説明

トナー供給ローラ及びその製造方法

【課題】トナー供給を良好に行うことができると共に、トナーの劣化を抑制し、かつ優れた画質を得ることができるトナー供給ローラ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】トナー供給ローラ10は、スラブポリウレタン発泡体よりなるローラ本体12の表面に、発泡体の原料がローラ本体12の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングされ、発泡されて形成された突条よりなるトナー掻き取り層13を備えている。トナー掻き取り層13を形成する発泡体は、該発泡体の原料が機械的な撹拌により微細な気泡が形成され、その状態で硬化されて調製されるものが好ましい。前記トナー掻き取り層13はローラ本体12の表面積の25〜75%で形成されていることが好ましい。トナー掻き取り層13の厚さは0.1〜1mm、ローラ本体12の周方向におけるトナー掻き取り層13の間隔は0.5〜3mmが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機(コピー機)、プリンタ、ファクシミリ等の、電子写真の原理を利用して記録用紙に画像又は文字を印刷する画像形成装置に用いられるトナー供給ローラ及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この種の画像形成装置において、感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体上に鮮明なトナー像を形成するために用いられるトナー供給ローラ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体(像担持体)の表面を、帯電装置でコロナ放電により一定電位に帯電させた上で、これに対して記録されるべき画像や文字に対応するパターンがレーザー発振器やLEDで光照射することにより静電潜像として形成される。得られた静電潜像が、現像装置の現像ローラから供給されるトナー(固体現像剤)により現像され、可視化される。さらに、そのトナー像が記録用紙に転写され、定着されることにより印刷が行われる。前記現像装置においては、ホッパー内に収容された10μm以下のトナーを現像ローラに適量供給したり、掻き取ったりするため、軟質の弾性ローラからなるトナー供給ローラが内蔵されている。
【0003】
係るトナー供給ローラとしては、ポリウレタン発泡体又はシリコーン発泡体よりなる弾性ローラが用いられている。そのような弾性ローラの製造方法として、スラブ発泡法によるポリウレタン発泡体から切り出す方法は、金型を必要としないため金型の管理及び補修に伴う煩雑さがなく、二液性液体原料を注入することに伴う不具合の発生がなく、しかも機械的物性に優れたスラブポリウレタン発泡体を使用できる点から好ましい方法である。
【0004】
しかしながら、そのようなスラブポリウレタン発泡体においては、ローラ素材を切り出し、それに芯金を通した後、表面を研磨してローラ形状に仕上げられてトナー供給ローラが得られる。係るトナー供給ローラは、トナーがその表面から内部へ入り込みやすく、入り込んだトナーは圧力を受けて劣化し、ローラ内部に固着することでさらにトナーの劣化が進行する。このような現象は発泡体が硬いほど起きやすいことから、発泡体として低硬度のものを使用すると、トナーの掻き取り性が低下し、画像にゴーストが現れたり、トナーのフィルミングを引き起こしたりして画質の低下を招くという欠点があった。
【0005】
このような欠点を解消するために、芯金の外周に設けられたポリウレタン発泡体の表面を所定の凹凸形状にし、研磨加工を省略したトナー供給ローラが提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【特許文献1】特開平11−38749号公報(第2頁及び第9頁)
【特許文献2】特開2002−236416号公報(第2頁及び第5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1及び2に記載されたトナー供給ローラのポリウレタン発泡体は、いずれも金型内で成形された成形体(モールド成形体)であることから、硬さ等の機械的物性をトナー供給ローラに適するように調整することが難しい。さらに、ポリウレタン発泡体は一体的に成形されるため、ローラ表面における硬さが硬いとトナーがローラ内部に入り込んでトナーが劣化し、ローラ表面の硬さを抑えようとするとローラ全体が柔らかくなり過ぎるという傾向があった。従って、係るトナー供給ローラを用いた画像形成装置では良好な画質が得られず、さらに適正なトナー供給量が得られない上に、トナーの劣化を生ずるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、トナー供給を良好に行うことができると共に、トナーの劣化を抑制し、かつ優れた画質を得ることができるトナー供給ローラ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1のトナー供給ローラは、ポリウレタン発泡体よりなるローラ本体の表面に、発泡体の原料がローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングされ、発泡されて形成された突条よりなるトナー掻き取り層を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2のトナー供給ローラは、請求項1に係る発明において、前記トナー掻き取り層を形成する発泡体は、該発泡体の原料が機械的な撹拌により微細な気泡が形成され、その状態で硬化されて調製されるものであることを特徴とする。
【0010】
請求項3のトナー供給ローラは、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記トナー掻き取り層はローラ本体の表面積の25〜75%の範囲で形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4のトナー供給ローラは、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記トナー掻き取り層の厚さは0.1〜1mmであることを特徴とする。
請求項5のトナー供給ローラは、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明において、前記ローラ本体の周方向におけるトナー掻き取り層の間隔は0.5〜3mmであることを特徴とする。
【0012】
請求項6のトナー供給ローラの製造方法は、請求項1から請求項5のいずれかに係るトナー供給ローラの製造方法である。すなわち、前記ローラ本体の表面に、発泡体の原料をローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングし、発泡させて突条よりなるトナー掻き取り層を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項7のトナー供給ローラの製造方法は、請求項6に係る発明において、前記トナー掻き取り層を形成する発泡体の原料の塗布は、スクリーン印刷法によるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1のトナー供給ローラでは、ローラ本体がポリウレタン発泡体により形成され、その硬さ、セル構造等の物性に基づいてローラ本体の表面から内部へのトナーの入り込みが抑えられ、トナーの劣化を抑制することができると共に、得られる画質を良好にすることができる。さらに、ローラ本体の表面に、発泡体の原料がローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングされ、発泡されて形成された突条よりなるトナー掻き取り層が設けられている。このため、トナーの掻き取り性を良くすることができ、トナー供給を良好に行うことができると共に、優れた画質を安定して得ることができる。
【0015】
請求項2のトナー供給ローラでは、トナー掻き取り層を形成する発泡体は、該ポリウレタン発泡体の原料が機械的な撹拌により微細な気泡が形成され、その状態で硬化されて調製されたものである。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、発泡体のセルを均一にすることができ、トナーの掻き取り性を向上させることができると共に、画質の均一化を図ることができる。
【0016】
請求項3のトナー供給ローラでは、トナー掻き取り層はローラ本体の表面積の25〜75%の範囲で形成されていることから、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、トナーの掻き取り性を十分に発揮でき、トナーの供給性を向上させることができる。
【0017】
請求項4のトナー供給ローラでは、トナー掻き取り層の厚さが0.1〜1mmであることから、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、トナーの掻き取り性を向上させ、トナーの供給を安定した状態で行うことができる。
【0018】
請求項5のトナー供給ローラでは、ローラ本体の周方向におけるトナー掻き取り層の間隔が0.5〜3mmであることから、ローラ本体の周方向におけるトナー掻き取り層の数を十分に確保することができ、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果を向上させることができる。
【0019】
請求項6のトナー供給ローラの製造方法では、ローラ本体の表面に、発泡体の原料をローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングし、発泡させて突条よりなるトナー掻き取り層が形成される。従って、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果を有するトナー供給ローラを効率良く製造することができる。
【0020】
請求項7のトナー供給ローラの製造方法では、トナー掻き取り層を形成する発泡体の原料の塗布は、スクリーン印刷法によるものであることから、請求項6に係る発明の効果に加えて、発泡体原料の塗布を容易かつ精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、トナー供給ローラ10は、金属よりなる回転軸11の外周部に、ポリウレタン発泡体よりなるローラ本体12が一体的に設けられて構成されている。ローラ本体12を構成するポリウレタン発泡体としては、スラブ発泡法により得られるスラブポリウレタン発泡体のほか、成形型を用いたモールド発泡法により得られるモールドポリウレタン発泡体も用いられるが、表面状態がトナーの掻き取り性や供給性に適している点からスラブポリウレタン発泡体が好ましい。
【0022】
ローラ本体12は、ポリウレタン発泡体のブロックを筒状に切り取り、その中心部に回転軸11を挿通して接着することにより形成されている。ローラ本体12の表面には、発泡体の原料がローラ本体12の軸線方向(図1に矢印で示す)に延び、かつ周方向(図1に矢印で示す)に一定間隔をおいて印刷又はコーティングされ、発泡されて形成された突条よりなるトナー掻き取り層13が設けられている。なお、図2におけるトナー掻き取り層13は、理解を容易にするために、厚さを厚くするなど模式的に示されている。
【0023】
ここで、画像形成装置について簡単に説明すると、円筒状をなす感光体は一定方向に回転可能に構成され、その上方位置には帯電ローラが設けられ、該帯電ローラは感光体の表面をコロナ放電により一定電位に帯電させるようになっている。感光体の回転方向において、帯電ローラの隣接位置には露光部が設けられ、記録されるべき画像や文字に対応するパターンがレーザー発振器やLED(発光ダイオード)にて光照射されて静電潜像として形成されるように構成されている。
【0024】
感光体の回転方向において、露光部の隣接位置にはトナー供給ローラ10を備えた現像部が設けられ、トナーカートリッジ内の現像剤としてのトナーがトナー供給ローラ10によって現像ローラ上に供給されるようになっている。そして、感光体上の静電潜像が、トナー供給ローラ10から現像ローラを介して供給されるトナーにより現像され、そのトナー像により可視化される。感光体の下方位置には反時計方向に回転する転写ローラが設けられ、感光体と転写ローラとの間には記録用紙が通過し、感光体上のトナー像が記録用紙に転写される。転写ローラより記録用紙の進行方向には定着部が設けられ、記録用紙に転写されたトナー像を定着し、印刷を完了するように構成されている。
【0025】
前記スラブポリウレタン発泡体について説明すると、スラブ発泡法は、混合、攪拌された発泡体の原料(反応混合液)をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に反応原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することにより発泡体を製造する方法である。得られる発泡体のブロックは、所定形状に裁断されて使用される。スラブ発泡法により製造される軟質ポリウレタン発泡体は連続気泡構造を有しており、ゴムスポンジやポリエチレン発泡体のような独立気泡構造を有する発泡体に比べて通気性などの物性を発揮することができる。ここで、軟質ポリウレタン発泡体は、軽量で、一般にセル(気泡)が連通する連続気泡構造を有し、柔軟性があって、かつ復元性を有するものをいう。スラブポリウレタン発泡体の原料は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤、整泡剤等を含有している。
【0026】
前記ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられるが、ポリエーテルポリオールはポリエステルポリオールに比べ、ポリイソシアネート類との反応性が良く、得られるポリウレタン発泡体のひずみが小さく、かつ加水分解しにくいことから、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
【0027】
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールにプロピレンオキシドを付加重合させた重合体、エチレンオキシドを付加重合させた重合体、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させた重合体、或いはそれらの変性体等が用いられる。変性体としては、前記ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル又はスチレンを付加させたもの、或はアクリロニトリルとスチレンの双方を付加させたもの等が挙げられる。ここで、多価アルコールは1分子中にヒドロキシル基を複数個有する化合物であり、例えばグリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
【0028】
これらのポリエーテルポリオールは、末端に第1級のヒドロキシル基を有していることから、ポリイソシアネート類との反応性が高い。ポリエーテルポリオールの平均分子量は2000〜6000であることが好ましい。この平均分子量が2000未満の場合には得られるポリウレタンの発泡体の成形時における安定性が低下し、6000を越える場合にはポリウレタン発泡体の反発性能が著しく大きくなり、クッション性が低下し、感光体への接触圧が高くなり過ぎる傾向を示す。このポリエーテルポリオールは、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって、ヒドロキシル基の官能基数やヒドロキシル基価を変えることができる。
【0029】
上記のポリオール類と反応させるポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート類、又はこれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネートプレポリマー類、カルボジイミド変性ポリイソシアネート類等の変性ポリイソシアネート類、さらにはこれらの混合ポリイソシアネート等が用いられる。これらのうち、トリレンジイソシアネート及びその誘導体、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその誘導体が好ましく、これらを混合して使用することもできる。
【0030】
ポリイソシアネート類のイソシアネート指数(イソシアネートインデックス)は100以下又は100を越えてもよいが、ポリウレタン発泡体の硬さをトナー供給ローラに適するようにするために、100〜110の範囲であることが好ましい。イソシアネート指数が100未満の場合、ポリウレタン発泡体が柔らかくなってトナーの掻き取り性が低下する。一方、イソシアネート指数が110を越える場合、ポリウレタン発泡体が硬くなる傾向を示し、感光体の表面を傷付けるおそれがでてくる。ここで、イソシアネート指数は、ポリオール類の水酸基、発泡剤としての水(水酸基として計算)等の活性水素基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものである。
【0031】
前記触媒はポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応(樹脂化反応)、ポリイソシアネート類と水との泡化反応、尿素化合物とポリイソシアネート類との硬化反応(架橋反応)等の各反応を促進させるためのものである。係る触媒として具体的にはトリエチレンジアミン(TEDA)、ジメチルエタノールアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン等の3級アミン、オクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。また、その他の触媒として、発泡体表面における硬化性を向上させるために、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン系の触媒を用いることもできる。触媒の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.05〜0.5質量部程度である。
【0032】
発泡剤は、ポリウレタンを発泡させてポリウレタン発泡体を得るためのもので、代表的には化学的発泡剤としての水が挙げられる。水は主にポリイソシアネート類と反応(泡化反応)して炭酸ガスを発生する。発泡剤としては、水以外にその他の化学的発泡剤又は物理的(機械的)発泡剤を用いることができる。化学的発泡剤としては、有機酸、硼酸等の無機酸類、炭酸アルカリ金属塩、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネート等が挙げられる。これらの化学的発泡剤は、ポリウレタン発泡体の原料成分との反応又は加熱による分解によってガスを発生する。一方、物理的発泡剤としては、ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素類、HCFC−22、141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類、HFC−245類、356類等のハイドロフルオロカーボン類、空気、窒素ガス、炭酸ガス(二酸化炭素)等のガスが挙げられる。
【0033】
発泡剤としての水の配合量は、ポリオール類100質量部当たり1〜7質量部程度であることが好ましい。水の配合量が1質量部未満の場合には泡化反応が不十分となって発泡体のクッション性が損なわれやすくなり、7質量部を越える場合には泡化反応が過剰になって発泡体が柔らかくなり過ぎ、トナー供給ローラ10表面のトナーに対する掻き取り性が低下する。
【0034】
整泡剤はポリウレタン発泡体の原料に通常配合されるもののいずれも使用することができるが、例えばオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はそれらの混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、フェノール系化合物等が挙げられる。整泡剤の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.1〜2.0質量部程度であることが好ましい。その他ポリウレタン発泡体の原料には、ポリアルキレンオキシドポリオール等のセルオープナー、縮合リン酸エステル等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を用いることができる。
【0035】
前記ポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応の際には、ワンショット法又はプレポリマー法が採用される。ワンショット法は、ポリオール類とポリイソシアネート類とを直接反応させる方法である。プレポリマー法は、ポリオール類とポリイソシアネート類との各一部を事前に反応させて末端にイソシアネート基又はヒドロキシル基を有するプレポリマーを得、それにポリオール又はポリイソシアネートを反応させる方法である。
【0036】
このようにして得られるスラブポリウレタン発泡体は、骨格が三次元に網目状に延び、その間には多数のセルが形成され、セルが三次元的に連続して延びる三次元の連通構造を有している。また、スラブポリウレタン発泡体は、ハードセグメントとソフトセグメントとにより構成されるポリウレタンの性質に基づいて一定の強度と所要の弾力性を有し、良好なひずみ性(復元性)を発揮することができる。ポリウレタン発泡体のJIS K6400に基づく平均セル径は300〜800μmであることが好ましい。平均セル径が300μm未満のときには骨格部分が多くなり、トナー供給ローラ10が感光体の表面を傷付ける傾向を示し、800μmを越えるときにはセルが大きくなって空間部分が増え、トナーの掻き取り性が低下すると共に、トナー供給ローラ10の強度が低下して耐久性が不足する。従って、平均セル径の逆数である平均セル数は、30〜80個/25mmであることが好ましい。
【0037】
また、ポリウレタン発泡体のJIS K7222:1999に基づく見掛け密度は20〜100kg/mであることが好ましい。見掛け密度が20kg/m未満の場合には、セルを形成する骨格部分が少なくなってトナー供給ローラ10表面のトナー掻き取り性が低下すると共に、セルが大きくなってトナー供給ローラ10の強度が低下する。一方、見掛け密度が100kg/mを越える場合には、セルを形成する骨格部分が多くなってトナー供給ローラ10が感光体表面を傷付けるおそれがある。
【0038】
次に、前記トナー掻き取り層13を形成するための発泡体は、ポリウレタン水分散液から得られる発泡体、機械的発泡により得られるポリウレタン発泡体などが用いられる。発泡体の原料としてポリウレタン水分散液を用いる場合には、ポリウレタン水分散液に整泡剤、増粘剤、導電剤などを配合した原料をミキサーで混合、撹拌し、空気を巻き込んで微細な気泡を形成して使用される。発泡体の原料として機械的発泡により得られるポリウレタン発泡体の原料を用いる場合には、ポリオール類に触媒、イオン導電剤等を混合したポリオール成分と、整泡剤等を混合したポリイソシアネート成分との混合液に例えば窒素ガスを供給して混合、撹拌し、微細な気泡を形成して使用される。
【0039】
このようにして得られる発泡体の原料は、印刷法又はコーティング法により、ローラ本体12の表面に適用される。その場合、発泡体の原料はローラ本体12の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて形成される。その後、加熱され、発泡、硬化されることにより、トナー掻き取り層13が形成される。印刷法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等が採用されるが、発泡体原料の塗布を容易に、しかも精度良く行うために、スクリーン印刷法が望ましい。また、コーティング法としては、ロールコート法、吹付け法、浸漬法等が採用される。
【0040】
この場合、トナー掻き取り層13は、トナーの掻き取り性を高め、トナーの供給性を向上させるためにローラ本体12の表面積の25〜75%の範囲で形成されることが好ましい。トナー掻き取り層13の面積が25%を下回るときには、トナー掻き取り層13の割合が少なく、トナー掻き取り層13を設ける目的を果たすことが難しくなる。その一方、75%を超えるときには、トナーの掻き取り性が強く作用したりして感光体表面を傷付けるおそれがあり、好ましくない。
【0041】
また、トナー掻き取り層13の厚さは、トナーの掻き取り性を高め、トナーの供給を安定させるために0.1〜1mmであることが好ましい。トナー掻き取り層13の厚さが0.1mmより薄い場合には、トナーの掻き取り性が弱くなって好ましくない。その一方、トナー掻き取り層13の厚さが1mmより厚い場合には、トナー掻き取り層13によるトナーの掻き取り性が強くなり、感光体表面に損傷を与える傾向にあって好ましくない。
【0042】
さらに、ローラ本体12の周方向におけるトナー掻き取り層13の間隔は、ローラ本体12の周方向におけるトナー掻き取り層13の数を十分に確保し、その機能を発揮する上で0.5〜3mmであることが好ましい。トナー掻き取り層13の間隔が0.5mmに満たない場合、トナー掻き取り層13が密になって、その作用が強く発現されるため好ましくない。一方、トナー掻き取り層13の間隔が3mmを超える場合、トナー掻き取り層13が粗になって、その作用を十分に発揮することができなくなるため好ましくない。
【0043】
なお、トナー掻き取り層13の幅は、トナー掻き取り層13の機能を十分に発揮させるために0.5〜3mmであることが好ましい。トナー掻き取り層13の幅が0.5mmより狭いときには、トナーの掻き取り作用が弱くなって好ましくない。その一方、トナー掻き取り層13の幅が3mmより広いときには、トナーの掻き取り作用が強く働き、現像ローラ表面に損傷を与えるおそれがあって好ましくない。
【0044】
次に、トナー供給ローラ10の製造方法について説明する。
まず、常法に従ってローラ本体12を構成するスラブポリウレタン発泡体を製造し、その発泡体ブロックを筒状に切り取り、中心に回転軸11を嵌め込んで一体化する。一方、トナー掻き取り層13を形成する発泡体の原料として、機械的な撹拌により微細な気泡が形成されたポリウレタン発泡体の原料を用意する。そして、係る発泡体の原料をローラ本体12の表面に、その軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいてスクリーン印刷を施す。その後、加熱により発泡させてトナー掻き取り層13を形成する。このようにして、ローラ本体12の表面に多数のトナー掻き取り層13が平行に設けられたトナー供給ローラ10が製造される。
【0045】
さて、本実施形態の作用について説明すると、画像形成装置において、帯電ローラにより感光体の表面が帯電され、露光部で露光されて所定の静電潜像が形成される。続いて、現像部のトナー供給ローラ10によりトナーが現像ローラを介して感光体表面に供給され、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。このとき、トナー供給ローラ10を構成するローラ本体12はスラブポリウレタン発泡体により形成されていることから、硬さ、セル形状、セル径等の機械的物性がトナー供給ローラ10に適したものとなっている。そのため、ローラ本体12の表面から内部へのトナーの入り込みが抑えられ、トナーの劣化が抑制されると共に、得られる画質を鮮明にすることができる。
【0046】
しかも、ローラ本体12の表面には、ローラ本体12の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて形成されたトナー掻き取り層13が設けられている。このトナー掻き取り層13がトナー供給ローラ10の回転に伴い、トナーを有効に掻き取ることができるため、感光体へのトナー供給が円滑に行われる。その後、トナー像が転写部で記録用紙に記録され、定着部で定着される。
【0047】
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態におけるトナー供給ローラ10では、ポリウレタン発泡体、特にスラブポリウレタン発泡体よりなるローラ本体12の表面に、ローラ本体12の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて形成された突条よりなるトナー掻き取り層13が設けられている。このため、トナーの劣化を抑制することができると共に、得られる画質を良好にすることができ、かつトナーの掻き取り性を良くし、トナー供給を良好に行うことができる。また、ローラ本体12とトナー掻き取り層13とは別体で構成されていることから、双方の物性の調整を容易に行うことができる。さらに、ローラ本体12表面やトナー掻き取り層13表面を研磨加工する作業を省略することができる。従って、このトナー供給ローラ10は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の現像部に好適に使用される。
【0048】
・ 前記トナー掻き取り層13を形成する発泡体は、その原料の機械的な撹拌により微細な気泡が形成され、その状態で硬化されて調製されたものであることにより、発泡体のセルを均一にすることができ、トナーの掻き取り性を向上させることができると共に、画質の均一化を図ることができる。
【0049】
・ また、トナー掻き取り層13はローラ本体12の表面積の25〜75%の範囲で形成されることにより、トナーの掻き取り性を十分に発揮でき、トナーの供給性を向上させることができる。
【0050】
・ さらに、トナー掻き取り層13の厚さが0.1〜1mmであることにより、トナーの掻き取り性を向上させ、トナーの供給を安定した状態で行うことができる。
・ また、ローラ本体12の周方向におけるトナー掻き取り層13の間隔が0.5〜3mmであることにより、ローラ本体12の周方向におけるトナー掻き取り層13の数を十分に確保することができる。
【0051】
・ トナー供給ローラ10の製造方法では、ローラ本体12の表面に、発泡体の原料をローラ本体12の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングし、発泡させてトナー掻き取り層13が形成される。従って、前記の効果を有するトナー供給ローラ10を効率良く製造することができる。
【0052】
・ トナー供給ローラ10の製造に際し、トナー掻き取り層13を形成する発泡体の原料の塗布としてスクリーン印刷法を採用することにより、発泡体原料の塗布を容易かつ精度良く行うことができる。
【実施例】
【0053】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜11及び比較例1〜8)
トナー供給ローラ10のローラ本体(直径15mm)12を形成する材料として、次に示すA〜Gのスラブポリウレタン発泡体を使用した。
【0054】
A:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が70kg/m、セル数60個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが314N、〔(株)イノアックコーポレーション製、EP70〕。
【0055】
B:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が52kg/m、セル数50個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが226N、〔(株)イノアックコーポレーション製、RMM〕。
【0056】
C:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が45kg/m、セル数45個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが177N、〔(株)イノアックコーポレーション製、RRG−H〕。
【0057】
D:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が35kg/m、セル数40個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが157N、〔(株)イノアックコーポレーション製、RR26〕。
【0058】
E:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が30kg/m、セル数38個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが98N、〔(株)イノアックコーポレーション製、RR4〕。
【0059】
F:ポリエステル系ポリウレタン発泡体、JIS K7222:1999に基づく見掛け密度が57kg/m、セル数50個/25mm、JIS K6400−2:2004に基づく硬さが200N、〔(株)イノアックコーポレーション製、RSM55〕。
【0060】
G:ポリエーテル系ポリウレタン発泡体、東海ゴム工業(株)製。
また、ローラ本体12上に設けられる突条よりなるトナー掻き取り層13を形成する材料として、次に示す材料を使用した。
【0061】
ポリウレタン水分散液:ポリウレタン水分散液〔ポリエステル系ポリウレタン、不揮発分濃度50質量%、第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスE−2000〕50質量部、同じくポリウレタン水分散液〔ポリエーテル系ポリウレタン、不揮発分濃度40質量%、第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスE−4800〕50質量部、整泡剤〔第一工業製薬(株)製、スコアミンフォーマーKF〕6質量部、増粘剤〔第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスVF〕2質量部、導電剤としてカーボンブラック分散液〔山陽色素(株)製、エマコールブラックC〕30質量部をハンドミキサーで均一になるように混合、撹拌し、微細な気泡が均一に分散されるようにした。
【0062】
機械発泡ポリウレタン:ポリマーポリオール〔三井化学(株)製、POP2430〕90質量部、ポリエステルポリオール〔ダイセル化学工業(株)製、PCL305〕8質量部、ニッケルアセチルアセトネート〔OSiスペシャリティーズ社製、LC−5615〕2質量部、アミン系触媒〔三共エアプロダクツ(株)製、DABCO−33LV〕0.1質量部及びイオン導電剤〔日本油脂(株)製、カチオンIN〕1質量部を混合、撹拌してポリオール成分を調製した。このポリオール成分と、シリコーン系整泡剤〔OSiスペシャリティーズ社製、L−5614〕8質量部と、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート〔MDI、日本ポリウレタン工業(株)製、MTL〕14質量部との混合液に、窒素ガスを流量200cm/min(0℃、1気圧)で供給すると共に、撹拌、混合して流動性樹脂原料を調製した。
【0063】
アクリルエマルジョン:アクリル樹脂発泡体の原料となるアクリル樹脂エマルジョン、日本ゼオン(株)製、ニポールLX851
そして、前記ローラ本体12の表面にトナー掻き取り層13を形成する材料を、スクリーン印刷機(スクリーンは100メッシュ)を用いて印刷した後、加熱、乾燥してトナー掻き取り層13を形成した。加熱、乾燥の条件は、ポリウレタン水分散液の場合には100℃、30分、機械発泡ポリウレタンの場合には160℃、60分に設定した。トナー掻き取り層13は、厚さ0.3mm、幅2mm、トナー掻き取り層13間の間隔4mmで、ローラ本体12の表面積の50%の範囲に設けた。
【0064】
ここで、実施例1〜11では、スラブポリウレタン発泡体とトナー掻き取り層13を形成する材料とを表1に示すように組合せて実施した。一方、比較例1〜7では、スラブポリウレタン発泡体として前記A〜Gのみを使用し、トナー掻き取り層13を設けない比較例を示す。また、比較例8では、東海ゴム工業(株)製のポリエーテル系ポリウレタン発泡体を使用し、トナー掻き取り層13を設けない比較例を示す。
【0065】
このようにして得られたトナー供給ローラ10について、硬さ及びトナー侵入量を次の方法で測定した。
ローラ硬度(N):直径50mmの円板を作製し、それを押圧して1mm変形したときの応力を測定した。
【0066】
トナー侵入量(g):トナー供給ローラ10の使用前と使用後における各質量を測定し、その質量差を算出した。
さらに、上記のトナー供給ローラ10を装着したプリンタにより、トナー被覆率5%に相当する文字パターンを印刷(A4版)し、その初期画像と耐久画像について、ゴースト画像の濃度差(マクベス濃度差)及び画像の先端部と終端部の濃度差(マクベス濃度差)を測定すると共に、画質を以下の評価基準にて評価した。ここで、耐久画像は、1,000枚印刷する毎に画像評価用のパターンを印刷して性能を評価しながら耐久試験を行い、累積で10,000枚になるまで実施した(温度23℃、相対湿度55%)。
【0067】
○:良好な画像であった。△:許容できる画像であった。×:濃度むらが生じたり、すじが発生したりして不良であった。
【0068】
【表1】

表1に示したように、実施例1〜11においては、ローラ本体12としてスラブポリウレタン発泡体を用い、その表面にポリウレタン水分散液などにより形成されたトナー掻き取り層13を設けた。そのため、トナー供給ローラ10の硬さが1.26〜3.35Nの範囲で適切であり、トナー侵入量が2.9〜3.8gという少量にすることができた。さらに、初期画像及び耐久画像について良好であり、ゴースト画像の濃度差及び画像の先端部と終端部の濃度差も小さいという結果が得られた。
【0069】
【表2】

これに対し、表2に示したように、比較例1〜7では、ローラ本体12上に前記トナー掻き取り層13を設けなかったことから、いずれもトナー侵入量が多く、また耐久画像が悪化する傾向を示した。また、比較例8では、トナー侵入量は比較的少なかったが、耐久画像が不良であった。
【0070】
なお、前記実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記トナー掻き取り層13の断面形状を、四角形状の隅部を面取りした形状、台形状、円弧状等に形成することもできる。また、その頂部を傾斜させ、トナーの掻き取り性を向上させるように構成することも可能である。さらに、トナー掻き取り層13を全て同一形状とすることなく、全体として均一となるように構成することも可能である。
【0071】
・ トナー掻き取り層13を形成する発泡体の表面には被膜(スキン層)が形成されていても差し支えない。
・ ローラ本体12を形成するスラブ発泡体の原料又はトナー掻き取り層13を形成する発泡体の原料に、トナーの帯電性及び流動性を調整する外添剤、例えばシリカ、アルミナ等を含有させ、トナー供給ローラ10表面の異物に対して親和性を持たせてその異物を除去するように構成することもできる。
【0072】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記ポリウレタン発泡体は、スラブポリウレタン発泡体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果に加え、トナーの供給性や掻き取り性を向上させることができる。
【0073】
・ 前記トナー掻き取り層は、ローラ本体の軸線方向に平行にローラ本体の全長に渡って延びるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果を一層向上させることができる。
【0074】
・ 前記トナー掻き取り層の幅は、0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果に加え、トナー掻き取り層の機能を十分に発揮させることができる。
【0075】
・ 前記トナー掻き取り層を形成する発泡体の原料は、ポリウレタン水分散液、機械的撹拌に基づいて発泡されたポリウレタン分散液又はアクリル樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明の効果に加え、トナー掻き取り層の機能を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態におけるトナー供給ローラの概略を示す斜視図。
【図2】ローラ本体の表面に多数の突条よりなるトナー掻き取り層が形成されたトナー供給ローラを模式的に示す拡大断面図。
【符号の説明】
【0077】
10…トナー供給ローラ、12…ローラ本体、13…トナー掻き取り層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン発泡体よりなるローラ本体の表面に、発泡体の原料がローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングされ、発泡されて形成された突条よりなるトナー掻き取り層を備えていることを特徴とするトナー供給ローラ。
【請求項2】
前記トナー掻き取り層を形成する発泡体は、該発泡体の原料が機械的な撹拌により微細な気泡が形成され、その状態で硬化されて調製されるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー供給ローラ。
【請求項3】
前記トナー掻き取り層はローラ本体の表面積の25〜75%の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー供給ローラ。
【請求項4】
前記トナー掻き取り層の厚さは0.1〜1mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。
【請求項5】
前記ローラ本体の周方向におけるトナー掻き取り層の間隔は0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトナー供給ローラ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナー供給ローラの製造方法であって、前記ローラ本体の表面に、発泡体の原料をローラ本体の軸線方向に延び、かつ周方向に一定間隔をおいて印刷又はコーティングし、発泡させて突条よりなるトナー掻き取り層を形成することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法。
【請求項7】
前記トナー掻き取り層を形成する発泡体の原料の塗布は、スクリーン印刷法によるものであることを特徴とする請求項6に記載のトナー供給ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−158178(P2008−158178A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345818(P2006−345818)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】