デュアルインターフェイス型ICカードおよびその製造方法
【課題】本発明の解決しようとする課題は、クリーム半田溶融時のフラックス飛散による障害を防止することが可能な、デュアルインターフェイスICカードの細部の構造ならびに製造方法を提案するものである。
【解決手段】接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設け、該空間に、前記接続部と半田バンプを熱融着する際に用いる接続部材から発生するフラックスを捕捉できるようにしたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【解決手段】接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設け、該空間に、前記接続部と半田バンプを熱融着する際に用いる接続部材から発生するフラックスを捕捉できるようにしたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続端子を備え、接触式および非接触式の2種類の通信インターフェイスを有するデュアルインターフェイス型ICカードと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを内蔵し、外部とのデータのやりとりが可能なICカードは、従来のクレジットカード用途に加え、キャッシュカードや交通カード、さらには電子マネー等さまざまな用途に広く用いられるようになってきた。
【0003】
ICカードの高機能化、多機能化の流れの一つとして、インターフェイスの複数化がある。ICカードの通信方式には、大別して接触式と非接触式の2種類があり、この両方のインターフェイスを持ったICカードとして、それぞれの機能を持ったICを1個づつ具えたハイブリッド型と、両方の機能を持ったICを1個具えたデュアルインターフェイス型とが存在する。一般にハイブリッド型は、それぞれの通信方式によるデータが独立していて、共用することができないのに対して、デュアルインターフェイス型では、データを共用することができるため、その特徴を生かして、さまざまな分野に利用が広がっている。
【0004】
先に出願人は、特許文献1において、ICカード用外部接続端子基板とこれを用いたデュアルインターフェイス型ICカードおよびその製造方法について提案した。特許文献1に記載されたICカード用外部接続端子基板は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に設けた外部接続端子と、貫通孔内において外部接続端子と電気的に接続され、基板の他方の面から突出した半田バンプとを具えたことを特徴とする外部接続端子基板である。
【0005】
また特許文献1に記載された、デュアルインターフェイス型ICカードは、カード本体と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、アンテナパターンに電気的に接続されたICチップとを有し、ICチップと電気的に接続された接続部の少なくとも一部を露出させて前記カード本体に埋設されたインレットと、前記接続部に電気的に接続された前記ICカード用外部接続端子基板とを備えることを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0006】
また特許文献1に記載された、デュアルインターフェイス型ICカードの製造方法は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続基板を、接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法である。
【0007】
この製造方法によれば、アンテナパターンと、これに電気的に接続されたICチップと、外部接続端子を接続するための接続部とを具えたインレットをカード本体に埋設する前に、共振周波数が所定の値を示すようにチューニングすることが可能であるため、非接触通信特性のばらつきが少ないICカードが得られるという利点の他、外部接続端子基板をカード本体に一体化させる工程において、熱圧による一体化と同時に前記インレットの接続部と外部接続端子基板の裏面に設けた半田バンプとを接続部材を介して電気的に接続するため、両者の接続が確実に行なわれ、品質の安定したデュアルインターフェイス型ICカードが、安価に製造できるという特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-182212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されたデュアルインターフェイスICカードの製造方法によれば、外部接続端子基板を収納するために、カード本体の第1部材に設けた凹部に、前記外部接続端子基板の裏面に突出した半田バンプが丁度納まる接続孔を予め設けておき、インレット埋設後、この接続孔を介して、インレットの接続部上に接続部材であるクリーム半田を供給した後、半田バンプを挿入して熱圧着し、外部接続端子基板を一体化するのであるが、この時、クリーム半田中のフラックスが蒸散し、カードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面に付着して、まれに不具合を生じる危険性があることが判明した。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、クリーム半田溶融時のフラックス飛散による障害を防止することが可能な、デュアルインターフェイスICカードの細部の構造ならびに製造方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記外部接続端子基板は、絶縁性の基板の表面側に設けられた複数の外部接続端子と、各外部接続端子に対応して設けられ、基板を貫通する複数の貫通孔と、基板の裏面側に各貫通孔から突出して形成され、各貫通孔内において各外部接続端子に接続された複数の半田バンプを有しており、前記インレットは、基材シート上に形成されたアンテナパターンと、前記外部接続端子基板の各半田バンプと接続するための複数の接続部と、該接続部と前記アンテナパターンとに接続されたICチップとを少なくとも具えており、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設けたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記空間が、前記カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものであることを特徴とする請求項1に記載のデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続端子基板を、前記第1工程で使用される半田よりも融点の低い半田を含む接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して、前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードは、外部接続端子基板と、アンテナやICチップを備えたインレットと、カード本体の3つの部材のみからなり、それぞれの部材を事前に十分調製した上でICカードとして一体化することができる構造となっている。この事は、それぞれの部材の品質特性を前もって一定レベル以上に揃えることが可能であることを意味する。例えば、外部接続端子基板であれば、各外部接続端子と各々対応する裏面の半田バンプとの導通や、半田バンプの高さの均一性などを事前にチェックすることができる。またインレットであれば、アンテナの共振周波数を確認し、必要に応じてコンデンサパターンを補正したりすることができる。これらのことは、本発明に係るICカードの品質が常に安定したものとなることを意味している。
【0015】
インレットに設けられた接続部と、外部接続端子基板の裏面に設けられた半田バンプとの電気的な接続を確実なものとするために、本発明においてはカード本体の上面に外部接続端子基板を収納可能な凹部を設け、凹部の底面には、外部接続端子基板裏面の半田バンプを挿入可能な接続孔を設けたので、カード本体に対して外部接続端子基板の位置が一意的に決定され、一体化の工程において位置ずれが生じることがない。
【0016】
カード本体の凹部の底面に設けた各接続孔の上部周縁に空間を設けたことにより、この空間に、前記接続部と半田バンプを熱融着する際に用いる接続部材から発生するフラックスが捕捉され、その結果、発生したフラックスの蒸気が飛散してカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面に付着して、汚染、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがなくなった。
【0017】
また、前記空間を、カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものとした場合には、特別の部材や工程を追加する必要もなく、容易に本発明の目的を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの外観を示した模式図である。
【図2】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの層構造を示した説明図である。
【図3】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードに用いる外部接続端子基板の断面構造を示した断面模式図である。
【図4】(a)〜(c)は、同外部接続端子基板の製造過程を示す断面説明図である。
【図5】(a)、(b)は、インレットのチューニングの一例を示す説明図である。
【図6】インレットのカード本体への埋設工程を示す断面説明図である。
【図7】カード本体に凹部が設けられた状態を示す断面模式図である。
【図8】カード本体に設けられた凹部の部分拡大断面模式図である。
【図9】図3に示した外部接続端子基板をカード本体の凹部に装着した状態を示した断面模式図である。
【図10】カード本体に設けた凹部の一実施態様を示した平面模式図である。
【図11】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の一実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図12】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の他の実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図13】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の他の実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図14】カード本体に設けた凹部の他の実施態様を示した平面模式図である。
【図15】外部接続端子基板の裏面に切欠き部を設けた接着シートを仮着した状態を示した平面模式図である。
【図16】外部接続端子基板の裏面に切欠き部を設けた接着シートを仮着した状態を示した平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面を参照しながら、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードとその製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの外観を示した模式図である。本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカード1は、外観上は一般的なデュアルインターフェイス型ICカードと変わるところはない。外部と接触式通信を行なうための外部接続端子基板3がカード本体2に埋設された状態になっている。
【0020】
図2は、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの層構造を示した説明図である。図2に示すように、カード本体2は、上側の第1部材2Aと下側の第2部材2Bとからなり、各部材の間に接触式及び非接触式通信を行うためのインレット4が挟み込まれるように埋設されている。カード本体2の材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、非結晶性ポリエチレンテレフタレートコポリマー(PET−G)等を好適に採用することができる。
【0021】
インレット4は、ICチップ5と、ICチップ5と電気的に接続されたアンテナシート6とを備えている。アンテナシート6は、絶縁性と可撓性とを有し、かつ強靭な基材シート7と、基材シート7上に銅やアルミ等の導体によって形成された導体パターン8とを有している。
【0022】
基材シート7の厚みは15μmから200μm程度までの範囲で設定可能であり、材料としては、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等の各種樹脂を好適に採用することができる。
【0023】
導体パターン8は、エッチング等によって、基材シート7上に20μmから50μm程度の厚さに形成されており、非接触式通信用のコイル状のアンテナパターン9と、ICチップ5と外部接続端子基板3とを接続するための接続部10と、共振周波数調整用のコンデンサパターン11とから構成されている。
【0024】
ICチップ5は、下面に設けられた図示しないバンプが、異方性導電性フィルム(ACF)等を介してフリップチップ実装によってアンテナパターン9及び接続部10と電気的に接続されている。必要に応じて封止用樹脂や金属板を用いて実装後のICチップ5を保護してもよい。
【0025】
図3は、外部接続端子基板3の断面構造を示した断面模式図である。外部接続端子基板3は、絶縁性の基板12と、基板12の一方の面に設けられた複数の外部接続端子13と、外部接続端子13と電気的に接続された半田バンプ14とを備えて構成されている。
【0026】
基板12は、絶縁性の材料から形成されており、直径0.5mmから1.0mm程度の複数の貫通孔12Aが設けられている。基板12の材料としては、後述する半田バンプ1
4の形成工程において高熱が加えられるため、耐熱性を有するものが好ましく、例えばガラスエポキシ(エポキシ樹脂含浸ガラス繊維積層板)等を好適に採用することができる。
【0027】
外部接続端子13は、銅箔パターン等により形成されている。当該銅箔パターンには、必要に応じてニッケルメッキ及び接触抵抗低減のための金メッキが施されてもよい。半田バンプ14は、貫通孔12Aに半田が充填されて形成されており、外部接続端子13と電気的に接続されて外部接続端子12と反対側の面に突出している。
【0028】
半田バンプ14の突出高さや径、及び半田バンプ14の径に影響を及ぼす貫通孔12Aの径等は、カード本体2の厚みや、後述する凹部15及び接続孔16の寸法等を考慮して適宜決定される。なお、半田バンプ14の形成方法を含む外部接続端子基板3の製造方法については後述する。
【0029】
図2に示すように、カード本体2の第1部材2Aには、ザグリ加工(ミーリング加工)等によって、外部接続端子基板3を配置するための凹部15が設けられている。凹部15の底面には、接続部10と半田バンプ14とを電気的に接続するための接続孔16が複数設けられている。各々の接続孔16は、インレット4の各々の接続部10の端部に対応した位置に設けられており、インレット4がカード本体2に埋設されたときに、接続部10の各々の端部がそれぞれの接続孔16に露出されるようになっている。なお、接続部10の端部を良好に露出させるために、必要に応じて図2に示すように、接続部10の端部を面積の大きいパッド状に形成してもよい。また、外部接続端子基板3の各々の半田バンプ14も、接続孔16に対応した位置に設けられるのは言うまでもない。
【0030】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードにおける最も特徴的な部分は、この接続孔16に付随した部分の構造に関連しているが、これについては、以下に記すデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法に関する説明の中で順次行なって行く。
【0031】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法は、要約すると外部接続端子基板3を製造する第1工程と、インレット4をカード本体2に埋設する第2工程と、外部接続端子基板3をカード本体2に接合して、インレット4のICチップ5と接続する第3工程とを備えている。
【0032】
第1工程においては、まず図4(a)に示すように、基板12に貫通孔12Aを形成し、一方の面に外部接続端子13を形成する。そして、図4(b)に示すように外部接続端子13と反対側の面から、貫通孔12Aに、貫通孔12Aの容積より若干多い量の半田17を充填塗布する。半田17の塗布は、外部接続端子13と反対側の面を貫通孔12A及びその周辺の一定範囲を除いてマスキングし、クリーム半田をスクリーン印刷すると容易に行える。上記方法以外に、貫通孔12A内にディスペンサを用いてクリーム半田を塗布する、貫通孔12A内にフラックスをディスペンサ塗布したあとに半田ボールをマウントする等の各種の公知の方法が採用されてもよい。
【0033】
次に、半田が塗布された基板12を、リフロー炉に入れ、半田17に応じた温度プロファイルで半田17を溶融、固化させる。半田17は図4(c)に示すように、セルフアライメント効果によって、貫通孔12Aの中心を頂点として略球面状に基板上に突出する。このようにして、外部接続端子13と電気的に接続された半田バンプ14を有する外部接続端子基板3が形成される。
【0034】
なお、本実施形態においては、Sn−3.5Ag(固相温度約220℃)の半田合金を使用して各々の貫通孔12Aに約1.5ミリグラム(mg)のクリーム半田を塗布し、基板12からの突出高さが約150μmの半田バンプ14が形成されている。上記は一例で
あり、使用する半田の種類や半田バンプ14の寸法等は、適宜決定されてよい。
【0035】
次に、第2工程について説明する。まず、インレット4を形成する。基材シート7にエッチング等によって導体パターン8を形成し、ICチップ5を実装する。インレット4が完成したあと、共振周波数が一定の値を示すように、コンデンサパターン11をチューニングして通信特性を調節する。
【0036】
チューニングは、アンテナパターン9及びICチップ5のリアクタンス値及びキャパシタ値が合成された状態で共振周波数を測定し、最適な共振周波数を得られるキャパシタ狙い値との誤差分を補正するように、任意の位置でコンデンサパターン11を切断することによって行う。例えば、図5(a)に示すように、位置P1に貫通孔を設けてコンデンサパターン11を切断した場合、図5(b)に示すように位置P2に貫通孔を設けてコンデンサパターンを切断した場合に比べて、ICチップ5と電気的に接続されたコンデンサ構造の個数が少なくなる。このようにしてキャパシタ値の調整を行うことができる。
【0037】
チューニングが終了したインレット4を、図6に示すように、第1部材2Aと第2部材2Bとの間に挟みこみ、熱成形する。これによって、カード本体2内にインレット4が埋設される。
【0038】
次に、カード本体2の第1部材2A側にザグリ加工等を施して、図7に示すように凹部15を形成する。凹部15の形成位置は、ISO7816に従う。そして、凹部15の底面をさらに掘り込み加工し、接続孔16を形成する。接続孔16は、インレット4の各々の接続部10の端部が露出するように形成される。なお、図6と図7は、異なる部分の断面を示している。
【0039】
図8は、カード本体2に設けられた凹部15の部分拡大断面模式図である。凹部15は、外部接続端子基板3を収納可能であり、凹部15の底面には、外部接続端子基板3の裏面に突出した複数の半田バンプ14を挿入可能な複数の接続孔16が設けられており、この実施態様においては、さらに各接続孔16の上部周縁に、接続孔周縁の切欠きによる空間19が設けられている。この空間に、後述するように接続部10と半田バンプ14を熱融着する際に用いる接続部材17Aから発生するフラックスを捕捉できるようにしたことを特徴としている。
【0040】
続いて、第3工程に移る。図8に示すように、接続部10が露出した接続孔16にクリーム半田(接続部材)17Aを塗布する。塗布量は、一般的な表面実装部品(SMD)搭載用の半田メッキと同程度の、一点あたり1〜2mgで充分である。なぜなら、後述する外部接続端子基板3の接合時に、半田バンプ14が接続孔16の大部分を埋めるように挿入されるため、半田バンプ14と接続部10との接続が確保される程度で足りるからである。
【0041】
使用するクリーム半田17Aは、溶融・接合時にカード本体2に影響を与えない程度の温度プロファイルを有するものであれば特に制限はない。ただし、Sn−57Bi−1Ag(固相温度140℃)、Sn−8Zn―3Bi(固相温度190℃)のような低融点の半田合金を含むクリーム半田を用いて、半田バンプ14を形成する半田17よりもクリーム半田17Aの融点を低くすると、後述する外部接続端子基板3の接合時に半田バンプ14が溶融して、接続部10側に流れ落ちる可能性がなくなる。したがって、半田バンプ14と外部接続端子13との電気的接続を確実に保持することができ、好ましい。
【0042】
次に、外部接続端子基板3を凹部15に装着する。このとき、半田バンプ14の先端が略球面状に突出しており、接続孔16に誘い込まれて挿入されるので、外部接続端子基板
3とカード本体2との位置あわせが良好に行われる。装着後、図9に示すように、外部接続端子基板3とカード本体2とを一体に接合する。接合は、外部接続端子基板3とカード本体2との間に、ポリエステル系やニトリルゴム系等のホットメルトタイプの接着シート18等を介装し、熱圧着することによって行う。
【0043】
上述の熱圧着の際に、同時に接続部材であるクリーム半田17Aを溶融させ、接続孔16に挿入された半田バンプ14とインレットの接続部10とを電気的に接合する。このとき、導体パターン8を銅で形成していると、クリーム半田17Aの半田合金と接続部10とが合金化するため、両者の接続を良好に行うことができる。なお、本実施形態における熱圧着の条件は、プレス温度180℃〜240℃、プレス時間1〜4秒、圧力0.5〜1.5MPa程度であるが、これは、使用する半田に応じて適宜変更されてよい。
【0044】
この工程において、接続部材であるクリーム半田17Aが溶融する際に発生するフラックスの蒸気が、時によってカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面等に付着して、汚染による外観不良、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがある。
【0045】
そこで、この問題を防止するため、本発明においては、発生したフラックスの蒸気を捕捉する空間を設けたことを特徴とする。図10は、カード本体2に設けた凹部15の一実施態様を示した平面模式図であり、図8に示した凹部15の部分拡大断面模式図に対応する平面模式図である。この実施態様においては、凹部15底面の各接続孔16の上部周縁に、円板状の切欠き19を設けたものである。接続孔周縁の切欠き19は、接続孔16と同心円状に形成されている。接続孔周縁の切欠き19の大きさとしては、例えば直径3.0mm、深さ0.050mm程度が適当である。
【0046】
この接続孔周縁の切欠き19は、同心円状に限らず、図14に示したように、楕円板状でもよい。楕円板状とした場合は、形状を工夫することにより、空間の容積を増やすことができる。なお空間の形状については、特に円形や楕円形に限定されるものではないが、切削加工の容易さの点で円形や楕円形は好ましい形状である。
【0047】
図11〜13は、インレットの接続部10と、外部接続端子基板3の半田バンプ14との接続部分に設けた空間の3通りの実施態様を示した拡大断面模式図である。図11に示した実施態様においては、カード本体2の凹部15の底面に設けた接続孔16の上部周縁に切欠き19が設けられたことによって空間が形成されている。図12に示した実施態様においては、カード本体2に設けた凹部15と外部接続端子基板3との間に挿入する接着シート18に円板状または楕円板状の切欠き20を設けたことによって空間が形成されている。また図13に示した実施態様においては、これらを併用した形になっている。このように、カード本体に設ける切欠き19による空間と接着シートの切欠き20による空間を併用することにより、より大きな空間を確保することが可能となり、よりその効果が増す。これらのいずれの形態を選択するかについては、発生するフラックスの蒸気量に応じて適宜選択することができる。
【0048】
図15、図16は、外部接続端子基板3の裏面に切欠き部20を設けた接着シート18を仮着した状態を示した平面模式図である。図15の実施態様においては、接着シート18に半田バンプ14に対して同心円状に切欠き20が設けられている。図16の実施態様においては、接着シート18に楕円板状に切欠き20が設けられている。接着シートの切欠き20の大きさとしては、例えば直径3.0mm程度が適当である。
【0049】
このように、接続孔16の上部周縁に空間を設けたことにより、接続部材であるクリーム半田17Aが溶融する際に発生するフラックスの蒸気が、この空間に捕捉されるため、
フラックスの蒸気がカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面等に付着して、汚染による外観不良、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがなくなる。
【0050】
熱圧着が終了すると、外部接続端子基板3がインレット4の接続部10と電気的に接続された状態でカード本体2に接合され、デュアルインターフェイス型ICカード1が完成する。
【符号の説明】
【0051】
1・・・デュアルインターフェイス型ICカード
2・・・カード本体
2A・・・第1部材
2B・・・第2部材
3・・・外部接続端子基板
4・・・インレット
5・・・ICチップ
6・・・アンテナシート
7・・・基材シート
8・・・導体パターン
9・・・アンテナパターン
10・・・接続部
11・・・コンデンサパターン
12・・・絶縁性の基板
12A・・・貫通孔
13・・・外部接続端子
14・・・半田バンプ
15・・・凹部
16・・・接続孔
17・・・半田
17A・・・接続部材(クリーム半田)
18・・・接着シート
19・・・接続孔周縁の切欠き
20・・・接着シートの切欠き
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続端子を備え、接触式および非接触式の2種類の通信インターフェイスを有するデュアルインターフェイス型ICカードと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを内蔵し、外部とのデータのやりとりが可能なICカードは、従来のクレジットカード用途に加え、キャッシュカードや交通カード、さらには電子マネー等さまざまな用途に広く用いられるようになってきた。
【0003】
ICカードの高機能化、多機能化の流れの一つとして、インターフェイスの複数化がある。ICカードの通信方式には、大別して接触式と非接触式の2種類があり、この両方のインターフェイスを持ったICカードとして、それぞれの機能を持ったICを1個づつ具えたハイブリッド型と、両方の機能を持ったICを1個具えたデュアルインターフェイス型とが存在する。一般にハイブリッド型は、それぞれの通信方式によるデータが独立していて、共用することができないのに対して、デュアルインターフェイス型では、データを共用することができるため、その特徴を生かして、さまざまな分野に利用が広がっている。
【0004】
先に出願人は、特許文献1において、ICカード用外部接続端子基板とこれを用いたデュアルインターフェイス型ICカードおよびその製造方法について提案した。特許文献1に記載されたICカード用外部接続端子基板は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に設けた外部接続端子と、貫通孔内において外部接続端子と電気的に接続され、基板の他方の面から突出した半田バンプとを具えたことを特徴とする外部接続端子基板である。
【0005】
また特許文献1に記載された、デュアルインターフェイス型ICカードは、カード本体と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、アンテナパターンに電気的に接続されたICチップとを有し、ICチップと電気的に接続された接続部の少なくとも一部を露出させて前記カード本体に埋設されたインレットと、前記接続部に電気的に接続された前記ICカード用外部接続端子基板とを備えることを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0006】
また特許文献1に記載された、デュアルインターフェイス型ICカードの製造方法は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続基板を、接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法である。
【0007】
この製造方法によれば、アンテナパターンと、これに電気的に接続されたICチップと、外部接続端子を接続するための接続部とを具えたインレットをカード本体に埋設する前に、共振周波数が所定の値を示すようにチューニングすることが可能であるため、非接触通信特性のばらつきが少ないICカードが得られるという利点の他、外部接続端子基板をカード本体に一体化させる工程において、熱圧による一体化と同時に前記インレットの接続部と外部接続端子基板の裏面に設けた半田バンプとを接続部材を介して電気的に接続するため、両者の接続が確実に行なわれ、品質の安定したデュアルインターフェイス型ICカードが、安価に製造できるという特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-182212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されたデュアルインターフェイスICカードの製造方法によれば、外部接続端子基板を収納するために、カード本体の第1部材に設けた凹部に、前記外部接続端子基板の裏面に突出した半田バンプが丁度納まる接続孔を予め設けておき、インレット埋設後、この接続孔を介して、インレットの接続部上に接続部材であるクリーム半田を供給した後、半田バンプを挿入して熱圧着し、外部接続端子基板を一体化するのであるが、この時、クリーム半田中のフラックスが蒸散し、カードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面に付着して、まれに不具合を生じる危険性があることが判明した。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、クリーム半田溶融時のフラックス飛散による障害を防止することが可能な、デュアルインターフェイスICカードの細部の構造ならびに製造方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記外部接続端子基板は、絶縁性の基板の表面側に設けられた複数の外部接続端子と、各外部接続端子に対応して設けられ、基板を貫通する複数の貫通孔と、基板の裏面側に各貫通孔から突出して形成され、各貫通孔内において各外部接続端子に接続された複数の半田バンプを有しており、前記インレットは、基材シート上に形成されたアンテナパターンと、前記外部接続端子基板の各半田バンプと接続するための複数の接続部と、該接続部と前記アンテナパターンとに接続されたICチップとを少なくとも具えており、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設けたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記空間が、前記カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものであることを特徴とする請求項1に記載のデュアルインターフェイス型ICカードである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続端子基板を、前記第1工程で使用される半田よりも融点の低い半田を含む接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して、前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードは、外部接続端子基板と、アンテナやICチップを備えたインレットと、カード本体の3つの部材のみからなり、それぞれの部材を事前に十分調製した上でICカードとして一体化することができる構造となっている。この事は、それぞれの部材の品質特性を前もって一定レベル以上に揃えることが可能であることを意味する。例えば、外部接続端子基板であれば、各外部接続端子と各々対応する裏面の半田バンプとの導通や、半田バンプの高さの均一性などを事前にチェックすることができる。またインレットであれば、アンテナの共振周波数を確認し、必要に応じてコンデンサパターンを補正したりすることができる。これらのことは、本発明に係るICカードの品質が常に安定したものとなることを意味している。
【0015】
インレットに設けられた接続部と、外部接続端子基板の裏面に設けられた半田バンプとの電気的な接続を確実なものとするために、本発明においてはカード本体の上面に外部接続端子基板を収納可能な凹部を設け、凹部の底面には、外部接続端子基板裏面の半田バンプを挿入可能な接続孔を設けたので、カード本体に対して外部接続端子基板の位置が一意的に決定され、一体化の工程において位置ずれが生じることがない。
【0016】
カード本体の凹部の底面に設けた各接続孔の上部周縁に空間を設けたことにより、この空間に、前記接続部と半田バンプを熱融着する際に用いる接続部材から発生するフラックスが捕捉され、その結果、発生したフラックスの蒸気が飛散してカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面に付着して、汚染、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがなくなった。
【0017】
また、前記空間を、カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものとした場合には、特別の部材や工程を追加する必要もなく、容易に本発明の目的を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの外観を示した模式図である。
【図2】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの層構造を示した説明図である。
【図3】本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードに用いる外部接続端子基板の断面構造を示した断面模式図である。
【図4】(a)〜(c)は、同外部接続端子基板の製造過程を示す断面説明図である。
【図5】(a)、(b)は、インレットのチューニングの一例を示す説明図である。
【図6】インレットのカード本体への埋設工程を示す断面説明図である。
【図7】カード本体に凹部が設けられた状態を示す断面模式図である。
【図8】カード本体に設けられた凹部の部分拡大断面模式図である。
【図9】図3に示した外部接続端子基板をカード本体の凹部に装着した状態を示した断面模式図である。
【図10】カード本体に設けた凹部の一実施態様を示した平面模式図である。
【図11】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の一実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図12】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の他の実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図13】インレットの接続部と、外部接続端子基板の半田バンプとの接続部分に設けた空間の他の実施態様を示した拡大断面模式図である。
【図14】カード本体に設けた凹部の他の実施態様を示した平面模式図である。
【図15】外部接続端子基板の裏面に切欠き部を設けた接着シートを仮着した状態を示した平面模式図である。
【図16】外部接続端子基板の裏面に切欠き部を設けた接着シートを仮着した状態を示した平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面を参照しながら、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードとその製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの外観を示した模式図である。本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカード1は、外観上は一般的なデュアルインターフェイス型ICカードと変わるところはない。外部と接触式通信を行なうための外部接続端子基板3がカード本体2に埋設された状態になっている。
【0020】
図2は、本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの層構造を示した説明図である。図2に示すように、カード本体2は、上側の第1部材2Aと下側の第2部材2Bとからなり、各部材の間に接触式及び非接触式通信を行うためのインレット4が挟み込まれるように埋設されている。カード本体2の材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、非結晶性ポリエチレンテレフタレートコポリマー(PET−G)等を好適に採用することができる。
【0021】
インレット4は、ICチップ5と、ICチップ5と電気的に接続されたアンテナシート6とを備えている。アンテナシート6は、絶縁性と可撓性とを有し、かつ強靭な基材シート7と、基材シート7上に銅やアルミ等の導体によって形成された導体パターン8とを有している。
【0022】
基材シート7の厚みは15μmから200μm程度までの範囲で設定可能であり、材料としては、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等の各種樹脂を好適に採用することができる。
【0023】
導体パターン8は、エッチング等によって、基材シート7上に20μmから50μm程度の厚さに形成されており、非接触式通信用のコイル状のアンテナパターン9と、ICチップ5と外部接続端子基板3とを接続するための接続部10と、共振周波数調整用のコンデンサパターン11とから構成されている。
【0024】
ICチップ5は、下面に設けられた図示しないバンプが、異方性導電性フィルム(ACF)等を介してフリップチップ実装によってアンテナパターン9及び接続部10と電気的に接続されている。必要に応じて封止用樹脂や金属板を用いて実装後のICチップ5を保護してもよい。
【0025】
図3は、外部接続端子基板3の断面構造を示した断面模式図である。外部接続端子基板3は、絶縁性の基板12と、基板12の一方の面に設けられた複数の外部接続端子13と、外部接続端子13と電気的に接続された半田バンプ14とを備えて構成されている。
【0026】
基板12は、絶縁性の材料から形成されており、直径0.5mmから1.0mm程度の複数の貫通孔12Aが設けられている。基板12の材料としては、後述する半田バンプ1
4の形成工程において高熱が加えられるため、耐熱性を有するものが好ましく、例えばガラスエポキシ(エポキシ樹脂含浸ガラス繊維積層板)等を好適に採用することができる。
【0027】
外部接続端子13は、銅箔パターン等により形成されている。当該銅箔パターンには、必要に応じてニッケルメッキ及び接触抵抗低減のための金メッキが施されてもよい。半田バンプ14は、貫通孔12Aに半田が充填されて形成されており、外部接続端子13と電気的に接続されて外部接続端子12と反対側の面に突出している。
【0028】
半田バンプ14の突出高さや径、及び半田バンプ14の径に影響を及ぼす貫通孔12Aの径等は、カード本体2の厚みや、後述する凹部15及び接続孔16の寸法等を考慮して適宜決定される。なお、半田バンプ14の形成方法を含む外部接続端子基板3の製造方法については後述する。
【0029】
図2に示すように、カード本体2の第1部材2Aには、ザグリ加工(ミーリング加工)等によって、外部接続端子基板3を配置するための凹部15が設けられている。凹部15の底面には、接続部10と半田バンプ14とを電気的に接続するための接続孔16が複数設けられている。各々の接続孔16は、インレット4の各々の接続部10の端部に対応した位置に設けられており、インレット4がカード本体2に埋設されたときに、接続部10の各々の端部がそれぞれの接続孔16に露出されるようになっている。なお、接続部10の端部を良好に露出させるために、必要に応じて図2に示すように、接続部10の端部を面積の大きいパッド状に形成してもよい。また、外部接続端子基板3の各々の半田バンプ14も、接続孔16に対応した位置に設けられるのは言うまでもない。
【0030】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードにおける最も特徴的な部分は、この接続孔16に付随した部分の構造に関連しているが、これについては、以下に記すデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法に関する説明の中で順次行なって行く。
【0031】
本発明に係るデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法は、要約すると外部接続端子基板3を製造する第1工程と、インレット4をカード本体2に埋設する第2工程と、外部接続端子基板3をカード本体2に接合して、インレット4のICチップ5と接続する第3工程とを備えている。
【0032】
第1工程においては、まず図4(a)に示すように、基板12に貫通孔12Aを形成し、一方の面に外部接続端子13を形成する。そして、図4(b)に示すように外部接続端子13と反対側の面から、貫通孔12Aに、貫通孔12Aの容積より若干多い量の半田17を充填塗布する。半田17の塗布は、外部接続端子13と反対側の面を貫通孔12A及びその周辺の一定範囲を除いてマスキングし、クリーム半田をスクリーン印刷すると容易に行える。上記方法以外に、貫通孔12A内にディスペンサを用いてクリーム半田を塗布する、貫通孔12A内にフラックスをディスペンサ塗布したあとに半田ボールをマウントする等の各種の公知の方法が採用されてもよい。
【0033】
次に、半田が塗布された基板12を、リフロー炉に入れ、半田17に応じた温度プロファイルで半田17を溶融、固化させる。半田17は図4(c)に示すように、セルフアライメント効果によって、貫通孔12Aの中心を頂点として略球面状に基板上に突出する。このようにして、外部接続端子13と電気的に接続された半田バンプ14を有する外部接続端子基板3が形成される。
【0034】
なお、本実施形態においては、Sn−3.5Ag(固相温度約220℃)の半田合金を使用して各々の貫通孔12Aに約1.5ミリグラム(mg)のクリーム半田を塗布し、基板12からの突出高さが約150μmの半田バンプ14が形成されている。上記は一例で
あり、使用する半田の種類や半田バンプ14の寸法等は、適宜決定されてよい。
【0035】
次に、第2工程について説明する。まず、インレット4を形成する。基材シート7にエッチング等によって導体パターン8を形成し、ICチップ5を実装する。インレット4が完成したあと、共振周波数が一定の値を示すように、コンデンサパターン11をチューニングして通信特性を調節する。
【0036】
チューニングは、アンテナパターン9及びICチップ5のリアクタンス値及びキャパシタ値が合成された状態で共振周波数を測定し、最適な共振周波数を得られるキャパシタ狙い値との誤差分を補正するように、任意の位置でコンデンサパターン11を切断することによって行う。例えば、図5(a)に示すように、位置P1に貫通孔を設けてコンデンサパターン11を切断した場合、図5(b)に示すように位置P2に貫通孔を設けてコンデンサパターンを切断した場合に比べて、ICチップ5と電気的に接続されたコンデンサ構造の個数が少なくなる。このようにしてキャパシタ値の調整を行うことができる。
【0037】
チューニングが終了したインレット4を、図6に示すように、第1部材2Aと第2部材2Bとの間に挟みこみ、熱成形する。これによって、カード本体2内にインレット4が埋設される。
【0038】
次に、カード本体2の第1部材2A側にザグリ加工等を施して、図7に示すように凹部15を形成する。凹部15の形成位置は、ISO7816に従う。そして、凹部15の底面をさらに掘り込み加工し、接続孔16を形成する。接続孔16は、インレット4の各々の接続部10の端部が露出するように形成される。なお、図6と図7は、異なる部分の断面を示している。
【0039】
図8は、カード本体2に設けられた凹部15の部分拡大断面模式図である。凹部15は、外部接続端子基板3を収納可能であり、凹部15の底面には、外部接続端子基板3の裏面に突出した複数の半田バンプ14を挿入可能な複数の接続孔16が設けられており、この実施態様においては、さらに各接続孔16の上部周縁に、接続孔周縁の切欠きによる空間19が設けられている。この空間に、後述するように接続部10と半田バンプ14を熱融着する際に用いる接続部材17Aから発生するフラックスを捕捉できるようにしたことを特徴としている。
【0040】
続いて、第3工程に移る。図8に示すように、接続部10が露出した接続孔16にクリーム半田(接続部材)17Aを塗布する。塗布量は、一般的な表面実装部品(SMD)搭載用の半田メッキと同程度の、一点あたり1〜2mgで充分である。なぜなら、後述する外部接続端子基板3の接合時に、半田バンプ14が接続孔16の大部分を埋めるように挿入されるため、半田バンプ14と接続部10との接続が確保される程度で足りるからである。
【0041】
使用するクリーム半田17Aは、溶融・接合時にカード本体2に影響を与えない程度の温度プロファイルを有するものであれば特に制限はない。ただし、Sn−57Bi−1Ag(固相温度140℃)、Sn−8Zn―3Bi(固相温度190℃)のような低融点の半田合金を含むクリーム半田を用いて、半田バンプ14を形成する半田17よりもクリーム半田17Aの融点を低くすると、後述する外部接続端子基板3の接合時に半田バンプ14が溶融して、接続部10側に流れ落ちる可能性がなくなる。したがって、半田バンプ14と外部接続端子13との電気的接続を確実に保持することができ、好ましい。
【0042】
次に、外部接続端子基板3を凹部15に装着する。このとき、半田バンプ14の先端が略球面状に突出しており、接続孔16に誘い込まれて挿入されるので、外部接続端子基板
3とカード本体2との位置あわせが良好に行われる。装着後、図9に示すように、外部接続端子基板3とカード本体2とを一体に接合する。接合は、外部接続端子基板3とカード本体2との間に、ポリエステル系やニトリルゴム系等のホットメルトタイプの接着シート18等を介装し、熱圧着することによって行う。
【0043】
上述の熱圧着の際に、同時に接続部材であるクリーム半田17Aを溶融させ、接続孔16に挿入された半田バンプ14とインレットの接続部10とを電気的に接合する。このとき、導体パターン8を銅で形成していると、クリーム半田17Aの半田合金と接続部10とが合金化するため、両者の接続を良好に行うことができる。なお、本実施形態における熱圧着の条件は、プレス温度180℃〜240℃、プレス時間1〜4秒、圧力0.5〜1.5MPa程度であるが、これは、使用する半田に応じて適宜変更されてよい。
【0044】
この工程において、接続部材であるクリーム半田17Aが溶融する際に発生するフラックスの蒸気が、時によってカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面等に付着して、汚染による外観不良、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがある。
【0045】
そこで、この問題を防止するため、本発明においては、発生したフラックスの蒸気を捕捉する空間を設けたことを特徴とする。図10は、カード本体2に設けた凹部15の一実施態様を示した平面模式図であり、図8に示した凹部15の部分拡大断面模式図に対応する平面模式図である。この実施態様においては、凹部15底面の各接続孔16の上部周縁に、円板状の切欠き19を設けたものである。接続孔周縁の切欠き19は、接続孔16と同心円状に形成されている。接続孔周縁の切欠き19の大きさとしては、例えば直径3.0mm、深さ0.050mm程度が適当である。
【0046】
この接続孔周縁の切欠き19は、同心円状に限らず、図14に示したように、楕円板状でもよい。楕円板状とした場合は、形状を工夫することにより、空間の容積を増やすことができる。なお空間の形状については、特に円形や楕円形に限定されるものではないが、切削加工の容易さの点で円形や楕円形は好ましい形状である。
【0047】
図11〜13は、インレットの接続部10と、外部接続端子基板3の半田バンプ14との接続部分に設けた空間の3通りの実施態様を示した拡大断面模式図である。図11に示した実施態様においては、カード本体2の凹部15の底面に設けた接続孔16の上部周縁に切欠き19が設けられたことによって空間が形成されている。図12に示した実施態様においては、カード本体2に設けた凹部15と外部接続端子基板3との間に挿入する接着シート18に円板状または楕円板状の切欠き20を設けたことによって空間が形成されている。また図13に示した実施態様においては、これらを併用した形になっている。このように、カード本体に設ける切欠き19による空間と接着シートの切欠き20による空間を併用することにより、より大きな空間を確保することが可能となり、よりその効果が増す。これらのいずれの形態を選択するかについては、発生するフラックスの蒸気量に応じて適宜選択することができる。
【0048】
図15、図16は、外部接続端子基板3の裏面に切欠き部20を設けた接着シート18を仮着した状態を示した平面模式図である。図15の実施態様においては、接着シート18に半田バンプ14に対して同心円状に切欠き20が設けられている。図16の実施態様においては、接着シート18に楕円板状に切欠き20が設けられている。接着シートの切欠き20の大きさとしては、例えば直径3.0mm程度が適当である。
【0049】
このように、接続孔16の上部周縁に空間を設けたことにより、接続部材であるクリーム半田17Aが溶融する際に発生するフラックスの蒸気が、この空間に捕捉されるため、
フラックスの蒸気がカードの表面や、外部接続端子基板とカード本体との接着面、あるいは外部接続端子表面等に付着して、汚染による外観不良、接着不良、導通不良等の不具合を生じることがなくなる。
【0050】
熱圧着が終了すると、外部接続端子基板3がインレット4の接続部10と電気的に接続された状態でカード本体2に接合され、デュアルインターフェイス型ICカード1が完成する。
【符号の説明】
【0051】
1・・・デュアルインターフェイス型ICカード
2・・・カード本体
2A・・・第1部材
2B・・・第2部材
3・・・外部接続端子基板
4・・・インレット
5・・・ICチップ
6・・・アンテナシート
7・・・基材シート
8・・・導体パターン
9・・・アンテナパターン
10・・・接続部
11・・・コンデンサパターン
12・・・絶縁性の基板
12A・・・貫通孔
13・・・外部接続端子
14・・・半田バンプ
15・・・凹部
16・・・接続孔
17・・・半田
17A・・・接続部材(クリーム半田)
18・・・接着シート
19・・・接続孔周縁の切欠き
20・・・接着シートの切欠き
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記外部接続端子基板は、絶縁性の基板の表面側に設けられた複数の外部接続端子と、各外部接続端子に対応して設けられ、基板を貫通する複数の貫通孔と、基板の裏面側に各貫通孔から突出して形成され、各貫通孔内において各外部接続端子に接続された複数の半田バンプを有しており、前記インレットは、基材シート上に形成されたアンテナパターンと、前記外部接続端子基板の各半田バンプと接続するための複数の接続部と、該接続部と前記アンテナパターンとに接続されたICチップとを少なくとも具えており、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設けたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカード。
【請求項2】
前記空間は、前記カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものであることを特徴とする請求項1に記載のデュアルインターフェイス型ICカード。
【請求項3】
貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続端子基板を、前記第1工程で使用される半田よりも融点の低い半田を含む接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して、前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法。
【請求項1】
接触式通信を行なうための外部接続端子基板と、非接触式通信を行なうためのアンテナを備えたインレットと、カード本体とからなるデュアルインターフェイス型ICカードであって、前記外部接続端子基板は、絶縁性の基板の表面側に設けられた複数の外部接続端子と、各外部接続端子に対応して設けられ、基板を貫通する複数の貫通孔と、基板の裏面側に各貫通孔から突出して形成され、各貫通孔内において各外部接続端子に接続された複数の半田バンプを有しており、前記インレットは、基材シート上に形成されたアンテナパターンと、前記外部接続端子基板の各半田バンプと接続するための複数の接続部と、該接続部と前記アンテナパターンとに接続されたICチップとを少なくとも具えており、前記カード本体は、前記インレットを収納し、上面には前記外部接続端子基板を収納可能な凹部を有し、該凹部の底面には、前記外部接続端子基板の突出した複数の半田バンプを挿入可能な複数の接続孔を有し、さらに各接続孔の上部周縁に空間を設けたことを特徴とするデュアルインターフェイス型ICカード。
【請求項2】
前記空間は、前記カード本体の凹部底面の前記各接続孔の上部周縁に設けた円板状または楕円板状の切欠き、および/または、前記カード本体に設けた凹部と前記外部接続端子基板との間に挿入する接着シートに設けた円板状または楕円板状の切欠きによるものであることを特徴とする請求項1に記載のデュアルインターフェイス型ICカード。
【請求項3】
貫通孔を有する絶縁性の基板の一方の面に外部接続端子を設け、前記貫通孔に半田を配置して溶融させ、前記基板の他方の面に半田バンプを形成して外部接続端子基板を形成する第1工程と、非接触式通信を行うためのアンテナパターンと、前記アンテナパターンに電気的に接続されたICチップと、前記ICチップと前記外部接続端子基板とを電気的に接続するための接続部とを有するインレットを、前記接続部の少なくとも一部を露出させてカード本体に埋設する第2工程と、前記外部接続端子基板を、前記第1工程で使用される半田よりも融点の低い半田を含む接続部材を介して前記インレットの接続部と電気的に接続して、前記カード本体に接合する第3工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルインターフェイス型ICカードの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−107865(P2011−107865A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260719(P2009−260719)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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