説明

トナーボトルユニット、画像形成装置

【課題】画像形成装置にトナーボトルユニット本体を装着している最中に、トナーボトルの栓を誤って開けてしまうことを抑制できる、または、トナー収容部の開口部からのトナー漏れを抑制できるシャッターを設けたトナーボトルユニット、及び、そのトナーボトルユニットを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作レバー41が、画像形成装置に対して円筒形状のトナーボトル20の長手方向の軸と同軸上または略同軸上にある回動軸を中心に回動することによって開位置と閉位置との間を変位し、その回動に連動してコレットチャック30がトナーボトル20の栓25の取付け取外しを行う。また、ホッパー16の側壁にトナーが搬送されるトナー搬送路51を横断する断面円形状の穴を設け、その穴の壁面と密着する円柱形状のシャッター部材63の位置を変位させることによりトナー搬送路51の開閉を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置の現像装置にトナーを補給するトナーボトルユニット、及び、それを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
潜像担持体に形成された静電潜像をトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いた現像装置によって可視像化する画像形成装置において、画像形成に伴って現像装置内のトナーが消費されていくと、消費された量のトナーを順次補給する必要がある。そのため、従来の画像形成装置では、トナーを収納したトナーボトルを設け、そのトナーボトルから現像装置へ消費分のトナーを補給するようにしたものがある。また、このような構成においては、トナーボトル内のトナーが無くなるたびに空になったトナーボトルを交換する必要があり、その交換作業は一般にユーザーによって行われている。
【0003】
このトナ−ボトルの交換作業の一例として特許文献1に記載されているものを図を用いて説明する。空になったトナーボトルを新しいトナーボトルと交換する作業を行う際には、まず、トナーボトルを保持したトナーボトルユニットを画像形成装置本体の所定の位置に装着したときに、トナーボトルから取り外したトナー排出口の栓をトナー排出口に取り付ける。具体的には図38に示すように、操作レバー81を回動軸86を中心に矢印a方向に回動し、この回動動作に連動して栓開閉手段82を矢印b方向に移動させ、栓開閉手段82が掴んでいる栓83をトナー排出口84に取り付ける。次に、トナー排出口84に栓83を取り付けた後、図39に示すように、操作レバー81を矢印c方向に引っ張り、トナーボトルユニット80を画像形成装置本体外側の所定の引き出し位置まで引き出す。そして、この引き出し位置にて空のトナーボトルと新しいトナーボトルとの交換を行い、トナーボトル85の交換が済んだら、図40に示すように操作レバー81の端部を矢印d方向に押して、トナーボトルユニット80を画像形成装置本体内の所定の位置に装着する。その後、図41に示すように操作レバー81を矢印e方向に回動させ、トナーボトル85の栓83を栓開閉手段82が掴みながら矢印f方向に引くことによって取外す。このようにして、図38のようにトナー排出口が開口した状態にして、トナーボトル85のトナーが画像形成装置本体側へ排出可能なようにする。
【0004】
また、従来よりトナーボトルユニットのトナー収容部から最終的に画像形成装置本体内の現像装置にトナーを補給するものが知られている。このトナー収容部には現像装置と連通する開口部が設けられており、この開口部を通ってトナーが現像装置に補給される。また、この開口部には、トナー収容部から現像装置へのトナー供給を規制するために設けられた前記開口部を開閉するシャッターが設けられている。
例えば、特許文献2の画像形成装置では、板状のシャッターがヒンジ構造の開閉機構でトナー収容部の開口部に対して開閉可能に設けており、シャッターの表面と前記開口部の縁とが接触し、シャッターが前記開口部を塞ぐことによって前記開口部を閉じた状態にしている。このようにして、トナーボトル交換などの際にトナーボトルを保持したトナーボトルユニットを画像形成装置本体から取り外すときには、前記開口部をシャッターによって閉口し、トナー収容部内に残留しているトナーが前記開口部から排出されないようにしている。また、トナーボトルユニットを画像形成装置本体に装着したときには、シャッターを回動させて前記開口部を開口し、トナー収容部と現像装置とが連通してトナー収容部から現像装置へトナーが供給可能なようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像形成装置では、トナーボトルユニット80を側方から見た図42と、トナーボトルユニット80を上方から見た図43とに示すように、円筒状のトナーボトル85の長手方向の軸と同軸上若しくは略同軸上にある操作レバー81の端部を画像形成装置側に押すことによって、トナーボトルユニット80を画像形成装置本体内へ装着する構成となっている。このような構成において、画像形成装置本体にトナーボトルユニット80を装着する作業時に、操作レバー81の端部を押す力の方向が前記軸方向からずれてしまうときがある。例えば、ユーザーがトナーボトルユニット80を装置本体内に装着する際に、操作レバー81を押す力の方向が図44に示したように前記軸から下方側に傾いた2点鎖線上の矢印f方向となる場合がある。この場合、操作レバー81を押す力の成分は、水平成分(前記軸上の矢印g方向)と、鉛直成分(3点鎖線上の矢印h方向)とに分けることができる。つまり、操作レバー81には、前記軸方向だけではなく鉛直方向にも力がかかることになる。なお、一般に、操作レバー81の回動軸86と前記端部との距離lは、前記回動軸86まわりの力のモーメントの関係から、ユーザーが小さな力で操作レバー81を回動させることができる距離に設定されている。したがって、操作レバー81を押す力の方向が前記軸方向からずれて矢印f方向になり前記端部に前記鉛直方向の力が少しでもかかると、操作レバー81が簡単に回動してしまい、その回動に連動して栓開閉手段82がトナーボトル85から栓83を取り外してしまう。そのため、図45に示すようにトナーボトルユニット80を画像形成装置本体に装着する最中に、トナーボトル85からトナーが飛散してしまうといった第1の問題が生じる。
【0006】
また、特許文献2の画像形成装置では、トナー収容部に設けた開口部の周縁部に、板状のシャッターの平面部が接触することによって、前記開口部を閉じる構成であるが、経時で使用しているとシャッターの表面にトナーが付着してしまう場合がある。この場合、シャッターによって開口部を閉じたとしても、前記付着したトナーによって前記シャッターの平面部と前記開口部の周縁部との接触部に隙間が生じてしまう。そのため、トナーボトル交換などのために画像形成装置本体に対してトナーボトルユニットを着脱する際に、トナー収容部に残留したトナーが前記隙間から漏れ出してしまうといった第2の問題が生じる。
【0007】
本発明は、第1の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置にトナーボトルユニット本体を装着している最中に、トナーボトルの栓を誤って開けてしまうことを抑制できるトナーボトルユニット、及び、そのトナーボトルユニットを備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
また、本発明は、第2の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー収容部の開口部からのトナー漏れを抑制できるシャッターを設けたトナーボトルユニット、及び、そのトナーボトルユニットを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒状のトナーボトルの開口部に設けられた取外し可能な栓を該開口部から取り外して該開口部を開口状態にする、及び、該開口部に該栓を取り付けて閉塞状態にする開閉手段と、該開閉手段によって該開口部を開口状態にする開位置と、該開閉手段によって該開口部を閉塞状態にする閉位置との間で変位可能な開閉操作手段とを有し、該開閉操作手段が該閉位置から該開位置へ変位するのに連動して、該開口部が閉塞状態から開口状態になるように該開閉手段を動作させ、該開閉操作手段が該開位置から該閉位置へ変位するのに連動して、該開口部が開口状態から閉塞状態になるように該開閉手段を動作させるように構成した、画像形成装置に対して着脱自在なトナーボトルユニットにおいて、該開閉操作手段は、該トナーボトルの中心軸と同軸上または略同軸上で、且つ、ユニット本体が該画像形成装置に装着されるときの装着移動方向後端側のユニット本体端部に設けられており、少なくとも該開閉操作手段における該中心軸上または該軸近傍の該装着移動方向後端側端部を押すことによって、ユニット本体が該画像形成装置に装着可能に構成されており、さらに該開閉操作手段は、該中心軸と同軸または略同軸の回動軸を中心に回動することによって該開位置と該閉位置との間を変位するものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナーボトルユニットにおいて、上記開閉操作手段の回動を規制する回動規制手段を有していることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のトナーボトルユニットにおいて、装置本体に設けられた係合部材と、該係合部材と係合する上記開閉操作手段に設けられた被係合部材とを有しており、該係合部材と該被係合部材とが係合することによって該開閉操作手段の回動を規制するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、トナーボトルを着脱自在に保持するトナーボトルユニットと、該トナーボトルユニットを所定の引き出し位置と所定の装着位置との間で往復移動自在に支持する支持部材とを備えた画像形成装置において、該トナーボトルユニットとして、請求項1または2のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、トナーボトルを着脱自在に保持するトナーボトルユニットと、該トナーボトルユニットを所定の引き出し位置と所定の装着位置との間で往復移動自在に支持する支持部材とを備えた画像形成装置において、該トナーボトルユニットとして、請求項3のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着され、上記支持部材と上記係合部材とが接触した際に、該係合部材と上記被係合部材との係合が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記支持部材に、上記トナーボトルユニットの上記着脱方向の移動を規制する移動規制部材が設けられており、該トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着され、該移動規制部材と上記係合部材とが接触した際に、該係合部材と上記被係合部との係合が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6または7の画像形成装置において、上記係合部材は弾性体であり、上記トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着されたときに該係合部材が弾性変形することで、該係合部材と上記被係合部材との係合が解除され、且つ、該トナーボトルユニットが装置本体の所定の位置から脱着されたときに、該係合部材が自身の復元力によって元の形状に戻ることで、該係合部材と該被係合部材とが係合するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求4、5、6、7または8の画像形成装置において、装置本体に設けられた嵌合部と、該嵌合部と嵌合する上記開閉操作手段に設けた被嵌合部とを有しており、上記トナーボトルユニットが上記所定の所定の装着位置に装着され、且つ、該開閉操作手段が上記開位置以外に変位している場合には、該嵌合部と該被嵌合部とが嵌合するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、トナーを収納するトナーボトルと、該トナーボトルのトナーが外部に搬送するための搬送路を形成する搬送路形成部材と、該搬送路形成部材の側壁に設けられた断面円形状の穴と、該穴の内壁と密着した状態で嵌り込む円柱形状のシャッター部材とを有し、外部から動力を受けることで該シャッター部材が該穴の内部で変位して、該搬送路を開閉するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のトナーボトルユニットにおいて、上記シャッター部材は、該シャッター部材の円周面を貫通する開口部を有しており、該シャッター部材が、該開口部と上記搬送路とが連通する位置と、該円周面が該搬送路を閉じる位置とに変位可能なように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11のトナーボトルユニットにおいて、上記シャッター部材は、上記穴の内部で該穴の長手方向の軸を中心に回転することによって上記搬送路を開閉するものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項10または11のトナーボトルユニットにおいて、上記シャッター部材は上記穴の内部で該穴の長手方向にスライドすることによって上記搬送路を開閉するものであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11、12または13のトナーボトルユニットにおいて、上記シャッター部材の開口部と上記搬送路とが連通している状態での該搬送路におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、該シャッター部材よりもトナー搬送方向上流側の該搬送路、該シャッター部材の開口部、該シャッター部材よりも該トナー搬送方向下流側の該搬送路の順で大きくなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項11、12または13のトナーボトルユニットにおいて、上記開口部の上記搬送路におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、該トナー搬送方向の下流側よりも上流側が大きくなるようにテーパーを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項10、11、12、13、14または15のトナーボトルユニットにおいて、上記搬送路の壁面に、使用するトナーの安息角よりも大きい角度の傾斜を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、トナーボトルのトナーを装置本体へ供給するトナーボトルユニットを備えた画像形成装置において、該トナーボトルユニットとして、請求項10、11、12、13、14、15または16のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1乃至請求項9の発明においては、該開閉操作手段が、該画像形成装置に対して円筒形状のトナーボトルの長手方向の軸と同軸上または略同軸上にある回動軸を中心に回動することによって前記開位置と前記閉位置との間を変位し、その回動に連動して開閉手段がトナーボトルの栓の取付け取外しを行う。また、装置本体を画像形成装置に装着する際に前記開閉操作手段を押す箇所が前記軸上若しくはその近傍なので、前記開閉操作手段を押す力の方向が前記軸方向からずれて前記押す力の分力により前記開閉操作手段を回動する方向に力がかかったとしても、前記押す箇所と前記回動軸との距離が短いため前記開閉操作手段を回動させるだけの力とはなりえない。そのため、前記押す力の方向が前記軸方向からずれたとしても、前記開閉操作手段は回動しない。これにより、前記開閉操作手段を押す力の方向が前記軸方向からずれたとしても、前記開閉操作手段が回動しないので前記開閉手段がトナーボトルから栓を取り外すことがない。
【0011】
請求項10乃至請求項17の発明においては、搬送路形成部材の側壁にトナーが搬送される搬送路を横断する断面円形状の穴を設け、その穴の壁面と密着する円柱形状のシャッター部材の位置を変位させることにより前記搬送路の開閉を行っている。なお、前記断面円形状の穴や前記円柱形状のシャッター部材の加工精度は、ボール盤や旋盤などによって低コストで簡単に高精度を出すことができる。これにより、前記シャッター部材と前記穴の壁面との間にトナーが入り込まないように前記シャッター部材と前記穴の壁面とを精度良く密着させることができる。よって、前記シャッター部材と前記穴の壁面との間にトナーによる隙間が生じるのを抑制することができる。したがって、前記シャッター部材で前記搬送路を閉じた際に、前記搬送路を完全な閉鎖状態にすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、請求項1乃至請求項9の発明によれば、画像形成装置にトナーボトルユニットを装着している最中に、トナーボトルの栓を誤って開けてしまいトナーボトルからトナーが飛散してしまうのを抑制できるという優れた効果がある。
【0013】
また、請求項10乃至請求項17の発明によれば、シャッター部材でトナーが搬送される搬送路を閉じた際に、前記搬送路からトナーが漏れるのを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の特徴的な部分であるトナーボトルユニットの概略構成図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】(a)トナーボトルユニットを装置本体内から装置本体外へ引き出す場合の斜視図。(b)トナーボトルユニットを装置本体外から装置本体内に収納する場合の斜視図。
【図4】トナーボトルユニットがボトル載置用位置にあるときの装置本体前方から見た斜視図。
【図5】トナーボトルユニットがトナー補給用位置にあるときの装置本体前方から見た斜視図。
【図6】開口部が栓によって封止されたトナーボトルの斜視図。
【図7】開口部が開放されたトナーボトルの斜視図。
【図8】(a)トナーボトルの縦断面概略構成図。(b)トナーボトルの開口部近傍の拡大図。
【図9】(a)トナーボトルがボトルホルダーのセット位置に置かれる前の断面概略構成図。(b)トナーボトルがボトルホルダーのセット位置に置かれたときの断面概略構成図。(c)コレットチャックによって栓を取り外したときの概略構成図。
【図10】トナーボトルがボトルホルダーのセット位置に置かれたときの斜視図。
【図11】トナーボトルの開口部が栓によって封止されている場合でのカム装置の状態を示した斜視図。
【図12】トナーボトルの開口部が栓によって封止されている場合でのカム装置の状態を装置本体側方向から見た図。
【図13】トナーボトルの栓を開口部から取り外す場合の操作レバーの回動動作を説明した図。
【図14】9時の位置にあった操作レバーを12時の位置に向かって回動させている途中のカム装置の状態を示した斜視図。
【図15】9時の位置にあった操作レバーを12時の位置に向かって回動させている途中のカム装置の状態を装置本体側方向から見た図。
【図16】トナーボトルの開口部が開放された場合でのカム装置の状態を示した斜視図。
【図17】トナーボトルの開口部が開放された場合でのカム装置の状態を装置本体側方向から見た図。
【図18】コレットチャックの挾持部が栓の摘み部を挾持して栓を開口部から取り外した場合の斜視図。
【図19】トナーボトルの栓で開口部を封止する場合の操作レバーの回動動作を説明した図。
【図20】ロック部材と被ロック部材とが係合することによって操作レバーの回動を規制している状態を示す概略構成図。
【図21】ロック部材と被ロック部材との係合解除された状態を示す概略構成図。
【図22】トナーボトルユニットの着脱方向の移動を規制する規制部材を支持部材に設けた場合の概略構成図。
【図23】嵌合部と被嵌合部とによってトナーボトルユニットの脱着が規制されていない場合の概略構成図。
【図24】嵌合部と被嵌合部とが嵌合し、トナーボトルユニットの脱着を規制している場合の概略構成図。
【図25】本実施形態の特徴的な部分であるシャッター機構の概略構成図。
【図26】(a)トナー搬送路が開放状態の場合の概略構成図。(b)トナー搬送路が閉鎖状態の場合の概略構成図。
【図27】トナー搬送路及び前記開口部の幅が、シャッター部材よりもトナー搬送方向上流側のトナー搬送路、シャッター部材の開口部、シャッター部材よりもトナー搬送方向下流側のトナー搬送路の順で大きくなるように構成した場合の概略構成図。
【図28】シャッター部材の開口部にテーパーを設けた場合の概略構成図。
【図29】トナー搬送路の内壁に、使用するトナーの安息角よりも大きい角度の傾斜を設けた場合の概略構成図。
【図30】シャッター部材をスライドさせるように構成した場合の概略構成図。
【図31】(a)トナー搬送路が開放状態の場合の概略構成図。(b)トナー搬送路が閉鎖状態の場合の概略構成図。
【図32】トナー搬送路及び前記開口部の幅が、シャッター部材よりもトナー搬送方向上流側のトナー搬送路、シャッター部材の開口部、シャッター部材よりもトナー搬送方向下流側のトナー搬送路の順で大きくなるように構成した場合の概略構成図。
【図33】シャッター部材の開口部にテーパーを設けた場合の概略構成図。
【図34】シャッター機構の主要な部材を示した図。
【図35】トナーボトルユニットが装置本体の所定の装着位置に装着される前のシャッター機構の状態を示した斜視図。
【図36】トナーボトルユニットを装置本体の所定の装着位置に移動させている途中のシャッター機構の状態を示した斜視図。
【図37】トナーボトルユニットが装置本体の所定の装着位置に装着されたときのシャッター機構の状態を示した斜視図。
【図38】従来のトナーボトルユニットにおいてのトナーボトルの開口部に栓をする場合の動作の説明図。
【図39】トナーボトルユニットを装置本体外へ引き出す動作の説明図。
【図40】トナーボトルユニットを装置本体内へ装着する動作の説明図。
【図41】トナーボトルから栓を取り外す場合の動作の説明図。
【図42】トナーボトルユニットを側方から見た図。
【図43】トナーボトルユニットを上方から見た図。
【図44】操作レバーを押す力の方向がトナーボトルの長手方向の軸から下方側に傾いた状態を示した説明図。
【図45】トナーボトルユニットを装置本体内に装着する最中に、トナーボトルの栓が取り外された場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、プリンタという)に適用した一実施例について説明する。図2は本実施例に係るプリンタの概略構成を示す正面図である。プリンタの内部にはドラム状の感光体3が回転可能に設けられ、その周囲に帯電装置4、現像装置5、転写装置6、クリーニング装置7、などが配設されている。そして、感光体の上方には転写装置によりトナー像が転写された転写紙上に該トナー像を定着するための定着装置9が配設され、プリンタ下部には転写紙をストックするととも、感光体に向けて送り出すための給紙部10が設けられている。
【0016】
また、感光体3の左方には、現像剤収納容器としてのトナーボトル20に収納されたトナーを現像装置5に補給する現像剤補給装置としてのトナーボトルユニット17がプリンタの前面側の上部に設けられている。トナーボトルユニット17は、図3(a)に示すように、現像剤収納容器としてのトナーボトル20を保持するための容器保持手段としてのボトルホルダー21を有している。また、ボトルホルダー21は、図3(a)に示すように装置本体側に設けられた、トナーボトルユニット17をスライド可能に支持する支持部材22上に設けられており、トナーボトルユニット17を矢印C方向にスライドさせ、図4に示すようにトナーボトルユニット17がプリンタ本体の手前に引き出されたトナーボトル20を載置するためのボトル載置用位置Aと、ボトル積載用位置Aから図3(b)に示すようにトナーボトルユニット17を矢印D方向にスライドさせ、図5で示すようにトナーボトルユニット17全体がプリンタ本体内に収納されたトナー補給用位置Bとを取り得るようになっている。このトナー補給用位置Bでは、トナーボトルユニット17から後述するホッパー16を介して装置本体内にトナーを補給できるように構成されている。なお、このトナーボトルユニット17はプリンタ前面を覆う前カバー3よりも内側に設け、この前カバー13を開いた状態で、トナーボトルユニット17をボトル載置用位置Aに引き出せるようにすることが望ましい。
【0017】
図6は本実施例に用いることができるトナーボトル20の後述する開口部23に栓25が取り付けられた状態での斜視図であり、図7はトナーボトル20から栓25が取り外された状態での斜視図を示したものである。また、図8(a)はトナーボトル20の縦断面図であり、図8(b)はその開口部23の拡大図である。図8(a)からわかるようにトナーボトル20はほぼ円筒状をしており、その一端面のほぼ中央に円筒部よりも小径の開口部23が形成されている。この開口部23は外側に突出したカラー24の先端部に形成され、この開口部23を封止するように栓25が設けられている。この栓25の中央には摘み部26が形成されている。さらに、上記円筒部の内周面には、内部の収納トナーをトナーボトル20の回転によって開口部23側に案内するための案内溝27が螺旋状に形成されている。
【0018】
次に、トナーボトルユニット17の構成について詳しく説明する。前述したように装置本体に対して所定の引き出し位置であるボトル載置用位置Aと所定の装着位置であるトナー補給用位置Bとの間で往復移動自在に設けられており、トナーボトル20をほぼ水平に保持し得るボトルホルダー21、ボトルホルダー21に保持されたトナーボトル20を回転駆動するための図示しないボトル回転駆動装置、該ボトルホルダー21上のトナーボトル20の栓25を挾持するためのコレットチャック30、コレットチャック30を進退移動するためのカム装置40などを有している。なお、カム装置40は図1に示した操作レバー41の内側に設けられており、操作レバー41の回動動作に連動して作動するように構成されている。そして、操作レバー41を回動して、カム装置40を作動し、コレットチャック30を進退移動させることによって、トナーボトル20の栓25の取り付け取り外しを行える構成としている。
【0019】
次に、栓25で開口部23が封止された状態のトナーボトル20から栓25を取り外す機構の概略構成及び動作の説明をする。図9(a)に示すように、コレットチャック30は、ボトルホルダー21の一部に形成された支持壁31の孔部32で支持され、図9(a)に示すフリーな状態では、その先端に形成されている挾持部33が拡がるよう付勢されている。なお、コレットチャック30の先端の挾持部33には外力によって狭められ得るようにするための複数の切り割れを有している。
【0020】
図9(b)はトナーボトル20がボトルホルダー21のセット位置に置かれたときの状態を示す。このとき、図10に示した斜視図からもわかるように、栓25の摘み部26がコレットチャック30の挾持部33によって挾持可能なように、掴み部26をコレットチャック30の孔部32内に配置されるような位置にトナーボトル20をボトルホルダー21にセットする。なお、説明するまでもないが、この状態においては、まだ挾持部は栓25の摘み部26を挾持していない。また、このときの操作レバー41の位置は9時の位置にあり、カム装置40では図11、図12に示したように、カム面35に沿って移動可能にコレットチャック30に設けられた移動部材70がカム面35の最もトナーボトル20に近い側にある状態となっている。なお、コレットチャック30の進退移動は、移動部材70がカム面35に沿って移動することによって行われる。
【0021】
トナーボトル20の開口部23から栓25を取り外す場合には、図13に示すように9時の位置にある操作レバ41ーを矢印E方向に回動し12時の位置まで移動させ、この回動動作に連動させてカム装置40によりコレットチャック30の挾持部33で栓25の摘み部26を挾持した状態で、コレクトチャック30をトナーボトル20に対してより離れた位置へと移動させ、開口部23から栓25を取り外す。
【0022】
図14、図15は、前述したように前記9時の位置にあった操作レバー41を前記12時の位置に向かって前記矢印E方向に回動させている途中のカム装置40の状態を示したものである。なお、カム装置40の本体は操作レバー41の回動に連動して、操作レバー41と同じ方向に回動可能に構成されているので、操作レバー41が前記矢印E方向に回動することによりカム装置40の本体も前記矢印A方向に回動する。そして、このカム装置40本体の回動により、図14、図15からもわかるように移動部材70はカム面35に沿ってトナーボトル20から離れる方向に移動する。なお、図14、図15は移動部材70がカム面35に沿って前記離れる方向に移動している途中を示したものであるが、このように移動部材70がカム面35に沿ってトナーボトル20から離れる方向に移動することによりコレットチャック30もトナーボトル20から離れる方向に移動する。そのため、コレットチャック30の外周の大径部が上記孔部32の内周面で押されて上記挾持部33が狭められ、これにより、栓25の摘み部26を挾持するようになっている。
【0023】
図16、図17は、さらに操作レバー41を前記矢印E方向に回動させ、前記12時の位置まで移動させたときの、カム装置40の状態を示したものである。図16、図17からもわかるように、操作レバー41の回動に連動してカム装置40本体が図よりもさらに前記矢印E方向に回動したため、図ではカム面35の途中に位置していた移動部材70が、さらにカム面35に沿ってトナーボトル20から遠ざかる方向に移動し、カム面35のトナーボトル20から最も離れた位置に達している。また、このとき、移動部材70が前記最も離れた位置まで移動したことにより、コレットチャック30も、さらにトナーボトル20から遠ざかる方向へ移動する。このようにして、図18に示すようにコレットチャック30の挾持部33が栓25の摘み部26を挾持して栓25を保持したままの状態で前記遠ざかる方向へ移動することによって、図9(c)に示すように、トナーボトル20の開口部23から栓25を取り外すことができ、開口部23を完全に開放することができる。
【0024】
このような栓25の取り外し機構をトナーボトルユニット17に設けることにより、トナーボトル20を、開口部23を栓25で封止したままの状態で、ボトルホルダー21に載置することができるので、特に、トナーボトル20をほぼ水平な状態でボトルホルダー21上に載置する場合にも、開口部23からのトナー漏れを防止することができる。また、トナーボトル20中のトナーが消費され空になったときに、ボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出すときには、上述した栓25を開口部23から取外し動作と逆の動作、つまり、図19に示すように操作レバー41を前記12時の位置から前記9時の位置に矢印F方向に回動し、カム装置40によってコレットチャック30をトナーボトル20に近づく方向に移動させ、空になったトナーボトル20の開口部23に栓25を取り付けることも可能である。これにより、ボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出す際には、開口部23が栓25で封止された状態なので、開口部23に付着したトナーが落下してボトル交換者の手や衣服を汚すことはない。
【0025】
次に、トナーボトル20の交換作業に係る動作について説明する。上記ボトルホルダー21上からトナーボトル20を取り出すときには、まず、上述した方法によってトナーボトル20の開口部23に栓25を取り付け、トナーボトル交換作業中に開口部23からトナーが排出さないようにする。つまり、操作レバー41を前記12時の位置から前記9時の位置に前記矢印F方向に回動し、栓25を保持しているコレットチャック30をトナーボトル20の開口部23に向けて移動させ、トナーボトル20の開口部カラー24内に栓25を挿入して開口部23を封止する。なお、このとき、コレットチャック30を開口部23に向けて移動させることで、コレットチャック30の復元力で挾持部33を開き、栓25の摘み部26の挾持を解除することができる。その後、ボトルホルダー21を、トナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへ移動させる。そして、このボトル載置用位置Aにボトルホルダー21がある状態で、トナーボトル20交換者が、トナーボトル20をストッパーカバー28内から抜き出してボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出す。
【0026】
次に、ボトル載置用位置Aで、新たなトナーボトル20と交換される。ボトルホルダー21に、トナーで満たされ、かつ開口部23が栓25で封止された新たなトナーボトル20を、その頭部をストッパーカバー28に向けて載置し、ボトル頭部をストッパーカバー28内に差し込む。そして、ボトルホルダー21をトナーボトルユニット17の操作レバー41に設けられた半球穴部42を押してボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへ移動させる。その後、上述した栓25を開口部23から取り外す方法によって、開口部23を開放する。これにより、前述のように、トナーボトル20回転による開口部23からのトナーの排出が可能になる。
【0027】
また、本実施形態のように操作レバー41の回動方向は、ボトルホルダー載置用位置Aとトナー補給用位置Bとの移動方向の軸と直交する平面上で、且つ、前記軸と同軸または略同軸の回動軸まわりの方向となっている。よって、ボトルホルダー21をボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへ移動させるときに、ユーザーが操作レバー41を押す力の分力が仮に操作レバー41の回動方向にかかったとしても、トナーボトルユニット17を装置本体内に押し込むときに押す操作レバー41の部分は、操作レバー41における前記軸上またはその近傍の操作レバー41に設けられた半球穴部42なので、力のモーメントの関係から操作レバー41を回動させるほどの力とはなりえない。よって、ユーザーがボトルホルダー21を装置本体内に収納する際にトナーボトルユニット17を押す力によって、操作レバー41が回動し、栓25が開口部23から外れてしまうことを抑制することができる。
【0028】
しかしながら、まだ、トナーボトル20の交換を行っている最中に、ユーザーが誤って操作レバー41を直接回動させてしまい、トナーボトル20の栓25を開口部23から取り外してしまう恐れが残っている。そのため、本実施形態においては、このようなユーザーによる誤操作を抑制するための手段を設けている。
【0029】
本実施形態においては、図20に示すように、操作レバー41が前記9時の位置にあるときに操作レバー41の回動を規制する、トナーボトルユニット17本体に設けられたロック部材44と、そのロック部材44に係合する被ロック部材45とを設けている。なお、被ロック部材45は操作レバー41の回動動作に合わせて一緒に回動するように構成されている。図20からわかるように、操作レバー41が前記9時の位置にあるときに、つまり、トナーボトル20の栓25が開口部23を封止しているときに、被ロック部材45がロック部材44に係合し操作レバー41の回動を規制している。よって、トナーボトル20の交換作業を行う際などに、ユーザーが操作レバー41を回動させようとしても、ロック部材44と被ロック部材45とにより操作レバー41の回動が規制されているため、操作レバー41は回動しない。したがって、カム機構40も作動することがなく、その結果、コレットチャック30によって栓25を開口部23から取り外すといったことがないので、トナーボトル20の交換作業中などにトナ−ボトル20に収納されたトナーが開口部23から飛散するのを抑制することができる。
【0030】
上述したように、ロック部材44と被ロック部材とによってトナーボトル20の交換作業中などに、誤ってトナーボトル20の栓25を取り外してしまうことを抑制することができるが、トナーボトル20に収納されたトナーを現像装置に補給するためには、当然ながらトナーボトル20の栓25を取り外す必要があるため、ロック部材44と被ロック部材45との係合を解除する必要がる。そのため、本実施形態においては図21に示すようにロック部材44の被ロック部材45と係合する端部とは反対側の端部にロック解除部46を設け、このロック解除部46はトナーボトルユニット17がボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bに移動した際に、装置本体の支持部材22と接触するように構成されており、ロック解除部46が支持部材22と接触しロック解除部46が矢印G方向に押圧されるとロック部材44は回動軸47を中心に矢印H方向に回動する。この回動動作によってロック部材44と被ロック部材45との係合を解除することができるので、図21に示すように操作レバー41を前記9時の位置から前記12時の位置に回動させることができる。
【0031】
このように、本実施形態においては、トナーボトルユニット17がトナー補給用位置B意外にあるときにロック部材44と被ロック部材45とによって操作レバー41の回動動作を規制し、トナーボトルユニット17が装置本体の所定の位置つまりトナー補給用位置Bに装着されたときに、操作レバー41の回動を規制するロックが解除されるように構成しているので、トナーボトル20の交換作業中などに誤って栓25を取り外してしまうことを確実に抑制でき、且つ、トナーボトルユニット17を装置本体内の所定に位置に装着するだけで、操作レバー41の回動動作の規制を解除することができる。また、ユーザーによる前記規制を解除するための特別な作業が伴わないので、ユーザーの手を煩わすことなくトナーボトル20の栓25の開栓作業を行うことができる。
【0032】
なお、トナーボトルユニット17をトナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへ移動させる場合には、まず、上述したように操作レバ41ーを前記12時の位置から前記9時の位置に回動させてトナーボトル20の開口部23を栓25によって封止し、その後、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出す。しかしながら、この際に操作レバー41の回動をロック部材44と被ロック部材45との係合により規制しなければ、上述したように誤ってトナーボトル20の栓25を取り外してしまう恐れがある。よって、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出す際にはロック部材44と被ロック部材45とを係合させる必要がある。そのため、本実施形態においては、弾性を有したロック部材44を用いており、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出したときに、ロック部材44は自身の復元力によって回動軸47を中心に前記矢印H方向とは反対方向に回動し、図20に示したロック部材44と被ロック部材45とが係合する位置に移動するように構成している。これにより、ユーザーによるロック部材44と被ロック部材45とを係合させるための特別な作業が伴わないので、ユーザーの手を煩わすことなく操作レバー41の回動を規制することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、装置本体に対してトナーボトルユニット17のボトル載置用位置Aとトナー補給用位置Bとの間の移動方向の移動を規制する規制部材46を支持部材22の図22に示す位置に設けている。ユーザーがトナーボトル20の交換を行う際には、装置本体内に装着されたトナーボトルユニット17をトナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへ移動させるわけであるが、この移動を何ら規制することなく行うと、ユーザがトナーボトルユニット17を引き出し過ぎてしまい、トナーボトルユニット17が装置本体から脱落してしまう恐れがある。そのため、ユーザーがトナーボトルユニット17を装置本体から引き出した際にトナーボトルユニット17がボトルホルダー載置用位置A以上に引き出されないようにするために、規制部材48によってトナーボトルユニット17の移動を規制している。これにより、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出し過ぎることによるトナーボトルユニット17の脱落を抑制することができる。
【0034】
なお、トナーボトルユニット17を交換する際には、規制部材48を装置本体から取り外し、トナーボトルユニット17を装置本体から完全に引き出すことによって行う。この際、トナーボトルユニット17の交換作業を終えた後に、規制部材48を装置本体に取り付けるのを忘れてしまう恐れがある。このように、規制部材48を装置本体に取り付けるのを忘れてしまうと、規制部材48の紛失や、上述したようなトナーボトル20の交換作業などの際にトナーボトルユニット17が装置本体から脱落してしまうといった不具合が生じる恐れがある。そのため、図1に示すようにトナーボトルユニット17が装置本体の所定の位置に装着されたときに、ロック解除部46と規制部材48とが接触することによってロック解除部46が前記矢印G方向に移動し、ロック部材44が回動軸47を中心に前記矢印H方向に回動することによってロック部材44と被ロック部材45との係合が解除される構成にするとよい。これにより、規制部材48を装置本体に取り付けるのを忘れてしまった場合、トナーボトルユニット17をトナー補給用位置Bに装着したとしてもロック部材44と被ロック部材45との係合が解除されず操作レバー41の回動が規制されたままの状態となるので、ユーザーが規制部材48を取り付けるのを忘れたことに気づき、前述したような不具合が生じる恐れを抑制することができる。
【0035】
これまで、トナーボトル20を交換する際にユーザーが誤って操作レバー41を回動させることにより、トナーボトル20の栓25を取り外してしまうのを抑制する構成について説明した。上述した説明からもわかるように、トナーボトルユニット17を装置本体の所定の位置に装着することによってロック部材44と被ロック部材45とによる操作レバー41の回動動作の規制が解除され、栓25をトナーボトル20から取り外すことが可能となるわけであるが、この栓25をトナーボトル20から取り外し開口部23が開放されたままの状態、つまり、操作レバー41を前記12時の位置から前記9時の位置に回動させずにトナーボトルユニット17を装置本体から引き出してしまうことも考えられる。そのため、図23、図24に示すように装置本体側に設けた嵌合部49とトナーボトルユニット17の操作レバー41に設けた被嵌合部50とによって、装置本体とトナーボトルユニット17とが嵌合可能なように構成している。
【0036】
本実施形態においては、図23に示したように栓25によって開口部23が封止されている状態、つまり、操作レバー41が前記9時の位置にある場合にのみ、嵌合部49と被嵌合部50とが嵌合しないように構成し、トナーボトルユニット17を装置本体に対して着脱可能なようにしている。また、操作レバー41が前記9時の位置以外にある場合、例えば図24に示すように操作レバー41が前記12時の位置にある場合には、嵌合部49と被嵌合部50とが嵌合するように構成し、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出せないようにしている。これにより、トナーボトル20から栓25が取り外され開口部23が開放されたままの状態でトナーボトルユニット17を装置本体から引き出してしまうのを抑制することができる。
【0037】
なお、操作レバー41が前記9時の位置と前記12時の位置との間の位置にある場合には、栓25によって開口部23を完全に封止できていない状態、言い換えれば、開口部23が半開きの状態になっている場合がある。このように開口部23が半開きの状態であると、開口部23と栓25との隙間からトナーボトル20のトナーが漏れ出してしまう恐れがある。よって、操作レバー41が前記12時の位置つまり開口部23が完全に開放されている場合だけではなく、操作レバー41が前記9時の位置以外にある場合に、嵌合部49と被嵌合部50とを嵌合させることによってトナーボトルユニット17を装置本体から引き出せないようにすることにより、トナーボトル20の交換作業中などに開口部23からトナーが飛散してしまうことを確実に抑制することができる。
【0038】
次に、トナーボトルユニット17から装置本体側に行うトナーを補給について説明をする。トナーボトル20の開口部23が開放された状態で、トナーボトル20を図示しないボトル回転駆動装置によって回動させると、トナーボトル20の内面には前述したように螺旋状の案内溝27が設けられているため、この回動により内部に収納されていたトナーは徐々に開口部23に送り出される。そして、開口部23から排出したトナーを図示しないトナー移送手段によって、トナー収容部であるホッパー16に移送し、ホッパー16内のトナー搬送路51を通ってトナーは装置本体側、例えば現像装置5の現像剤搬送路中などに補給される。また、トナー補給搬送路51には、トナーボトル20の交換などでトナーボトルユニット17を装置本体から引き出した際などに、ホッパー16のトナ−搬送路51中に残留したトナーが排出されないように、トナー搬送路51をシャッター部材61によって閉鎖状態にするシャッター機構60が設けられている。なお、このシャッター機構60は、トナーボトルユニット17が装置本体に内の所定の位置にある場合にトナーボトルユニット17から装置本体側にトナー補給ができるように、トナー搬送路51を開放状態にすることもできる。
【0039】
次に、本実施形態に用いられているシャッター機構60について説明する。図25に示すようにシャッター部材61は、トナー搬送路51と交わるようにホッパー16に開けられた円筒上の穴の内壁と密着する円柱形状の部材であり、且つ、シャッター部材61の円周面63を貫通する開口部62を有している。そして、シャッター部材61は前記穴内で前記穴の長手方向の軸を中心に回転することによって開口部62の位置を変位させトナー搬送路51を開閉するように構成されている。具体的には、図26(a)に示すようにトナー搬送路51とシャッター部材の開口部62とが連通するような位置にシャッター部材61を回転変位させることによってトナー搬送路51を開放状態にすることができる。また、図26(b)に示すようにトナー搬送路51をシャッター部材61の円周面63で塞ぐような位置にシャッター部材61を回転変位させることによってトナー搬送路51を閉鎖状態にすることができる。
【0040】
なお、これは一般にトナーボトルユニット17に設けられたシャッター機構60を経時で使用していると、シャッター部材61やトナー搬送路51の内壁などにトナーが付着し蓄積される場合があり、この蓄積したトナーによってシャッター部材61とトナ−搬送路51との接触部に隙間ができてしまうことがある。このようにシャッター部材61とトナー搬送路51との接触部に隙間ができてしまうと、シャッター部材61によって完全にトナー搬送路51を閉鎖状態にすることができなくなり、前記隙間からトナーが漏れ出してしまうといった問題が生じる。
【0041】
そのため、本実施形態においては、ボール盤や旋盤などによって低コストで簡単に高精度を出すことができる前記円筒状の穴や円柱形状のシャッター部材61によってシャッター機構60を構成することにより、シャッター部材61と前記穴の壁面(特にトナー搬送路中51にある前記穴の壁面)との間にトナーが入り込まないようにシャッター部材61と前記穴の壁面とを密着させることができるので、シャッター部材61でトナー搬送路51を閉じた際に、シャッター部材61と前記穴の壁面との間にトナーによる隙間が生じるのを抑制することができる。よって、シャッター部材61によりトナー搬送路51を確実に閉鎖状態にすることができるので、閉鎖状態にあるトナー搬送路51からトナーが漏れ出すのを抑制することができる。
【0042】
また、図27に示すように、シャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とが連通している状態でのトナー搬送路51及び前記開口部62の幅が、シャッター部材61よりもトナー搬送方向上流側のトナー搬送路51a、シャッター部材の開口部62、シャッター部材61よりもトナー搬送方向下流側のトナー搬送路51bの順で大きくなるように構成したり、図28に示すように前記開口部62の幅が、トナー搬送方向の下流側よりも上流側が大きくなるようにテーパーを設けた構成としてもよい。これらのような構成にすることによって、シャッター部材61の回動変位の変位量のバラツキによる流路負荷変動を小さくすることができる。つまり、シャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とが完全に連通する位置よりも開口部62の位置がずれ、トナー搬送路51中にシャッター部材61の円周面63が少しはみ出した状態になることがなく、円周面63上にトナーが堆積し装置本体側に補給すべきトナー量よりも少ない量のトナーしか装置本体側に補給されないなどの不具合を抑制することができる。
【0043】
なお、トナー搬送路51を搬送されているトナーが経時でトナー搬送路51の内壁に蓄積する場合がある。このようにトナー搬送路31の内壁にトナーが蓄積すると、装置本体側に補給すべきトナー量よりも少ない量のトナーしか装置本体側に補給されないという不具合が生じる。そのため、本実施形態においては、図29に示すようにトナー搬送路51の内壁に、使用するトナーの安息角よりも大きい角度α,β,γ,δの傾斜を設けている。なお、安息角と言うのは、トナーのような粉体などが堆積して崩れないで安定しているときの、斜面と水平面とのなす最大角度である。そのため、前記内壁に使用するトナーの安息角よりも大きい角度α,β,γ,δの傾斜を設けることによって、前記内壁の摩擦係数やトナーの流動性などとは関係なく、重力によってトナーが前記内壁から移動するので、前記内壁にトナーが蓄積するのを抑制することができる。よって、装置本体側に補給すべきトナー量よりも少ない量のトナーしか装置本体側に補給されないなどの不具合を抑制することができる。
【0044】
なお、シャッター機構60によるトナー搬送路51の開閉は、シャッター部材61を前記穴の長手方向の軸を中心に回転することによって前記開口部62の位置を変位させて行うような構成に限るのものではなく、図30に示すようにシャッター部材61を前記軸方向にスライドさせ前記開口部62の位置を変位させることによって、図31(a)のように前記開口部62とトナー搬送路51とが連通した開放状態や、図31(b)のようにシャッター部材61の円周面63でトナー搬送路51を塞ぐことによってトナー搬送路51を閉鎖状態にするような構成にしても良い。また、この際、図32に示すようにシャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とが連通している状態でのトナー搬送路51及び前記開口部62の幅が、シャッター部材61よりもトナー搬送方向上流側のトナー搬送路51a、シャッター部材の開口部62、シャッター部材61よりもトナー搬送方向下流側のトナー搬送路51bの順で大きくなるように構成したり、図33に示すように前記開口部62の幅が、トナー搬送方向の下流側よりも上流側が大きくなるようにテーパーを設けた構成としてもよい。このような構成にすることによって、シャッター部材61のスライドの変位量のバラツキによる流路負荷変動を小さくすることができる。
【0045】
次に、上述したシャッター機構60を本実施形態のトナーボトルユニット17に適用した場合について説明する。
図34に示すように、ホッパー16に交わるように前述した円筒状の穴が設けられており、その穴にバネ部材64を介してシャッター部材61が前記穴部の内部で回転可能なように構成されている。また、シャッター部材61にはトナーボトルユニット17本体に設けられた後述する支持部材52に係合されるハンドル部65があり、支持部材52の上下運動に連動してハンドル部65がシャッター部材61の長手方向の回転軸を中心に回転するように構成されている。
【0046】
次に、シャッター機構によるトナー搬送路の開閉動作について説明する。支持部材52の上下運動は、図35に示すようにプリンタ本体に位置決めされて設けられたカム部材53のカム面54と接触する支持部材52の一部が、カム面54上に沿って移動することにより行われる。なお、図35はトナーボトルユニット17が装置本体の所定の位置に装着される前の状態を示している。この状態では、支持部材52はカム部材53のカム面54で一番低い位置にあり、シャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とは連通しておらず、トナー搬送路51が閉鎖状態となっている。図36は、さらにトナーボトルユニット17を装置本体の所定の装着位置側に移動させた状態を示したものであり、支持部材52はカム部材53の凸部分55の傾斜したカム面54上に移動している。この凸部分55上のカム面54上の位置は図34で支持部材52がカム面54と接触していた位置よりも高い位置にあるので、これにより、支持部材52は図35の場合よりも上方向に移動し、それに連動してシャッター部材61のハンドル部65がシャッター部材61の長手方向の回転軸を中心に矢印I方向に回転することによって、シャッター部材61の開口部62の位置を変位させている。なお、図36ではトナーボトルユニット17が装置本体の所定の位置に完全に装着されていないので、開口部62とトナー搬送路51とが完全に連通していない。図37はトナーボトルユニット17を装置本体内の所定の装着位置に完全に装着した状態を示したものであり、支持部材52はカム部材53の凸部分55の頂点、つまり、カム部材53における最も高い位置にあるカム面54上に移動している。これにより、支持部材52が図36よりもさらに上方向に移動し、その移動に連動してハンドル部65が前記回動軸を中心に前記矢印I方向に回転することによって、シャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とが完全に連通した状態にすることができる。
【0047】
上述したように、本実施形態のようなシャッター機構60をトナーボトルユニット17に用いることにより、ユーザーによる特別な作業を伴わずしてトナー搬送路51を開放状態にすることができ、また、トナーボトルユニット17を装置本体に装着する作業中に誤ってシャッター機構60を作動させトナー搬送路51を開放状態にしてしまうのを抑制することができる。
なお、トナーボトルユニット17を装置本体から引き出す際には、言うまでもなく、前述した逆の動作が行われ、ユーザーによる特別な作業を伴わずしてトナー搬送路51をシャッター部材61により閉鎖状態にすることができ、また、トナー搬送路51を開放状態から閉鎖状態へ確実に移行することができる。
【0048】
以上、本実施形態によれば、円筒状のトナーボトル20の開口部23に設けられた取外し可能な栓25を開口部23から取り外して開口部23を開口状態にする、及び、開口部23に栓25を取り付けて閉塞状態にする開閉手段であるコレットチャック30と、コレットチャック30によって開口部23を開口状態にする開位置と、コレットチャック30によって開口部23を閉塞状態にする閉位置との間で変位可能な開閉操作手段である操作レバー41とを有し、操作レバー41が前記閉位置から前期開位置へ変位するのに連動して、開口部23が閉塞状態から開口状態になるようにコレットチャック30を動作させ、操作レバー41が前記開位置から前記閉位置へ変位するのに連動して、開口部23が開口状態から閉塞状態になるようにコレットチャック30を動作させるように構成した、画像形成装置であるプリンタに対して着脱自在なトナーボトルユニット17において、操作レバー41は、トナーボトル20の中心軸と同軸上または略同軸上で、且つ、ユニット本体がプリンタに装着されるときの装着移動方向後端側のユニット本体端部に設けられており、少なくとも操作レバー41における前記中心軸上または前記軸近傍の前記装着移動方向後端側端部を押すことによって、ユニット本体がプリンタに装着可能に構成されており、さらに操作レバー41は、前記中心軸と同軸または略同軸の回動軸を中心に回動することによって前記開位置と前記閉位置との間を変位するものである。これにより、操作レバー41が前記軸と同軸上または略同軸上にある回動軸を中心に回動することによって前記開位置と前記閉位置との間を変位し、その回動に連動してコレットチャック30がトナーボトル20に対し栓25の取付け取外しを行う。また、トナーボトルユニット17をプリンタ本体に装着する際に操作レバー41を押す箇所が前記軸上若しくはその近傍なので、操作レバー41を押す力の方向が前記軸方向からずれて前記押す力の分力により操作レバー41を回動する方向に力がかかったとしても、前記押す箇所と前記回動軸との距離が短いため操作レバー41を回動させるだけの力とはなりえず、操作レバー41が回動することがない。これにより、操作レバー41をを押す力の方向が前記軸方向からずれたとしても、操作レバー41が回動しないのでコレットチャック30がトナーボトル20から栓25を取り外すことがない。よって、、プリンタ本体にトナーボトルユニット17を装着している最中に、トナーボトル20の栓25を誤って開けてしまい、トナーボトル20の開口部23からトナーが飛散するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、操作レバー41の回動を規制する回動規制手段を有しており、上記操作レバー41の回動を規制する規制手段であるロック部材44と被ロック部材45とを有しており、本実施形態においては、トナーボトルユニット17本体に設けられた係合部材であるロック部材44と、ロック部材44と係合する操作レバー41に設けられた被係合部材45とを有しており、係合部材44と被係合部材45とが係合することによって操作レバー41の回動を規制するように構成している。これにより、トナーボトル20の交換作業などの際に、ユーザーが誤って操作レバー41を回動させてコレットチャック30によりトナーボトル20から栓25を取外し、開口部23を開放状態にしてしまうのを抑制することができる。よって、トナーボトル20の交換作業中にトナーボトル20からトナーが飛散してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、トナーボトルを保持するトナーボトルユニットを、所定の引き出し位置であるとボトルと所定の装着位置であるトナー補給用位置Bとの間で往復移動自在に支持する、プリンタ本体内に設けられた支持部材22上に設置することにより、、トナーボトル20やトナーボトルユニット17を交換するときに、トナーボトルユニット17の着脱作業を簡単に行なうことができる。
また、本実施形態によれば、トナーボトルユニット17がボトル載置用位置Aに装着され、支持部材22と係合部材44とが接触した際に、係合部材44と被係合部材45との係合が解除されるように構成している。これにより、操作レバー41の回動動作の規制をトナーボトルユニット17をプリンタ本体内のボトル載置用位置Aに装着するだけで解除することができるので、ユーザーが前記規制を解除するために特別な作業をする必要がなく、作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、支持部材22に、トナーボトルユニット17の上記着脱方向の移動を規制する移動規制部材である規制部材48が設けられており、トナーボトルユニット17がボトル載置用位置Aに装着され、規制部材48と係合部材44とが接触した際に、係合部材44と被係合部45との係合が解除されるように構成している。規制部材48は、ユーザがトナーボトルユニット17をプリンタ本体から引き出し過ぎてしまい、トナーボトルユニット17がプリンタ本体から脱落してしまうのを抑制するために、支持部材22のトナーボトルユニット引出し方向最下流側に設けている。また、トナーボトルユニット17を交換する際には、規制部材48をプリンタ本体から取り外し、トナーボトルユニット17をプリンタ本体から完全に引き出すことによって行う。この際、トナーボトルユニット17の交換作業を終えた後に、規制部材48を支持部材22に取り付けるのを忘れてしまう恐れがある。そのため、トナーボトルユニット17がプリンタ本体の所定の位置に装着されたときに、係合部材44に設けられたロック解除部46と規制部材48とが接触することによってロック解除部46が前記矢印G方向に移動し、ロック部材44が回動軸47を中心に前記矢印H方向に回動することによってロック部材44と被ロック部材45との係合が解除されるようにしている。これにより、規制部材48をプリンタ本体に取り付けるのを忘れてしまった場合、トナーボトルユニット17を前記所定の位置であるトナー補給用位置Bに装着したとしてもロック部材44と被ロック部材45との係合が解除されず操作レバー41の回動が規制されたままの状態となるので、ユーザーが規制部材48を支持部材48に取り付けるのを忘れたことに気づき、前述したような不具合が生じる恐れを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、係合部材44は弾性体であり、トナーボトルユニット17がボトル載置用位置Aに装着されたときに係合部材44が弾性変形することで、係合部材44と被係合部材45との係合が解除され、且つ、トナーボトルユニット17がプリンタ本体のボトル載置用位置Aから脱着されたときに、係合部材44が自身の復元力によって元の形状に戻ることで、係合部材44と被係合部材45とが係合するように構成している。これにより、別途バネなどの加圧部品を追加して係合部材44と被係合部45とを係合させる装置を新たに設ける必要がないので低コストとなり、さらに、ユーザーがトナーボトルユニット17をプリンタ本体から脱着する際に、係合部材44と被係合部45とを係合させるための特別な作業をする必要がないので、作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、装置本体に設けられた嵌合部49と、嵌合部49と嵌合する操作レバー41に設けた被嵌合部50とを有しており、トナーボトルユニット17がボトル載置用位置Aに装着され、且つ、操作レバー41が上記開位置以外に変位している場合には、嵌合部49と被嵌合部50とが嵌合するように構成している。これにより、トナーボトル20から栓25が取り外され、開口部23が開放されたままの状態でトナーボトルユニット17を装置本体から引き出されるのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、トナーを収納するトナーボトル20と、トナーボトル20のトナーが外部に搬送するための搬送路であるトナー搬送路51を形成する搬送路形成部材であるホッパー16と、ホッパー16の側壁に設けられた断面円形状の穴と、前記穴の内壁と密着した状態で嵌り込む円柱形状のシャッター部材61とを有し、外部から動力を受けることでシャッター部材61が前記穴の内部で変位して、トナー搬送路51を開閉するように構成されている。なお、前記穴や前記円柱形状のシャッター部材61の加工精度は、ボール盤や旋盤などによって低コストで簡単に高精度を出すことができる。これにより、シャッター部材61と前記穴の内壁との間にトナーが入り込まないように、シャッター部材61と前記穴の内壁とを高精度で密着させることができるので、シャッター部材61でトナー搬送路51を閉じた際に、シャッター部材61と前記穴の内壁との間にトナーによる隙間が生じるのを抑制することができる。よって、シャッター部材61によりトナー搬送路51を確実に閉鎖状態にすることができるので、一般にトナー漏れを防ぐために用いられるシール材を設けなくても、閉鎖状態にあるトナー搬送路51からトナーが漏れ出すのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上記シャッター部材61は、シャッター部材61の円周面63を貫通する開口部62を有しており、シャッター部材61が、前記開口部62とトナー搬送路51とが連通する位置と、前記円周面63がトナー搬送路51を閉じる位置とに変位可能なように構成している。これにより、シャッター部材61と前記穴の内壁と間にトナーが入り込むことをさらに抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上記シャッター部材61は、上記穴内で前記穴の長手方向の軸を中心に回転することによってトナー搬送路51を開閉するものである。これにより、トナー搬送路51を開閉する際にシャッター部材61を前記穴の長手方向に移動させる必要がないので、シャッター部材61を移動させるためのスペースを少なくすることができ、省スペース化が可能となる。
また、本実施形態によれば、上記シャッター部材61は、上記穴内で前記穴の長手方向にスライドすることによってトナー搬送路51を開閉するものである。これにより、例えば、トナーボトルユニット17をプリンタ本体に対して着脱する方向と、シャッター部材61のスライド方向とが略同じになるようにシャッター機構60を構成することにより、非常に簡単な構成でトナーボトルユニット17の着脱時の移動に連動したシャッター機構60を設けることが可能となる。
また、本実施形態によれば、シャッター部材61の開口部62とトナー搬送路51とが連通している状態でのトナー搬送路51及び前記開口部62におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、シャッター部材61よりもトナー搬送方向上流側のトナー搬送路51、シャッター部材61の開口部62、シャッター部材61よりもトナー搬送方向下流側のトナー搬送路51の順で大きくなるように構成している。これにより、シャッター部材61がトナー搬送路51を開閉する際の位置変位の変位量のバラツキによる流路負荷変動を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、上記シャッター部材61の開口部62におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、上記トナー搬送方向の下流側よりも上流側が大きくなるようにテーパーを設けている。開口部62をこのような構成にすることによっても、シャッター部材61がトナー搬送路51を開閉する際の位置変位の変位量のバラツキによる流路負荷変動を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、上記トナー搬送路51の内壁に、使用するトナーの安息角よりも大きい角度の傾斜を設けている。これにより、前記内壁の摩擦係数やトナーの流動性などとは関係なく、重力によってトナーが前記内壁から移動するので、前記内壁にトナーが蓄積するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0049】
17 トナーボトルユニット
20 トナーボトル
21 ボトルホルダー
22 支持部材
23 開口部
24 カラー
25 栓
26 摘み部
28 ストッパーカバー
30 コレットチャック
31 支持壁
32 孔部
33 挾持部
35 カム面
40 カム装置
41 操作レバー
42 半球穴部
44 ロック部材
45 被ロック部材
46 ロック解除部
47 回動軸
48 規制部材
49 嵌合部
50 被嵌合部
51 トナー搬送路
52 支持部材
53 カム部材
54 カム面
55 凸部分
60 シャッター機構
61 シャッター部材
62 開口部
63 円周面
64 バネ部材
65 ハンドル部
70 移動部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特許第3492856号公報
【特許文献2】特開2006−259228号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のトナーボトルの開口部に設けられた取外し可能な栓を該開口部から取り外して該開口部を開口状態にする、及び、該開口部に該栓を取り付けて閉塞状態にする開閉手段と、
該開閉手段によって該開口部を開口状態にする開位置と、該開閉手段によって該開口部を閉塞状態にする閉位置との間で変位可能な開閉操作手段とを有し、
該開閉操作手段が該閉位置から該開位置へ変位するのに連動して、該開口部が閉塞状態から開口状態になるように該開閉手段を動作させ、該開閉操作手段が該開位置から該閉位置へ変位するのに連動して、該開口部が開口状態から閉塞状態になるように該開閉手段を動作させるように構成した、画像形成装置に対して着脱自在なトナーボトルユニットにおいて、
該開閉操作手段は、該トナーボトルの中心軸と同軸上または略同軸上で、且つ、ユニット本体が該画像形成装置に装着されるときの装着移動方向後端側のユニット本体端部に設けられており、少なくとも該開閉操作手段における該中心軸上または該軸近傍の該装着移動方向後端側端部を押すことによって、ユニット本体が該画像形成装置に装着可能に構成されており、
さらに該開閉操作手段は、該中心軸と同軸または略同軸の回動軸を中心に回動することによって該開位置と該閉位置との間を変位するものであることを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項2】
請求項1のトナーボトルユニットにおいて、
上記開閉操作手段の回動を規制する回動規制手段を有していることを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項3】
請求項1のトナーボトルユニットにおいて、
装置本体に設けられた係合部材と、
該係合部材と係合する上記開閉操作手段に設けられた被係合部材とを有しており、
該係合部材と該被係合部材とが係合することによって該開閉操作手段の回動を規制するように構成したことを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項4】
トナーボトルを着脱自在に保持するトナーボトルユニットと、
該トナーボトルユニットを所定の引き出し位置と所定の装着位置との間で往復移動自在に支持する支持部材とを備えた画像形成装置において、
該トナーボトルユニットとして、請求項1または2のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
トナーボトルを着脱自在に保持するトナーボトルユニットと、
該トナーボトルユニットを所定の引き出し位置と所定の装着位置との間で往復移動自在に支持する支持部材とを備えた画像形成装置において、
該トナーボトルユニットとして、請求項3のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着され、上記支持部材と上記係合部材とが接触した際に、該係合部材と上記被係合部材との係合が解除されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5の画像形成装置において、
上記支持部材に、上記トナーボトルユニットの上記着脱方向の移動を規制する移動規制部材が設けられており、
該トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着され、該移動規制部材と上記係合部材とが接触した際に、該係合部材と上記被係合部との係合が解除されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6または7の画像形成装置において、
上記係合部材は弾性体であり、上記トナーボトルユニットが上記所定の装着位置に装着されたときに該係合部材が弾性変形することで、該係合部材と上記被係合部材との係合が解除され、且つ、該トナーボトルユニットが装置本体の所定の位置から脱着されたときに、該係合部材が自身の復元力によって元の形状に戻ることで、該係合部材と該被係合部材とが係合するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求4、5、6、7または8の画像形成装置において、
装置本体に設けられた嵌合部と、
該嵌合部と嵌合する上記開閉操作手段に設けた被嵌合部とを有しており、
上記トナーボトルユニットが上記所定の所定の装着位置に装着され、且つ、該開閉操作手段が上記開位置以外に変位している場合には、該嵌合部と該被嵌合部とが嵌合するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
トナーを収納するトナーボトルと、
該トナーボトルのトナーが外部に搬送するための搬送路を形成する搬送路形成部材と、
該搬送路形成部材の側壁に設けられた断面円形状の穴と、
該穴の内壁と密着した状態で嵌り込む円柱形状のシャッター部材とを有し、
外部から動力を受けることで該シャッター部材が該穴の内部で変位して、該搬送路を開閉するように構成されていることを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項11】
請求項10のトナーボトルユニットにおいて、
上記シャッター部材は、該シャッター部材の円周面を貫通する開口部を有しており、
該シャッター部材が、該開口部と上記搬送路とが連通する位置と、該円周面が該搬送路を閉じる位置とに変位可能なように構成したことを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項12】
請求項11のトナーボトルユニットにおいて、
上記シャッター部材は、上記穴の内部で該穴の長手方向の軸を中心に回転することによって上記搬送路を開閉するものであることを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項13】
請求項10または11のトナーボトルユニットにおいて、
上記シャッター部材は上記穴の内部で該穴の長手方向にスライドすることによって上記搬送路を開閉するものであることを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項14】
請求項11、12または13のトナーボトルユニットにおいて、
上記シャッター部材の開口部と上記搬送路とが連通している状態での該搬送路におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、該シャッター部材よりもトナー搬送方向上流側の該搬送路、該シャッター部材の開口部、該シャッター部材よりも該トナー搬送方向下流側の該搬送路の順で大きくなるように構成したことを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項15】
請求項11、12または13のトナーボトルユニットにおいて、
上記開口部の上記搬送路におけるトナー搬送方向と直交する方向の幅が、該トナー搬送方向の下流側よりも上流側が大きくなるようにテーパーを設けたことを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項16】
請求項10、11、12、13、14または15のトナーボトルユニットにおいて、
上記搬送路の壁面に、使用するトナーの安息角よりも大きい角度の傾斜を設けたことを特徴とするトナーボトルユニット。
【請求項17】
トナーボトルのトナーを装置本体へ供給するトナーボトルユニットを備えた画像形成装置において、
該トナーボトルユニットとして、請求項10、11、12、13、14、15または16のトナーボトルユニットを設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2011−175303(P2011−175303A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130897(P2011−130897)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【分割の表示】特願2006−339028(P2006−339028)の分割
【原出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】