説明

トラヒック迂回制御方式

【課題】各通信エリアのトラヒック量を増加させる地震や台風などの事象の規模に応じて各通信エリアのトラヒックを適正に迂回させることができるトラヒック迂回制御方式を提供する。
【解決手段】迂回制御サーバPにおいて、事象規模収集部11は各通信エリアCで発生した事象の規模を収集する。例えば、災害発生時に各通信エリアCのトラヒック量が大きく変動することに着目し、各通信エリアの被災規模を代表する情報が収集される。すなわち、地震災害時であれば各通信エリアCiで計測された震度が収集され、台風災害時であれば各通信エリアCiで計測された降水量や風速、あるいは気圧などが収集される。迂回要否判定部12は、各通信エリアCiの事象規模を所定の閾値と比較し、この比較結果に基づいて、当該通信エリアCiのトラヒックを他の通信エリアに迂回させる必要があるか否かを判定する。迂回経路決定部13は、前記比較結果に基づいて迂回経路を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信エリアを含む通信ネットワークにおいて一の通信エリアのトラヒックを他の一ないし複数の通信エリアへ迂回させるトラヒック迂回制御方式に係り、特に、トラヒックが局所的に増加する地震などの災害発生時等に、その規模が大きい通信エリアのトラヒックを規模が小さい通信エリアに迂回させるトラヒック迂回制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や台風などの災害が発生した場合、災害が発生した地域に対して、あるいは災害が発生した地域からは、安否確認や見舞いなどの呼が多数発生する。このような場合に発生する呼は通常のトラヒックの数十倍に及ぶことから、当該地域を収容している交換局に輻輳が生じて呼を接続できなくなることがある。
【0003】
このような技術課題に対して、非特許文献1には、平常時における通信エリアごとのトラヒック発生量に応じて、通信エリア間でのトラヒックの迂回方法を決定する技術が提案されている。
【非特許文献1】次世代インターネットとトラヒック工学,佐藤昌平 吉田万貴子,電子情報通信学会論文誌 B Vol.J85-B No.6 pp.875-889:2002/06/01
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地震災害や台風災害などの事象を契機とするトラヒック量の急激な増加は災害規模に依存するため、トラヒックの迂回元となる通信エリアや迂回先となる通信エリアは災害規模に基づいて識別することが望ましい。しかしながら、上記の実施形態では災害規模に応じてトラヒックを適正に迂回させることができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、各通信エリアのトラヒック量を増加させる地震や台風などの事象の規模に応じて各通信エリアのトラヒックを適正に迂回させることができるトラヒック迂回制御方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の通信エリアがトラヒックを相互に迂回できるように接続された通信ネットワークのトラヒック迂回制御方式において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
【0007】
(1)各通信エリアで発生した事象の規模を収集する事象規模収集手段と、各通信エリアから収集した事象規模と所定の閾値との比較結果に基づいて、各通信エリアのトラヒックを迂回させるか否かを判定する迂回要否判定手段と、トラヒックの迂回が必要な通信エリアの迂回先を、トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中から決定する迂回経路決定手段とを具備したことを特徴とする。
(2)迂回経路決定手段は、事象規模のより大きい通信エリアを優先的に迂回元とすることを特徴とする。
(3)迂回経路決定手段は、通信容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする。
(4)迂回経路決定手段は、事象規模のより小さい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする。
(5)迂回経路決定手段は、迂回先候補の数がより少ない通信エリアを優先的に迂回元とし、迂回先候補の数が同一の通信エリアについて、事象規模のより大きい通信エリアを優先的に迂回元とすることを特徴とする。
(6)迂回経路決定手段は、空き容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする。
(7)事象規模収集手段は、災害発生時に各通信エリアの被災規模(例えば、地震災害における震度)を収集することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)トラヒックの増加量を代表できる事象規模を各通信エリアから収集し、この事象規模に基づいてトラヒックの迂回が必要な迂回元の通信エリアと迂回先の通信エリアとを決定するようにしたので、事象規模に応じて各通信エリアのトラヒックを適正に迂回させることができるようになる。
(2)トラヒックの迂回が必要な多数の通信エリアの中で、事象規模のより大きい通信エリアを優先的に迂回元とするので、トラヒックの増加量がより大きいと予測される通信エリアのトラヒックを優先的に迂回させることができる。
(3)トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、通信容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とするので、トラヒックの迂回先においてトラヒックが溢れることを防止できる。
(4)トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、事象規模のより小さい通信エリアを優先的に迂回先とするので、トラヒックの増加量が少ない通信エリアにトラヒックを迂回させることができる。
(5)トラヒックの迂回が必要な多数の通信エリアの中で、迂回先候補の数がより少ない通信エリアを優先的に迂回元とするので、迂回先候補の数が少ない通信エリアの迂回先が他の通信エリアの迂回先となって迂回先が失われてしまうことを防止できる。
(6)トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、空き容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とするので、トラヒックの迂回先においてトラヒックが溢れることを防止できる。
(7)事象規模として災害発生時に各通信エリアの災害規模を収集し、この災害規模に基づいて迂回元ごとに迂回先の通信エリアを決定するので、災害時に大量発生するトラヒックの溢れを最小限に抑えられるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明のトラヒック迂回制御方式が適用される通信ネットワーク1の構成を示した図であり、N個の通信エリアC1,C2…Ci…,Cnが相互に接続され、さらに各通信エリアCi間でのトラヒックの迂回を制御する迂回制御サーバPを含んでいる。
【0010】
図2は、前記各通信エリアCおよび迂回制御サーバPの主要部の構成を示したブロック図であり、ここでは本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0011】
各通信エリアCは少なくとも一つの交換局2を含み、各交換局2は無線基地局(AP)3に収容されている電話端末4からの発信呼および電話端末4への着信呼を受け付けて通話路を確立する。交換局2と無線基地局3との間には中継ノード5が接続され、各通信エリアCおよび迂回制御サーバPは当該中継ノード5において相互に接続されている。なお、本実施形態では各電話端末4が携帯電話のような無線式であるものとして説明するが、有線式の電話端末であっても良い。
【0012】
迂回制御サーバPにおいて、事象規模収集部11は各通信エリアCで発生した事象の規模を収集する。本実施形態では、災害発生時に各通信エリアCのトラヒック量が大きく変動することに着目し、各通信エリアの被災規模を代表する情報が収集される。すなわち、地震災害時であれば各通信エリアCiで計測された震度が収集され、台風災害時であれば各通信エリアCiで計測された降水量や風速、あるいは気圧などが収集される。
【0013】
迂回要否判定部12は、各通信エリアCiの事象規模を所定の閾値と比較し、この比較結果に基づいて、当該通信エリアCiのトラヒックを他の通信エリアに迂回させる必要があるか否かを判定する。迂回経路決定部13は、前記比較結果に基づいて迂回経路を決定する。
【0014】
次いで、本発明の一実施形態の動作をフローチャートに沿って説明する。図3は、前記迂回制御サーバPの動作を示したフローチャートであり、ここでは、地震災害が発生した際に各通信エリアで測定された震度に基づいてトラヒックが迂回制御される場合を例にして説明する。
【0015】
ステップS1では、各通信エリアCiから前記事象規模収集部11により収集された測定震度Qiが前記迂回要否判定部12により参照され、各測定震度Qi が閾値Qrefと比較される。当該閾値Qrefは、地震に起因した急激なトラヒック増加が予測される震度に予め設定されており、Qi>Qrefの通信エリアは、トラヒックの迂回が必要な迂回元エリアと判定されて集合Aに分類される。これに対して、Qi≦Qrefの通信エリアは、トラヒックの迂回が不要な迂回先エリアと判定されて集合Bに分類される。
【0016】
ステップS2では、集合Aが空集合であるか否かが判定される。集合Aが空集合であれば、トラヒックの迂回が必要となる通信エリアが存在しないと判定されて当該処理を終了する。ステップS3では、集合Bが空集合であるか否かが判定される。集合Bが空集合であれば、トラヒックの迂回先となる通信エリアが存在しないと判定されて当該処理を終了する。集合A,Bのいずれもが空集合でなければ、前記迂回経路決定部13において、集合Aに分類された各通信エリアの迂回先を集合Bの通信エリアから決定すべくステップS4以降へ進む。
【0017】
ステップS4では、今回の迂回元エリアa0が、後述する所定のポリシに基づいて集合Aから選択される。ステップS5では、今回の迂回元エリアa0の迂回先となれる通信エリアの候補が集合Bから選抜される。本実施形態では、迂回元エリアa0から物理的に接続されていない通信エリアや迂回先として不適な通信エリアや迂回元エリアa0からの距離が基準値を超えるような通信エリアが予め候補から外される。
【0018】
ステップS6では、今回の迂回元エリアa0の迂回先候補が存在するか否かが判定される。迂回先候補が存在すればステップS7へ進み、今回の迂回元エリアa0の迂回先エリアb0が、後述する所定のポリシに基づいて前記迂回先候補の中から決定される。ステップS8では、今回の迂回元エリアa0と迂回先エリアb0とが対応付けられて迂回リストに登録され、迂回元エリアa0のトラヒックが迂回先エリアb0へ迂回されるように各中継ノード5が制御される。ステップS9では、集合Aから今回の迂回元エリアa0が削除され、さらに集合Bから今回の迂回先エリアb0が削除される。
【0019】
ステップS10では、集合Aが空集合となったか否かが判定され、空集合でなければステップS3へ戻り、残りの迂回元エリアを対象に上記の処理が繰り返される。すなわち、集合Aの他の迂回元エリアa0に対して集合Bの他の迂回先エリアが対応付けられる。なお、前記ステップS6において、今回の迂回元エリアa0に関して迂回先候補が一つも存在しないと判定されると、ステップS12へ進んで今回の迂回元エリアa0を集合Aから削除した後にステップS10へ進む。
【0020】
その後、ステップS10において、集合Aが空集合になったと判定されると、Qi>Qrefの通信エリアに対して更に迂回先エリアを割り当てるべくステップS11へ進む、ステップS11では、改めてQi>Qrefの通信エリアが集合Aに分類され、その後、ステップS3へ戻って集合Bが空集合であるか否かが判定される。集合Bが空集合でなければ、集合Aの各迂回元エリアに集合Bの各通信エリアを迂回先として更に割り当てるべくステップS4以降へ進む。これに対して、集合Bが空集合であれば、もはや迂回先の通信エリアが存在しないと判定されて当該処理を完了する。
【0021】
本実施形態によれば、トラヒックの増加量を代表できる事象規模を各通信エリアから収集し、この事象規模に基づいてトラヒックの迂回が必要な迂回元の通信エリアと迂回先の通信エリアとが決定されるので、事象規模に応じて各通信エリアのトラヒックを適正に迂回させることができるようになる。
【0022】
また、本実施形態によれば、事象規模として災害発生時に各通信エリアの災害規模を収集し、この災害規模に基づいて迂回元ごとに迂回先の通信エリアが決定されるので、災害時に大量発生するトラヒックの溢れを最小限に抑えられるようになる。
【0023】
図4は、前記ステップS4において、集合Aから今回の迂回元エリアa0を選抜する手順を示したフローチャートである。
【0024】
ステップS31では、集合Aから測定震度Qiが最大の通信エリアが識別される。ステップS32では、測定震度Qiが最大値を示した通信エリアが複数であるか否かが判定され、1つの通信エリアのみであれば、当該通信エリアが今回の迂回元エリアa0とされる。これに対して、測定震度Qiが最大値を示した通信エリアが複数であればステップS33へ進み、当該複数の通信エリアの中で通信容量Liが最大の通信エリアが今回の迂回元エリアa0とされる。
【0025】
本実施形態によれば、トラヒックの迂回が必要な多数の通信エリアの中で、事象規模のより大きい通信エリアが優先的に迂回元とされるので、トラヒックの増加量がより大きいと予測される通信エリアのトラヒックを優先的に迂回させることができる。
【0026】
図5は、前記ステップS7において、集合Bから今回の迂回先エリアb0を決定する手順を示したフローチャートである。
【0027】
ステップS41では、集合Bから通信容量Liが最大の通信エリアが識別される。ステップS42では、通信容量Liが最大値を示した通信エリアが複数であるか否かが判定され、1つの通信エリアのみであれば、当該通信エリアが今回の迂回先エリアb0とされる。これに対して、通信容量Liが最大値を示した通信エリアが複数であればステップS43へ進み、当該複数の通信エリアの中で測定震度Qiが最小の通信エリアが今回の迂回先エリアb0とされる。
【0028】
本実施形態によれば、トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、通信容量のより大きい通信エリアが優先的に迂回先とされるので、トラヒックの迂回先においてトラヒックが溢れることを防止できる。
【0029】
また、本実施形態によれば、トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、事象規模のより小さい通信エリアが優先的に迂回先とされるので、トラヒックの増加量が少ない通信エリアにトラヒックを迂回させることができる。
【0030】
図6は、上記の各手順により決定される各迂回元エリアa0と各迂回先エリアb0との対応付けを説明するための図である。ここでは、前記測定震度Qiに関する閾値Qrefが「0.0」に設定されており、全ての通信エリアC間で相互にトラヒックを迂回可能であるものとする。
【0031】
本実施形態では、各通信エリアCiの測定震度Qiと通信容量Liとの関係が、測定震度Qiに関して降順であって測定震度Qiが同一の場合は通信容量に関して降順にソートされている。各通信エリアCiには、「1」から始まるエリアIDが連番で割り当てられており、エリアIDがM以上の通信エリア(ID=M〜N)が迂回先エリアb0として集合Bに分類され、エリアIDがM未満(ID=1〜M-1)の通信エリアが迂回元エリアa0として集合Aに分類されている。
【0032】
このような場合、M-1≧N-M+1であれば、エリアIDが1〜N-M+1の各通信エリアの迂回先として、それぞれエリアIDがM〜Nの各通信エリアが割り当てられる。また、M-1<N-M+1≦2M-2であれば、エリアIDが1〜M-1の各通信エリアの迂回先として、それぞれエリアIDがM〜2M-2の各通信エリアが割り当てられ、さらにエリアIDが1〜N-2M+2の各通信エリアの迂回先として、それぞれエリアIDが2M-1〜Nの各通信エリアも割り当てられる。
【0033】
図7は、集合Aから今回の迂回元エリアa0を選抜する他の手順を示したフローチャートである。
【0034】
ステップS51では、迂回先候補の数が最小の通信エリアが集合Aから選択される。ステップS52では、迂回先候補の数が最小の通信エリアが複数であるか否かが判定され、1つの通信エリアのみであれば、当該通信エリアが今回の迂回元エリアa0とされる。これに対して、複数の通信エリアが存在すればステップS53へ進み、その中で測定震度Qiが最大の通信エリアが識別される。ステップS54では、測定震度Qiが最大値を示した通信エリアが複数であるか否かが判定され、1つの通信エリアのみであれば、当該通信エリアが今回の迂回元エリアa0とされる。これに対して、測定震度Qiが最大値を示した通信エリアが複数であればステップS55へ進み、当該複数の通信エリアの中で通信容量が最大の通信エリアが今回の迂回元エリアa0とされる。
【0035】
本実施形態によれば、トラヒックの迂回が必要な多数の通信エリアの中で、迂回先候補の数がより少ない通信エリアが優先的に迂回元とされるので、迂回先候補の数が少ない通信エリアの迂回先が他の通信エリアの迂回先となって迂回先が失われてしまうことを防止できる。
【0036】
図8は、集合Bから今回の迂回先エリアb0を決定する他の手順を示したフローチャートである。
【0037】
ステップS61では、集合Bから空き容量が最大の通信エリアが識別される。ステップS62では、空き容量が最大値を示した通信エリアが複数であるか否かが判定され、1つの通信エリアのみであれば、当該通信エリアが今回の迂回先エリアb0とされる。これに対して、空き容量が最大値を示した通信エリアが複数であればステップS63へ進み、当該複数の通信エリアの中で測定震度Qiが最小の通信エリアが今回の迂回先エリアb0とされる。
【0038】
本実施形態によれば、トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中で、空き容量のより大きい通信エリアが優先的に迂回先とされるので、トラヒックの迂回先においてトラヒックが溢れることを防止できる。
【0039】
なお、上記した各実施形態では、災害発生時に大量発生するトラヒックを適正に迂回させるために、各通信エリアから地震の震度や降水量といった災害規模を代表できる情報を収集するものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、各通信エリア内に位置する神社への年末から年始にかけての参拝者数を予め推定し、参拝者数が閾値を超える通信エリアを迂回元エリアに分類する一方、参拝者数が閾値以下の通信エリアを迂回先エリアに分類し、迂回元エリアごとに迂回先エリアを決定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のトラヒック迂回制御方式が適用される通信ネットワークの構成を示した図である。
【図2】通信エリアおよび迂回制御サーバの主要部の構成を示したブロック図である。
【図3】迂回制御サーバの動作を示したフローチャートである。
【図4】迂回元エリアの集合から迂回元エリアを選抜する手順を示したフローチャートである。
【図5】迂回先エリアの集合から迂回先エリアを選抜する手順を示したフローチャートである。
【図6】迂回元エリアと迂回先エリアとの対応付けを説明するための図である。
【図7】迂回元エリアの集合から迂回元エリアを選抜する他の手順を示したフローチャートである。
【図8】迂回先エリアの集合から迂回先エリアを選抜する他の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
11…事象規模収集部,12…迂回要否判定部,13…迂回経路決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信エリアがトラヒックを相互に迂回できるように接続された通信ネットワークのトラヒック迂回制御方式において、
各通信エリアで発生した事象の規模を収集する事象規模収集手段と、
各通信エリアから収集した事象規模と所定の閾値との比較結果に基づいて、各通信エリアのトラヒックを迂回させるか否かを判定する迂回要否判定手段と、
トラヒックの迂回が必要な通信エリアの迂回先を、トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中から決定する迂回経路決定手段とを具備したことを特徴とするトラヒック迂回制御方式。
【請求項2】
前記迂回経路決定手段は、事象規模のより大きい通信エリアを優先的に迂回元とすることを特徴とする請求項1に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項3】
前記迂回経路決定手段は、通信容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする請求項1または2に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項4】
前記迂回経路決定手段は、事象規模が同一の通信エリアについて、通信容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回元とすることを特徴とする請求項2に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項5】
前記迂回経路決定手段は、通信容量が同一の通信エリアについて、事象規模のより小さい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする請求項3に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項6】
前記トラヒックの迂回が不要な通信エリアの中から所定の条件を満足する迂回先候補を選抜する手段を更に具備し、
前記迂回経路決定手段は、迂回先候補の数がより少ない通信エリアを優先的に迂回元とすることを特徴とする請求項1に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項7】
前記迂回経路決定手段は、空き容量のより大きい通信エリアを優先的に迂回先とすることを特徴とする請求項1に記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項8】
前記事象規模収集手段は、災害発生時に各通信エリアの被災規模を収集することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のトラヒック迂回制御方式。
【請求項9】
前記事象規模収集手段は、地震発生時に各通信エリアの震度を収集することを特徴とする請求項8に記載のトラヒック迂回制御方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−130161(P2010−130161A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300832(P2008−300832)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】