説明

トリガースイッチ

【課題】補助接点に補助可動接点を備え、補助可動接点でモータにブレーキをかけるようにしたことで、直列2連のメイン接点を2極で使用することが可能で、その分高容量、高寿命のトリガースイッチを提供する。
【解決手段】操作部51を引き込むことで、固定接点63、67に可動接点64が電気的に接触してモータに電源を供給すると同時に補助接点部83A、83Bが摺動板部81,82上を跨ぐように動いて、固定接点63、67と可動接点64との接触に電位を持たせないようにし、操作部51を引き離すことで、固定接点63、67と可動接点64との接触状態を離反させると同時に、摺動板部81,82上に跨いでいる補助接点部83A、83Bが動いて摺動板部81,82との接触を離すと共に、補助接点部83Bに備えた補助可動接点83eがモータを短絡状態にする固定接点90jに接触することでモータにブレーキをかけるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動工具に搭載されているトリガースイッチに関するものであり、詳しくはAC及びDC大電流用に適したバネ反転型スイッチの接触機構を備えたトリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動工具に採用されているブレーキ接点付トリガースイッチは、図18に示すように、モータMに直列に接続した交流電源AC及びスイッチを介在させた構成となっており、このスイッチは図示しないが電動工具に設けてある操作部の引き込み具合によって、固定接点T1に可動接点Mが接触してメイン接点が導通状態となり、モータMに電源が供給され、回転する。操作部の引き込み具合をやめるとメイン接点の導通状態が解除され、替わりに固定接点T2に可動接点Mが接触してブレーキ接点が導通状態となることでモータMへの導通を短絡状態にしてブレーキをかける。
このように、2極の固定接点T1、T2と可動接点Mを使用して、1極はモータMへの電源供給に使用される、所謂、メイン接点として使用され、もう1つの1極はモータMへの電源を供給していないときにモータMを短絡状態にしてブレーキをかける、所謂、ブレーキ接点として使用される
【0003】
【特許文献1】特開2003−162930号公報(第5頁〜8頁 第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術で説明したスイッチは、AC及びDCの大電流用に適するような構造となっているが、2極の接点のうち、1つをメイン接点として使用し、もう1つの接点をブレーキ接点として使用するため、メイン接点は、所謂、単一での接点構造となり、絶縁性及び寿命上劣るという問題がある。
従って、複数のメイン接点を維持し、且つ補助接点機構を採用したスイッチ機構においては補助接点機構の接点構造をうまく利用してブレーキ接点を設けることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明のトリガースイッチは、次に示す構成にすることである。
【0006】
(1)トリガースイッチは、モータに電源を供給するためのスイッチとして機能する直列2連のメイン接点を構成する固定接点及び該固定接点に連設した摺動板部と、
操作部に連動して動くアクチュエータに備えた可動接点及び前記摺動板部上を摺動する補助接点部と、
前記操作部を引き込むことで、前記アクチュエータが順方向に動いて前記固定接点に前記可動接点が電気的に接触して前記モータに電源を供給すると同時に前記補助接点部が前記摺動板部上を跨ぐようにして電気的に接触させて、前記固定接点と前記可動接点との接触に電位を持たせないようにし、
前記操作部を引き離すことで、前記アクチュエータが逆方向に動いて前記固定接点と前記可動接点との接触状態を離反させると同時に、前記摺動板部上に跨いでいる補助接点部が動いて前記摺動板部との接触を離すと共に、前記補助接点部に備えた可動接点が前記モータを短絡状態にする固定接点に接触することである。
【0007】
(2)トリガースイッチは、開口面を有すると共に箱状に形成されたケース内に同一方向を向いて配置された直列2連のメイン接点を形成する一対の固定接点と、
前記一対の固定接点と接触/離反する一対の可動接点及び該一対の可動接点を後方から押圧する押圧バネを有するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動する回動自在な反転部材と、
前記反転部材に一端が接続され他端がプランジャーに係合するコイル状の反転ポイントを持つ反転バネと、
前記プランジャーを動かす操作部とを有し、
前記操作部を押圧/解除することにより、前記一対の可動接点を前記一対の固定接点に接触/離反させて前記直列2連のメイン接点をオン/オフとするバネ反転型スイッチにおいて、
前記直列2連のメイン接点をオンする際に、前記反転ポイント前に前記アクチュエータを一定量動かして接点間隔を縮めておきその後、前記反転部材が反転することにより前記一対の可動接点を前記一対の固定接点に接触させると同時に、前記アクチュエータに備えた一対の補助接点が前記一対の固定接点のうちの一方の固定接点と連設している摺動板部と他方の固定接点と連設している摺動板部とを跨ぐようにして電気的に接触させ、
前記直列2連のメイン接点をオフする際に、前記反転ポイント前に前記アクチュエータの動きを制止しておき、その後反転ポイント後に前記アクチュエータの制止を解除することにより前記一対の可動接点を前記一対の固定接点から離反すると同時に、前記アクチュエータに備えてある一対補助接点が前記一対の固定接点のうち一方の固定接点と連設されている摺動板部と他方の固定接点と連設されている摺動板部とを跨ぐようにして電気的に接触させた状態から外すと共に、摺動板部に設けてある可動接点が前記一対の固定接点と対向する反対側に配置されている固定接点に接触して電気的に接続した状態を得ることによりモータを短絡状態にすることである。
(3)前記反転部材に形成されたピニオンと、前記アクチュエータに形成されたラックとを備えること
を特徴とする(2)に記載のトリガースイッチ。
(4)前記プランジャーに設けられた突起と、前記反転部材に設けられた突起とを備え、前記操作部を押圧した時前記プランジャーの突起が前記反転部材の突起を押圧して前記反転バネの力に抗して前記反転部材を回動させることにより前記アクチュエータを動かし前記可動接点を固定接点に接近させること
を特徴とする(2)に記載のトリガースイッチ。
(5)前記プランジャーの先端部の下面に設けられたゆるやかな段差を持つ面と、該段差面と常に当接するストッパ部材と、該ストッパ部材に設けられた鉤部と、該ストッパ部材を上方に付勢するストッパバネと、前記アクチュエータに設けられた突起とを備え、前記ストッパ部材は前記プランジャーの段差面に沿って動くことにより前記ストッパ部材の鉤部と該アクチュエータの突起との係合状態を施錠状態又は開放状態に置くこと
を特徴とする(2)に記載のトリガースイッチ。
(6)スイッチオンの時、前記ストッパ部材は上昇しており、前記アクチュエータの突起は前記ストッパ部材の鉤部の上を乗り越えて進み可動接点と固定接点とを接触させ、その時、前記鉤部と前記アクチュエータの突起との係合状態は施錠状態となること
を特徴とする(5)に記載のトリガースイッチ。
(7)前記施錠状態において、操作部をスイッチオフの方向に動かし前記プランジャーを動かし、前記反転バネの反転ポイントを越えても前記プランジャーの先端部の下面の形状によりしばらく解放状態にならず、更に前記反転バネが反転ポイントを越えて操作部をスイッチのオフ方向に動かした時、前記プランジャーの先端部の下面によりストッパ部材は下降し前記ロック手段は解放状態となり、その結果、前記アクチュエータは即座に移動し、可動接点は固定接点から瞬時に離れスイッチオフとなること
を特徴とする(2)に記載のトリガースイッチ。
【発明の効果】
【0008】
本発明のトリガースイッチは、バネ反転型の速入速断機能を活用して、スイッチオン時にはバネの反転ポイント前に可動接点を固定接点に十分接近させておき反転ポイント後に速入するタイミングに合わせて、一対の固定接点に連設している摺動板部を補助接点が導通状態にすることで、補助接点は電位のない状態で導通状態にすることができ、これで可動接点と固定接点間の接点状態に変化が生じても、この補助接点で良好に接点状態を維持することができるため、結果として固定接点と可動接点との接点状態を良好に維持することができる。
加えて、補助接点に補助可動接点を備え、モータを短絡状態にする補助固定接点に操作部を引き離したときに、補助可動接点を接触させるようにして、モータにブレーキをかけるようにしたことで、直列2連のメイン接点を2極で使用することが可能で、その分高容量、高寿命のスイッチにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明に係るトリガースイッチの実施形態について、図面を参照して説明する。
尚、説明において図面に向かって左側をスイッチの前、右側をスイッチの後ろとする。
【実施例1】
【0010】
本願発明のトリガースイッチ50は、図1に示すように、手の握力で操作できる操作部51と、操作部51の内部に収容されている2個の復帰バネ52と、操作部51の操作状態を伝達する機構であるプランジャー54を内部に収容してなるカバー53と、操作部51の操作状態をアクチュエータ61に伝達するプランジャー54と、反転部材58を反転ガイドするガイド板55と、反転バネ57の両端に備える2枚のプレート56a、56bと、反転部材58を操作部51の操作状態に基づいて反転させる反転バネ57と、アクチュエータ61を回動方向と同一方向に直線移動させる反転部材58と、アクチュエータ61を可動接片65a、65bが接触した状態にしてロックするストッパ部材59と、ストッパバネ60と、反転部材58の回動動作に基づいて回動方向と同一方向に直線移動するアクチュエータ61と、外部と電気的に接続すると共に2個の固定接点67A、67Bを備えた2つの第1、第2の端子62A、62Bと、2個の固定接点63A、63Bを備えた第3の端子68Aと、外部と電気的に接続する1個の固定接点90jを備えた第4の端子68Bと、可動接片65a、65bに2個づつ取り付けられ合計して4個の可動接点64a、64bと、可動接点64a、64bを備え接圧バネ66a、66bで常時付勢されている2個の可動接片65a、65bと、可動接片65a、65bを常時付勢した状態に維持する2個の接圧バネ66a、66bと、絶縁性部材で形成され上部開口の箱型形状に形成されたケース69とを備えて構成されている。
【0011】
上記各部品を図1に示す一点鎖線で示すように組み立てると、図2〜図6に示すようなスイッチが形成される。以下、図1、図2、図3を参照しながら、各部品の構成及び機能並びに各部品と他の部品との関係について説明する。
【0012】
操作部51はトリガースイッチ50の使用者の手によって操作される部分であり、上から押圧すればスイッチオンとなり、離せばスイッチオフとなるようになっている。
【0013】
この操作部51は、手の形に彎曲した上面と、この上面と一体形成された左右側面及び前面と、開放された後面及び下面とからなり、全体として中空のケース状に形成されている。操作部51の後部の左右側面には2つの穴51aが設けられており、カバー53の最後部に設けられた突起53aと係合しこれにより操作部51とカバー53とを連結する。
【0014】
また操作部51の左右側面には、2つの軸受穴51bが設けられており、ここには後述するプランジャー54の回転軸54eが回動自在に嵌合する。また操作部51の両側面には使用の便宜上瓢箪形の貫通孔51cが設けられている。更に、操作部51の上板内側には復帰バネ52の上端を保持するための2個の突起51d(図2参照)が設けられている。
【0015】
2個のコイル状復帰バネ52は、常時伸長方向に付勢されており、それらの上端は操作部51の突起51d(図2参照)により固定され、それらの下端は後述するカバー53の底部に設けられた2個の突起53b(図2参照)により固定されている。
【0016】
カバー53は、図1、図2〜図3に示すように、前半部と後半部とで機能が分かれている。後半部は図2及び図3に示すように、突起53bにより復帰バネ52の下端を保持するとともに、操作部51の後端部と結合する機能を有する。
【0017】
カバー53の前半部はケース69の蓋の役割を持ちプランジャー54を覆っている。カバー53の最前部に設けられた傾斜部53dは、その内部でプランジャー54の尖った先端部54dが前後に動くための空間を形成している。
【0018】
カバー53の左右側板は、図1に示すように、ケース69の左右の側板の外側に被せられ、2個の貫通孔53eにケース69の2個の爪69aが嵌合することによりカバー53とケース69とは結合するようになっている。
【0019】
プランジャー54は、図1、図2及び図3に示すように、棒部54aと、この棒部54aの後端に固定された後部ブロック54bと、棒部54aの前端に固定された矩形の台状(下駄状)部材54cと、この台状部材54cの前部に一体成形された先端が尖ったほぼ三角形の先端部54dと、台状部材54cの後部において下方へ突き出た第1の突起54gと、台状部材54cの下面に取り付けられた金属製のガイド板55の中央から下方へ突き出る突起55a(図3参照)と、パッキン54fとからなる。
【0020】
後部ブロック54bの左右側面には回転軸54e(図1参照)が形成されており、操作部51の軸受穴51bと嵌合している。操作部51の回動運動は軸受穴51bを通じて後部ブロック54bに伝達される。棒部54aは後部ブロック54bの前後方向の動作を台状部材54cに伝達する。
【0021】
先端部54dは、台状部材54cの左右方向中央部材から突き出た側面がほぼ鋭角三角形の板状部材であり、その上面を横から見た輪郭はカバー53の傾斜部53dの内面と合致するようになっている。先端部54dの下面は段差のある2つの水平面とそれら2つの水平面を繋ぐ傾斜面とを有している。即ち、先端から中央部までの第1の水平面と、第1の水平面の終端から下方へ広がる直線的な第1の傾斜面と、第1の傾斜面の終端から続く第2の水平面と、第2の水平面の終端から上方へ狭まり台状部材54cに至る第2の傾斜面とで形成されている。
【0022】
先端部54dの下面の上記形状は、後述するストッパ部材59の先端(傾斜面59b)と常に当接しており、これによりストッパ部材59の上下運動を支配する機能を有すると共に接点のオン/オフのタイミングと重大な関係を有する。
【0023】
ガイド板55に係合した突起55aはプレート56aと係合することにより反転バネ57の上端と連結されている。
【0024】
パッキン54fは、棒部54aを通す中心穴を有し、カバー53とケース69の接合面に嵌め込まれプランジャー54の前後方向の動きによるスイッチ内部への塵埃の侵入を防止する。
【0025】
ガイド板55は、プランジャー54の台状部材54cの下面の歯の間に嵌めこまれる矩形板であり、その中央に設けられた突起55a(図3参照)の先端がプレート56aと係合している。
【0026】
2個の円板状のプレート56a、56bのうちの上方のプレート56aは、中央に突起55a(図3参照)よりやや大きい直径の窪みを有している。この窪みに突起55aの先端が当接することによりプレート56aは独楽のように自在に傾斜することができるようになっている。プランジャー54の前後方向の動きは突起55aからプレート56aを通じて反転バネ57の上端に伝達される。
【0027】
2個の円板状のプレート56a、56bのうちの下方のプレート56bは、その中央に反転部材58に設けられた突起よりやや大きい直径の窪みを有している。この窪みに反転部材58の突起の丸い先端を接することによりプレート56bは独楽のように自在に傾斜することができるようになっている。
【0028】
コイル状の反転バネ57は、2個のプレート56a、56b間に所定の圧力で挟設されており、プレート56aがプランジャー54により動かされると前後方向に曲がりスプリング力を蓄積する。最もスプリング力を蓄積した状態を反転ポイントという。
【0029】
反転部材58は、カバー53の左右方向内幅より小さい長さを有する矩形状の板を長さ方向と直角方向に円弧状に曲げて形成された湾曲板58aと、この湾曲板58aの内面にプレート56bの直径よりやや大きな間隔で直設された左右2枚の隔板58bと、湾曲板58aの中心部分の外面に沿って設けられた細長いピニオン58cと、2枚の隔板58bの各上端部に設けられた突起58dとからなる。
【0030】
2枚の隔板58bは反転バネ57を収容する。ピニオン58cは後述するアクチュエータ61のラック部61cと噛合することにより、反転部材58の回動をアクチュエータ61の前後方向の直線運動に変換する機能を有する。突起58dはカバー53の上面内側に設けられた2つの穴と係合し、これにより反転部材58の回転中心を形成している。
【0031】
反転部材58は、反転バネ57により常に圧力を受けている。この圧力は、反転バネ57の反転ポイントにおいて最も大きい。
【0032】
ストッパ部材59は、全体がL字形状に形成され、その垂直部分はケース69の最前部の左右方向中央に設けられた垂直溝にスライド自在に嵌め込まれている。この垂直部の上端面には後方へ下がる傾斜面59bが形成されている。この上端面はプランジャー54の先端部54dの上記下面と当接している。
【0033】
ストッパ部材59の水平部はケース69の底面に平行に後方へ突き出している。水平部の先端部の上面には前から後へ下がる傾斜を持つ鉤部59aが一体成形されている。この鉤部59aはアクチュエータ61のロック部85(図5、図14参照)と係合することになる。
【0034】
ストッパバネ60は、ストッパ部材59の垂直部の下部に設けられた穴に収納され、常にストッパ部材59を上方へ付勢する機能を有する。従って、ストッパ部材59は、プランジャー54が前後に動くと、先端部54dの下面の形状に従って上下運動を行う。
【0035】
即ち、例えば、図2に示すように、ストッパ部材59の垂直部の上端がプランジャー54の先端部54dの下面の第2の水平面と当接している時はストッパ部材59はストッパバネ60に反して押下げられているが、先端部54dが後方へ移動するにつれストッパバネ60の伸長力により垂直部の先端は第1の傾斜面に沿って上昇する。そして、垂直部の上端が先端部54dの第1の水平面に当接している間はストッパ部材59は上方に止まる。
【0036】
なお、上記先端部54dの下面の水平面及び傾斜面の各長さは、ストッパ部材59の鉤部59aとアクチュエータ61のロック部85との係合時間、即ち、スイッチオフ時の接点離反のタイミングを考慮して設計されている。
【0037】
アクチュエータ61は、図1、図4及び図5に示すように、反転部材58のピニオン58cと噛合する水平方向にラック88を並べて形成されたラック部61cと、ラック部61cの左右両側に一体成形された2個の箱状のガイド部61a、61bと、この2個のガイド部61a、61bの各前端にそれぞれ取り付けられた可動接片65a、65bと、これら可動接片65a、65bの前面上下にそれぞれ取り付けられた左右2個づつ合計4個の可動接点64a、64bと、箱状のガイド部61a、61bの中に収容され可動接片65a、65bを後方から押圧する接圧バネ66a、66bと、ガイド部61a、61bの下部位置下面に一体成形された第1及び第2補助接点部83A、83Bを補助バネ84a、84bのバネ圧で付勢した状態で係合する補助接点係合部61d、61eを備えた構成になっている。
【0038】
そして、このガイド部61a、61bの可動接片65a、65bを接圧バネ66a、66bの付勢力で常時付勢されて保持されている先端部分が先端係止部89a、89bであり、可動接片65a、65bの可動接点64a、64bが固定接点63A、(63B)、67A(、67B)(図16参照)に接触してから更に押し込まれて接圧バネ66a、66bによる付勢力を強くしたときのストッパとしての機能を有する。
【0039】
ラック部61cの底面には、ストッパ部材59の鉤部59aとロックするための片側傾斜した凸部で形成したロック部85(図5参照)を設け、同じ底面でロック部85と反対側の端部に係合凸部86を設けた構造となっている。このロック部85と係合凸部86とで挟まれた底面には別部材のスライダー87を取り付ける構造となっている。
【0040】
第1補助接点部83Aは、導電性部材で略コ字型形状に形成され、コ字状の中央部位外面が接触片83cとして機能し、そのコ字状の片方端部が補助接点係合部61dに係合して抜止め係止される。抜止め係止された第1補助接点部83Aの内面に補助バネ84aを係合して、補助接点係合部61dに片持ち状態で係合する構造となっている。
【0041】
第2補助接点部83Bは、第1補助接点部83Aよりも一回り大きな導電性部材で略コ字型形状に形成され、コ字状の中央部位外面が接触片83dとして機能し、そのコ字状の片方端部が補助接点係合部61eに係合して抜止め仮係止される。
抜止め仮係止された第2補助接点部83Bの内面に補助バネ84bを係合して、補助接点係合部61eに片持ち状態で係合する構造となっている。片持ち状態の自由端部側の側面には可動接点83eが設けられ、この可動接点83eが、所謂、ブレーキ接点として機能し、操作部で引き込まれていないときには、第4の端子68Bの固定接点90jに接触して図示しないモータを短絡状態にしてブレーキをかける構成になっている。この点について、後述する。
【0042】
上記構成からなるアクチュエータ61は、ケース69に前後方向に敷設されたアクチュエータガイドの上を反転部材58に駆動され可動接点64a、64bを伴って前後方向に水平移動することによりスイッチの本来機能である接点切替機能を有する。即ち、アクチュエータ61が前方向に移動すると可動接点64a、64bは後述する固定接点63A及び67A(63B及び67B)と接触し、後方向に移動すると可動接点64a、64bは固定接点63A及び67A(63B及び67B)から離れることになる。そして、この接点の移動に伴って、補助接点機構を構成する第1及び第2補助接点部83A、83Bも摺動することで、補助接点摺動板部81Aと82A、81Bと82Bとを電気的に接続させることができるのである。この点についても後述する。
【0043】
第1の端子62Aは、図6に示すように、導電性板部材の一端側を切り起こして形成した平板の中央部分に螺合孔80aを有する外部接続端子部90bを備え、その外部接続端子部90bを直角に折り曲げて形成された基部90c、この基部90cの左側端部を更に直角に折り曲げて係合板部90dを形成し、更にその折り曲げた係合板部90dと連設する面を直角に折り曲げて固定接点67Aを備えた接点部90eとし、係合板部90dに連設した端部側を基部90cと同じ方向に直角に折り曲げて補助接点摺動板部82Aを形成した構成となっている。
【0044】
第2の端子62Bは、第1の端子62Aと対称な形状になっており、導電性板部材の一端側を切り起こして形成した平板の中央部分に螺合孔80bを有する外部接続端子部90bを備え、その外部接続端子部90bを直角に折り曲げて形成された基部90c、この基部90cの右側端部を更に直角に折り曲げて係合板部90dを形成し、更にその折り曲げた係合板部90dと連設する面を直角に折り曲げて固定接点67Bを備えた接点部90eとし、係合板部90dに連設した端部側を基部90cと同じ方向に直角に折り曲げて補助接点摺動板部82Bを形成した構成となっている。
【0045】
第3の端子68Aは、導電性板部材を二股形状に形成し、二股形状の一方の平板部90g先端側を直角に折り曲げて固定接点63Aを備えた接点部90eを形成し、他方の平板部90h先端側を直角に折り曲げて固定接点63Bを備えた接点部90fを形成し、平板部90gに連設した基部側に補助接点摺動板部81Aを設け、平板部90h及び補助接点摺動板部81Aに連設して補助接点摺動板部81Aよりも幅広に形成した補助接点摺動板部81Bを設けた構造となっている。補助接点摺動板部81A、81Bの自由端部は面取り加工が施されており、補助接点が円滑に摺動できるように細工されている。
【0046】
第4の端子68Bは、導電性板部材を略四角形状に形成し、その中央底部から切り欠きをいれ、切り欠きを入れた図で右側の平板に固定接点90jを備え、左側の平板に螺合孔80cを備えた構成になっている。
【0047】
ケース69は、図6に示すように、上述した固定接点63A、63B、67A、67Bを備えた第1〜第4の端子62A、62B、68A、68Bを配置固定し、かつ可動接点64a、64bを備えたアクチュエータ61を収容して直線状に動かすもので、絶縁性樹脂で形成され上部を開口にした箱状に形成され、その内部は、第1〜第4の端子62A、62B、68A、68Bを収納することができる4つの部屋が形成されており、第1の端子62Aの外部接続端子部90bを外側に配置する支持壁91aを備え、長手方向の内壁92aとこの支持壁91aと、中央から内側方向に突出形成されているストッパ部材59を係合するストッパーガイド93b、ストッパーガイド93bの延長位置で中央に設けた線条の凸部を形成するアクチュエータガイド93aとで挟まれた空間が第1の部屋94を形成する。この第1の部屋94とアクチュエータガイド93aを超えた隣接する位置が同じく長手方向の内壁92bと、支持壁91b、アクチュエータガイド93aで挟まれた空間に第2の部屋95を形成する。
【0048】
そして、第1の部屋94と対向する位置で、第1の端子62Aの外部接続端子部90bを外側に向け、アクチュエータガイド93aと内壁92aとで挟まれた空間が第3の部屋96を形成する。
更に、第2の部屋95と対向する位置で、第2の端子62Bの外部接続端子部90bを外側に向け、アクチュエータガイド93aと内壁92bとで挟まれた空間に第4の部屋97を形成する。
【0049】
このような構成からなるケース69に第1〜第4の端子62A、62B、68A、68Bを係合固定するには、先ず、図7に示すように、第3の端子68Aを第3及び第4の部屋96、97に収容する。即ち、第3の端子68Aの切り欠いた溝にストッパーガイド93bを挟み込むようにして底部まで押し込むことで固定接点63A、63Bが部屋と水平方向になるように配置され、補助接点摺動板部81A、81Bが部屋と鉛直方向になるように配置される。
【0050】
次に、図8に示すように、第1の端子62Aを第1及び第3の部屋94、96に収容する。即ち、第1の端子62Aの外部接続端子部90bを支持壁91aのスリットに係合させ、係合板部90dを内壁92aのスリットに係合させて押し込むことで固定接点67Aが内側を向いた状態で部屋と水平方向になるように配置される。補助接点摺動板部82Aは第3の部屋96の底部に部屋と鉛直方向になるように配置される。
【0051】
更に、第2の端子62Bを第2及び第4の部屋95、97に収容する。即ち、第2の端子62Bの外部接続端子部90bを支持壁91bのスリットに係合させ、係合板部90dを内壁92bのスリットに係合させて押し込むことで固定接点67Bが内側を向いた状態で部屋と水平方向になるように配置される。補助接点摺動板部82Bは第4の部屋97の底部に部屋と鉛直方向になるように配置される。
【0052】
次に、図8に示すように、第4の端子68Bを第3及び第4の部屋96、97に収容する。即ち、ケースの側壁面に設けたスリットに板状の第4の端子68Bを係合させて押し込むことで固定接点90jが内側を向いた状態で配置固定される。
【0053】
このようにして4つの第1〜第4の端子62A、62B、68A、68Bをケース69内に収納固定することにより、固定接点63A、63B、67A、67Bが同一方向を向いた状態で配置され、且つ補助接点が摺動する補助接点摺動板部81A、81B、82A、82Bをケース69の底面に配置され、固定接点90jが固定接点63B側に向いた状態で配置される。
この状態で、アクチュエータをケース69の開口部から入れることにより可動接点が固定接点に対峙した状態で配置され、且つ補助接点が補助接点摺動板部の上部に接触した状態で配置され、アクチュエータの可動接点が第4の端子68Bの固定接点90jに接触した状態で配置される。
ここで、第1の端子62Aの螺合孔80a、第2の端子62Bの螺合孔80b、第4の端子68Bの螺合孔80cのそれぞれは、図8に示す点線の如く、モータM、電源ACに電線を介在させて接続されている。
【0054】
可動接点64a、64bと固定接点63Aと67A、63Bと67Bとの接触は上記プランジャー54、反転部材58、アクチュエータ61等の連携動作からなるスイッチの接触機構により遅入速断で行われ、補助可動接点と補助固定接点との接触は、可動接点と固定接点が接触しているときにのみ接触になり、可動接点と固定接点が非接触になっているときには非接触の状態となる。
【0055】
以下、本発明に係る上記スイッチの接触機構の動作を図9〜図11、図12〜図16を参照しながら説明する。
【0056】
ここで、図9に示す回路図は固定接点と可動接点での接点状態に加えて、補助接点の接点状態を回路図として示したもので、直列2連のメイン接点と、補助接点にブレーキ接点を設けたことが特徴となっている。
詳しく説明すると、直列2連のメイン接点が第1の端子62Aの固定接点67A、第3の端子68Aの固定接点63Aにアクチュエータ61の可動接片65aの可動接点64a、64b及び第2の端子68Aの固定接点67B、第3の端子68Aの固定接点63Bにアクチュエータ61の可動接片65bの可動接点64a、64bが相当し、単一のブレーキ接点が第2の端子62B上を摺動する第2補助接点部83Bの可動接点83eに第4の端子68Bの固定接点90jが相当する。
【0057】
このような回路構成からなる回路図において、先ず、操作部が操作されていないときには第4の端子68Bの固定接点90jに第2補助接点部83Bの可動接点83eが接触してモータMを短絡状態にしてブレーキをかけた状態を維持する。操作部を引き込むと、アクチュエータが動き、第1補助接点部83A及び第2補助接点部83Bも摺動して動き、特に第2補助接点部83Bが摺動して動くことにより可動接点83eが固定接点90jとの接触状態から離れ、モータMの短絡状態を解除する。
【0058】
次に、更に操作部を引き込むと、図10に示すように、第1の端子62Aの固定接点67A、第3の端子68Aの固定接点63Aに可動切片65aの可動接点64a、64bが接触し、第3の端子68Aの固定接点63B、第2の端子62Bの固定接点67Bに可動切片65bの可動接点64a、64bが接触する。このとき、補助接点である第1補助接点部83A及び第2補助接点部83Bは補助接点摺動板部82A、82Bの途中まで摺動し、補助接点摺動板部81A、81Bまでは到達しない。即ち、この時点で、接点が接触するため直列2連のメイン接点がオン状態となりモータMに電源が供給され、モータMは回転できる。
【0059】
そして、更に操作部を引き込むと、図11に示すように、直列2連のメイン接点が更にスプリングの付勢力が増した状態での接触状態となり、図示しないでこの状態がロックされる。そして、このとき、第1及び第2補助接点部83A、83Bが補助接点摺動板部(81Aと82A、81Bと82B)を跨いだ状態となり導通状態となり、この補助側からの電源をモータに供給する経路が開通することで、固定接点と可動接点での不安定な接点状態を補助接点側で補うことで、全体として安定した導通状態を得ることができるのである。
【0060】
更に、この状態で操作部の引き込みを止めると、固定接点と可動接点のオン状態からオフ状態になると共に補助接点も非導通状態になり、最後に第2補助接点部83Bの可動接点83eが固定接点90jに接触してモータMを短絡状態にしてブレーキをかける。
【0061】
以上がメイン接点とブレーキ接点での接点動作を説明したが、次に、実際のスイッチ機構の動きについて図12〜図16に示す図面を参照して説明する。
【0062】
図12において、スイッチが操作されていないOFFの状態のときは、復帰バネ52のバネ力によりプランジャー54は矢印Aの方向に付勢されている。しかし、プランジャー54の先端部54dはカバー53の内壁により抑えられているので動くことはできない。この状態で、反転部材58は反転バネ57により押圧され反時計方向に付勢され、従って、アクチュエータガイド93にのっているアクチュエータ61はB方向へ付勢されているがいずれも動くことはできない。このとき、第1補助接点部83Aは、第1の端子62Aの補助接点摺動板部82A上に接触した状態を維持して停止している。同じく、一部図示しているが第2補助接点部83Bも、第2の端子62Bの補助接点摺動板部82B上に接触した状態を維持して停止している。同時に、第2補助接点部83Bに設けてある可動接点83eが第4の端子68Bに設けてある固定接点90jに接触して電気的に接続した状態となっている。
【0063】
この状態で、操作部51を引き込んでC方向に動かすと、図13に示すように、プランジャー54はD方向に引っ張られることにより、反転部材58の反転バネ57の上部端に位置する突起55aが同じD方向(図で右方向)へ引っ張る。そこで反転バネ57の蓄積エネルギーは反転ポイントに到達する。
【0064】
反転バネ57の反転ポイントにおいて反転バネ57の伸長力により反転部材58は矢印E方向に強く回動する。反転部材58が矢印Eの方向(図で左方向)に回動すると、反転部材58のピニオン58cと噛合しているラック部61cのラック88が矢印E方向に水平移動する。その結果、可動接点64a、64bと固定接点67A、63Aとが接触する。このとき、いまだ第1補助接点部83Aは第1の端子62Aの補助接点摺動板部82Aとケース69の仕切り部分とに接触した状態である。同時に、第2補助接点部83Bに設けてある可動接点83eが第4の端子68Bに設けてある固定接点90jと離れた状態となる。
【0065】
また、ストッパ部材59の鉤部59aの上部にアクチュエータ61のロック部85が載った状態となっているため、固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bの接触状態は操作部51の押し込み操作具合に基づくもので接触状態はロックされていないし、又、接圧バネ66aによる可動接点64a、64bの付勢力は常時の付勢力である。
【0066】
更に、操作部51が押し込まれると、図14に示すように、固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bが接触した状態でアクチュエータ61がさらに水平移動することにより、接圧バネ66aが圧縮され、固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bの接触圧が更に強まる。同時に、第1補助接点部83Aが第1の端子62Aの補助接点摺動板部82Aと第3の端子68Aの補助接点摺動板部81Aとを跨いだ状態になり接触させる。
【0067】
又、図示しない第2補助接点部83Bが第2の端子62Bの補助接点摺動板部82Bと第3の端子68Aの補助接点摺動板部81Bとを跨いだ状態になり接触させる。
このとき固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bは接触しているため、補助接点摺動板部81A、82Aの間には電位がないため補助接点にはアークが発生しないため接点荒れも発生しない。
【0068】
更に、操作部51が押し込まれると、図15に示すように、今度は第1補助接点部83Aで補助接点摺動板部82Aと補助接点摺動板部81Aとを接触した状態(同じく、図示しない第2補助接点部83Bで補助接点摺動板部82Bと補助接点摺動板部81Bとを接触した状態)にして、鉤部59Cにロック部85が嵌まり込んでアクチュエータ61の水平方向の押す方向の動きをロック状態にすることで、固定接点と可動接点は接圧バネ66aによる付勢力を一定状態に維持してロックされた状態の接触を維持することができる。
【0069】
更に、操作部51を押し込んでフルストロークの場合には、図16に示すように、アクチュエータ61が水平方向に動いて鉤部59Cとロック部85の状態は少々移動するが、ロック状態は維持された状態であり、固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bの接触状態は維持され、且つ第1補助接点部83A及び第2補助接点部83Bの接触状態も維持された状態を保持する。
このようにして、操作部51がオンされた状態が維持されると、固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bがロックされた状態が維持され且つ第1補助接点部83Aが補助接点摺動板部81A、82Aを跨いだ状態(同じく、第2補助接点部83Bが補助接点摺動板部81B、82Bを跨いだ状態)で電気的に接触した状態を維持することができるのである。
【0070】
さて、操作部51を押し込んでフルストロークの状態から手の押し込んでいる状態を緩めて操作部51を離す方向に動かすと、操作部51に設けてある復帰バネ52の復帰により操作部が元の状態に戻ろうとし、プランジャー54の先端部54dが図において左方向に動きストッパー部59の頂部の傾斜面59bを押す。そうすると、ストッパ部59の鉤部59cとロックされているロック部85が外れ、接圧バネ66a、66bの復帰力及び反転バネ57の反転力により固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bの接点状態が外れる方向に動く。この状態のときに更に操作部51が元の状態に戻るとプランジャー54に引っ張られて反転部材58が元の状態に回動反転することで固定接点67A、63Aと可動接点が離反する。
【0071】
但し、可動接点64a、64bと固定接点67A、63Aが離れる前に、第1補助接点83Aは摺動板部81A、82Aを跨いだ電気的に接触している状態からアクチュエーター61が動くことで第1補助接点部83Aが動き接触しなくなるため、補助接点摺動板部81A、82Aの間には電位がないため第1補助接点部83Aにはアークが発生しないため、接点荒れも発生しない。
【0072】
同じく、第2補助接点部83Bも摺動板部81B、82Bを跨いだ電気的に接触している状態からアクチュエーター61が動くことで第2補助接点部83Bが動き接触しなくなるため、補助接点摺動板部81B、82Bの間には電位がないため第2補助接点部83Bにはアークが発生しない
【0073】
以上、操作部51を操作することで固定接点67A、63Aと可動接点64a、64bを接触させ、且つ第1補助接点部83A及び第2補助接点部83Bを接触させることを時系列に説明したが、第2補助接点部83Bに補助可動接点83eを加えたこと以外のスイッチの接続機構は従来技術で説明したものと同様であるので説明不足のものはそちらの説明したもので補充することができる。
【0074】
図17に示すものは、本願発明のトリガースイッチ50を備えた電動工具を示したもので、片手の把持する位置にトリガースイッチ50を収納し、外部からAC電圧を供給するようにし、トリガースイッチ50を操作することでモータMを回転させ、変速ギヤGを通じて回転させる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
補助接点に可動接点を備え、モータを短絡状態にする固定接点に操作部を引き離したときに、可動接点を接触させるようにして、モータにブレーキをかけるようにしたことで、直列2連のメイン接点を2極で使用することが可能で、その分高容量、高寿命のトリガースイッチを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係るトリガースイッチの一実施例の分解斜視図である。
【図2】同、トリガースイッチの横一部断面図である。
【図3】同、トリガースイッチの横一部断面図である。
【図4】同、トリガースイッチを構成する一部のアクチュエータの斜視図である。
【図5】同、トリガースイッチを構成する一部のアクチュエータの斜視図である。
【図6】同、トリガースイッチを構成する一部のケースの斜視図である。
【図7】同、トリガースイッチを構成するケースに端子を収納する様子を示した説明図である。
【図8】同、トリガースイッチを構成するケースに端子を収納する様子を示した説明図である。
【図9】同、トリガースイッチを構成する固定接点、可動接点、補助接点の接点状態を示す略示的に示した回路図で、操作部を引き込んでいないときの接点状態を示したものである。
【図10】同、トリガースイッチを構成する固定接点、可動接点、補助接点の接点状態を示す略示的に示した回路図で、操作部を引き込んで固定接点と可動接点が接触したときの接点状態を示したものである。
【図11】同、トリガースイッチを構成する固定接点、可動接点、補助接点の接点状態を示す略示的に示した回路図で、操作部を更に引き込んで固定接点と可動接点が接触した状態で補助接点が接触したときの接点状態を示したものである。
【図12】同、操作部がOFF時のスイッチの状態を示した説明図である。
【図13】同、操作部を操作して接点が接触したときのスイッチの状態を示した説明図である。
【図14】同、操作部を操作して接点が接触したときに更に押し込んで補助接点が摺動板部を電気的に接触させた状態を示した説明図である。
【図15】同、操作部を操作して接点が接触し更に補助接点が接触させて、更に押し込んでストッパーがロックした状態を示す説明図である。
【図16】同、操作部を操作してフルストロークの状態を示した説明図である。
【図17】同、トリガースイッチを備えた電動工具を示した説明図である。
【図18】従来技術におけるトリガースイッチを構成する固定接点、可動接点、補助接点の接点状態を示す略示的に示した回路図である。
【符号の説明】
【0077】
50 トリガースイッチ
51 操作部
51a 穴
51b 軸受穴
51c 貫通孔
51d 突起
52 復帰バネ
53 カバー
53a 突起
53b 突起
53d 傾斜部
53e 貫通孔
54 プランジャー
54a 棒部
54b 後部ブロック
54c 台状部材
54d 先端部
54e 回転軸
54f パッキン
54g 第1の突起
55 ガイド板
55a 突起
55b 開口孔
56a プレート
56b プレート
57 反転バネ
58 反転部材
58a 湾曲板
58b 隔板
58c ピニオン
58d 突起
59 ストッパ部材
59a 鉤部
60 ストッパバネ
61 アクチュエータ
61a ガイド部
61b ガイド部
61c ラック部
61d 補助接点係合部
61e 補助接点係合部
62A 第1の端子
62B 第2の端子
63A 固定接点
63B 固定接点
64a 可動接点
64b 可動接点
65a 可動接片
65b 可動接片
66a 接圧バネ
66b 接圧バネ
67A 固定接点
67B 固定接点
68A 第3の端子
68B 第4の端子
69 ケース
69a 爪
80a 螺合孔
80b 螺合孔
80c 螺合孔
81A 補助接点摺動板部
81B 補助接点摺動板部
82A 補助接点摺動板部
82B 補助接点摺動板部
83A 第1補助接点部
83B 第2補助接点部
83c 接触片
83d 接触片
83e 可動接点
84a 補助バネ
84b 補助バネ
85 ロック部
86 係合凸部
87 スライダー
88 ラック
89a 先端係止部
89b 先端係止部
90b 外部接続端子部
90c 基部
90d 係合板部
90e 接点部
90f 接点部
90g 平板部
90h 平板部
90j 固定接点
91a 支持壁
91b 支持壁
92a 内壁
93a アクチュエータガイド
93b ストッパーガイド
94 第1の部屋
95 第2の部屋
96 第3の部屋
97 第4の部屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに電源を供給するためのスイッチとして機能する直列2連のメイン接点を構成する固定接点及び該固定接点に連設した摺動板部と、
操作部に連動して動くアクチュエータに備えた可動接点及び前記摺動板部上を摺動する補助接点部と、
前記操作部を引き込むことで、前記アクチュエータが順方向に動いて前記固定接点に前記可動接点が電気的に接触して前記モータに電源を供給すると同時に前記補助接点部が前記摺動板部上を跨ぐようにして電気的に接触させて、前記固定接点と前記可動接点との接触に電位を持たせないようにし、
前記操作部を引き離すことで、前記アクチュエータが逆方向に動いて前記固定接点と前記可動接点との接触状態を離反させると同時に、前記摺動板部上に跨いでいる補助接点部が動いて前記摺動板部との接触を離すと共に、前記補助接点部に備えた可動接点が前記モータを短絡状態にする固定接点に接触することを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項2】
開口面を有すると共に箱状に形成されたケース内に同一方向を向いて配置された直列2連のメイン接点を形成する一対の固定接点と、
前記一対の固定接点と接触/離反する一対の可動接点及び該一対の可動接点を後方から押圧する押圧バネを有するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動する回動自在な反転部材と、
前記反転部材に一端が接続され他端がプランジャーに係合するコイル状の反転ポイントを持つ反転バネと、
前記プランジャーを動かす操作部とを有し、
前記操作部を押圧/解除することにより、前記一対の可動接点を前記一対の固定接点に接触/離反させて前記直列2連のメイン接点をオン/オフとするバネ反転型スイッチにおいて、
前記直列2連のメイン接点をオンする際に、前記反転ポイント前に前記アクチュエータを一定量動かして接点間隔を縮めておきその後、前記反転部材が反転することにより前記一対の可動接点を前記一対の固定接点に接触させると同時に、前記アクチュエータに備えた一対の補助接点が前記一対の固定接点のうちの一方の固定接点と連設している摺動板部と他方の固定接点と連設している摺動板部とを跨ぐようにして電気的に接触させ、
前記直列2連のメイン接点をオフする際に、前記反転ポイント前に前記アクチュエータの動きを制止しておき、その後反転ポイント後に前記アクチュエータの制止を解除することにより前記一対の可動接点を前記一対の固定接点から離反すると同時に、前記アクチュエータに備えてある一対補助接点が前記一対の固定接点のうち一方の固定接点と連設されている摺動板部と他方の固定接点と連設されている摺動板部とを跨ぐようにして電気的に接触させた状態から外すと共に、摺動板部に設けてある可動接点が前記一対の固定接点と対向する反対側に配置されている固定接点に接触して電気的に接続した状態を得ることによりモータを短絡状態にすることを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項3】
前記反転部材に形成されたピニオンと、前記アクチュエータに形成されたラックとを備えること
を特徴とする請求項2に記載のトリガースイッチ。
【請求項4】
前記プランジャーに設けられた突起と、前記反転部材に設けられた突起とを備え、前記操作部を押圧した時前記プランジャーの突起が前記反転部材の突起を押圧して前記反転バネの力に抗して前記反転部材を回動させることにより前記アクチュエータを動かし前記可動接点を固定接点に接近させること
を特徴とする請求項2に記載のトリガースイッチ。
【請求項5】
前記プランジャーの先端部の下面に設けられたゆるやかな段差を持つ面と、該段差面と常に当接するストッパ部材と、該ストッパ部材に設けられた鉤部と、該ストッパ部材を上方に付勢するストッパバネと、前記アクチュエータに設けられた突起とを備え、前記ストッパ部材は前記プランジャーの段差面に沿って動くことにより前記ストッパ部材の鉤部と該アクチュエータの突起との係合状態を施錠状態又は開放状態に置くこと
を特徴とする請求項2に記載のトリガースイッチ。
【請求項6】
スイッチオンの時、前記ストッパ部材は上昇しており、前記アクチュエータの突起は前記ストッパ部材の鉤部の上を乗り越えて進み可動接点と固定接点とを接触させ、その時、前記鉤部と前記アクチュエータの突起との係合状態は施錠状態となること
を特徴とする請求項5に記載のトリガースイッチ。
【請求項7】
前記施錠状態において、操作部をスイッチオフの方向に動かし前記プランジャーを動かし、前記反転バネの反転ポイントを越えても前記プランジャーの先端部の下面の形状によりしばらく解放状態にならず、更に前記反転バネが反転ポイントを越えて操作部をスイッチのオフ方向に動かした時、前記プランジャーの先端部の下面によりストッパ部材は下降し前記ロック手段は解放状態となり、その結果、前記アクチュエータは即座に移動し、可動接点は固定接点から瞬時に離れスイッチオフとなること
を特徴とする請求項2に記載のトリガースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−135000(P2009−135000A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310374(P2007−310374)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(301040796)佐鳥エス・テック株式会社 (26)
【Fターム(参考)】