トナー補給装置及び画像形成装置
【課題】リサイクル時の作業工数が少なく、異音や駆動系へ過大な負荷も与えずにトナー収納容器内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを向上する。
【解決手段】本発明にかかるトナー補給装置60Yは、装置本体115に装着されて回転駆動されることで円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器32Yと、トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置5Yに搬送する搬送部とを備え、容器本体は、その内周面に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部32Y2aと、容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部200を有し、装置本体115は、容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、複数の凹部に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202を備えている。
【解決手段】本発明にかかるトナー補給装置60Yは、装置本体115に装着されて回転駆動されることで円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器32Yと、トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置5Yに搬送する搬送部とを備え、容器本体は、その内周面に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部32Y2aと、容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部200を有し、装置本体115は、容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、複数の凹部に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置にトナーを補給するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、現像装置にトナーを補給するための円筒状のトナー収納容器(トナーボトル)が知られている。トナーボトルの形状としてはボトルの内周面(内壁)に螺旋状の突起が設けられていて、トナーボトルの端部に装着される頭部にはトナーを排出するためのトナー排出口が設けられている。そして、トナーボトルが回転駆動されることにより、トナーボトル内に収容されているトナーがトナー排出口から外部に排出される。トナーボトルから排出されたトナーは、トナー排出口と対向配置されているトナー受入口からトナー搬送路を介して、現像装置に補給されることになる。
【0003】
このように構成されたトナーボトルは、その頭部にトナー排出口を設けているために、ボトル本体の周面にトナー排出口を設けたものに比べて、トナーボトルから排出されたトナーを現像装置まで搬送するトナー搬送路の構造を比較的簡易にできるとともに、装置全体のレイアウトの自由度が高くなる。また、袋状のトナー容器等に比べて、機械的な強度が大きくリサイクル性にも優れるということが既に知られている。
【0004】
近年、画質の向上を目的としたトナーの小粒径化やTEC値といった観点から、低温定着を可能とするトナーも台頭してきており、トナーの搬送性能は使用するトナーごとに異なっている。トナーの搬送性能の違いは使用する環境で顕著に表れ、特に高温高湿といった環境下ではトナーボトル内に凝集体や内壁へのこびりつきが発生しやすい。この内壁へのこびりつきによりトナーボトル内のトナーが減ってくると多量のトナーが残っているにも関らず、トナーボトルからトナーが排出されずトナーエンドが検知されてしまうという場合がある。
【0005】
そこで、特許文献1〜5には、円筒状のトナーボトルに衝撃を与えることを目的として、トナーボトルの螺旋溝に弾性部材を当接させてボトルに振動を与えることで、凝集体や内壁へのこびりつきの低減を図る構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜5のように、トナーボトルに振動を与えてトナーボトルに大きな衝撃を与える場合、異音の発生、螺旋溝に当接する部材の負荷からトナーボトルにねじれが生じ、トナーボトルを回転駆動するモータなどの駆動系への過大な負荷等の問題が生じてしまう。無論、螺旋溝によるトナー搬送ではなく、例えばアジテータなどの搬送部材をトナーボトル内に配置すれば、このような課題はなくなるが、今度はリサイクル時にトナーボトルと搬送部材を分離しなければならず、作業工数が増えてしまう。
本発明は、リサイクル時の作業工数が少なく、異音や駆動系へ過大な負荷も与えずにトナー収納容器内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトナー補給装置は、装置本体に装着されて回転駆動されることで、円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器と、トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置に搬送する搬送部とを備え、容器本体は、その内壁に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部と、容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部を有し、装置本体は、容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えていることを特徴としている。
本発明に係るトナー補給装置において、複数の凹部は、容器本体の周方向に不等間隔で容器本体の外壁に配置されていることを特徴としている。
本発明に係るトナー補給装置において、複数の凹部と係合部は、最小補給間隔において少なくとも複数回係合するように配置されていることを特徴としている。
【0008】
本発明にかかる、像担持体、像担持体にトナー像を形成する現像装置、現像装置にトナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置は、トナー補給装置としては、上記何れかのトナー補給装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器本体の外壁に容器本体の長手方向に延在するように複数の凹部を形成し、容器本体一端または容器本体他端側に複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えているので、容器本体が回転駆動されると、係合部と凹部との係合によって周期的に容器本体に振動が加わるため、緩凝集したトナーがほぐされるとともに内壁への付着も抑制される。このため容器本体内のトナー量が少なくなってきても、トナー排出口からトナーを排出し続けることができるので、異音発生や駆動系への過大な負荷を与えることなく容器本体内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図2】現像装置を有するプロセスカートリッジの概略構成を示す拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態であるトナー補給装置の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態であるトナー補給装置の構成を示す側面図である。
【図5】トナー補給装置の構成と動作を説明する模式図である。
【図6】トナー補給装置のトナー搬送部近傍の構成を示す拡大図である。
【図7】トナー収納容器の構成とトナー補給装置を示す分解斜視図である。
【図8】トナー収納容器を底面側から見た拡大斜視図である。
【図9】弾性部材と容器本体の構成を示す拡大斜視図である。
【図10】(a)は弾性部材の係合部と容器本体の凹部との係合前の状態を示す概略図、(b)は弾性部材の係合部と容器本体の凹部との係合状態を示す概略図である。
【図11】(a)は容器本体の凹部が周方向に等間隔に配置された状態を示す図、(b)は容器本体の凹部が周方向に不等間隔に配置された状態を示す図である。
【図12】(a)は周方向に等間隔に配置された凹部と係合部との係合時に発生する振動特性を示す図、(b)は周方向に不等間隔に配置された凹部と係合部との係合時に発生する振動特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明では、螺旋部を有するトナー収納容器の回転によるトナー搬送に際し、トナー収納容器に設けられた凹部に、弾性部材となる板ばねに形成した係合部が周期的に当接することにより、トナー収納容器に振動が加わることが特徴になっている。また本発明では、凹部をトナー収納容器の周方向に不等間隔に設けるとともに、凹部をトナー収納容器の長手方向に延在するように形成し、板ばねを操作性にはほとんど影響のない容器端部に配置して作用するようにした。
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0013】
図1を用いて画像形成装置の全体構成と動作について説明する。図1に示す画像形成装置は、装置本体100の上方にトナー容器収容部31が配置されている。トナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
【0014】
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写体となる中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが配設されている。そして、トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの内部に収容されたトナーは、それぞれトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kが備えている現像装置5Y、5M、5C、5K内に供給(補給)される。
【0015】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yの構成を代表して説明する。作像部6Yは、像担持体となる感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、周知の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。
【0016】
以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明を行う。図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である)。
【0017】
感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である)。感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である)。
【0018】
現像工程を終えた感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。1次転写後の感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である)。そして最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1Y上で行われる、一連の作像プロセスが終了する。なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様に行われる。
【0019】
すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム1M、1C、1K上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0020】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成されている。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。
【0021】
これら1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kとの対向部に形成される1次転写ニップを順次通過する。
【0022】
こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。
【0023】
このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部(不図示である)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして中間転写ベルト8上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
【0024】
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0025】
2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像としてスタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0026】
次に、図2を用いて作像部における現像装置の構成・動作について、現像装置5Yを例にさらに詳しく説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤収容部54Yの現像剤G中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y等で構成されている。
【0027】
現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分の現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下経路64Yに連通している。
【0028】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。 詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー収納容器32Yに収容されているトナーTが、トナー補給装置60Y(図3等を参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0029】
現像剤収容部54Y内に補給されたトナーTは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0030】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0031】
次にトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて説明する。図3、図4において、装置本体100のトナー容器収容部31内に設置されるトナー収納容器32Y、32M、32C、32K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって適宜に各現像装置内に補給される。トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、その支持部115(図7参照)がトナー容器収容部31内に臨むように装置本体100に装着されている。このため、トナー収納容器32Y、32M、32C、32K内は、画像形成装置全体としてみれば装置本体100に着脱自在に装着されることになり、トナー補給装置を中心に見ればトナー補給装置の装置本体となる支持部115に着脱自在に装着されることになる。
【0032】
なお、4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kやトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置50Yとトナー収納容器32Yのみの説明を行ない、他の3つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー収納容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0033】
トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kが装置本体100のトナー容器収容部31のトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kに装着されると、その装着動作に連動してトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの図示しないシャッタ部材が移動してトナー排出口Wが開放される。これにより、トナー収納容器32Y、32M、32C、32K内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kのトナータンク部内に貯溜されることになる。ここで、図5の模式図を参照すると、トナー収納容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、その内壁に螺旋状の突起が設けられている(外壁側から見ると螺旋状の溝となっている。)。この螺旋状の突起は、駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yを図5の矢印方向に回転駆動してトナー排出口Wからトナーを排出する。
【0034】
すなわち、駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yの略円筒状の容器本体32Y2が適宜に回転駆動されることで、トナー収納容器32Y内のトナーが排出されてトナータンク部61Yに適宜に供給される。なお、トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。
【0035】
図5、図6に示すように、トナー補給装置60Y(60M、60C、60K)は、トナータンク部61Y、トナー搬送部、トナー落下経路64Y、撹拌部材65Y、トナーエンドセンサ66Yを備えている。トナータンク部61Yは、トナー収納容器32Yのキャップ部32Y1に形成されたトナー排出口Wの下方に配設されていて、トナー排出口Wから排出されたトナーが補給口60Yaを介して貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送部の上流部に接続されている。トナータンク部61Yの上部にはトナー補給口60Yaが形成されていて、トナー収納容器32Yが支持部115(装置本体100)に装着されて回転したときに、トナー収納容器32Yのトナー排出口Wと一致するように構成されている。
【0036】
トナー搬送部は、所定方向に回転駆動してトナーを搬送するトナー搬送スクリュ62Yと、トナー搬送スクリュ62Yに近接する内壁を有するトナー搬送管63Y等で構成される。トナー搬送スクリュ62Y(スクリュ部材)は、軸部に螺旋状にスクリュが形成されたものであって、軸受を介してトナー搬送管63Yに回転自在に支持されている。トナー搬送管63Yは、その上流側がトナータンク部61Yに連通していて、その下流側が落下口64Yaを介してトナー落下経路64Yに連通している。トナー搬送部は、トナータンク部61Yの底部(最下点)から現像装置5Yの上方(落下口64Yaの位置である。)に向けてトナーを直線的に搬送する。トナー搬送スクリュ62Yとトナー搬送管63Yによって搬送されたトナー(落下口64Yaの位置に達したトナーである)は、トナー落下経路64Yを自重落下して現像装置5Y(現像剤収容部54Y)内に補給される。
【0037】
トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知する圧電センサ等をトナーエンドセンサ66Yが設置されている。
【0038】
トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが図5に示した制御部70にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部70の制御により駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yが所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給が行われる。さらに、このような制御を繰り返してもトナーエンドセンサ66Yによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー収納容器32Y内にトナーがないものとして、装置本体100の表示部(不図示である)にトナー収納容器32Yの交換を促す旨の表示を行なう。また、トナータンク部61Yの中央(トナーエンドセンサ66Yの近傍である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーの凝集を防ぐ撹拌部材65Yが設置されている。撹拌部材65Yは、軸部に可撓性部材65Yaが設置されたものであって、回転することによりトナータンク部61Y内のトナーを撹拌する。
【0039】
図4、図7に示すように、各駆動系(71Y、71M、71C、71K)は、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kの奥側(トナー容器の着脱方向奥側である)に配置されている。各駆動系は、駆動モータ80、駆動カップリング90、複数のギア等で構成されている。駆動カップリング90は、図8に示すように、トナー収納容器32Yの底部に形成された係合部32Y2bに係合するものである。図8では代表してイエローのトナー収納容器32Yを示す。他のトナー収納容器の底部にも係合部32Y2bに対応する係合部がそれぞれ形成されている。駆動カップリング90には駆動モータ80の駆動力が2段ギアを介して伝達され、駆動カップリング90が回転することによってトナー収納容器32Yの容器本体32Y2が所定方向に回転駆動される。駆動モータ80は、図示しないギアを介して図6に示すトナー搬送スクリュ62Yや撹拌部材65Yに駆動力が伝達されて、両部材を回転駆動するように構成されている。
【0040】
次にトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの構成について、イエローのトナー収納容器32Yを例示して説明する。図7、図8に示すように、トナー収納容器32Yは、円筒状のトナー容器であって、キャップ部32Y1と円筒状の容器本体32Y2とで構成されていて、トナー補給装置60Yの装置本体となる保持部115に装着される。容器本体32Y2は、その内周面となる内壁に容器本体一端32Y2cから容器本体他端32Y2dに掛けて凹状の螺旋部となる螺旋溝32Y2aが形成されている。容器本体他端32Y2dに形成されたボトル頭部の端面には、図9に示すように容器本体内部のトナーを外部に排出するための開口部32Y2eが形成されていて、キャップ部32Y1の内部に連通している。容器本体32Y2は、図8に示す容器本体32Y2の底部に設けられた係合部32Y2bに係合する図7に示す駆動カップリング90から駆動力を受けて所定方向に回転することで、内部に収容されたトナーがキャップ部32Y1に向けて、すなわち、容器本体一端32Y2cから容器本体他端32Y2dに向けて搬送される。容器本体32Y2の開口部32Y2eから排出されたトナーは、キャップ部32Y1(トナー収納容器32Y)の周面に設けられたトナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Yのトナータンク部61Yに補給される。
【0041】
キャップ部32Y1は、トナー補給装置60Yの保持部115(装置本体100)に対する装着操作によってトナー補給装置60Yの保持部115に固定保持される。すなわち、トナー補給装置60Yへのセットが完了した後のキャップ部32Y1は、回転駆動されることなく、キャップ部32Y1に対して回転自在に設置された容器本体32Y2のみが回転駆動されることになる。キャップ部32Y1と容器本体32Y2とのシール性は、図示しないシール部材によって確保されている。キャップ部32Y1には、トナー排出口Wと、トナー補給装置60Y(画像形成装置本体100)に対するトナー収納容器32Yの着脱操作に連動してトナー排出口Wを開閉する図示しないシャッタ部材が設けられていて、トナー収納容器32Yがトナー補給装置60Yに装着されると、トナー排出口Wが開いてトナータンク部61Yのトナー補給口60Yaと連通するように構成されている。
【0042】
容器本体32Y2の外周面となる外壁には、図9、図10(a)、図10(b)に示すように容器本体32Y2の長手方向に延在するように形成された複数の凹部200が形成されている。本形態において凹部200は4本形成されている。
【0043】
図7に示すように、トナー補給装置60Yの保持部115(装置本体100)には、複数の凹部200に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202が設けられている。弾性部材202は板ばねであって、図10(a)、図10(b)に示すように、保持部115にトナー収納容器32Yが装着されて保持固定された際に、係合部201が、容器本体32Y2の外壁に水平方向から弾性変形して接触するように構成されている。本形態において、弾性部材202は容器本体32Y2の容器本体一端32Y2側に配置され、同容器本体一端側を水平方向から押圧するように保持部115より上方に突出するように設けられている。弾性部材202による容器本体32Y2への押圧位置は、容器本体一端32Y2c側ではなく容器本体他端32Y2d側であってもよい。
【0044】
螺旋溝32Y2aのあるトナー収納容器32Yでは使用条件や環境によって壁面にトナーが付着したり、緩凝集が発生したりといった狙いのトナー搬送が得られなくなる場合がある。しかし本形態では、容器本体32Y2の外壁に容器本体の長手方向に延在するように複数の凹部200を形成し、容器本体一端32Y2c側に複数の凹部200に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202を備えているので、容器本体32Y2が回転駆動されると、容器本体32Y2の外壁に圧接している係合部201が凹部200内に進入して係合し、この係合時の振動が容器本体32Y2に与えられる。また、係合部201と凹部200から離脱すると係合部201が容器本体32Y2の外壁によって外方に押されて弾性変形して撓む。そして再度凹部200内へ進入すると、撓んだ係合部201の復元作用による振動により容器本体32Y2に振動が与えられる。
【0045】
このような係合部201と凹部200との係合によって周期的な振動が容器本体32Y2に加わるため、緩凝集したトナーがほぐされるとともに容器本体32Y2の内壁への付着も抑制される。このため容器本体32Y2内のトナー量が少なくなってきても、トナー排出口Wからトナーを排出し続けることができるので、異音発生や駆動系71Yへの過大な負荷を与えることなく容器本体32Y2内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを伸ばすことができる。特に本形態では係合部201が、凹部200に水平方向から圧接するので、ねじれ方向に余分な力が働かず各駆動モータへの負荷が低減できる。
【0046】
また、本形態では容器本体32Y2の端部となる容器本体一端32Y2c側に係合部201を有する弾性部材202を配置しているので、トナー収納容器32Yを保持部115(装置本体100)に装着する際のセット性も損なわれることがなく、単純なレイアウトで大型もしくは複雑な機械構成が不要となる。さらに、トナーエンド時のトナー残量を抑えることができるため、トナー収納容器32Yを購入したユーザーからの、トナーの残量へのクレーム発生件数も減少することになる。無論他のトナー補給装置60M、60C、60Kについても、トナー補給装置60Yと同一の構成とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0047】
次に凹部200の形態としては、図11(a)に示すように、隣接する凹部200の位相角α、βを90度にして周方向に等間隔に配置する場合と、図11(b)に示すように、隣接する凹部200の位相角α、βが異なるようにして周方向に不等間隔に配置する場合とがあるが、本形態では、図10(a)、図10(b)に示すように、位相角α、βが異なるようにして周方向に不等間隔で凹部200を容器本体32Y2の外壁に形成している。
【0048】
図12は、凹部200の配置間隔と振動との関係示す図である。図12(a)は凹部200を周方向に等間隔(α=β)に配置した場合の振動の特性を示し、図12(b)は凹部200を周方向に不等間隔(α>β)に配置した場合の振動の特性を示す。両図において、縦軸は振動の大小を示し、横軸は時間を示す。また、図12において得られた波形は、等速度で容器本体32Y2を回転させたときのものである。
【0049】
ここで、トナー補給容器32Yが回転してトナーを排出する最小補給間隔が同一であるとすると、凹部200を等間隔(α=β)に配置する場合よりも、不等間隔(α>β)に配置した場合の方が、最小補給間隔において少なくとも複数回、凹部200が係合部201と係合するようになり、単位時間当たりにより多くの振動を容器本体32Y2に与えることができ、結果的に大きな振動が加えられことになる。加えて隣接する凹部200の間隔が近い部分においては、連続して凹部200が係合部201と係合するので、最初の凹部200と係合部201との係合による振動が減衰する前に、次の凹部200が係合部201との係合による振動が加えられるため、高いレベルの振動をより多く連続して容器本体32Y2に与えることができるので、より緩凝集したトナーをほぐすことができるとともに容器本体32Y2の内壁への付着も抑制することができる。また、凹部200と係合部201との関係は、凹部200が等間隔か不等間隔であるかを除いてすべて同一構成としているので、凹部200不等間隔であっても、発生する騒音は等間隔時と同等である。
【符号の説明】
【0050】
1(Y、M、C、K)像担持体
5(Y、M、C、K)現像装置
32(Y、M、C、K)トナー収納容器
32Y2 円筒状の容器本体
32Y2a 凹状の螺旋部
32Y2c 容器本体一端
32Y2d 容器本体他端
60(Y、M、C、K)トナー補給装置
62,63(Y、M、C、K)搬送部
100(115) 装置本体
200 複数の凹部
201 係合部
202 弾性部材
W トナー排出口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平08−095361号公報
【特許文献2】特開平08−314258号公報
【特許文献3】特開平10−069156号公報
【特許文献4】特開平10−020643号公報
【特許文献5】特開平05−061347号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置にトナーを補給するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、現像装置にトナーを補給するための円筒状のトナー収納容器(トナーボトル)が知られている。トナーボトルの形状としてはボトルの内周面(内壁)に螺旋状の突起が設けられていて、トナーボトルの端部に装着される頭部にはトナーを排出するためのトナー排出口が設けられている。そして、トナーボトルが回転駆動されることにより、トナーボトル内に収容されているトナーがトナー排出口から外部に排出される。トナーボトルから排出されたトナーは、トナー排出口と対向配置されているトナー受入口からトナー搬送路を介して、現像装置に補給されることになる。
【0003】
このように構成されたトナーボトルは、その頭部にトナー排出口を設けているために、ボトル本体の周面にトナー排出口を設けたものに比べて、トナーボトルから排出されたトナーを現像装置まで搬送するトナー搬送路の構造を比較的簡易にできるとともに、装置全体のレイアウトの自由度が高くなる。また、袋状のトナー容器等に比べて、機械的な強度が大きくリサイクル性にも優れるということが既に知られている。
【0004】
近年、画質の向上を目的としたトナーの小粒径化やTEC値といった観点から、低温定着を可能とするトナーも台頭してきており、トナーの搬送性能は使用するトナーごとに異なっている。トナーの搬送性能の違いは使用する環境で顕著に表れ、特に高温高湿といった環境下ではトナーボトル内に凝集体や内壁へのこびりつきが発生しやすい。この内壁へのこびりつきによりトナーボトル内のトナーが減ってくると多量のトナーが残っているにも関らず、トナーボトルからトナーが排出されずトナーエンドが検知されてしまうという場合がある。
【0005】
そこで、特許文献1〜5には、円筒状のトナーボトルに衝撃を与えることを目的として、トナーボトルの螺旋溝に弾性部材を当接させてボトルに振動を与えることで、凝集体や内壁へのこびりつきの低減を図る構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜5のように、トナーボトルに振動を与えてトナーボトルに大きな衝撃を与える場合、異音の発生、螺旋溝に当接する部材の負荷からトナーボトルにねじれが生じ、トナーボトルを回転駆動するモータなどの駆動系への過大な負荷等の問題が生じてしまう。無論、螺旋溝によるトナー搬送ではなく、例えばアジテータなどの搬送部材をトナーボトル内に配置すれば、このような課題はなくなるが、今度はリサイクル時にトナーボトルと搬送部材を分離しなければならず、作業工数が増えてしまう。
本発明は、リサイクル時の作業工数が少なく、異音や駆動系へ過大な負荷も与えずにトナー収納容器内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトナー補給装置は、装置本体に装着されて回転駆動されることで、円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器と、トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置に搬送する搬送部とを備え、容器本体は、その内壁に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部と、容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部を有し、装置本体は、容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えていることを特徴としている。
本発明に係るトナー補給装置において、複数の凹部は、容器本体の周方向に不等間隔で容器本体の外壁に配置されていることを特徴としている。
本発明に係るトナー補給装置において、複数の凹部と係合部は、最小補給間隔において少なくとも複数回係合するように配置されていることを特徴としている。
【0008】
本発明にかかる、像担持体、像担持体にトナー像を形成する現像装置、現像装置にトナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置は、トナー補給装置としては、上記何れかのトナー補給装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器本体の外壁に容器本体の長手方向に延在するように複数の凹部を形成し、容器本体一端または容器本体他端側に複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えているので、容器本体が回転駆動されると、係合部と凹部との係合によって周期的に容器本体に振動が加わるため、緩凝集したトナーがほぐされるとともに内壁への付着も抑制される。このため容器本体内のトナー量が少なくなってきても、トナー排出口からトナーを排出し続けることができるので、異音発生や駆動系への過大な負荷を与えることなく容器本体内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図2】現像装置を有するプロセスカートリッジの概略構成を示す拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態であるトナー補給装置の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態であるトナー補給装置の構成を示す側面図である。
【図5】トナー補給装置の構成と動作を説明する模式図である。
【図6】トナー補給装置のトナー搬送部近傍の構成を示す拡大図である。
【図7】トナー収納容器の構成とトナー補給装置を示す分解斜視図である。
【図8】トナー収納容器を底面側から見た拡大斜視図である。
【図9】弾性部材と容器本体の構成を示す拡大斜視図である。
【図10】(a)は弾性部材の係合部と容器本体の凹部との係合前の状態を示す概略図、(b)は弾性部材の係合部と容器本体の凹部との係合状態を示す概略図である。
【図11】(a)は容器本体の凹部が周方向に等間隔に配置された状態を示す図、(b)は容器本体の凹部が周方向に不等間隔に配置された状態を示す図である。
【図12】(a)は周方向に等間隔に配置された凹部と係合部との係合時に発生する振動特性を示す図、(b)は周方向に不等間隔に配置された凹部と係合部との係合時に発生する振動特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明では、螺旋部を有するトナー収納容器の回転によるトナー搬送に際し、トナー収納容器に設けられた凹部に、弾性部材となる板ばねに形成した係合部が周期的に当接することにより、トナー収納容器に振動が加わることが特徴になっている。また本発明では、凹部をトナー収納容器の周方向に不等間隔に設けるとともに、凹部をトナー収納容器の長手方向に延在するように形成し、板ばねを操作性にはほとんど影響のない容器端部に配置して作用するようにした。
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0013】
図1を用いて画像形成装置の全体構成と動作について説明する。図1に示す画像形成装置は、装置本体100の上方にトナー容器収容部31が配置されている。トナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
【0014】
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写体となる中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが配設されている。そして、トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの内部に収容されたトナーは、それぞれトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kが備えている現像装置5Y、5M、5C、5K内に供給(補給)される。
【0015】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yの構成を代表して説明する。作像部6Yは、像担持体となる感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、周知の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。
【0016】
以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明を行う。図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である)。
【0017】
感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である)。感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である)。
【0018】
現像工程を終えた感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。1次転写後の感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である)。そして最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1Y上で行われる、一連の作像プロセスが終了する。なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様に行われる。
【0019】
すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム1M、1C、1K上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0020】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成されている。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。
【0021】
これら1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kとの対向部に形成される1次転写ニップを順次通過する。
【0022】
こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。
【0023】
このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部(不図示である)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして中間転写ベルト8上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
【0024】
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0025】
2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像としてスタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0026】
次に、図2を用いて作像部における現像装置の構成・動作について、現像装置5Yを例にさらに詳しく説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤収容部54Yの現像剤G中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y等で構成されている。
【0027】
現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分の現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下経路64Yに連通している。
【0028】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。 詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー収納容器32Yに収容されているトナーTが、トナー補給装置60Y(図3等を参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0029】
現像剤収容部54Y内に補給されたトナーTは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0030】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0031】
次にトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて説明する。図3、図4において、装置本体100のトナー容器収容部31内に設置されるトナー収納容器32Y、32M、32C、32K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって適宜に各現像装置内に補給される。トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、その支持部115(図7参照)がトナー容器収容部31内に臨むように装置本体100に装着されている。このため、トナー収納容器32Y、32M、32C、32K内は、画像形成装置全体としてみれば装置本体100に着脱自在に装着されることになり、トナー補給装置を中心に見ればトナー補給装置の装置本体となる支持部115に着脱自在に装着されることになる。
【0032】
なお、4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kやトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置50Yとトナー収納容器32Yのみの説明を行ない、他の3つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー収納容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0033】
トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kが装置本体100のトナー容器収容部31のトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kに装着されると、その装着動作に連動してトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの図示しないシャッタ部材が移動してトナー排出口Wが開放される。これにより、トナー収納容器32Y、32M、32C、32K内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kのトナータンク部内に貯溜されることになる。ここで、図5の模式図を参照すると、トナー収納容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、その内壁に螺旋状の突起が設けられている(外壁側から見ると螺旋状の溝となっている。)。この螺旋状の突起は、駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yを図5の矢印方向に回転駆動してトナー排出口Wからトナーを排出する。
【0034】
すなわち、駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yの略円筒状の容器本体32Y2が適宜に回転駆動されることで、トナー収納容器32Y内のトナーが排出されてトナータンク部61Yに適宜に供給される。なお、トナー収納容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。
【0035】
図5、図6に示すように、トナー補給装置60Y(60M、60C、60K)は、トナータンク部61Y、トナー搬送部、トナー落下経路64Y、撹拌部材65Y、トナーエンドセンサ66Yを備えている。トナータンク部61Yは、トナー収納容器32Yのキャップ部32Y1に形成されたトナー排出口Wの下方に配設されていて、トナー排出口Wから排出されたトナーが補給口60Yaを介して貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送部の上流部に接続されている。トナータンク部61Yの上部にはトナー補給口60Yaが形成されていて、トナー収納容器32Yが支持部115(装置本体100)に装着されて回転したときに、トナー収納容器32Yのトナー排出口Wと一致するように構成されている。
【0036】
トナー搬送部は、所定方向に回転駆動してトナーを搬送するトナー搬送スクリュ62Yと、トナー搬送スクリュ62Yに近接する内壁を有するトナー搬送管63Y等で構成される。トナー搬送スクリュ62Y(スクリュ部材)は、軸部に螺旋状にスクリュが形成されたものであって、軸受を介してトナー搬送管63Yに回転自在に支持されている。トナー搬送管63Yは、その上流側がトナータンク部61Yに連通していて、その下流側が落下口64Yaを介してトナー落下経路64Yに連通している。トナー搬送部は、トナータンク部61Yの底部(最下点)から現像装置5Yの上方(落下口64Yaの位置である。)に向けてトナーを直線的に搬送する。トナー搬送スクリュ62Yとトナー搬送管63Yによって搬送されたトナー(落下口64Yaの位置に達したトナーである)は、トナー落下経路64Yを自重落下して現像装置5Y(現像剤収容部54Y)内に補給される。
【0037】
トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知する圧電センサ等をトナーエンドセンサ66Yが設置されている。
【0038】
トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが図5に示した制御部70にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部70の制御により駆動系71Y(M、C、K)によってトナー収納容器32Yが所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給が行われる。さらに、このような制御を繰り返してもトナーエンドセンサ66Yによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー収納容器32Y内にトナーがないものとして、装置本体100の表示部(不図示である)にトナー収納容器32Yの交換を促す旨の表示を行なう。また、トナータンク部61Yの中央(トナーエンドセンサ66Yの近傍である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーの凝集を防ぐ撹拌部材65Yが設置されている。撹拌部材65Yは、軸部に可撓性部材65Yaが設置されたものであって、回転することによりトナータンク部61Y内のトナーを撹拌する。
【0039】
図4、図7に示すように、各駆動系(71Y、71M、71C、71K)は、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kの奥側(トナー容器の着脱方向奥側である)に配置されている。各駆動系は、駆動モータ80、駆動カップリング90、複数のギア等で構成されている。駆動カップリング90は、図8に示すように、トナー収納容器32Yの底部に形成された係合部32Y2bに係合するものである。図8では代表してイエローのトナー収納容器32Yを示す。他のトナー収納容器の底部にも係合部32Y2bに対応する係合部がそれぞれ形成されている。駆動カップリング90には駆動モータ80の駆動力が2段ギアを介して伝達され、駆動カップリング90が回転することによってトナー収納容器32Yの容器本体32Y2が所定方向に回転駆動される。駆動モータ80は、図示しないギアを介して図6に示すトナー搬送スクリュ62Yや撹拌部材65Yに駆動力が伝達されて、両部材を回転駆動するように構成されている。
【0040】
次にトナー収納容器32Y、32M、32C、32Kの構成について、イエローのトナー収納容器32Yを例示して説明する。図7、図8に示すように、トナー収納容器32Yは、円筒状のトナー容器であって、キャップ部32Y1と円筒状の容器本体32Y2とで構成されていて、トナー補給装置60Yの装置本体となる保持部115に装着される。容器本体32Y2は、その内周面となる内壁に容器本体一端32Y2cから容器本体他端32Y2dに掛けて凹状の螺旋部となる螺旋溝32Y2aが形成されている。容器本体他端32Y2dに形成されたボトル頭部の端面には、図9に示すように容器本体内部のトナーを外部に排出するための開口部32Y2eが形成されていて、キャップ部32Y1の内部に連通している。容器本体32Y2は、図8に示す容器本体32Y2の底部に設けられた係合部32Y2bに係合する図7に示す駆動カップリング90から駆動力を受けて所定方向に回転することで、内部に収容されたトナーがキャップ部32Y1に向けて、すなわち、容器本体一端32Y2cから容器本体他端32Y2dに向けて搬送される。容器本体32Y2の開口部32Y2eから排出されたトナーは、キャップ部32Y1(トナー収納容器32Y)の周面に設けられたトナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Yのトナータンク部61Yに補給される。
【0041】
キャップ部32Y1は、トナー補給装置60Yの保持部115(装置本体100)に対する装着操作によってトナー補給装置60Yの保持部115に固定保持される。すなわち、トナー補給装置60Yへのセットが完了した後のキャップ部32Y1は、回転駆動されることなく、キャップ部32Y1に対して回転自在に設置された容器本体32Y2のみが回転駆動されることになる。キャップ部32Y1と容器本体32Y2とのシール性は、図示しないシール部材によって確保されている。キャップ部32Y1には、トナー排出口Wと、トナー補給装置60Y(画像形成装置本体100)に対するトナー収納容器32Yの着脱操作に連動してトナー排出口Wを開閉する図示しないシャッタ部材が設けられていて、トナー収納容器32Yがトナー補給装置60Yに装着されると、トナー排出口Wが開いてトナータンク部61Yのトナー補給口60Yaと連通するように構成されている。
【0042】
容器本体32Y2の外周面となる外壁には、図9、図10(a)、図10(b)に示すように容器本体32Y2の長手方向に延在するように形成された複数の凹部200が形成されている。本形態において凹部200は4本形成されている。
【0043】
図7に示すように、トナー補給装置60Yの保持部115(装置本体100)には、複数の凹部200に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202が設けられている。弾性部材202は板ばねであって、図10(a)、図10(b)に示すように、保持部115にトナー収納容器32Yが装着されて保持固定された際に、係合部201が、容器本体32Y2の外壁に水平方向から弾性変形して接触するように構成されている。本形態において、弾性部材202は容器本体32Y2の容器本体一端32Y2側に配置され、同容器本体一端側を水平方向から押圧するように保持部115より上方に突出するように設けられている。弾性部材202による容器本体32Y2への押圧位置は、容器本体一端32Y2c側ではなく容器本体他端32Y2d側であってもよい。
【0044】
螺旋溝32Y2aのあるトナー収納容器32Yでは使用条件や環境によって壁面にトナーが付着したり、緩凝集が発生したりといった狙いのトナー搬送が得られなくなる場合がある。しかし本形態では、容器本体32Y2の外壁に容器本体の長手方向に延在するように複数の凹部200を形成し、容器本体一端32Y2c側に複数の凹部200に周期的に係合する係合部201を有する弾性部材202を備えているので、容器本体32Y2が回転駆動されると、容器本体32Y2の外壁に圧接している係合部201が凹部200内に進入して係合し、この係合時の振動が容器本体32Y2に与えられる。また、係合部201と凹部200から離脱すると係合部201が容器本体32Y2の外壁によって外方に押されて弾性変形して撓む。そして再度凹部200内へ進入すると、撓んだ係合部201の復元作用による振動により容器本体32Y2に振動が与えられる。
【0045】
このような係合部201と凹部200との係合によって周期的な振動が容器本体32Y2に加わるため、緩凝集したトナーがほぐされるとともに容器本体32Y2の内壁への付着も抑制される。このため容器本体32Y2内のトナー量が少なくなってきても、トナー排出口Wからトナーを排出し続けることができるので、異音発生や駆動系71Yへの過大な負荷を与えることなく容器本体32Y2内に収容されているトナーの残量を減らしてトナーの無駄を省き、トナー収納容器1本あたりのイールドを伸ばすことができる。特に本形態では係合部201が、凹部200に水平方向から圧接するので、ねじれ方向に余分な力が働かず各駆動モータへの負荷が低減できる。
【0046】
また、本形態では容器本体32Y2の端部となる容器本体一端32Y2c側に係合部201を有する弾性部材202を配置しているので、トナー収納容器32Yを保持部115(装置本体100)に装着する際のセット性も損なわれることがなく、単純なレイアウトで大型もしくは複雑な機械構成が不要となる。さらに、トナーエンド時のトナー残量を抑えることができるため、トナー収納容器32Yを購入したユーザーからの、トナーの残量へのクレーム発生件数も減少することになる。無論他のトナー補給装置60M、60C、60Kについても、トナー補給装置60Yと同一の構成とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0047】
次に凹部200の形態としては、図11(a)に示すように、隣接する凹部200の位相角α、βを90度にして周方向に等間隔に配置する場合と、図11(b)に示すように、隣接する凹部200の位相角α、βが異なるようにして周方向に不等間隔に配置する場合とがあるが、本形態では、図10(a)、図10(b)に示すように、位相角α、βが異なるようにして周方向に不等間隔で凹部200を容器本体32Y2の外壁に形成している。
【0048】
図12は、凹部200の配置間隔と振動との関係示す図である。図12(a)は凹部200を周方向に等間隔(α=β)に配置した場合の振動の特性を示し、図12(b)は凹部200を周方向に不等間隔(α>β)に配置した場合の振動の特性を示す。両図において、縦軸は振動の大小を示し、横軸は時間を示す。また、図12において得られた波形は、等速度で容器本体32Y2を回転させたときのものである。
【0049】
ここで、トナー補給容器32Yが回転してトナーを排出する最小補給間隔が同一であるとすると、凹部200を等間隔(α=β)に配置する場合よりも、不等間隔(α>β)に配置した場合の方が、最小補給間隔において少なくとも複数回、凹部200が係合部201と係合するようになり、単位時間当たりにより多くの振動を容器本体32Y2に与えることができ、結果的に大きな振動が加えられことになる。加えて隣接する凹部200の間隔が近い部分においては、連続して凹部200が係合部201と係合するので、最初の凹部200と係合部201との係合による振動が減衰する前に、次の凹部200が係合部201との係合による振動が加えられるため、高いレベルの振動をより多く連続して容器本体32Y2に与えることができるので、より緩凝集したトナーをほぐすことができるとともに容器本体32Y2の内壁への付着も抑制することができる。また、凹部200と係合部201との関係は、凹部200が等間隔か不等間隔であるかを除いてすべて同一構成としているので、凹部200不等間隔であっても、発生する騒音は等間隔時と同等である。
【符号の説明】
【0050】
1(Y、M、C、K)像担持体
5(Y、M、C、K)現像装置
32(Y、M、C、K)トナー収納容器
32Y2 円筒状の容器本体
32Y2a 凹状の螺旋部
32Y2c 容器本体一端
32Y2d 容器本体他端
60(Y、M、C、K)トナー補給装置
62,63(Y、M、C、K)搬送部
100(115) 装置本体
200 複数の凹部
201 係合部
202 弾性部材
W トナー排出口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平08−095361号公報
【特許文献2】特開平08−314258号公報
【特許文献3】特開平10−069156号公報
【特許文献4】特開平10−020643号公報
【特許文献5】特開平05−061347号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に装着されて回転駆動されることで、円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器と、前記トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置に搬送する搬送部とを備えたトナー補給装置において、
前記容器本体は、その内壁に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部と、前記容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部を有し、
前記装置本体は、前記容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、前記複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
請求項1記載のトナー補給装置において、
前記複数の凹部は、前記容器本体の周方向に不等間隔で、前記容器本体の外壁に配置されていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のトナー補給装置において、
前記複数の凹部と前記係合部は、最小補給間隔において少なくとも複数回係合するように配置されていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項4】
像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置において、
前記トナー補給装置が、請求項3記載のトナー補給装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
装置本体に装着されて回転駆動されることで、円筒状の容器本体の内部に収納されているトナーをトナー排出口から排出するトナー収納容器と、前記トナー収納容器から排出されたトナーを現像装置に搬送する搬送部とを備えたトナー補給装置において、
前記容器本体は、その内壁に容器本体一端から容器本体他端に掛けて形成された凹状の螺旋部と、前記容器本体の外壁に同容器本体の長手方向に延在するように形成された複数の凹部を有し、
前記装置本体は、前記容器本体一端または容器本体他端側に当接するように配置され、前記複数の凹部に周期的に係合する係合部を有する弾性部材を備えていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
請求項1記載のトナー補給装置において、
前記複数の凹部は、前記容器本体の周方向に不等間隔で、前記容器本体の外壁に配置されていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のトナー補給装置において、
前記複数の凹部と前記係合部は、最小補給間隔において少なくとも複数回係合するように配置されていることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項4】
像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置において、
前記トナー補給装置が、請求項3記載のトナー補給装置であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−145635(P2012−145635A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2013(P2011−2013)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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