説明

トロンビンレセプターアンタゴニスト

構造式で表わされる一連の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒和物または多形が開示されている。また、該化合物を含有する薬学的組成物、およびトロンビンレセプターアンタゴニストとして、また、カンナビノイドレセプターに対する結合剤としてのそれらの使用も開示されている。本発明は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、脳虚血、脳卒中、神経変性疾患、および癌に関連する疾患の処置において、トロンビンレセプターアンタゴニストとして有用なノルセコヒンバシン(nor−seco himbacine)誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、脳虚血、脳卒中、神経変性疾患、および癌に関連する疾患の処置において、トロンビンレセプターアンタゴニストとして有用なノルセコヒンバシン(nor−seco himbacine)誘導体に関する。トロンビンレセプターアンタゴニストはまた、プロテアーゼ活性化レセプター(PAR)アンタゴニストとして公知である。本発明の化合物はまた、カンナビノイド(CB)レセプターに結合し、そして、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および胃腸管の炎症障害、ならびに気道障害(例えば、可逆性気道閉塞、慢性喘息、および気管支炎)の処置において有用である。本発明はまた、上記化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
トロンビンは、異なる細胞タイプ中において種々の活性を有することが公知であり、そして、トロンビンレセプターは、ヒト血小板、血管平滑筋細胞、内皮細胞、および線維芽細胞のような細胞タイプ中に存在することが公知である。従って、トロンビンレセプターアンタゴニストが、血栓障害、炎症障害、アテローム性動脈硬化性障害、および線維増殖性(fibroproliferative)障害の処置、ならびにトロンビンおよびそのレセプターが病的役割を果たす他の障害おいて、有用であると思われた。
【0003】
トロンビンレセプターアンタゴニストペプチドは、トロンビンレセプターに関するアミノ酸の置換に関する構造活性研究に基づいて、同定されていた。非特許文献1において、テトラペプチドおよびペンタペプチドが、強力なトロンビンレセプターアンタゴニスト(例えば、N−トランス−シンナモイル−p−フルオロフェニルアラニン−p−グアニジノフェニルアラニン−ロイシン−アルギニン−NH、およびN−トランス−シンナモイル−p−フルオロフェニルアラニン−p−グアニジノフェニルアラニン−ロイシン−アルギニン−アルギニン−NH)として開示される。ペプチドトロンビンレセプターアンタゴニストはまた、1994年2月17日に公開された特許文献1において開示される。
【0004】
カンナビノイドレセプターは、Gタンパク質共役レセプターのスーパーファミリーに属する。それらは、主にCBニューロンレセプターと主にCB末梢レセプターとに分類される。これらのレセプターは、アデニル酸シクラーゼ、ならびにCa+2電流およびK電流を調節することにより、それらの生物学的作用を働かせる。CBレセプターの効果が主に中枢神経系に関連する一方で、CBレセプターは、気管支の収縮、免疫調節、および炎症に関連する末梢効果を有すると考えられる。そういうものとして、選択的CBレセプター結合剤は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および胃腸管の炎症障害、ならびに気道障害(例えば、可逆性気道閉塞、慢性喘息、および気管支炎)に関連する疾患の調節において処置的有用性を有することが期待される(非特許文献2)。
【0005】
次式のピペリジンアルカロイドであるヒンバシン(Himbacine)は、ムスカリンレセプターアンタゴニストとして、同定されている:
【0006】
【化13】

(+)−ヒンバシンの全合成は、非特許文献3で開示されている。
【0007】
三環式ヒンバシン関連化合物は、特許文献2において、トロンビンレセプターアンタゴニストとして、開示されている。
【特許文献1】国際公開第94/03479号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,063,847号明細書
【非特許文献1】Bernatowiczら、J.Med.Chem.,39(1996),p.4879−4887
【非特許文献2】R.G.Pertwee,Curr.Med.Chem.6(8),(1999),635
【非特許文献3】Chackalamannilら、J.Am.Chem Soc.,118(1996),p.9812−9813
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、式Iにより表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒和物または多形に関する:
【0009】
【化14】

ここで:
Zは、R10が存在しないとき、−(CH−;
【0010】
【化15】

である;またはRが存在しないとき、
【0011】
【化16】

である;
単一点線は、任意の二重結合を表わす;
二重点線は、任意の単結合を表わす;
nは、0〜2である;
およびRは、別個に、H、C〜Cアルキル、フルオロ(C〜C)アルキル、ジフルオロ(C〜C)アルキル、トリフルオロ−(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルケニル、ヘテロアリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルケニル、ヒドロキシ−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ−(C〜C)アルキル、アリールおよびチオ(C〜C)アルキルからなる群から選択される;またはRおよびRは、一緒になって、=O基を形成する;
は、H、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、−NR1819、−SOR16、−SO17、−C(O)OR17、−C(O)NR1819、C〜Cアルキル、ハロゲン、フルオロ(C〜C)アルキル、ジフルオロ(C〜C)アルキル、トリフルオロ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルケニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルケニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、アリール、チオ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルである;
34は、該任意の二重結合が存在しないとき、(H、R)、(H、R43)、=Oまたは=NOR17である;R34は、該任意の二重結合が存在するとき、R44である;
Hetは、5個〜14個の原子(これは、1個〜13個の炭素原子と1個〜4個のヘテロ原子とから構成され、このヘテロ原子は、別個に、N、OおよびSからなる群から選択される)の一環式、二環式または三環式の複素環式芳香族基であり、ここで、環窒素は、C〜Cアルキル基と共に、N−オキシドまたは四級基を形成でき、ここで、Hetは、炭素原子環員により、Bに結合され、ここで、このHet基は、1個〜4個の置換基Wで置換されており、この置換基は、別個に、以下からなる群から選択される:H;C〜Cアルキル;フルオロ(C〜C)アルキル;ジフルオロ(C〜C)アルキル;トリフルオロ−(C〜C)−アルキル;C〜Cシクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;置換ヘテロシクロアルキルであって、これは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、OH−(C〜C)アルキルまたは=O;C〜Cアルケニルで置換されている;R21−アリール(C〜C)アルキル;R21−アリール−(C〜C)−アルケニル;R21−アリールオキシ;R21−アリール−NH−;ヘテロアリール(C〜C)アルキル;ヘテロアリール(C〜C)−アルケニル;ヘテロアリールオキシ;ヘテロアリール−NH−;ヒドロキシ(C〜C)アルキル;ジヒドロキシ(C〜C)アルキル;アミノ(C〜C)アルキル;(C〜C)アルキルアミノ−(C〜C)アルキル;ジ−((C〜C)アルキル)−アミノ(C〜C)アルキル;チオ(C〜C)アルキル;C〜Cアルコキシ;C〜Cアルケニルオキシ;ハロゲン;−NR;−CN;−OH;−COOR17;−COR16;−OSOCF;−CHOCHCF;(C〜C)アルキルチオ;−C(O)NR;−OCHR−フェニル;フェノキシ−(C〜C)アルキル;−NHCOR16;−NHSO16;ビフェニル;−OC(RCOOR;−(RC(O)NR;(C〜C)アルコキシ;−C(=NOR17)R18;置換C〜Cアルコキシであって、これは、(C〜C)アルキル、アミノ、−OH、COOR17、−NHCOOR17、−CONR、アリール、置換アリール(これは、1個〜3個の置換基で置換されており、この置換基は、別個に、ハロゲン、−CF、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシおよび−COOR17からなる群から選択される)、隣接炭素がメチレンジオキシ基と環を形成するアリール、−C(O)NRまたはヘテロアリールで置換されている;R21−アリール;隣接炭素がメチレンジオキシ基と環を形成するアリール;R41−ヘテロアリール;および隣接炭素がC〜Cアルキレン基またはメチレンジオキシ基と環を形成するヘテロアリール;
およびRは、別個に、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルおよびC〜Cシクロアルキルからなる群から選択されるか、またはRおよびRは、一緒になって、−(CH−、−(CH−または−(CHNR−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と共に、環を形成する;
は、別個に、H、C〜Cアルキル、フェニル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルおよびアミノ(C〜C)アルキルからなる群から選択される;
は、Hまたは(C〜C)アルキルである;
、R10およびR11は、別個に、Rおよび−ORからなる群から選択されるが、但し、前記任意の二重結合が存在するなら、R10は、存在しない;
は、H、OH、C〜Cアルコキシ、ハロゲンまたはハロ(C〜C)アルキルである;
Bは、−(CHn3−、−CH−O−、−CHS−、−CH−NR−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、
【0012】
【化17】

シスまたはトランス−(CHn4CR12=CR12a(CHn5または−(CHn4C≡=C(CHn5−であり、ここで、n3は、0〜5であり、n4およびn5は、別個に、0〜2であり、そしてR12およびR12aは、別個に、H、C〜Cアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される;
Xは、二重点線が単結合を表わすとき、−O−または−NR−であり、またはXは、この結合が存在しないとき、H、−OHまたは−NHR20である;
Yは、二重点線が単結合を表わすとき、=O、=S、(H、H)、(H、OH)または(H、C〜Cアルコキシ)であり、またはYは、この結合が存在しないとき、=O、=NOR17、(H、H)、(H、OH)、(H、SH)、(H、C〜Cアルコキシ)または(H、−NHR45)である;
15は、二重点線が単結合を表わすとき、存在しない;R15は、この結合が存在しないとき、H、C〜Cアルキル、−NR1819または−OR17である;またはYは、
【0013】
【化18】

または
【0014】
【化19】

であり、そしてR15は、HまたはC〜Cアルキルである;
16は、C〜C低級アルキル、フェニルまたはベンジルである;
17、R18およびR19は、別個に、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルからなる群から選択される;
20は、H、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、−C(O)Rまたは−SOである;
21は、1個〜3個の置換基であり、これは、別個に、水素、CN、−CF、−OCF、ハロゲン、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)−アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ−((C〜C)アルキル)−アミノ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ−(C〜C)アルキル、−COOR17、−COR17、−NHCOR16−NHSO16、−NHSOCHCF、ヘテロアリールまたは−C(=NOR17)R18からなる群から選択される;
22およびR23は、別個に、水素、R24−(C〜C10)アルキル、R24−(C〜C10)アルケニル、R24−(C〜C10)アルキニル、R27−ヘテロ−シクロアルキル、R25−アリール、R25−アリール(C〜C)アルキル、R29−(C〜C)シクロアルキル、R29−(C〜C)シクロアルケニル、−OH、−OC(O)R30、−C(O)OR30、−C(O)R30、−C(O)NR3031、−NR3031、−NR30C(O)R31、−NR30C(O)NR3132、−NHSO30、−OC(O)NR3031、R24−(C〜C10)アルコキシ、R24−(C〜C10)−アルケニルオキシ、R24−(C〜C10)アルキニルオキシ、R27−ヘテロシクロアルキルオキシ、R29−(C〜C)シクロアルキルオキシ、R29−(C〜C)シクロ−アルケニルオキシ、R29−(C〜C)シクロアルキル−NH−、−NHSONHR16および−CH(=NOR17)からなる群から選択される;
またはR22およびR10は、それらが結合する炭素と一緒になって、またはR23およびR11は、それらが結合する炭素と一緒になって、別個に、3個〜10個の原子を有するR42−置換炭素環、または4個〜10個の原子を有するR42−置換複素環を形成し、ここで、1個〜3個の環員は、別個に、−O−、−NH−および−SO0〜2−からなる群から選択されるが、但し、R22およびR10が環を形成するとき、任意の二重結合は、存在しない;
24は、1個、2個または3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、ハロゲン、−OH、(C〜C)アルコキシ、R35−アリール、(C〜C10)−アルキル−C(O)−、(C〜C10)−アルケニル−C(O)−、(C〜C10)アルキニル−C(O)−、ヘテロシクロアルキル、R26−(C〜C)シクロアルキル、R26−(C〜C)シクロアルケニル、−OC(O)R30、−C(O)OR30、−C(O)R30、−C(O)NR3031、−NR3031、−NR30C(O)R31、−NR−C(O)NR3132、−NHSO30、−OC(O)NR3031、R24−(C〜C10)−アルケニルオキシ、R24−(C〜C10)アルキニルオキシ、R27−ヘテロシクロアルキルオキシ、R29−(C〜C)−シクロアルキルオキシ、R29−(C〜C)シクロ−アルケニルオキシ、R29−(C〜C)シクロアルキル−NH−、−NHSONHR16および−CH(=NOR17)からなる群から選択される;
25は、1個、2個または3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、−COOR36、−CN、−C(O)NR37R、−NR39C(O)R−OR36、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルおよびR41−ヘテロアリールからなる群から選択される;または隣接環上の2個のR25基は、縮合メチレンジオキシ基を形成する;
26は、1個、2個または3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、ハロゲンおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される;
27は、1個、2個または3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、R28−(C〜C10)アルキル、R28−(C〜C10)アルケニル、R28−(C〜C10)アルキニルからなる群から選択される;
28は、水素、−OHまたは(C〜C)アルコキシである;
29は、1個、2個または3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシおよびハロゲンからなる群から選択される;
30、R31およびR32は、別個に、水素、(C〜C10)−アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C10)−アルキル、R25−アリール(C〜C)−アルキル、R33−(C〜C)シクロアルキル、R34−(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、R25−アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル(C〜C)アルキルおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルからなる群から選択される;
33は、水素、(C〜C)アルキル、OH−(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシである;
35は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、−OH、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルコキシ、トリハロ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ((C〜C)アルキル)アミノ、−OCF、OH−(C〜C)アルキル、−CHO、−C(O)(C〜C)−アルキルアミノ、−C(O)ジ((C〜C)アルキル)アミノ、−NH、−NHC(O)(C〜C)アルキルおよび−N((C〜C)アルキル)C(O)(C〜C)アルキルからなる群から選択される;
36は、水素、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、ジハロ(C〜C)アルキルまたはトリフルオロ(C〜C)アルキルである;
37およびR38は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキル、フェニルおよび(C〜C16)シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−、−(CH−または−(CH−NR39−(CH−であり、それらが結合する窒素と共に、環を形成する;
39およびR40は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキル、フェニルおよび(C〜C15)−シクロアルキルからなる群から選択されるか、または−NR39C(O)R40基内のR39およびR40は、それらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、5個〜8個の環員を有する環状ラクタムを形成する;
41は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ((C〜C)アルキル)アミノ、−OCF、OH−(C〜C)アルキル、−CHOおよびフェニルからなる群から選択される;
42は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、別個に、水素、−OH、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から選択される;
43は、−NR3031、−NR30C(O)R31、−NR30C(O)NR3132、−NHSO30または−NHCOOR17である;
44は、H、C〜Cアルコキシ、−SOR16、−SO17、−C(O)OR17、−C(O)NR1819、C〜Cアルキル、ハロゲン、フルオロ(C〜C)アルキル、ジフルオロ(C〜C)アルキル、トリフルオロ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルケニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルケニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、アリール、チオ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルである;そして
45は、H、C〜Cアルキル、−COOR16または−SOである。
【0015】
、R、R10およびR11は、それぞれ、好ましくは、水素である。Rは、好ましくは、水素、OH、C〜Cアルコキシ、−NHR18またはC〜Cアルキルである。変数nは、好ましくは、0である。Rは、好ましくは、H、OHまたはアルコキシである。Rは、好ましくは、C〜Cアルキル、さらに好ましくは、メチルである。この二重点線は、好ましくは、単結合を表わす;Xは、好ましくは、−O−であり、そしてYは、好ましくは、=Oまたは(H、−OH)である。Bは、好ましくは、トランス−CH=CH−である。Hetは、好ましくは、ピリジル、置換ピリジル、キノリルまたは置換キノリルである。Het上の好ましい置換基(W)は、R21−アリール、R41−ヘテロアリールまたはアルキルである。Hetが、5位置にてR21−アリール、R41−ヘテロアリールまたはアルキルで置換された2−ピリジル、または6位置にてアルキルで2−ピリジルである化合物は、さらに好ましい。R34は、好ましくは、(H、H)または(H、OH)である。
【0016】
22およびR23は、好ましくは、OH、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)−アルキニル、トリフルオロ(C〜C10)アルキル、トリフルオロ(C〜C10)−アルケニル、トリフルオロ(C〜C10)アルキニル、(C〜C)−シクロアルキル、R25−アリール、R25−アリール(C〜C)アルキル、R25−アリールヒドロキシ(C〜C)アルキル、R25−アリール−アルコキシ−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキル、(C〜C10)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキルオキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、OH−(C〜C)アルキル、トリフルオロ(C〜C10)アルコキシおよびR27−ヘテロシクロ−アルキル(C〜C)アルキルからなる群から選択される。R22およびR23が、別個に、(C〜C10)アルキルおよびOH−(C〜C)アルキルからなる群から選択される化合物は、さらに好ましい。
【0017】
さらに好ましくは、本発明は、以下の構造式のいずれかにより表わされるトロンビンレセプターアンタゴニスト、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒和物または多形に関する:
【0018】
【化20】

【0019】
【化21】

本発明のトロンビンレセプターアンタゴニスト化合物は、抗血栓性活性、抗血小板凝集活性、抗アテローム硬化性活性、抗再狭窄活性、および抗凝血性活性を有し得る。本発明の化合物によって処置された血栓症関連疾患は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性卒中、末梢血管疾患、他の心血管疾患、脳虚血、炎症障害、および癌、ならびにトロンビンおよびそのレセプターが病的役割を果たす他の障害である。
【0020】
カンナビノイド(CB)レセプターと結合する本発明の化合物は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および胃腸管の炎症障害、ならびに気道障害(例えば、可逆性気道閉塞、慢性喘息、および気管支炎)の処置において有用であり得る。
【0021】
本発明はまた、血栓症、血小板凝集、凝血、癌、炎症疾患または呼吸器疾患の処置において、式Iの化合物の少なくとも1種を使用する方法に関する。この方法は、そのような処置を必要とする哺乳動物に、式Iの化合物を投与する工程を包含する。特に、本発明は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性卒中、末梢血管疾患、脳虚血、癌、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および胃腸管の炎症障害、可逆性気道閉塞、慢性喘息、または気管支炎の処置において、式Iの化合物を少なくとも1種を使用する方法に関する。列挙された一つより多くの疾患の処置において、本発明の化合物が有用であり得ることが企図される。
【0022】
別の局面において、本発明は、少なくとも一つの薬学的に受容可能なキャリア中に式Iの化合物の少なくとも1種を治療的に有効な量で含む薬学的組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(詳細な説明)
特に定義しない限り、「アルキル」または「低級アルキル」との用語は、1個〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を意味し、そして「アルコキシ」は、同様に、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を指す。
【0024】
フルオロアルキル、ジフルオロアルキルおよびトリフルオロアルキルとは、その末端炭素が1個、2個または3個のフルオロ原子で置換されたアルキル鎖(例えば、−CF、−CHCF、−CHCHFまたは−CHCHF)を意味する。ハロアルキルとは、1個〜3個のハロ原子で置換されたアルキル鎖を意味する。
【0025】
「アルケニル」とは、鎖内に1個またはそれ以上の二重結合(これは、共役または非共役である)を有する炭素原子の直鎖または分枝炭素鎖を意味する。同様に、「アルキニル」とは、鎖内に1個またはそれ以上の三重結合を有する炭素原子の直鎖または分枝炭素鎖を意味する。アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖が2個の他の変数と結合し、従って、二価である場合、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンとの用語が使用される。特に定義しない限り、アルケニルおよびアルキニル鎖は、1個〜6個の炭素原子を含む。
【0026】
アルキル、アルケニルおよびアルキニル鎖上の置換は、その鎖長、その置換基の大きさおよび性質に依存している。当業者は、長い鎖が複数の置換基を収容できるのに対して、短いアルキル鎖(例えば、メチルまたはエチル)は、ハロゲンによる複数の置換を有し得るが、それ以外は、水素以外に、1個または2個の置換基のみを有する可能性があるにすぎないことを理解する。短い不飽和鎖(例えば、エテニルまたはエチニル)は、一般に、置換されていないか、または置換は、利用可能な炭素結合の数に依存して、1個または2個の基に限定される。
【0027】
「シクロアルキル」とは、3個〜7個の炭素原子を有する飽和炭素環を意味するのに対して、「シクロアルキレン」とは、対応する二価環を指し、ここで、他の基との結合点は、全ての位置異性体および立体異性体を含む。「シクロアルケニル」は、3個〜7個の原子および1個またはそれ以上の不飽和結合を有するが芳香性を有しない炭素環を指す。
【0028】
「ヘテロシクロアルキル」とは、5個または6個の原子(これは、4個〜5個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR−(これは、炭素原子を介して、その分子の残りの部分に結合された)からなる群から選択される)を有する飽和環を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例には、2−ピロリジニル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロ−2−フラニル、4−ピペリジニル、2−ピペラジニル、テトラヒドロ−4−ピラニル、2−モルホリニルおよび2−チオモルホリニルがある。
【0029】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素ラジカルを指す。
【0030】
およびRが、それらが結合する窒素と共に結合して、環を形成するとき、形成される環は、1−ピロリジニル、1−ピペリジニルおよび1−ピペラジニルであり、ここで、このピペラジニル環はまた、その4位置にて、R基で置換され得る。
【0031】
「ジヒドロキシ(C〜C)アルキル」とは、2個の異なる炭素原子上で2個の水酸基で置換されたアルキル鎖を指す。
【0032】
「アリール」とは、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチルまたはインダニルを意味する。
【0033】
「ヘテロアリール」とは、5個〜10個の原子(これは、2個〜9個の炭素原子および1個〜4個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、別個に、N、OおよびSからなる群から選択される)の単一環またはベンゾ縮合ヘテロ芳香族基を意味するが、但し、これらの環は、隣接酸素原子および/またはイオウ原子を含まない。それらの環窒素のN−オキシドもまた、環窒素がC〜Cアルキル基で置換されて四級アミンを形成する化合物と同様に、含まれる。単一環ヘテロアリール基の例には、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニルおよびトリアゾリルがある。ベンゾ縮合ヘテロアリール基の例には、インドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンゾチエニル(すなわち、チオナフテニル)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾキサゾリルおよびベンゾフラニルがある。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が考慮される。W−置換ヘテロアリールは、置換可能な環炭素原子が上で定義したような置換基を有するか、または隣接炭素原子がアルキレン基またはメチレンジオキシ基を備えた環を形成するか、またはHet環内の窒素がR21−アリールまたはWにて定義したような必要に応じて置換したアルキル置換基で置換できるような基を指す。
【0034】
「Het」との用語は、単一環で例示され、この環は、他の環(これは、同一または異なり得る)、すぐ上で定義したベンゾ縮合ヘテロアリール基だけでなく、三環式基(例えば、ベンゾキノリニル(例えば、1,4または7,8)またはフェナントロリニル(例えば、1,7;1,10;または4,7))で置換されている。Het基は、炭素環員により、B基に結合され、例えば、Hetは、2−ピリジル、3−ピリジルまたは2−キノリルである。
【0035】
隣接炭素原子がアルキレン基を備えた環を形成するヘテロアリール基の例には、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキセノピリジンおよび2,3−シクロヘプテノピリジンがある。
【0036】
「任意の二重結合」との用語は、式Iについて示した構造の真ん中の環における単一の点線により示される結合を指す。「任意の単結合」との用語は、式Iの構造において、Xと、YおよびR15が結合する炭素との間の二重の点線により示される結合を指す。
【0037】
上記言及(ここで、例えば、RおよびRは、別個に、置換基の群から選択されると言われている)は、RおよびRが、別個に選択されることを意味するが、また、RまたはR変数が分子内で1回より多く現れる場合、これらの存在は、別個に選択されることも意味する。当業者は、これらの置換基の大きさおよび性質が存在できる置換基の数に影響を与えることを認識する。
【0038】
本明細書および/または請求の範囲における満たされていない原子価を有する任意の式、化合物、部分または化学図式は、それらの原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると想定されることもまた、留意すべきである。
【0039】
本発明の化合物は、少なくとも1個の非対称炭素原子を有し、従って、全ての異性体(ジアステレオマーおよび回転異性体を含めて)は、本発明の一部と考えられる。本発明は、純粋な形状および混合物(ラセミ混合物を含めて)で、(+)−異性体および(−)−異性体を含む。異性体は、光学的に純粋な出発物質または光学的に濃縮した出発物質を反応させることにより、または式Iの化合物の異性体を分離することにより、いずれかによって、通常の技術を使用して、調製できる。
【0040】
「多形」とは、他の結晶形状とは異なるが同じ化学式を共有する物質の結晶形状を意味する。
【0041】
本明細書中では、本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、考慮される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、式Iの化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じる(例えば、プロドラッグは、生理学的pHにされて、または酵素作用を介して、所望の薬剤形状に変換される)。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987),Volume 14 of the A.C.S.Symposium Seriesおよびin Bioreversible.Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0042】
「溶媒和物」とは、1種またはそれ以上の溶媒分子による本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種またはそれ以上の溶媒分子を結晶性固形物の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適当な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0043】
カルボン酸基を備えた本発明の化合物は、アルコールと薬学的に受容可能なエステルを形成できる。適当なアルコールの例には、メタノールおよびエタノールが挙げられる。
【0044】
調製実施例、スキームおよび実施例で使用される略語には、以下が挙げられる:
DBAD:アゾジカルボン酸ジ−第三級ブチル
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM:ジクロロメタン
DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:メチルスルホキシド
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HMPA:ヘキサメチルホスホラミド
HOBt:ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH:水素化リチウムアルミニウム
LHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
NMO:4−メチルモルホリンN−オキシド
TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TMSI:ヨウ化トリメチルシリル
TPAP:テトラプロピルアンモニウムペルルテネート(Tetrapropylammonium perruthenate)
本発明の典型的な好ましい化合物は、以下の立体配置を有する:
【0045】
【化22】

絶対立体配置を有する化合物は、さらに好ましい。
【0046】
当業者は、式Iのいくつかの化合物について、一方の異性体が他の異性体よりも高い薬理活性を示すことを理解する。
【0047】
塩基性基を有する本発明の化合物は、有機酸および無機酸と薬学的に受容可能な塩を形成できる。塩形成に適当な酸の例には、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、および当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸がある。この塩は、その遊離塩基形状を、塩を生成するのに十分な量の所望の酸と接触することにより、調製される。この遊離塩基形状は、この塩を適当な希薄塩基水溶液(例えば、希薄炭酸水素ナトリウム水溶液)で処理することにより、再生され得る。この遊離塩基形状は、ある種の物理的特性(例えば、極性溶媒中での溶解性)の点で、それらの各個の塩とはある程度異なるが、この塩は、その他の点では、本発明の目的上、その各個の遊離塩基形状と同等である。
【0048】
本発明のある種の化合物(例えば、カルボキシル基を持つ化合物)は、酸性である。これらの酸性化合物は、無機塩基および有機塩基と薬学的に受容可能な塩を形成できる。このような塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、リチウム塩、金塩および銀塩がある。また、薬学的に受容可能なアミン(例えば、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミンなど)で形成される塩も、考慮される。本発明の化合物の重硫酸塩は、好ましい実施態様である。
【0049】
本発明の化合物は、一般に、当該技術分野で公知の方法(例えば、下記の方法)により、調製される。
【0050】
式IAの化合物(ここで、nは、1であり、任意の二重結合は、存在せず、単結合は、Xと、Yが結合する炭素との間で存在しており、Xは、−O−であり、Yは、=Oであり、Bは、−CH=CH−であり、Hetは、W−置換ピリジルであり、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ、水素であり、そしてRおよびRは、上で定義したとおりである)は、式IIのアルデヒド(ここで、その変数は、上で定義したとおりである)を式IIIのホスホネート(ここで、Wは、上で定義したとおりである)で縮合することにより、調製できる:
【0051】
【化23】

類似のプロセスは、他の必要に応じて置換したHet基を含む化合物を調製するのに使用され得る。当業者はまた、これらのプロセスが、光学活性またはラセミ化合物を調製するのに、同等に適用可能であることを認識する。
【0052】
式IAの化合物は、デービス試薬(S)−(+)−(10−ショウノウスルホニル)−オキサジリジン)およびLHMDS(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド)で処理することにより、RがOHである対応する化合物に変換できる。
【0053】
式IIのアルデヒドは、ジエン酸から調製でき、例えば、式IIaの化合物(ここで、Rは、メチルであり、そしてRは、Hである)は、以下の反応スキームに従って、調製できる。
【0054】
(スキーム1)
【0055】
【化24】

式4のアルキン(これは、公知方法により、調製した)は、標準的な条件を使用して、式3のジエン酸でエステル化されて、エステル5が得られる。水素下にて、リンドラー触媒を使用して、5の三重結合を選択的に還元すると、中間体6が得られ、これは、約185℃で熱的に環化し、続いて、塩基処理すると、中間体7が得られる。エステル7は、酸化パラジウムの存在下にて、水素化にかけられて、中間体飽和カルボン酸が生成し、それを塩化オキサリルで処理すると、対応する酸塩化物が得られ、これは、パラジウム触媒の存在下にて、水素化トリブチルスズを使用して還元することにより、アルデヒドIIaに変換される。
【0056】
式3のジエン酸は、市販されているか、または容易に調製される。
【0057】
式IIのアルデヒドはまた、チオピラン環の開環により調製でき、例えば、上で定義した式IIaの化合物は、以下の反応スキームに従って、調製できる。
【0058】
(スキーム2)
【0059】
【化25】

【0060】
【化26】

式4のアルキンは、リンドラー触媒を使用して、水素下にて、アルケン13に還元される。アルケン13は、標準的な条件を使用して、式12のジエン酸でエステル化されて、エステル14が得られる。約185℃での熱的な環化に続いて、塩基処理すると、中間体15が得られる。エステル15は、その中間体カルボン酸に変換され、その二重結合は、白金触媒の存在下での水素化により、還元される。次いで、この酸は、塩化オキサリルで処理されて、対応する酸塩化物が得られ、これは、パラジウム触媒の存在下にて、水素化トリブチルスズを使用する還元により、アルデヒド18に変換される。18のアルデヒド部分は、還元剤(例えば、NaBH)で処理され、次いで、そのイオウ含有環は、ラネーニッケルのような試薬で処理することにより開環されて、アルコール19が得られる。次いで、このアルコールは、4−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)の存在下にて、テトラプロピルアンモニウムペルルテネート(TPAP)を使用して、アルデヒドIIaに酸化される。
【0061】
式IIIのホスホネート(ここで、Wは、アリールまたはR21−アリールである)のホスホネートは、トリフルオロメチル−フェニル−置換化合物IIIaを調製するためにすぐ下で記述する方法と類似の方法により、調製できる。
【0062】
【化27】

市販のヒドロキシピリジン誘導体は、無水トリフリト酸を使用して、対応するトリフレートに変換され、これは、次いで、Pd(0)の存在下にて、スズキ条件下で、市販のボロン酸とカップリングされる。得られた生成物は、n−ブチルリチウムで処理することに続いてクロロリン酸ジエチルでクエンチすることにより、そのホスホネートに変換される。
【0063】
あるいは、Wが必要に応じて置換したアリールである式Iの化合物は、トリフレート中間体を使用して、Wが−OHである式Iの化合物から調製できる。例えば、3−ヒドロキシ−6−メチルピリジンは、塩化トリイソプロピルシリルで処理され、得られたヒドロキシ保護化合物は、中間体IIIaを調製する上記のようなホスホネートに変換される。次いで、このトリイソプロピルシリル保護中間体は、中間体IIと反応され、その保護基は、標準的な条件下にて、除去される。次いで、得られた式Iの化合物(ここで、Wは、OHである)は、室温で、溶媒(例えば、CHCl)中にて、無水トリフリト酸で処理される;次いで、このトリフレートは、溶媒(例えば、トルエン)中で、Pd(PPhおよび塩基(例えば、KCO)の存在下にて、高温で、不活性雰囲気下にて、必要に応じて置換したアリールボロン酸(例えば、必要に応じて置換したフェニルボロン酸)と反応される。
【0064】
Wが置換水素酸基(例えば、ベンジルオキシ)である式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、アセトン)中にて、ハロゲン置換化合物(例えば、必要に応じて置換した臭化ベンジル)と共に、塩基(例えば、KCO)の存在下にて、還元することにより、Wがヒドロキシである式Iの化合物に変換される。
【0065】
Hetが炭素原子(例えば、ここで、Wは、アルキル、アルケニルまたはアリールアルキルである)または窒素原子(すなわち、−NR)を介してWで置換された式Iの化合物は、中間体として、Wが極性基である式Iの化合物を使用して、スキーム3で示すように調製できる。Wが極性基(例えば、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、−COOH、ジメチルアミノおよび−COH)である式Iの化合物は、スキーム4で示すように調製でき、ここで、その出発物質は、Wがアルケニルである式Iの化合物である。以下のスキーム3および4は、種々のW置換化合物(ここで、Xは、−O−であり、Yは、=Oであり、R15は、存在せず、Rは、メチルであり、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ、Hであり、Bは、−CH=CH−であり、そしてHetは、2−ピリジルである)を調製する周知の反応条件を示す。
【0066】
(スキーム3)
【0067】
【化28−1】

(スキーム4)
【0068】
【化28−2】

当業者は、上記スキームで記述されたものと類似の反応条件が、存在している置換基が記述された反応条件に影響されない限り、式Iの他の化合物に対して実行され得ることを理解する。
【0069】
任意の単結合(これは、二重点線で表わされる)が存在せず、XがOHであり、YがOHであり、R15がHであり、そして残りの変数が上で定義したとおりである式Iの化合物は、任意の単結合が存在し、Xが−O−であり、Yが=Oであり、そしてR15が存在しない対応する化合物をLAHのような還元剤で処理することにより、調製できる。
【0070】
任意の単結合が存在し、Xが−O−であり、Yが(H、OH)であり、R15が存在せず、そして残りの変数が上で定義したとおりである式Iの化合物は、任意の単結合が存在し、Xが−O−であり、Yが=Oであり、そしてR15が存在しない対応する化合物をDIBALのような還元剤で処理することにより、調製できる。Yが(H、OH)である得られた化合物は、このヒドロキシ化合物をBFO・Etのような試薬の存在下にて適当なアルカノールと反応させることにより、Yが(H、アルコキシ)である対応する化合物に変換できる。Yが(H、OH)である化合物はまた、このヒドロキシ化合物を不活性溶媒(例えば、CHCl)中にて低温でBF−OEtおよびEtSiHで処理することにより、Yが(H、H)である対応する化合物に変換できる。
【0071】
が水素である式Iの化合物は、SeOのような酸化剤と共に加熱することにより、Rがヒドロキシである対応する化合物に変換できる。
【0072】
がHであり、RがHまたはOHであり、そしてWがR21−アリール、R41−ヘテロアリール、アミノまたはヒドロキシルアミノ誘導体である式IBの化合物は、種々の標準的な化学変換(例えば、スズキ反応、スティルカップリングおよびバックウォルドアミノ化)を使用して、Wが5−ブロモである式1Aの化合物(式23または24の化合物)から調製される。反応スキーム5は、2,5−ジブロモピリジンからのプロセスを示す:
(スキーム5)
【0073】
【化29】

ホスホネート22は、二段階変換により、公知のアルコール21から調製される:このアルコールは、CH3SO2Clで処理されて、そのメシレートが得られ、これは、次いで、亜リン酸ジエチルナトリウムで置換されて、22が得られる。中間体23はまた、デービス試薬でα−ヒドロキシル化でき、アルコール24が得られる。23および24の両方は、スキーム6で示すように、多様な類似物に変換できる:
(スキーム6)
【0074】
【化30】

スキーム6で示すように、臭化物(23または24)は、パラジウム触媒条件下(方法1)にて、ボロン酸でカップリングできる。もし、このボロン酸が官能基を持っているなら、引き続いて、変換できる。同様に、アリール−スズ化合物(方法2)、アリール−亜鉛化合物(方法3)およびアミン(方法4)がカップリングできる。ビニルエーテルとのヘック反応により、ケト基が導入でき、これは、引き続いて、官能化できる(方法5)。イミダゾールは、触媒としてトリフリト酸銅(I)を使用してカップリングできる(方法6)。この臭化物はまた、シアン化物に変換でき、これは、引き続いて、例えば、テトラゾールに変換できる(方法7)。
【0075】
スキーム7で示すようにディールス−アルダー戦略を使用して、種々のジエン酸3は、アルコール25とカップリングでき、そしてエステル26は、熱的環化にかけられて、ディールス−アルダー生成物ICが得られる:
(スキーム7)
【0076】
【化31】

アルコール25は、容易に入手できる(R)−(+)−3−ブチン−2−オール27から調製される。このアルコールは、そのTBDPSエーテルとして保護され、そのアルキンは、脱プロトン化されパラホルムアルデヒドでクエンチされて、アルコール29が得られる。このアルキンは、リンドラー触媒を使用して、キノリンの存在下にて、シス−アルケンに還元され、このアリルアルコールは、酸化されて、アルデヒド30が得られ、これは、アルコール25に変換される。
【0077】
22が−CHOC(O)CHまたはそれらの誘導体であり、R23がエチルであり、RがHであり、そして残りの変数がIAについて定義したとおりである式IDの化合物は、対応するテトラヒドロピラン類似物から、その環を開くことにより調製できる。式IDの化合物は、周知方法により、式Iの他の化合物(例えば、R22が−CHOHである式IEの化合物)に変換できる。この反応は、スキーム8で示す:
(スキーム8)
【0078】
【化32】

【0079】
【化33】

テトラヒドロピラン類似物31は、3−ホルミル−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン(公知化合物)から出発して、スキーム1で使用した手順と類似の手順を使用して、調製できる。その環は、BBrを使用して、位置選択的に開くことができ、そのアルコールは、保護されて、アセテートIDが得られる。NaCNBHで臭化物を還元し、続いて、アセテートを脱保護すると、アルコールIEが得られる。
【0080】
上記プロセスの出発物質は、市販されているか、当該技術分野で公知であるか、または当該技術分野で周知の手順により調製されるか、いずれかである。
【0081】
上記プロセスに関与していない反応性基は、通常の保護基(これは、その反応後、標準的な手順により、除去できる)を使って、これらの反応中にて、保護できる。以下の表Aは、いくつかの典型的な保護基を示す:
(表A)
【0082】
【表1−1】

本発明はまた、本発明の式Iの化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物に関する。式Iの化合物は、任意の通常の経口剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、粉剤、カシュ剤、懸濁液または溶液)で、投与できる。これらの処方および薬学的組成物は、通常の薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤および通常の技術を使用して、調製できる。このような薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤には、非毒性で適合性の充填剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、潤滑剤、香料、増粘剤、着色剤、乳化剤などが挙げられる。
【0083】
上で挙げた疾患または病気を処置するための式Iの化合物の毎日用量は、約0.001〜約100mg/体重1kg/日、好ましくは、約0.001〜約10mg/体重1kg/日である。70kgの平均体重には、従って、その投薬レベルは、約0.1〜約700mgの薬剤/日であり、これは、単一用量または2〜4回の分割用量で与えられる。しかしながら、その正確な用量は、臨床医により決定され、また、投与する化合物の効力、患者の年齢、体重、健康状態および応答に依存している。
【0084】
以下は、出発物質および式Iの化合物を調製する実施例である。それらの手順において、以下の略語を使用する:室温(rt)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルエーテル(EtO)、メチル(Me)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド。
【実施例】
【0085】
(調製1)
【0086】
【化35】

工程1:
【0087】
【化36】

J.Org.Chem.,59(17)(1994),p.4789を参照のこと。
【0088】
工程2:
【0089】
【化37】

60%NaH(7.42g、185.5mmol、1.3当量)のTHF(300ml)懸濁液に、0℃で、トリエチルホスホノアセテート(37mL、186.5mmol、1.3当量)を滴下し、その混合物を、0℃で、30分間撹拌した。工程1の生成物(14.0g、142.7mmol)を加え、この混合物を、0℃で、30分間撹拌した。その反応を、NHCl水溶液(500mL)を加えてクエンチし、このTHFを蒸発させ、水相をEtO(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、粗混合物を得、これを、クロマトグラフィー(5%EtO−ヘキサン)にかけて、18.38g(収率77%)の液体を得た。
【0090】
【数1】

工程3:
【0091】
【化38】

工程2の生成物(6.4g、38mmol)のTHFおよびMeOH(各40ml)溶液に、KOH(6.4g、114mmol、3当量)のHO(40mL)溶液を加えた。その混合物を、rtで、2時間撹拌し、0℃まで冷却し、そしてHO(100mL)および1N HCl(150mL)を加えた。この混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をHO(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、5.26g(収率99%)の結晶性固形物を得た。
【0092】
【数2】

工程4:
【0093】
【化39】

工程3の生成物(2.0g、14.3mmol)のCHCl(70mL)溶液に、塩化オキサリル(2.5mL、28.7mmol、2当量)に続いてDMF(33μl、3mol%.)を加えた。その混合物を、rtで、1時間撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させて、粗酸塩化物を得、これを、CHCl(70mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。これに、DMAP(175mg、1.43mmol、0.1当量)を加え、そしてアルコール4(2.62g、12.8mmol、0.9当量)のCHCl(5mL)溶液に続いてEtN(4ml、28.7mmol、2当量)を加えた。この混合物を、0℃で、2時間撹拌し、EtO(200mL)で希釈し、NaHCO水溶液およびブライン(各200mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。その溶液を濾過し、濃縮し、得られた残渣を、5%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、3.56g(85%)の淡黄色樹脂を得た。
【0094】
【数3】

工程5:
【0095】
【化40】

工程4の生成物(3.19g、9.8mmol)のTHF(50mL)溶液に、リンドラー触媒(320mg、10重量%)およびキノリン(230μl、2.0mmol、0.2当量)を加えた。その懸濁液を、1atm.のH下にて、出発物質が消費されるまで、撹拌した。この溶液をセライト(商標)で濾過し、そして蒸発させた。その樹脂をEtOAc(250mL)に溶解し、そして1N HCl(3×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。その溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、3.17gの粗アルケンを得、これを、次の工程で直接使用した。
【0096】
工程6:
【0097】
【化41】

工程5の生成物(3.15g、9.6mmol)のm−キシレン(100mL)溶液を、185℃で、10時間加熱した。この溶液をrtまで冷却し、そしてDBU(290μl、1.94mmol、0.2当量)と共に、1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その粗製物を、10%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、1.1g(35%)のエキソ生成物を得た。
【0098】
【数4】

工程7:
【0099】
【化42】

工程6の生成物(1.35g、4.1mmol)のEtOAc(30mL)溶液に、10%Pd−C(140mg、10重量%)を加え、その懸濁液を、Hバルーン下にて、5時間撹拌した。その混合物をセライト(商標)で濾過し、そして濃縮した。その粗製物質をMeOH(30mL)に溶解し、PtO(100mg)を加え、この混合物を、Parr容器にて、50PsiのHで、2日間振盪した。この混合物をセライト(商標)で濾過し、そして蒸発させて、発泡体として、980mg(99%)の酸を得た。
【0100】
【数5】

工程8:
工程7の生成物(490mg、2.04mmol)のCHCl(20mL)溶液に、塩化オキサリル(360μl、4.13mmol、2当量)に続いてDMF(1滴)を加えた。この溶液を、rtで、1時間撹拌し、そして溶媒を除去して、粗酸塩化物を得、これを、トルエン(20mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。これに、Pd(PPh(236mg、0.20mmol、0.1当量)に続いてBuSnH(825μl、3.07mmol、1.5当量)を加えた。その混合物を、0℃で、3時間撹拌し、濃縮し、そして25%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、樹脂として、表題化合物220mg(48%)を得た。
【0101】
【数6】

(調製2)
【0102】
【化43】

工程1:
【0103】
【化44】

このチオピランエナールは、McGinnis and Robinson,J.Chem.Soc.,404(1941),407の手順に従って、調製した。
【0104】
工程2:
【0105】
【化45】

60%NaH(6.3g、158mmol、1.3当量)のTHF(200mL)懸濁液に、0℃で、ジエチルホスホノ酢酸メチル(29mL、158mmol、1.3当量)を加え、その混合物を、0℃で、30分間撹拌した。次いで、その溶液を、工程1(15.6g、122mmol)のTHF(100mL)溶液に移し、そして0℃で、1時間撹拌した。その反応を、NHCl水溶液(500mL)を加えてクエンチし、このTHFを蒸発させた。水相をEtO(3×200ml)で抽出し、合わせた有機層をHOおよびブライン(各200ml)で洗浄した。その溶液をMgSOで乾燥し、濃縮し、得られた残渣を、5%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、13.0g(58%)の油状物を得た。
【0106】
【数7】

工程3:
【0107】
【化46】

工程2の生成物(13.0g、70.6mmol)のTHFおよびMeOH(各50mL)溶液に、KOH(11.9g、212mmol、3.0当量)のHO(50mL)溶液を加えた。その混合物を、rtで、1時間撹拌し、HO(100ml)で希釈し、そして1N HClで酸性化した。水相をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層をHOおよびブライン(各300mL)で洗浄した。この溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、11.66g(97%)の淡黄色固形物を得た。
【0108】
【数8】

工程4:
【0109】
【化47】

4(5.2g)のEtOAc(120mL)溶液に、リンドラー触媒(520mg)を加え、その懸濁液を、1atm.のH下にて、撹拌した。45分後に、触媒の一部(500mg)を加え、その混合物を、さらに30分間撹拌した。この混合物をセライト(商標)パッドで濾過し、そして蒸発させて、5.2g(99%)の所望アルケンを得た。
【0110】
【数9】

工程5:
【0111】
【化48】

工程3の生成物(2.45g、14.39mmol)のCHCl(60mL)溶液に、0℃で、DCC(3.27g、15.85mmol、1.1当量)に続いてDMAP(352mg、2.88mmol、0.2当量)を加え、その混合物を、0℃で、30分間撹拌した。これに、工程4のアルコール3.27g(15.85mmol、1.1当量)のCHCl(10mL)を加え、この混合物を、0℃で、5時間、そしてrtで、1時間撹拌した。その溶液をEtO(350mL)で希釈し、そしてクエン酸水溶液2×200mL、NaHCO水溶液(200mL)およびブライン200mLで洗浄した。この溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残渣を、6%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、2.1g(41%)の樹脂を得た。
【0112】
【数10】

工程6:
【0113】
【化49】

工程5の生成物(2.1g、5.85mmol)のキシレン(50mL)溶液を、封管中にて、200℃で、6時間加熱した。この溶液をrtまで冷却し、そしてDBU(178μl、1.19mmol、0.2当量)と共に、1時間撹拌し、濃縮し、そして15%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、1.44g(69%)の所望のエキソ生成物を得た。
【0114】
【数11】

工程7:
【0115】
【化50】

工程6の生成物(750mg、2.09mmol)のCHCl(10mL)溶液に、−78℃で、CHCl中のBBr(1M溶液4.2mL)を加えた。この溶液を、−78℃で、30分間、そして0℃で、30分間撹拌し、次いで、KCO水溶液(100mL)に注いだ。水相をEtO(2×50mL)で洗浄し、有機層をKCO水溶液(50mL)で逆抽出した。合わせた水相を1N HClで酸性化し、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。そのEtOAc層をブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、500mg(89%)の酸を得た。
【0116】
【数12】

工程8:
【0117】
【化51】

工程7の生成物(500mg、1.86mmol)のMeOH(30mL)溶液に、AcOH(3mL)およびPtO(250mg)を加え、その懸濁液を、Parr容器中にて、40PsiのH下で、1.5日間振盪した。この触媒をセライト(商標)パッドで濾過し、その溶液を濃縮し、得られた残渣をAcOH−MeOH−CHCl混合物(0.5:2:97.5の v/v/v/)に溶解し、そして短SiOカラムで濾過して、樹脂として、400mg(79%)の還元生成物を得、これは、放置すると、固化した。
【0118】
【数13】

工程9:
【0119】
【化52】

工程8の生成物(97mg、0.36mmol)のCHCl(4mL)溶液に、塩化オキサリル(94μl)に続いてDMF(1滴)を加えた。その溶液を、rtで、1時間撹拌し、そして濃縮して、粗酸塩化物を得、これを、トルエン(3mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。Pd(PPh(42mg、0.04mmol、0.1当量)を加え、続いてBuSnH(94μl)を加えた。その混合物を、0℃で、3時間撹拌し、濃縮し、そして25%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、白色固形物として、73mg(80%)のアルデヒドを得た。
【0120】
【数14】

工程10:
工程9の生成物(90mg、0.35mmol)のMeOH(10mL)(4:1 v/v)溶液に、0℃で、過剰のNaBHを加え、その混合物を、0℃で、15分間撹拌した。その反応を、NHCl水溶液(50mL)を加えることによりクエンチし、そしてEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮して、粗アルコールを得た。このアルコールのMeOH−THF(6mL、1:1 v/v)溶液を、フラスコ(これは、過剰のレーニーニッケルを含む)に加え、これを、ジオキサンおよびTHFで洗浄した。その懸濁液を、還流状態にて、3時間加熱し、冷却し、濾過し、濃縮し、そして25%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、樹脂として、54mg(67%)の表題化合物を得た。
【0121】
【数15】

(調製3)
【0122】
【化53】

工程1:
【0123】
【化54】

Wangら、Tet.Lett,41,(2000),p.4335−4338で記載された手順に従って、調製した。
【0124】
工程2:
工程1の生成物(20g、106mmol)およびEtN(17.8ml、128mmol、1.2当量)のCHCl(300ml)溶液(これは、−30℃で保持した)に、CHSOCl(9.1mL、118mmol、1.1当量)をゆっくりと加えた。そのスラリーを、0℃まで温めつつ、1時間撹拌した。この反応混合物をNaHCO水溶液(500mL)で希釈し、有機層を分離した。水層をEtO(2×200ml)で抽出し、合わせた有機層をNaHCO水溶液(2×300mL)およびブライン(300mL)で洗浄した。この溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、粗メシレートを得、これを、次の工程で、そのまま使用した。
【0125】
【数16】

工程3:
60%NaH(8.5g、212mmol、2.0当量)のTHF(500mL)懸濁液に、rtで、亜リン酸ジエチル(27.4mL、213mmol、2当量)を一滴ずつ加え、その混合物を1時間撹拌した。この濁った溶液に、工程2の生成物のTHF(125mL)溶液を加え、この混合物を、rtで、1時間撹拌した。その反応を、HO(500mL)を加えることによりクエンチし、このTHFを蒸発させ、そして水層をEtOAc(4×150ml)で抽出した。合わせた有機層をKCO水溶液(2×300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その粗生成物を、5:95のCHOH−CHClでクロマトグラフィーにかけて、31.7g(97%)の油状物を得た。
【0126】
【数17】

(調製4)
【0127】
【化55】

調製3の生成物(15g、49mmol、1.5当量)のTHF(100mL)溶液に、0℃で、THF(49mL、49mmol、1.5当量)中の1M LHMDSを加え、その溶液を30分間撹拌した。これに、Ti(OPr)(14.4mL、49mmol、1.5当量)に続いて調製1の生成物(7.3g、32mmol)のTHF(30mL)溶液を加え、その混合物を、rtで、45分間撹拌した。この溶液を酒石酸カリウムナトリウム水溶液(300mL)で希釈し、このTHFを蒸発させた。そのスラリーをEtOAc(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた粗生成物を、15:85のEtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、11.8g(96%)の発泡体を得た。
【0128】
【数18】

(調製5)
【0129】
【化56】

調製4の生成物(7.2g、19mmol)のTHF(100mL)溶液に、−78℃で、THF(23mL、23mmol、1.2当量)中の1M LHMDSを加えた。その溶液を、−78℃で30分間、0℃で30分間撹拌し、そして−78℃まで冷却し直した。これに、(1S)−(+)−(10−ショウノウスルホニル)オキサジリジン(6.0g、26mmol、1.4当量)のTHF(50mL)溶液を加え、その混合物を、−78℃で1時間、そして0℃で1.5時間撹拌した。この溶液に、NHCl水溶液(300mL)を加え、THFを蒸発させ、そして水層をEtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その粗生成物を、15:20:65のEtOAc−CHCl−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、6.4g(85%)の発泡体を得た。
【0130】
【数19】

(調製6)
【0131】
【化57】

工程1:
(R)−(+)−3−ブチン−2−オール(5mL、64mmol)のCHCl(100mL)溶液に、rtで、DMAP(780mg、6.4mmol、0.1当量)、第三級ブチルクロロジフェニルシラン(17.4mL、67mmol、1.05当量)およびEtN(9.8mL、70mmol、1.1当量)を加えた。その混合物を一晩撹拌し、EtO(400mL)で希釈し、1N HCl(2×200mL)、NaHCO水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、約20gの油状物を得、これを、次の工程でそのまま使用した。
【0132】
工程2:
工程1の生成物のTHF(200mL)溶液に、−78℃で、ヘキサン(30.4mL、76mmol、1.1当量)中の2.5M BuLiを加え、その溶液を1時間撹拌し、そして固形パラホルムアルデヒド(4.15g、138mmol、2.0当量)を加えた。その混合物を、−78℃で15分間、rtで1時間撹拌し、次いで、NHCl水溶液(500mL)を加えることにより、クエンチした。このTHFを蒸発させ、そして水層をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(2×300mL)およびブライン(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その粗製物を、10%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、16.5g(71%)の樹脂を得た。
【0133】
【数20】

(実施例1)
【0134】
【化58】

このホスホネート(650mg、2.01mmol、2当量)のTHF(8ml)溶液に、0℃で、ヘキサン中のBuLi(2.5M溶液790μl、2.0mmol、2当量)を加え、その混合物を10分間撹拌し、次いで、Ti(OiPr)(590μl、2.0mmol、2当量)を加え、この溶液を、rtで、10分間撹拌した。これに、調製1の生成物(220mg、0.98mmol)のTHF(3mL)溶液を加え、この混合物を、rtで、1.5時間撹拌した。この溶液に、ロシェル塩水溶液(100mL)を加え、そしてTHFを蒸発させた。水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄した。この溶液をMgSOで乾燥し、濃縮し、得られた残渣を、20%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、樹脂として、表題化合物(240mg、62%)を得た。
【0135】
【数21】

適当なホスホネートを使って類似の手順を使用して、追加の化合物1Aを調製した:
【0136】
【化59】

【0137】
【数22】

(実施例2)
【0138】
【化60】

調製2の生成物(50mg、0.22mmol)のCHCl(3mL)溶液に、NMO(78mg、0.67mmol、3当量)および4Åモレキュラーシーブス(約50mg)を加えた。10分間撹拌した後、TPAP(8mg、0.02mmol、0.1当量)を加え、この撹拌を、さらに40分間継続した。その混合物をEtO(20mL)で希釈し、セライト(商標)で濾過し、そして濃縮して、残渣を得た。この残渣を短SiOプラグ(これは、30%EtOAc−ヘキサンで溶出する)で濾過して、38mgのアルデヒドを得た。
【0139】
別のフラスコ(これは、THF(1.5mL)中に、このホスホネート(210mg、0.56mmol、3.3当量)を含む)にて、0℃で、BuLiの2Mヘキサン(224μl、0.56mmol、3.3当量)溶液を加え、その混合物を20分間撹拌した。上記アルデヒドのTHF(1.5mL)溶液を加え、この混合物を、0℃で、1時間撹拌した。この溶液をEtOAc(20mL)で希釈し、HO(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして分取TLC(これは、25%EtOAc−ヘキサンを使用する)で精製して、9mgの表題化合物を得た。
【0140】
【数23】

類似の手順を使用して、以下の化合物も調製した:
(実施例3)
【0141】
【化61】

【0142】
【数24】

(実施例4)
【0143】
【化62】

【0144】
【数25】

【0145】
【数26】

(実施例5)
【0146】
【化63】

【0147】
【数27】

(実施例6)
【0148】
【化64】

実施例1の生成物(540mg、1.37mmol)のTHF(8mL)溶液に、−78℃で、1M LHMDSのTHF(1.65mL、1.65mmol、1.2当量)溶液を加えた。その溶液を、−78℃で15分間、そして0℃で30分間撹拌した。それを、−78℃まで冷却し直し、そして(1S)−(+)−(10−ショウノウスルホニル)オキサジリジン(475mg、2.10mmol、1.5当量)のTHF(4mL)溶液を加え、その混合物を、−78℃で15分間撹拌し、次いで、室温までゆっくりと温めた。この混合物に、NHCl水溶液(100mL)を加え、次いで、それをEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、そして15:20:65のEtOAc−CHCl−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、390mg(69%)の樹脂を得た。
【0149】
【数28】

このスズキカップリング手順は、調製4または5の臭化物の溶液を、その反応が完結するまで、トルエン:EtOH:HO(4:2:1、v/v/v)中にて、100℃で、ボロン酸(1.0〜2.0当量)、KCO(4当量)およびPd(PPh(5〜10mol%)と共に加熱することにより、例示される。その反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてクロマトグラフィーで精製して、所望化合物を得る。
【0150】
上記スズキカップリング手順を使用して、以下の化合物を調製した:
(実施例7)
【0151】
【化65】

【0152】
【数29】

(実施例8)
【0153】
【化66】

【0154】
【数30】

【0155】
【数31】

また、適当な試薬を使って、このスズキカップリング手順を使用して、以下の構造の化合物を調製した:
【0156】
【化67】

ここで、R、R22、R23およびWは、以下の表で定義したとおりである(Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、そしてPhは、フェニルである):
【0157】
【表1−2】

【0158】
【表2】

【0159】
【表3】

【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

【0162】
【表6】

【0163】
【表7】

(実施例8のさらに多くの化合物)
【0164】
【化68】

適当な試薬を使用することにより、このスズキカップリング手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0165】
【表8】

【0166】
【表9】

【0167】
【表10】

【0168】
【表11】

(実施例9)
【0169】
【化69】

乾燥トルエン(5mL)中の調製5の生成物(0.127mmol)に、アニリン(0.254mmol、2当量)、リン酸カリウム(0.380mmol、3当量)、酢酸パラジウム(6.5mol%)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(13mol%)を加えた。その混合物に、2分間にわたって、Nを泡立たせ、次いで、封管中にて、120℃まで加熱した。16時間後、その反応物をrtまで冷却し、水に注ぎ、そしてEtO(3×)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の2〜5%のCHOH)で精製すると、収率66%で、所望生成物が得られた。
【0170】
【数32】

類似の手順を使用して、次式の化合物を調製した:
【0171】
【化70】

ここで、Wは、以下の表で定義したとおりである:
【0172】
【表12−1】

(実施例10)
【0173】
【化71】

工程1〜3:
【0174】
【化72】

工程1:
調製6のアルキン(3.1g、9.2mmol)、キノリン(215μl、1.8mmol、0.2当量)およびリンドラー触媒(310mg、10重量%)のEtOAc(50mL)懸濁液を、1atm.のH(バルーン)下にて撹拌し、その反応を、NMRでモニターした。この反応が完結した後、それをセライト(商標)パッドで濾過し、1N HClおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、約3.4gの樹脂を得、これを、次の工程でそのまま使用した。
【0175】
工程2:
CHCl(30mL)中の工程1の生成物およびNaHCO(1.54g、18.3mmol、2当量)の混合物に、rtで、デス-マーチン試薬(4.28g、10.1mmol、1.1当量)を加え、そして1時間撹拌した。この混合物を、EtO(60mL)と、Na.5HO(4.55g、18.3mmol、2当量)およびNaHCO(1.54g、18.3mmol、2当量)のHO(100mL)溶液とで希釈し、そして2層が透明になるまで、激しく攪拌した。有機層を分離し、そして水層をEtO(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、Na/NaHCO水溶液(100mL)、ブライン(100mLで)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、約3.5gのアルデヒドを得、これを、次の工程でそのまま使用した。
【0176】
工程3:

【0177】
【化73】

のホスホネート(3.9g、12.1mmol、1.3当量)のTHF(30mL)溶液に、0℃で、鉱油(480mg、12.0mmol、1.3当量)中の60%NaHを加え、その混合物を20分間撹拌した。これに、工程2の生成物のTHF(15mL)溶液を加え、そして0℃で1時間撹拌した後、それをNHCl水溶液(200mL)で希釈した。このTHFを蒸発させ、そして水層をEtOAc(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その残渣を、5%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、4.0g(87%)の樹脂を得た。
【0178】
【数33】

工程4:
【0179】
【化74】

シリルエーテル(4.0g、7.88mmol)のTHF(30ml)溶液に、0℃で、THF(11.8mL、11.8mmol、1.5当量)中の1M TBAFを加え、その混合物を、rtで、6時間撹拌した。それをNHCl水溶液(150mL)で希釈し、このTHFを蒸発させ、そして水層をEtOAc(3×60mL)で抽出した。合わせた有機層を、HO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その残渣を、30%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、2.0g(94%)の樹脂を得た。
【0180】
【数34】

工程5:
【0181】
【化75】

工程4のアルコール(110mg、0.41mmol)および上記酸(85mg、0.61mmol、1.5当量)のCHCl(2mL)溶液に、DCC(130mg、0.63mmol、1.5当量)およびDMAP(10mg、0.08mmol、0.2当量)を加え、そして0℃で、この反応が完結するまで、撹拌した。その混合物をEtO(50mL)で希釈し、NaHCO水溶液(2x20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を、10%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、135mg(84%)の樹脂を得た。
【0182】
【数35】

工程6:
工程5のテトラエン(130mg)のトルエン(10mL)溶液を、封管中にて、185℃で、7時間撹拌し、rtまで冷却し、そして10μlのDBUと共に、3時間撹拌した。この溶液を濃縮し、そして分取クロマトグラフィーで精製して、63mg(49%)の樹脂を得た。
【0183】
【数36】

【0184】
【数37】

類似の手順を使用して、以下の構造の化合物を調製した:
【0185】
【化76】

ここで、R11、R22、R23およびWは、以下の表で定義したとおりである(Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、Bnは、ベンジルである):
【0186】
【表12−2】

(実施例11)
【0187】
【化77】

調製4(100mg)、2(トリ−n−ブチルスタニル)ピリジン(292mg)およびPd(PPh(31mg)のトルエン(5mL)に、封管中にて、Nを泡立たせ、そして120℃で、一晩加熱した。その混合物をNHC1水溶液で希釈し、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を、2%CHOH−CHClでクロマトグラフィーにかけて、83mgの樹脂を得た。
【0188】
この樹脂をTHF(5ml)に溶解し、−78℃まで冷却し、1M LHMDSのTHF(290μl)溶液を加え、0℃で、1時間撹拌し、次いで、−78℃まで冷却した。これに、(1S)−(+)−(10−ショウノウスルホニル)オキサジリジン(76mg)のTHF溶液を加えた。約1.5時間撹拌した後、それを、NHCl水溶液を加えることによりクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を分取TLCで精製して、20mgの表題化合物を得た。HRMS:393.2185(MH)、計算値393.2178。
【0189】
類似の手順を使用して、以下の化合物もまた調製した:
【0190】
【化78】

ここで、Wは、以下の表で定義したとおりである:
【0191】
【表12−3】

(実施例12)
【0192】
【化79】

工程1:
オキサゾール(75μl、1.1mmol)のTHF(2mL)溶液に、−78℃で、2.5M BuLiのヘキサン(465μl、1.2mmol、2.2当量)溶液を加え、その混合物を30分間撹拌した。これに、EtO(4.3mL、2.2mmol、4当量)中の0.5M ZnClを加え、この混合物を、−78℃で30分間、そして0℃で30分間撹拌した。
【0193】
工程2:
それとは別に、Pd(PPhCl(37mg、0.05mmol)のTHF懸濁液に、0℃で、ヘキサン(43μl、0.11mmol)中の2.5M BuLiを加え、この懸濁液を20分間撹拌した。この溶液を、工程1の亜鉛酸塩に加え、続いて、調製4の生成物(200mg、0.5mmol)を加え、その混合物を一晩還流した。それを冷却し、NHCl水溶液(60mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、そして分取TLCで精製して、29mgの樹脂を得た。HRMS:367.2025(MH)、計算値367.2022。
【0194】
(実施例13)
【0195】
【化80】

工程1:
調製5(60mg、0.15mmol)、EtN(26μl、0.19mmol、1.2当量)、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(3mg、7μmol、5mol%)、Pd(OAc)2(1.7mg、7.6μmol、5 mol%)およびビニル n−プロピルエーテル(85μl、0.76mmol、5当量)のDMF(1.5mL)溶液を、封管中にて、100℃で、2時間加熱し、rtまで冷却し、そして2N HCl(2mL)と共に、2時間加熱した。その混合物をNaHCO水溶液で希釈し、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を分取TLCで精製して、25mgのケトンを得た。
【0196】
工程2:
工程1の生成物(13mg、36μmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(8mg、0.12mmol)のピリジン(0.5mL)溶液を、rtで、一晩撹拌した。その混合物をNHCl水溶液(30mL)で希釈し、そしてEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を分取TLCで精製して、樹脂として、13mgの表題化合物を得た。HRMS:373.2113(MH)、計算値373.2127。
【0197】
類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0198】
【化81】

実施例13−2:HRMS:387.2300(MH)。
【0199】
(実施例14)
【0200】
【化82】

m−キシレン(3ml)中の調製5(100mg、0.25mmol)、イミダゾール(35mg、0.51mmol、2.0当量)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体(13mg、0.026mmol、0.1当量)、1,10−フェナントロリン(46mg、0.26mmol、1当量)、ジベンジリデンアセトン(6mg、0.026mmol、0.1当量)およびCsCO(125mg、0.38mmol、1.5当量)の混合物に、封管中にて、アルゴンを泡立たせ、そして130℃で、一晩加熱した。この混合物をrtまで冷却し、NHCl水溶液(40mL)で希釈し、そしてCHCl(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、その残渣を分取TLCで精製して、43mg(44%)の表題化合物を得た。HRMS:382.2133(MH)、計算値382.2131。
【0201】
類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0202】
【化83】

実施例14−2:HRMS:396.2286(MH
(実施例15)
【0203】
【化84】

DMF(10mL)およびHO(100μl、1vol%)中の調製5(1.0g、2.54mmol)、Zn(CN)(300mg、2.56mmol、1当量)、Pd(dba)(116mg、0.13mmol、5mol%)およびジフェニルホスフィノフェロシン(diphenylphosphinoferrocine)(170mg、0.31mmol、12mol%)の混合物に、封管中にて、アルゴンを泡立たせ、そして120℃で、5時間加熱した。この混合物をrtまで冷却し、EtOAc(150mL)で希釈し、そしてHO(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その粗生成物を、30%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、800mg(93%)のシアン化アリールを得た。
【0204】
DMF(2mL)中のシアン化アリール(100mg、0.29mmol)、NaN(115mg、1.77mmol、6当量)およびNHCl(95mg、1.78mmol、6当量)の混合物を、封管中にて、120℃で、一晩加熱した。それをrtまで冷却し、HO(10mL)で希釈し、CHClで抽出し、濃縮し、その粗生成物を分取TLCで精製して、固形物として、50mgの表題化合物を得た。HRMS:384.2033(MH)、計算値384.2036。
【0205】
(実施例16)
【0206】
【化85】

工程1:
化合物31a(ここで、Wは、3−フルオロフェニルである)(480mg、1.2mmol)のCHCl溶液に、BBrの1M CHCl(11.7mL、11.7mmol、10当量)溶液を加え、その混合物を2.5時間還流し、次いで、NaHCO水溶液(100mL)で希釈した。約30分間撹拌した後、有機層を単離し、そして水層をCHCl(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaHCO水溶液(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、粗アルコールを得た。
【0207】
この粗アルコールをCHCl(12mL)に溶解し、0℃まで冷却し、そしてAcO(225μL、2.4mmol、2当量)を加え、続いて、DMAP(27mg、0.24mmol、0.2当量)およびEtN(0.5mL、3.6mmol、3当量)を加えた。約2時間撹拌した後、その混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、NaHCO水溶液(2×50mL)およびブラインで洗浄した。その溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、その残渣を、40%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーにかけて、白色発泡体として、350mg(56%)の実施例16−Aを得た。HRMS:530.1336、計算値530.1342。
【0208】
工程2:HMPA(1mL)中の実施例16−A(53mg、0.1当量)、NaCNBH(32mg、0.5mmol、5当量)の混合物を、80℃で、4時間撹拌し、rtまで冷却し、HO(30mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして分取TLCで精製して、27mgの樹脂を得た。これに、CHOH−HO混合物(9:1 v/vを2mL)中のKCO(32mg)を加え、その溶液を、rtで、1時間撹拌した。この混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして短SiOプラグで濾過して、樹脂として、17mg(72%)の実施例16−Bを得た。HRMS:410.2126、計算値410.2131。
【0209】
類似の手順を使用して、以下の構造を備えた化合物を調製した:
【0210】
【化86】

ここで、R、R22、R23およびWは、以下の表で定義したとおりである(Meは、メチルであり、Etは、エチルである):
【0211】
【表13】

【0212】
【表14】

(実施例17:7a−カルボン酸およびアミド)
【0213】
【化87】

化合物1(2.5g、6.59mmol)の乾燥THF(50mL)撹拌溶液に、0℃で、アルゴン下にて、LHMDS(9.88mmol、1.0M THF溶液9.9mL)を加え、その混合物を30分間撹拌した。その温度を−78℃まで低下させ、そしてシアノギ酸メチル785μL(9.88mmol)を加えた。2時間後、約75mLの硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物水溶液(10%w/v)を加え、次いで、この混合物を、3つの部分の酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン中の15%酢酸エチルを使用する)で精製すると、2.47gの化合物2が得られた。MS(ESI)m/z 424(MH)。
【0214】
化合物2(2.47g、5.65mmol)の乾燥THF(50mL)撹拌溶液に、0℃で、N下にて、三臭化ホウ素(11.3mmol)を加え、その混合物を、約30分間撹拌した。この反応混合物を、約50mLのジクロロメタンで希釈し、そのpHを、炭酸水素ナトリウム水溶液で約pH=4まで調節し、この混合物を、3つの部分のジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、2.32gの化合物3を得た。MS(ESI)m/z 424.1(MH)。
【0215】
【化88】

実施例17H
DMF(2mL)中の4(68mg)、EDCl(2当量)、HOBT(2当量)およびNH水(3当量)の混合物を、rtで、16時間時間撹拌した。それを、EtOAcで希釈し、NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして分取TLCで精製して、18mgの5を得た。実施例17H。MS:419.1(MH)。
【0216】
類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0217】
【化89】

【0218】
【表15】

【0219】
【表16】

(実施例18:7aヒドロキシメチル)
【0220】
【化90】

乾燥THF中の化合物1(0.65g、1.71mmol)に、−10℃で、アルゴン下にて、LHMDS(2.06mmol)を加え、その混合物を30分間撹拌した。次いで、ベンジルクロロメチルエーテル(2.57mmol)を加え、60分間後、この混合物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、そして3つの部分のジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーで精製すると、0.69gの化合物6が得られた。MS(ESI)m/z500(MH)。
【0221】
乾燥ジクロロメタン中の化合物6(2.19g、4.38mmol)に、ヨードトリメチルシラン(87.6mmol)を加え、その混合物を、アルゴンのバルーン下にて、2.5時間にわたって、還流状態まで加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、そして3つの部分のジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーで精製すると、化合物7が得られた。MS(ESI)m/z 410.1(MH)。
【0222】
【化91】

類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0223】
【表17】

(実施例19:7a−ヒドロキシメチル〜7a−アミノメチル)
【0224】
【化92】

乾燥ジクロロメタン10mL中の化合物7(0.15g)に、0℃で、トリエチルアミン77μL(1.5当量)および塩化メタンスルホニル34μL(1.2当量)を加えた。その混合物を、N下にて、1時間撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、NaHCO水溶液で2回洗浄し、そしてブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させて、0.145gのメシレートを得た。
【0225】
DMSO(10mL)中のこの生成物に、アジ化ナトリウム0.290g(15当量)を加え、その混合物を、N下にて3日間撹拌しつつ、65℃まで加熱した。この反応混合物をHOに注ぎ、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで蒸発させて、65mgのアジドを得た。
【0226】
このアジドの酢酸エチル5mLおよびHO(50μL)溶液に、0℃で、トリメチルホスフィン(2当量)の1M THF溶液300μLを加え、その混合物を、アルゴン下にて撹拌しつつ、室温まで温めた。24時間後、この反応物を乾燥状態まで蒸発させ、そしてフラッシュクロマトグラフィーで精製して、0.053gのアミン8を得た。MS(ESI)m/z 409(MH)。
【0227】
(実施例20:7a−アミノ化化学反応)
【0228】
【化93】

9(1.01g、2.57mmol)のTHF(20mL)溶液に、0℃で、1M LHMDSのTHF(3.34mL)溶液を加え、そして20分間撹拌した。それを−78℃まで冷却し、そしてアゾジカルボン酸ジ−第三級ブチル(890mg、3.87mmol)のTHF(2.5mL)溶液を加えた。それを、−78℃で2時間、そして0℃で1時間撹拌し、そしてNHCl水溶液を加えることにより、クエンチした。水層をEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。
【0229】
その粗生成物を、DCM(5ml)およびトリフルオロ酢酸10mLと共に、0℃で、1時間撹拌した。それを濃縮し、そしてKCO水溶液100mLに懸濁した。水相をDCMで抽出して、粗ヒドラジドを得た。
【0230】
この粗製物質を、氷酢酸10mLおよびアセトン2mLに溶解した。これに、Zn粉末2gを少しずつ加えた。その懸濁液を、2時間にわたって、激しく攪拌し、セライト(商標)パッドで濾過し、そして多量のDCMで洗浄した。DCM層を、水に続いてNaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。それをMgSOで乾燥し、濃縮し、そしてクロマトグラフィーで精製して、500mgの10を得た。MS:409.2(MH)。
【0231】
類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0232】
【化94】

【0233】
【表18】

(実施例21:7a−フルオロ類似物)
【0234】
【化95】

11(300mg、0.83mmol)のTHF(5ml)およびDMF(2ml)溶液に、0℃で、LHMDSの1M THF(1.1mL、1.3当量)溶液を加えた。この溶液を、0℃で、20分間撹拌し、−78℃まで冷却し、そしてN−フルオロベンゼンスルホンアミド(400mg、1.27mmol、1.5当量)のTHF溶液を加えた。その混合物を一晩撹拌し、そしてrtまで温めた。それをEtOAcで希釈し、KCO水溶液で2回洗浄し、そしてHOおよびブラインで2回洗浄した。それをMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてヘキサン中の20%EtOAcでクロマトグラフィーにかけて、260mgの12を得た。HRMS:380.2032(MH)、計算値380.2026。
【0235】
類似の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0236】
【化96】

HRMS:394.2188(MH)、計算値394.218。
【0237】
本発明のさらなる例は、少なくとも1種のさらなる心血管剤と一緒に式Iの化合物の投与することを包含する。企図されたさらなる心血管剤は、式Iの化合物から原子の構成または原子の配置のいずれかに点において異なる。本発明の新規化合物と組み合わせて用いられ得るさらなる心血管剤は、抗血栓性活性、抗血小板凝集活性、抗アテローム硬化性活性、抗再狭窄活性、および/または抗凝血性活性を有する薬物を含む。このような薬物は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性卒中、末梢血管疾患、他の心血管疾患、脳虚血、炎症障害、および癌、ならびにトロンビンおよびそのレセプターが病的役割を果たす他の障害を含む、血栓症関連疾患の処置において、有用である。適切な心血管剤は、
トロンボキサンA2生合成インヒビター(例えば、アスピリン);
トロンボキサンアンタゴニスト(例えば、セラトロダスト、ピコタミド(picotamide)、およびラマトロバン);
アデノシン二リン酸(ADP)インヒビター(例えば、クロピドグレル);
シクロオキシゲナーゼインヒビター(例えば、アスピリン、メロキシカム、ロフェコキシブ、およびセレコキシブ);
アンギオテンシンアンタゴニスト(例えば、バルサルタン、テルミサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、およびエプロサルタン);
エンドセリンアンタゴニスト(例えば、テゾセンタン);
ホスホジエステラーゼインヒビター(例えば、ミルリロン(milrinoone)、およびエノキシモネ);
アンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター(例えば、カプトプリル、エナルプリル、エナリプリラット(enaliprilat)、スピラプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、フォシノプリル、トランドラプリル、リシノプリル、モェキシプリル、およびベナザプリル);
中性エンドペプチターゼインヒビター(例えば、カンドキサトリル、およびエカドトリル);
抗凝血剤(例えば、キシメラガトラン、フォンダパリン、およびエノキサパリン);
利尿薬(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、エタクリン酸、フロセミド、およびアミロライド);
血小板凝集インヒビター(例えば、アブシキシマブ、およびエプチフィバチド);ならびに
GP IIb/IIIaアンダゴニスト
からなる群より選択される。
【0238】
本発明の新規化合物と組み合わせて使用するための薬物の好ましいタイプは、トロンボキサンA2生合成インヒビター、シクロオキシゲナーゼインヒビター、およびADPアンタゴニストである。組み合わせて使用するための特に好ましいタイプは、アスピリンと重硫酸クロピドグレルである。
【0239】
本発明が、式Iの化合物と別の心血管剤との組み合わせを含む場合、この二つの活性成分は、同時にもしくは連続して共に投与され得るか、あるいは、薬学的に受容可能なキャリア中に式Iの化合物および別の心血管剤を含む、単一の薬学的組成物で投与され得る。成分の組み合わせは、従来の投与形態(例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁液、溶液、座剤、点鼻薬など)で、個々に投与され得るかまたは一緒に投与され得る。心血管剤の投薬量は、公開された材料から決定され得、かつ1投薬あたり1mg〜1000mgの範囲であり得る。
【0240】
本明細書中にて、「式Iの少なくとも1種の化合物」との用語は、薬学的組成物または処置方法において、式Iの1〜3種の異なる化合物が使用され得ることを意味する。好ましくは、式Iの1種の化合物が使用される。同様に、「1種またはそれ以上の追加心血管剤」との用語は、1〜3種の追加薬剤が式Iの化合物と併用して投与され得ることを意味する;好ましくは、式Iの化合物と併用して、1種の追加化合物が投与される。これらの追加心血管剤は、式Iの化合物に関連して、順次または同時に投与できる。
【0241】
式Iの別の化合物および他の心血管剤を別個の組成物として投与するとき、それらは、キットで提供でき、これは、単一パッケージにおいて、1つの容器(これは、薬学的に受容可能なキャリア中にて、式Iの化合物を含む)と別個の容器(これは、薬学的に受容可能なキャリア中にて、他の心血管剤を含む)とを備え、式Iの化合物および他の心血管剤は、その配合が処置に有効であるような量で、存在している。キットは、例えば、これらの化合物を異なる時間間隔で投与しなければならないとき、またはそれらが異なる剤形でとき、配合を投与するのに有利である。
【0242】
以下の処方物は、本発明のいくつかの投薬形態を例示する。いずれの場合にも、用語「活性化合物」は、式Iの化合物を示す。
【0243】
【表19】

(製造方法)
品目番号1および品目番号2を適切な攪拌機中で10〜15分間、混合する。この混合物を品目番号3で顆粒化する。必要に応じて、この湿った顆粒を粗目篩(例えば、1/4”、0.63cm)を介して製粉する。その湿った顆粒を乾燥させる。必要に応じて、この乾燥した顆粒をふるいにかけ、そして品目番号4と混合し、そして10〜15分間、混合する。品目番号5を加え、そして1〜3分間、混合する。上記混合物を適切な大きさに圧縮し、そして適切な錠剤機の上で重さを量る。
【0244】
【表20】

品目番号1、品目番号2、および品目番号3を適切なブレンダー中で10〜15分間、混合する。品目番号4を加え、そして1〜3分間、混合する。この混合物を、適切なカプセル化機上で、適切なツーピースの硬カプセル中へ充填する。
【0245】
式Iの化合物の活性は、以下の手順により決定され得る。
【0246】
(トロンビンレセプターアンタゴニストについてのインビトロ試験の手順)
([H]haTRAPの調製)
A(pF−F)R(ChA)(hR)(l−Y)−NH(1.03mg)および10%Pd/C(5.07mg)を、DMF(250μl)およびジイソプロピルエチルアミン(10μl)中に懸濁した。容器を、トリチウムラインに取り付け、液体窒素中で凍結し、そして排気した。続いて、トリチウムガス(342mCi)を、フラスコへ加え、室温で2時間攪拌した。反応が終了したときに、過剰トリチウムを除去し、そして反応したペプチド溶液を、DMF(0.5ml)で希釈し、そして触媒を除去するためにフィルター処理した。粗製ペプチドの収集したDMF溶液を、水で希釈し、そして不安定なトリチウムを除去するために凍結乾燥した。この固体ペプチドを、水中に再び溶解し、そして凍結乾燥プロセスを繰り返した。トリチウム化ペプチド([H]haTRAP)を、0.1%のTFA水溶液0.5ml中に溶解し、そして以下の条件を用いて、HPLCにより精製した。
【0247】
【数38】

H]haTRAPの放射化学的純度は、99%であり、HPLCによって分析された。18.4Ci/mmolの比放射能で、14.9mCiの1バッチが、得られた。
【0248】
(血小板膜の調製)
血小板膜を、North Jersey Blood Center(East Orange,NJ)から入手した、48時間以内に収集した血小板濃縮物の20ユニットから、Natarajanら(Natarajanら、Int.J.Peptide Protein Res.45:145〜151(1995))の方法を改変して用いて、調製した。全ての工程を、承認されたバイオハザード安全状況下において、4℃で実行した。血小板を、赤血球を除去するために、100×gで20分間、4℃で遠心分離した。この上精をデカントし、そして、血小板をペレットにするために、3000×gで15分間、遠心分離した。ペレットを、全量が200mlまでの溶液(10mM Tris−HCl、pH7.5、150mM NaCl、5mM EDTA)中に、再懸濁し、そして4400×gで10分間、遠心分離した。この工程を、もう2回繰り返した。血小板を、最終容積が約30mlまでの溶液(5mM Tris−HCl、pH7.5、5mM EDTA)中に、再懸濁し、そしてDounceTMホモジナイザー中で20ストロークでホモジナイズした。膜を、41,000×gでペレット化し、40〜50mlの溶液(20mM Tris−HCl、pH7.5、1mM EDTA、0.1mMジチオスレイトール)中に再懸濁し、そして10mlのアリコートを、液体N中で凍結させ、そして−80℃で保存した。膜の調製を完了するために、アリコートを、解凍し、プールし、そしてDounceホモジナイザー中で5ストロークでホモジナイズした。膜をペレット化し、そして溶液(10mMトリエタノールアミン、pH7.4、5mM EDTA)中で3回洗浄し、そして20〜25mlの溶液(50mM Tris−HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA、および1%DMSO)中に再懸濁した。膜のアリコートを、液体N中で凍結させ、そして−80℃で保存した。膜は、少なくとも3ヶ月間は安定であった。血小板濃縮物の20ユニットは、代表的に、250mgの膜タンパク質を産出した。タンパク質濃縮物を、Lowryアッセイ(Lowryら、J.Biol.Chem.,193:265〜275(1951))によって決定した。
【0249】
(高生産性トロンビンレセプター放射性リガンド結合アッセイ)
トロンビンレセプターアンタゴニストを、Ahnら(Ahnら、Mol.Pharmacol.,51:350〜356(1997))のトロンビンレセプター放射性リガンド結合アッセイの改変して用いてスクリーニングした。このアッセイを、96ウェルNuncプレート(Cat.No.269620)中で、200μlの最終アッセイ量で実行した。血小板膜および[H]haTRAP(それぞれ、0.4mg/mlまで、および22.2nMまで)を、結合緩衝液(50mM Tris−HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA、0.1%BSA)中に希釈した。試験化合物の保存溶液(100%DMSO中10mM)をさらに、100%DMSO中に希釈した。他に示されない限り、10μlの希釈した化合物溶液、および90μlの放射性リガンド(最終濃度は、5%DMSO中10nM)を、各ウェルに加え、そして反応を、100μlの膜(40μgのタンパク質/ウェル)を加えることにより開始した。上記結合は、5%DMSOでは有意に阻害されなかった。化合物を、3濃度(0.1μM、1μM、および10μM)で、試験した。上記プレートを遮蔽し、そして、Lab−LineTM Titer Plate Shaker上で1時間、室温にて、ボルテックスで穏やかに混合した。Packard UniFilterTM GF/Cフィルタープレートを、少なくとも1時間、0.1%ポリエチレンイミン中に浸した。インキュベートした膜を、Packard FilterMateTM Universal Harvesterを用いて収集し、そして、迅速に4回、300μlの溶液(氷冷50mM Tris−HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA)で、洗浄した。MicroScintTM20シンチレーションカクテル(25μl)を、各ウェルに加え、そしてそのプレートを、Packard TopCountTM Microplate Scintillation Counter上でカウントした。特異的な結合を、結合の合計から、過剰(50μM)な非標識haTPAPの存在下で観察された、非特異的な結合を差し引いてものとして、定義した。トロンビンレセプターに結合する[H]haTRAP化合物による阻害率(%)を、以下の関係から計算した。
【0250】
【数39】

(材料)
A(pF−F)R(ChA)(hR)Y−NHおよびA(pF−F)R(ChA)(hR)(l−Y)−NHは、AnaSpec Inc.(San Jose,CA)によってカスタム合成された。これらのペプチドの純度は、>95%であった。トリチウムガス(97%)を、EG&G Mound,Miamisburg,Ohioから購入した。このガスを、引き続いて、IN/US Systems Inc.Trisorber上にロードし、そして保存した。MicroScintTM 20 シンチレーションカクテルを、Packard Instrument Co.から入手した。
【0251】
(カニクイザル全血中のエキソビボ血小板凝集についてのプロトコル)
(薬物の投与および血液採取)
意識のあるまま座らせた(conscious chaired)カニクイザルを、30分間、平衡化させる。ニードルカテーテルを、試験薬物の注入のために上腕静脈中へ挿入する。別のニードルカテーテルを、他の上腕静脈または伏在静脈中へ挿入し、血液のサンプリングのために用いる。これらの実験において、化合物を経口投与する場合、一つのカテーテルのみを用いる。ベースライン血液サンプル(1〜2ml)を、抗凝血剤としてトロンビンインヒビター CVS 2139(100μg/0.1ml生理食塩水)を含むバキュテイナーチューブ中に収集する。続いて、上記薬物を、30分間以上、静脈内に注入する。血液サンプル(1ml)を、薬物注入の間の5分、10分、20分、30分で収集し、かつ30分後、60分後、90分後でも収集する。PO実験において、上記動物に、強制経口カニューレ(gavage cannula)を用いて上記薬物を投与する。血液サンプルを、投与後、0分、30分、60分、90分、120分、180分、240分、300分、360分で収集する。0.5mlの血液を、全血凝集のために用い、そして他の0.5mlの血液を、薬物またはその代謝産物の血漿濃度を決定するために用いる。凝集を、以下に記載されるように血液サンプルを収集後、すぐに実行する。
【0252】
(全血凝集)
0.5mlの血液サンプルを、0.5mlの生理食塩水に加え、Chronolog全血血小板凝集計中で37℃まで温める。同時に、インピーダンス電極を、生理食塩水中で37℃まで温める。この血液サンプルを、スターラーバー(stir bar)とともに、加熱ブロックのウェル中に配置し、インピーダンス電極を血液サンプル中に入れ、そして、収集ソフトウェアを開始する。このソフトウェアを、ベースラインが安定するまで実行し、次いで、20Ωのキャリブレーションチェックを行う。20Ωは、コンピューターソフトウェアによって生成されたグラフィック上の4ブロックに等しい。アゴニスト(haTRAP)を、量を調整できるピペット(5〜25μl)によって加え、そして凝集曲線を、10分間記録する。以下のアゴニストの6分間中における最大の凝集が、記録した値である。
【0253】
(インビトロ血小板凝集手順)
血小板凝集の研究を、Bednarらの方法(Bednar,B.、Condra,C.、Gould,R.J.、およびConnolly,T.M.,Throm.Res.,77:453〜463(1995))に従って行った。血液を、少なくとも7日間、アスピリンを含まない健康なヒト被験体から、抗凝血剤としてACDを用いる静脈穿刺によって、入手した。血小板が豊富な血漿を、100×gで15分間、15℃で遠心分離することにより調製した。血小板を、3000×gでペレット化し、そして、凝集を阻害するために、1mMのEGTAおよび20μg/mlのアピラーゼを含む緩衝化生理食塩水中で、2回洗浄した。凝集を、0.2mg/mlのヒト線維素原を補充した緩衝化生理食塩水中で、室温にて行った。試験化合物および血小板を、96ウェル平底プレート中で60分間、プレインキュベートした。凝集を、0.3μMのhaTRAPまたは0.1U/mlのトロンビンを加え、かつLab LineTM Titer Plate Shaker(速度7)を用いて、その混合物を迅速にボルテックスすることによって、始めた。凝集百分率を、SpectromaxTM Plate Reader中で405nmにおける光線透過率の増加としてモニターした。
【0254】
(インビボ抗腫瘍手順)
ヌードマウスのヒトの乳癌モデルにおける試験を、S.Even−Ramら、Nature Medcine,4,8(1988),p909〜914中において報告された手順に従って行った。
【0255】
(カンナビノイドCBレセプター結合アッセイ)
ヒトのカンナビノイドCBレセプターへの結合は、Showalterら(1996,J.Pharmacol Exp Ther.278(3),989〜99)の手順を小さな改変とともに用い、実行した。全てのアッセイを、最終量100μl中で実行した。試験化合物を、DMSO中に10mMまで再懸濁し、次いで、溶液(50mM Tris,pH7.1、3mM MgCl、1mM EDTA、50%DMSO)中に、連続的に希釈した。次いで、各希釈されたサンプルのアリコート(10μl)を、96ウェルマイクロタイタープレートの個々のウェル中に移した。ヒトCBトランスフェクトCHO/Ki細胞(Receptor Biology,Inc)からの膜を、結合緩衝液(50mM Tris、pH7.1、3mM MgCl、1mM EDTA、0.1%の脂肪酸を含まないウシ血清アルブミン)中に再懸濁し、次いで、結合反応に(1アッセイにつき50μl中15μgまで)加えた。この反応を、結合緩衝液(比放射能=180Ci/mmol;New England Nuclear,Boston,Mass.)中で希釈された[H]CP−55,940を加えることで開始した。結合反応における最終リガンド濃度は、0.48nMであった。室温での2時間にわたるインキュベーションの後に、膜を、TomTecTM Mach 3U 96ウェル細胞収穫機(Hamden,Ct.)を用いて、前処理(0.5%ポリエチレンイミン;Sigma P−3143)されたGF−Cフィルタープレート(Unifilter−96,Packard)を介する濾過によって収集した。プレートを、100μlの結合緩衝液中で10回洗浄し、そして膜を、風乾させた。膜に関する放射活性を、Packard OmniscintTM 20シンチレーション液体の追加の後に、TopCountTM NXT Microplate Scintillation and Luminescence Counter(Packard,Meriden,Ct.)を用いて、定量化した。非線形回帰分析を、PrismTM 20b.(GraphPad Software,San Diego,Ca)を用いて行った。
【0256】
上に記載された試験手順を用いて、式1の代表的な化合物が、1〜1000nM、好ましくは1〜100nM、より好ましくは1〜20nMのトロンビンレセプターIC50値(すなわち、トロンビンレセプターの50%の阻害が観察された濃度)有することを発見した。CB Ki値は、1〜1000nM、好ましくは1〜200nM、より好ましくは1〜100nMの範囲に及ぶ。例えば、1〜100nMの範囲の及ぶ、実施例番号8BU、8CA、8CB、8CL、17H、20E、20F、20G、および20HのIC50値は、1〜100nMである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式のいずれかにより表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒和物または多形:
【化1】

【化2】

【請求項2】
有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、薬学的組成物。
【請求項3】
トロンビンレセプターを阻害する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項4】
カンナビノイドレセプターを阻害する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項5】
血栓症、血小板凝集、凝血、癌、炎症疾患または呼吸器疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項6】
アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧症、狭心症、不整脈、心不全、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性卒中、血栓塞栓性卒中、末梢血管疾患、脳虚血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および胃腸管の炎症障害、可逆性気道閉塞、慢性喘息または気管支炎を処置する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項7】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化3】

【請求項8】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化4】

【請求項9】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化5】

【請求項10】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化6】

【請求項11】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化7】

【請求項12】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化8】

【請求項13】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化9】

【請求項14】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化10】

【請求項15】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化11】

【請求項16】
以下の構造式により表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な異性体、塩または溶媒和物:
【化12】


【公表番号】特表2007−523051(P2007−523051A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528258(P2006−528258)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/031495
【国際公開番号】WO2005/030712
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】