説明

データドライバ、集積回路装置及び電子機器

【課題】表示画像の色むらを解消するデータドライバ及び電子機器を提供すること。
【解決手段】データドライバは、電気光学パネルの複数のデータ線を駆動するドライバ回路100−1〜100−k(kは2以上の自然数)を含み、複数のデータ線が、各ブロックに第1〜第kのデータ線が含まれる第1〜第n(nは2以上の自然数)のブロックにブロック分けされ、ドライバ回路100−1〜100−kが、第i(iはn−1以下の自然数)のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動した後、第i+1のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動するスキャン駆動を行い、ドライバ回路100−kが、第iのブロックの第kのデータ線を駆動する際に、補正用データGD1i+1に基づいて補正されたデータ電圧Vki−ΔVを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データドライバ、集積回路装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル(電気光学パネル)において、その構造上の理由からデータ線間に寄生容量が存在することが知られている。そして、このデータ線間の寄生容量は表示画像に色むらを発生させ、画質を劣化させる原因となっている。
【0003】
例えば、本出願人は、液晶パネルのデータ線を複数のブロックに分け、ブロックを順次駆動するスキャン駆動方式のデータドライバの開発を行っている。しかしながら、このスキャン駆動方式では、ブロックの境界に色むらが発生するという課題があることが判明した。具体的には、1つのブロックを駆動し、次のブロックを駆動する際に、駆動されたデータ電圧がデータ線間の寄生容量を介して前のブロックのデータ電圧を変動させ、色むらを発生させるという課題がある。
【0004】
なお特許文献1では、液晶パネル内部においてデータ線や画素の配列を工夫することで、寄生容量の影響を軽減する手法が開示されている。しかしながら、この手法では、寄生容量の影響を軽減する一方で画素の開口率等を劣化させるという問題がある。
【0005】
ここで、液晶パネルのデータドライバでは、データ線駆動回路(演算増幅器)のオフセットによって表示画像に色むらが発生してしまうという問題もある。そしてスキャン駆動方式のデータドライバでは、寄生容量によるブロック境界の色むらに加えて、オフセットによる色むらが発生してしまうという問題もある。
【特許文献1】特開2000−10123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の幾つかの態様によれば、表示画像の色むらを解消するデータドライバ、集積回路装置及び電子機器等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、電気光学パネルの複数のデータ線を駆動する第1〜第k(kは2以上の自然数)のドライバ回路を含み、前記複数のデータ線が、各ブロックに第1〜第kのデータ線が含まれる第1〜第n(nは2以上の自然数)のブロックにブロック分けされ、前記第1〜第kのドライバ回路が、前記第1〜第nのブロックのうちの第i(iはn−1以下の自然数)のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動した後、前記第1〜第nのブロックのうちの第i+1のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動するスキャン駆動を行い、前記第1〜第kのドライバ回路のうちの第kのドライバ回路が、前記第iのブロックの第kのデータ線を駆動する際に、補正用データに基づいて補正されたデータ電圧を出力するデータドライバに関係する。
【0008】
ここで、スキャン駆動方式のデータドライバで電気光学パネルを駆動すると、各ブロックの第kのデータ線の電圧が、次に駆動されるブロックの第1のデータ線から、寄生容量を介して変動を受け、ブロックの境界に色むらが発生するという課題がある。
【0009】
この点、本発明の一態様によれば、第1〜第kのドライバ回路が、電気光学パネルの複数のデータ線の第1〜第nのブロックを順次駆動し、このとき第kのドライバ回路が、補正用データに基づいて補正されたデータ電圧を出力して、第1〜第nのブロックの各ブロックのブロック端のデータ線である第kのデータ線を駆動する。
【0010】
このように本発明の一態様によれば、第kのドライバ回路が、補正用データに基づいて補正されたデータ電圧を出力して、第1〜第nのブロックの各ブロックの第kのデータ線を駆動する。そのため第kのドライバ回路が、各ブロックの第kのデータ線のデータ電圧を、次のブロックの第1のデータ線から受ける電圧変動分について、あらかじめ補正して出力できる。そして次のブロックの第1のデータ線が駆動されたとき、その補正分と電圧変動分が相殺し、各ブロックの第kのデータ線の電圧を所望のデータ電圧にできる。これにより、ブロックの境界の画素に対してデータ電圧を高精度に書き込むことができ、ブロックの境界における色むらを防止できる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記第1〜第kのドライバ回路の各々が、データ線を駆動するデータ線駆動回路と、階調データを受けて、前記階調データのD/A変換を行うD/A変換回路と、を有し、前記第kのドライバ回路が、前記補正用データを受けて、前記補正用データのD/A変換を行う補正用D/A変換回路をさらに有し、前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路からの電圧と前記補正用D/A変換回路からの電圧とに基づいてデータ電圧を出力してもよい。
【0012】
本発明の一態様によれば、第kのドライバ回路において、補正用D/A変換回路が補正用データをD/A変換し、データ線駆動回路がそのD/A変換された電圧に基づいて補正されたデータ電圧を出力できる。これにより、第kのドライバ回路が、補正用データに基づいて補正されたデータ電圧を出力して、各ブロックの第kのデータ線を駆動することを実現できる。
【0013】
また本発明の一態様では、前記補正用D/A変換回路には、前記第i+1のブロックの第1のデータ線に対応する階調データ、又は前記第i+1のブロックの第1のデータ線に対応する階調データに対して所定の演算処理を行うことで生成されたデータが、前記補正用データとして入力されてもよい。
【0014】
これにより、補正用データを実現できる。具体的には、補正用D/A変換回路が、これらの補正用データをD/A変換することで、各ブロックの第kのデータ線が次に駆動されるブロックの第1のデータ線から受ける電圧変動に対応する電圧を、データ線駆動回路に対して出力できる。
【0015】
また本発明の一態様では、前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、演算増幅器と、前記演算増幅器の第1の入力端子と前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路の出力ノードとの間に設けられた入力用キャパシタと、前記第1の入力端子と前記補正用D/A変換回路の出力ノードとの間に設けられた補正用キャパシタと、を有してもよい。
【0016】
本発明の一態様によれば、D/A変換回路からの電圧と補正用D/A変換回路からの電圧とに基づいてデータ電圧を出力する第kのドライバ回路を実現できる。また、入力用キャパシタ及び補正用キャパシタを用いることで、演算増幅器のオフセットをキャンセルできる。これにより、データ線駆動回路が高精度にデータ電圧を出力できる。
【0017】
また本発明の一態様では、前記第1〜第kのドライバ回路の前記D/A変換回路に対して階調電圧を出力する階調電圧生成回路と、前記第kのドライバ回路の前記補正用D/A変換回路に対して補正用電圧を出力する補正用電圧生成回路と、を含んでもよい。
【0018】
これにより、D/A変換回路が階調データをD/A変換するための階調電圧、及び補正用D/A変換回路が補正用データをD/A変換するための補正用電圧を生成できる。また、補正用D/A変換回路を有することで、補正用電圧を階調電圧とは独立に生成することができ、第kのドライバ回路がデータ電圧を適切に補正できる。
【0019】
また本発明の一態様では、前記補正用電圧生成回路が、前記階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を出力してもよい。
【0020】
ここで、各ブロックの第kのデータ線が受ける電圧変動の大きさや符号は、次に駆動されるブロックの第1のデータ線に出力されるデータ電圧に依存する。このデータ電圧は、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性で決まることから、各ブロックの第kのデータ線が受ける電圧変動の大きさや符号も、その階調特性に依存する。
【0021】
この点、本発明の一態様によれば、補正用電圧生成回路が、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を出力する。そのため、この補正用電圧を用いてデータ電圧を補正することで、電圧変動に対応する補正を行うことができる。
【0022】
また本発明の一態様では、前記階調電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を出力するときには、前記補正用電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する階調電圧を前記補正用電圧として出力し、前記階調電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する階調電圧を出力するときには、前記補正用電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を前記補正用電圧として出力してもよい。
【0023】
このようにすれば、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を実現できる。具体的には、階調電圧の階調特性と増減が反対の補正用電圧を用いることで、階調電圧の階調特性に依存する電圧変動に対して、その電圧変動と符号が反対の補正を実現できる。これにより、電圧変動と相殺する補正を実現できる。
【0024】
また本発明の一態様では、前記補正用電圧生成回路が、前記階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対して所定電圧に関して線対称な階調特性に、比例係数を乗算した階調特性の前記補正用電圧を出力してもよい。
【0025】
このようにすれば、単調増加する階調電圧に対して単調減少する補正用電圧あるいは、単調減少する階調電圧に対して単調増加する補正用電圧を実現できる。また、次に駆動されるブロック(第i+1のブロック)の第1のデータ線に対応する階調データを補正用データとして用いる補正を実現できる。
【0026】
また本発明の一態様では、前記階調電圧生成回路が、非リニアな階調特性の階調電圧を出力し、前記補正用電圧生成回路が、リニアな階調特性の補正用電圧を出力してもよい。
【0027】
これにより、次に駆動されるブロック(第i+1のブロック)の第1のデータ線に対応する階調データに対して所定の演算処理を行うことで生成されたデータを補正用データとして用いる補正を実現できる。そして所定の演算処理を行うことで、補正用D/A変換回路が、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を出力できる。
【0028】
また本発明の一態様では、前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、第1の入力端子にサミングノードが接続され、第2の入力端子にアナログ基準電源が供給され、出力端子に出力ノードが接続される演算増幅器と、前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路からの階調電圧が供給される入力ノードと第1のノードとの間に設けられた第1のスイッチ素子と、前記第1のノードと前記サミングノードとの間に設けられた入力用キャパシタと、前記第1のノードとアナログ基準電源との間に設けられた第2のスイッチ素子と、前記サミングノードと第2のノードとの間に設けられた帰還用キャパシタと、前記第2のノードと前記出力ノードとの間に設けられた第3のスイッチ素子と、前記第2のノードとアナログ基準電源との間に設けられた第4のスイッチ素子と、前記サミングノードと前記出力ノードとの間に設けられた第5のスイッチ素子と、前記補正用D/A変換回路からの補正用電圧が入力される補正用入力ノードと第3のノードとの間に設けられた第1の補正用スイッチ素子と、前記第3のノードと前記サミングノードとの間に設けられた補正用キャパシタと、前記第3のノードと補正基準電圧が供給される補正基準電圧ノードとの間に設けられた第2の補正用スイッチ素子と、を含んでもよい。
【0029】
このようにすれば、入力用キャパシタと補正用キャパシタを有する第kのドライバ回路のデータ線駆動回路を実現できる。また、入力用キャパシタと補正用キャパシタと帰還用キャパシタを含むスイッチドキャパシタ回路を構成することができる。これにより、演算増幅器のオフセットをキャンセルし、オフセットフリーのデータ線駆動回路を実現できる。
【0030】
また本発明の一態様では、前記補正用D/A変換回路が、初期化時においてプリチャージ電圧に対応する電圧を前記補正基準電圧として出力してもよい。
【0031】
このようにすれば、データ線駆動回路に対して補正基準電圧を供給できる。さらに補正用D/A変換回路を用いることで、補正基準電圧を調整することができ、最適な補正基準電圧をデータ線駆動回路に供給できる。
【0032】
本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載のデータドライバを含む集積回路装置に関係する。
【0033】
また本発明の他の態様は、上記に記載の集積回路装置を含む電子機器に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0035】
1.スキャン駆動
1.1.電気光学装置
本実施形態のデータドライバについて説明する前に、図1〜図4を用いてスキャン駆動について説明する。なお以下では電気光学装置として、液晶パネルを駆動する液晶表示装置を例に説明する。但し本発明は、液晶パネル以外の電気光学パネルを駆動する電気光学装置にも適用できる。例えば本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子、無機EL素子等の自発光素子を用いたELパネルを駆動する電気光学装置にも適用できる。
【0036】
図1に、本実施形態のデータドライバを適用できる液晶表示装置(広義には、電気光学装置)の構成例を示す。この構成例は、液晶パネル12(広義には、電気光学パネル、表示パネル)、ドライバ60(広義には、集積回路装置)、表示コントローラ40、電源回路50を含む。なお、液晶表示装置にこれらのすべての回路ブロックを含める必要はなく、その一部の回路ブロックを省略する構成にしてもよい。
【0037】
液晶パネル12(LCD:Liquid Crystal Display)は、アクティブマトリクス方式のパネルや、単純マトリクス方式のパネルにより構成できる。例えばアクティブマトリクス方式のパネルでは、液晶パネル12はアクティブマトリクス基板(例えば、ガラス基板)上に形成される。アクティブマトリクス基板には、図1のX方向に伸びる複数の走査線G1〜Gm(mは2以上の自然数)と、Y方向に伸びる複数のデータ線SR1、SG1、SB1、・・・、SRn、SGn、SBn(nは2以上の自然数)とが配置される。またアクティブマトリクス基板には、各データ線に対応するスイッチ素子SWR1、SWG1、SWB1、・・・、SWRn、SWGn、SWBnと、シフトレジスタSFと、データ電圧供給線SR、SG、SB(ソース電圧供給線)とが設けられる。
【0038】
走査線とデータ線との各交差点に対応する位置には、それぞれ薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor、広義にはスイッチング素子)と液晶容量(液晶素子、広義には電気光学素子)が設けられる。例えば走査線G1とデータ線SR1との交差点に対応する位置には、薄膜トランジスタTR、液晶容量CLが設けられる。そして、TRのゲート電極は走査線G1に接続され、TRのソース電極はデータ線SR1に接続され、TRのドレイン電極は画素電極PEに接続される。画素電極PEと対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLが形成される。対向電極CEは、アクティブマトリクス基板に対向する対向基板に形成され、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に液晶(広義には電気光学物質)が封入される。
【0039】
ここで、データ線SR1、SG1、SB1、・・・、SRn、SGn、SBnは、第1のブロック(SR1、SG1、SB1)〜第nのブロック(SRn、SGn、SBn)にブロック分け(グループ分け、区分け)されているとする。液晶パネル12は、この第1〜第nのブロックのデータ線が順次駆動されるスキャン駆動方式により駆動される。
【0040】
具体的には、スイッチ素子SWR1、SWG1、SWB1、・・・、SWRn、SWGn、SWBnは、データ電圧供給線SR、SG、SBに時分割で供給された階調電圧(階調信号)を第1〜第nのブロックのデータ線に分割して供給する。
【0041】
シフトレジスタSFは、スイッチ素子SWR1、SWG1、SWB1、・・・、SWRn、SWGn、SWBnをオンオフ制御するための制御信号を出力する。シフトレジスタSFは、データドライバ20からのスキャン駆動用クロック信号CLKを受けて、制御信号Sig1〜Signを順次アクティブ(第1の論理レベル)にする。
【0042】
そして、制御信号Sig1がアクティブにされるとスイッチ素子SWR1、SWG1、SWB1がオンし、第1のブロックのデータ線SR1、SG1、SB1が駆動される。制御信号Sig2がアクティブにされると、スイッチ素子SWR2、SWG2、SWB2がオンし、第2のブロックのデータ線SR2、SG2、SB2が駆動される。そして、制御信号Signがアクティブにされるとスイッチ素子SWRn、SWGn、SWBnがオンし、第nのブロックのデータ線SRn、SGn、SBnが駆動される。このようにして、第1〜第nのブロックのデータ線が順次駆動され、スキャン駆動が行われる。
【0043】
なおスイッチ素子SWR1、SWG1、SWB1、・・・、SWRn、SWGn、SWBn及びシフトレジスタSFは、例えば薄膜トランジスタTFTを用いて構成できる。
【0044】
ドライバ60は、データドライバ20(ソースドライバ)、走査ドライバ38(ゲートドライバ)を含む。データドライバ20は、階調データ(画像データ)に基づいて液晶パネル12のデータ電圧供給線SR、SG、SBを駆動する。データドライバ20は、上記のように、第1〜第nのブロックのデータ線を順次駆動するスキャン駆動を行う。走査ドライバ38は、液晶パネル12の走査線G1〜Gmを走査(順次駆動)する。なおドライバ60には、後述する本実施形態のデータドライバを適用できる。
【0045】
表示コントローラ40は、図示しないCPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)等のホストコントローラにより設定された内容に従って、データドライバ20、走査ドライバ38及び電源回路50を制御する。具体的には、表示コントローラ40は、データドライバ20及び走査ドライバ38に対しては、例えば動作モードの設定や内部で生成した垂直同期信号や水平同期信号の供給を行う。また電源回路50に対しては、例えば対向電極CEに印加する対向電極電圧VCOMの電圧レベルの制御を行う。
【0046】
電源回路50は、外部から供給される電源電圧に基づいて、液晶パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベルや、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。例えば、階調電圧生成回路がデータドライバ20に内蔵され、電源回路50が階調電圧生成回路の電源電圧の電圧レベルを生成できる。
【0047】
なおデータドライバ20は、液晶パネル12を極性反転駆動してもよい。このとき階調電圧生成回路は、正極性用と負極性用の階調電圧生成回路を含んでもよい。あるいは、階調電圧生成回路の高電圧側電源電圧と低電圧側電源電圧が交互に入れ替わって正極性用と負極性用の階調電圧を生成してもよい。
【0048】
ここで図1では、データドライバ20がデータ電圧供給線SR、SG、SBを介してRGB各色成分のデータ線3本ずつを順次駆動するものとして説明した。但し本発明では、データドライバ20がデータ電圧供給線S1〜Sk(kは2以上の自然数)を介してデータ線をk本ずつ順次駆動してもよい。
【0049】
また図1では、表示コントローラ40と電源回路50が液晶表示装置10の内部に設けられるが、本発明では、表示コントローラ40と電源回路50が液晶表示装置10の外部に設けられてもよい。さらに本発明では、データドライバ20、走査ドライバ38、表示コントローラ40、電源回路50の一部又は全部が液晶パネル12上に形成されてもよく、データドライバ20、走査ドライバ38、表示コントローラ40、電源回路50の一部又は全部が半導体装置(集積回路、IC)として構成されてもよい。
【0050】
1.2.データドライバ
図2にデータドライバ20の構成例を示す。この構成例は、シフトレジスタ22、ラインラッチ24、26、多重化回路28、階調電圧生成回路30(基準電圧生成回路)、DAC32(DAC:Digital to Analog Converter、データ電圧生成回路)、データ線駆動回路34(ソース線駆動回路)、スキャン駆動制御部36を含む。
【0051】
シフトレジスタ22は、各データ線に対応するフリップフロップを含む。フリップフロップは順次接続される。シフトレジスタ22は、先頭のフリップフロップがイネーブル入出力信号EIOを保持すると、ドットクロック信号DCLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOを順次シフトする。
【0052】
ラインラッチ24は、各データ線に対応するラッチ(画像データレジスタ)を含む。ラインラッチ24には、表示コントローラ40から階調データDIOが入力される。ラインラッチ24の各ラッチは、シフトレジスタ22からの順次シフトされたイネーブル入出力信号EIOに同期して各データ線に対応する階調データをラッチする。
【0053】
ラインラッチ26は、表示コントローラ40から供給される水平同期信号LPに同期して、ラインラッチ24でラッチされた1水平走査単位の階調データをラッチする。
【0054】
多重化回路28は、ラインラッチ26からの各データ線に対応する階調データを時分割多重し、データ電圧供給線SR、SG、SB(S1〜Sk)に対応する時分割多重された階調データを生成する。
【0055】
スキャン駆動制御部36は、スキャン駆動の時分割タイミングを規定するスキャン駆動用クロック信号CLKを生成する。具体的には、スキャン駆動制御部36は、1水平走査期間内に第1〜第nのブロックを順次駆動するためのn発のクロックを生成する。そして多重化回路28が、CLKを受けて1水平走査期間に第1〜第nのブロック分の階調データを時分割多重する。また液晶パネル12のシフトレジスタSFが、CLKを受けて第1〜第nのブロックのスイッチ素子を順次オンオフ制御する。
【0056】
階調電圧生成回路30(階調信号生成回路)は、階調電圧(階調信号)を生成し、その階調電圧をDAC32に対して供給する。
【0057】
DAC32(D/A変換回路)は、各データ線(ソース線)に供給するデータ電圧(ソース電圧)を生成する。具体的にはDAC32は、多重化回路28からのデジタルの階調データに基づいて階調電圧生成回路30からの階調電圧のいずれかを選択し、選択した階調電圧をアナログのデータ電圧として出力する。
【0058】
データ線駆動回路34は、DAC32からのデータ電圧をバッファリングしてデータ線を駆動する。例えばデータ線駆動回路34は、各データ線毎に設けられたボルテージフォロワ接続の演算増幅器を含む。そして各演算増幅器が、DAC32からのデータ電圧をバッファリングして各データ線に出力する。
【0059】
1.3.スキャン駆動の動作説明
図3に多重化回路28の動作説明図を示す。
【0060】
図3において、第1のブロックのデータ線SR1、SG1用の階調データをR1、G1とし、第2のブロックのデータ線SR2、SG2用の階調データをR2、G2とする。
【0061】
多重化回路28は、A1に示す1水平走査期間の1発目のスキャン駆動用クロック信号CLKを受けて、A2に示すように、第1のブロックのデータ線SR1用の階調データR1を選択して出力する。多重化回路28は、A3に示す2発目のスキャン駆動用クロック信号CLKを受けて、A4に示すように、第2のブロックのデータ線SR2用の階調データR2を選択して出力する。このようして多重化回路28は、階調データR1、R2、・・・が時分割多重化されたデータ電圧供給線SR用の多重化データを出力する。同様に、階調データG1、G2、・・・が時分割多重化されたデータ電圧供給線SG用の多重化データを出力する。
【0062】
DAC32は、多重化回路28からの多重化された階調データに対応する階調電圧を、階調電圧生成回路30からの階調電圧の中から選択し、多重化された階調電圧として出力する。
【0063】
図4にスキャン駆動方式の液晶パネルの動作説明図を示す。
【0064】
データ線駆動回路34は、DAC32からの多重化された階調電圧を受けて、多重化されたデータ電圧VR1、VR2、・・・をデータ電圧供給線SRに出力する。同様にデータ線駆動回路34は、多重化されたデータ電圧VG1、VG2、・・・をデータ電圧供給線SGに出力する。
【0065】
液晶パネル12のシフトレジスタSFは、図4のB1に示す1水平走査期間の1発目のスキャン駆動用クロック信号CLKを受けて、B2に示すように、制御信号Sig1をアクティブにする。スイッチ素子SWR1、SWG1は、この制御信号Sig1を受けてオンする。そしてB3に示すように、第1のブロックのデータ線SR1、SG1にはデータ電圧VR1、VG1が出力される。同様にB4に示す2発目のスキャン駆動用クロック信号CLKによって、B5に示すように制御信号Sig2がアクティブにされ、スイッチ素子SWR2、SWG2がオンされる。そしてB6に示すように、第2のブロックのデータ線SR2、SG2にはデータ電圧VR2、VG2が出力される。
【0066】
なお図3、図4では、RGB色成分のうちのRG色成分について説明したが、B色成分についても同様である。また図3、図4では、第1、第2のブロックのデータ線について説明したが、第3〜第nのブロックのデータ線についても同様である。
【0067】
1.4.色むらの発生原因について
ところで、スキャン駆動方式のデータドライバで液晶パネルを駆動すると、ブロックの境界に色むらが発生するという課題があった。図5、図6を用いて具体的に説明する。
【0068】
図5にデータ線間の寄生容量の説明図を模式的に示す。図5に示すように、液晶パネルの隣り合うデータ線の間には、データ線が小ピッチで平行に配置されている等の理由により、寄生容量が存在する。例えば、データ線SBi(iはn−1以下の自然数)とデータ線SRi+1との間には寄生容量Cpが存在する。
【0069】
図5においては、第iのブロックのデータ線Ri、SGi、SBiが駆動された後、スイッチ素子SWRi、SWGi、SWBiがオフされ、データ線SRi、SGi、SBiはハイインピーダンス状態になる。そして、第i+1のブロックのデータ線SRi+1、SGi+1、SBi+1が駆動される。そうすると、データ線SRi+1の駆動電圧が、寄生容量Cpを介してハイインピーダンス状態のデータ線SBiに電圧カップリングし、データ線SBiのデータ電圧を変動させる。
【0070】
図6に寄生容量によるデータ電圧の変動の説明図を模式的に示す。図6のC1に示すように、データ線SBiのデータ電圧VBiは、データ線SRi+1が駆動されるとΔVの変動を受け、VBi+ΔVとなる。このデータ電圧VBiの変動分ΔVは、寄生容量Cpを介した電圧カップリングによるものであるため、データ線SRi+1の電圧変化VRi+1−Vpreに比例する電圧となる。比例係数をαとすれば、データ電圧VBiは下式(1)に示すΔVの変動を受ける。
【0071】
ΔV=α(VRi+1−Vpre) ・・・ (1)
なおVpreは、データ線をプリチャージするためのプリチャージ電圧である。プリチャージ電圧Vpreは、画素にデータ電圧を短時間で書き込むために、画素にデータ電圧を書き込む前にデータ線に印加される電圧である。また比例係数αは、液晶パネルによって大きさが決まる係数である。
【0072】
図5、図6に示した例では、データ線SBiのデータ電圧がΔVの変動を受けるため、このΔVによってブロックの境界においてB色成分の色むらが発生する。このようにスキャン駆動方式のデータドライバでは、ブロックの境界において色むらが発生するという課題があった。
【0073】
2.データドライバ
2.1.構成例
図7に上記課題を解決できる本実施形態の構成例を示す。図7の構成例は、第1〜第k(kは2以上の自然数)のドライバ回路100−1〜100−kを含み、液晶パネル(電気光学パネル、表示パネル)の複数のデータ線をスキャン駆動するデータドライバである。
【0074】
ドライバ回路100−1〜100−kは、複数のデータ線として第1〜第n(nは2以上の自然数)のブロックのデータ線を順次駆動する。第1〜第nのブロックの各ブロックには第1〜第kのデータ線が含まれ、ドライバ回路100−1〜100−kは、各ブロックにおいて第1〜第kのデータ線を駆動する。
【0075】
具体的には、ドライバ回路100−1〜100−kは、第i(iはn−1以下の自然数)のブロックの第1〜第kのデータ線(以下、データ線S1i〜Ski)を駆動した後、第i+1のブロックの第1〜第kのデータ線(以下、データ線S1i+1〜Ski+1)を駆動して、第1〜第nのブロックのデータ線を順次駆動する。
【0076】
ドライバ回路100−1〜100−kには、例えば図2の多重化回路28から、多重化された階調データ(画像データ)が入力される。例えばデータ線S1i〜Skiを駆動するとき、第1〜第k−1のドライバ回路100−1〜100−k-1は、階調データGD1i〜GDk-1iを受けて、データ電圧V1i〜Vk-1i(ソース電圧)をデータ電圧供給線S1〜Sk-1(ソース電圧供給線)に出力する。第kのドライバ回路100−kは、階調データGDki及び階調データGD1i+1(補正用データ)を受けて、データ電圧Vki−ΔVをデータ電圧供給線Skに出力する。
【0077】
より具体的には、ドライバ回路100−kは、階調データGDkiに対応するデータ電圧Vkiを階調データGD1i+1に基づいて補正し、補正されたデータ電圧Vki−ΔVを出力する。ΔVを下式(2)に示す。
【0078】
ΔV=α(V1i+1−Vpre) ・・・ (2)
図6等で説明したように、データ線Ski(例えばSBi)は、隣接するデータ線S1i+1(SRi+1)から寄生容量を介してΔVの電圧変動を受ける。図7の構成例では、データ線Ski(SBi)にデータ電圧Vki−ΔV(VBi−ΔV)が出力されるため、結果的に変動分ΔVと相殺される。そのため、最終的にデータ線Ski(SBi)には所望のデータ電圧Vki(VBi)が書き込まれる。
【0079】
このように本実施形態によれば、データ線Skiを駆動する際に、データ線S1i+1に対応する階調データGD1i+1に基づいて補正されたデータ電圧Vki−ΔVを出力する。そのため、データ線Skiがデータ線S1i+1から受ける電圧変動分ΔVについて、あらかじめ補正しておくことができる。これにより、ブロックの境界の画素に対してデータ電圧を高精度に書き込むことができ、ブロックの境界における色むらを防止して画質を向上できる。
【0080】
なお本発明では、ドライバ回路100−kには補正用データ(補正用階調データ)として、上記のように階調データGD1i+1が入力されてもよく、階調データGD1i+1に対して所定の演算処理を行うことで生成されたデータが入力されてもよい。
【0081】
2.2.第1の詳細な構成例
図8に本実施形態の第1の詳細な構成例を示す。この構成例は、ドライバ回路100−1〜100−k、階調電圧生成回路160(階調信号生成回路)、補正用電圧生成回路180(補正用信号生成回路)を含む。
【0082】
具体的には、ドライバ回路100−1〜100−k-1は、第1〜第k−1のDAC110−1〜110−k-1(D/A変換回路)、第1〜第k−1のデータ線駆動回路140−1〜140−k-1(ソース線駆動回路)を含む。
【0083】
DAC110−1〜110−k-1は、階調データGD1i〜GDk-1iを受けて、階調データGD1i〜GDk-1iをD/A変換する。DAC110−1〜110−k-1は、階調電圧生成回路160からの複数の階調電圧のうちから階調データGD1i〜GDk-1iに対応する階調電圧(階調電流、広義には階調信号)を選択して出力し、階調データGD1i〜GDk-1iのD/A変換を行う。
【0084】
データ線駆動回路140−1〜140−k-1は、液晶パネル(電気光学パネル)のデータ線を駆動する。データ線駆動回路140−1〜140−k-1は、DAC110−1〜110−k-1からの階調電圧を受けて、この階調電圧に対応するデータ電圧V1i〜Vk-1i(ソース電圧)をデータ電圧供給線S1〜Sk-1(ソース電圧供給線)に出力する。
【0085】
ドライバ回路100−kは、第kのDAC110−k(D/A変換回路)、第kのデータ線駆動回路140−k、補正用DAC120(補正用D/A変換回路)を含む。
【0086】
DAC110−kは、階調データGDkiを受けて、階調データGDkiをD/A変換する。DAC110−kは、DAC110−1〜110−k-1と同様に、階調データGDkiに対応する階調電圧を選択して出力する。
【0087】
補正用DAC120は、階調データGD1i+1(補正用データ)を受けて、階調データGD1i+1をD/A変換する。補正用DAC120は、補正用電圧生成回路180からの複数の補正用電圧のうちから階調データGD1i+1に対応する補正用電圧(補正用電流、広義には補正用信号)を選択して出力し、階調データGD1i+1のD/A変換を行う。
【0088】
第kのデータ線駆動回路140−kは、液晶パネル(電気光学パネル)のデータ線を駆動する。データ線駆動回路140−kは、DAC110−kからの階調電圧と補正用DAC120からの補正用電圧とを受けて、データ電圧Vki−ΔVをデータ電圧供給線Skに出力する。例えば、データ線駆動回路140−kは、DAC110−kからの階調電圧としてデータ電圧Vkiを受け、補正用DAC120からの補正用電圧として−ΔVを受け、これらを合成してデータ電圧Vki−ΔVを出力する。
【0089】
階調電圧生成回路160は、複数の階調電圧を生成する。具体的には、階調電圧生成回路160は、電源回路(例えば、図1に示す電源回路50)からの電源電圧を分割して階調電圧を出力する。例えば階調電圧生成回路160は、液晶パネルのガンマ特性に対応した階調電圧を出力してもよい。あるいは、階調電圧生成回路160が、リニアな特性の階調電圧を出力し、DAC110−1〜110−kには、ガンマ補正処理された階調データが入力されてもよい。
【0090】
補正用電圧生成回路160は、複数の補正用電圧を生成する。具体的には、補正用電圧生成回路180は、電源回路(例えば、図1に示す電源回路50)からの電源電圧を分割して補正用電圧を出力する。例えば、補正用電圧生成回路180は、図19(A)、図19(B)等で説明するように、液晶パネルのガンマ特性に対応した補正用電圧を出力する。
【0091】
なお、DAC110−1〜110−k及び補正用DAC120は、例えばCMOSトランスファーゲートで構成されるセレクタにより実現できる。またデータ線駆動回路140−kは、例えば演算増幅器とポリ抵抗から構成される反転増幅回路により実現できる。あるいはデータ線駆動回路140−kは、図14等で説明するスイッチドキャパシタ回路により実現できる。階調電圧生成回路160及び補正用電圧生成回路180は、例えばポリ抵抗で構成されるラダー抵抗回路により実現できる。
【0092】
図8の構成例によれば、階調データGD1i+1(補正用データ)に基づいて補正されたデータ電圧Vki−ΔVの出力を実現できる。具体的には、補正用DAC120が階調データGD1i+1に対応する補正用電圧を出力し、データ線駆動回路140−kがその補正用電圧に基づいてデータ電圧Vki−ΔVを出力することで、階調データGD1i+1に基づく補正を実現できる。
【0093】
なお本発明は、図8の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば、階調電圧生成回路)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。例えば本発明は、ドライバ回路100−k-1、100−k-2等に補正用DACが追加されてもよく、スキャン駆動において逆方向のスキャン方向に対応するために、ドライバ回路100−1に補正用DACが追加されてもよい。
【0094】
2.3.第2の詳細な構成例
図9に本実施形態の第2の詳細な構成例を示す。図9の構成例は、DAC110−1〜110−k、補正用DAC、データ線駆動回路140−1〜140−k、階調電圧生成回路160、補正用電圧生成回路180を含む。なお以下では、図8等で説明したDAC等の各構成要素については、同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0095】
データ線駆動回路140−1〜140−k-1は、第1〜第k−1のオペアンプOP1〜OPk-1(演算増幅器)、第1〜第k−1の入力用キャパシタCI1〜CIk-1(入力用容量)、第1〜第k−1の帰還用キャパシタCF1〜CFk-1(帰還用容量)を含む。
【0096】
例えばデータ線駆動回路140−1において、入力用キャパシタCI1は、入力ノードNI1(DAC110−1の出力ノード)とサミングノードNEG1(基準ノード)との間に設けられる。帰還用キャパシタCF1は、サミングノードNEG1と出力ノードS1(データ電圧供給線S1)との間に設けられる。オペアンプOP1は、その入力端子(第1の入力端子)にサミングノードNEG1からの電圧が入力され、出力端子を介して出力ノードS1にデータ電圧V1iを出力する。そしてデータ線駆動回路140−1は、DAC110−1からの階調電圧をCI1/CF1倍してデータ電圧V1iを出力する。なお、他のデータ線駆動回路140−2〜140−k-1においても同様である。
【0097】
データ線駆動回路140−kは、第kのオペアンプOPk(演算増幅器)、第kの入力用キャパシタCIk(入力用容量)、補正用キャパシタCC(補正用容量)、第kの帰還用キャパシタCFk(帰還用容量)を含む。
【0098】
入力用キャパシタCIkは、入力ノードNIk(DAC110−kの出力ノード)とサミングノードNEGkとの間に設けられる。補正用キャパシタCCは、補正用入力ノードNIC(補正用DAC120の出力ノード)とサミングノードNEGkとの間に設けられる。帰還用キャパシタCFkは、サミングノードNEGkと出力ノードSk(データ電圧供給線Sk)との間に設けられる。オペアンプOPkは、その入力端子(第1の入力端子)にサミングノードNEGkからの電圧が入力され、出力端子を介して出力ノードSkにデータ電圧Vki−ΔVを出力する。そしてデータ線駆動回路140−kは、DAC110−kからの電圧をCIk/CFk倍し、補正用DAC120からの電圧をCC/CFk倍して、データ電圧Vki−ΔVを出力する。
【0099】
なお、オペアンプOP1〜OPkは、例えばCMOSトランジスタで構成されるA級アンプやAB級アンプで構成できる。また入力用キャパシタCI1〜CIk、補正用キャパシタCC、帰還用キャパシタCF1〜CFkは、例えばポリシリコンキャパシタやMIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタにより構成できる。
【0100】
図9の構成例によれば、DAC110−kからの電圧と補正用DAC120からの電圧とに基づいてデータ電圧Vki−ΔVを出力するドライバ回路100−kを実現できる。また、入力用キャパシタCI1〜CIk、補正用キャパシタCC、帰還用キャパシタCF1〜CFkを用いることにより、オペアンプのオフセットをキャンセルできる。これにより、高精度にデータ電圧V1i〜Vk-1i、Vki−ΔVを出力できる。
【0101】
3.データ線駆動回路
3.1.データ線駆動回路140−1〜140−k-1
図10にデータ線駆動回路140−1〜140−k-1の詳細な構成例を示す。なお本実施形態のデータ線駆動回路は図10の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば演算増幅器)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0102】
図10のデータ線駆動回路は、入力電圧VINを受けて、出力電圧VQを出力し、駆動対象(例えばデータ電圧供給線、データ線)を駆動する回路であり、入力用キャパシタCIと、帰還用キャパシタCFと、第1〜第5のスイッチ素子SW1〜SW5を含む。またオペアンプOP(演算増幅器)を含むことができる。
【0103】
キャパシタCIは、サミングノードNEG(基準ノード、ネガティブノード、反転入力端子ノード、電荷蓄積ノード)と第1のノードN1との間に設けられる。キャパシタCFは、サミングノードNEGと第2のノードN2との間に設けられる。これらのキャパシタCI、CFの各々は例えば複数のユニットキャパシタにより構成できる。
【0104】
スイッチ素子SW1は、ノードN1と入力電圧VINの入力ノードNIとの間に設けられる。スイッチ素子SW2は、ノードN1とAGND(広義にはアナログ基準電源)との間に設けられる。スイッチ素子SW3は、ノードN2と出力ノードNQとの間に設けられる。スイッチ素子SW4は、ノードN2とAGND(AGNDノード)との間に設けられる。スイッチ素子SW5は、サミングノードNEGと出力ノードNQとの間に設けられる。
【0105】
これらのスイッチ素子SW1〜SW5は例えばCMOSのトランジスタにより構成できる。具体的にはP型トランジスタとN型トランジスタとからなるトランスファーゲートにより構成できる。そしてこれらのトランジスタは、図示しないスイッチ制御信号生成回路からのスイッチ制御信号によりオン・オフされる。またAGNDは、例えば高電位側電源VDD(第2の電源)と低電位側電源VSS(第1の電源)の中間の電圧(例えばAGND=(VDD+VSS)/2)である。このAGNDは、例えば図1の電源回路50から供給される。
【0106】
オペアンプOPは、その反転入力端子(広義には第1の入力端子)にサミングノードNEGが接続され、その非反転入力端子(広義には第2の入力端子)にAGND(アナログ基準電源)が設定され、出力ノードNQ(出力端子)に出力電圧VQを出力する。
【0107】
本実施形態のデータ線駆動回路は、図10に示すように初期化期間(CI、CFに初期化用の電圧を設定する期間)においては、スイッチ素子SW2、SW4、SW5がオンになる。
【0108】
初期化期間においてスイッチ素子SW2がオンになることで、その一端がサミングノードNEGに電気的に接続されるキャパシタCIの他端が、AGND(アナログ基準電源電圧VA)に設定される。同様に、スイッチ素子SW4がオンになることで、その一端がサミングノードNEGに電気的に接続されるキャパシタCFの他端が、AGND(VA)に設定される。また帰還スイッチ素子であるスイッチ素子SW5がオンになることで、オペアンプOPの出力が反転入力端子に帰還され、オペアンプOPのイマジナリーショート機能により、ノードNEGがAGNDに設定される。
【0109】
また本実施形態のデータ線駆動回路は、図11に示すように出力期間(出力電圧を出力して駆動対象を駆動する期間)においては、スイッチ素子SW1、SW3がオンになる。
【0110】
出力期間においてスイッチ素子SW1がオンになることで、一端がサミングノードNEGに接続されるキャパシタCIの他端が、入力電圧VINに設定される。またスイッチ素子SW3がオンになることで、一端がサミングノードNEGに接続されるキャパシタCFの他端が、出力電圧VQ(OPの出力)に設定される。
【0111】
図12に本実施形態のデータ線駆動回路の動作を説明するための信号波形例を示す。図12においてVAはAGNDの電圧であり、例えばVA=(VDD+VSS)/2である。但し、VAはVDDとVSSの間の電圧であればよく、(VDD+VSS)/2には限定されない。
【0112】
図10の初期化期間においては、帰還用のスイッチ素子SW5がオンになるため、オペアンプOPのイマジナリーショート機能により、OPの反転入力端子のノードNEGは、非反転入力端子のAGNDの電圧であるVAと等しくなる。但し、オペアンプOPはプロセスバラツキ等に起因するオフセットを有するため、図12に示すようにノードNEGの電圧とVAにはオフセット電圧ΔVofの電圧差が生じる。
【0113】
本実施形態のデータ線駆動回路では、図10の初期化期間においてこのオフセット電圧ΔVofが記憶され、図11の出力期間において、このオフセット電圧ΔVofがキャンセルされて、出力電圧VQが出力されるため、いわゆるオフセットフリーを実現できる。
【0114】
なお図12に示すように、出力期間では、入力電圧VINが反転増幅される。具体的には、VINが高電位側(VDD側)に変化すると、出力電圧VQは低電位側(VSS側)に変化し、VINが低電位側に変化するとVQは高電位側に変化する。
【0115】
図13(A)に本実施形態のデータ線駆動回路の原理的な構成を示す。図13(A)に示すように本実施形態のデータ線駆動回路(データ線駆動回路140−1〜140−k-1)は、キャパシタCI、CFを含めばよい。そしてCIの一端が、サミングノードNEGに接続され、その他端が、初期化期間においてはアナログ基準電圧VAに設定され、出力期間においては入力電圧VINに設定されればよい。また、CFの一端が、サミングノードNEGに接続され、その他端が、初期化期間においてはアナログ基準電圧VAに設定され、出力期間においては出力電圧VQに設定されればよい。
【0116】
なおサミングノードNEG(CIとCFの接続ノード)は、初期化期間において所与の電圧(例えばVA、VA−ΔVof)に設定され、出力期間においてハイインピーダンス状態(フローティング状態)で初期化期間と同電位に設定されるノードであればよい。このようなノードNEGの機能を実現するために、図10、図11ではオペアンプOPを利用しているが、オペアンプOP以外の回路によりこのような機能を実現してもよい。
【0117】
次に図13(B)、図13(C)を用いて、本実施形態のデータ線駆動回路における入力電圧VINと出力電圧VQの関係について説明する。
【0118】
図13(B)に示すように初期化期間では、キャパシタCI、CFの一端にはVA、他端にはVA−ΔVofが設定される。ここでΔVofはオペアンプOPのオフセット電圧である。
【0119】
一方、図13(C)に示すように出力期間では、キャパシタCIの一端にはVIN、他端にはVA−ΔVofが設定され、キャパシタCFの一端にはVQ、他端にはVA−ΔVofが設定される。従って、電荷保存の法則により下式(3)が成立する。
【0120】
CI×{VA−(VA−ΔVof)}+CF×{VA−(VA−ΔVof)}
=CI×{VIN−(VA−ΔVof)}+CF×{VQ−(VA−ΔVof)}
・・・ (3)
従って下式(4)が成立する。
【0121】
VQ=VA−(CI/CF)×(VIN−VA) ・・・ (4)
上式(4)から明らかなように、出力電圧VQにはオフセット電圧ΔVofが現れないため、いわゆるオフセットフリーを実現できる。
【0122】
例えば比較例の駆動回路として、フリップアラウンド型の駆動回路が考えられる。この比較例の駆動回路は、その一端がサミングノードNEGに接続されるサンプリング用キャパシタを含む。そして、サンプリング期間においてサンプリング用キャパシタの他端に入力電圧が印加され、ホールド期間において、その他端が出力ノードに接続されるフリップアラウンド動作を行う。このようにして、比較例の駆動回路は、サンプリング期間においてサンプリング用キャパシタに入力電圧に応じた電荷を蓄積し、ホールド期間において、このサンプリング用キャパシタに蓄積された電荷に応じた電圧を出力する。
【0123】
しかしながら、この比較例の駆動回路では、サンプリング期間においてはデータ線駆動回路の出力がハイインピーダンス状態になってしまい、駆動時間にロスが生じる。
【0124】
これに対して本実施形態のデータ線駆動回路では、キャパシタCI、CFを2つ用いることで、出力電圧VQの連続的な出力が可能になる。すなわち、初期化期間の後の出力期間では、サンプリング期間は存在せず、入力電圧VINに応じた出力電圧VQが上式(4)にしたがって出力されるため、駆動対象の連続的な駆動が可能になる。
【0125】
3.2.データ線駆動回路140−k
図14にデータ線駆動回路140−kの詳細な構成例を示す。なお本実施形態のデータ線駆動回路は図14の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば演算増幅器)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0126】
図14のデータ線駆動回路は、図10で説明したデータ線駆動回路の構成要素(入力用キャパシタCI、帰還用キャパシタCF、第1〜第5のスイッチ素子SW1〜SW5、オペアンプOP)を含み、さらに入力用キャパシタCC、第1、第2の補正用スイッチ素子SWC1、SWC2を含む。そして図14のデータ線駆動回路は、図10のデータ線駆動回路と同様に入力電圧VINを受け、さらに補正用入力電圧VINCを受けて、補正用入力電圧VINCに基づいて補正された出力電圧VQを出力する回路である。
【0127】
なお以下では、図10、図11等で説明した構成要素と同一の構成要素(キャパシタCI、CF、スイッチ素子SW1〜SW5、オペアンプOP等)には同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
【0128】
キャパシタCCは、サミングノードNEGと第3のノードN3との間に設けられる。キャパシタCCは、例えば複数のユニットキャパシタにより構成できる。
【0129】
スイッチ素子SWC1は、ノードN3と入力電圧VINCの補正用入力ノードNICとの間に設けられる。スイッチ素子SWC2は、ノードN3と補正基準電圧Vcの補正基準電圧ノードNVcとの間に設けられる。
【0130】
これらのスイッチ素子SWC1、SWC2は、例えばCMOSのトランジスタにより構成できる。具体的にはP型トランジスタとN型トランジスタとからなるトランスファーゲートにより構成できる。そしてこれらのトランジスタは、図示しないスイッチ制御信号生成回路からのスイッチ制御信号によりオン・オフされる。またVcは、プリチャージ電圧Vpreに対応する電圧である。例えばVcは、VpreをVA(AGND)に関して線対称にした電圧Vc=2VA−Vpre、あるいは、それに比例する電圧である。このVcは、例えば補正用DAC120から供給される。
【0131】
本実施形態のデータ線駆動回路は、図14に示すように初期化期間(CI、CC、CFに初期化用の電圧を設定する期間)においては、スイッチ素子SWC2がオンになる。初期化期間において、図10と同様にノードNEGがVA(AGND)に設定される。そしてスイッチ素子SWC2がオンになることで、キャパシタCCのノードN3側の一端がVcに設定され、ノードNEG側の他端がVAに設定される。
【0132】
また本実施形態のデータ線駆動回路は、図15に示すように出力期間(出力電圧を出力して駆動対象を駆動する期間)においては、スイッチ素子SWC1がオンになる。そして出力期間においてスイッチ素子SWC1がオンになることで、キャパシタCCのノードN3側の一端が入力電圧VINCに設定される。
【0133】
なおスイッチ素子SW1〜SW5、キャパシタCI、CFについては、図10、図11で説明したのと同様に動作する。
【0134】
ここで図12で説明したのと同様に、オペアンプOPはプロセスバラツキ等に起因するオフセットを有するため、ノードNEGの電圧とVAにはオフセット電圧ΔVofの電圧差が生じる。しかしながら図14、図15に示すデータ線駆動回路は、図13(A)等で説明したのと同様に、オフセットフリーを実現できる。
【0135】
具体的には、電荷保存の法則により下式(5)が成立する。
【0136】
CI×{VA−(VA−ΔVof)}
+CC×{Vc−(VA−ΔVof)}
+CF×{VA−(VA−ΔVof)}
=CI×{VIN−(VA−ΔVof)}
+CC×{VINC−(VA−ΔVof)}
+CF×{VQ−(VA−ΔVof)} ・・・ (5)
従って下式(6)が成立する。
【0137】
VQ=VA−(CI/CF)×(VIN−VA)
−(CC/CF)×(VINC−Vc) ・・・ (6)
上式(6)から明らかなように、出力電圧VQにはオフセット電圧ΔVofが現れないため、いわゆるオフセットフリーを実現できる。
【0138】
また図14、図15のデータ線駆動回路では、比較例のフリップアラウンド型の駆動回路に比べて、出力電圧VQの連続的な出力が可能になる。すなわちキャパシタCI、CC、CFを3つ用いることでサンプリング期間が不要となり、出力期間において上式(6)にしたがって出力電圧VQを連続的に出力できる。
【0139】
図16に本実施形態のデータ線駆動回路の動作説明図を示す。図16では、水平走査期間(1H)の先頭のプリチャージ期間が、図10、図14で説明した初期化期間に設定される。そして、この初期化期間の後の出力期間に、データ線駆動回路が複数のデータ線を時分割にスキャン駆動する。
【0140】
ここでプリチャージ期間は、データ線をプリチャージするための期間である。プリチャージ期間においてデータ線には、例えば図示しないプリチャージ電圧生成回路からプリチャージ電圧Vpreが印加される。プリチャージ電圧Vpreは、例えば画素の対向電極に供給されるコモン電圧VCOMと同一の電圧である。但しプリチャージ電圧Vpreは、VCOMと異なる電圧であってもよい。
【0141】
例えばライン反転駆動では、水平走査期間毎に画素に印加される電圧の極性を反転させる。そのためデータ線駆動回路は、水平走査期間毎に極性が反転したデータ電圧を駆動しなければならない。本実施形態では、初期化期間においてデータ線をプリチャージするため、プリチャージ電圧Vpreを初期値としてデータ電圧を駆動すればよい。そのため、データ線駆動回路が短期間にデータ線を駆動することができる。
【0142】
また本実施形態では、プリチャージ期間を有効活用してデータ線駆動回路の初期化を行う。そしてプリチャージ終了後に出力期間に切り替えて、データ線をスキャン駆動する。このようにすれば、効率的なデータ線の駆動が可能になる。
【0143】
4.補正用電圧生成回路
4.1.補正用電圧の階調特性例
図17〜図21を用いて、本実施形態の補正用電圧生成回路について具体的に説明する。
【0144】
ここで上式(4)、(6)で説明したように、データ線駆動回路は、DACからの階調電圧及び補正用DACからの補正用電圧を反転増幅して出力する。以下では説明を簡単にするために、データ線駆動回路が、DACからの階調電圧及び補正用DACからの補正用電圧を正転増幅して出力し、CI/CF=1、VA=0であるものとして説明する。すなわち上式(4)、(6)から、データ線駆動回路140−1〜140−k-1が、
VQ=VIN ・・・ (7)
を出力し、データ線駆動回路140−kが、
VQ=VIN+(CC/CF)×(VINC−Vc) ・・・ (8)
を出力するものとして説明する。
【0145】
図17に、本実施形態の階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性例を示す。階調電圧生成回路は、例えば高電圧側電源電圧VDHと低電圧側電源電圧VDLとを分割した複数の階調電圧を出力する。そしてDACが、この複数の階調電圧から、階調データ(例えば256階調)に対応する階調電圧を選択して出力する。図17では、この階調データに対応する階調電圧の階調特性例を図示する。
【0146】
ところで図6等で説明したように、スキャン駆動において第i+1のブロックの第1のデータ線S1i+1が駆動されると、第iのブロックの第kのデータ線Skiの電圧がΔVの変動を受ける。具体的には図17に示すように、DAC110−1は階調データGD1i+1を受けて、階調電圧V1i+1を出力する。上式(7)より、データ線駆動回路140−1がデータ電圧V1i+1を出力し、データ線S1i+1の電圧はV1i+1−Vpreだけ変化する。そしてデータ線Skiの電圧がΔV=α(V1i+1−Vpre)の変動を受ける。このようにデータ線Skiの電圧変動ΔVは、V1i+1−Vpreに比例し、階調電圧生成回路の階調特性に依存した電圧となる。
【0147】
そこで本実施形態では、補正用電圧生成回路が、階調電圧生成回路の階調特性に対応する階調特性の補正用電圧を生成することで、階調電圧生成回路の階調特性に依存するΔVを補正する。
【0148】
例えば図18のL1に示すように、本実施形態の補正用電圧生成回路は、階調電圧生成回路の階調特性L2に対して所定の電圧Vs(例えばVs=(VDH+VDL)/2)に関して線対称な階調特性の補正用電圧を生成する。このとき所定の電圧Vsに関してプリチャージ電圧Vpreに対称な電圧を補正基準電圧Vc(Vc=2Vs−Vpre)とする。そうすると図19(A)に示すように、補正用DACは、階調データGD1i+1(補正用データ)を受けて補正用電圧VINCを出力する。VINC−Vcは、Vsに関してV1i+1−Vpreに対称な電圧であるから、V1i+1−Vpreと逆符号となり、下式(9)が成り立つ。
【0149】
VINC−Vc=−(V1i+1−Vpre) ・・・ (9)
そして上式(8)、(9)より、下式(10)が成り立つ。
【0150】
VQ=VIN−(CC/CF)×(V1i+1−Vpre) ・・・ (10)
従って、データ線Skiの駆動時において、データ線駆動回路140−kは下式(11)に示すデータ電圧をデータ線Skiに出力する。
【0151】
VQ=Vki−(CC/CF)×(V1i+1−Vpre) ・・・ (11)
ここでΔV=α(V1i+1−Vpre)の比例係数αは、電気光学パネルによって決まる係数である。従って上式(11)より、電気光学パネルに合わせてCC/CF=αとなるように調整すれば、
VQ=Vki−α(V1i+1−Vpre)
=Vki−ΔV ・・・ (12)
が成り立ち、データ線Skiのデータ電圧をあらかじめ−ΔVだけ補正しておくことができる。そして、データ線S1i+1からΔVの変動を受けたとき、結果的にデータ線Skiの電圧が所望のVkiとなるようにすることができる。
【0152】
ここで図19(B)に示すように、補正用電圧生成回路が、図19(A)の階調特性に比例係数βを乗算した階調特性の補正用電圧を出力してもよい。このときVcも図19(A)のVcをβ倍した電圧であるとする。そうすると、図19(B)に示すように、
VINC−Vc=−β(V1i+1−Vpre) ・・・ (13)
が成り立ち、
VQ=Vki−β×(CC/CF)×(V1i+1−Vpre) ・・・ (14)
が成り立つ。図19(A)に示すβ=1の場合と同様に、β×CC/CF=αとなるようにβ又はCC/CFを調整すれば、上式(12)が成り立ち、データ線Skiのデータ電圧を−ΔVだけ補正できる。
【0153】
4.2.補正用電圧生成回路の構成例
図20に本実施形態の補正用電圧生成回路の構成例を示す。本実施形態の補正用電圧生成回路は、可変抵抗素子Rs、抵抗素子R0〜R256を含む。
【0154】
可変抵抗素子Rs、抵抗素子R0〜R256は、高電圧側電源電圧VDHと低電圧側電源電圧VDLとの間の電圧を抵抗分割し、補正用電圧VG0〜VG255を出力する。高電圧側電源電圧VDH、低電圧側電源電圧VDLは、例えば電源回路(例えば図1の電源回路50)から供給される。
【0155】
可変抵抗素子Rsは、例えば高電圧側電源(VDHが供給されるノード)と抵抗素子R0〜R256との間に設けられる。このとき上式(14)のβは下式(15)で表される。
【0156】
β=(R1+R2+・・・+R256)/(Rs+R0+R1+・・・+R256)
・・・ (15)
したがって、可変抵抗素子Rsの抵抗値が調整されることにより、補正用電圧の階調特性の比例係数βを調整できる。可変抵抗素子Rsの抵抗値は、例えば図示しないホストコントローラからの指示や、レーザートリミング等によって調整されることができる。なお可変抵抗素子Rsは、低電圧側電源(VDLが供給されるノード)と抵抗素子R0〜R256との間に設けられてもよい。
【0157】
ところで、スキャン駆動方式のデータドライバにおいて、ブロック境界のデータ線Skiが隣接するデータ線S1i+1からΔVの電圧変動を受けるという課題があった。
【0158】
この点本実施形態によれば、DACに対して階調電圧を出力する階調電圧生成回路と、補正用DACに対して補正用電圧を出力する補正用電圧生成回路とを含む。
【0159】
これにより、補正用電圧を階調電圧とは独立に生成することができる。そして、補正用電圧を用いることでデータ線Skiが受ける電圧変動ΔVを適切に補正することができる。
【0160】
なお図17〜図20で説明したように、補正用電圧生成回路は、階調電圧生成回路と同一階調数(例えば256階調)の補正用電圧を出力してもよく、階調電圧生成回路と異なる階調数(例えば128、64階調)の補正用電圧を出力してもよい。あるいは補正用電圧生成回路は、階調電圧生成回路の階調電圧の分解能(1階調の電圧)と同一の分解能の補正用電圧を出力してもよく、異なる分解能の補正用電圧を出力してもよい。このように、独立した補正用電圧を生成することで、必要な補正精度に応じた階調数や分解能を設定できる。
【0161】
また本実施形態によれば、補正用電圧生成回路が、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を出力する。
【0162】
これにより、図17等で説明したようにΔVが階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に依存することから、その階調特性に対応する補正用電圧を用いることでデータ線Skiのデータ電圧を−ΔVだけ補正することができる。
【0163】
例えば本実施形態によれば、階調電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を出力するとき、補正用電圧生成回路が、階調データ(補正用データ)に対して単調減少する補正用電圧を出力してもよい。あるいは、階調電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する階調電圧を出力するとき、補正用電圧生成回路が、階調データ(補正用データ)に対して単調増加する補正用電圧を出力してもよい。
【0164】
例えば図17に示すように、階調電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を出力し、図19(A)に示すように、補正用電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する補正用電圧を出力してもよい。
【0165】
このようにすれば、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を実現できる。具体的には補正用電圧生成回路が、データ線S1i+1の駆動電圧V1i+1−Vpreに対して、極性が反転した補正用電圧を生成できる。これにより、データ線Skiが受けるΔVに対して極性が反対の−ΔVの補正を実現できる。
【0166】
また例えば本実施形態によれば、補正用電圧生成回路が、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対して所定電圧に関して線対称な階調特性に、比例係数を乗算した階調特性の補正用電圧を出力してもよい。
【0167】
例えば図18で説明したように、所定電圧Vsに関して階調電圧の階調特性L2に線対称な階調特性L1の補正用電圧に、図19(B)で説明したように、比例係数βを乗算してもよい。
【0168】
このようにすれば、補正用DACが、データ線S1i+1に対応する階調データGD1i+1を補正用データとして受け、データ線S1i+1の駆動電圧V1i+1−Vpreに対して極性が反転した補正用電圧VINC−Vc=−(V1i+1−Vpre)を出力できる。これにより、補正用データとして階調データGD1i+1を用いてデータ線Skiのデータ電圧の補正を実現できる。
【0169】
ここで本実施形態によれば、階調電圧生成回路が、非リニア(非直線特性、非線形特性)な階調特性の階調電圧を出力し、補正用電圧生成回路が、リニア(直線特性、線形特性)な階調特性の補正用電圧を出力してもよい。
【0170】
例えば図17に示すように、階調電圧生成回路が、1階調の電圧が階調データに対して非等間隔の非リニアな特性の階調電圧を出力し、図21に示すように、補正用電圧生成回路が、1階調の電圧が階調データ(補正用データ)に対して等間隔のリニアな特性の補正用電圧を出力してもよい。
【0171】
このとき補正用DACは、例えば図示しない画像処理部によって階調データGD1i+1を所定の演算処理したデータを補正用データとして受けて、補正用電圧VINCを出力してもよい。具体的には、GD1i+1を所定の演算処理したデータを受けて、VINC−Vc=−(V1i+1−Vpre)を満たす補正用電圧VINCを出力してもよい。
【0172】
このようにすれば、階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を実現できる。また階調データGD1i+1を所定の演算処理したデータを用いることで、簡単な等間隔のラダー抵抗等により補正用電圧生成回路を構成することができる。
【0173】
さらに本実施形態によれば、補正用DACが、初期化時においてプリチャージ電圧Vpreに対応する電圧を出力してもよい。具体的には、補正用DACが、プリチャージ電圧Vpreに対応する電圧として補正基準電圧Vcを出力してもよい。
【0174】
例えば図18、図19(A)、図19(B)で説明したように、Vsに関してVpreに対称な電圧、またはVsに関してVpreに対称な電圧にβを乗算した電圧を、補正基準電圧Vcとして出力してもよい。あるいは、これらの電圧と略同一の電圧を補正基準電圧Vcとして出力してもよい。例えば図18に示すように、階調電圧生成回路の階調特性L2において、Vpreに最も近い階調電圧(高電圧側に直近の階調電圧、低電圧側に直近の階調電圧)に対応する階調データをGDcとする。そうすると図19(A)、図19(B)に示すように、GDcに対応する補正用電圧を補正基準電圧Vcとして出力してもよい。
【0175】
5.電子機器
図22(A)、図22(B)に本実施形態の集積回路装置60(ドライバ)を含む携帯電話(電子機器、電気光学装置)の構成例を示す。なお図22(A)、図22(B)の構成要素の一部を省略したり、他の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
【0176】
図22(A)、図22(B)においてホストコントローラ410は、例えばMPU(Micro Processing Unit)、ベースバンドエンジンなどである。このホストコントローラ410は、ドライバである集積回路装置60の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図22(B)の画像処理コントローラ420は、ホストコントローラ410に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
【0177】
図22(A)の場合には、集積回路装置60としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には集積回路装置60は、ホストコントローラ410からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、電気光学パネル400を駆動する。一方、図22(B)の場合には、集積回路装置60としてメモリ非内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストコントローラ410からの画像データは、画像処理コントローラ420の内蔵メモリに書き込まれる。そして集積回路装置60は、画像処理コントローラ420の制御の下で、電気光学パネル400を駆動する。
【0178】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語(集積回路装置、電気光学パネル、データ線、走査線、演算増幅器等)と共に記載された用語(ドライバ、液晶パネル、ソース線、ゲート線、オペアンプ等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また電子機器、電気光学装置、集積回路装置、データドライバ、ドライバ回路、データ線駆動回路、DAC、補正用DAC、階調電圧生成回路、補正用電圧生成回路等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】電気光学装置の構成例。
【図2】データドライバの構成例。
【図3】多重化回路の動作説明図。
【図4】スキャン駆動の動作説明図。
【図5】データ線間の寄生容量の説明図。
【図6】寄生容量によるデータ電圧の変動の説明図。
【図7】本実施形態の構成例。
【図8】本実施形態の第1の詳細な構成例。
【図9】本実施形態の第2の詳細な構成例。
【図10】データ線駆動回路の構成例。
【図11】データ線駆動回路の構成例。
【図12】データ線駆動回路の動作を説明するための信号波形例。
【図13】図13(A)、図13(B)、図13(C)は、データ線駆動回路の原理的な構成図。
【図14】第kのデータ線駆動回路の構成例。
【図15】第kのデータ線駆動回路の構成例。
【図16】データ線駆動回路の動作説明図。
【図17】階調電圧生成回路が生成する階調電圧の階調特性例。
【図18】補正用電圧生成回路が生成する補正用電圧の説明図。
【図19】図19(A)、図19(B)は、補正用電圧生成回路が生成する補正用電圧の階調特性例。
【図20】補正用電圧生成回路の構成例。
【図21】補正用電圧生成回路が生成する補正用電圧の階調特性例。
【図22】図22(A)、図22(B)は、電子機器の構成例。
【符号の説明】
【0180】
12 電気光学パネル、20 データドライバ、22 シフトレジスタ、
24,26 ラインラッチ、28 多重化回路、32 DAC、
34 データ線駆動回路、36 スキャン駆動制御部、38 走査ドライバ、
40 表示コントローラ、50 電源回路、60 集積回路装置、
100−1〜100−k 第1〜第kのドライバ回路、
110−1〜110−k 第1〜第kのD/A変換回路、
120 補正用D/A変換回路、
140−1〜140−k 第1〜第kのデータ線駆動回路、
160 階調電圧生成回路、180 補正用電圧生成回路、400 電気光学パネル、
410 ホストコントローラ、420 画像処理コントローラ
SF シフトレジスタ、SR1 データ線、SR,S1 データ電圧供給線、
CLK スキャン駆動用クロック信号、OP 演算増幅器、CI 入力用キャパシタ、
CC 補正用キャパシタ、CF 帰還用キャパシタ、SW1 スイッチ素子、
SWC1 補正用スイッチ素子、Vc 補正基準電圧、AGND アナログ基準電源、
N1〜N3 第1〜第3のノード、Vpre プリチャージ電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学パネルの複数のデータ線を駆動する第1〜第k(kは2以上の自然数)のドライバ回路を含み、
前記複数のデータ線が、各ブロックに第1〜第kのデータ線が含まれる第1〜第n(nは2以上の自然数)のブロックにブロック分けされ、
前記第1〜第kのドライバ回路が、
前記第1〜第nのブロックのうちの第i(iはn−1以下の自然数)のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動した後、前記第1〜第nのブロックのうちの第i+1のブロックの第1〜第kのデータ線を駆動するスキャン駆動を行い、
前記第1〜第kのドライバ回路のうちの第kのドライバ回路が、
前記第iのブロックの第kのデータ線を駆動する際に、補正用データに基づいて補正されたデータ電圧を出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1〜第kのドライバ回路の各々が、
データ線を駆動するデータ線駆動回路と、
階調データを受けて、前記階調データのD/A変換を行うD/A変換回路と、
を有し、
前記第kのドライバ回路が、
前記補正用データを受けて、前記補正用データのD/A変換を行う補正用D/A変換回路をさらに有し、
前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、
前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路からの電圧と前記補正用D/A変換回路からの電圧とに基づいてデータ電圧を出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記補正用D/A変換回路には、前記第i+1のブロックの第1のデータ線に対応する階調データ、又は前記第i+1のブロックの第1のデータ線に対応する階調データに対して所定の演算処理を行うことで生成されたデータが、前記補正用データとして入力されることを特徴とするデータドライバ。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、
演算増幅器と、
前記演算増幅器の第1の入力端子と前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路の出力ノードとの間に設けられた入力用キャパシタと、
前記第1の入力端子と前記補正用D/A変換回路の出力ノードとの間に設けられた補正用キャパシタと、
を有することを特徴とするデータドライバ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかにおいて、
前記第1〜第kのドライバ回路の前記D/A変換回路に対して階調電圧を出力する階調電圧生成回路と、
前記第kのドライバ回路の前記補正用D/A変換回路に対して補正用電圧を出力する補正用電圧生成回路と、
を含むことを特徴とするデータドライバ。
【請求項6】
請求項5において、
前記補正用電圧生成回路が、
前記階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対応する補正用電圧を出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項7】
請求項6において、
前記階調電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を出力するときには、前記補正用電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する階調電圧を前記補正用電圧として出力し、
前記階調電圧生成回路が、階調データに対して単調減少する階調電圧を出力するときには、前記補正用電圧生成回路が、階調データに対して単調増加する階調電圧を前記補正用電圧として出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項8】
請求項7において、
前記補正用電圧生成回路が、
前記階調電圧生成回路が出力する階調電圧の階調特性に対して所定電圧に関して線対称な階調特性に、比例係数を乗算した階調特性の前記補正用電圧を出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項9】
請求項5において、
前記階調電圧生成回路が、
非リニアな階調特性の階調電圧を出力し、
前記補正用電圧生成回路が、
リニアな階調特性の補正用電圧を出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項10】
請求項2乃至9のいずれかにおいて、
前記第kのドライバ回路の前記データ線駆動回路が、
第1の入力端子にサミングノードが接続され、第2の入力端子にアナログ基準電源が供給され、出力端子に出力ノードが接続される演算増幅器と、
前記第kのドライバ回路の前記D/A変換回路からの階調電圧が供給される入力ノードと第1のノードとの間に設けられた第1のスイッチ素子と、
前記第1のノードと前記サミングノードとの間に設けられた入力用キャパシタと、
前記第1のノードとアナログ基準電源との間に設けられた第2のスイッチ素子と、
前記サミングノードと第2のノードとの間に設けられた帰還用キャパシタと、
前記第2のノードと前記出力ノードとの間に設けられた第3のスイッチ素子と、
前記第2のノードとアナログ基準電源との間に設けられた第4のスイッチ素子と、
前記サミングノードと前記出力ノードとの間に設けられた第5のスイッチ素子と、
前記補正用D/A変換回路からの補正用電圧が入力される補正用入力ノードと第3のノードとの間に設けられた第1の補正用スイッチ素子と、
前記第3のノードと前記サミングノードとの間に設けられた補正用キャパシタと、
前記第3のノードと補正基準電圧が供給される補正基準電圧ノードとの間に設けられた第2の補正用スイッチ素子と、
を含むことを特徴とするデータドライバ。
【請求項11】
請求項10において、
前記補正用D/A変換回路が、
初期化時においてプリチャージ電圧に対応する電圧を前記補正基準電圧として出力することを特徴とするデータドライバ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のデータドライバを含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項13】
請求項12に記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−117466(P2010−117466A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289593(P2008−289593)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】