説明

データ処理装置、画像処理装置およびプログラム

【課題】省電力状態にあるときの消費電力を低減しつつ、省電力状態への移行を高速化する。
【解決手段】CPUは、ミラーリング実行中かどうかを示すミラーリングフラグを「オフ」に設定し(ステップ101)、処理要求があると(ステップ102でYes)、ミラーリングフラグを「オン」に設定して省電力モードへの移行が行われないようにし(ステップ103)、共通レジスタ情報および固有レジスタ情報をミラーリングするときの記録領域を決定する(ステップ104)。そして、共通レジスタ情報を不揮発性RAMにミラーリングして完了すると完了情報を記録し(ステップ105〜108)、固有レジスタ情報を不揮発性RAMにミラーリングして完了すると完了情報を記録し(ステップ109〜112)、最後に、ミラーリングフラグを「オフ」に設定して省電力モードへの移行が行われるようにする(ステップ113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、画像処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
省電力化の効果を向上させつつ、省電力モードと通常モードとの切り替え時において、安定した動作を実現する情報処理装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の情報処理装置では、CPUは、メインメモリをセルフリフレッシュモードに設定するべく、制御信号CKE1をメインメモリに供給すると、I/Oデバイスの省電力制御部も、制御信号CKE2を供給する。通常モードに切り替える処理の際にも、省電力制御部は、電源電圧の立ち上がりの過程において、CPUを初期化して電源電圧が安定後、自装置が有する各回路の同期を取るためのクロックが同期していることを確認すると、自装置が動作可能な状態であると判断する。
【0003】
高速アクセスが可能で、データの不揮発性を有する半導体メモリは知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の半導体メモリは、DRAM、フラッシュメモリおよび転送制御回路を含む。転送制御回路は、電源電位VDDの立上がりに応答してフラッシュメモリのデータをDRAMに転送させ、外部電源スイッチがオフされたことを示す信号PWOFFが与えられたことに応じてDRAMのデータをフラッシュメモリに転送させ、内部電源スイッチをオフさせるための信号READYを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−123127号公報
【特許文献2】特開2001−5723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、省電力状態にあるときの消費電力を低減しつつ、省電力状態への移行を高速化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する記憶手段と、機器の動作を制御するデータであって、当該機器の前記不揮発性メモリを含む部分に電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある当該機器の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記記憶手段に転送する転送手段とを備えたことを特徴とするデータ処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記取得手段は、1つの要求に応じた前記機器の動作中に前記制御データを繰り返し取得し、前記転送手段は、前記取得手段により前記制御データが取得される都度、当該制御データを前記記憶手段に転送することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記転送手段は、第1の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データを、前記記憶手段の第1の領域に転送し、当該第1の要求の次の第2の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データを、前記記憶手段の当該第1の領域とは異なる第2の領域に転送することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記機器の状態を前記省電力状態に移行させる事象が発生すると、特定の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データが前記記憶手段に記憶されていない場合以外の場合に、当該機器の状態を前記省電力状態に移行させる移行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のデータ処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記機器の状態を前記通常状態に復帰させる事象が発生すると、第1の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得され前記記憶手段の第1の領域に記憶された前記制御データ、および、当該第1の要求の次の第2の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得され前記記憶手段の当該第1の領域とは異なる第2の領域に記憶された前記制御データのうち、前記記憶手段の当該第2の領域に記憶された前記制御データを用いて、当該機器の状態を前記通常状態に復帰させる復帰手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記機器の動作は、当該機器が有する複数の機能のうちの特定の機能による動作であり、前記転送手段は、前記制御データが前記記憶手段に前記特定の機能に関連付けて記憶されるように、当該制御データを前記記憶手段に転送することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のデータ処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記不揮発性メモリは、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置である。
請求項8に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成機能、記録材に形成された画像を読み取る画像読み取り機能、画像を送受信する画像送受信機能のうちの特定の機能による画像処理を行う画像処理手段と、転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する記憶手段と、自装置の前記特定の機能による動作を制御するデータであって、前記画像処理手段および前記不揮発性メモリに電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある自装置の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記記憶手段に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する機能と、機器の動作を制御するデータであって、当該機器の前記不揮発性メモリを含む部分に電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある当該機器の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する機能と、取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記不揮発性メモリに転送する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、省電力状態にあるときの消費電力を低減しつつ、省電力状態への移行を高速化することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、省電力状態への移行をより一層高速化することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、例えば突然電源が供給されなくなったとしても、通常状態に復帰できる可能性が高まる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、各要求に応じた機器の動作を単位として通常状態に復帰できる可能性が高まる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、通常状態に復帰したときに新しい状態に戻っている可能性が高まる。
請求項6の発明によれば、通常状態に復帰したときの状態を、機能によって変更することができる。
請求項7の発明によれば、例えば不揮発性メモリとしてEEPROMあるいはフラッシュメモリを用いた場合と比較して、不揮発性メモリからのプログラムの読み取りをより高速に行うことができる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、省電力状態にあるときの消費電力を低減しつつ、省電力状態への移行を高速化することができる。
請求項9の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、省電力状態にあるときの消費電力を低減しつつ、省電力状態への移行を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置に設けられた制御部の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【図3】制御部に設けられたCPUの内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【図4】本実施の形態におけるミラーリングの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】レジスタ情報が記憶された不揮発性RAMのメモリマップの構成の一例を示す図である。
【図6】レジスタ情報が記憶された不揮発性RAMのメモリマップの構成の一例を示す図である。
【図7】復帰機能決定情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における復帰動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
この画像形成システムは、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を備えた画像形成装置1と、画像形成装置1に接続されるネットワーク2と、ネットワーク2に接続される端末装置3と、ネットワーク2に接続されるファクシミリ装置4と、ネットワーク2に接続されるサーバ装置5とを有している。
【0010】
ここで、ネットワーク2は、インターネット回線や電話回線等によって構成されている。また、端末装置3は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1に画像の形成等を指示するものであり、例えばPC(Personal Computer)で構成される。さらに、ファクシミリ装置4は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でファクシミリを送受信する。さらにまた、サーバ装置5は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でデータ(プログラムを含む)を送受信する。
【0011】
また、画像形成装置1は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る画像読取部10と、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部20と、ユーザから電源のオン/オフ、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージを表示するユーザインタフェース(UI)30と、ネットワーク2を介して端末装置3、ファクシミリ装置4およびサーバ装置5との間でデータの送受信を行う送受信部40と、これら画像読取部10、画像形成部20、UI30および送受信部40の動作を制御する制御部50とを備えている。そして、この画像形成装置1では、画像処理手段の一例としての画像読取部10によって特定の機能の一例としてのスキャン機能が実現され、画像処理手段の一例としての画像形成部20によって特定の機能の一例としてのプリント機能が実現され、画像処理手段の一例としての画像読取部10および画像処理手段の一例としての画像形成部20によって特定の機能の一例としてのコピー機能が実現され、画像処理手段の一例としての画像読取部10、画像処理手段の一例としての画像形成部20および画像処理手段の一例としての送受信部40によって特定の機能の一例としてのファクシミリ機能が実現される。なお、送受信部40は、例えばインターネット回線用のものと電話回線用のものとを、別々に設けるようにしてもかまわない。
【0012】
図2は、図1に示す画像形成装置1に設けられた制御部50の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
データ処理装置の一例としての制御部50は、種々の演算を実行することによって画像形成装置1の各部を制御する取得手段、転送手段、移行手段、復帰手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)51と、CPU51に接続され、CPU51との間で各種データのやりとりを行うバスブリッジ52とを備えている。制御部50において、バスブリッジ52には、第1のクロックでデータのやりとりを行うメモリバス53と、第1のクロックよりも周波数が低い第2のクロックでデータのやりとりを行うPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54とが接続されている。
【0013】
また、制御部50は、ROM(Read Only Memory)55と、不揮発性RAM(Random Access Memory)56と、揮発性RAM57とを備えている。そして、これらROM55、不揮発性RAM56および揮発性RAM57は、それぞれ、メモリバス53に接続されている。
【0014】
さらに、制御部50は、UI30を制御するためのUIインタフェース回路(UIIF)61と、画像形成部20を制御するためのプリントインタフェース回路(プリントIF)62と、例えば画像形成が行われた記録媒体に後処理を施す後処理部70など、画像形成装置1に後付けで装着されるオプションユニットを制御するためのオプションインタフェース回路(オプションIF)63と、送受信部40を制御するためのネットワークインタフェース回路(ネットワークIF)64と、USB(Universal Serial Bus)デバイスを制御するためのUSBインタフェース回路(USBIF)65とを備えている。そして、これらUIIF61、プリントIF62、オプションIF63、ネットワークIF64およびUSBIF65は、それぞれ、PCIバス54に接続されている。また、本実施の形態では、USBIF65に対し、画像読取部10が接続されている。なお、USBIF65には、例えば、装着されたメモリカード81に対しデータを読み書きするカードリーダ80が接続されることもある。
【0015】
そして、制御部50は、制御部50を構成する各部(CPU51等)が動作するクロックの基準となる基準クロックを生成するクロックジェネレータ58と、CPU51等の動作に伴って計時を行うタイマ59とをさらに備えている。
【0016】
本実施の形態における制御部50は、例えば、1チップのマイクロコントローラによって構成されている。ただし、制御部50を、複数のチップで構成してもかまわない。
【0017】
また、本実施の形態の制御部50において、CPU51は、ROM55、不揮発性RAM56および揮発性RAM57に直接アクセスすることが可能となっている。以下の説明では、メモリバス53に接続されるROM55、不揮発性RAM56および揮発性RAM57を、まとめて『メインメモリ』と称することがある。
【0018】
ここで、ROM55は、所謂マスクROM、各種PROM(Programmable ROM:例えばOTP ROM (One Time Programmable ROM)、UV−EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM))、フラッシュメモリなどで構成されている。なお、この例では、ROM55として、フラッシュメモリが用いられている。
【0019】
また、記憶手段の一例としての不揮発性RAM56は、MRAM(Magnetoresistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)など、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリによって構成されている。なお、この例では、不揮発性RAM56として、ROM55として用いられるフラッシュメモリよりも高速にデータの読み書きが可能なMRAMが用いられている。
【0020】
さらに、揮発性RAM57は、DRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)など、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリによって構成されている。なお、この例では、揮発性RAM57として、DRAMが用いられている。
【0021】
そして、本実施の形態では、不揮発性RAM56および揮発性RAM57が、ともに第1のクロックでデータの読み書きを行う。このため、不揮発性RAM56は、揮発性RAM57(この例ではDRAM)と同等の読み書き性能を有していることになる。
【0022】
図3は、図2に示す制御部50に設けられたCPU51の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
本実施の形態のCPU51は、制御部50に設けられたバスブリッジ52と接続され、バスブリッジ52との間で各種データのやりとりを行うバスコントロールユニット511と、バスコントロールユニット511に接続され、CPU51内において上述した第1のクロックよりも周波数が高い第3のクロックで各種データのやりとりを行うCPU内部バス512とを備えている。またCPU51は、CPU51内の各部を制御する制御ユニット513と、読み出したプログラムにしたがって各種演算を実行する演算ユニット514と、演算ユニット514が実行するプログラムが格納されたアドレスの保持、演算ユニット514による演算結果の保持、さらにはメインメモリ(ROM55、不揮発性RAM56および揮発性RAM57)との間でデータのやりとりを行う際のアドレスの保持を行うための各種レジスタを備えたレジスタ群515と、演算ユニット514による演算結果を一時的に保持するキャッシュメモリ516と、CPU51が要求するメモリアクセスを処理するメモリ管理ユニット517とを備えている。
【0023】
ここで、レジスタ群515は、演算ユニット514が次に実行するべき命令を格納するメインメモリ上のアドレスを保持するプログラムカウンタ(PC)515aと、一時的にデータを退避しておくために用意するスタック領域のアドレスを保持するスタックポインタ(SP)515bと、CPU51の状態や演算の状態などを保持するステータスレジスタ(SR)515cと、演算やデータ転送の一次記憶などに使用されるアキュムレータ、メインメモリ上のデータにアクセスするためのアドレスを保持するアドレスレジスタ、さらにはCPU51の動作設定の情報を保持するコントロールレジスタ等として機能する汎用レジスタ515dとを含んでいる。
【0024】
そして、レジスタ群515およびキャッシュメモリ516は、ともに、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリによって構成されている。なお、この例では、レジスタ群515およびキャッシュメモリ516として、揮発性RAM57で用いられるDRAMよりも高速にデータの読み書きが可能なSRAMが用いられている。
【0025】
ところで、図1に示す画像形成装置1は、省電力の観点から、通常状態の一例としての通常モードと、省電力状態の一例としての省電力モードという2つの動作モードを備える。このうち、通常モードとは、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能による動作が行われている稼動モード、および、要求があればその動作へ移行可能な待機モードとを含むモードである。また、省電力モードとは、通常モードにおいて要求が予め定めた期間来ない場合に、画像形成装置1における要求を検出する部分以外の部分への電力の供給を停止することで、通常モードよりも消費電力を低減するモードである。
【0026】
このように省電力モードを備えた画像形成装置1において、省電力モードからの復帰を高速化するためには、通常モードから省電力モードに遷移する際に、保護すべきデータをまとめて揮発性RAM57に退避することが考えられる。この場合、揮発性RAM57および復帰要因の検出に関係する部分以外への電力の供給を停止し、揮発性RAM57はセルフリフレッシュに設定することで、省電力が実現される。
また、揮発性RAM57に代えて、不揮発性RAM56を用いれば、メモリの電源を落とせるため、消費電力をより低減できると考えられる。
【0027】
しかしながら、このように、通常モードから省電力モードに遷移する際に、保護すべきデータをまとめて不揮発性RAM56に退避したのでは、通常モードから省電力モードへの遷移時間が長くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、このときの遷移時間を短縮するため、保護すべきデータを不揮発性RAM56に常時ミラーリングする構成を採用する。ここで、「保護すべきデータ」とは、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の各機能の動作を制御するためにASIC(Application Specific Integrated Circuit)内の機能モジュールのレジスタに書き込まれ、省電力モードから通常モードに復帰するために必要となる制御データの一例としてのレジスタ情報のことをいう。また、「不揮発性RAM56に常時ミラーリングする」とは、ASIC内の機能モジュールのレジスタに情報を書き込むのに並行して、その情報(レジスタ情報)を不揮発性RAM56にも記憶することをいう。なお、保護すべきデータを揮発性RAM57に退避する構成を前提とした場合、処理性能および容量の観点から常時ミラーリングすることは難しいので、このような構成は、揮発性RAM57に代えて不揮発性RAM56を用いることで初めて可能になるものである。
【0028】
また、常時ミラーリングを行う際には、ミラーリング中に、停電が発生したり、電源コンセントが誤って抜かれたりすることにより、電力の供給が途絶える場合がある。このような場合、ミラーリングによって不揮発性RAM56に格納されたレジスタ情報は信頼性を失ってしまう。
そこで、本実施の形態では、ミラーリングによって不揮発性RAM56に格納されたレジスタ情報のセットのうち、省電力モードから復帰するために必要なセット(以下では、『復帰ポイント』と称する)を2つ以上持つようにし、条件(復帰要因、マシン構成)に応じて、どの復帰ポイントから復帰するかを選択できるようにする。
【0029】
図4は、図1に示す画像形成装置1のミラーリングの動作を説明するためのフローチャートである。
制御部50に設けられたCPU51は、まず、不揮発性RAM56に、ミラーリングフラグとして「オフ」を格納する(ステップ101)。ここで、ミラーリングフラグは、ミラーリングを実行中であるかどうかを示すフラグであり、ミラーリングが実行中である場合は「オン」に設定され、ミラーリングが実行中でない場合は「オフ」に設定される。
続いて、CPU51は、UI30または送受信部40を介して何らかの処理の要求があったかどうかを判断する(ステップ102)。例えば、スキャン要求、プリント要求、コピー要求、ファクシミリ要求があったかどうかを判断する。ステップ102において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、処理の要求がない場合、CPU51は、ステップ102での判断を繰り返す。
【0030】
一方、ステップ102において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、処理の要求があった場合、CPU51は、不揮発性RAM56に格納されたミラーリングフラグを「オン」に設定する(ステップ103)。そして、不揮発性RAM56のミラーリング用の記録領域のうち、今回のミラーリングで使用する記憶領域を決定する(ステップ104)。具体的には、まず、不揮発性RAM56の画像形成装置1の機能ごとのミラーリング用の記録領域から、ステップ102で検出した処理要求に対応する機能のためのミラーリング用の記録領域を選択する。また、不揮発性RAM56の画像形成装置1の機能ごとのミラーリング用の記録領域の、連続する2回の処理要求に対応するレジスタ情報を記憶する部分領域から、古い方の処理要求に対応するレジスタ情報を記憶する部分領域を選択する。
【0031】
続いて、CPU51は、ASIC内の機能モジュールのレジスタを操作するレジスタ操作命令を検出し、このうち、ロード命令、ストア命令等のレジスタに情報を書き込むための命令によって書き込まれるレジスタ情報を不揮発性RAM56にミラーリングする処理を行う。なお、以下では、まず、全ての機能に共通に使用されるレジスタ情報である共通レジスタ情報を書き込むための命令が繰り返し検出され、次に、各機能に固有のレジスタ情報である固有レジスタ情報を書き込むための命令が繰り返し検出されるものとする。
【0032】
すなわち、CPU51は、まず、レジスタ操作命令を検出する(ステップ105)。そして、レジスタ操作命令がレジスタ情報を書き込むための命令であれば、そのレジスタ情報、つまり、共通レジスタ情報を不揮発性RAM56にミラーリングする(ステップ106)。その後、CPU51は、ミラーリングが完了したかどうかを判断する(ステップ107)。なお、ミラーリングが完了したかどうかの判断は、ステップ105で検出したレジスタ操作命令が共通レジスタ情報の書き込みの終了を示すものであるかどうかを調べることによって行うとよい。ステップ107において否定の判断(No)を行った場合は、ステップ105に戻り、レジスタ操作命令の検出および共通レジスタ情報のミラーリングを続けて行う。
一方、ステップ107において肯定の判断(Yes)を行った場合、CPU51は、ミラーリングが完了した旨を示す完了情報を共通レジスタ情報の末尾に記録する(ステップ108)。
【0033】
次に、CPU51は、さらにレジスタ操作命令を検出する(ステップ109)。そして、レジスタ操作命令がレジスタ情報を書き込むための命令であれば、そのレジスタ情報、つまり、固有レジスタ情報を不揮発性RAM56にミラーリングする(ステップ110)。その後、CPU51は、ミラーリングが完了したかどうかを判断する(ステップ111)。なお、ミラーリングが完了したかどうかの判断は、ステップ109で検出したレジスタ操作命令が固有レジスタ情報の書き込みの終了を示すものであるかどうかを調べることによって行うとよい。ステップ111において否定の判断(No)を行った場合は、ステップ109に戻り、レジスタ操作命令の検出および固有レジスタ情報のミラーリングを続けて行う。
一方、ステップ111において肯定の判断(Yes)を行った場合、CPU51は、ミラーリングが完了した旨を示す完了情報を固有レジスタ情報の末尾に記録する(ステップ112)。
【0034】
その後、CPU51は、ミラーリングフラグをリセットし(ステップ113)、不揮発性RAM56に、ミラーリングフラグとして「オフ」を格納した状態で、ステップ102に戻る。
【0035】
さて、CPU51は、予め定めた期間内に処理要求が来ない場合等、画像形成装置1を省電力モードに移行させる事象が発生した場合、ミラーリングフラグを確認し、ミラーリングフラグが「オフ」に設定されていれば、省電力モードに移行する。ただし、画像形成装置1を省電力モードに移行する事象として、予め定めた期間内に処理要求が来ないという事象のみを考えた場合は、この時点でミラーリングが完了しているのが普通であるので、ミラーリングフラグが「オフ」であることを確認することなく省電力モードに移行することも考えられる。
【0036】
なお、この動作例では、上述したように、共通レジスタ情報を書き込むための命令が繰り返し検出された後に、固有レジスタ情報を書き込むための命令が繰り返し検出されることを前提としたが、共通レジスタ情報を書き込むための命令と固有レジスタ情報を書き込むための命令とが規則性なく検出されることを前提としてもよい。この場合は、各命令が共通レジスタ情報を書き込むための命令であるか固有レジスタ情報を書き込むための命令であるかを判断しながら、レジスタ情報を不揮発性RAM56の該当する領域にミラーリングするとよい。
【0037】
また、この動作例では、レジスタ操作命令を検出することにより、レジスタ情報を不揮発性RAM56にミラーリングするようにしたが、これには限らない。より一般的に、レジスタ情報をレジスタに書き込まれる際に取得し、取得したレジスタ情報をミラーリングするものと捉えてもよい。また、1つの要求に応じた画像形成装置1の動作中に書き込まれるレジスタ情報をミラーリングする際には、その動作中にレジスタ情報を繰り返し取得し、レジスタ情報を取得する都度、ミラーリングするものと捉えてもよい。
【0038】
図5は、図4のミラーリングの動作によりレジスタ情報が記憶された不揮発性RAM56のメモリマップの構成の一例を示す図である。
この例では、不揮発性RAM56に、まず、共通レジスタ情報が記憶されている。ここで、共通レジスタ情報とは、上述したように、全ての機能で共通に使用されるレジスタ情報であり、例えば、ASIC内部のPLL(Phase Locked Loop)、クロック、リセット等のコンフィグである。また、不揮発性RAM56には、固有レジスタ情報として、プリント機能に固有のプリントレジスタ情報、各機能に固有のレジスタ情報を全て含む全復帰レジスタ情報、ファクシミリ機能に固有のFAXレジスタ情報等も記憶されている。なお、共通レジスタ情報および各固有レジスタ情報の具体的な内容は、不揮発性RAM56のメモリマップの右側の点線内に例示している。さらに、各レジスタ情報には、その記録が完了したことを示す完了情報が記憶されており、この完了情報は、各レジスタ情報の右下隅の黒色の矩形で示している。さらにまた、各レジスタ情報は、ある要求に応じた画像形成装置1の動作中にある領域に記録された古いレジスタ情報と、その要求の次の要求に応じた画像形成装置1の動作中にその領域とは異なる領域に記録された新しいレジスタ情報とを含む。図では、この古いレジスタ情報および新しいレジスタ情報を、それぞれの記録日時をレジスタ情報の種類名に付した括弧内に記すことにより表している。なお、本実施の形態では、このように古いレジスタ情報および新しいレジスタ情報を記憶するので、ROM55に復帰ポイントを固定値で埋め込む方式と異なり、画像形成装置1の最新のキャリブレーション情報や設定情報を保持可能となっている。
【0039】
このような状態で省電力モードに移行した場合を考える。この場合、プリント要求が来て通常モードに復帰する際には、復帰ポイントとして、共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)およびプリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)が使用される。また、ファクシミリ要求が来て通常モードに復帰する際には、復帰ポイントとして、共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)およびFAXレジスタ情報(2011/01/10 8:00)が使用される。
【0040】
これに対し、プリント処理で共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)およびプリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)をミラーリングする際、共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)の記録は完了したものの、プリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)の記録中に強制的に電源が落とされた場合を考える。
【0041】
図6は、この場合の不揮発性RAM56のメモリマップの構成の一例を示す図である。
この場合、プリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)は途中までしか記録されないので、図では、これを、プリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)の下部の斜線ハッチングで示している。
【0042】
このような状態で省電力モードに移行した場合を考える。この場合、プリント要求が来て通常モードに復帰する際には、プリントレジスタ情報(2011/03/22 13:40)が使用できないため、復帰ポイントとして、共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)およびプリントレジスタ情報(2011/03/22 11:23)が使用される。また、ファクシミリ要求が来て通常モードに復帰する際には、復帰ポイントとして、図5の場合と同様に、共通レジスタ情報(2011/03/22 13:40)およびFAXレジスタ情報(2011/01/10 8:00)が使用される。
【0043】
さて、以上の例では、復帰要因としてプリント要求があった場合は、復帰機能をプリント機能とし、プリント機能に対応する復帰ポイントを選択して復帰することとし、復帰要因としてファクシミリ要求があった場合は、復帰機能をファクシミリ機能とし、ファクシミリ機能に対応する復帰ポイントを選択して復帰することとした。ところが、復帰要因に基づく復帰ポイントの決定方法は、必ずしもこのように単純であるとは限らず、また、画像形成装置1の構成によっても異なってくる。そこで、復帰要因に基づく復帰ポイントの決定方法について、ここで説明しておく。
【0044】
図7は、マシン構成と復帰要因と復帰機能とを対応付けた復帰機能決定情報の一例を示す図である。この復帰機能決定情報は、あるマシン構成の画像形成装置1がある復帰要因を検出した場合にそのマシン構成およびその復帰要因に対応付けられた復帰機能を復帰することを示している。すなわち、全ての機能に共通の共通レジスタ情報と、復帰機能に対応する固有レジスタ情報とを含む復帰ポイントを選択して復帰することになる。例えば、復帰機能決定情報の2行目は、ネットワークに接続され、スキャナ、プリンタ、ファクシミリを備えたマシン構成の画像形成装置1が、復帰要因として節電復帰ボタンの押下を検出した場合、プリント機能、スキャン機能、コピー機能を復帰することを示している。すなわち、共通レジスタ情報と、プリント機能、スキャン機能、コピー機能の各機能に対応する固有レジスタ情報とを含む復帰ポイントを選択して復帰することになる。
なお、この復帰機能決定情報に基づく復帰ポイントの決定は、不揮発性RAM56等のメモリに記憶した復帰機能決定情報を参照することにより行ってもよいし、復帰動作を実行するプログラムのコードに復帰機能決定情報に基づいて復帰ポイントを決定するロジックを記述することにより行ってもよい。
【0045】
図8は、図1に示す画像形成装置1の復帰動作を説明するためのフローチャートである。
制御部50に設けられたCPU51は、まず、復帰要因を検出する(ステップ121)。そして、この復帰要因に基づいて、復帰ポイントの種類を決定する(ステップ122)。例えば、図7の復帰機能決定情報が不揮発性RAM56等のメモリに記憶されていれば、この復帰機能決定情報を参照することにより復帰要因に対応する復帰機能を特定し、共通レジスタ情報とその復帰機能に対応する固有レジスタ情報とを復帰ポイントの種類として決定する。或いは、図7の復帰機能決定情報に従ったロジックがプログラムのコードに記述されていれば、共通レジスタ情報とこのロジックに従って決定された復帰機能に対応する固有レジスタ情報とを復帰ポイントの種類として決定する。
【0046】
続いて、CPU51は、ステップ122で決定した種類の復帰ポイントがあるかどうかを判断する(ステップ123)。
ステップ123において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、ステップ122で決定した種類の復帰ポイントがない場合、CPU51は、初期ブートを行う(ステップ124)。すなわち、共通レジスタ情報および全復帰レジスタ情報を復帰ポイントとして復帰する(ステップ124)。例えば、初めてマシンに電源を入れた直後は、全復帰レジスタ情報および対応する共通レジスタ情報が復帰ポイントとして作成されているが、それ以外の復帰ポイントは存在しない。そこで、復帰要因に応じた復帰ポイントがない場合は、全復帰レジスタ情報を使用する。なお、この後、復帰要因となり得る事象の発生時に、その復帰要因に応じた復帰ポイントが作成される。例えば、プリント要求が来ると、プリントレジスタ情報が復帰ポイントとして作成される。
【0047】
一方、ステップ123において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、ステップ122で決定した種類の復帰ポイントがある場合、CPU51は、最新の共通レジスタ情報を参照し(ステップ125)、共通レジスタ情報の記録が完了したことを示す完了情報が記録されているかどうかを判断する(ステップ126)。ステップ126において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、完了情報が記録されている場合、CPU51は、その共通レジスタ情報を読み出す(ステップ127)。一方、ステップ126において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、完了情報が記録されていない場合、CPU51は、その共通レジスタ情報を記録したとき処理要求の1つ前の処理要求に応じて記録された共通レジスタ情報を読み出す(ステップ128)。
次に、CPU51は、ステップ122で決定した種類の復帰ポイントに対応する固有レジスタ情報を参照し(ステップ129)、この固有レジスタ情報の記録が完了したことを示す完了情報が記録されているかどうかを判断する(ステップ130)。ステップ130において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、完了情報が記録されている場合、CPU51は、その固有レジスタ情報を読み出す(ステップ131)。また、ステップ130において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、完了情報が記録されていない場合、CPU51は、その固有レジスタ情報を記録したとき処理要求の1つ前の処理要求に応じて記録された固有レジスタ情報を読み出す(ステップ132)。
そして、ステップ127又はステップ128で読み出した共通レジスタ情報と、ステップ131又はステップ132で読み出した固有レジスタ情報とを使用して、通常モードに復帰する(ステップ133)。
【0048】
ところで、本実施の形態では、制御部50を画像形成装置1に組み込んだ場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではなく、通常モードと省電力モードとを有するいかなる機器に適用しても差し支えない。
【0049】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0050】
1…画像形成装置、10…画像読取部、20…画像形成部、30…UI、40…送受信部、50…制御部、51…CPU、55…ROM、56…不揮発性RAM、57…揮発性RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する記憶手段と、
機器の動作を制御するデータであって、当該機器の前記不揮発性メモリを含む部分に電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある当該機器の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記記憶手段に転送する転送手段と
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、1つの要求に応じた前記機器の動作中に前記制御データを繰り返し取得し、
前記転送手段は、前記取得手段により前記制御データが取得される都度、当該制御データを前記記憶手段に転送することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記転送手段は、第1の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データを、前記記憶手段の第1の領域に転送し、当該第1の要求の次の第2の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データを、前記記憶手段の当該第1の領域とは異なる第2の領域に転送することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記機器の状態を前記省電力状態に移行させる事象が発生すると、特定の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得された前記制御データが前記記憶手段に記憶されていない場合以外の場合に、当該機器の状態を前記省電力状態に移行させる移行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記機器の状態を前記通常状態に復帰させる事象が発生すると、第1の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得され前記記憶手段の第1の領域に記憶された前記制御データ、および、当該第1の要求の次の第2の要求に応じた前記機器の動作中に前記取得手段により取得され前記記憶手段の当該第1の領域とは異なる第2の領域に記憶された前記制御データのうち、前記記憶手段の当該第2の領域に記憶された前記制御データを用いて、当該機器の状態を前記通常状態に復帰させる復帰手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記機器の動作は、当該機器が有する複数の機能のうちの特定の機能による動作であり、
前記転送手段は、前記制御データが前記記憶手段に前記特定の機能に関連付けて記憶されるように、当該制御データを前記記憶手段に転送することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記不揮発性メモリは、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
記録材に画像を形成する画像形成機能、記録材に形成された画像を読み取る画像読み取り機能、画像を送受信する画像送受信機能のうちの特定の機能による画像処理を行う画像処理手段と、
転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する記憶手段と、
自装置の前記特定の機能による動作を制御するデータであって、前記画像処理手段および前記不揮発性メモリに電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある自装置の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記記憶手段に転送する転送手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
転送されたデータを、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶しているデータを保持することが可能な不揮発性メモリに記憶する機能と、
機器の動作を制御するデータであって、当該機器の前記不揮発性メモリを含む部分に電源を供給しないことで通常状態よりも消費電力が低下した省電力状態にある当該機器の状態を当該通常状態に復帰させる際に必要となるデータである制御データが、読み書き可能であって、電源を供給しないと、記憶しているデータを保持することができない揮発性メモリに書き込まれる際に、当該制御データを取得する機能と、
取得された前記制御データを、当該制御データが前記揮発性メモリに書き込まれるのに並行して、前記不揮発性メモリに転送する機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−8105(P2013−8105A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138878(P2011−138878)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】