説明

トラフィックの存在下で自己補償するマルチポート増幅装置

少なくとも、出力としてN個の分配信号を供給する入力バトラーマトリックス(301)に接続された複数(N個)の入力経路と、入力として前記分配信号を受信し、出力として各々複素利得GのN個の増幅および位相シフトされた信号を生成する複数(N個)の真空管増幅器(303)と、入力として前記増幅信号を受信し、出力としてN個の出力信号を生成する出力バトラーマトリックス(305)とを備えた、通信信号のマルチ分布増幅システムであって、位相誤差および振幅誤差がトラフィックの存在下で自己補償されることを特徴とするシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPA(Multi−Port Amplifier)の略語で知られ、分布増幅サブシステムとも呼ばれるマルチポート増幅装置に関する。この種の装置は、通常、様々な方向に複数の波動ビームを形成する機能を有するマルチビームアンテナを用いた通信システムにおいて使用される。特に、衛星通信システムは、この種の増幅器を用いることにより、複数の出力ビームに対して複数の伝送路を柔軟に割り振る。
【背景技術】
【0002】
マルチポート増幅器の必須パラメータの1つは、様々な出力経路間の分離であり、この分離は、アンテナが生成するビーム間の許容可能な分離を保証するために十分でなければならない。第1の出力経路とは異なる第2の出力経路に対する第1の出力経路の分離は、マルチポート増幅器の第2の出力経路上に存在する剰余電力に対する、マルチポート増幅器の第1の出力経路上の増幅信号の最大出力の比率によって測定され、この剰余電力は、システムの欠陥および相互変調現象にもよるものである。
【0003】
理論上のマルチポート増幅器は、その出力ポート間にそれぞれ無限の分離を有するが、実際には、このような増幅器内で使用されるバトラーマトリックスおよび増幅チェーンは、理想的なものではなく、振幅および位相誤差を生じさせ、最終的には、各出力経路の他の出力経路に対する分離に影響を与え得るという欠陥を持つ。この現象は、使用される搬送周波数が高いほど、顕著により一層影響が大きくなる。従って、これらの欠陥を考慮すると、振幅誤差および位相誤差を補正することが可能で、その結果、システムの全体的な分離を向上できる解決法を生み出す必要がある。
【0004】
米国特許第7,088,173号明細書には、マルチポート増幅器における位相欠陥を補正することが可能な方法が記載されている。想定される解決法では、入力ネットワークの様々なポイントで投入され、出力ネットワークの様々なポイントで測定される試験信号を用いることにより、増幅器に影響を与える位相誤差を決定する。この解決法では、必要とされる様々な測定を行うために、増幅器の一部の動作を停止させる必要がある。従って、この方法は、同時通信の実施には適していない。
【0005】
米国特許第6,006,111号明細書および特開2005−269043号公報には、1つまたは複数の出力経路上で行われた測定に基づいて、分布増幅システムの欠陥の補償を可能にする方法も記載されるが、これらの方法は、位相誤差を考慮に入れることなく、振幅の測定のみを用いる。
【0006】
国際公開第2008/135753号パンフレットには、8つの入力経路および8つの出力経路を含む自己補償マルチポート増幅器の解決法が記載されている。その原理は、装置の第1の入力ブランチに基準信号を投入し、その後、出力マトリックスに分配された7つの出力検出器によって、経路間の不均衡を測定することにある。次に、複数のフィードバックループが、増幅器の上流に位置する減衰器および位相シフタに作用することにより、7つのポイントの各々で検出される電圧が最小限に抑えられる。
【0007】
この特許出願書類に記載される方法は、出力検出器が配置される出力マトリックスの各ポイント上でゼロ出力値へと収束するように、増幅器の上流の振幅および位相を調整する反復法を用いる。この方法は、補償後の分離マトリックスが補償前の分離マトリックスと比較して劣化して見えることから、十分な分離を確保するには、十分効果的であるとは思えない。具体的には、得られた結果は、通信衛星ミッションの適正操作との互換性がない。
【0008】
最後に、確率密度をモデル化することにより送信された信号の先験的知識に基づく補償方法を提案する米国特許出願公開第2008/0143562号明細書も挙げることができる。この方法は、全ての種類の信号に適用できるわけではなく、特に、複数の単純変調の組み合わせによって変調される信号に適用できないので、限定的すぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先行技術の制約を鑑みて、本発明は、自己補償分布増幅システムの解決策を、このようなシステムの欠陥に固有の振幅誤差および位相誤差を最小限に抑えることを目的として導入する。この解決策により、装置の出力経路間の分離に関する性能を大幅に向上させることが可能であり、この解決策は、トラフィックの存在下で機能する、すなわち、本発明による増幅器を組み込んだ通信システムの公称動作を妨げることなく機能する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明の主題は、少なくとも、出力としてN個の分配信号を供給する入力バトラーマトリックスに接続された複数(N個)の入力経路iと、入力として前記分配信号を受信し、出力として各々複素利得GのN個の増幅および位相シフトされた信号を生成する複数(N個)の増幅器と、入力として前記増幅信号を受信し、出力としてN個の出力信号を生成する出力バトラーマトリックスとを備えた、通信信号のマルチ分布増幅システムであって、
・既知の振幅eおよび既知の位相を有する基準信号の発生器であって、前記基準信号は、前記システムの前記入力経路の1つに与えられ、前記基準信号は、増幅される前記通信信号と同時に送られる、発生器と、
・前記システムの前記出力信号の各々の振幅および位相の誤差Sを測定するための装置であって、前記装置は、前記通信信号から前記基準信号を抽出するため、および基準信号に影響を与える前記振幅誤差および位相誤差を推定するために、増幅信号のコヒーレント復調を行うのに適している、装置と、
・入力として振幅誤差および位相誤差の前記測定値Sを受信し、前記測定値Sに基づいて、前記システムの各経路iに対して、振幅補償a'および位相補償Φ’を生じさせる信号処理装置であって、前記補償の目的は、各経路iの増幅器の複素利得Gと、前記システムの経路の中の基準経路の増幅器の複素利得Gとの差を最小限に抑えることである、信号処理装置と、
・前記入力バトラーマトリックスと、複数の増幅器との間に挿入され、受信した振幅補償a’および位相補償Φ’の値に基づいて、前記システムの経路iの各々を補正するのに適した、位相/振幅補償装置と、
をさらに備えることを特徴とするシステムである。
【0011】
本発明のある変形実施形態においては、前記基準経路が、増幅システムの経路の1つである、または、増幅システムの一組の経路の利得の平均に等しい利得を有する仮想経路である、または最も低い利得Gを示す経路iである、または最も高い利得Gを示す経路iである。
【0012】
本発明のある変形実施形態においては、前記基準信号は、拡散コードを用いてスペクトル的に拡散され、前記測定装置は、通信信号から基準信号を分離するために、前記拡散コードに基づいて受信信号をさらに拡散するように適応する。
【0013】
本発明のある変形実施形態においては、信号処理装置は、少なくとも以下の計算工程である、
・以下の関係式
【数1】

に基づいて、複素利得Gを計算する工程であって、式中、Sは、ベクトル
【数2】

の添字iの成分であり、MB−1は、出力バトラーマトリックスの逆数であり、MBは、入力バトラーマトリックスの第1の行の添字iの成分であり、aおよびΦは、前に得られた振幅および位相の補償である、工程と、
・添字iの各経路に関して、以下の数量、
【数3】

を計算する工程であって、式中、||は、複素数の絶対値を表し、arg()は、その位相を表し、添字1は、基準経路を表す、工程と、
・前記ベクトルSに基づいて、各増幅器の出力における信号の振幅OBOを計算する工程と、
・前記数量ΔZ1,iおよび前記経路の増幅器の出力信号の振幅OBOに基づいて、後に、各経路iにおける振幅補償a'を計算する工程と、
・関係式
【数4】

に従って、前記数量ΔΦ1,iに基づいて、後に、各経路iにおける位相補償Φ'を計算する工程と、
に基づいて、振幅補償a’および位相補償Φ’を決定する。
【0014】
本発明のある変形実施形態においては、振幅補償a’は、以下の関係式
【数5】

を少なくとも用いて決定され、ここでfAM,AMは入力振幅を出力振幅に結び付ける経路iの真空管増幅器の伝達関数である。
【0015】
本発明の別の変形実施形態においては、振幅補償a’は、式中、ηは、絶対値で1未満の乗法係数であり、
【数6】

である、以下の関係式
【数7】

を少なくとも用いて決定される。
【0016】
本発明のある変形実施形態においては、位相補償Φ’は、さらに、式中、fAM,PMは、入力位相を出力位相に結び付ける経路iの真空管増幅器の伝達関数である、以下の関係式
【数8】

に基づいて決定される。
【0017】
本発明のある変形実施形態においては、前記入力バトラーマトリックスおよび出力バトラーマトリックスは、互いに接続された複数のハイブリッド結合器からなる。
【0018】
本発明のある変形実施形態においては、前記マトリックスMBおよびMBは、入力バトラーマトリックスおよび出力バトラーマトリックスの伝達関数の測定値に基づいて、または入力バトラーマトリックスおよび出力バトラーマトリックスの理論上の伝達関数に基づいて得られる。
【0019】
本発明のある変形実施形態においては、前記測定装置はさらに、前記システムの前記基準経路とその他の出力経路との分離Iを測定するように適応し、分離Iの値が所与の閾値を超えるとすぐに、新しい振幅補償a’および位相補償Φ’が、適応様式で決定される。
【0020】
ある変形実施形態においては、前記増幅器は、真空管増幅器または固体増幅器である。
【0021】
ある変形実施形態においては、本発明によるシステムは、衛星通信システムにおいて使用され、前記信号処理装置は、地上設備に離れて位置し、遠隔制御リンクおよび/またはテレメトリリンクによって搭載設備に配置された前記システムと通信する。
【0022】
本発明の主題は、システムの前記経路iのうちの1つの経路の前記増幅器の欠陥を検出するために本発明によるシステムを使用することでもあり、ベクトル
【数9】

の成分を所与の閾値と比較し、それによって、前記増幅器のうちの1つの増幅器の出力における電力の大幅な低下を検出し、前記欠陥増幅器を置き換えることを特徴とする。
【0023】
他の特徴は、例として示される非限定的な以下の詳細な説明を、添付の図面に関連して読めば明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】先行技術による4つの入力および4つの出力を有するマルチポート増幅器例の概略図である。
【図2】本発明によるマルチポート増幅器への入力として投入されたコンポジット信号のスペクトルを表すグラフである。
【図3】本発明による自己補償マルチポート増幅器の図である。
【図3a】本発明による増幅器の出力における振幅誤差および位相誤差を測定するための装置の実施例の図である。
【図3b】本発明による増幅器の出力における振幅誤差および位相誤差を測定するための装置の実施例の図である。
【図4a】真空管増幅器の伝達関数の一例のグラフである。
【図4b】真空管増幅器の伝達関数の一例のグラフである。
【図5】本発明による増幅器の分離の補償前および補償後に得られた性能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、先行技術によるマルチポート増幅器の一例を図示する。この増幅器は、入力E1、E2、E3、およびE4を有する入力マトリックスM1からなる。これらの4つの入力は、例えば、4つの異なる周波数軌道上で送信される4つの異なる信号を受信するために利用できる。例えばバトラーマトリックスである入力マトリックスM1は、通常、カスケード配置された4つのハイブリッド結合器を3組含む。入力マトリックスM1の機能は、例えば入力E1に送り出された信号を4つの出力ブランチに分配することである。前記マトリックスの各出力に対して、漸進的な位相シフトを適用する。第1の出力は、位相シフトされず、第2の出力は、90°の角度で位相シフトされ、第3の出力は、−90°の角度で位相シフトされ、最後の出力は、180°の角度で位相シフトされる。入力マトリックスM1の4つの出力ブランチで得られたこれらの4つの信号は、次に、一連の真空管増幅器A1、A2、A3、およびA4によって増幅される。前記真空管増幅器の各々によって送られた信号は、次に、入力マトリックスM1の伝達関数と同じ伝達関数を有する出力マトリックスM2によって処理される。マトリックスM2の出力では、4つの増幅信号が得られる。1つの信号が装置の入力E1で送信される場合には、入力マトリックスM1の出力における4つの位相シフトされた信号の組み合わせにより、この信号は、出力経路S4において4倍に増幅される一方で、他の3つの出力経路S1、S2、およびS3は、振幅および位相がゼロの信号を送る。
この結果は、理論上のマルチポート増幅器の場合に得られる、すなわち、構成要素の全てが、欠陥を全く示さず、厳密に予想通りの伝達関数を顕著に有する増幅器の場合に得られる。この場合、入力経路E1で送信される信号は、他の出力経路上で供給される電力がゼロである一方で、完全に出力経路S4上で増幅される。従って、他の経路に対する経路S4の分離は無限である。
実際のケースでは、入力および出力マトリックス、および真空管増幅器のどちらも理想的ではないため、出力経路間の分離は、有限となる。十分な分離を得るためには、入力および出力バトラーマトリックスの欠陥を補正し、かつ真空管増幅器の入力における振幅誤差および位相誤差を最小限に抑えることも必要である。これらの誤差は、温度、使用される周波数帯域、および装置の経年劣化の影響にとりわけ依存する。
【0026】
図2は、欠陥の補償を行うことを目的として、本発明による装置に対する入力として用いられるコンポジット信号の一例を示す。この信号の周波数スペクトルは、横座標Xが周波数(MHz)を表し、縦座標Yがパワースペクトル密度(dBm/MHz)を表すグラフ上に示される。
本発明の目的の1つは、通信を妨害することなくマルチポート増幅器を補償することである。従って、1つの解決法は、単一の搬送周波数で送信される非変調基準信号Sを投入することである。この搬送周波数の値は、基準信号Sが2つの通信路CおよびC間に、それらの性能を損なうことなく導入されるように選択される。このように、装置の欠陥の補償は、実行された通信を妨げることなく連続的に行われ得る。
導入された基準信号Sは、後に真空管増幅器の上流で補償を行えるように、位相および振幅の差異変動を推定するように機能する。図2には、本発明による増幅装置の出力における通信信号Cの分離Iも示されている。特に衛星通信システムにおいて使用される場合に増幅装置の補正性能を保証するためには、25デシベル以上の分離値Iが条件に合う。
【0027】
図3は、本発明による自己補償マルチポート増幅器の概略図を図示する。この増幅器は、バトラーマトリックスを表すように共に接続された4つの入力経路および4つのハイブリッド結合器を含む入力マトリックス301からなる。より一般的なケースでは、入力マトリックス301は、N個の入力および出力経路と、(N/2)M個(N=2である)のハイブリッド結合器とを含む。
入力マトリックス301の出力は、減衰器および位相シフタから成り、各経路の信号を増幅する機能を有する真空管増幅器のチェーン303の上流に挿入される、位相および振幅補償装置302に接続される。各真空管増幅器は、特に真空管増幅器303の保護を可能にするパワーアイソレーター304に接続される。各パワーアイソレーター304は、その後、前の入力マトリックス301の伝達関数と同じ伝達関数を有する出力マトリックス305の各入力にそれぞれ接続される。この出力マトリックス305もまた、ハイブリッド結合器から成り、出力としてN個の増幅信号を生成する。
このシステムの上流で、信号発生器306は、装置の第1の入力ポートで送信される基準信号、例えば、純粋な搬送周波数の信号を生成する。次に、出力経路の各々に関して、通信信号から基準信号を分離し、かつ基準信号における振幅誤差および位相誤差の推定を行う測定装置307によって、N個の出力経路上で送られる信号が抽出される。これらの振幅誤差および位相誤差の測定値は、マトリックス形式でメモリに保存され、後に、信号処理装置308が、補償装置によって遡及的に適用される位相および振幅の補正を行う目的で、これらの測定値を利用する。測定装置は、出力において抽出された信号が入力において生成された基準信号と同一である場合に、ゼロ位相誤差およびゼロ振幅誤差を実際に生じさせるように、事前に較正されている。
【0028】
本発明によるマルチポート増幅器が、軌道上の人工衛星に搭載されて組み込まれている変形実施形態においては、信号処理装置308は、地上設備において実施されてもよい。その場合、抽出された振幅および位相誤差の測定値は、テレメトリダウンリンクによって地上に送信され、信号処理装置によって行われた補正は、その後、遠隔制御アップリンクによって人工衛星の中に送信される。
【0029】
システムの入力に投入された基準信号が、図2に示すような、その周波数スペクトルが純粋周波数である正弦波信号である場合には、測定装置307の機能は、通信信号と同時に送信される、この基準信号の振幅および位相を検出することである。この振幅および位相の検出を実施するための可能な解決法は、図3aによって図示されるような、コンポジット信号のコヒーレント復調の実施である。
【0030】
本発明による増幅器のN個の出力経路上で送られる信号の測定値を含むベクトル30は、測定装置307への入力として提供される。ベクトル30の各成分に対して、有用な信号から基準信号を抽出するために、バンドパスフィルタリング31が適用される。フィルタリングされた信号は、その後、基準信号34および90°位相シフトされた基準信号35と関連付けがなされる(32および33)。得られた2つの相関信号は、低域通過フィルタ36および37によってフィルタリングされ、その後、増幅器の各出力経路に対して、振幅
【数10】

および位相
【数11】

における誤差を決定する計算モジュール40に同相経路Iおよび直交経路Qを提供するために、アナログ・デジタル変換38および39が適用される。振幅誤差および位相誤差測定値41は、その後、信号処理装置308に送られる。
【0031】
測定装置307の他の実施は、その技術的機能が、有用な信号から基準信号を抽出し、その後、本発明による増幅装置の様々な構成要素の段を通過した後の基準信号に影響を与えた振幅および位相を推定することにあれば可能である。
【0032】
本発明のある変形実施形態においては、基準信号310は、拡散コードを用いて、スペクトル的に拡散される。この場合、測定装置307には、上記の要素に加えて、発生器306によって提供される使用された拡散コードに基づいて受信した信号を拡散させるモジュール42が含まれる。このような装置307の可能な実施例の概略図を図3bに示す。信号の拡散は、有用な信号から基準信号を抽出し、その後、その振幅および位相を推定できるようにすることを目的として、当業者に周知の方法によって行うことができる。スペクトル拡散信号を用いる利点は、この信号が、より離散しており、使用される周波数帯域全体にわたって拡散されるエネルギーを示す事実にある。
【0033】
本発明の本質的特徴の1つは、出力経路ごとに測定装置307によって得られた振幅および位相測定値に基づいて信号処理装置308によって決定される位相および振幅の補正の決定302にある。
【0034】
本発明による増幅器システムの構成要素は、以下の数量に基づいてモデル化され得る。
【0035】
入力マトリックス301は、MBで表すマトリックス応答によって定義される。最も一般的なケースでは、マトリックスMBは、N個の行とN個の列を有し、Nは、システムの入力ポートの数である。整数値Nは、好ましくは、2の累乗、N=2(pは、厳密に0より大きい正の整数)である。このマトリックスは、例えば測定によって得られる。
同様に、出力マトリックス305は、同じくN個の行とN個の列を有するマトリックス応答MBによって定義される。
位相/振幅補償装置302は、N=4であり、aおよびΦは、増幅器303のチェーンの上流の装置302によって各経路に適用される振幅補償および位相補償をそれぞれ表し、iは、1〜Nまでの範囲で異なる、対角マトリックス
【数12】

によってモデル化される。
同様に、増幅器303の影響は、N=4であり、Gは、各増幅器の利得であり、iは、1〜Nまでの範囲で異なる、マトリックス
【数13】

を用いてモデル化され得る。
【0036】
後続の説明において、以下の表記を用いて、装置の異なる場所で取得された様々な信号について述べる。各変数は、N個の成分(各成分は、装置のN個の経路の内の1つの経路上の信号に対応する)を有するベクトルである。
【0037】
【数14】

は、装置の1番目の入力ポートに投入された基準信号を示す。
【0038】
=MB.Eは、入力マトリックス301の出力で得られた信号を示す。
【0039】
=DA−Φ.MB.Eは、位相/振幅補償装置302の出力で得られた信号を示す。
【0040】
=DAmpli.Eは、測定装置307によって基準信号および有用信号の抽出が行われた後に増幅器303のチェーンの出力において得られた信号を示す。
【0041】
最後に、S=MB.Sは、出力マトリックス305の出力において得られた信号を示す。
【0042】
測定装置307は、その出力において、各出力経路上の基準信号の振幅および位相の測定値を供給する。これらの測定値により、ベクトルSの作成が可能となる。
【0043】
上記の関係式に基づいて、以下の関係式が導き出される。
【数15】

そして、この式から、ベクトルSをシステムの他の変数に関連付ける以下の関係式が導き出される。
【数16】

式中、
【数17】

は、マトリックスMBの第1の行の成分である。
最後に、各増幅器の複素利得の決定を可能にする関係式(3)(どのiも、1〜Nまでの範囲で異なる(我々の例では、N=4))が得られる。
【数18】

ベクトルSは、出力マトリックスMBの測定によって得られたベクトルSに基づいて計算される。
基準信号eは、入力マトリックスMBと同様に、ユーザーには既知のものである。
振幅設定値および位相設定値の値(マトリックスDA−Φ)は、本方法のスタート時に、所与の初期値aおよびΦに初期化される。
本発明によるこの方法は、次に、システムの分離欠陥を補正するために、時間的サンプリングの様々な瞬間における、振幅/位相設定値の新しい値a’およびΦ’を決定する。
【0044】
本発明によるシステムの位相および振幅の自己補償の目的の1つは、マトリックスDAmpliによってモデル化される増幅器チェーンの欠陥を補正することである。システムが理論に可能な限り近づくため、および出力経路同士の分離が可能な限り最適となるためには、システムの各経路上で使用される各増幅器303が、振幅および位相に関して同じ応答を示すことが必要である。この状況は、以下の関係式を満たすシステムのモデル化に等しい。
A−Φ.DAmpli=G.I(4)
式中、Gは複素利得であり、Iは恒等マトリックスである。
関係式(4)は、マトリックスDAmpliによってモデル化される増幅器303のチェーンの欠陥のマトリックスDA−Φによってモデル化される装置302による補償を、各経路において同一の複素利得が得られるように変換する(装置を構成するN個の経路が等しい長さであることを言う)。
この結果を得るためには、N個の考えられる経路の中から、まず1つの基準経路が選択されるべきである。初期設定により、添字が1の経路を基準経路とし、次に、他のN−1個の経路の増幅器の利得Gが、添字がiの各経路と基準経路との間の利得の差Gによって補償されるべきである。
基準経路は、何れの経路と等しいとみなしてもよい。増幅器の利得の補償は、全経路の利得の平均、全ての経路上の利得の最小値または最大値に利得が一致する仮想基準に対して行われてもよい。
従って、iが、2〜Nまでの範囲で異なる、以下の数量が計算される。
【数19】

式中、関係式の全ての項は、デシベルで表され、||は、複素数の絶対値を示す。そして、
ΔΦ1,i=(Φ+arg(G))−(Φ+arg(G))(6)
式中、関係式の全ての項は、度で表され、arg()は、複素数の独立変数を示す。
システムの振幅/位相の自己補償は、増幅器303のチェーンの出力において、各経路上で同一の複素利得、すなわち、振幅および位相に至らなければならない。
従って、前記増幅器の非線形性が考慮される必要がある。実際には、ある増幅器の出力における振幅(個々の位相)は、同じ増幅器の入力における振幅(個々の位相)と必ずしも比例するとは限らない。実際には、増幅器iは、入力信号の振幅を出力信号の振幅に結び付ける第1の伝達関数fAM,AMおよび入力信号の位相を出力信号の振幅に結び付ける第2の伝達関数fAM,PMを示す。これらの伝達関数の例は、図4aおよび図4bにより示される。曲線404は、出力信号402の電力の変化を、入力信号401の電力の関数として表す。曲線404の領域Lは、直線である一方で、曲線の残りの部分は直線ではない。同様に、曲線405は、出力信号403の位相の変化を、入力信号401の電力の関数として表す。
【0045】
添字iの経路の増幅器の入力における信号の振幅IBO(この振幅は、同じ増幅器の出力における信号の振幅OBOに結び付けられる)は、次に、以下の関係式によって導入される。
【数20】

そして、同じ増幅器の入力における信号の位相は、以下の関係式によって得られる。
【数21】

増幅器の出力における信号値は、既出のベクトルSの成分iに基づいて得られる。
次に、出力信号の振幅の新しい値
【数22】

OBO’=OBO−ΔZ1,iを得るために、関係式(5)で得られた数量ΔZ1,iによって各増幅器の出力信号の振幅の補償を求める。
増幅器の入力信号の新しい振幅および位相は、その後、以下の関係式によって計算される。
【数23】

最後に、最後の計算工程により、後に計算装置308が補償装置302に提供する振幅および位相設定値の新しい値を得ることができる。
【数24】

【0046】
本発明のある変形実施形態においては、真空管増幅器303は、SSPAの略語で知られる固体電力増幅器に置き換えてもよい。
【0047】
増幅器303の影響をモデル化する入力マトリックスMB、出力マトリックスMB、およびマトリックスDAmpliの知識が必要ではない本発明の別の変形実施形態を以下に説明する。
【0048】
上文で紹介した関係式(1)、(2)および(3)を参照すると、本発明による自己補償システムは、マトリックスMBおよびMBの知識、並びに、マトリックスDAmpliの計算(関係式(3)による)が必要であることが分かる。この先験的知識は、入力バトラーマトリックスおよび出力バトラーマトリックスの応答を、それらの実際の影響(それらは、生産関連の欠陥のために理論上のバトラーマトリックスとは異なり得る)をモデル化するために、外部手段によって測定することを伴う。
【0049】
入力バトラーマトリックスの実際のマトリックス応答MBは、2つの項の積、MB=Merror.MBth(式中、MBthは、理論上の入力バトラーマトリックスであり、Merrorは、理論上のマトリックスと実際のマトリックスとの誤差または差を含む対角マトリックスである)として分解可能である。同様に、システムの出力マトリックスに関しては、MB=MBth.Merrorと書くことができる。
【0050】
バトラーマトリックスの欠陥を考慮し、かつ、関係式(4)を用いて既に説明した論法と類似の論法により、今度は、理論上のバトラーマトリックスの等しい長さ間の電力増幅器へのN個の経路の通過を図る。この状態は、以下の関係式(Gは、複素利得であり、Iは、恒等マトリックスである)を満たすシステムのモデル化に等しい。
【数25】

【0051】
次に、計算装置308によって決定され、かつ補償装置302に送信される振幅設定値aおよび位相設定値Φが、対角マトリックスDA−Φを構成する修正項ajΦiが対角誤差マトリックスMerrorおよびMerrorに関連する欠陥も一体化するという点を除いては、関係式(3)および(5)〜(10)を用いて既に説明した論法と類似の方法で決定される。各増幅器の複素利得Gの決定が可能な関係式、特に、関係式(3)および中間ベクトルSと出力ベクトルSとを結び付ける関係式は、実際のマトリックスではなく、理論上のマトリックスMBthおよびMBthと共に用いられる。
【0052】
本発明の別の態様においては、各経路の増幅器の特徴
【数26】

をもはや考慮に入れる必要はない。振幅補償a'は、関係式
【数27】

(ここでηは、絶対値で1未満の乗法係数である)によって、各増幅器の出力振幅値OBO’に直接基づいて決定される。
この簡略化により、妥当な時間で有限の極限値へと計算を収束させることを保証しながら、各増幅器の正確な特徴
【数28】

を知ることを回避することが可能となる。
【0053】
さらに、位相補償Φ’は、以下の関係式によって決定され得る。
【数29】

関係式(13)によって決定される位相補正は、本質的に2つの項、すなわち、真空管増幅器によって導入され、出力電力OBOに依存する位相回転、およびMPAシステムの各経路を構成する要素の特徴による位相不一致からなる。この計算の最初の反復期間中に、第2の項が補償され、第1の項のみが、反復が進むにつれて発展する。従って、全体的な位相制御、つまり、各反復において適用される逐次補正の合計は、振幅補償が収束するにつれて、次第に安定した値となる傾向がある。各真空管増幅器の位相応答を考慮に入れない関係式(13)によって決定される位相補償は、不完全ではあるが、それでも、妥当な時間で極限値への収束を可能にする。
【0054】
図5は、自己補償システムの性能および出力経路の分離に関して得られた利得を示す。図面の左側は、2つの通信信号CおよびC間に挿入された基準信号SREF、ここでは、純粋搬送信号を表す。この図では、主経路上の増幅信号と、二次経路上に存在する残余との間に得られる分離Iを示す。分離Iは、ほぼ13dB程度である。同じコンポジット信号を図面の右側に示すが、これは、本発明の上記の方法によってシステムが既に自己補償済みの場合の信号である。得られた分離Iは、改善が見られ、今度は、ほぼ33dB程度である。
【0055】
本発明の別の変形実施形態においては、位相および振幅の補償は、基準信号に対して測定された分離Iが所与の閾値を超えると直ぐに更新される。次に、所与の基準に応じて経時的に位相および振幅に関する補償を適応させるという原理を示す適応構造に言及する。適応補償は、システムに影響を与える誤差が、作動状態に応じて時間が経つにつれて変化する場合に特に必要である。一方、静的補償の言及は、経時的に変化しない静誤差を補正するために1回のみ後者が行われる場合に行われる。
【0056】
本発明による自己補償マルチポート増幅システムには、特に、トラフィックの存在下において、すなわち、通信を妨げることなく、システムの位相および振幅に関する自己補償を保証するという主な利点がある。これは特に衛星伝送システムに適応する。組立て総合機能試験(AIT)段階において、本発明は、性能を最大限にするシステムの最適な設定を求める一助となる。軌道上試験または利用(IOT)段階において、この装置は、地上設備から搭載設備へと作動可能な、または完全に搭載されることも可能な補償ループによって自動的に自己補償される。
【0057】
本発明によるマルチ分布増幅システムの主な目的は、最大限の経路間分離を保証するための、各増幅経路を構成するハードウェアコンポーネントの固有の欠陥である振幅および位相の自己補償である。
【0058】
本発明のシステムの別の適用は、システムの経路の1つにおける電力増幅チェーンに影響を与える欠陥の検出および場所に関する。実際には、既に説明したように、本発明により、特に、各経路上の増幅器303の各チェーンの出力信号の電力からなるベクトルSを決定することが可能となる。この情報に基づいて、検知閾値をベクトルSの各電力に適用し、増幅器の動作欠陥に起因して推定出力電力が異常に低いか否かが決定され得る。この検知閾値は、放出された信号の電力および適用が目標とする動作点に応じて決定される。
【0059】
欠陥が本発明による増幅システムの経路の1つに位置する場合には、増幅器303のチェーンは、この目的のために設けられる冗長チェーンに置き換えられてもよい。冗長チェーンへの増幅器の欠陥チェーンの入力および出力の切り替えが、次に行われ、本発明による新しい分離計算が実行される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、出力としてN個の分配信号を供給する入力バトラーマトリックス(301)に接続された複数(N個)の入力経路iと、入力として前記分配信号を受信し、出力として各々複素利得GのN個の増幅および位相シフトされた信号を生成する複数(N個)の増幅器(303)と、入力として前記増幅信号を受信し、出力としてN個の出力信号を生成する出力バトラーマトリックス(305)とを備えた、通信信号のマルチ分布増幅システムにおいて、
既知の振幅eおよび既知の位相を有する基準信号の発生器(306)であって、前記基準信号は、前記システムの前記入力経路の1つに与えられ、前記基準信号は、増幅される前記通信信号と同時に送られる、発生器(306)と、
前記システムの前記出力信号の各々の振幅および位相の誤差Sを測定する装置(307)であって、前記装置は、前記通信信号から前記基準信号を抽出するため、および前記基準信号に影響を与える前記振幅誤差および位相誤差を推定するために、前記増幅信号のコヒーレント復調を行うのに適している、装置(307)と、
入力として前記振幅誤差および位相誤差の前記測定値Sを受信し、前記測定値Sに基づいて、前記システムの各経路iに対して、振幅補償a'および位相補償Φ’を行う信号処理装置(308)であって、前記補償の目的は、前記各経路iの増幅器の前記複素利得Gと、前記システムの前記経路の中の基準経路の増幅器の複素利得Gとの差を最小限に抑えることである、信号処理装置(308)と、
前記入力バトラーマトリックス(301)と、前記複数の増幅器(303)との間に挿入され、受信した前記振幅補償a’および位相補償Φ’の値に基づいて、前記システムの前記経路iの各々を補正するのに適した、位相/振幅補償装置(302)と、
をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記基準経路が、前記増幅システムの前記経路の1つである、または、前記増幅システムの前記一組の経路の前記利得の平均に等しい利得を有する仮想経路である、または最も低い利得Gを示す経路iである、または最も高い利得Gを示す経路iであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基準信号が、拡散コードを用いてスペクトル的に拡散され、前記測定装置(307)は、前記通信信号から前記基準信号を分離するために、前記拡散コードに基づいて受信信号をさらに拡散するように適応することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号処理装置(308)は、少なくとも以下の計算工程:
・以下の関係式
【数1】

に基づいて、前記複素利得Gを計算する工程であって、式中、Sは、ベクトル
【数2】

の添字iの成分であり、MB−1は、前記出力バトラーマトリックス(305)の逆数であり、MBは、前記入力バトラーマトリックス(301)の第1の行の添字iの成分であり、aおよびΦは、前に得られた前記振幅および位相の補償である、工程と、
・添字iの各経路に関して、以下の数量、
【数3】

を計算する工程であって、式中、||は、複素数の絶対値を表し、arg()は、その位相を表し、添字1は、前記基準経路を表す、工程と、
・前記ベクトルSに基づいて、前記各増幅器の出力における前記信号の振幅OBOを計算する工程と、
・後に、各経路iにおける前記振幅補償a'を前記数量ΔZ1,iおよび前記経路の前記増幅器の前記出力信号の前記振幅OBOに基づいて計算する工程と、
・関係式
【数4】

に従って、前記数量ΔΦ1,iに基づいて、後に、各経路iにおける前記位相補償Φ'を計算する工程と、
に基づいて、前記振幅補償a’および位相補償Φ’を決定することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記振幅補償a’は、以下の関係式
【数5】

を少なくとも用いて決定され、ここでfAM,AMは入力振幅を出力振幅に結び付ける前記経路iの真空管増幅器の伝達関数であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記振幅補償a’は、式中、ηは、絶対値で1未満の乗法係数であり、
【数6】

である、以下の関係式
【数7】

を少なくとも用いて決定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記位相補償Φ’は、さらに、式中、fAM,PMは、入力位相を出力位相に結び付ける前記経路iの真空管増幅器の伝達関数である、以下の関係式
【数8】

に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記入力バトラーマトリックス(301)および出力バトラーマトリックス(305)は、互いに接続された複数のハイブリッド結合器からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記マトリックスMBおよびMBは、前記入力バトラーマトリックス(301)および出力バトラーマトリックス(305)の伝達関数の測定値に基づいて、または前記入力バトラーマトリックス(301)および出力バトラーマトリックス(305)の理論上の伝達関数に基づいて得られることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記測定装置(307)はさらに、前記システムの前記基準経路とその他の出力経路との分離Iを測定するように適応し、前記分離Iの値が所与の閾値を超えるとすぐに、新しい振幅補償a’および位相補償Φ’が、適応様式で決定されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記増幅器(303)は、真空管増幅器または固体増幅器であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記信号処理装置(308)は、地上設備に離れて位置し、遠隔制御リンクおよび/またはテレメトリリンクによって搭載設備に配置された前記システムと通信することを特徴とする、衛星通信システムにおいて使用される請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムの前記経路iのうちの1つの経路の前記増幅器(303)の欠陥を検出するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステムの使用において、ベクトル
【数9】

の成分を所与の閾値と比較し、それによって、前記増幅器(303)のうちの1つの増幅器の出力における電力の大幅な低下を検出し、前記欠陥増幅器を置き換えることを特徴とする使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−509124(P2013−509124A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535745(P2012−535745)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065775
【国際公開番号】WO2011/051146
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】