説明

データ受信装置及びデータ受信方法、並びにデータ送信装置及びデータ送信方法

【課題】複数の通信経路における遅延時間の差異が増加しても、通信経路の切り替えによる通信の断絶が生じ難いデータ受信装置、データ受信方法、データ送信装置、及びデータ送信方法を提供する。
【解決手段】データ受信装置200は、0系と1系とから消失訂正符号化されたデータを表す光信号を受信する受信回路219と、0系から受信された光信号で表される0系のデータから、1系から受信された光信号で表される1系のデータへ、取得するデータを切り替えるセレクタ280と、を備える。また、データ受信装置200は、切替前に取得された0系データである0系取得データと、切替後に取得された1系データである1系取得データと、を復号化することでデータの消失を訂正する消失訂正復号回路290を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ受信装置及びデータ受信方法、並びにデータ送信装置及びデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、第1パケットと当該第1パケットの誤り検出に用いられる情報を含む第2パケットとを第1回線と第2回線とでそれぞれ受信するステップと、第1回線と第2回線とでそれぞれ受信された第1パケットの誤りをそれぞれの回線で受信された第2パケットに基づいて検出するステップと、誤り検出結果に基づいて、出力される第1パケットを第1回線で受信された第1パケットから第2回線で受信された第1パケットへ切り替えるステップと、を有する回線切替方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−273902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、第1回線の伝送遅延が第2回線の伝送遅延よりも大きくなると、第1回線で受信された第1パケットが欠損した場合に、第1回線で受信された第1パケットが既に破棄されており、第1パケットの出力ができなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の通信経路における遅延時間の差異が増加しても、通信経路の切り替えによる通信の断絶が生じ難いデータ受信装置及びデータ受信方法、並びにデータ送信装置及びデータ送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るデータ受信装置は、
第1経路と第2経路とから消失訂正符号化されたデータを表す光信号を受信する受信手段と、
前記第1経路から受信された光信号で表される第1データから、前記第2経路から受信された光信号で表される第2データへ、取得するデータを切り替える切替手段と、
切替前に取得された前記第1データである第1取得データと、切替後に取得された前記第2データである第2取得データと、を復号化することで、前記第2経路において前記第1取得データに相当するデータが送信されてから前記第2取得データが送信されるまでに前記第2経路において送信されたデータの消失を訂正する消失訂正復号手段と、
前記消失を訂正されたデータを出力する出力手段と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るデータ送信装置は、
第1経路と第2経路とへ送信するデータを入力する入力手段と、
前記入力されたデータを消失訂正符号化する消失訂正符号手段と、
前記第1経路を用いたデータ伝送に要する第1伝送時間と、前記第2経路を用いたデータ伝送に要する第2伝送時間と、を測定する測定手段と、
測定された前記第1伝送時間が前記第2伝送時間よりも長い場合に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第1経路へ送信してから前記第1伝送時間と前記第2伝送時間との差分時間で定まる時間だけ経過した後に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第2経路へ送信する送信手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るデータ受信装置及びデータ受信方法、並びにデータ送信装置及びデータ送信方法によれば、複数の通信経路における遅延時間の差異が増加しても、通信経路の切り替えによる通信の断絶が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係るデータ送信装置及びデータ受信装置の一例を表す構成図である。
【図2】実施形態1に係るデータ送信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図3】(a)は、送信データの一例を表す図である。(b)は、0系取得データの一例を表す図である。(c)は、1系取得データの一例を表す図である。(d)は、消失データの一例を表す図である。(e)は、出力データの一例を表す図である。
【図4】実施形態1に係るデータ受信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図5】実施形態1に係るセレクタの一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図6】(a)は、0系取得データの他例を表す図である。(b)は、1系取得データの他例を表す図である。(c)は、重複データの一例を表す図である。(d)は、出力データの他例を表す図である。
【図7】(a)は、実施形態1の変形例2に係るデータ送信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。(b)は、実施形態1の変形例2のデータ受信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図8】実施形態2に係るセレクタの一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図9】実施形態3に係るデータ送信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図10】実施形態3に係るデータ受信装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図11】実施形態3に係るセレクタの一構成例を表すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係るデータ送信装置100とデータ受信装置200とについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示すように、データ送信装置100は端末装置10に接続されており、データ受信装置200は端末装置20に接続されている。端末装置10及び端末装置20は、例えばキーボード等の入力部とLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部とを備えるパーソナル・コンピュータである。
【0012】
ユーザが端末装置10の入力部を操作すると、端末装置10は、当該操作に応じたデータをデータ送信装置100へ出力する。データ送信装置100は、出力されたデータを表す光信号を、中継装置301から303を通る通信経路(以下、0系という)と、中継装置311及び312を通る通信経路(以下、1系という)と、の双方へ送信する。尚、端末装置10及び端末装置20は、映像装置や測定器などでも良く、この場合、端末装置10は、データをデータ送信装置100へ出力する。データ送信装置100は、出力されたデータを表す光信号を、中継装置301から303を通る通信経路(以下、0系という)と、中継装置311及び312を通る通信経路(以下、1系という)と、の双方へ送信する。
【0013】
中継装置301は、データ送信装置100から受信した光信号を増幅等した後に中継装置302へ送信する。中継装置302は同様に光信号を中継装置303へ中継し、中継装置303も同様に光信号をデータ受信装置200へ中継する。また、中継装置311は、データ送信装置100から受信した光信号を中継装置312へ中継し、中継装置312は同様に光信号をデータ受信装置200へ中継する。
【0014】
その後、データ受信装置200は、0系(つまり、中継装置303)及び1系(つまり、中継装置312)の双方からそれぞれ光信号を受信し、それぞれの系から受信した光信号で表される2つのデータの内で、誤り及び欠損(以下、消失ともいう)が無い若しくは少ないデータを端末装置20へ出力する。
【0015】
次に、図2を参照して、データ送信装置100のハードウェア構成について説明する。
データ送信装置100は、入力回路110、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、損失測定回路150及び151、並びに電気光変換器160及び161を有する送信回路169を備える。
【0016】
入力回路110は、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)などのプロトコルに従って、端末装置10からデータを入力した後に、入力したデータ(以下、入力データという)を消失訂正符号回路120に出力する。
【0017】
消失訂正符号回路120は、入力データに対してバーストエラーに適した(127,120)BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)タイプの消失訂正符号化を行う。その後、消失訂正符号回路120は、消失訂正符号化された入力データ(以下、消失訂正符号化データという)を誤り訂正符号回路130へ出力する。
【0018】
誤り訂正符号回路130は、消失訂正符号化データを予め定められた長さで分割することで、図3(a)に示すようなフレームA1からA9、B1からB9、及びC1からC9(以下、フレームA1からC9という)を生成する。次に、消失訂正符号回路120は、フレームA1からC9にCRC(Cyclic Redundancy Check)などのFCS(Frame Check Sequence)を付加することで、消失訂正符号化データを誤り訂正符号化する。その後に、誤り訂正符号回路130は、誤り訂正符号化されたデータ(以下、誤り訂正符号化データという)を損失測定回路150及び151へ出力する。
【0019】
損失測定回路150は、0系の保守、運用、及び管理に用いられる情報を伝送するOAM(Operation, Administration and Maintenance)セルの内で、セル損失率を検出するために用いられるセル(以下、損失検出用セルという)を誤り訂正符号化データに追加する。その後、損失測定回路150は、セルが追加された訂正符号化データ(以下、送信データという)を電気光変換器160へ出力する。その後、電気光変換器160は、送信データを表す電気信号を光信号に順次変換し、光信号を0系(つまり、図1に示した中継装置301)へ送信する。
【0020】
損失測定回路151は、1系の保守、運用、及び管理に用いられる情報を伝送するOAMセルを誤り訂正符号化データに追加することで生成した送信データを電気光変換器161へ出力する。電気光変換器161は、送信データを表す電気信号を光信号に変換し、光信号を1系(つまり、中継装置311)へ送信する。
【0021】
次に、0系及び1系から送信データを表す光信号を受信するデータ受信装置200のハードウェア構成について、図4を参照しながら説明を行う。
データ受信装置200は、光電気変換器210及び211を有する受信回路219、誤り訂正復号回路240及び241、リングバッファ250及び251で構成されるバッファ259、出力回路260、入力回路270、セレクタ280、及び消失訂正復号回路290を備える。
【0022】
光電気変換器210は、0系(つまり、中継装置303)から光信号を受信し、受信した信号に応じた電気信号を誤り訂正復号回路240へ出力する。
【0023】
誤り訂正復号回路240は、光電気変換器210から出力された電気信号で表されるデータ(以下、0系受信データという)から損失検出用セルを抽出し、抽出したセルを用いて損失率を算出する。例えば、損失検出用セルには、シーケンシャル・ナンバーが付与されており、誤り訂正復号回路240は、予め定められた時間内に抽出されるセルのシーケンシャル・ナンバーに基づいて、当該時間内に送信された損失検出用セルの総数と損失検出用セルの消失数とを算出し、消失数を総数で除算した結果を損失率とする。
【0024】
その後、誤り訂正復号回路240は、損失率を表す信号を出力回路260へ出力する。また、誤り訂正復号回路240は、セルが抽出された後の0系受信データを復号化することで誤り訂正を行う。その後、誤り訂正復号回路240は、誤り訂正された0系受信データ(以下、0系誤り訂正復号化データという)をリングバッファ250へ保存する。また、誤り訂正復号回路240は、例えば、バーストエラーなどのFCSを用いても誤り訂正ができないエラー(つまり、FCSエラー)を検出した場合、エラーを検出したことを表す信号(以下、エラー検出信号という)を出力回路260へ所定期間に亘って出力する。
【0025】
光電気変換器211は、1系(つまり、中継装置312)から光信号を受信し、受信した信号に応じた電気信号を誤り訂正復号回路240へ出力する。
【0026】
誤り訂正復号回路241は、光電気変換器211から出力された電気信号で表されるデータ(以下、1系受信データという)から損失検出用セルを抽出し、損失検出用セルの損失率を算出し、算出した損失率を表す信号を出力回路260へ出力する。また、誤り訂正復号回路241は、セル抽出後の1系受信データを復号化し、誤り訂正された1系受信データ(以下、1系誤り訂正復号化データという)をリングバッファ251へ保存する。また、誤り訂正復号回路241は、FCSエラーを検出した場合、エラー検出信号を出力回路260へ所定期間に亘って出力する。
【0027】
出力回路260は、0系を表す信号と、誤り訂正復号回路240から出力された損失率を表す信号と、誤り訂正復号回路240からエラー検出信号が出力されているか否かを表す信号と、を端末装置20へ出力する。同様に、出力回路260は、1系を表す信号と、誤り訂正復号回路241から出力された損失率を表す信号と、誤り訂正復号回路241からエラー検出信号が出力されているか否かを表す信号と、を端末装置20へ出力する。
【0028】
ここで、端末装置20は、出力回路260から出力された信号に従って、0系を表す情報と、0系におけるセルの損失率を表す情報と、0系で送信されたデータの誤り訂正でエラー検出されたか否かを表す情報と、を対応付けて表示部へ表示する。また同様に、端末装置20は、出力回路260から出力された信号に従って、1系を表す情報と、1系におけるセルの損失率を表す情報と、1系で送信されたデータの誤り訂正でエラー検出されたか否かを表す情報と、を対応付けて表示部へ表示する。なお、端末装置20とデータ受信装置200が連携して動作するように記載したが、端末装置20で実施している制御をデータ受信装置200で実施してもよい。
【0029】
データ受信装置200のユーザは、端末装置20に表示された0系の損失率が1系の損失率よりも高くなったことを視認した場合、若しくは0系でエラーが検出された旨の表示を視認した場合、端末装置20の入力部に所定の切替操作を行う。端末装置20は、当該操作に応じて、セレクタ280がバッファ259から取得するデータを、リングバッファ250が記憶する0系誤り訂正復号化データからリングバッファ251が記憶する1系誤り訂正復号化データに切り替えるように指示する信号(以下、切替指示信号という)をデータ受信装置200へ出力する。
【0030】
セレクタ280は、図5に示すように信号入力回路281と切替回路282とを有する。信号入力回路281は、端末装置20から入力回路270が入力した切替指示信号を切替回路282へ出力する。
【0031】
切替回路282は、所定周期でバッファ259に保存されたデータを取得する。切替回路282は、現用系が0系に設定されているため、切替指示信号が入力される前には、リングバッファ250に保存されたデータを取得しており、切替指示信号が入力された後には、リングバッファ251に保存されたデータを取得する。
【0032】
ここで、図3(b)及び(c)を参照して、切替回路282の動作について説明する。
切替回路282がリングバッファ250から最後にデータを取得したときに、図3(b)に示すフレームA1及びA2並びにフレームA3の前半部分がリングバッファ250に記憶されている。このため、切替回路282は、当該フレームA1及びA2を取得する。その後、切替回路282は、取得したフレームA1及びA2(以下、0系取得データという)を消失訂正復号回路290へ出力する。
【0033】
その後、切替指示信号が入力されると、切替回路282は、リングバッファ251に保存されたデータを取得する。切替回路282がリングバッファ251から最初にデータを取得したときに、図3(c)に示すフレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC5、並びにフレームC6の前半部分が記憶されている。このため、切替回路282は、フレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC5を取得する。その後、切替回路282は、取得したフレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC5を消失訂正復号回路290へ出力する。
【0034】
このように、切替回路282がフレームA3からA5を取得できなかったため、図3(d)に示すように、これらのフレームA3からA5が消失する。これは、リングバッファ251の記憶領域の大きさがフレーム19個分であるため、フレームA1からA5が保存されていた領域にフレームC2からC5並びにフレームC6の前半部が上書き保存されるためである。つまり、1系の方が0系よりも伝送距離が短いことなどから1系の伝送速度の方が0系の伝送速度よりも速いく、リングバッファ250にフレームA1からA3が記憶されており、フレームA4及びA5がその後に記憶される場合には、リングバッファ251では、既にフレームA1からC1が保存されているだけでなく、フレームA1からA5の保存領域にフレームC2からC6が上書き保存されるためである。
【0035】
その後、所定時間経過するまでに、誤り訂正復号回路241によってリングバッファ251へ新たに受信されたフレームC6からC9が保存される。切替回路282は、前回にフレームを取得した時刻から所定時間経過すると、リングバッファ251からフレームC6からC9を取得し、取得したフレームC6からC9を消失訂正復号回路290へ出力する。尚、リングバッファ251から取得されたフレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC9を、以下、1系取得データという。
【0036】
その後、消失訂正復号回路290は、切替回路282から出力された0系取得データであるフレームA1及びA2と、1系取得データであるフレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC9と、を復号化することで消失訂正を行う。これにより、消失訂正復号回路290は、消失したフレームA3からA5で表される内容のデータを復元し、図3(e)に示すようなフレームA1からC9からなる出力データを出力回路260へ出力する。
【0037】
出力回路260は、消失訂正復号回路290からフレームA1からC9を入力すると、フレームA1からC9に基づいて入力データを生成し、生成した入力データを端末装置20へ出力する。端末装置20は、出力された入力データに応じて情報を表示する。
【0038】
これらの構成によれば、0系取得データと1系取得データとを復号化することで、0系取得データに相当するフレームA1及びA2が1系で送信されてから1系取得データであるフレームA6からA9、B1からB9、及びC1からC9が送信されるまでに1系で送信されたフレームA3からA5の消失を訂正する。このため、0系における遅延時間と1系における遅延時間との差異が増加しても、遅延により消失したデータを訂正できるので、通信経路を切り替えたとしても従来よりも通信が途切れにくい。
【0039】
次に、図6を参照して、0系取得データと1系取得データとが一部重複する場合における切替回路282及び消失訂正復号回路290の動作について説明する。
【0040】
切替回路282がリングバッファ250から最後にデータを取得したときには、図6(a)に示すフレームA1及びA2並びにフレームA3の前半部分がリングバッファ250に記憶されており、切替回路282は、当該フレームA1及びA2を取得し、フレームA1及びA2(以下、0系取得データという)を消失訂正復号回路290へ出力した。
【0041】
その後、切替回路282に切替指示信号が入力されてから、切替回路282が最初にリングバッファ251からデータを取得したときには、図6(b)に示すフレームA2からA9、B1からB9、及びC1(以下、フレームA2からC1という)、並びにフレームC2の前半部分が記憶されており、切替回路282は、フレームA2からC1を取得し、フレームA2からC1を消失訂正復号回路290へ出力した。
【0042】
その後、所定時間経過するまでに、誤り訂正復号回路241によってリングバッファ251へ新たに受信されたフレームC2からC9が保存される。切替回路282は、前回にフレームを取得した時刻から所定時間経過すると、リングバッファ251からフレームC2からC9を取得し、取得したフレームC2からC9を消失訂正復号回路290へ出力する。ここで、リングバッファ251から取得されたフレームA2からA9、B1からB9、及びC1からC9を、以下、1系取得データという。
【0043】
このように、消失訂正復号回路290が切替回路282から入力するデータは、図6(c)に示すようにフレームA2が重複したフレームA1からC9までで構成されるデータである。消失訂正復号回路290は、切替回路282から出力された0系取得データのフレームA1及びA2と、1系取得データのフレームA2からA9、B1からB9、及びC1からC9と、を復号化する。この復号化により、フレームA2の重複が削除訂正される。その後、消失訂正復号回路290は、図6(d)に示すようなフレームA1からC9で構成されるデータを出力回路260へ出力する。
【0044】
これらの構成によれば、0系取得データと1系取得データとを復号化することで、0系取得データであるフレームA1及びA2と、1系取得データであるフレームA2からA9、B1からB9、及びC1からC9と、が一部重複する場合でも、重複したデータであるフレームA2を削除できる。このため、0系における遅延時間と1系における遅延時間との差異が減少することで生じる重複データをより簡単な回路で削除できる。
【0045】
<実施形態1の変形例1>
データ送信装置100の消失訂正符号回路120は、入力データを常に消失訂正符号化するとして説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、データ送信装置100とデータ受信装置200とは、以下の構成を採用しても良い。データ受信装置200は、端末装置20から切替指示信号を入力すると、入力データの消失訂正符号化を指示する符号化指示信号をデータ送信装置100へ送信する。データ送信装置100の消失訂正符号回路120は、初期状態において入力データを消失訂正符号化していないが、符号化指示信号を受信すると、所定時間に亘って入力データを消失訂正符号化した後に、消失訂正符号化を終了する。また、データ受信装置200の切替回路282は、符号化指示信号を送信した時刻から上記所定時間以内にデータの取得先を切り替える。
【0046】
この構成によれば、データ送信装置100は、符号化指示信号を受信した受信時刻から所定時間経過するまでの間に入力データを消失訂正符号化し、受信時刻から時間経過すると消失訂正符号化を終了する。このため、送信されるデータ量が消失訂正符号の分だけ減少する。また、データ受信装置200は、符号化指示信号を送信した送信時刻から所定時間経過するまでの間に通信経路を切り替える。このため伝送効率を向上させつつ、通信経路の切替により通信が断絶することを防止できる。
【0047】
<実施形態1の変形例2>
実施形態1及び実施形態1の変形例1において、データ送信装置100は、図2に示した入力回路110、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、損失測定回路150及び151、並びに送信回路169を備えるとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、データ送信装置100は、図7(a)に示すCPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100c、及びハードディスク100dと、入力回路110並びに電気光変換器160及び161と、を備えるとしても良い。
【0048】
CPU100aは、ROM100b若しくはハードディスク100dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、損失測定回路150及び151がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮する。
【0049】
尚、RAM100cは、CPU100aによるプログラムの実行時において、処理対象とされるデータを一時的に記憶する。ハードディスク100dは、各種のデータを記憶する。尚、データ送信装置100は、ハードディスク100dの代わりに、フラッシュメモリを備えても良い。
【0050】
同様に、データ受信装置200は、図4に示した光電気変換器210及び211を有する受信回路219、誤り訂正復号回路240及び241、バッファ259、出力回路260、入力回路270、セレクタ280、及び消失訂正復号回路290を備えるとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、データ受信装置200は、図7(b)に示すCPU200a、ROM200b、RAM200c、及びハードディスク200dと、光電気変換器210及び211、出力回路260、並びに入力回路270と、を備えるとしても良い。
【0051】
CPU200aは、ROM200b若しくはハードディスク200dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、誤り訂正復号回路240及び241、セレクタ280、並びに消失訂正復号回路290がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮する。
【0052】
尚、RAM200cは、CPU200aによるプログラムの実行時において、処理対象とされるデータを一時的に記憶する。ハードディスク200dは、CPU200aと協働して、リングバッファ250及び251として機能する。尚、データ受信装置200は、ハードディスク200dの代わりに、フラッシュメモリを備えても良い。
【0053】
<実施形態2>
実施形態1、実施形態1の変形例1、及び実施形態1の変形例2において、データ受信装置200のユーザは、端末装置20に表示された0系の損失率が1系の損失率よりも高くなったことを視認した場合、若しくは0系でエラーが検出された旨の表示を視認した場合、端末装置20の入力部に所定の切替操作を行うとして説明した。しかし、実施形態2に係るデータ受信装置200は、0系の損失率が1系の損失率よりも高くなったこと、若しくは0系でエラーが検出されたことを検出する、図8に示す検出回路283を備える。
【0054】
検出回路283は、誤り訂正復号回路240及び241に接続されている。検出回路283は、誤り訂正復号回路240及び241からそれぞれで算出されたセルの損失率を表す信号を入力する。次に、検出回路283は、誤り訂正復号回路240から入力した信号で表されるセルの損失率が予め定められた閾値を下回った連続時間(以下、0系時間という)と、誤り訂正復号回路241から入力した信号で表されるセルの損失率が当該予め定められた閾値を下回った連続時間(以下、1系時間という)と、を計数する。
【0055】
次に、検出回路283は、計数された0系時間が予め定められた保護時間を超えた場合、若しくは誤り訂正復号回路240からエラー検出信号が出力された場合に、0系受信データに含まれるフレームの一部若しくは全部が消失していることを検出する。次に、検出回路283は、切替回路282のデータ取得先をリングバッファ250からリングバッファ251に切り替えるように指示する切替指示信号を切替回路282へ出力する。
【0056】
逆に、検出回路283は、計数された1系時間が予め定められた保護時間を超えた場合、若しくは誤り訂正復号回路241からエラー検出信号が出力された場合に、1系受信データに含まれるフレームの一部若しくは全部が消失していることを検出する。次に、検出回路283は、切替回路282のデータ取得先をリングバッファ251からリングバッファ250に切り替えるように指示する切替指示信号を切替回路282へ出力する。
【0057】
これらの構成によれば、0系受信データの誤り訂正結果に基づいて0系受信データの一部若しくは全部が消失していることが検出された場合に、リングバッファ250からリングバッファ251へデータの取得先を切り替えるので、ユーザが切り替えを指示する場合と比べて通信が断絶し難い。
【0058】
またこれらの構成によれば、セルの損失率が予め定められた閾値を下回った連続時間が予め定められた保護時間を超えた場合に通信経路を切り替えるので、少なくとも予め定められた保護時間を経過してから通信経路が切り替わる。このため、通信経路の切り替えの「ばたつき」により生じるデータ消失を防止できる。
【0059】
<実施形態2の変形例>
実施形態2のデータ送信装置100は、ソフトウェア処理を実行することで、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、損失測定回路150及び151がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮しても良い。また、実施形態2のデータ受信装置200は、ソフトウェア処理を実行することで、誤り訂正復号回路240及び241、検出回路283を含むセレクタ280、並びに消失訂正復号回路290がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮するとしても良い。
【0060】
<実施形態3>
実施形態1では、データ受信装置200がバッファ259を備えるとして説明したが、実施形態3では、データ送信装置100がバッファ259に相当するバッファ179を備える。
【0061】
先ず、図9を参照して、実施形態3に係るデータ送信装置100のハードウェア構成について説明する。図9に示すデータ送信装置100は、図2に示した入力回路110、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、損失測定回路150及び151、並びに電気光変換器160及び161を有する送信回路169の他に、遅延測定回路140及び141、光電気変換器145及び146、並びにリングバッファ170及び171で構成されるバッファ179を備える。
【0062】
遅延測定回路140は、OAMセルの1つであるDM(Delay Measurement)セルを生成する。このDMセルは、0系を用いてDMセルがデータ送信装置100とデータ受信装置200との間をラウンド・トリップするのに要する時間であるラウンド・トリップ・タイム(つまり、伝送遅延時間)を測定するために用いられる。このため、遅延測定回路140は、遅延測定回路140が備えるハードウェア・タイマからシステム時刻を取得し、取得した時刻を表すDMセルを生成する。次に、遅延測定回路140は、予め定められた周期で、生成したDMセルを表す電気信号を電気光変換器160へ出力する。電気光変換器160は、電気信号を入力すると、当該信号を光信号に変換し、光信号を0系へ送信する。
【0063】
光電気変換器145は、電気光変換器160がデータ受信装置200へDMセルを表す光信号を送信した後に、データ受信装置200から返信されたDMセルを表す光信号を受信する。次に、光電気変換器145は、受信した光信号を電気信号に変換し、電気信号を遅延測定回路140へ出力する。
【0064】
遅延測定回路140は、上記ハードウェア・タイマからシステム時刻を取得し、光電気変換器145から入力した電気信号で表されるDMセルで表される時刻との差分を算出することで、0系における伝送遅延時間を計測する。本実施形態では、データ送信装置100からデータ受信装置200までにデータを送信するのに要する時間は、データ受信装置200からデータ送信装置100までデータを送信するのに要する時間と等しいとする。このため、遅延測定回路140は、算出された差分を値2で除算した値を、0系における伝送遅延時間とする。その後、遅延測定回路140は、計測した伝送遅延時間を表す電気信号を電気光変換器160へ出力する。
【0065】
損失測定回路150は、送信データを電気光変換器160ではなく、バッファ179を構成するリングバッファ170へ保存する。
【0066】
電気光変換器160は、遅延測定回路140から出力された伝送遅延時間を表す信号を、電気光変換器161へ出力する。次に、電気光変換器160は、電気光変換器161に指定されたタイミングで、リングバッファ170から1フレーム分のデータを取得する。その後、電気光変換器160は、取得したデータを表す電気信号を光信号へ変換し、光信号を0系へ出力する。
【0067】
遅延測定回路141は、遅延測定回路140と同様に、DMセルを生成し、上記予め定められた周期で、DMセルを表す電気信号を電気光変換器161へ出力する。電気光変換器161は、当該電気信号を光信号に変換してから1系へ送信する。
【0068】
光電気変換器146は、電気光変換器161がデータ受信装置200へDMセルを表す光信号を送信した後に、データ受信装置200から返信されたDMセルを表す光信号を受信する。次に、光電気変換器146は、受信した光信号を電気信号に変換し、当該電気信号を遅延測定回路141へ出力する。
【0069】
遅延測定回路141は、光電気変換器146から入力した電気信号で表されるDMセルに基づいて1系における伝送遅延時間を計測し、計測した伝送遅延時間を表す電気信号を電気光変換器161へ出力する。
【0070】
損失測定回路151は、送信データを電気光変換器161ではなく、バッファ179を構成するリングバッファ171へ保存する。
【0071】
電気光変換器161は、電気光変換器160から出力された信号で表される0系の伝送遅延時間と、遅延測定回路141から出力された信号で表される1系の伝送遅延時間と、の差分時間を算出する。次に、電気光変換器161は、算出した差分に基づいて、データ受信装置200が予め定められた時間内に同じフレームを表す信号を0系と1系との双方から受信するように、電気光変換器160のフレーム送信タイミングを制御する。また、電気光変換器161は、電気光変換器160のフレーム送信タイミングに応じて、リングバッファ171から1フレーム分のデータを取得し、取得したデータを表す電気信号を光信号へ変換し、変換した後の光信号を1系へ出力する。
【0072】
具体的には、電気光変換器161は、0系の伝送遅延時間の方が1系の伝送遅延時間よりも長い場合には、フレームX(フレームXは、フレームA1からC9のいずれでも良い)を電気光変換器160に送信させた時刻から、差分時間で定まる時間だけ経過してからフレームXを送信する。逆に、電気光変換器161は、0系の伝送遅延時間の方が1系の伝送遅延時間よりも短い場合には、フレームXを電気光変換器161が送信した時刻から、差分時間で定まる時間だけ経過してから電気光変換器160にフレームXを送信させる。
【0073】
次に、図10を参照して、実施形態3に係るデータ受信装置200のハードウェア構成について説明する。図10に示すデータ受信装置200は、図4に示した光電気変換器210及び211を有する受信回路219、誤り訂正復号回路240及び241、出力回路260、入力回路270、セレクタ280、及び消失訂正復号回路290を備える他に、DM返信回路230及び231、並びに電気光交換器235及び236を備える。また、図10に示すデータ受信装置200は、図4に示したリングバッファ250を有さない。
【0074】
DM返信回路230は、光電気変換器210に接続されている。DM返信回路230は、光電気変換器210からDMセルを表す電気信号を入力すると、入力した信号を電気光交換器235へ出力する。電気光交換器235は、DM返信回路230から入力した電気信号を光信号に変換してから当該光信号を0系(つまり、中継装置303)へ送信する。
【0075】
同様に、DM返信回路231は、光電気変換器211に接続されており、光電気変換器211からDMセルを表す電気信号を入力すると、入力した信号を電気光交換器236へ出力する。電気光交換器236は、DM返信回路231から入力した電気信号を光信号に変換してから当該光信号を1系(つまり、中継装置312)へ送信する。
【0076】
セレクタ280は、図11に示すように信号入力回路281と切替回路282とを有する。切替回路282は、所定周期で誤り訂正復号回路240若しくは誤り訂正復号回路241からデータを取得する。
【0077】
切替回路282は、切替指示信号が入力される前には、誤り訂正復号回路240から0系誤り訂正復号化データを取得し、取得したデータを0系取得データとして消失訂正復号回路290へ出力している。その後、切替指示信号が入力されると、切替回路282は、誤り訂正復号回路241から1系誤り訂正復号化データを取得し、取得したデータを1系取得データとして消失訂正復号回路290へ出力する。
【0078】
その後、消失訂正復号回路290は、切替回路282から出力された0系取得データと、1系取得データと、を復号化することで消失訂正を行う。次に、消失訂正復号回路290は、消失訂正が行われた出力データを出力回路260へ出力する。
【0079】
これらの構成によれば、測定された0系の伝送遅延時間が1系の伝送遅延時間よりも長い場合に、消失訂正符号化されたフレームを表す光信号を0系へ送信してから、0系の伝送遅延時間と1系の伝送遅延時間との差分時間で定まる時間だけ経過した後に、当該フレームを表す光信号を1系へ送信する。このため、データ受信装置200が予め定められた時間内に同じフレームを表す信号を0系と1系との双方から受信するため、通信経路を切り替えても、フレームの消失が少なくなるので通信が途切れにくくなる。
【0080】
<実施形態3の変形例>
実施形態3のデータ送信装置100は、ソフトウェア処理を実行することで、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、遅延測定回路140及び141、損失測定回路150及び151、並びにバッファ179がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮しても良い。また、実施形態3のデータ受信装置200は、ソフトウェア処理を実行することで、DM返信回路230及び231、誤り訂正復号回路240及び241、セレクタ280、並びに消失訂正復号回路290がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮するとしても良い。
【0081】
<実施形態4>
実施形態3及び実施形態3の変形例において、データ受信装置200のユーザは、端末装置20に表示された0系の損失率が1系の損失率よりも高くなったことを視認した場合、若しくは0系でエラーが検出された旨の表示を視認した場合、端末装置20の入力部に所定の切替操作を行うとして説明した。しかし、実施形態4に係るデータ受信装置200は、0系の損失率が1系の損失率よりも高くなったこと、若しくは0系でエラーが検出されたことを検出する回路であって、実施形態2において、図8を参照しながら説明した検出回路283を備えるとしても良い。
【0082】
<実施形態4の変形例>
実施形態4のデータ送信装置100は、ソフトウェア処理を実行することで、消失訂正符号回路120、誤り訂正符号回路130、遅延測定回路140及び141、損失測定回路150及び151、並びにバッファ179がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮しても良い。また、実施形態3のデータ受信装置200は、ソフトウェア処理を実行することで、DM返信回路230及び231、誤り訂正復号回路240及び241、検出回路283を有するセレクタ280、並びに消失訂正復号回路290がそれぞれ有する機能と同様の機能を発揮するとしても良い。
【0083】
実施形態1、実施形態1の変形例1、実施形態1の変形例2、実施形態2、実施形態2の変形例、実施形態3、実施形態3の変形例、実施形態4、実施形態4の変形例(以下、実施形態1等という)では、誤り訂正符号回路130は、消失訂正符号化データを予め定められた長さで分割することで、図3(a)に示すようなフレームA1からA9、B1からB9、及びC1からC9(以下、フレームA1からC9という)を生成するとして説明したが、これに限定される訳ではない。誤り訂正符号回路130は、消失訂正符号化データを予め定められた長さで分割することで、図3(a)に示すようなパケットA1からA9、B1からB9、及びC1からC9を生成する、としても良い。
【0084】
実施形態1等では、消失訂正符号回路120は、BCH符号化を入力データに行うとして説明したが、これに限定される訳ではなく、入力データを巡回ハミング符号化、差集合巡回符号化、若しくはリードソロモン符号化しても良い。
【0085】
実施形態1等では、誤り訂正符号回路130は、フレームA1からC9にFCSを付加することで、消失訂正符号化データを誤り訂正符号化するとして説明したが、これに限定される訳ではなく、入力データをRateless符号化しても良い。
【0086】
尚、実施形態1の変形例2、実施形態2の変形例、実施形態3の変形例、若しくは実施形態4の変形例に係る機能を実現するための構成を予め備えたデータ送信装置100及びデータ受信装置200として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のデータ送信装置及びデータ受信装置を実施形態1の変形例2、実施形態2の変形例、実施形態3の変形例、若しくは実施形態4の変形例に係るデータ送信装置100及びデータ受信装置200として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態1の変形例2、実施形態2の変形例、実施形態3の変形例、若しくは実施形態4で例示したデータ送信装置100若しくはデータ受信装置200による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存のデータ送信装置若しくはデータ受信装置を制御するコンピューター(CPUなど)が実行できる様に適用することで、実施形態1の変形例2、実施形態2の変形例、実施形態3の変形例、若しくは実施形態4に係るデータ送信装置100若しくはデータ受信装置200として機能させることができる。
【0087】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。尚、本発明のデータ送信方法及びデータ受信方法は、データ送信装置100及びデータ受信装置200を用いてそれぞれ実施できる。
【0088】
また、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0089】
10,20 端末装置
100a,200a CPU
100b,200b ROM
100c,200c RAM
100d,200d ハードディスク
100 データ送信装置
110 入力回路
120 消失訂正符号回路
130 誤り訂正符号回路
140,141 遅延測定回路
145,146 光電気変換器
150,151 損失測定回路
160,161 電気光変換器
169 送信回路
170,171 リングバッファ
179 バッファ
200 データ受信装置
210,211 光電気変換器
219 受信回路
230,231 DM返信回路
235,236 電気光交換器
240,241 誤り訂正復号回路
250,251 リングバッファ
259 バッファ
260 出力回路
270 入力回路
280 セレクタ
281 信号入力回路
282 切替回路
281 検出回路
290 消失訂正復号回路
301,302,303,311,312 中継装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1経路と第2経路とから消失訂正符号化されたデータを表す光信号を受信する受信手段と、
前記第1経路から受信された光信号で表される第1データから、前記第2経路から受信された光信号で表される第2データへ、取得するデータを切り替える切替手段と、
切替前に取得された前記第1データである第1取得データと、切替後に取得された前記第2データである第2取得データと、を復号化することで、前記第2経路において前記第1取得データに相当するデータが送信されてから前記第2取得データが送信されるまでに前記第2経路において送信されたデータの消失を訂正する消失訂正復号手段と、
前記消失を訂正されたデータを出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とするデータ受信装置。
【請求項2】
前記第1データは、誤り訂正符号化されており、
前記受信された第1データを復号化することで誤り訂正する誤り訂正復号手段と、
前記誤り訂正復号手段による前記第1データの誤り訂正結果に基づいて、前記第1データの一部若しくは全部が消失していることを検出する消失検出手段と、をさらに備え、
前記切替手段は、前記第1データの一部若しくは全部が消失していることが検出された場合に、前記取得するデータを前記第1データから前記第2データへ切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項3】
第1経路と第2経路とから消失訂正符号化されたデータを表す光信号を受信する受信ステップと、
前記第1経路から受信された光信号で表される第1データから、前記第2経路から受信された光信号で表される第2データへ、取得するデータを切り替える切替ステップと、
切替前に取得された前記第1データである第1取得データと、切替後に取得された前記第2データである第2取得データと、を復号化することで、前記第2経路において前記第1取得データに相当するデータが送信されてから前記第2取得データが送信されるまでに前記第2経路において送信されたデータの消失を訂正する消失訂正復号ステップと、
前記消失を訂正されたデータを出力する出力ステップと、を有する、
ことを特徴とするデータ受信方法。
【請求項4】
第1経路と第2経路とへ送信するデータを入力する入力手段と、
前記入力されたデータを消失訂正符号化する消失訂正符号手段と、
前記第1経路を用いたデータ伝送に要する第1伝送時間と、前記第2経路を用いたデータ伝送に要する第2伝送時間と、を測定する測定手段と、
測定された前記第1伝送時間が前記第2伝送時間よりも長い場合に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第1経路へ送信してから前記第1伝送時間と前記第2伝送時間との差分時間で定まる時間だけ経過した後に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第2経路へ送信する送信手段と、を備える、
ことを特徴とするデータ送信装置。
【請求項5】
第1経路と第2経路とへ送信するデータを入力する入力ステップと、
前記入力されたデータを消失訂正符号化する消失訂正符号ステップと、
前記第1経路を用いたデータ伝送に要する第1伝送時間と、前記第2経路を用いたデータ伝送に要する第2伝送時間と、を測定する測定ステップと、
測定された前記第1伝送時間が前記第2伝送時間よりも長い場合に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第1経路へ送信してから前記第1伝送時間と前記第2伝送時間との差分時間で定まる時間だけ経過した後に、前記消失訂正符号化されたデータを表す光信号を前記第2経路へ送信する送信ステップと、を有する、
ことを特徴とするデータ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−74373(P2013−74373A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210437(P2011−210437)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】