説明

デコード装置及び方法

つなぎ撮りを行った場合のように時刻情報が不連続となった場合でも映像がフリーズせず、つなぎ撮りの前後にわたって映像信号を不具合なく表示させる技術が開示される。この技術によれば、映像エンコード部1041は映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して映像エンコードデータを生成する。時刻情報(PCR)発生部10461はトランスポート・ストリームに多重する時刻情報を発生する。識別情報(つなぎ撮り情報)発生部10462はトランスポート・ストリームに多重する時刻情報の連続性が途切れた際に、時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生する。多重化部1047は映像エンコードデータと時刻情報と識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して圧縮するエンコード装置及び方法、記録媒体に映像信号を記録する記録装置及び方法、フレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して圧縮された映像信号をデコードするデコード装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号の符号量を削減する圧縮符号化方式としてMPEG2方式が広く知られている。MPEG2方式により圧縮符号化された映像データは、フレーム内符号化されたIピクチャと、フレーム間予測符号化されたPピクチャ及びBピクチャの3種類があり、Iピクチャを少なくとも1枚含む連続したピクチャの集合をGOP(Group Of Pictures)と呼ぶ。
また、MPEGエンコーダにより符号化された映像データをMPEG2−トランスポート・ストリーム(以下、MPEG2−TS)としてMPEGデコーダに転送し、MPEGデコーダはMPEGエンコーダと同期させてMPEG2−TSを復号することが必要である。そこで、MPEGエンコーダはタイムスタンプ情報(時刻情報)としてPCR(Program Clock Reference)をMPEG2−TSに付加して転送し、MPEGデコーダは映像データを復号してPCRに基づいた表示タイミングで復号した映像信号を出力する。
【特許文献1】特開2003−230092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラにより撮像した映像信号を例えば磁気テープに記録する記録装置(いわゆるビデオカメラ)として、DV方式のテープカセットを用い、このテープカセットの磁気テープに映像信号をMPEG2方式で記録するデジタルビデオカメラがある。
この種のビデオカメラでは、ユーザがつなぎ撮りを行うと、磁気テープを再生して映像データをエンコードする際に、つなぎ撮りの前後でPCRが不連続となる。このため、デコーダがデコードした映像信号を正しい表示タイミングで表示させることができず、映像がフリーズしてしまうという問題点があった。この問題点は上記特許文献1にも記載されている。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、つなぎ撮りを行った場合のように時刻情報が不連続となった場合でも映像がフリーズせず、つなぎ撮りの前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることができるエンコード装置及び方法、記録装置及び方法、デコード装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像信号をエンコードしてトランスポート・ストリームを生成するエンコード装置において、前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成する映像エンコード部と、前記トランスポート・ストリームに多重する時刻情報を発生する時刻情報発生部と、前記トランスポート・ストリームに多重する前記時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生する識別情報発生部と、前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力する多重化部とを備えて構成したことを特徴とするエンコード装置を提供する。
ここで、前記多重化部は、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することが好ましい。
また、前記多重化部は、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することが好ましい。前記所定の期間は3ミリ秒であることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像信号をエンコードしてトランスポート・ストリームを生成するエンコード方法において、前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成し、前記トランスポート・ストリームに多重する時刻情報を発生し、前記トランスポート・ストリームに多重する前記時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生し、前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力することを特徴とするエンコード方法を提供する。
ここで、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することが好ましい。
また、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することが好ましい。前記所定の期間は3ミリ秒であることが好ましい。
【0007】
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像信号を記録媒体に記録する記録装置において、前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成する映像エンコード部と、前記記録媒体に記録する時刻情報を発生する時刻情報発生部と、前記記録媒体に記録する時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生する識別情報発生部と、前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力する多重化部と、前記トランスポート・ストリームを前記記録媒体にトラックとして順次記録する記録部とを備えて構成したことを特徴とする記録装置を提供する。
ここで、前記多重化部は、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することが好ましい。
また、前記多重化部は、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することが好ましい。前記所定の期間は3ミリ秒であることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像信号を記録媒体に記録する記録方法において、前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成し、前記記録媒体に記録する時刻情報を発生し、前記記録媒体に記録する時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生し、前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力し、前記トランスポート・ストリームを前記記録媒体にトラックとして順次記録することを特徴とする記録方法を提供する。
ここで、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することが好ましい。
また、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することが好ましい。前記所定の期間は3ミリ秒であることが好ましい。
【0009】
さらにまた、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化した映像エンコードデータと、時刻情報と、前記時刻情報の連続性が途切れた際に発生した前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報とを多重したトランスポート・ストリームをデコードするデコード装置において、前記映像エンコードデータをデコードして映像データを出力する映像デコード部と、前記映像データを一時的に貯蔵する貯蔵部と、前記時刻情報を読み取る時刻情報読み取り部と、前記識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、前記識別情報読み取り部が前記識別情報を読み取っていない場合には、前記時刻情報読み取り部が読み取った前記時刻情報を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、前記識別情報読み取り部が前記識別情報を読み取った場合には、前記時刻情報読み取り部が読み取った前記時刻情報を無視して予め定めたタイミング信号を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生する表示タイミング信号発生部と、前記表示タイミング信号発生部が発生した表示タイミング信号に基づいて、前記貯蔵部に貯蔵された前記映像データを読み出すよう制御する読み出し制御部とを備えて構成したことを特徴とするデコード装置を提供する。
また、映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化した映像エンコードデータと、時刻情報と、前記時刻情報の連続性が途切れた際に発生した前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報とを多重したトランスポート・ストリームをデコードするデコード方法において、前記映像エンコードデータをデコードして映像データを出力し、前記映像データを一時的に貯蔵し、前記時刻情報を読み取り、前記識別情報を読み取り、前記識別情報を読み取っていない場合には、読み取った前記時刻情報を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、前記識別情報を読み取った場合には、読み取った前記時刻情報を無視して予め定めたタイミング信号を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、発生した表示タイミング信号に基づいて、貯蔵された前記映像データを読み出すよう制御することを特徴とするデコード方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、つなぎ撮りを行った場合でも映像がフリーズせず、つなぎ撮りの前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のエンコード装置、記録装置、デコード装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】つなぎ撮りを説明するための図である。
【図3】つなぎ撮りを説明するための図である。
【図4】本発明のエンコード装置の詳細な実施形態を示すブロック図である。
【図5】MPEG2−トランスポート・ストリームを示す図である。
【図6】つなぎ撮りを行った場合の磁気テープ上の記録パターン例を示す図である。
【図7】本発明のデコード装置の詳細な実施形態を示すブロック図である。
【図8】図1中のIEEE1394インタフェース112の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図9】IEEE1394インタフェース112によるAVデータの転送を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のエンコード装置及び方法、記録装置及び方法、デコード装置及び方法について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明のエンコード装置、記録装置、デコード装置の一実施形態を示すブロック図、図2及び図3はつなぎ撮りを説明するための図、図4は本発明のエンコード装置の詳細な実施形態を示すブロック図、図5はMPEG2−トランスポート・ストリームを示す図、図6はつなぎ撮りを行った場合の磁気テープ上の記録パターン例を示す図、図7は本発明のデコード装置の詳細な実施形態を示すブロック図、図8は図1中のIEEE1394インタフェース112の具体的な構成例を示すブロック図、図9はIEEE1394インタフェース112によるAVデータの転送を説明するための図である。
【0013】
図1に示す本実施形態の記録装置100は、HDデジタルVCR協議会(HD Digital VCR Conference)の定める規定に準拠し、NTSC信号等のスタンダード(SD)信号をDV方式で記録再生するか、ハイビジョン(HD)信号をMPEG2方式で記録再生するかを選択することができるビデオカメラの例である。HD信号とは例えば有効走査線720本のプログレッシブ信号(720P)または有効走査線1080本のインターレース信号(1080i)である。
図1において、図示していないレンズより入来した撮像映像(光信号)は撮像素子101で撮像信号(電気信号)に変換され、カメラ信号処理回路102にて映像信号に整形される。カメラ信号処理回路102より出力された映像信号及び外部信号入力端子131より供給される映像信号は切換器120に入力され、切換器120はいずれかの映像信号をDVエンコーダ103及びMPEGエンコーダ104に供給する。外部信号入力端子131から映像信号が供給されないことがあることは当然である。
【0014】
DVエンコーダ103は入力された映像信号をDVエンコードし、MPEGエンコーダ104は入力された映像信号をMPEG2エンコードする。DVエンコーダ103より出力されたDVエンコードデータ及びMPEGエンコーダ104より出力されたMPEG2エンコードデータは切換器121に入力される。
操作部110は、映像信号をDV方式のテープカセットである記録媒体107にDVフォーマットで記録するかMPEG2方式で記録するかを選択する記録モード選択釦1101を備えている。システム制御部111は記録モード選択釦1101による選択に応じて切換器121を制御して、切換器121はDVエンコーダ103からのDVエンコードデータとMPEGエンコーダ104からのMPEG2エンコードデータのいずれかを記録信号処理回路105に供給する。本発明のエンコード装置の一実施形態であるMPEGエンコーダ104の具体的構成及び動作については後述する。
【0015】
記録信号処理回路105はDVエンコードデータまたはMPEG2エンコードデータをマッピングして各種識別データを付加して、記録アンプ106に供給する。記録アンプ106は入力されたデータを増幅して記録ヘッドを含む機構駆動部1071に供給する。機構駆動部1071は回転ドラムに搭載された記録ヘッド及び再生ヘッドの他、記録媒体107の磁気テープをテープカセットより引き出すローディング機構及び磁気テープを走行させる走行機構を有するものである。なお、機構駆動部1071は公知のものを採用することができるので、ここでは詳細な構成及び動作の説明を省略することとする。
上記の各種識別データを付加されたDVエンコードデータまたはMPEG2エンコードデータは記録媒体107に記録される。
【0016】
ここで、図2及び図3を用いて映像信号のつなぎ撮りについて説明する。映像信号のつなぎ撮りとは、記録媒体107上の記録を一旦停止し再度記録を再開することである。記録の停止とは、いわゆるレコポーズ状態及び完全な停止状態の双方を含む。ユーザが図1における操作部110に設けた記録開始釦1103を押すと、記録装置100は記録を開始する。記録媒体107には図2に示すように記録媒体(磁気テープ)107の走行方向に対して傾斜したトラックが順次形成される。ユーザが時刻t1にて操作部110に設けた例えば記録一時停止釦1104を押したとすると、記録は時刻t2にて実際に一旦停止する。図3に示すように、記録一時停止釦1104を押して時刻t2にて記録が停止するまでの記録をRc1とする。時刻t1,t2間は1秒程度である。
そして、再びユーザが記録開始釦1103を押すと、記録媒体107は2秒程度巻き戻される。図3に破線にて示すように記録Rc1における記録停止の指示をした時刻t1付近でのトラック位置まで再生動作を行い、時刻t1付近でのトラック位置から新たな記録Rc2が開始される。MPEG2エンコードデータの記録の場合には、時刻t1付近でのトラックにおけるGOPの先頭から新たな記録Rc2が開始される。なお、システム制御部111が記録停止の指示をした時刻t1を記憶しており、この時刻t1を用いて上記のようなつなぎ撮りを行う。図2にハッチングを付して示すように、ほぼ時刻t1,t2間の1秒程度は一旦記録された記録Rc1が消去ヘッドにより消去されて記録Rc2が上書きされた状態である。
【0017】
前述のように、MPEG2エンコードデータを構成するMPEG2−トランスポート・ストリーム(MPEG2−TS)は時刻情報であるPCRを含む。記録Rc1の期間はPCRが連続しているが、記録Rc1から記録Rc2へと移った時点でPCRは不連続となる。このPCRの不連続が後述するデコード(再生)動作における不具合を招き、映像のフリーズを発生させてしまう。
このような問題点は、上記のようにユーザが記録を開始した後に記録を停止してさらに記録を再開した場合だけでなく、既に記録された記録媒体107の途中に新たに映像を記録する場合でも同様に発生する。
【0018】
次に、図4を用いて図1中のMPEGエンコーダ104の構成例について説明する。図4においては、図1では省略している音声信号の処理についても示している。図4において、映像信号は映像エンコード部1041によってフレーム内圧縮されたIピクチャとフレーム間圧縮されたPピクチャ及びBピクチャに符号化される。映像エンコード部1041は、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを出力する。音声信号は音声エンコード部1042によって符号化される。STCカウンタ1043はSTC(System Time Clock)により駆動されるカウンタである。
パケット化部1044は映像エンコード部1041より出力された映像エンコードデータをパケット化して多重化部1047に供給する。パケット化部1044はPTS発生部10441を備えており、PTS発生部10441はPTS(Presentation Time Stamp)を発生する。なお、映像エンコード部1041より出力されたエンコードデータはES形式と称される形式であり、パケット化部1044の出力はPES形式と称される形式である。パケット化部1045は音声エンコード部1042より出力された音声エンコードデータをパケット化して多重化部1047に供給する。
【0019】
情報エンコード部1046はPCR発生部10461とつなぎ撮り情報発生部10462を備えている。PCR発生部10461はPCRを発生し、つなぎ撮り情報発生部10462はシステム制御部111からのつなぎ撮りの指示を示す制御信号に応答してつなぎ撮り情報パケットを発生する。情報エンコード部1046はPCR及びつなぎ撮り情報パケットの他、PAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)も発生する。これらの各種の制御情報は多重化部1047に供給される。多重化部1047より出力されるMPEG2−TSのフォーマットは図5に示す通りである。
【0020】
図5に示すように、MPEG2−TSは188バイトの固定長トランスポート・パケットにより多重・分離されることが定義されている。各トランスポート・パケットは、同期バイトからアダプテーション・フィールドまでのヘッダと映像データや音声データの実情報であるペイロードとよりなる。ヘッダは、同期バイトとアダプテーション・フィールドの他、PID(パケットID),スクランブル制御情報,アダプテーション・フィールド制御情報等を含む。アダプテーション・フィールド制御情報は2ビットであり、アダプテーション・フィールドの有無及びペイロードの有無を示す。ここでは図示していないが、ペイロードはPTSを含む。
アダプテーション・フィールドには、PCR等に関する情報やスタッフィング・バイト(無効データバイト)をオプションで入れることができる。アダプテーション・フィールドは、アダプテーション・フィールド長フィールド,不連続表示フィールド,オプショナル・フィールド等を含む。オプショナル・フィールドはPCR,オリジナルPCR(OPCR),プライベート・データを含む。
【0021】
本実施形態では、プライベート・データを以下のように定義してつなぎ撮りの有無を識別するようにしている。具体的には、プライベート・データを、32ビットのIDストリング情報PD1,1ビットのシームレス再生ポイント情報PD2,1ビットの2−3プルダウン情報PD3,1ビットのプルダウン繰り返し情報PD4,5ビットの保留情報PD5,各々が8ビットのPC0〜PC4よりなる5個のPCデータPD6と定義する。
IDストリング情報とはプライベート・データが上記のように定義した構造を有することを判別するための情報である。2−3プルダウン情報とは24P(フレーム数24のプログレッシブ)の映像信号を2−3プルダウンにより60P(フレーム数60のプログレッシブ)に変換して記録したことを示す情報であり、プルダウン繰り返し情報とは2−3プルダウンがどのようなパターンで繰り返すかを示す情報である。PC0〜PC4からなるPCデータは、DVフォーマットにおける日付情報,タイムコード,SD/HDの判別フラグ等の付加情報である。PCデータとしてDVフォーマットにおける付加情報を定義付けることにより、記録装置100はMPEG2方式で記録再生する場合でもDVフォーマットの付加情報と同じ情報を記録することが可能となる。
【0022】
本実施形態では、シームレス再生ポイント情報として、連続撮影中には“1”を発生し、それ以外、即ち、つなぎ撮りを行った場合には“0”を発生する。前述のように、つなぎ撮り情報発生部10462はシステム制御部111からのつなぎ撮りの指示を示す制御信号に応答して、シームレス再生ポイント情報を“1”から“0”へと切り換えることにより、つなぎ撮り情報パケットを発生する。なお、トランスポート・パケットのPIDの一部として、つなぎ撮り情報パケット(即ち、PD1〜PD6を含むパケット)のPIDに予め定めた所定値をセットする。
【0023】
ところで、MPEGエンコーダ104(多重化部1047)は、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを含むMPEG2−TSを出力するに際し、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内につなぎ撮り情報パケットを出力するようにしている。この所定の期間は3ミリ秒であることが好ましい。即ち、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点とつなぎ撮り情報パケットの出力時点との時間間隔を3ミリ秒以内としている。
【0024】
以上のようなMPEG2−TSは、図6に示すように、記録媒体107に記録される。図6において、トラックT1までのトラックが1つのGOPであり、トラックT2から新たなGOPであるとする。トラックT1までのGOPは図3における記録Rc1に相当し、トラックT2からGOPは図3における記録Rc2に相当する。図6に示すように、GOPの最終トラックであるトラックT1の終端部からGOPの最初のトラックであるトラックT2の始端部にかけては、ヌルパケットPnullとなっている。ここではヌルパケットPnullとしているが、ルパケットの他にオーディオパケットを含むこともある。トラックT2におけるGOPは先頭Gtopから開始している。
ところで、図6に示すように、PCRは1つのGOP内に複数箇所記録され、PTSは1つのGOPの先頭部に記録される。図6におけるトラックT1内のPCRとトラックT3内のPCRは不連続である。
【0025】
上記のように、MPEGエンコーダ104は、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内につなぎ撮り情報パケットを出力するので、シームレス再生ポイント情報PD2はつなぎ撮りしたGOPの先頭Gtopの近傍に記録される。なお、図6では理解を容易にするため、シームレス再生ポイント情報PD2を所定の面積を有するように記載している。但し、MPEGエンコーダ104からのストリームの発生タイミングと記録媒体107への記録タイミングとは必ずしも一致しないので、つなぎ撮り情報パケットがGOPの先頭Gtopから上記の予め定めた所定の期間内に記録されるとは限らない。これはストリームの状態によるからである。
なお、DVフォーマットでは、走査線525本、60フィールドのNTSC方式の映像信号を記録する場合には、10トラックで1フレームを構成するが、MPEG2方式で記録する場合には、1フレームのトラック数は可変である。
【0026】
図1に戻り、記録媒体107の再生について説明する。ユーザが図1における操作部110に設けた再生釦1105を押すと、記録媒体107より再生された再生信号は再生アンプ108にて増幅されて、再生信号処理回路109に入力される。再生信号処理回路109は再生信号をエンコードデータに整形して、システム制御部111及び切換器122に供給する。システム制御部111は、入力されたデータに基づいて再生信号がDV方式の信号であるかMPEG2方式の信号であるかを判別する。システム制御部111は判別結果に応じて切換器122,123を切り換え制御する。
切換器122は、再生信号がDV方式の信号であれば再生信号処理回路109からのDVエンコードデータをDVデコーダ113に供給し、再生信号がMPEG2方式信号であれば再生信号処理回路109からのMPEG2エンコードデータをMPEGデコーダ114に供給する。
【0027】
DVデコーダ113は入力されたDVエンコードデータをデコードして切換器123に供給する。MPEGデコーダ114は入力されたMPEG2エンコードデータをデコードしてダウンコンバータ115及びHD信号出力端子134に供給する。ダウンコンバータ115はHD信号をSD信号に変換して切換器123に供給する。切換器123はシステム制御部111の制御により、DVデコーダ113より出力された映像信号とダウンコンバータ115より出力された映像信号とのいずれかをSD信号出力端子133に供給する。SD信号の映像信号はSD信号出力端子133から出力され、HD信号の映像信号はHD信号出力端子134から出力される。
【0028】
次に、図7を用いて図1中のMPEGデコーダ114の構成例について説明する。図7においては、図1では省略している音声信号の処理についても示している。図7において、再生/伝送データであるMPEG2エンコードデータはヘッダ解読部1141に入力されて、図5で説明したMPEG2−TSのヘッダが解読される。ヘッダ解読部1141におけるヘッダの解読結果に基づいて、MPEG2−TSのペイロードに含まれるビデオパケットは映像デコード部1142に供給され、オーディオパケットは音声デコード部1143に供給され、PCR,つなぎ撮り情報パケット,PAT,PMTを含む各種の制御情報は情報デコード部1144に供給される。
映像デコード部1142はシステム制御部111による制御に基づいてビデオパケットをデコードすると共にPTSを出力する。音声デコード部1143はシステム制御部111による制御に基づいてオーディオパケットをデコードする。
【0029】
情報デコード部1144はPCR読み取り部11441とつなぎ撮り情報読み取り部11442とを備えている。PCR読み取り部11441は上記の制御情報に含まれるPCRを抽出して、PCRPLL(Phase Locked Loop)回路1145に供給する。PCRPLL回路1145は入力されたPCRに基づいて27MHzのクロック(STC)を生成して、STCカウンタ1146に供給する。STCカウンタ1146は後述する通常状態においては入力された27MHzのクロックに基づいてSTCカウンタ値を生成して、表示タイミング信号発生部1147に供給する。
つなぎ撮り情報読み取り部11442は上記の制御情報に含まれるつなぎ撮り情報パケットを抽出して、シームレス再生ポイント情報PD2の“1”または“0”をPCRPLL回路1145及び表示タイミング信号発生部1147に供給する。表示タイミング信号発生部1147には映像デコード部1142より出力されたPTSも入力される。
【0030】
STCカウンタ1146及び表示タイミング信号発生部1147は、シームレス再生ポイント情報PD2が“1”、即ち、連続撮影して記録した記録信号を再生した場合であり、連続的なPCRが再生される通常状態と、シームレス再生ポイント情報PD2が“0”、即ち、つなぎ撮りして記録した記録信号を再生した場合であり、不連続なPCRが再生される非通常状態とでは動作が異なる。
まず、通常状態においては、上記のようにSTCカウンタ1146はPCRPLL回路1145から入力されるSTCに基づいてSTCカウンタ値を生成する。表示タイミング信号発生部1147は、映像デコード部1142より供給されたPTSとSTCカウンタ1146より供給されたSTCカウンタ値とが一致した時点で表示タイミング信号を発生する。
【0031】
次に、非通常状態においては、PCRPLL回路1145はPCR読み取り部11441から入力されるPCRを無視してフリーランのSTCを発生させ、表示タイミング信号発生部1147は、PTSとSTCカウンタ値との一致・不一致にかかわらず、予め定めた固定の間隔の表示タイミング信号を生成する。予め定めた固定の間隔とは、HD信号のフレーム周波数である例えば30Hzまたは60Hzの時間間隔である。
【0032】
映像デコード部1142より出力された映像データと音声デコード部1143より出力された音声データはバッファ1149に一旦書き込まれる。読み出し制御部1148は表示タイミング信号発生部1147から表示タイミング信号が入力されたら、バッファ1149に貯蔵されている映像データを読み出すよう制御する。なお、ここでは詳述しないが、音声データは、音声データ用のPTSに基づいて生成された出力タイミング信号が読み出し制御部1148に入力されたらバッファ1149から読み出される。
【0033】
シームレス再生ポイント情報PD2が“0”から“1”へと変化して所定時間経過すると、PCRPLL回路1145はつなぎ撮り後の新たなPCRに基づいて安定した27MHzのクロックを発生する。すると、STCカウンタ1146及び表示タイミング信号発生部1147は通常状態の動作へと復帰する。
【0034】
このように、PCRが不連続となる場合に、PCRPLL回路1145はPCR読み取り部11441から入力されるPCRを無視してフリーランのSTCを発生させ、表示タイミング信号発生部1147は、予め定めた固定の間隔の表示タイミング信号を生成するので、つなぎ撮り後の時点で映像がフリーズしてしまうことなく、つなぎ撮りの前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることが可能となる。
【0035】
次に、IEEE1394インタフェース112の動作及びデジタル映像データ及び音声データ(以下デジタルAVデータ)の出力について、図8,図9を用いて詳細に説明する。
【0036】
図8に示すように、スイッチSW1は再生信号処理回路109とDVエンコーダ103またはMPEGエンコーダ104からのエンコーダ出力信号とをシステム制御部111による制御に基づいて切り換える。なお、図1においては、スイッチSW1は省略されている。再生信号処理回路109の出力とエンコーダ出力信号とのいずれか一方はIEEE1394インタフェース112とDVデコーダ113またはMPEGデコーダ114へと供給される。
【0037】
IEEE1394インタフェース112は、DV処理部1121,MPEG処理部1122,固定パターン発生器1123,1394LINK1124,1394PHY1125,スイッチSW2,SW3を備える。DV処理部1121はDVエンコードデータであるデジタルAVデータを転送するために、CIP(Common Isochronous Packet)ヘッダ等の付加情報を加え、転送に適応したパケットに分割マッピングする。MPEG処理部1122は同様にMPEG2エンコードデータであるデジタルAVデータを転送するために、CIPヘッダ等の付加情報を加え、転送に適応したパケットに分割マッピングする。
操作部110は出力モード選択釦1102を備えており、出力モード選択釦1102によってDV選択とMPEG選択と自動選択とを切り換えることができる。固定パターン発生器1123は記録または再生するデジタルAVデータと出力モード選択釦1102による出力切換の転送方式とが異なる場合に固定のダミーデータを発生してデジタルAVデータに付加する。
1394LINK1124とは、IEEE1394バス上で転送される各種パケットの方式やエラーチェックの手法が定義されているリンク層である。1394PHY1125とは、シリアル信号の符号化方式とバスの電気的仕様やバスを使用する際の調停手順等が決められている物理層である。スイッチSW2はDV処理部1121の出力とMPEG処理部1122の出力とを切り換え出力し、スイッチSW3はスイッチSW2の出力と固定パターン発生器1123の出力とを切り換え出力する。
【0038】
DVエンコードデータをIEEE1394インタフェース112で転送する場合、AV/Cプロトコルが使用される。AV/Cプロトコルは、IEEE1394インタフェースのアイソクロナス転送を用いてAVデータを送る場合のデータ構造を規定したもので、アイソクロナスパケットのデータフィールド部にCIPヘッダとリアルタイムAVデータが格納され、アイソクロナス転送が行われる。
DV規格では、映像データや音声データをDIFブロックと呼ばれる80バイトのデータブロックとして転送し、1つのアイソクロナスパケットで6DIFブロック(480バイト)を転送する。DVデジタルビデオの1トラック分のデータは、1ヘッダブロック、135ビデオデータブロック、9オーディオブロック、3ビデオAUXデータブロック、2サブコードデータブロックの合計150DIFブロックで転送される。即ち、アイソクロナス転送の25パケット分になり、NTSCの場合、10トラックで1ビデオフレームであるので、1フレームのビデオデータは250アイソクロナスパケット、30フレームで7500アイソクロナスパケットになる。アイソクロナス転送は、1サイクルが125μsであり1秒間に8000回のサイクルで行われるので、このDV方式データをリアルタイムで転送することが可能となる。
【0039】
一方、MPEG2エンコードデータ(MPEG2−TS)をIEEE1394インタフェース112で転送する場合、DV方式データの転送と同様にAV/Cプロトコルが使用される。MPEGでは、符号化されたデータストリームを送受信するときのデータ形式を188バイト単位のトランスポート・パケットで構成することを規定しており、このパケットにより映像データと音声データが多重化されている。
前述のように、MPEG2−TSはPCRを含んでおり、PCRはエンコーダにて使用する27MHzのシステムクロックより生成する。MPEG2−TSの受信側では、PCRに基づいて受信側のシステムクロックのカウンタ値を補正する。データ受信時の遅延時間にばらつきが生じると受信側のシステムクロックが変動してしまい、表示に支障をきたすおそれがある。そこで、MPEG2−TSのパケット(MPEGトランスポート・パケット)をIEEE1394インタフェース112で転送する場合には伝送時に生じる最大遅延時間を予め考慮し、送信側で4バイトのタイムスタンプを付加して送信を行う。受信側では、付加されたタイムスタンプを基にMPEGトランスポート・パケットの復号タイミングを管理し、遅延時間のばらつきを補正する。
【0040】
IEEE1394インタフェース・アイソクロナス転送では、データ転送速度を確保するために1サイクルで送信できるデータサイズは固定である。そこで、MPEGトランスポート・パケットを最適な転送速度で転送するために、188バイトのMPEGトランスポート・パケットに前述の4バイトのタイムスタンプを加えた192バイトを24バイト単位に分割して転送する。24バイトをアイソクロナス転送の1サイクルで転送した場合、その転送速度は1.536Mbps(24バイト×8000サイクル×8ビット)であり、1.5Mbps以上の符号化速度を持つMPEGデータを転送するのに最適な最小バイト単位である。
【0041】
図9を用いて、符号化速度が4MbpsのMPEG2動画転送の場合の例を説明する。図9に示すように、1つのアイソクロナス・パケットのペイロードに含まれるデータブロック数を24バイトに分割されたパケットを単位として4個に設定することで、6.144Mbpsの転送速度を確保することができる。1つのアイソクロナス・パケットで転送されるデータブロックの前には、AV/Cプロトコルで定められているCIPヘッダ情報を付加している。このヘッダ情報には、データ方式の種類、トランスポート・パケットの分割数、データブロック番号、データブロックのサイズ等が格納されている。なお、符号化する画像の状況により送信するデータブロックがない場合には、CIPヘッダだけを付加したダミーパケットを送信する。
【0042】
そして、このアイソクロナス・パケットをIEEE1394インタフェースで受けた外部のデコーダは、ストリーム上のつなぎ撮り情報パケットより前のPCRを無視して、予め定めた固定の間隔の表示タイミング信号に基づいてストリームをデコードすることにより、ユーザが撮像を中断、再開するようないわゆるつなぎ撮りを行っても、つなぎ撮り後の時点で映像がフリーズしてしまうことなく、つなぎ撮りの前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、時刻情報が不連続なトランスポート・ストリームを記録して再生する場合や、時刻情報が不連続なトランスポート・ストリームをIEEE1394インタフェースのようなインタフェースを用いて外部機器(外部のエンコード装置)から入力して再生する場合に、時刻情報が不連続となっている部分で映像をフリーズさせることなく、時刻情報が不連続となっている部分の前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることが可能となる。
また、時刻情報が不連続なトランスポート・ストリームをIEEE1394インタフェースのようなインタフェースを用いて外部機器(外部のデコード装置)に供給して外部機器で再生する場合に、その外部機器において、時刻情報が不連続となっている部分で映像をフリーズさせることなく、時刻情報が不連続となっている部分の前後にわたって映像信号を不具合なく表示させることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号をエンコードしてトランスポート・ストリームを生成するエンコード装置において、
前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成する映像エンコード部と、
前記トランスポート・ストリームに多重する時刻情報を発生する時刻情報発生部と、
前記トランスポート・ストリームに多重する前記時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生する識別情報発生部と、
前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力する多重化部とを備えて構成したことを特徴とするエンコード装置。
【請求項2】
前記多重化部は、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することを特徴とする請求項1記載のエンコード装置。
【請求項3】
前記多重化部は、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することを特徴とする請求項1記載のエンコード装置。
【請求項4】
前記所定の期間は3ミリ秒であることを特徴とする請求項3記載のエンコード装置。
【請求項5】
映像信号をエンコードしてトランスポート・ストリームを生成するエンコード方法において、
前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成し、
前記トランスポート・ストリームに多重する時刻情報を発生し、
前記トランスポート・ストリームに多重する前記時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生し、
前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力することを特徴とするエンコード方法。
【請求項6】
前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することを特徴とする請求項5記載のエンコード方法。
【請求項7】
GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することを特徴とする請求項5記載のエンコード方法。
【請求項8】
前記所定の期間は3ミリ秒であることを特徴とする請求項7記載のエンコード方法。
【請求項9】
映像信号を記録媒体に記録する記録装置において、
前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成する映像エンコード部と、
前記記録媒体に記録する時刻情報を発生する時刻情報発生部と、
前記記録媒体に記録する時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生する識別情報発生部と、
前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力する多重化部と、
前記トランスポート・ストリームを前記記録媒体にトラックとして順次記録する記録部とを備えて構成したことを特徴とする記録装置。
【請求項10】
前記多重化部は、前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することを特徴とする請求項9記載の記録装置。
【請求項11】
前記多重化部は、GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することを特徴とする請求項9記載の記録装置。
【請求項12】
前記所定の期間は3ミリ秒であることを特徴とする請求項11記載の記録装置。
【請求項13】
映像信号を記録媒体に記録する記録方法において、
前記映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化して、複数のピクチャよりなるGOPにグループ分けした映像エンコードデータを生成し、
前記記録媒体に記録する時刻情報を発生し、
前記記録媒体に記録する時刻情報の連続性が途切れた際に、前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報を発生し、
前記映像エンコードデータと前記時刻情報と前記識別情報とを多重してトランスポート・ストリームとして出力し、
前記トランスポート・ストリームを前記記録媒体にトラックとして順次記録することを特徴とする記録方法。
【請求項14】
前記トランスポート・ストリームを構成するトランスポート・パケット内のアダプテーション・フィールドであり、前記アダプテーション・フィールド内のオプショナル・フィールドを構成するプライベート・データの一部のビットに前記識別情報を多重することを特徴とする請求項13記載の記録方法。
【請求項15】
GOPの先頭バイトを含むパケットの出力時点から予め定めた所定の期間内に前記識別情報を含むパケットを出力することを特徴とする請求項13記載の記録方法。
【請求項16】
前記所定の期間は3ミリ秒であることを特徴とする請求項15記載の記録方法。
【請求項17】
映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化した映像エンコードデータと、時刻情報と、前記時刻情報の連続性が途切れた際に発生した前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報とを多重したトランスポート・ストリームをデコードするデコード装置において、
前記映像エンコードデータをデコードして映像データを出力する映像デコード部と、
前記映像データを一時的に貯蔵する貯蔵部と、
前記時刻情報を読み取る時刻情報読み取り部と、
前記識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、
前記識別情報読み取り部が前記識別情報を読み取っていない場合には、前記時刻情報読み取り部が読み取った前記時刻情報を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、前記識別情報読み取り部が前記識別情報を読み取った場合には、前記時刻情報読み取り部が読み取った前記時刻情報を無視して予め定めたタイミング信号を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生する表示タイミング信号発生部と、
前記表示タイミング信号発生部が発生した表示タイミング信号に基づいて、前記貯蔵部に貯蔵された前記映像データを読み出すよう制御する読み出し制御部とを備えて構成したことを特徴とするデコード装置。
【請求項18】
映像信号をフレーム内符号化及びフレーム間予測符号化した映像エンコードデータと、時刻情報と、前記時刻情報の連続性が途切れた際に発生した前記時刻情報の連続性が途切れたことを示す識別情報とを多重したトランスポート・ストリームをデコードするデコード方法において、
前記映像エンコードデータをデコードして映像データを出力し、
前記映像データを一時的に貯蔵し、
前記時刻情報を読み取り、
前記識別情報を読み取り、
前記識別情報を読み取っていない場合には、読み取った前記時刻情報を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、前記識別情報を読み取った場合には、読み取った前記時刻情報を無視して予め定めたタイミング信号を用いて前記映像データの表示タイミング信号を発生し、
発生した表示タイミング信号に基づいて、貯蔵された前記映像データを読み出すよう制御することを特徴とするデコード方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【国際公開番号】WO2005/032131
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514255(P2005−514255)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014256
【国際出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】