説明

ディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム、処理方法、及び処理用プログラム

【課題】少ないバッファで非同期順序保証コピーを実現できるディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムを提供する。
【解決手段】更新データを格納する送信用データバッファ26Dを設ける。ホスト10からディスクアレイ装置20に更新データ(Z1)の書き込み要求があった場合、更新データ(Z1)が前回に書き込み要求があってキャッシュ22に書き込まれている更新データ(Z0)と重複していない時は、その更新データ(Z1)をキャッシュ22に書き込む。これに対して、更新データ(Z1)が前回の更新データ(Z0)と重複している時は、キャッシュ22に格納されていた前回の更新データ(Z0)を送信用データバッファ26Dにコピーした後に、その更新データ(Z1)をキャッシュ22に書き込む。このように同じ領域に書き込みがあった場合のみ送信用データバッファ26Dにデータを書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して接続されているストレージ構成のメインサイトとリモートサイト間で、リモートサイトに対して順序を保証したコピーを可能とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム、リモートコピー処理方法、及び処理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メインサイトとリモートサイトにそれぞれ設置されているディスクアレイ装置間で、データをリモートコピーすることによって多重化して保持するデータ複製システムが知られている。係るリモートコピーの処理を実行するためのデータ転送手法としては、同期コピー方式とセミ同期順序保証コピー方式と非同期コピー方式とに大別される。
【0003】
このうち同期コピー方式は、ホストからの更新IO(IN,OUT)をメインサイト側の論理ディスクへの書き込みに同期してリモートサイト側の論理ディスクへも書き込みを行うと共に、両論理ディスクへの書き込み完了後にその終了報告をホストへ返す方式である。
【0004】
また、セミ同期順序保証コピー方式は、ホストからの更新IOをメインサイトの論理ディスクへ書き込むと共にメインサイトの順序保証バッファに更新IOを保存し、この時点(リモートサイトの論理ディスクへホストからの更新IOを書き込まない)でその終了報告をホストに返す方式である。そして、その後、順序保証バッファに格納された更新IOを定期的にリモートサイトの論理ディスクへ適用する。ここで、順序保証とは、データの整合性を確保するために、リモートサイトにおけるデータ更新の順序をメインサイトにおけるデータ更新の順序と同じにすることをいう。
【0005】
また、非同期コピー方式は、ホストからの更新IOをメインサイトの論理ディスクへ書き込むと共にその書き込みが完了した時点で終了報告をホストへ返し、メインサイトの論理ディスクのどの範囲に更新があったのかだけを差分情報として保存しておき、リモートサイトに対する更新データの書き込みは、通信回線の容量に応じ、メインサイトの論理ディスクへの書き込みとは非同期にこの差分のある範囲をリモートコピーする方式である。
【0006】
これらの方式を、メインサイト側において災害等が発生しメインサイトがその機能を失った場合におけるリモート筐体でのデータ消失という観点から見ると、次のようになる。
【0007】
同期コピー方式は、データをメインサイトの論理ディスクに書き込むのと同期してリモートサイトの論理ディスクにも書き込みして保存しているため、これら3方式の中では最もデータの消失量が少ない。
【0008】
次に、セミ同期順序保証コピー方式では、その消失量は最大で順序保証バッファに格納した容量分となり、同期コピー方式よりも多くなる。
【0009】
そして、非同期コピー方式では、更新範囲の差分情報が多い場合、災害発生時にリモートコピーが完了していないときには最大その差分情報分が消失することになる。
【0010】
また、これらの方式を、ホストへの応答という観点から見ると次のようになる。
【0011】
同期コピー方式は、リモート筐体への書き込みが完了した後にホストへ応答するため、メインサイトからリモートサイトまでの回線距離による応答の遅延、データを転送すべき回線の容量に伴う応答の遅延が問題となる。
【0012】
次に、セミ同期順序保証コピー方式では、順序保証用のバッファへのコピー完了時点でホストに応答するため、上記同期コピー方式に比べてその応答性は良い。但し、回線能力を上回る書き込みが発生した場合には、順序保証用のバッファが十分で無ければバッファが溢れることになりバッファの空き待ち状態が発生してしまうという欠点がある。
【0013】
そして、非同期コピー方式では、メインサイトの論理ディスクへの書き込みが完了した時点で応答し、また更新状況のみを記憶するので、ホストへの応答の遅延はない。但し、非同期コピー方式では、メインサイトの更新データについては、論理ディスクのどこのアドレスに書き込まれたかを示す情報のみ差分情報として管理し、メインサイトでは更新データの時間的な書き込み順序を保障せずにリモートサイトへデータを順次送信している。また、更新されるデータの量は増大してきており、論理ディスクの重複したアドレスデータに対しても更新が行われている。したがって、その差分がある状態(差分情報をリモートサイト側へ送信完了していない状態)では、両サイトのデータに整合性はないため、メインサイトで災害が発生して論理ディスクのデータが失われた場合、リモートサイトのデータを用いてメインサイトのデータを復元することはできないという欠点がある。
【0014】
ところで、この種の関連技術として、例えば以下に示す特許文献1乃至特許文献2が挙げられる。
【0015】
特許文献1には、プライマリサイトとセカンダリサイトのディスクアレイ装置の相互間が通信回線で接続され、プライマリサイトのディスクアレイ装置が、更新データの書き込み要求があったとき更新データをキャッシュに書き込むI/O処理部と、データの整合性を保証する論理ディスクのグループを登録するグループ登録手段と、キャッシュに書き込まれた更新データを格納バッファに先頭から順にパッキングするようにコピーし格納バッファに複数の更新データがパッキングされた段階でそのパッキングデータをセカンダリサイトのディスクアレイ装置に転送するコンセントレータとを備え、これによってセカンダリサイトのディスクアレイ装置との遠隔データコピー方式を実行する技術が提案されている。
【0016】
特許文献2には、デジタル・データの記憶に関して、バックアップ中ディスクへの書き込み要求がトラップされるという技術が開示されている。この技術によれば、書込み中のディスク・ロケーションがまだバックアップされていない場合、バックアップを続けることができるように、オリジナルの内容は代わりの一時的記憶装置にコピーされる。最終的には、この一時的記憶もバックアップにコピーされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2003−167684号公報
【特許文献2】特表2004−504645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、単に格納バッファに複数の更新データがパッキングされた段階でそのパッキングデータをセカンダリサイトのディスクアレイ装置に非同期転送するだけであり、順序保証はしているものの少ないバッファによってその順序を保証する機能は提供できなかった。また、順序保証の為の制御情報と更新データの全てをバッファに格納しているため、バッファ量とディスクアレイ装置間の回線能力とホストからの更新データ量の関係でバッファ溢れになる問題もあった。
【0019】
また、特許文献2に開示された技術は、バックアップ中にマスターディスクへの書き込みがあった場合に、その書き込み遅延を抑える目的でデータの一時退避領域を設けようとするものであり、データの書き込み順序保証を行うものではない。
【0020】
[発明の目的]
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、少ない容量のバッファで非同期順序保証コピーの実現を可能としたディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム、リモートコピー処理方法、及び処理用プログラムの提供を、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、本発明に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムは、メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムであって、
前記メインサイトのディスクアレイ装置が、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュへの当該更新データの記憶処理に同期して、当該更新データの書き込み制御情報である順序保証情報が記憶される送信用管理バッファと、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが、重複するか否かを判定する情報重複判定手段と、
前記情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている前回要求の前記更新データが読み出され、当該読み出された更新データが記憶される送信用データバッファと、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーする送信コピー制御手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法は、メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶された前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複しているか否かを、前記ディスクアレイ装置に装備された情報重複判定手段が判定し、
当該情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記ディスクアレイ装置に装備されたI/O処理部が、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶された前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データを前記ディスクアレイ装置に装備された送信用データバッファに記憶し、
続いて、前記ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があった当該要求にかかる更新データを、前記I/O処理部が前記キャッシュに記憶すると共に当該要求の更新データに関する順序保証情報を前記送信用管理バッファに記憶し、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備された送信コピー制御手段が、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に対して、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするようにしたことを特徴とするものである。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラムは、メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに当該更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶する更新データ記憶処理機能、
前記キャッシュへの更新データの記憶処理に同期して、当該更新データに関する順序保証情報を前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶する順序保証情報記憶処理機能、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と、前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複するか否かを判定する情報重複判定機能、
前記情報重複判定機能によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている更新データが読み出して、当該読み出した更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用データバッファに記憶する重複更新データ記憶処理機能、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするリモートコピー機能とを備え、
これらの各機能をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があった場合、要求のあった更新データを全てバッファに格納するのではなく、書き込み要求があった前回の更新データと重複する更新データのみをバッファに格納するようにしたので、少ないバッファのメモリにより非同期で順序保証可能なリモートコピーを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した実施形態における送信用管理バッファに記憶された順序保証情報の例を示す図表である。
【図3】図1におけるホストからのデータ更新要求の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】図1におけるホストから重複する更新データの書き込み要求がされたときの送信用管理バッファのテーブルに記憶された順序保証情報を示す図表である。
【図5】図1に開示したリモートサイトへの更新データのコピー処理動作を示すフローチャートである。
【図6】送信用データバッファのテーブルに記憶された更新データの位置情報及びそのデータ内容の例を示す図表である。
【図7】図1におけるリモートサイトへのコピー失敗時の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムの実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
【0027】
図1のブロック図に示すように、メインサイト1とリモートサイト2とが遠隔回線(通信回線)40を介して接続されている。
【0028】
メインサイト1は、情報処理装置として機能するホスト(ホストコンピュータ)10と、このホスト10に通信網を介して通信可能に接続されるデータ記憶装置としてのディスクアレイ装置20とを含んで構成されている。また、同様にリモートサイト2は、ホスト15とディスクアレイ装置30とを含んで構成されている。メインサイト1とリモートサイト2は、災害による情報消失対策として、例えば遠隔地に設置されている。
【0029】
ホスト10,15は、ディスクアレイ装置20,30に対してリード要求コマンド、ライト要求コマンド等を送信する。尚、ホスト10,15は、サーバー、ネットワーク上のデスクトップ、ラップトップコンピュータ、大型計算機システム等の無線・有線通信機能を有する情報機器、又はこれに類するコンピュータ等いかなるコンピュータであってもよい。
【0030】
ディスクアレイ装置20は、更新データの書き込み処理を行うI/O(Input/Output)処理部21と、情報の一時的記憶手段として機能するキャッシュ22と、論理ディスクのグループ登録を行う手段として機能するグループ登録手段25と、データ更新の順序保証を制御するコンセントレータ26及び27と、ホスト10からアクセスされる論理ディスクA,Bからなるグループ23と論理ディスクC,Dからなるグループ24とを含んで構成されている。
【0031】
I/O処理部21は、ホスト10から更新データの書き込み要求があったときにその更新データをディスクアレイ装置20に設けられたキャッシュ22に書き込む機能を有している。また、I/O処理部21は、このキャッシュ22に更新データを書き込む処理の実行を終了すると、リモートサイト2へのリモートコピーを実行する前にホスト10へ更新データの書き込み要求に対するレスポンスを返却する。
【0032】
キャッシュ22は、ディスクアレイ装置20の内部キャッシュであり、情報の一時記憶手段として機能する。ホスト10から要求された更新データはキャッシュ22に一旦記憶され、さらにバックグラウンド処理で物理ディスク(ハードディスク)に書き込まれる。
【0033】
論理ディスクA,B,C,Dは、ホスト10,15からアクセスされるディスクであり、物理ディスクを複数組み合わせて冗長性を持たせたものである。
【0034】
メインサイト1及びリモートサイト2の論理ディスクA,Bは、一つのデータベースを構成しており、データの整合性を保証する論理ディスクのグループ23として登録される。また、論理ディスクC,Dもそれぞれのサイトで一つのデータベースを構成しており、データの整合性を保証する論理ディスクのグループ24として登録される。
【0035】
グループ登録手段25は、上記データの整合性を保証する論理ディスクのグループを登録する手段である。
【0036】
コンセントレータ26は、非同期方式の転送においてデータ更新の順序保証を制御する送信機能を備えた集線装置である。ディスクアレイ装置間で遠隔回線40を介してデータのコピーを行う場合、データの整合性を保証するためには、リモートサイト2のディスクアレイ装置30におけるデータ更新の順序をメインサイト1のディスクアレイ装置20におけるデータ更新の順序と同様に行う必要がある。この順序の保証をデータ更新の順序保証という。
【0037】
コンセントレータ26は、ホスト10からの要求が重複しているか否かを判定する情報重複判定手段26Aと、リモートサイト2へ更新データをコピーする送信コピー制御手段26Bと、順序保証情報(制御情報)を保存する送信用管理バッファ(順序保証バッファ)26Cと、更新データを保存する送信用データバッファ26Dとを含んで構成されている。
【0038】
コンセントレータ27は、コンセントレータ26とは別個に設けられた集線装置であり、その機能の内容はコンセントレータ26と同様に構成されている。尚、上記非同期方式の転送とは、メインサイト1のディスクアレイ装置20におけるデータ更新が終わり次第、ホストに対して終了応答信号を返却し、リモートサイト2のディスクアレイ装置30へのデータのリモートコピーを非同期に行うコピー方法のことをいう。
【0039】
コンセントレータ26の一部を構成している送信用管理バッファ26Cは、順序保証情報を保存するためのバッファである。順序保証情報は、リモートサイト2のデータ更新の順序がメインサイト1のデータ更新の順序と同一となるようにするための制御情報であり、メインサイト1のディスクアレイ装置20からリモートサイト2のディスクアレイ装置30へのデータ転送を管理している。ホストから更新IO(IN,OUT)の命令がくる度に更新データに関する順序保証情報が送信用管理バッファ26Cに保存される。順序保証情報を構成する各情報については後述する。送信用管理バッファ26Cは、情報を保存するメモリから構成されているが、例えば、読み書き可能な媒体であるディスク等から構成するようにしてもよい。
【0040】
送信用データバッファ26Dは、メインサイト1のディスクアレイ装置20からリモートサイト2のディスクアレイ装置30に転送する更新データを保存するためのバッファである。送信用データバッファ26Dは、データを保存するメモリから構成されているが、例えば、読み書き可能な媒体であるディスク等から構成するようにしてもよい。
【0041】
また、図1では、送信用管理バッファ26Cと送信用データバッファ26Dとを別個のバッファとして表記しているが、これに限定されず例えば、1つの送信用バッファを設けそのバッファの中に順序保証情報を保存するための送信用管理バッファ26C領域と更新データを保存するための送信用データバッファ26D領域を設けるようにした形態であってもよい。
【0042】
情報重複判定手段26Aは、ホスト10からの書き込み要求の範囲が送信用管理バッファ26Cに格納されている順序保証情報と重複するか否かを判定する手段である。
【0043】
送信コピー制御手段26Bは、送信用管理バッファ26Cに格納されている順序保証情報に基づいて、更新データをリモートサイト2へ順序保証コピーする手段である。詳細は(3)リモートサイトへのコピー動作の欄において後述する。
【0044】
ディスクアレイ装置20内に複数のデータベースが格納されている場合には、データの整合性を保証する論理ディスクのグループが複数登録され(グループ23,24)、各論理ディスクのグループ毎にコンセントレータ26,27がそれぞれ設けられる。
【0045】
また、ディスクアレイ装置30は、I/O処理部31と、キャッシュ32と、論理ディスクA,Bからなるグループ33と論理ディスクC,Dからなるグループ34とを含んで構成されており、各構成部分の機能は上述したディスクアレイ装置20のそれぞれ相当する構成部分の機能と同様である。
【0046】
次に、ディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムの動作について詳述する。
【0047】
(1)グループ登録
図1に示されるグループ登録手段25は、データの整合性を保証する論理ディスクのグループを登録する。具体的には、各グループとそこに所属する論理ディスクの番号、及び各グループに対応して割り当てられているコンセントレータの番号が登録される。
【0048】
この実施形態では、論理ディスクA,B及び論理ディスクC,Dが、それぞれ一つのデータベースを構成しているので、論理ディスクAとBを論理ディスクのグループ23とし、これに対応してコンセントレータ26を割り当てる。また、論理ディスクCとDを論理ディスクグループ24とし、これに対応してコンセントレータ27を割り当てる。
【0049】
したがって、この実施形態においてグループ登録手段25には、論理ディスクAとBから構成されるグループ23と、これに対応して割り当てられたコンセントレータ26が登録される。また、論理ディスクCとDから構成されるグループ24と、これに対応して割り当てられたコンセントレータ27が登録される。
【0050】
コンセントレータ26と27は、自己がリモートサイト2側へ更新データをコピー(転送)できる状態にあるか否かを判定するコピー状態情報を有している。リモートサイト2へのコピーが失敗した場合には、この情報が書き換えられる(詳しくは後述する)。尚、最初にコンセントレータに記憶されているコピー状態はコピー可状態とする。
【0051】
(2)データ更新動作
ホスト10からの更新IO(IN,OUT)は、データを更新処理する際の制御情報である順序保証情報と、更新されるデータ自体の更新データとから構成されている。ホスト10から要求された論理ディスクグループ23への書き込み情報は、更新状況を表す順序保証情報として送信用管理バッファ26Cに保存される。順序保証情報は、図2のバッファテーブルに示されるように、データ更新の順序、論理ディスクへの書き込み順序等を表す「順序保証番号」51と、書き込む論理ディスクの番号を表す「論理ディスク番号」52と、論理ディスクのデータ更新する範囲を表す「更新範囲」53と、データをコピーするストレージ装置(ディスクアレイ装置)を表す「コピー先ディスクアレイ装置」54と、データをコピーする論理ディスクを表す「コピー先論理ディスク番号」55と、送信用データバッファ26Dにコピーされたことがあるか否かを表す「バッファへのデータコピー有無」56と、データの格納先を表す「コピーデータ格納先」57とを含んで構成されている。尚、ホスト10からディスクアレイ装置20へは、更新データと共に「論理ディスク番号」52と「更新範囲」53が制御情報として送信要求されてくる。
【0052】
図3のフローチャートに基づいて、ホストからの更新処理における動作を説明する。
【0053】
メインサイト1のディスクアレイ装置20において、例えば、ホスト10から論理ディスクAに対する更新データ(Z0)の書き込み要求があったとする。尚、このときメインサイト1のディスクアレイ装置20にはリモートサイト2へのコピー処理が未だ終了していない前回の更新データが残っているものとする。
【0054】
先ず、I/O処理部21がホスト10からの要求を受信する。要求を受信したI/O処理部21は、論理ディスクAのグループ23を管理しているコンセントレータ26の記録事項に基づいて、“コンセントレータ26がコピー処理を実施できる状態にあるか否か”のコピー状態判定を行う(ステップS101)。コンセントレータ26にはコピー処理可/不可状態のいずれかが登録されているが、この点に関しては(4)コピー失敗時の動作の欄において後述する。
【0055】
ステップS101の判定の結果が、コピー処理を実施できない“コピー不可状態”である場合には、コンセントレータ26が異常(故障)状態にあると判別して、ホスト10からの書き込み要求に対する処理は異常終了される。
【0056】
これに対して、判定の結果が“コピー可状態”である場合には、続いて、ディスクアレイ装置20の情報重複判定手段26Aによって、論理ディスクAへの書き込み範囲(書き込み要求があった更新データ(Z0)に関する順序保証情報(Z01)の“更新範囲”)が、送信用管理バッファ26Cに登録・保存されている前回の書き込み要求があった更新データに関する順序保証情報と重複しているか否かの判定が行われる(ステップS102)。但し、ここで重複確認の判定対象となるのは、送信用管理バッファ26Cに保存されている“バッファ(送信用データバッファ)へのデータコピー有無56”(図2参照)が「無し」と登録されている順序保証情報である。
【0057】
ステップS102の判定の結果が“重複なし”である場合、I/O処理部21は、ホスト10から書き込み要求されている今回の更新データ(Z0)をキャッシュ22に書き込む処理を行う(ステップS104)。尚、キャッシュ22に書き込まれた更新データ(Z0)は、バックグラウンド処理によって論理ディスクAに書き込まれる。
【0058】
また、I/O処理部21は、図2に示す送信用管理バッファ26Cのテーブルの「順序保証番号」51、「論理ディスク番号」52、「更新範囲」53、「コピー先ディスクアレイ装置」54、「コピー先論理ディスク番号」55、「バッファへのデータコピー有無」56、及び「コピーデータ格納先」57の各欄に、順序保証をしながら更新データ(Z0)に関する更新状況を表した順序保証情報(Z01)の各データ“0001”、“A”、“0000−0001”、“30”、“A”、“無し”、“無効”を記憶する(ステップS105)。ここで、順序保証番号51の欄には、ホスト10から論理ディスクグループ23への書き込み順序を表す通番が記憶される。
【0059】
次に、メインサイト1のディスクアレイ装置20において、例えば、ホスト10から論理ディスクAに対して更新データ(Z1)の書き込み要求があったとする。
【0060】
この場合、上記論理ディスクAに対して更新データ(Z0)の書き込み要求があった場合と同様に、図3のフローチャートにおいて、コピー状態の判定を行い(ステップS101)、判定結果がコピー可状態である場合には重複判定を行う(ステップS102)。
【0061】
ステップS102の重複判定の結果、書き込み要求があった今回の更新データ(Z1)が上述した前回の更新データ(Z0)と重複していると判定された場合には、先ず、上記更新データ(Z0)に関するステップS104の処理でキャッシュ22に書き込んだ更新データ(Z0)を、コンセントレータ26に設けられている送信用データバッファ26Dにコピー(待避)する(ステップS103)。
【0062】
そして、送信用管理バッファ26Cテーブルに記憶した図2に示す更新データ(Z0)の順序保証情報(Z01)を、図4に示す順序保証情報(順序保証番号「0001」の行の情報)に書き換え記憶する。即ち、図4のテーブルに示されるように、「コピーデータ格納先」57の欄に、上記更新データ(Z0)をコピー(待避)した送信用データバッファ26Dの位置情報(9000−9001)を記憶し、「バッファへのデータコピー有無」56の欄に「有り」データを記憶する。この「バッファへのデータコピー有無」56の欄に記憶された「有り」のデータによって、順序保証番号“0001”の更新データが送信用データバッファ26Dにデータコピーされていることを判別することができる。
【0063】
続いて、ホスト10から書き込み要求されている更新データ(Z1)をキャッシュ22に書き込む処理を行う(ステップS104)。尚、キャッシュ22に書き込まれた更新データ(Z1)は、バックグラウンド処理によって論理ディスクAに書き込まれる。
【0064】
そして、図4に示す送信用管理バッファ26Cの「順序保証番号」51、「論理ディスク番号」52、「更新範囲」53、「コピー先ディスクアレイ装置」54、「コピー先論理ディスク番号」55、「バッファへのデータコピー有無」56、及び「コピーデータ格納先」57の各欄に、更新データ(Z1)に関する順序保証情報(Z11)の各データ“0002”、“A”、“0000−0002”、“30”、“A”、“無し”、“無効”を記憶する(ステップS105)。このような処理動作により、ホスト10から同じ領域への書き込み要求があった場合にのみ送信用データバッファ26Dにデータが蓄積されるため、使用するバッファの容量を少なく抑えることができる。
【0065】
尚、ステップS102の重複判定の結果、更新データ(Z1)が上述した更新データ(Z0)と重複していない場合には、上記更新データ(Z0)に関する処理と同様に、更新データ(Z1)に関するステップS104及びステップS105の処理が行われる。即ち、更新データ(Z0)を送信用データバッファ26Dに待避せずに、更新データ(Z0)が格納されているキャッシュ22に更新データ(Z1)を格納する。
【0066】
(3)リモートサイトへのコピー動作
図5のフローチャートに基づき、リモートサイトへのデータのコピー動作処理について説明する。
コンセントレータ26に装備されている送信コピー制御手段26Bは定期的(例えば、所定時間毎、ホストから書き込む要求がある毎等)に動作し、順序保証情報に基づいてリモートサイト2へ更新データの順序保証コピー処理を実行している。
【0067】
先ず、送信コピー制御手段26Bは、論理ディスクのグループ23を管理しているコンセントレータ26の記録事項に基づいて、“コンセントレータ26がコピーを実施できる状態にあるか否か”のコピー状態判定を行う(ステップS110)。
【0068】
ステップS110の判定の結果が“コピー不可状態”である場合には、コンセントレータ26が異常(故障)状態にあると判別し、送信コピー制御手段26Bはコピー処理を終了する。
【0069】
これに対して、ステップS110の判定の結果が“コピー可状態”である場合には、続いて、送信コピー制御手段26Bは、送信用管理バッファ26Cに格納されている順序保証情報に基づいて、リモートサイト2へコピーするデータが有るか否かの判定を行う(ステップS111)。この判定は、送信用管理バッファ26Cの「順序保証番号」51の欄に「無効」ではないデータが存在するか否かによって行うことができる。
【0070】
ステップS111の判定の結果が“コピーするデータが無し”である場合には、送信コピー制御手段26Bはコピー処理を終了する。
【0071】
これに対して、ステップS111の判定の結果が“コピーするデータが有り”である場合には、送信コピー制御手段26Bは、送信用管理バッファ26Cテーブルの「バッファへのデータコピー有無」56の欄に記憶されている情報(「有り/無し」)に基づいてコピーデータ有無の判定を行う(ステップS112)。
【0072】
ここで、送信用管理バッファ26Cに、図4に示される順序保証情報が格納されているものとする。図4に示される順序保証情報は、上述した“(2)データ更新動作”において、ホスト10から書き込み要求された更新データ(Z0)と(Z1)に関する順序保証情報(Z01)と(Z11)である。この場合は、「順序保証番号」51の欄に「無効」ではないデータ「0001」及び「0002」が存在するので、上記ステップS111の判定結果は“コピー有り”と判定される。
【0073】
送信用管理バッファ26C(図4)のデータ判定は、「順序保証番号」51の欄の若い番号(以下、“若番”という)から順に判定される。したがって、先ず、若番「0001」の行のデータから判定され、この行の「バッファへのデータコピー有無」56の欄には「有り」のデータが記憶されているので、上記ステップS112の判定結果は“コピーデータ有り”と判定されることになる。
【0074】
尚、コピーデータは送信用データバッファ26Dに格納されており、その格納先のバッファ番号(9000−9001)が図4の「コピーデータ格納先」57の欄に示されている。図6にその送信用データバッファ26Dのテーブルを示す。図6に示すように当該テーブルには、バッファ番号と更新データ(Z0)が格納されている。具体的には、バッファ番号「9000」に“論理ディスクAの更新範囲0000のデータ”が格納されており、バッファ番号「9001」に“論理ディスクAの更新範囲0001のデータ”が格納されている。
【0075】
そして、ステップS112の判定で“コピーデータ有り”と判定された場合、送信コピー制御手段26Bは、送信用データバッファ26Dにコピー(待避)されている更新データ(Z0)を、リモートサイト2のディスクアレイ装置30に遠隔回線40を介してリモートコピーする(ステップS113)。また、送信コピー制御手段26Bは、更新データ(Z0)に関する順序保障情報を送信用管理バッファ26Cから読み出して、リモートサイト2のディスクアレイ装置30に遠隔回線40を介してリモートコピーする。尚、リモートサイト2のディスクアレイ装置30に書き込まれた更新データ(Z0)は、バックグラウンド処理によってディスクアレイ装置30の論理ディスクA(図4の「コピー先論理ディスク番号」55の欄を参照)に書き込まれる。
【0076】
続いて、上記リモートサイト2へのコピーが成功・完了すると、リモートサイト2側からその旨を報知する信号が返却されるので、送信コピー制御手段26Bは送信用管理バッファ26Cの「順序保証番号」51の欄に記憶してあるデータ「0001」を「無効」に書き換えて(ステップS115)、コピー処理を終了する。
【0077】
次に、定期的に実行される次回の送信コピー制御手段26Bによるコピー処理が開始されると、上述したコピー処理と同様に、図5のフローチャートにおいて、コピー状態の判定処理を行い(ステップS110)、判定結果がコピー可能状態である場合にはコピー有無の判定(ステップS111)を行い、コピー有りと判定された場合にはコピーデータ有無の判定(ステップS112)を行う。
【0078】
ここでまた、送信用管理バッファ26Cに図4に示される順序保証情報が格納されているものとする。但し、上記前回の送信コピー制御手段26Bによるコピー処理(ステップS115)によって、送信用管理バッファ26Cの「順序保証番号」51の欄のデータは「0001」から「無効」に書き換えられている。
【0079】
そうすると、図4の順序保証番号の次の若い番号である若番「0002」の行のデータが読み出されて判定される。この行のデータの「コピーデータ格納先」57には「無効」が記憶されているので、上記ステップS112の判定結果は“コピーデータ無し”と判定される。そして、図4に示されるように、「順序保証番号」の欄の若番「0002」における「バッファへのコピー有無」56には「無し」が記憶されているので、リモートサイト2へコピーするデータは送信用データバッファにはコピー(待避)されておらず、グループ23の論理ディスクAに格納されていると判別できる。したがって、送信コピー制御手段26Bは、論理ディスクA(またはキャッシュ22)に格納されている更新データ(Z1)を該当領域から読み出して遠隔回線40を介してリモートサイト2のディスクアレイ装置30にリモートコピーする(ステップS114)。
【0080】
尚、リモートサイト2のディスクアレイ装置30に書き込まれた更新データ(Z1)は、バックグラウンド処理によって論理ディスクA(図4の「コピー先論理ディスク番号」55の欄を参照)に書き込まれる。
【0081】
続いて、上記リモートサイト2へのコピーが成功・完了すると、リモートサイト2側からその旨を報知する信号が返却されるので、送信コピー制御手段26Bは送信用管理バッファ26Cの「順序保証番号」51の欄に記憶してあるデータ「0002」を「無効」に書き換えて(ステップS115)、コピー処理を終了する。
【0082】
更に、ここで、更新データ(Z0)が送信用データバッファ26Dにコピー(待避)され、更新データ(Z1)がキャッシュ22に記憶されており、これらの更新データ(Z0)、(Z1)のリモートサイト2へのリモートコピー処理が未だ終了していない状態において、ホスト10からさらに更新データ(Z2)が書き込み要求された場合には、上述した動作は次のようになる。
【0083】
キャッシュ22に記憶されている更新データ(Z1)の順序保証情報と書き込み要求された更新データ(Z2)の順序保証情報との重複判定が行われる。判定の結果、重複している場合には、更新データ(Z1)を送信用データバッファ26Dにコピー(待避)する。
【0084】
そして、図4の更新データ(Z1)に関する順序保証情報(順序保証番号51の行のデータ)の「コピーデータ格納先」57の欄に、待避した送信用データバッファ26Dの位置情報を記憶し、「バッファへのデータコピー有無」56の欄に「有り」データを記憶する。尚、送信用データバッファ26Dの位置情報は、図6に示されるバッファ番号9001に続いてバッファ番号9002から格納される。具体的には、バッファ番号「9002」に“論理ディスクAの更新範囲0000のデータ”、バッファ番号「9003」に“論理ディスクAの更新範囲0001のデータ”、バッファ番号「9004」に“論理ディスクAの更新範囲0002のデータ”が格納される。
【0085】
続いて、ホスト10から書き込み要求されている更新データ(Z2)をキャッシュ22に書き込む処理を行う。そして、図4に示す送信用管理バッファ26Cのテーブルに更新データ(Z2)に関する順序保証情報(Z21)の各データを記憶する。尚、キャッシュ22に書き込まれた更新データ(Z2)は、バックグラウンド処理によって論理ディスクAに書き込まれる。
【0086】
(4)コピー失敗時の動作
図7のフローチャートに基づき、リモートサイトへのデータのコピーが失敗した場合の動作処理について説明する。
【0087】
コンセントレータ26に装備されている送信コピー制御手段26Bは、リモートサイト2へのコピーが失敗した場合に、その失敗がディスクアレイ装置20と30間のパス障害によるものであるか否かを判定する(ステップS120)。
【0088】
ステップS120の判定の結果、コピーの失敗がパス障害によるものである場合には、コピー失敗時の処理を終了し、そのパスが回復するまで待つ。
【0089】
これに対して、コピーの失敗がパス障害以外の要因によるものである場合には、コピー処理のリトライ済みであるか否かを判定する(ステップS121)。
【0090】
ステップS121の判定の結果、コピー処理のリトライ済みであるの場合には、グループを管理しているコンセントレータ26に記憶しているコピー可否状態を、コピー不可状態に変更する(ステップS122)。
【0091】
これに対して、コピー処理のリトライ済みでない場合には、コピーリトライ処理を行う(ステップS123)。以上の動作処理を実行してコピーの失敗が継続する場合には、それ以降のコピー処理動作が停止されるため、リモートサイト2の論理ディスクはコピー障害直前の順序保証状態を維持することができる。
【0092】
以上のようなディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムとすることにより、ホストコンピュータ10からメインサイト1のディスクアレイ装置20に更新データの書き込み要求があった場合、要求された更新データに関する順序保証情報(制御情報)は、更新データの要求がある毎にディスクアレイ装置20に備えられた送信用バッファ(送信用管理バッファ26C)に格納される。これに対して、要求された更新データ自体は、全てが送信用バッファ(送信用データバッファ26D)に格納されるのではなく、ホスト10から書き込み要求があった前回の更新データであってリモートサイト2のディスクアレイ装置30へのコピーが未だ完了しておらずキャッシュ22に格納されている更新データと重複する更新データのみが格納される。したがって、更新データを格納するためのバッファのメモリを少なく抑えることができ、また、制御情報に基づいて順序保証を確保したリモートコピーを実現することができる
【0093】
また、更新データが要求される毎にその更新データをバッファに格納していく方式のセミ同期順序保証コピーと比較すると、本方式は重複する更新データのみをバッファにコピー(待避)しているためバッファに格納するデータ量を抑えることができ、格納データのバッファ溢れによる性能低下(例えば、バッファの空き待ち状態等)の発生を抑えることができる。そして、少ないバッファの使用でホストに対するレスポンスの良い非同期順序保証リモートコピーを実現することができる。
【0094】
ここで、本発明の実施の形態に係るディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムの各構成部分が実行する機能の一部又は全部をプログラムとして構築し、そのプログラムをコンピュータに実行させるようにしてもよい。その場合にも上記実施形態で記載した効果と同様の効果を得ることができる。
【0095】
上述した各実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下のようになる。尚、上記実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようになるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0096】
(付記1)メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムであって、
前記メインサイトのディスクアレイ装置が、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュへの当該更新データの記憶処理に同期して、当該更新データの書き込み制御情報である順序保証情報が記憶される送信用管理バッファと、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが、重複するか否かを判定する情報重複判定手段と、
前記情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている前回要求の前記更新データが読み出され、当該読み出された更新データが記憶される送信用データバッファと、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーする送信コピー制御手段と、
を備えていることを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【0097】
(付記2)前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、
更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでいることを特徴とする付記1に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【0098】
(付記3)前記情報重複判定手段は、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定の対象とするように構成されていることを特徴とする付記1又は2に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【0099】
(付記4)前記送信コピー制御手段は、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別するように構成されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【0100】
(付記5)メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶された前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複しているか否かを、前記ディスクアレイ装置に装備された情報重複判定手段が判定し、
当該情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記ディスクアレイ装置に装備されたI/O処理部が、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶された前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データを前記ディスクアレイ装置に装備された送信用データバッファに記憶し、
続いて、前記ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があった当該要求にかかる更新データを、前記I/O処理部が前記キャッシュに記憶すると共に当該要求の更新データに関する順序保証情報を前記送信用管理バッファに記憶し、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備された送信コピー制御手段が、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に対して、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【0101】
(付記6)付記5に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法において、
前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでおり、
前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複しているか否かの判定に際しては、前記情報重複判定手段が、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定するようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【0102】
(付記7)付記6に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法において、
前記リモートサイトのディスクアレイ装置への更新データの非同期コピーに際しては、前記送信コピー制御手段が、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別するようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【0103】
(付記8)メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに当該更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶する更新データ記憶処理機能、
前記キャッシュへの更新データの記憶処理に同期して、当該更新データに関する順序保証情報を前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶する順序保証情報記憶処理機能、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と、前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複するか否かを判定する情報重複判定機能、
前記情報重複判定機能によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている更新データが読み出して、当該読み出した更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用データバッファに記憶する重複更新データ記憶処理機能、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするリモートコピー機能とを備え、
これらの各機能をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。
【0104】
(付記9)付記8に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラムにおいて、
前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでおり、
前記情報重複判定機能は、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定する構成とし、この機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。
【0105】
(付記10)付記9に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラムにおいて、
前記リモートコピー機能は、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別する構成とし、この機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0106】
例えば、コンピュータ産業などに利用可能である。詳細には記憶装置を製造する製造業に利用可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 メインサイト
2 リモートサイト
10,15 ホスト(ホストコンピュータ)
20,30 ディスクアレイ装置
21,31 I/O処理部
22,32 キャッシュ
23,24,33,34 グループ
25 グループ登録手段
26,27 コンセントレータ
26A 情報重複判定手段
26B 送信コピー制御手段
26C 送信用管理バッファ
26D 送信用データバッファ
40 遠隔回線(通信回線)
51 順序保証番号
52 論理ディスク番号
53 更新範囲
54 コピー先ディスクアレイ装置
55 コピー先論理ディスク番号
56 バッファへのデータコピー有無
57 コピーデータ格納先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムであって、
前記メインサイトのディスクアレイ装置が、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュへの当該更新データの記憶処理に同期して、当該更新データの書き込み制御情報である順序保証情報が記憶される送信用管理バッファと、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが、重複するか否かを判定する情報重複判定手段と、
前記情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている前回要求の前記更新データが読み出され、当該読み出された更新データが記憶される送信用データバッファと、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーする送信コピー制御手段と、
を備えていることを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【請求項2】
前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、
更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【請求項3】
前記情報重複判定手段は、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定の対象とするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【請求項4】
前記送信コピー制御手段は、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システム。
【請求項5】
メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶された前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複しているか否かを、前記ディスクアレイ装置に装備された情報重複判定手段が判定し、
当該情報重複判定手段によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記ディスクアレイ装置に装備されたI/O処理部が、前記ディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶された前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データを前記ディスクアレイ装置に装備された送信用データバッファに記憶し、
続いて、前記ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があった当該要求にかかる更新データを、前記I/O処理部が前記キャッシュに記憶すると共に当該要求の更新データに関する順序保証情報を前記送信用管理バッファに記憶し、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備された送信コピー制御手段が、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に対して、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法において、
前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでおり、
前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複しているか否かの判定に際しては、前記情報重複判定手段が、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定するようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法において、
前記リモートサイトのディスクアレイ装置への更新データの非同期コピーに際しては、前記送信コピー制御手段が、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別するようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理方法。
【請求項8】
メインサイトのディスクアレイ装置とリモートサイトのディスクアレイ装置が遠隔回線を介して接続され、前記メインサイトのディスクアレイ装置に記憶されるデータを前記リモートサイトのディスクアレイ装置にコピーするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理システムにあって、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったときに当該更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されているキャッシュに記憶する更新データ記憶処理機能、
前記キャッシュへの更新データの記憶処理に同期して、当該更新データに関する順序保証情報を前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用管理バッファに記憶する順序保証情報記憶処理機能、
ホストコンピュータから更新データの書き込み要求があったとき、当該要求の更新データに関する順序保証情報と、前記送信用管理バッファに記憶されている前記ホストコンピュータからの前回要求の更新データに関する順序保証情報とが重複するか否かを判定する情報重複判定機能、
前記情報重複判定機能によって前記2つの更新データに関する順序保証情報が重複していると判定された場合に、前記キャッシュに記憶されている更新データが読み出して、当該読み出した更新データを前記メインサイトのディスクアレイ装置に装備されている送信用データバッファに記憶する重複更新データ記憶処理機能、
前記送信用データバッファに記憶されている更新データ及び前記キャッシュに記憶されている更新データを、前記リモートサイトのディスクアレイ装置に、前記メインサイトのディスクアレイ装置における更新データの記憶処理と非同期でコピーするリモートコピー機能とを備え、
これらの各機能をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラムにおいて、
前記送信用管理バッファに記憶されている更新データに関する順序保証情報は、更新されたデータの順序を表す順序保証番号情報と、更新されたデータの範囲を表す更新範囲情報と、データのコピー先を表すコピー先ディスクアレイ装置名情報と、更新データが前記送信用データバッファにコピーされているデータであるか否かを表す送信用データバッファへのデータコピー有無情報と、データが格納されている前記送信用データバッファのバッファ番号を表すコピーデータ格納先情報を含んでおり、
前記情報重複判定機能は、前記送信用管理バッファに記憶されている前回要求の更新データに関する順序保証情報のうち、前記送信用データバッファへのデータコピー有無情報が無しと記憶されている順序保証情報を重複判定する構成とし、この機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラムにおいて、
前記リモートコピー機能は、前記送信用管理バッファに記憶されている順序保証情報のうちの送信用データバッファへのデータコピー有無情報に基づいて、前記リモートサイトのディスクアレイ装置へコピーする各更新データのコピー元を判別する構成とし、この機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするディスクアレイ装置間のリモートコピー処理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−3621(P2012−3621A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139757(P2010−139757)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】