説明

データ記録再生装置およびデータ記録再生プログラム

【課題】簡便な操作でデータの記録、再生を行うとともに、第三者による不正使用を防止する。
【解決手段】指紋取得部7は、録音に先立って、ユーザの指紋を取得する。中央制御部10は、取得した指紋と対応付けられている音声データがデータ記憶部9−1にない場合には、録音を開始し、録音データ、指紋データ、録音時刻などを、データ記憶部9−1に記憶する。録音終了後、指紋取得部7によってユーザの指紋が再度取得されると、録音データを直ちに再生する。また、中央制御部10は、録音に先立って取得された指紋と対応付けられている音声データがデータ記憶部9−1に既に保存されている場合には、該当録音データの録音時刻、最終再生時刻、再生回数に従って、該当データの再生、削除を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記録再生装置およびデータ記録再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データの記録再生装置においては、データを記録する際には、記録ボタンなどのボタン操作を行い、データを再生する際には、再生を所望するデータを選択するボタン操作と、選択したデータの再生開始を指示する再生ボタンなどのボタン操作とを行うようになっている。
【0003】
また、データ記録再生装置を第三者に不正使用されないために、指紋などの生体情報を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。該従来技術では、記録時には、生体情報を記録信号に多重させて記録し、再生時には、現時点で検出した再生情報と記録した再生情報とが一致した場合には、記録信号を外部出力し、一致しなかった場合には、記録信号の外部出力を禁止するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−214453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、データを記録する際には、記録ボタンなどのボタン操作が必要であり、データを再生する際には、再生を所望するデータを選択するボタン操作と、選択したデータの再生開始を指示する再生ボタンなどのボタン操作とが必要であり、操作が煩雑になるという問題がある。
【0006】
また、生体情報を利用可能な装置においては、データ記録時、データ再生時には、上述した記録操作や、データ選択操作、データ再生開始操作に加えて、さらに、生体情報の認証操作が必要になり、操作が煩雑になるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、簡便な操作でデータの記録、再生を行うことができるとともに、第三者による不正使用を防止することができるデータ記録再生装置およびデータ記録再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、請求項1、11記載の発明は、データを記録再生可能なデータ記録再生装置であって、ユーザの生体情報を取得する取得手段と、データと生体情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、ユーザの生体情報を取得した際に、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、データを記録するとともに、記録されたデータと取得された生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶する記録制御手段と、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生する再生制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、請求項1記載のデータ記録再生装置において、前記取得手段は、ユーザの複数の生体情報を取得し、前記記憶手段は、データと複数の生体情報とを対応付けて記憶し、前記判別手段は、ユーザの複数の生体情報を取得した際に、取得された複数の生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在するか否かを判別し、前記記録制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、データを記録するとともに、記録されたデータと取得された複数の生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、前記再生制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生するようにしてもよい。
【0010】
また、好ましい態様として、例えば請求項3記載のように、請求項1記載のデータ記録再生装置において、ユーザの生体情報を取得する際の状況を表す状況情報を検出する検出手段をさらに有し、前記記憶手段は、前記状況情報を、データと生体情報とに対応付けてさらに記憶し、前記判別手段は、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在した場合に、当該データが、検出された状況情報と対応付けられて記憶されているか否かをさらに判別し、前記記録制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、さらにデータを記録するとともに、記録されたデータと検出された状況情報と取得された生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、前記再生制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生するようにしてもよい。
【0011】
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、請求項3記載のデータ記録再生装置において、前記状況情報は、所定時間内に生体情報が取得された回数であってもよい。
【0012】
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、請求項4記載のデータ記録再生装置において、前記状況情報は、生体情報を取得する際に、ユーザが装置に生体情報を取得させていた所要時間であってもよい。
【0013】
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、請求項1記載のデータ記録再生装置において、前記記憶手段は、データに関する付属情報を、データと生体情報と対応付けてさらに記憶し、前記判別手段は、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在した場合に、当該データと対応付けられて記憶されている付属情報情に基づいて、当該データが所定の削除条件を満たしているか否かをさらに判別し、前記判別手段により、所定の削除条件を満たしていると判別された場合に、当該データを削除する削除制御手段を具備するようにしてもよい。
【0014】
また、好ましい態様として、例えば請求項7記載のように、請求項6記載のデータ記録再生装置において、前記付属情報は、当該データを記録した時刻に関する時刻情報であり、前記削除条件は、当該データを記録した時刻が現在時刻より所定時間以上過去であってもよい。
【0015】
また、好ましい態様として、例えば請求項8記載のように、請求項6記載のデータ記録再生装置において、前記付属情報は、当該データを最後に再生した時刻に関する時刻情報であり、前記削除条件は、当該データを最後に再生した時刻が現在時刻より所定時間以上過去であってもよい。
【0016】
また、好ましい態様として、例えば請求項9記載のように、請求項7または8のいずれかに記載のデータ記録再生装置において、前記付属情報は、当該データの再生回数をさらに含み、前記削除条件は、当該データの再生回数が所定回数以下であることをさらに含むようにしてもよい。
【0017】
また、好ましい態様として、例えば請求項10記載のように、請求項1ないし9のいずれかに記載のデータ記録再生装置において、前記生体情報は、ユーザのそれぞれの指の指紋情報であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、簡便な操作でデータの記録、再生を行うことができるとともに、第三者による不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
A.第1実施形態
A−1.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。図において、音声信号処理部1は、マイク2からの音声を取り込み、デジタル信号に変換して中央制御部10に供給する一方、音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ3から出力する。操作部4は、各種データ、動作指示などを入力する。表示部5は、液晶表示器などからなり、データ記録時間、データ再生時間などの情報や、各種メッセージなどを表示する。特に、本実施形態では、図3に示すように、録音終了時に、そのまま録音した音声データを再生するか否かをユーザに促すためのメッセージを表示するようになっている。
【0021】
RTC6は、音声データを記録(録音)した際に、その日付、時刻を取得するための実時間を計時する。指紋取得部7は、音声データの録音時、音声データの再生時に、ユーザの指紋を読み取る。ROM8は、所定のプログラムや各種パラメータなどを記憶する。RAM9は、各種データを記憶する。特に、本実施形態では、データ記憶部9−1を備えており、図2に示すように、録音した音声データを識別するためのID、録音データ(音声データ)、録音時刻、最終再生時刻、再生回数、指紋データを記憶する。
【0022】
中央制御部10は、上述したROM8に記憶されている、所定のプログラムに従って各部を制御する。特に、本実施形態では、中央制御部10は、指紋取得部7により取得したユーザの指紋に従って、音声データの録音や再生、削除などを制御する。
【0023】
A−2.第1実施形態の動作
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。ここで、図4は、本第1実施形態によるデータ記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。録音に先立って、まず、ユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得したか否かを判断する(ステップS10)。そして、指紋取得部7によってユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得している場合には、取得した指紋と対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されているか否かを判断する(ステップS12)。
【0024】
そして、取得した指紋と対応付けられている音声データがない場合には、録音を開始し(ステップS14)、録音中に録音が終了したか否か、すなわち、録音終了の操作があったか否かを判断する(ステップS16)。そして、録音が終了すると、録音データ、指紋データ、録音時刻などを、図2に示すように、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶する(ステップS18)。次に、図3に示すように、再生確認のメッセージを表示部5に表示し(ステップS20)、終了操作が行われたか否かを判断し(ステップS22)、終了操作が行われた場合には、当該処理を終了する。
【0025】
一方、終了操作が行われない場合には、上記再生確認のメッセージに従って、指紋取得部7によってユーザの指紋を取得したか否かを判断し(ステップS24)、指紋を取得している場合には、録音開始時にステップS10で取得した指紋と、録音終了後のステップS24で取得した指紋とが一致するか否かを判断する(ステップS26)。すなわち、ユーザは、録音終了後に直ちに録音データを再生する場合には、録音開始時と同じ指の指紋を入力すればよい。そして、双方の指紋が一致しない場合には、当該処理を終了する。
【0026】
一方、双方の指紋が一致した場合には、録音データの再生を開始し(ステップS32)、再生中には、再生が終了したか否か、すなわち、録音データの再生が完了したか、あるいはユーザにより再生が中止されたか否かを判断し(ステップS34)、再生が終了した場合には、当該録音データに対する、図2に示す再生回数を更新し(ステップS36)、さらに、RTC6から取得した現在時刻に従って、最終再生時刻を更新し(ステップS38)、当該処理を終了する。
【0027】
また、ステップS12において、指紋と対応付けられている音声データがデータ記憶部9−1に既に保存されている場合には、RTC6から現在時刻を取得し(ステップS28)、該当録音データの録音時刻が30日以内であるか否かを判断する(ステップS30)。そして、録音データの録音時刻が30日以内である(最近録音された)場合には、上述したステップS32以降へ進み、録音データの再生を開始し、再生が終了した場合には、再生回数を更新するとともに、RTC6から取得した現在時刻に従って最終再生時刻を更新して当該処理を終了する。
【0028】
一方、録音時刻が30日以内でない場合には、最終再生時刻が20日以上前であるか否かを判断し(ステップS40)、録音時刻が30日を越えていても、最終再生時刻が20日以上前でない(最近再生された)場合には、上述したステップS32以降へ進み、録音データの再生を開始し、再生が終了した場合には、再生回数を更新するとともに、RTC6から取得した現在時刻に従って最終再生時刻を更新して当該処理を終了する。
【0029】
また、最終再生時刻が20日以上前である(最近再生されていない)場合には、再生回数が2回以下であるか否か(頻繁に再生されていないか否か)を判断し(ステップS42)、録音時刻が30日を越え、かつ、最終再生時刻が20日以上前であっても、再生回数が2回より多い場合には、上述したステップS32以降へ進み、録音データの再生を開始し、再生が終了した場合には、RTC6から取得した現在時刻に従って再生回数を更新するとともに、最終再生時刻を更新して当該処理を終了する。
【0030】
一方、録音時刻が30日を越え、かつ、最終再生時刻が20日以上前で、さらに、再生回数が2回以下である場合には、かなり以前に録音され、かつ最近、頻繁に再生もされていないと判断し、削除を確認するためのメッセージを表示部5に表示し(ステップS44)、ユーザによる削除操作があったか否かを判断する(ステップS46)。そして、ユーザによる削除操作がない場合には、該当録音データを削除することなく、当該処理を終了する。一方、ユーザによる削除操作があった場合には、当該録音データを削除し(ステップS48)、当該処理を終了する。
【0031】
上述した第1実施形態では、ユーザが音声データを記録したいときには、記録する際にまだ使用していない自らの指紋を装置に認識させて、音声データを記録し、ユーザが音声データを再生したいときには、その音声データを記録した際に装置に認識させた指紋を再び装置に認識させて音声データを再生するようにしたので、自らの指紋を装置に認識させるだけで、容易に音声データを記録したり、再生したりすることができる。
【0032】
例えば、最初の音声データを記録するときには右手親指、2回目の記録では右手人差し指などと決めて、その指の指紋と対応させて音声データを記録しておき、再生するときには、1番目の音声データを再生したければ右手親指、2番目の音声データを再生したければ右手人差し指の指紋を認識させることで容易に再生することができる。
【0033】
また、個人を識別可能な生体情報として指紋を利用しているので第三者に再生されることはない。
【0034】
また、記録されてから所定期間経過し、かつ、最後に再生されてから所定期間経過し、かつ、再生回数が所定回数以下である音声データを容易な操作で削除することができ、その音声データに対応付けられていた指紋を別の音声データを記録する際に使用することができるようになる。
【0035】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、データ記録再生装置の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。本第2実施形態では、図5に示すように、第1の指紋と第2の指紋というように、2つの指紋の組み合わせを録音データに対応付けることで、音声データの録音、再生を制御することを特徴としている。組み合わせる指紋は、同じ指のものであってもよいし、異なる指のものであってもよい。
【0036】
B−1.第2実施形態の動作
次に、本第2実施形態の動作について説明する。図6は、本第2実施形態によるデータ記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。録音に先立って、まず、ユーザの第1の指紋を取得したか否かを判断する(ステップS60)。そして、指紋取得部7によってユーザの第1の指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得した場合には、次に、ユーザの第2の指紋を取得したか否かを判断する(ステップS62)。そして、指紋取得部7によってユーザの第2の指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得した場合には、第1の指紋と第2の指紋との組み合わせに対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されているか否かを判断する(ステップS64)。
【0037】
そして、取得した第1の指紋および第2の指紋に対応付けられている音声データがない場合には、録音を開始し(ステップS66)、録音中に録音が終了したか否か、すなわち、録音終了の操作があったか否かを判断する(ステップS68)。そして、録音が終了すると、録音データ、第1の指紋データ、第2の指紋データ、録音時刻などを、図5に示すように、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶し(ステップS70)、当該処理を終了する。
【0038】
一方、取得した第1の指紋および第2の指紋に対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されている場合には、該録音データの再生を開始し(ステップS72)、再生中には、再生が終了したか否か、すなわち、録音データの再生が完了したか、あるいはユーザにより再生が中止されたか否かを判断し(ステップS74)、再生が終了した場合には、当該録音データに対する、図5に示す再生回数を更新し(ステップS76)、さらに、RTC6から取得した現在時刻に従って、最終再生時刻を更新し(ステップS78)、当該処理を終了する。
【0039】
上述した第2実施形態では、1つの音声データに複数の指紋を対応付けることにより、1つの音声データに1つの指紋しか対応付けられない場合に最大10件の音声データしか記録・再生することができないのに対して、容易な操作で、多くの件数の音声データを記録・再生することが可能になる。例えば、右手の親指と人差し指の指紋はこの音声データ、右手の親指と中指の指紋は別の音声データというように、10件以上の音声データを容易な操作で記録・再生することが可能になる。
【0040】
B−2.第1変形例
次に、上述した第2実施形態の第1変形例について説明する。本第1変形例では、所定の時間内における指紋の取得回数に従って、音声データの録音、再生を管理、制御する。そこで、本第1変形例では、図7に示すように、録音データ(音声データ)と指紋の取得回数とを対応付ける。
【0041】
次に、本第2実施形態の第1変形例の動作について説明する。図8は、本第2実施形態の第1変形例の動作するためのフローチャートである。録音に先立って、まず、ユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得したか否かを判断する(ステップS90)。そして、指紋取得部7によってユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得した場合には、取得回数を「1」とし(ステップS92)、取得タイマによる計時を開始する(ステップS94)。
【0042】
次に、再度、ユーザの指紋を取得したか否かを判断する(ステップS96)。そして、ユーザの指紋が取得されない場合には、取得タイマがタイムアウトしたか否かを判断し(ステップS100)、タイムアウトしていない場合には、ステップS96に戻り、指紋の取得を繰り返す。一方、取得タイマがタイムアウトするまでに、指紋が取得された場合には、その都度、取得回数を「1」だけインクリメントする(ステップS98)。
【0043】
そして、取得タイマがタイムアウトすると、取得タイマによる計時を終了する(ステップS102)。上述したステップS90〜S102の一連の処理(指紋取得処理)によって、取得タイマがタイムアウトするまでに、ユーザの指紋が複数回取得されることになる。
【0044】
次に、取得した指紋に対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されているか否かを判断する(ステップS104)。そして、取得した指紋に対応付けられている音声データがない場合には、録音を開始し(ステップS106)、録音中に録音が終了したか否か、すなわち、録音終了の操作があったか否かを判断する(ステップS108)。そして、録音が終了すると、録音データ、指紋データ、録音時刻、取得回数などを、図7に示すように、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶し(ステップS110)、当該処理を終了する。
【0045】
一方、取得した指紋に対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されている場合には、取得回数も一致する音声データがあるか否かを判断する(ステップS112)。そして、取得回数が一致しない場合には、上述したステップS106以降へ進み、録音を開始し、録音が終了すると、録音データ、指紋データ、録音時刻、取得回数などを、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶して当該処理を終了する。
【0046】
一方、取得した指紋に対応付けられている音声データがあり、かつ、取得回数も一致した場合には、該録音データの再生を開始し(ステップS114)、再生中に、再生が終了したか否か、すなわち、録音データの再生が完了したか、あるいはユーザにより再生が中止されたか否かを判断し(ステップS116)、再生が終了した場合には、当該録音データに対する、図7に示す再生回数を更新し(ステップS118)、さらに、RTC6から取得した現在時刻に従って、最終再生時刻を更新し(ステップS120)、当該処理を終了する。
【0047】
上述した第1変形例では、右手親指の指紋を2回ではこの音声データ、3回では別の音声データというように、10件以上の音声データを容易な操作で記録・再生することができるようになる。また、指紋に代えて、生体情報として声紋を使用する場合、「あ、あ」と2回発声したときにはこの音声データ、「あ、あ、あ」と3回発声したときには別の音声データというように区別することで、より多くの件数の音声データを記録・再生することが可能になる。
【0048】
B−3.第2変形例
次に、上述した第2実施形態の第2変形例について説明する。本第2変形例では、指紋の取得時間(指紋取得部への押下時間)によって、音声データの録音、再生を制御する。そこで、本第2変形例では、図9に示すように、録音データ(音声データ)と指紋の取得時間とを対応付ける。
【0049】
次に、本第2実施形態の第2変形例の動作について説明する。図10は、本第2実施形態の第2変形例の動作するためのフローチャートである。録音に先立って、まず、ユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得したか否かを判断する(ステップS140)。そして、指紋取得部7によってユーザの指紋(左右合わせて十指のいずれかの指紋)を取得した場合には、取得タイマによる計時を開始する(ステップS142)。
【0050】
次に、指紋の取得が終了したか否か、すなわち、ユーザが指紋を入力するための指を離したか否かを判断し(ステップS144)、ユーザが指を離すまで、取得タイマによる計時を継続する。そして、ユーザが指を離し、指紋の取得が終了すると、その時点の取得タイマによる計時時間、すなわち指紋の取得時間を、図9に示すように、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶し(ステップS146)、取得タイマによる計時を終了する(ステップS148)。
【0051】
次に、取得した指紋に対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されているか否かを判断する(ステップS150)。そして、取得した指紋に対応付けられている音声データがない場合には、録音を開始し(ステップS152)、録音中に録音が終了したか否か、すなわち、録音終了の操作があったか否かを判断する(ステップS154)。そして、録音が終了すると、録音データ、指紋データ、録音時刻、取得時間などを、図9に示すように、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶し(ステップS110)、当該処理を終了する。
【0052】
一方、取得した指紋に対応付けられている音声データが既にデータ記憶部9−1に保存されている場合には、取得時間も一致する音声データがあるか否かを判断する(ステップS158)。そして、取得時間が一致しない場合には、上述したステップS152以降へ進み、録音を開始し、録音が終了すると、録音データ、指紋データ、録音時刻、取得時間などを、RAM9のデータ記憶部9−1に記憶して当該処理を終了する。
【0053】
一方、取得した指紋に対応付けられている音声データがあり、かつ、取得時間も一致した場合には、該録音データの再生を開始し(ステップS160)、再生中に、再生が終了したか否か、すなわち、録音データの再生が完了したか、あるいはユーザにより再生が中止されたか否かを判断し(ステップS162)、再生が終了した場合には、当該録音データに対する、図9に示す再生回数を更新し(ステップS164)、さらに、RTC6から取得した現在時刻に従って、最終再生時刻を更新し(ステップS166)、当該処理を終了する。
【0054】
上述した第2変形例では、ユーザが指を装置に短い時間当てていたときには、この音声データ、長い時間当てていたときには別の音声データというように、指紋の取得時間(指紋取得部への押下時間)によって、音声データの録音、再生を制御することで、より多くの件数の音声データを記録・再生することが可能になる。
【0055】
なお、上述した実施形態においては、生体情報として指紋を用いたが、これに限らず、掌紋や、音声(声紋)、虹彩、網膜などを用いてもよい。
また、上述した実施形態においては、データとして音声データについてのみ説明したが、これに限らず、静止画データや、動画データなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態によるデータ記録再生装置のデータ記憶構成を示す概念図である。
【図3】本第1実施形態によるデータ記録再生装置の表示例を示す模式図である。
【図4】本第1実施形態によるデータ記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本第2実施形態によるデータ記録再生装置のデータ記憶構成を示す概念図である。
【図6】本第2実施形態によるデータ記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本第2実施形態の第1変形例におけるデータ記憶構成を示す概念図である。
【図8】本第2実施形態の第1変形例の動作するためのフローチャートである。
【図9】本第2実施形態の第2変形例におけるデータ記憶構成を示す概念図である。
【図10】本第2実施形態の第2変形例の動作するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 音声信号処理部
2 マイクロフォン
3 スピーカ
4 操作部
5 表示部
6 RTC
7 指紋取得部
8 ROM
9 RAM
9−1 データ記憶部
10 中央制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記録再生可能なデータ記録再生装置であって、
ユーザの生体情報を取得する取得手段と、
データと生体情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
ユーザの生体情報を取得した際に、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、データを記録するとともに、記録されたデータと取得された生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶する記録制御手段と、
前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生する再生制御手段と
を具備することを特徴とするデータ記録再生装置。
【請求項2】
前記取得手段は、ユーザの複数の生体情報を取得し、
前記記憶手段は、データと複数の生体情報とを対応付けて記憶し、
前記判別手段は、ユーザの複数の生体情報を取得した際に、取得された複数の生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在するか否かを判別し、
前記記録制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、データを記録するとともに、記録されたデータと取得された複数の生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記再生制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生することを特徴とする請求項1記載のデータ記録再生装置。
【請求項3】
ユーザの生体情報を取得する際の状況を表す状況情報を検出する検出手段をさらに有し、
前記記憶手段は、前記状況情報を、データと生体情報とに対応付けてさらに記憶し、
前記判別手段は、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在した場合に、当該データが、検出された状況情報と対応付けられて記憶されているか否かをさらに判別し、
前記記録制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、さらにデータを記録するとともに、記録されたデータと検出された状況情報と取得された生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記再生制御手段は、前記判別手段により、対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生することを特徴とする請求項1記載のデータ記録再生装置。
【請求項4】
前記状況情報は、所定時間内に生体情報が取得された回数であることを特徴とする請求項3記載のデータ記録再生装置。
【請求項5】
前記状況情報は、生体情報を取得する際に、ユーザが装置に生体情報を取得させていた所要時間であることを特徴とする請求項4記載のデータ記録再生装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、データに関する付属情報を、データと生体情報と対応付けてさらに記憶し、
前記判別手段は、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが前記記憶手段に存在した場合に、当該データと対応付けられて記憶されている付属情報情に基づいて、当該データが所定の削除条件を満たしているか否かをさらに判別し、
前記判別手段により、所定の削除条件を満たしていると判別された場合に、当該データを削除する削除制御手段を具備することを特徴とする請求項1記載のデータ記録再生装置。
【請求項7】
前記付属情報は、当該データを記録した時刻に関する時刻情報であり、
前記削除条件は、当該データを記録した時刻が現在時刻より所定時間以上過去であることを特徴とする請求項6記載のデータ記録再生装置。
【請求項8】
前記付属情報は、当該データを最後に再生した時刻に関する時刻情報であり、
前記削除条件は、当該データを最後に再生した時刻が現在時刻より所定時間以上過去であることを特徴とする請求項6記載のデータ記録再生装置。
【請求項9】
前記付属情報は、当該データの再生回数をさらに含み、
前記削除条件は、当該データの再生回数が所定回数以下であることをさらに含むことを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載のデータ記録再生装置。
【請求項10】
前記生体情報は、ユーザのそれぞれの指の指紋情報であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のデータ記録再生装置。
【請求項11】
データを記録再生可能なデータ記録再生プログラムであって、
コンピュータに、
ユーザの生体情報を取得する取得機能、
データと生体情報とを対応付けて記憶する記憶機能、
ユーザの生体情報を取得した際に、取得された生体情報と対応付けられて記憶されているデータが記憶されているか否かを判別する判別機能、
前記対応付けられて記憶されているデータが存在しないと判別された場合に、データを記録するとともに、記録されたデータと取得された生体情報とを対応付けて記憶する記録制御機能、
前記対応付けられて記憶されているデータが存在すると判別された場合に、当該データを再生する再生制御機能
を実現させることを特徴とするデータ記録再生プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−317243(P2007−317243A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142262(P2006−142262)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】