説明

テトラフェニルナフタレン誘導体及びこれを用いた有機発光素子

【課題】本発明は、新規のテトラフェニルナフタレン誘導体及びこれを用いた有機発光素子を提供する。
【解決手段】本発明者らは新規な構造を有するテトラフェニルナフタレン誘導体を明らかにし、また、この化合物を有機発光素子に適用した時に素子の発光効率、安定性及び寿命を大きく向上させることができるという事実を明らかにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の構造のテトラフェニルナフタレン誘導体及びこれを用いた有機発光素子に関する。本出願は2006年3月10日に各々韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2006−0022845号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、有機発光現象とは、有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常、陽極と陰極およびこれらの間に備えられた有機層を含む構造を有する。ここで、有機層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるために、それぞれ異なった物質で構成された多層の構造でなされる場合が多く、 例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などでなされるようになる。このような有機発光素子の構造において、2つの電極間に電圧をかけるようになれば、陽極では正孔が、陰極では電子が有機層に注入されるようになり、注入された正孔と電子が出会ったときにエキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に戻るときに光が出るようになる。このような有機発光素子は、自発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高速応答性などの特性を有するものとして知られている。
【0003】
有機発光素子において、有機層で用いられる材料は機能により、発光材料と電荷輸送材料、例えば正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料等に分類される。そして、前記発光材料は分子量により高分子型と低分子型に分類することができ、発光メカニズムにより電子の一重項励起状態から由来する蛍光材料と、電子の三重項励起状態から由来する燐光材料に分類される。また、発光材料は発光色により青色、緑色、赤色発光材料と、さらに良い天然色を具現するために必要な黄色及び橙色発光材料に区分することができる。
【0004】
一方、発光材料として一つの物質だけ使用する場合、分子間相互作用によって最大発光波長が長波長に移動して色純度が落ちたり、発光減衰効果で素子の効率が減少する問題が発生するので、色純度の増加とエネルギー転移による発光効率を増加させるために発光材料としてホスト/ドーパント系を使ってもよい。その原理は発光層を形成するホストよりエネルギーバンドギャップが小さいドーパントを発光層に少量混合すれば、発光層で発生したエキシトンがドーパントに輸送され、効率が高い光を出すのである。この時、ホストの波長がドーパントの波長帯に移動するので、利用するドーパントの種類によって望みの波長の光を得ることができる。
【0005】
前述した有機発光素子が有する優れた特徴を十分に発揮させるためには、素子内で有機層をなす物質、例えば正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質等が安定かつ効率的な材料によって形成されることが先行しなければならないが、まだ安定かつ効率的な有機発光素子用有機層材料の開発が十分になされていない状態であり、したがって、新しい材料の開発が持続的に要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願公開第2003/012890号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは新規な構造を有するテトラフェニルナフタレン誘導体を明らかにし、また、この化合物を有機発光素子に適用した時に素子の発光効率、安定性及び寿命を大きく向上させることができるという事実を明らかにした。
ここで、本発明は、新規のテトラフェニルナフタレン誘導体及びこれを用いた有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記化学式1の化合物を提供する。
【0009】
【化1】

【0010】
前記化学式1において、R11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55は互いに同じであるか異なり、独立的に水素、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換のアリールアルキル基、置換又は非置換のアリールアルケニル基、置換又は非置換のアリールアルキニル基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基、前記環から選択された2以上の環の縮合環基、−BR’R’’、−NR’R’’、−OR’、−PR’R’’、−SR’及び−SiR’R’’R’’’からなる群から選択され、ここでR’、R’’及びR’’’は各々独立的に水素、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換のアリールアルキル基、置換又は非置換のアリールアルケニル基、置換又は非置換のアリールアルキニル基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基及び前記環から選択された2以上の環の縮合環基から選択されるが、ただし、R11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55が同時に水素ではない。
【0011】
また、本発明は、第1電極、1層以上の有機層及び第2電極を順次積層した形態で含む有機発光素子において、前記有機層のうち1層以上が前記化学式1の化合物を含むものである有機発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の化合物は新規の化合物として、コア構造に多様な置換基が導入されることによって有機発光素子に使われるための要件、例えば適切なエネルギー準位等を満足させられる。したがって、本発明の化合物は有機発光素子で多様な役割を行うことができ、有機発光素子に適用した時に素子の駆動電圧を低くし、光効率を向上させ、素子の寿命特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の新規化合物を適用できる有機発光素子の例を図示したものである。
【図2】本発明の新規化合物を適用できる有機発光素子の例を図示したものである。
【図3】本発明の新規化合物を適用できる有機発光素子の例を図示したものである。
【図4】本発明の新規化合物を適用できる有機発光素子の例を図示したものである。
【図5】本発明の新規化合物を適用できる有機発光素子の例を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、前記化学式1の化合物を提供する。前記化学式1の置換基をより詳細に説明すれば次の通りである。
【0015】
前記化学式1の置換基中、脂肪族炭化水素基は炭素数が1〜20であるのが好ましく、これらの例としては直鎖又は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基等がある。
【0016】
前記化学式1の置換基中、脂環式基は炭素数5〜20であるのが好ましく、単一環又は縮合環であってもよい。
【0017】
前記化学式1の置換基中、複素環基はB、N、O、P、S又はSiを環員として含む複素環であってもよく、単一環又は縮合環であってもよい。
【0018】
前記化学式1の置換基中、芳香族環基は炭素数5〜20であるのが好ましく、単一環又は縮合環であってもよい。例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0019】
前記化学式1の置換基中、ヘテロ芳香族環基はB、N、O、P、S又はSiを環員として含むヘテロ芳香族環であってもよく、単一環又は縮合環であってもよい。例えば、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0020】
前記化学式1の置換基中、アリールアルキル基、アリールアルケニル基及びアリールアルキニル基は各々炭素数5〜20の芳香族環基によって置換された炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基であることが好ましい。
【0021】
前記脂肪族炭化水素基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基及びアリールアルキニル基、脂環式基、複素環基、芳香族環基又はヘテロ芳香族環基は各々置換又は非置換であってもよいが、これらが置換される場合、その置換基としては置換又は非置換の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基、−BR’R’’、−NR’R’’、−OR’、−PR’R’’、−SR’及び−SiR’R’’R’’’からなる群から選択され、ここでR’、R’’及びR’’’は各々独立的に水素、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基及び前記環から選択された2以上の環の縮合環基から選択されるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0022】
前記脂肪族炭化水素基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基及びアリールアルキニル基、脂環式基、複素環基、芳香族環基、ヘテロ芳香族環基、−BR’R’’、−NR’R’’、−OR’、−PR’R’’、−SR’及び−SiR’R’’R’’’は、B、N、O、P、S及びSiの中から選択される1種以上の元素を1〜10個含むのが好ましい。具体的に、前記化学式1のR11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55はカルバゾリル基、アリールアミン基、アリールアミン基で置換されたアリールアミン基、アリールアルケニル基で置換されたアリールアミン基、アリールアミン基で置換されたアリールアルケニル基、アリール基で置換されたビチエニル基、アリール基で置換されたチエニル基、アリール基で置換されたイミダゾリル基、イミダゾリル基で置換されたアリール、アリール基で置換されたベンズイミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基で置換されたアリール基、アリール基で置換されたシラン基、アルキルアリール基で置換されたボロン基、アリール基又はアルキル基で置換されたSi含む複素環基、又はフェニル又はナフチルで置換されたアントラセニル基であることが一層好ましい。
【0023】
本発明において、化学式1のR11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55が全て水素の場合、正孔や電子の輸送役割をすることができる官能基、例えばヘテロ元素が含まれている脂肪族又は芳香族誘導体が存在しないため、単独では有機発光素子の有機層材料として使用することはできない。
【0024】
前記化学式1の化合物は下記化学式11〜17の化合物であってもよい:
【化2】

【化3】

【化4】

【0025】
前記化学式11〜17において、R12、R23、R33、R43及びR53は前記化学式1で定義したのと同じであるが、ただし、R12、R23、R33、R43及びR53は全てが水素で置換されているのではない。
【0026】
本発明に係る化合物の望ましい具体的例としては下記化合物があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0027】
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【0028】
前記化学式1の化合物は、例えば次の通り製造される。
【0029】
下記化学式h〜kの出発物質を利用して下記化学式a〜gの中間物質を製造する。
【0030】
中間物質
【化28】

【0031】
出発物質
【化29】

【0032】
具体的に、本発明の一実施形態によれば、前記化学式h〜kの出発物質を 亜硝酸イソアミルと共にジクロロエタンに溶解し、これを還流撹拌させ、ここにジクロロエタンに溶解したアントラニル酸又は2−アミノ5−ブロモ安息香酸を滴加して前記化学式a〜gの中間物質を製造してもよい。
【0033】
続いて、前記中間物質を前記化学式1の化合物に置き換えようとする置換基の前駆体物質、ナトリウムt−ブトキシド、Pd(dba)及びP(t−Bu)と共にトルエンに入れて反応させ、この反応混合液をTHFとHOの混合液に入れる。続いて、有機層を層分離して乾燥及び濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製した後、ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、前記化学式1の化合物を製造してもよい。
【0034】
前記化学式1の化合物は新規の構造のテトラフェニルナフタレン誘導体として、その構造的特徴によって、有機発光素子で多様な有機層材料として使用できる。具体的に説明すれば次の通りである。
【0035】
前記化学式1の化合物の立体構造は下記図のようにA部分、B部分及びC部分に分けて考えることができる。
【0036】
【化30】

【0037】
前記化学式1の化合物のコアはA部分のナフタレンの中心にB部分のベンゼンリングが空間的に若干ねじれた構造で結びついている。有機物がこのようにねじ曲がった三次元構造を有する場合、有機物の間のpi−pi相互作用が最小化され、有機物の間での励起二量体(excimer)や励起エキシプレックス形成を抑制する効果を有することができる。
【0038】
一方、化合物の共役長とエネルギーバンドギャップは密接な関係がある。具体的に、化合物の共役長が長いほど一般的にエネルギーバンドギャップが小さくなる。しかし、共役長が長くなっても、共役された部分らが平面をなさなければその共役程度は減少する。前記化学式1の構造は前述した通り、A部分とB部分間のねじれた立体構造によって、バンドギャップが大きい性質を有する。
【0039】
前記化学式は上記の通りエネルギーバンドギャップが大きいコア構造でR11〜R55に多様な置換基が導入されることによって多様なエネルギーバンドギャップを持ち得る。通常エネルギーバンドギャップが大きいコア構造に置換基を導入し、エネルギーバンドギャップを調節するのは容易であるが、コア構造がエネルギーバンドギャップが小さい場合には置換基を導入し、エネルギーバンドギャップを調節するのは難しい。
【0040】
前記B部分のベンゼンリングに置換基が導入される場合、前述した立体構造的特異性によって、バンドギャップが大きい物質を容易に作ることができる。前記化学式1の化合物のこのような性質は、バンドギャップが大きくなければならない燐光や蛍光の青色ホスト(host)やドーパント(dopant)、電子注入又は輸送物質、正孔注入又は輸送物質等としての適用に有利である。反面、C部分に置換基が導入される場合、C部分はB部分に比べて相対的にあまりねじ曲がらない構造を有する。したがって、C部分に多様な置換基を導入すれば、バンドギャップを容易に小さくすることができる。このような点は化学式1の化合物をバンドギャップが小さくなければならない緑色や赤色ホスト又はドーパントへの適用に有利である。
【0041】
前述した通り、前記化学式1の化合物は前記B部分とC部分に多様な置換基が導入されることによって多様なバンドギャップを有し得る。したがって、前記化学式1の化合物は多様な置換基によって、有機発光素子において正孔注入又は輸送層、発光層、電子注入又は輸送層で要求される条件を一層適切に充足させる化合物となり得る。また、本発明では前記化学式1の化合物中、置換基により適切なエネルギー準位を有する化合物を選択して有機発光素子に使用することによって、駆動電圧が低く光効率が高い素子を具現することができる。
【0042】
本発明は、第1電極、第2電極及びこれら電極の間に配置された有機層を含む有機発光素子であって、前記有機層のうち1層以上が前記化学式1の化合物を含む有機発光素子を提供する。
【0043】
本発明に係る有機発光素子は、有機層のうち1層以上を前記化学式1の化合物を含むように形成することを除いては、当技術分野で通常の製造方法及び材料を利用して当技術分野に知られている構造で製造される。本発明に係る有機発光素子の構造は図1〜5に例示されているが、これらの構造にのみ限定されるのではない。
【0044】
例えば、本発明に係る有機発光素子はスパッタリング(sputtering)や電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)方法を利用し、基板上に金属又は伝導性を有する金属酸化物又はこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を含む有機層を形成した後、その上に陰極として使用できる物質を蒸着させることによって製造される。
【0045】
このような方法以外にも、基板上に陰極物質から有機層、陽極物質を順に蒸着させ有機発光素子を製造してもよい(国際特許出願公開第2003/012890号)。前記有機層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等を含む多層構造であってもよいが、これに限定されず単層構造であってもよい。また、前記有機層は多様な高分子素材を使って、蒸着法ではなく、溶媒処理(solvent process)、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷又は熱転写法等の方法によってさらに少ない数の層で製造することができる。
【0046】
通常、前記陽極物質としては、有機層に正孔注入が円滑にできるように仕事関数が大きい物質が好ましい。本発明で使われる陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属又はこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:Al又はSnO:Sbのような金属と酸化物の組合せ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0047】
通常、前記陰極物質としては、有機層に電子注入が容易なように仕事関数が小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ及び鉛のような金属又はこれらの合金;LiF/Al又はLiO/Alのような多層構造物質等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0048】
正孔注入物質としては、低い電圧で陽極から正孔をよく注入される物質として、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機層のHOMOの間であるのが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrine)、オリゴチオフェン、アリールアミン系列の有機物、ヘキサニトリル ヘキサアザトリフェニレン、キナクリドン(quinacridone)系列の有機物、ペリレン(perylene)系列の有機物、アントラキノン及びポリアニリンとポリチオフェン系列の導電性高分子等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0049】
正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔を輸送されて、発光層に移せる物質で正孔に対する移動性が大きい物質が適している。具体的な例としては、アリールアミン系列の有機物、伝導性高分子、及び共役の部分と非共役の部分が共にあるブロック共重合体等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0050】
発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子を各々輸送されて結合させることによって可視光線領域の光を出せる物質として、蛍光や燐光に対する量子効率が良い物質が好ましい。具体的な例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系列化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾール系列の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系列の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレン等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0051】
電子輸送物質としては、陰極から電子をよく注入されて発光層に移せる物質として、電子に対する移動性が大きい物質が適している。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0052】
本発明に係る有機発光素子は使用される材料により、前面発光型、背面発光型又は両面発光型であってもよい。
【実施例】
【0053】
以下、製造例及び実験例を通して、本発明をより詳細に説明する.しかし、以下の製造例及び実験例は本発明を例示するためであり、本発明の範囲がこれらにのみ限定されるのではない。
【0054】
製造例
[出発物質の製造]
〔化学式hで示される出発物質の製造〕
【0055】
【化31】

【0056】
ベンジル(8.4g、40mmol)とジフェニルアセトン(8.4g、40mmol)をエタノール250mLに溶かした後温度を上げ、1時間の間還流撹拌させた後、ここにエタノール20mLに溶かしたKOH(2.2g、40mmol)をゆっくり滴加した。その後30分さらに還流撹拌後、徐々に冷却し、ここで生成された濃い赤色の固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、前記化学式hで示される出発物質を得た(4.5g、30%)。
MS[M+H]385
【0057】
〔化学式iで示される出発物質の製造〕
【化32】

【0058】
ベンジル(1.14g、5.4mmol)とジ(4−ブロモフェニル)アセトン(2.0g、5.4mmol)をエタノール40mLに溶かした後温度を上げ、1時間の間還流撹拌させて、ここにエタノール10mLに溶かしたKOH(0.3g、5.4mmol)をゆっくり滴加した。その後30分さらに還流撹拌した後、徐々に冷却し、ここで生成された濃い赤色の固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式iで示される出発物質を得た。
(2.0g、68%);H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.50−7.48(d、4H)、7.30−7.23(m、6H)、7.11−7.09(d、4H)、6.98−6.96(d、4H);MS[M+H]540、542、544
【0059】
〔化学式jで示される出発物質の製造〕
【化33】

【0060】
4、4’−ジブロモベンジル(9.8g、27mmol)とジフェニルアセトン(6.2g、30mmol)をエタノール250mLに溶かした後温度を上げ、1時間の間還流撹拌させた後、ここにエタノール20mLに溶かしたKOH(1.64g、30mmol)をゆっくり滴加した。その後30分さらに還流撹拌した後、徐々に冷却し、ここに生成された濃い赤色の固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式jで示される出発物質を得た。
(9.0g、62%);H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.50−7.47(d、4H)、7.33−7.27(m、6H)、7.17−7.15(d、4H)、6.94−6.92(d、4H);MS[M+H]540、542、544
【0061】
〔化学式kで示される出発物質の製造〕
【化34】

【0062】
4、4’−ジブロモベンジル(9.8g、27mmol)とジ(4−ブロモフェニル)アセトン(2.0g、5.4mmol)をエタノール40mLに溶かした後温度を上げ、1時間の間還流撹拌させて、ここにエタノール10mLに溶かしたKOH(0.3g、5.4mmol)をゆっくり滴加した。その後30分さらに還流撹拌した後、徐々に冷却し、ここで生成された濃い赤色の固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式kで示される出発物質を得た。MS[M+H]700
【0063】
[中間物質の製造]
〔化学式aで示される中間物質の製造〕
【化35】

【0064】
化学式iで示される出発物質(2.0g、3.7mmol)と 亜硝酸イソアミル(0.54mL、4.1mmol)をジクロロエタン50mLに添加した後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン25mLに完全に溶かしたアントラニル酸(0.51g、3.7mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式aで示される中間物質を得た。
(2.0g、93%);H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.48(s、4H)、7.45−7.43(d、4H)、7.17−7.15(d、4H)、6.92−6.91(d、4H)、6.92−6.88(m、6H);MS[M+H]588、590、592
【0065】
〔化学式bで示される中間物質の製造〕
【化36】

【0066】
化学式jで示される出発物質(5.72g、10.5mmol)と亜硝酸イソアミル(1.54mL、11.6mmol)をジクロロエタン50mLに添加後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン50mLに完全に溶かしたアントラニル酸(1.44g、10.5mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧ろ過した後真空乾燥させ、化学式bで示される中間物質を得た。
(4.9g、79%);H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.50−7.43(m、4H)、7.33−7.20(m、10H)、7.13−7.11(d、4H)、6.89−6.87(d、4H);MS[M+H]588、590、592
【0067】
〔化学式cで示される中間物質の製造〕
【化37】

【0068】
化学式kで示される出発物質(3.50g、5mmol)と亜硝酸イソアミル(0.73mL、11.6mmol)をジクロロエタン50mLに添加した後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン50mLに完全に溶かしたアントラニル酸(0.754g、5.5mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式cで示される中間物質を得た。
(2.43g、65%);H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.32−7.37(m、10H)、7.45−7.49(d、8H)、7.67(m、2H);MS[M+H]700
【0069】
〔化学式dで示される中間物質の製造〕
【化38】

【0070】
化学式hで示される出発物質(4.03g、10.5mmol)と亜硝酸イソアミル(1.54mL、11.6mmol)をジクロロエタン50mLに添加した後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン50mLに完全に溶かした2−アミノ5−ブロモ安息香酸(2.27g、10.5mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧ろ過した後真空乾燥させ、化学式dで示される中間物質を得た。
(3.75g、70%);H NMR(400MHz、CDCl)7.20−7.32(m、12H)、7.43−7.48(m、9H)、7.58(d、1H)、7.88 (d、1H);MS[M+H]512
【0071】
〔化学式eで示される中間物質の製造〕
【化39】

【0072】
化学式iで示される出発物質(6.4g、11.8mmol)と亜硝酸イソアミル(1.73mL、13mmol)をジクロロエタン300mLに添加後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン100mLに完全に溶かした2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(2.80g、13mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧濾過後真空乾燥させ、化学式eで示される中間物質を得た。
(6.8g、86%);H NMR(500MHz、DMSO−d6)7.67−7.65(dd、1H)、7.53−7.52(d、1H)、7.50−7.46(dt、4H)、7.40−7.38(d、1H)、7.20−7.16(dt、4H)、6.94−6.86(m、10H);MS[M+H]665、666、667、668、669、670、671
【0073】
〔化学式fで示される中間物質の製造〕
【化40】

【0074】
化学式jで示される出発物質(5.72g、10.5mmol)と亜硝酸イソアミル(1.54mL、11.6mmol)をジクロロエタン50mLに添加後温度を上げ、完全に溶かして還流撹拌させながら、ジクロロエタン50mLに完全に溶かした2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(2.27g、10.5mmol)をゆっくり滴加した。その後反応液の色が消えれば徐々に冷却し、使われた溶媒を真空蒸留装置を使って除去し、得られた固体をジクロロメタンとエタノールを利用して再沈殿させた。生成された白色固体粉末を減圧ろ過した後真空乾燥させ、化学式fで示される中間物質を得た。
(5.62g、80%);H NMR(400MHz、DMSO−d6) 7.19−7.25(m、2H)、7.29−7.39(m、8H)、7.44−7.52(m、9H)、7.60(d、1H)、7.90(s、1H);MS[M+H]670
【0075】
〔化学式gで示される中間物質の製造〕
【化41】

【0076】
出発物質として化学式jの代わりに化学式kの化合物を使ったのを除いては化学式fの化合物の製造方法と同一に実施して、化学式gの中間物質を得た。MS[M+H]827
【0077】
〔製造例1(化学式1−1で示される化合物の製造)〕
【化42】

【0078】
化学式a(4.9g、8.3mmol)、カルバゾール(3.2g、19.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(2.0g、21mmol)、Pd(dba)(0.24g、0.4mmol)及びP(t−Bu)(0.09g、0.4mmol)をトルエン(80mL)に入れて、12時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式1−1の化合物(2.38g、38%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)8.16−8.14(d、4H)、7.69−7.68(q、2H)、7.56−7.53(q、2H)、7.69−7.68(dd、2H)、7.42−7.31(m、14H)、7.21−7.17(m、12H)、6.98−6.96(dd、4H);MS[M+H]763
【0079】
〔製造例2(化学式1−2で示される化合物の製造)〕
【化43】

【0080】
化学式b(2.0g、3.4mmol)、カルバゾール(1.3g、7.8mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.81g、8.5mmol)、Pd(dba)(0.1g、0.2mmol)及びP(t−Bu)(0.04g、0.2mmol)をトルエン(40mL)に入れて、5時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式1−2の化合物(1.34g、52%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)8.26−8.24(d、4H)、7.83−7.81(q、2H)、7.67−7.65(q、2H)、7.55−7.44(m、12H)、7.32−7.24(m、8H)、7.06−6.97(m、10H);MS[M+H]763
【0081】
〔製造例3(化学式2−2で示される化合物の製造)〕
【化44】

【0082】
化学式a(1.3g、2.2mmol)、ナフチルフェニルアミン(1.1g、5.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.63g、6.6mmol)、Pd(dba)(0.06g、0.1mmol)及びP(t−Bu)(0.03g、0.1mmol)をトルエン(20mL)に入れて、2時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−2の化合物(0.2g、11%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)8.00−7.98(d、2H)、7.88−7.87(d、2H)、7.76−7.74(d、2H)、7.63−7.60(q、2H)、7.57−7.48(m、6H)、7.44−7.40(t、2H)、7.26−7.19(m、6H)、7.03−7.01(d、8H)、6.94−6.90(m、8H)、6.86−6.77(m、12H);MS[M+H]867
【0083】
〔製造例4(化学式2−3で示される化合物の製造)〕
【化45】

【0084】
化学式a(1.3g、2.2mmol)、3−トリルフェニルアミン(0.87mL、5.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.63g、6.6mmol)、Pd(dba)(0.06g、0.1mmol)及びP(t−Bu)(0.03g、0.1mmol)をトルエン(20mL)に入れて、2時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−3の化合物(1.3g、74%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.71−7.69(q、2H)、7.56−7.54(q、2H)、7.29−7.25(t、4H)、7.18−7.15(t、2H)、7.10−7.08(d、4H)、7.02−6.98(t、2H)、6.96−6.95(m、6H)、6.91−6.88(m、8H)、6.85−6.82(m、6H)、6.72−6.70(d、4H)、2.22 (s、6H);MS[M+H]795
【0085】
〔製造例5(化学式2−5で示される化合物の製造)〕
【化46】

【0086】
化学式b(0.83g、1.4mmol)、ジフェニルアミン(0.50g、3.0mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.34g、3.5mmol)、Pd(dba)(0.03g、0.04mmol)及びP(t−Bu)(0.02g、0.04mmol)をトルエン(14mL)に入れて、1時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−5の化合物(0.25g、23%)を得た。
MS[M+H]767
【0087】
〔製造例6(化学式2−6で示される化合物の製造)〕
【化47】

【0088】
化学式b(1.5g、2.54mmol)、ナフチルフェニルアミン(1.1g、5.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.73g、5.8mmol)、Pd(dba)(0.07g、0.13mmol)及びP(t−Bu)(0.03g、0.13mmol)をトルエン(25mL)に入れて、2時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−6の化合物(0.85g、38%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.58−7.54(m、2H)、7.49−7.47(m、2H)、7.37−7.29(t、6H)、7.25−7.23(d、4H)、7.18−7.14(t、4H)、7.08−7.04(t、2H)、6.94−6.90(t、2H)、6.84−6.82(d、4H)、6.76−6.72(t、6H)、6.59−6.57(d、6H)、6.53(s、2H);MS[M+H]867
【0089】
〔製造例7(化学式2−7で示される化合物の製造)〕
【化48】

【0090】
化学式b(1.5g、2.54mmol)、3−トリルフェニルアミン(1.01mL、5.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.73g、5.8mmol)、Pd(dba)(0.07g、0.13mmol)及びP(t−Bu)(0.03g、0.13mmol)をトルエン(25mL)に入れて、2時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−7の化合物(0.72g、36%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.94−7.92(d、2H)、7.81−7.79(d、2H)、7.60−7.58(d、2H)、7.52−7.49(q、2H)、7.45−7.40(m、6H)、7.33−7.30(m、6H)、7.23−7.12(m、10H)、7.08−7.06(d、2H)、6.91−6.87(t、2H)、6.72−6.65(dd、8H)、6.52−6.49(d、4H)、2.11 (s、6H);MS[M+H]795
【0091】
〔製造例8(化学式2−9で示される化合物の製造)〕
【化49】

【0092】
化学式d(1.06g、2.07mmol)、ジフェニルアミン(0.39g、2.3mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.24g、2.5mmol)、Pd(dba)(0.024g、0.04mmol)及びP(t−Bu)(0.01g、0.04mmol)をトルエン(20mL)に入れて、1時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−9の化合物(0.9g、73%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.35−7.32(d、1H)、7.27−7.17(m、9H)、7.13−7.11(d、1H)、7.04−7.02(m、6H)、7.01−6.97(m、6H)、6.86−6.84(m、8H)、6.82−6.78(m、2H);MS[M+H]600
【0093】
〔製造例9(化学式2−10で示される化合物の製造)〕
【化50】

【0094】
化学式e(0.51g、0.76mmol)、ジフェニルアミン(0.41g、2.4mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.26g、2.7mmol)、Pd(dba)(0.022g、0.04mmol)及びP(t−Bu)(0.01g、0.04mmol)をトルエン(40mL)に入れて、12時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式2−10の化合物(0.45g、65%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.35−7.32(d、1H)、7.27−7.17(m、9H)、7.13−7.11(d、1H)、7.04−7.02(m、6H)、7.01−6.97(m、6H)、6.86−6.84(m、8H)、6.82−6.78(m、2H);MS[M+H]934
【0095】
〔製造例10(化学式3−1で示される化合物の製造)〕
【化51】

【0096】
化学式a(0.50g、0.85mmol)、4−フェニルアミノスチルベン(0.48g、1.8mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.20g、2.1mmol)、Pd(dba)(0.03g、0.05mmol)及びP(t−Bu)(0.01g、0.05mmol)をトルエン(40mL)に入れて、1時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式3−1の化合物(0.2g、24%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.74−7.72(q、2H)、7.58−7.56(d、6H)、7.52−7.49(d、4H)、7.38−7.29(m、8H)、7.26−7.23(t、2H)、7.19−7.05(m、10H)、7.00−6.95(m、10H)、6.92−6.86(m、12H);MS[M+H]971
【0097】
〔製造例11(化学式3−4で示される化合物の製造)〕
【化52】

【0098】
化学式b(0.50g、0.85mmol)、4−フェニルアミノスチルベン(0.48g、1.8mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.20g、2.1mmol)、Pd(dba)(0.01g、0.02mmol)及びP(t−Bu)(0.005g、0.02mmol)をトルエン(20mL)に入れて、3時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式3−4の化合物(0.57g、69%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.61−7.59(q、2H)、7.50−7.48(d、4H)、7.46−7.44(q、2H)、7.39−7.31(m、14H)、7.27−7.20(m、10H)、7.09−6.98(m、6H)、6.90−6.85(m、8H)、6.80−6.78(d、4H)、6.68−6.66(d、4H);MS[M+H]971
【0099】
〔製造例12(化学式3−7で示される化合物の製造)〕
【化53】

【0100】
化学式d(0.49g、0.96mmol)、4−フェニルアミノスチルベン(0.28g、1.1mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.12g、2.9mmol)、Pd(dba)(0.006g、0.01mmol)及びP(t−Bu)(0.003g、0.01mmol)をトルエン(10mL)に入れて、2時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後THFとエタノールで再結晶して、化学式3−7の化合物(0.99g、73%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.58−7.56(d、2H)、7.49−7.47(d、2H)、7.38−7.36(m、3H)、7.30−7.14(m、11H)、7.09−7.6.96(m、11H)、6.87−6.78(m、10H);MS[M+H]702
【0101】
〔製造例13(化学式3−8で示される化合物の製造)〕
【化54】

【0102】
化学式e(0.50g、0.75mmol)、4−フェニルアミノスチルベン(0.63g、2.3mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.25g、2.6mmol)、Pd(dba)(0.01g、0.015mmol)及びP(t−Bu)(0.003g、0.015mmol)をトルエン(20mL)に入れて、3時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式3−8の化合物(0.87g、93%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.61−7.59(d、1H)、7.52−7.45(m、10H)、7.41−7.20(m、19H)、7.14−7.04(m、14H)、6.98−6.90(m、19H)、6.84−6.82(d、2H)、6.77−6.73(t、4H);MS[M+H]1240
【0103】
〔製造例14(化学式5−1で示される化合物の製造)〕
【化55】

【0104】
化学式d(3g、5.8mmol)、4−ホルミルベンゼンボロン酸(0.97g、6.4mmol)、Pd(PPh(0.02g、0.017mmol)をトルエン(30mL)に入れて、4M KCO溶液(15ml)添加した後、3時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液をトルエン層を分離し、水層はCHCl(30ml)で抽出した。有機層を層分離して合わせ、MgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、白色化合物(2.2g、70%)を得た。この化合物を酢酸5mlに溶かして、N−フェニルベンゼン1,2−ジアミン(0.75g、4mmol)を添加した後、3時間ほど還流撹拌させた。室温で温度を下げた後形成された固体を濾過し、濾過物をエタノールと水で洗って、化学式5−1の化合物(2.29g、80%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.20−7.34(m、19H)、7.43−7.50(m、8H)、7.52−7.56(m、5H)、7.69−7.74(m、3H)、7.90(s、1H);MS[M+H]700
【0105】
〔製造例15(化学式5−2で示される化合物の製造)〕
【化56】

【0106】
化学式d(3g、5.8mmol)、3−ホルミルベンゼンボロン酸(0.97g、6.4mmol)、Pd(PPh(0.02g、0.017mmol)をトルエン(30mL)に入れて、4M KCO溶液(15ml)添加した後、3時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液からトルエン層を分離し、水層はCHCl(30ml)で抽出した。有機層を層分離して合わせ、MgSOで乾燥させた後濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、白色化合物(1.9g、60%)を得た。この化合物を酢酸5mlに溶かして、N−フェニルベンゼン1,2−ジアミン(0.65g、3.5mmol)を添加した後、3時間ほど還流撹拌させた。室温で温度を下げた後形成された固体を濾過し、濾過物をエタノールと水で洗って、化学式5−2の化合物(1.98g、80%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.20−7.36(m、20H)、7.43−7.56(m、11H)、7.69−7.74(m、4H)、7.90(s、1H);MS[M+H]701
【0107】
〔製造例16(化学式6−1で示される化合物の製造)〕
【化57】

【0108】
化学式b(0.89g、1.5mmol)、9−フェニル−10−アントラセンボロン酸(2.2g、7.5mmol)、Pd(PPh(0.3g、0.3mmol)を2M KCO水溶液(200mL)とTHF(200mL)に入れて、24時間ほど還流撹拌させた。反応が終わった後常温で冷却させ、反応混合液の有機層を層分離してろ過し、固体を得て、これをTHFに再び溶かした後カラムクロマトグラフィーで精製した後THFとエタノールで再結晶し、化学式6−1の化合物(1.0g、71%)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)7.92−7.90(q、2H)、7.69−7.67(q、2H)、7.62−7.41(m、26H)、7.36−7.33(q、4H)、7.28−7.26(d、6H)、7.15−7.11(m、6H)、6.84−6.80(t、2H);MS[M+H]937
【0109】
〔製造例17(化学式6−2で示される化合物の製造)〕
【化58】

【0110】
化学式bの化合物の代わりに化学式aの化合物を使ったことを除いては製造例16と同様に実施し、化学式6−2の化合物を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)8.13−8.11(m、2H)、7.97−7.95(m、2H)、7.20−7.71(m、44H);MS[M+H]937
【0111】
〔製造例18(化学式5−9で示される化合物の製造)〕
【化59】

【0112】
化学式a(1.0g、1.6mmol)を無水THF(50mL)に入れて、撹拌しながら−78℃まで冷却した後、nBuLi(ヘキサン中2.5 M、3.2mmol、1.28mL)をゆっくり入れて1時間ほど撹拌後、常温で1時間さらに撹拌した。 トリフェニルシリルクロライド(0.77g、2.6mmol)を注射器でゆっくり添加後2時間撹拌した。反応が終わった後、微量の水で完全終結させた後、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式5−9の化合物(0.5g、33%)を得た。
MS[M+H]949
【0113】
〔製造例19(化学式5−10で示される化合物の製造)〕
【化60】

【0114】
化学式b(1.0g、1.6mmol)を無水THF(50mL)に入れて、撹拌しながら−78℃まで冷却した後、nBuLi(ヘキサン中2.5 M、3.2mmol、1.28mL)をゆっくり入れて1時間ほど撹拌後、常温で1時間さらに撹拌した。トリフェニルシリルクロライド(0.77g、2.6mmol)を注射器でゆっくり添加した後、2時間撹拌した。反応が終わった後、微量の水で完全終結させて、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後、濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式5−10の化合物(0.6g、40%)を得た
MS[M+H]949
【0115】
〔製造例20(化学式5−12で示される化合物の製造)〕
【化61】

【0116】
化学式b(1.0g、1.6mmol)を無水THF(50mL)に入れて、撹拌しながら−78℃まで冷却した後、nBuLi(ヘキサン中2.5M、3.2mmol、1.28mL)をゆっくり入れて1時間ほど撹拌した後、ジメシチルボロンフルオライド(0.8g、3.0mmol)を添加後2時間撹拌し、常温で12時間さらに撹拌した。反応が終わった後、微量の水で完全終結させて、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥させた後濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、ジクロロメタンとエタノールで再結晶し、化学式5−12の化合物(0.5g、36%)を得た
MS[M+H]873
【0117】
実験例
〔実験例1〕
ITO(インジウムスズ酸化物)が1000Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059glass)を、分散剤を溶かした蒸留水に入れ、超音波で洗浄した。洗剤はFischer Co.の製品を使用し、蒸留水はMillipore Co.製品のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール溶剤の順序で超音波洗浄をして乾燥させた。
前記ITO電極の上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)、Alq(300Å)及び製造例14で製造された下記化学式5−1の化合物(200Å)を順次熱真空蒸着し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順序良く形成させた。
【0118】
【化62】

【0119】
前記電子輸送層上に順次12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
前記過程で有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secに維持し、陰極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
上記の通り製作された素子に6.8Vの順方向電界を加えた時、3400nitに該当する緑色発光が観測された。
【0120】
〔実験例2〕
実験例1と同一の方法で準備したITO電極の上に下記化学式Aの化合物(800Å)、 4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)、前記製造例16で製造された化学式6−1の化合物(300Å)及び化学式Bの化合物(200Å)を順次熱真空蒸着し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順序良く形成させた。
【0121】
【化63】

【0122】
前記電子輸送層(化学式Bの化合物)の上に順次12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
前記過程で有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
上記の通り製作された素子に7.9Vの順方向電界を加えた時、2000nitに該当する青色発光が観測された。
【0123】
〔実験例3〕
化学式6−1の化合物の代りに、前記製造例17で製造された化学式6−2の化合物を使ったことを除いては、実験例2と同様の方法で有機発光素子を製作した。このように製作された素子に8.1Vの順方向電界を加えた時、1700nitに該当する青色発光が観測された。
【0124】
〔実験例4〕
発光層形成時に化学式6−1の化合物に下記化学式Cの化合物を2重量%を添加したことを除いては、実験例2と同様の方法で有機発光素子を製作した。上記の通り製作された素子に8.1Vの順方向電界を加えた時、3700nitに該当する青色発光が観測された。
【0125】
【化64】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の化合物:
【化1】

前記化学式1において、R11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55は互いに同じであるか異なり、独立的に水素、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換のアリールアルキル基、置換又は非置換のアリールアルケニル基、置換又は非置換のアリールアルキニル基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基、前記環から選択された2以上の環の縮合環基、−BR’R’’、−NR’R’’、−OR’、−PR’R’’、−SR’及び−SiR’R’’R’’’からなる群から選択され、ここでR’、R’’及びR’’’は各々独立的に水素、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換のアリールアルキル基、置換又は非置換のアリールアルケニル基、置換又は非置換のアリールアルキニル基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換の芳香族環基、置換又は非置換のヘテロ芳香族環基及び前記環から選択された2以上の環の縮合環基から選択されるが、ただし、R11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55が同時に水素ではない。
【請求項2】
前記化学式1の化合物の置換基の脂肪族炭化水素基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基及びアリールアルキニル基、脂環式基、複素環基、芳香族環基、ヘテロ芳香族環基、−BR’R’’、−NR’R’’、−OR’、−PR’R’’、−SR’及び−SiR’R’’R’’’は、B、N、O、P、S及びSiの中から選択される1種以上の元素を1〜10個含むことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化学式1のうち、R11〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55はカルバゾリル基、アリールアミン基、アリールアミン基で置換されたアリールアミン基、アリールアルケニル基で置換されたアリールアミン基、アリールアミン基で置換されたアリールアルケニル基、アリール基で置換されたビチエニル基、アリール基で置換されたチエニル基、アリール基で置換されたイミダゾリル基、イミダゾリル基で置換されたアリール、アリール基で置換されたベンズイミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基で置換されたアリール基、アリール基で置換されたシラン基、アルキルアリール基で置換されたボロン基、アリール基又はアルキル基で置換されたSiを含む複素環基、及びフェニル又はナフチルで置換されたアントラセニル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化学式1の化合物は下記化学式11〜17の化合物の中から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物:
【化2】

【化3】

【化4】

前記化学式11〜17において、R12、R23、R33、R43及びR53は前記化学式1で定義したのと同じであるが、ただし、R12、R23、R33、R43及びR53は水素ではない。
【請求項5】
前記化学式1の化合物は下記構造式で示される化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物:
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【請求項6】
a)下記化学式h〜kの出発物質のうち1以上を亜硝酸イソアミルと共にジクロロエタンに溶解し、これを還流撹拌させながら、ここにジクロロエタンに溶解したアントラニル酸又は2−アミノ5−ブロモ安息香酸を滴加して下記化学式a〜gの中間物質のうち1以上を製造するステップ:
b)前記中間物質を中間物質に導入しようとする置換基の前駆体物質、ナトリウムt−ブトキシド、Pd(dba)及びP(t−Bu)と共にトルエンに入れて反応させ、この反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた後、有機層を層分離し、乾燥及び濃縮した後ジクロロメタンとエタノールで再結晶するステップを含む請求項1に係る化学式1の化合物の製造方法:
【化28】

【化29】

【請求項7】
第1電極、1層以上の有機層及び第2電極を順次積層した形で含む有機発光素子であって、前記有機層のうち1層以上が請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする、有機発光素子。
【請求項8】
前記有機層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択される1層以上を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−53151(P2013−53151A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223095(P2012−223095)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2008−558210(P2008−558210)の分割
【原出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】