説明

ディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造

【課題】簡易な構造でアジャスティングナットのロック及びロック解除作業を効率良く行うことができ、部品点数増加をも回避し得るディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造を提供する。
【解決手段】アジャスティングナット15のサイドベアリング14の外輪に当接する面と反対側の面に、その円周方向全周に亘り複数の位置決め用の凸部15bと凹部15cとを交互に設けると共に、前記サイドベアリングキャップ12の円周方向所要箇所に係合突起12aを設け、該サイドベアリングキャップ12の係合突起12aに掛止される引っ掛け部19aと、該引っ掛け部19aから連続して延び且つ前記アジャスティングナット15の凸部15bと凹部15cに掛着自在な押え部19bとを有するロッククリップ19により、回り止め手段16を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等に用いられるディファレンシャル装置は、図5に示される如く、ギアキャリア1内に、ドライブピニオン2をベアリング3,4,5により回転自在に配設すると共に、該ドライブピニオン2の回転がリングギア6を介して伝達されるディファレンシャルギアケース7を配設し、該ディファレンシャルギアケース7に、ピニオンシャフト8に対し回転自在となるよう嵌装されたピニオンギア9と、アクスルシャフト10にスプライン嵌合されたサイドギア11とを内蔵してなる構成を有している。
【0003】
前記ディファレンシャルギアケース7の左右両端部は、前記ギアキャリア1及びサイドベアリングキャップ12で囲まれた空間13内に取り付けられたサイドベアリング14により、アクスルシャフト10の軸線を中心として回転自在に支持するようになっている。
【0004】
又、前記ドライブピニオン2に対するリングギア6の位置決め(バックラッシュ調整)と、前記サイドベアリング14の予圧調整に関しては、前記ギアキャリア1及びサイドベアリングキャップ12で囲まれた空間13内に、外周面に雄ねじ部15aが形成されたアジャスティングナット15をねじ込み、前記サイドベアリング14の外輪の前記空間13内におけるアクスルシャフト10の軸線方向位置を調整した後、該アジャスティングナット15の回転を回り止め手段16で拘束することによって行われるようになっている。
【0005】
前記回り止め手段16は、図5及び図6に示される如く、前記アジャスティングナット15のサイドベアリング14の外輪に当接する面と反対側の面に、その円周方向全周に亘り複数の位置決め用の凸部15bと凹部15cとを所要ピッチで交互に設けると共に、該凹部15cに嵌合させてサイドベアリングキャップ12にボルト17で固定可能なロックプレート18を設けることによって構成してある。
【0006】
前記ロックプレート18は、図6に示される如く、プレート本体18aの中心部にボルト挿通孔18bを穿設し、該ボルト挿通孔18bが穿設されたプレート本体18aの左右両幅端部から前記凹部15cに嵌合可能な突片18cを、前記ボルト挿通孔18bを基準として上下方向一側に偏って配置させる形で左右両幅方向へ延びるよう張り出させた部材としてある。
【0007】
即ち、前記アジャスティングナット15を回転させることによってサイドベアリング14がアクスルシャフト10の軸線方向へ移動し、該サイドベアリング14の外輪の前記空間13内におけるアクスルシャフト10の軸線方向位置の調整が行われ、前記アジャスティングナット15が、例えば、図6(a)に示されるような回転位置にある場合、前記ロックプレート18の突片18cを上下方向下側に配置した状態でアジャスティングナット15の凹部15cに嵌合させるように、該ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12に対しボルト17で固定することが可能なり、又、前記アジャスティングナット15が、例えば、図6(b)に示されるような回転位置にある場合、前記ロックプレート18の突片18cを上下方向上側に配置した状態でアジャスティングナット15の凹部15cに嵌合させるように、該ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12に対しボルト17で固定することが可能となる。
【0008】
これにより、図6に示される例では、前記アジャスティングナット15には合計十六個の凸部15bと合計十六個の凹部15cとを交互に設けてあるため、
360°/16=22.5°
の更に半分の角度となる11.25°ピッチで、前記アジャスティングナット15の回転位置の微調整が行えるようになっている。
【0009】
尚、前述の如き従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−336606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述の如き従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造では、ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12に固定する際にはボルト17を締め付ける一方、調整のために前記ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12から取り外す際にはボルト17を緩める必要があり、作業効率が悪く、しかも、ロックプレート18及びボルト17といった二種類の部品が不可欠で部品点数増加につながることも問題となっており、改善が望まれていた。
【0012】
尚、図6(a)及び図6(b)に示される如く、上下を逆にして使用する形式のロックプレート18の代わりに、プレート本体18aの片側からのみ突片18cが張り出す形状のロックプレート18を別個に二種類用意し、必要に応じて使い分けるようにしている場合もあるが、このような場合、更に部品点数が増えてしまうこととなっていた。
【0013】
本発明は、斯かる実情に鑑み、簡易な構造でアジャスティングナットのロック及びロック解除作業を効率良く行うことができ、部品点数増加をも回避し得るディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ドライブピニオンの回転がリングギアを介して伝達されるようギアキャリア内に配設されるディファレンシャルギアケースと、
該ディファレンシャルギアケースをアクスルシャフトの軸線を中心として回転自在に支持するよう、前記ギアキャリア及びサイドベアリングキャップで囲まれた空間内に取り付けられるサイドベアリングと、
該サイドベアリングの前記空間内におけるアクスルシャフトの軸線方向位置を調整するよう、該空間内にねじ込まれるアジャスティングナットと、
該アジャスティングナットの回転を拘束する回り止め手段と
を備えたディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造において、
前記アジャスティングナットのサイドベアリングの外輪に当接する面と反対側の面に、その円周方向全周に亘り複数の位置決め用の凸部と凹部とを交互に設けると共に、前記サイドベアリングキャップの円周方向所要箇所に係合突起を設け、
該サイドベアリングキャップの係合突起に掛止される引っ掛け部と、該引っ掛け部から連続して延び且つ前記アジャスティングナットの凸部と凹部に掛着自在な押え部とを有するロッククリップにより、前記回り止め手段を構成したことを特徴とするディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造にかかるものである。
【0015】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0016】
前記アジャスティングナットを回転させることによってサイドベアリングがアクスルシャフトの軸線方向へ移動し、該サイドベアリングの外輪の前記空間内におけるアクスルシャフトの軸線方向位置の調整が行われ、先ず、ロッククリップの引っ掛け部をサイドベアリングキャップの係合突起に掛止させ、続いて、前記アジャスティングナットの回転位置に応じて、前記ロッククリップの押え部を凸部に嵌合させるか、或いは、前記ロッククリップの押え部を凹部に嵌合させ、アジャスティングナットの回転を拘束することが可能となる。
【0017】
これにより、前記アジャスティングナットの回転位置の微調整が行えるだけでなく、従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造と比較した場合、ロックプレートをサイドベアリングキャップに固定する際にボルトを締め付けたり、調整のために前記ロックプレートをサイドベアリングキャップから取り外す際にボルトを緩めたりする必要がなく、ロッククリップの着脱を行うだけで済むため、作業効率が非常に良くなり、しかも、ロックプレート及びボルトといった二種類の部品が不要で一種類のロッククリップのみ用意すれば良く、部品点数の増加が避けられる。
【0018】
前記ディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造においては、前記ロッククリップは、弾性線材を無端状で且つサイドベアリングキャップ及びアジャスティングナットの断面外周縁に倣うよう湾曲させた形状とし、且つ前記引っ掛け部並びに押え部はそれぞれ、前記弾性線材が平行配置されるよう形成し、
前記サイドベアリングキャップの係合突起の円周方向における幅と、前記アジャスティングナットの凸部の円周方向における幅とを等しくして、前記ロッククリップの引っ掛け部の内法、並びに押え部の内法がそれぞれ、前記係合突起の円周方向における幅、並びに前記凸部の円周方向における幅と等しくなるようにすると共に、
前記アジャスティングナットの凹部の円周方向における幅を前記凸部の円周方向における幅より前記ロッククリップの線材の直径の二倍の寸法だけ大きくなるように設定して、前記ロッククリップの押え部の外法が前記凹部の円周方向における幅と等しくなるようにすることができ、このようにすると、前記アジャスティングナットの回転位置に応じて、前記ロッククリップの押え部の内側がアジャスティングナットの凸部に当接するよう、該押え部を凸部に嵌合させるか、或いは、前記ロッククリップの押え部の外側がアジャスティングナットの凸部に当接するよう、該押え部を凹部に嵌合させ、アジャスティングナットの回転を拘束することが可能となる。
【0019】
前記ディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造においては、前記ロッククリップに、前記サイドベアリングキャップの係合突起から引っ掛け部を取り外す際に指を掛ける摘み部を該引っ掛け部から湾曲して延びるよう形成することが、アジャスティングナットのロック解除作業を更に効率良く行う上で有効となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造によれば、簡易な構造でアジャスティングナットのロック及びロック解除作業を効率良く行うことができ、部品点数増加をも回避し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の実施例を示す平断面図である。
【図2】本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の実施例におけるアジャスティングナット及びロッククリップを示す側面図であって、(a)はアジャスティングナットの凸部にロッククリップを係合させた状態を示す図、(b)はアジャスティングナットの凹部にロッククリップを係合させた状態を示す図であり、図1のII−II方向矢視相当図である。
【図3】本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の実施例におけるサイドベアリングキャップ内面側のロッククリップ用の係合突起を示す図であって、図1のIII−III方向矢視相当図である。
【図4】本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の実施例におけるロッククリップを示す斜視図である。
【図5】従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の一例を示す平断面図である。
【図6】従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の一例におけるアジャスティングナット及びロックプレートを示す側面図であって、(a)はアジャスティングナットの凹部にロックプレートの一方の突片を係合させた状態を示す図、(b)はアジャスティングナットの凹部にロックプレートの他方の突片を係合させた状態を示す図であり、図5のVI−VI方向矢視相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1〜図4は本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造の実施例であって、図中、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図5及び図6に示す従来のものと同様であるが、本実施例の特徴とするところは、図1〜図4に示す如く、アジャスティングナット15のサイドベアリング14の外輪に当接する面と反対側の面に、その円周方向全周に亘り複数の位置決め用の凸部15bと凹部15cとを交互に設けると共に、前記サイドベアリングキャップ12の円周方向所要箇所に係合突起12aを設け、該サイドベアリングキャップ12の係合突起12aに掛止される引っ掛け部19aと、該引っ掛け部19aから連続して延び且つ前記アジャスティングナット15の凸部15bと凹部15cに掛着自在な押え部19bとを有するロッククリップ19により、回り止め手段16を構成した点にある。
【0024】
本実施例の場合、前記ロッククリップ19は、バネ鋼或いは合成樹脂等の弾性線材を、図4に示す如く、無端状で且つサイドベアリングキャップ12及びアジャスティングナット15の断面外周縁(図1参照)に倣うよう湾曲させた形状とし、且つ前記引っ掛け部19a並びに押え部19bはそれぞれ、前記弾性線材が所要間隔をあけて平行配置されるように形成してあるが、前記サイドベアリングキャップ12の係合突起12aの円周方向における幅W1(図3参照)は、前記アジャスティングナット15の凸部15bの円周方向における幅W2(図2(a)参照)と等しくする、即ち、
W1=W2
として、前記ロッククリップ19の引っ掛け部19aの内法、並びに押え部19bの内法がそれぞれ、前記係合突起12aの円周方向における幅W1、並びに前記アジャスティングナット15の凸部15bの円周方向における幅W2と等しくなるようにすると共に、前記アジャスティングナット15の凹部15cの円周方向における幅W3(図2(b)参照)は前記アジャスティングナット15の凸部15bの円周方向における幅W2より前記ロッククリップ19の線材の直径φdの二倍の寸法だけ大きくなるように設定して、
W3=W2+2d
となるようにし、これにより、前記ロッククリップ19の押え部19bの外法が前記アジャスティングナット15の凹部15cの円周方向における幅W3と等しくなるようにしてある。
【0025】
又、前記ロッククリップ19には、図1、図3及び図4に示す如く、前記サイドベアリングキャップ12の係合突起12aから引っ掛け部19aを取り外す際に指を掛ける摘み部19cを該引っ掛け部19aから湾曲して延びるよう形成してある。
【0026】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【0027】
前記アジャスティングナット15を回転させることによってサイドベアリング14がアクスルシャフト10の軸線方向へ移動し、該サイドベアリング14の外輪の前記空間13内におけるアクスルシャフト10の軸線方向位置の調整が行われ、先ず、図3に示す如く、ロッククリップ19の引っ掛け部19aをサイドベアリングキャップ12の係合突起12aに掛止させる。
【0028】
続いて、前記アジャスティングナット15が、例えば、図2(a)に示すような回転位置にある場合、前記ロッククリップ19の押え部19bの内側がアジャスティングナット15の凸部15bに当接するよう、該押え部19bを凸部15bに嵌合させ、アジャスティングナット15の回転を拘束することが可能となる。又、前記アジャスティングナット15が、例えば、図2(b)に示すような回転位置にある場合、前記ロッククリップ19の押え部19bの外側がアジャスティングナット15の凸部15bに当接するよう、該押え部19bを凹部15cに嵌合させ、アジャスティングナット15の回転を拘束することが可能となる。
【0029】
これにより、図2に示す例では、前記アジャスティングナット15には合計十六個の凸部15bと合計十六個の凹部15cとを交互に設けてあるため、
360°/16=22.5°
の更に半分の角度となる11.25°ピッチで、前記アジャスティングナット15の回転位置の微調整が行えるだけでなく、図5及び図6に示されるような従来のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造と比較した場合、ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12に固定する際にボルト17を締め付けたり、調整のために前記ロックプレート18をサイドベアリングキャップ12から取り外す際にボルト17を緩めたりする必要がなく、ロッククリップ19の着脱を行うだけで済むため、作業効率が非常に良くなり、しかも、ロックプレート18及びボルト17といった二種類の部品が不要で一種類のロッククリップ19のみ用意すれば良く、部品点数の増加が避けられる。
【0030】
更に、前記ロッククリップ19には、摘み部19cを引っ掛け部19aから湾曲して延びるよう形成してあるため、前記サイドベアリングキャップの係合突起12aから引っ掛け部19aを取り外す際に指を摘み部19cに掛けることができ、アジャスティングナット15のロック解除作業を更に効率良く行うことが可能となる。
【0031】
こうして、簡易な構造でアジャスティングナット15のロック及びロック解除作業を効率良く行うことができ、部品点数増加をも回避し得る。
【0032】
尚、本発明のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
1 ギアキャリア
2 ドライブピニオン
6 リングギア
7 ディファレンシャルギアケース
10 アクスルシャフト
12 サイドベアリングキャップ
12a 係合突起
13 空間
14 サイドベアリング
15 アジャスティングナット
15b 凸部
15c 凹部
16 回り止め手段
19 ロッククリップ
19a 引っ掛け部
19b 押え部
19c 摘み部
W1 幅
W2 幅
W3 幅
φd 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブピニオンの回転がリングギアを介して伝達されるようギアキャリア内に配設されるディファレンシャルギアケースと、
該ディファレンシャルギアケースをアクスルシャフトの軸線を中心として回転自在に支持するよう、前記ギアキャリア及びサイドベアリングキャップで囲まれた空間内に取り付けられるサイドベアリングと、
該サイドベアリングの前記空間内におけるアクスルシャフトの軸線方向位置を調整するよう、該空間内にねじ込まれるアジャスティングナットと、
該アジャスティングナットの回転を拘束する回り止め手段と
を備えたディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造において、
前記アジャスティングナットのサイドベアリングの外輪に当接する面と反対側の面に、その円周方向全周に亘り複数の位置決め用の凸部と凹部とを交互に設けると共に、前記サイドベアリングキャップの円周方向所要箇所に係合突起を設け、
該サイドベアリングキャップの係合突起に掛止される引っ掛け部と、該引っ掛け部から連続して延び且つ前記アジャスティングナットの凸部と凹部に掛着自在な押え部とを有するロッククリップにより、前記回り止め手段を構成したことを特徴とするディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造。
【請求項2】
前記ロッククリップは、弾性線材を無端状で且つサイドベアリングキャップ及びアジャスティングナットの断面外周縁に倣うよう湾曲させた形状とし、且つ前記引っ掛け部並びに押え部はそれぞれ、前記弾性線材が平行配置されるよう形成し、
前記サイドベアリングキャップの係合突起の円周方向における幅と、前記アジャスティングナットの凸部の円周方向における幅とを等しくして、前記ロッククリップの引っ掛け部の内法、並びに押え部の内法がそれぞれ、前記係合突起の円周方向における幅、並びに前記凸部の円周方向における幅と等しくなるようにすると共に、
前記アジャスティングナットの凹部の円周方向における幅を前記凸部の円周方向における幅より前記ロッククリップの線材の直径の二倍の寸法だけ大きくなるように設定して、前記ロッククリップの押え部の外法が前記凹部の円周方向における幅と等しくなるようにした請求項1記載のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造。
【請求項3】
前記ロッククリップに、前記サイドベアリングキャップの係合突起から引っ掛け部を取り外す際に指を掛ける摘み部を該引っ掛け部から湾曲して延びるよう形成した請求項1又は2記載のディファレンシャル装置のアジャスティングナット固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−44338(P2013−44338A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180206(P2011−180206)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】