説明

トランスファーゲートチャネルのドーピングが非対称に形成されている画素

【課題】残像や時間ノイズが低減された高品質の画素を提供する。
【解決手段】転送領域38に非対称なドーピングを形成する。ドーピングによりチャネル領域を形成する際、ドーパント濃度がフローティングディフュージョン36の近辺よりも光検出器34の近辺で高くなるようにする。これにより、不完全な電荷転送が回避される。また、パンチスルー抑制注入部70、72を光検出器の下部には形成しないので、光検出器で光生成された電子の収集が妨げられることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMOS撮像センサの画素に関する。
【背景技術】
【0002】
埋込型のゲートダイオードを備えている4トランジスタピクセル構造を有する相補的金属酸化物半導体(CMOS)撮像センサを利用したデジタルカメラは、一般に、3トランジスタCMOS撮像センサを利用したものに比べて高い品質を提供する。それというのは、埋込型のフォトダイオードの構成によって、表面で発生する電流量、ひいては暗電流が低減されるからであり、また、フォトダイオードにアクセスするために使用されるトランスファーゲートによって、相関二重サンプリングの利用が可能となり、これにより、ノイズが低減されるからである。しかし、以下に説明するように、暗電流は、フォトダイオードに加え画素の各領域で発生しうる。
【0003】
4トランジスタ画素は、通常、フォトダイオード、電荷から電圧への変換領域(「フローティングディフュージョン」)および電荷転送領域を備えている。フォトダイオードおよびフローティングディフュージョンは、基板(例えばシリコン)内に形成され、電荷転送領域は、通常、ダイオードとフローティングディフュージョンとの間に設けられているMOSFET(「トランスファーゲート」)である。
【0004】
画素には、2つの動作モードがある、つまり電荷収集モードもしくは集積モード、および電荷転送モードもしくは読出モードである。集積前には、フローティングディフュージョンは「高」電圧に設定され、トランスファーゲートがONにされると、フォトダイオードからの電子が全て抽出されて、トランスファーゲートは「完全に空乏化」する。集積時には、トランスファーゲートは低電圧(例えばアース)に保たれ、ダイオードは光に晒され、光により生成された電子を収集する。集積期間の終わりには、読出モード中には、フローティングディフュージョンは再び「高」電圧に設定され、トランスファーゲートがONにされ、これにより、電子がフォトダイオードから電荷転送領域を介してフローティングディフュージョンへと転送される。
【0005】
電荷転送領域は、実質的には、「ノーマリーオフ型」のまたはエンハンスメントモード型のNMOSFETのチャネル領域である。集積時には、トランスファーゲートは「OFF」となる。しかし、トランスファーゲートがOFFとなっていても、電流は、チャネル領域の表面で、特にフォトダイオードに最も近い領域で生成しうる。この電流は、暗電流に寄与し、入射光以外の源(例えば熱)によって発生するものである。トランスファーゲートはフォトダイオードの近くに位置するので、この暗電流は、集積時にフォトダイオード内にリークすることがあり、これにより、「ノイズ」が発生し、画素の撮像性能が制限される。
【0006】
この領域で発生する暗電流を低減するための画素構造の1つのタイプは、実質的にトランスファーゲートの全長および全幅に沿って延びる表面領域を有する電荷転送領域を使用しており、この電荷転送領域にはドーパントが注入されており、これにより、電荷転送領域の導電性を基板に比して増大させている。このようにして電荷転送領域の導電性を増大させることによって、この領域で暗電流の発生を抑制するようにトランスファーゲートの電圧を低レベルに維持した場合、電荷転送領域の表面領域には「正孔」が蓄積する。
【0007】
画像品質は、フォトダイオードからフローティングディフュージョンへの不十分な電荷転送、および基板のリーク電流によっても不都合な影響を受ける。電荷転送のサイクル中は、トランスファーゲートの電圧は「高く」設定される。フォトダイオードからフローティングディフュージョンへ電荷が転送されると、フローティングディフュージョンのポテンシャルは下がり、フォトダイオードのポテンシャルは上がり始める。フローティングディフュージョンのポテンシャルが、トランスファーゲートのチャネル表面のポテンシャルのレベルにまで降下すると、フォトダイオードから転送される電荷の一部は、電荷転送サイクルの終了時、つまりトランスファーゲートの電圧が降下してアースされるまで、トランスファーゲートのチャネル領域に留まりうる。この時、この電荷(つまり電子)の一部は、フローティングディフュージョンに転送されずにフォトダイオードに戻る。この現象は、「スピルバック(spill-back)」もしくは「スロッシュバック(slosh-back)」と呼ばれることが多い。このような不完全な電荷転送は、次の集積期間中に蓄積および転送される電荷の量に影響を与え、残像または時間ノイズを生じさせる。
【0008】
基板リークは、フォトダイオード領域からフローティングディフュージョンへ電子が移動する集積中に起こる。このようなリークによって、集積期間中に収集された電荷量の読出しが不正確となり、これにより、画像品質は低下する。
【0009】
上述の構成においては、電荷転送領域全体にドーパントを注入して、その導電性を基板に比して増大させるが、これにより、一般に、暗電流の低減に関しては効果が得られるが、この構成は、基板のリーク電流および電荷のスピルバックによって起こる残像の問題に対応はしていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、暗電流を低減するだけでなく、不完全な電荷の転送を回避し、残像や時間ノイズが低減された画素を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、本発明は、第1の導電型の基板と、該第1の導電型とは逆の第2の導電型の、入射光を電荷に変換するように構成されている光検出器と、前記第2の導電型のフローティングディフュージョンと、該フローティングディフュージョンと前記光検出器との間に設けられている転送領域とを備えている画素を提供する。ゲートは、転送領域上に形成され、部分的に光検出器に重なっており、光検出器からフローティングディフュージョンへと電荷を転送するように構成されている。第1の導電型のピニング層(pinning layer)が、ゲートから少なくとも光検出器を横切って越えて延びている。第1の導電型のチャネル領域が、ゲートのほぼ中間点から少なくとも光検出器を横切って越えて延びており、このチャネル領域は、転送領域のドーパント濃度がフローティングディフュージョンの近辺よりも光検出器の近辺で高くなっているように第1の導電型のドーパントを注入することによって形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施態様は、添付図面を参照することによって、より深く理解される。図面の構成要素の相対的な寸法は、必ずしも正しくない。また、同様の要素に対しては、同様の参照番号を使用している。
【0013】
以下に、添付図面を参照しながら本発明を詳説する。この添付図面は、本明明細書の一部をなしており、本発明を実施する特定の実施態様の例示のために示す。図面に関連して、方向を表す用語、例えば「上部」、「下部」、「前」、「後」、「前方」、「後方」等を、説明で参照する図面の配向に関して使用するが、本発明の態様の構成要素は多数の異なる配向で配置可能であるので、方向を示す用語は、図示を目的として使用されるにすぎず、何らかの限定を加えるものではない。本発明の範囲を逸脱することがなければ、別の態様を使用できること、また構造的もしくは理論的な変更が可能であることを理解されたい。したがって、以下に示す詳細な説明は、限定的な意味は何もなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0014】
図1は、本発明による非対称のチャネルドーピングを利用したCMOS画素30の一態様を示す一般的なブロック図および概略図である。画素30は、第1の導電型の基板32と、この第1の導電型とは逆の第2の導電型の注入によって形成されており、かつ集積期間中に入射光を収集し電荷に変換する光検出器34とを有している。光検出器34は、フォトダイオードまたは埋込みフォトダイオードもしくはピンドフォトダイオード(pinned photodiode)であってよい。図示のように、CMOS画素30は、一般に、4トランジスタの埋込型のゲートフォトダイオードのタイプの画素と呼ばれ、光検出器34は、ピンドフォトダイオードからなっている。
【0015】
フローティングディフュージョン36は、第2の導電型を有する注入により、基板32に形成されている。基板32の転送領域38は、フォトダイオード34とフローティングディフュージョン36との間に延びている。トランスファーゲート(TX)40(アクセストランジスタと呼ばれることも多い)は、転送領域38上に形成されており、フォトダイオード34に少なくとも部分的に重なっている。絶縁層42は、TXゲート40を基板32の表面44から分離している。第1の導電型のピニング層46は、一般には、表面44と光検出器34との間に配置されており、TXゲート40から少なくともフォトダイオード34を横切って延びている。
【0016】
基板32に比して増大させた導電型のチャネル領域48は、少なくとも部分的にピニング層46に整合しており、少なくとも部分的にピニング層46よりも深い位置にある。チャネル領域48は、一般には、TXゲート40の中間点から少なくともフォトダイオード34を横切って延びており、これにより、チャネル領域48は、フォトダイオード34と結合している。チャネル領域は、転送領域38のドーパント濃度がフローティングディフュージョン36の近辺よりもフォトダイオード34の近辺で高くなっているように形成されている。実際、転送領域38は、基板32と同じ導電型のドーパントで、フローティングディフュージョン36の近傍よりフォトダイオード34の近傍で高くなっているようなドーパント濃度で非対称にドープされている。
【0017】
一態様では、図示のように、基板32は、p型の導電性を有しており(例えばp型シリコンであり)、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36は、n型の導電性を有している。一態様では、ピニング層46およびチャネル領域48は、基板32と同じ型、図示のようにp型の追加的なドーパントを含む。一態様では、基板32、ピニング層46およびチャネル領域48のドーパントは、ホウ素を含む。一態様では、基板32、ピニング層46およびチャネル領域48のドーパントは、ホウ素、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムからなる群から選択される。一態様では、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36のドーパントはリンを含む。一態様では、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン領域のドーパントは、リンおよびヒ素からなる群から選択される。
【0018】
画素30は、リセット(RST)トランジスタ52、行選択(RS)トランジスタ54およびソースフォロワ(SF)トランジスタ56をさらに有している。リセットトランジスタ52のソースはフローティングディフュージョン36に接続しており、ドレインは電圧源(VDD)58に接続している。SFトランジスタ56のゲートは、RSTトランジスタ52のソースに接続しており、ドレインはVDDに接続している。RSトランジスタ54のドレインは、SFトランジスタ56のソースに接続しており、ソースは、画素30と関連接続している撮像センサのアレイのカラムバス60に接続している。
【0019】
画素30は、実質的に2つのモード、集積モードおよび読出モードで動作する。始めは、画素30はリセット状態で、TXゲート40およびRSTゲート52がONになっており、これにより、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36から電荷が除去される。集積を開始するには、TXゲート40およびRSTトランジスタ52をOFFにする。集積中、フォトダイオード34は、フォトダイオード34へ入射する光子束の量に比例する電荷を有する光生成電子を収集する。蓄積された電荷の量は、フォトダイオード34に入射する光の強さを表す。集積中、チャネル領域48およびピニング層46のホウ素注入部は、表面44付近でのキャリア生成を防ぐバリアとして機能する。
【0020】
画素30が、所望の期間、電荷を集積した後、RSTトランジスタ52はONとなり、フローティングディフュージョン36は、VDDにほぼ等しいレベルに設定される。一態様では、VDD58は2.5〜5ボルトである。次に、フローティングディフュージョン36のリセットレベルをカラムバス60で、RSトランジスタ54およびSFトランジスタ56を介してサンプリングし、そのリセットレベルは、VDDからしきい値を引いたものにほぼ等しい。
【0021】
続いて、TXゲート40での電圧を高く設定し、転送領域38で反転層を形成し、転送領域38を導電性にする。これによって、フォトダイオード34によって蓄積された電子は、より低い電圧のフォトダイオード34から転送領域38を介して、より高い電圧のフローティングディフュージョン36へ転送を始め、これにより、フローティングディフュージョン36の電圧レベルが降下する。転送期間の終わりには、TXゲート40は再びアースされ、次の集積期間のためにフォトダイオード34を分離する。次に、フローティングディフュージョン36の「蓄積された」電圧レベルは、RSトランジスタ54およびSFトランジスタ56を介してカラムバス60で読み出される。サンプリングされたリセットレベルと蓄積された電圧レベルとの差は、フォトダイオード34に入射した光の強さに比例した画像信号を構成する。サンプリングされたリセットレベルを、蓄積された電圧レベルと比較するプロセスは、一般に、「二重サンプリング(ダブルサンプリング)」と呼ばれる。
【0022】
読出期間中、電子は、フォトダイオード34からフローティングディフュージョン36へと転送されるので、フローティングディフュージョン36のポテンシャルは、リセットレベルから降下を始め、フォトダイオード34のポテンシャルは上昇を始める。TXゲート40が再びアースされる時に、フォトダイオード34とフローティングディフュージョン36との間のポテンシャルの差が実質的なものでない場合、転送領域38に存在する電子および場合によってはフローティングディフュージョン36に存在する電子が、フォトダイオード34へと戻ることがあり、これは画層信号には含まれないことがある。このように、光生成電子がフォトダイオード34に戻されることは、「スロッシュバック」と呼ばれることがある。このようなスロッシュバックによって、「残像」が生じ、上記のように集積期間に戻る電子は次の集積期間の光生成電子に含められ、これにより、画像品質が低下する。
【0023】
本発明による、チャネル領域48の注入によって得られる転送領域38の非対称なドーピングは、上述の電荷スロッシュバック等を減少させかつ/またはなくすように構成されている。画素30の動作中、ホウ素のような注入されたp型ドーパントは、例えば、負に帯電した不動のイオンである。ドーパントの注入を非対称化して、フォトダイオード34近傍のドーパントの濃度をより高くし、フローティングディフュージョン36近傍のドーパント濃度をより低くすることによって、フォトダイオード34近傍の転送領域38での静電ポテンシャルは、フローティングディフュージョン36近傍の静電ポテンシャルより低くなる。その結果、電荷転送プロセスの完了時点にTXゲート40の電圧が高電圧からアースへと戻ると、転送領域38の光生成電子は、より高いポテンシャルの方へ、つまりフローティングディフュージョン36へと流れる。
【0024】
実際、転送領域38の非対称のドーピングによって、光生成電子はフローティングディフュージョン36へと「押し出」され、この場合、チャネル領域48のドーパント濃度をより高くすることによって、フォトダイオード34から転送領域38へのバリアが形成される。チャネル領域48が、転送領域38から少なくともフォトダイオード34を横切って延びていることによって、チャネル領域48がフォトダイオード34に対して、実質的に均一なポテンシャルを示すことを留意されたい。よって、電荷転送プロセス中に、チャネル領域48が、フォトダイオード34からの電子流に対するポテンシャルバリアとなる可能性は減少し、電子は、フローティングディフュージョン36に自由に流入できる。
【0025】
いくつかの画素構造は、転送領域の表面ドーピングを有してはいるが、このようなドーピングは、転送領域で暗電流の発生を低減するために、一般に、転送領域を横切って対称になっていることにも留意されたい。つまり、従来のピクセル構造の転送領域の対称の表面ドーピングは、電荷スロッシュバックを減少させることはないが、本発明による転送領域38の非対称のドーピングはそれを可能にしている。
【0026】
一態様では、画素30は、基板32と同じ導電型を有する非対称のパンチスルー抑制注入部をさらに含む。一態様では、このパンチスルー抑制注入部には、ホウ素が使用される。一態様では、パンチスルー抑制注入部は、中間部のパンチスルー抑制注入部70および深部のパンチスルー抑制注入部72を含み、これらを概ね図1の点線で示す。一態様では、中間部のパンチスルー抑制注入部70および深部のパンチスルー抑制注入部72は、TXゲート40のほぼ中心からフローティングディフュージョン36内へ延びるようにドーパントが注入され、これにより、画素30の幅にわたり非対称なパンチスルー抑制注入部が得られる。
【0027】
パンチスルー抑制注入を利用することは周知であり、この手段は、従来の画素構造では、フォトダイオードの領域で入射光により生成する電子の、フローティングディフュージョンへの表面リークの低減のために用いられる。光生成電子のフローティングディフュージョンへのこのようなリークは、不正確な画送信号をもたらす。それというのは、全ての光生成電子が、光検出器によって収集されず、ひいては、電荷転送プロセスの一部として包含されず、また測定されないからである。
【0028】
従来の画素構造のパンチスルー抑制注入部は、一般に、表面下リークの低減に効果的ではあるが、このような注入部は、一般に、光検出器の領域を含む画素を横切って対称に注入されている。よって、この構成は、表面下リークの低減に効果的であっても、光検出器の領域に形成された注入部が、光検出器によって光生成された電子、特に基板のより深い位置で生成された電子の収集を妨げてしまう。
【0029】
これに対して、本発明の中間部のパンチスルー抑制注入70および深部のパンチスルー抑制注入72は、非対称に注入されており、注入されたドーパント(例えばホウ素)の濃度は、フローティングディフュージョン36の近辺で、フォトダイオード34の近辺よりも高くなっている。転送領域38に関連して上述した形式と同様に、フローティングディフュージョン36の近辺のドーパント濃度がフォトダイオード34の近辺のよりも高くなっていることによって、フローティングディフュージョン36の近辺でのより低い静電ポテンシャルが得られる。このようにして、中間部および深部の非対称なパンチスルー抑制注入部70および72は、フローティングディフュージョン36に対する電子バリアとして働き、フォトダイオード34の方向に光生成電子を「押し出す」。さらに、本発明の中間部および深部のパンチスルー抑制注入70および72は、一般に、フォトダイオード34内へは延びておらず、従来の対称的なパンチスルー抑制注入と異なり、光生成電子の収集を妨げることはない。
【0030】
以上のように、本発明によって、チャネル領域48を利用し、転送領域38の非対称なドーピングを形成することによって、画素30で電荷スロッシュバックの生成が低減され、これにより、残像作用が減少し、画像品質が向上する。さらに、本発明による非対称のパンチスルー抑制注入部70および72を用いることによって、画素30において、フォトダイオード34による光生成電子の収集が妨げられることなく電子の表面下のリークが減少するので、さらに画像品質が向上する。
【0031】
図2は、図1の画素30の一部の断面図であって、転送領域38の非対称なドーピングならびにパンチスルー抑制注入部70および72を形成するために使用される基板32におけるホウ素濃度レベルの等高線の例を示す。画素の幅方向の距離(単位μm)をx軸80に沿って示し、画素30の表面44下の深さ(単位μm)をy軸82に沿って示す。
【0032】
図2では、フォトダイオード34、フローティングディフュージョン36、ピニング層46、チャネル領域48、ならびに中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72を実線で示し、ホウ素の濃度等高線84〜108を二点鎖線で示す。フォトダイオード34の境界は、図1および2では、基板32の表面44に対して概ね垂直に示されているが、一態様では、フォトダイオード34を形成する注入部の、TXゲート40の近辺のエッジが、TXゲート40の中央の領域に向かって概ね傾斜していて、フォトダイオード34が、TXゲート40の下で角をなして延びている。
【0033】
注入濃度は、通常、基板の立方センチメートル(cm)の体積当たり注入されているドーパント原子の数として測定される。一態様では、ホウ素の濃度等高線84は、基板32の、1立方センチメートル当たり4.6×1016個のホウ素濃度を有する領域を示し(4.6×1016個/cm、4.6e16/cm)、濃度等高線86は、2×1016個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線88は、1×1016個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線90は、4.6×1015個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線92は、2×1015個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線94は、1×1016個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線96は、2×1016個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線98は、4.6×1016個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線100は、1×1017個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線102は、2×1017個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線104は、4.6×1017個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線106は、1×1018個/cmのホウ素濃度を示し、濃度等高線108は、2×1018個/cmのホウ素濃度を示す。
【0034】
図2に示す態様では、チャネル領域46のホウ素濃度、ならびに中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72のホウ素濃度が高くなっていることが分かる。これにより、転送領域38では、フローティングディフュージョン36近傍よりもフォトダイオード34近傍でホウ素濃度が高くなり、パンチスルー抑制注入部では、フォトダイオード34近傍よりもフローティングディフュージョン36の領域でホウ素濃度が高くなっている。
【0035】
図2に示すホウ素濃度は、画素30の特定の注入の態様を示すことに留意されたい。図2のものとは異なるホウ素の濃度および別のドーパント注入物が使用可能である。注入濃度の一態様では、転送領域38の、フォトダイオード34の近辺のドーパント濃度は1.5×1018/cm〜4.5×1018/cmである。一態様では、転送領域38の、フローティングディフュージョン36の近辺のドーパント濃度は7.0×1015/cm〜1.3×1016/cmである。一態様では、注入濃度は、フォトダイオード34の近辺のドーパント濃度の、フローティングディフュージョン36の近辺のドーパント濃度に対する比が、約150〜650であるようになっている。
【0036】
図3Aは、画素30の、一定深さ約0.05μmでの、0.03〜1.50μmの幅にわたる例示的なホウ素濃度を示すグラフ120である。画素30の幅にわたる距離(μm)をx軸線122に沿って示し、注入濃度をy軸線124に沿って示す。ホウ素濃度レベルを曲線126で示し、リン濃度レベルを曲線128で示す。分かり易くするために、図2にはリン濃度等高線を示していないが、図3Aではn型リンの注入を示しており、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36を形成するために使用されるホウ素注入とリン注入との関係を表す。
【0037】
図3Bは、画素30の、一定深さ約0.25μmでの、0.30〜1.50μmの幅にわたる例示的なホウ素濃度を示すグラフ140である。画素30の幅にわたる距離(μm)をx軸線142に沿って示し、注入濃度をy軸線144に沿って示す。ホウ素濃度レベルを曲線146で示し、リン濃度レベルを曲線148で示す。分かり易くするために、図2にはリン濃度等高線を示していないが、図3Bにはn型リンの注入を示し、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36を形成するために使用されるホウ素注入とリン注入との関係を示す。
【0038】
図3Cは、画素30の、一定深さ約0.5μmでの、0.30〜1.50μmの幅にわたる例示的なホウ素濃度を示すグラフ160である。画素30の幅にわたる距離(μm)をx軸線162に沿って示し、注入濃度をy軸線164に沿って示す。ホウ素濃度レベルを曲線166で示し、リン濃度レベルを曲線168で示す。分かり易くするために、図2にはリン濃度等高線を示していないが、図3Cにはn型リンの注入を示し、フォトダイオード34およびフローティングディフュージョン36を形成するために使用されるホウ素注入とリン注入との関係を示す。
【0039】
本発明による、チャネル領域48ならびに中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72の注入は、2つのステップのマスキング操作を含む。第1のマスクを、チャネル領域48の形成で用い、第2のマスクを、中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72の形成で用いる。一態様では、ピニング層46、チャネル領域48、ならびに中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72の形成において、ホウ素イオンビームを使用してホウ素原子を注入する。一態様では、ピニング層46を、約20KeVのエネルギーレベルのホウ素イオンビームで形成し、チャネル領域48を、約41KeVのエネルギーレベルのホウ素イオンビームで形成する。同様に、深部パンチスルー抑制注入部72を、中間部パンチスルー抑制注入部70の形成で使用されるものより高いエネルギーレベルのホウ素イオンビームで形成する。一態様では、中間部パンチスルー抑制注入部70は、表面44から深さ0.3μmで、ホウ素濃度のピークを有しており、深部パンチスルー抑制注入部72は、表面44から深さ0.6μmで、ホウ素濃度のピークを有している。
【0040】
一般に、コストを抑えかつ製造時間を短縮するために、従来の画素構造の転送領域注入部およびパンチスルー抑制注入部は、同じマスクを利用して形成される。同じマスクを使用する場合には、マスクを適正に整合するように万全の注意を払わなくてはならない。それというのは、転送領域注入部は、暗電流を低減させるためにフォトダイオードのできるだけ近くに設けることが望ましく、パンチスルー抑制注入部は、フォトダイオードの動作の妨げとならないように、フォトダイオードから少なくともいくらかの距離を置いて設けることが望ましいからである。つまり、最適にマスクを整合させることは、1つの問題となる。さらに、この場合、同じマスクを両注入で使用し、また、転送領域に対称に注入物を注入して暗電流を低減することが望ましいので、パンチスルー抑制注入部も対称となる。上述のように、このような対称な構成は、光生成電子がフォトダイオードによって収集されるのを妨げる。
【0041】
2つのマスク、つまりチャネル領域48の形成で使用されるマスクと、中間部パンチスルー抑制注入部70および深部パンチスルー抑制注入部72の形成で使用されるマスクとを利用することによって、本発明では、上記の問題を回避することができる。第1のマスクを、任意にチャネル領域48を形成するために配置し、第2のマスクを、任意にパンチスルー抑制注入部70および72を形成するために配置することができる。さらに、パンチスルー抑制注入部70および72は、画素30の幅にわたって対称となっているが、これに限定されることはない。
【0042】
以上、特定の実施態様を図示し説明したが、本発明の範囲を逸脱することがなければ、当業者がこれらの特定の実施態様を様々な変化形および/または同等の態様で置き換えることができることは明らかであろう。本出願は、上で説明した特定の実施態様のあらゆる応用形や変化形を包含することを意図している。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびこれと同等のものによって限定されることが意図されている。
【0043】
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 第1の導電型の基板と、
入射光を電荷に変換するように構成されている、前記第1の導電型とは逆の第2の導電型の光検出器と、
前記第2の導電型のフローティングディフュージョンと、
前記光検出器と前記フローティングディフュージョンとの間に設けられている転送領域と、
前記転送領域上に、および前記光検出器に部分的に重なって形成されており、前記光検出器からフローティングディフュージョンへ電荷を転送するように構成されているゲートと、
前記ゲートから少なくとも光検出器を横切って延びる、前記第1の導電型のピニング層と、
前記ゲートのほぼ中間点から前記光検出器を少なくとも横切って延びる、前記第1の導電型のチャネル領域とを有しており、
前記チャネル領域が、転送領域のドーパント濃度がフローティングディフュージョンの近辺よりも光検出器の近辺で高くなるように第1の導電性のドーパントを注入することによって形成されている、画素。
2. 前記光検出器がフォトダイオードからなっており、前記チャネル領域が、少なくとも部分的に前記ピニング層に整合し、かつ該ピニング層よりも深い場所に位置しており、フォトダイオードとの結合を形成している、上項1に記載の画素。
3. 前記電荷が電子を含み、前記ドーパントが、負帯電の不動のイオンを含み、電荷転送プロセス中にゲートに電圧を印加する(もしくはエネルギーを付与する)と、前記フォトダイオードの近辺でのより高いドーパント濃度の前記負帯電イオンが、フローティングディフュージョンの近辺でのより低いドーパント濃度の前記負帯電イオンによって形成された静電ポテンシャルよりも低い静電ポテンシャルを形成し、これにより、より高いドーパント濃度により光検出器に対するバリアが形成され、ゲートへの電圧印加を止めた時、転送領域の電子がフローティングディフュージョンへと流れる、上項1に記載の画素。
4. 前記ドーパント濃度が、概ね、実質的にゲートの中間点からゲートおよび光検出器の重なり領域へ向かって上昇している、上項1に記載の画素。
5. 前記ドーパント濃度が、前記ゲートおよび前記フローティングディフュージョンの重なり領域で、第1のレベルにあり、前記ゲートの中央領域で、前記第1のレベルから徐々に低下する第2のレベルにあり、前記ゲートおよび前記光検出器の重なり領域で、前記第1のレベルから徐々に上昇する第3のレベルにある、上項1に記載の画素。
6. 前記ドーパント濃度が、実質的に、前記光検出器の長さおよび幅にわたってかつゲートとの重なり領域を越えて、前記第3のレベルにあり、これにより、前記光検出器と前記基板の表面との間にピニング層の少なくとも一部が形成される、上項5に記載の画素。
7. 前記ドーパント濃度が、実質的に、前記フローティングディフュージョンの長さおよび幅にわたってかつゲートとの重なり領域を越えて、前記第1のレベルにある、上項5に記載の画素。
8. 前記ゲートのほぼ中間点からフローティングディフュージョン内に延びる、非対称のパンチスルー抑制注入部を有し、該パンチスルー抑制注入部が、前記第1の導電性のドーパントの注入によって形成され、前記フローティングディフュージョンの近辺のドーパントの濃度が前記ゲートの中間点の近辺のドーパントの濃度より高くなっている濃度を有する、上項1に記載の画素。
9. 前記電荷が電子を含み、前記フローティングディフュージョンの近辺でのより高いドーパント濃度が形成されて、これにより、アクティブ画素センサの集積期間中、前記光検出器から前記フローティングディフュージョン領域への電子のリークを防ぐバリアとして作用し、前記光検出器の近辺でのより低いドーパント濃度が形成されて、これにより、集積期間中、ドーパントが前記光検出器による電子の収集を妨げることを低減させる、上項8に記載の画素。
10. 前記光検出器が、第2の導電型の注入によって形成され、該光検出器の注入部の、前記ゲートの近辺のエッジが、基板の表面に対して、概ね前記ゲートの中央領域に向かって傾斜しており、これにより、光検出器が、ゲート下で角度をなして延びている、上項1に記載の画素。
11. 前記第1の導電型がp型である、上項1に記載の画素。
12. 前記ドーパントが、ホウ素、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムからなる群から選択される、上項1に記載の画素。
13. 前記光検出器の近辺の表面チャネルのドーパント濃度が、約1.5×1018〜4.5×1018である、上項1に記載の画素。
14. 前記フローティングディフュージョン領域の近辺の表面チャネルのドーパント濃度が、約7.0×1015〜1.3×1016である、上項1に記載の画素。
15. 前記フローティングディフュージョン領域のドーパント濃度と比較した前記光検出器の近辺のドーパント濃度の比が、150〜650である、上項1に記載の画素。
16. 第1の導電型の基板と、
前記第1の導電型とは逆の第2の導電型の注入部から形成され、かつ入射光を電荷に変換するように構成されている光検出器と、
前記第2の導電型の注入部から形成されているフローティングディフュージョンと、
前記光検出器から前記フローティングディフュージョンへ電荷を転送するように構成されているトランスファーゲートと、
前記第1の導電型のドーパントの注入部から形成されており、前記基板の、前記フローティングディフュージョンの近辺の領域が、前記基板の、前記光検出器の近辺の領域よりドーパント濃度が高くなっているような濃度を有するパンチスルー抑制注入部とを備えている画素。
17. 前記パンチスルー抑制注入部が、概ね、前記転送ゲートの中間点から前記フローティングディフュージョン内へと延びている、上項16に記載の画素。
18. 前記パンチスルー抑制注入部が、第1の深さで第1の注入領域を有し、該第1の深さよりも深い第2の深さで第2の注入領域を有する、上項16に記載の画素。
19. 前記第1の注入領域のドーパント濃度のピークが、前記基板から約0.3μmの位置にあり、前記第2の注入領域のドーパント濃度のピークが、前記基板から約0.6μmの位置にある、上項18に記載の画素。
20. 前記フローティングディフュージョンの近辺での前記パンチスルー抑制注入部のドーパント濃度が、3×1016〜6×1016である、上項16に記載の画素。
21. 前記トランスファーゲートの中間点の近辺での前記パンチスルー抑制注入部のドーパント濃度が、3×1015〜6×1015である、上項16に記載の画素。
22. 第1の導電型の基板と、該第1の導電型とは逆の第2の導電型のフォトダイオードと、前記第2の導電型のフローティングディフュージョンと、ピニング層と、トランスファーゲートとを備えている画素を動作させる方法であって、
前記フローティングディフュージョンと前記フォトダイオードとの間で延びかつ第1の導電型のドーパントの濃度が非対称に分布する転送領域を設け、この場合、前記ドーパントの濃度が前記フローティングディフュージョンの近辺よりもフォトダイオードの近辺で大きくなっているようにし、
前記フォトダイオードに入射する光を電荷に変換する、方法。
23. 前記転送領域を設けることが、該転送領域のほぼ中間点から少なくとも前記フォトダイオードを横切って前記第1の導電型のチャネル領域を設けることを含み、該チャネル領域が、第1の導電型のドーパントを注入することによって形成され、この場合、前記転送領域でのドーパントの濃度が前記フローティングディフュージョンの近辺より前記フォトダイオードの近辺で高くなっている、上項22に記載の方法。
24. 前記トランスファーゲートのほぼ中間点から前記フローティングディフュージョン内へ延びるパンチスルー抑制注入部を形成することをさらに含み、該パンチスルー抑制注入部が、前記第1の導電型のドーパントを注入することによって形成され、この場合、基板の、フローティングディフュージョンの近辺の領域が、当該基板の、前記光検出器の近辺の領域より高いドーパント濃度を有する、上項23に記載の方法。
25. 前記パンチスルー抑制注入部を形成することが、第1の深さで第1の注入領域を形成し、該第1の深さより深い第2の深さで第2の注入領域を形成することを含む、上項24に記載の方法。
26. 前記チャネル領域および前記パンチスルー抑制注入部の形成が、当該チャネル領域を形成するための第1のマスクと、当該パンチスルー抑制注入部を形成するための第2のマスクとを利用する、上24に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による画素の一態様を示すブロック図および概略図である。
【図2】図1の画素の一部の断面図であり、ドーパント濃度の分布の例を示す。
【図3A】図2の画素を所定の深さで切った場所での、注入されたホウ素およびリンの濃度の例を示すグラフである。
【図3B】図2の画素を所定の深さで切った場所での、注入されたホウ素よびリンの濃度の例を示すグラフである。
【図3C】図2の画素を所定の深さで切った場所での、注入されたホウ素およびリンの濃度の例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
30 画素
32 基板
34 光検出器
36 フローティングディフュージョン
38 転送領域
40 ゲート
46 ピニング層
48 チャネル領域
70、72 パンチスルー抑制注入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型の基板(32)と、
入射光を電荷に変換するように構成されている、前記第1の導電型とは逆の第2の導電型の光検出器(34)と、
前記第2の導電型のフローティングディフュージョン(36)と、
前記光検出器と前記フローティングディフュージョン(36)との間に設けられている転送領域(38)と、
前記転送領域上に、かつ前記光検出器に部分的に重なって形成されており、前記光検出器からフローティングディフュージョンへ電荷を転送するように構成されているゲート(40)と、
前記ゲートから少なくとも前記光検出器を横切って延びる、前記第1の導電型のピニング層(46)と、
前記ゲートのほぼ中間点から前記光検出器を少なくとも横切って延びる、前記第1の導電型のチャネル領域(48)とを備えており、
前記チャネル領域が、転送領域のドーパント濃度がフローティングディフュージョンの近辺よりも光検出器の近辺で高くなるように第1の導電性のドーパントを注入することにより形成されている、画素(30)。
【請求項2】
前記光検出器がフォトダイオードからなっており、前記チャネル領域が、少なくとも部分的に前記ピニング層に整合し、かつ該ピニング層よりも深い場所に位置しており、フォトダイオードとの結合を形成している、請求項1に記載の画素。
【請求項3】
前記ゲートのほぼ中間点からフローティングディフュージョン内に延びる、非対称のパンチスルー抑制注入部(70、72)を有し、該パンチスルー抑制注入部が、第1の導電性のドーパントの注入によって形成され、前記フローティングディフュージョンの近辺のドーパントの濃度が前記ゲートの中間点の近辺のドーパントの濃度より高くなっている濃度を有する、請求項1に記載の画素。
【請求項4】
前記第1の導電型がp型である、請求項1に記載の画素。
【請求項5】
前記光検出器の近辺のチャネル領域のドーパント濃度が、約1.5×1018〜4.5×1018であり、前記フローティングディフュージョン領域の近辺のチャネル領域のドーパント濃度が、約7.0×1015〜1.3×1016である、請求項1に記載の画素。
【請求項6】
前記フローティングディフュージョン領域のドーパント濃度と比較した前記光検出器の近辺のドーパント濃度の比が、150〜650である、請求項1に記載の画素。
【請求項7】
前記フローティングディフュージョンの近辺での前記パンチスルー抑制注入部のドーパント濃度が、3×1016〜6×1016であり、前記トランスファーゲートの中間点の近辺での前記パンチスルー抑制注入部のドーパント濃度が、3×1015〜6×1015である、請求項3に記載の画素。
【請求項8】
第1の導電型の基板(32)と、該第1の導電型とは逆の第2の導電型のフォトダイオード(34)と、前記第2の導電型のフローティングディフュージョン(36)と、ピニング層(46)と、トランスファーゲート(40)とを備えている画素を動作させる方法であって、
前記フローティングディフュージョンと前記フォトダイオードとの間で延び、かつ第1の導電型のドーパントの濃度が非対称である転送領域(38)を設け、この場合、前記ドーパントの濃度が前記フローティングディフュージョンの近辺よりもフォトダイオードの近辺で高くなっているようにし、
前記フォトダイオードに入射する光を電荷に変換する、方法。
【請求項9】
前記転送領域を設けることが、該転送領域のほぼ中間点から少なくとも前記フォトダイオードを横切って前記第1の導電型のチャネル領域(48)を設けることを含み、該チャネル領域が、第1の導電型のドーパントを注入することによって形成され、この場合、前記転送領域でのドーパントの濃度が前記フローティングディフュージョンの近辺より前記フォトダイオードの近辺で大きくなっている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トランスファーゲートのほぼ中間点から前記フローティングディフュージョン内へ延びるパンチスルー抑制注入部(70、72)を形成することをさらに含み、該パンチスルー抑制注入部が、前記第1の導電型のドーパントを注入することによって形成され、この場合、基板の、フローティングディフュージョンの近辺の領域が、当該基板の、前記光検出器の近辺の領域より高いドーパント濃度を有しており、前記チャネル領域および前記パンチスルー抑制注入部の形成が、当該チャネル領域を形成するための第1のマスクと、当該パンチスルー抑制注入部を形成するための第2のマスクとを利用する、請求項9に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate


【公開番号】特開2006−339658(P2006−339658A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156077(P2006−156077)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】