説明

データ送信方法及び端末装置、ノード

【目的】 より高い無線使用効率又は通信品質を提供可能なデータ送信方法及び端末装置、ノードを提供する。
【構成】 複数のユニキャストストリームが通過する無線LAN上の下流側ノードでは、該複数のストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして送信し、かつ他のストリームは送信せずに、その宛先アドレスを通知しておき、これを受信した上流側ノードでは、該受信したリファレンスストリームと前記宛先アドレスとから前記他のストリームを複製して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ送信方法及び端末装置、ノードに関する。本発明は、特に、無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムに適用するのが好適である。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE 802.11無線LANに代表されるIP無線アクセス技術が大幅に進歩し、通信帯域も100Mbpsに迫る勢いである(802.11n等)。このような十分な通信帯域の確保、および、無線アクセスによる利便性から、当該システムはコンシューマ向けだけでなく、企業内での通信手段としても普及することが予想される。
【0003】
特に、企業内のシステム導入では、データ通信だけでなく、構内電話システムもIPにおきかえる動きが活発であり、無線LAN上での音声通話(VoWLAN : Voice over Wireless LAN)がその主要なアプリケーションとなりつつある。更に、そうした業務アプリケーションの1つとして、音声会議やTV会議といった多地点通信の需要も高まっており、そうしたアプリケーションにおいて、無線LANシステムが提供する通信品質は上記サービス品質を確保する上で極めて重要となってくる。
【0004】
ここで、多地点接続サービスについて整理しておく。音声電話会議に代表される多地点接続サービスには複数の実現方式があるが、それらは、
(1)接続制御をどのノードが行うか、即ち、集中管理ノードMCU(Multi-point Control Unit)が行うか、又はP2P(point-to-point)モードで行うか、
(2)通信方式は複数のアドレスを指定して同じデータを送信するマルチキャストか、又は単一のアドレスを指定して特定の相手にデータを送信するユニキャストか、
(3)音声混合をどのノードで行うか、即ち、集中管理ノード(MCU:Multi-point Control Unit)か、又は各端末か、
と言った、大きく3つの観点に分類できる。
【0005】
集中管理ノードで(1)の接続制御や(3)の音声混合を実施する方式については、集中管理ノード(MCU)の設置が必要となる点で今後の柔軟かつ広範なネットワーク構築に対して制約を与える可能性がある。また、(2)の方式では、同一データを複数端末に配信する点では、マルチキャスト通信を用いることがネットワーク資源の有効活用となるが、マルチキャスト通信では通信経路上の全てのノードがマルチキャストプロトコルに対応している必要がある上、実際には普及が十分に進んでいないのが実情であることから、マルチキャストプロトコルを前提としたサービス提供には大きな制約が伴う。そこで、無線LANを含むP2P接続をベースとしたユニキャスト通信方式により多地点接続サービスを提供することが考えられる。
【特許文献1】特開2000−244491
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、無線LANは有線ネットワークと比較してリソースや無線キャパシティの制限が大きく、多地点会議のように1つのエリア内に複数の端末が存在するような厳しい通信環境では、通信品質の低下が問題となっていた。以下、具体的に説明する。
【0007】
図8は従来技術を説明する図で、図8(A)は無線LANを含むP2P接続方式をベースとしてユニキャスト方式により音声の多地点接続サービスを提供する通信システムの概念構成図を示している。図において、A〜Cは無線端末(MS)、20’は無線エリア内の端末との間の無線通信を終端するアクセスポイント(AP)、100はIPネットワークである。ここでは、端末Aで発生した音声データパケットを端末B,C宛に送信する場合を例に説明する。端末Aは、音声データ「もしもし」を端末B,Cのそれぞれにユニキャスト送信するが、このとき、端末A内では端末B,C向けに同一内容の送信データ「もしもし」が複数生成される。
【0008】
しかし、無線LANでは1つのチャネル(周波数)を複数の端末とAP20’とで共有する。従って、例えば図8(B)に示す如く、端末A,Dからのデータパケットは同時には送信できないため、アクセス競合によるデータ送信遅延が発生し、音声品質が劣化する。また図8(C)に示す如く、端末Aは同時に複数の音声データ(宛先は異なる)パケットを送信できないため、同一タイミングに送信すべき音声データのうち2番目以降のパケット送信には必ず遅延が発生じ、こうして、無線キャパシティ(帯域使用効率)の低下を招く。このように、本発明の課題は、IEEE802.11無線LAN仕様が持つ無線アクセスの競合特性、P2P型通信方式が持つユニキャスト特性、および、多地点接続サービスが持つ複数ストリーム生成特性の組み合わせに起因している。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、より高い無線使用効率又は通信品質を提供可能なデータ送信方法及び端末装置、ノードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によるデータ送信方法は、無線端末から受信したデータを送信するデータ送信方法において、前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する、ものである。従って、無線端末と自局間の無線空間における無線使用効率を大幅に改善できる。
【0011】
本発明の第2の態様では、前記データは、ユニキャストデータであり、該ユニキャストデータと、該ユニキャストデータが含むデータを該ユニキャストデータとは異なる宛先に設定したユニキャストデータとが、前記複数のユニキャストデータに含まれる、ものである。
【0012】
本発明の第3の態様では、前記無線端末からの前記データを無線信号として受信する下流側ノードと、該下流側ノードからのデータを受信する上流側ノードとを含み、該下流側ノードは、前記無線端末から第1の宛先を宛先とするユニキャストデータを受信して該上流側ノードに該ユニキャストデータを前記データとして送信し、該上流側ノードは、該ユニキャストデータに基づいて前記複数のユニキャストデータを生成して、前記送信を行う、ものである。
【0013】
本発明の第4の態様では、前記データは、制御信号を含み、前記複数のユニキャストデータの生成は、該制御信号に従って行われる、ものである。
【0014】
本発明の第5の態様による端末装置は、上位アプリケーション処理部から受け取った、宛先は異なるが、同じ内容を含む複数のデータのうち、1つのデータについてはアクセスポイント側に無線送信するが、他のデータについては該アクセスポイント側に無線送信しない、ものである。
【0015】
本発明の第6の態様によるノードは、無線端末から受信したデータを中継するノードに
おいて、前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する送信処理部、を備えたものである。
【0016】
本発明の第7の態様によるパケット通信システムは、無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムにおいて、前記複数のユニキャストストリームが通過する無線LAN上の下流側ノードでは、該複数のストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして送信し、かつ他のストリームは送信せずに、それらの宛先アドレスを送信し、又は通知しておき、これを受信した上流側ノードでは、該受信したリファレンスストリームと前記宛先アドレスとから前記他のストリームを複製して送信するものである。
【0017】
本発明によれば、無線LAN上における冗長ストリーム(パケット)の送信をショートカットし、その上流側で複数の冗長ストリームを複製して送信する構成により、無線LAN上の様々な制約に基づく伝送遅延を有効に回避でき、よって高品質なP2P型の多地点接続システムを廉価に提供できる。
【0018】
本発明の第8の態様では、前記下流側ノードは、特定のアプリケーションに係る前記複数のユニキャストストリームを設定する上位アプリケーション処理部と、前記上位アプリケーション処理部から所定時間内に受け取った前記特定のアプリケーションに係る複数のストリームにつきペイロード部の情報が一致する複数のストリームを検出し、該検出したストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして上流側ノードに送信すると共に、他のストリームについてはその宛先アドレスを上流側ノードに送信するショートカット制御部と、を備える。従って、冗長ストリームの送信を有効にショートカットできる。
【0019】
本発明の第9の態様では、前記上流側ノードは、前記下流側ノードより受信した特定のアプリケーションに係るリファレンスストリームの宛先アドレスと、他のストリームについての宛先アドレスとを前記下流側ノードより指定された順序で記憶する第1のアドレステーブルと、前記下流側ノードより特定のアプリケーションに係るリファレンスストリームを受信したことにより、該該受信したリファレンスストリームのペイロード部と、前記第1のアドレステーブルの宛先アドレスとから前記他のストリームを複製して送信するショートカット複製制御部と、を備える。従って、送信側でショートカットされた冗長ストリームを効率よく複製して送信できる。
【0020】
本発明の第10の態様では、前記下流側ノードは、前記検出した複数のストリームについての宛先アドレスを前記上流側ノードに指定したと同じ順序で記憶する第2のアドレステーブルを備え、前記ショートカット制御部は、今回検出した複数のストリームについての宛先アドレスと、前記第2のアドレステーブルの宛先アドレスとを比較し、比較一致が得られたテーブルエントリに対応する位置のビットを論理1レベルにしたビットマップテーブルを形成し、今回検出したリファレンスストリームのペイロード部に搭載して送信する。従って、今回、上流側ノードで複製すべき複数ストリームのアドレス情報を少ないビットマップ情報により効率よく通知できる。
【0021】
本発明の第11の態様では、前記ショートカット複製制御部は、今回受信したリファレンスストリームのペイロード部と、前記第1のアドレステーブルにおける今回受信したビットマップテーブルのビットが論理1レベルとなっている位置に対応するエントリから読み出した宛先アドレスとから他のストリームを複製して送信する。従って、上流側ノードでは複数の冗長ストリームを効率よく複製できる。
【0022】
本発明の第12の態様による端末装置は、無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該無線LAN上の送信側端末で一部削除したストリームをその上流側ノードで再生して前記各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムの前記端末装置において、上位アプリケーション処理部から受け取った複数のストリーム中の少なくとも1つを前記上流側ノードに実際に送信し、かつ他のストリームは送信せずに、それらの宛先アドレスを該上流側ノードに送信するものである。
【0023】
本発明の第13の態様による上流側ノード装置は、無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該無線LAN上の送信側端末で一部削除したストリームをその上流側ノードで再生して前記各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムの前記上流側ノード装置において、前記複数のユニキャストストリームに送信すべく前記送信側端末から受信した少なくとも1つのストリームと、残りの他のストリームについての宛先アドレスとに基づいて前記送信側端末で削除された他のストリームを再生するものである。
【発明の効果】
【0024】
以上述べた如く本発明によれば、限られた無線リソースを効率的に使用することが可能となる。また、例えば、安定した多地点会議システムを廉価に構築することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。
【0026】
図1は実施の形態による多地点接続システムの概念構成図で、無線LANを含むP2P接続方式をベースとしてユニキャスト通信により多地点接続制御を行う多地点接続システムにおいて、端末Aからの音声データを端末B,Cに送信する場合の構成を示している。このシステムはアクセスポイント(AP)20aとIPネットワーク100の間にゲートウェイノード(WGW:Wireless Gateway)30を備えている。このWGW30は、IEEE802.11MAC機能の一部を具備しており、端末Aとの間でMAC制御フレームの送受信を行う。このMAC制御フレームをベースとして、端末Aは無線LAN上では1つの端末(例えば端末B)宛にのみデータストリーム(リファレンスストリーム)を送信し、他の端末(例えば端末C)宛にはデータストリームを送信しないことにより、無線LAN上での通信量を最小化している。以下、このような操作をショートカットとも呼ぶ。
【0027】
一方、WGW30では、端末Aから受信したデータストリームを端末B宛に送信すると共に、本来、端末Aが送信すべきであった他の端末C宛のデータストリームを複製して送信する。このように、本実施の形態では、端末AのMAC機能部とWGW30のMAC機能部とが連携することで、既存のP2Pアプリケーションに影響を与えることなく、無線LAN上で冗長な送信データを送信しない(ショートカットする)ことが可能となる。なお、図示しないが、端末BやCから端端末A等にパケットを送信する場合も同様に構成できる。
【0028】
図2は実施の形態による多地点接続システムのブロック図で、端末AとWGW30とに付加したMAC拡張処理部11,31の構成を示している。端末10において、上位アプリケーション処理部12は、IPレイヤ以上の処理を終端する。サービス識別部13は、上位アプリケーション処理部12から受け取った送信データについて、IPヘッダのプロトコル種別やUDP/TCPヘッダのポート番号から上位プトコルのサービス種別を識別する。
【0029】
サービス種別としては、例えば、音声会議等に使用されるRTP(Real-time Transport Protocol)プロトコルを判別する。RTPは、UDPの上位プロトコルとして機能し、映像や音声データを時間単位でパケットに分割すると共に、該パケットにデータの時間情報を付加して転送する。受信側では、途中で喪失したり、遅れて配送されたパケットは無視し、受信側が期待する時間内に到着したパケットだけを利用して各パケットの時間情報から時間的な関係を把握してデータの再生を行う。
【0030】
ショートカット制御部14は、WGW30との間でショートカット制御のために必要となるアドレステーブルの同期処理、および、ショートカット要否の判断、ショートカット区間のデータを代表するリファレンスストリームの生成、ショートカットされたストリームのデータ廃棄等を行う。ショートカット制御バッファ16は、ショートカット要否判断のために、所定時間の間に上位アプリケーション処理部12から送られる送信データを保持する。ショートカットの対象となり得るストリームのデータは一度全てこのバッファ15に格納される。ショートカット制御タイマ15は、ショートカット処理期間(前記所定時間)を制御するタイマであり、本タイマの満了時にショートカット制御バッファ16に格納されている各ストリームデータを取り出し、ショートカット要否の判断を行う。IPアドレステーブル17は、ショートカット制御のために、端末10とWGW30との間で同期が必要な宛先IPアドレス情報などを管理・格納する。そして、MACフレーム送信処理部18は、上位レイヤから受け取ったデータにヘッダ、テイル等の情報を付加し、MACフレームの送信処理を行う。このような構成により、通常のデータストリームはそのままMACフレーム送信処理部18を介して送信され、ショートカット制御の対象となる音声データストリームはショートカット制御部14の制御下でショートカット処理されて後、送信される。
【0031】
WGW側30において、MACフレーム受信処理部32は、端末から受信したMACフレームよりペイロード部分を取り出し、上位レイヤに受け渡す。フレーム判定部33は、受信フレームの種別を判別し、ショートカット制御に係る拡張フレーム(リファレンスフレーム,ショートカット制御フレーム等)であれば、ショートカット複製制御部34にペイロード部を転送し、通常のフレームであれば、上位アプリケーション処理部36に転送する。ショートカット複製制御部34は、端末10との間でショートカット制御のために必要となるアドレステーブル35の同期処理、および、受信したリファレンスフレームとIPアドレステーブル35を参照してショートカットされた宛先向けのパケットを複製(複数複製)し、上位アプリケーション処理部36に渡す。上位アプリケーション処理部36はIPレイヤ以上の処理を終端する。
【0032】
図3は実施の形態による多地点接続制御のシーケンス図で、上記図1で述べたショートカット制御のシーケンスを具体的に示している。ここでは、ショートカット対象のデータストリームとして、RTPプロトコル上のストリーミングデータ(音声データ等)を想定している。端末10において、サービス識別部13は、上位アプリケーション処理部12から受信した端末B向けのデータストリームについて、そのUDPポート番号から上位サービス種別を判定する。この例では、ショートカット制御の対象であるRTPデータであるため、当該データをショートカット制御部14に転送する。ショートカット制御部14では、受け取ったデータをショートカット制御バッファ16に格納し、所定時間のショートカット制御タイマ15を起動する。次に上位アプリケーション処理部12から端末C向けのRTPデータが入力されると、このデータは上記同様にしてショートカット制御バッファ16に格納される。但し、既にショートカット制御タイマ15は起動中であるため、新たにタイマは起動しない。以下、同様である。
【0033】
こうして、やがて、ショートカット制御タイマ15がタイムアウトすると、ショートカ
ット制御部14はショートカット制御バッファ16内に格納されている受信ストリームのIPペイロード部分を比較し、データ内容が一致するか否かを判別する。一致した場合は、ショートカット対象のデータであると見なし、ショートカット制御部14は、後発受信した端末C向けのデータを廃棄すると共に、端末C向けのデータがショートカットされたことを示すショートカット制御情報を端末B向けのデータのペイロード部先頭に挿入する。こうして、やがて、ショートカット制御バッファ16内の全格納データについて上記のショートカット処理を終了すると、これらを代表する端末B向けのフレームのペイロード部に前記ショートカット制御情報及び共通のデータを搭載したリファレンスフレームを生成し、AP20aに送信する。
【0034】
WGW30において、MACフレーム受信処理部32で受信されたフレームはフレーム判定部33に渡される。フレーム判定部33ではMACヘッダ内の「Type」、「Subtype」欄を参照し、受信フレームがショートカット制御に係るリファレンスフレームか、又は通常のデータフレームかを判別する。通常のデータフレームの場合はそのペイロード部分を上位アプリケーション処理部36に渡し、またリファレンスフレームの場合はそのペイロード部分をショートカット複製制御部34に転送する。
【0035】
ショートカット複製制御部34では、受信したフレーム内のショートカット制御情報「Shortcut Control」欄と、IPアドレステーブル17に同期したIPアドレステーブル35を参照することで、端末10側でショートカットされたデータストリームの宛先アドレスを認識する。この例では、端末C向けのデータがショートカットされたことが分かるため、ショートカット複製制御部34では、受信した端末B向けのIPペイロード(データ)を流用し、かつ宛先IPアドレスとしてはIPアドレステーブル35から読み出した端末C向けアドレスを付与した形でIPパケットを複製・生成し、上位アプリケーション処理部36に転送するする。また、受信したリファレンスフレーム(宛先アドレスは端末B向け)についても、端末10側で挿入したショートカット制御情報を削除し、端末B向けのIPパケットに戻して、上位アプリケーション処理部36に転送する。
【0036】
本実施の形態によれば、上記のようなショートカット制御を、IEEE802.11MACレイヤに加えた拡張機能とWGW30とで隠蔽できるため、端末10の上位アプリケーションや既存の各種ネットワーク機能(各種プロトコル等)に対する変更は基本的には不要である。また、ネットワーク内にWGW30を追加することで、他のアプリケーションソフトウェア等に加える別段の変更を抑えることができる。従って、既存設備に対する影響が少なく、設備投資も最小に抑えられる。
【0037】
図4は実施の形態によるショートカット制御を説明する図で、図4(A)はリファレンスフレームのフレームフォーマット(一例)を示している。リファレンスフレームは、そのMACヘッダ内の「Type」=Data,「Subtype」=Shortcut Dataにより種別を指定する。また、そのペイロード部分には、その先頭部分にショートカット制御情報を搭載する「Shortcut Control」フィールド(固定長)を有する。ショートカット制御情報はIPアドレステーブル17に対応したビットマップ構成を有している。この例では、各ビット位置がテーブルのエントリ番号に対応しており、ビット「1」に対応する宛先IPがショートカット有り(複製必要)、ビット「0」に対応する宛先IPがショートカット無し(複製不要)に対応している。
【0038】
なお、リファレンスの選び方としては、例えば、特定のストリームにおいて、上位から最初に与えられたデータに含まれる宛先をリファレンスとして選択し、その後所定時間内に上位から与えられたデータに含まれる他の宛先をショートカットの対象とすることが可能である。
【0039】
図4(B)にIPアドレステーブル17の記憶内容を示す。上位アプリケーション処理部12より所定時間の間に送られ、ショートカット制御バッファ16に格納された特定のストリームにつき、ショ−トカット制御部14により各ユニークな値の宛先IPアドレスが抽出され、エントリIDと共にテーブル17に記録される。或いは、上位アプリケーション処理部12による多地点会議の接続制御の下で、会議に参加した端末につき抽出されたIPアドレスに基づき、ショ−トカット制御部14がIPアドレステーブル17を作成しても良い。リファレンスストリームに搭載するショートカット制御情報「Shortcut Control」は、上位アプリケーション処理部12より今回受信した全送信ストリームにつき、IPアドレステーブル17中に登録されているものがシュートカットの対象となり、対応するエントリ(位置)IDのビットが論理1レベルにセットされる。但し、リファレンスストリームとして送信するエントリIDを除く。
【0040】
例えば、IPアドレステーブル17上のエントリID#2と、エントリID#4で管理されるIPアドレス宛のデータがショートカットされた場合には、リファレンスフレームにおけるショートカット制御情報の「#2ビット」と「#4ビット」の欄にビット「1」が設定される。即ち、ショートカット制御情報のビット長(図の例では16)はIPアドレステーブル17の最大エントリ数(=16)と同一となっている。但し、このビット長(エントリ数)は一例にすぎない。
【0041】
なお、上記のように、ショートカット制御情報によって、毎回ショートカットする対象を通知することもできるが、ショートカットする対象に変更がない場合は、1回ショートカット制御情報を送信することで、端末10とWGW30との間でショートカットする対象の同期がとれ、以後は、最初に取得したショートカット制御情報に従って、複製を行ってユニキャストデータを送信することができる。
【0042】
ところで、上記ショートカット制御情報に対応するIPアドレスを追加して送信することで、WGW30において、ショートカットの対象の宛先のIPアドレスを取得することもできるが、次に示すように、制御信号を定義し、IPドレスの追加があった場合に、端末10からWGW30に対して追加されたIPアドレスを通知することが望ましい。もちろん、IPアドレスの削除も後述するように行うことができる。
【0043】
図5は実施の形態によるIPアドレスエントリ制御フレームを説明する図である。上記ショートカット制御のためには端末10とWGW30との間で各IPアドレステーブル17,35の内容が完全に同期(一致)している必要がある。ここでは、端末10が同期制御のマスターとなって端末-WGW間のIPアドレステーブルを同期させる方法について説明する。これらの制御は端末10、WGW30ともにショートカット制御部14,34が行う。また、図5に端末10とWGW30との間でやり取りするIPアドレスエントリ制御フレームのフォーマットを示す。
【0044】
<宛先IPアドレスのエントリ追加>
ショートカット制御部14はアプリケーション処理部12から受信したデータパケットの宛先IPアドレスがIPアドレステーブル17に登録されていない場合は、この宛先IPアドレスをアドレステーブル17に追加登録すると共に、図5(a),(b)に示すショートカットエントリリクエストの「Entry Control」フィールドを「Entry Add」に設定し、WGW30に対してIPアドレステーブル35へのアドレス追加が必要であることを通知する。
【0045】
WGW30では端末10よりフレームを受信したことにより、フレーム判定部33で、MACヘッダ内の「Type」=Management,「Subtype」=Actionの情報、および、そのフレームボディ先頭部の「Category」欄の各情報から
ショートカット制御フレームであることを認識し、該受信フレームをショートカット複製制御部34に転送する。
【0046】
ショートカット複製制御部34ではこの受信フレームを解析し、指定されたエントリIDに対応するテーブル位置に、エントリIDと対になっているIPアドレスを格納し、その後、端末10に対して図5(c)のショートカットエントリコンファームを返信する。端末10ではショートカットエントリコンファームの結果が正常であったことを確認した後、送信したショートカットエントリリクエストに格納したエントリIDとそれに対応したIPアドレスとをIPアドレステーブル17に追加する。こうして、端末10とWGW30との間でIPアドレステーブル17,35の同期が得られると、以後は上記図4(A)のビットマップテーブルを使用することで、IPアドレステーブル17,35を有効に活用できる。
【0047】
<宛先IPアドレスのエントリ削除>
IPアドレステーブル17,35のサイズは有限であるため、すでに接続が解除されるなどして未使用となった対向端末のIPアドレスはテーブルエントリから削除する必要がある。この制御には、IPアドレステーブル17内の「有効期間」フィールドの情報を使用する。ショートカット制御部14はIPアドレステーブル17の全エントリについて、周期的に各「有効期間」フィールドの値をデクリメントしていく。このデクリメントの結果値がゼロとなったエントリは、すでに使用されなくなったエントリ(IPアドレス)であると認識し、WGW30に対して図5(a),(b)のショートカットエントリリクエスト(エントリコントロールフィールドの情報を「Entry
Delete」に設定)を通知する。これを受けたWGW30では、IPアドレステーブル35から指定されたエントリの情報を削除する。そして、端末10に図5(c)のショートカットエントリコンファームを返信する。
【0048】
<宛先IPアドレスの有効期間更新>
上位アプリケーション処理部11から受信したパケットの宛先IPアドレスがIPアドレステーブル17に登録されている場合は、IPアドレステーブル17内の該当するアドレスエントリに対して「有効期間」の欄を初期値に再設定する。本方式では、IPアドレステーブルの管理はあくまでも端末10がマスターとなって行うため、上記有効期間の更新時に、必ずしもその内容をWGW30に対して通知する必要はないと共に、WGW30における自律的なテーブル更新処理も必要ない。
【0049】
図6,図7は他の実施の形態による多地点接続制御のシーケンス図(1),(2)で、端末10及びWGW30が所定の条件を満足した時点(タイミング)を基準に一連のショートカット制御を継続して実行する場合を示している。この方式を実現するためには、
(1)無線上で実際に送信されるリファレンスストリームの宛先アドレス
(2)ショートカットされるストリームの宛先アドレス
(3)ショートカット制御を開始するタイミングの情報
を端末10とWGW30との間で同期させる必要がある。
【0050】
上記(1),(2)については、端末10とWGW30との間で、指定したい宛先アドレスを通知可能な制御フレームを定義すればよく、端末10とWGW30のそれぞれでアドレス管理を行えばよい。上記(3)については、もし端末10側でショートカットを開始するタイミングと、WGW30側で複製を開始するタイミングとがずれてしまうと、ストリームが不要に複製されることである端末宛のデータが2重に転送されたり、あるいは、本来複製されるべきデータが複製されずに、ある端末宛のデータが1つも送信されなかったりする問題が発生する。
【0051】
そこで、本実施の形態では、所定のタイミングを表す目安としてMACヘッダ内のシーケンス番号を使用する。即ち、端末10からWGW30に対して、リファレンスストリームとショートカットストリームのIPアドレスを通知する際に、ショートカット制御を開始するフレームのシーケンス番号をも合わせて通知する。端末10の側ではこのシーケンス番号に対応するデータストリームからショートカット(データ廃棄)制御を開始し、WGW30の側では当該シーケンス番号に対応する受信フレームを基準にして複製制御を行えばよい。
【0052】
図6において、端末B,C向けのRTPデータは通常のユニキャストストリームとしてWGW30に送られ、ショートカット複製制御部34を介して端末B,C宛に転送される。この状態で、ショートカット制御部14がショートカット制御の開始トリガを適切な方法(後述する)により検出すると、所定のショートカット制御フレーム(要求)をWGW30に送信する。このショートカット制御フレームには、前記検出したトリガ条件に基づくリファレンスストリームの宛先アドレス、ショートカット対象ストリームの宛先アドレス、及び、ショートカット制御開始/停止の制御種別と共に、現状のデータシーケンス番号を基準にしたいくつか先のシーケンス番号を制御実行タイミングに指定した情報が含まれる。これを受信したGW30では、その内容に基づき自局内における管理情報を設定した後、ショートカット制御フレーム(応答)を返送する。
【0053】
図7において、その後の端末B,C向けのRTPデータは通常のユニキャストストリームとしてWGW30に送られ、ショートカット複製制御部34を介して端末B,C宛に転送される。但し、この時点では各フレームのシーケンス番号がショートカット複製制御部34により検査される。その後、端末10からWGW30に送るRTPデータが所定のシーケンス番号になると、これに同期して端末10及びWGW30で各所定のショートカット制御を開始する。即ち、端末10の側では、上記指定したリファレンスストリームアドレスに対応するフレームをリファレンスフレームとして送信し、かつショートカット対象アドレスに対応するストリームを廃棄する。一方、WGW30の側では、上記指定されたリファレンスストリームアドレスに対応するフレームを上位アプリケーション制御部36に転送し、かつ該リファレンスフレームのペイドード部を流用してこれに上記指定されたショートカット対象アドレスを付加してその他の必要なフレームを複製し、これらを上位アプリケーション制御部36に転送する。次に、上記端末10においてショートカット制御の開始トリガを検出する方法には以下の方法が考えられる。
【0054】
<上位アプリケーション制御部12からプリミティブでトリガ条件を指定する方法>
複数宛先に同一データを送信することは上位アプリケーション処理部12が認識しているため、上位アプリケーション処理部12と、ショートカット制御部14との間に制御プリミティブのインタフェースを定義し、当該インタフェースを用いて、無線上で実際に送信されるリファレンスストリームの宛先アドレス、ショートカット対象ストリームの宛先アドレスを指定すればよい。なお、シーケンス番号については、上位アプリケーション処理部12では認識できず、ショートカット制御部14で指定するものであるため、当該インタフェースでの通知は不要である。
【0055】
<ショートカット制御部14が自律でトリガ条件を認識する方法>
ショートカット制御部14は、複数ストリームについてのIPペイロード部分の比較を行い、一致している場合には、その一致したIPアドレスの組み合わせをグループ情報(例えば、端末BとC宛という組み合わせ情報)として保持すると共に、一致検出回数カウンタをインクリメントする。このような処理を逐一実行しながらペイロード部の比較一致回数が所定の第一の閾値を超過した宛先グループについて、ショートカット制御を行うようにする。
【0056】
また、上記生成・理されている宛先グループに対応するストリームについて、ペイロード部が不一致(例えば、端末B向けのIPペイロードと、端末C向けのIPペイロードが不一致、又は、端末B向けの送信データが存在するのに、端末C向けのデータが存在しない等)となっている場合には、当該宛先グループについてのペイロード部一致回数をデクリメントし、当該一致回数が所定の第2の閾値を下回った場合には、ショートカット制御を停止するようにする。
【0057】
なお、上記実施の形態では主に音声会議システムへの適用例を述べたが、本発明が映像データを含むTV会議システム等にも適用可能であることは明らかである。
【0058】
また、上記実施の形態では、WGW30を別途に設けたが、これに限らない。上記WGW30の機能を既存のアクセスポイント20に組み込んでも良いことは明らかである。
【0059】
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0060】
(付記1) 無線端末から受信したデータを送信するデータ送信方法において、前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する、ことを特徴とするデータ送信方法。
【0061】
(付記2) 前記データは、ユニキャストデータであり、該ユニキャストデータと、該ユニキャストデータが含むデータを該ユニキャストデータとは異なる宛先に設定したユニキャストデータとが、前記複数のユニキャストデータに含まれる、こを特徴とする付記1記載のデータ送信方法。
【0062】
(付記3) 前記無線端末からの前記データを無線信号として受信する下流側ノードと、該下流側ノードからのデータを受信する上流側ノードとを含み、該下流側ノードは、前記無線端末から第1の宛先を宛先とするユニキャストデータを受信して該上流側ノードに該ユニキャストデータを前記データとして送信し、該上流側ノードは、該ユニキャストデータに基づいて前記複数のユニキャストデータを生成して、前記送信を行う、ことを特徴とする付記1記載のデータ送信方法。
【0063】
(付記4) 前記データは、制御信号を含み、前記複数のユニキャストデータの生成は、該制御信号に従って行われる、ことを特徴とする付記1記載のデータ送信方法。
【0064】
(付記5) 上位アプリケーション処理部から受け取った、宛先は異なるが、同じ内容を含む複数のデータのうち、1つのデータについてはアクセスポイント側に無線送信するが、他のデータについては該アクセスポイント側に無線送信しない、ことを特徴とする端末装置。
【0065】
(付記6) 無線端末から受信したデータを中継するノードにおいて、前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する送信処理部、を備えたことを特徴とするノード。
【0066】
(付記7) 無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムにおいて、前記複数のユニキャストストリームが通過する無線LAN上の下流側ノードでは、該複数のストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして送信し、かつ他のストリームは送信せずに、それらの宛先アドレスを送信し、又は通知しておき、
これを受信した上流側ノードでは、該受信したリファレンスストリームと前記宛先アドレスとから前記他のストリームを複製して送信することを特徴とするパケット通信システム。
【0067】
(付記8) 前記下流側ノードは、特定のアプリケーションに係る前記複数のユニキャストストリームを設定する上位アプリケーション処理部と、前記上位アプリケーション処理部から所定時間内に受け取った前記特定のアプリケーションに係る複数のストリームにつきペイロード部の情報が一致する複数のストリームを検出し、該検出したストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして上流側ノードに送信すると共に、他のストリームについてはその宛先アドレスを上流側ノードに送信するショートカット制御部と、を備えることを特徴とする付記7記載のパケット通信システム。
【0068】
(付記9) 前記上流側ノードは、前記下流側ノードより受信した特定のアプリケーションに係るリファレンスストリームの宛先アドレスと、他のストリームについての宛先アドレスとを前記下流側ノードより指定された順序で記憶する第1のアドレステーブルと、前記下流側ノードより特定のアプリケーションに係るリファレンスストリームを受信したことにより、該該受信したリファレンスストリームのペイロード部と、前記第1のアドレステーブルの宛先アドレスとから前記他のストリームを複製して送信するショートカット複製制御部と、を備えることを特徴とする付記8記載のパケット通信システム。
【0069】
(付記10) 前記下流側ノードは、前記検出した複数のストリームについての宛先アドレスを前記上流側ノードに指定したと同じ順序で記憶する第2のアドレステーブルを備え、前記ショートカット制御部は、今回検出した複数のストリームについての宛先アドレスと、前記第2のアドレステーブルの宛先アドレスとを比較し、比較一致が得られたテーブルエントリに対応する位置のビットを論理1レベルにしたビットマップテーブルを形成し、今回検出したリファレンスストリームのペイロード部に搭載して送信することを特徴とする付記9記載のパケット通信システム。
【0070】
(付記11) 前記ショートカット複製制御部は、今回受信したリファレンスストリームのペイロード部と、前記第1のアドレステーブルにおける今回受信したビットマップテーブルのビットが論理1レベルとなっている位置に対応するエントリから読み出した宛先アドレスとから他のストリームを複製して送信することを特徴とする付記10記載のパケット通信システム。
【0071】
(付記12) 前記下流側ノードは、第2のアドレステーブルの各エントリの対応にカウンタを備え、各回に検出された複数のストリームについての宛先アドレスとの比較一致が連続して所定回数以上の得られなかったエントリの宛先アドレスを削除するテーブル管理部を備えることを特徴とする付記11記載のパケット通信システム。従って、システムから外れた端末宛の冗長ストリームの送信を有効に停止できる。
【0072】
(付記13) 前記下流側ノードが端末装置で、前記上流側ノードが前記端末装置からの無線アクセスを終端するアクセスポイント装置、又は、該アクセスポイント装置に接続するゲートウェイ装置であることを特徴とする付記7記載のパケット通信システム。従って、既存の通信シイステムの上に本発明を効率よく実現できる。
【0073】
(付記14) 無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該無線LAN上の送信側端末で一部削除したストリームをその上流側ノードで再生して前記各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムの前記端末装置において、上位アプリケーション処理部から受け取った複数のストリーム中の少なくとも1つを前記上流側ノードに実際に送信し、かつ他のストリームは送信
せずに、それらの宛先アドレスを該上流側ノードに送信することを特徴とする端末装置。
【0074】
(付記15) 無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該無線LAN上の送信側端末で一部削除したストリームをその上流側ノードで再生して前記各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムの前記上流側ノード装置において、前記複数のユニキャストストリームに送信すべく前記送信側端末から受信した少なくとも1つのストリームと、残りの他のストリームについての宛先アドレスとに基づいて前記送信側端末で削除された他のストリームを再生することを特徴とする上流側ノード装置。
【0075】
(付記16) 無線LANを含むネットワーク上で複数のユニキャストストリームが設定され、該各ユニキャストストリームに同一内容のデータを送信するパケット通信システムにおいて、前記複数のユニキャストストリームが通過する無線LAN上の下流側ノードとその上流側ノードとの間で、予め、下流側ノードから上流側ノードに送信するリファレンスストリームの宛先アドレストと、送信せずに廃棄するショートカットストリームの宛先アドレスと、処理開始の基準となるフレームのシーケンス番号とを共有し、前記下流側ノードは、前記所定のシーケンス番号のフレーム送信を契機に、前記複数のストリーム中の少なくとも1つをリファレンスストリームとして送信し、かつ他のストリームは送信せず、前記上流側ノードでは、該受信したリファレンスストリームと自局が管理するショートカットストリームについての宛先アドレスとから前記廃棄されたショートカットストリームを複製して送信することを特徴とするパケット通信システム。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態による多地点接続システムの要部構成図である。
【図2】実施の形態による多地点接続システムのブロック図である。
【図3】実施の形態による多地点接続制御のシーケンス図である。
【図4】実施の形態によるショートカット制御を説明する図である。
【図5】実施の形態によるIPアドレスエントリ制御フレームを説明する図である。
【図6】他の実施の形態による多地点接続制御のシーケンス図(1)である。
【図7】他の実施の形態による多地点接続制御のシーケンス図(2)である。
【図8】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0077】
10 端末(MS)
20 アクセスポイント(AP)
30 ゲートウェイノード(WGW)
100 IPネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末から受信したデータを送信するデータ送信方法において、
前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する、
ことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項2】
前記データは、ユニキャストデータであり、該ユニキャストデータと、該ユニキャストデータが含むデータを該ユニキャストデータとは異なる宛先に設定したユニキャストデータとが、前記複数のユニキャストデータに含まれる、
こを特徴とする請求項1記載のデータ送信方法。
【請求項3】
上位アプリケーション処理部から受け取った、宛先は異なるが、同じ内容を含む複数のデータのうち、1つのデータについてはアクセスポイント側に無線送信するが、他のデータについては該アクセスポイント側に無線送信しない、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
無線端末から受信したデータを中継するノードにおいて、
前記無線端末からのデータの受信に応じて、それぞれ異なる宛先をもつ複数のユニキャストデータを生成して、送信する送信処理部、
を備えたことを特徴とするノード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−244533(P2008−244533A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78060(P2007−78060)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】