説明

トレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構およびこれを利用した電子部品の検査装置

【課題】連続的な電子部品の検査において、トレイの交換頻度を低減しかつ装置の小型化が可能な、トレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構、あるいはこれを利用した電子部品の検査装置を提供する。
【解決手段】トレイ多段収納のトレイ置棚2を設けて検査済みの電子部品9を収納するトレイ5をその棚に収納し、これの上部にトレイ重ね置棚4を設けて未検査電子部品9が検査ステージで検査されてなくなった空トレイ5を重ね置棚4に積み重ねておく。あるトレイ5が検査済みの電子部品9で満杯になって排出されたときに、トレイ重ね置棚4から空トレイ5を取出してそのトレイ5の棚位置に空トレイ5を供給して、空トレイの使い回し(再使用)をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構およびこれを利用した電子部品の検査装置に関し、詳しくは、磁気ヘッドアッセンブリ(磁気ヘッド+サスペンションスプリング)をトレイ内に多数配列収納してトレイを介して磁気ヘッドアッセンブリを検査ステージに供給して連続的に磁気ヘッドアッセンブリの検査する場合において、トレイの交換頻度を低減してかつ装置の小型化が可能なトレイで供給される磁気ヘッドのトレイハンドリング機構に関する。
【背景技術】
【0002】
最近においては、磁気ディスクの高密度化が進み、現在では数百ギガオーダのハードディスク駆動装置(HDD)が主流となってきている。このような磁気ディスクの高記録密度化に伴い、磁気ヘッドの浮上量は低下してきている。
最近の磁気ヘッドアッセンブリは、15mm〜20mm程度のサスペンションスプリングの先端に0.数mm〜1mm角程度の大きさのスライダが付き、薄膜磁気ヘッドとディスクの間隔は、数nmから十nmの距離までに接近してきている。
このような関係にある、HDDの情報記録媒体としての磁気ディスクと磁気ディスクに対してデータの読み書きを行う磁気ヘッド(磁気ヘッドアッセンブリ)とは、製造段階でそれぞれの検査装置により精密な性能検査が行われている。
【0003】
また、HDDは、現在では自動車製品や家電製品、音響製品の分野にまで浸透し、3.5インチから1.8インチに、さらには1.0インチ以下のハードディスク駆動装置が各種製品に内蔵され、使用されている。それによりHDDの低価格化と大量生産化の要請がある。そのため、磁気ヘッド検査装置にあっても多量の磁気ヘッドを効率よく検査でき、かつ、検査装置を小型化せよとの要請がある。
磁気ディスクあるいは磁気ヘッドの検査効率を向上するために、複数の検査デッキを設けて検査デッキ間での磁気ヘッドからの信号を分配しあるいは選択的に切換えて信号を受けて処理をする検査装置はすでに公知である(特許文献1,2)。
【特許文献1】特開2001−52319号公報
【特許文献2】特開2006−179107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の磁気ヘッド検査装置の検査デッキは、1スピンドルに、1キャリッジあるいは2キャリッジであり、通常は、各キャリッジ対応に1測定部という構成を採っている。そして、磁気ヘッドは、磁気ヘッドアッセンブリ単位で検査終了後に検査対象となる新しい磁気ヘッドアッセンブリと検査済みのものとが交換される。この場合の交換は、現在のところ人手による手作業となっている。この点は、磁気ディスクの検査装置においても同様である。
そこで、ヘッド検査のスループットを向上させるために、磁気ヘッドアッセンブリの交換作業を自動化し、多数の磁気ヘッドアッセンブリをトレイに収納してそこから供給し、磁気ヘッドを自動的に検査するシステムを出願人は提案し、それを特願2007−172300として出願している。これは、トレイから磁気ヘッドアッセンブリまでの検査システムを自動化するものである。しかし、この場合、トレイの供給・排出が間に合わなければ、ヘッド検査のスループットの向上を図る点では十分なものとは言えない。
【0005】
トレイ自体の連続的な供給・排出システムとして考えられることは、トレイ自体を二重化して配置し、一方のトレイを検査に使用し、これの使用中に部品検査が終了して空となった他方の空トレイを供給トレイと交換して排出することである。また、検査が終了した部品を収納するトレイも必要である。そのトレイが検査終了の部品で満杯になったときにはそのトレイを排出して空トレイを供給しなければならない。
このようなトレイの供給・排出方式を採ると、未検査の電子部品(例えば前記の磁気ヘッドアッセンブリ)の供給トレイと検査が終了した電子部品の排出トレイとがそれぞれ2系統必要になる。しかも、空トレイは、それぞれに別のタイミングで発生し、それぞれに必要となる。
【0006】
その上、検査をパスした電子部品を収納する合格(GD)トレイは、検査結果に応じてランク分けしてそれぞれ設けられることが多い。そうなると、トレイ供給・排出のタイミング制御とトレイ交換頻度が非常に多くなる。それによりトレイの供給・排出にかかる作業効率も悪化する。また、多数のトレイの供給・排出システムが必要になって装置が大型化する問題がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、連続的な電子部品の検査、例えば、磁気ヘッドアッセンブリ(磁気ヘッド)の検査において、トレイの交換頻度を低減しかつ装置の小型化が可能な、トレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構あるいはこれを利用した電子部品の検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するためのトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構あるいはこれを利用した電子部品の検査装置の構成は、未検査の電子部品を収納するトレイと検査済みの電子部品を収納するトレイをそれぞれ棚に収納し起立した状態で設けられたトレイ多段収納のトレイ置棚と、
このトレイ置棚の上部に配置されトレイが上下方向に通過可能な第1の開口を有し未検査の電子部品を収納するトレイから電子部品が取出されて空になった空トレイが第1の開口の位置か、これより上の位置で保持される空トレイ棚と、
トレイ置棚のトレイを出し入れする前面に対応して設けられ前面に沿ってトレイを上下方向に移動しかつトレイをトレイ置棚の棚に対して出し入れする第1のハンドリングロボットと、
第1のトレイハンドリングロボットあるいは第2のトレイハンドリングロボットを制御して第1の開口の下から空トレイを第1の開口に通して空トレイ棚に供給し、第1のトレイハンドリングロボットあるいは第2のトレイハンドリングロボットを制御して空トレイ棚に置かれた空トレイを第1の開口の下から取出して検査済みの電子部品を収納するトレイとして第1のトレイハンドリングロボットによりトレイ置棚に供給する処理をする制御部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
このように、この発明は、トレイ多段収納のトレイ置棚を設けて未検査の電子部品を収納するトレイと検査済みの電子部品を収納するトレイをその棚に収納し、これの上部に空トレイ棚を設けて未検査電子部品が検査ステージで検査されてなくなった空トレイを空トレイ棚に保持する。あるトレイが検査済みの電子部品で満杯になって排出されたときに、空トレイ棚から空トレイを取出してそのトレイの棚位置に空トレイを供給して、空トレイの使い回し(再使用)をする。
その結果、検査装置内での空トレイの使い回し(再使用)により検査装置からの空トレイの排出処理が不要になる。しかも、空トレイのストッカとなる空トレイ棚は、トレイ置棚の上に設けられている。空トレイは、空トレイ棚の第1の開口を介して下からトレイを供給するようにしているので、空トレイ棚に空トレイを載置するためのハンドリングロボットの動作がトレイ置棚の棚に対するトレイの出し入れと同様な動作で可能になる。これにより、単純な制御で空トレイ棚に対する空トレイの供給・排出ができる。その上、空トレイは、トレイ重ね棚として重ね置きすることも可能であるので、空トレイの設置エリアが低減する。
【0009】
このトレイ重ね棚は、トレイの重ね枚数が多くてもその高さを抑えられるので、検査装置全体の小型化が可能になる。しかも、トレイ置棚の棚の段数を増加させることでランク分けしてトレイを収納することができる。さらにトレイ重ね棚を並置して追加すれば、追加したトレイ重ね棚には、未検査の電子部品の供給トレイあるいは検査済みの電子部品の排出トレイを空トレイに隣接して重ね置きすることが可能になる。
また、第1のトレイハンドリングロボットにはトレイを載置するアームを設ければ、このアームを電子部品供給トレイの設置エリアにすることができる。すなわち、このアームに載置されたトレイから直接未検査電子部品を検査ステージに供給することが可能になる。逆に検査ステージで検査された検査済みの電子部品をアームに載置されたトレイに収納することも可能になる。
このようにすれば、検査ステージに対して電子部品供給トレイ等の設置エリアを特別に検査装置に設ける必要がなくなる。これによっても検査装置の小型化が実現できる。
その結果、連続的な電子部品の検査、例えば、磁気ヘッドアッセンブリ(磁気ヘッド)の検査において、トレイの交換頻度が低減してかつ電子部品の検査装置の小型化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、この発明のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構を適用した一実施例の磁気ヘッド検査装置の磁気ヘッドアッセンブリのトレイハンドリング機構の斜視図、図2は、そのトレイの説明図、図3は、そのトレイ重ね棚の空トレイ収納・排出動作の説明図、図4は、制御部の空トレイ使い回し処理のフローチャート、図5は、この発明のトレイで供給される磁気ヘッドアッセンブリ(電子部品)のトレイハンドリング機構について検査ステージを2つ設けた磁気ヘッド検査装置に適用した場合の実施例の概要説明図、そして図6は、そのトレイ重ね棚に並列に載置された空トレイ、供給トレイ、そして排出トレイのハンドリング処理の説明図である。
【0011】
図1(a)において、10は、磁気ヘッド検査装置であり、1はトレイハンドリング機構、2はトレイ多段収納のトレイ置棚、3はトレイハンドリングロボット、4はトレイ重ね棚、5は、磁気ヘッドアッセンブリを多数配列収納する矩形で箱形のトレイ、6は制御部、7は、トレイ置棚2を固定する載置ベース、8は磁気ヘッドアッセンブリハンドリングロボット(図1では図示せず、図5参照,以下ヘッドハンドリングロボット)、そして9は磁気ヘッドアッセンブリである。
制御部6には内部にMPUと、メモリ、出力ポート、インタフェース等を有し、メモリに記憶されたプログラムをMPUが実行して各種の制御をする。このメモリには、後述する空トレイ使い回し処理PRG(プログラム)61が記憶されている。
【0012】
トレイ置棚2は、載置ベース7に起立した状態でその前面がX軸に沿って配置され8段の棚が設けられている。トレイ5を8枚縦方向(Z軸方向)に各棚ごとに個別に収納可能である。上の棚3段が未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納する供給トレイ棚54である。下の棚4段が検査結果に応じた磁気ヘッドアッセンブリをそのランクに応じてそれぞれ収納するランクトレイ棚55である。下4段の棚は、検査結果に対応して上から順にランクA,ランクB,ランクC,ランクDの棚になっている。そして、最下段の棚は、排出するトレイが置かれる排出トレイ棚56になっている。
トレイハンドリングロボット3は、トレイ5を載置するH型アーム31(図1(b)参照)を有し、制御部6により制御されてトレイ置棚2の前面に対して進退移動し、かつ、H型アーム31を上下方向(Z軸方向)に移動する。
32は、Y軸移動機構であって、その移動台32aがトレイ置棚2の前面に向かってY軸に沿って進退する梁状のブロックである。この移動台32aにZ軸移動機構33が取付けられ、Z軸移動機構33をY軸方向に移動させる。H型アーム31は、このZ軸移動機構33の上下移動台33aに設けられている。
図1(b)に示すように、H型アーム31は、トレイ置棚2の前面側に水平に突出した心棒31aとこれに直角で水平に前後に取付けられた支持棒31b,31cとで構成されている。心棒31aの根本は、上下移動台33aまで延びてその先が上下移動台33aに固定されている。H型アーム31の外形の大きさは、トレイ5の底より少し小さい形状である。トレイ5は、H型アーム31の上に載置され、トレイの底がH型部材で保持される。
【0013】
Z軸移動機構33は、H型アーム31を上下方向に移動する柱状のブロックである。Z方向に移動する上下移動台33a(以下Z移動台33a)がこれの側面に設けられている。このZ移動台33aの上面にH型アーム31の端部が固定されてH型アーム31は、水平にトレイ置棚2の前面側に突出して支持される。
Z軸移動機構33は、載置ベース7に設けられた矩形の開口7aを貫通し、さらにこれの下側まで延びている。その理由は、トレイ置棚2の最下段の位置にH型アーム31を位置付けるためにZ移動台33aがH型アーム31のZ軸方向の取付高さ分、降下しなければならないからである。
なお、矩形の開口7aは、Z軸移動機構33をトレイ置棚2に対して進退するために載置ベース7においてトレイ置棚2の前面まで広がった開口となっている。
【0014】
トレイ置棚2の側面板11,12は、上部に突出している。トレイ重ね棚4は、ブラケット板41,42を有し、上部に突出した側面板11,12の上にブラケット板41,42が水平方向に突出して固定されていることでトレイ置棚2の最上段の棚の上にさらに設けられた棚になっている。ブラケット板41,42の上には棚の一部として支持ピン44a,44bがそれぞれ設けられている。
ブラケット板41,42の先端側の間にはトレイ5が上下方向に通過できる開口43が形成されている。ブラケット板41側の支持ピン44aがみえるように、2個の支持ピン44a,44bは、開口43に沿って水平に進退して両側から水平に開口43の上部に突出する。突出した支持ピン44a,44bは、トレイの底外側の両側に設けられた係合支持溝5aに係合してトレイ5を支持する。図示するように、最下段の空のトレイ5(以下空トレイ51という)の係合支持溝5a(図2参照)に係合して堆積された4枚の空のトレイ51を支持している。2個の支持ピン44a,44bは、エアーシリンダ等で構成される進退機構45により進退可能となっている。その進退は、制御部6により制御される。なお、2個の支持ピン44a,44bを持つ反対側の進退機構46も進退機構45と同様な構造をしている。それは図3に示してある。
【0015】
ところで、検査結果に応じて磁気ヘッドアッセンブリ9を収納する棚は前記したように4段ある。そこで、図では、空トレイ51の最大スタック量を4枚として図示しているが、実際上は3枚程度で済む。それ以上にはならない。それは、磁気ヘッドアッセンブリ9を供給して検査をした磁気ヘッドアッセンブリ9が空トレイ3枚と空になりかけた供給トレイが1枚分あるとすれば、前記した4段階のランク分けが行われると、検査結果の磁気ヘッドアッセンブリ9を収納する棚のトレイの1つは検査終了後に満杯となって排出トレイとなる可能性が高いからである。
ここで、トレイハンドリングロボット3に載置されたトレイ5が仮に未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納した供給トレイであるとする。このトレイ5の最後の未検査の磁気ヘッドアッセンブリがヘッドハンドリングロボット8(図5参照)によりピックアップされたときに、このトレイは空になる。それは、空トレイとしてトレイハンドリングロボット3によりトレイ重ね棚4に移動してスタックされる。このときには、このトレイは、開口43を経て下から上に空トレイとして供給されて、トレイ重ね棚4の最下段に堆積される。その堆積手順については後述する。また、ヘッドハンドリングロボット8は、制御部6により制御されて検査ステージとトレイハンドリングロボット3に載置されたトレイ5との間において磁気ヘッドアッセンブリを搬送する。このヘッドハンドリングロボット8については、図1では示していないが、その詳細は図5において説明する。
【0016】
トレイ置棚2には、図1の上から2段目と最下段とに示すように、側面板11,12の内側に、内側に水平に突出したトレイ支持金具13,14がそれぞれ8段設けられている。トレイ支持金具13,14は、側面板11,12の内側においてその両側から内側に水平に突出する。その先端側は、トレイ5の横幅より少し小さな間隔をもって側面板11,12の間の空間に配置される。棚に収納されたトレイ5は、両端の底がトレイ支持金具13,14の先端側で支持される。このことで、これらトレイ支持金具13,14がトレイ置きの棚(棚位置)を構成する。
トレイ支持金具13,14の上下方向(Z軸方向)の間隔が棚間隔になる。この棚間隔は、トレイ支持金具13,14の下にH型アーム31が降下して棚から逃げる空間を棚の下に確保している。また、H型アーム31がトレイを持ち上げたときにトレイが棚から逃げる空間を棚の上に確保している。すなわち、棚間隔は、トレイ5の厚さの2倍程度の空間が収納されたトレイの上下に広がるように決められている。
なお、トレイ支持金具13,14の棚奥行き方向の長さは、H型アーム31の前後の支持棒31b,31cがぶつかることなく、逃げられるように、支持棒31b,31cの前後の間隔より少し短い。そのために、図示するようにトレイ支持金具13,14は、端部の一部しかみえない。
【0017】
トレイ置棚2の棚へのトレイ5の収納動作は、前進し所定量降下し後退し所定量上昇するH型アーム31の矩形運動による。また、取出動作も所定量降下し前進し所定量上昇して後退するH型アーム31の矩形運動になる。
すなわち、トレイハンドリングロボット3は、H型アーム31に載置されたトレイ5がトレイ置棚2の目標とする棚位置の空間に入るまでZ方向にH型アーム31を上昇あるいは降下させる。そして図1の状態からトレイハンドリングロボット3がY軸方向に移動して前進してH型アーム31を棚より上に挿入する。背面側のトレイ位置決めローラ17までトレイ5を挿入してZ方向にH型アーム31を降下してトレイ5を棚位置に装填する。これにより、トレイ支持金具13,14にトレイ5が支持される。
こうしてトレイ5を棚に収納した時点でトレイハンドリングロボット3がH型アーム31をさらに降下させてトレイハンドリングロボット3がY軸方向に移動して後退してH型アーム31を棚から抜いてさらに上昇させてH型アーム31を元の位置に戻す。
トレイ5の取出は、これとは逆にトレイハンドリングロボット3がトレイが載置されていないH型アーム31をトレイ5が棚に収納された位置より所定量降下させる。そしてトレイハンドリングロボット3がY軸方向に移動して前進し、H型アーム31を棚より下に挿入する。背面側のトレイ位置決めローラ17付近までH型アーム31が前進してからトレイハンドリングロボット3がH型アーム31を上昇させてトレイ5をH型アーム31で持ち上げる。これにより、トレイ支持金具13,14から上にトレイを上げてH型アーム31に載置してトレイハンドリングロボット3が後退してH型アーム31を棚から抜いてさらに降下させてH型アーム31を元の位置に戻す。
【0018】
トレイ置棚2の背面は開放されている。側面板11,12の背面側の左右両サイドには内側側面に沿って縦にローラ支持部材15,16がそれぞれに固定されている。ローラ支持部材15,16にはそれぞれに8個のトレイ位置決めローラ17が各棚位置に対応して設けられている。
図では見えていないが、トレイ置棚2の前面側の側壁にも同様な位置関係でトレイ位置決めローラ17が前面の左右にそれぞれに8個ずつ設けられている。これらのトレイ位置決めローラ17は、図6で示す位置決めローラ88(後述)とトレイ5との配置関係と同様な関係にあって、後述するのでその作用の詳細は割愛する。
棚に収納されたトレイ5は、前面側と背面側の側壁に沿って縦にそれぞれ設けられた棚位置対応のトレイ位置決めローラ17に前後で当接される。これにより収納されたトレイ5の前後が位置決めされる。
さらに、側面板11,12には、各棚位置に対応して楕円孔18が設けられている。図1では見えていないが、それぞれの楕円孔18の位置には位置決めローラが装着されている。これらの位置決めローラは、トレイ支持金具13,14に載置されたトレイ5の両側面に係合して左右方向のトレイ5の位置決めをする。
この位置決めはローラは、前記した図6で示す位置決めローラ88とトレイ5との配置関係と同様な関係にある。
【0019】
図2は、そのトレイの説明図であって、トレイ5にはボスピン5bが配列されて設けられている。図2の左側に示すように、磁気ヘッドアッセンブリ9は、先端部に磁気ヘッド91が設けられている。この磁気ヘッド91を支持するサスペンションスプリングの後端部にある磁気ヘッドアッセンブリ9の取付基部には取付孔92が設けられている。このような未検査の磁気ヘッドアッセンブリ9あるいは検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9がその取付孔92にボスピン5bが挿入されてトレイ5に配列収納されている。そして、トレイ5の箱両サイドの底外側部分には係合支持溝5aが片側に2個所ずつ、合計で4個所設けられている。なお、図2では反対側の係合支持溝5aは見えていない。
なお、一点鎖線で示す部分は、トレイ5を支持するための支持ピン44a,44bとエアーシリンダ等で構成される進退機構45(46)である。
【0020】
図3は、そのトレイ重ね棚の空トレイ収納・排出動作の説明図である。
図3(a)に示すように、制御部6の制御により図1の状態からトレイハンドリングロボット3がH型アーム31をZ方向に上昇させて、トレイ5をトレイ置棚2とトレイ重ね棚4との間の空間Lの位置の高さにする。次にトレイ置棚2の前面に向かってトレイハンドリングロボット3がy軸方向に移動してH型アーム31を前進させてトレイ5を空間Lの位置に挿入する。これは、トレイ置棚2の棚にトレイ5を収納するときのH型アーム31の挿入動作と同じであり、単に、棚位置が最上段の棚の一段上にある空間Lの位置になっただけのことである。
そして、図3(b)に示すように、次にトレイハンドリングロボット3がH型アーム31を上昇させてトレイ5を最下段の空トレイ51の底に接触させる。この時点で、制御部6が進退機構45,46を制御して、制御部6は、図3(c)に示すように、そのエアーシリンダを後退駆動して支持ピン44a,44bを後退させる。このとき、堆積された複数枚の空トレイ51がH型アーム31に支持される。次にトレイハンドリングロボット3は、H型アーム31を1トレイ分の厚さ分上昇させる。図3(d)に示すように、最下段の空トレイ51の位置を図3(c)の位置から支持ピン44a,44bの高さに対応するようにトレイハンドリングロボット3が1トレイ分の厚さ分上げてから制御部6が進退機構45,46のエアーシリンダを前進駆動して支持ピン44a,44bを開口43の上に突出させる。
【0021】
その結果、最下段の空トレイ51の係合支持溝5a(図2参照)に支持ピン44a,44bが係合して、図3(e)に示すように、最下段に新しい空トレイ51が供給され、新しい空トレイ51はトレイ重ね棚4に堆積される。
なお、最下段の空トレイ51を受け取るときには、制御部6の制御により図1の状態からトレイハンドリングロボット3がトレイが載置されていないH型アーム31をZ方向に上昇させて、逆に、図3(e)に示す状態にする。そして、トレイハンドリングロボット3がH型アーム31を最下段の空トレイ1の底部まで上昇させて最下段の空トレイ51の底部に接触させる。この時点で制御部6が支持ピン44a,44bを後退させて図3(d)の状態にする。
さらにトレイハンドリングロボット3が1トレイ分の厚さ分下げて図3(c)の状態にする。そして制御部6が支持ピン44a,44bを前進させて図3(b)に示す状態にする。トレイハンドリングロボット3は、最下段の空トレイ51をH型アーム31で受取り、図3(a)に示す状態になる。そして、トレイハンドリングロボット3は、図3(a)に示す状態から図1の状態に戻り、トレイ置棚2の所定の空の棚位置に空トレイ51を装填する。
【0022】
次に、図4を参照して制御部6によるの空トレイ51の使い回し処理(再使用処理)について説明する。
なお、以下で説明する空トレイ51の使い回し処理は、制御部6のメモリに記憶された空トレイ使い回し処理PRG(プログラム)61を制御部6のMPUが実行することで行われる。
初期状態ではトレイ置棚2の上棚3段に未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納する供給トレイが装填されている。その下棚4段には、検査結果に応じてA,B,C,Dのランク付けがされた位置にそれぞれに空トレイ51が収納されている。そして、最下段の排出トレイ棚は空となっているものとする。
図4において、検査開始割込みスタートで制御部6のMPUが空トレイ使い回し処理PRG61を実行して、未検査の磁気ヘッドアッセンブリを検査ステージに供給する処理をする。そのために、MPUは、初期設定として供給トレイの位置として最上段の棚位置を選択し、部品供給個数NをN=0に設定し、ランクに応じたトレイの収納個数SA,SB,SC,SDをSA=SB=SC=SD=0に設定する(ステップ101)。
そして、トレイハンドリングロボット3が制御部(MPU)6により制御されて、トレイハンドリングロボット3がトレイ置棚2の上棚3段のうちの指定された位置、最初はステップ101で選択された最上段の供給トレイの位置に移動してY軸方向に移動して前進し、後退してそこから供給トレイを取出す(ステップ102)。
なお、供給トレイを選択する位置については、最初の位置付けは最上段であるが、トレイ置棚2の上棚3段に供給トレイがあるので、最上段が空トレイとなったときにはその次の段、そしてそれも空となったときにはその次の段にトレイハンドリングロボット3が位置付けられ、その後はまた最上段の棚位置に戻る循環となる。
【0023】
トレイハンドリングロボット3は、Z方向にH型アーム31を上昇させて磁気ヘッドアッセンブリ9をヘッドハンドリングロボット8(図示せず、図5参照)に受渡す受渡し高さ(トレイハンドリングロボット3のハンドリングの基準位置)に供給トレイを位置決めする(ステップ103)。
ヘッドハンドリングロボット8が制御部(MPU)6により制御されて、ヘッドハンドリングロボット8が磁気ヘッドアッセンブリ9を供給トレイから吸着ピックして検査ステージに搬送する(ステップ104)。
そして、MPUは、供給個数NをN=N+1に更新して(ステップ105)、供給トレイの空か否かをN=Mにより判定する(ステップ106)。なお、Mはトレイに収納されている磁気ヘッドアッセンブリの最大個数(満杯数)である。
ここで、NOとなれば、MPUにより制御されたトレイハンドリングロボット3により供給トレイがトレイ置棚2の元の棚段(選択されている棚)の位置へと戻される(ステップ107)。
【0024】
次にMPUは、検査ステージで磁気ヘッドアッセンブリの検査が終了して検査結果が出たか否かを判定する待ちループに入る(ステップ108)。そして、検査結果が出ると、制御部(MPU)6により制御されたトレイハンドリングロボット3は、ランクA,ランクB,ランクC,ランクDの検査結果に応じたランクの棚の収納トレイを取出して、その収納トレイをハンドリングの基準位置に位置決めする(ステップ109)。収納トレイは、トレイ置棚2の供給トレイから下の4段に収納されたトレイである。
MPUは、ヘッドハンドリングロボット8から検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9をハンドリング基準位置(受渡す受渡し高さ)において棚から取出した収納トレイに受ける待ちループに入る(ステップ110)。そして、ヘッドハンドリングロボット8が制御部(MPU)6により制御されて検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9を吸着ピックして検査ステージからトレイハンドリングロボット3のトレイ5へと搬送して、検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9をトレイ5の所定の位置に収納する。
【0025】
ここでYESのとなり、MPUは、収納トレイの収納個数SA,SB,SC,SDのうち取出した収納トレイの個数をインクリメントする(ステップ111)。インクリメントした個数がMか否かの判定をする(ステップ112)。ここでYESのときにはその収納トレイは満杯である。
ここで、NOとなれば、MPUにより制御されたトレイハンドリングロボット3は、収納トレイをトレイ置棚2の元の段(検査結果に応じたランクにより選択されている棚)の位置へと戻す(ステップ113)。
そして図示していないが、MPUは、続いて磁気ヘッドアッセンブリの検査が終了か否かの判定をしてNOのときにステップ102へと戻る。YESのときにはステップ118の処理へと移る。
【0026】
供給トレイの磁気ヘッドアッセンブリ9がすべて検査ステージで検査されて、トレイに磁気ヘッドアッセンブリ9がなくなって空トレイ51が発生すると、先のステップ106の判定でN=Mが成立してステップ106YESとなる。
このYESの判定により、制御部(MPU)6は、次にステップ114へと移り、トレイハンドリングロボット3を制御して供給トレイ5を空トレイ51としてトレイ置棚2の最上段の棚とトレイ重ね棚4との間の空間Lの位置に移動する(ステップ114)。
次に制御部(MPU)6は、図3(a)〜図3(e)の処理を経てトレイハンドリングロボット3を上昇させてトレイ重ね棚4の最下段に空トレイ51にスタックする(ステップ115)。そして、制御部(MPU)6に制御されたトレイハンドリングロボット3は、受渡し高さ位置(ハンドリング基準位置)に戻る(ステップ116)。
空トレイが発生したので、次に、MPUは、供給トレイの棚位置として次の棚位置(今度は上から2段目の棚)を選択して(ステップ117)、ステップ108へと戻る。そして、MPUは、ステップ108以降の処理で検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9をランクに応じた収納トレイに収納する制御をする。
なお、前記したように、ステップ117の供給トレイの棚位置は、次の次の棚位置が上から3段目となり、その次は最上段に戻る循環となる。この循環過程で空いた供給トレイの棚の段(第1段目から第3段目のうちの1つ)は、手動で供給トレイが逐次補充される。
【0027】
空トレイが3個程度トレイ重ね棚4に堆積される状態になると、満杯となる収納トレイが発生する。
このときには、先のステップ112でYESとなり、ここでYESとなると、制御部(MPU)6に制御されたトレイハンドリングロボット3は、その収納トレイを排出トレイとしてトレイ置棚2の最下段の棚に収納する(ステップ118)。排出トレイは、適当なタイミングで最下段の棚から手動で回収される。排出される収納トレイのランクは、下棚4段のランクのうち空き棚の位置をみれば判る。あるいはそこに装填される空トレイの装填により判定できる。しかし、後述する図5の実施例のようにトレイ番号読取り器でトレイ番号を読取り、排出トレイの番号とランクとを別途管理し、記録するようにしてもよい。
ところで、供給トレイの補充とこの排出トレイの排出は、手動操作で、例えば、トレイハンドリングロボット3の位置と反対側のトレイ置棚2の開放された背面から棚に挿入されあるいは取出される。しかし、この場合、トレイハンドリングロボット3がある前側から各トレイが取出されてもよい。手動によることなく、トレイハンドリングロボット3により空いた棚位置に空トレイが挿入されあるいはトレイ置棚2の最下段から排出トレイが取出されてもよい。
なお、ここでのMPUの処理は、ステップ101とステップ117で供給トレイの棚位置を選択している。このことでトレイハンドリングロボット3は、トレイ置棚2の供給トレイについては、トレイが空になるまでは同じ供給トレイを棚から出し入れすることになる。
【0028】
次に、空トレイの使い回し処理について説明する。
満杯になった収納トレイのトレイ置棚2の最下段への装填処理が終わると、次に、制御部6により制御されたトレイハンドリングロボット3は、トレイ置棚2とトレイ重ね棚4との間の空間Lの位置に移動する(ステップ119)。ここで、制御部6は、トレイハンドリングロボット3を上昇させて図3(e)〜図3(a)の逆の流れで処理をする。この処理によりトレイハンドリングロボット3によりトレイ重ね棚4の最下段にスタックされた空トレイ51が取出される(ステップ120)。そして、制御部6は、トレイハンドリングロボット3のH型アーム31を受渡し高さ位置(ハンドリング基準位置)に戻す。さらに、H型アーム31を降下させてステップ113において収納トレイを収納する棚位置に空トレイ51を収納する。これによりトレイ置棚2の排出トレイのランクの棚位置に空トレイが装填される(ステップ121)。そしてステップ102へと戻る。
このようにして制御部6は、空トレイを収納トレイとして使い回しする処理をする。これにより、収納トレイの検査装置からの排出は不要になる。
このようにして磁気ヘッドアッセンブリの検査が続けば未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納する供給トレイはやがてなくなる。そこで、トレイ重ね棚4の空トレイ51の重ね量が3枚程度に増加したところで、作業員は、トレイ置棚2に供給トレイを手動で追加する。
【0029】
図5は、この発明のトレイで供給される磁気ヘッドアッセンブリ(電子部品)のトレイハンドリング機構について検査ステージを2つ設けた検査装置に適用した場合の実施例の概要説明図である。
図5に示すように、磁気ヘッド検査装置80には、2つの検査ステージ81,82が設けられている。8は、図1では示していなかった磁気ヘッドハンドリングロボットである。
トレイハンドリングロボット3は、図5では、検査ステージ81,82に対応してトレイハンドリングロボット34,35として2個設けられている。トレイ置棚2に対応して、トレイハンドリングロボット34,35がトレイを出し入れするトレイ置棚23,24が設けられている。これら2つの多段トレイ棚の詳細は図6に示してある。図1では多段トレイ棚は1個だけである。
この実施例で図1の場合とさらに異なる点は、図1のトレイ重ね棚4に対応するトレイ重ね棚40には、空トレイをスタックする領域の他に2つのスタック領域が隣接して設けられていることである。その1つは、未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納する供給トレイを重ね置きするスタック領域84であり、他の1つは検査済みの電子部品が満載収納され排出トレイとなったトレイを重ね置きするスタック領域85である。
空トレイをスタックする領域の他に、このような領域を設けることで、供給トレイを一度に多数供給し、排出トレイを一度に多数回収することができる。これにより、供給・排出の処理効率を向上させることができる。
【0030】
この実施例でも、トレイ5は、磁気ヘッド検査装置10においてトレイハンドリングロボットトレイハンドリングロボット34(35)によりハンドリングの基準位置(受渡し高さ位置)に位置決めされてセットされる。したがって、トレイ5の各ボスピン5bのXY位置座標、言い換えればトレイ5に収納された磁気ヘッドアッセンブリ9の座標位置はそれぞれ特定の位置に固定されたものとなっている。
そこで、その位置は制御部6のメモリに記憶されている。ヘッドハンドリングロボット8は、制御部6の制御に応じて、トレイ5から磁気ヘッドアッセンブリ9をボスピン5bのXY位置座標を基準として端から順次ピックアンプし、あるいは収納トレイに検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9を収納するハンドリング処理をする。
【0031】
具体的には、ヘッドハンドリングロボット8は、X移動機構20とY移動機構21、Z移動機構22、そしてZ移動機構22の下側に磁気ヘッドアッセンブリ9を吸着する吸着コレット8aを有している。制御部6の制御に従い、ヘッドハンドリングロボット8は、所定間隔に配置された図2に示すトレイ5のボスピン5bのXY位置座標を基準にしてX移動機構20とY移動機構21を駆動して吸着コレット8aをXY移動して、トレイ5上の未検査の磁気ヘッドアッセンブリ9を吸着する座標位置に吸着コレット8aを位置決めする。そして吸着コレット8aをZ移動機構22によりZ方向に所定量昇降移動して目的とする磁気ヘッドアッセンブリ9を吸着してトレイ5からピックアップする。あるいは吸着した検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9の取付孔92(図2参照)にボスピン5aに挿入してトレイ5の所定の位置に収納する。
【0032】
ヘッドハンドリングロボット8がピックアップした磁気ヘッドアッセンブリ9は、位置決め機構の載置台(図示せず)へと一旦搬送されて、ここでプリ位置決めされてから磁気ヘッドアッセンブリ9を検査ステージ81あるいは検査ステージ82のヘッドクランプ台へと搬送されてヘッドクランプ台に設置される。
ヘッドクランプ台は、検査ステージ81あるいは検査ステージ82のヘッドキャリッジ81a,82aのヘッド支持アーム81b,82bの先端側にそれぞれ設けられている。また、ヘッドクランプ台にはクランプ機構が設けられている。
検査ステージ81あるいは検査ステージ82のいずれかで磁気ヘッドアッセンブリ9の検査が終了すると、検査が終了した磁気ヘッドアッセンブリ9は、ヘッドクランプ台でのクランプ機構によるクランプが解除されてヘッドハンドリングロボット8は、クランプが解除された磁気ヘッドアッセンブリ9を吸着する。そしてヘッドクランプ台からピックアンプしてトレイハンドリングロボット34(35)の基準位置にある収納トレイへと搬送して検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9を所定の位置に収納する。
【0033】
この実施例での収納トレイへの収納処理について少し詳しく説明する。
MPUは、図4のフローチャートのステップ108では検査ステージで磁気ヘッドアッセンブリの検査が終了して検査結果が出たか否かを判定する待ちループに入っている。そこで、検査結果が出ると、次のステップ109に移る。このとき、トレイハンドリングロボット34(35)は、ランクA,ランクB,ランクC,ランクDの検査結果に応じたランクの棚の収納トレイを取出してハンドリング基準位置(受渡し高さ位置)に収納トレイを位置決めしている。そしてトレイハンドリングロボット34(35)は、次のステップ110においてヘッドハンドリングロボット8から検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9をハンドリング基準位置(受渡し高さ位置)で収納トレイに受ける。
このとき、ヘッドハンドリングロボット8は、載置しているランクに応じたトレイ5の各ボスピン5bのXY位置座標を基準として磁気ヘッドアッセンブリ9が収納された次の空きボスピン5b位置に検査済みの磁気ヘッドアッセンブリ9を装着する。
【0034】
次にこの実施例における排出トレイのスタック処理について説明する。
図4のフローチャートのステップ112でYESとなると、図4の処理ではステップ118においては、その収納トレイは排出トレイとしてトレイ置棚2の最下段の棚に収納される。この点、この実施例では、トレイ重ね棚40に排出トレイを重ね置きするスタック領域85が設けられているので、ここにスタックされる。そして、ここでは、トレイ5の側面にトレイ番号としてバーコードラベルが添付されているとし、この排出トレイのバーコードが読取られる。
そのため、図4のステップ118は、この実施例では、トレイのバーコード読取処理となる。ステップ112のYESの判定の後に排出トレイとされた収納トレイは、ステップ118においてそのバーコードがバーコードリーダ50で読まれ、このとき検査結果のランクと排出トレイ(トレイ番号)との関係が制御部6に記憶される。
ここで、供給トレイと排出トレイをスタックするトレイ重ね棚40のスタック処理について説明する。
【0035】
トレイ重ね棚40において、83は空トレイ51のスタック領域、84は未検査の磁気ヘッドアッセンブリを収納する供給トレイのスタック領域、85は検査済みの電子部品が満載収納され排出トレイのスタック領域である。この実施例では、これらのスタック領域とトレイハンドリングロボット34(35)との間でトレイを移送するトレイ移送ロボット86と、トレイを一時的に載置するトレイ受渡し棚87が設けられている。
トレイ受渡し棚87は、トレイ重ね棚40とトレイ置棚23,24(図6参照)との間に設けられている。その分、トレイ重ね棚40は、トレイ置棚2に対するトレイ重ね棚4よりも上方にシフトしている。図5,図6に示すように、トレイ受渡し棚87は、検査デッキ(検査ステージ)81,82に対応してそれぞれ設けられた2つの受渡し台87a,87bをトレイ置棚23,24に対応して有している。なお、受渡し台87b側は図6では一部しか見えていない。
なお、この実施例では、空トレイ51に対して供給トレイは供給トレイ52とし、排出トレイは排出トレイ53として以下説明する。
トレイ移送ロボット86は、図1に示すH型アーム31と同様なH型アーム861を有し、トレイハンドリングロボット3と同様な構造のものであるが、Z軸方向とX軸方向に移動する点でトレイハンドリングロボット3とは相違がある。
862がそのZ方向移動台であり、863がXZ軸移動機構である。トレイ移送ロボット86は、レール864上をX軸に沿って前後に移動する。その移動は制御部6により制御される。
【0036】
堆積された空トレイ51の最下段のトレイの下には開口43と同様にトレイ通過用の開口47が設けられている。堆積された供給トレイ52の最下段のトレイの下には開口43と同様なトレイ通過用の開口48が設けられている。排出トレイ53の最下段のトレイの下には開口43と同様なトレイ通過用の開口49が設けられている。それぞれに堆積された各トレイが各開口47,48,49を通って上下に通過可能になっている。
トレイ重ね棚40において、空トレイ51のスタック領域83と供給トレイのスタック領域84と排出トレイ53のスタック領域85にはそれぞれ開口48,49に対応して図1の実施例で説明した2個の支持ピン44a,44bとエアーシリンダ等で構成される進退機構45,46とがそれぞれ設けられる。
【0037】
そこで、制御部6の制御下でトレイハンドリングロボット34(35)が空トレイ51あるいは排出トレイ53を受渡し台87a(87b)に載置する。トレイ移送ロボット86は、制御部6の制御下で空トレイ51をトレイハンドリングロボット34(35)から受渡し台87a(87b)(図6参照)を介してそれぞれに受ける。あるいは排出トレイ53をトレイハンドリングロボット34(35)から受渡し台87a(87b)を介してそれぞれに受ける。そして、図3(a)〜(e)で説明した動作をして受けたトレイを開口47あるいは開口49を通して最下段のトレイとしてスタックする。また、トレイ移送ロボット86は、スタックされた空トレイ51あるいは供給トレイ52のうちの最下段にあるトレイを開口47あるいは開口48を介してそれぞれに受ける。受けたトレイを受渡し台87a(87b)を介してトレイハンドリングロボット34(35)にそれぞれに受渡す。
【0038】
図6は、そのトレイ重ね棚の空トレイ・供給トレイ・排出トレイのハンドリング処理の説明図である。
図6では、トレイ重ね棚40の一部を破断して受渡し台87aが見えるように示してある。受渡し台87bは、受渡し台87aと同じ構造であるので、トレイ移送ロボット86と受渡し台との関係は、トレイ移送ロボット86と受渡し台87aとの関係で説明し、受渡し台87b側は省略する。
受渡し台87aは、トレイ移送ロボット86により搬送された空トレイ51、供給トレイ52あるいは排出トレイ53をトレイを載置したトレイ移送ロボット86が降下することで受取る。
そのため、受渡し台87aは、両側にトレイの両側壁を外周エッジで狭持して受ける位置決めローラ88が設けられている。受渡し台87aの両側にある位置決めローラ88の間隔は、これらの外周間の間隔のうち一番接近した間隔をトレイの幅より狭くしてある。それにより位置決めローラ88間でトレイの両側を保持することができる。あるいは、図示していないが、図1で説明したトレイ位置決めローラ17のように位置決めローラ88の下側にトレイ受け金具を設けてトレイの両側端をトレイ受け金具で保持してもよい。この場合には、両側の位置決めローラ88の外周間の一番狭い間隔はトレイの幅より僅かに広くするとよい。
また、受渡し台87aの前後左右にはトレイ位置決めローラ17と同様な位置決めローラ89が前後にかつ左右に設けられている。受渡し台87aの下側にはH型アーム31と同様なH型アーム861を逃がす開口871が設けられている。
【0039】
制御部6の制御によりトレイ移送ロボット86は、空トレイ51あるいは供給トレイ52の最下段のトレイをそれぞれ開口47,48を介してH型アーム861で受ける。そして受渡し台87aの上側の空間にH型アーム861を位置付けてXZ軸移動機構863によりX軸方向に移動して受渡し台87aの上部へとトレイを搬送する。
トレイが受渡し台87aの上部に至ると、制御部6の制御によりトレイ移送ロボット86は、H型アーム861をZ軸方向に降下させて空トレイ51あるいは供給トレイ52をそれぞれに受渡し台87aに載置する。受渡し台87aにトレイを載置したトレイ移送ロボット86は、次に受渡し台87aの下側の空間にH型アーム861を位置付けて受渡し台87から待避させてX軸に沿って逆方向にH型アーム861を移動させて元の位置へと戻る。
【0040】
H型アーム861が受渡し台87aからトレイを受けるときには、H型アーム861の動作は、前記とは逆になる。
トレイハンドリングロボット34(35)が受渡し台87aからトレイを受けるときには、制御部6の制御により前進したトレイハンドリングロボット34(35)は、H型アーム31を受渡し台87aの下側の空間に位置付けてH型アーム31をZ軸方向に上昇させる。これによりトレイが受渡し台87aからH型アーム31に載置され、H型アーム31にピックアップされる。その後のトレイハンドリングロボット3の動作は、前記したトレイ置棚23,24のトレイの出し入れ動作と同じである。図1における相手が図6では棚に換わって受渡し台87aになっただけである。
これにより、トレイ移送ロボット86からトレイハンドリングロボット3にトレイの受渡しが行われる。
【0041】
トレイハンドリングロボット3のH型アーム31に空トレイ51あるいは排出トレイ53が載置されたときには、その空トレイ51あるいは排出トレイ53は、受渡し台87aに載置される。受渡し台87aに載置されたトレイは、トレイ移送ロボット86のH型アーム861が受渡し台87aの下側の空間に位置付けられてZ軸方向に上昇することでトレイが受渡し台87aからピックアップされる。トレイ移送ロボット86は、制御部6に制御されて受渡し台87aの上側の空間にH型アーム861を位置付けてX軸に沿ってトレイを移動させる。そしてトレイ移送ロボット86により空トレイ51はスタック領域83に、排出トレイ53はスタック領域85にそれぞれ載置される。
トレイ移送ロボット86のH型アーム861による空トレイ51のスタック領域83へのスタック動作、そして排出トレイ53のスタック領域85へのスタック動作は、図3(a)〜図3(e)のトレイハンドリングロボット3のトレイスタック動作と同じである。その説明は割愛する。また、これら領域からのトレイ取出動作も同様であるので割愛する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上説明してきたが、図1の実施例では供給トレイのスタック領域84と排出トレイ53のスタック領域85とが設けられていないが、図1の実施例においてもこれら両者あるいはいずれかが空トレイのスタック領域に隣接して設けられていてもよいことはもちろんである。この場合には、トレイ移送ロボット86と同様な動作をする第2のトレイハンドリングロボットが別に設けられるか、あるいは、トレイハンドリングロボット3が左右に移動してトレイ移送ロボット86と同様な動作をするようにするとよい。
実施例では、トレイ重ね棚にスタックされるトレイは、開口の上部において両側から支持ピンを突出させて、支持ピンによりトレイの底部両側を支持する例を挙げている。この支持ピンは、開口の下側に設けられていてもよい。したがって、この発明のトレイ重ね棚で保持されるトレイは、開口の位置か、これより上の位置で保持されていればよい。
さらに、図1および図5の実施例におけるトレイ重ね棚は、少なくとも1個の空トレイが第1の開口の位置か、これより上の位置で保持される空トレイ棚であってもよい。
また、実施例では、トレイに磁気ヘッドアッセンブリが収納されているが、磁気ヘッドアッセンブリは、電子部品一般に置き換えることができる。したがって、この発明は、電子部品一般についてトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構に適用が可能である。
さらに、図5の実施例では、効率向上のために検査デッキ81と検査デッキ82の2つの検査ステージを設けているが、この発明は、複数のデッキを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1(a)は、この発明のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構を適用した一実施例の磁気ヘッド検査装置の磁気ヘッドアッセンブリのトレイハンドリング機構の斜視図、図1(b)は、トレイハンドリング機構におけるハンドリングロボットのH型アームについての説明図である。
【図2】図2は、そのトレイの説明図である。
【図3】図3は、そのトレイ重ね棚の空トレイ収納・排出動作の説明図である。
【図4】図4は、制御部の空トレイ使い回し処理のフローチャートである。
【図5】図5は、この発明のトレイで供給される磁気ヘッドアッセンブリ(電子部品)のトレイハンドリング機構について検査ステージを2つ設けた磁気ヘッド検査装置に適用した場合の実施例の概要説明図である。
【図6】図6は、そのトレイ重ね棚に並列に載置された空トレイ、供給トレイ、そして排出トレイのハンドリング処理の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…トレイハンドリング機構、2,23,24…多段収納トレイ棚、
3,34,35…トレイハンドリングロボット、4…トレイ重ね置棚、
5…トレイ、5a…係合支持溝、5b…ボスピン、
6…制御部、7…載置ベース、
8…磁気ヘッドハンドリングロボット、
8a…吸着コレット、9…磁気ヘッドアッセンブリ、
10,80…磁気ヘッド検査装置、11,12…側面板、
13,14…トレイ支持金具、15,16…ローラ支持部材、
17…トレイ位置決めローラ、18…楕円孔、
20…X移動機構、21…Y移動機構、
22…Z移動機構、31,861…H型アーム、
32,33…支持棒、41,42…ブラケット板、
43,47,48,49…開口、44,45…支持ピン、
46…進退機構、51…空トレイ、
52…供給トレイ、53…排出トレイ、
54…供給トレイ棚、55…ランクトレイ棚、56…排出トレイ棚、
81,82…検査デッキ(検査ステージ)、
83…空トレイのスタック領域、84…供給トレイのスタック領域、
85…排出トレイのスタック領域、86…トレイ移送ロボット、
87a,87b…受渡し台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未検査の電子部品を収納するトレイと検査済みの電子部品を収納するトレイをそれぞれ棚に収納し起立した状態で設けられたトレイ多段収納のトレイ置棚と、
このトレイ置棚の上部に配置され前記トレイが上下方向に通過可能な第1の開口を有し前記未検査の電子部品を収納するトレイから前記電子部品が取出されて空になった空トレイが前記第1の開口の位置か、これより上の位置で保持される空トレイ棚と、
前記トレイ置棚の前記トレイを出し入れする前面に対応して設けられ前記前面に沿ってトレイを上下方向に移動しかつ前記トレイを前記トレイ置棚の前記棚に対して出し入れする第1のハンドリングロボットと、
前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記第1の開口の下から前記空トレイを前記第1の開口に通して前記空トレイ棚に供給し、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記空トレイ棚に置かれた前記空トレイを前記第1の開口の下から取出して前記検査済みの電子部品を収納するトレイとして前記第1のトレイハンドリングロボットにより前記トレイ置棚に供給する処理をする制御部とを備えるトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項2】
前記空トレイ棚は、複数の空トレイが前記第1の開口の位置か、これより上の位置で保持されて重ね置きされるトレイ重ね置棚であり、前記第1のトレイハンドリングロボットは、前記検査済みの電子部品を収納するトレイが満杯となって排出された前記トレイ置棚の棚位置に前記空トレイを収納する請求項1記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項3】
前記未検査の電子部品を収納する前記トレイは第1のトレイであって、前記検査済みの電子部品を収納する前記トレイは第2のトレイであり、前記トレイ置棚は、前記第1のトレイを収納する第1の棚と、複数の前記第2のトレイをそれぞれを収納する複数の第2の棚とを有し、
前記第1のトレイハンドリングロボットは、前記第1のトレイと前記第2のトレイと前記空トレイのうちの1を載置するアームを有する請求項2記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項4】
前記第1のトレイの前記電子部品は、前記第1のトレイが前記アームに載置されている状態で電子部品ハンドリングロボットにより前記第1のトレイからピックアップされて検査ステージに供給され、前記検査が終了した電子部品は、前記電子部品ハンドリングロボットにより前記検査ステージからピックアンプされて前記アームに載置されている前記第2のトレイに収納される請求項3記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項5】
前記トレイ重ね置棚は、第1および第2の支持ピンを有し、前記第1および第2の支持ピンは、前記第1の開口の上部で前記第1の開口の両側にそれぞれ設けられ前記第1の開口の上部に水平に突出するものであり、前記空トレイは、突出した前記第1および第2の支持ピンにより底部外側が両側で支持されて前記トレイ重ね置棚に保持される請求項4記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項6】
さらに前記トレイ置棚と前記トレイ重ね置棚との間に前記トレイが載置される受渡し台が設けられ、前記第2のトレイハンドリングロボットは、前記トレイ重ね置棚と前記受渡し台との間で前記空トレイを搬送し、前記制御部は、前記トレイ受渡し台を介して前記第1のトレイハンドリングロボットと前記第2のトレイハンドリングロボットとの間で前記空トレイの授受をする処理をする請求項5記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項7】
前記トレイ重ね置棚は、前記トレイが上下方向に通過可能な第2の開口を有し前記第1のトレイが前記トレイ重ね置棚の前記第2の開口か、これより上の位置で保持されて重ね置きされ、
前記空トレイが前記トレイ重ね置棚に重ね置きされた後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記第1のトレイを前記第2の開口の下から取出して前記第1のトレイハンドリングロボットにより前記トレイ重ね置棚に置かれた前記空トレイが収納されていた位置の前記第1の棚に収納する処理をする請求項3記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項8】
前記トレイ重ね置棚は、前記トレイが上下方向に通過可能な第3の開口を有し前記検査済みの電子部品が満載収納された排出トレイが前記第3の開口か、これより上の位置で保持されて重ね置きされ、
前記アームに載置された前記第2のトレイに前記検査済みの電子部品が満載収納された後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記アームに載置された前記第2のトレイを前記第3の開口の下から前記第3の開口に通して前記第3の開口か、これより上の位置に前記排出トレイとして重ね置きする処理をする請求項7記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項9】
前記トレイ重ね置棚は、前記トレイが上下方向に通過可能な第2の開口を有し前記検査済みの電子部品が満載収納された排出トレイが前記第2の開口か、これより上の位置で保持され重ね置きされ、
前記アームに載置された前記第2のトレイに前記検査済みの電子部品が満載収納された後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記アームに載置された前記第2のトレイを前記第2の開口か、これより上の位置に前記排出トレイとして重ね置きする処理をする請求項3記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項10】
前記排出トレイが前記トレイ重ね置棚に重ね置きされた後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記トレイ重ね置棚にある前記空トレイを前記第1の開口の下から取出して前記第1のトレイハンドリングロボットにより前記トレイ重ね置棚に置かれた前記排出トレイが収納されていた位置の前記第2の棚に収納する処理をする請求項9記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項11】
前記電子部品は磁気ヘッドアッセンブリであり、前記電子部品ハンドリングロボットは磁気ヘッドアッセンブリのハンドリングロボットであって、前記磁気ヘッドアッセンブリを吸着して保持する吸着ヘッドを有する請求項10記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項12】
前記検査ステージは2つ設けられ、前記トレイ置棚と前記第1のトレイハンドリングロボットとが前記2つの検査ステージのそれぞれに対応してそれぞれ設けられ、
前記電子部品は磁気ヘッドアッセンブリであり、前記電子部品ハンドリングロボットは前記磁気ヘッドアッセンブリを吸着して保持する吸着ヘッドを有する磁気ヘッドアッセンブリのハンドリングロボットであって、
前記トレイ重ね置棚は、2つの前記トレイ置棚に亙る長さで前記2つの検査ステージに共通に1つ設けられている請求項3記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項13】
さらに前記トレイ置棚と前記トレイ重ね置棚との間に前記トレイが載置される受渡し台が設けられ、
前記トレイ重ね置棚は、前記トレイが上下方向に通過可能な第2の開口を有し前記第1のトレイが前記トレイ重ね置棚の前記第2の開口か、これより上の位置で保持されて重ね置きされ、
前記制御部は、前記トレイ受渡し台を介して前記第1のトレイハンドリングロボットと前記第2のトレイハンドリングロボットとの間で前記空トレイと前記第1のトレイの授受をする処理をし、
前記空トレイが前記トレイ重ね置棚に重ね置きされた後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記第1のトレイを前記第2の開口の下から取出して前記第1のトレイハンドリングロボットにより前記トレイ重ね置棚に置かれた前記空トレイが収納されていた位置の前記第1の棚に収納する処理をする請求項12記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項14】
前記トレイ重ね置棚は、前記トレイが上下方向に通過可能な第3の開口を有し前記検査済みの電子部品が満載収納された排出トレイが前記第3の開口か、これより上の位置で保持されて重ね置きされ、
前記制御部は、前記トレイ受渡し台を介して前記第1のトレイハンドリングロボットと前記第2のトレイハンドリングロボットとの間でさらに前記第2のトレイの授受をする処理をし、
前記アームに載置された前記第2のトレイに前記検査済みの電子部品が満載収納された後に、前記制御部は、前記第1のトレイハンドリングロボットあるいは前記第2のトレイハンドリングロボットを制御して前記アームに載置された前記第2のトレイを前記第3の開口の下から前記第3の開口に通して前記第3の開口か、これより上の位置に前記排出トレイとして重ね置きする処理をする請求項13記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構。
【請求項15】
請求項1乃至14記載のうちのいずれか1項記載のトレイで供給される電子部品のトレイハンドリング機構と前記電子部品を検査する検査ステージとを有する電子部品の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−51671(P2009−51671A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191907(P2008−191907)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】