は、物品にアクセスすることができる開放容積を含む構造体(例えば、FPD輸送機器)、又は、機械的に開放可能な扉を有する容器(例えば、SMIFポッド及びFOUP)を含む。載せポート部は、容器を取り扱うインタフェース装置として形成される。しかし、本発明を説明する目的のために、FOUPを取り扱うための載せポート部だけを以下に参照する。
【0017】
図4及び図5は、FOUP(例えば、Asyst Tchnologies, Inc.製IsoPort(登録商標))を取り扱うための従来の載せポート部10を示している。載せポート部10は、最低でもSEMI規格E15.1、E47.1、E57、E62、E63、E64、S2−93A、S8−95及び1300Lを順守する。載せポート部10は、とりわけ、ハウジング11と、FOUP前進プレート組立体12と、運動プレート13と、ポート扉14と、開口(図示せず)を有する締結又は取付けプレート16とを有している。取付けプレート16は、処理ツール50の前端部52に、例えばBOLTSインタフェースを介して固着される。取付けプレート16は、単一構造体で構成されていてもよいし、複数部分で構成されていてもよい。ポート扉14は、閉位置(図4に示す)と開位置の間を移動する。用語「閉位置」は、ウェーハ等の物品が取付けプレート16の開口を通過しないようにするポート扉14の任意の位置を意味する。用語「開位置」は、ウェーハ等の物品が取付けプレート16の開口を通過することを可能にするポート扉14の任意の位置を意味し、ポート扉14が開口のいかなる部分も遮断しない位置を含む。
【0018】
運動プレート13は、FOUP2を受け取り且つ支持するように構成されている。運動プレート13は、とりわけ、運動ピン18と、ラッチ組立体と、FOUP検出センサとを有している。運動ピン18は、FOUPを運動プレート13上に整列させる。ラッチ組立体は、FOUPを運動プレート13に固着させる。FOUP前進プレート組立体12は、運動プレート13を載せ/下ろし位置と、FOUP扉がポート扉14の近くに配置される位置との間を水平方向に移動させる。載せ/下ろし位置において、FOUPは、例えば、OHTシステム又はAGVによって、運動プレート13上に又は運動プレート13上から移送される。運動プレート13をポート扉14に向かって移動させることにより、ポート扉がポート扉と連結したりそれから分離したりすることを可能にし、FOUP内に格納したウェーハへのアクセスを提供する。FOUP前進プレート組立体12及び運動プレート13はいずれも、垂直方向に移動しない。従って、床ベース型輸送システムは、FOUPを運動プレート13から載せたりそれに下ろしたりするための装置(例えば、ロボットアーム)を有しなければならない。
【0019】
図4は、軌道システムの設備用床に沿って移動する、RGV等の従来の床ベース型輸送システムを示している。軌道システム(輪郭30として示す)は、設備の中を移動し、最終的に、載せポート部10のハウジング11に隣接して通る。FOUPを運ぶRGVは、載せポート部10の前で止まり、FOUPを運動プレート13上に置く。次に、FOUPをポート扉14に向って前進させ、最終的には、ポート扉14がFOUP扉を取外す。
【0020】
図5は、従来の載せポート部10が、ツール50(輪郭18として示す)の前の領域を占めていることを示す。輪郭18は、殆どハウジング11から成り、全体的には、図5に図示していない幅を有する矩形容積を占め、この矩形容積は、処理ツール50の前端52から外方に延びる深さX2と、垂直方向高さX3とを有している。載せポート部10と組み合わされたAGVは、ツール50から外方に(例えば、X1+X2)延び、設備用床4の大きな設置面積を占める。
【0021】
図1〜図3は、本発明の一実施形態を示し、この実施形態は、床取付け型コンベヤ160と、載せポート部100とを有し、載せポート部100は、垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体122を有している。コンベヤ160及び載せポート部100は、従来の載せポート部10自体がツールから外方に延びている距離(例えば、X2)よりもツール101から外方に延びていない。コンベヤ160が、ツール101からFOUP前進プレート組立体122よりも外方に延びることも、本発明の範囲内にある。用語「コンベヤ」は、材料、包装体又は品物を1つの箇所から他の箇所に輸送する機械装置等の、搬送装置を意味する。単なる例示として、物品は、ローラ、空気軌道、鉄道、ベルト、又は当業技術の範囲内で知られている任意その他の手段によって、コンベヤ160に沿って移動される。
【0022】
載せポート部100は、とりわけ、運動プレート112と、ポート扉114と、取付けプレート116と、FOUP前進プレート組立体122とを有している。取付けプレート116は、好ましくは、BOLTSインタフェース、又は、提案されているSEMIのBOLTS−Lightインタフェース(本出願において後で説明する)のいずれかを介してツール101に固着され、また、開口を有している。運動プレート112は、好ましくは、3つの運動ピン118と、SEMI規格E15.1に従った能動容器押下げ機構とを有している。ポート扉114は、開位置と閉位置の間を移動する。単なる例示として、ポート扉114は、前面開放インタフェース機械規格(FIMS: Front Opening Interface Mechanical Standard)扉組立体を含む。この実施形態では、FIMS扉114は、1対の真空カップ115と、1対のラッチキー117とを有している。ラッチキー117は、FOUP扉を開閉する。真空カップ115は、2つの扉が互いに連結されるとき、FOUP扉とポート扉の間の領域を排気する。FIMS扉114は、図1に示す実施例に限定されず、他の特徴を有していてもよい。更に、載せポート部100がポート扉114を有していないことは、本発明の範囲内である。
【0023】
FOUP前進プレート組立体122は、運動プレート112を水平方向に移動させるための駆動部126を有している。運動プレート112は、FOUPの底面を支持し、FOUPを取付けプレート116の開口に対して整列させる。駆動部126は、運動プレート112を第1の位置(図2A〜2D参照)と第2の位置(図2E〜2F参照)との間で移動させる。第1の位置では、OHTシステムは、FOUP2を運動プレート112から載せたりそれから下ろしたりする。第1の位置はまた、FOUP2をコンベヤ又は他の輸送装置から配置したり除去したりするための載せ/下ろし位置に、運動プレート112を配置する。z方向駆動部120がFOUP前進プレート122をコンベヤ160まで下降させる前に、FOUP前進プレート組立体122が運動プレート112を第1の位置まで移動させてもよいし、FOUP前進プレート組立体122が垂直方向に移動している間に、運動プレート112を水平方向に移動させてもよい。
【0024】
運動プレート112が水平方向に全く移動しないことも、本発明の範囲内にある。例えば、FOUP前進プレート組立体122を垂直方向に上昇させた後、ポート扉114がFOUP扉に向かって水平方向に移動し、FOUP扉を分離してそれを取外してもよい。また、容器が機械的に開放可能な扉を持たない場合、ポート扉が全く必要でないことがある。この場合、容器をコンベヤから、ツールが物品にアクセス可能な高さまで上昇させるのがよい。
【0025】
図2Aは、一実施形態において、1対の支持体124が、FOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結することを示している。本発明は、図2Aに示す支持体124に限定されない。実際、FOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結する任意の支持機構が十分なものである。単なる例示として、単一の支持体がFOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結するのがよい。支持体124は、当業技術の範囲内で既知の任意の構造体によって、FOUP前進プレート組立体122及びz方向駆動機構120に連結されるのがよい。z方向駆動機構120は、当業技術で既知の任意の駆動組立体を有するのがよい。
【0026】
載せポート部100は、FOUP前進プレート組立体122の下に位置するハウジングを含んでおらず、このことは、従来の載せポート部と同様である(例えば、載せポート部10のハウジング11)。従って、FOUP前進プレート組立体122と設備用床4との間の領域には、障害となる構成要素がない。言い換えると、FOUP前進プレート組立体122は、実質的に垂直方向に且つ取付けプレート116に対して平行に移動することができる。本発明を説明する目的のために、FOUP前進プレート組立体122は、最大高さ(図2A参照)と最小高さ(図2B参照)の間を垂直方向に移動する。FOUP前進プレート組立体122は、これら2つの高さの間の任意の位置に移動することができる。FOUP前進プレート組立体122が、その他の高さ(例えば、取付けプレート116の開口の上)の間を移動することも本発明の範囲内である。
【0027】
FOUP2をコンベヤ160から取り上げるために、FOUP前進プレート組立体122は、最小高さ位置に配置される。そうするために、z方向駆動機構120は、FOUP前進プレート組立体122を図2Bに示す位置まで下降させる。FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置にある間、FOUP前進プレート組立体122は、好ましくは、コンベヤ160の第1のレール164と第2のレール166の間にある。FOUP前進プレート組立体122は、コンベヤ160に沿って移動するFOUP2が運動プレート112の上を障害なしに通ることができるように十分下降させられなければならない。この実施形態では、運動プレート112は、第1のレール162と第2のレール164との間に位置する前位置、即ち、ポート扉から離れた位置まで移動させられる。
【0028】
図2Cは、運動プレート112の上方で且つコンベヤ160上で完全に停止しているFOUP2を示している。FOUP2は、好ましくは、運動ピン118とFOUP2の底面のピンレセプタクルとが整列するとき、運動プレート112の上で完全に静止する。FOUP2及び運動プレート112が整列している間、z方向駆動機構120は、FOUP前進プレート組立体122を上昇させる。z方向駆動機構120がFOUP前進プレート組立体122を最大高さ位置に向かって上昇し続けると、ついには、運動プレート112がFOUP2の底面と接触し、FOUP2をコンベヤ160から持上げる(図2D参照)。FOUP2内のウェーハにアクセスするために、FOUP2と運動プレート112との間の更なる調節は必要でない。
【0029】
図2A〜図2Cに示すコンベヤ160は、FOUP2を、それが載せポート部10に達するときにFOUP扉が載せポート部に面するように輸送する。FOUP2を他の配向のコンベヤに沿って輸送することも、本発明の範囲及び精神内にある。単なる例示として、FOUP2が移動する方向にFOUP扉が面した状態で、FOUP2がコンベヤに沿って移動してもよい。この場合、FOUP前進プレート組立体122は、それがFOUP2をコンベヤ160から取り上げた後、FOUP扉が載せポート部に面するようにFOUP2を90度回転させる。
【0030】
この時点で、FOUP前進プレート組立体122は、運動プレート112をポート扉114に向かって移動させる。FOUP扉が、それを分離して取外すのに十分FOUP扉に十分近くになるまで、FOUPを前方に移動させる。単なる例示として、FOUP扉のロックを解除してFOUP扉を取外し且つFOUP及びポート扉をツール内で輸送することができるポート扉が、Asyst Technologies,Inc.に譲渡された「アラインメントピンのないFIMSインタフェース」と題する米国特許第6,419,438号(特許文献1)に説明され、この内容を本明細書に援用する。図2Fは、運動プレート112上に位置するFOUP2内のウェーハが処理されている間、製造設備内の別のFOUPが別の処理ツールまでコンベヤ160に沿って障害なしに移動することを示している。
【0031】
FOUP2は、コンベヤ160の第1のレール164及び第2のレール166に沿って移動する。図3は、FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置にある間、レールが、好ましくは、FOUP前進プレート組立体122をレール間に収容するように離間されていることを示している。図1〜図3の実施形態では、載せポート部100の前に位置するコンベヤ160の各セクションは、2つのスロット162を第1のレール164に含んでいる。各スロット162により、FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置まで下降したとき(図2B参照)、支持体124が第1のレール164を貫くことを可能にする。スロット162は、コンベヤ160に沿って移動するFOUP2が、運動プレートの上を障害なしに通り過ぎることができる位置まで、z方向駆動機構120が運動プレート112を下降させることを可能にする。支持体124を収容する第1のレール164に対する任意の修正は、本発明の精神及び範囲内である。同様に、載せポート部100が1つの支持体124を含むに過ぎない場合、第1のレール164は、スロット162を1つしか必要としない。
【0032】
図1及び図2は、床取付け型コンベヤ160のいくつかの特徴を示している。コンベヤを製造設備内の任意の高さに設置することは、本発明の範囲内にある。単なる例示として、コンベヤ160は、設備用床4の下に位置していてもよいし(例えば、図11)、設備用床4と同一平面(例えば、図10)に位置していてもよいし、載せポート部の上(図示せず)に位置していてもよい。
【0033】
載せポート部に対するコンベヤシステムの高さに関わらず、FOUP2が載せポート部100に達したときにFOUP扉6がポート扉に面するように、各FOUP2がコンベヤ160に沿って移動することが好ましい。しかしながら、FOUPは、他の配向のコンベヤに沿って移動し、最終的に、ポート扉に面するように回転させられてもよい。いずれにしても、各FOUP2がコンベヤと載せポート部の間で取扱われる回数は、大いに減少する。例えば、FOUPがコンベヤからFOUP前進プレート組立体によって持上げられた後、ウェーハにアクセスする前に、FOUPを再び整列させる必要はない。FOUPは、コンベヤから持上げられており、例えばRGVシステムに必要なロボットアームによって取扱われる必要はない。載せポート部100は、追加の取扱い工程をなくし、それにより、コンベヤ又は他の輸送装置から載せポート部までのFOUPのより速い移送を実現し、FOUP2の取扱いを最小にする。
【0034】
従来の載せポート部は、床ベース型FOUP輸送システムがFOUPをFOUP前進プレート組立体122の下に直接輸送することを許さない。ハウジング11がFOUP前進プレート組立体と設備用床4との間の空間全体を占めている。図8〜図11は、本発明による載せポート部100と共に使用するためのFOUP輸送システムの実施例を示す。しかしながら、他のFOUP輸送システムも、本発明の精神内及び範囲内にある。
【0035】
図8は、設備用床4の上に上昇させたコンベヤ160を示す。このコンベヤ160は、各載せポート部におけるSEMI指定PGVドッキング領域「トウキック」のための空間を有している。このコンベヤ160は、FOUP2をコンベヤ160(位置B)とFOUP前進プレート組立体122の最高位置(位置A)との間で移動させるのに必要なz方向ストロークを最小にする。設備用床4が適所に留まり、且つ、床タイルとの整列が必要ないので、コンベヤの設置は簡単である。
【0036】
図9は、薄型コンベヤ160を示す。この薄型コンベヤ160は、ツール作業者のためのステップオーバー領域を容易に有する。FOUPは、上述したように、位置Aと位置Bの間を移動させられる。ステップオーバー領域により、例えば、フェンス又はレール150が切欠き部分(図1を参照)を有する場合、作業者がコンベヤ160の上を徒歩で通行することを可能にする。薄型コンベヤはまた、作業者が、例えば載せポート部100の保守のために、載せポート部100をコンベヤの上に持上げることを容易にする。
【0037】
図10は、設備用床4の中に埋込まれたコンベヤ160を示す。この実施形態では、FOUP2の底面3は、実質的に床レベルでコンベヤ160に沿って移動する。コンベヤ160は、載せポート部100の前へのアクセスを妨げない。図8及び図9に示すコンベヤと比較して、コンベヤ160(位置B)と最高位置(位置A)との間のz方向ストロークの必要が増大し、床4は、コンベヤ160のための部屋を許すように修正されなければならない。しかしながら、この埋込み式コンベヤ160は、いくつかの利点を有する。コンベヤ160のホイールは、例えば、処理ツール101の間に位置する領域内の設備用床4内に低く引っ込められ、それにより、徒歩通行でコンベヤ160上を容易に歩くことを可能にし、また、装置をコンベヤ160の上方で転がすことを可能にする。変形例として、一時的なプレートを、ホイールのためのクリアランスを設けてコンベヤ160の上に配置してもよく、それにより、徒歩通行及び装置の容易な転がしを可能にする。
【0038】
図11は、設備用床4の下に位置するコンベヤ160を示す。この実施形態は、コンベヤ160によって完全に邪魔されることなしに、徒歩通行及び装置の転がりを可能にする。この実施形態におけるコンベヤ160(位置B)と最高位置(位置A)との間のz方向ストローク要件は、図8〜図10に示すコンベヤよりも遥かに大きい。
【0039】
図13〜図16は、設備用床(図11参照)の下に位置するコンベヤと共に用いるために位置Aと位置Bの間でFOUP前進プレート組立体222を移動させるための2段「伸縮式」z方向機構220の実施形態を示す。引込んだ機構240は、それが引込み位置にあるときに設備用床4の上に位置することが好ましい。この特徴により、載せポート部200の容易な取外しを可能にする。伸縮式z方向機構220はまた、第2のz方向ガイド242が作動されない限り、床取付け型コンベヤ160を有する製造設備に用いられる。載せポート部100と同様、FOUP前進プレート組立体222は、位置Aまで上昇させられ、それにより、FOUPがコンベヤ160に沿って移動し且つFOUP前進プレート組立体222の下を通ることを可能にする。
【0040】
図13〜図15は、2つの処理ツール101を示す。各処理ツール101は、2つの載せポート部200を含む。上述した載せポート部と同様、各載せポート部は、I/Oポート215を有する取付けプレート216と、ポート扉214と、運動プレート212と、z方向駆動機構220とを有している。z方向駆動機構220は、FOUP前進プレート組立体222をI/Oポート215とコンベヤ160の間で垂直方向に移動させる。z方向駆動機構220は、2段機構を有し、この2段機構は、第1段駆動機構(FSD)240と、第2段駆動機構(SSD)242とを有している。第1段駆動機構(FSD)240は、FOUP前進プレート組立体222をI/Oポート215と設備用床4の間で垂直方向に移動させる。第2段駆動機構(SSD)242は、FSD240を設備用床4とI/Oポート215の間で垂直方向に移動させる駆動部組立体を有している。一実施形態では、SSD242は、FSD240の背面チャンネル250内に着座し、FSD240のためのガイドを構成する。しかしながら、本発明は、この構造に限定されない。FSD240がその完全上昇位置に配置されるとき、FSD240が取付けプレート216よりも下に延びないことが好ましい。この特徴により、載せポート部200が処理ツール201から容易に取外されることを可能にする。
【0041】
図16及び図17は、高さを低くした取付けプレート216を有する載せポート部200を示す。高さを低くした取付けプレート216は、上述した取付けプレート116と同様、処理ツール101にBOLTSインタフェースを介して固着されている。しかしながら、この取付けプレート216は、それが処理ツールに固着されているとき、設備用床4まで下方に延びていない。その代わりに、取付けプレート216の底面と設備用床4との間に、隙間が残る。この隙間は、載せポート部200全体を処理ツールから取外す必要なしに処理ツールを保守するアクセスポートを構成する。アクセスポートは、通常、作動中に粒子がアクセスポートを通って処理ツールに入らないように、処理ツールに固着されたブランクプレート(図示せず)によってカバーされている。処理ツールへのアクセスが必要な時はいつでも、ブランクプレートを取外すことができる。高さを低くした取付けプレート216はまた、作業者が載せポート部を処理ツールから取外して、載せポート部を床ベース型輸送システムよりも上に持上げることを可能にする。例えば、ブランクプレートを処理ツールに固着させたまま、取付けプレート216を処理ツールから取外してもよく、それにより、載せポート部を取扱うのに載せポート部をより軽くする。
【0042】
図16は、容器がトンネル190内において設備の中を輸送されてもよいことを示している。トンネル190は、アクセスポートを有し、FOUPを得るために、FOUP前進プレート組立体122をアクセスポートを通してトンネル190内に下降させることを可能にすることが好ましい。トンネル190が、FOUP前進プレート組立体122の垂直方向移動経路を包囲する垂直方向セクションを含むことも、本発明の範囲内にある。これらの垂直方向セクションは、開放した容器又はカセットを設備の中で輸送する輸送システムに対して有用である。この実施形態では、容器の移動経路全体は、設備の残部から隔離される。開放した容器を輸送する垂直方向トンネルセクションも、物品マッピング機能を有するのがよい。例えば、垂直方向トンネルセクションは、容器が垂直方向に移動可能な支持プレートによって開口に向かって持上げられるとき、容器内の各ウェーハの位置を決定する光学走査組立体を含むのがよい。
【0043】
図18及び図19は、I/Oポート315とコンベヤ160(又は他のFOUP輸送装置)との間を垂直方向に移動するFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部の更に別の実施形態を示す。この実施形態では、載せポート部300は、FOUP前進プレート組立体322と、運動プレート312と、ポート扉314と、I/Oポート315を有する取付けプレート316とを含む。この実施形態では、取付けプレート316は、処理ツール101にBOLTS−Lightインタフェースを介して固着されている。
【0044】
z方向駆動機構320は、FOUP前進プレート組立体322をI/Oポート315とコンベヤ160との間で垂直方向に移動させる。z方向駆動機構320は、第1のz方向ガイド302と、第2のz方向ガイド304とを有している。各z方向ガイドは、I/Oポート315の側において、取付けプレート316に固着されている。各z方向ガイドはまた、取付けプレート316と一体に形成されるのがよい。z方向駆動機構320はまた、1対のz方向レールを含む。この実施形態では、第1のz方向レール306は、第1のz方向ガイド302内を移動し、第2のz方向レール308は、第2のz方向ガイド304内を移動する。z方向レール306、308の少なくとも一方は、FOUP前進プレート組立体322に固着されている。従って、z方向レール306、308を移動させることは、FOUP前進プレート組立体322をI/Oポート315とコンベヤ160との間で垂直方向に移動させることである。コンベヤ160は、好ましくは、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体322を収容するように修正される(例えば、スロット162)。図18及び図19に示す載せポート部300は、FOUP前進プレート組立体322を床取付け型コンベヤまで下降させる。z方向機構301はまた、メンテナンスを容易にするために、z方向ガイド302、304及び駆動機構(図示せず)を設備用床4の上方に保ちながら、床下コンベヤ適用例のためのより長い移動ストロークに適合するように用いられる。
【0045】
図8〜図11は、コンベヤと設備の残部との間の物理的構造体を構成する障壁150の一実施形態を示す。障壁150は、コンベヤ160に沿ったFOUPの移動との干渉を防止する。別の実施形態では、コンベヤ160は、トンネル190によって設備から隔離される(図18参照)。トンネル190は、載せポート部に隣接して配置されているところにおいて、その上面に開口を含むことが好ましい。トンネル190の開口により、コンベヤ160上を移動するFOUPへのFOUP前進プレート組立体のアクセスを可能にする。
【0046】
これらのコンベヤは、FOUPを半導体製造設備の中で輸送する。好ましい実施形態では、各FOUPは、最上位置に位置する各FOUP前進プレート組立体122の下方においてコンベヤに沿って移動する。輸送装置を各載せポート部の基準面よりも下に配置することは、コンベヤ160によって発生した粒子の影響を最小にする。
【0047】
図20〜図24は、2つのFOUPを支持すると同時に軌道420に沿って輸送するためのシャトル400の一実施形態を示す。シャトル400が2つよりも多い又は少ないFOUPを保持することは、本発明の範囲内にある。この実施形態では、シャトル400は、2組の支持体402を含み、支持体の各組は、単一のFOUP2を支持する。各支持体402は、好ましくは、垂直部材408によって上支持体406から分離した下支持体404を含む。上支持体及び下支持体は、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体122と共に載せポート部を通るシャトル400が邪妨害されることなしに載せポート部を通るように分離される。上支持体406は、FOUPの底面を最小の接触状態で支持するように構成される。
【0048】
シャトル400はまた、垂直方向に移動するFOUP前進プレート組立体122を収容する。例えば、上支持体406は、好ましくは、FOUP前進プレート組立体122の幅よりも大きい距離だけ分離される。シャトル400が載せポート部の前で静止するとき、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体122は、上支持体406と下支持体404の間に位置し、垂直方向支持体408と干渉しない。
【0049】
FOUPをシャトル400から載せポート部100の運動プレート112に移送するために、最初、FOUP前進プレート組立体122を最下位置まで下降させる。次に、シャトル400を、載せポート部100の前の軌道420上で静止させる。この時点で、FOPU2の底面の運動ピン用の溝は、好ましくは、運動プレート112上の運動ピン118と整列する。次に、FOUP前進プレート組立体122を、最上位置まで上昇させる。最終的に、FOUP2を運動プレート112に係合させ、シャトル402の上支持体406から持上げる。好ましい実施形態では、FOUPを取付けプレート16に向かって移動させて、FOUP扉6を取外すために、FOUP2と運動プレート112との間の更なる調節は必要ない。
【0050】
レール420は、コンベヤ又は従来の軌道等の当該技術の範囲内で既知の任意の機構を有するのがよい。レール420はまた、多くの高さで製造設備内に取付けられてもよい。例えば、レール420は、設備用床4に対して同一平面に取付けられてもよいし、それよりも下に取付けられてもよいし、それよりも上に取付けられてもよい。シャトル400を上昇させないならば、シャトル400は、好ましくは、レール420の上の作業者の徒歩通行を可能にする低輪郭を有する。
【0051】
シャトル400は、任意の種類のレールに沿って移動するのがよい。単なる例示として、レール420は、1次駆動レール422と、2次支持レール424とを有する。図20〜図24に示すシャトル400は、2つの300mmFOUP2A、2Bを同時に輸送することができる。シャトルが2つ又はそれよりも多くのFOUPを運ぶことは、本発明の精神内及び範囲内にある。FOUP2A及び2Bを1つのシャトル400で同時に輸送することにより、より柔軟性のある配送シーケンスを可能にし、バッファ機能の利点をもたらす。例えば、2つのポッドシャトル400は、「高速スワップ(fast swaps)」を行う機能を有する。言い換えれば、シャトル300は、第1のFOUP2Aを載せポート部100Aから空の支持体402の上に回収し、次に、第2のFOUP2Bをシャトル400から同じ載せポート部100Aに載せる。これにより、最終FOUPを未処理ウェーハを有する新しいFOUPと交換するのに必要な時間(例えば、FOOUP内のウェーハが処理段階を終える)が非常に短いと考えられるので、各処理ツール101に必要な載せポート部100の数を低減させる。
【0052】
従来の処理ツールは、しばしば、別の載せポート部が処理中のFOUPを保持する間、載せポート部からそれを除去するように、仕上げ済みFOUPが着座してAMHS(例えば、OHTシステム)がFOUPを載せポート部から取外すことを待つことができるように且つ新しいFOUPが第3の載せポート部にAMHSから載せられることができるように、多数の載せポート箇所を有する。例えば、図16は、2つの載せポート部、すなわち、第1の載せポート部100Aと第2の載せポート部100Bとを有する処理ツール101を示す。2つの載せポート部を有することにより、AMHSによるゲート動作なしに連続ツール作動を可能にする。高速スワップシャトル400であれば、連続ツール作動を達成するのに、第3の載せポート部は不必要である。
【0053】
3つ又は4つのFOUPを収容することができるシャトル400は、各ツールにおいて高速スワップで順次2つ又は3つの処理ツールを保守することができる。シャトルはまた、起点、恐らくはストッカーから3つ又は4つのFOUPを取ることができ、FOUPを連続して1つのトリップ内の3つ又は4つのツールに配送することができる。例えば、いくつかのFOUPは、ベイを上がって北向きの行程中(例えば、処理ツール101Aから処理ツール101Bに移動するシャトル400)、様々なツールから載せられたり下ろされたりする。ベイは、限定するわけではないが、一列に配置された多数のツールとして定められる。次に、シャトル400は、逆方向に移動し(処理ツール101Bから処理ツール101Aに移動するシャトル400)、いくつかのFOUPは、南向きの行程中、様々なツールから載せられたり下ろされたりする。
【0054】
レールシステムは、シャトル400を設備用床4上で、設備用床4の上方で、設備用床4の下方で、ベイの間で及びベイ内で様々な経路に沿って移動させるために、分岐したり、湾曲したり、斜めに上ったり、斜めに下がったりする。全てのシャトル400は、基準に対するポッド位置の観点で、同一に作られる。これにより、ロボットアームを組み込む最新のAGVが必要とするツールの「ティーチング(teaching)」をなくす。このことは、シャトルを取外したり置換したりする有用性及び時間を改善する。
【0055】
シャトル400は、例えば、チューブ190に包囲された時又はフェンス150の背後にあるときだけ、高速で移動してもよい。囲いがない領域では、例えば、徒歩通行横断を可能にするために、シャトル400は、より低速のモードで移動し、衝突を回避するために、前方監視センサを有し又は光のカーテンの背後を移動するのがよい。徒歩通行との交差点は、物理的ゲートを有していてもよいし、徒歩通行がレールを通り過ぎてもよいかどうかを指示する交通信号システムを有していてもよい。
【0056】
無レールシャトル、すなわち、AGVは、床、天井、壁上、又は載せポート部及び同様の構造体上に設置した基準に対して床上の可視線に従い、操縦される(例えば、推測式)。無レールシャトルは、徒歩通行及び機器ローリングのために床を邪魔されないままに残すこと、レールの費用を排除すること、隣接ツール間の直線的な動きに対してシャトル運動を制限しないことのようないくつかの恩典をもたらす。例えば、無レールシャトルは、通路の反対側に位置する連続処理段階を実施するツール間でFOUPを輸送するためにベイ通路を横切ることができ、シャトルは、必要に応じて互いを追い越すことができると考えられる。更に、個々のツールは、保守のためのラインから外すことができ、無レール車は、この保守中に載せポート部領域の周囲で簡単に方向を変えることができる。最新式車は、工場全体を操縦し、エレベータに入り、ツール作業者によって占められた通路も同様に下りることができる。
【0057】
図25〜図27は、載せポート部が、FOUPを水平に移動させるための容器前進組立体又はポート扉のいずれかを有する必要なく、2つの高さの間でFOUPを水平にただ移動させる必要がある可能性があることを示している。例えば、図25は、載せポート部500が、とりわけ、開口517及び垂直方向に移動可能な支持構造体522を有する取付けプレート516を含むことを示している。上述の実施形態と同様、載せポート部500はまた、支持構造体522をコンベヤ560と開口517の間で垂直方向に移動させるための機構を含む。図25の実施形態は、FOUPの底面に接触するための2つの支持体を有する支持構造体522を示している。
【0058】
図25に示すコンベヤ560は、支持構造体522を収容するために各載せポート部500のところで3つのセクションに分割される。単なる例示として、コンベヤ560は、中央セクション562と、左セクション564と、右セクション568とを有している。この実施形態の各コンベヤセクションは、ベルト568と、1対のローラ570とを有している。一実施形態では、図25に示すように、コンベヤ560の中央セクション562の一部であるローラ570は、取付けプレート516に回転可能に取付けられている。
【0059】
コンベヤ560の各セクションは、互いに分離され、コンベヤの各セクション間に隙間を形成する。この隙間により、支持構造体522がコンベヤ560の下を移動すること、及び、FOUPがコンベヤ560の中央セクション562に到着するのを待つことを可能にする。FOUPが中央セクション562に到着して静止した後、支持構造体522は、FOUPの底面に係合するように垂直方向に上昇し、FOUPをコンベヤ560から持上げるのがよい。
【0060】
図26は、載せポート部600及びコンベヤ660を有する輸送及び配送システムを示す。載せポート部600は、とりわけ、取付けプレート616と、支持構造体622と、支持構造体622を垂直方向に移動させるための機構620とを有している。この実施形態では、支持構造体622は、構造体を含み、この構造体は、第1の支持体624と、第2の支持体626と、第3の支持体628とを有している。各支持体は、その遠位端のところに運動ピン618を有している。この構造体は、載せポート部100の運動プレート112に置き換わる。単なる例示として、コンベヤ660は、レール662と、多数の片持ちローラ664とを有している。図26Bに示すように、支持構造体622の各支持体624、626、628は、支持構造体622をローラ664よりも下に下降させることができるように、1対の隣接したローラ664の間を通ることができる。FOUPは、好ましくは、支持構造体622上の運動ピン618と整列したFOUPの底面の運動溝と共にローラ664上で静止する。次に、支持構造体622を垂直方向に上昇させ、FOUPの底面に係合させ、FOUPを所定の高さまでコンベヤ660から持上げる。
【0061】
図27は、別の輸送及び配送システムを示し、この輸送及び配送システムは、載せポート部700と、コンベヤ760とを有している。載せポート部700は、とりわけ、開口716及びスロット724を有する取付けプレート716と、支持構造体722とを有している。この実施形態では、支持構造体722は、好ましくは、開口717とコンベヤ760の間で垂直方向にのみ移動する。しかしながら、支持構造体722が水平方向にも移動することは、本発明の範囲内にある。支持構造体722は、限定するわけではないが、FOUPを支持するための運動プレート又は任意その他の容器支持機構を含む容器を支持する任意の構造体を含むことができる。コンベヤ760は、各ローラ764の両端に位置する回転可能ホイール766を有する片持ちローラ764を有するレール762を含む。この実施形態では、ローラ764は、好ましくは、容器との接触を最小にするためにホイール766だけで容器とは接触しない。
【0062】
載せポート部700のすぐ前に位置する容器を支持するために、2つのホイール766が、載せポート部700の取付けプレート716に回転可能に取付けられる。これら2つのホイールは、受動ホイールであってもよいし、駆動ホイールであってもよい。載せポート部700の前のセクションのためのコンベヤ760上のローラ764をなくすことにより、支持構造体722をホイール766の下に下降させることを可能にする。この時点で、容器が載せポート部700の前で静止するとき、次に、支持構造体722を上昇させて、容器をコンベヤ760から持上げる。図25〜図27に示す支持構造体及びコンベヤは、交換可能である。
【0063】
コンベヤと載せポート部の間のFOUP輸送のための上述した機構及び方法は、説明だけの目的のものであり、それによって本発明が限定されないことを認識すべきである。かくして、FOUP輸送のための方法及びシステムの好ましい実施形態を説明したので、システム内の一定の利点が達成されたことが当業者に明らかなはずである。様々な修正例、適用例及び変形例の実施形態は、本発明の範囲内及び精神内で行うことができることも認識すべきである。例えば、コンベヤの用途は、半導体製造設備内で示されているが、上述した本発明の概念の多くは、他の半導体製造用途以外の使用に等しく適用可能であると考えられることは明らかであるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態の斜視図である。
【図2A】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2B】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2C】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2D】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2E】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2F】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図3】最下位置に位置するFOUP前進プレート組立体をどのようにコンベヤが収容するかを更に示す、図2A〜図2Fに示した本発明の実施形態の平面図である。
【図4】従来技術の処理ツールに取付けられた従来の載せポート部の平面図である。
【図5】従来技術の従来の載せポート部の輪郭を示す平面図である。
【図6】本発明による載せポート部の輪郭を示す、本発明の実施形態の平面図である。
【図7】容器輸送システムのためにFOUP前進プレート組立体の下に割当てられた空間を示す、図6に示した実施形態の平面図である。
【図8】コンベヤシステムの実施形態を示す、本発明の別の実施形態の平面図である。
【図9】床取付け型コンベヤシステムを有するシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図10】設備用床に組み込まれたコンベヤを有するシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図11】床下コンベヤシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図12】載せポート部の移動範囲を示す、本発明の実施形態の平面図である。
【図13】本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図14】図13に示したシステムにおける、本発明の実施形態の平面図である。
【図15】図13に示したシステムにおける、本発明の実施形態の正面図である。
【図16】設備から隔離された容器輸送システムを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図17】高さを低くした2段の垂直方向駆動装置を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図18】載せポート部の更に別の実施形態を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19】図18に示す載せポート部の斜視図である。
【図20】2つのツール間でFOUPを移動させるためのウェーハシャトルの実施形態を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図21】図20に示した実施形態の平面図である。
【図22】ウェーハシャトルの別の実施形態の斜視図である。
【図23】図22に示すウェーハシャトルの正面図である。
【図24】図22に示すウェーハシャトルの平面図である。
【図25】容器を移動可能に支持するためのベルトを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図26A】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の図である。
【図26B】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の図である。
【図27】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、自動的な材料取扱いシステム(AMHS: automated mechanical handling system)に関する。より具体的には、本発明は、容器を容器輸送システムから直接載せたりそれに下ろしたりすることができ且つ垂直方向に移動可能な容器支持構造体を有する載せポート部を有する。
【背景技術】
【0002】
前面開放統合ポッド(FOUP: Front Opening Unified pod)及び標準機械的インタフェース(SMIF: Standard Mechanical Interface)ポッド等の容器を、半導体製造設備内の処理ツール及び載せポート部まで配送することは、コストがかかる。FOUPを処理ツール間で配送する1つの方法は、オーバーヘッド輸送(OHT: overhead transport)システムである。OHTシステムは、FOUPを、製造設備用床から約900mmの高さのところにある載せポート部の運動プレートの上に下降させる。FOUPを例えば処理ツールの載せポート部まで配送するために、OHTシステムは、高性能の天井取付け軌道及びケーブル巻上げ機車両を使用する。FOUPを処理ツール間で迅速に輸送するために、水平方向移動、ケーブル巻上げ機延長、及び一方向作動の組合せを調整しなければならない。輸送車両は、処理ツールに最良の効率で載せられたりそれから下ろされたりする必要がある時に直ちに利用可能でなければならない。
【0003】
OHTシステムは、多くの場合、設備の天井部分に取付けられ、従って、処理ツール及び載せポート部の上方に位置する。処理ツールが典型的に床取付け装置であるので、OHTシステムは、製造設備内の自由空間を利用する。天井に取付けられたOHTシステムは、容器をOHT軌道と例えば載せポート部との間のかなりの距離にわたって上昇させたり下降させたりする必要がある。軌道に沿ってFOUPを移動させることから生じる任意の粒子が、下に位置する処理ツール領域上に落ち、ウェーハを損傷する可能性があると考えられるので、OHTシステムは、非常に高い清浄度性能を有することが好ましい。
【0004】
半導体製造設備において、容器を処理ツールの間の設備用床に沿って移動するために、軌道案内車両(RGV: rail guided vehicle)及び自動案内車両(AGV: automatic guided vehicle)が、多くの場合に利用される。RGV及びAGVは、それにメンテナンスの目的でアクセスすることがOHTシステムよりも容易であり、通常は、天井取付け型OHTシステムよりもコストがかからない。RGV又はAGVによって生じた粒子が載せポート部の基準面よりも下に留まるので、粒子管理も簡素化される。しかしながら、RGV及びAGVは、半導体製造設備では割高な貴重な床空間を占めることになる。
【0005】
ウェーハを処理ツールに床ベースの輸送システム及びOHTシステムの両方によって配送することによって、半導体設備におけるウェーハ処理量を向上させ得る。例えば、隣接した処理ツール間の多数の容器の配送が床ベースの輸送システムによって取り扱われている間、OHTシステムは、FOUPを処理ツールまで配送することができる。これは、例えば、処理ツールが、全てのFOUPの第1のウェーハをベイにおいて測定ツールで試験すベきことを要求する場合である。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,419,438号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、半導体製造設備において改良されたFOUP配送システムの必要が存在する。本発明は、FOUP配送のコストを軽減し、FOUP配送の精度を高め、設置及びメンテナンスを簡素化し、清浄度性能を改良し、かつ従来のFOUP輸送システムに関連する遅れを縮めるFOUP配送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面は、容器をツールとコンベヤの間で効率的に移動させる輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、垂直方向に移動可能な運動プレートを有する載せポート部を提供する。載せポート部は、容器を、例えばコンベヤから直接持上げ、容器がその輸送中及び処理ツールへの載せ作業中に取扱われる回数を低減する。
【0009】
本発明の別の側面は、OHTシステムを補完し、且つベイ(例えば、処理ツールの列)又は製造設備全体のための主なAMHSとして機能する輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、容器を製造設備の中を輸送するための床取付け型コンベヤを含む。各載せポート部は、容器をコンベヤから直接載せたりそれから下ろしたりするための垂直方向に移動可能な支持プレートを含む。別の実施形態では、支持プレートは、支持プレートを水平方向に移動させるためのキャリア前進プレート組立体を含む。コンベヤはまた、設備用床と同一平面であってもよいし、設備用床よりも下にあってもよいし、設備用床よりも上にあってもよい。本発明の他の実施形態は、容器を製造設備の中を輸送するRGV、AGV及び有人案内車両(PGV: person guided vehicle)を利用する。
【0010】
本発明の更に別の側面は、保守することが容易である輸送及び配送システムを提供することである。OHTシステムは、設備用床から離れて高く位置する。従って、OHTシステムは、床ベース型輸送システムほどアクセスすることが容易ではない。一実施形態では、コンベヤは、設備用床に取付けられる。保守要員は、メンテナンス目的でコンベヤに容易にアクセス可能である。別の実施形態では、載せポート部は、設備用床の下に位置するコンベヤにアクセスするための2段垂直方向リフトを有し、リフトが上昇位置にあるとき、載せポート部は、設備用床よりも完全に上に位置する。このコンパクトな段では、載せポート部は、処理ツールから取外され、コンベヤの上に持上げられる。
【0011】
本発明の更に別の側面は、安全性を備えた輸送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、コンベヤを設備の残部から分離する安全レールを含む。安全レールは、移動している容器にツール作業者が接触することを防止する障壁を構成する。本発明の別の実施形態は、コンベヤを隔離チューブ内に包囲する。チューブはまた、移動している容器にツール作業者が接触することを防止し、それと同時に、容器又は物品を設備の残部及び関連粒子の影響から隔離するのがよい。床ベース型輸送システム(例えば、コンベヤ、RGV、AGV)はまた、容器がOHTシステムから落ちたり作業者を傷つけたりする懸念を排除する。
【0012】
本発明の別の側面は、従来の載せポート部及び床ベース型容器輸送システム(例えば、AGV)によって占められる設置面積と同様か又はそれよりも小さい設置面積を占める床ベース型輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、本発明は、床取付け型コンベヤ及び載せポート部を含み、一般的に、従来の載せポート部だけによって占められる設置面積と同じ設置面積を占める。別の実施形態では、本発明は、シャトル及び載せポート部を含み、設備用床上の小さな設置面積しか占めない。
【0013】
本発明の別の側面は、ウェーハの一体性に妥協することなしに、清浄性能を改良する容器輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、容器は、各載せポート部の容器プレート前進組立体の下を通るコンベヤに沿って輸送される。別の実施形態では、シャトルが、容器を設備用床に沿って各載せポート部の基準面よりも下で輸送する。更に別の実施形態では、容器は、設備用床に沿って移動し且つ容器プレート前進組立体の下の各載せポート部を通るAGV又はRGVによって輸送される。これらの輸送システムによって発生した粒子は、設備用床に落ち、処理ツールによって処理されているウェーハを汚染しない。
【0014】
本発明の別の側面は、既存システムと共に効率的に稼働させために、既存の処理ツール、製造設備レイアウト、又は製造ソフトウエアに大幅な修正を必要としない輸送及び配送システムを提供することである。一実施形態では、載せポート部は、BOLTSインタフェース(SEMI規格E63)又は提案されたBOLTS−Light規格によって処理ツールの前端部に固定される。制御装置が、典型的には容器プレート前進組立体の下のハウジング内に位置し、載せポート部の内側に移転される。すなわち、処理ツールは、本発明による載せポート部を収容するのに全く修正する必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
半導体製造装置材料協会(SEMI)は、半導体ウェーハ製造設備のための規格を作成した(http://www.semi.org参照)。SEMI規格は、半導体製造設備の許容公差及びインタフェースを規定する。本明細書で説明する発明は、FOUPを取り扱うための半導体製造設備に限定されない。
【0016】
単なる例示として、本発明の様々な実施形態はまた、SMIFポッド、レチクル容器、フラットパネルディスプレイ輸送装置、又は任意その他の容器又は処理ツールを取扱うためのシステムに用いられ且つ/又は適応させられる。容器は、限定されるわけではないが、半導体基板を含む物品を支持するための任意の種類の構造体として形成される。単なる例示として、容器は、物品にアクセスすることができる開放容積を含む構造体(例えば、FPD輸送機器)、又は、機械的に開放可能な扉を有する容器(例えば、SMIFポッド及びFOUP)を含む。載せポート部は、容器を取り扱うインタフェース装置として形成される。しかし、本発明を説明する目的のために、FOUPを取り扱うための載せポート部だけを以下に参照する。
【0017】
図4及び図5は、FOUP(例えば、Asyst Tchnologies, Inc.製IsoPort(登録商標))を取り扱うための従来の載せポート部10を示している。載せポート部10は、最低でもSEMI規格E15.1、E47.1、E57、E62、E63、E64、S2−93A、S8−95及び1300Lを順守する。載せポート部10は、とりわけ、ハウジング11と、FOUP前進プレート組立体12と、運動プレート13と、ポート扉14と、開口(図示せず)を有する締結又は取付けプレート16とを有している。取付けプレート16は、処理ツール50の前端部52に、例えばBOLTSインタフェースを介して固着される。取付けプレート16は、単一構造体で構成されていてもよいし、複数部分で構成されていてもよい。ポート扉14は、閉位置(図4に示す)と開位置の間を移動する。用語「閉位置」は、ウェーハ等の物品が取付けプレート16の開口を通過しないようにするポート扉14の任意の位置を意味する。用語「開位置」は、ウェーハ等の物品が取付けプレート16の開口を通過することを可能にするポート扉14の任意の位置を意味し、ポート扉14が開口のいかなる部分も遮断しない位置を含む。
【0018】
運動プレート13は、FOUP2を受け取り且つ支持するように構成されている。運動プレート13は、とりわけ、運動ピン18と、ラッチ組立体と、FOUP検出センサとを有している。運動ピン18は、FOUPを運動プレート13上に整列させる。ラッチ組立体は、FOUPを運動プレート13に固着させる。FOUP前進プレート組立体12は、運動プレート13を載せ/下ろし位置と、FOUP扉がポート扉14の近くに配置される位置との間を水平方向に移動させる。載せ/下ろし位置において、FOUPは、例えば、OHTシステム又はAGVによって、運動プレート13上に又は運動プレート13上から移送される。運動プレート13をポート扉14に向かって移動させることにより、ポート扉がポート扉と連結したりそれから分離したりすることを可能にし、FOUP内に格納したウェーハへのアクセスを提供する。FOUP前進プレート組立体12及び運動プレート13はいずれも、垂直方向に移動しない。従って、床ベース型輸送システムは、FOUPを運動プレート13から載せたりそれに下ろしたりするための装置(例えば、ロボットアーム)を有しなければならない。
【0019】
図4は、軌道システムの設備用床に沿って移動する、RGV等の従来の床ベース型輸送システムを示している。軌道システム(輪郭30として示す)は、設備の中を移動し、最終的に、載せポート部10のハウジング11に隣接して通る。FOUPを運ぶRGVは、載せポート部10の前で止まり、FOUPを運動プレート13上に置く。次に、FOUPをポート扉14に向って前進させ、最終的には、ポート扉14がFOUP扉を取外す。
【0020】
図5は、従来の載せポート部10が、ツール50(輪郭18として示す)の前の領域を占めていることを示す。輪郭18は、殆どハウジング11から成り、全体的には、図5に図示していない幅を有する矩形容積を占め、この矩形容積は、処理ツール50の前端52から外方に延びる深さX2と、垂直方向高さX3とを有している。載せポート部10と組み合わされたAGVは、ツール50から外方に(例えば、X1+X2)延び、設備用床4の大きな設置面積を占める。
【0021】
図1〜図3は、本発明の一実施形態を示し、この実施形態は、床取付け型コンベヤ160と、載せポート部100とを有し、載せポート部100は、垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体122を有している。コンベヤ160及び載せポート部100は、従来の載せポート部10自体がツールから外方に延びている距離(例えば、X2)よりもツール101から外方に延びていない。コンベヤ160が、ツール101からFOUP前進プレート組立体122よりも外方に延びることも、本発明の範囲内にある。用語「コンベヤ」は、材料、包装体又は品物を1つの箇所から他の箇所に輸送する機械装置等の、搬送装置を意味する。単なる例示として、物品は、ローラ、空気軌道、鉄道、ベルト、又は当業技術の範囲内で知られている任意その他の手段によって、コンベヤ160に沿って移動される。
【0022】
載せポート部100は、とりわけ、運動プレート112と、ポート扉114と、取付けプレート116と、FOUP前進プレート組立体122とを有している。取付けプレート116は、好ましくは、BOLTSインタフェース、又は、提案されているSEMIのBOLTS−Lightインタフェース(本出願において後で説明する)のいずれかを介してツール101に固着され、また、開口を有している。運動プレート112は、好ましくは、3つの運動ピン118と、SEMI規格E15.1に従った能動容器押下げ機構とを有している。ポート扉114は、開位置と閉位置の間を移動する。単なる例示として、ポート扉114は、前面開放インタフェース機械規格(FIMS: Front Opening Interface Mechanical Standard)扉組立体を含む。この実施形態では、FIMS扉114は、1対の真空カップ115と、1対のラッチキー117とを有している。ラッチキー117は、FOUP扉を開閉する。真空カップ115は、2つの扉が互いに連結されるとき、FOUP扉とポート扉の間の領域を排気する。FIMS扉114は、図1に示す実施例に限定されず、他の特徴を有していてもよい。更に、載せポート部100がポート扉114を有していないことは、本発明の範囲内である。
【0023】
FOUP前進プレート組立体122は、運動プレート112を水平方向に移動させるための駆動部126を有している。運動プレート112は、FOUPの底面を支持し、FOUPを取付けプレート116の開口に対して整列させる。駆動部126は、運動プレート112を第1の位置(図2A〜2D参照)と第2の位置(図2E〜2F参照)との間で移動させる。第1の位置では、OHTシステムは、FOUP2を運動プレート112から載せたりそれから下ろしたりする。第1の位置はまた、FOUP2をコンベヤ又は他の輸送装置から配置したり除去したりするための載せ/下ろし位置に、運動プレート112を配置する。z方向駆動部120がFOUP前進プレート122をコンベヤ160まで下降させる前に、FOUP前進プレート組立体122が運動プレート112を第1の位置まで移動させてもよいし、FOUP前進プレート組立体122が垂直方向に移動している間に、運動プレート112を水平方向に移動させてもよい。
【0024】
運動プレート112が水平方向に全く移動しないことも、本発明の範囲内にある。例えば、FOUP前進プレート組立体122を垂直方向に上昇させた後、ポート扉114がFOUP扉に向かって水平方向に移動し、FOUP扉を分離してそれを取外してもよい。また、容器が機械的に開放可能な扉を持たない場合、ポート扉が全く必要でないことがある。この場合、容器をコンベヤから、ツールが物品にアクセス可能な高さまで上昇させるのがよい。
【0025】
図2Aは、一実施形態において、1対の支持体124が、FOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結することを示している。本発明は、図2Aに示す支持体124に限定されない。実際、FOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結する任意の支持機構が十分なものである。単なる例示として、単一の支持体がFOUP前進プレート組立体122をz方向駆動機構120に連結するのがよい。支持体124は、当業技術の範囲内で既知の任意の構造体によって、FOUP前進プレート組立体122及びz方向駆動機構120に連結されるのがよい。z方向駆動機構120は、当業技術で既知の任意の駆動組立体を有するのがよい。
【0026】
載せポート部100は、FOUP前進プレート組立体122の下に位置するハウジングを含んでおらず、このことは、従来の載せポート部と同様である(例えば、載せポート部10のハウジング11)。従って、FOUP前進プレート組立体122と設備用床4との間の領域には、障害となる構成要素がない。言い換えると、FOUP前進プレート組立体122は、実質的に垂直方向に且つ取付けプレート116に対して平行に移動することができる。本発明を説明する目的のために、FOUP前進プレート組立体122は、最大高さ(図2A参照)と最小高さ(図2B参照)の間を垂直方向に移動する。FOUP前進プレート組立体122は、これら2つの高さの間の任意の位置に移動することができる。FOUP前進プレート組立体122が、その他の高さ(例えば、取付けプレート116の開口の上)の間を移動することも本発明の範囲内である。
【0027】
FOUP2をコンベヤ160から取り上げるために、FOUP前進プレート組立体122は、最小高さ位置に配置される。そうするために、z方向駆動機構120は、FOUP前進プレート組立体122を図2Bに示す位置まで下降させる。FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置にある間、FOUP前進プレート組立体122は、好ましくは、コンベヤ160の第1のレール164と第2のレール166の間にある。FOUP前進プレート組立体122は、コンベヤ160に沿って移動するFOUP2が運動プレート112の上を障害なしに通ることができるように十分下降させられなければならない。この実施形態では、運動プレート112は、第1のレール162と第2のレール164との間に位置する前位置、即ち、ポート扉から離れた位置まで移動させられる。
【0028】
図2Cは、運動プレート112の上方で且つコンベヤ160上で完全に停止しているFOUP2を示している。FOUP2は、好ましくは、運動ピン118とFOUP2の底面のピンレセプタクルとが整列するとき、運動プレート112の上で完全に静止する。FOUP2及び運動プレート112が整列している間、z方向駆動機構120は、FOUP前進プレート組立体122を上昇させる。z方向駆動機構120がFOUP前進プレート組立体122を最大高さ位置に向かって上昇し続けると、ついには、運動プレート112がFOUP2の底面と接触し、FOUP2をコンベヤ160から持上げる(図2D参照)。FOUP2内のウェーハにアクセスするために、FOUP2と運動プレート112との間の更なる調節は必要でない。
【0029】
図2A〜図2Cに示すコンベヤ160は、FOUP2を、それが載せポート部10に達するときにFOUP扉が載せポート部に面するように輸送する。FOUP2を他の配向のコンベヤに沿って輸送することも、本発明の範囲及び精神内にある。単なる例示として、FOUP2が移動する方向にFOUP扉が面した状態で、FOUP2がコンベヤに沿って移動してもよい。この場合、FOUP前進プレート組立体122は、それがFOUP2をコンベヤ160から取り上げた後、FOUP扉が載せポート部に面するようにFOUP2を90度回転させる。
【0030】
この時点で、FOUP前進プレート組立体122は、運動プレート112をポート扉114に向かって移動させる。FOUP扉が、それを分離して取外すのに十分FOUP扉に十分近くになるまで、FOUPを前方に移動させる。単なる例示として、FOUP扉のロックを解除してFOUP扉を取外し且つFOUP及びポート扉をツール内で輸送することができるポート扉が、Asyst Technologies,Inc.に譲渡された「アラインメントピンのないFIMSインタフェース」と題する米国特許第6,419,438号(特許文献1)に説明され、この内容を本明細書に援用する。図2Fは、運動プレート112上に位置するFOUP2内のウェーハが処理されている間、製造設備内の別のFOUPが別の処理ツールまでコンベヤ160に沿って障害なしに移動することを示している。
【0031】
FOUP2は、コンベヤ160の第1のレール164及び第2のレール166に沿って移動する。図3は、FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置にある間、レールが、好ましくは、FOUP前進プレート組立体122をレール間に収容するように離間されていることを示している。図1〜図3の実施形態では、載せポート部100の前に位置するコンベヤ160の各セクションは、2つのスロット162を第1のレール164に含んでいる。各スロット162により、FOUP前進プレート組立体122が最小高さ位置まで下降したとき(図2B参照)、支持体124が第1のレール164を貫くことを可能にする。スロット162は、コンベヤ160に沿って移動するFOUP2が、運動プレートの上を障害なしに通り過ぎることができる位置まで、z方向駆動機構120が運動プレート112を下降させることを可能にする。支持体124を収容する第1のレール164に対する任意の修正は、本発明の精神及び範囲内である。同様に、載せポート部100が1つの支持体124を含むに過ぎない場合、第1のレール164は、スロット162を1つしか必要としない。
【0032】
図1及び図2は、床取付け型コンベヤ160のいくつかの特徴を示している。コンベヤを製造設備内の任意の高さに設置することは、本発明の範囲内にある。単なる例示として、コンベヤ160は、設備用床4の下に位置していてもよいし(例えば、図11)、設備用床4と同一平面(例えば、図10)に位置していてもよいし、載せポート部の上(図示せず)に位置していてもよい。
【0033】
載せポート部に対するコンベヤシステムの高さに関わらず、FOUP2が載せポート部100に達したときにFOUP扉6がポート扉に面するように、各FOUP2がコンベヤ160に沿って移動することが好ましい。しかしながら、FOUPは、他の配向のコンベヤに沿って移動し、最終的に、ポート扉に面するように回転させられてもよい。いずれにしても、各FOUP2がコンベヤと載せポート部の間で取扱われる回数は、大いに減少する。例えば、FOUPがコンベヤからFOUP前進プレート組立体によって持上げられた後、ウェーハにアクセスする前に、FOUPを再び整列させる必要はない。FOUPは、コンベヤから持上げられており、例えばRGVシステムに必要なロボットアームによって取扱われる必要はない。載せポート部100は、追加の取扱い工程をなくし、それにより、コンベヤ又は他の輸送装置から載せポート部までのFOUPのより速い移送を実現し、FOUP2の取扱いを最小にする。
【0034】
従来の載せポート部は、床ベース型FOUP輸送システムがFOUPをFOUP前進プレート組立体122の下に直接輸送することを許さない。ハウジング11がFOUP前進プレート組立体と設備用床4との間の空間全体を占めている。図8〜図11は、本発明による載せポート部100と共に使用するためのFOUP輸送システムの実施例を示す。しかしながら、他のFOUP輸送システムも、本発明の精神内及び範囲内にある。
【0035】
図8は、設備用床4の上に上昇させたコンベヤ160を示す。このコンベヤ160は、各載せポート部におけるSEMI指定PGVドッキング領域「トウキック」のための空間を有している。このコンベヤ160は、FOUP2をコンベヤ160(位置B)とFOUP前進プレート組立体122の最高位置(位置A)との間で移動させるのに必要なz方向ストロークを最小にする。設備用床4が適所に留まり、且つ、床タイルとの整列が必要ないので、コンベヤの設置は簡単である。
【0036】
図9は、薄型コンベヤ160を示す。この薄型コンベヤ160は、ツール作業者のためのステップオーバー領域を容易に有する。FOUPは、上述したように、位置Aと位置Bの間を移動させられる。ステップオーバー領域により、例えば、フェンス又はレール150が切欠き部分(図1を参照)を有する場合、作業者がコンベヤ160の上を徒歩で通行することを可能にする。薄型コンベヤはまた、作業者が、例えば載せポート部100の保守のために、載せポート部100をコンベヤの上に持上げることを容易にする。
【0037】
図10は、設備用床4の中に埋込まれたコンベヤ160を示す。この実施形態では、FOUP2の底面3は、実質的に床レベルでコンベヤ160に沿って移動する。コンベヤ160は、載せポート部100の前へのアクセスを妨げない。図8及び図9に示すコンベヤと比較して、コンベヤ160(位置B)と最高位置(位置A)との間のz方向ストロークの必要が増大し、床4は、コンベヤ160のための部屋を許すように修正されなければならない。しかしながら、この埋込み式コンベヤ160は、いくつかの利点を有する。コンベヤ160のホイールは、例えば、処理ツール101の間に位置する領域内の設備用床4内に低く引っ込められ、それにより、徒歩通行でコンベヤ160上を容易に歩くことを可能にし、また、装置をコンベヤ160の上方で転がすことを可能にする。変形例として、一時的なプレートを、ホイールのためのクリアランスを設けてコンベヤ160の上に配置してもよく、それにより、徒歩通行及び装置の容易な転がしを可能にする。
【0038】
図11は、設備用床4の下に位置するコンベヤ160を示す。この実施形態は、コンベヤ160によって完全に邪魔されることなしに、徒歩通行及び装置の転がりを可能にする。この実施形態におけるコンベヤ160(位置B)と最高位置(位置A)との間のz方向ストローク要件は、図8〜図10に示すコンベヤよりも遥かに大きい。
【0039】
図13〜図16は、設備用床(図11参照)の下に位置するコンベヤと共に用いるために位置Aと位置Bの間でFOUP前進プレート組立体222を移動させるための2段「伸縮式」z方向機構220の実施形態を示す。引込んだ機構240は、それが引込み位置にあるときに設備用床4の上に位置することが好ましい。この特徴により、載せポート部200の容易な取外しを可能にする。伸縮式z方向機構220はまた、第2のz方向ガイド242が作動されない限り、床取付け型コンベヤ160を有する製造設備に用いられる。載せポート部100と同様、FOUP前進プレート組立体222は、位置Aまで上昇させられ、それにより、FOUPがコンベヤ160に沿って移動し且つFOUP前進プレート組立体222の下を通ることを可能にする。
【0040】
図13〜図15は、2つの処理ツール101を示す。各処理ツール101は、2つの載せポート部200を含む。上述した載せポート部と同様、各載せポート部は、I/Oポート215を有する取付けプレート216と、ポート扉214と、運動プレート212と、z方向駆動機構220とを有している。z方向駆動機構220は、FOUP前進プレート組立体222をI/Oポート215とコンベヤ160の間で垂直方向に移動させる。z方向駆動機構220は、2段機構を有し、この2段機構は、第1段駆動機構(FSD)240と、第2段駆動機構(SSD)242とを有している。第1段駆動機構(FSD)240は、FOUP前進プレート組立体222をI/Oポート215と設備用床4の間で垂直方向に移動させる。第2段駆動機構(SSD)242は、FSD240を設備用床4とI/Oポート215の間で垂直方向に移動させる駆動部組立体を有している。一実施形態では、SSD242は、FSD240の背面チャンネル250内に着座し、FSD240のためのガイドを構成する。しかしながら、本発明は、この構造に限定されない。FSD240がその完全上昇位置に配置されるとき、FSD240が取付けプレート216よりも下に延びないことが好ましい。この特徴により、載せポート部200が処理ツール201から容易に取外されることを可能にする。
【0041】
図16及び図17は、高さを低くした取付けプレート216を有する載せポート部200を示す。高さを低くした取付けプレート216は、上述した取付けプレート116と同様、処理ツール101にBOLTSインタフェースを介して固着されている。しかしながら、この取付けプレート216は、それが処理ツールに固着されているとき、設備用床4まで下方に延びていない。その代わりに、取付けプレート216の底面と設備用床4との間に、隙間が残る。この隙間は、載せポート部200全体を処理ツールから取外す必要なしに処理ツールを保守するアクセスポートを構成する。アクセスポートは、通常、作動中に粒子がアクセスポートを通って処理ツールに入らないように、処理ツールに固着されたブランクプレート(図示せず)によってカバーされている。処理ツールへのアクセスが必要な時はいつでも、ブランクプレートを取外すことができる。高さを低くした取付けプレート216はまた、作業者が載せポート部を処理ツールから取外して、載せポート部を床ベース型輸送システムよりも上に持上げることを可能にする。例えば、ブランクプレートを処理ツールに固着させたまま、取付けプレート216を処理ツールから取外してもよく、それにより、載せポート部を取扱うのに載せポート部をより軽くする。
【0042】
図16は、容器がトンネル190内において設備の中を輸送されてもよいことを示している。トンネル190は、アクセスポートを有し、FOUPを得るために、FOUP前進プレート組立体122をアクセスポートを通してトンネル190内に下降させることを可能にすることが好ましい。トンネル190が、FOUP前進プレート組立体122の垂直方向移動経路を包囲する垂直方向セクションを含むことも、本発明の範囲内にある。これらの垂直方向セクションは、開放した容器又はカセットを設備の中で輸送する輸送システムに対して有用である。この実施形態では、容器の移動経路全体は、設備の残部から隔離される。開放した容器を輸送する垂直方向トンネルセクションも、物品マッピング機能を有するのがよい。例えば、垂直方向トンネルセクションは、容器が垂直方向に移動可能な支持プレートによって開口に向かって持上げられるとき、容器内の各ウェーハの位置を決定する光学走査組立体を含むのがよい。
【0043】
図18及び図19は、I/Oポート315とコンベヤ160(又は他のFOUP輸送装置)との間を垂直方向に移動するFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部の更に別の実施形態を示す。この実施形態では、載せポート部300は、FOUP前進プレート組立体322と、運動プレート312と、ポート扉314と、I/Oポート315を有する取付けプレート316とを含む。この実施形態では、取付けプレート316は、処理ツール101にBOLTS−Lightインタフェースを介して固着されている。
【0044】
z方向駆動機構320は、FOUP前進プレート組立体322をI/Oポート315とコンベヤ160との間で垂直方向に移動させる。z方向駆動機構320は、第1のz方向ガイド302と、第2のz方向ガイド304とを有している。各z方向ガイドは、I/Oポート315の側において、取付けプレート316に固着されている。各z方向ガイドはまた、取付けプレート316と一体に形成されるのがよい。z方向駆動機構320はまた、1対のz方向レールを含む。この実施形態では、第1のz方向レール306は、第1のz方向ガイド302内を移動し、第2のz方向レール308は、第2のz方向ガイド304内を移動する。z方向レール306、308の少なくとも一方は、FOUP前進プレート組立体322に固着されている。従って、z方向レール306、308を移動させることは、FOUP前進プレート組立体322をI/Oポート315とコンベヤ160との間で垂直方向に移動させることである。コンベヤ160は、好ましくは、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体322を収容するように修正される(例えば、スロット162)。図18及び図19に示す載せポート部300は、FOUP前進プレート組立体322を床取付け型コンベヤまで下降させる。z方向機構301はまた、メンテナンスを容易にするために、z方向ガイド302、304及び駆動機構(図示せず)を設備用床4の上方に保ちながら、床下コンベヤ適用例のためのより長い移動ストロークに適合するように用いられる。
【0045】
図8〜図11は、コンベヤと設備の残部との間の物理的構造体を構成する障壁150の一実施形態を示す。障壁150は、コンベヤ160に沿ったFOUPの移動との干渉を防止する。別の実施形態では、コンベヤ160は、トンネル190によって設備から隔離される(図18参照)。トンネル190は、載せポート部に隣接して配置されているところにおいて、その上面に開口を含むことが好ましい。トンネル190の開口により、コンベヤ160上を移動するFOUPへのFOUP前進プレート組立体のアクセスを可能にする。
【0046】
これらのコンベヤは、FOUPを半導体製造設備の中で輸送する。好ましい実施形態では、各FOUPは、最上位置に位置する各FOUP前進プレート組立体122の下方においてコンベヤに沿って移動する。輸送装置を各載せポート部の基準面よりも下に配置することは、コンベヤ160によって発生した粒子の影響を最小にする。
【0047】
図20〜図24は、2つのFOUPを支持すると同時に軌道420に沿って輸送するためのシャトル400の一実施形態を示す。シャトル400が2つよりも多い又は少ないFOUPを保持することは、本発明の範囲内にある。この実施形態では、シャトル400は、2組の支持体402を含み、支持体の各組は、単一のFOUP2を支持する。各支持体402は、好ましくは、垂直部材408によって上支持体406から分離した下支持体404を含む。上支持体及び下支持体は、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体122と共に載せポート部を通るシャトル400が邪妨害されることなしに載せポート部を通るように分離される。上支持体406は、FOUPの底面を最小の接触状態で支持するように構成される。
【0048】
シャトル400はまた、垂直方向に移動するFOUP前進プレート組立体122を収容する。例えば、上支持体406は、好ましくは、FOUP前進プレート組立体122の幅よりも大きい距離だけ分離される。シャトル400が載せポート部の前で静止するとき、最下位置に配置されたFOUP前進プレート組立体122は、上支持体406と下支持体404の間に位置し、垂直方向支持体408と干渉しない。
【0049】
FOUPをシャトル400から載せポート部100の運動プレート112に移送するために、最初、FOUP前進プレート組立体122を最下位置まで下降させる。次に、シャトル400を、載せポート部100の前の軌道420上で静止させる。この時点で、FOPU2の底面の運動ピン用の溝は、好ましくは、運動プレート112上の運動ピン118と整列する。次に、FOUP前進プレート組立体122を、最上位置まで上昇させる。最終的に、FOUP2を運動プレート112に係合させ、シャトル402の上支持体406から持上げる。好ましい実施形態では、FOUPを取付けプレート16に向かって移動させて、FOUP扉6を取外すために、FOUP2と運動プレート112との間の更なる調節は必要ない。
【0050】
レール420は、コンベヤ又は従来の軌道等の当該技術の範囲内で既知の任意の機構を有するのがよい。レール420はまた、多くの高さで製造設備内に取付けられてもよい。例えば、レール420は、設備用床4に対して同一平面に取付けられてもよいし、それよりも下に取付けられてもよいし、それよりも上に取付けられてもよい。シャトル400を上昇させないならば、シャトル400は、好ましくは、レール420の上の作業者の徒歩通行を可能にする低輪郭を有する。
【0051】
シャトル400は、任意の種類のレールに沿って移動するのがよい。単なる例示として、レール420は、1次駆動レール422と、2次支持レール424とを有する。図20〜図24に示すシャトル400は、2つの300mmFOUP2A、2Bを同時に輸送することができる。シャトルが2つ又はそれよりも多くのFOUPを運ぶことは、本発明の精神内及び範囲内にある。FOUP2A及び2Bを1つのシャトル400で同時に輸送することにより、より柔軟性のある配送シーケンスを可能にし、バッファ機能の利点をもたらす。例えば、2つのポッドシャトル400は、「高速スワップ(fast swaps)」を行う機能を有する。言い換えれば、シャトル300は、第1のFOUP2Aを載せポート部100Aから空の支持体402の上に回収し、次に、第2のFOUP2Bをシャトル400から同じ載せポート部100Aに載せる。これにより、最終FOUPを未処理ウェーハを有する新しいFOUPと交換するのに必要な時間(例えば、FOOUP内のウェーハが処理段階を終える)が非常に短いと考えられるので、各処理ツール101に必要な載せポート部100の数を低減させる。
【0052】
従来の処理ツールは、しばしば、別の載せポート部が処理中のFOUPを保持する間、載せポート部からそれを除去するように、仕上げ済みFOUPが着座してAMHS(例えば、OHTシステム)がFOUPを載せポート部から取外すことを待つことができるように且つ新しいFOUPが第3の載せポート部にAMHSから載せられることができるように、多数の載せポート箇所を有する。例えば、図16は、2つの載せポート部、すなわち、第1の載せポート部100Aと第2の載せポート部100Bとを有する処理ツール101を示す。2つの載せポート部を有することにより、AMHSによるゲート動作なしに連続ツール作動を可能にする。高速スワップシャトル400であれば、連続ツール作動を達成するのに、第3の載せポート部は不必要である。
【0053】
3つ又は4つのFOUPを収容することができるシャトル400は、各ツールにおいて高速スワップで順次2つ又は3つの処理ツールを保守することができる。シャトルはまた、起点、恐らくはストッカーから3つ又は4つのFOUPを取ることができ、FOUPを連続して1つのトリップ内の3つ又は4つのツールに配送することができる。例えば、いくつかのFOUPは、ベイを上がって北向きの行程中(例えば、処理ツール101Aから処理ツール101Bに移動するシャトル400)、様々なツールから載せられたり下ろされたりする。ベイは、限定するわけではないが、一列に配置された多数のツールとして定められる。次に、シャトル400は、逆方向に移動し(処理ツール101Bから処理ツール101Aに移動するシャトル400)、いくつかのFOUPは、南向きの行程中、様々なツールから載せられたり下ろされたりする。
【0054】
レールシステムは、シャトル400を設備用床4上で、設備用床4の上方で、設備用床4の下方で、ベイの間で及びベイ内で様々な経路に沿って移動させるために、分岐したり、湾曲したり、斜めに上ったり、斜めに下がったりする。全てのシャトル400は、基準に対するポッド位置の観点で、同一に作られる。これにより、ロボットアームを組み込む最新のAGVが必要とするツールの「ティーチング(teaching)」をなくす。このことは、シャトルを取外したり置換したりする有用性及び時間を改善する。
【0055】
シャトル400は、例えば、チューブ190に包囲された時又はフェンス150の背後にあるときだけ、高速で移動してもよい。囲いがない領域では、例えば、徒歩通行横断を可能にするために、シャトル400は、より低速のモードで移動し、衝突を回避するために、前方監視センサを有し又は光のカーテンの背後を移動するのがよい。徒歩通行との交差点は、物理的ゲートを有していてもよいし、徒歩通行がレールを通り過ぎてもよいかどうかを指示する交通信号システムを有していてもよい。
【0056】
無レールシャトル、すなわち、AGVは、床、天井、壁上、又は載せポート部及び同様の構造体上に設置した基準に対して床上の可視線に従い、操縦される(例えば、推測式)。無レールシャトルは、徒歩通行及び機器ローリングのために床を邪魔されないままに残すこと、レールの費用を排除すること、隣接ツール間の直線的な動きに対してシャトル運動を制限しないことのようないくつかの恩典をもたらす。例えば、無レールシャトルは、通路の反対側に位置する連続処理段階を実施するツール間でFOUPを輸送するためにベイ通路を横切ることができ、シャトルは、必要に応じて互いを追い越すことができると考えられる。更に、個々のツールは、保守のためのラインから外すことができ、無レール車は、この保守中に載せポート部領域の周囲で簡単に方向を変えることができる。最新式車は、工場全体を操縦し、エレベータに入り、ツール作業者によって占められた通路も同様に下りることができる。
【0057】
図25〜図27は、載せポート部が、FOUPを水平に移動させるための容器前進組立体又はポート扉のいずれかを有する必要なく、2つの高さの間でFOUPを水平にただ移動させる必要がある可能性があることを示している。例えば、図25は、載せポート部500が、とりわけ、開口517及び垂直方向に移動可能な支持構造体522を有する取付けプレート516を含むことを示している。上述の実施形態と同様、載せポート部500はまた、支持構造体522をコンベヤ560と開口517の間で垂直方向に移動させるための機構を含む。図25の実施形態は、FOUPの底面に接触するための2つの支持体を有する支持構造体522を示している。
【0058】
図25に示すコンベヤ560は、支持構造体522を収容するために各載せポート部500のところで3つのセクションに分割される。単なる例示として、コンベヤ560は、中央セクション562と、左セクション564と、右セクション568とを有している。この実施形態の各コンベヤセクションは、ベルト568と、1対のローラ570とを有している。一実施形態では、図25に示すように、コンベヤ560の中央セクション562の一部であるローラ570は、取付けプレート516に回転可能に取付けられている。
【0059】
コンベヤ560の各セクションは、互いに分離され、コンベヤの各セクション間に隙間を形成する。この隙間により、支持構造体522がコンベヤ560の下を移動すること、及び、FOUPがコンベヤ560の中央セクション562に到着するのを待つことを可能にする。FOUPが中央セクション562に到着して静止した後、支持構造体522は、FOUPの底面に係合するように垂直方向に上昇し、FOUPをコンベヤ560から持上げるのがよい。
【0060】
図26は、載せポート部600及びコンベヤ660を有する輸送及び配送システムを示す。載せポート部600は、とりわけ、取付けプレート616と、支持構造体622と、支持構造体622を垂直方向に移動させるための機構620とを有している。この実施形態では、支持構造体622は、構造体を含み、この構造体は、第1の支持体624と、第2の支持体626と、第3の支持体628とを有している。各支持体は、その遠位端のところに運動ピン618を有している。この構造体は、載せポート部100の運動プレート112に置き換わる。単なる例示として、コンベヤ660は、レール662と、多数の片持ちローラ664とを有している。図26Bに示すように、支持構造体622の各支持体624、626、628は、支持構造体622をローラ664よりも下に下降させることができるように、1対の隣接したローラ664の間を通ることができる。FOUPは、好ましくは、支持構造体622上の運動ピン618と整列したFOUPの底面の運動溝と共にローラ664上で静止する。次に、支持構造体622を垂直方向に上昇させ、FOUPの底面に係合させ、FOUPを所定の高さまでコンベヤ660から持上げる。
【0061】
図27は、別の輸送及び配送システムを示し、この輸送及び配送システムは、載せポート部700と、コンベヤ760とを有している。載せポート部700は、とりわけ、開口716及びスロット724を有する取付けプレート716と、支持構造体722とを有している。この実施形態では、支持構造体722は、好ましくは、開口717とコンベヤ760の間で垂直方向にのみ移動する。しかしながら、支持構造体722が水平方向にも移動することは、本発明の範囲内にある。支持構造体722は、限定するわけではないが、FOUPを支持するための運動プレート又は任意その他の容器支持機構を含む容器を支持する任意の構造体を含むことができる。コンベヤ760は、各ローラ764の両端に位置する回転可能ホイール766を有する片持ちローラ764を有するレール762を含む。この実施形態では、ローラ764は、好ましくは、容器との接触を最小にするためにホイール766だけで容器とは接触しない。
【0062】
載せポート部700のすぐ前に位置する容器を支持するために、2つのホイール766が、載せポート部700の取付けプレート716に回転可能に取付けられる。これら2つのホイールは、受動ホイールであってもよいし、駆動ホイールであってもよい。載せポート部700の前のセクションのためのコンベヤ760上のローラ764をなくすことにより、支持構造体722をホイール766の下に下降させることを可能にする。この時点で、容器が載せポート部700の前で静止するとき、次に、支持構造体722を上昇させて、容器をコンベヤ760から持上げる。図25〜図27に示す支持構造体及びコンベヤは、交換可能である。
【0063】
コンベヤと載せポート部の間のFOUP輸送のための上述した機構及び方法は、説明だけの目的のものであり、それによって本発明が限定されないことを認識すべきである。かくして、FOUP輸送のための方法及びシステムの好ましい実施形態を説明したので、システム内の一定の利点が達成されたことが当業者に明らかなはずである。様々な修正例、適用例及び変形例の実施形態は、本発明の範囲内及び精神内で行うことができることも認識すべきである。例えば、コンベヤの用途は、半導体製造設備内で示されているが、上述した本発明の概念の多くは、他の半導体製造用途以外の使用に等しく適用可能であると考えられることは明らかであるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態の斜視図である。
【図2A】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2B】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2C】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2D】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2E】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図2F】垂直方向に移動可能なFOUP前進プレート組立体を有する載せポート部を更に示す、図1に示した実施形態の斜視図である。
【図3】最下位置に位置するFOUP前進プレート組立体をどのようにコンベヤが収容するかを更に示す、図2A〜図2Fに示した本発明の実施形態の平面図である。
【図4】従来技術の処理ツールに取付けられた従来の載せポート部の平面図である。
【図5】従来技術の従来の載せポート部の輪郭を示す平面図である。
【図6】本発明による載せポート部の輪郭を示す、本発明の実施形態の平面図である。
【図7】容器輸送システムのためにFOUP前進プレート組立体の下に割当てられた空間を示す、図6に示した実施形態の平面図である。
【図8】コンベヤシステムの実施形態を示す、本発明の別の実施形態の平面図である。
【図9】床取付け型コンベヤシステムを有するシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図10】設備用床に組み込まれたコンベヤを有するシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図11】床下コンベヤシステムを示す、本発明の更に別の実施形態の平面図である。
【図12】載せポート部の移動範囲を示す、本発明の実施形態の平面図である。
【図13】本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図14】図13に示したシステムにおける、本発明の実施形態の平面図である。
【図15】図13に示したシステムにおける、本発明の実施形態の正面図である。
【図16】設備から隔離された容器輸送システムを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図17】高さを低くした2段の垂直方向駆動装置を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図18】載せポート部の更に別の実施形態を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図19】図18に示す載せポート部の斜視図である。
【図20】2つのツール間でFOUPを移動させるためのウェーハシャトルの実施形態を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図21】図20に示した実施形態の平面図である。
【図22】ウェーハシャトルの別の実施形態の斜視図である。
【図23】図22に示すウェーハシャトルの正面図である。
【図24】図22に示すウェーハシャトルの平面図である。
【図25】容器を移動可能に支持するためのベルトを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図26A】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の図である。
【図26B】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の図である。
【図27】容器を移動可能に支持するための片持ちホイールを有するコンベヤを示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物品を格納する容器を処理ツールに差出すためのシステムであって、
載せポート部を有し、この載せポート部は、開口を有するフレームと、容器を受取るように構成された支持構造体と、前記支持構造体を第1の高さと第2の高さの間で実質的に垂直方向に移動させるための駆動機構と、を有し、
更に、前記容器を実質的に容器輸送平面に沿って移動可能に支持するためのコンベヤを有し、
前記支持構造体が前記第2の高さに位置するとき、前記コンベヤ上を移動する容器が前記支持構造体の上方を障害なしに移動する、システム。
【請求項2】
前記載せポート部は、更に、ポート扉を有し、前記ポート扉は、物品が前記開口を通過することを阻止する閉位置と、物品が前記開口を通過することを許す開位置との間を移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記支持構造体は、前記容器を実質的に水平方向に移動させるように構成された容器前進組立体を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持構造体は、直径150mm〜500mmのウェーハを輸送するための容器を受取るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記支持構造体は、フラットパネルディスプレイを輸送するための容器を受取るように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記支持構造体に固定されたアームと、前記アームを垂直方向に移動させるための駆動組立体と、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンベヤは、第1のレールと、前記第1のレールから離間した第2のレールと、を有し、
前記第1のレールのうちの前記載せポート部を通過する部分は、前記アームが前記第1のレールの少なくとも一部を障害なしに通過することを可能にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンベヤは、上面を有する第1のレールと、前記第1のレールから離間した第2のレールと、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記駆動機構は、垂直方向に調節可能なアームを有し、このアームは、前記支持構造体に固定された遠位端を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンベヤは、ベルトコンベヤを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンベヤは、レールと、複数のローラと、を有し、各ローラは、前記レールに回転可能に固着され、互いに離間し、且つ前記レールから外向きに延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記支持構造体は、少なくとも2つのフィンガーを有し、前記少なくとも2つのフィンガーは、前記支持構造体が前記第2の高さに位置するときに各フィンガーが隣接したローラの間にはまり込むように互いに離間する、請求項11に記載のシステム。
【請求項1】
少なくとも1つの物品を格納する容器を処理ツールに差出すためのシステムであって、
載せポート部を有し、この載せポート部は、開口を有するフレームと、容器を受取るように構成された支持構造体と、前記支持構造体を第1の高さと第2の高さの間で実質的に垂直方向に移動させるための駆動機構と、を有し、
更に、前記容器を実質的に容器輸送平面に沿って移動可能に支持するためのコンベヤを有し、
前記支持構造体が前記第2の高さに位置するとき、前記コンベヤ上を移動する容器が前記支持構造体の上方を障害なしに移動する、システム。
【請求項2】
前記載せポート部は、更に、ポート扉を有し、前記ポート扉は、物品が前記開口を通過することを阻止する閉位置と、物品が前記開口を通過することを許す開位置との間を移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記支持構造体は、前記容器を実質的に水平方向に移動させるように構成された容器前進組立体を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持構造体は、直径150mm〜500mmのウェーハを輸送するための容器を受取るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記支持構造体は、フラットパネルディスプレイを輸送するための容器を受取るように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記支持構造体に固定されたアームと、前記アームを垂直方向に移動させるための駆動組立体と、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンベヤは、第1のレールと、前記第1のレールから離間した第2のレールと、を有し、
前記第1のレールのうちの前記載せポート部を通過する部分は、前記アームが前記第1のレールの少なくとも一部を障害なしに通過することを可能にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンベヤは、上面を有する第1のレールと、前記第1のレールから離間した第2のレールと、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記駆動機構は、垂直方向に調節可能なアームを有し、このアームは、前記支持構造体に固定された遠位端を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンベヤは、ベルトコンベヤを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンベヤは、レールと、複数のローラと、を有し、各ローラは、前記レールに回転可能に固着され、互いに離間し、且つ前記レールから外向きに延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記支持構造体は、少なくとも2つのフィンガーを有し、前記少なくとも2つのフィンガーは、前記支持構造体が前記第2の高さに位置するときに各フィンガーが隣接したローラの間にはまり込むように互いに離間する、請求項11に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【公表番号】特表2008−532288(P2008−532288A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557103(P2007−557103)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/006103
【国際公開番号】WO2006/091593
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(306029419)アシスト テクノロジーズ インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Asyst Technologies,Inc.
【住所又は居所原語表記】46897 Bayside Parkway,Fremont,California 94538,U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/006103
【国際公開番号】WO2006/091593
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(306029419)アシスト テクノロジーズ インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Asyst Technologies,Inc.
【住所又は居所原語表記】46897 Bayside Parkway,Fremont,California 94538,U.S.A.
【Fターム(参考)】
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