説明

トグル式型締装置の型締力制御方法

【課題】モータの最大負荷特性に沿って、回転数を最大に制御することで、型締めに要する時間の短縮化が可能で、サイクルタイムが向上するトグル式型締装置の型締力制御方法を提供する。
【解決手段】型締め工程中に、金型18の接触状態からクロスヘッド17をさらに動作させ、型締力を上げる際、回転数可変型ポンプモータ38の回転速度を最大限に上げるべく、回転数可変型ポンプモータ38の電流値からトルクを検出し、回転数可変型ポンプモータ38における最大負荷特性に沿って回転数可変型ポンプモータ38の回転速度を制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンや射出成形機などの型締装置に関し、特には、トグル式型締装置の型締力制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ダイカストマシンや射出成形機等の型締装置において、成形材料の射出充填開始から鋳造品や成形品が冷却されて固化するまでの間、金型内の成形材料の圧力により金型が開かれようとするのを抑え、それを上回る力で締め付けておくものとしては、構造的に直圧式、トグル式、複合式などが知られている。
【0003】
ここでトグル式の型締装置は、型締めシリンダである油圧シリンダのピストンロッドを油圧により、トグルリンクとクロスヘッドとから成るリンク機構を介し、金型の締め付けを行なうもので、油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプの駆動は、定速回転モータで行われ、流量制御弁とリリーフ弁により、型締め速度制御を行っている。
【0004】
このようなトグル式の型締装置としては、例えば、特許文献1がある。
この特許文献1では、所定の型締力で金型が締められているときは、次の行程に移行できるが、所定値に達しないときは、その後の行程へ移行しない、トグル式型締力の異常検出方法を提供することを目的として、クロスヘッドのロッキング完了時における、油圧シリンダの圧力と、予め設定された型締力から換算された圧力とを比較して、この比較値が許容範囲外の時はその後の行程を停止するとしている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−55595号公報
【0006】
ところで、近年では、いわゆる省エネを目的とし、回転数可変型のモータにより油圧ポンプの回転数を制御して、必要流量の作動油を吐出するようにした装置が用いられてきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、トグル式の型締装置における型締工程は、トグルリンクが伸びきる少し前のデットポイントのみ高圧の吐出油が必要であるため、回転数可変型モータを用いる油圧回路を採用するとなると、回転数可変型モータは、高速、高トルクでの運転が不可能となる最大負荷特性のため、回転速度を落とす必要があった。そのため回転数を下げると型締めに必要とされる時間が長くなるといった欠点があった。また、必要な最大トルクを得るために、必要容量以上のモータを選定する必要があった(図5参照)。
さらに、可動プラテンまたはクロスヘッドの位置を検出するための位置センサを設ける必要があった。
本発明は、以上のような課題を改善するために提案されたものであって、駆動源として、回転数可変型モータを用いても、モータの最大負荷特性に沿って、回転速度を最大限に上げる制御をすることで、型締めに要する時間を短縮化することが可能となり、サイクルタイムが向上し、且つ位置センサが不要となるトグル式型締装置の型締力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、請求項1にかかる発明では、回転数可変型ポンプモータ(38)により、油圧ポンプ(37)を作動し、型締めシリンダ(21)に作動油を供給して、トグルリンク(16)とクロスヘッド(17)とを具備するトグル機構(15)を作動させ、金型(18)の型締め、型開きを行うトグル式型締装置(10)の型締め制御方法において、型締め工程中に、金型(18)が接触した状態からクロスヘッド(17)をさらに動作させ、型締力を上げる際、回転数可変型ポンプモータ(38)の回転速度を最大限に上げるべく、回転数可変型ポンプモータ(38)の電流値からトルクを検出し、回転数可変型ポンプモータ(38)における最大負荷特性に沿って回転数可変型ポンプモータ(38)の回転速度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2にかかる本発明では、金型(18)の型締め、型開き工程中において、回転数可変型ポンプモータ(38)の電流値から、作動油の吐出圧力を検出し、この吐出圧力を基に油圧ポンプ(37)の吐出量を補正して、各工程の開始時から吐出された作動油の総量を求めることで、クロスヘッド(17)の位置および可動プラテン(13)の位置を把握するようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記の本発明の説明において、カッコ()内の記号又は数字は、以下に示す実施の形態との対応を示すために添付される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、モータの最大負荷特性に沿って、回転速度を最大限に上げる制御をし、一連の型締工程がなされるため、型締め時間が短縮化され、サイクルタイムが向上する。従って、これまでのように、必要以上に容量の大きいモータを選定する必要はなく、適正な能力のモータを選定することが可能となる。
また、油圧ポンプからの作動油の吐出圧力を回転数可変型ポンプモータの電流値から検出し、検出された作動油の吐出圧力によって補正された油圧ポンプの吐出量を算出し、各工程の開始時から吐出された作動油の総量よりクロスヘッドの位置および可動プラテンの位置を把握して、型締工程を行うようにしたため、これまでのような位置センサが不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に、トグル式型締装置10の一例を示し、このトグル式型締装置10は、射出成形装置に用いられるものを示しており、ここでは、トグル式型締装置10に対し、金型(後述)を型締めした状態で金型内に溶融金属を射出充填する射出部を省略している。
トグル式型締装置10は、実質的に、基盤11と、当該基盤11に載置された固定プラテン12と、可動プラテン13と、リンクハウジング14と、可動プラテン13とリンクハウジング14とを接続するトグル機構15とによって構成している。
トグル機構15は、トグルリンク16とクロスヘッド17とから成るリンク機構である。クロスヘッド17を後述する型締めシリンダにより、図中、左右へ移動させることで、トグルリンク16を引き伸ばし、あるいは屈曲させ、可動プラテン13を作動して型開閉及び型締力の負荷を行う構成である。
【0013】
固定プラテン12と可動プラテン13との対向面は、雄雌一対の金型18(18a、18b)が取付け可能な構成とされており、固定プラテン12には、金型18へ成形材料を射出するための射出孔19が形成されている。
固定プラテン12とリンクハウジング14は、複数のタイバー(本実施形態では4本)20によって連結され、型厚に合わせて双方の離間距離が定められる設定である。
可動プラテン13は固定プラテン12とリンクハウジング14との間でタイバー20に沿って摺動可能に設けられている。このため、固定プラテン12、可動プラテン13、及びリンクハウジング14には、それぞれ対応する位置にタイバー20を挿通させるための孔20aが形成されている。タイバー20は、両端にねじ加工が施されており、固定プラテン12側のねじ端部にタイバーナット20bが螺着されて位置が決められる。リンクハウジング14側のタイナット20cは金型の厚みに合った位置に回転移動した後螺着固定され、これによりリンクハウジング14の位置が決まる。
【0014】
可動プラテン13とリンクハウジング14とには、図示しないライナーまたはリニアベアリングが設けられ、基盤11に設けた図示しない摺動面またはリニアベアリングガイド上を摺動可能に構成されている。これにより、可動プラテン13とリンクハウジング14とは、金型18の厚さ寸法によって固定プラテン12からの離間距離を変えることができるようにしている。
【0015】
そして、リンクハウジング14の端面14bには型締めシリンダ21が設けられている。型締めシリンダ21は、ロッド側フランジ型のシリンダであり、シリンダチューブ22内を摺動自在に介装したピストン23に基端部を取り付けると共に、シリンダチューブ22の開口部のフランジ22aを貫通するロッド24を備えている。かかる型締めシリンダ21は、シリンダチューブ22におけるフランジ22aを介し、リンクハウジング14の端面14bへ固定している。
そして型締めシリンダ21のロッド24は、リンクハウジング14に形成した孔20aを挿通し、ロッド24先端部を、クロスヘッド17に接続している。
【0016】
型締めシリンダ21における、チューブ22の内部は、ピストン23によって隔てられた2つの油室25(25a、25b)によって構成されている。型締めシリンダ21は、チューブ22内の、2つの油室25に供給される作動油の増減によって、ピストン23が摺動する。このためピストン23に接続されたロッド24は、2つの油室25a、25b内に供給・排出される作動油の増減によって伸縮動作がなされる。
以上のような型締めシリンダ21のロッド24に伸縮動作させることにより、クロスヘッド17を介してトグルリンク16が引き伸ばされ、あるいは屈曲させられることとなる。
【0017】
次に、シリンダチューブ22内部に形成された2つの油室25のそれぞれには、配管を通じて作動油を供給する油圧回路30を接続している。
油圧回路30は、油圧駆動源31により、作動油を貯留する油圧タンク32から、作動油を吸入して配管を通じて方向切換弁33、型締めシリンダ21のシリンダチューブ22に送り込み、油圧タンク32に戻す回路構成としている。この際、油圧駆動源31から吐出される作動油の圧力は、リリーフ弁34により、所定の設定圧力を超えないように制御している。なお、符号35は圧力計を示し、36は圧力検出器を示す。
また、図示は省略するが、トグル式型締装置10は、油圧回路30に対し、種々の制御指令を出力したり、予め設定データを格納したり、動作プログラムを保持している制御装置を備えている。
【0018】
油圧駆動源31は、油圧ポンプ37と回転数可変型ポンプモータ38(以下、ポンプモータ38という)とから構成されている。油圧ポンプ37は周知の構成のものでよい。ポンプモータ38には、例えば、ACサーボモータやインバータ制御されたAC電動モータ、直流モータを挙げることができる。
【0019】
方向切換弁33には、ここでは例えばダブルソレノイド形の4ポート3位置形電磁弁を用いることができる。
図1では、中立のポジションにある状態であり、左のソレノイド(ソレノイドb)を励磁すると、右側に移動して、型締めシリンダ21における、チューブ22の右側の油室25bに作動油を供給して、ピストン23を左方向に移動させ、トグル機構15におけるトグルリンク16を屈曲させ、可動プラテン13をタイバー20に沿って左方向(型開き)に移動させる。
一方、右のソレノイド(ソレノイドa)を励磁すると、左側に移動して、チューブ22の左側の油室25aに作動油を供給して、ピストン23を右方向に移動させ、トグル機構15におけるトグルリンク16を引き伸ばし、可動プラテン13をタイバー20に沿って右方向(型締め)に移動させる。
さらに、中立位置では、ピストン23を停止して、前の位置を維持する。
【0020】
リリーフ弁34は、油圧回路30に生じる最高圧力を所定の圧力以内に抑制するために用いられ、型締めシリンダ21における、チューブ22にかかる油圧を所定圧力以内に制限する機能を有している。ここでは、比例式電磁弁が用いられている。この場合、リリーフ弁34は、油圧ポンプ37の吐出側ラインからの分岐ラインに介在されている。吐出ラインの圧力が、所定圧力以上になった場合に、作動油は、このリリーフ弁34を介して、油圧タンク32へ戻す。かかるリリーフ弁34は、電気信号で開くことも可能である。
【0021】
次に、油圧駆動源31におけるポンプモータ38について説明する。
ポンプモータ38には、前述のように、回転数制御が可能なモータを用いており、トグル式型締装置10における制御装置の動作プログラムに基づきポンプモータ38の回転速度を制御することで、油圧ポンプ37の回転数を可変として吐出流量を可変とし、型締めシリンダ21におけるロッド24、すなわちクロスヘッド17の移動速度を制御可能としている。クロスヘッド17の移動速度を制御することで、型締力上昇速度と可動プラテン13の移動速度とを制御するようにしている。
すなわち、制御装置の動作プログラムでは、型締め指令により、可動プラテン13が移動して一対の金型18(18a、18b)が互いに接するまで、ポンプモータ38の回転速度を最大限に上げ(接触の直前は衝突を避けるため速度を落とす)、油圧ポンプ37を最大吐出量で高速作動させ、その後、ポンプモータ38の電流値からトルクを検出し、図3に示す、最大負荷線に沿ってポンプモータ38の回転速度を制御するようにしている。
また、制御装置の動作プログラムでは、図4が示すように油圧ポンプの吐出量は吐出圧力が上がると小さくなる(内部リークによる)ので、油圧ポンプ37からの作動油の吐出圧力を回転数可変型ポンプモータ38の電流値から検出し、検出された作動油の吐出圧力によって補正された油圧ポンプ37の吐出量を算出し、各工程の開始時から吐出された作動油の総量および型締めシリンダの内径からクロスヘッド17の位置および可動プラテン13の位置を把握するようにしている。
【0022】
以上のようなトグル式型締装置10について、図2に示したクロスヘッド17の位置とクロスヘッド17の速度、型締シリンダ21における作動油の圧力、並びに型締力との関係を示したグラフを基に、動作を説明する。
制御装置に、トグル式型締装置の主電源ON中において、クロスヘッド17が型開き位置にある状態から、型締め指令が出されると、動作プログラムに基づき、油圧駆動源31におけるポンプモータ38が駆動し油圧ポンプ37が作動する。
方向切換弁33には、中立のポジションにある状態から、ソレノイドaを励磁して、左側に移動させる。これにより作動油は、油圧ポンプ37により油圧タンク32から吸入して、配管を通じてチューブ22の左側の油室25aに供給される。
そうすると、ピストン23はチューブ22内を右方向に移動し、ロッド24を介しトグル機構15のクロスヘッド17を図中、右方へ押込み、トグルリンク16を引き伸ばし、可動プラテン13をタイバー20に沿って右方向(型締め)に移動させることができる。
【0023】
そして、ピストン23を介し、型締めシリンダ21におけるロッド24が最大速度で右方へ押込まれ、クロスヘッド17は図2中、一対の金型18a、18bが互いに接する金型タッチ位置(a)まで最高速度で動作する(金型タッチ位置直前では速度は落とされる)。
クロスヘッド17が以上のように動作するため、トグルリンク16を介し、可動プラテン13はタイバー20に沿って右方向(型締め)に、金型18a、18bが互いに接する金型タッチ位置(a)までもたらされる。
【0024】
クロスヘッド17および可動プラテン13が金型タッチ位置(a)に達し、型締め動作が開始されると、クロスヘッド17の動作は、型締め動作開始位置である金型タッチ位置(a)から(b)に達するまで、最高速度で移動し、トグルリンク16が伸長しきるデッドポイントの位置(c)に達するまで最大負荷線に沿って減速し、その後デッドポイントの位置(c)を境に型締完了の位置(d)に達するまで増速して移動する。
【0025】
一方、型締めシリンダ21におけるチューブ22内のピストン23の圧力は、図2に示すように、クロスヘッド17がトグル機構15のデッドポイントの位置(c)に達するまで上昇し、その後、圧力はデッドポイントの位置(c)を頂点として、型締めシリンダ21のストロークエンドである、型締完了の位置(d)に達するまで、下降する。
【0026】
以上のように、型締めシリンダ21によりトグル機構15を動作させることで、金型18a、18bが互いに接触して発生する、型締力は、図2に示すように、金型タッチ位置(a)から型締完了の位置(d)に達するまで増大し、型締完了の位置(d)で最大の型締力を発生させることができる。
そして、型締完了の位置(d)において、制御装置から、方向切換弁33に対し、ソレノイドaを消磁し、ばね力により中立のポジションに戻す。中立のポジションにおいて、ピストン23を停止することで、最大の型締力で型締めの状態を維持することができる。
【0027】
次に、型締工程が完了し、制御装置に型開き指令が出されると、ソレノイドbが励磁されることで、方向切換弁33は、中立のポジションにある状態から、右側に移動させる。これにより作動油は、油圧ポンプ37により油圧タンク32から吸入して、配管を通じてチューブ22の右側の油室25bに供給される。
そうすると、ピストン23はチューブ22内を右方向に移動し、ロッド24を介しトグル機構15のクロスヘッド17を図中、左方へ引き込み、トグルリンク16を屈曲させ、可動プラテン13をタイバー20に沿って左方向(型開き)に移動させることができる。
【0028】
かかる型開き動作時においても、ポンプモータ38の回転速度を最大限に上げる制御がなされるため、油圧ポンプ37は最大吐出量で高速作動し、これにより、ピストン23を介し、型締めシリンダ21におけるロッド24を最大速度で左方へ引き込むことができる。
【0029】
以上、本発明によれば、モータの最大負荷特性に沿って、回転速度を最大限に上げる制御して、一連の型締工程を行うため、型締め時間が短縮化され、サイクルタイムが向上する。従って、これまでのように、必要以上に大きいモータを選定する必要はなく、適正な能力のモータを選定することが可能となる。
また、油圧ポンプからの作動油の吐出圧力を回転数可変型ポンプモータの電流値から検出し、検出された作動油の吐出圧力によって補正された油圧ポンプの吐出量を算出し、各工程の開始時から吐出された作動油の総量からクロスヘッドの位置および可動プラテンの位置を把握して、型締工程を行うようにしたため、これまでのような位置センサが不要となる。
【0030】
本発明は、以上の例に挙げた射出成形機におけるトグル式型締装置に限られない。ダイカストマシン等の他の成形装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかるトグル式型締装置の一実施形態を示す系統的説明図である。
【図2】図1に示すトグル式型締装置において、トグル機構を構成するクロスヘッドの位置と、クロスヘッドの速度、型締シリンダにおける作動油の圧力、並びに型締力との関係を示したグラフである。
【図3】図1に示すトグル式型締装置の油圧回路において、回転速度−負荷トルク(電流)間のポンプモータの最大負荷の特性を示す、グラフである。
【図4】ポンプ吐出圧力に基づく、一回転あたりのポンプ吐出量および補正量を示したグラフである。
【図5】従来技術の不都合を説明するために、能力の異なるモータの最大負荷特性を示した、グラフである。
【符号の説明】
【0032】
10 トグル式型締装置
11 基盤
12 固定プラテン
13 可動プラテン
14 リンクハウジング
14b 端面
15 リンク機構
16 トグルリンク
17 クロスヘッド
18(18a、18b) 金型
19 射出孔
20 タイバー
20a 孔
20b、20c タイバーナット
21 型締めシリンダ
22 シリンダチューブ
22a フランジ
23 ピストン
24 ロッド
25(25a、25b) 油室
30 油圧回路
31 油圧駆動源
32 油圧タンク
33 方向切換弁
34 リリーフ弁
35 圧力計
36 圧力検出器
37 油圧ポンプ
38 ポンプモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転数可変型ポンプモータ(38)により、油圧ポンプ(37)を作動し、型締めシリンダ(21)に作動油を供給して、トグルリンク(16)とクロスヘッド(17)とを具備するトグル機構(15)を作動させ、金型(18)の型締め、型開きを行うトグル式型締装置(10)の型締め制御方法において、
型締め工程中に、前記金型(18)が接触した状態から前記クロスヘッド(17)をさらに動作させ、型締力を上げる際、前記回転数可変型ポンプモータ(38)の回転速度を最大限に上げるべく、前記回転数可変型ポンプモータ(38)の電流値からトルクを検出し、
前記回転数可変型ポンプモータ(38)における最大負荷特性に沿って前記回転数可変型ポンプモータ(38)の回転速度を制御するようにしたことを特徴とするトグル式型締装置の型締力制御方法。
【請求項2】
前記金型(18)の型締め、型開き工程中において、
前記回転数可変型ポンプモータ(38)の電流値から、作動油の吐出圧力を検出し、この吐出圧力を基に前記油圧ポンプ(37)の吐出量を補正して、各工程の開始時から吐出された作動油の総量を求めることで、前記クロスヘッド(17)の位置および可動プラテン(13)の位置を把握するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトグル式型締装置の型締力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−105291(P2010−105291A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280369(P2008−280369)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)
【Fターム(参考)】