説明

デジタルカメラ及びデジタルカメラの記憶制御方法

【課題】 不要な撮影画像を、書き込み回数が極端に少なく制限された記憶媒体に保存することを防ぎ、書き込み回数が極端に少なく制限された記憶媒体を有効活用する。
【解決手段】 前記デジタルカメラに対する記憶媒体の装着状態を判別する判別し(S206)、第3の記憶媒体(One Timeメモリ)が装着されたと判別された場合(Yes)、ユーザーの記憶指示に応じて(S207)、前記撮像画像を前記第3の記憶媒体へ記憶する(S209)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像することにより撮像画像を得るデジタルカメラ及びデジタルカメラの記憶制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルカメラ等撮像装置に一般的に使用されている脱着可能な記憶媒体は、FlashROM等で構成され、10万回程度の書き込みが保証されているために、デジタルカメラでは有効な撮影画像を保存する記憶媒体として広く一般的に利用されている。
【0003】
デジタルカメラで撮影された撮影画像を保存した脱着可能な記憶媒体は、10万回以上の書き込みが保証されているため、不要となった撮影画像や、撮影に失敗した撮影画像等の不要な画像を容易に消去する事ができる。
【0004】
そのため現在のデジタルカメラの多くは、脱着可能なFlashROM等で構成される記憶媒体へ、撮影画像を自動的に保存する仕組みとなっている。
【0005】
書き込み回数が従来の物より極端に少なく制限された、例えば100回や、1回の書き込み回数しか保証されていない記憶媒体を装着可能なデジタルカメラも提案されており、この種のデジタルカメラの使い勝手を向上させる技術も提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−244604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような、書き込み回数が従来の物より極端に少なく制限された、例えば100回や、1回の書き込み回数しか保証されていない記憶媒体をデジタルカメラに装着した場合、デジタルカメラのしくみ上、撮影者の意図に合わない、撮影者が不要と思う撮影画像でも自動的に保存してしまう。
【0007】
このような書き込み回数が極端に少なく制限された記憶媒体では、通常のメモリと異なり不要な撮影画像を後で消去し、新たに撮影された画像データを書き込む事が不可能になるケースが発生する。
【0008】
そのため本件で提案する手法を用いて、不要な撮影画像を、書き込み回数が極端に少なく制限された記憶媒体に保存することを防ぎ、書き込み回数が極端に少なく制限された記憶媒体を有効活用する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のデジタルカメラは、被写体を撮像することにより撮像画像を得るデジタルカメラであって、前記撮影時に一時的に撮影画像を保持する脱着不可能な第1の記憶媒体と、脱着可能な第2の記憶媒体と、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体への前記撮像画像の記憶を制御する記憶制御手段と、前記デジタルカメラに対する記憶媒体の装着状態を判別する判別手段と、を有し、前記判別手段により第3の記憶媒体が装着されたと判別された場合、前記記憶制御手段は、ユーザーの記憶指示に応じて、前記撮像画像を前記第3の記憶媒体へ記憶することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のデジタルカメラの記憶制御方法は、被写体を撮像することにより撮像画像を得ることが可能であり、前記撮影時に一時的に撮影画像を保持する脱着不可能な第1の記憶媒体と、脱着可能な第2の記憶媒体と、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体への前記撮像画像の記憶を制御することが可能なデジタルカメラの記憶制御方法であって、前記デジタルカメラに対する記憶媒体の装着状態を判別する判別し、第3の記憶媒体が装着されたと判別された場合、ユーザーの記憶指示に応じて、前記撮像画像を前記第3の記憶媒体へ記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、デジタルカメラに書き込み保証回数が少ない第3の記憶媒体が装着された時のみ、撮影画像を保存するか/しないかを選択するようにしたことで、装着された記憶媒体への書き込みを、不用意に行う事を防止し、ユーザーが必要と判断する撮影画像のみ保存する事ができ、記憶媒体の有効活用ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の実施形態の構成を示すデジタルカメラシステム構成の一例を図1、図3に示す。
【0014】
図1において、10は、デジタルカメラが有する、撮像部である。撮像部は、レンズ、CCD、制御装置等から構成され、撮影機能を有している。ユーザーがユーザーインターフェースを用い撮影行為が行われると、撮像部により、ユーザーの所望の画角における画像データを取り込む。
【0015】
11は、デジタルカメラが有する、画像処理部である。画像処理部では、撮像部により得られた画像データの圧縮処理(JPEG圧縮)等を行い、圧縮後の画像データを第1の記憶媒体12に撮影画像ファイルとして一時的に保存する。また、保存されている撮影画像ファイルを伸長し、デジタルカメラが有する液晶パネル等の表示部14等に表示を行う。また、画像処理部11は、第1の記憶媒体のみでなく、第2及び第3の記憶媒体への記録制御も行う。
【0016】
12は、デジタルカメラが有する、画像処理や、撮影画像の一時保存に使用する第1の記憶媒体である。第1の記憶媒体は、SDRAM、DDR等で構成され、撮像部で得られた画像データを、画像処理部にて画像処理を行う際に利用される他、撮影画像を一時的に保存する事に利用される。
【0017】
13は、デジタルカメラが有する、ユーザーインターフェース装置である。ユーザーインターフェース装置は、LED、シャッターボタン等の各種設定ボタンで構成される。ユーザーは、これらのユーザーインターフェース装置を用いて、撮影画像の保存/非保存等の選択や、デジタルカメラの動作モード選択、各種設定を行う。
【0018】
14は、デジタルカメラが有する、表示部である。表示部は液晶パネル等で構成され、電子ファインダー(EVF)、レックビュー、再生画像の表示、撮影画像の保存/非保存の選択などに使用される。
【0019】
15は、デジタルカメラが有する、記憶媒体判別部である。記憶媒体判別部は、デジタルカメラが有する接続I/F16に接続される脱着可能な記憶媒体17、18が、書き込み保証回数が第3の記憶媒体よりも多い第2の記憶媒体であるか、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体であるか判別する。
【0020】
16は、デジタルカメラが有する、接続I/Fである。接続I/Fは、脱着可能な第2、第3の記憶媒体を装着するI/Fである。
【0021】
17は、デジタルカメラに脱着可能な、書き込み保証回数が第3の記憶媒体よりも多い第2の記憶媒体である。第2の記憶媒体は、デジタルカメラに脱着可能な記憶媒体(CFカード、SDカード等)である。
【0022】
18は、デジタルカメラに脱着可能な、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体である。第3の記憶媒体18は、第2の記憶媒体とは異なり、書き込み保証回数が100回や、1回となっており、第2の記憶媒体よりも書き込み保証回数が少ない事を特徴とする記憶媒体である。第3の記憶媒体18は、第2の記憶媒体17と外形が同一であり、デジタルカメラの接続I/Fに装着する事ができる物として説明を行う。しかし、第2の記憶媒体と外形が異なり、変換アダプタなどにより、デジタルカメラの接続I/Fに装着できるものであれば特に限定はない。
【0023】
19は、デジタルカメラが有する、撮影画像保存優先度判別部である。撮影画像保存優先度判別部は、保存優先度により撮影画像を保存するか否かを判別する。
【0024】
判別に用いられる優先度は、撮影時の手ぶれ、AF、AE等により、撮影画像を優先付けし、撮影画像の保存を自動的に行うものである。判別に用いる優先度は、図3の各種設定ボタン群303や、表示部材304を用いてユーザーが自由に設定できるものとする。
【0025】
以下、図1、図2、図3、図4及び図7を参照して、第1の実施形態の動作を説明する。図2に本実施形態における基本的なフローの一例を示す。
【0026】
ステップS201は、デジタルカメラがユーザーにより電源投入された状態を示す。
【0027】
ユーザーにより、デジタルカメラの電源が投入、もしくは、脱着可能な記憶媒体が装着されると、デジタルカメラは装着された記憶媒体との間で通信を行う。この通信によりデジタルカメラは、記憶媒体に書かれたメモリサイズなどの製品情報を読み取る。
【0028】
記憶媒体判別部15は、通信により得られた製品情報から、デジタルカメラに装着された記憶媒体が、(1)書き込み保証回数が第3の記憶媒体よりも多い第2の記憶媒体、(2)書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体、のどちらの種別の記憶媒体が装着されているかを判別する(S205)。
【0029】
本実施形態では、デジタルカメラと記憶媒体との間での通信により得られた製品情報から、装着記憶媒体の種別を判別すると説明したが、これに限定する事は無く、デジタルカメラが有する各種設定ボタン群303や、表示部材304を用いて、ユーザーが装着記憶媒体の種別を設定する手法や、装着記憶媒体の特殊な形状等の物理的に判別する手法など、装着記憶媒体の種別が特定できる手法であれば特に問題は無い。
【0030】
本実施形態で扱う、第2の記憶媒体と、第3の記憶媒体の差異は、記憶媒体への書き込み保証回数であり、第2の記憶媒体は、CFカードメモリ、SDカードメモリ等の10万回以上の書き込み回数が保証されている物を想定しており、第3の記憶媒体は、書き込み保証回数が100回や1回など、第2の記憶媒体と比較して少ない記憶媒体を想定している。
【0031】
デジタルカメラが有する複数の動作モード(撮影、再生、通信等)のうち、撮影モードが選択された事を検知すると(S202)、デジタルカメラは撮影の準備を行い、シャッターボタン302が押されるのを待つ。
【0032】
ユーザーによりシャッターボタン302が押された事を検出すると、デジタルカメラは、撮像部10により、ユーザーの所望の画角での画像データを取り込む。
【0033】
撮像部10により取り込まれた画像データは、画像処理部11にてJPEG圧縮や、RAWデータとして処理される。処理された画像データは、撮影画像ファイルとして、第1の記憶媒体に一時的に保持する(S204)。第1の記憶媒体に保持された撮影画像ファイルは、デジタルカメラが有する液晶パネル等の表示部材14に、撮影画像として表示される(レックビュー)。
【0034】
記憶媒体判別部15により、装着された記憶媒体の種別を判別した結果、“(1)第2の記憶媒体”(One Timeメモリ)が装着された事を検出した時(S206、No)、次の処理を行う。すなわち、ステップS204にて生成され、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを、従来のデジタルカメラと同様に、第2の記憶媒体に保存し(S209)1回の撮影を終了する。
【0035】
記憶媒体判別部15により、装着された記憶媒体の種別を判別した結果、“(2)第3の記憶媒体”が装着された事を検出した時(S206、Yes)、次の処理を行う。すなわち、ステップS204にて生成され、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを、デジタルカメラに装着された第3の記憶媒体に保存するかの選択をユーザーに選択させる(S207)。
【0036】
この時の選択方法の一例を図4に示す。図4では、撮影画像を第3の記憶媒体への保存選択を行う際の表示部14の画面表示の一例を示しており、表示部14には、撮影した画像(レックビュー画面)と、選択画面が表示されており、各種設定用ボタン群303を用いて撮影画像の保存選択を行う。
【0037】
上記撮影画像の保存選択手法は、あくまでも一例に過ぎず、特定のボタン305を撮影直後に押した場合に限り、撮影画像を保存する等、ユーザーが撮影画像の保存選択を行う手法であれば特に限定は無い。本実施形態における特定のボタン305は、他の機能と兼用していても問題はない。
【0038】
ステップS208にて、撮影画像を保存しない事が選択されると、装着された第3の記憶媒体に撮影画像を保存せず、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを消去し(S210)、動作を終了する(S211)。
【0039】
ステップS208にて、撮影画像を保存する事が選択されると、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを、装着された第3の記憶媒体に保存し(S209)、撮影動作を終了する(S211)。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、デジタルカメラに書き込み保証回数が少ない第3の記憶媒体が装着された時のみ、撮影画像を保存するか/しないかを選択するようにしたことで、装着された記憶媒体への書き込みを、不用意に行う事を防止し、ユーザーが必要と判断する撮影画像のみ保存する事ができ、記憶媒体の有効活用ができる。
【0041】
本実施形態の説明では、撮影直後に表示部材14に撮影直後にレックビュー画面を表示する様に説明を行っているが、ユーザーにより、レックビュー画面を表示しない設定がされている場合であっても、第3の記憶媒体が装着された場合に限り、強制的にレックビュー画面を表示させ、撮影画像の保存選択をユーザーに促しても良い。これにより、ユーザーは、撮影が行われる度に複数のボタン設定を行わずとも、撮影画像を確認することができる。
【0042】
本実施形態の説明では、複数の動作モードのうち撮影モードが選択された場合について説明を行ったが、これに限定は無く、第3の記憶媒体を使用している事をユーザーにより設定された特定の撮影モードであっても問題ない。この場合、ユーザーは、書き込み保証回数が少ない記憶媒体が装着されている事を、ユーザーは再認識できる。
【0043】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の説明では、ユーザーにより撮影画像を保存するか、しないかを選択してもらうように説明を行ったが、設定された保存優先度に従い、デジタルカメラが保存するか、しないかを自動的に選択しても良い。
【0044】
デジタルカメラが有する撮影画像保存優先度判別部19による、優先度を用いた撮影画像の保存する/しないの判別の一例を、撮影画像保存選択のフローの一例(図7)を用いて説明する。
【0045】
撮影が完了すると、撮影が行われた時の状況(撮影時の手ぶれ、AF値、AE値などの撮影状況)に基づき、撮影画像がどの程度問題なく撮影されたかを判別し、ユーザーにより設定された優先度との比較する(S703)。
【0046】
ここで、ユーザーに設定された優先度との比較を行い、撮影画像がある閾値以下(ユーザーが指定したレベル以下の意図しない失敗画像)であった場合、ステップS705に移行し、第1の記憶媒体に一時的に保持されている撮影画像ファイルを消去する。
【0047】
ユーザーに設定された優先度との比較を行い、撮影画像がある閾値以上(ユーザーが指定したレベル以上の意図した撮影画像)であった場合、ステップS704に移行し、撮影画像を第3の記憶媒体に保存し、動作を終了する(S706)。
【0048】
このように、本実施形態では、あらかじめ設定された撮影画像保存優先度により、自動的に撮影画像の保存選択が行われるため、撮影画像毎に保存選択を行う必要が無く、ユーザーはストレスを感じる事無く撮影を続けることが出来る。
【0049】
(第3の実施形態)
以下、図1、図3、図4、及び図5を参照して、第3の実施形態の動作を説明する。図5に本実施形態における基本的なフローの一例を示す。
【0050】
ステップS501は、デジタルカメラがユーザーにより電源投入された状態を示す。
【0051】
ユーザーにより、デジタルカメラの電源が投入、もしくは、脱着可能な記憶媒体が装着されると、デジタルカメラは装着された記憶媒体との間で通信を行う。この通信によりデジタルカメラは、記憶媒体に書かれたメモリサイズなどの製品情報を読み取る。
【0052】
記憶媒体判別部15は、通信により得られた製品情報から、デジタルカメラに装着された記憶媒体が、(1)書き込み保証回数が第3の記憶媒体よりも多い第2の記憶媒体、(2)書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体、のどちらの種別の記憶媒体が装着されているかを判別する(S505)。
【0053】
本実施形態では、デジタルカメラと記憶媒体との間での通信により得られた製品情報から、装着記憶媒体の種別を判別すると説明したが、これに限定する事は無く、デジタルカメラが有する各種設定ボタン群303や、表示部材304を用いて、ユーザーが装着記憶媒体の種別を設定する手法や、装着記憶媒体の特殊な形状等の物理的に判別する手法など、装着記憶媒体の種別が特定できる手法であれば特に問題は無い。
【0054】
本実施形態で扱う、第2の記憶媒体と、第3の記憶媒体の差異は、記憶媒体への書き込み保証回数であり、第2の記憶媒体は、CFカードメモリ、SDカードメモリ等の10万回以上の書き込み回数が保証されている物を想定しており、第3の記憶媒体は、書き込み保証回数が100回や1回など、第2の記憶媒体と比較して少ない記憶媒体を想定している。
【0055】
デジタルカメラが有する複数の動作モード(撮影、再生、通信等)のうち、撮影モードが選択された事を検知すると(S502)、デジタルカメラは撮影の準備を行い、シャッターボタン302が押されるのを待つ。
【0056】
ユーザーによりシャッターボタン302が押された事を検出すると、デジタルカメラは、撮像部10により、ユーザーの所望の画角での画像データを取り込む。
【0057】
撮像部10により取り込まれた画像データは、画像処理部11にてJPEG圧縮や、RAWデータとして処理される。処理された画像データは、撮影画像ファイルとして、第1の記憶媒体に一時的に保持する(S504)。第1の記憶媒体に保持された撮影画像ファイルは、デジタルカメラが有する液晶パネル等の表示部材14に、撮影画像として表示される(レックビュー)。
【0058】
記憶媒体判別部15により、装着された記憶媒体の種別を判別した結果、“(1)第2の記憶媒体”が装着された事を検出した時(S506、No)、次の処理を行う。すなわち、ステップS504にて生成され、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを、従来のデジタルカメラと同様に、第2の記憶媒体に保存し(S511)、1回の撮影を終了する。
【0059】
記憶媒体判別部15により、装着された記憶媒体のタイプを判別した結果、“(2)第3の記憶媒体”(One Timeメモリ)が装着された事を検出した時(S506、Yes)、次の処理を行う。すなわち、ステップS504にて生成され、撮影画像ファイルを一時的に保存する第1の記憶媒体の残容量を確認し、第1の記憶媒体の残容量が、次の撮影画像ファイルを一時的に保持できると判断されたならば、次の撮影を行うべくシャッターが押されるのを待つ(S503)。
【0060】
第1の記憶媒体の残容量が不足し、次の撮影画像ファイルを保持できないと判断した時、ステップS509に移行する。ステップS509では、第1の記憶媒体に一時的に保持された撮影画像ファイルを、デジタルカメラに装着された第3の記憶媒体に保存するかの選択をユーザーに選択させる(S510)。
【0061】
この時の選択方法は、第1の記憶媒体に一時的に保持されている撮影画像ファイルを、先の実施形態で説明を行った図4の様な選択画面を表示部14に表示し、各種設定用ボタン群により選択を行う。撮影画像ファイルの保存選択は、第1の記憶媒体に保持されているすべての撮影画像ファイルが保存選択されるまで連続して行われる。
【0062】
ステップS510にて、撮影画像を保存しない事が選択されると、装着された第3の記憶媒体に撮影画像を保存せず、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを消去し(S512)、動作を終了する(S513)。
ステップS510にて、撮影画像を保存する事が選択されると、第1の記憶媒体に一時的に保存されている撮影画像ファイルを、装着された第3の記憶媒体に保存し(S511)、1回の撮影動作を完了する(S513)。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、画角、被写体がほとんど変わらない連続撮影を行った場合等、ユーザーはよく似た複数の撮影画像の中から一番気に入った撮影画像のみを選択し保存する事ができる。また、ユーザーは必要な撮影画像を充分考慮して保存する事ができる。
【0064】
本実施形態の説明では、連続して撮影を行った結果、第1の記憶媒体の残容量が不足し、次の撮影画像を保持できないと判断された時に、撮影画像の保存選択を行うように説明したが、第1の記憶媒体の残容量が次の撮影画像ファイルを一時的に保持できる場合であっても、第3の記憶媒体が装着された状態での撮影が完了し、異なる動作モードに移行した場合に保存選択を行っても良い。
【0065】
本実施形態の説明の中で、連続して撮影を行った結果、第1の記憶媒体の残容量が不足し、次の撮影画像を保持できないと判断された時に、撮影画像の保存選択を行うように説明したが、この時ユーザーにより、次の撮影を行うべくシャッターボタンが押されたとしても、デジタルカメラは、第1の記憶媒体の残容量が不足しているため、次の撮影画像ファイルの保持が不可能であるため、次の撮影を禁止し、ユーザーに撮影画像の保存選択を促しても良い。
【0066】
(第4の実施形態)
以下、図6を参照して、第4の実施形態の動作を説明する。図6は、先に説明を行った、第3の記憶媒体が装着された際の撮影画像の保存選択において、撮影画像を保存する事が選択された場合の、基本的なフローの一例である。
【0067】
ステップS601は、撮影画像の保存選択の開始を意味する。撮影画像の保存選択が開始されると、先の実施形態で説明を行ったようにデジタルカメラが有する表示部材等を用いて、ユーザーに保存するか否かの選択を促す(S602)。
【0068】
ユーザーにより保存しないことが選択されると、第1の記憶媒体内に一時的に保持された撮影画像ファイルを消去し(S607)、動作を完了する(S608)。
【0069】
ユーザーにより撮影画像ファイルを保存する事が選択されると、撮影画像の保存工程を開始する(S603)。第1の記憶媒体に一時的に保持された撮影画像ファイルを、第3の記憶媒体に保存すべくコピーを行う(S604)が、第3の記憶媒体が装着されている事から、記憶媒体ある領域への書き込み回数制限を超えてしまう等の原因により、正しく第3の記憶媒体にコピーが行われていない可能性がある。そのためにステップS605では、第1の記憶媒体内の撮影画像ファイル(コピー元)と、第3の記憶媒体内にコピーされた撮影画像ファイル(コピー先)との比較を行う(S605)。
【0070】
ステップS605にて比較を行った結果、撮影画像ファイルが正しくコピーされていない事が確認されると、ステップS604に移行し、再度撮影画像ファイルのコピーを実行する。
【0071】
ステップS605にて比較を行った結果、撮影画像ファイルが正しくコピーされている事が確認されると、ステップS606に移行し、コピー元である第1の記憶媒体内に一時的に保持されている撮影画像ファイルを削除し、動作を完了する(S608)。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の記憶媒体内の撮影画像(コピー元)と書き込み保証回数が少ない第3の記憶媒体内に保存された撮影画像データ(コピー先)とのデータ比較を行い、正しくコピーされている事が確認された後、第1の記憶媒体内の撮影画像を消去することで、撮影画像ファイルを安全/確実に保存する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態の基本的なデジタルカメラ構成の一例である。
【図2】第1の実施形態の基本的動作のフローチャートの一例である。
【図3】本発明の実施形態の基本的なデジタルカメラの構成図である。
【図4】本発明の実施形態が提案する撮影画像を保存選択する際の表示画面の一例である。
【図5】第3の実施形態の基本的動作のフローチャートの一例である。
【図6】第4の実施形態の基本的動作のフローチャートの一例である。
【図7】第1の実施形態に関るフローチャートの一例である。
【符号の説明】
【0074】
10 撮像部
11 画像処理部
12 第1の記憶媒体
13 ユーザーインターフェース
14 表示部
15 記憶媒体判別部
16 接続I/F
17 第2の記憶媒体
18 第3の記憶媒体
19 撮影画像保存優先度判別部
301 デジタルカメラ
302 シャッターボタン
303 各種設定ボタン群
304 表示部材
305 撮影画像保存選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像することにより撮像画像を得るデジタルカメラであって、
前記撮影時に一時的に撮影画像を保持する脱着不可能な第1の記憶媒体と、脱着可能な第2の記憶媒体と、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体への前記撮像画像の記憶を制御する記憶制御手段と、
前記デジタルカメラに対する記憶媒体の装着状態を判別する判別手段と、を有し、
前記判別手段により第3の記憶媒体が装着されたと判別された場合、前記記憶制御手段は、ユーザーの記憶指示に応じて、前記撮像画像を前記第3の記憶媒体へ記憶することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記撮影画像の確認表示を行う表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記表示手段はユーザーの許可及び禁止設定に応じて前記確認表示を行うが、第3の記憶媒体が装着され撮影を行った時は前記確認表示を禁止する設定がされている場合であっても、強制的に撮影画像の確認表示を行うことを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
第3の記憶媒体が挿入され撮影を行った時、前記記憶制御手段は、撮影後にユーザーによる特定のボタン押下が検出された場合に限り、前記撮影画像を記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
特定の撮影モードの時に限り、前記ユーザーによる記憶指示を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
撮影モードが終了した時点で、第1の記憶媒体に保持された撮影画像を装着された第2、もしくは第3の記憶媒体に記憶することを選択できるようにすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
第3の記憶媒体装着時、第1の記憶媒体の残容量に基づき次の撮影画像の保持が不可能になると判断するまで連続して撮影を行った後、第1の記憶媒体に保持された撮影画像を第3の記憶媒体に記憶するための選択を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
第3の記憶媒体装着時、第1の記憶媒体の残容量に基づき次の撮影画像の保持が不可能になると判断した時に、ユーザーが次の撮影を行うべくシャッターボタンを押した場合、撮影動作を禁止し撮影画像の記憶選択を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
第3の記憶媒体装着時、第1の記憶媒体に一時的に保持されている撮影画像を、第3の記憶媒体への記憶が完了した時点で、第1の記憶媒体に一時的に記憶されている撮影画像データと、第3の記憶媒体に記憶した撮影画像データが一致している事を確認した後、第1の記憶媒体の撮影画像を消去することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
設定された撮影画像の記憶優先度により、撮影画像の記憶選択を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
被写体を撮像することにより撮像画像を得ることが可能であり、前記撮影時に一時的に撮影画像を保持する脱着不可能な第1の記憶媒体と、脱着可能な第2の記憶媒体と、書き込み保証回数が第2の記憶媒体よりも少ない第3の記憶媒体への前記撮像画像の記憶を制御することが可能なデジタルカメラの記憶制御方法であって、
前記デジタルカメラに対する記憶媒体の装着状態を判別する判別し、第3の記憶媒体が装着されたと判別された場合、ユーザーの記憶指示に応じて、前記撮像画像を前記第3の記憶媒体へ記憶することを特徴とするデジタルカメラの記憶制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−229691(P2006−229691A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42215(P2005−42215)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】