説明

ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置

【課題】パティキュレートフィルタ温度を均一にすることが可能であり、さらにメンテナンスを容易に行うことができるディーゼルエンジン用黒煙浄化装置を提供する。
【解決手段】酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1とを内部に直列に配設するディーゼルエンジン用黒煙浄化装置40において、前記酸化触媒4の外周部に外周部空間2cと、前記酸化触媒4の上流側に上流側空間部2aを設け、排気ガスの入口管6を前記外周部空間2cに連通し、さらに該入口管6の入口部分が前記酸化触媒4の上流側空間部2aに臨まないように設け、排気ガスを前記酸化触媒4の外周部空間2cを通して前記上流側空間部2aに導いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排気後処理装置(黒煙浄化装置)は車載用で提案されており、排気入口、(ヒーター)、酸化触媒、パティキュレートフィルタの順に直列に配置されている(図13参照)。パティキュレートフィルタを再生させるためにはパティキュレートフィルタの温度を上げる必要があり、これは主に排気ガスの熱で昇温させる。酸化触媒もCO、HCの浄化とともにパティキュレートフィルタの直前でこれらの酸化熱を得てパティキュレートフィルタを昇温させる役目もある。パティキュレートフィルタはセラミック製であり、このため排気ガスが一箇所に集中するとパティキュレートフィルタ内の温度差によるクラックが発生する恐れがある。この課題に対応してパティキュレートフィルタ内の温度を均一にするように各種構造が提案されている(例えば特許文献1、2、3、4参照)。
【0003】
また、一般的に排気入口が酸化触媒のパティキュレートフィルタとは反対側の空間(酸化触媒の上流側空間)に設けられ、排気ガスが直接入るようにしている。そして排気出口についてはパティキュレートフィルタの外側を保温するためにパティキュレートフィルタの外周に空間を作り、該空間を介して排気ガスを排出しているものも提案されている(例えば特許文献5参照)が、多くはパティキュレートフィルタを出た空間より直接または共鳴室等を介して排出されている。
【0004】
産業用エンジンの場合、排気後処理装置の搭載形態が種々あり、また搭載部のスペースに限りがあるためにマフラーは各種形状がある。特にマフラーの側面部より排気ガスが入るものが多い。また、産業用エンジンについては、例えばフィルタケースに消音性能を持たせ現行マフラー搭載位置にフィルタケースを搭載すべくマフラー代替形状での出願がされている。(例えば特許文献1、特許文献6参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−16374号公報
【特許文献2】特開2006−7100号公報
【特許文献3】特開2006−16991号公報
【特許文献4】特開2006−88027号公報
【特許文献5】特開2003−49634号公報
【特許文献6】特開2003−120277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
産業用のエンジンの場合、その搭載形態が種々であり従来のマフラーでは排気の入口の形態も種々あった。このために後処理装置としてのフィルタをマフラーの代わりに搭載しようとすると車載用の形状そのままでは搭載できない問題がある。特に排気ガス入口は、図14に示すようにフィルタケースの中央部寄りにあるものも多く、このような形態の後処理装置が構造上望ましい。また、排気入口部に共鳴室を置き酸化触媒担体、パティキュレートフィルタの順に並べると排気入口が中央寄りにできるのではあるが、排気ガス温度を上げるためにはできるだけ排気入口から酸化触媒までの熱容量を減らす必要があり排気入口側には共鳴室は置けない。
また、フィルタ温度を均一にしようと各種構造が提案されているが産業用エンジンの場合、もともとの排気ガス温度が非常に高い状態で排出される場合があり、排気ガスを均一に流すと熱の放散の関係で中心部に熱の集中が起き、パティキュレートフィルタ温度が逆に均一にならない問題がある。また、パティキュレートフィルタは、分解しないアッシュを掃除するためにパティキュレートフィルタのみを取り外す必要があるが、排気管の継ぎ手よりケースごと取り外すとガスケットの交換や着脱箇所の多いケースから、さらにパティキュレートフィルタを取り外す必要があるため、時間がかかりメンテナンス上問題になる。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パティキュレートフィルタ温度を均一にすることが可能であり、さらにメンテナンスを容易に行うことができるディーゼルエンジン用黒煙浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、
酸化触媒とパティキュレートフィルタとを内部に直列に配設するディーゼルエンジン用黒煙浄化装置において、
前記パティキュレートフィルタの上流側に配置され、内部に入口部が形成された上流側ハウジング部と、
前記パティキュレートフィルタの下流側に配置される下流側ハウジング部と、
前記上流側ハウジング部の前記入口部内に配置される前記酸化触媒と、
前記上流側ハウジング部と前記下流側ハウジング部との間に配置され、前記上流側ハウジング部と前記下流側ハウジング部に気密かつ一体に固着される前記パティキュレートフィルタと、
前記入口部内における酸化触媒の上流側に設けられる上流側空間と、
前記酸化触媒の外周部と前記上流側ハウジングの内側との間に所定間隔を有して設けられ、前記上流側空間に排気ガスを導入するための排気ガス通路となる外周部空間と、
前記外周部空間に連通し、当該外周部空間に排気ガスを導入する入口管と、を備え、
前記入口管は、該入口管の内周端と前記酸化触媒の前端との間に所定の距離を有して配置され、排気ガスを該入口管より前記外周部空間に通して前記上流側空間に導いたものである。
【0009】
請求項2においては、前記酸化触媒の上流側空間に導いた排気ガスが酸化触媒の中心側に偏って流れないようにガイドを設けたものである。
【0010】
請求項3においては、前記酸化触媒の外周部と上流側の空間に、排気ヒーターを配設したものである。
【0011】
請求項4においては、ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置の前部に蓋部を設けて、排気ガスの出入口のフランジを取り外すことなく、前記排気ヒーターを着脱可能としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、排気ガスを略均一に酸化触媒に導くことが可能となる。その結果としてパティキュレートフィルタの前段である酸化触媒担体の外周部から排気ガスが出てくるために比較的パティキュレートフィルタ内の外周部に多くの排気ガスが流れてパティキュレートフィルタの温度が均一化される。また、排気ガスの入口をケース(装置全体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【0014】
請求項2においては、排気ガスを酸化触媒の外周部から略均一に酸化触媒入口に導くために酸化触媒担体の外周部から排気ガスが導入され、さらにガイドを用いて排気ガスを確実に酸化触媒入口の外周部へ導くために比較的パティキュレートフィルタの外周部に多くのガスが流れてパティキュレートフィルタの温度が均一化される。また、排気ガスの入口がケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【0015】
請求項3においては、排気ヒーターをつけることで排気温度がパティキュレートフィルタを再生するために十分でない場合に排気温度を上げることができる。また、外周部の比較的広い部分に取り付けることが可能であり、容量の大きなヒーターを取り付けることができる。
【0016】
請求項4においては、排気ガスヒーターを排気ガス出入口のフランジを取り外すことなく着脱可能にすることでヒーターのメンテナンスを容易とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図2】本発明の実施例2に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図3】本発明の実施例3に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図4】本発明の実施例4に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図5】本発明の実施例5に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図6】本発明の実施例6に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図7】本発明の実施例7に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図8】本発明の実施例8に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図9】本発明の実施例9に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図10】本発明の実施例10に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図11】本発明の実施例11に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図12】本発明の実施例12に係る黒煙浄化装置を示す概略図。
【図13】現行車載用の排気後処理装置を示す断面図。
【図14】従来の産業用マフラーを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る黒煙浄化装置の実施例1を示す概略図、図2は同じく実施例2を示す概略図、図3は同じく実施例3を示す概略図、図4は同じく実施例4を示す概略図、図5は同じく実施例5を示す概略図、図6は同じく実施例6を示す概略図、図7は同じく実施例7を示す概略図、図8は同じく実施例8を示す概略図、図9は同じく実施例9を示す概略図、図10は同じく実施例10を示す概略図、図11は同じく実施例11を示す概略図、図12は同じく実施例12を示す概略図、図13は現行車載用の排気後処理装置を示す断面図、図14は従来の産業用マフラーを示す概略図である。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1に係るディーゼルエンジン用黒煙浄化装置の全体構成について図1を用いて説明する。
ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置20(以下、黒煙浄化装置という)は、図1に示すように入口部2、ディーゼルパティキュレートフィルタ1(以下、パティキュレートフィルタという)及び出口部3で構成されている。入口部2と出口部3は、それぞれハウジング7a、7bの中に形成されている。該ハウジング7a、7bの間の設置部1aにパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7a、7bの両者とガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内の前部(矢印方向を前方とする。以下の実施例も同様とする)には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側(前側)には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部2bを有している。入口部2には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部16で入口部2の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0020】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2の下方から略鉛直方向に挿通しており、前記空間部2b内において略直角に屈曲し、前方に延出している。前方に延出している入口管6の前部6aは酸化触媒4の中心部を挿通し、入口管6の一端を酸化触媒4の前端と略同位置としている。入口管6の他端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、この開口部6bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6を介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。また、前記ハウジング7aの前面を覆う如く配設される前記内壁部16は、略半球状に中心部が後方へ突出しており、断面視凸状に形成されており、排気ガス誘導部となる。また、出口部3には排気ガス10を排出する出口管14と、該出口管14と平行して排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管25が設けてある。
【0021】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。入口管6の前部6aから上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図1に示すように排気ガス誘導部である内壁部16により酸化触媒4の外周部へと流れるように誘導される。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部2bへと入り、該下流側空間部2bにある入口管6の中途部の間を抜けて、前記空間部2bからパティキュレートフィルタ1を通過(浄化)してから出口管14に入り、該出口管14から排出される。
上述したように、酸化触媒4中心部に入口管6を挿通させているため、酸化触媒4は、外周部だけとなり、後段のフィルタ1には比較的外周に多く排気ガス10を流すことができるのである。さらに、排気ガス誘導部となる内壁部16を設けることで外周部に排気ガスを誘導し、より多く流すことができるため、フィルタ1の温度の均一化が可能となる。
【0022】
このように、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1とを内部に直列に配設する黒煙浄化装置20において、排気ガス10の入口である開口部6bを酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配設し、排気ガス通路である入口管6を前記入口部分となる開口部6bから延出して酸化触媒4の中心部を通して、酸化触媒4の上流側空間部2aに繋げたことにより、フィルタ前段の酸化触媒4担体の外周部から排気ガス10が出てくるために比較的パティキュレートフィルタ1内の外周部に多くの排気ガス10が流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。また、排気ガス10の入口管6の開口部6bをケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
また、前記酸化触媒4の上流側空間2aに凸状の排気ガス誘導部である内壁部16を設けたことにより、排気ガス10が確実に酸化触媒4の外側に誘導されて、フィルタ1前段である酸化触媒4担体の外周部から排気ガス10が出てくるために比較的パティキュレートフィルタ1内の外周部に多くの排気ガス10が流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。
【実施例2】
【0023】
本発明の実施例2を、図2を用いて説明する。
黒煙浄化装置30は、図2に示すように入口部2、パティキュレートフィルタ1及び出口部3で構成されている。入口部2と出口部3は、それぞれハウジング7a、7bの中に形成されている。該ハウジング7a、7bの間の設置部1aにパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7a、7bの両者とガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内の前部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部2bを有している。入口部2には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部16で入口部2の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0024】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2の下方から略鉛直方向に挿通しており、前記空間部2b内において略直角に屈曲し、前方に延出している。前方に延出している入口管6の前部6aはテーパ状であり、前方に行くほど入口管6の断面直径が広がっていく。そして、入口管6の一端は酸化触媒の後端面中心部と略気密となるように接続している。
入口管6の他端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、この開口部6bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6を介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。また、前記内壁部16は、実施例1と同じく略半球状に中心部が後方へ突出しており、断面視凸状に形成されており、排気ガス誘導部となる。また、出口部3には排気ガス10を排出する出口管14と、該出口管14と平行して排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管25が設けてある。
【0025】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。入口管6の前部6aから上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図2に示すように排気ガス誘導部である内壁部16により酸化触媒4の外周部へと流れるように誘導される。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部2bへと入り、該下流側空間部2bにある入口管6の中途部の間を抜けて、前記空間部2bからパティキュレートフィルタ1を通過(浄化)してから出口管14に入り、該出口管14から排出される。
さらに具体的には、酸化触媒4の機能としては、排気ガス10がセル状になったガス通路(図示せず)を抜けていく間に、酸化触媒4に担持された触媒によりCO、HCが酸化されるものである。テーパ状の入口管6の前部6aから排気ガス10を吹き込むことにより、セル状のガス通路の間を外周側に広がりつつ排気ガスが抜けていき上流側空間部2aに至り、該空間部2aで外周側に広がったガスが、酸化触媒4及び下流側空間部2bの外周部を流れて、後段のパティキュレートフィルタ1へと流れることとなる。こうして、パティキュレートフィルタ1の比較的外周部に排気ガス10を多く流すことができる。酸化触媒4へはパティキュレートフィルタ1とは異なり必ずしも排気ガス10全量を流す必要はない。そのために、テーパ状の入口管6の前部6aと酸化触媒4の端面との接続部分においては、完全な気密状態を維持する必要はない。また本実施例においても、実施例1と同様に、排気ガス誘導部となる内壁部16を設けることで、さらに酸化触媒4の外周部に排気ガス10を誘導し、後段のパティキュレートフィルタ1内の外周部に比較的多く排気ガス10を流すことができるため、フィルタ1の温度の均一化が可能となる。
【0026】
このように、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1とを内部に直列に配設する黒煙浄化装置30において、排気ガス10の入口である開口部6bを酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配設し、排気ガス通路である入口管6を前記入口部分となる開口部6bから延出して、酸化触媒4の下流側の端面中心部に略気密に接続したことにより、フィルタ前段の酸化触媒4担体の外周部から排気ガス10が出てくるために比較的パティキュレートフィルタ1内の外周部に多くの排気ガス10が流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。また、排気ガス10の入口管6の開口部6bをケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。さらに、テーパ状の入口管6を使用することにより、排気ガス10の酸化触媒担体通過時間が長くなり確実にCO、HCの酸化ができる。
また、実施例1と同様に、前記酸化触媒4の上流側空間2aに凸状の排気ガス誘導部である内壁部16を設けたことにより、排気ガス10が確実に酸化触媒の外側に誘導されて、フィルタ1前段である酸化触媒4担体の外周部から排気ガス10が出てくるために比較的パティキュレートフィルタ1内の外周部に多くの排気ガス10が流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。
【実施例3】
【0027】
本発明の実施例3を、図3を用いて説明する。
黒煙浄化装置40は、図3に示すように入口部2、パティキュレートフィルタ1及び出口部3で構成されている。入口部2と出口部3は、それぞれハウジング7a、7bの中に形成されている。該ハウジング7a、7bの間の設置部1aにパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7a、7bの両者とガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部2bを有している。また、酸化触媒4の外周部とハウジング7aの内側との間において所定間隔の空間2cを有しており、該空間2cの後端は隔壁11によって封止されている。こうして前記空間2cが排気ガス10を上流側空間部2aへ導入する排気ガス通路を形成している。入口部2には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で入口部2の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0028】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2の下方から、入口部2内の前記空間2cに連通している。入口管6の一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、該開口部6bが排気入口となる。図3に示すように開口部6bの内周端と酸化触媒4の前端との距離Aが0以上となるように配置する。つまり、酸化触媒4の上流側空間部2aに排気入口となる開口部6bが臨まないように設ける。排気ガス10は、この入口管6及び酸化触媒4の外周部空間2cを介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。また、出口部3には排気ガス10を排出する出口管14と、該出口管14と平行して排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管25が設けてある。
【0029】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の外周部空間2cに入り、該空間2cから酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。そうして、上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図3に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、パティキュレートフィルタ1にも比較的外周側に多くの排気ガス10が通過(浄化)してから出口管14に入り、該出口管14から排出される。
発明者等の鋭意検討の結果としては、このように酸化触媒4の外周部空間2cを介して排気ガス10を上流側空間部2aへと流して、さらに前記Aの値を0以上にすることで比較的均一に、もしくは外周部ほど若干ガス流量を増やして酸化触媒4に排気ガス10を導入できる。
【0030】
このように、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1とを内部に直列に配設する黒煙浄化装置40において、酸化触媒4の外周部と上流側に空間を設け、排気ガス10の入口管6を外周部空間2cに連通し、さらに該入口管6の入口部分である開口部6bが酸化触媒4の上流側空間部2aに臨まないように設け、排気ガス10を酸化触媒4の外周部空間2cを通して酸化触媒4の上流側空間部2aに導いたことにより、排気ガス10を略均一に酸化触媒4に導くことが可能となる。その結果としてパティキュレートフィルタ1の前段である酸化触媒4担体の外周部から排気ガス10が出てくるために比較的パティキュレートフィルタ1内の外周部に多くの排気ガスが流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。また、排気ガス10の入口である入口管6の開口部6bをケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【実施例4】
【0031】
本発明の実施例4を、図4を用いて説明する。
図4に示すように、実施例3に記載した黒煙浄化装置40において、酸化触媒4の前方に中心部が後方へ突出し、断面視台形状に形成されている排気ガス10を誘導するガイド18を設けている。
このようにガイド18を黒煙浄化装置40に配置することで、図4に示すように外周部空間2cから流入してくる排気ガス10を、ガイド18の外周部分において流れ方向を反転させて、酸化触媒4入口の外周側に排気ガス10が流れ込むようになっている。つまり、排気ガス10が酸化触媒4の中心部に偏って流入することがなく、さらに確実に排気ガス10を酸化触媒4の外周側へ多く流すことができる。
【0032】
このように、前記酸化触媒4の上流側空間部2aに導いた排気ガス10が酸化触媒4の中心側に偏って流れないようにガイド18を設けたことにより、実施例3で説明した黒煙浄化装置40と比べて、さらに確実に排気ガス10を酸化触媒4の外周部へ導くことが可能となり、酸化触媒4の後段であるパティキュレートフィルタ1の外周部に比較的多くの排気ガス10が流れてパティキュレートフィルタ1の温度が均一化される。また、本実施例の黒煙浄化装置40は、実施例3で記載したように排気ガス10の入口管6の開口部6bをケースの中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【実施例5】
【0033】
本発明の実施例5を、図5を用いて説明する。
黒煙浄化装置50は、図5に示すように入口部2、パティキュレートフィルタ1及び出口部3で構成されている。入口部2と出口部3は、それぞれハウジング7a、7bの中に形成されている。該ハウジング7a、7bの間の設置部1aにパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7a、7bの両者とガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内の前部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部2bを有している。また、酸化触媒4の外周部とハウジング7aの内側との間において所定間隔の空間2cを形成している。該空間2cの後端は、入口部2の後端近傍まで延出されており、隔壁21によって封止されている。入口部2の外周には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で入口部2の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0034】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管65が配置されている。該入口管65は、入口部2の下方から略鉛直方向に挿通しており、前記空間部2b内において上方に突出して突出部65aを形成し、該突出部65aの上端が断熱吸音材押え板13に当接している。前記突出部65aは前記空間部2b内において、該突出部65aの上端部と下部に複数の開口部65c・65c・・・を設けて空間2c内と連通しており、排気ガス10を入口管65から空間2c内へと送り込むことが可能となっている。入口管65の一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部65bを設けており、この開口部65bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気入口となる。排気ガス10は、この入口管65、突出部65a及び空間2cを介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。また、出口部3には排気ガス10を排出する排気出口となる出口管14と、該出口管14と平行して排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管25が設けてある。
【0035】
このような構成において、排気ガス10は、入口管65から導入されて、該入口管65の突出部65aに有する開口部65cから酸化触媒4の外周側にある空間2cへと流入し、該空間2cを介して酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。次に、上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図5に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し酸化触媒4の下流側空間部2bへと入り、該下流側空間部2bにある突出部65aの間を抜けて、パティキュレートフィルタ1を通過(浄化)する。そうして、パティキュレートフィルタ1を出た排気ガス10は出口管14に入り、該出口管14から排出される。
【0036】
このように、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1とを内部に直列に配設するディーゼルエンジン用黒煙浄化装置50において、排気ガス10の入口である開口部65bを酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配設し、酸化触媒4の外周部、上流側及び下流側に空間を設け、前記入口部分である開口部65bから延出される入口管65を酸化触媒4の下流側空間部2b内に突出するとともに、前記入口管65の中途部及び端部を酸化触媒4の外周部の空間2cと連通させて、排気ガス10を酸化触媒4の外周部空間2cを通して上流側空間部2aに導いたことにより、フィルタ1前段の酸化触媒4の上流側空間部2aにおいて、2重管の外側である酸化触媒4の外周部の空間2cから流れ込んだ排気ガス10が酸化触媒4入口の中心部分に集まるのを防ぎ、酸化触媒4入口での排気ガス分布をより均一にすることができる。また、入口管65により装置本体を貫通支持することにより、強度向上が図れる。
なお、実施例4で記載した排気ガス10を誘導するガイド18を、本実施例の黒煙浄化装置50に取り付けることで、排気ガス10が酸化触媒4の中心部に偏って流入することがなく、さらに確実に排気ガス10を酸化触媒4の外周側へ多く流すことができる。
【実施例6】
【0037】
本発明の実施例6を、図6を用いて説明する。
黒煙浄化装置60は、図6に示すように黒煙浄化装置60の前段部22とパティキュレートフィルタ1の設置部41aで構成されている。前記設置部41aにパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7aとガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。前段部22内の前部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部22aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部22bを有している。そして、パティキュレートフィルタ1の下流側には空間部23を有している。前段部22の外周部には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で前段部22の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0038】
前段部22には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、前段部22の下方から略鉛直方向に挿通しており、前記空間部22b内において略直角に屈曲し、前方に延出している。前方に延出している入口管6の前部6aは酸化触媒4の中心部を挿通し、入口管6の一端を酸化触媒4の前端と略同位置としている。入口管6の他端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、この開口部6bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6を介して前段部22の上流側空間部22a内へ入るようになっている。
また、前段部22の後部から設置部41aにかけて、排気ガス10を排出する排気ガス通路となる出口管34が配置されている。該出口管34は、前段部22の上方から略鉛直方向に挿通しており、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間にある前記空間部22b内において略直角に屈曲し、後方に延出している。また、出口管34の一端には、開口部34bを設けており、該開口部34bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気出口となっている。また、後方に延出している出口管34の後部34aは設置部41aのパティキュレートフィルタ1の中心部を挿通し、出口管34の他端をパティキュレートフィルタ1の後端と略同位置としている。また、出口管34の後部34aのパティキュレートフィルタ1内に挿通されている管表面部と、該管表面部に面するパティキュレートフィルタ1との間にはシール36を施してあり、排気ガス10が出口管34の後部34aとパティキュレートフィルタ1との隙間から排出されるのを防いでいる。
【0039】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の上流側となる上流側空間部22a内へと導入される。入口管6の前部6aから上流側空間部22a内に導入された排気ガス10は、図6に示すように酸化触媒4の外周部へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部22bへと入り、該下流側空間部22bにある入口管6及び出口管34の中途部の間を抜けて、該空間部22bからパティキュレートフィルタ1の外周側を通過(浄化)してから、空間部23に至り、該空間部23から出口管34に入り、該出口管14から排気ガス10が排出される。
上述したように、酸化触媒4中心部に入口管6を挿通させているため、酸化触媒は、外周部分だけとなり、後段のフィルタ1には比較的外周に多く排気ガス10を流すことができるのである。さらに、パティキュレートフィルタ1の中心部に出口管34を挿通させているため、比較的熱の溜まりやすいパティキュレートフィルタ1の中心部を排除でき、パティキュレートフィルタ1の温度の均一化が可能となる。
また、本実施例では排気出入口フランジ等をはずすことなく、つまり、黒煙浄化装置60を支持部から取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1を一箇所のバンド12をはずすだけで着脱でき、さらにパティキュレートフィルタ1の洗浄が、出口管34の後部34aを取り外した部分であるフィルタ1の中央部からもできるようになる。
なお、実施例1から実施例5に記載した各黒煙浄化装置においては、入口部2、パティキュレートフィルタ1及び出口部3で構成されており、後段のパティキュレートフィルタ1及び出口部3の部分については同じ構成となっている。実施例1から実施例5に記載した後段のパティキュレートフィルタ1、出口部3と及び出口管14の部分の代わりに、本実施例で示したパティキュレートフィルタ1の設置部41a及び出口管34を取り付けて黒煙浄化装置を構成することも可能である。
【0040】
このように、前記酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に排気ガス10の出口である開口部34bを配設し、排気ガス通路となる出口管34を排気ガスの出口部分である開口部34bから延出してパティキュレートフィルタ1の中を通して、パティキュレートフィルタ1の下流側空間部23に繋げたことにより、パティキュレートフィルタ1がドーナツ状に形成されて熱が集中しやすい中心部がなくなりフィルタ温度が均一化する。排気ガス10の出口である開口部34bがケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【実施例7】
【0041】
本発明の実施例7を、図7を用いて説明する。
黒煙浄化装置70は、図7に示すように黒煙浄化装置70の前段部42とパティキュレートフィルタ1の設置部41aで構成されている。前記設置部41aにはパティキュレートフィルタ1が配置されており、パティキュレートフィルタ1は、ハウジング7aとガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。前段部42内の前後方向の略中間部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部42aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部42bを有している。そして、パティキュレートフィルタ1の下流側には空間部23を有している。
前段部42には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び17で前段部42の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記設置部1aに着脱可能となっている。
【0042】
前段部42には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2を略鉛直方向に挿通しており、一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための排気入口となる開口部を設けており、他端は封止している。該入口管6の上流側空間部42a内部における円筒側壁には多数の小孔6cが設けてある。排気ガス10は、この小孔6cを介して入口管6から上流側空間部42a内へ入るようになっている。
また、前段部42から設置部41aにかけて、排気ガス10を排出する排気ガス通路となる出口管34が配置されている。該出口管34は、前段部42の上方から略鉛直方向に挿通しており、酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間にある前記空間部42b内において略直角に屈曲し、後方に延出している。また、出口管34の一端には、開口部34bを設けており、該開口部34bが前後方向で酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に配置しており、排気出口となっている。また、後方に延出している出口管34の後部34aは設置部41aのパティキュレートフィルタ1の中心部を挿通し、出口管34の他端をパティキュレートフィルタ1の後端と略同位置としている。また、出口管34の後部34aのパティキュレートフィルタ1内に挿通されている管表面部と、該管表面部に面するパティキュレートフィルタ1との間にはシール36を施してあり、排気ガス10が出口管34の後部34aとパティキュレートフィルタ1との隙間から排出されるのを防いでいる。
【0043】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6の小孔6cを介して酸化触媒4の上流側となる上流側空間部42a内へと導入される。小孔6cから上流側空間部42a内に導入された排気ガス10は、酸化触媒4へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部42bへと入り、該下流側空間部22bにある出口管34の中途部の間を抜けて、該空間部42bからパティキュレートフィルタ1の外周側を通過(浄化)してから、空間部23に至り、該空間部23から出口管34に入り、該出口管34から排出される。
上述したように、黒煙浄化装置の前段部が実施例6で示したものではなく、本実施例で示したような構造であっても、パティキュレートフィルタ1の中心部に出口管34を挿通させているため、比較的熱の溜まりやすいパティキュレートフィルタ1の中心部を排除でき、パティキュレートフィルタ1の温度の均一化が可能となる。
また、実施例6で記載した黒煙浄化装置60と同様に本実施例においても排気出入口フランジ等を外すことなく、つまり、黒煙浄化装置60を支持部から取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1を一箇所のバンド12を外すだけで着脱でき、さらにパティキュレートフィルタ1の洗浄は、出口管34を取り外した部分であるフィルタ1の中央部からもできるようになる。
【0044】
このように、前記酸化触媒4とパティキュレートフィルタ1の間に排気ガス10の出口である開口部34bを配設し、排気ガス通路となる出口管34を排気ガス10の出口部分である開口部34bから延出してパティキュレートフィルタ1の中を通して、パティキュレートフィルタ1の下流側空間部23に繋げたことにより、パティキュレートフィルタ1がドーナツ状に形成されて熱が集中しやすい中心部がなくなり温度が均一化する。排気ガス10の出口である開口部34bがケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【実施例8】
【0045】
本発明の実施例8を、図8を用いて説明する。
黒煙浄化装置80は、図8に示すように入口部2と出口部43で構成されている。入口部2と出口部43は、それぞれハウジング7a、47の中に形成されている。該ハウジング7aと47の間は、ガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4の下流側には下流側空間部2bを有している。また、酸化触媒4の外周部とハウジング7aの内側との間において空間2cを有しており、該空間2cの後端は隔壁11によって封止されている。こうして前記空間2cが排気ガス10を上流側空間部2aへ導入する排気ガス通路を形成している。入口部2の外周部には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で入口部2の内壁に押し付けられている。
【0046】
また、出口部43内の前部には、パティキュレートフィルタ1が配置されている。該パティキュレートフィルタ1の上流側には上流側空間部43aを有しており、一方、パティキュレートフィルタ1の下流側には下流側空間部43bを有している。また、パティキュレートフィルタ1の外周部とハウジング47の内側との間において空間部43cを有しており、該空間部43cの前端は隔壁31によって封止されている。こうして前記空間部43cが排気ガス10を排出する排気ガス通路を形成している。出口部43の外周部には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板53及び内壁部67で出口部43の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記出口部43内に着脱可能となっている。
【0047】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2の後下部に設けた開口に連結固定して、入口部2内の前記空間2cに連通している。入口管6の一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、該開口部6bが排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6及び外周部空間2cを介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。
また、出口部43には、排気ガス10を排出する排気ガス通路となる出口管44が配置されている。該出口管44は、出口部43の前上部に設けた開口に連結固定して、出口部43内の前記空間43cに連通している。また、出口管44の一端は、排気出口となる開口部44aを有している。排気ガス10は、パティキュレートフィルタ1、空間部43b及び外周部空間43cを介して出口部43の出口管44から排出される構成となっている。
【0048】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の外周側空間2cに入り、該空間2cから酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。そうして、上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図8に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部2bから出口部43の上流側空間部43aへと入り、該空間部43aからパティキュレートフィルタ1を通過(浄化)して、下流側空間部43bに至る。そうして、排気ガス10は、下流側空間部43bからパティキュレートフィルタ1の外周部にある空間43cを介して出口管44から排出される。
なお、本実施例の黒煙浄化装置80の前段部である入口部2は、実施例3で記載した黒煙浄化装置40の前段部である入口部2と同じものであり、排気ガス10を比較的均一に、もしくは外周部ほど若干ガス流量を増やして酸化触媒4に導入できる。
【0049】
なお、実施例1から実施例5に記載した各黒煙浄化装置においては、入口部2、パティキュレートフィルタ1及び出口部3で構成されており、後段のパティキュレートフィルタ1及び出口部3の部分については同じ構成となっている。実施例1から実施例5に記載した後段のパティキュレートフィルタ1及び出口部3の替わりに、本実施例で示した出口部43を取り付けて黒煙浄化装置を構成することも可能である。
また、実施例6又は実施例7に記載した各黒煙浄化装置60、70においては、設置部41aと出口管34の組合せの代わりに、本実施例で示した出口部43と出口管44との組合せを適用して黒煙浄化装置を構成することも可能である。
【0050】
このように、前記パティキュレートフィルタ1の外周部と下流側に空間を設け、排気ガス10の出口管44を外周部空間43cに連通し、排気ガス10をパティキュレートフィルタ1の下流側空間部43bよりパティキュレートフィルタ1の外周部空間43cを通して排気ガス10の出口である開口部44aへ導いたことにより、パティキュレートフィルタ1の外周部を比較的多くの排気ガス10が流れてフィルタ1の温度が均一化する。また、排気ガス10の出口である開口部44aがケース(装置本体)の中央横に設けることができ黒煙浄化装置(後処理装置)の搭載性がよくなる。
【実施例9】
【0051】
本発明の実施例9を、図9を用いて説明する。
黒煙浄化装置90は、図9に示すように入口部2と出口部63で構成されている。入口部2と出口部63は、それぞれハウジング7a、67の中に形成されている。該ハウジング7aと67の間は、ガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。入口部2内の後部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部2aを有しており、一方、酸化触媒4内の下流側には下流側空間部2bを有している。また、酸化触媒4の外周部とハウジング7aの内側との間において空間2cを有しており、該空間2cの後端は隔壁11によって封止されている。こうして前記空間2cが排気ガス10を上流側空間部2aへ導入する排気ガス通路を形成している。入口部2の外周部には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で入口部2の内壁に押し付けられている。
【0052】
また、出口部63内の前部には、パティキュレートフィルタ1が配置されている。該パティキュレートフィルタ1の上流側には上流側空間部63aを有しており、一方、パティキュレートフィルタ1の下流側には下流側空間部63bを有している。また、パティキュレートフィルタ1の前端の外周側と出口部63内側との間は隔壁41によって封止されている。また、パティキュレートフィルタ1の外周部とハウジング67の内側との間において空間63cを有しており、該空間63cの前端は隔壁61によって封止されている。こうして前記空間63cが排気ガス10を排出する排気ガス通路を形成している。出口部63後方には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板77で出口部63の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記出口部63内に着脱可能となっている。
【0053】
入口部2には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部2の後下部に設けた開口に連結固定して、入口部2内の前記空間2cに連通している。入口管6の一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、該開口部6bが排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6及び外周部空間2cを介して入口部2の上流側空間部2a内へ入るようになっている。
また、出口部63には、排気ガス10を排出する排気ガス通路となる出口管44が配置されている。該出口管44は、出口部63の前後中途の上部に設けた開口に連結固定して、出口部63内の前記空間63cに連通している。また、出口管44の一端は、排気出口となる開口部44aを有している。排気ガス10は、パティキュレートフィルタ1、空間部63b及び外周部空間63cを介して出口部63の出口管44から排出される構成となっている。
また、パティキュレートフィルタ1の下方には、排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管32が配置されている。該共鳴管32の前方の空間は、共鳴室35となっている。排気ガス10は、パティキュレートフィルタ1通過後、空間部63b及び外周部空間63cを介して出口部63の出口管44から排出される構成となっている。
【0054】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の外周側空間2cに至り、該空間2cから酸化触媒4の上流側となる上流側空間部2a内へと導入される。そうして、上流側空間部2a内に導入された排気ガス10は、図9に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部2bから出口部63の上流側空間部63aへと入り、該空間部63aからパティキュレートフィルタ1を通過(浄化)して、下流側空間部63bに至る。そうして、排気ガス10は、下流側空間部63bからパティキュレートフィルタ1の外周部にある空間部63cを介して出口管44から排出される。
本実施例のように、パティキュレートフィルタ1の外側空間を利用して共鳴室35を設けているため、コンパクトな構造での消音量の確保が可能となる。
【0055】
このように、前記パティキュレートフィルタ1の外周部に空間を設け、該空間に排気音消音用の共鳴室35を設けたことにより、装置の長さ方向を犠牲にせずに共鳴室35を設けることができ、パティキュレートフィルタ1に消音器としての役割を持たすことが可能となる。
【実施例10】
【0056】
本発明の実施例10を、図10を用いて説明する。
図10に示すように本実施例は、実施例3に記載した黒煙浄化装置40において、入口部2内に排気ヒーター51を取り付けて、かつ、黒煙浄化装置40の前端部を、着脱可能である蓋部2eに変更したものである。入口部2内には、入口部2内を流れる排気ガス10を加熱するための排気ヒーター51が酸化触媒4の周囲にコイル状に配置されている。
また、前記蓋部2eは、ハウジング7aとガスケット15で気密を保ち、かつ、V字バンド12で一体に固着されている。このように構成したことにより、比較的大きな空間に、排気ガス10の流れ方向に発熱部を置くことで排気ガス10に対して十分な加熱が可能となる。そして、蓋部2eを開閉することで、エンジンからの排気管(図示せず)や外部への排出管(図示せず)との接続部分である排気ガスの出入口フランジ部分を取り外すことなく、つまり、黒煙浄化装置40を支持部から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。
なお、本実施例に記載した排気ヒーター51または蓋部2eは、前述した実施例3、実施例4及び実施例5においても適用が可能である。
【0057】
このように、前記酸化触媒4の外周部と上流側の空間に、排気ヒーター51を配設したことにより、排気温度がパティキュレートフィルタ1を再生するために十分でない場合に排気温度を上げることができる。また、外周部の比較的広い部分に取り付けることが可能であり、容量の大きなヒーターを取り付けることができる。
【実施例11】
【0058】
本発明の実施例11を、図11を用いて説明する。
黒煙浄化装置110は、図11に示すように入口部72と出口部73で構成されている。そして、該出口部73は前方出口部73aと共鳴室35から構成されている。入口部72と出口部73は、それぞれハウジング45a、45bの中に形成されている。該ハウジング45aと45bの間は、ガスケット15で気密を保ち、かつ、ボルト締結により一体に固着されている。入口部72内の前部には、酸化触媒4が配置されている。該酸化触媒4の上流側には上流側空間部72aを有しており、一方、酸化触媒4内の下流側には下流側空間部72bを有している。また、酸化触媒4の外周部とハウジング45aの内側との間において空間72cを有しており、該空間72cの後端は隔壁71によって封止されている。また、酸化触媒4の後段には、下流側空間部72bを介してパティキュレートフィルタ1が配置されている。そして、パティキュレートフィルタ1の下流側は前方出口部73a内と接続している。入口部72内には、入口部72内を流れる排気ガス10を加熱するための排気ヒーター51が酸化触媒4の周囲にコイル状に配置されている。また、黒煙浄化装置110の入口部72の前端部には、着脱可能である蓋部72eを設けており、ガスケット15で気密を保ち、かつ、入口部72前端にボルト締結により一体に固着されている。このように構成したことにより、比較的大きな空間に、排気ガス10の流れ方向に発熱部を配置することで排気ガス10に対して十分な加熱が可能となる。また、蓋部72eを開閉することで、エンジンからの排気管(図示せず)との接続部分である排気フランジをはずすことなく、つまり、黒煙浄化装置110を支持部から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。入口部72には断熱吸音材8が配置されており、この断熱吸音材8は、断熱吸音材押え板13及び内壁部17で入口部2の内壁に押し付けられている。
また、前記パティキュレートフィルタ1は、前記入口部72の後部に着脱可能となっている。
【0059】
入口部72には、図示しないエンジンから排気ガス10を導く排気ガス通路となる入口管6が配置されている。該入口管6は、入口部72の前後中途の下部に設けた開口に連結固定して、入口部72内の前記空間部72cに連通している。入口管6の一端には図示しない排気管を介してエンジンと接続するための開口部6bを設けており、該開口部6bが排気入口となる。排気ガス10は、この入口管6及び外周部空間72cを介して入口部2の上流側空間部72a内へ入るようになっている。
また、出口部73には、排気ガス10を排出する出口管44が配置されている。該出口管44は、出口部73の上部に設けた開口に連結固定して、前方出口部73a内に連通している。
また、前方出口部73aの後方には、排気ガス排出時の騒音を低減させる共鳴管32が配置されている。該共鳴管32が収納される空間は、共鳴室35となっている。該共鳴室35の外側は側蓋部46を形成しており、共鳴室35前端と前方出口部73aの間は、ガスケット15で気密を保ち、かつ、ボルト締結により一体に固着されている。この締結部のボルトを取り外すことで、側蓋部46が取り外し可能となっている。パティキュレートフィルタ1から流入してくる排気ガス10は、前方出口部73aを介して出口管44から排出される構成となっている。
【0060】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の外周側空間72cに至り、該空間72cから酸化触媒4の上流側となる上流側空間部72a内へと導入される。この時、前記ヒーター51により排気ガス10が加熱される。次に、上流側空間部72a内に導入された排気ガス10は、図11に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部72bからパティキュレートフィルタ1へと入り、該パティキュレートフィルタ1を通過(浄化)して、前方出口部73aに至る。そうして、排気ガス10は、前方出口部73aから出口管44を介して排出される。
【0061】
また、共鳴室35前端と前方出口部73aの間を固着しているボルトを外して、側蓋部46を取り外して、前方出口部73a内にあるパティキュレートフィルタ1の取っ手部1bを後方に引き出すことで、パティキュレートフィルタ1を取り外し可能としている。こうして、エンジンからの排気管(図示せず)や排気ガス10の排出管(図示せず)との接続部分である排気ガス10の出入口フランジ部分を取り外すことなく、つまり、黒煙浄化装置110を支持部等から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。さらに実施例10と同様に蓋部72eを開閉することで、エンジンからの排気管(図示せず)や外部への排出管(図示せず)との接続部分である排気ガスの出入口フランジ部分を取り外すことなく、つまり、黒煙浄化装置110を支持部等から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。
【0062】
このように、ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置110の後部に側蓋部46を設けて、排気ガス10の出入口のフランジ部を取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1を着脱可能としたことにより、アッシュ堆積時のメンテナンスを容易とする。
また、ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置110の前部に蓋部72eを設けて、排気ガス10の出入口のフランジ部を取り外すことなく、排気ヒーター51を着脱可能としたことにより、ヒーター51のメンテナンスを容易とする。
なお、本実施例は、黒煙浄化装置110にのみ適用されるものではなく、実施例1から実施例5に記載した各黒煙浄化装置20、30、40、50の後段のパティキュレートフィルタ1及び出口部3の代わりに、実施例8で示した出口部43を取り付けて黒煙浄化装置を構成して、本実施例のように前部に蓋部もしくは後部に側蓋部を設けて、排気ガス10の出入口のフランジ部を取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1または排気ヒーター51を着脱可能としてもかまわない。
また、実施例6又は実施例7に記載した各黒煙浄化装置においては、設置部41aと出口管34の組合せの代わりに、本実施例で示した出口部43と出口管44との組合せを適用して黒煙浄化装置を構成し、本実施例のように黒煙浄化装置の前部に蓋部もしくは後部に側蓋部を設けて、排気ガス10の出入口のフランジ部を取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1または排気ヒーター51を着脱可能としてもかまわない。
また、前述した実施例8、実施例9に示した各黒煙浄化装置にも本実施例のように前部に蓋部もしくは後部に側蓋部を設けて、排気ガス10の出入口のフランジ部を取り外すことなく、パティキュレートフィルタ1または排気ヒーター51を着脱可能としてもかまわない。
【実施例12】
【0063】
本発明の実施例12を、図12を用いて説明する。
本実施例の黒煙浄化装置120の構成は、パティキュレートフィルタ1の部分を除いて実施例11で示した黒煙浄化装置110と同様であり、変更箇所のみについて説明する。
前述した実施例11に記載した黒煙浄化装置110において、酸化触媒4の後段には、下流側空間部72bを介してパティキュレートフィルタ1が配置されている。本実施例では、このパティキュレートフィルタ1を、実施例11で示したものよりもさらに後方に延出することで、出口部73内のパティキュレートフィルタ1の外周側と出口部73内側との間となる空間73c及びパティキュレートフィルタ1の下流側空間部73bを形成したものである。
【0064】
このような構成において、排気ガス10は、入口管6を介して酸化触媒4の外周側空間72cに至り、該空間72cから酸化触媒4の上流側となる上流側空間部72a内へと導入される。この時、前記排気ヒーター51により排気ガス10が加熱される。次に、上流側空間部72a内に導入された排気ガス10は、図12に示すように主に酸化触媒4内の外周側へと流れる。そうして、排気ガス10は酸化触媒4を通過し下流側空間部72bからパティキュレートフィルタ1へと入り、該パティキュレートフィルタ1を通過(浄化)して、出口部73の下流側空間部73bに至る。そうして、排気ガス10は、下流側空間部73bから空間73cを介して出口管44から排出される。
【0065】
また、共鳴室35前端と前方出口部73aの間を固着しているボルトを外して、側蓋部46を取り外して、前方出口部73a内にあるパティキュレートフィルタ1の取っ手部1bを後方に引き出すことで、パティキュレートフィルタ1を取り外し可能としている。こうして、エンジンからの排気管(図示せず)や排気ガス10の排出管(図示せず)との接続部分である排気ガス10の出入口フランジ部分を取り外すことなく、つまり、黒煙浄化装置120を支持部等から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。さらに実施例10と同様に蓋部72eを開閉することで、エンジンからの排気管(図示せず)や外部への排出管(図示せず)との接続部分である排気ガスの出入口フランジ部分を取り外すことなく、つまり、黒煙浄化装置120を支持部等から取り外すことなく、排気ヒーター51が着脱可能となっている。
【符号の説明】
【0066】
1 パティキュレートフィルタ
2・22・42・72 入口部
2a・22a・42a・72a 上流側空間部
2b・22b 下流側空間部
2c 外周部空間
2e・72e 蓋部
4 酸化触媒
6・65 入口管
6b・65b 開口部
10 排気ガス
16 内壁部
18 ガイド
20・30・40・50・60・70・80・90・110・120 黒煙浄化装置
23・43・63・73b 下流側空間部
34・44 出口管
34b・44a 開口部
35 共鳴室
46 側蓋部
51 排気ヒーター
63c 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化触媒とパティキュレートフィルタとを内部に直列に配設するディーゼルエンジン用黒煙浄化装置において、
前記パティキュレートフィルタの上流側に配置され、内部に入口部が形成された上流側ハウジング部と、
前記パティキュレートフィルタの下流側に配置される下流側ハウジング部と、
前記上流側ハウジング部の前記入口部内に配置される前記酸化触媒と、
前記上流側ハウジング部と前記下流側ハウジング部との間に配置され、前記上流側ハウジング部と前記下流側ハウジング部に気密かつ一体に固着される前記パティキュレートフィルタと、
前記入口部内における酸化触媒の上流側に設けられる上流側空間と、
前記酸化触媒の外周部と前記上流側ハウジングの内側との間に所定間隔を有して設けられ、前記上流側空間に排気ガスを導入するための排気ガス通路となる外周部空間と、
前記外周部空間に連通し、当該外周部空間に排気ガスを導入する入口管と、を備え、
前記入口管は、該入口管の内周端と前記酸化触媒の前端との間に所定の距離を有して配置され、排気ガスを該入口管より前記外周部空間に通して前記上流側空間に導いたことを特徴とするディーゼルエンジン用黒煙浄化装置。
【請求項2】
前記酸化触媒の上流側空間に導いた排気ガスが酸化触媒の中心側に偏って流れないようにガイドを設けたことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン用黒煙浄化装置。
【請求項3】
前記酸化触媒の外周部と上流側の空間に、排気ヒーターを配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディーゼルエンジン用黒煙浄化装置。
【請求項4】
ディーゼルエンジン用黒煙浄化装置の前部に蓋部を設けて、排気ガスの出入口のフランジを取り外すことなく、前記排気ヒーターを着脱可能としたことを特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジン用黒煙浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−154345(P2012−154345A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120309(P2012−120309)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−97710(P2007−97710)の分割
【原出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】