説明

データベース管理装置

【課題】変更に対応する柔軟性及び利便性を従来よりも向上させることが可能なデータベース管理装置を提供する。
【解決手段】 記憶装置2、3に格納された健診情報データベース及びシステム情報データベースに対して、データベースの使用及び管理のための所定の処理を行うデータ処理部11、クライアント端末4a〜4nとの通信回線5を介する通信と、健診情報データベースとシステム情報データベースへのアクセスとを行う送受信アクセス部12、及び、操作表示部13を備え、健診情報データベースから出力を希望するデータのデータ項目をユーザに設定させる画面を作成し、ユーザが設定したデータ項目を受信し、ユーザの権限に応じて、許可するデータ項目をシステム管理者に設定させる画面を作成し、許可されたデータ項目を格納し、システム管理者が許可したデータ項目を対応するクライアント端末に送信する構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザからの要求とデータ管理とに応じてデータベースからデータを検索してユーザに提供するデータベース管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子カルテシステム、健診システム等の所謂医療情報システムの普及に伴い、患者の日々の診療情報、検査情報等はデータベース上で電子的に管理されている。このような医療情報システムは、データベースからデータを取得して帳票を作成したり、医療従事者の診療支援のための統計データを算出したりして、医療機関の日々の運用をサポートしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、医療機関で扱うデータには個人情報が多く含まれ、たとえ医療機関の職員であっても医療情報システム上のすべての情報を閲覧等の利用ができる状態は好ましくない。例えば事務担当者は、健診者の検査結果等は閲覧する必要がなく、過度に広い範囲の検査結果を閲覧できる環境下では、個人情報が流出することにもなりかねない。そのため、検査結果等の利用には所定の制限が課されている。
【0004】
また、医療機関においては、検査基準の見直し、組織再編等により、医療機関で扱うデータの項目(以下、データ項目という。)が変更される場合がある。例えば、血液検査においてこれまで実施していなかった検査項目が追加され、その検査結果をデータベースで管理する必要が出てくる等の場合が考えられる。このような場合を考慮して、医療情報システムを、開発等の時点で予め、所定の範囲内の追加、変更等を可能に構成しておくことが考えられる。例えば、検査結果を格納しているデータベースのテーブルに予備のカラムを持たせておき、検査項目が追加された場合は予備のカラムを順に使用していくこと等である。
【特許文献1】特開2006−107299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の医療情報システムによって実現されるデータベース管理装置等では、使用における変更に対応する柔軟性が不足しているという問題を有していた。例えば、医療情報システムの使用を制限する方法としてユーザ毎に使用を許可した機能を割り当てることが考えられるが、機能単位で使用の可否を割り当てた場合、組織変更等に柔軟に応じることができない。具体的には、事務担当者に検診者の登録については許可するが他のデータ項目のデータへのアクセスを許可しない場合、組織変更があった場合、不都合となることがしばしば生ずる。
【0006】
また、開発時点では想定していなかったデータ項目の追加、変更等が生じた場合、追加、変更等に応じて対応するデータ項目を使用できるように、プログラムも修正しなければならない。プログラムの修正は、通常、ユーザはできず、システム開発者等に行ってもらうか、又はこれらの者から説明を受けて行わなければならない。医療情報システムが管理するデータ項目の追加、変更、削除についても、同様に通常ユーザが行うことができない。
【0007】
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、変更に対応する柔軟性及び利便性を従来よりも向上させることが可能なデータベース管理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、複数のクライアント端末と通信可能に接続され、少なくとも、ユーザが出力しようとするデータを格納する第1のデータベースと前記第1のデータベースからデータを取得するために必要な情報を格納する第2のデータベースとにアクセス可能であり、前記クライアント端末を介したユーザからの要求に応じて、前記第1のデータベース内のデータを出力するデータベース管理装置であって、前記第1のデータベースから出力を希望するデータのデータ項目をユーザに設定させる画面を作成する第1の工程と、前記第1の工程でユーザが設定したデータ項目を受信する第2の工程と、前記ユーザの権限に応じて、許可する前記データ項目をシステム管理者に設定させる画面を作成する第3の工程と、許可された前記データ項目を格納する第4の工程と、前記第3の工程でシステム管理者が許可したデータ項目を対応する前記クライアント端末に送信する第5の工程と、を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のデータベース管理装置において、前記第3の工程で作成された画面が、システム管理者に許可の有無を承認の可否として入力可能になっていると共に、許可された前記データ項目に変更があったときに、ユーザが識別可能に前記クライアント端末に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のデータベース管理装置において、前記第1のデータベース及び前記第2のデータベースから、SQL(Structured Query Language)文を用いてデータを取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、複数のクライアント端末と通信可能に接続され、少なくとも、ユーザが出力しようとするデータを格納する第1のデータベースと第1のデータベースからデータを取得するために必要な情報を格納する第2のデータベースとにアクセス可能であり、クライアント端末を介したユーザからの要求に応じて、第1のデータベース内のデータを出力するデータベース管理装置であって、第1のデータベースから出力を希望するデータのデータ項目をユーザに設定させる画面を作成する第1の工程と、第1の工程でユーザが設定したデータ項目を受信する第2の工程と、ユーザの権限に応じて、許可するデータ項目をシステム管理者に設定させる画面を作成する第3の工程と、許可されたデータ項目を格納する第4の工程と、第3の工程でシステム管理者が許可したデータ項目を対応するクライアント端末に送信する第5の工程と、を行うため、変更に対応する柔軟性及び利便性を従来よりも向上させることが可能なデータベース管理装置を実現することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の効果に加えて、第3の工程で作成された画面が、システム管理者に許可の有無を承認の可否として入力可能になっていると共に、許可されたデータ項目に変更があったときに、ユーザが識別可能にクライアント端末に表示させるため、変更に対応する利便性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1又は請求項2の効果に加えて、第1のデータベース及び第2のデータベースから、SQL(Structured Query Language)文を用いてデータを取得するため、データ管理の利便性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明によるデータベース管理システムの一実施例を模式的に示すブロック構成図である。データベース管理システムは、図1に示すように、データベースを管理するデータベース管理装置1と、データベース管理装置1によって管理される対象の第1のデータベースが格納された第1の記憶装置2と、第1のデータベースからのデータの出力、第1のデータベースの管理等に必要な情報が設定された第2のデータベースが格納された第2の記憶装置3と、通信回線5を介してデータベース管理装置1に通信可能に接続されたクライアント端末4a〜4nと、を備える。
【0015】
以下、所謂医療情報システムを例にとり、クライアント端末4a〜4nを介してユーザが第1のデータベース(以下、健診情報データベースという。)に格納されたデータの出力要求を行う実施例について、説明する。また、第2のデータベースをシステム情報データベースといい、データベースは構造化されているものとし、データベースの管理等にSQL(Structured Query Language)を用いるものとして説明する。
【0016】
データベース管理装置1は、例えばコンピュータ等からなり、健診情報データベース及びシステム情報データベースに対して、更新、検索等のデータベースの使用及び管理のための所定の処理を行うデータ処理部11、データ処理要求の受信、処理結果の送信等のクライアント端末4a〜4nとの通信と、健診情報データベースとシステム情報データベースへのアクセスとを行う送受信アクセス部12、及び、操作のための操作表示部13を有するように構成される。
【0017】
健診情報データベースには、例えば、健診者の氏名、住所、所属、健診時の検査結果等からなる健診情報が格納され、システム情報データベースには、図1に示すように、ユーザ認証情報Ta、データ項目情報Tb、項目出力権限情報Tc、項目結合情報Td、出力項目設定情報Te等の、システム管理情報が格納されている。
【0018】
ユーザ認証情報Taには、データベース管理システム1を使用するユーザを認証する、ユーザID、パスワード等の所定の情報が設定されている。データベース管理装置1は、クライアント端末4a〜4nからユーザID、パスワード、及びデータ処理要求を受信し、受信したユーザID及びパスワードと、ユーザ認証情報Taとして記憶するユーザIDとパスワードとに基づいて認証し、認証されたクライアント端末からのデータ処理要求のみに応じて処理を行う。
【0019】
データ項目情報Tbには、健診情報データベースにおいて使用されているデータ項目であって、データ出力の対象となりうる全てのデータ項目に関する所定の情報が設定されている。図2は、システム情報データベースに格納されるデータ項目情報について説明するための図である。データ項目情報Tbは、例えば図2に示すように、データ項目IDTb1、データ項目種別Tb2、データ項目名Tb3、格納テーブル名Tb4、格納テーブル実名Tb5、格納カラム名Tb6、削除フラグTb7、出力形式Tb8等、を有するように構成される。
【0020】
ここで、データ項目IDTb1にはデータ項目を一意に識別するIDが、データ項目種別Tb2にはデータ項目を分類するための情報が、データ項目名Tb3にはデータ項目の名称が、格納テーブル名Tb4には対象のデータが設定されたテーブル名が、格納テーブル実名Tb5には格納テーブル名Tb4に付された別名に対する実名が、格納カラム名Tb6にはデータが格納されているカラムの名称が、削除フラグTb7には対象のデータ項目がデータベースの構成の変更等によって削除されたか否かが、出力形式Tb8にはデータの出力形式が設定される。
【0021】
図2に示す例では、データ項目名Tb3「健診者氏名」のデータ項目のデータが、データ項目種別Tb2「健診者情報」が登録されている格納テーブル名Tb4「健診者情報登録テーブル」の格納カラム名Tb6「名称」カラムに格納されていることが、データ項目情報Tbにデータ項目IDTb1「123」で特定されて設定されている。ただし、クライアント端末4a〜4nを介したデータ項目の設定には一定の制限が課され、例えば、ユーザが出力権限を有するデータ項目しか設定できない。そのため、上記の例では、権限を有するユーザは「健診者氏名」をデータ項目として設定してこのデータを出力できるが、権限のないユーザは「健診者氏名」のデータを出力できない。
【0022】
また、データベース管理装置1は、同一のデータが関連する異なるデータ項目を用いて出力できるように構成されるのでもよい。この場合、システム情報データベースに複数個の相互に関連するデータ項目を設け、データ項目情報Tbに、このデータに対応する各データ項目の情報を設定しておく。例えば、上記の例において、健診者の配偶者を上記の関連するデータ項目とする場合、データ項目IDTb1に他のID、データ項目名Tb3に「配偶者氏名」、格納テーブル名Tb4に「配偶者情報登録テーブル」、格納テーブル実名Tb5に「健診者情報登録テーブル」、格納カラム名Tb6に「名称(別)」カラム、削除フラグTb7に「False」、出力形式Tb8に「全角30文字」が、それぞれ設定される。データ項目情報は、健診情報データベースの構成に応じて予め作成され、データベースの構成が変更となった場合、変更に応じて修正される。
【0023】
項目出力権限情報Tcには、対応するデータ項目の設定が許可されているユーザ等の所定の情報が設定されている。図3は、システム情報データベースに格納される項目出力権限情報について説明するための図である。項目出力権限情報Tcは、例えば図3に示すように、データ項目IDTc1、ユーザ特定情報Tc2、ソート順序Tc3、ハイライト有無Tc4、作成日時Tc5、更新日時Tc6等、を有するように構成される。
【0024】
ここで、データ項目IDTc1には対応するデータ項目情報Tbのデータ項目IDが、ユーザ特定情報Tc2には対象のデータ項目の設定が許可されたユーザを特定する情報が、ソート順序項43には対象のデータ項目のソート順を特定するデータが、ハイライト有無Tc4には新たに設定され又は変更されたデータ項目をハイライト表示するか否かの情報が、作成日時Tc5には項目出力権限情報Tcが作成された日時の情報が、同様に更新日時Tc6には更新された日時の情報が、それぞれ設定される。
【0025】
図3に示す例では、データ項目IDTbc1「123」で特定されるデータ項目に関して、ユーザ特定情報Tc2「事務担当者A」のユーザにデータの出力が許可され、ソート順序Tc3「500」で特定される順序にデータ項目がソートされ、ハイライト有無Tc4「True」によってハイライトされることが、項目出力権限情報Tcに設定されている。
【0026】
項目出力権限情報Tcの設定、変更等は、システム管理者によってデータベース管理装置1の操作表示部13を介して行われる。例えば、上記の例において、データ項目のソート順序、ハイライトの有無等の変更要求がクライアント端末4a〜4nからあったときに、ソート順序Tc3、ハイライト有無Tc4等の対応するデータ項目が変更され更新される。
【0027】
項目結合情報Tdには、データ項目情報Tbに登録されているデータ項目のデータを取得するために必要なテーブルの結合条件が設定されている。図4は、システム情報データベースに格納される項目結合情報について説明するための図である。項目結合情報Tdは、例えば図4に示すように、格納テーブル名Td1、主テーブル名Td2、親テーブル名Td3、親テーブル実名Td4、結合条件Td5等、を有するように構成される。
【0028】
ここで、格納テーブル名Td1にはデータ項目情報Tbの格納テーブル名Tb4に設定された格納テーブル名が、主テーブル名Td2には格納テーブル名Td1に設定されたテーブルの最上位の親テーブル名が、親テーブル名Td3には格納テーブル名Td1に設定されたテーブルの直近の親テーブル名が、親テーブル実名54には親テーブルに別名が付されている場合における親テーブルの実名が、結合条件Td5には対象のデータ項目に応じた格納テーブル名Td1と親テーブル名Td3の結合条件が、それぞれ設定される。
【0029】
ここで、受診情報登録テーブルに受診者名、受信者ID、事業所ID、部署ID、受診結果等が関連付けられて記録され、受診部署登録テーブルに受診者ID、事業所ID、部署ID、事業所名、部署名等が関連付けられて記録され、受診情報登録テーブルからたどって対象の受診者が所属している事業所の部署名を取得する例を取り上げる。この場合、受診情報登録テーブルの受診者IDを結合条件にして受診情報登録テーブルを受診部署登録テーブルに結合し、受診者情報登録テーブルの事業所IDと部署IDとをそれぞれ結合条件にして受診情報登録テーブルを受診部署登録テーブルに結合し、その受診部署登録テーブルの部署名が取得される。この例の項目結合情報は、図4に示すものとなる。この項目結合情報Tdは、健診情報データベースの構成に応じて作成され、健診情報データベースの構成が変更となったとき、項目結合情報Tdも変更に応じて修正される。
【0030】
出力項目設定情報Teには、設定された一群のデータ項目からなるデータ項目(以下、設定データ項目という。)の構成等の所定の情報が設定されている。設定データ項目「窓口料金データ」は、例えば、設定された「受診日」、「健診者氏名」、「税別料金」、「税金」等のデータ項目によって構成される。図5は、システム情報データベースに格納される出力項目設定情報について説明するための図である。出力項目設定情報Teは、出力項目設定名Te1、設定内容Te2、承認状態Te3等、を有するように構成される。
【0031】
ここで、出力項目設定名Te1には出力項目設定情報Teを特定する名称が、設定内容Te2には設定データ項目の構成が、それぞれ設定され、承認状態Te3には出力項目設定名Te1と設定内容Te2に設定された内容についての承認の状態が設定される。承認状態Te3には、例えば、権限のないユーザが出力項目設定情報Teを設定して保存したとき、「未承認」という状態が格納される。
【0032】
「未承認」が格納された出力項目設定情報Teの設定の内容についてユーザがクライアント端末4a〜4nを介して承認依頼を行うと、データベース管理装置1に承認依頼が受信され、承認状態Te3に「承認依頼中」という状態が格納される。システム管理者等の承認権限のあるユーザによって承認依頼に対して判断がなされたとき、判断に応じて承認状態Te3に、承認を示す「承認済」、却下を示す「承認却下」という状態が設定される。承認状態Te3が「承認済」でないときは、対応する設定データ項目を設定することはできない。
【0033】
図6は、システム管理者がシステム情報データベースに格納されたデータ項目情報及び項目出力権限情報を編集する場合等に表示する画面の一実施例を示す図である。画面は、項目種別コンボボックスD62及び全項目情報リストD63が表示される全項目情報一覧D61と、ユーザIDコンボボックスD65及びユーザ別項目情報リストD66が表示されるユーザ別項目情報一覧D64と、を有するように構成される。
【0034】
項目種別コンボボックスD62には、全項目情報リストD63に表示させるデータ項目のデータ項目種別Tb2が設定される。全項目情報リストD63には、項目種別コンボボックスD62に設定されたデータ項目種別Tb2の全データ項目及び関連する情報がリストされる。ユーザIDコンボボックスD65には、ユーザ名等のユーザを特定する情報が入力される。ユーザ別項目情報リストD66には、ユーザIDコンボボックスD65を介して指定されたユーザに対する設定内容がリストされる。ここで、項目種別コンボボックスD62を介して設定されたデータ項目は、ユーザ別項目情報リストD66に連動して反映される。
【0035】
システム管理者は、ユーザIDコンボボックスD65を介して指定されたユーザに対して、設定が許可されたデータ項目の例えばソート順序Tc3、ハイライト有無Tc4等について、ユーザ別項目情報リストD66から編集することができる。また、データ項目を全項目情報リストD63からユーザ別項目情報リストD66に例えばドラッグ&ドロップすることによって、ユーザに設定を許可するデータ項目を追加することができる。ユーザに設定を許可しないデータ項目については、ユーザ別項目情報リストD66から外にドラッグ&ドロップすることによって、対象のデータ項目を削除することができる。使用可能なデータ項目のソート順は、ユーザ別項目情報リストD66内でデータ項目をドラッグ&ドロップすることによって、変更可能となっている。
【0036】
図7は、ユーザがデータ項目の設定を行う場合等に表示する画面の一実施例を示す図である。画面は、主テーブル名コンボボックスD72、項目種別コンボボックスD73及び項目情報リストD74が表示される項目情報一覧D71と、出力項目リストD77が表示される出力項目一覧D76と、を有するように構成される。
【0037】
主テーブル名コンボボックスD72には、項目情報リストD74に表示させるデータ項目のデータが設定された主テーブル名が設定される。項目種別コンボボックスD73には、項目情報リストD74に表示させるデータ項目のデータ項目種別Tb2が設定される。
【0038】
項目出力権限情報Tcのハイライト有無Tc4に「true」即ち「ハイライト有り」と設定されたデータ項目は、データ項目D75として示すように強調表示等がなされ、識別可能に表示される。これによって、ユーザは、新たに設定が許可されたデータ項目を項目情報リストD74において容易に知覚できる。この強調表示は、ユーザが項目情報リストD74上で強調表示の解除操作をすることによって所望のタイミングで解除することができる。項目情報リストD74上のデータ項目のソート順は、対象のデータ項目をドラッグ&ドロップして上下に移動させることによって、変更可能となっている。
【0039】
出力項目一覧D76には、ユーザが設定した又は設定しようとするデータ項目の一覧が出力項目リストD77として表示される。ユーザは、データ項目を項目情報リストD74から出力項目リストD77に例えばドラッグ&ドロップすることによって、設定しようとするデータ項目を追加することができる。ここで、主テーブル名コンボボックスD72は、出力項目リストD77にデータ項目が1つ以上設定されることによって、非活性になり、ユーザは、別のテーブルを主テーブルとするデータ項目を設定できなくなる。また、ユーザは、不要なデータ項目を、出力項目リストD77から外にドラッグ&ドロップすることによって、削除することができる。出力されるデータのデータ項目のソート順は、出力項目リストD77内でデータ項目をドラッグ&ドロップすることによって、変更可能となっている。
【0040】
図8は、クライアント端末の構成の一実施例を示すブロック図である。クライアント端末は、通信回線を介してデータベース管理装置と通信する通信部41と、所定のデータ処理を行うデータ処理部42と、データを表示する表示部43と、操作及びデータの入力のための操作入力部44と、データを記憶するデータ記憶部45と、帳票をプリントアウトする帳票印刷部46とを備える。
【0041】
データ処理部42は、操作入力部44を介して入力されたデータに基づいて、データベース管理装置に送信するデータの作成、編集等を行い、データベース管理装置から受信したデータを必要に応じて処理し、表示部43に表示させる等、の所定の処理を行うようになっている。通信部41は、データ処理部42が作成したデータの処理要求をデータベース管理装置に送信し、処理結果の受信を行う。データ記憶部45は、データ処理部42からの処理結果をファイル等として格納し、帳票印刷部46は、データ処理部42が処理した結果を帳票にしてプリントアウトする。
【0042】
図9は、設定データ項目を取得するSQL文の作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。SQL文の作成はクライアント端末の要求に応じて行われ、データ取得の対象は、上記のように、ユーザが権限を有するデータ項目の内、クライアント端末を介して要求があったデータである。
【0043】
まず、出力項目設定情報Teの設定内容Te2にリストされた全てのデータ項目と、このデータ項目のデータを出力するための主テーブルとなるテーブル名と、を取得する(S901)。設定データ項目は、設定内容Te2内にリストされているように通常複数のデータ項目からなる。
【0044】
次に、ステップS901で取得したデータ項目毎にデータ項目情報Tbの格納テーブル名Tb4と格納カラム名Tb6を取得してSELECT句に設定するデータを作成し、作成した各データをSELECT句に設定してSELECT句を作成する(S902)。SELECT句には、例えば、「格納テーブル名.格納カラム名」が設定される。
【0045】
次に、ステップS901で取得したデータ項目毎にデータ項目情報Tbの格納テーブル名Tb4と格納テーブル実名Tb5を取得してFROM句に設定するデータを作成し、作成した各データをFROM句に設定してFROM句を作成する(S903)。FROM句には、格納テーブル実名Tb5がNULLの場合は「格納テーブル名」、格納テーブル実名Tb5がNULLではない場合は「格納テーブル実名 AS 格納テーブル名」が設定される。
【0046】
次に、データベース間の結合が必要な全てのデータ項目について、格納テーブル名Tb4とデータ項目の主テーブル名とから項目結合情報Tdを検索し、検索された項目結合情報Tdの親テーブル名Td3と親テーブル実名Td4とに基づいてステップS903と同様にFROM句を作成して追加し、結合条件を設定する(S904)。
【0047】
各FROM句には、上記と同様に、格納テーブル実名54がNULLの場合は「親テーブル名」が、格納テーブル実名54がNULLではない場合は「親テーブル実名 AS 親テーブル名」が、それぞれ設定される。また、FROM句には、項目結合情報Tdの結合条件Td5に設定されたものが、結合条件として設定される。これによって、設定されたデータ項目についてのデータを取得するためのSQL文が得られる。
【0048】
以上、本発明のデータベース管理装置によれば、ユーザに応じてデータ出力を許可するデータ項目を管理でき、データベースの構成の変更に対しても、プログラム変更等を介してのデータベース管理装置の構成を変更することなく、データを出力することができ、許可に関して変更されたデータ項目を視覚的に認識できる。また、データベース管理装置が行う処理は、医療情報システム等に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明によるデータベース管理システムの一実施例を模式的に示すブロック構成図である。
【図2】システム情報データベースに格納されるデータ項目情報について説明するための図である。
【図3】システム情報データベースに格納される項目出力権限情報について説明するための図である。
【図4】システム情報データベースに格納される項目結合情報について説明するための図である。
【図5】システム情報データベースに格納される出力項目設定情報について説明するための図である。
【図6】システム管理者がシステム情報データベースに格納されたデータ項目情報及び項目出力権限情報を編集する場合等に表示する画面の一実施例を示す図である。
【図7】ユーザがデータ項目の設定を行う場合等に表示する画面の一実施例を示す図である。
【図8】クライアント端末の構成の一実施例を示すブロック図である。
【図9】設定データ項目を取得するSQL文の作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 データベース管理装置
2、3 記憶装置
4a〜4n クライアント端末
11 データ処理部
12 送受信アクセス部
13 操作表示部
41 通信部
42 データ処理部
43 表示部
44 操作入力部
45 データ記憶部
46 帳票印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント端末と通信可能に接続され、少なくとも、ユーザが出力しようとするデータを格納する第1のデータベースと前記第1のデータベースからデータを取得するために必要な情報を格納する第2のデータベースとにアクセス可能であり、前記クライアント端末を介したユーザからの要求に応じて、前記第1のデータベース内のデータを出力するデータベース管理装置であって、
前記第1のデータベースから出力を希望するデータのデータ項目をユーザに設定させる画面を作成する第1の工程と、
前記第1の工程でユーザが設定したデータ項目を受信する第2の工程と、
前記ユーザの権限に応じて、許可する前記データ項目をシステム管理者に設定させる画面を作成する第3の工程と、
許可された前記データ項目を格納する第4の工程と、
前記第3の工程でシステム管理者が許可したデータ項目を対応する前記クライアント端末に送信する第5の工程と、
を行うことを特徴とするデータベース管理装置。
【請求項2】
前記第3の工程で作成された画面が、システム管理者に許可の有無を承認の可否として入力可能になっていると共に、
許可された前記データ項目に変更があったときに、ユーザが識別可能に前記クライアント端末に表示させることを特徴とする請求項1に記載のデータベース管理装置。
【請求項3】
前記第1のデータベース及び前記第2のデータベースから、SQL(Structured Query Language)文を用いてデータを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータベース管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−140201(P2008−140201A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326484(P2006−326484)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】