デジタルカメラ
【課題】使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供する。
【解決手段】マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモード時には、操作部140で受け付けたアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する。
【解決手段】マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモード時には、操作部140で受け付けたアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関する。特に、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダで観察できるデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル一眼レフカメラは、電子ビューファインダと光学式ビューファインダとを備えるため、撮像光学系により形成された被写体像を可動ミラーで切り替えて、光学式ビューファインダで観察可能である。そのため、記録画像における被写体像と光学式ビューファインダに表示される被写体像との間でずれが発生せず、撮像操作を良好に行うことができる。
【0003】
ライブビューモードを備えるデジタル一眼レフカメラは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、撮像素子からの画像データの切り出し範囲を変えることによって、画像のアスペクト比を変える技術も実用化されている。この技術によれば、1つの撮像装置で、アスペクト比の異なる画像データを記録することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−272593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光学式ビューファインダを使って構図を決めるモードにおいても、光学式ビューファインダのアスペクト比と異なるアスペクト比の画像データを記録可能とすると、構図を決めたときの画像と記録された画像とが異なることになり、使用者の意図と異なる画像データが記録されてしまうことになる。
【0007】
これを防ぐために、光学式ビューファインダのアスペクト比を記録画像のアスペクト比に応じて変えることも考えられるが、それを実現するためには光学式ビューファインダの視野を制限するための機構を余分に設ける必要がある。
【0008】
本発明の目的は、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダでライブビュー表示できるデジタルカメラにおいて、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるデジタルカメラは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、前記制御手段は、前記ライブビューモード時には、前記撮像素子で生成された画像データに基づく画像を、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比で、動画像として前記表示手段に表示するよう、制御する。
【0010】
本発明にかかるデジタルカメラは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、前記アスペクト比受付手段は、前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない。
【発明の効果】
【0011】
上記の本発明によれば、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカメラの概要を説明するための模式図
【図2】本発明の実施の形態にかかるカメラボディの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態にかかるカメラボディの背面図
【図4】本発明の実施の形態にかかる交換レンズの構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態にかかるカメラのミラーボックスの内部が状態Bのときの模式図
【図6】本発明の実施の形態にかかるカメラのミラーボックスの内部が状態Cのときの模式図
【図7】OVFモードにおける表示画像の一例を示す模式図
【図8】ライブビューモードにおける表示画像の一例を示す模式図
【図9】アスペクト比の設定動作を説明するためのフローチャート
【図10】ライブビューモードにおけるメニュー画面の一例を示す模式図
【図11】OVFモードにおけるメニュー画面の一例を示す模式図
【図12】マニュアルフォーカスモードにおいて、光学式ビューファインダを用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャート
【図13】記録用画像を格納する画像ファイルの構造を示す模式図
【図14】マニュアルフォーカスモードにおいて、液晶モニタ150を用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
〔1.デジタルカメラの構成〕
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかるカメラ10の構成を説明する。
【0014】
〔1−1.全体構成の概要〕
図1は、カメラ10の概要を説明するための模式図である。カメラ10は、カメラボディ100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
【0015】
カメラボディ100は、交換レンズ200に含まれる光学系により集光された被写体像を撮像して、画像データとして記録する。カメラボディ100は、ミラーボックス120を備える。ミラーボックス120は、被写体像をCMOSセンサ130(CMOS:Complementary Metal-Oxide Semiconductor)又は接眼レンズ136のいずれかに選択的に入射させるために、交換レンズ200に含まれる光学系からの光学的信号の光路を切り換える。ミラーボックス120は、可動ミラー121a、121bと、ミラー駆動部122と、シャッタ123a及び123bと、シャッタ駆動部124と、焦点板125と、プリズム126とを含む構成である。
【0016】
可動ミラー121aは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される。可動ミラー121bは、可動ミラー121aとともに撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される。そして、可動ミラー121bは、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号の一部を反射して、AFセンサ132(AF:Auto Focus)に入射させる。
【0017】
可動ミラー121aが撮像光学系の光路内に進入しているとき、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号の一部は、焦点板125及びプリズム126を介して接眼レンズ136に入射される。また、可動ミラー121aで反射された光学的信号は焦点板125で拡散される。そして、この拡散された光学的信号の一部はAEセンサ133(AE:Auto Exposure)に入射する。一方、可動ミラー121a及び121bが撮像光学系の光路内から退避しているときは、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号は、CMOSセンサ130に入射される。
【0018】
ミラー駆動部122は、モータ、バネ等の機構部品からなり、マイコン110の制御に基づいて可動ミラー121a、121bを駆動する。
【0019】
シャッタ123a及び123bは、交換レンズ200からの光学的信号の遮断・通過を切り換える。シャッタ駆動部124は、モータ、バネ等の機構部品からなり、マイコン110の制御により、シャッタ123a及び123bを駆動する。なお、ミラー駆動部122に含まれるモータとシャッタ駆動部124に含まれるモータとは別のモータであってもよいし、1つのモータで兼用してもよい。
【0020】
カメラボディ100の背面には液晶モニタ150が配置される。液晶モニタ150は、CMOSセンサ130で生成された画像データに基づく画像、またはその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示可能である。
【0021】
交換レンズ200に含まれる光学系は、対物レンズ220、ズームレンズ230、絞り240、像ぶれ補正ユニット250、フォーカスレンズ260を含む。CPU210はこれらの光学系を制御する。CPU210は、カメラボディ100側のマイコン110と制御信号や光学系に関する情報を送受信可能である。
【0022】
〔1−2.カメラボディの構成〕
図2は、カメラボディ100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、カメラボディ100は、様々な部位を有し、それらをマイコン110が制御する構成である。但し、本実施の形態では1つのマイコン110がカメラボディ100全体を制御するとして説明するが、複数の制御手段によってカメラボディ100を制御するよう構成してもよい。
【0023】
レンズマウント部135は、交換レンズ200を着脱する部材である。レンズマウント部135は、交換レンズ200と、接続端子等を用いて電気的に接続可能であるとともに、係止部材等のメカニカルな部材によって機械的にも接続可能である。レンズマウント部135は、交換レンズ200からの信号をマイコン110に出力できるとともに、マイコン110からの信号を交換レンズ200に出力できる。レンズマウント部135は、中空構造となっている。そのため、交換レンズ200に含まれる光学系から入射される光学的信号は、レンズマウント部135を通過してミラーボックス120に到達する。
【0024】
ミラーボックス120は、レンズマウント部135を通過した光学的信号を、内部の状態に応じてCMOSセンサ130、接眼レンズ136、AFセンサ132及びAEセンサ133に導く。ミラーボックスによる光学的信号の切り替えについては、「1−4 ミラーボックスの状態」の項で説明する。
【0025】
CMOSセンサ130は、ミラーボックス120を通って入射された光学的信号を電気的信号に変換し、画像データを生成する。生成した画像データは、A/Dコンバータ131によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、マイコン110に出力される。なお、生成した画像データをCMOSセンサ130からA/Dコンバータ131に出力する経路の途上やA/Dコンバータ131からマイコン110に出力する経路の途上で所定の画像処理を施すようにしてもよい。
【0026】
接眼レンズ136は、ミラーボックス120を通って入射された光学的信号を通す。このとき、ミラーボックス120内では、図1に示すように、交換レンズ200から入射された光学的信号を可動ミラー121aで反射させ、焦点板125に被写体像を形成させる。そして、プリズム126は、この被写体像を反射し、接眼レンズ136に出射する。これにより、ユーザは、ミラーボックス120からの被写体像を視認できる。ここで、接眼レンズ136は、単数のレンズで構成してもよいし、複数のレンズからなるレンズ群で構成してもよい。また、接眼レンズ136は、固定的にカメラボディ100に保持するようにしてもよく、視度調節等のため移動可能に保持するようにしてもよい。焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136からなる光学式ビューファインダは、4:3のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適に設定されている。但し、光学式ビューファインダを他のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適に設定していてもよい。例えば、16:9のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適なものでもよく、3:2のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適なものでもよい。
【0027】
保護材138は、CMOSセンサ130の表面を保護する。保護材138をCMOSセンサ130の前面に配置することにより、CMOSセンサ130の表面にほこり等の異物が付着するのを防ぐことができる。保護材138は、ガラスやプラスチック等の透明材料で構成できる。
【0028】
超音波振動発生器134は、マイコン110からの信号に応じて起動し、超音波振動を発生する。超音波振動発生器134で発生した超音波振動は、保護材138に伝えられる。これにより、保護材138は振動し、保護材138に付着したほこり等の異物を振り落とすことができる。超音波振動発生器134は、例えば、保護材138に圧電素子を貼り付けることにより実現できる。この場合、保護材138に貼り付けた圧電素子に交流電流を通電する等により、圧電素子を振動させることができる。
【0029】
ストロボ137は、マイコン110の指示に従って、発光する。ストロボ137は、カメラボディ100に内蔵のものでもよく、着脱タイプのものでもよい。着脱タイプのストロボであれば、カメラボディ100にはホットシュー等のストロボ取り付け部を設ける必要がある。
【0030】
レリーズ釦141は、オートフォーカス動作や測光動作の起動についてユーザからの指示を受け付けるとともに、CMOSセンサ130による記録用画像の撮像開始についてユーザからの指示を受け付ける。レリーズ釦141は、半押し操作と全押し操作を受け付けることができる。オートフォーカスモードにおいてレリーズ釦141がユーザにより半押しされると、マイコン110は、AFセンサ132からの信号に基づいて、交換レンズ200に対してオートフォーカス動作をするように指示する。また、自動露光モードにおいてレリーズ釦141がユーザにより半押し操作されると、マイコン110は、AEセンサ133からの信号に基づいて、交換レンズ200に対して自動露出制御動作をするように指示する。一方、レリーズ釦141がユーザにより全押し操作されると、マイコン110は、ミラーボックス120、CMOSセンサ130等を制御して、記録用画像を撮像する。そして、マイコン110は、撮像した記録用画像について、必要に応じて、YC変換処理、解像度変換処理、圧縮処理等を施して記録用の画像データを生成する。マイコン110は、生成した記録用の画像データを、カードスロット153を介してメモリカード300に記録する。レリーズ釦141が半押し操作に応じる機能及び全押し操作に応じる機能を有するようにするには、例えば、レリーズ釦141に2つのスイッチを内蔵するようにするとよい。この場合、一方のスイッチは半押し操作によってONされ、他方のスイッチは全押し操作によってONされるようにする。
【0031】
操作部140は、ユーザからの各種の指示をマイコン110に伝達するための部材である。各種の操作部材を説明するために、カメラボディ100の背面図を図3に示す。カメラボディ100の背面には、メニュー釦140a、十字キー140b、セット釦140c、回転ダイアル140d、ビューファインダ切替スイッチ140e、フォーカスモード切替スイッチ140f、ストロボ起動釦140h、LVプレビュー釦140j、絞り込み釦140k、AV釦140m、および電源スイッチ142を備える。カメラボディ100の上面には、手振れ補正モード切替釦140g、およびレリーズ釦141が配置されている。
【0032】
メニュー釦140aは、液晶モニタ150にカメラ10の設定情報を表示させ、ユーザによる設定変更を可能にするための釦である。十字キー140bは、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択するためのキーであり、例えば、カーソル等を移動させることができる。セット釦140cは、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択した後、決定するための釦である。回転ダイアル140dは、十字キー140bと同様に、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択するための操作部材であり、例えば、回転することにより、カーソル等を移動させることができる。ビューファインダ切替スイッチ140eは、撮像した画像を接眼レンズ136に表示させるか、液晶モニタ150に表示させるかを選択するためのスイッチである。フォーカスモード切替スイッチ140fは、フォーカスモードをマニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードのいずれに設定するかを選択するためのスイッチである。手振れ補正モード切替釦140gは、手振れ補正をするかどうか、また手振れ補正の制御モードはいずれのモードにするかを選択するためのスイッチである。絞り込み釦140kは、ライブビューモードにおいて、絞りを調節するための釦である。LVプレビュー釦140jは、ライブビューモードにおいて、絞りを調節するとともに液晶モニタ150に表示される画像の一部を拡大表示させるための釦である。AV釦140mは、OVFモードにおいて、絞りを調節するための釦である。
【0033】
図2に戻って、液晶モニタ150は、マイコン110からの信号を受けて、画像や各種設定の情報を表示する。液晶モニタ150は、CMOSセンサ130で生成された画像データに基づく画像、またはその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示可能である。液晶モニタ150は、メモリカード300に保持されている画像データを、必要に応じてマイコン110で伸張処理等所定の処理を施した後、その処理によって得られた画像を表示可能である。液晶モニタ150は、図3に示すように、カメラボディ100の背面に設けられている。液晶モニタ150は、カメラボディ100に対して回転可能に設けられている。接点151は、液晶モニタ150の回転を検出する。液晶モニタ150は、4:3のアスペクト比の構図を有する画像を表示するのに最適である。但し、液晶モニタ150は、マイコン110の制御により、他のアスペクト比(例えば、3:2や16:9)の構図を有する画像も表示可能である。
【0034】
外部端子152は、外部装置に画像データや各種設定情報を出力するための端子である。外部端子152は、例えば、USB端子(USB:Universal Serial Bus)やIEEE1394規格に準拠したインターフェイスのための端子等である。また、外部端子152は、外部装置からの接続端子が接続されると、その旨をマイコン110に伝える。
【0035】
電源コントローラ146は、電池ボックス143に収納された電池400からの供給電力をマイコン110等カメラ10内の部材に供給することについて制御する。電源コントローラ146は、電源スイッチ142がONされると、電池400からの供給電力をカメラ10内の部材に供給し始める。また、電源コントローラ146は、スリープ機能を備え、カメラ10が電源ONのまま所定時間操作されない状態が続くと、カメラ10内の一部の部材を除いて電源供給するのを停止する。また、電源コントローラ146は、電池蓋144の開閉を監視する接点145からの信号に基づいて、マイコン110に電池蓋144が開いたことを伝達する。電池蓋144は、電池ボックス143の開口部を開閉する部材である。電源コントローラ146は、図2ではマイコン110を通じてカメラ10内の各部材に電力を供給する構成としているが、必要に応じて、電源コントローラ146から直接電力を供給する構成としても構わない。
【0036】
三脚固定部147は、三脚(図示省略)をカメラボディ100に固定するための部材であり、ネジ等で構成される。接点148は、三脚が三脚固定部147に固定されたかどうかを監視し、その結果をマイコン110に伝える。接点148は、スイッチ等で構成可能である。
【0037】
カードスロット153は、メモリカード300を装着するためのコネクタである。カードスロット153は、メモリカード300を装着するメカニカルな構造だけでなく、メモリカード300をコントロールする制御手段及び/又はソフトウェアを含む構成としてもよい。
【0038】
バッファ111は、マイコン110で信号処理を行う際に利用されるメモリである。バッファ111に一時的に記憶される信号は、主に画像データであるが、制御信号等を記憶するようにしてもよい。バッファ111は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等記憶可能な手段であればよい。また、画像の記憶に特化したメモリであってもよい。また、バッファ111には、使用者により設定されたアスペクト比も記憶される。マイコン110は、ライブビューモード時には、バッファ111に記憶されたアスペクト比になるように画像データを処理して、表示用画像データ及び記録用画像データを生成する。一方、マイコン110は、OVFモード時には、バッファ111に記憶されたアスペクト比とは関係なく、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように画像データを処理して、表示用画像データ及び記録用画像データを生成する。
【0039】
AF補助光発光部154は、暗い中でオートフォーカス動作をするときの補助光を発光する部材である。AF補助光発光部154は、マイコン110の制御に基づいて発光する。AF補助光発光部154は、赤色LED等(LED:Light-Emitting Diode)を含む。
【0040】
リモコン受信部155は、リモートコントローラ(図示省略)からの信号を受信して、受信した信号をマイコン110に伝える受信手段である。リモコン受信部155は、典型的には、リモートコントローラからの赤外光を受光する受光素子を含む。
【0041】
〔1−3.交換レンズの構成〕
図4は、交換レンズ200の構成を示すブロック図である。交換レンズ200は、撮像光学系を有し、CPU210によって、撮像光学系等を制御する構成である。
【0042】
CPU210は、ズームモータ231、絞りモータ241、手振れ補正ユニット250、フォーカスモータ261等のアクチュエータの動作を制御することによって撮像光学系を制御する。CPU210は、撮像光学系やアクセサリ装着部272等の状態を示す情報を通信端子270を介して、カメラボディ100に送信する。また、CPU210は、カメラボディ100から制御信号等を受信し、受信した制御信号等に基づいて撮像光学系等を制御する。
【0043】
対物レンズ220は、最も被写体側に配置されたレンズである。対物レンズ220は、光軸方向に移動可能としてもよく、固定されたものでもよい。
【0044】
ズームレンズ230は、対物レンズ220よりも像面側に配置される。ズームレンズ230は、光軸方向に移動可能である。ズームレンズ230を移動することにより、被写体像の倍率を変えることができる。ズームレンズ230は、ズームモータ231で駆動される。ズームモータ231は、ステッピングモータでもよく、サーボモータでもよく、ズームレンズ230を駆動するものであればよい。CPU210(Central Processing Unit)は、ズームモータ231の状態又は別の部材の状態を監視することにより、ズームレンズ230の位置を監視する。
【0045】
絞り240は、ズームレンズ230よりも像面側に配置される。絞り240は、光軸を中心とした開口部を有する。その開口部は、絞りモータ241及び絞りリング242によって、変更可能である。絞りモータ241は、絞りの開口サイズを変えるための機構と連動し、この機構を駆動することによって、絞りの開口サイズを変更できる。絞りリング242も同様に、絞りの開口サイズを変えるための機構と連動し、この機構を駆動することによって、絞りの開口サイズを変更できる。絞りモータ241は、ユーザによってマイコン110又はCPU210に電気的な制御信号が与えられ、この制御信号に基づいて駆動する。これに対して、絞りリング242は、ユーザからのメカニカルな操作を受け付け、この操作を絞り240に伝達する。また、絞りリング242が操作されたかどうかは、CPU210で検出可能である。
【0046】
手振れ補正ユニット250は、絞り240よりも像面側に配置される。手振れ補正ユニット250は、手振れ補正のための補正レンズ251およびこれを駆動するアクチュエータを含む。手振れ補正ユニット250に含まれるアクチュエータは、補正レンズ251を光軸と直交する面内で移動可能である。ジャイロセンサ252は、交換レンズ200の角速度を計測する。図4では、便宜上ジャイロセンサ252として1つのブロックで記載しているが、交換レンズ200は、2つのジャイロセンサ252を含む。一方のジャイロセンサは、カメラ10の鉛直軸を中心とする角速度を計測する。他方のジャイロセンサは、光軸に垂直なカメラ10の水平軸を中心とする角速度を計測する。CPU210は、ジャイロセンサ252からの角速度情報に基づいて、交換レンズ200の手振れ方向及び手振れ量を計測する。そして、CPU210は、その手振れ量を相殺する方向に補正レンズ251を移動するようアクチュエータを制御する。これにより、交換レンズ200の撮像光学系で形成された被写体像は、手振れが補正されたものとなる。
【0047】
フォーカスレンズ260は、最も像面側に配置される。フォーカスモータ261は、フォーカスレンズ260を光軸方向に駆動する。これにより、被写体像のフォーカスを調整できる。
【0048】
アクセサリ装着部272は、交換レンズ200の先端に遮光フード等のアクセサリを装着する部材である。アクセサリ装着部272は、ネジやバヨネット等のメカニカルな機構で構成される。また、アクセサリ装着部272は、アクセサリが装着されたかどうかを検出するための検出器を含む。そして、アクセサリ装着部272は、アクセサリが装着されると、CPU210にその旨を伝える。
【0049】
〔1−4.ミラーボックスの状態〕
各動作状態におけるミラーボックス120内部の状態を、図1、図5及び図6を参照して説明する。
【0050】
図1は、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察するモードにおけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Aという。この状態Aでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内に進入する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、可動ミラー121aで、一部が反射し、残りの光学的信号は透過する。反射した光学的信号は、焦点板125、プリズム126、および接眼レンズ136を通過してユーザの目に届く。また、可動ミラー121aで反射された光学的信号は焦点板125で反射し、その一部がAEセンサ133に入射する。一方、可動ミラー121aを透過した光学的信号の一部は、可動ミラー121bで反射され、AFセンサ132に届く。また、この状態Aでは、第1シャッタ123aが閉じられている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届かない。従って、状態Aでは、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作をすること及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることは可能であるが、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、及びCMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすることはできない。
【0051】
図5は、被写体像をCMOSセンサ130に入力するモードにおけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Bという。この状態Bでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内から退避する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136を通過してユーザの目に届くことはなく、AFセンサ132及びAEセンサ133に届くこともない。また、この状態Bでは、第1シャッタ123a及び第2シャッタ123bが開いている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届く。従って、状態Bでは、状態Aとは反対に、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、及びCMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすることは可能であるが、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作をすること及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることはできない。なお、可動ミラー121a、121b及び第1シャッタ123aは、バネ等の付勢手段により、状態Aから状態Bに移行する方向に付勢されている。そのため、状態Aから状態Bへは瞬時に移行できるので、露光を開始するのに好適である。
【0052】
図6は、CMOSセンサ130への被写体像の露光を終了した直後におけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Cという。この状態Cでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内から退避する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136を通過してユーザの目に届くことはなく、AFセンサ132及びAEセンサ133に届くこともない。また、この状態Cでは、第1シャッタ123aが開いている一方、第2シャッタ123bが閉じている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届かない。従って、状態Cでは、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、CMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすること、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作すること、及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることは、いずれもできない。第2シャッタ123bは、閉じる方向に付勢されているので、瞬時に状態Bから状態Cに移行させることができる。そのため、状態Cは、CMOSセンサ130の露光を終了させるのに好適な状態である。
【0053】
以上のように、状態Aから状態Bへは直接移行できる。これに対して、状態Bから状態Aへは、ミラーボックス120の機構の制約上、状態Cを介さなければ移行できない。但し、これは、ミラーボックス120の機構からくるテクニカルな問題なので、状態Cを介さずに、状態Bから状態Aに直接移行できる機構を採用することとしてもよい。
【0054】
〔1−5.本実施の形態の構成と本発明の構成との対応〕
焦点板125、プリズム126及び接眼レンズ136を含む構成は、本発明の光学式ビューファインダの一例である。対物レンズ220、ズームレンズ230、補正レンズ251及びフォーカスレンズ260を含む光学系は、本発明の撮像光学系の一例である。可動ミラー121a、121bは、本発明の可動ミラーの一例である。CMOSセンサ130は本発明の撮像素子の一例である。液晶モニタ150は本発明の表示手段の一例である。マイコン110は本発明の制御手段の一例である。この場合、制御手段としてマイコン110の他にCPU210を含んでもよい。バッファ111は本発明の記憶手段の一例である。メニュー釦140a、十字キー140b、セット釦140cなどの操作手段は本発明のアスペクト比受付手段の一例である。マイコン110及びカードスロット153からなる構成は本発明の記録手段の一例である。メモリカード300は本発明の記録媒体の一例である。
【0055】
〔2.デジタルカメラの動作〕
以上のように構成された本発明の実施の形態1にかかるカメラ10の動作を、以下図7〜図14を参照して説明する。
【0056】
〔2−1.リアルタイム画像の表示動作〕
交換レンズ200によって形成される被写体像をリアルタイムに観察するための表示動作について説明する。この表示動作として、2つの動作が設定されている。1つ目は、光学式ビューファインダを用いた動作であり、2つ目は、液晶モニタ150を用いた動作である。これらの動作を以下それぞれ詳細に説明する。
【0057】
なお、本明細書においては、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させる機能及び表示をライブビューという。また、そのようにライブビュー動作をさせるときのマイコン110の制御モードをライブビューモードという。
【0058】
ライブビューは、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させるものであればよく、液晶モニタ150に表示させている画像データを、同時にメモリカード300等の記憶手段に記憶させても記憶させなくてもよい。
【0059】
また、ライブビューを表示しているときは、交換レンズ200からの光学的信号をCMOSセンサ130に到達させる必要があるため、ミラーボックス120の内部は図5に示す状態Bとする必要がある。しかし、マイコン110がライブビューモードに設定されていても、撮像動作やオートフォーカス動作、自動露光制御動作等の各状態に応じて、ミラーボックス120の内部を状態Bの他に状態Aや状態Cにする必要があり、液晶モニタ150がライブビューを表示できない期間も生じる。
【0060】
また、ライブビューは、上述したように、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させることであるが、リアルタイムとは厳密な意味を有するのではなく、使用者が常識的にリアルタイムと感じられれば、実際の被写体の動作とは多少の時間遅れがあってもよい。液晶モニタ150は、通常は0.1秒程度の時間遅れでライブビュー表示をすると考えられるが(この時間はカメラ10のハード等に依存して多少長くなったり短くなったりする)、1秒から5秒程度遅れる場合もリアルタイムでの被写体像表示として、ライブビュー表示の概念に含めてよい。
【0061】
〔2−1−1.光学式ビューファインダ使用時の動作〕
ユーザは、図3に示すビューファインダ切替スイッチ140eをスライドすることによって、ライブビューモードと光学式ビューファインダモード(以下、便宜上OVFモードという)とを切り替えることができる。
【0062】
ユーザがビューファインダ切替スイッチ140eをOVFモード側にスライドさせると、マイコン110はOVFモードに設定される。すると、マイコン110は、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を図1に示す状態Aにする。これにより、接眼レンズ136を通して、ユーザは被写体像をリアルタイムで観察できる。また、この状態Aでは、上述したように、AFセンサ132を用いたオートフォーカス動作、及びAEセンサ133を用いた測光動作が可能である。
【0063】
OVFモード時には、光学式ビューファインダは、図7に示すように、光学式ビューファインダのアスペクト比である4:3の画像のみを表示可能である。また、後述するように、OVFモード時には、記録用画像データのアスペクト比は4:3に強制的に設定される。これにより、構図を決めるときの画像のアスペクト比と記録される画像のアスペクト比とを一致させることができるので、光学式ビューファインダに余分な機構を設けることなく、使用者の意図に合った画像を記録することができる。
【0064】
〔2−1−2.液晶モニタ使用時の動作〕
OVFモードからユーザがビューファインダ切替スイッチ140eをライブビューモード側にスライドさせると、マイコン110はライブビューモードに設定される。すると、マイコン110は、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を図5に示す状態Bにする。これにより、液晶モニタ150を用いて、ユーザは被写体像をリアルタイムで観察できる。
【0065】
リアルタイム観察時には、ミラーボックス120を通過してCMOSセンサ130に入射した被写体像は画像データに変換される。その画像データは、A/Dコンバータ131を介してマイコン110に入力され、マイコン110で所定の処理が施される。
【0066】
この際、マイコン110は、画像データのアスペクト比がバッファ111に記憶されているアスペクト比になるように、画像データを処理する。このようにして処理された画像データは、図8に示すように、液晶モニタ150に表示される。すなわち、アスペクト比が4:3に設定されているときは、図8Aに示すようにアスペクト比4:3の画像を表示し、アスペクト比が3:2に設定されているときは、図8Bに示すようにアスペクト比3:2の画像を表示し、アスペクト比が16:9に設定されているときは、図8Cに示すようにアスペクト比16:9の画像を表示する。
【0067】
また、ライブビューモードで画像データを記録するときは、マイコン110は、画像データのアスペクト比がバッファ111に記憶されているアスペクト比になるように、画像データを処理する。そして、その画像データをメモリカード300が記憶する。すなわち、メモリカード300は、アスペクト比が4:3に設定されているときは、図8Aに示すようにアスペクト比4:3の画像を記憶し、アスペクト比が3:2に設定されているときは、図8Bに示すようにアスペクト比3:2の画像を記憶し、アスペクト比が16:9に設定されているときは、図8Cに示すようにアスペクト比16:9の画像を記憶する。
【0068】
これにより、ライブビューモードにおいても、構図を決めるときの画像のアスペクト比と記録される画像のアスペクト比とを一致させることができるので、使用者の意図に合った画像を記録することができる。さらに、ライブビューモードにおいては、複数のアスペクト比の中からいずれかを選択して、そのアスペクト比に対応する画像を記録可能である。
【0069】
〔2−2.アスペクト比の設定方法〕
記録用画像のアスペクト比を設定する動作について、図9〜図11を参照して説明する。図9は、記録用画像のアスペクト比を設定する動作を説明するためのフローチャートである。図10は、ライブビューモードでのメニュー画面を示す模式図である。図11は、OVFモードでのメニュー画面を示す模式図である。
【0070】
図9において、使用者がメニュー釦140aを押下すると(S901のYesのとき)、マイコン110は、現在設定されているモードがライブビューモードかOVFモードかを判定する(S902)。
【0071】
その結果、ライブビューモードのときは、マイコン110は、バッファ111からアスペクト比として設定されている値を読み出す(S903)。ここでは、アスペクト比として設定されている値を「3:2」とする。そして、マイコン110は、バッファ111からその他のメニュー表示に必要なデータを読み出して、図10Aに示すメニュー画面を液晶モニタ150に表示する。図10Aに示すように、マイコン110は、バッファ111から読み出した「3:2」という値をメニュー画面に表示する(S904)。このアスペクト比の設定値は使用者の操作により変更可能である。具体的には、液晶モニタ150が図10Aに示すメニュー画面を表示している状態において、使用者が十字キー140bの上下釦を押下すると、メニュー画面に表示されたカーソルを上下に移動でき、そのカーソルを「アスペクト比」という項目に合わせることができる。カーソルを「アスペクト比」に合わせると、図10Bに示すようにメニュー画面が変化し、アスペクト比として設定可能な値が全て表示される。このアスペクト比の中から操作者が希望するアスペクト比にカーソルを合わせて、セット釦140cを押下する。すると、アスペクト比は、操作者が希望するアスペクト比に設定され、その値がバッファ111に上書きされる。
【0072】
一方、OVFモードのときは、マイコン110は、図11に示すメニュー画面を液晶モニタ150に表示する(S905)。このメニュー画面では、「アスペクト比」という項目は初めから表示されず、「アスペクト比」の設定値を変更することはできない。
【0073】
このように、バッファ111内に記憶されたアスペクト比に関する情報は、ライブビューモードにおいてのみ変更可能である。そして、後述するように、ライブビューモードにおいてはバッファ111内に記憶するアスペクト比に応じて記録用画像データを生成し、OVFモードにおいてはバッファ111内に記憶するアスペクト比とは関係なく光学式ビューファインダのアスペクト比になるよう記録用画像データを生成する。これにより、ライブビューモードからビューファインダモードに移行したとき、使用者が設定したアスペクト比の画像データを記録可能な状態から光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと自動的に切り替えることができる。さらに、ビューファインダモードからライブビューモードに移行したとき、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態からライブビューモードからビューファインダモードに移行する前に使用者が受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと自動的に切り替えることができる。
【0074】
〔2−3.記録用画像の撮像動作〕
次に、記録用画像の撮像動作について、図12から図14を参照して説明する。記録用画像の撮像動作において、フォーカスの方式は、マニュアルフォーカス方式、シングルフォーカス方式、およびコンティニュアスフォーカス方式などがあるが、ここでは、マニュアルフォーカス方式を例示する。但し、他のフォーカス方式でも本発明は適用可能である。
【0075】
マニュアルフォーカス方式は、ユーザによるフォーカスリング262の操作に応じてフォーカスを変更する方式であり、ユーザの好み通りにフォーカスを設定できる。その反面、マニュアルフォーカス方式では、ユーザが慣れていないとフォーカス合わせに手間取ってしまうという問題がある。以下、図12及び図14を参照して、光学式ビューファインダを用いて撮像する場合と、液晶モニタ150を用いて撮像する場合とに分けて説明する。
【0076】
〔2−3−1 光学式ビューファインダを用いた撮像動作〕
図12は、マニュアルフォーカスモードにおいて、光学式ビューファインダを用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0077】
OVFモードでの撮像の場合、ミラーボックス120の内部は、図1に示す状態Aとなっている。ユーザは、撮像前に、接眼レンズ136を通して被写体像を確認しながら、フォーカスや構図を合わせる。このとき光学式ビューファインダに表示される被写体像のアスペクト比は4:3である。ユーザは、フォーカスを合わせるために、フォーカスリング262を操作する(S1201)。これと並行して、マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたかどうかを監視する(S1202)。
【0078】
マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたことを検知した場合、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を状態Aから状態Bに移行させる(S1203)。この状態で、マイコン110は、CMOSセンサ130に交換レンズ200からの光学的信号を露光し、記録用の記録用画像を撮像させる(S1204)。そして、マイコン110は、シャッタスピードに対応する時間が経過すると、第2シャッタ123bを閉じるようシャッタ駆動部124を制御し、露光を終了させる(状態C)。その後、マイコン110は、ミラーボックス120の内部を状態Aに戻す(S1205)。
【0079】
マイコン110は、CMOSセンサ130で生成された画像データを受けて、バッファ111に一時的に保存する。このとき保存された画像データは、例えば、RGB成分からなる画像データである。マイコン110は、バッファ111に保存された画像データにYC変換処理、リサイズ処理、圧縮処理等の所定の画像処理を施して、記録用の画像データを生成する(S1206)。このときの記録用の画像データは、バッファ111に記憶されているアスペクト比とは関係なく、4:3のアスペクト比を有する画像データとなるように処理される。マイコン110は、最終的には、例えば、Exif規格(EXIF:Exchangeable image file format)に準拠した画像ファイルを生成する。マイコン110は、生成した画像ファイルを、カードスロット153を介して、メモリカード300に記憶させる。
【0080】
ここで、マイコン110が最終的に作成する画像ファイルについて説明する。図13は、その画像ファイルの構造を示す模式図である。画像ファイルは、ヘッダ部D1と画像データ部D2とを含む。画像データ部D2には、記録用の画像データが格納される。ヘッダ部D1は、各種情報格納部D11とサムネイル画像D12とを含む。各種情報格納部D11は、露出条件やホワイトバランス条件、撮像日時等の撮像条件をはじめとする各種の情報が格納される複数の格納部を備える。それらの格納部の一つに、ファインダモード情報格納部D111がある。ファインダモード格納部D111は、「LV」か「OVF」のいずれかを情報として格納する。マイコン110は、ライブビューモードが設定されている場合に撮像動作を行うと、その結果生成される画像ファイルのファインダモード情報格納部D111には「LV」を格納する。これに対して、マイコン110は、OVFモードが設定されている場合に撮像動作を行うと、その結果生成される画像ファイルのファインダモード情報格納部D111には「OVF」を格納する。これにより、生成された画像ファイルのヘッダ部D1を解析することにより、その画像ファイルに含まれる画像データがライブビューモードで生成されたものなのか、OVFモードで生成されたものなのかを容易に把握できる。これを利用して、ユーザは、自らの撮像画像の出来映えとファインダモードとの関係を把握することができる。これによって、写真撮影技術の向上等に役立てることができる。
【0081】
また、ヘッダ部D1は、画像データの横方向の画素数と縦方向の画素数とを格納する。これにより、ヘッダ部D1を解析することにより、その画像データのアスペクト比を容易に把握することができる。また、画素数と併せて、又は画素数に替えて、アスペクト比を示す情報を格納するようにしてもよい。これにより、より直接的に又は容易に画像データのアスペクト比を把握することができる。
【0082】
〔2−3−2.液晶モニタを用いた撮像動作〕
図14は、マニュアルフォーカスモードにおいて、液晶モニタ150を用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0083】
ライブビューモードでの撮像の場合、ミラーボックス120の内部は、図5に示す状態Bとなっている。ユーザは、撮像前に、液晶モニタ150により被写体像を確認しながら、フォーカスや構図を合わせる。このとき、マイコン110は、バッファ111に設定されているアスペクト比になるように、A/Dコンバータ131から受信した画像データを処理して、液晶モニタ150に表示する。ユーザは、フォーカスを合わせるために、フォーカスリング262を操作する(S1401)。これと並行して、マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたかどうかを監視する(S1402)。
【0084】
マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたことを検知した場合、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を状態Bから状態Cを経て状態Aに移行させる(S1403)。このようにミラーボックス120の内部を一旦状態Aにするのは、CMOSセンサ130に入射される光学的信号を一旦シャッタ123a及び123bにより遮断して、CMOSセンサ130に露光開始の準備をさせるためである。露光開始の準備としては、各画素における不要な電荷の除去等が挙げられる。
【0085】
その後のステップS1404〜ステップS1406に示す動作は、上述のステップS1203〜ステップS1205に示す動作と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
露光が終了して、ミラーボックス120の内部が状態Aになると(S1406)、マイコン110は、ミラーボックス120の内部を再び状態Bに戻して、ライブビュー表示を再開させる(S1407)。これと並行して、マイコン110は、CMOSセンサ130で生成された画像データを受けて、バッファ111に一時的に保存する。このとき保存された画像データは、例えば、RGB成分からなる画像データである。マイコン110は、バッファ111に保存された画像データにYC変換処理、リサイズ処理、圧縮処理等の所定の画像処理を施して、記録用の画像データを生成する(S1408)。このときの記録用の画像データは、バッファ111に記憶されているアスペクト比の画像データになるように処理される。マイコン110は、最終的には、例えば、Exif規格に準拠した画像ファイルを生成する。マイコン110は、生成した画像ファイルを、カードスロット153を介して、メモリカード300に記憶させる(1409)。
【0087】
〔3.まとめ〕
本発明の実施の形態にかかるデジタルカメラ10は、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラー121a、121bを有するデジタルカメラである。デジタルカメラ10は、CMOSセンサ130と、液晶モニタ150と、マイコン110と、操作部140と、カードスロット153とを備える。CMOSセンサ130は、撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。液晶モニタ150は、生成された画像データに基づく画像、又はその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示する。マイコン110は、生成された画像データ又はその画像データに所定の処理を施した画像データをリアルタイムで動画像として液晶モニタ150に表示するよう制御するライブビューモードと可動ミラー121a、121bが被写体像を光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する。操作部140は、画像のアスペクト比について指示を受け付ける。マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモード時には、操作部140で受け付けたアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する。
【0088】
これにより、ライブビューモード時には、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能である。これは、画像処理技術を用いて記録用画像のアスペクト比を変更しているため、特別な機構を要することなく実現できる。一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像のみを記録するようにしたため、光学式ビューファインダに表示される画像のアスペクト比と記録用の画像のアスペクト比とを容易に一致させることができる。このため、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能である。
【0089】
したがって、本実施の形態によれば、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供できる。
【0090】
また、本実施の形態では、ビューファインダモード時には、アスペクト比を変更するための「画像アスペクト」という項目が表示されない。そのため、操作部140は、ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない。これにより、OVFモード時にアスペクト比を変更できないことを使用者に容易に認識させることができる。また、OVFモード時に、ライブビューモード時におけるアスペクト比の設定値を変更することがないので、ライブビューに戻った際に前回の設定で画像データを記録することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモードからビューファインダモードに移行したとき、操作部140で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態から光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる。これにより、使用者が意識しないでも、表示用画像と記録用画像のアスペクト比を自動的に一致させることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ビューファインダモードからライブビューモードに移行したとき、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態からライブビューモードからビューファインダモードに移行する前に操作部140で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる。これにより、OVFモードからライブビューモードに復帰した場合に、ライブビューモードで設定したアスペクト比を維持できるので、使用者が意図しないアスペクト比に勝手に切り替わっているということを防ぐことができる。
【0093】
なお、本実施の形態では、ビューファインダモード時には、アスペクト比を変更するための「画像アスペクト」という項目が表示されないようにしたが、これには限らない。例えば、ビューファインダモード時にも「画像アスペクト」という項目を表示しておき、そこに表示されているアスペクト比の設定値を変更できないようにしてもよい。要するに、操作部140が、ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けないようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダで観察できるデジタルカメラに適用可能である。例えば、デジタル一眼レフカメラ等に適用可能である。また、静止画撮像用のカメラのみならず動画撮像可能なカメラにも適用できる。
【符号の説明】
【0095】
110 マイコン
130 CMOSセンサ
140a メニュー釦
140b 十字キー
140c セット釦
150 液晶モニタ
153 カードスロット
300 メモリカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関する。特に、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダで観察できるデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル一眼レフカメラは、電子ビューファインダと光学式ビューファインダとを備えるため、撮像光学系により形成された被写体像を可動ミラーで切り替えて、光学式ビューファインダで観察可能である。そのため、記録画像における被写体像と光学式ビューファインダに表示される被写体像との間でずれが発生せず、撮像操作を良好に行うことができる。
【0003】
ライブビューモードを備えるデジタル一眼レフカメラは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、撮像素子からの画像データの切り出し範囲を変えることによって、画像のアスペクト比を変える技術も実用化されている。この技術によれば、1つの撮像装置で、アスペクト比の異なる画像データを記録することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−272593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光学式ビューファインダを使って構図を決めるモードにおいても、光学式ビューファインダのアスペクト比と異なるアスペクト比の画像データを記録可能とすると、構図を決めたときの画像と記録された画像とが異なることになり、使用者の意図と異なる画像データが記録されてしまうことになる。
【0007】
これを防ぐために、光学式ビューファインダのアスペクト比を記録画像のアスペクト比に応じて変えることも考えられるが、それを実現するためには光学式ビューファインダの視野を制限するための機構を余分に設ける必要がある。
【0008】
本発明の目的は、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダでライブビュー表示できるデジタルカメラにおいて、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるデジタルカメラは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、前記制御手段は、前記ライブビューモード時には、前記撮像素子で生成された画像データに基づく画像を、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比で、動画像として前記表示手段に表示するよう、制御する。
【0010】
本発明にかかるデジタルカメラは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、前記アスペクト比受付手段は、前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない。
【発明の効果】
【0011】
上記の本発明によれば、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカメラの概要を説明するための模式図
【図2】本発明の実施の形態にかかるカメラボディの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態にかかるカメラボディの背面図
【図4】本発明の実施の形態にかかる交換レンズの構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態にかかるカメラのミラーボックスの内部が状態Bのときの模式図
【図6】本発明の実施の形態にかかるカメラのミラーボックスの内部が状態Cのときの模式図
【図7】OVFモードにおける表示画像の一例を示す模式図
【図8】ライブビューモードにおける表示画像の一例を示す模式図
【図9】アスペクト比の設定動作を説明するためのフローチャート
【図10】ライブビューモードにおけるメニュー画面の一例を示す模式図
【図11】OVFモードにおけるメニュー画面の一例を示す模式図
【図12】マニュアルフォーカスモードにおいて、光学式ビューファインダを用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャート
【図13】記録用画像を格納する画像ファイルの構造を示す模式図
【図14】マニュアルフォーカスモードにおいて、液晶モニタ150を用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
〔1.デジタルカメラの構成〕
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかるカメラ10の構成を説明する。
【0014】
〔1−1.全体構成の概要〕
図1は、カメラ10の概要を説明するための模式図である。カメラ10は、カメラボディ100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
【0015】
カメラボディ100は、交換レンズ200に含まれる光学系により集光された被写体像を撮像して、画像データとして記録する。カメラボディ100は、ミラーボックス120を備える。ミラーボックス120は、被写体像をCMOSセンサ130(CMOS:Complementary Metal-Oxide Semiconductor)又は接眼レンズ136のいずれかに選択的に入射させるために、交換レンズ200に含まれる光学系からの光学的信号の光路を切り換える。ミラーボックス120は、可動ミラー121a、121bと、ミラー駆動部122と、シャッタ123a及び123bと、シャッタ駆動部124と、焦点板125と、プリズム126とを含む構成である。
【0016】
可動ミラー121aは、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される。可動ミラー121bは、可動ミラー121aとともに撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される。そして、可動ミラー121bは、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号の一部を反射して、AFセンサ132(AF:Auto Focus)に入射させる。
【0017】
可動ミラー121aが撮像光学系の光路内に進入しているとき、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号の一部は、焦点板125及びプリズム126を介して接眼レンズ136に入射される。また、可動ミラー121aで反射された光学的信号は焦点板125で拡散される。そして、この拡散された光学的信号の一部はAEセンサ133(AE:Auto Exposure)に入射する。一方、可動ミラー121a及び121bが撮像光学系の光路内から退避しているときは、交換レンズ200に含まれる光学系から入力された光学的信号は、CMOSセンサ130に入射される。
【0018】
ミラー駆動部122は、モータ、バネ等の機構部品からなり、マイコン110の制御に基づいて可動ミラー121a、121bを駆動する。
【0019】
シャッタ123a及び123bは、交換レンズ200からの光学的信号の遮断・通過を切り換える。シャッタ駆動部124は、モータ、バネ等の機構部品からなり、マイコン110の制御により、シャッタ123a及び123bを駆動する。なお、ミラー駆動部122に含まれるモータとシャッタ駆動部124に含まれるモータとは別のモータであってもよいし、1つのモータで兼用してもよい。
【0020】
カメラボディ100の背面には液晶モニタ150が配置される。液晶モニタ150は、CMOSセンサ130で生成された画像データに基づく画像、またはその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示可能である。
【0021】
交換レンズ200に含まれる光学系は、対物レンズ220、ズームレンズ230、絞り240、像ぶれ補正ユニット250、フォーカスレンズ260を含む。CPU210はこれらの光学系を制御する。CPU210は、カメラボディ100側のマイコン110と制御信号や光学系に関する情報を送受信可能である。
【0022】
〔1−2.カメラボディの構成〕
図2は、カメラボディ100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、カメラボディ100は、様々な部位を有し、それらをマイコン110が制御する構成である。但し、本実施の形態では1つのマイコン110がカメラボディ100全体を制御するとして説明するが、複数の制御手段によってカメラボディ100を制御するよう構成してもよい。
【0023】
レンズマウント部135は、交換レンズ200を着脱する部材である。レンズマウント部135は、交換レンズ200と、接続端子等を用いて電気的に接続可能であるとともに、係止部材等のメカニカルな部材によって機械的にも接続可能である。レンズマウント部135は、交換レンズ200からの信号をマイコン110に出力できるとともに、マイコン110からの信号を交換レンズ200に出力できる。レンズマウント部135は、中空構造となっている。そのため、交換レンズ200に含まれる光学系から入射される光学的信号は、レンズマウント部135を通過してミラーボックス120に到達する。
【0024】
ミラーボックス120は、レンズマウント部135を通過した光学的信号を、内部の状態に応じてCMOSセンサ130、接眼レンズ136、AFセンサ132及びAEセンサ133に導く。ミラーボックスによる光学的信号の切り替えについては、「1−4 ミラーボックスの状態」の項で説明する。
【0025】
CMOSセンサ130は、ミラーボックス120を通って入射された光学的信号を電気的信号に変換し、画像データを生成する。生成した画像データは、A/Dコンバータ131によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、マイコン110に出力される。なお、生成した画像データをCMOSセンサ130からA/Dコンバータ131に出力する経路の途上やA/Dコンバータ131からマイコン110に出力する経路の途上で所定の画像処理を施すようにしてもよい。
【0026】
接眼レンズ136は、ミラーボックス120を通って入射された光学的信号を通す。このとき、ミラーボックス120内では、図1に示すように、交換レンズ200から入射された光学的信号を可動ミラー121aで反射させ、焦点板125に被写体像を形成させる。そして、プリズム126は、この被写体像を反射し、接眼レンズ136に出射する。これにより、ユーザは、ミラーボックス120からの被写体像を視認できる。ここで、接眼レンズ136は、単数のレンズで構成してもよいし、複数のレンズからなるレンズ群で構成してもよい。また、接眼レンズ136は、固定的にカメラボディ100に保持するようにしてもよく、視度調節等のため移動可能に保持するようにしてもよい。焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136からなる光学式ビューファインダは、4:3のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適に設定されている。但し、光学式ビューファインダを他のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適に設定していてもよい。例えば、16:9のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適なものでもよく、3:2のアスペクト比を有する構図の画像を表示するのに最適なものでもよい。
【0027】
保護材138は、CMOSセンサ130の表面を保護する。保護材138をCMOSセンサ130の前面に配置することにより、CMOSセンサ130の表面にほこり等の異物が付着するのを防ぐことができる。保護材138は、ガラスやプラスチック等の透明材料で構成できる。
【0028】
超音波振動発生器134は、マイコン110からの信号に応じて起動し、超音波振動を発生する。超音波振動発生器134で発生した超音波振動は、保護材138に伝えられる。これにより、保護材138は振動し、保護材138に付着したほこり等の異物を振り落とすことができる。超音波振動発生器134は、例えば、保護材138に圧電素子を貼り付けることにより実現できる。この場合、保護材138に貼り付けた圧電素子に交流電流を通電する等により、圧電素子を振動させることができる。
【0029】
ストロボ137は、マイコン110の指示に従って、発光する。ストロボ137は、カメラボディ100に内蔵のものでもよく、着脱タイプのものでもよい。着脱タイプのストロボであれば、カメラボディ100にはホットシュー等のストロボ取り付け部を設ける必要がある。
【0030】
レリーズ釦141は、オートフォーカス動作や測光動作の起動についてユーザからの指示を受け付けるとともに、CMOSセンサ130による記録用画像の撮像開始についてユーザからの指示を受け付ける。レリーズ釦141は、半押し操作と全押し操作を受け付けることができる。オートフォーカスモードにおいてレリーズ釦141がユーザにより半押しされると、マイコン110は、AFセンサ132からの信号に基づいて、交換レンズ200に対してオートフォーカス動作をするように指示する。また、自動露光モードにおいてレリーズ釦141がユーザにより半押し操作されると、マイコン110は、AEセンサ133からの信号に基づいて、交換レンズ200に対して自動露出制御動作をするように指示する。一方、レリーズ釦141がユーザにより全押し操作されると、マイコン110は、ミラーボックス120、CMOSセンサ130等を制御して、記録用画像を撮像する。そして、マイコン110は、撮像した記録用画像について、必要に応じて、YC変換処理、解像度変換処理、圧縮処理等を施して記録用の画像データを生成する。マイコン110は、生成した記録用の画像データを、カードスロット153を介してメモリカード300に記録する。レリーズ釦141が半押し操作に応じる機能及び全押し操作に応じる機能を有するようにするには、例えば、レリーズ釦141に2つのスイッチを内蔵するようにするとよい。この場合、一方のスイッチは半押し操作によってONされ、他方のスイッチは全押し操作によってONされるようにする。
【0031】
操作部140は、ユーザからの各種の指示をマイコン110に伝達するための部材である。各種の操作部材を説明するために、カメラボディ100の背面図を図3に示す。カメラボディ100の背面には、メニュー釦140a、十字キー140b、セット釦140c、回転ダイアル140d、ビューファインダ切替スイッチ140e、フォーカスモード切替スイッチ140f、ストロボ起動釦140h、LVプレビュー釦140j、絞り込み釦140k、AV釦140m、および電源スイッチ142を備える。カメラボディ100の上面には、手振れ補正モード切替釦140g、およびレリーズ釦141が配置されている。
【0032】
メニュー釦140aは、液晶モニタ150にカメラ10の設定情報を表示させ、ユーザによる設定変更を可能にするための釦である。十字キー140bは、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択するためのキーであり、例えば、カーソル等を移動させることができる。セット釦140cは、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択した後、決定するための釦である。回転ダイアル140dは、十字キー140bと同様に、液晶モニタ150に表示された各種設定や項目、画像等を選択するための操作部材であり、例えば、回転することにより、カーソル等を移動させることができる。ビューファインダ切替スイッチ140eは、撮像した画像を接眼レンズ136に表示させるか、液晶モニタ150に表示させるかを選択するためのスイッチである。フォーカスモード切替スイッチ140fは、フォーカスモードをマニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードのいずれに設定するかを選択するためのスイッチである。手振れ補正モード切替釦140gは、手振れ補正をするかどうか、また手振れ補正の制御モードはいずれのモードにするかを選択するためのスイッチである。絞り込み釦140kは、ライブビューモードにおいて、絞りを調節するための釦である。LVプレビュー釦140jは、ライブビューモードにおいて、絞りを調節するとともに液晶モニタ150に表示される画像の一部を拡大表示させるための釦である。AV釦140mは、OVFモードにおいて、絞りを調節するための釦である。
【0033】
図2に戻って、液晶モニタ150は、マイコン110からの信号を受けて、画像や各種設定の情報を表示する。液晶モニタ150は、CMOSセンサ130で生成された画像データに基づく画像、またはその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示可能である。液晶モニタ150は、メモリカード300に保持されている画像データを、必要に応じてマイコン110で伸張処理等所定の処理を施した後、その処理によって得られた画像を表示可能である。液晶モニタ150は、図3に示すように、カメラボディ100の背面に設けられている。液晶モニタ150は、カメラボディ100に対して回転可能に設けられている。接点151は、液晶モニタ150の回転を検出する。液晶モニタ150は、4:3のアスペクト比の構図を有する画像を表示するのに最適である。但し、液晶モニタ150は、マイコン110の制御により、他のアスペクト比(例えば、3:2や16:9)の構図を有する画像も表示可能である。
【0034】
外部端子152は、外部装置に画像データや各種設定情報を出力するための端子である。外部端子152は、例えば、USB端子(USB:Universal Serial Bus)やIEEE1394規格に準拠したインターフェイスのための端子等である。また、外部端子152は、外部装置からの接続端子が接続されると、その旨をマイコン110に伝える。
【0035】
電源コントローラ146は、電池ボックス143に収納された電池400からの供給電力をマイコン110等カメラ10内の部材に供給することについて制御する。電源コントローラ146は、電源スイッチ142がONされると、電池400からの供給電力をカメラ10内の部材に供給し始める。また、電源コントローラ146は、スリープ機能を備え、カメラ10が電源ONのまま所定時間操作されない状態が続くと、カメラ10内の一部の部材を除いて電源供給するのを停止する。また、電源コントローラ146は、電池蓋144の開閉を監視する接点145からの信号に基づいて、マイコン110に電池蓋144が開いたことを伝達する。電池蓋144は、電池ボックス143の開口部を開閉する部材である。電源コントローラ146は、図2ではマイコン110を通じてカメラ10内の各部材に電力を供給する構成としているが、必要に応じて、電源コントローラ146から直接電力を供給する構成としても構わない。
【0036】
三脚固定部147は、三脚(図示省略)をカメラボディ100に固定するための部材であり、ネジ等で構成される。接点148は、三脚が三脚固定部147に固定されたかどうかを監視し、その結果をマイコン110に伝える。接点148は、スイッチ等で構成可能である。
【0037】
カードスロット153は、メモリカード300を装着するためのコネクタである。カードスロット153は、メモリカード300を装着するメカニカルな構造だけでなく、メモリカード300をコントロールする制御手段及び/又はソフトウェアを含む構成としてもよい。
【0038】
バッファ111は、マイコン110で信号処理を行う際に利用されるメモリである。バッファ111に一時的に記憶される信号は、主に画像データであるが、制御信号等を記憶するようにしてもよい。バッファ111は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等記憶可能な手段であればよい。また、画像の記憶に特化したメモリであってもよい。また、バッファ111には、使用者により設定されたアスペクト比も記憶される。マイコン110は、ライブビューモード時には、バッファ111に記憶されたアスペクト比になるように画像データを処理して、表示用画像データ及び記録用画像データを生成する。一方、マイコン110は、OVFモード時には、バッファ111に記憶されたアスペクト比とは関係なく、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように画像データを処理して、表示用画像データ及び記録用画像データを生成する。
【0039】
AF補助光発光部154は、暗い中でオートフォーカス動作をするときの補助光を発光する部材である。AF補助光発光部154は、マイコン110の制御に基づいて発光する。AF補助光発光部154は、赤色LED等(LED:Light-Emitting Diode)を含む。
【0040】
リモコン受信部155は、リモートコントローラ(図示省略)からの信号を受信して、受信した信号をマイコン110に伝える受信手段である。リモコン受信部155は、典型的には、リモートコントローラからの赤外光を受光する受光素子を含む。
【0041】
〔1−3.交換レンズの構成〕
図4は、交換レンズ200の構成を示すブロック図である。交換レンズ200は、撮像光学系を有し、CPU210によって、撮像光学系等を制御する構成である。
【0042】
CPU210は、ズームモータ231、絞りモータ241、手振れ補正ユニット250、フォーカスモータ261等のアクチュエータの動作を制御することによって撮像光学系を制御する。CPU210は、撮像光学系やアクセサリ装着部272等の状態を示す情報を通信端子270を介して、カメラボディ100に送信する。また、CPU210は、カメラボディ100から制御信号等を受信し、受信した制御信号等に基づいて撮像光学系等を制御する。
【0043】
対物レンズ220は、最も被写体側に配置されたレンズである。対物レンズ220は、光軸方向に移動可能としてもよく、固定されたものでもよい。
【0044】
ズームレンズ230は、対物レンズ220よりも像面側に配置される。ズームレンズ230は、光軸方向に移動可能である。ズームレンズ230を移動することにより、被写体像の倍率を変えることができる。ズームレンズ230は、ズームモータ231で駆動される。ズームモータ231は、ステッピングモータでもよく、サーボモータでもよく、ズームレンズ230を駆動するものであればよい。CPU210(Central Processing Unit)は、ズームモータ231の状態又は別の部材の状態を監視することにより、ズームレンズ230の位置を監視する。
【0045】
絞り240は、ズームレンズ230よりも像面側に配置される。絞り240は、光軸を中心とした開口部を有する。その開口部は、絞りモータ241及び絞りリング242によって、変更可能である。絞りモータ241は、絞りの開口サイズを変えるための機構と連動し、この機構を駆動することによって、絞りの開口サイズを変更できる。絞りリング242も同様に、絞りの開口サイズを変えるための機構と連動し、この機構を駆動することによって、絞りの開口サイズを変更できる。絞りモータ241は、ユーザによってマイコン110又はCPU210に電気的な制御信号が与えられ、この制御信号に基づいて駆動する。これに対して、絞りリング242は、ユーザからのメカニカルな操作を受け付け、この操作を絞り240に伝達する。また、絞りリング242が操作されたかどうかは、CPU210で検出可能である。
【0046】
手振れ補正ユニット250は、絞り240よりも像面側に配置される。手振れ補正ユニット250は、手振れ補正のための補正レンズ251およびこれを駆動するアクチュエータを含む。手振れ補正ユニット250に含まれるアクチュエータは、補正レンズ251を光軸と直交する面内で移動可能である。ジャイロセンサ252は、交換レンズ200の角速度を計測する。図4では、便宜上ジャイロセンサ252として1つのブロックで記載しているが、交換レンズ200は、2つのジャイロセンサ252を含む。一方のジャイロセンサは、カメラ10の鉛直軸を中心とする角速度を計測する。他方のジャイロセンサは、光軸に垂直なカメラ10の水平軸を中心とする角速度を計測する。CPU210は、ジャイロセンサ252からの角速度情報に基づいて、交換レンズ200の手振れ方向及び手振れ量を計測する。そして、CPU210は、その手振れ量を相殺する方向に補正レンズ251を移動するようアクチュエータを制御する。これにより、交換レンズ200の撮像光学系で形成された被写体像は、手振れが補正されたものとなる。
【0047】
フォーカスレンズ260は、最も像面側に配置される。フォーカスモータ261は、フォーカスレンズ260を光軸方向に駆動する。これにより、被写体像のフォーカスを調整できる。
【0048】
アクセサリ装着部272は、交換レンズ200の先端に遮光フード等のアクセサリを装着する部材である。アクセサリ装着部272は、ネジやバヨネット等のメカニカルな機構で構成される。また、アクセサリ装着部272は、アクセサリが装着されたかどうかを検出するための検出器を含む。そして、アクセサリ装着部272は、アクセサリが装着されると、CPU210にその旨を伝える。
【0049】
〔1−4.ミラーボックスの状態〕
各動作状態におけるミラーボックス120内部の状態を、図1、図5及び図6を参照して説明する。
【0050】
図1は、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察するモードにおけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Aという。この状態Aでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内に進入する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、可動ミラー121aで、一部が反射し、残りの光学的信号は透過する。反射した光学的信号は、焦点板125、プリズム126、および接眼レンズ136を通過してユーザの目に届く。また、可動ミラー121aで反射された光学的信号は焦点板125で反射し、その一部がAEセンサ133に入射する。一方、可動ミラー121aを透過した光学的信号の一部は、可動ミラー121bで反射され、AFセンサ132に届く。また、この状態Aでは、第1シャッタ123aが閉じられている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届かない。従って、状態Aでは、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作をすること及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることは可能であるが、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、及びCMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすることはできない。
【0051】
図5は、被写体像をCMOSセンサ130に入力するモードにおけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Bという。この状態Bでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内から退避する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136を通過してユーザの目に届くことはなく、AFセンサ132及びAEセンサ133に届くこともない。また、この状態Bでは、第1シャッタ123a及び第2シャッタ123bが開いている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届く。従って、状態Bでは、状態Aとは反対に、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、及びCMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすることは可能であるが、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作をすること及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることはできない。なお、可動ミラー121a、121b及び第1シャッタ123aは、バネ等の付勢手段により、状態Aから状態Bに移行する方向に付勢されている。そのため、状態Aから状態Bへは瞬時に移行できるので、露光を開始するのに好適である。
【0052】
図6は、CMOSセンサ130への被写体像の露光を終了した直後におけるミラーボックス120内部の状態を示す模式図である。本明細書では便宜上、この状態を状態Cという。この状態Cでは、可動ミラー121a、121bは、交換レンズ200から入射された光学的信号の光路内から退避する。そのため、交換レンズ200からの光学的信号は、焦点板125、プリズム126、接眼レンズ136を通過してユーザの目に届くことはなく、AFセンサ132及びAEセンサ133に届くこともない。また、この状態Cでは、第1シャッタ123aが開いている一方、第2シャッタ123bが閉じている。そのため、交換レンズ200からの光学的信号はCMOSセンサ130まで届かない。従って、状態Cでは、液晶モニタ150を用いて被写体像を観察すること、CMOSセンサ130で生成した画像データを記録すること、CMOSセンサ130で生成された画像データのコントラストを用いてオートフォーカス動作をすること、光学式ビューファインダを用いて被写体像を観察すること、AFセンサ132を用いてオートフォーカス動作すること、及びAEセンサ133を用いて測光動作をすることは、いずれもできない。第2シャッタ123bは、閉じる方向に付勢されているので、瞬時に状態Bから状態Cに移行させることができる。そのため、状態Cは、CMOSセンサ130の露光を終了させるのに好適な状態である。
【0053】
以上のように、状態Aから状態Bへは直接移行できる。これに対して、状態Bから状態Aへは、ミラーボックス120の機構の制約上、状態Cを介さなければ移行できない。但し、これは、ミラーボックス120の機構からくるテクニカルな問題なので、状態Cを介さずに、状態Bから状態Aに直接移行できる機構を採用することとしてもよい。
【0054】
〔1−5.本実施の形態の構成と本発明の構成との対応〕
焦点板125、プリズム126及び接眼レンズ136を含む構成は、本発明の光学式ビューファインダの一例である。対物レンズ220、ズームレンズ230、補正レンズ251及びフォーカスレンズ260を含む光学系は、本発明の撮像光学系の一例である。可動ミラー121a、121bは、本発明の可動ミラーの一例である。CMOSセンサ130は本発明の撮像素子の一例である。液晶モニタ150は本発明の表示手段の一例である。マイコン110は本発明の制御手段の一例である。この場合、制御手段としてマイコン110の他にCPU210を含んでもよい。バッファ111は本発明の記憶手段の一例である。メニュー釦140a、十字キー140b、セット釦140cなどの操作手段は本発明のアスペクト比受付手段の一例である。マイコン110及びカードスロット153からなる構成は本発明の記録手段の一例である。メモリカード300は本発明の記録媒体の一例である。
【0055】
〔2.デジタルカメラの動作〕
以上のように構成された本発明の実施の形態1にかかるカメラ10の動作を、以下図7〜図14を参照して説明する。
【0056】
〔2−1.リアルタイム画像の表示動作〕
交換レンズ200によって形成される被写体像をリアルタイムに観察するための表示動作について説明する。この表示動作として、2つの動作が設定されている。1つ目は、光学式ビューファインダを用いた動作であり、2つ目は、液晶モニタ150を用いた動作である。これらの動作を以下それぞれ詳細に説明する。
【0057】
なお、本明細書においては、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させる機能及び表示をライブビューという。また、そのようにライブビュー動作をさせるときのマイコン110の制御モードをライブビューモードという。
【0058】
ライブビューは、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させるものであればよく、液晶モニタ150に表示させている画像データを、同時にメモリカード300等の記憶手段に記憶させても記憶させなくてもよい。
【0059】
また、ライブビューを表示しているときは、交換レンズ200からの光学的信号をCMOSセンサ130に到達させる必要があるため、ミラーボックス120の内部は図5に示す状態Bとする必要がある。しかし、マイコン110がライブビューモードに設定されていても、撮像動作やオートフォーカス動作、自動露光制御動作等の各状態に応じて、ミラーボックス120の内部を状態Bの他に状態Aや状態Cにする必要があり、液晶モニタ150がライブビューを表示できない期間も生じる。
【0060】
また、ライブビューは、上述したように、リアルタイムに被写体像を液晶モニタ150に表示させることであるが、リアルタイムとは厳密な意味を有するのではなく、使用者が常識的にリアルタイムと感じられれば、実際の被写体の動作とは多少の時間遅れがあってもよい。液晶モニタ150は、通常は0.1秒程度の時間遅れでライブビュー表示をすると考えられるが(この時間はカメラ10のハード等に依存して多少長くなったり短くなったりする)、1秒から5秒程度遅れる場合もリアルタイムでの被写体像表示として、ライブビュー表示の概念に含めてよい。
【0061】
〔2−1−1.光学式ビューファインダ使用時の動作〕
ユーザは、図3に示すビューファインダ切替スイッチ140eをスライドすることによって、ライブビューモードと光学式ビューファインダモード(以下、便宜上OVFモードという)とを切り替えることができる。
【0062】
ユーザがビューファインダ切替スイッチ140eをOVFモード側にスライドさせると、マイコン110はOVFモードに設定される。すると、マイコン110は、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を図1に示す状態Aにする。これにより、接眼レンズ136を通して、ユーザは被写体像をリアルタイムで観察できる。また、この状態Aでは、上述したように、AFセンサ132を用いたオートフォーカス動作、及びAEセンサ133を用いた測光動作が可能である。
【0063】
OVFモード時には、光学式ビューファインダは、図7に示すように、光学式ビューファインダのアスペクト比である4:3の画像のみを表示可能である。また、後述するように、OVFモード時には、記録用画像データのアスペクト比は4:3に強制的に設定される。これにより、構図を決めるときの画像のアスペクト比と記録される画像のアスペクト比とを一致させることができるので、光学式ビューファインダに余分な機構を設けることなく、使用者の意図に合った画像を記録することができる。
【0064】
〔2−1−2.液晶モニタ使用時の動作〕
OVFモードからユーザがビューファインダ切替スイッチ140eをライブビューモード側にスライドさせると、マイコン110はライブビューモードに設定される。すると、マイコン110は、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を図5に示す状態Bにする。これにより、液晶モニタ150を用いて、ユーザは被写体像をリアルタイムで観察できる。
【0065】
リアルタイム観察時には、ミラーボックス120を通過してCMOSセンサ130に入射した被写体像は画像データに変換される。その画像データは、A/Dコンバータ131を介してマイコン110に入力され、マイコン110で所定の処理が施される。
【0066】
この際、マイコン110は、画像データのアスペクト比がバッファ111に記憶されているアスペクト比になるように、画像データを処理する。このようにして処理された画像データは、図8に示すように、液晶モニタ150に表示される。すなわち、アスペクト比が4:3に設定されているときは、図8Aに示すようにアスペクト比4:3の画像を表示し、アスペクト比が3:2に設定されているときは、図8Bに示すようにアスペクト比3:2の画像を表示し、アスペクト比が16:9に設定されているときは、図8Cに示すようにアスペクト比16:9の画像を表示する。
【0067】
また、ライブビューモードで画像データを記録するときは、マイコン110は、画像データのアスペクト比がバッファ111に記憶されているアスペクト比になるように、画像データを処理する。そして、その画像データをメモリカード300が記憶する。すなわち、メモリカード300は、アスペクト比が4:3に設定されているときは、図8Aに示すようにアスペクト比4:3の画像を記憶し、アスペクト比が3:2に設定されているときは、図8Bに示すようにアスペクト比3:2の画像を記憶し、アスペクト比が16:9に設定されているときは、図8Cに示すようにアスペクト比16:9の画像を記憶する。
【0068】
これにより、ライブビューモードにおいても、構図を決めるときの画像のアスペクト比と記録される画像のアスペクト比とを一致させることができるので、使用者の意図に合った画像を記録することができる。さらに、ライブビューモードにおいては、複数のアスペクト比の中からいずれかを選択して、そのアスペクト比に対応する画像を記録可能である。
【0069】
〔2−2.アスペクト比の設定方法〕
記録用画像のアスペクト比を設定する動作について、図9〜図11を参照して説明する。図9は、記録用画像のアスペクト比を設定する動作を説明するためのフローチャートである。図10は、ライブビューモードでのメニュー画面を示す模式図である。図11は、OVFモードでのメニュー画面を示す模式図である。
【0070】
図9において、使用者がメニュー釦140aを押下すると(S901のYesのとき)、マイコン110は、現在設定されているモードがライブビューモードかOVFモードかを判定する(S902)。
【0071】
その結果、ライブビューモードのときは、マイコン110は、バッファ111からアスペクト比として設定されている値を読み出す(S903)。ここでは、アスペクト比として設定されている値を「3:2」とする。そして、マイコン110は、バッファ111からその他のメニュー表示に必要なデータを読み出して、図10Aに示すメニュー画面を液晶モニタ150に表示する。図10Aに示すように、マイコン110は、バッファ111から読み出した「3:2」という値をメニュー画面に表示する(S904)。このアスペクト比の設定値は使用者の操作により変更可能である。具体的には、液晶モニタ150が図10Aに示すメニュー画面を表示している状態において、使用者が十字キー140bの上下釦を押下すると、メニュー画面に表示されたカーソルを上下に移動でき、そのカーソルを「アスペクト比」という項目に合わせることができる。カーソルを「アスペクト比」に合わせると、図10Bに示すようにメニュー画面が変化し、アスペクト比として設定可能な値が全て表示される。このアスペクト比の中から操作者が希望するアスペクト比にカーソルを合わせて、セット釦140cを押下する。すると、アスペクト比は、操作者が希望するアスペクト比に設定され、その値がバッファ111に上書きされる。
【0072】
一方、OVFモードのときは、マイコン110は、図11に示すメニュー画面を液晶モニタ150に表示する(S905)。このメニュー画面では、「アスペクト比」という項目は初めから表示されず、「アスペクト比」の設定値を変更することはできない。
【0073】
このように、バッファ111内に記憶されたアスペクト比に関する情報は、ライブビューモードにおいてのみ変更可能である。そして、後述するように、ライブビューモードにおいてはバッファ111内に記憶するアスペクト比に応じて記録用画像データを生成し、OVFモードにおいてはバッファ111内に記憶するアスペクト比とは関係なく光学式ビューファインダのアスペクト比になるよう記録用画像データを生成する。これにより、ライブビューモードからビューファインダモードに移行したとき、使用者が設定したアスペクト比の画像データを記録可能な状態から光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと自動的に切り替えることができる。さらに、ビューファインダモードからライブビューモードに移行したとき、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態からライブビューモードからビューファインダモードに移行する前に使用者が受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと自動的に切り替えることができる。
【0074】
〔2−3.記録用画像の撮像動作〕
次に、記録用画像の撮像動作について、図12から図14を参照して説明する。記録用画像の撮像動作において、フォーカスの方式は、マニュアルフォーカス方式、シングルフォーカス方式、およびコンティニュアスフォーカス方式などがあるが、ここでは、マニュアルフォーカス方式を例示する。但し、他のフォーカス方式でも本発明は適用可能である。
【0075】
マニュアルフォーカス方式は、ユーザによるフォーカスリング262の操作に応じてフォーカスを変更する方式であり、ユーザの好み通りにフォーカスを設定できる。その反面、マニュアルフォーカス方式では、ユーザが慣れていないとフォーカス合わせに手間取ってしまうという問題がある。以下、図12及び図14を参照して、光学式ビューファインダを用いて撮像する場合と、液晶モニタ150を用いて撮像する場合とに分けて説明する。
【0076】
〔2−3−1 光学式ビューファインダを用いた撮像動作〕
図12は、マニュアルフォーカスモードにおいて、光学式ビューファインダを用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0077】
OVFモードでの撮像の場合、ミラーボックス120の内部は、図1に示す状態Aとなっている。ユーザは、撮像前に、接眼レンズ136を通して被写体像を確認しながら、フォーカスや構図を合わせる。このとき光学式ビューファインダに表示される被写体像のアスペクト比は4:3である。ユーザは、フォーカスを合わせるために、フォーカスリング262を操作する(S1201)。これと並行して、マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたかどうかを監視する(S1202)。
【0078】
マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたことを検知した場合、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を状態Aから状態Bに移行させる(S1203)。この状態で、マイコン110は、CMOSセンサ130に交換レンズ200からの光学的信号を露光し、記録用の記録用画像を撮像させる(S1204)。そして、マイコン110は、シャッタスピードに対応する時間が経過すると、第2シャッタ123bを閉じるようシャッタ駆動部124を制御し、露光を終了させる(状態C)。その後、マイコン110は、ミラーボックス120の内部を状態Aに戻す(S1205)。
【0079】
マイコン110は、CMOSセンサ130で生成された画像データを受けて、バッファ111に一時的に保存する。このとき保存された画像データは、例えば、RGB成分からなる画像データである。マイコン110は、バッファ111に保存された画像データにYC変換処理、リサイズ処理、圧縮処理等の所定の画像処理を施して、記録用の画像データを生成する(S1206)。このときの記録用の画像データは、バッファ111に記憶されているアスペクト比とは関係なく、4:3のアスペクト比を有する画像データとなるように処理される。マイコン110は、最終的には、例えば、Exif規格(EXIF:Exchangeable image file format)に準拠した画像ファイルを生成する。マイコン110は、生成した画像ファイルを、カードスロット153を介して、メモリカード300に記憶させる。
【0080】
ここで、マイコン110が最終的に作成する画像ファイルについて説明する。図13は、その画像ファイルの構造を示す模式図である。画像ファイルは、ヘッダ部D1と画像データ部D2とを含む。画像データ部D2には、記録用の画像データが格納される。ヘッダ部D1は、各種情報格納部D11とサムネイル画像D12とを含む。各種情報格納部D11は、露出条件やホワイトバランス条件、撮像日時等の撮像条件をはじめとする各種の情報が格納される複数の格納部を備える。それらの格納部の一つに、ファインダモード情報格納部D111がある。ファインダモード格納部D111は、「LV」か「OVF」のいずれかを情報として格納する。マイコン110は、ライブビューモードが設定されている場合に撮像動作を行うと、その結果生成される画像ファイルのファインダモード情報格納部D111には「LV」を格納する。これに対して、マイコン110は、OVFモードが設定されている場合に撮像動作を行うと、その結果生成される画像ファイルのファインダモード情報格納部D111には「OVF」を格納する。これにより、生成された画像ファイルのヘッダ部D1を解析することにより、その画像ファイルに含まれる画像データがライブビューモードで生成されたものなのか、OVFモードで生成されたものなのかを容易に把握できる。これを利用して、ユーザは、自らの撮像画像の出来映えとファインダモードとの関係を把握することができる。これによって、写真撮影技術の向上等に役立てることができる。
【0081】
また、ヘッダ部D1は、画像データの横方向の画素数と縦方向の画素数とを格納する。これにより、ヘッダ部D1を解析することにより、その画像データのアスペクト比を容易に把握することができる。また、画素数と併せて、又は画素数に替えて、アスペクト比を示す情報を格納するようにしてもよい。これにより、より直接的に又は容易に画像データのアスペクト比を把握することができる。
【0082】
〔2−3−2.液晶モニタを用いた撮像動作〕
図14は、マニュアルフォーカスモードにおいて、液晶モニタ150を用いた撮像の際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0083】
ライブビューモードでの撮像の場合、ミラーボックス120の内部は、図5に示す状態Bとなっている。ユーザは、撮像前に、液晶モニタ150により被写体像を確認しながら、フォーカスや構図を合わせる。このとき、マイコン110は、バッファ111に設定されているアスペクト比になるように、A/Dコンバータ131から受信した画像データを処理して、液晶モニタ150に表示する。ユーザは、フォーカスを合わせるために、フォーカスリング262を操作する(S1401)。これと並行して、マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたかどうかを監視する(S1402)。
【0084】
マイコン110は、レリーズ釦141が全押し操作されたことを検知した場合、ミラー駆動部122及びシャッタ駆動部124を制御して、ミラーボックス120の内部を状態Bから状態Cを経て状態Aに移行させる(S1403)。このようにミラーボックス120の内部を一旦状態Aにするのは、CMOSセンサ130に入射される光学的信号を一旦シャッタ123a及び123bにより遮断して、CMOSセンサ130に露光開始の準備をさせるためである。露光開始の準備としては、各画素における不要な電荷の除去等が挙げられる。
【0085】
その後のステップS1404〜ステップS1406に示す動作は、上述のステップS1203〜ステップS1205に示す動作と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
露光が終了して、ミラーボックス120の内部が状態Aになると(S1406)、マイコン110は、ミラーボックス120の内部を再び状態Bに戻して、ライブビュー表示を再開させる(S1407)。これと並行して、マイコン110は、CMOSセンサ130で生成された画像データを受けて、バッファ111に一時的に保存する。このとき保存された画像データは、例えば、RGB成分からなる画像データである。マイコン110は、バッファ111に保存された画像データにYC変換処理、リサイズ処理、圧縮処理等の所定の画像処理を施して、記録用の画像データを生成する(S1408)。このときの記録用の画像データは、バッファ111に記憶されているアスペクト比の画像データになるように処理される。マイコン110は、最終的には、例えば、Exif規格に準拠した画像ファイルを生成する。マイコン110は、生成した画像ファイルを、カードスロット153を介して、メモリカード300に記憶させる(1409)。
【0087】
〔3.まとめ〕
本発明の実施の形態にかかるデジタルカメラ10は、被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラー121a、121bを有するデジタルカメラである。デジタルカメラ10は、CMOSセンサ130と、液晶モニタ150と、マイコン110と、操作部140と、カードスロット153とを備える。CMOSセンサ130は、撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。液晶モニタ150は、生成された画像データに基づく画像、又はその画像データに所定の処理を施した画像データに基づく画像を表示する。マイコン110は、生成された画像データ又はその画像データに所定の処理を施した画像データをリアルタイムで動画像として液晶モニタ150に表示するよう制御するライブビューモードと可動ミラー121a、121bが被写体像を光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する。操作部140は、画像のアスペクト比について指示を受け付ける。マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモード時には、操作部140で受け付けたアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比になるように、CMOSセンサ130で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データをメモリカード300に記録する。
【0088】
これにより、ライブビューモード時には、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能である。これは、画像処理技術を用いて記録用画像のアスペクト比を変更しているため、特別な機構を要することなく実現できる。一方、ビューファインダモード時には、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像のみを記録するようにしたため、光学式ビューファインダに表示される画像のアスペクト比と記録用の画像のアスペクト比とを容易に一致させることができる。このため、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能である。
【0089】
したがって、本実施の形態によれば、簡単な機構を用いて、使用者の意図にあった構図で画像を記録可能であって、かつ、複数のアスペクト比の中から使用者が希望するアスペクト比で画像を記録可能なデジタルカメラを提供できる。
【0090】
また、本実施の形態では、ビューファインダモード時には、アスペクト比を変更するための「画像アスペクト」という項目が表示されない。そのため、操作部140は、ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない。これにより、OVFモード時にアスペクト比を変更できないことを使用者に容易に認識させることができる。また、OVFモード時に、ライブビューモード時におけるアスペクト比の設定値を変更することがないので、ライブビューに戻った際に前回の設定で画像データを記録することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ライブビューモードからビューファインダモードに移行したとき、操作部140で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態から光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる。これにより、使用者が意識しないでも、表示用画像と記録用画像のアスペクト比を自動的に一致させることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、マイコン110及びカードスロット153からなる記録手段は、ビューファインダモードからライブビューモードに移行したとき、光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態からライブビューモードからビューファインダモードに移行する前に操作部140で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる。これにより、OVFモードからライブビューモードに復帰した場合に、ライブビューモードで設定したアスペクト比を維持できるので、使用者が意図しないアスペクト比に勝手に切り替わっているということを防ぐことができる。
【0093】
なお、本実施の形態では、ビューファインダモード時には、アスペクト比を変更するための「画像アスペクト」という項目が表示されないようにしたが、これには限らない。例えば、ビューファインダモード時にも「画像アスペクト」という項目を表示しておき、そこに表示されているアスペクト比の設定値を変更できないようにしてもよい。要するに、操作部140が、ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けないようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、可動ミラーを含むとともに被写体像を電子ビューファインダで観察できるデジタルカメラに適用可能である。例えば、デジタル一眼レフカメラ等に適用可能である。また、静止画撮像用のカメラのみならず動画撮像可能なカメラにも適用できる。
【符号の説明】
【0095】
110 マイコン
130 CMOSセンサ
140a メニュー釦
140b 十字キー
140c セット釦
150 液晶モニタ
153 カードスロット
300 メモリカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、
前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、
画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記ライブビューモード時には、前記撮像素子で生成された画像データに基づく画像を、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比で、動画像として前記表示手段に表示するよう、制御する、
デジタルカメラ。
【請求項2】
前記アスペクト比受付手段は、
前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記画像データを記録媒体に記録可能な記録手段を、さらに備え、
前記記録手段は、
前記ライブビューモードから前記ビューファインダモードに移行したとき、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態から前記光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記記録手段は、
前記ビューファインダモードから前記ライブビューモードに移行したとき、前記光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態から前記ライブビューモードから前記ビューファインダモードに移行する前に前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる、請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記ライブビューモード時には、さらに前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比になるように、前記撮像素子で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データを記録媒体に記録するよう、制御する、
請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、
前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、
画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、
前記アスペクト比受付手段は、
前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない、デジタルカメラ。
【請求項1】
被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、
前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、
画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記ライブビューモード時には、前記撮像素子で生成された画像データに基づく画像を、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比で、動画像として前記表示手段に表示するよう、制御する、
デジタルカメラ。
【請求項2】
前記アスペクト比受付手段は、
前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記画像データを記録媒体に記録可能な記録手段を、さらに備え、
前記記録手段は、
前記ライブビューモードから前記ビューファインダモードに移行したとき、前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態から前記光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記記録手段は、
前記ビューファインダモードから前記ライブビューモードに移行したとき、前記光学式ビューファインダのアスペクト比の画像データを記録可能な状態から前記ライブビューモードから前記ビューファインダモードに移行する前に前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比の画像データを記録可能な状態へと切り替わる、請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記ライブビューモード時には、さらに前記アスペクト比受付手段で受け付けたアスペクト比になるように、前記撮像素子で生成された画像データに所定の処理を施し、その画像データを記録媒体に記録するよう、制御する、
請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
被写体像を光学式ビューファインダへと導くために撮像光学系の光路内に対して進退自在に配設される可動ミラーを有するデジタルカメラであって、
前記撮像光学系で形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記生成された画像データに基づく画像をリアルタイムで動画像として前記表示手段に表示するよう制御するライブビューモードと、前記可動ミラーが被写体像を前記光学式ビューファインダへと導くよう制御するビューファインダモードとを有する制御手段と、
画像のアスペクト比について、複数のアスペクト比からいずれかを選択する指示を受け付けるアスペクト比受付手段と、を備え、
前記アスペクト比受付手段は、
前記ビューファインダモード時には、画像のアスペクト比についての指示を受け付けない、デジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−182441(P2011−182441A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93827(P2011−93827)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【分割の表示】特願2007−160620(P2007−160620)の分割
【原出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【分割の表示】特願2007−160620(P2007−160620)の分割
【原出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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