説明

ドライフィルムレジストロール

【課題】エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として、レジストのしみ出しが抑制され、かつ密着解像性に優れたドライフィルムレジストロールの提供。
【解決手段】感光層を有するドライフィルムレジストを、ロール状に巻き取ったフィルムロールの端面に乾燥剤を設けて成るドライフィルムレジストロールであって、該感光層が感光性樹脂組成物を含有し、該感光性樹脂組成物が、該組成物全量に対して、(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、及び(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含有し、該感光層の70℃における溶融粘度が10000Pa・sec以上100000Pa・sec以下であることを特徴とする、ドライフィルムレジストロール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライフィルムレジストロールに関し、更に詳しくはプリント回路板、リードフレーム、半導体パッケージ等製造に適したアルカリ現像可能なドライフィルムレジストロールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン又は携帯電話等に用いられる電子機器の軽薄短小化が加速し、これに搭載されるプリント配線板又はリードフレーム、BGA、CSP等のパッケージには狭ピッチのパターンが要求されている。印刷配線板、リードフレーム、及び半導体パッケージ等の製造、並びに金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として光重合性樹脂組成物、及びそれを用いたドライフィルムレジストを使用することが知られている。ドライフィルムレジストは、一般に支持体上に光重合性樹脂組成物層を積層し、さらに前記光重合性樹脂組成物層上に、必要により保護層を積層することにより調製される。ここで用いられる光重合性樹脂組成物層は、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のものが一般的である。
【0003】
ドライフィルムレジストを用いて印刷配線板を調製するためには、まず保護層を剥離した後、銅張積層板又はフレキシブル基板等の永久回路作成用基板上にラミネーター等を用いてドライフィルムレジストを積層し、配線パターンマスクフィルム等を通して露光を行う。次に、必要に応じて支持体を剥離し、現像液により未露光部分の光重合性樹脂層を溶解又は分散除去し、基板上にレジストパターンを形成する。
レジストパターン形成後、回路を形成するプロセスは2つの方法に大別される。
【0004】
第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない銅張り積層板等の銅面をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法である。この場合、工程の簡便さから、貫通孔(スルーホール)を硬化膜で覆いその後エッチングする方法(テンティング法)が多用されている。
【0005】
第二の方法は、第一の方法と同じ銅面上に銅めっき処理を施し、必要であれば更に半田、ニッケル、錫等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに現れた銅張り積層板等の銅面をエッチングする方法(めっき法)である。エッチングには塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液等の酸性エッチング液が用いられる。
【0006】
通常、このようなドライフィルムレジストロールは、ロール状に巻かれて製品化され、市場に流通しているが、このドライフィルムレジスト中の感光性樹脂組成物は粘着性、流動性を有するものである。そのために、保存中に感光性樹脂組成物がロール端面からしみ出し、ロール端部で層間が接着して使用時にロールが巻戻せないという問題、又は巻き戻せても巻戻し作業性を著しく悪くするという問題があった。
【0007】
このような問題点を解決するため、特許文献1及び特許文献2では、フォトレジストフィルムのロール端部にシート状乾燥剤を接触させてることにより、ロール端部を覆った積層体エレメントが提案されており、これらの方法により巻き取り保存時の感光層の端部からのしみ出しを防止することが記載されている。しかしながら、これらの特許文献には、感光層の粘度を低粘度化したときの特段の効果については記載も示唆もなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2730630号公報
【特許文献2】特開2001−188319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として、レジストのしみ出しが抑制され、かつ密着解像性に優れたドライフィルムレジストロールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討し、実験を重ねた結果、予想外に、感光層がある特定の粘度領域にあるときに乾燥剤と組み合わせると、レジストのしみ出し抑制効果が特に大きく、しかも解像度が向上することを発見し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 感光層を有するドライフィルムレジストを、ロール状に巻き取ったフィルムロールの端面に乾燥剤を設けて成るドライフィルムレジストロールであって、該感光層が感光性樹脂組成物を含有し、該感光性樹脂組成物が、該組成物全量に対して、(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、及び(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含有し、該感光層の70℃における溶融粘度が10000Pa・sec以上100000Pa・sec以下であることを特徴とする、ドライフィルムレジストロール。
【0012】
[2] 前記(b)光重合可能な不飽和化合物が、フタル酸(メタ)アクリレート化合物である、[1]に記載のドライフィルムレジストロール。
【0013】
[3] 前記(b)光重合可能な不飽和化合物が、下記式(1):
【0014】
【化1】

【0015】
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、H又はCHであり、Aは、Cであり、Bは、Cであり、n及びnは、1〜29の整数であり、n及びnは、0〜29の整数であり、n+nは、2〜30の整数であり、n+nは、0〜30の整数であり、そして−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物である、[1]又は[2]に記載のドライフィルムレジストロール。
【0016】
[4] 前記(c)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体である、[1]〜[3]のいずれかに記載のドライフィルムレジストロール。
【0017】
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のドライフィルムレジストロールを用いて、基板上に感光性樹脂層を形成する工程、露光工程、及び現像工程を含むレジストパターンの形成方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明のドライフィルムレジストロールは、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、又は金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として用いられ、レジストのしみ出しが抑制され、かつ密着解像性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のドライフィルムレジストは、感光層中に(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ、重量平均分子量が5000〜500000のバインダー用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%とを含有する。この感光層は、感光性樹脂組成物を用いて調製してよい。したがって、この感光層は、感光性樹脂組成物を含む。また、この感光性樹脂組成物は、該組成物全量に対して、(a)バインダー用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、及び(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含む。(a)バインダー用樹脂、((b)光重合可能な不飽和化合物及び(c)光重合開始剤は、それぞれ1種類又は複数の化合物を含んでよい。
【0020】
本発明に用いられる(a)バインダー用樹脂に含まれるカルボキシル基の量については、酸当量が100〜600であり、好ましくは300〜400である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する重合体の質量をいう。
【0021】
重合体中のカルボキシル基は、アルカリ水溶液に対する現像性及び剥離性を感光層に与えるために必要である。酸当量が100未満では、現像耐性が低下し、解像性及び密着性に悪影響を及ぼし、一方、600を超えると、現像性及び剥離性が低下する。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
【0022】
本発明に用いられる(a)バインダー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜500000である。重量平均分子量が、500000を超えると現像性が低下し、一方、5000未満ではテンティング膜強度が低下し、エッジフューズが起こる。プロジェクション露光機を使用してi線単色露光した際の解像度が向上するという点から、重量平均分子量は10000〜40000が好ましい。
【0023】
重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
【0024】
本発明に用いられる(a)バインダー用樹脂は、下記の2種類の単量体からなる群から選択される2つ以上の単量体を共重合させることにより得られる。
【0025】
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、第一の単量体としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。
【0026】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有し、感光層の現像性、エッチング及びめっき工程での耐性、及び硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。このようなものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。また、本発明の好ましい実施態様では、高解像度を得るために、フェニル基を有するビニル化合物(例えば、スチレン)を用いる。
【0027】
本発明に用いられる(a)バインダー用樹脂は、上記単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成されることが好ましい。また、混合物の一部を反応液に滴加しながら、(a)バインダー用樹脂を合成してもよい。また、反応終了後、さらに溶剤を加えて、(a)バインダー用樹脂を所望の濃度に調整してもよい。さらに、合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合又は乳化重合を用いてもよい。
【0028】
本発明に用いられる感光性樹脂組成物全量に対する(a)バインダー用樹脂の割合は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは30〜70質量%である。(a)バインダー用樹脂の割合が、20質量%未満である場合及び90質量%を超える場合には、露光、現像によって形成されるレジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種めっき工程において十分な耐性等を有しない。
【0029】
本発明において、(b)光重合可能な不飽和基含有化合物として、乾燥剤と組み合わせた際の感光層の端部からのしみ出し寿命を長くする効果の観点から、フタル酸系(メタ)アクリレート化合物を含有するのが好ましい。特に下記式(2)において示される化合物が、好ましい。
【0030】
【化2】

【0031】
{式中、Ra、Rbは、下記式(3):
【0032】
【化3】

【0033】
(式中、RcOはオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が特に好ましい。nは0以上の整数を表し、5以下が特に好ましい。Rdは水素原子またはメチル基をあらわす。)または下記式(4):
【0034】
【化4】

【0035】
(式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。)で示される基であり、少なくとも一方は式(3)で示される基である。}
【0036】
本発明において、(b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(1)及び(5)〜(7)で表される化合物を使用することができる。
【0037】
本発明の好ましい実施態様では、解像度の観点から、感光層は、(b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(1):
【0038】
【化5】

【0039】
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、H又はCHであり、Aは、Cであり、Bは、Cであり、n及びnは、1〜29の整数であり、n及びnは、0〜29の整数であり、n+nは、2〜30の整数であり、n+nは、0〜30の整数であり、そして−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の光重合可能な不飽和化合物を含有する。
【0040】
上記式(1)で表される化合物において、n+n及びn+nが30を越えると、相対的にネガ型感光層(A)中の二重結合濃度が低くなるので、充分な感度が得られない。n+nは4〜14が好ましく、n+nは0〜14が好ましい。
【0041】
本発明に用いられる上記式(1)で表される化合物の具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、又はビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)が挙げられる。解像度の観点から、感光性樹脂組成物中の上記式(1)で表される化合物の含有量は1質量%〜50質量%であることが好ましい。
【0042】
本発明の別の実施形態では、感光層は、(b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(5):
【0043】
【化6】

【0044】
(式中、R及びRは、H又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、そしてn、n及びnは、3〜20の整数である。)で表される化合物を含む。
【0045】
上記式(5)で表される化合物は、式中、n、n及びnが3よりも小さいと当該化合物の沸点が低下して、レジストの臭気が強くなり、その使用が困難になり、一方、n、n及びnが20を超えると単位重量当たりの光活性部位の濃度が低くなるため、実用的感度が得られない。
【0046】
本発明に用いられる上記式(5)で表される化合物の具体例としては、例えば、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレートが挙げられる。
【0047】
本発明の別の実施形態では、感光層は、(b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(6):
【0048】
【化7】

【0049】
{式中、Rは、炭素数4〜12のジイソシアナート残基であり、R及びRは、H又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、そしてm、m、m及びmは、0〜15の整数であり、−(OCm1−(OCm3−及び−(OCm2−(OCm4−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックの場合、どちらがアクリロイル基側であってもよい。}で表される化合物を含む。
【0050】
上記式(6)で表される化合物は、m、m、m及びmが、15を超えると十分な感度が得られない。
【0051】
本発明に用いられる上記式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物(例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレート、オリゴエチレングリコールモノメタクリレート、オリゴエチレンプロピレングリコールモノメタクリレート等)とのウレタン化合物等が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応物、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPE−200)との反応物、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴエチレンプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマー70PEP−350B)との反応物が挙げられる。本明細書では、ジイソシアネート残基とは、原料となるジイソシアネート化合物に由来するウレタン結合を含む。
【0052】
本発明の別の実施形態では、感光層は、(b)光重合可能な不飽和化合物として、下記式(7):
【0053】
【化8】

【0054】
{式中、Rは、H又はCHであり、Rは、水素原子又は炭素数1〜14のアルキル基であり、Aは、Cであり、Bは、Cであり、mは、1〜12の整数であり、mは、0〜12の整数であり、mは、1〜3の整数であり、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物を含む。
【0055】
上記式(7)で表される化合物は、m及びmが、12を超えると充分な感度が得られず、一方、mが、14を超えて超えても十分な感度が得られない。
【0056】
本発明に用いられる式(7)で表される化合物の具体例としては、例えば、平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、又は平均8モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製、M−114)などが挙げられる。
【0057】
本発明に用いられる(b)光重合可能な不飽和化合物として、上記の化合物に加えて、下記に示される光重合可能な不飽和化合物を同時に併用することもできる。例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレート等が挙げられる。
【0058】
感光性樹脂組成物全量に対する(b)光重合可能な不飽和化合物の割合は、3〜70質量%の範囲である。この割合が、3質量%未満では感度の点で十分ではなく、一方、70質量%を超えると、保存時に光重合性層がはみ出す。好ましくは、この割合は、10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
【0059】
次に、本発明に用いられる(c)光重合開始剤について説明する。
本発明の好ましい実施形態では、高解像度の観点から、(c)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む。前記トリイミダゾール二量体としては、下記式(8):
【0060】
【化9】

【0061】
(式中、X、Y及びZは、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン基のいずれかを表し、そしてp、q及びrは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。)で表される化合物及び下記式(9):
【0062】
【化10】

【0063】
(式中、X、Y及びZは、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン基のいずれかを表し、そしてp、q及びrは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。)で表される化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体が特に好ましい。
【0064】
さらに、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
【0065】
本発明のさらに好ましい実施形態では、(c)光重合開始剤として、式(8)及び/又は(9)で表される2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体と、ベンゾフェノン及び/又はベンゾフェノン誘導体とを併用する。このようなベンゾフェノン誘導体としては、感度の観点からp−アミノフェニルケトンが特に好ましい。p−アミノフェニルケトンとしては、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0066】
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤との併用も可能である。本明細書では、光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば紫外線等により活性化され、重合を開始する公知の化合物でよい。
【0067】
他の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類と、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル化合物等の三級アミン化合物との組み合わせも挙げられる。
【0068】
また、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等も挙げられる。さらに、N−アリール−α−アミノ酸化合物も用いることも可能であり、これらの中では、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
【0069】
本発明において、感光性樹脂組成物全量に対する光重合開始剤(c)の割合は、0.1質量%〜20質量%である。この割合が0.1質量%未満であると十分な感度が得られず、一方、この割合が20質量%を超えると、露光時にフォトマスクを通した光の回折によるかぶりが発生しやすくなり、その結果として解像性が悪化する。
【0070】
さらに、本発明の感光層には、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。このような着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)等が挙げられる。
【0071】
本発明の感光層には、光照射により発色する発色系染料を含有させることもできる。このような発色系染料としては、例えば、ロイコ染料又はフルオラン染料と、ハロゲン化合物との組み合わせが挙げられる。
【0072】
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。
【0073】
ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェ−ト、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
【0074】
トリアジン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
【0075】
このような発色系染料の中でも、トリブロモメチルフェニルスルフォンとロイコ染料との組み合わせ、又はトリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせが有用である。
【0076】
また、本発明の感光層の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤を含有させることも好ましい。
【0077】
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
【0078】
また、本発明の感光層に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させることもできる。そのような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類及びp−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
【0079】
本発明のドライフィルムレジストは、感光層の70℃における溶融粘度が10000Pa・sec以上100000Pa・sec以下であることを特徴とする。乾燥剤によるにじみ出し抑制によるライフ長寿命化の観点から、溶融粘度は、10000Pa・sec以上50000Pa・sec以下がより好ましく、30000Pa・sec以下がさらに好ましい。上記溶融粘度の範囲では、乾燥剤と組み合わせた際のレジストにじみ出しが特に抑制される。
【0080】
上記感光層の70℃における溶融粘度は、CAPILLARY RHEOMETER CFT−500D(SHIMADZU社製)によって測定される。
【0081】
感光層の厚みは、用途において異なるが、プリント回路板作製の用途では5〜100μmであり、好ましくは5〜50μmである。本発明では、感光層が薄い程解像力は向上し、一方、感光層が厚い程膜強度が向上する。
【0082】
前記感光層を支持層上に積層することにより、本願のドライフィルムレジストを形成する。ここで用いられる支持層としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。活性光を透過する支持層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用できる。
【0083】
支持層のヘーズは5.0以下であるものが好ましい。厚みは薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために、10〜30μmのものが一般的である。
【0084】
支持層と積層した感光層の反対側の表面に、必要に応じて保護層を積層することができる。支持層よりも保護層の方が感光層との密着力が十分に小さく、容易に剥離できることがこの保護層としての重要な特性である。このような保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0085】
本発明のドライフィルムレジストロールは、ドライフィルムレジストをロール状に巻き取ったフィルムロールの端面に乾燥剤を設けて成る。該乾燥剤としては、塩化カルシウム、酸化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシーブ、生石灰、五酸化二リン、硫酸ナトリウム無水塩、硫酸銅無水塩、過塩素酸マグネシウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。特に、にじみ出し寿命長化の観点から酸化カルシウム含有乾燥剤が好ましい。また、これらの乾燥剤は樹脂に練りこんでシート状にしたり、熱可塑性樹脂で挟んでサンドイッチ構造としてもよい。
【0086】
このような乾燥剤の例としては、矢橋マインパルク社製のリング状パルクエース、アイディ社製のアイディシートなどが挙げられる。
【0087】
このドライフィルムレジストを用いたプリント回路板の作製工程は、公知の技術により行われるが、以下に簡単に述べる。
【0088】
保護層がある場合は、まず保護層を剥離した後、感光層を基板、すなわち、プリント回路板用基板の金属表面に加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は、一般的に、40〜160℃である。
【0089】
次に、必要ならば支持層を剥離しマスクフィルムを通して活性光により画像露光する。
【0090】
次いで、感光層上に支持層がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて感光層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いることができる。これらのアルカリ水溶液は感光層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
【0091】
次に、現像により露出した金属面に既知のエッチング法又はめっき法のいずれかの方法を行うことにより、金属の画像パターンを形成する。
【0092】
その後、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液により硬化レジストパターンを剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、1〜5質量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が一般的に用いられる。また、セミアディティブ工法等のようにめっき工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングする場合もある。
【0093】
本発明のドライフィルムを用いてリードフレームを製造する場合、前記の銅張り積層板又はフレキシブル基板等の代わりに、銅、銅合金、鉄系合金等の金属板の片面又は両面に感光層をラミネートし、露光、現像を行った後、エッチングする。最終的に硬化レジストの剥離を行い、所望のリードフレームを得る。
【0094】
また、本発明のドライフィルムレジストを用いて半導体パッケージを製造する場合、LSIとしての回路形成が終了したウェハに光重合性樹脂層をラミネートし、露光、現像を行った後、開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施す。次に硬化レジストの剥離を行い、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
【実施例】
【0095】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
(実施例1〜4、比較例1〜6)
<感光層>
実施例及び比較例において用いた光重合性樹脂組成物の組成を以下の表1に示す。
以下、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について説明する。
【0096】
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における光重合性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<(a)カルボキシル基含有バインダー用樹脂の作製>
まず、下記に示すバインダーを準備した。
(合成例)
窒素導入口、攪拌羽根、ジムロート及び温度計を備えた1000ccの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下でメチルエチルケトン300gを入れ、湯浴の温度を80℃に上げた。次いでメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレートをそれぞれ30/20/50(質量比)の組成比で合計400gの溶液を調製した。この調製液に、アゾビスイソブチロ二トリル3gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を調製し、攪拌しながら2時間かけてこの調製液に滴下した。その後6時間重合した(一次重合)。その後アゾビスイソブチロ二トリル6gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を4時間おきに3回に分けて滴下した後、5時間加熱攪拌した(二次重合)。次いでメチルエチルケトン240gを添加して重合反応物をフラスコから取り出して、バインダー溶液を得た。この時の重量平均分子量は55000、分散度は1.8、酸当量は290であった。得られたバインダー溶液中のメチルエチルケトンを十分に除去し測定した樹脂固形分は、41%であった。
【0097】
<ドライフィルムレジストロールの作製>
表1に示す組成の光重合性樹脂組成物を調製し、よく攪拌、混合し、支持体として19μm厚の幅500mm、長さ200mのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥し、感光層表面上に保護層として23μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせた後、巻芯に巻き取りドライフィルムレジストロールを得た。感光層の厚みは25μmであった。
【0098】
実施例1〜4及び比較例5については、前記ドライフィルムレジストロールの両端面にドーナツ型に加工された乾燥剤シート(矢橋マインパルク(株)社製、商品名:リング状パルクエース)を設置した。
【0099】
<感光層の端部からのしみ出し寿命評価>
前記ドライフィルムレジストロールをポリエチレンチューブに収めた後、20℃、50%の恒温恒湿層へ保管した。毎日端面の状態を確認し、端面全体に滲み出しが初めて確認された日の前日を寿命とした。
【0100】
<基板整面>
解像度、密着性、めっき液耐性及び剥離性評価用基板として、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板表面をスプレー圧0.20MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#220)したものを使用した。
【0101】
<ラミネート>
光重合性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/min.とした。
【0102】
<露光>
超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)により、ストーファー製21段ステップタブレットが7段となる露光量で露光した。
【0103】
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%NaCO水溶液を所定時間スプレーし、光重合性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の光重合性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
【0104】
2.解像度評価方法
ラミネート後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とした。
【0105】
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果を以下の表1に示す。
【0106】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明のドライフィルムレジストロールは、レジストのしみ出しが抑制され、かつ密着解像性に優れるため、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造及び金属の精密加工等の分野においてエッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光層を有するドライフィルムレジストを、ロール状に巻き取ったフィルムロールの端面に乾燥剤を設けて成るドライフィルムレジストロールであって、該感光層が感光性樹脂組成物を含有し、該感光性樹脂組成物が、該組成物全量に対して、(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、及び(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含有し、該感光層の70℃における溶融粘度が10000Pa・sec以上100000Pa・sec以下であることを特徴とする、ドライフィルムレジストロール。
【請求項2】
前記(b)光重合可能な不飽和化合物が、フタル酸(メタ)アクリレート化合物である、請求項1に記載のドライフィルムレジストロール。
【請求項3】
前記(b)光重合可能な不飽和化合物が、下記式(1):
【化1】

{式中、R及びRは、それぞれ独立に、H又はCHであり、Aは、Cであり、Bは、Cであり、n及びnは、1〜29の整数であり、n及びnは、0〜29の整数であり、n+nは、2〜30の整数であり、n+nは、0〜30の整数であり、そして−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物である、請求項1又は2に記載のドライフィルムレジストロール。
【請求項4】
前記(c)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドライフィルムレジストロール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のドライフィルムレジストロールを用いて、基板上に感光性樹脂層を形成する工程、露光工程、及び現像工程を含むレジストパターンの形成方法。

【公開番号】特開2011−149994(P2011−149994A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9019(P2010−9019)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】