説明

テレメトリング装置、テレメトリングシステム、テレメトリング装置のデータ処理方法およびプログラム

【課題】バケツリレー式で計測したデータを収集していく際にその途中に発生するデータのエラーの検出や修正を可能にするテレメトリング装置、テレメトリングシステム、テレメトリング装置のデータ処理方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】端末側パケット信号送信手段12は、測定手段11の測定した測定データをバケツリレー式に特定の宛先に送信する際に測定データを保存しておく。そして、1つ上層のテレメトリング装置が同様に送出するパケットを受信して保存した測定データと比較し、違いがある場合にはエラー通知手段17がエラーを通知し再送の機会を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば電力、ガス、水道の使用量の検針に好適に使用することのできるテレメトリング装置、テレメトリングシステム、テレメトリング装置のデータ処理方法およびテレメトリング装置のデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレメトリング(telemetering)システムでは、本発明に関連する第1の関連技術として示されるように、各所に設置したテレメトリング装置を用いて電力、ガス、水道の使用量の検針のように高信頼性が求められるデータを収集する(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
このようなテレメトリングシステムでは、テレメトリング装置の設置のし易さから、通信回線として無線を使用する場合が多い。また、PHS(Personal Handyphone System)のように使用する回線の伝送速度が比較的遅い場合には、各テレメトリング装置の伝送するデータの量を少なくして、無線帯域を空ける必要がある。
【0004】
また、テレメトリングシステムでは、テレメトリング装置の1台当たりのコストが上昇するとシステム全体では膨大なコストアップに繋がる。そこで、テレメトリングシステムでは、高信頼性が求められるだけでなく、コストダウンの観点からの考察も必要となる。このため、単純かつ正確なデータ転送を行うことができるシステムの構築が必要とされている。
【0005】
図18は、本発明に関連する第2の関連技術によるテレメトリングシステムの概要を表わしたものである。このテレメトリングシステム100は、ツリー状に配置された複数のテレメトリング装置10111〜10144を備えている。このうちのツリー構造の頂点に立つテレメトリング装置10111は、一つ下層の2つのテレメトリング装置10121、10122に接続されている。テレメトリング装置10121は、更に一つ下層の2つのテレメトリング装置10131、10132に接続されている。テレメトリング装置10122は、同様に一つ下層の2つのテレメトリング装置10133、10134に接続されている。テレメトリング装置10131は、更に一つ下層の2つのテレメトリング装置10141、10142に接続されている。同様にテレメトリング装置10132は、一つ下層の2つのテレメトリング装置10143、10144に接続されている。
【0006】
このようなテレメトリングシステム100では、バケツリレー式に計量データの転送を行うことでテレメトリング装置10111に残りのテレメトリング装置10121〜10144からの計量データを収集する。たとえば2台のテレメトリング装置10141、10142からそれぞれ送り出された計量データは、これらに対して1つ上層のテレメトリング装置10131に集められる。テレメトリング装置10131に集められた計量データと他のテレメトリング装置10132に集められた計量データは、更に1つ上層のテレメトリング装置10121に集められる。テレメトリング装置10121に集められた計量データと他のテレメトリング装置10122に集められた計量データは、最上層のテレメトリング装置10111に集められる。無線区間によって集められたこれらの計量データは、テレメトリング装置10111から基地局102に送られて、ここから有線通信でセンタサーバ103に送られる。
【0007】
ところでテレメトリング装置10111〜10144内の半導体メモリ内では、たとえば宇宙線を原因とする一時的なデータ破壊が生じてソフトウェア的なエラーが発生する場合がある。計量データにこのようなデータ化けが発生したことを検出するためには、CRC(Cyclic Redundancy Check;巡回冗長検査)を用いて伝送されたデータの検査を行うことが一般に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−213164号公報(第0017段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、エラーの発生の有無の検査を行うためには、検査の対象となる計量データに冗長な信号を付加する必要がある。無線回線の伝送速度が遅い場合には、このような冗長な信号を付加すると、帯域の占有時間の増加が無視できない割合となる。この結果、バケツリレー式で計量データを収集する際のテレメトリング装置101の総数に制限が生じるという問題が発生する。
【0010】
もちろん、CRC等の冗長な信号を付与しないで計量データを伝送することは可能である。しかしながら、この場合には計量データの転送経路上のテレメトリング装置101のいずれかで前記したエラーが発生しても、テレメトリングシステム100自体はこのエラーを検出することができない。この結果、センタサーバ103に誤った計量データが収集されてしまうことになり、システムの信頼性を阻害することになる。
【0011】
そこで本発明の目的は、バケツリレー式で計測したデータを収集していく際にその途中に発生するデータのエラーを検出することのできるテレメトリング装置、テレメトリングシステム、テレメトリング装置のデータ処理方法およびテレメトリング装置のデータ処理プログラムを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、バケツリレー式で計測したデータを収集していく際にその途中でエラーを発生させたときその修復を可能にするテレメトリング装置、テレメトリングシステム、テレメトリング装置のデータ処理方法およびテレメトリング装置のデータ処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、(イ)予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、(ロ)この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、(ハ)この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、(ニ)前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、(ホ)この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記した測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、(へ)この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、(ト)このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知するエラー通知手段とをテレメトリング装置が具備する。
【0014】
また、本発明では、(イ)予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記した測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知するエラー通知手段とを備えた複数のテレメトリング装置と、(ロ)これら複数のテレメトリング装置のうちの最上層のテレメトリング装置の前記した端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号を受信する収集側パケット信号受信手段と、この収集側パケット信号受信手段の受信したパケット信号から各テレメトリング装置の送出した測定データを抽出する測定データ抽出手段と、この測定データ抽出手段の抽出した測定データをテレメトリング装置ごとのデータとして格納する測定データ格納手段と、前記したエラー通知手段の通知を受信して前記した測定データ格納手段に格納された測定データのうちの該当するデータの再送を要求する再送要求手段とを備えた測定データ収集装置とをテレメトリングシステムが具備する。
【0015】
更に本発明では、(イ)予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定ステップと、(ロ)この測定ステップで測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信ステップと、(ハ)この端末側パケット信号送信ステップで送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存ステップと、(ニ)前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する端末側パケット信号受信ステップと、(ホ)この端末側パケット信号受信ステップで受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記した測定データ保存ステップで保存されている対応する測定データを比較する比較ステップと、(へ)この比較ステップで一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別ステップと、(ト)このエラー判別ステップで判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知するエラー通知ステップとをテレメトリング装置のデータ処理方法が具備する。
【0016】
更にまた本発明では、コンピュータに、テレメトリング装置のデータ処理プログラムとして、(イ)予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定処理と、(ロ)この測定処理で測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信処理と、(ハ)この端末側パケット信号送信処理で送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存処理と、(ニ)前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する端末側パケット信号受信処理と、(ホ)この端末側パケット信号受信処理で受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記した測定データ保存処理で保存されている対応する測定データを比較する比較処理と、(へ)この比較処理で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別処理と、(ト)このエラー判別処理で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知するエラー通知処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、測定データをバケツリレー式に特定の宛先に送り収集する場合に、テレメトリング装置に搭載されるメモリ内の宇宙線等に起因する一時的なデータ破壊を特定したり、エラー検出のための冗長信号を付与することなく測定データの正常性を確保することができる。したがって、冗長信号に使用する代わりに、無線帯域等の信号帯域を最大限測定データの転送に使用することができる。また、システムを構成するテレメトリング装置の数を減少することなく測定データの正常性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のテレメトリング装置のクレーム対応図である。
【図2】本発明のテレメトリングシステムのクレーム対応図である。
【図3】本発明のテレメトリング装置のデータ処理方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明のテレメトリング装置のデータ処理プログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の実施の形態によるテレメトリングシステムの構成の一例を表わしたシステム構成図である。
【図6】本実施の形態で使用するテレメトリング装置の一例についてその構成の要部を示したブロック図である。
【図7】本実施の形態の使用するセンタサーバの回路構成の要部を示したブロック図である。
【図8】本実施の形態のテレメトリング装置に割り当てられた計量データの構成を表わした説明図である。
【図9】本実施の形態の最下層に位置する2台のテレメトリング装置から計量データを含むパケットを受信した1つ上層のテレメトリング装置が送出するパケットの組み立ての様子を一例として表わした説明図である。
【図10】本実施の形態の新たな計量器出力パケットP21を生成したテレメトリング装置のメモリの格納内容を表わした説明図である。
【図11】本実施の形態の4台のテレメトリング装置における計量器出力パケットPの伝達の様子の一例を時系列で表わした説明図である。
【図12】本実施の形態のテレメトリング装置のデータ比較回路による計量データの比較処理の様子を表わした説明図である。
【図13】本実施の形態のテレメトリング装置における計量データの送信処理の様子を表わした流れ図である。
【図14】本実施の形態のテレメトリング装置の送出した計量データのエラー発生の判別処理の様子を表わした流れ図である。
【図15】本実施の形態のテレメトリング装置が送出する計量器出力パケットの生成過程におけるエラーフラグの設定処理の様子を表わした流れ図である。
【図16】本実施の形態のセンタサーバによるパケット受信処理の様子を表わした流れ図である。
【図17】本実施の形態のテレメトリング装置による再送要求パケットの受信処理を表わした流れ図である。
【図18】本発明に関連する第2の関連技術によるテレメトリングシステムの概要を表わしたシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明のテレメトリング装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のテレメトリング装置10は、測定手段11と、端末側パケット信号送信手段12と、測定データ保存手段13と、端末側パケット信号受信手段14と、比較手段15と、エラー判別手段16と、エラー通知手段17を備えている。ここで、測定手段11は、予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す。端末側パケット信号送信手段12は、測定手段11の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する。測定データ保存手段13は、端末側パケット信号送信手段12の送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する。端末側パケット信号受信手段14は、前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する。比較手段15は、端末側パケット信号受信手段14の受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、測定データ保存手段13に保存されている対応する測定データを比較する。エラー判別手段16は、比較手段15で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別する。エラー通知手段17は、エラー判別手段16で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知する。
【0020】
図2は、本発明のテレメトリングシステムのクレーム対応図を示したものである。本発明のテレメトリングシステム20は、複数のテレメトリング装置21と、測定データ収集装置22を備えている。ここで、テレメトリング装置21は、測定手段21aと、端末側パケット信号送信手段21bと、測定データ保存手段21cと、端末側パケット信号受信手段21dと、比較手段21eと、エラー判別手段21fと、エラー通知手段21gを備える。測定手段21aは、予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す。端末側パケット信号送信手段21bは、測定手段21aの測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する。測定データ保存手段21cは、端末側パケット信号送信手段21bの送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する。端末側パケット信号受信手段21dは、前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する。比較手段21eは、端末側パケット信号受信手段21dの受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、測定データ保存手段21cに保存されている対応する測定データを比較する。エラー通知手段21gは、比較手段21eで一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段21fと、このエラー判別手段21fで判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知する。測定データ収集装置22は、収集側パケット信号受信手段22aと、測定データ抽出手段22bと、測定データ格納手段22cと、再送要求手段22dを備えている。収集側パケット信号受信手段22aは、複数のテレメトリング装置21のうちの最上層のテレメトリング装置の端末側パケット信号送信手段21bの送信するパケット信号を受信する。測定データ抽出手段22bは、収集側パケット信号受信手段22aの受信したパケット信号から各テレメトリング装置21の送出した測定データを抽出する。測定データ格納手段22cは、測定データ抽出手段22bの抽出した測定データをテレメトリング装置21ごとのデータとして格納する。再送要求手段22dは、エラー通知手段21gの通知を受信して測定データ格納手段22cに格納された測定データのうちの該当するデータの再送を要求する。
【0021】
図3は、本発明のテレメトリング装置のデータ処理方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のテレメトリング装置のデータ処理方法30は、測定ステップ31と、端末側パケット信号送信ステップ32と、測定データ保存ステップ33と、端末側パケット信号受信ステップ34と、比較ステップ35と、エラー判別ステップ36と、エラー通知ステップ37を備えている。ここで、測定ステップ31では、予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す。端末側パケット信号送信ステップ32では、測定ステップ31で測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する。測定データ保存ステップ33では、端末側パケット信号送信ステップ32で送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する。端末側パケット信号受信ステップ34では、前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する。比較ステップ35では、端末側パケット信号受信ステップ34で受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、測定データ保存ステップ33で保存されている対応する測定データを比較する。エラー判別ステップ36では、比較ステップ35で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別する。エラー通知ステップ37では、エラー判別ステップ36で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知する。
【0022】
図4は、本発明のテレメトリング装置のデータ処理プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のテレメトリング装置のデータ処理プログラム40は、コンピュータに、測定処理41と、端末側パケット信号送信処理42と、測定データ保存処理43と、端末側パケット信号受信処理44と、比較処理45と、エラー判別処理46と、エラー通知処理47を実行させるようにしている。ここで、測定処理41では、予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す。端末側パケット信号送信処理42では、測定処理41で測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記した特定の宛先に直接送信する。測定データ保存処理43では、端末側パケット信号送信処理42で送信するパケット信号に含まれる前記した測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する。端末側パケット信号受信処理44では、前記した伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記したパケット信号を受信する。比較処理45では、端末側パケット信号受信処理44で受信したパケット信号に含まれる前記した次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、測定データ保存処理43で保存されている対応する測定データを比較する。エラー判別処理46では、比較処理45で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別する。エラー通知処理47では、エラー判別処理46で判別した測定データのエラーを前記した特定の宛先に通知する。
【0023】
<発明の実施の形態>
【0024】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0025】
図5は、本発明の実施の形態によるテレメトリングシステムの構成の一例を表わしたものである。本実施の形態のテレメトリングシステム200は、ツリー状に配置された複数のテレメトリング装置20111〜20134を備えている。これらテレメトリング装置20111〜20134は、各家宅に一例として電気の使用量を測定するために1台ずつ配置されているものであるが、ここでは説明の都合上、台数を少数に限定して示している。
【0026】
ツリー構造の頂点に立つテレメトリング装置20111は、一つ下層の2つのテレメトリング装置20121、20122と接続している。テレメトリング装置20121は、更に一つ下層の2つのテレメトリング装置20131、20132と接続している。他のテレメトリング装置20122は、同様に一つ下層の2つのテレメトリング装置20133、20134と接続している。
【0027】
このようなテレメトリングシステム200では、それぞれ上層に位置するテレメトリング装置201が1つ下層側に位置する配下のテレメトリング装置201のそれぞれから計量データを受信する。また、計量データを受信した上層のテレメトリング装置201は、受信した計量データに自装置の計量データを加えて、更に1つ上層の装置に送信する。たとえば計量データを受信した装置がテレメトリング装置20121である場合、計量データの宛先は最上層のテレメトリング装置20111となる。また、計量データを受信した装置が最上層のテレメトリング装置20111である場合、計量データの宛先は基地局202を経由したセンタサーバ203となる。以上は図18に示した第2の関連技術によるテレメトリングシステム100と同様である。
【0028】
本実施の形態の場合には、計量データを受信したテレメトリング装置201のそれぞれが自装置の計量データを加えて更に1つ上層の装置に送信するだけでなく、自装置の1つ下層側に位置する配下のテレメトリング装置201のそれぞれにもこれら計量データを無線で送信するようになっている。この結果、最上層のテレメトリング装置20111を除くその他のテレメトリング装置20121〜20134では、自装置が1つ上層のテレメトリング装置201に計量データを送信している一方で、その上層のテレメトリング装置201から、既に自装置が送出した計量データを受信することになる。
【0029】
図6は、本実施の形態で使用するテレメトリング装置の一例についてその構成の要部を示したものである。このテレメトリング装置20121以外のテレメトリング装置20111、20122〜20134の構成は、テレメトリング装置20121と基本的に同一となっている。したがって、テレメトリング装置20111、20122〜20134の構成についの図示および説明は省略する。ただし、最上層のテレメトリング装置20111は、最上層に位置しているために計量データの送信時にこれよりも上層の装置から計量データのフィードバックを受けることがない。したがって、テレメトリング装置20111はフィードバックされる計量データを処理する回路部分を必要としないという相違点がある。
【0030】
テレメトリング装置20121は、CPU221と制御プログラム格納部222を備えた制御部223を有している。CPU221は制御プログラム格納部222に格納された制御プログラムを実行することで、以下に説明するテレメトリング装置20121の各部を制御するようになっている。また、これら各部の少なくとも一部は、CPU221が制御プログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも可能である。
【0031】
無線通信回路225は、無線で計量データの送受信を行う回路である。メモリ226は、計量データの一時記憶を行う。計量データ取得回路227は、計量器228から計量データを取得する回路である。計量器228は、電力計のようにこのテレメトリングシステム200で課金の対象物を計量する機器である。データ抽出回路229は、テレメトリング装置20121が既に送出した計量データを下層のテレメトリング装置20131、20132から送られてくる計量データから抽出する回路である。データ比較回路230は、データ抽出回路229で抽出した自装置の過去の計量データをメモリ226に格納されている自装置の対応する計量データと比較する回路である。エラーデータ再送処理回路231は、センタサーバ203(図5)から再送要求のあった計量データを無線通信回路225を介して再送処理するための回路である。
【0032】
図7は、本実施の形態で使用するセンタサーバの回路構成の要部を表わしたものである。センタサーバ203は、CPU241と制御プログラム格納部242を備えた制御部243を有している。CPU241は制御プログラム格納部242に格納された制御プログラムを実行することで、以下に説明するセンタサーバ203の各部を制御するようになっている。また、これら各部の少なくとも一部は、CPU221が制御プログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも可能である。図5と共に説明する。
【0033】
通信制御回路244は、基地局202を介して複数のテレメトリング装置20111〜20134と基地局202を介して通信する。計量データ抽出回路245は、ツリー構造の頂点に立つテレメトリング装置20111から受信した計量器出力パケットからテレメトリング装置20111〜20134の計量データを抽出する。エラーフラグ検出回路246は、抽出した計量器出力パケット中にエラーフラグが存在する場合にこれを検出する。再送指示回路247は、エラーフラグ検出回路246がエラーフラグを検出した場合に、該当するテレメトリング装置201に対して計量データの再送を指示する。計量データ格納部248は、受信した計量器出力パケットから抽出したテレメトリング装置20111〜20134の計量データを格納する。
【0034】
以上のような構成のテレメトリングシステム200では、それぞれの家宅に設置される電気、ガス、水道等の使用量を測定するメータである計量器228の検針を自動的に行ない、PHS通信でバケツリレー形式でセンタサーバ203までデータ転送を行う。
【0035】
図8は、それぞれのテレメトリング装置に割り当てられた計量データの構成を表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0036】
計量データ251は、各テレメトリング装置20111〜20134に独自に割り当てられた識別情報としての計量器情報252と、計量データ取得回路227で取得した計量器228の計量値253と、エラーフラグ254から構成される。エラーフラグ254はデータ比較回路230がエラーを検出していない状態でフラグを示す値が「0」となっているが、エラーを検出した場合には「1」に設定される。ただし、計量器228は現在送出する計量結果としての値データあるのに対して、エラーフラグ254で示されるフラグの状態は「過去」に送出された計量値に対する結果を示している。
【0037】
上層側のテレメトリング装置201は、通常の計量データ251と同様に自装置の計量データ251も含めて、計量データ251が最下層のテレメトリング装置201から数珠つなぎになったものを更に上層側のテレメトリング装置201に転送する。
【0038】
図9は、最下層に位置する2台のテレメトリング装置から計量データを含むパケットを受信した1つ上層のテレメトリング装置が送出するパケットの組み立ての様子を一例として表わしたものである。ここでは電気の使用量を表わした計量データを転送する場合を例に採って、図5および図6と共に説明する。
【0039】
図5に示すテレメトリング装置20121は、配下の最下層の一方のテレメトリング装置20131から、図9(A)に示すように計量器出力パケットP31を受信し、他方のテレメトリング装置20132から計量器出力パケットP32を受信する。これら計量器出力パケットP31、P32は、共にヘッダ261、計量データ262およびフッタ263から構成されている。計量器出力パケットP31の計量データ262は、計量器出力パケットP31の送出タイミングの直前に計量データ取得回路227が電気の使用量を基にして生成した計量データ「D31」であり、計量器出力パケットP32の計量データ262は、計量器出力パケットP32の送出タイミングの直前に計量データ取得回路227が電気の使用量を基にして生成した計量データ「D32」である。
【0040】
テレメトリング装置20121のデータ抽出回路229は、受信したこれらの計量器出力パケットP31、P32から計量データ262を取り出す。これらが図9に示す計量データ「D31」および計量データ「D32」である。テレメトリング装置20121は、自装置の計量データ「D21」を自装置の計量データ取得回路227で生成している。そこでテレメトリング装置20121は、図9(B)に示すように、これら3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」を連結した計量データ262を生成して、これをヘッダ261とフッタ263の間に組み込んだ計量器出力パケットP21を図9(C)に示すように生成する。
【0041】
図10は、この新たな計量器出力パケットP21を生成したテレメトリング装置のメモリの格納内容を表わしたものである。図5、図6および図9と共に説明する。
【0042】
テレメトリング装置20121のメモリ226は、たとえばSRAM(Static Random Access Memory)で構成されており、データを保持しているときの消費電力が極めて小さい。メモリ226には、テレメトリング装置20121が無線通信回路225を用いて計量器出力パケットP21を送出するたびに3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」を順次格納するようになっている。
【0043】
一方、テレメトリング装置20121は、計量器出力パケットP21を上層のテレメトリング装置20111に対してPIAFS(Personal Handyphone System Internet Access Forum Standard)規格に則って送信する。この計量器出力パケットP21の送信は無線で行われる。したがって、送出された計量器出力パケットP21は、下層のテレメトリング装置20131、20132も傍受することができる。
【0044】
図11は、以上説明した4台のテレメトリング装置における計量器出力パケットPの伝達の様子の一例を時系列で表わしたものである。図で下方向が時間の経過を示す。図5および図9と共に説明する。
【0045】
最下層のテレメトリング装置20131および20132は、それぞれ予め決められた送信タイミングが来ると、自装置で計量した計量データD31、D32を計量器出力パケットP31、P32として、1つ上層のテレメトリング装置20121に対して送出する。図11では、一方のテレメトリング装置20131が時刻t11に計量器出力パケットP31を送出し、続いて時刻t12に他方のテレメトリング装置20132が計量器出力パケットP32を出力しているが、これらに時間的な先後関係は特に存在しなくてよい。
【0046】
テレメトリング装置20121は、配下の2台のテレメトリング装置20131および20132からそれぞれ計量器出力パケットP31、P32を受信すると、その後の時刻t13に自装置のD21を加えた計量器出力パケットP21を送出する。この計量器出力パケットP21は、本来の送信先であるテレメトリング装置20111で受信される他、テレメトリング装置20121から1つ下層のテレメトリング装置20131および20132でも受信(傍受)される。時刻t11から各テレメトリング装置20111〜20134の送信間隔としての送信周期TSが経過した時刻t21に、次のサイクルとして最下層のテレメトリング装置20131が計量データD31を計量器出力パケットP31として、1つ上層のテレメトリング装置20121に対して送出することになる。以下、同様である。
【0047】
図12は、以上説明したような通信が行われるときのテレメトリング装置のデータ比較回路による計量データの比較処理の様子を表わしたものである。ここでは、図5に示した最下層の一方のテレメトリング装置20131における比較処理を説明する。図5、図6、図8および図9と共に説明する。
【0048】
図12(A)は、図9(C)に示したテレメトリング装置20121から送出される計量器出力パケットP21を示している。ヘッダ261とフッタ263に挟まれた計量データ262は3つの計量データ「D31」、「D32」、「D21」を連結した形となっている。
【0049】
図12(B)はこの計量データ262(251)の構成を具体的に示したものである。計量データ262は、最下層の一方のテレメトリング装置20131を示す計量器情報25231、計量値25331、エラーフラグ25431の組と、最下層の他方のテレメトリング装置20132を示す計量器情報25232、計量値25332、エラーフラグ25432の組と、1つ上層のテレメトリング装置20121を示す計量器情報25221、計量値25321、エラーフラグ25421の組から構成されている。
【0050】
テレメトリング装置20121から図12(A)に示す計量器出力パケットP21がテレメトリング装置20111に対して送出されると、テレメトリング装置20131もこの計量器出力パケットP21を受信(傍受)する。テレメトリング装置20131のデータ抽出回路229は、この受信(傍受)した計量データ262から、図12(C)に示すように、自装置であるテレメトリング装置20131を示す計量データ25131を取り出す。
【0051】
テレメトリング装置20131のメモリ226には、図12(E)に示すようにテレメトリング装置20131が送出した計量器出力パケットP31における計量データD31が格納されている。これについては、図10に示したテレメトリング装置20121のメモリの内容を参照することができる。すなわち、テレメトリング装置20121から送出される計量器出力パケットP21は図9(B)に示したように3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」を連結した計量データ262であるため、そのメモリ226にこれら3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」が格納される。テレメトリング装置20131のメモリ226には、これに対して1種類の計量データ「D31」のみが格納される。
【0052】
テレメトリング装置20131のデータ比較回路230は、図12(D)に示すように、現在受信(傍受)した計量データ25131(図12(C))と、メモリ226に格納されている送信周期TSだけ遡った時点でテレメトリング装置20131から送信されたときの計量データ「D31」を比較する(ステップS301)。そして、両者の計量値25331に何らかの差異が検出されたら(ステップS302)、テレメトリング装置20131を経て送出された計量データ「D31」がその後の経路で内容にエラーが生じたものとしてエラーフラグ25431を「1」にセットすることになる。
【0053】
なお、図5に示したテレメトリングシステム200では、構成するテレメトリング装置20111〜20134のツリー構造が説明の都合上で3階層だけの非常に簡略化されたものとなっている。実際のテレメトリングシステム200では最下層のテレメトリング装置201から基地局202に接続された最上層のテレメトリング装置20111に計量データが転送される階層の数が遥かに多い場合もある。このような場合には、図5を用いて説明したよりも更に多くの階層を経て計量データが順次集積されながら上層のテレメトリング装置201へと送られていくことになる。このようにして最終的には全テレメトリング装置20111〜20134の計量データが最上層のテレメトリング装置20111を経てセンタサーバ203に送られ、図7に示した計量データ格納部248に格納される。
【0054】
以上のような計量データの転送処理では、PHSの無線帯域を計量データの転送に最大限使用するようにしている。このため、本実施の形態では、図12(A)に一例を示す計量器出力パケットP21にはPIAFS規格に則って無線パケットフレーム全体に対するデータの検査のためのCRCを付加しているものの、同図(B)に示す計量値25331等の個々のデータには計量データの正当性を評価するためのCRCを付加する構成は採っていない。
【0055】
既に説明したように各テレメトリング装置20111〜20134では、半導体メモリ内で一時的なデータ破壊が生じて計量データにソフトウェア的なエラーが発生する場合がある。そこで、このようなソフトウェア的なエラーが一部のテレメトリング装置201に発生したときに、これを検出するために本実施の形態では送信した計量データをそれぞれのテレメトリング装置201にフィードバックして、これらのデータ内容が変更されたかを比較処理して、図12で説明したように何らかの差異が検出された場合には、過去に自装置が送出したその計量データにエラーが発生したことにしている。
【0056】
しかもこのエラー検出の仕組みではテレメトリング装置20111〜20134がエラー検出用の特別のパケットを送出しているのではない。上層のテレメトリング装置201へ送信される電波は下層のテレメトリング装置201が傍受することができる。この傍受によってそれぞれのテレメトリング装置201は自装置の過去に送出した計量データがソフトウェア的なエラーを発生させたかを判別することができる。すなわち下層のテレメトリング装置201のデータの受信は、上層のテレメトリング装置201へのデータの送信と同一の電波を用いている。このため、計量データのソフトウェア的なエラーを検出する仕組み自体については、無線帯域に対する負荷の増加はない。
【0057】
データ比較回路230によってエラーを検出したそのテレメトリング装置201は、次回の計量データ送信の機会にエラーを検出したことを示すフラグを立てて、今回の計量データと共に上層側テレメトリング装置に送信する。このようにして最終的にセンタサーバ203に送出された計量器出力パケットのエラーフラグが「1」に設定されていれば計量データに誤りが存在することを検出することができ、どのテレメトリング装置201からの計量データに異常があるかも判定することができる。図7に示す再送指示回路247は、該当するテレメトリング装置201に再送を指示する回路であり、図6に示したエラーデータ再送処理回路231は再送の指示があったテレメトリング装置201がエラーのあった計量データを再送処理するための回路である。
【0058】
このように、本実施の形態のテレメトリングシステム200によれば無線帯域に負荷をかけずにシステムを構成するテレメトリング装置の数を減らさず計量データ収集の信頼性を高めることが可能になる。また、計量器出力パケットの再送処理によってセンタサーバ203は、図7に示す計量データ格納部248に格納する各テレメトリング装置20111〜20134の計量データの修復を行うことができる。
【0059】
そこで、以上説明したテレメトリングシステム200で行われる制御の要部について説明する。これらの制御は、テレメトリング装置201であれば図6に示したテレメトリング装置20121に代表されるようにその制御部223内のCPU221が制御プログラム格納部222に格納された制御プログラムを実行することにより実現する。また、センタサーバ203であればその制御部243内のCPU221が制御プログラム格納部242に格納された制御プログラムを実行することにより実現する。
【0060】
図13は、テレメトリング装置における計量データの送信処理の様子を表わしたものである。図5、図6、図9〜図11と共に説明する。ここではテレメトリング装置20131を例にとる。
【0061】
テレメトリング装置20131は、図11に示した送信周期TSで計量器228からの計量データの取得タイミングを設定している。この計量データの取得タイミングが到来すると(ステップS321:Y)、計量データ取得回路227は計量器228から最新の計量データとしての電力の使用量を取得する(ステップS322)。そして、テレメトリング装置20131に対する配下のテレメトリング装置201からの受信データが存在するかをチェックする(ステップS323)。
【0062】
図5より明らかなようにテレメトリング装置20131は最下層に位置する装置であり、バケツリレーの起点に位置する。したがって、配下のテレメトリング装置201が存在せず、配下のテレメトリング装置201からの受信データは存在しない(ステップS323:N)。したがって、テレメトリング装置20131は自装置の計量データ取得回路227で取得した計量データのみを組み込んだ計量器出力パケットP31を生成する(ステップS324)。そして、このときの1種類の計量データ「D31」(図9(A))を自装置のメモリ226(図6参照)に格納する(ステップS325)。この後、テレメトリング装置20131の無線通信回路225は計量器出力パケットP31を無線で送信して(ステップS326)、処理をステップS321に戻す(リターン)。
【0063】
以上の処理で最下層に位置しないテレメトリング装置201として、たとえばテレメトリング装置20121を考察する。テレメトリング装置20121の場合には、配下のテレメトリング装置201としてテレメトリング装置20131とテレメトリング装置20132が存在する。これらのテレメトリング装置20131、20132は、共に送信周期TSで計量データを採取している。そこで、テレメトリング装置20121の場合にはステップS323の処理が、「配下の受信データあり」となる(Y)。
【0064】
この例の場合、テレメトリング装置20121は一方のテレメトリング装置20131から計量器出力パケットP31を受信し、他方のテレメトリング装置20132から計量器出力パケットP32を受信する。そこでテレメトリング装置20121のデータ抽出回路229は計量器出力パケットP32から計量データ「D31」(図9(A))を抽出し、同様にして他方のテレメトリング装置20132の計量器出力パケットP31から計量データ「D32」(図9(A))を抽出する。そして、これらの計量データ「D31」、「D32」と自装置の計量データ「D21」を組み合わせて(図9(B))、計量器出力パケットP21(図9(C))を生成する(ステップS327)。
【0065】
この例の場合、テレメトリング装置20121は3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」を図10に示すメモリ226に格納する(ステップS325)。そして、これら3種類の計量データ「D31」、「D32」、「D21」を格納した計量器出力パケットP21を無線通信回路225が無線で送信して(ステップS326)、処理をステップS321に戻すことになる(リターン)。
【0066】
図14は、テレメトリング装置の送出した計量データのエラー発生の判別処理の様子を表わしたものである。図5、図6および図12と共に説明する。ここではテレメトリング装置20131を例にとる。
【0067】
テレメトリング装置20131の無線通信回路225は1つ上層のテレメトリング装置20121がテレメトリング装置20111に対して送出した計量器出力パケットP21を受信するのを待機している(ステップS351)。計量器出力パケットP21を受信すると(Y)、データ抽出回路229がこの中に含まれるテレメトリング装置20131自身の計量データ25131(計量データ「D31」)を抽出する(ステップS352、)図12(C))。そして、図12(E)に示すようにメモリ226に1周期前の計量データとして格納した自身の計量データ「D31」を読み出す(ステップS353)。
【0068】
データ比較回路230は、現在受信(傍受)した計量データ25131(図12(C))と、メモリ226に格納されている送信周期TSだけ遡った時点でテレメトリング装置20131から送信されたときの計量データ「D31」を比較する(ステップS354)。この結果、両計量データに差異がある場合には(ステップS355:Y)、図示しないフラグ格納領域あるいは特定のフィールドのエラーフラグの値をエラーが検出されたことを示す「1」にセットして(ステップS356)、処理を終了する(エンド)。エラーフラグは、このように値「1」をセットする代わりに、メモリ226に格納された計量データにおけるエラーの生じたデータの箇所を特定のパターンでマークすることでも設定が可能である。ステップS355で両計量データに差異がない場合には(N)、エラーフラグが「0」のままで一連の処理を終了する(エンド)。
【0069】
図15は、テレメトリング装置が送出する計量器出力パケットの生成過程におけるエラーフラグの設定処理の様子を表わしたものである。この処理は、図13のステップS324およびステップS327で説明した計量器出力パケットP31の生成処理の一部を成すものである。図5、図6および図12と共に説明する。ここではテレメトリング装置20131を例にとる。
【0070】
テレメトリング装置20131では、計量器出力パケットP31の送出に先立って前記したフラグ格納領域のエラーフラグの値をチェックする(ステップS371)。この結果、エラーフラグの値が「1」である場合には(Y)、図12(B)に示す自装置のエラーフラグ25431の値を「1」に設定して(ステップS372)、エラーフラグの設定処理を終了する(エンド)。
【0071】
フラグ格納領域のエラーフラグの値が「0」である場合には(ステップS371:N)、図12(B)に示す自装置のエラーフラグ25431の値を「0」に設定して(ステップS373)、エラーフラグの設定処理を終了する(エンド)。
【0072】
図16は、センタサーバによるパケット受信処理の様子を表わしたものである。図5、図7、図9および図12と共に説明する。
【0073】
センタサーバ203の通信制御回路244は基地局202を介して計量器出力パケットの受信を待機している(ステップS391)。計量器出力パケットを受信すると(Y)、計量データ抽出回路245が各テレメトリング装置20111〜20134の計量データ262を抽出する(ステップS392)。これは、図9(A)および(B)で示した抽出原理と同一である。抽出したこれらの計量データ262は、それぞれのテレメトリング装置20111〜20134のデータとして計量データ格納部248に格納される(ステップS393)。
【0074】
このステップS293の処理では、ステップS391で受信した計量器出力パケットが計量データの再送用のパケットである場合、あるいは通常の計量器出力パケットの計量データ262の一部に再送用の計量データが含まれている場合がある。このような場合には、再送された計量データ262を計量データ格納部248に格納されているエラーの生じた計量データに上書きして、データの再構築が行われる。
【0075】
ステップS393の処理が終了したら、センタサーバ203のエラーフラグ検出回路246は処理した計量データ262に含まれるエラーフラグ254が「1」にセットされているかをチェックする(ステップS394)。エラーフラグ254が「1」にセットされている場合には(Y)、そのエラーフラグ254をセットしたテレメトリング装置201が計量データのエラーを検出したことになる。そこで再送指示回路247は、通信制御回路244に指示してそのテレメトリング装置201に再送要求パケットを送出させて(ステップS395)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0076】
これに対して、エラーフラグ検出回路246がエラーフラグ254が「1」にセットされていることを検出しなかった場合には(ステップS394:N)、再送要求パケットを送出する必要がない。そこで、この場合には再送要求パケットを送出することなく一連の処理を終了する(エンド)。
【0077】
図17は、テレメトリング装置による再送要求パケットの受信処理を表わしたものである。図5、図6および図12と共に説明する。ここではテレメトリング装置20121を例にとる。
【0078】
テレメトリング装置20121はセンタサーバ203から再送要求パケットが送られてくると(ステップS401:Y)、エラーデータ再送処理回路231は自装置が送出する計量器出力パケットの計量データ262の容量に所定量の空きがあり、再送用の計量データをここに追加することが可能であるかをチェックする(ステップS402)。このような空きがない場合には(N)、テレメトリング装置20121が通常送出する計量器出力パケットに再送用の計量データを含めることができない。
【0079】
そこでこの場合、エラーデータ再送処理回路231は再送が指示された計量データを組み込んだ再送専用の計量器出力パケットを生成する(ステップS403)。そして、無線通信回路225を使用してこの再送専用の計量器出力パケットを送信して(ステップS404)、処理を終了する(エンド)。このとき送信する計量器出力パケットは、1つ上層のテレメトリング装置20111が受信して基地局202を介してセンタサーバ203に送信されてもよいし、受信環境が可能であれば基地局202に直接送信するものであってもよい。
【0080】
一方、再送用の計量データを通常送信する計量器出力パケットに追加することができる場合には(ステップS402:Y)、次の計量器出力パケットの生成時に自装置の再送対象の計量データを再送分として追加するように設定を行って(ステップS405)、処理を終了する(エンド)。この場合、テレメトリング装置20121は次の通常送信する計量器出力パケットの送信時に自装置の再送対象の計量データを追加して1つ上層のテレメトリング装置20111にこのパケットを送信することになる。
【0081】
以上説明したように本実施の形態によれば、バケツリレー式に構成された伝送経路において、データの冗長性を前後のテレメトリング装置で構成することにより、無線回線の負荷の増大を最小限に抑え、容易にソフトエラーを検出することができる。無線回線の負荷を抑えられるということは、より多くのテレメトリング装置を配置できるというメリットがある。
【0082】
また、本実施の形態によれば、計量データに付加するエラーフラグによりエラーを起こしたテレメトリング装置およびデータを特定することができ、容易にソフトエラーデータを修復することができる。
【0083】
更に本実施の形態によれば、計量データの伝送にエラーを発生させた場合、計量器出力パケットに容量的な余裕があれば通常送信する計量器出力パケットに再送分の計量データを追加することにした。このため、再送が行われる場合にも無線回線の負荷の増大を抑えることができる。
【0084】
なお、実施の形態では電力、ガス、水道等の検針による課金の対象となる計量データを送信するテレメトリングシステムについて説明したが、これに限るものではない。たとえば温度や湿度等の気象データの収集など、その他のテレメトリング装置に対しても本発明を適用することができる。
【0085】
また、実施の形態ではPHSを使用したテレメトリングシステムについて説明したが、その他の無線通信のプロトコルや下層の装置が通信内容を傍受できる有線通信についても本発明を同様に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0086】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0087】
(付記1)
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、
この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、
この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、
この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、
この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、
このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知手段
とを具備することを特徴とするテレメトリング装置。
【0088】
(付記2)
前記エラー通知手段は、測定データのエラーが発生したことを前記端末側パケット信号送信手段が送信するパケット信号に組み込んで他の測定データと共に送信することを特徴とする付記1記載のテレメトリング装置。
【0089】
(付記3)
前記端末側パケット信号送信手段は無線により送信する手段であり、前記端末側パケット信号受信手段は前記次に伝達する通信端末の前記端末側パケット信号送信手段の送信した無線を傍受する手段であることを特徴とする付記1記載のテレメトリング装置。
【0090】
(付記4)
前記端末側パケット信号送信手段は有線により送信する手段であり、前記端末側パケット信号受信手段は前記次に伝達する通信端末の前記端末側パケット信号送信手段の送信したパケット信号を有線で受信する手段であることを特徴とする付記1記載のテレメトリング装置。
【0091】
(付記5)
前記エラー通知手段の通知の結果として前記特定の宛先から自装置の測定データの再送の要求があったときこれを受信する再送要求受信手段と、この再送要求受信手段が再送の要求を受信したとき前記測定データ保存手段に保存された再送の要求があった測定データをパケット信号に組み込んで再送するパケット信号再送手段を具備することを特徴とする付記1記載のテレメトリング装置。
【0092】
(付記6)
前記パケット信号再送手段は前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に前記再送の要求があった測定データを組み込んで送信する手段であることを特徴とする付記5記載のテレメトリング装置。
【0093】
(付記7)
前記パケット信号再送手段は前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号とは別に前記再送の要求があった測定データを送信する手段であることを特徴とする付記5記載のテレメトリング装置。
【0094】
(付記8)
前記端末側パケット信号送信手段は前記パケット信号をPIAFS(Personal Handyphone System Internet Access Forum Standard)規格に則って送信する手段であることを特徴とする付記1記載のテレメトリング装置。
【0095】
(付記9)
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知手段とを備えた複数のテレメトリング装置と、
これら複数のテレメトリング装置のうちの最上層のテレメトリング装置の前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号を受信する収集側パケット信号受信手段と、この収集側パケット信号受信手段の受信したパケット信号から各テレメトリング装置の送出した測定データを抽出する測定データ抽出手段と、この測定データ抽出手段の抽出した測定データをテレメトリング装置ごとのデータとして格納する測定データ格納手段と、前記エラー通知手段の通知を受信して前記測定データ格納手段に格納された測定データのうちの該当するデータの再送を要求する再送要求手段とを備えた測定データ収集装置
とを具備することを特徴とするテレメトリングシステム。
【0096】
(付記10)
前記複数のテレメトリング装置の少なくとも一部は、前記測定データ収集装置の前記再送要求手段から自装置の測定データの再送の要求があったときこれを受信する再送要求受信手段と、この再送要求受信手段が再送の要求を受信したとき前記測定データ保存手段に保存された再送の要求があった測定データをパケット信号に組み込んで前記測定データ収集装置に再送するパケット信号再送手段を具備することを特徴とする付記9記載のテレメトリングシステム。
【0097】
(付記11)
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定ステップと、
この測定ステップで測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信ステップと、
この端末側パケット信号送信ステップで送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存ステップと、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信ステップと、
この端末側パケット信号受信ステップで受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存ステップで保存されている対応する測定データを比較する比較ステップと、
この比較ステップで一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別ステップと、
このエラー判別ステップで判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知ステップ
とを具備することを特徴とするテレメトリング装置のデータ処理方法。
【0098】
(付記12)
前記エラー通知ステップによる通知の結果として前記特定の宛先から自装置の測定データの再送の要求があったときこれを受信する再送要求受信ステップと、この再送要求受信ステップで再送の要求を受信したとき前記測定データ保存ステップで保存された再送の要求があった測定データをパケット信号に組み込んで再送するパケット信号再送ステップとを更に具備することを特徴とする付記11記載のテレメトリング装置のデータ処理方法。
【0099】
(付記13)
コンピュータに、
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定処理と、
この測定処理で測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信処理と、
この端末側パケット信号送信処理で送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存処理と、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信処理と、
この端末側パケット信号受信処理で受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存処理で保存されている対応する測定データを比較する比較処理と、
この比較処理で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別処理と、
このエラー判別処理で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知処理
とを実行させることを特徴とするテレメトリング装置のデータ処理プログラム。
【0100】
(付記14)
前記エラー通知処理による通知の結果として前記特定の宛先から自装置の測定データの再送の要求があったときこれを受信する再送要求受信処理と、この再送要求受信処理で再送の要求を受信したとき前記測定データ保存処理で保存された再送の要求があった測定データをパケット信号に組み込んで再送するパケット信号再送処理とを前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする付記13記載のテレメトリング装置のデータ処理プログラム。
【符号の説明】
【0101】
10、21、201 テレメトリング装置
11、21a 測定手段
12、21b 端末側パケット信号送信手段
13、21c 測定データ保存手段
14、21d 端末側パケット信号受信手段
15、21e 比較手段
16、21f エラー判別手段
17、21g エラー通知手段
20、200 テレメトリングシステム
22 測定データ収集装置
22a 収集側パケット信号受信手段
22b 測定データ抽出手段
22c 測定データ格納手段
22d 再送要求手段
30 テレメトリング装置のデータ処理方法
31 測定ステップ
32 端末側パケット信号送信ステップ
33 測定データ保存ステップ
34 端末側パケット信号受信ステップ
35 比較ステップ
36 エラー判別ステップ
37 エラー通知ステップ
40 テレメトリング装置のデータ処理プログラム
41 測定処理
42 端末側パケット信号送信処理
43 測定データ保存処理
44 端末側パケット信号受信処理
45 比較処理
46 エラー判別処理
47 エラー通知処理
202 基地局
203 センタサーバ
221、241 CPU
222、242 制御プログラム格納部
223、243 制御部
225 無線通信回路
226 メモリ
227 計量データ取得回路
228 計量器
229 データ抽出回路
230 データ比較回路
231 エラーデータ再送処理回路
244 通信制御回路
245 計量データ抽出回路
246 エラーフラグ検出回路
247 再送指示回路
248 計量データ格納部
251、262、D 計量データ
252 計量器情報
253 計量値
254 エラーフラグ
P 計量器出力パケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、
この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、
この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、
この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、
この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、
このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知手段
とを具備することを特徴とするテレメトリング装置。
【請求項2】
前記エラー通知手段は、測定データのエラーが発生したことを前記端末側パケット信号送信手段が送信するパケット信号に組み込んで他の測定データと共に送信することを特徴とする請求項1記載のテレメトリング装置。
【請求項3】
前記端末側パケット信号送信手段は無線により送信する手段であり、前記端末側パケット信号受信手段は前記次に伝達する通信端末の前記端末側パケット信号送信手段の送信した無線を傍受する手段であることを特徴とする請求項1記載のテレメトリング装置。
【請求項4】
前記端末側パケット信号送信手段は有線により送信する手段であり、前記端末側パケット信号受信手段は前記次に伝達する通信端末の前記端末側パケット信号送信手段の送信したパケット信号を有線で受信する手段であることを特徴とする請求項1記載のテレメトリング装置。
【請求項5】
前記エラー通知手段の通知の結果として前記特定の宛先から自装置の測定データの再送の要求があったときこれを受信する再送要求受信手段と、この再送要求受信手段が再送の要求を受信したとき前記測定データ保存手段に保存された再送の要求があった測定データをパケット信号に組み込んで再送するパケット信号再送手段を具備することを特徴とする請求項1記載のテレメトリング装置。
【請求項6】
前記パケット信号再送手段は前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に前記再送の要求があった測定データを組み込んで送信する手段であることを特徴とする請求項5記載のテレメトリング装置。
【請求項7】
前記パケット信号再送手段は前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号とは別に前記再送の要求があった測定データを送信する手段であることを特徴とする請求項5記載のテレメトリング装置。
【請求項8】
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定手段と、この測定手段の測定した結果としての測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信手段と、この端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存手段と、前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信手段と、この端末側パケット信号受信手段の受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存手段に保存されている対応する測定データを比較する比較手段と、この比較手段で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別手段と、このエラー判別手段で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知手段とを備えた複数のテレメトリング装置と、
これら複数のテレメトリング装置のうちの最上層のテレメトリング装置の前記端末側パケット信号送信手段の送信するパケット信号を受信する収集側パケット信号受信手段と、この収集側パケット信号受信手段の受信したパケット信号から各テレメトリング装置の送出した測定データを抽出する測定データ抽出手段と、この測定データ抽出手段の抽出した測定データをテレメトリング装置ごとのデータとして格納する測定データ格納手段と、前記エラー通知手段の通知を受信して前記測定データ格納手段に格納された測定データのうちの該当するデータの再送を要求する再送要求手段とを備えた測定データ収集装置
とを具備することを特徴とするテレメトリングシステム。
【請求項9】
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定ステップと、
この測定ステップで測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信ステップと、
この端末側パケット信号送信ステップで送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存ステップと、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信ステップと、
この端末側パケット信号受信ステップで受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存ステップで保存されている対応する測定データを比較する比較ステップと、
この比較ステップで一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別ステップと、
このエラー判別ステップで判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知ステップ
とを具備することを特徴とするテレメトリング装置のデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
予め定められた測定を予め定めた時間間隔を置いて繰り返す測定処理と、
この測定処理で測定が行われるたびに結果として得られる測定データを予め特定された伝達経路に沿って特定の宛先に送信する際に、この伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にはその通信端末に自装置としての通信端末および配下の通信端末の測定データをまとめて1つのパケット信号として送信し、次に伝達する通信端末が存在しない場合にはこのパケット信号を前記特定の宛先に直接送信する端末側パケット信号送信処理と、
この端末側パケット信号送信処理で送信するパケット信号に含まれる前記測定データを送信後も少なくとも一時的に保存する測定データ保存処理と、
前記伝達経路上に次に伝達する通信端末が存在する場合にその通信端末が送出する前記パケット信号を受信する端末側パケット信号受信処理と、
この端末側パケット信号受信処理で受信したパケット信号に含まれる前記次に伝達する通信端末の測定した測定データ以外の測定データと、前記測定データ保存処理で保存されている対応する測定データを比較する比較処理と、
この比較処理で一致がとれなかった測定データがあったときその測定データにエラーが発生したと判別するエラー判別処理と、
このエラー判別処理で判別した測定データのエラーを前記特定の宛先に通知するエラー通知処理
とを実行させることを特徴とするテレメトリング装置のデータ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−222572(P2012−222572A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85656(P2011−85656)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】