説明

ドアロック操作方法およびドアロックシステム

【課題】
予め設定された自己の暗証番号を通知することなく、不意の訪問者等がアンロック可能にするドアロック操作方法およびドアロックシステムを提供する。
【解決手段】
ドアロックシステム10は、アンテナ11、送受信部12、制御部(CPU)13、暗証番号メモリ15、時計16、キーロック部(ドアロック)17および暗証番号入力部18を備える。暗証番号メモリ15には、自己が通常使用する通常暗証番号に加えて不意の訪問者のための仮暗証番号がその条件(有効期限)と共に記憶されている。不意の訪問者の連絡を受けると、携帯電話等の通信手段で仮暗証番号を訪問者に送信して、本人の不在中でも、本人の通常暗証番号を知らせることなくドアロック17をアンロック可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドアロック操作方法およびドアロックシステムに関し、特に予め設定された暗証番号を使用してドアロックを電気的にロック/アンロック可能にするドアロック操作方法およびドアロックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅、オフィス、倉庫その他の建物(施設)又は建物内の特定の部屋又は領域にはドアロックを有するドアを設け、内部の人、物品、情報等の保護(セキュリティ)のために許可された特定人以外の第三者の自由な出入りを制限することが一般に行われている。
【0003】
斯かる目的のため、ドアに設けられた錠(ロック)の鍵穴に鍵(キー)を差し込んでロック/アンロックするのが一般的である。しかし、斯かるメカニカルなドアロックは、ピッキング等により不正操作される虞があり、大きな社会問題となっている。そこで、鍵穴をなくしてピッキング等の不安を排除してセキュリティの高いドアロックシステムとして、暗証番号方式、ICカード方式、指紋照合方式等の種々の電気又は電子的なドアロックシステムが開発され実用化されている。
【0004】
しかし、暗証番号方式のドアロックシステムにおいて暗証番号が自由に変更できないものは、暗証番号が第三者に知れてしまうとその機能を全く送出する虞れがある。また、ICカード方式のドアロックシステムは、ピッキング等の不安はなくても、従来の鍵の方式と同様にICカードを自己の不注意又は盗難による紛失又は置き忘れの虞れがあり、その場合には、本人さえもアンロック不可能であり、例えば自宅に入れなくなるという事態が起こり得る。
【0005】
更に、指紋照合方式のドアロックは、上述したICカード方式のように置き忘れや紛失の虞はなく、登録者以外にアンロック(ロック解除)できないので、セキュリティが高い方式であると考えられる。しかしながら、予め登録された管理者以外はアンロックできないという欠点がある。
【0006】
斯かる欠点の具体例を説明する。例えば非常に親しい知人がかかるドアロックを備える自宅を留守中に訪問してきた場合には、ドアロックをアンロックして家の中に入れたくても入れることができない。また、その知人が初訪問の場合には、その指紋を予め登録することも不可能である。例えば、本人の不在中に田舎の親が急に訪ねてきた場合、事前に到着時間を約束していても、買い物等へ出かけた本人の留守中に、訪問者が約束の時間よりも早く到着した場合又は遠隔地に住む親しい友人が久し振りに出張等でたまたま近くに来たため不意に自宅を訪問する旨を外出先の携帯電話に連絡してきた場合等には、ドアロックをアンロックして、訪問者を自宅に招き入れたいという状況が生じる。しかし、従来のドアロックシステムでは、斯かる事態に迅速且つ効果的に対処不可能である。
【0007】
尚、上述したドアロックシステムに関連する従来技術は、幾つかの技術文献に開示されている。複数の暗号番号に対してそれぞれアンロック許可時間を割り当て可能な電気錠装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、登録情報とパスワードを関連付けて格納するデータベースを内蔵し、車両の所有者が安全且つ簡単に他人に車両のドアの開錠を許可可能にする車両の錠操作システムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、暗証番号又は人物識別情報を日時情報と共に通信回線により開錠対象の建物に送ることにより鍵の受け渡しのための移動および返却のための移動を不要とする鍵管理方式が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3041729号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献2】特開2004−339737号公報(第6頁、第1図)
【特許文献3】特開平10−54166号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、外出先から携帯電話等の通信手段で暗証番号メモリに記憶される暗証番号を変更して一時的に有効な仮暗証番号を付加し、その仮暗証番号を訪問者に伝えることで、訪問者を家に入れることを可能とし、通常使用している暗証番号を教える必要をなくしセキュリティを保つことが可能なドアロック操作方法およびドアロックシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のドアロック操作方法およびドアロックシステムは、次の如き特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)電気的にロックされたドアロックを必要時に本人が予め設定し所定の暗証番号を入力してアンロック可能にするドアロック操作方法において、
前記ドアロックのアンロックを希望する者(訪問者)のコンタクトに応じて前記ドアロックをアンロック可能にする仮暗証番号を設定するステップと、
該設定された仮暗証番号を前記訪問者に通知するステップと、
前記訪問者が前記仮暗証番号を使用して前記ドアロックをアンロックしたことを前記本人へ通知するステップとを備えるドアロック操作方法。
(2)前記仮暗証番号の設定は、前記本人による携帯電話を含む通信手段によりサービスセンターへ送信して行う上記(1)のドアロック操作方法。
(3)前記仮暗証番号は、予め決められた有効期間を有し、該有効期間の終了後には自動的に消去される上記(1)又は(2)のドアロック操作方法。
(4)ドアロックを管理運営するサービスセンターと契約する1以上の契約者が自己のドアロックの暗証番号メモリに記憶された暗証番号を暗証番号入力部から入力して前記ドアロックをアンロックすると共に前記契約者により許可された訪問者が特定の暗証番号を使用して前記ドアロックをアンロック可能にするドアロックシステムにおいて、
前記契約者が前記サービスセンターと通信する通信手段と、
該通信手段により前記暗証番号メモリに記憶する暗証番号を変更設定する暗証番号設定手段と、
該暗証番号設定手段により前記設定された自己の暗証番号と異なる仮暗証番号を前記訪問者用に設定して前記暗証番号メモリに記憶する仮暗証番号設定手段と、
該仮暗証番号設定手段で設定された前記仮暗証番号を前記訪問者に通知する仮暗証番号通知手段と、
前記訪問者により前記ドアロックがアンロックされたことを前記契約者に通知するアンロック通知手段とを備えるドアロックシステム。
(5)前記暗証番号および前記仮暗証番号は、携帯電話網およびインターネット網を含む通信手段により設定する上記(4)のドアロックシステム。
(6)前記仮暗証番号は、前記ドアロックのアンロックを可能にする予め設定された有効期限を有する上記(4)又は(5)のドアロックシステム。
(7)前記暗証番号メモリの内容の変更は、予め指定されたメールアドレスへ通知される上記(4)、(5)又は(6)のドアロックシステム。
(8)前記有効期限の満了した仮暗証番号は、前記暗証番号メモリから自動的に消去され、前記契約者に通知される上記(6)のドアロックシステム。
【発明の効果】
【0012】
本発明のドアロック操作方法およびドアロックシステムによると、次の如き実用上の顕著な効果を奏する。先ず、ドアロックの暗証番号を携帯電話等の通信手段により自由に設定すると共に必要に応じてその変更が可能である。更に、本人の不在中に不意の来客(訪問者)があった場合でも、この来客に対して予め設定可能な期間限定(有効期限を有する)の仮(又は臨時)暗証番号を設定して来客に送信することにより、この期間内であれば来客のためにドアロックをアンロック可能である。また、本人が設定した仮暗証番号や来客によるドアロックのアンロックを所定のメールアドレスへ通知して確認することが可能であり、信頼性を大幅に改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるドアロック操作方法およびドアロックシステムの好適な実施の形態の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
先ず、図1は、本発明によるドアロックシステムの好適な実施の形態の構成を示すブロック図である。このドアロックシステム10は、アンテナ11、送受信部12、制御部であるCPU(中央処理装置)13、ROM(読み出し専用メモリ)14、暗証番号メモリ15、時計16、キーロック部17および暗証番号入力部18により構成されている。
【0015】
ここで、ドアロックシステム10のCPU13には、送受信部12、ROM14、暗証番号メモリ15、時計16およびキーロック部17が接続されている。また、送受信部12には、アンテナ11が接続されている。
【0016】
このドアロックシステム10は、図1中に点線で示す如く、ドアの内側(例えば、屋内)とドアの外側(例えば、屋外)に分割又は分離されている。そして、ドアの内側に入る操作者が自己に設定された暗証番号を入力するため、暗号番号入力部18はドアの外側の適当な固定部材に取り付けられて配置されている。
【0017】
上述の如く、ドアロックシステム10のドアの内側(屋外)にはCPU13を搭載しており、このCPU13は、ドアロックシステム10を構成する各部12〜18と電気的に接続されている。このうちROM14は、CPU13が実行するための各種の制御用プログラム等を格納した読み出し専用メモリである。キーロック部17は、ドアを確実にロックする、即ち正常にアンロックされない限り被許可者以外の第三者が内部へ入るのを阻止する機械的な部分(メカニズム)である。
【0018】
時計16は、現在時刻、即ち年、月、日、時、分および秒を表すものである。暗証番号メモリ15は、不揮発性メモリであり、被許可者に予め設定・登録した暗証番号が記憶されている。操作者により暗証番号入力部18から暗証番号が入力されると、この入力された暗証番号と暗証番号メモリ15に記憶されている暗証番号がCPU13により比較される。両方の番号が一致した場合には、キーロック部17がドアをアンロックし、ドアが開放可能になり、このドアを通って内部へ入ることが可能である。
【0019】
一方、送受信部12は、例えば携帯電話網に接続可能である。送受信部12がアンテナ11を介して暗証番号の変更を受信すると、その内容を暗証番号メモリ15に記憶することができ、外出先から携帯電話等の通信手段を使用することにより、暗証番号の変更、追加等を可能にする。
【0020】
次に、図1〜図5を参照して、図1に示す本発明のドアロックシステム10の好適な実施の形態の動作を説明する。図2は、図1中に示す暗証番号メモリ15の具体例を示す説明図である。図3は、暗証番号設定画面の具体例である。図4は、訪問者に対して送信されるメールの具体例である。図5は、ドアロックの管理者である本人宛にドアロックシステムから送信されるメールの具体例である。
【0021】
先ず、図2を参照して図1のドアロックシステム10の構成素子である暗証番号メモリ15の記憶内容(データ)の具体例を説明する。この暗証番号メモリ15には、図2に示す如く、複数のメモリ番号15aに対応してその条件15bおよび暗証番号15cが対として記憶されている。図2に示す具体例では、メモリ番号1には、条件が「通常」となっており、これは本人(例えば、居住者)がそのドアロックの操作に通常使用している暗証番号(通常暗証番号)であることを表している。そして、その暗証番号「1234」であるので、図1の暗証番号入力部18からこの暗証番号「1234」が入力されると、キーロック部17がアンロック(又は解除)されドアを開くことができる。
【0022】
尚、この具体例では暗証番号が4桁の数字であるが、必ずしも4桁の数字に限定されず、また数字以外の記号を含んでも良いこと勿論である。更に、1人住まいのアパートの如く、通常の利用者が1人の場合は、図2の如く例えばメモリ番号1に1個の通常暗証番号を設定すれば足りるが、居住者一般の家屋の如く複数の居住者がいる場合には、各居住者にそれぞれ個別の通常暗証番号が設定・付与される。
【0023】
次に、図2および図3を参照して、本発明のドアロックシステムにおける暗証番号の設定方法を説明する。図3は、本人が外出先から携帯電話やPC(パーソナルコンピュータ)等の通信手段からインターネットを介してドアロックシステム10のサーバ(図示せず)にアクセスした際の仮(又は臨時)暗証番号を設定するための暗証番号設定画面の具体例を示す。
【0024】
先ず、仮暗証番号の設定者は、自分のIDおよびパスワード(Password)を入力する。そして、設定したい期間(又は時間)を入力する。図3に示す具体例では、メモリ番号2に日付「2006年1月1日」と時間「11:00(午前11時)乃至17:00(午後5時)」を設定している。尚、毎日使用することを意味する「通常」状態に設定したい場合は、ここの欄を「通常」に設定すれば良い。この具体例では、仮暗証番号を「5678」に設定しているので、この暗証番号を図1に示す暗証番号入力部18から入力すると、上記の指定期間に限り、ドアロック部17のロックがアンロック可能であることを表す。
【0025】
また、送信先メールアドレスとして、送信先として送信を受けたい人の1以上のアドレスを入力する。この具体例では送信先として「yamada@taro.ne.jp」(例えば、本人)および「yamada@hanako.ne.jp」(例えば、ドアロックのキーロック部17をアンロックして入室を希望する知人)のメールアドレスを入力することにより、本人および知人(訪問者)に図4の如き内容のメールが送信される。即ち、宛先が「yamada@hanako.ne.jp」であり、設定期間が2006年1月1日の11:00乃至17:00であり、仮暗証番号が「5678」である。
【0026】
このメールを受信することにより、設定者である「本人」は、仮暗証番号が正常に追加されたことを確認することが可能である(万一、設定に誤りがある場合には、設定を訂正することが可能である)。また、被設定者である「知人」は、このメールを受信することにより、ドアロックのキーロック部17の「アンロック可能時間」および「暗証番号」を確認することが可能である。必要に応じて、本文中に簡単なメッセージ等を付加することも可能である。
【0027】
この暗証番号の追加データは、図1のドアロックシステム10にも送信され、図2のメモリ番号2に条件「2006年1月1日の11:00乃至17:00」および仮暗証番号「5678」が暗証番号メモリ15に記憶される。設定された上記期間中には、ドアロックシステム10のキーロック部17のアンロックに暗証番号「1234」および「5678」の両方が使用可能になる。
【0028】
上述の如く、「本人」の不在時に、例えば「知人」から不意に訪問する旨の連絡があり、自宅で待っていて欲しい場合には、この「知人」に対してメールにてその旨を通知してキーロック部17を一時的にアンロック可能にする「仮暗証番号」を暗証番号メモリ15に追加することが可能である。そして、この「知人」が到着して、暗証番号入力部18からこの仮暗証番号「5678」を所定期間内に入力すると、キーロック部17がアンロックされ、屋内又は室内に入ることが可能となる。ここで、本人は、自分で常時使用中である暗証番号メモリ15のメモリ番号1に記憶されている自己の通常暗証番号を、この「知人」を含め他人に何ら通知する必要がなく且つこの「知人」に通知した「仮暗証番号」は、上記設定された一定期間のみ有効であり、その後は自動的に消去されて無効になるので、セキュリティが確保できることに注目されたい。
【0029】
次に、図5は、ドアロック(のキーロック部17)がアンロックされたことを通知するメールの具体例である。何人かにより暗証番号入力部18から仮暗証番号「5678」が入力されると、その時の日付および時間の情報(図示の具体例では、2006年1月1日13:32)が時計16から読み出される。そして、13時32分に仮暗証番号「5678」でドアロックがアンロックされた旨のメールが送受信部12およびアンテナ11を介して、例えば携帯電話網経由で送出される。これにより「本人」は、「知人」がこの時間に家に到着してドアロックをアンロックしたことを確認可能である。
【0030】
尚、図2に示す暗証番号メモリ15のメモリ番号2の内容、即ち仮暗証番号は、2006年1月1日の時刻17:00(午後5時)を過ぎると、CPU13により暗証番号メモリ15から自動的に削除される。従って、その時刻以後は、この仮暗証番号は使用不能になり、例え「知人」又は他人がこの仮暗証番号「5678」を暗証番号入力部18から入力してもドアロックをアンロックすることが不可能になる。
【0031】
以上詳細に説明した如く、本発明のドアロック操作方法およびドアロックシステムによれば、管理者である「本人」が外出先から、携帯電話等の通信手段により自宅のドアロックシステム10の暗証番号を自由に設定可能であり、不意の来客があっても、自己の通常暗証番号を知らせることなく、期間限定の仮暗証番号を追加することにより、本人の不在中であっても許可された来客を自宅に招き入れることが可能である。また、自己の通常暗証番号の変更や追加を外出先から携帯電話等の通信手段により自由に行うことが可能である。
【0032】
図1のドアロックシステム10の送受信部12は、携帯電話網に接続可能な携帯電話の送受信部として説明した。しかし、本発明は、携帯電話に限らずPHS(Personal Handy‐phone System)等でも良い。しかし、携帯電話、PHSのどちらも使用料金が発生するため、無線LANの使用も考えられる。自宅のPCにおいて契約しているインターネット接続があれば、追加の料金が発生することがない無線LANを使用することができる。更に、無線ではなく有線の場合として、LANケーブルによりインターネットに接続しても良い。
【0033】
次に、図6および図7を参照して、本発明によるドアロックシステムを採用するホームドアロックシステムの具体例を説明する。図6は、ホームドアロックシステムのシステム構成図である。図7は、図6の各部の動作を説明するシーケンス図又はフローチャートである。
【0034】
図6のホームドアロックシステム20は、インターネット網21、複数の基地局23を含む携帯電話網22、サービスセンター24、契約者の携帯電話25、訪問者の携帯電話26ドアロックシステム27aを備えるホーム(家屋)27により構成されている。そして、携帯電話網22、サービスセンター24およびホーム27はインターネット21に電気的に接続されている。
【0035】
次に、図7のシーケンス図を参照して、図6に示すホームドアロックシステム20中の契約者の携帯電話25、サービスセンター24、ドアロックシステム(ホーム)27および訪問者携帯電話26間の動作手順を説明する。
【0036】
先ず、契約者の携帯電話25は、携帯電話網22の基地局23及びインターネット網21を介してサービスセンター24のホームページに接続する(ステップS1)。そして、契約者は、自己の携帯電話25を使用して、上述した図3の画面によりドアロックシステムの変更・追加情報を入力する(ステップS2)。ここで入力する項目は、上述の如く契約者のID、パスワード、設定時間等の条件、暗証番号,設定内容を送信する送信先メールアドレスである。
【0037】
次に、サービスセンター24は、IDおよびパスワードが登録内容と一致するか否かを確認、即ち認証する(ステップS3)。この認証が一致した場合には、該当するドアロックシステムの設定変更を行う(ステップS4)。サービスセンター24とドアロックシステム27間の通信方法は、図6のサービスセンター24からインターネット網21および携帯電話網22を介してドアロックシステム27と通信する。尚、サービスセンター24からインターネット網21を介して、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber-to-the Home)により通信しても良い。土の方法により通信するかは、ホームドアロックシステム20の契約者およびサービスセンター24間の契約内容による。
【0038】
次に、サービスセンター24からの設定変更指示によりドアロックシステム27が暗証番号メモリ(図1の暗証番号メモリ15参照)の変更を行うと、設定完了通知をサービスセンター24へ通知する(ステップS5)。サービスセンター24は、この設定完了通知を受けて、図3で指定された送信先である、例えば契約者の携帯電話25および訪問者の携帯電話26に、図4に示す如きメールを送信する(ステップS6)。
【0039】
図4に示す如きメールを受け取り確認した訪問者は、ドアロックシステム27の暗礁番号入力部(図1の暗証番号入力部18参照)から暗証番号(例えば、「5678」)を入力することによりドアロック(図1のキーロック部17)を、所定条件下(設定された時間内)でアンロック可能である。
【0040】
次に、図7のシーケンス図の下側の記載に基づき、ドアロックがアンロックされた後の動作を説明する。ドアロックがアンロックされると、開錠(アンロック)通知がドアロックシステム27からサービスセンター24へ送られる(ステップS7)。そこで、サービスセンター24は、図5に示す如きアンロック情報を含むアンロック通知を契約者の携帯電話25へ送信する(ステップS8)。このアンロック通知で契約者の携帯電話25へ送信されるアンロック情報は、例えばアンロックの日時、アンロックに使用された暗証番号である。このメールにより、契約者は、訪問者のホームへの到着を確認することが可能である。
【0041】
ここで、訪問者の暗証番号は、図2に示す如く、暗礁番号メモリ15のメモリ番号2に、例えば2006年1月1日の17:00の有効期限が設定されている。この有効期限が到来すると、暗証番号メモリ15のメモリ番号2の内容は、CPU13の制御下で自動的に消去される。従って、その有効期限後の暗証番号「5678」は、使用不能になる。そこで、ドアロックシステム27から暗証番号メモリのメモリ内容の変更(即ち、メモリ番号の内容削除)をサービスセンター24へ送信する(ステップS9)。次に、サービスセンター24は、契約者の携帯電話25へこのメモリ内容変更通知を行う(ステップS10)。
【0042】
以上、本発明によるドアロック操作方法およびドアロックシステムの好適な実施の形態の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施の形態は、本発明の単なる例示に過ぎないことに留意されたい。本発明の養子や精神を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形および変更が可能であることが当業者には容易に理解できよう。また、本発明は、他人の自由な出入りを禁止するホーム(自宅)、事務所、倉庫等の種々の建物やこれら建物の1区域である部屋のドア(扉)に取り付ける暗証番号方式のドアロックシステムに応用可能である。また、乗用車その他の車両等のドアにも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明によるドアロックシステムの好適な実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の暗証番号メモリに記憶されるデータの具体例の説明図である。
【図3】図1に示すドアロックシステムによる暗証番号設定動作を説明する設定画面の具体例を示す。
【図4】図3の設定画面により設定された仮暗証番号の設定確認画面の具体例である。
【図5】ドアロックシステムのドアロックがアンロックされた際のアンロック通知画面の具体例である。
【図6】本発明のドアロックシステムによるホームドアロックシステムの好適実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すホームドアロックシステムの動作を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0044】
10 ドアロックシステム
11 アンテナ
12 送受信部
13 制御部(CPU)
15 暗証番号メモリ
16 時計
17 キーロック部(ドアロック)
18 暗証番号入力部
20 ホームドアロックシステム
21 インターネット網
22 携帯電話網
24 サービスセンター
25 契約者の携帯電話
26 訪問者の携帯電話
27 ドアロックシステム(ホーム)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的にロックされたドアロックを必要時に本人が予め設定し所定の暗証番号を入力してアンロック可能にするドアロック操作方法において、
前記ドアロックのアンロックを希望する者(訪問者)のコンタクトに応じて前記ドアロックをアンロック可能にする仮暗証番号を設定するステップと、
該設定された仮暗証番号を前記訪問者に通知するステップと、
前記訪問者が前記仮暗証番号を使用して前記ドアロックをアンロックしたことを前記本人へ通知するステップと
を備えることを特徴とするドアロック操作方法。
【請求項2】
前記仮暗証番号の設定は、前記本人による携帯電話を含む通信手段によりサービスセンターへ送信して行うことを特徴とする請求項1に記載のドアロック操作方法。
【請求項3】
前記仮暗証番号は、予め決められた有効期間を有し、該有効期間の終了後には自動的に消去されることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアロック操作方法。
【請求項4】
ドアロックを管理運営するサービスセンターと契約する1以上の契約者が自己のドアロックの暗証番号メモリに記憶された暗証番号を暗証番号入力部から入力して前記ドアロックをアンロックすると共に前記契約者により許可された訪問者が特定の暗証番号を使用して前記ドアロックをアンロック可能にするドアロックシステムにおいて、
前記契約者が前記サービスセンターと通信する通信手段と、
該通信手段により前記暗証番号メモリに記憶する暗証番号を変更設定する暗証番号設定手段と、
該暗証番号設定手段により前記設定された自己の暗証番号と異なる仮暗証番号を前記訪問者用に設定して前記暗証番号メモリに記憶する仮暗証番号設定手段と、
該仮暗証番号設定手段で設定された前記仮暗証番号を前記訪問者に通知する仮暗証番号通知手段と、
前記訪問者により前記ドアロックがアンロックされたことを前記契約者に通知するアンロック通知手段と
を備えることを特徴とするドアロックシステム。
【請求項5】
前記暗証番号および前記仮暗証番号は、携帯電話網およびインターネット網を含む通信手段により設定することを特徴とする請求項4に記載のドアロックシステム。
【請求項6】
前記仮暗証番号は、前記ドアロックのアンロックを可能にする予め設定された有効期限を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のドアロックシステム。
【請求項7】
前記暗証番号メモリの内容の変更は、予め指定されたメールアドレスへ通知されることを特徴とする請求項4、5又は6に記載のドアロックシステム。
【請求項8】
前記有効期限の満了した仮暗証番号は、前記暗証番号メモリから自動的に消去され、前記契約者に通知されることを特徴とする請求項6に記載のドアロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−82038(P2008−82038A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263741(P2006−263741)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】