説明

トランスポンダ及びそのトランスポンダを用いたセンサ測定システム

【課題】リーダ/ライタと、センサ内蔵の複数のトランスポンダ〜TR3との間で通信して、複数のトランスポンダが同時に測定を開始できる測定システムを提供する。
【解決手段】センサ固有の識別子SIDと、トランスポンダのチップ固有のチップ識別子TIDの外に、センサIDとチップTIDを組み合わせた統合識別子UIDをトランスポンダに設ける。リーダ/ライタ203は、トランスポンダを指定して測定コマンドを送信する際、トランスポンダのUIDのうちチップTIDを無効化し、センサ機能に関する情報のみを有効にしてセンサの種類ごとに特有の動作コマンドを含めた測定コマンドを送信する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポンダ、特にセンサを内蔵したトランスポンダ及びそのトランスポンダを用いたセンサ測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のセンサ測定システムに用いられる通信として、リーダ/ライタとトランスポンダによる通信がある。この通信では、リーダ/ライタがトランスポンダ固有の識別子(ID)を利用する。
【0003】
まず、リーダ/ライタが各トランスポンダを認識するには、各トランスポンダからIDを送信してもらう必要がある。そこで、リーダ/ライタはトランスポンダにID情報を送信するように識別コマンドを送信する。
【0004】
ここで、リーダ/ライタとトランスポンダ間の通信では、同時に複数のトランスポンダがリーダ/ライタに返信すると異なる信号が衝突を起こす。これではリーダ/ライタが、各トランスポンダのIDを認識することができない。そこで、リーダ/ライタはトランスポンダのIDを確実に認識するため、トランスポンダからの返信を制御する機能を備えている。
【0005】
この機能を利用して、リーダ/ライタはすべてのトランスポンダのIDを取得する。IDの取得が終わると、リーダ/ライタはトランスポンダを指定して内部処理を行うようにコマンドを送信する。内部処理が終わると、トランスポンダはリーダ/ライタに終了したことを送信する。
【0006】
トランスポンダが内部処理を終えたことをリーダ/ライタが確認したら、リーダ/ライタは別のトランスポンダと同様の送受信を行い、すべてのトランスポンダとの送受信が終了するまで、この動作を繰り返す。
【0007】
トランスポンダにセンサを内蔵することにより、通信でセンサの測定結果を読み取ることが可能となる。また、センサを内蔵したトランスポンダは、半導体集積回路技術を用いて構成することによりサイズを集積回路チップ程度に小さくすることができる。このトランスポンダのサイズが小さければ小さいほど、様々な用途に対応できる。
【0008】
なお、複数のトランスポンダと1個のリーダ/ライタ間のデータ処理システム、あるいは複数の子機と親機間の無線通信による処理システムに関連する従来例として、次のようなものが知られている。
【0009】
特開2000−224674号公報(特許文献1)は無線テレメータシステムに関し、親機と子機との組み合わせでグループが形成され、交信用同期信号(無線ヘッダ)に続いてグループを特定する信号(グループID)を送信し、グループを特定する信号から受信状態に入るようにして受信状態の時間を短くすることにより、無線ユニットの判別を早期に行う無線テレメータシステムが開示されている。
【0010】
特開平10−293893号公報(特許文献2)は、子機に接続されているメータの情報を連続して収集する無線検針方法に関し、外部機器と親機とを回線接続するとともに、外部機器からの制御にしたがい親機と子機とを無線回線接続し、子機に接続されている計量器の計量器情報の収集を終了した後、外部機器と親機との回線を切断することなく、続けて再び外部機器からの制御にしたがい親機と別の子機とを無線接続し、同様に繰り返して当該別の子機に接続されている次の計量器情報を収集する無線検針方法が開示されている。
【0011】
特開平08−273088号公報(特許文献3)は、水道メータやガスメータ等の計量器を電波を利用して検針する電波による無線検針方法に関し、検針要求電文中に、一括検針の対象となるメータのID番号の指定された特定の少数の桁のみを順に入れて送信することで、応答すべきメータを特定し、前記検針電文を受信したメータは、指定された桁のIDが自己の対応するIDと一致した場合に、送信されたIDの順序に従って順に検針値を返信するようにした無線検針方法が開示されている。
【0012】
特開平05−041888号公報(特許文献4)は、広域データ収集装置に関し、住戸ごとに設けられ電力、水道あるいはガス等の使用量のデータを所要の高周波信号に変換し電波を介し送出する戸別データ送出手段と、複数の住戸でなる小集団ごとに設けられ前記戸別データ送出手段よりの電波を受信しデータに復調する小集団データ受信手段と、通信回線等を介し複数の前記小集団データ受信手段で受信された各住戸のデータの収集を行う広域データ収集手段とでなり、前記戸別データ送出手段に住戸の識別のため予め設定された住戸コードおよびデータの種類の識別のため予め設定された種別コードを記憶する記憶部を設け、記憶部より読み出した住戸コードおよびデータの種類に相応する識別コードをデータの前等に付して送出するように構成した広域データ収集装置が開示されている。
【0013】
【特許文献1】特開2000−224674号公報
【特許文献2】特開平10−293893号公報
【特許文献3】特開平08−273088号公報
【特許文献4】特開平05−041888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
センサの小型化のための半導体プロセスの微細化に伴い、素子のバラツキ等による影響が無視できなくなる。センサ自身に誤差を補正する機能を備えることで、ある程度の補正は可能であるが、要求される精度が高くなるにつれてセンサ内部の補正機能だけで補うことは困難である。そのため測定にはセンサ自身の補正機能以外に、同種のセンサを内蔵しているトランスポンダを複数個用いて、各センサの測定結果を平均化することにより、素子のバラツキ等の影響を低減することができる。補正機能と平均化により本来測定されるべき結果とほぼ同値の結果を導出する。
【0015】
図1は、測定項目の値が時間により変化する場合を示している。横軸は時間であり、縦軸は測定項目の値である。この測定項目を測定するトランスポンダへ測定命令、測定結果の読み取りコマンドを送信する際には、トランスポンダのIDを利用することができる。図1のように、測定項目の値が時間によって変化する場合に、このIDを利用してトランスポンダを指定しながら測定コマンドの送受信、読み取りコマンドの送受信をN個のトランスポンダに対して1個ずつ行うと、最初のトランスポンダが測定を行っている時間帯t1での測定対象の値、2番目のトランスポンダの測定する時間帯t2での測定項目の値、……、N−1番目のトランスポンダが測定する時間帯tN−1での測定項目の値、N番目のトランスポンダが測定を行っている時間帯tNでの測定項目の値では異なることになる。したがって、この方法では、各トランスポンダはそれぞれに異なる時間帯の測定項目の値を測定してしまうことになり、同一時間帯の測定項目を測定することができない。また、各トランスポンダが測定した測定結果の平均値を求めた場合には、それは同一時間帯のものではなくなってしまい、同一時間帯での各トランスポンダの測定結果の平均値を算出することができない。
【0016】
すなわち、トランスポンダ固有のIDを用いてトランスポンダを指定する方法では、複数のセンサを用いた場合に、同時に複数のセンサが測定を行なうことはできない。そのため図1に示すような測定項目では、複数のトランスポンダを用いて測定することの利点を活かすことができない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するための本発明の代表的手段の一例を示せば次の通りである。即ち、本発明に係るトランスポンダは、第1コイルアンテナと、前記第1コイルアンテナを介してリーダ/ライタとの間で通信が行なわれる通信部と、所定の測定が行なわれるセンサを有するセンサ部と、前記通信部と前記センサ部とを制御するためのチップ制御部とを有するトランスポンダであって、前記センサ部はセンサ固有のセンサ識別情報を有し、前記チップ制御部はトランスポンダ固有のチップ識別情報を有すると共に、前記チップ識別情報と前記センサ識別情報とを組み合わせた固有の統合識別情報とを具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トランスポンダ固有の識別情報とセンサ部のセンサ識別情報を組み合わせた固有の識別情報である統合識別情報をトランスポンダ内に設け、センサ測定命令に対しては統合識別情報のうちのチップ識別情報を無効化することにより、同時刻に、同じセンサ識別情報を持つセンサを内蔵するトランスポンダが一斉に測定することを可能にした。これにより、時間と共に特性が変化する測定対象に対しても、同時刻における複数のセンサ測定データの平均値を得ることができ、センサ測定データの精度および信頼性の向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
複数のトランスポンダを用いる測定システムとして、図2に生物発光を計測することでDNAあるいはタンパク質などの生体分子を検出する測定システムの構成を示す。
【0021】
図2において、試験槽200内の溶液201には、センサを内蔵してリーダ/ライタとの間で、測定したデータやリーダライタからのコマンドをワイヤレスで送受信する複数種類のトランスポンダTR1、TR2、TR3が入れられている。
【0022】
図2では、DNAの種類を判別するために必要な測定データの一例として溶液の温度を測定する温度センサ(Thセンサ)、溶液中のイオン濃度を検出するためのペーハーセンサ(pHセンサ)、及び生物発光によるDNAの検出を行うための光センサ(Phoセンサ)の3種類のトランスポンダ、TR2、TR3が溶液中にそれぞれ複数個ずつ入れられている。なお、多数のトランスポンダを示すと煩雑になるので、図2では単に試験槽内に3種類のトランスポンダが複数あることだけを示し、各トランスポンダの種類を限定して示したものではない。測定データの精度を上げるために、必要に応じて多数のトランスポンダチップを使用できることは言うまでもない。
【0023】
この測定システムは、これらの溶液中のトランスポンダとコイルアンテナ202を介して通信を行うリーダ/ライタ(R/W)203と、リーダ/ライタを制御すると共に取得した測定データを処理し、測定結果の判別等を行うパーソナルコンピュータ(PC)などからなる上位システム制御装置(SYS_CTL)204とで構成されている。
【0024】
図3は、リーダ/ライタ203の内部構成を示すブロック図である。リーダ/ライタは、トランスポンダと通信を行うためのコイルアンテナ202が接続される無線通信回路(RFCKT)301と、制御回路(R/W_CTL)304により発信周波数が制御される発振器(OSC)303と、発振器303で発生された発信周波数に変調をかけて無線通信回路へ送る変調器(MOD)302と、コイルアンテナ202を経由して無線通信回路で受信したトランスポンダから送られてくる信号を復調する復調回路(DEM)305とから構成される。ここで、制御回路は変調器の変調周波数とRF通信回路のRF周波数とを、リーダ/ライタ外部の上位システム制御装置(SYS_CTL)204からの制御信号に基づいて制御を行なう。
【0025】
図4は、トランスポンダTR1、TR2、TR3の内部構成を示すブロック図である。リーダ/ライタ203から送信された電磁波はコイルアンテナ400で受信され、整流回路(RCFY)401で整流されて電源回路(PWS)402で安定化される。この安定化された電源がトランスポンダTRの電源としてトランスポンダ内の各回路へ供給される(なお、図4では電源線は省略されている)。
【0026】
また、コイルアンテナ400で受信された電磁波は、復調回路(DEM)404とクロック生成回路(CKGEN)405に送られ、それぞれ信号の復調とトランスポンダ内部用クロック信号の生成とが行われる。変調回路(MOD)は、制御部(TR_CTL)414からコイルアンテナ400を介し送出される各種のコマンドやデータの変調を行う。整流回路、復調回路、クロック生成回路、変調回路は、リーダ/ライタと通信するための通信部(COM)415を構成する。
【0027】
センサ部(SENS)413は、試験槽内の温度、光強度、ペーハー(pH)等の測定対象を測定する。センサ部で検出された測定結果であるアナログデータは、アナログ・デジタル変換回路(ADC)411にて、デジタルデータに変換され、記憶回路(MEM)410に格納される。
【0028】
制御部(TR_CTL)414は、復調回路とクロック生成回路とクロック生成回路、センサ部、アナログ・デジタル変換回路、記憶回路を制御する。また、制御部は、リーダ/ライタ203との通信時におけるID識別時の衝突を防止するためのスロット生成部(SLTGEN)407を有する。
【0029】
センサ部は、センサ識別情報(SID)412を有している。センサ識別情報は、センサ部の測定対象を示す情報であり、測定対象ごとに割り当てられる。例えば、測定対象を温度とするセンサ部を有するトランスポンダは、共通のセンサ識別情報を持つ。また、測定対象を温度とするセンサ部を有するトランスポンダと、測定対象を光とするセンサ部を有するトランスポンダとでは、異なるセンサ識別情報を持つ。従って、センサ識別情報を指定することにより、同一の測定対象を測定するセンサ部を有するトランスポンダを一度に指定できる。
【0030】
また、制御部は、トランスポンダを構成するチップに固有のIDであるチップ識別情報(TID)409と、チップ識別情報とセンサ識別情報とを組み合わせた各トランスポンダに固有の統合識別情報(UID)408を有する。すなわち、異なるトランスポンダ同士では、異なるチップ識別情報と、異なる統合識別情報を持つことになる。
【0031】
図5の(a)にチップ識別情報(TID)、(b)にセンサ識別情報(SID)、(c)に統合識別情報(UID)を示す。例えば、TIDがmビットのデータからなり、SIDがnビットのデータからなるとすると、UIDはTIDとUIDの連接からなるデータとなる。UIDと、TID及びSIDとの関係は、特に連接のみに限るものではなく、UIDが、TID及びSIDから特定されるものであれば良い。
【0032】
尚、図4に示す実施例ではセンサ部は、一つのみしか記載していないが、測定対象の異なる複数種類のセンサ部を持たせても良い。この場合、複数種類の測定対象に対応して、トランスポンダは複数のセンサ識別情報、及び、チップ識別情報を持つことになる。
【0033】
図6は、リーダライタ(R/W)がトランスポンダ(TR)へ送信するコマンド、そのコード及び動作説明を示した図である。
【0034】
統合識別情報要求コマンド(Req_UID)は、コードC01とC02で表され、測定を行う前、つまり図8に示すステップ801〜803及び図9に示すステップ900〜902においてトランスポンダの識別情報UIDを要求する。コードC01は照合用スロットを表わし、コードC02はトランスポンダ内でスロットを生成させ、トランスポンダ内で生成されたスロットと照合用スロットC01が一致した際にUIDをリーダ・ライタに送信させる機能を持つ。C01は一定の間隔で変化し(例えば000、001、010・・・)、その間隔及び周期はリーダ・ライタ側によって制御される。C02を受信すると、トランスポンダはスロットを生成するがスロットを生成する要素としてUIDの一部を利用している(例えばUIDの一部をそのまま照合用スロットとして使う)。
【0035】
ここで、UIDのどの部分を指定するかはリーダ・ライタ側によって制御される。仮にステップ901において返信信号が衝突した場合は1周期過ぎた後に、もう一度Req_UIDを送信する。この場合、スロットを生成する際に利用するUIDの一部は以前とは異なる部分を用いる(例えば最初の1周期でS1、S2、S3を用いた場合、次の1周期はS4、S5、S6を利用するようにC02が制御される)。
【0036】
基本的にはトランスポンダは、自身の統合識別情報を受信した際に動作コードで指定される動作を実行する。しかし、測定に関する動作コマンドを受信し動作している間は、チップ識別情報を無効化、すなわち、自身のセンサ識別情報を受信した際に動作するようになる。
【0037】
以下に、ステップ804〜807の説明としてR/Wがステップ903〜904において各トランスポンダに送信する前処理を実行させる前処理実行コマンドを示す。
【0038】
図6に示すように、温度センサ前処理実行コマンド(Th_SID)は、コードC04、C03、C05、C06で構成される。コードC04はThセンサのSID用動作コードを表し、コードC03はTIDを、コードC05は温度センサのSID、C06は温度センサのパラメータを表わす。Th_SIDはThセンサ(温度センサ)を持つトランスポンダがのみ一斉に前処理動作を実行するためのコマンドである。コードC04は温度センサの初期化を含めた前処理、及び図10に示すステップ1004〜1007間においてUIDを構成するチップ識別情報TIDの無効化(すなわち、センサ識別情報SIDだけを有効にする)の機能を持つ。
【0039】
光センサ前処理実行コマンド(Pho_SID)は、コードC07、C03、C08、C09で構成される(図6参照)。コードC07はPhoセンサのSID用動作コードを表し、コードC03はTIDを、C08はPhoセンサ用SID、C09はPhoセンサ用パラメータを表わす。Pho_SIDはPhoセンサを持つトランスポンダのみ一斉に前処理動作を実行するためのコマンドである。コードC07は光センサの初期化を含めた前処理動作、及びステップ1004〜1007間においてUIDを構成するチップの識別情報TIDの無効化の機能を持つ。
【0040】
pHセンサ前処理実行コマンド(ph_SID)はコードC010、C03、C011、C012から構成される。コードC010はpH_SID用動作コードを表わし、コードC03はTIDを、コードC011はpHセンサ用SID、コードC012は、pHセンサ用パラメータを表わす。pH_SIDはpHセンサを持つトランスポンダのみ一斉に前処理動作を実行するためのコマンドである。コードC010はpHセンサの初期化を含めた前処理動作、及びステップ1004〜1007間においてUIDを構成するチップのTIDの無効化の機能を持つ。
【0041】
前処理動作を終えると測定を行う。以下に、ステップ808〜811の説明として、R/Wがステップ905、906において各トランスポンダのセンサ部に測定、測定結果をディジタルデータに変換し記憶回路410に格納する動作を実行させるために送信する測定実行コマンドを示す。
【0042】
温度センサ測定実行コマンド(Meas_Th_SID)は、コードC013とC03、C05で構成される。コードC013は、ThセンサのMeas_Th_SID用動作コードを表わし、C03はTID、C05は温度センサ用SIDを表す。Meas_Th_SIDはThセンサを持つトランスポンダのみ一斉に測定から測定結果の格納まで実行するためのコマンドである。コードC013はステップ1008〜1011において測定実行、及びUIDを構成するチップ識別情報TIDの無効化(すなわち、センサ識別情報SIDだけを有効にする)の機能を持つ。
【0043】
光センサ測定実行コマンド(Meas_Pho_SID)はコードC014とC03、C08で構成される。コードC014はPhoセンサのMeas_Pho_SID用動作コードを表わし、コードC03はTID、C08はPhoセンサ用SIDを表わす。Meas_Pho_SIDはPhoセンサを持つトランスポンダのみ測定から測定結果の格納を実行するためのコマンドである。コードC014はステップ1008〜1011において測定実行、及びUIDを構成するチップ識別情報TIDの無効化(すなわち、センサ識別情報SIDだけを有効にする)の機能を持つ。
【0044】
pHセンサ測定実行コマンド(Meas_pH_SID)はコードC015とC03、C011で構成される。コードC015はpHセンサのMeas_pH_SID用動作コードを表わし、コードC03はTID、C011はpHセンサ用SIDを表わす。Meas_pH_SIDはpHセンサを持つトランスポンダのみ測定から測定結果の格納を実行するためのコマンドである。コードC015はステップ1008〜1011において測定実行、及びUIDを構成するチップ識別情報TIDの無効化(すなわち、センサ識別情報SIDだけを有効にする)の機能を持つ。
【0045】
また、トランスポンダが温度、光、pH以外の測定対象を持つセンサ部を備える場合には、それに対応した前処理実行コマンド、測定実行コマンドを用意する。
【0046】
測定結果要求コマンド(Req_Resl)は、各トランスポンダへ測定結果を要求するコマンドである。コードC016は記憶回路410に格納した測定結果の送信命令、コードC03はTIDである。トランスポンダの指定をするためには普通UIDを用いるが、TIDもトランスポンダごとに固有で、R/Wは取得したUIDから各トランスポンダに内蔵しているセンサの情報があるため、TIDを用いてもよい。
【0047】
図7は、トランスポンダ(TR)がリーダ/ライタ(R/W)へ送信するコマンド、そのコード及び動作説明を示した図である。コードC23はステップ802及びステップ1002においてリーダ・ライタに送られ、TIDとSIDを組み合わせたUIDが含まれる。コードC21はステップ806,1007及びステップ810,1011においてリーダ・ライタに送信される。コードC22はステップ813、1014においてリーダ・ライタに送信される。
【0048】
図8はリーダ/ライタおよびトランスポンダTRの測定動作を示すラダ−チャートである。
【0049】
まず、リーダ/ライタ203は、試験槽内にあるトランスポンダの識別情報UIDを各トランスポンダチップから取得するために、UID要求コマンドReq_UIDを送信する(801)。
【0050】
トランスポンダはコマンドReq_UIDを受信すると、送信されたスロットとトランスポンダ内で生成したスロットが一致するかを判定し一致したならば、そのトランスポンダは、リーダライタ側にUIDを送信する。尚、トランスポンダ内でスロットを生成する際はUIDを利用する(例えばUIDの一部をそのまま利用)。
【0051】
リーダ/ライタはトランスポンダ側から返信されてくるUIDを受信しなくなったら、全てのUIDを取得したと判断する(803)。
【0052】
次に、リーダ/ライタは、Th_SID、Pho_SID、pH_SID等のトランスポンダに前処理動作をさせる前処理実行コマンドをトランスポンダへ送信する。例えば、温度測定をトランスポンダに実行させる場合には、温度センサのSIDに基づいた前処理実行コマンドであるTh_SIDを送信する。
【0053】
前処理実行コマンドを受信した試験槽内のトランスポンダは、前処理実行コマンドにより指定されるSIDと、トランスポンダ内のSIDを比較し、一致する場合には前処理動作(例えば光センサの場合、充電及び光を当てて放電)を開始する(805)。この場合、リーダライタからの有効電波エリア内にあり、前処理実行コマンドが指定するSIDを持つトランスポンダの全てが一斉に前処理動作を行うことになる。
【0054】
前処理が終了したトランスポンダは、前処理が終了したことを知らせる前処理終了通知コマンドRes_Complをリーダ/ライタに送信する(806)。
【0055】
リーダ/ライタは、前処理実行コマンドが指定するSIDを持つ全てのトランスポンダからRes_Complを受信する(807)。
【0056】
その後、リーダライタは、Meas_Th_SID、Meas_Pho_SID、Meas_pH_SID等のトランスポンダ内のセンサに測定させる測定実行コマンドを、トランスポンダへ送信する(808)。例えば、温度測定をトランスポンダに実行させる場合には、温度センサのSIDに基づいた前処理実行コマンドであるMeas_Th_SIDを送信する。
【0057】
トランスポンダは、測定実行コマンドを受信し、測定実行コマンドにより指定されるSIDと、トランスポンダ内のSIDが一致すると、センサを動作させ測定を開始する(809)。この場合、測定実行コマンドが指定するSIDを持つトランスポンダの全てが一斉にセンサを動作させ測定を行うことになる。
【0058】
測定を終了したトランスポンダは、リーダ/ライタに測定終了を知らせる測定終了通知コマンドRes_Complを送信する(810)。
【0059】
リーダライタは、測定実行コマンドが指定するSIDを持つ全てのトランスポンダからRes_Complを受信する(811)。
【0060】
その後、リーダライタは、トランスポンダが記憶回路に格納した温度測定データを読み取るための測定結果要求コマンドReq_ReslをセンサThトランスポンダへ送信する(812)。
【0061】
トランスポンダは、測定結果要求コマンドを受信すると、測定結果要求コマンドが指定するUIDと、トランスポンダ内のUIDが一致すると、測定結果送信コマンドReq_Reslをリーダライタに送信する(813)。この場合、測定結果要求コマンドが指定するUIDを持つトランスポンダから順にリーダ/ライタへ測定結果を送信することになる。
【0062】
リーダ/ライタは、測定結果要求コマンドが指定する全てのトランスポンダから測定結果を取得したならば、測定を終了する。
【0063】
ここで、前処理実行コマンド、測定実行コマンドで指定するSIDを、温度センサを指定するSID、光センサを指定するSID、pHセンサで指定するSIDに変更し、(803)〜(814)の手順を繰り返すことで、温度、光、pH等の異なる測定項目を指定し測定することができる。
【0064】
図9はリーダ/ライタ203の動作をより詳細に示すフローチャートである。
【0065】
まず、リーダ/ライタ203は、試験槽内にあるトランスポンダの識別情報UIDを各トランスポンダチップから取得するために、UID要求コマンドReq_UIDを送信する(900)。
【0066】
リーダ/ライタ側は、トランスポンダから返信されてくるトランスポンダのUIDを認識して記憶装置に格納し、UIDを認識できなかった(NO)の場合には、ステップ900に戻って、再度UID要求コマンドReq_UIDを送信する(901)。
【0067】
トランスポンダは、UIDを返信してリーダ/ライタ203が認識した場合、UIDの送信を終了するので、リーダ/ライタはトランスポンダ側から返信されてくるUIDを受信しなくなったら、全てのUIDを取得したと判断する(902)。
【0068】
次に、リーダ/ライタは、SIDに基づく前処理実行コマンドを送信する(903)。例えば、温度測定をトランスポンダに実行させる場合には、温度センサのSIDにより指定し前処理を実行させるコマンドであるTh_SIDを送信する。例えば、温度測定をトランスポンダに実行させる場合には、温度センサのSIDにより指定し前処理を実行させるコマンドであるTh_SIDを送信する。
【0069】
リーダ/ライタは、各トランスポンダから、前処理終了のコマンドRes_Complを受信する(904)。
【0070】
その後、SIDに基く測定実行コマンドをトランスポンダへ送信する(905)。例えば、温度測定をトランスポンダに実行させる場合には、温度センサのSIDにより指定し測定を実行させるコマンドであるMeas_Th_SIDを送信する。
【0071】
リーダライタは、各トランスポンダから、温度測定が終了したことを知らせる終了コマンドRes_Complを受信する(906)、次に各トランスポンダが記憶回路に格納した温度測定データを読み取るためのコマンドReq_ReslをセンサThトランスポンダへ送信する(907)。
【0072】
リーダ/ライタは、温度測定データを全て取得したならば、温度測定を終了する(908)。
【0073】
リーダ/ライタは、全測定項目が終了しているかチェックし(909)、全測定項目のデータが得られていれば終了するが、まだ測定項目が残っていれば、次の測定項目のためにステップ1003へ戻り、次の測定項目の測定を行なう。
【0074】
図10はトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【0075】
トランスポンダは、コマンドReq_UIDを受信すると(1000)、スロットが一致するかを判定し一致したならば(1001)、そのトランスポンダは、リーダライタ側にUIDを送信(1002)し、リーダ・ライタ側で衝突が発生した場合には(1000)に戻り再度Req_UIDコマンドを受信し、衝突がない場合は前処理コマンドを受信するまで待機する(1003)。
【0076】
トランスポンダ(1004)は、前処理実行コマンドで指定されるSIDとトランスポンダ内のSIDの比較を行い(1005)、一致した場合には前処理動作を開始する(1006)。例えば、温度センサのSIDにより指定し測定を実行させるコマンドであるMeas_Th_SIDを受信した場合には、温度センサを有するトランスポンダが一斉に前処理動作を開始することになる。
【0077】
トランスポンダは、前処理が終了したことを知らせる終了コマンドRes_Compl(コードC21)をリーダ/ライタに通知する(1007)。
【0078】
そして、トランスポンダが測定実行コマンドを受信する(1008)。トランスポンダは、測定実行コマンドで指定されるSIDとトランスポンダ内のSIDの比較を行い(1009)、一致した場合にはセンサ部による測定を開始する(1010)。測定を終了したトランスポンダは、リーダ/ライタに測定終了を知らせる終了コマンドRes_Complを送信する(1011)。
【0079】
Thトランスポンダは、コマンドReq_Reslを受信すると(1012)、UIDを判定し(1013)、UIDが一致したトランスポンダから順にリーダ/ライタへ測定結果を送信した後(1014)、動作を終了する。
【0080】
以上述べたように、本実施例では、トランスポンダのチップ識別情報TIDとセンサの識別情報SIDとを組み合わせた識別情報である統合識別情報UIDをトランスポンダ内に設け、センサ測定命令に対してはチップ情報TIDを無効化することにより、同じセンサ識別情報SIDを持つセンサを内蔵するトランスポンダが一斉に動作することを可能にした。したがって、センサ識別情報SIDが一致しないセンサが測定を開始せず、誤った測定結果を検出することを防げる。
【0081】
これにより、各測定において、同じ種類のセンサを内蔵するトランスポンダが、リーダ/ライタからの測定コマンド、例えば温度測定であれば、温度センサの識別情報SIDに基づいた測定コマンドMeas_Th_SIDにより、光測定であれば光測定コマンドMeas_Pho_SIDにより、ペーハー測定であればペーハー測定コマンドMeas_pH_SIDにより、それぞれ一斉に測定開始を行なうので、図1に示したような時間と共に測定対象の特性値が変化する場合であっても、本来測定すべき各時間帯tNでの複数のトランスポンダを用いた測定ができるため、同時刻でのN個の測定データを取得することができる。これにより同時刻での平均値データを得ることが可能となり、同時刻での複数の測定データの平均化により、一つの測定項目に対する精度の向上した測定結果が得られる。さらに、トランスポンダのセンサが持つ補正機能を利用することで、より一層のデータの精度向上と信頼性の高い測定データを得ることができる。
【0082】
図11に生物発光によるDNA検出の実施例を示す。DNAの目的部位に特異的に結合するプライマをターゲットDNAにハイブリダイゼーションさせる(図11(a)の(1))。特異的な結合が起こるとDNAの伸長反応によってピロリン酸(PPi)が放出される。PPiはAPSとsulfuryraseの存在化でATPに変換され、発光試薬ルシフェリンルシフェラーゼ(luciferin-luciferase)によって生物発光を生ずる(図11(a)の(3)、図11(b)参照)。プライマーとターゲットが特異的に結合しないと伸長反応は起こらずPPiが放出されないため、発光は起こらない。したがって発光の有無あるいは強弱によってDNAのタイピングをすることができる。このとき、試料の量が少ないとPPiも少なくなり、微弱光の正確な計測が必要になる。こうした場合、複数個の光センサトランスポンダを用いることでデータの精度を向上出来る。図11(a)のマッチのケースでは発光試薬の分注と同時に発光が始まり、ATPが消費されると光が減衰する。発光試薬の分注で始まる生物発光は発光試薬の組成によるが、短い時定数で変化し、分注後急激に立ち上がり、ピーク値をとった後急激に減少する。こうした発光パターンの計測では各トランスポンダ(TR3)を正確に同じタイミングで駆動する必要がある。SIDを使った同時制御が有効になる。図11(a)ではTR3の個数は2個であるが、特にTR3の数が増加した場合には、光センサの信号蓄積を開始する時刻、ADCの変換を開始する時刻が等しくなることでトランスポンダの出力ばらつきを抑制し、高精度のデータを得ることが出来る。
【0083】
リーダ/ライタ203で得られたこれらの測定データは、上位システム制御装置204に送られて、データの平均値、集計処理、蓄積されている他データとの比較等を行い、得られた測定結果によりDNAの判別等が行われる。
【0084】
本実施例において、トランスポンダの図10に示した動作では、リーダ/ライタからのUID要求コマンドReq_UIDを受信したら、ステップ1001で送信されたスロットとUIDをもとに生成したスロットとの一致判定を行ない、スロットが一致したトランスポンダがUIDをリーダ/ライタに送信する。
【0085】
以上、本発明の好適な実施例について、DNAといった生体分子を測定するワイヤレスバイオ測定システムを一例として説明としたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更をなし得ることは勿論である。例えば、飲料の短時間加熱による滅菌処理の温度測定への応用、製薬工場等での薬品の品質管理等にも適用でき、牛乳などの滅菌処理への応用の場合には、温度センサを内蔵したトランスポンダを複数個用い、例えば100℃、数秒間の加熱による滅菌処理を行なう場合に、同時刻の複数のデータが得られるため、精度良い加熱処理の温度測定が行える。
【0086】
また、生体試料の検査に用いる場合には、例えば、光センサを内蔵するトランスポンダと、温度センサを内蔵するトランスポンダとを複数個用い、生物発光を測定すれば、DNA、たんぱく質に関する同時刻の複数のデータが得られるので生体試料の検査結果の精度、及び信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】測定項目の値が時間により変化する場合を示す図。
【図2】ワイヤレスバイオ測定システムの構成を示す図。
【図3】リーダ/ライタの内部構成を示すブロック図。
【図4】トランスポンダの概略構成を示すブロック図。
【図5】チップ識別情報、センサ識別情報、統合識別情報の関係を示す図。
【図6】リーダ/ライタからトランスポンダに送信するコマンドとその動作説明図。
【図7】トランスポンダからリーダ/ライタへ返信するコマンドとその内容の一例を示す図。
【図8】リーダ/ライタとトランスポンダ間の測定動作の概略を示すラダーチャート。
【図9】リーダ/ライタ側の動作を示すフローチャート。
【図10】トランスポンダの動作を示すフローチャート。
【図11】生物発光によるDNA検出の実施例を示す図。
【符号の説明】
【0088】
200…試験槽、201…溶液、202…コイルアンテナ、203…リーダ/ライタ(R/W)、204…上位システム制御装置(SYS_CTL)、301…無線通信回路(RFCKT)、302…変調器(MOD)、303…発振器(OSC)、304…制御回路(R/W_CTL)、305…復調回路(DEM)、400…コイルアンテナ、401…整流回路(RCFY)、402…電源回路(PWS)、403…変調器(MOD)、404…復調回路(DEM)、405…クロック生成回路(CKGEN)、407…スロット生成部(SLTGEN)、408…統合識別情報(UID)、409…チップ識別情報(TID)、410…記憶回路(MEM)、411…アナログ・デジタル変換器(ADC)、412…センサ識別情報(SID)、413…センサ部(SENS)、414…制御部(TR_CTL)、415…通信部(COM)、t1〜tN…時間帯、TN…測定に必要な時間、TR,TR1〜TR3…トランスポンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液の入った試験槽と、
前記溶液の中に浸された第1および第2トランスポンダと、
リーダライタと、
前記リーダライタの制御を行う上位システム制御装置とを有し、
前記第1および第2トランスポンダはそれぞれ、第1測定対象を測定対象とする第1センサ部と、
第2測定対象を測定対象とする第2センサ部を有し、
前記第1トランスポンダには、第1チップ識別情報が割り当てられ、
前記第2トランスポンダには、第2チップ識別情報が割り当てられ、
前記第1センサ部には、第1センサ識別情報が割り当てられ、
前記第2センサ部には、第2センサ識別情報が割り当てられ、
前記リーダライタから前記第1センサ識別情報を含む第1測定実行コマンドを受信した前記第1および第2トランスポンダは、一斉に、前記第1センサ部を動作させ、前記第1測定対象の測定を行い、
前記リーダライタから前記第2センサ識別情報を含む第2測定実行コマンドを受信した前記第1および第2トランスポンダは、一斉に、前記第2センサ部を動作させ、前記第2測定対象の測定を行い、
前記リーダライタから前記第1チップ識別情報を含む測定結果要求コマンドを受信した前記第1トランスポンダは、前記測定の結果である第1測定データを前記リーダライタへ送信し、
前記リーダライタから前記第2チップ識別情報を含む測定結果要求コマンドを受信した前記第2トランスポンダは、前記測定の結果である第2測定データを前記リーダライタへ送信し、
前記上位システム制御装置は、前記第1測定データと前記第2測定データの平均化により平均データを得ることを特徴とする測定システム。
【請求項2】
溶液の入った試験槽と、
前記溶液中に浸された複数のトランスポンダと、
リーダライタと、
前記リーダライタの制御を行う上位システム制御装置とを有し、
前記各トランスポンダは、それぞれに測定対象が異なるセンサ部を有し、
前記各トランスポンダはそれぞれ、異なるチップ識別情報が割り当てられ、
測定対象が同じ前記センサ部には、同一のセンサ識別情報が割り当てられ、
前記リーダライタから測定実行コマンドを受信した前記トランスポンダは、測定実行コマンドが含むセンサ識別情報が割り当てられた前記センサ部を動作させ、測定を行い、
前記リーダライタからの測定結果要求コマンドに含まれる前記チップ識別情報が割り当てられた前記トランスポンダは、前記測定の結果である測定データを前記リーダライタへ送信し、
前記上位システム制御装置は、前記各トランスポンダからの前記測定データの平均化により平均データを得ることを特徴とする測定システム。
【請求項3】
複数のトランスポンダと、
リーダライタと、
前記リーダライタの制御を行う上位システム制御装置とを有し、
前記各トランスポンダは、それぞれに測定対象が異なるセンサ部を有し、
前記各トランスポンダは、異なるチップ識別情報が割り当てられ、
測定対象が同じ前記センサ部は、同一のセンサ識別情報が割り当てられ、
前記リーダライタから測定実行コマンドを受信した前記トランスポンダは、測定実行コマンドが含むセンサ識別情報が割り当てられた前記センサ部を駆動させ、測定を行い、
前記リーダライタからの測定結果要求コマンドに含まれる前記チップ識別情報が割り当てられた前記トランスポンダは、前記測定の結果である測定データを前記リーダライタへ送信することを特徴とする測定システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の測定システムにおいて、
前記測定対象は、温度、光強度、ペーハーであることを特徴とする測定システム。
【請求項5】
溶液の入った試験槽と、
前記溶液中に浸された複数のトランスポンダと、
リーダライタと、
前記リーダライタの制御を行う上位システム制御装置とを有し、
前記各トランスポンダは、それぞれに測定対象が異なるセンサ部を有し、
前記各トランスポンダは、異なるチップ識別情報が割り当てられ、
測定対象が同じ前記センサ部は、同一のセンサ識別情報が割り当てられた測定システムにより測定を行う測定方法であって、
前記リーダライタから測定実行コマンドを受信した前記トランスポンダにより、前記測定実行コマンドが含むセンサ識別情報が割り当てられた前記センサ部を動作させ、測定を行わせ、
前記リーダライタからの測定結果要求コマンドに含まれる前記チップ識別情報が割り当てられた前記トランスポンダにより、前記測定の結果である測定データを前記リーダライタへ送信させ、
前記リーダライタの制御を行う上位システム制御装置により、前記各トランスポンダからの前記測定データの平均化により平均データを得ることを特徴とする測定方法。
【請求項6】
請求項5に記載の測定方法において、
前記測定対象は、温度、光強度、ペーハーであることを特徴とする測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−3949(P2009−3949A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196207(P2008−196207)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【分割の表示】特願2004−269278(P2004−269278)の分割
【原出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】