説明

データ通信インターフェースを有する触知性マンマシンインターフェース

この発明は、触知性マンマシンインターフェースに関し、この触知性マンマシンインターフェースは、インターフェース表面と、データインターフェース手段とを備える。上記インターフェース表面は、このインターフェース表面上の衝撃を入力電気信号に変換するための手段を有し、上記データインターフェース手段は、少なくとも第1装置と第2装置とのデータ通信用に構成されている。上記構成において、第1装置と第2装置との間のデータ通信を、この2つの装置をコンタクトさせる必要なしに提供することが可能になる。さらに、この発明は、上記触知性マンマシンインターフェースを備えた仕切部材に関し、この仕切部材を備えた自動販売機や現金自動預け払い機等のシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、触知性マンマシンインターフェースと、マンマシンインターフェースを備える仕切部材と、このようなマンマシンインターフェースを用いて送受信するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
触知性あるいはタッチ感応マンマシンは、コンピュータスクリーンや携帯型装置、例えば、携帯電話のような電子装置と共に、ますますポピュラーになっている。近年の技術の進歩は、大体どのような表面でも触知性マンマシンインターフェースにすることを可能にさせている。例えば、音響信号の解析に基づいて、家具や壁等の表面を触知性マンマシンインターフェースにすることができる。この場合、触知性マンマシンインターフェースを介して制御されている機械、例えば、コンピュータ等の電子装置のような機械は、離れた場所に配置され得る。例えば、切手、新聞あるいは切符等の自動販売機において、触知性マンマシンインターフェースは、機械のハウジングのフロント部の一部であり、自動販売機全体を制御しているコンピュータは、自動販売機のリア部であって製品の後に配置されている。マンマシンインターフェースと電子装置との間の空間的分離が原因で、例えば、メンテナンス活動のために、電子装置とのデータ移動が必要になる場合、自動販売機を開けることが必要になる。
【発明の概要】
【0003】
そこで、上述のような状況においてデータ交換を簡単にすることが、本発明の目的である。
【0004】
上記目的は、請求項1に記載された触知性マンマシンインターフェースにより達成される。本発明の触知性マンマシンインターフェースは、インターフェース表面と、データインターフェース手段とを備え、上記インターフェース表面は、このインターフェース表面上の衝撃(impacts)を入力電気信号に変換するための手段を有し、上記データインターフェース手段は、少なくとも第1装置および第2装置とのデータ通信を提供するよう構成されている。
【0005】
少なくとも2つの装置(例えば、コンピュータのような電子装置)とのデータ交換を可能にするよう構成されたマンマシンインターフェースと、第2装置との間にデータインターフェースを設けることで、電子装置のデータインターフェースを介して第2装置と第1電子装置との間で直接データ移動を実行する必要はもはやなく、マンマシンインターフェースによってデータ移動を実行できる。
【0006】
有利なことに、上記データインターフェース手段は、上記第1装置と第2装置に対するデータ通信を提供するよう構成することができ、上記第1装置および/または第2装置が遠隔配置されている。この場合、たとえ上記電子装置が離れていて、アクセスできない場所に配置されているとしても、例えば、ファイルをアップしたりダウンロードしたりするため、また、メンテナンス活動をするためのデータ転送が、電子装置にアクセスする必要なしに可能になる。
【0007】
上記データインターフェース手段は、上記第1装置および/または第2装置とのワイヤレスデータ通信を提供するよう構成されているのが好ましい。この場合、上記マンマシンインターフェースと、少なくとも2つの電子装置との間のデータ移動に関する柔軟性が、大きく強化される。
【0008】
有利なことに、上記第1データインターフェースおよび/または第2データインターフェースは、NFC,RFID,GSM,GPRS,Bluetooth,ZigBee,EDGE,UMTS,HSDPA,Wi-Fi,Wi-Max,WUSB,HSUPA規格の少なくとも1つに基づいて、データ送信を提供することができる。したがって、さらに柔軟に強化された本発明によれば、どんな種類のワイヤレス標準であっても、上記触知性マンマシンインターフェースに実装可能である。
【0009】
好ましい実施形態によれば、上記データインターフェース手段は、第1データインターフェースと、少なくとも1つの第2データインターフェースとを有することができ、上記第1データインターフェースは、第1電子装置とのデータ通信のために構成され、上記第2データインターフェースは、第2装置、特に、遠隔装置および/またはモバイル装置とのデータ通信のために構成される。異なる装置に対して専用のデータインターフェースを設けることによって、例えば、データセキュリティのような特別な要求を個別に考慮に入れることができる。従って、このシステムの柔軟性が強化される。上記第1データインターフェースと第2データインターフェースは、第1データインターフェースから第2データインターフェースにデータを送信することができ、逆もまた同様に、第1データインターフェースと第2データインターフェースとの間で、データを移動可能であるように構成することができるのが好ましい。
【0010】
上記触知性マンマシンインターフェースが、上記入力電気信号からインターフェース表面上の衝撃位置の座標を決定するための処理ユニットをさらに備えることができるのが好ましい。そうすることで、この触知性マンマシンインターフェースは、標準化された出力を提供することができ、特別なハードウェアやプログラムは、位置情報を受け取るための電子装置を設ける必要がない。上記データインターフェース手段は、上記第1装置と第2装置のうちの少なくとも1つに上記座標を送信するよう構成されるのが好ましい。
【0011】
有利なことに、上記インターフェース表面は、透明または半透明または不透明にすることができる。このインターフェース表面が透明または半透明の場合、上記触知性マンマシンインターフェースのユーザは、相互作用表面の後ろに配置されているスクリーンから、あるいは、マンマシンインターフェースに投影された画像から情報を受け取ることができる。2つのデータインターフェースと組み合わせて不透明なインターフェース表面を用いることによって、本発明のマンマシンインターフェースは、このマンマシンインターフェースを用いている装置の内側を見る可能性をユーザに持って欲しくない場合に、その応用を見つけることもできる。
【0012】
上記変換手段が、少なくとも1つの圧電変換器を備えることができ、上記圧電変換器が、上記インターフェース表面上の衝撃からもたらされる音響信号を対応する衝撃電気信号に変換するために上記インターフェース表面に取り付けられているのが好ましい。とは言っても、本発明は、音響信号の識別に基づく蝕知性マンマシンインターフェースに限定されず、任意の技術、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式、光学式、赤外線方式を用いることができる。しかし、音響信号に基づく触知化は、音響信号をサポートできるどんな材料でも、相互作用表面として用いることができるという利点がある。
【0013】
本発明の目的は、また、請求項8に記載された仕切部材によって達成される。本発明の仕切部材、特に、壁,窓または扉は、上述の触知性マンマシンインターフェースを備える。マンマシンインターフェースに接続される電子装置からマンマシンインターフェース自身にデータインターフェースを移動させることによって、上記電子装置をどこにでも配置することが可能になり、同時に、第2装置に関して、ヒューマン入力だけでなくデータ入力や出力性能に対するマンマシンインターフェースを必要とされる場所に、電子装置の配置に依存しないで配置することができる。例えば、ショップウインドウをマンマシンインターフェースに変えることができ、マンマシンインターフェース(ショップウインドウ)のデータインターフェース手段を用いることによって、クライアントが、営業時間後でもなお電子装置にデータを移動することができ、例えば、クライアントが紙面上に印刷したいデジタル写真を店のコンピュータに入力することができる。
【0014】
好ましい実施形態によれば、上記仕切部材のインターフェース表面を、この仕切部材の一体部分にすることができる。したがって、このインターフェース表面と仕切部材とは、一体に作られるのが好ましい。これは、例えば、ショップウインドウや扉やテーブルの木製パネル等で可能である。
【0015】
本発明はまた、第1電子装置と、上記仕切部材とを備えているシステム、特に、自動販売機,現金自動預け払い機,電子情報ポイントまたは広告掲示板に関する。このシステムによって、マンマシンインターフェースおよび/または仕切部材に関してすでに先に述べられたのと、同一の利点を実現することができる。
【0016】
上記システムは、ハウジングをさらに備えると共に、このハウジング内部に上記第1電子装置、特に、コンピュータを備え、また、上記ハウジングが、上記仕切部材を有することができるのが好ましい。データ交換は、外部とシステム内部に位置している第1電子装置との間で、必ずしもシステムを開ける必要なく実行することが可能で、マンマシンインターフェースが、すべての必要なデータインターフェースを提供する。
【0017】
好ましい実施形態によれば、上記第1電子装置が、上記ハウジングの外部から見えないようにできる。したがって、この電子装置は見えず、それに加えてアクセスできないけれども、第2装置と第1電子装置との間のデータ交換は、それでも可能である。
【0018】
本発明はまた、インターフェース表面上の衝撃を受け取り、この衝撃を入力電気信号に変換し、この入力電気信号、あるいは、上記入力電気信号から決定された上記衝撃の位置の座標を、データインターフェース手段を介して出力するステップと、上記データインターフェース手段を介して、第1装置から第1入力データを受け取り、上記データインターフェース手段を介して、第2装置に上記入力データを出力し、および/または、上記データインターフェース手段を介して上記第2装置から上記第1入力データを受け取り、上記データインターフェース手段を介して上記第1装置に上記第1入力データを出力するステップとを備え、特に、請求項1から7までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェース、あるいは、請求項8または9に記載の仕切部材、あるいは、請求項10から12までのいずれか1つに記載のシステムを用いているデータを送受信する方法に関する。
【0019】
したがって、すでに詳細に説明したように、遠隔装置と固定された電子装置との間のデータ移動についてのインターフェースは、固定された電子装置から触知性マンマシンインターフェースに移動されている。これは、これらの装置の使用をより柔軟にする。
【0020】
有利なことに、上記第1入力データは、ユーザ識別データおよび/または上記変換手段および/または上記第2装置のためのファームウェアデータを備えることができ、そして、特に、遠隔配置された第1装置によって提供される。ユーザ識別データを提供することは、マンマシンインターフェースの個別化を可能にし、ファームウェアデータを提供することによって、上記システムのメンテナンスを簡単にする。
【0021】
上記第1入力データが、上記第2装置のグラフィカルユーザインターフェースを変更するための命令を有することができるのが好ましい。したがって、例えば、ショップウインドウアプリケーションにマンマシンインターフェースを用いることによって、ショップ内部に配置された(上記第2装置としての)スクリーンのグラフィカルユーザインターフェースを個別化できるようになり、この個別化は、第1装置、好ましくは、店の外部に配置された遠隔装置によって提供された識別データに基づいている。
【0022】
有利なことに、上記第1入力データが、上記マンマシンインターフェースの内部パラメータを変更するためのデータを有することができる。したがって、例えば、遠隔装置を用いているユーザのニーズにより、上記マンマシンインターフェースを適合させることができるようになる。
【0023】
他の好ましい応用によれば、上記第1入力データが、上記システムのインターフェースパラメータを変更するためのデータを有することができる。したがって、上記システム、例えば、自動販売機の外部から、インターフェース特性、例えば、特定の商品の値段や新製品の名称を遠隔で適合させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下において、本発明の有利な実施形態が、添付図面に関連して詳細に記載されている。
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の蝕知性マンマシンインターフェース1を示す。
【図2】図2は、クローズドロケーションの概略上面図である。このクローズドロケーションは、例えば、触知性マンマシンインターフェースを備え、第1応用を表すショップウインドウと扉とを有するショップである。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態における触知性マンマシンインターフェースの第2応用を示す。
【図4】図4は、本発明の第4実施形態を示し、触知性マンマシンインターフェース1のさらなる応用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態における触知性マンマシンインターフェース1を示す。この触知性マンマシンインターフェース1は、インターフェース表面3を備え、このインターフェース表面3は、例えば、ガラスプレート、プラスチックプレート、木製パネル、金属プレート、石製プレート、合成材料等である。プレートの代わりに、他のどのような形状でも可能であり、例えば、車のダッシュボードのような、円形や曲げ形状でもよい。インターフェース表面3は、透明、半透明、不透明にでき、剛体材料あるいは軟体材料から作ることができる。
【0026】
上記蝕知性マンマシンインターフェース1は、インターフェース表面3上の衝撃を入力電気信号に変換するための手段5a,5bをさらに備える。そのため、衝撃を変換するための手段5a,5bは、プレートを触知性にする。表面触知を提供するために用いられる技術は、どれでも可能であり、特に、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式、光学方式、赤外線方式等である。この実施形態において、触知化は、インターフェース表面3に触れたときに発生する音響波を解析することによって達成される。変換器、例えば、音響信号を電気信号に変換する圧電センサを用いることによって、音響信号が感知され、インターフェース表面3の衝撃の位置(座標)を決めるために解析される。この解析は、処理ユニット(図示せず)の内部で行われ、この処理ユニットは、変換手段5a,5bに連結され、インターフェース表面3の背面に取り付けられる。または、上記解析は、蝕知性マンマシンインターフェース1の一部ではない外部電子装置7の内部で行われる。
【0027】
図1に示される実施形態において、2つの変換器5a,5bが、上記インターフェース表面3を触知の状態にするために用いられるが、本発明はこの数字に限定されず、要求される空間分解能によって、触知化は、1つの変換器だけでなく、2以上の変換器を備えても可能である。
【0028】
本発明によれば、上記触知性マンマシンインターフェース1は、データインターフェース手段をさらに備え、この実施形態では、データインターフェース手段は、第1データインターフェース9と第2データインターフェース11の形態をとる。
【0029】
この実施形態における上記第1データインターフェース9は、ケーブル13を介して電子装置7に接続可能である。しかし、ケーブル接続13の変わりに、ワイヤレス接続を提供することもできる。
【0030】
上記第2データインターフェース11を介して、第2装置である外部装置15とのデータ交換を可能にする。この第2装置15は、遠隔装置および/またはモバイル装置であり、例えば、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、RFIDチップを備えた装置である。
【0031】
この実施形態において、第2データインターフェース11と第2装置15との間のデータ通信は、ワイヤレスである。その代わりにまたはそれに加えて、上記マンマシンインターフェース1はまた、USB接続のようなコネクタベースのデータインターフェースを設けることができ、外部装置15にアクセスできるようにする。この場合、第2データインターフェース11は、第2装置15のほうに向かうインターフェース表面3側に配置されるのが好ましい。
【0032】
第1データインターフェース9と第2データインターフェース11は、この2つのインターフェースのいずれか一方から受信したどのようなデータでも、他方のインターフェースに送信することができる。
【0033】
ワイヤレスデータ送信の場合において、第1データインターフェース9および/または第2データインターフェース11は、次のプロトコルのうちのいずれかを使用することができる。NFC,RFID,GSM,GPRS,Bluetooth,ZigBee,EDGE,UMTS,HSDPA,Wi-Fi,Wi-Max,WUSB,HSUPA,あるいは、その他適しているワイヤレスデータインターフェースプロトコル。
【0034】
第1実施形態による本発明の触知性マンマシンインターフェース1は、有利な点を有している。これは、例えば、電子装置7がアクセスできないおよび/またはシールドされている部屋に配置されている場合に、第2装置15と電子装置7との間の直接データ交換がもはや不可能であるように電子装置7を配置することができるけれども、この2つの装置の間のデータ交換は、蝕知性マンマシンインターフェースを介して、可能なままであるという点である。
【0035】
この実施形態において、上記データインターフェース手段は、2つの異なるインターフェース9,11を設けているが、変形例によれば、特に、ワイヤレスデータ送信の場合において、一のインターフェースだけを介してデータ通信を提供することができる。
【0036】
以下において、第1実施形態による触知性マンマシンインターフェースの様々な可能性や有利な応用が説明される。
【0037】
図2は、クローズドロケーション21、例えば、ショップウインドウ23と扉25とを備えるショップの概略上面図である。この実施形態におけるショップウインドウ23は、本発明による仕切部材の機能を果たし、クローズドロケーション21の内部と携帯装置29を持っているユーザ27との間に配置されている。装置29は、例えば、携帯電話,PDA,デジタルカメラ,MP3プレーヤー,RFIDチップを備えた装置である。
【0038】
上記ショップウインドウ23、つまり仕切部材は、図1について説明され、詳細に記載されているような触知性マンマシンインターフェース1を備える。第1実施形態についてすでに記載されている特徴は、再び詳細に記載しないが、図1の説明をこの実施形態の説明に援用する。
【0039】
実際には、図1に説明されている上記触知性マンマシンインターフェース1の相互作用表面3は、この実施形態では、ショップウインドウ23全体に対応していて、一体化して上記仕切部材の一部である。この文脈において、「一体化して(integrally)」とは、一体に作られることを意味する。しかしまた、ショーウインドウ23の一部だけが、相互作用表面3の役割を果たすこともできる。
【0040】
上記変換手段5a,5b、例えば圧電変換器は、ショップウインドウ23の背面側に設けられている。この背面側とは、ユーザ27の位置に対して背面側である。上述のように、これらの変換器は、インターフェース表面を触知性にする。本発明によれば、ショップウインドウ23は、第1データインターフェース9と第2データインターフェース11とをさらに備え、この実施形態において、第1データインターフェース9と第2データインターフェース11も、ショップウインドウの背面側に取り付けられている。
【0041】
上記第1データインターフェース9は、この実施形態ではコンピュータである電子装置7に接続され、そして、この電子装置(コンピュータ)7は、スクリーン31またはプロジェクタ装置に接続されている。そのため、ユーザ27は、スクリーンに提供された情報またはショップウインドウに投影された情報を読むことができる。
【0042】
上記触知性マンマシンインターフェースとしてショップウインドウ23を用いる代わりに、扉25や壁33でさえもインターフェース表面に変えることができる。
【0043】
図2に示されている上記システムは、以下の方法で用いることができる。
【0044】
上記装置29が、ユーザ27に関する個人識別データを有しているRFIDチップであり、第2データインターフェース11がこのRFIDチップに記憶された情報を読み出すように構成されている場合、上記システムはユーザ27を認識することができ、ディスプレイ31に表示された、あるいは、ショップウインドウ23に投影された個別のスクリーンをユーザ27に提供することが可能になる。
【0045】
例えば、ショップは、ディスプレイ31上に店全体の製品カタログを提案する。ショップウインドウ23が触知化された状態で、消費者はこのウインドウに触ることによって、ショップウインドウ23の既定の位置で、上記カタログにざっと目を通すことができる。ユーザ27が、事前にショップから受け取っているRFIDタグを持ち運ぶ場合、この消費者27がショップ21の前に立っているときに、この実施形態ではデータインターフェース11であるRFIDリーダーが認識データを受け取り、コンピュータ7は、ユーザ27を識別することができる。ユーザ27を識別すると、ディスプレイ31は、その人に応じたデータつまり個別化されたデータ、例えば、値下げアイテムやそのユーザが以前に注文したことのある製品等を表示する。これらのデータは、いまや取り出すことができる。変形例において、外部装置29によって提供されたデータは、第2装置7のディスプレイ31のグラフィカルユーザインターフェースを変更するための命令を有する。そのため、個別化は、コンピュータ7に記憶されているデータから達成することができるのみならず、遠隔装置29から直接に達成することもできる。
【0046】
第2の応用は、上記触知性マンマシンインターフェース1によって、ダウンロード機能を提供することにある。第2データインターフェース11によって、最終的にはRFIDユーザ認識機能に加えて、ユーザ27は、ショップ12内部に位置している電子装置7から、触知性マンマシンインターフェース1の第1データインターフェース9と第2データインターフェース11を介して、コンテンツをダウンロードできる。この場合、ユーザ27は、ショップウインドウ23の専用触知領域に触れて、例えば、写真データ、動画、カタログ、ポッドキャスト等のダウンロード機能を有効にするだろう。
【0047】
第3の応用は、アップロード機能を提供することにある。そのため、上記第2データインターフェース11は、ワイヤレスデータインターフェースであるのが好ましく、ユーザ27が、触知性マンマシンインターフェース1の第1データインターフェース9と第2データインターフェース11を介して、ユーザの携帯装置29のコンテンツをシステム、特に電子装置7にアップロードすることを可能にしている。例えば、写真屋の場合において、たとえ店が閉まっていても、ユーザ27がデジタルカメラから写真をアップロードでき、プリントした写真を提供してくれるよう店に頼むことができる。触知性相互作用表面3は、オーダー(写真の数、質等)を入力するために用いることができる。
【0048】
図3は、本発明の第1実施形態における触知性マンマシンインターフェースのさらなる応用を示す。図3は、本発明の第1実施形態による蝕知性マンマシンインターフェース1を備えるボード41の概略上面図を再び示す。上記マンマシンインターフェース1の構成部材と特性は、詳細に再び記載しないが、それらの説明をこの実施形態の説明に援用する。
【0049】
図2に示される実施形態のように、ボード41全体を上記相互作用表面3(この相互作用表面は、一体化してボードの一部である)にすることができ、また、ボードの一部だけを上記相互作用表面3にすることもできる。このボード41は、上記変換手段5a,5bと第1データインターフェース9と第2データインターフェース11とを備えている。この第1データインターフェース9を介して、ボード41は、遠隔配置されている第1電子装置、例えばコンピュータ43と接続している。コンピュータ43と接続しているスクリーンまたはプロジェクタ45は、ボード41付近に位置していて、ボード41を通して情報を表示または投影し、ボード41の反対側に位置しているユーザ47がこのデータを読み込むことができるようにする。最終的には、プロジェクタをユーザ47と同じ側に配置して、データをボード上に投影できるようにすることもできる。さらなる変形例によれば、ボード41自身が、ディスプレイ装置を備えることもできる。
【0050】
図1と図2に示される実施形態のように、ユーザ47は、第2データインターフェース11と第1データインターフェース9およびコンピュータ43を介して個人用携帯装置49からのデータを移動する可能性を有している。第2データインターフェース11と第1データインターフェース9は、両方とも上記蝕知性マンマシンインターフェース1の一部である。図2について先に説明したのと同じ、ユーザ認証、データのアップロードおよびダウンロードの応用(アプリケーション)が実行可能である。
【0051】
本発明のボード41は、例えば、訪問者にデータを提供するために展示会で用いることもできるし、都市について観光情報を提供し、また、ユーザが地図をダウンロードしたりホテルを予約したりすることができる情報ポイントにもできる。あるいは、講義をするのに用いられるボードにすることもでき、教師または生徒がこのボードの正面にいるときはいつでも、RFIDチップが、誰が今与えられた問題を解いているかを認識するだろう。
【0052】
図4は、本発明の第4実施形態と本発明の蝕知性マンマシンインターフェース1のさらなる応用を示す。図4は、システム61の破断図を示している。このシステム61は、ここでは、自動販売機、現金自動預け払い機または電子情報ポイントであり、ハウジング63と、例えばこのハウジングの内部であってハウジング63の一の壁上のコンピュータ等の電子装置65と、図1に示される第1実施形態による触知性マンマシンインターフェース1を有する仕切部材とを備えている。この場合も先と同様に、図1に示されるような触知性マンマシンインターフェース1の構成部材と特性とは、再度詳細に記載しないが、その説明をこの実施形態の説明に援用する。第4実施形態におけるインターフェース表面3は、一体化してハウジング63の前面壁67の一部であるが、仕切部材にすることもできる。
【0053】
ハウジング63の内部で、例えば、前面壁67の背面に取り付けられている上記触知性マンマシンインターフェース1は、衝撃変換手段5a,5bと第1データインターフェース9と第2データインターフェース11とを備える。この第1データインターフェース9は、ケーブル71を介してコンピュータ65に接続されていて、第2データインターフェース11は、システム61の外部に位置している遠隔装置69に向かって、ワイヤレスデータ通信機能を提供する。
【0054】
自動販売機のような上記システムによって、同種の応用が、図2と図3に記載されているシステムに関してすでに説明されているように、実行され得る。
【0055】
第4実施形態に関連して、本発明の触知性マンマシンインターフェース1のさらに有利な使用を説明する。実際に、第1データインターフェース9と第2データインターフェース11とを用いることによって、メンテナンススタッフは、有利にメンテナンスタスクを実行することができる。まず第1に、RFIDタグ(装置69)を用いることによって、メンテナンススタッフは、コンピュータ65の支援と共に、または、コンピュータ65の支援無しに、触知性マンマシンインターフェースによって認識され、結果として、システム61について関連あるパラメータをメンテナンススタッフの装置69に自動的にダウンロードすることができる。例えば、シリアルナンバー、最新の100件の検出分の平均相関率、平均ノイズレベル等は、触知性マンマシンインターフェースの第1データインターフェース9と第2データインターフェース11を介して、コンピュータ65によって提供され得る。さらに、システム61がスクリーンを有する場合、特有のソフトキーまたはメニューを表示して、メンテナンススタッフだけに利用可能にすることができる。
【0056】
すでに上述したように、ユーザ、ここではメンテナンススタッフは、コンテンツをダウンロードすることができるだけでなく、システム61にデータをアップロードすることもできるだろう。装置69とマンマシンインターフェース1との間を移動するデータは、キャリブレーション、テストプログラムの起動、ログモニタリング、ボタンテンプレートの変更、ボタンサイズの変更、触知領域のアクティブ/非アクティブ、感度に関するパラメータのセットアップ、コントラスト、トリガーレベル、ユーザフィードバック等、あるいは、ソフトウェアバージョンのアップデート、あるいは、マンマシンインターフェース1に使用される電子装置のファームウェアのデータを包含することができる。そのため、外部装置69によって提供された入力データは、マンマシンインターフェース1自身の内部パラメータを変更するためのデータを有する。さらに装置65を用いてこのタスクを実行する必要はない。
【0057】
上記触知性マンマシンインターフェース1によって提供されたデータインターフェースはまた、コンピュータ65へデータをアップロードするため、例えば、コンピュータ65のファームウェア等、システム61のファームウェアをアップデートするために用いることができる。
【0058】
加えて、システム61のコンテンツアップデートを実行することができる。例えば、自動販売機において、ストック量の状態、値段、製品選択の提供または数をアップデートできる。システム61が、広告掲示板として使用される場合、新たな広告を加えることもできる。したがって、外部装置69によって提供された入力データは、システム61のインターフェースパラメータを変更するためのデータを有する。
【0059】
システム61に少なくとも2つのデータインターフェース9,11を有する本発明の蝕知性マンマシンインターフェース1を備えることによって、メンテナンススタッフのメンテナンスタスクのほとんどが、システム61を開放する必要なく、そしてコンピュータ65にアクセスする必要なく実行することができる。そのため、このコンピュータ65は、このような機械の内部に自由に配置することができ、また、このシステムの開発を担当している設計者に、より多くの自由を与えている。
【0060】
第1実施形態による触知性マンマシンインターフェース1を備えることによって、データを次の方法で受信して、伝送することができる。まず、インターフェース表面3上で受けた衝撃は、変換手段5a,5bによって入力電気信号に変換され、この入力電気信号は、第1データインターフェースを介して、電子装置7,43,65に向かって出力することができる。さらに、第1入力データはまた、第2データインターフェース11を介して受信され、第1データインターフェース9を介して装置65,43,7に向かって出力することができる。さらに、触知性マンマシンインターフェース1はまた、第1データインターフェース9を介して第2入力データを受信することができ、第2データインターフェース11を介して第2入力データを遠隔装置および/または追加モバイル装置(69,29,49,15)に伝送することができる。そうすることによって、データ通信を可能にするために2つの装置を直接コンタクトさせる必要はもはやない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)インターフェース表面(3)と、
b)データインターフェース手段と
を備え、
上記インターフェース表面(3)は、このインターフェース表面(3)上の衝撃を入力電気信号に変換するための手段(5a,5b)を有し、
上記データインターフェース手段は、少なくとも第1装置および第2装置とのデータ通信を提供するよう構成されていることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項2】
請求項1に記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記データインターフェース手段が、上記第1装置と第2装置に対するデータ通信を提供するよう構成されており、
上記第1装置および/または第2装置が、遠隔配置されていることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項3】
請求項1または2に記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記データインターフェース手段(9,11)が、上記第1装置および/または第2装置とのワイヤレスデータ通信を提供するよう構成されていることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記データインターフェース手段は、第1データインターフェース(9)と、少なくとも1つの第2データインターフェース(11)とを有し、
上記第1データインターフェース(9)は、第1電子装置(7,43,65)とのデータ通信のために構成され、
上記第2データインターフェース(11)は、第2装置(15,29,49,69)、特に、遠隔装置および/またはモバイル装置とのデータ通信のために構成されることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記入力電気信号からインターフェース表面(3)上の衝撃位置の座標を決定するための処理ユニットをさらに備えることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記インターフェース表面(3)が、透明または半透明または不透明であることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェースにおいて、
上記変換手段(5a,5b)が、少なくとも1つの圧電変換器を備え、
上記圧電変換器が、上記インターフェース表面(3)上の衝撃からもたらされる音響信号を対応する衝撃電気信号に変換するために上記インターフェース表面(3)に取り付けられていることを特徴とする触知性マンマシンインターフェース。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェースを備えることを特徴とする仕切部材、特に、壁,窓または扉。
【請求項9】
請求項8に記載の仕切部材において、
上記インターフェース表面(3)が、上記仕切部材の一体部分であることを特徴とする仕切部材。
【請求項10】
第1電子装置(65)と、請求項8または9に記載の仕切部材とを備えることを特徴とするシステム、特に、自動販売機,現金自動預け払い機,電子情報ポイントまたは広告掲示板。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
ハウジング(63)をさらに備えると共に、このハウジング内部に上記第1電子装置(65)、特に、コンピュータを備え、
また、上記ハウジング(63)が、請求項8または9に記載の仕切部材を有することを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、
上記第1電子装置(65)が、上記ハウジング(63)の外部から見えないことを特徴とするシステム。
【請求項13】
特に、請求項1から7までのいずれか1つに記載の触知性マンマシンインターフェース、あるいは、請求項8または9に記載の仕切部材、あるいは、請求項10から12までのいずれか1つに記載のシステムを用いてデータを送受信するための方法であって、
a)インターフェース表面上の衝撃を受け取り、この衝撃を入力電気信号に変換し、この入力電気信号、あるいは、上記入力電気信号から決定された上記衝撃の位置の座標を、データインターフェース手段を介して出力するステップと、
b)上記データインターフェース手段を介して第1装置から第1入力データを受け取り、上記データインターフェース手段を介して第2装置に上記第1入力データを出力し、および/または、上記データインターフェース手段を介して上記第2装置から上記第1入力データを受け取り、上記データインターフェース手段を介して上記第1装置に上記第1入力データを出力するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
上記第1入力データが、特に、遠隔配置された第1装置によって提供されるユーザ識別データを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の方法において、
上記第1入力データが、上記変換手段および/または上記第2装置のためのファームウェアデータを有していて、特に、遠隔配置された第1装置によって提供されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13から15までのいずれか1つに記載の方法において、
上記第1入力データが、上記第2装置のグラフィカルユーザインターフェースを変更するための命令を有することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項13から16までのいずれか1つに記載の方法において、
上記第1入力データが、上記マンマシンインターフェースの内部パラメータを変更するためのデータを有することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項13から17までのいずれか1つに記載の方法において、
上記第1入力データが、上記システムのインターフェースパラメータを変更するためのデータを有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−505451(P2012−505451A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530404(P2011−530404)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007108
【国際公開番号】WO2010/040489
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
3.ZIGBEE
【出願人】(511075760)タイコ エレクトロニクス サービシズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク (5)
【Fターム(参考)】