説明

テープ基材、コイルおよび誘導加熱調理器

【課題】簡単な構成で、熱損失を低減して熱効率を上げるために、コイルの耐熱性を向上して安全性の確保を図るために必要な構成要素およびそれを使用したコイルと誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】テープ基材30は、複数の耐熱絶縁糸30aを均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニス層30bを含浸させてテープ状に形成するとともに、自己融着ワニス層30bを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物を接着するようにしてある。そして、導体線29で形成されるコイル24のターン間に、テープ基材30を配設し、加熱することでコイル24のターン間をテープ基材30で固着して形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器等に用いるコイルの組み立て時に形状を保持する構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、火を使わない、燃焼ガスの出ない安全でクリーンな熱源として誘導加熱調理器が普及してきている。この誘導加熱調理器は誘導加熱のための加熱コイルと、加熱コイルに高周波電流を制御可能に供給する制御回路上に様々な電子部品とを備えている。
【0003】
そして、誘導加熱調理器はガス加熱に比べて高い熱効率であるものの、被調理鍋の材質による被透磁率や抵抗率によって加熱効率が異なり、相対的に熱効率の低い条件下では熱損失が増大し、その分加熱コイル等の部品の発熱が増大するため、安定した加熱調理を行うために、加熱コイルの構造が重要となり、種々の改良がなされている。
【0004】
この種の誘導加熱調理器の加熱コイルの構成としては、簡便な方法で放熱板の所定位置に加熱コイルおよびコイルベースを固定する構成としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図12は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱装置用誘導加熱コイルの断面図を示すものである。図12に示すように、誘導加熱調理器において、被調理鍋(図示せず)が載置されるトッププレート1の下方に配置されるコイルユニット2は加熱コイル3と、加熱コイル3が載置されるフェライト4と、フェライト4を保持するコイルベース5で構成されている。
【0006】
そして、コイルベース5の上面側に突出した、放射状に複数本配置された棒状のフェライト4が加熱コイル3下面に直接接触して保持しており、加熱コイル3の発熱を熱伝導によって、フェライト4に積極的に伝熱される構造となっている。
【0007】
ここで、加熱コイル3とフェライト4の間隙に熱伝導性の高い熱伝導部材を充填して、加熱コイル3の熱拡散を良好にすれば、より効率よく加熱コイル3を冷却できる。
【0008】
また、誘導加熱調理器などの機器内の放射ノイズ、又は反射ノイズを防止し、内部外部をとわず手軽にシールドできるようなテープとして、構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
図13は、特許文献2に記載された従来の3層構造のテープである。図13に示すように、テープ11は、薄帯12が磁性材粉末と有機結合剤からなる複合磁性体層13又は、導電体層14で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−302406号公報
【特許文献2】特開平10−74613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来の構成では、発熱した加熱コイル3の熱をフェライト4に熱伝
導して広く拡散させ加熱コイル3を冷却することで熱損失を低減する様になっているため、さらに、熱損失を低減して熱効率を上げようとすると、ファン等による冷却量を上げなければならず、ファン等による騒音や加熱コイル3の配置等による限界があり、大幅な改善はできず、やはり、加熱コイル3自身の巻き方等による改良が必要となった。
【0012】
そこで、簡単な構成で、熱損失を低減して熱効率を上げるために、トッププレートと加熱コイル3をできるだけ近づけて配置すると、トッププレート上の被加熱調理容器と加熱コイル3の距離が近くなり、被加熱調理容器と加熱コイル3の結合が強くなるため、加熱しやすくなるとともに、加熱コイル3からの電磁界漏れを大幅に低減することができ、さらに、加熱コイル3の発熱がトッププレートに伝熱されるので、被加熱調理容器からの熱をトッププレートが奪ってしまう量を低減でき、これらの相乗効果で加熱コイル3の熱効率を大幅に向上することができるようになる。
【0013】
しかしながら上記のトッププレートと加熱コイル3できるだけ近づけて配置する構成では、使用者の調理条件によっては、加熱コイル3が高温となり、加熱コイル3を形成する導線の絶縁性に対する耐熱が課題となった。
【0014】
例えば、使用者の調理条件としては、フライパンによる焼き物や、さらに、フライパンあるいは鍋に被加熱物を少量あるいはない状態で加熱するような空焼き状態では、加熱コイル3が高温となりやすくなる。そのため、加熱コイル3が高温とならないように、加熱コイル3あるいはトッププレートまたは鍋底の温度を検知して加熱コイル3の出力を調整すると、フライパンによる焼き物がうまく調理できないといった心配があった。
【0015】
そして、加熱コイル3を形成する導線の絶縁性が劣化してしまうと、巻き回して形成する加熱コイル3のターン間で短絡してしまい、その部分で異常加熱して、その周囲の部品例えばコイルベース5を損傷させてしまい、ついには誘導加熱調理器全体を発煙、発火に至らしめ不安全となる危険性があった。
【0016】
また、後者の従来の構成では、テープ11は薄帯12が磁性材粉末と有機結合剤からなる複合磁性体層13又は、導電体層14で構成されているため、テープ11の幅を狭く形成することが難しく、狭くすると加工が難しく、例えば幅広のシート状の基材をスリットして狭くしたとき、一度に幅狭くできないため、段階を経てスリットしていくと工数が掛かりコストアップになる課題があった。
【0017】
また、幅広のテープ素材をスリットすると、端の部分がほつれて、引っ張ったときの強度が不足したり、テープ幅が不安定となってしまう心配があった。
【0018】
また、例えばテープ素材を金属シートとすると、幅を狭く作成するためには、スリットする場合、装置の幅に限界があり、丸線をつぶして作成するなどの工数がかかり、コスト高になってしまったり、誘導加熱調理器の誘導加熱時に金属シート部分が加熱されてしまう課題があった。
【0019】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で、熱損失を低減して熱効率を上げるために、加熱コイルの耐熱性を向上して安全性の確保を図る構成要素およびそれを使用したコイルと誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記従来の課題を解決するために、本発明のテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器は、複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成するとともに、自己融着ワニス
を非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物を接着するようにしてある。
【0021】
また、導体線で形成されるコイルのターン間に、前記テープ基材を配設し、加熱することで前記コイルのターン間をテープ基材で固着して形成してある。
【0022】
前記した構成により、テープ基材は、複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成してあるので、平行に引き揃える耐熱絶縁糸の径と本数で、テープの幅が調整でき、幅の狭いものから広いものまで、容易に作成でき、また、平行に引き揃えた耐熱絶縁糸を所定の本数に分割することで、一度に多本数のテープを同時に作成でき、簡単な構成で、テープの幅を狭く精度よく形成することができるとともに、引き揃える耐熱絶縁糸の径と本数に応じた引っ張り強度も高いものが得られる。
【0023】
そして、前記テープ基材に自己融着ワニスを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成してあるので、導体線で形成されるコイルなどに用いる場合に、容易に導体線とともに巻き込めるとともに、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物の形状を保持することができ、このように、被接着物間に巻き込んで固定する場合に、大幅に加工性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器は、複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成してあるので、幅の狭いものから広いものまで、容易に作成できるとともに、被接着物間に巻き込んで固定する場合に、大幅に加工性を向上させることができる。
【0025】
また、導体線で形成されるコイルのターン間に、前記自己融着テープを配設し、加熱することで前記コイルのターン間を前記自己融着テープで固着して形成してあるので、ターン間に耐熱的にあるいは経年的に絶縁性を得ることで安全性が確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルの要部断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルの要部拡大断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱調理器の本体の要部平面図
【図4】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルを使用した誘導加熱調理器の制御ブロック図
【図5】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルに用いるテープ基材の断面形状図
【図6】本発明の実施の形態1におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器のテープ基材の作成工程図
【図7】本発明の実施の形態2におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルの要部拡大断面図
【図8】本発明の実施の形態2におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルに用いるテープ基材の断面形状図
【図9】近接するコイル周辺の電磁環境摸式図
【図10】本発明の実施の形態2におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルに用いる他のテープ基材の断面形状図
【図11】本発明の実施の形態2におけるテープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器の誘導加熱コイルに用いる他のテープ基材の断面形状図
【図12】特許文献1に記載された従来の誘導加熱装置用誘導加熱コイルの断面図
【図13】特許文献2に記載された従来の3層構造のテープを示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
第1の発明は、複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成するとともに、自己融着ワニスを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物を接着するようにしたテープ基材である。
【0028】
これによって、テープ基材は、複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成してあるので、平行に引き揃える耐熱絶縁糸の径と本数で、テープの幅が調整でき、幅の狭いものから広いものまで、容易に作成でき、また、平行に引き揃えた耐熱絶縁糸を所定の本数に分割することで、一度に多本数のテープを同時に作成でき、簡単な構成で、テープの幅を狭く精度よく形成することができるとともに、引き揃える耐熱絶縁糸の径と本数に応じた引っ張り強度も高いものが得られる。
【0029】
また、上記テープに自己融着ワニスを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成してあるので、導体線で形成されるコイルなどに用いる場合に、容易に導体線とともに巻き込めるとともに、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物の形状を保持することができ、このように、被接着物間に巻き込んで固定する場合に、大幅に加工性を向上させることができる。
【0030】
第2の発明は、特に、第1の発明の自己融着ワニスに、磁性材を含有させて、磁性材を自己融着ワニスの接着成分で包み込むように形成したものである。
【0031】
これによって、自己融着ワニスに、磁性材を含有させてあるので、テープ基材に磁性特性を付与することができるとともに、磁性材を接着成分で包み込むように形成してあるので、絶縁性を付与することができる。
【0032】
第3の発明は、特に、第1の発明のテープ基材を重ね合わせ前記テープ基材間に磁性材を位置するように挟み込んで形成したものである。
【0033】
これによって、テープ基材間に磁性材を位置するように挟み込んで形成してあるので、挟み込む磁性材の量を調整できると共に、自己融着ワニスが高温になって消失しても、テープ基材の耐熱絶縁糸で絶縁性を確保することができる。
【0034】
また、第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のテープ基材を導体線で渦巻き状に巻き回して形成されるコイルのターン間に配設し、加熱することによって前記コイルのターン間を前記テープ基材で固着して形成したものである。
【0035】
これによって、上記した第1〜3のいずれか1つの発明の作用効果が得られたテープ基
材を導体線で渦巻き状に巻き回して形成されるコイルのターン間に配設してあるので、コイルの厚さに合わせてテープ基材の幅を設定することができるようになり、コイルの厚さの薄いものに対応できるようになり、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できるコイルを得ることができる。
【0036】
さらに、テープ基材を導体線で渦巻き状に巻き回して形成されるコイルのターン間に配設し、加熱することによって前記コイルのターン間を前記テープ基材で固着して形成してあるので、コイルのターン間は自己融着テープの基材となる耐熱絶縁糸と自己融着ワニスに左右されるが、自己融着ワニスの高温となって分解しても、耐熱絶縁糸が残っていれば、保たれるようになり、例えば耐熱絶縁糸をガラスヤーン等を用いると、300℃以上の絶縁耐熱が容易に得られる。
【0037】
ここで、コイルは、ターン間には電位差が大きく、導体線が複数の素線場合の素線間の電位差は小さいため、素線間の短絡はさほど課題とはならないが、ターン間の短絡は異常加熱や発火の危険性がある。そこで、ターン間にテープ基材を配設することで、導体線の耐熱性の高いものを持ちなくても、耐熱的にあるいは経年的にターン間に絶縁性を得ることができるようになり、安全性が確保することができる。
【0038】
また、第5の発明のコイルは、特に、第4の発明のコイルに通電して生じる時の熱で、前記コイルのターン間に配設した前記テープ基材を、硬化接着して形成したものである。
【0039】
これによって、コイルに通電して生じる時の熱で、前記コイルのターン間に配設した前記テープ基材を、硬化接着して形成してあるので、電気炉や、熱風炉などのスペースを要する設備が不要で、かつ、加熱を短時間にすることができ、また、加熱に要するエネルギーの少なくでき、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産することができる。
【0040】
また、第6の発明は、特に、第4の発明または第5の発明に記載の誘導加熱コイルを用いた誘導加熱調理器としたものである。
【0041】
これによって、上記した第1〜5のいずれか1つの発明の作用効果が得られ、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、耐熱的にあるいは経年的に安全性が確保されたコイルを用いた誘導加熱調理器を得ることができる。
【0042】
また、第7の発明は、特に、第6の発明のコイルをコイルベースに載置するとともに、前記テープ基材の前記自己融着ワニスよりも耐熱性が高いシリコン接着剤等の耐熱性接着剤で前記コイルを前記コイルベースに固定して形成したものである。
これによって、テープ基材の前記自己融着ワニスよりも耐熱性が高いシリコン接着剤等の耐熱性接着剤で前記コイルを前記コイルベースに固定してあるので、コイルは耐熱性接着剤で形状を保たれており、耐熱性の高い自己融着ワニスを用いなくてもよく、安価で加工性のよい自己融着ワニスを用いることができる。
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0044】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルを使用した誘導加熱調理器の要部断面図、図2は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルを使用した誘導加熱調理器の要部平面図、図4は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルを使用した誘導加
熱調理器の制御ブロック図、図5は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルに用いるテープ基材の断面形状図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるテープ基材の作成工程図である。
【0045】
図1〜図4に示すように、誘導加熱調理器の本体21の天面は鍋などの被加熱調理容器22を載置するトッププレート23で形成され、その一部に操作部21aが設けてあり、トッププレート23の内側には被加熱調理容器22を加熱する略円形状のコイル24と、前記コイル24の運転や電源供給するインバータ部25を制御する制御部26が配置されていて、制御部26が、インバータ部25のスイッチング半導体をオン、オフしてインバータ部25の高周波発振を制御するとともに発振動作の起動、停止も制御している。
【0046】
上記インバータ部25は、周波数変換装置の一つで、電源整流器、フィルタコンデンサ、共振コンデンサ、スイッチング半導体などを含み、商用電源27を高周波電流に変換し、この高周波電流を誘導加熱コイルであるコイル24に供給して、コイル24は被加熱調理容器22の近傍で高周波磁界を発生し被加熱調理容器22の底を加熱するようになっている。
【0047】
また、コイル24は、耐熱樹脂性のコイルベース28上に載置されており、耐熱ワニス等によって絶縁処理(図示せず)を施した複数の細線からなるリッツ線を用いた導体線29と隣り合う線間に間隔を設ける絶縁性と接着性を有するテープ基材30をともに円板状になるようにうず巻状に巻回し形成してある。
【0048】
このテープ基材30は、ガラスヤーンからなる複数の合撚糸の耐熱絶縁糸30aを均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させて自己融着ワニス層30bを有するテープ状に形成するとともに、自己融着ワニス層30bを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、被接着物に貼り付けた状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物を接着するようにした熱自己融着性を有するようにしてある。
【0049】
次に、コイル24の作成方法としては、テープ基材30を導体線29と一緒に円板状になるようにうず巻状に巻き込んでコイル24形状としたのち、導体線29に通電することで生じるコイル24自身の発熱を用いた加熱で完全硬化させ、うず巻状に巻回した隣り合う導体線29間を固定して形成してあり、コイル24単独で取り扱えるようになっていて、これをコイルベース28上に載置してある。
【0050】
尚、導体線29にも自己融着ワニスを塗布したものを用いるようにしてもよく、これによれば、テープ基材30の自己融着ワニス層30bと導体線29の自己融着ワニスが結合しやすくより強固にコイル24形状を保持形成できるようになる。
【0051】
そして、コイル24は上下を絶縁用マイカシート31に挟まれ、テープ基材30の自己融着ワニス層30bよりも耐熱性が高いシリコン接着剤等の耐熱性接着剤32で絶縁用マイカシートと接着されるとともに、絶縁用マイカシートを介してコイルベース28に固定して形成してあり、かつ、コイル24はトッププレート23に略密着するように配置した構成としてあり、トッププレート23上に載置した被加熱調理容器22との距離をできるだけ近づけて、コイル24と被加熱調理容器22の結合をしやすくしてある。
【0052】
また、コイル24の上下に配設した絶縁用マイカシート31は、コイル24の上または下のどちらか一方でもよく、あるいは、全く用いなくてもよく、コイル24の絶縁性やトッププレート23の傷つき等を考慮して、コイル24周辺の構成に合わせて、設定するようにすればよい。
【0053】
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0054】
まず、本体21の天面に位置するトッププレート23に鍋などの被加熱調理容器22を載置して、使用者が操作部21aを操作して、所定の条件で加熱を開始すると、制御部が、インバータ部25を稼働させて高周波電流をコイル24に供給し、コイル24は被加熱調理容器22の近傍で高周波磁界を発生して、被加熱調理容器22の底を加熱するようになっている。
【0055】
そして、トッププレート23とコイル24が略密着するように配置してあるので、トッププレート23上の被加熱調理容器22とコイル24の距離が近くなり、被加熱調理容器22とコイル24の結合が強くなるため、加熱しやすくなるとともに、コイル24からの電磁界漏れを大幅に低減することができ、さらに、コイル24の発熱がトッププレート23に伝熱されるので、被加熱調理容器22からの熱をトッププレート23が奪ってしまう量を低減でき、これらの相乗効果でコイル24の熱効率を大幅に向上することができるようになる。
【0056】
しかしながら、コイル24は、被加熱調理容器22からの熱の影響を受けやすくなっているため、炒め物や空焼きに近い状態で被加熱調理容器22を用いられると、コイル24は、250℃を超える温度になってしまい、複数の細線からなるリッツ線を用いた導体線29の絶縁性が劣化する心配がある。
【0057】
そのため、コイル24の導体線29で形成されるターン間に、テープ基材30を配設し、加熱することでコイル24のターン間をテープ基材30で固着して形成してあるので、コイル24のターン間の絶縁性はテープ基材30の基材となる耐熱絶縁糸30aと自己融着ワニス層30bに左右されるが、自己融着ワニス層30bが高温となって分解しても、耐熱絶縁糸30aが残っていれば、絶縁性は保たれるようになり、例えば耐熱絶縁糸30aをガラスヤーン等を用いると、300℃以上の絶縁耐熱が容易に得られる。
【0058】
つまり、コイル24は、ターン間には電位差が大きく、複数の細線からなるリッツ線を用いた導体線29の素線間の電位差は小さいため、導体線29の素線間の絶縁性はさほど必要ではなく、テープ基材30のガラスヤーン等の耐熱の高い耐熱絶縁糸30aを用いて、ターン間に耐熱的に且つ経年的に絶縁性を得ることで安全性が確保することができるようになる。
【0059】
そしてまた、導体線29に通電して生じる時の熱で、コイル24のターン間に配設したテープ基材30を、硬化接着して形成してあるので、電気炉や、熱風炉などのスペースを要する設備が不要で、かつ、加熱を短時間にすることができ、また、加熱に要するエネルギーの少なくでき、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できる。
さらに、テープ基材30の自己融着ワニス層30bよりも耐熱性が高いシリコン接着剤等の耐熱性接着剤32でコイル24をコイルベース28に固定してあるので、コイル24は耐熱性接着剤32で形状を保たれており、耐熱性の高く加工性の悪い自己融着ワニス層30bを用いなくてもよく、安価で加工性のよい自己融着ワニス層30bを用いることができるようになる。
【0060】
ここで、テープ基材30について詳述すると、誘導加熱調理器等で用いられるコイル24は、薄い円盤状の渦巻きコイル24であるため、テープ基材30はコイル24の厚さとほぼ同じとなる幅の狭いものが必要となるとともに、成形方法としては、2枚のコイル24の厚さの隙間を有する中心の軸に導体線29を高速回転で巻き付けていくため、テープ基材30も、引っ張り強度が高く、滑り性のよいものが要求される。
【0061】
つまり、導体線29で形成されるコイル24を形成する場合に、導体線29を回転させる治具に巻き込むときに同時に耐熱絶縁用としてテープ基材30を巻き込むようにすると、導体線29およびテープ基材30をたるみなく巻き込むために、強いテンションで引っ張らなくてはならない。
【0062】
ここで、テープ基材30の強度が不足すると切れてしまい易く、速いスピードで巻き込むことができなって加工性が悪くなる心配があるが、テープ基材30は複数の耐熱絶縁糸30aを平行に引き揃えて構成してあるので、引っ張り強度を高く構成できるとともに、非粘着性で滑り性を有するように形成してあるので、巻き込む際の抵抗が少なく巻き込みやすく、さらに、粘着物などが治具に付着する課題や被接着物となる導体線29を疵付ける心配もなく、加工性を大幅に向上させることができる。
【0063】
そして、テープ基材30の製造方法について詳述すると、図6に示すように、ガラスヤーンの合撚糸からなる複数の耐熱絶縁糸30aを、まず、ローラ等を用いて均一なテンションで平行に引き揃える。次に引き揃えた耐熱絶縁糸30aを導体線29で用いられる自己融着ワニスにディッピングしたものを、余分な自己融着ワニスを除去したのち自己融着ワニスの硬化温度より低い温度で熱風で乾燥して巻き取り、複数の耐熱絶縁糸30aを自己融着ワニスで接着すると当時に周囲に自己融着ワニス層30bを形成する。
【0064】
尚、耐熱絶縁糸30aを平行に引き揃えてから自己融着ワニス層30bをディップして巻き取るまでに、厚さや幅を揃えるために、圧延ローラ等を工程の途中に追加してもよい。
【0065】
また、所定の幅よりも幅広のテープ基材30状に形成したものを、巻き取る前に、複数に分割して所定の幅になるようにしてから、巻き取るようにしてもよく、これによれば、時間を要する自己融着ワニスのディッピングおよび乾燥工程等が1度でできるので、大量に安価にできるようになる。
【0066】
このように、テープ基材30は、複数の耐熱絶縁糸30aを均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成してあるので、平行に引き揃える耐熱絶縁糸30aの径と本数で、テープ基材30の幅が調整でき、幅の狭いものから広いものまで、容易に作成でき、また、平行に引き揃えた耐熱絶縁糸30aを所定の本数に分割することで、一度に多本数のテープ基材30を同時に作成でき、簡単な構成で、テープ基材30の幅を狭く精度よく形成することができるとともに、引き揃える耐熱絶縁糸30aの径と本数に応じた引っ張り強度も高いものが得られる。
【0067】
また、上記テープ基材30の自己融着ワニス層30bを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成してあるので、導体線29で形成されるコイル24などに用いる場合に、容易に導体線29とともに巻き込めるとともに、被接着物とともに巻き込む等の被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物の形状を保持することができ、このように、被接着物間に巻き込んで固定する場合に、大幅に加工性を向上させることができる。
【0068】
そして、テープ基材30はコイル24の厚さに合わせてテープ基材30の幅を設定することができるようになり、コイル24の厚さの薄いものに対応できるようになり、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できるコイル24を得ることができるようになる。
【0069】
このように、本実施の形態におけるテープ基材30およびそれを用いて作成したコイル
24で誘導加熱調理器とすることで、簡単な構成で、高周波抵抗を低減しつつ安全性を確保すると共に、加工性を安価に生産できる誘導加熱調理器を得ることができる。
【0070】
尚、テープ基材30は、耐熱絶縁糸30aを均一なテンションで平行に引き揃え、自己融着ワニスを含浸させて自己融着ワニス層30bを有するテープ状に形成して説明したが、これは、先に耐熱絶縁糸30aを均一なテンションで平行に引き揃えたものをPVA(ポリビニルアルコール)等のバインダーで固定保持したものに、自己融着ワニスを塗布して、非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、熱自己融着性を付与するようにしてもよい。
【0071】
(実施の形態2)
図7は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図、図8は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルに用いるテープ基材の断面形状図、図9は近接するコイル周辺の電磁環境摸式図、図10は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルに用いる他のテープ基材の断面形状図、図11は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルに用いる他のテープ基材の断面形状図である。実施の形態1とテープ基材の構成がことなるだけで、実施の形態1と同一部分は同一符号を付記して、その説明を省略し異なる部分のみを説明する。
【0072】
実施の形態2のテープ基材41は、ガラスヤーンからなる複数の合撚糸の耐熱絶縁糸42を均一なテンションで平行に引き揃え、磁性材(図示せず)を含有した自己融着ワニス43を含浸させて自己融着ワニス43の層を有するテープ状に形成してあり、自己融着ワニス43で磁性材を包み込むように形成してある。
【0073】
そして、自己融着ワニス43の層を非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成してあり、この状態で被接着物に貼り付け硬化温度以上に加熱することで被接着物を接着するようにした自己融着性を有するようにしてある。
【0074】
また、誘導加熱コイルであるコイル44は、前記テープ基材41を導体線45と一緒に円板状になるようにうず巻状に巻き込んでコイル形状としたのち、導体線45に通電することで生じるコイル44自身の発熱を用いた加熱で完全硬化させ、うず巻状に巻回した隣り合う導体線45と導体線45の間を固定して形成してあり、コイル44単独で取り扱えるようになっていて、これをコイルベース46上に載置してある。
【0075】
そして、テープ基材41は磁性材を含有した自己融着ワニス43の層で包み込むように形成して、磁性と絶縁性を付与するようにしてあるので、実施の形態1における効果に加え、うず巻状に巻回した隣り合う導体線45間に磁性体層を形成することができ、テープ基材41による導体線45と導体線45の間の隙間形成と磁性体層の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を低減することができるようになる。
【0076】
ここで、近接効果に対するテープ基材41による導体線45と導体線45の間の隙間形成と磁性体層による磁束の遮断作用の相乗効果について詳述すると、まず、近接効果は、導体線45に高周波電流を流すことによって磁束が生じて、隣り合う導体線45では、生じた磁束によって、同方向の向きの流れでは、反発して、導体線45と導体線45の間の外側に片寄って電流が流れようとする。
【0077】
逆に互い違いに逆向きの流れであれば、導体線45と導体線45の間の内側に片寄って電流が流れようとして、これにより、巻き線を巻いたときに導体線45の高周波抵抗が高周波になればなるほど、高周波抵抗値が上昇して、損失を生じ、発熱損失してしまうことをいう。
【0078】
例えば、電気導体のコイル線51および前記コイル線51から生じる磁束52として、近接するコイル線51には紙面手前から向こう側に電流が流れる場合、図9に示すようなコイル線51周辺の電磁環境摸式図となり、コイル線51の電流は、近接する互いのコイル線51から生じる磁束52により、近接するコイル線51より遠ざかる方向へ分布が偏る。
【0079】
ここで、コイル線51の色の濃淡は、電流密度を表しており、濃い部分では電流密度が高いことを示している。そして、この電流分布の偏りを生じさせる一連の現象を一般的に近接効果と呼ぶ。
【0080】
この近接効果により、誘導加熱をおこなうコイル44の抵抗(特に、高周波電流を流したときの高周波抵抗)が大きくなり、コイル44の発熱損失が増加する。
【0081】
この近接効果を低減するには、導体線45間の磁束の干渉を低減することで得られものであり、テープ基材41による導体線45と導体線45の間の隙間を形成して導体線45と導体線45の間の隙間を大きく保つとともに、磁性体層で導体線45と導体線45の間の磁束を遮断するようにして、相乗効果を得るようにしてある。
【0082】
そして、上述の隙間形成と磁性体層の相乗効果で、テープ基材41で設けるうず巻状に巻回した隣り合う導体線45と導体線45の間に間隔を大きくする必要もなく、また、テープ基材41の表面に形成するフェライトなど磁性材の磁性体層の厚さもさほど必要なく、結果的にコンパクトに、コイル44を形成することができるとともに、コイル44の高周波抵抗を低減して、コイル44の発熱損失を低減することができるようになる。
【0083】
ここで、テープ基材41の磁性特性は、磁性材が自己融着ワニス43の層に含有できる量が少ないため、磁性材の種類にも影響されるが、磁性材を含有させる量の影響が大きく、その磁性材の量を増やせば増やすほど得られ、経験上、磁性材は少なくとも50%以上含有していないとその磁性材の特性をいかすことができなく、また、磁性材の量が多くなりすぎて、自己融着ワニス43の層の比率が少なくなると、自己融着ワニス43の層の接着力がなくなり、磁性材の量は、多くとも80%以下が好ましい。
【0084】
そこで、図10に示すように、引き揃えた耐熱絶縁糸61aと自己融着ワニス61bの層からなるテープ基材61を重ね合わせテープ基材61間に磁性材62を位置するように挟み込んで形成して、テープ基材61に保持できる磁性材62の量を増やすようにしてもよい。
【0085】
これによれば、自己融着ワニス61b層に磁性材62を含有させずにテープ基材61間に磁性材62を位置するように挟み込んで形成してあるので、挟み込む磁性材62の量を自由に調整できると共に、自己融着ワニス61bの層が高温になって消失しても、テープ基材61の耐熱絶縁糸61aで絶縁性を確保できるようになる。
【0086】
また、図11に示すように、引き揃えた耐熱絶縁糸71aと自己融着ワニス71bの層からなるテープ基材71の片面に磁性材72を塗布して、半分に折り曲中心部に磁性材72を位置するようにしてもよい。
【0087】
尚、テープ基材41は、自己融着ワニス43に磁性材を混ぜ込んで、磁性と熱自己融着性と絶縁性を同時に付与するようにしたが、磁性材を担持したテープ基材41に自己融着ワニス43を塗布して、自己融着ワニス43の層を非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、熱自己融着性を付与するようにして、
熱自己融着性と絶縁性をあとから別の手段で付与するようにしてもよい。
【0088】
これによれば、熱自己融着性と絶縁性をあとから別の手段で付与するので、工程数は増えるが、熱自己融着性と絶縁性を確実に得るための管理等が簡素化できるようになる。
【0089】
また、コイル24、コイル44に用いる金属製の導体線29、導体線45は、複数の細線からなるリッツ線で説明したが、これは銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線でもよく、また、径の大きい丸形状の素線やこれをつぶしてその断面が扁平形状を有する素線としてもよい。
【0090】
これによれば、素線の1つの断面積は、リッツ線の細いエナメル線を複数本撚り合せたものの断面積に相当し、複数の細線が引っ掛かったり切れたりする心配もなくなり、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させることができるとともに、素線が太くなるので素線の加工費も大幅に安くなりコストも低減できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明にかかるテープ基材テープ基材とそれを使用したコイルおよび誘導加熱調理器は、耐熱性と絶縁性の高く、且つ、コイルの厚さの薄いものに対応するものが、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できるとともに、これを用いてコイルを形成することで、コイルの耐熱性を向上して安全性の確保しつつ熱損失を低減して熱効率を上げることが可能となるので、トッププレートとコイルを用いる誘導加熱器全般に適用できる。
【符号の説明】
【0092】
1、23 トッププレート
24、44 コイル
5、28、46 コイルベース
29、45 導体線
30、41、61、71 テープ基材
30a、42、61a、71a 耐熱絶縁糸
30b 自己融着ワニス層
43、61b、71b 自己融着ワニス
32 耐熱性接着剤
62、72 磁性材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の耐熱絶縁糸を均一なテンションで平行に引き揃え、熱硬化性樹脂成分を含む自己融着ワニスを含浸させてテープ状に形成するとともに、自己融着ワニスを非粘着性で滑り性を有するように硬化温度より低い温度で乾燥させて表面を固化形成し、被接着物に接した状態で硬化温度以上に加熱することで、被接着物を接着するようにしたテープ基材。
【請求項2】
前記自己融着ワニスに、磁性材を含有させて、前記磁性材を前記自己融着ワニスの接着成分で包み込むように形成した請求項1に記載のテープ基材。
【請求項3】
テープ基材を重ね合わせ前記テープ基材間に磁性材を位置するように挟み込んで形成した請求項1に記載のテープ基材。
【請求項4】
テープ基材を、導体線で渦巻き状に巻き回して形成されるコイルのターン間に配設し、加熱することによって前記コイルのターン間を前記テープ基材で硬化接着して形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイル。
【請求項5】
前記コイルに通電して生じる時の熱で、前記コイルのターン間に配設した前記テープ基材を、硬化接着して形成した請求項4に記載のコイル。
【請求項6】
請求項4または5に記載の誘導加熱コイルを用いた誘導加熱調理器。
【請求項7】
前記コイルをコイルベースに載置するとともに、前記テープ基材の前記自己融着ワニスよりも耐熱性が高いシリコン接着剤等の耐熱性接着剤で前記コイルを前記コイルベースに固定した請求項6に記載の誘導加熱調理器。

【図4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図13】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−149195(P2012−149195A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10392(P2011−10392)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】